JP7775450B2 - メソラクチドを精製する方法 - Google Patents

メソラクチドを精製する方法

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Description

本発明は、メソラクチドを精製する方法に関する。本発明はまた、精製されたメソラクチド並びに精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流を生成する方法に、並びにメソラクチドを精製する工程を含むところの、ポリラクチドを生成する方法に関する。
ラクチド、すなわち乳酸の環状二量体、はポリラクチドポリマーの出発材料として当技術分野において周知であり、それはまた、ポリ乳酸(polylactic acid)又はPLAとして表記される。PLAは、医療用途において、例えば生分解性縫合糸、クランプ、骨プレート及び生物学的に活性な制御された放出装置において、使用されている。加えて、PLAは生分解性であり、再生可能な資源から得ることができる為に、多くの技術的用途、例えば包装、の為に魅力的なポリマーである。ラクチドの3つの立体化学形態、すなわち、2つのL-乳酸モノマーからなるL-ラクチド、2つのD-乳酸モノマーからなるD-ラクチド、及びL-乳酸モノマーとD-乳酸モノマーとからなるメソラクチドがある。L-ラクチドとD-ラクチドとの等モルブレンドはまた、ラセミ(又は、rac-)ラクチド又はD,L-ラクチドとして言及される。
異なるモノマーの量は、結果として得られるPLAの特性、例えば、その結晶化速度及び融点を包含する上記のPLAの特性、に影響を与える。それ故に、PLA中の異なるラクチド立体異性体の相対量を調節することは慣用的である。L-ラクチドとD-ラクチドは互いにエナンチオマーであり、並びに物性、例えば融点及び沸点、は同じであり、従って、同じ蒸留挙動を有する。メソラクチドは、異なる物性を持ち、L-ラクチドやD-ラクチドよりも揮発性が高い。
慣用的に、ラクチドは、乳酸を重合して乳酸オリゴマーを形成すること、及び触媒の存在下で乳酸オリゴマーを解重合してラクチドを形成することの工程を含む方法によって乳酸から製造される。乳酸は多くの供給源から得られることができ、例えば、炭化水素源を発酵培地に供して乳酸を製造し、引き続き、乳酸を単離することによって得られることができる。
乳酸から出発してPLAを製造する統合的な方法は、例えばHenton(Natural Fibers,Biopolymers,and Biocomposites,Edited By Amar K.Mohanty,Manjusri Misra,Lawrence T.Drzal,ISBN 9780849317415,Published April 8,2005 by CRC Press,Chapter 16,Polylactic Acid Technology;D.E.Henton,P.Gruber,J.Lunt,and J.Randall)において記載されている。発酵を通じて得られた乳酸は、縮合重合を通じプレポリマーに転化される。次に、該プレポリマーはラクチドに転化される。該ラクチドは、特には水及び乳酸モノマーを除去することを意図された第1の蒸留工程に付される。次に、該ラクチドは第2の蒸留工程に付され、この工程において、メソラクチドが分離され、その結果、一方ではメソラクチドに富む流れが得られ、他方ではメソラクチド流が減少し、従って、L-ラクチド及び/又はD-ラクチドに富むラクチド流が得られる。該2つの流れの一部が一緒にされ、そして、PLAが開環重合を通じて形成されるところの重合工程に提供されることができる。
L-及び/又はD-ラクチドからメソラクチドを分離する工程により、重合反応器へのメソラクチドの調整された供給が可能になり、結果として、上記に示されたような所望のポリマー条件が得られる。それはまた、メソラクチドとL-及び/又はD-ラクチドとが別個の更なる用途の為に提供されることが可能になる。メソラクチドはまた、該方法における初期段階、例えば重合又は解重合工程に、再利用して戻されることが可能である。
当技術分野において周知であるように、重合方法における汚染物質の存在はしばしば、ポリマー特性に対する有害な影響に関連付けられている。多くのポリマーについて、汚染物質の存在は該ポリマーの望ましくない黄変をもたらすことが示されている。汚染物質の存在はまた、該ポリマーの更なる特性、例えばその分子量、に影響を及ぼしうる。例えば、Auras et al.(Poly(lactic acid):Synthesis,Structures,Properties,Processing,and Applications,2010)は下記旨を述べている:「PLAの為のラクチドモノマーの仕様及び許容される不純物レベルは、重合メカニズムと適用される触媒によって定義される。PLAはバルクでのラクチドのROPによって商業的に生産される。スズ(II)触媒による方法は、不純物、例えば、水、金属イオン、乳酸又は他の有機酸、の無い状態で行われる限り、分子量及び反応速度を良好に制御することができる。それ故に、高分子量PLA(Mw>100kg/モル)の工業的製造の為に、粗ラクチドの精製が不可欠である。事実、ラクチドは乳酸の究極の形であり、脱水された最も純粋な形態である。」
上述された方法において、メソラクチド流と、メソラクチドが枯渇したL-及び/又はD-ラクチド蒸気は、2回の連続した蒸留工程を通じて得られる。それにもかかわらず、どちらか一方又は両方の流れが、更なる不純物を除去する為の更なる精製プロセスに付すことがなお好適でありうる。このことは特に、D-及びL-ラクチドから分離される第2の蒸留工程から結果として生じる相当量の揮発性成分を含んでいてもよいメソラクチドの場合である。
従って、当技術分野において、メソラクチドを精製する方法が必要とされている。そのような方法を商業的規模で行う為には、収率と効率とに関する厳しい要求があることは当業者には明らかであろう。メソラクチドの文脈において、特に避けられるべき影響は、乳酸及び直鎖状乳酸オリゴマーの形成である。一方では、メソラクチドは相対的に高い反応性を有する為に、乳酸及び直鎖状乳酸オリゴマーの形成のリスクが現実的なものとなる。他方では、これらの化合物の形成は、メソラクチドの収率を低下させるだけでなく、それらの存在それ自体がラクチドの乳酸及び直鎖状乳酸オリゴマーへの転化を触媒し、その結果、効果を悪化させる。更に、任意のメソラクチド精製方法は、除去が困難な汚染物質を発生させるべきでなく、十分な、例えばポリマーグレードの純度のメソラクチドを効率的な様式で製造することを可能にするものでなければならない。
本発明は、これらの問題を解決する方法を提供する。
本発明は、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有するメソラクチドを精製する方法であって、
少なくとも75重量%のメソラクチドを含む供給原料、溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収に付す少なくとも一つの工程を少なくとも含み、ここで、該溶媒結晶化の工程は、下記の式:R1-C(=O)-R2(ここで、R1及びR2は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択される)のケトンと下記の式:R3-O-R4(ここで、R3及びR4は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択される)のエーテルとのグループから選択される少なくとも1つの化合物を、合計で少なくとも70重量%含む溶媒中で行われ、該溶媒は、供給原料及び溶媒の合計に対して計算して5~50重量%の量で存在し、該溶媒結晶化条件が、該供給原料中の該メソラクチドの少なくとも15%が固体の形態で結晶化するように選択され、
ここで、溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の最終工程から回収された該固体のメソラクチドが、20meq/kg以下の遊離酸含有量を有するところの上記の方法に関する。
本発明の様々な特徴の組み合わせにより、乳酸及び直鎖状乳酸オリゴマーの生成を最小限に抑えながら、効率的な様式で高純度且つ高収率でメソラクチドを与える方法が結果として得られることが見出された。
メソラクチドを溶媒結晶化に付す可能性については、先に記載されているとおりであることに留意されたい。
米国特許第US5,053,485号明細書は、メソラクチドと所望により他のモノマーとのポリマーの製造を記載する。この文献において、DLラクチドが、例えばトルエン中で結晶化され、そして、メソラクチドとトルエンから主になる母液から単純に分離されることができる。この母液を蒸発させた後に、メソラクチド、遊離酸及び副生成物からなる液体が残る。粗メソラクチドは溶媒から回収し、そして再結晶されることができる。エタノール、シクロヘキサン、トルエン/シクロヘキサン(1:1)、トルエン/エタノール(1:1)及びメチルエチルケトンが溶媒として挙げられており、イソプロピルアルコール(IPA)が好ましい溶媒として示される。結晶化工程が長く続く場合には、最終的なメソラクチドの遊離酸含有量があまりにも高くなり、一方、収率があまりにも低くなる為に、結晶化は迅速に進行させることが許されるべきであることが示されている。本文書には結晶化の例が提供されていない。
米国特許第US5,214,159号明細書は、D,L-ラクチドからメソラクチドを分離することを含むメソラクチドの調製に向けられている。メソラクチドは更なる精製の為に再結晶されてもよいことが示されている。好ましい溶媒は、C1-C4アルコール、好ましくはイソプロパノール、又はトルエンである。これらの文献は、本発明の具体的な溶媒結晶化手順を記載していない。
米国特許第US5,364,086号明細書は、粗ラクチドを精製する方法であって、該方法において、粗ラクチドが貧溶媒と良溶媒とを用いて再結晶されるところの上記方法を記載する。結晶化において、両方の溶媒が同時に存在する。貧溶媒と良溶媒との比は1:1~5:1の範囲である。良溶媒の例としてメチルエチルケトンが挙げられている。この文献は、少なくとも75重量%のメソラクチドを含む供給原料を、少なくとも70重量%のケトンを含む溶媒5~50重量%で結晶化させることは記載されていない。この文献はまた、ラクチドの遊離酸含有量及び結晶化するラクチドの量を記載していない。
本発明に従う方法は、
a)乳酸を反応させて低分子量ポリ乳酸を形成すること、
b)該低分子量ポリ乳酸を解重合して、メソラクチドとL-ラクチド及び/又はD-ラクチドとを含む粗ラクチドを形成すること、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優勢ラクチドである、
の工程を含む方法からの精製されたメソラクチド及び精製されたL-又はD-ラクチド流の製造における特定の用途が見出された。
このタイプの方法は一般的に、メソラクチドを含む粗ラクチド、並びにL-ラクチド及び/又はD-ラクチドを生成し、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優性ラクチドであり、上述されているように、該粗ラクチドは、しばしば分離されて、メソラクチド流と、メソラクチドが枯渇した流れを形成し、それは、本明細書において精製されたL-及び/又はD-ラクチド流として示されるであろう。この分離工程において形成されたメソラクチド流は、本明細書において記載された溶媒結晶化プロセスによって処理されることができる。このことは、直接行われることができる。事前の結晶化は必要でない。
従って、本発明はまた、
a)乳酸を反応させて低分子量ポリ乳酸を形成すること、
b)該低分子量ポリ乳酸を解重合して、メソラクチドとL-ラクチド及び/又はD-ラクチドとを含む粗ラクチドを形成すること、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優勢ラクチドである、
c)該粗ラクチドからメソラクチドを1以上の工程において分離すること、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の形成がもたらされる、
d)少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流を精製プロセスに付すこと、ここで、該精製プロセスが、本明細書において記載された溶媒結晶化プロセスである、並びに、
製されたメソラクチド並びに精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチドの流れを回収すること
の工程を含む、精製されたメソラクチド及び精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流を製造する方法に関する。分離工程c)と工程d)において行われる溶媒結晶化プロセスとの間には、中間結晶化工程は行われない。特には、工程c)において形成された、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流は、如何なる中間精製又は濃縮工程無しに、工程d)において直接処理されてもよい。
本明細書において記載された該溶媒結晶化プロセスはまた、ポリラクチドを製造する方法内に組み込む為に特に魅力的である。それ故に、本発明はまた、
a)乳酸を反応させて低分子量ポリ乳酸を形成すること、
b)該低分子量ポリ乳酸を解重合して、メソラクチドとL-ラクチド及び/又はD-ラクチドとを含む粗ラクチドを形成すること、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優勢ラクチドである、
c)該粗ラクチドからメソラクチドを1以上の工程において分離すること、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の形成がもたらされる、
d)少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流を精製プロセスに付すこと、ここで、該精製プロセスが、本明細書において提示された方法である、並びに、
e)該精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部、該精製されたメソラクチドの少なくとも一部、又は該精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部と該精製されたメソラクチドの少なくとも一部との組み合わせを重合工程に付して、ポリラクチドを形成すること
の工程を含むポリラクチドを製造する方法に関する。この場合においても、分離工程c)と工程d)において行われる溶媒結晶化プロセスとの間には、中間結晶化工程は行われない。特には、工程c)において形成された、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流は、如何なる中間精製又は濃縮工程無しに、工程d)において直接処理されてもよい。
本発明及びその様々な実施形態の更なる利点は、更なる明細書の記載から明らかになるであろう。
図1は、光学顕微鏡写真を示す。
本発明は、以下においてより詳細に記載されるであろう。
該溶媒結晶化の工程を実施する理由は、汚染物質、特には酸性汚染物質、の存在である。従って、該該溶媒結晶化の工程に提供されるメソラクチド供給原料は、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する。該遊離酸含有量は、水を含まないメタノール中で、例えばナトリウムメチラート又はカリウムメチラートを用いた滴定によって決定されることができる。
該遊離酸含有量はメソラクチドの供給源に依存し、はるかに高い場合がありうる。事実、より高い遊離酸含有量を有する供給原料を処理する為に特に魅力的である。なぜならば、本発明に従う方法は、例えば溶融結晶化又は蒸留と比較して、相対的に低温で実施されるからである。上記で示されているように、遊離酸の存在は、該供給原料の反応性を増加させ、そして、本方法の低温は、結晶化の間に生じる副反応を最小限に抑えるのに役立つ。それ故に、幾つかの実施態様において、該メソラクチド供給原料は、少なくとも50meq/kg、好ましくは少なくとも80meq/kg、特には少なくとも120meq/kg、又は少なくとも150meq/kg、の遊離酸含有量を有する。上限は重要でない。700meq/kgが上限として挙げられうる。一般的に、該遊離酸含有量はより低く、例えば400meq/kg以下、特には300meq/kg以下、しばしば200meq/kg以下、である。
本発明に従う方法の出発原料は、少なくとも75重量%のメソラクチドを含む供給原料である。メソラクチドの量は、該溶媒結晶化の工程に供給される供給原料で計算される。該供給原料は、少なくとも80重量%のメソラクチド、より特には少なくとも90重量%のメソラクチド、幾つかの実施態様においては少なくとも95重量%のメソラクチド、を含むことが好ましい。ラクチド組成物中のメソラクチドの量は、溶離液として水/アセトニトリル混合液を用い及びUV検出器を用いたHPLCを用いて分析されてもよく、ここで、最初に、乳酸及びラクトイル乳酸が溶出し、次に、メソラクチド、更に溶出時間が長くなるとL-及びD-ラクチド、そして、乳酸のオリゴマーが溶出する。
供給原料は更に、揮発性酸、例えば、酢酸、ピルビン酸、コハク酸及び無水物、を、典型的には1重量%よりかなり低い量で含んでいてもよい。更なる化合物は、2,3-ブタンジオール、及び発酵の間に形成されうる他のヒドロキシ酸(のエステル)を包含する。これらは数十~数千ppmで存在しうる。本発明に従う方法はまた、メソラクチド中のこれらの化合物の存在を減少させる。
1つの実施態様において、メソラクチドを含む供給原料は液体の形態で提供される。それは例えば、蒸留工程後の凝縮器(condenser)から得られうる。
該メソラクチド供給原料は、下記式:R1-C(=O)-R2(ここで、R1及びR2は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択される)のケトン及び下記式:R3-O-R4(ここで、R3及びR4は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択される)のエーテルのグループから選択される少なくとも1つの化合物を、合計で少なくとも70重量%含む溶媒中で溶媒結晶化の工程に付される。
本明細書に開示されるようなケトン又はエーテルの使用が本発明の重要な特徴である故に、該溶媒は、その全体の少なくとも80重量%、より特には少なくとも90重量%、更に特には少なくとも95重量%、更に特には少なくとも98重量%について、上記で規定されるようなケトン及びエーテルのグループから選択される少なくとも1つの化合物からなることが好ましい。
該溶媒は、アルコール、エステル及び芳香族溶媒の各々の5重量%未満、特には2重量%未満、より特には1重量%未満、を含むことが好ましい。アルコール及びエステルの存在は、該アルコール及びエステルがラクチド又は混合物中に存在する汚染物質と反応しうる為に不利である。芳香族溶剤の存在は、それに関連付けられた環境及び食品接触の懸念の観点から不利である。
ケトンが式R1-C(=O)-R2で使用される場合、R1及びR2は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択され、R1はメチルであることが好ましい。R1がメチルであり、並びにR2がメチル、エチル及びイソブチルから選択されることが更に好ましい。R1及びR2の両方がメチルであることが特に好ましい。R1及びR2の両方がメチルである場合には結果としてジメチルケトン又は2-プロパノン(アセトンとしてまた知られている)であることが特に好ましい。
式R3-O-R4のエーテルが使用される場合に、R3及びR4は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択され、R1はメチル、エチル又はイソプロピルであることが好ましい。R3及びR4は独立して、メチル、エチル又はイソプロピルから選択されることが特に好ましい。好ましいものとしてジイソプロピルエーテルが挙げられうる。
ケトンの使用はエーテルの使用よりも好ましいことがわかっている。
本明細書において記載された特定の溶媒、特に好ましい溶媒、を使用することにより、結果として、遊離酸不純物の良好な分離を伴う効率的な結晶化プロセスが得られ、ここで、該結果として得られたメソラクチドが母液から効率的に分離されることができることが見出された。特には、特定の溶媒、特にはアセトン、を使用して形成されたメソラクチド結晶スラリーは、魅力的な濾過特性を有することが見出された。このことは、結晶が、スラリー中、例えば懸濁晶析(suspension crystallisation)中、で形成される場合に、慣用的な濾過機器、例えばベルトフィルター、を使用して、該結晶が母液から効率的に分離されることができることを意味する。加えて、該結晶は、追加の溶媒で容易に洗浄されることができ、それにより、メソラクチドの遊離酸含有量が更に減少されることが判明した。
上記に示されているように、該溶媒は、本明細書において特定されるケトン及びエーテルのグループから選択される少なくとも1つの化合物を、合計で少なくとも70重量%含む。様々な化合物の混合溶媒の使用が原理的には可能であるが、一般的には必要又は好ましいとは考えられていない。従って、1つの実施態様において、該溶媒は、本明細書において特定されたケトン及びエーテルのグループから選択される化合物を、合計で少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より特に好ましくは少なくとも90重量%、なおより特に好ましくは少なくとも95重量%、更により特に好ましくは少なくとも98重量%、含む。
該メソラクチドは、溶媒結晶化の対象であるべき溶液が、供給原料と溶媒の合計で計算した5~50重量%の溶媒含有量を有するような量で溶媒中に溶解される。選択された溶媒中へのメソラクチドの溶解性は非常に良好であり、該溶媒中へのメソラクチドの必要な溶解を得る為には限られた量の溶媒、すなわち50重量%以下、で十分であることが分かっている。方法効率の観点からは、溶媒は少ない方が好ましいと考えられる。それ故に、幾つかの実施態様において、40重量%以下が使用され、特には35重量%以下、幾つかの実施態様において30重量%以下、の溶媒が使用される。5重量%という値が最小であることが分かっている。この値を下回ると、一般的に溶解度が不十分となり、適切な溶解、結晶化及び分離挙動が得られない。溶媒含有量は少なくとも10重量%であることが好ましい場合がある。
溶媒の正確な量は、溶媒の性質、並びに溶媒及びメソラクチドの混合物の温度に依存するであろう。温度が高いほど、溶媒中のメソラクチドの溶解度が高くなり、その結果、溶媒中のメソラクチドの溶液を得る為に必要な溶媒の量が少なくなる。
当業者には明らかなように、水がラクチドの乳酸への加水分解を促進する故に、系中に相当量の水が存在することは避けなければならない。従って、水を含まない溶媒を使用すること、そうでなければ水の存在を防ぐ為に必要な措置を講じることが好ましい。
該溶媒中のメソラクチド溶液が一旦得られると、該溶液が結晶化条件にもたらされる。結晶化は、温度における低下によって、溶媒の除去によって、又はそれらの組み合わせによって、例えば溶媒の蒸発を通じて、促進されうる。1つの実施態様において、該溶液の温度は、例えば50℃未満、特には45℃未満、より特には40℃未満、なおより特には35℃未満、更により特には30℃未満、の値まで低下される。工業的な観点からは、0℃未満の作業は現実的ではない場合がある。下限として5℃、特には10℃、が挙げられうる。当業者には明らかなように、温度は結晶収率に影響し、低い温度ほど高い収率が得られる。好適な温度は、溶媒の性質及び量、並びに個々の結晶化工程における所望の結晶収率に依存するであろう。
溶液の飽和状態に依存して、結晶化が種晶の添加によって促進されうる。
該溶媒結晶化の工程は、該供給原料中のメソラクチドの少なくとも15%が固体の形態で結晶化するように行われる。最適な量は、固体のメソラクチドから不純物を含む母液を効率的に分離できる方法及び能力に依存するであろう。一般的に、結晶化する量が少ないと、結晶が大きくなり、濾過及び洗浄特性が向上し、従って純度が高くなる。一方、より高い量は、より高い全体的な方法効率に関連づけられてもよい。1つの実施態様において、該溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つ、好ましくは全て、が、供給原料中のメソラクチドの少なくとも20%、特には少なくとも25%、より特には少なくとも30%、が固体の形態で結晶化されるように行われる。逆に、結晶化レベルが80%を超えると、スラリーの粘度が高くなりすぎて、効果的な撹拌及び圧送ができなくなる場合があり、結晶の消耗が起こり、液体と固体の分離がうまくいかなくなる場合がある。従って、80%以下で運転することが好ましい場合がある。特定の実施態様における好ましい結晶化レベルはまた、溶媒の種類及び濃度、並びに方法の構成に依存するであろう。
上に示されているように、本発明に従う方法は、メソラクチドの遊離酸含有量を減少させる効率的な方法である。このことは、出発物質の遊離酸含有量を生成物結晶の遊離酸含有量で割った値として定義される低減係数(reduction factor)を通じて表されることができる。従って、低減係数1は、遊離酸含有量が減少していないことを意味する。低減係数2は、遊離酸含有量が半分になったことを意味する。本発明に従う方法により、1回の結晶化工程で少なくとも2、多くの実施態様において少なくとも3、又は少なくとも4、並びに幾つかの実施態様において更に高い低減係数を達成することが可能であることが見出された。本明細書の教示に基づき、溶媒の性質及び量、並びに結晶化温度を、各結晶化工程について所望の低減係数が達成されることできるように選択することは、当業者の範囲内である。
好適な機器は、静的晶析装置(static crystalliser)、削壁晶析装置(scraped-wall crystallizer)及び撹拌容器(stirred vessel)の使用を包含する。撹拌容器による懸濁晶析(Stirred vessel suspension crystallizations)は、外壁冷却若しくは蒸発冷却又はそれらの両方によって冷却されうる。好適な機器は当業者に知られており、本明細書において更なる説明は必要ない。形成されるメソラクチド結晶の良好な濾過特性の観点からも、撹拌容器中での懸濁晶析が好ましいと考えられる。該結晶は遠心分離を通じて回収されることができるが、濾過を通じた回収が好ましいと考えられる。ベルトフィルターの使用が特に魅力的でありうる。
必要であれば、溶媒から回収されたメソラクチド結晶が更に溶媒で洗浄されて、該結晶に付着した不純物が除去されうる。メソラクチドが洗浄溶媒に溶解するのを防ぐ為に、洗浄溶媒は一般的に、相対的に低温、すなわち、溶媒結晶化が行われる温度、一般的にはそれ以下、の温度で行われる。
1つの実施態様において、溶媒結晶化が、懸濁晶析として行われ、引き続き、濾過、好ましくはベルトフィルター上での濾過、による結晶の回収が行われ、引き続き、結晶の洗浄が行われ、好ましくは同じくベルトフィルター上で結晶の洗浄が行われる。固液分離工程の為の別の好ましい方法は遠心濾過であり、ここで、母液は結晶から効率的に分離されうる。
本発明に従う方法において得られる結晶の溶媒含有量は相対的に低く、例えば1重量%未満、特には0.7重量%未満、より特には0.5重量%未満、でありうることが見出されている。溶媒の相対的に高い揮発性の結果として、該結晶における溶媒含有量は、溶媒を蒸発させることによって、例えば亜大気圧下で溶媒を蒸発させることによって、容易に更に減少させることができる。
該結晶化工程において結晶化するメソラクチドの量に依存して、該固体のメソラクチドから分離された母液は、まだかなりの量のメソラクチドを含む可能性がある。母液は所望に応じて処理されることができる。母液は再加熱され、そして再利用されて、更なるメソラクチドを溶解させることができる。母液がまた、更なる結晶化工程に付されて、追加のメソラクチドが回収されることができる。母液がまた、該方法から排出されることができ、又は加水分解して技術等級の乳酸を得ることができる。該母液の処理方法は、該母液中に存在するメソラクチドの量に依存するだけでなく、汚染物質の量にもまた依存するであろう。明らかに、該母液における汚染物質の量が多すぎる場合に、結晶化プロセスへのそれらの再利用は、系内の汚染物質の減少ではなく、むしろ添加をもたらす場合があり、それは避けられるべきである。
本明細書において使用される溶媒の1つの利点は、例えば蒸留を通じて精製することが比較的容易であることである。それ故に、1つの実施態様において、該方法は、使用した溶媒を蒸留工程に付すこと、そして、精製された溶媒をメソラクチド結晶化工程に提供することの工程を包含する。
該溶媒結晶化プロセスから回収されたメソラクチド結晶は、該メソラクチド結晶が該プロセスに入ったときのメソラクチドの汚染物質含有量に比べて減少した汚染物質含有量を有するであろう。それにもかかわらず、該工程に入ったときのメソラクチドの汚染物質含有量及び該プロセスが実施される様式に依存して、汚染物質含有量が依然として許容されることできないほど高い場合がありうる。それ故に、該溶媒結晶化の工程から回収されたメソラクチドを、溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の更なる工程に付すことが好ましい場合があり、該プロセスは必要に応じて繰り返されてもよい。1つの実施態様において、溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の合計2~10回の連続工程、特には2~6回の連続工程、が実行される。
最初の溶媒結晶化及び回収工程について上述された好適事項は、更なる溶媒結晶化及び回収工程にも同様に適用される。これらの工程は、同じ様式で実施されてもよく、又は異なる様式で実施されてもよい。溶媒の効率的な回収及び再利用を可能にする為に、全ての結晶化工程において同じ溶媒を使用することが好ましい。結晶化条件、例えば各工程において結晶化するメソラクチドのパーセンテージ、は異なりうる。
1つの実施態様において、一連の連続した結晶化において、後の結晶化工程から回収された溶媒は、先の結晶化工程に再利用される。これは、後の結晶化工程から回収された溶媒が、先の結晶化工程から回収された溶媒よりも低い汚染物質含有量を有する為に可能である。
プロセス全体の高収率の為に、結晶化工程から廃棄される溶媒から更なるラクチドが回収されうる。このことは全体的な純度を犠牲にする場合があり、最終プロセスは収率と品質との良好なバランスが得られるように選択されるであろう。
本発明に従う方法は、バッチプロセスとして又は連続プロセスとして実施されることができる。
本発明に従う方法において、溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の最終工程から回収された固体のメソラクチドは、20meq/kg以下の遊離酸含有量を有する。該遊離酸含有量は、15meq/kg以下、特には多くても10meq/kg以下、であることが好ましい。メソラクチドの具体的な用途に依存して、該遊離酸含有量をもっと低く、例えば、5meq/kg以下、2meq/kg以下、又は1meq/kg以下、にすることが望ましいことがありうる。許容される遊離酸含有量はまた、更なる用途に適用されるであろうメソラクチドの量に依存するであろう。
上述されているように、1つの実施態様において、本発明のメソラクチド精製方法は、
a)乳酸を反応させて低分子量ポリ乳酸を形成すること、
b)該低分子量ポリ乳酸を解重合して、メソラクチドとL-ラクチド及び/又はD-ラクチドとを含む粗ラクチドを形成すること、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優勢ラクチドである、
c)該粗ラクチドからメソラクチドを分離すること、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の形成がもたらされる、
d)少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流を精製プロセスに付すこと、ここで、該精製プロセスが、本明細書において提示された溶媒結晶化プロセスである、
の工程を含む、精製されたメソラクチド及び精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流を製造する方法内に組み込まれる。
工程a)、b)及びc)は、それ自体当技術分野において知られている。それらは、本明細書において殆ど説明する必要はない。以下のことが留意されうる:
工程a)において、乳酸の縮合重合によって低分子量のポリ乳酸が形成される。該乳酸はしばしば、生物学的プロセスから得られ、そして、一般的に高い光学純度を有する。供給源に依存して、少なくとも90%のL-乳酸、特には少なくとも95%のL-乳酸、より特には少なくとも98重量%、を含みうる。逆に、それは少なくとも90%のD-乳酸、特には少なくとも95%のD-乳酸、より特には少なくとも98重量%、を含みうる。該縮合重合は、当技術分野において知られているように実施されうる。それは一般的に、乳酸を大気圧以下の圧力、例えば50~500mbar、高められた温度、例えば100~200℃、に付して、水を除去して重合を誘導することを含む。得られる平均重合度は一般的に、5~20である。
次に、工程a)において得られた低分子量のポリ乳酸は解重合工程に付されて、低分子量のポリ乳酸をラクチドに転化する。解重合はまた、当技術分野において知られている。解重合は、一般的に触媒の存在下で行われる。金属含有触媒がしばしば使用され、特にはスズ、亜鉛、アルミニウム、鉛、アンチモン、鉛、カルシウム及び、マグネシウムをベースとする触媒が、例えばハロゲン化物塩、又は有機酸、例えば脂肪酸、の脂肪酸の塩の形態、で使用される。スズ(II)ビス(2-エチルヘキサノエート)はしばしば商業的に使用される。ラクチド合成触媒の典型的な濃度は20~2000ppmである。反応条件は、温度160~260℃、圧力5~100mbar、及び滞留時間10分~8時間である。
解重合工程からの生成物は、メソラクチド並びにL-及び/又はD-ラクチドを含む粗ラクチドであり、ここで、L-又はD-ラクチドが優勢ラクチド(predominant lactide)であり、他方は非優勢ラクチド(non-predominant lactide)である。どのラクチドが優勢ラクチドであるかは、出発物である乳酸の立体化学に依存するであろう。一般的には、L-ラクチドが優勢なラクチドであろう。粗ラクチドはまた、水及び乳酸を含む。
当業者には明らかなように、該粗ラクチドは、メソラクチド、L-ラクチド及びD-ラクチドから選択される優勢ラクチド、及び、任意的に、反応条件及び以前の分離工程に依存して、D-ラクチド及びL-ラクチドから選択される非優勢ラクチドを含む。本明細書において、(一方では)メソラクチド、及び(他方では)L-ラクチド及び/又はD-ラクチドとして表記されるであろう。
工程c)において、メソラクチドが粗ラクチドから1以上の工程で分離され、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流とを形成する。この分離は1以上の工程で実施されることができる。一般的に、該粗ラクチド流は、まず第1の蒸留工程に付され、ここで、水、乳酸及び他の低沸点不純物が系から除去される。次に、該ラクチド流は、1以上の工程で、所望されているように処理されることができる。1つの実施態様において、ラクチド画分が更に蒸留工程に付され、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流とが形成される。該精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の立体化学的純度は一般的に、D-ラクチドとL-ラクチドとの合計に対して計算されて、少なくとも90%、特には少なくとも94%、より特には少なくとも96%、なおより特には少なくとも98%、の優勢ラクチド、特にはL-ラクチド、からなるようなものであろう。
蒸留工程及びその代替的な分離工程のいずれも、当業界において既知であり、これ以上の説明は必要ない。
従って、本実施態様の方法は、精製されたメソラクチド、及び精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流を生成する。両生成物は所望により処理されることができる。それらは例えば、ラクチドモノマーを含むポリマーの製造の為の重合方法に提供されることができる。それらはまた、高純度乳酸の製造、並びにコーティング、シーラント、接着剤、樹脂及びホットメルト、又はエステルの製造に使用されることができる。
上述されているように、1つの実施態様において、本発明のメソラクチド精製プロセスは、ポリラクチドを製造するプロセス内に組み込まれてもよい。それ故に、本発明はまた、
a)乳酸を反応させて低分子量ポリ乳酸を形成すること、
b)該低分子量ポリ乳酸を解重合して、メソラクチドとL-ラクチド及び/又はD-ラクチドとを含む粗ラクチドを形成すること、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優勢ラクチドである、
c)該粗ラクチドからメソラクチドを1以上の工程において分離すること、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の形成がもたらされる、
d)少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流を精製プロセスに付すこと、ここで、該精製プロセスが、本明細書において提示された方法である、並びに、
e)該精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部、該精製されたメソラクチドの少なくとも一部、又は該精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部と該精製されたメソラクチドの少なくとも一部との組み合わせを重合工程に付して、ポリラクチドを形成すること
の工程を含むポリラクチドを製造する方法に関する。
この方法の工程a)、b)及びc)については、上記された内容を参照されたい。
重合工程e)に関しては、ラクチドモノマーからのPLAの製造は当技術分野において知られており、本明細書において更に説明する必要はない。下記のことに留意されたい。
一般的に、重合は、モノマーを重合反応器に提供することによって行われ、そこで、該重合は、一般的に重合触媒の存在下で、重合条件にもたらすことによって実施される。好適な重合条件は、100℃~225℃、特には130℃~220℃、より特には170℃~210℃、の温度を包含する。
好適な触媒は当技術分野で知られている。該解重合プロセスについて上述された触媒が、本明細書においても適用されうる。触媒は、触媒的に有効な量、例えば、モノマーの重量に基づいて計算された1~2000ppm、で使用される。重合は所望の分子量に達するまで行われるであろう。該所望の分子量に達したときに、遊離酸の生成を防ぐ為に触媒キラーを添加することを通じて触媒は失活させられる場合が多い。
工程e)において、該精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部、該精製されたメソラクチドの少なくとも一部、又は該精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部と該精製されたメソラクチドの少なくとも一部との組み合わせは、ポリラクチドを形成する為に重合工程に付される。このようにして、特許請求の範囲は、メソラクチドのみの重合、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流のみの重合、及びメソラクチドと精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流との組み合わせの重合を包含する。後者の場合に、メソラクチドの量は、最終ポリマーの所望の特性に依存して、一般的に、メソラクチド、D-ラクチド及びL-ラクチドの合計で計算されて2~30重量%の範囲であろう。適切なメソラクチド量の選択は当業者の範囲内である。利用可能なメソラクチドの量に依存して、メソラクチドの一部を重合工程a)又は解重合工程b)に提供することがまた考えられる。これらの工程において、メソラクチドはL-ラクチドとD-ラクチドとにラセミ化されるであろう。
メソラクチドの量は、最終ポリマーの特性に依存して、一般的に、メソラクチド、D-ラクチド及びL-ラクチドの合計で計算されて1~30重量%の範囲であろう。適切なメソラクチド量の選択は当業者の範囲内である。利用可能なメソラクチドの量に依存して、メソラクチドの一部を重合工程a)又は解重合工程b)に提供することがまた考えられる。これらの工程において、メソラクチドはL-ラクチドとD-ラクチドとにラセミ化されるであろう。
当業者には明らかなように、本発明の異なる実施態様は、相互に排他的でない限り組み合わせられることができる。量、濃度、寸法及び他のパラメータが、範囲、好ましい範囲、上限値、下限値、又は好ましい上限値及び下限値の形で表される場合に、得られた範囲が文脈で明確に言及されているか否かにかかわらず、任意の上限値又は好ましい値を任意の下限値又は好ましい値と組み合わせることによって得られる任意の範囲がまた具体的に開示されていることが理解されるべきである。
本明細書において言及される全ての文書は、参照によってその全体が取り込まれるか、代替的には、特に依拠した開示を提供するために取り込まれる。
下記の実施例は、好ましい実施態様の幾つかにおける本発明の実施を説明するものである。特許請求の範囲内の他の実施態様は、当業者には明らかであろう。
実施例1:原理の証明
99重量%超のメソラクチド含有量を有し、34meq/kgの遊離酸含有量を有するところのメソラクチド原料が、以下のように溶媒晶析に付された:固体のメソラクチドが溶媒としてのアセトンと一緒にされた。10重量%と20重量%のアセトンを夫々用いて、2回の実験が行われた。各実験において、溶媒とメソラクチドとの混合物が、底部ガラスフィルターを有する二重ジャケット付きの温度制御容器内で、全てのメソラクチドが溶解する温度まで加熱された。次に、温度が予め評価された結晶化点の直上までゆっくりと下げられた。結晶化を開始させるために種結晶が加えられ、そして、混合物が約50%の結晶含有量でスラリーが得られるまで冷やされた。10%アセトン溶液の場合は31℃、20%アセトンの場合は混合物が更に20℃まで冷やされた。結晶は真空濾過を通じて単離された。結晶化の結果が下記の表において示されている。
これらの実施例は、相対的に低い遊離酸含有量から出発した場合であっても、アセトンを用いた溶媒結晶化を使用することにより、遊離酸を依然として大幅に低減できることを示す(データは未洗浄結晶のものであることに留意されたい)。相対的に少量の溶媒が使用されることができることをまた示す。光学顕微鏡写真が図1において示されている。板状の結晶が形成され、該結晶は大きさ及び形も比較的均一であることがわかる。典型的な結晶サイズは300ミクロンの範囲内であった。該材料の濾過特性は、遊離酸の除去と同様に優れていた。
実施例2:溶媒の選択、結晶化温度、生成物中の溶媒
この実施例において、出発原料は、メソラクチドが粗ラクチドの他の典型的な成分と分離された蒸留方法から得られたメソラクチド供給原料であった。該メソラクチド供給原料は90重量%超のメソラクチドを含んでいた。遊離酸含有量は、貯蔵条件及び時間に依存して変化した。
結晶化が下記の通りに行われた:固体のメソラクチド及び溶媒(合計1リットル)が2リットルのジャケット付きのガラス製フィルター漏斗に加えられた。混合物が55℃まで加熱され、その時点でメソラクチドは溶媒中に完全に溶解された。該混合物が20℃/時で冷やされ、(事前に決定された)理論結晶化温度よりも2℃高い温度まで冷やされた。次に、混合物が2℃/時でゆっくりと冷やされた。メソラクチド種結晶が1℃ごとに加えられた。種結晶がもはや溶解されない温度に該混合物が達したときに、該混合物がその温度で30分間保持された。30分後、該混合物が2℃/時で更に冷やされ、メソラクチドの約50%が結晶化される温度まで冷やされ(溶解度曲線によって予測された)、スラリーを形成した。撹拌は全てのプロセスの間に施与された。
該スラリーガラスフィルターで濾過され、そして母液のサンプルが採取されて溶媒濃度が決定された。該フィルターからの結晶が真空オーブンで乾燥された。
下記の表は、3つの異なる溶媒について、3つの異なる溶媒濃度の場合に行った実験について、結晶化温度と50%ラクチド結晶が得られる温度とを示す。最終的な結晶の溶媒含有量がまた与えられている。
このデータから、全ての実験が高い固形分含有量を有するスラリーの製造の為に適した条件を提供し、一方で、非常に効果的な濾過操作を与えることがわかる。結晶の溶媒含有量は、該結晶の濾過特性の為の尺度とみなしうる。これらの値は非常に低く、結晶及び母液の良好な分離性を提供する。その上、結晶中の溶媒の低い量は、例えば(真空)乾燥又は蒸留を通じて、更なる処理後の残留溶媒の非常に少ない最終量を可能にする為の出発点を提供する。
実施例3:溶媒の選択及び遊離酸含有量
実施例2において提供されている方法及び装置を用いて、91重量%のメソラクチド含有量を有するメソラクチド供給原料を用いて結晶化実験が行われた。供給原料の遊離酸含有量はサンプルごとに異なっていた。下記の表は、該供給原料の遊離酸含有量、生成物の遊離酸含有量、及び低減係数を与えている。
この表から、出発物質中の遊離酸の量が少なく且つ溶媒の量が少ない場合であってさえも、遊離酸含有量における大幅な低減が達成されることができることがわかる。
実施例4:1パス当たりの結晶収率
この実施例において、生成物の収率に対する結晶含有率の影響が調べられた。実施例2の条件下で、50%メソラクチド結晶を得る為の実験と、75%メソラクチド結晶を得る為の実験の2つが行われた。アセトンが溶媒として10%の量で使用された。下記の表は、結晶化温度と、所望のパーセンテージの結晶を得る為に必要とされる温度を与える。
予想される通り、75%の結晶を得る為に必要な温度は、50%の結晶を得る為に必要な温度よりも大幅に低い。
実施例5:二段階結晶化
メソラクチド原料が相対的に高い遊離酸含有量を有する場合に、第1の結晶化工程からの生成物を第2の結晶化工程に付すことが必要な場合がありうる。このことが、本実施例において説明される。供給原料は、90%超のメソラクチド含有量を有した。結晶化が20重量%のアセトンを用いて行われた。
この実施例は、再結晶により、遊離酸含有量が減少し且つ結晶溶媒含有量が減少した製品をもたらすことを示す。それはまた、遊離酸の出発量に関係無しに、遊離酸についての高い精製係数が達成されうることを示す。
実施例6:遠心分離を通じた結晶回収
結晶を真空濾過ではなく遠心分離を使用して分離された以外は、実施例2の条件下で20%アセトンを使って実験が行われた。遠心分離により、同じ溶媒含有量を使用して実施例2において得られた1重量%ではなく、0.5重量%の溶媒含有量を有する結晶を与えたことが明らかであった。供給原料及び生成物の遊離酸含有量が下記の表に提供されている。
明らかに、結晶の溶媒含有量が低いことは、製品の遊離酸含有量が低いことに関連付けられる。このことは、該結晶に付着した溶媒中に遊離酸が濃縮されていることを意味する。このことは、該結晶を更なる溶媒で洗浄することにより、製品の遊離酸含有量の低下をもたらすであろうことを意味する。
実施例7:静的晶析装置
溶媒結晶化が、1Lの三角フラスコ中、静的条件下で行われた。最初に、500gのメソラクチドを融解させ、55℃で撹拌し、温度が52℃以上に保たれるように注意しながら、合計100gのアセトンをゆっくりと加えた。引き続き、この溶液が、周囲条件下で一晩、室温まで静的に冷やされた。
下記の表は、供給原料及び製品の特性を提供する。
静的溶媒結晶化はまた、減少した遊離酸含有量を有するメソラクチド結晶を与えることができることがわかる。その上、任意的に洗浄工程により更なる精製が可能であるという証拠が提供される。そのような更なる洗浄工程では、収率に影響を与える為、結晶の溶解を可能な限り制限するよう注意がされるべきである。
実施例8(比較例):より高い溶媒含有量
この実施例において、50重量%超の溶媒を使用した場合の効果が調べられた。500gのメソラクチドが55℃で溶融撹拌され、そして、温度が52℃超にになるように注意しながら750gのアセトンがゆっくりと加えられた。溶媒含有量は、メソラクチド及び溶媒の合計で計算されて60重量%であった。この溶液が冷やされ、そして、メソラクチドの種(seeds)が様々な温度で添加された。該結果が下記の表において与えられている。
各試験温度において、シードが溶解した。このことは、この量の溶媒では、経済的に魅力的な温度での結晶化が不可能であることを意味する。
実施例9(比較例):溶媒としてのイソプロパノール
実施例1において記載されたのと同様に、固体のメソラクチド粒子が、溶媒としてのイソプロパノールと20重量%(メソラクチドとイソプロパノールの合計で計算された)の量で一緒にされた。溶媒とメソラクチドとの混合物が、底部ガラスフィルターを有する二重ジャケット付きの温度制御容器内で加熱され、メソラクチドを溶解させて溶媒結晶化が行われた。しかしながら、メソラクチドのイソプロパノール中への溶解度は非常に低く、従って、メソラクチドの融点未満の温度ではメソラクチドをイソプロパノール中に溶解させることができなかった。従って、20重量%のイソプロパノールの存在下において、溶媒結晶化を行うことは不可能であった。メソラクチドのイソプロパノール中への溶解性の更なる調査により、メソラクチドを溶解する為のイソプロパノールの能力は、本発明に従う溶媒の場合よりも有意に低いことがわかった。残留アルコール溶媒の存在により、ラクチドから製造されるポリマーの最大到達分子量が制限されることがまた留意されるべきである。なぜならば、アルコールがエステル化反応において反応しうるからである。
本発明は、以下も提供する。
[項1]
少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有するメソラクチドを精製する方法であって、
少なくとも75重量%のメソラクチドを含む供給原料を、溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収に付す少なくとも一つの工程を含み、ここで、前記溶媒結晶化の工程は、下記の式:R1-C(=O)-R2(ここで、R1及びR2は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択される)のケトン及び下記の式:R3-O-R4(ここで、R3及びR4は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択される)のエーテルのグループから選択される少なくとも1つの化合物を、合計で少なくとも70重量%含む溶媒中で行われ、前記溶媒は、供給原料及び溶媒の合計に対して計算して5~50重量%の量で存在し、前記溶媒結晶化条件が、前記供給原料中の前記メソラクチドの少なくとも15%が固体の形態で結晶かするように選択され、
ここで、溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の最終工程から回収された前記固体のメソラクチドが、20meq/kg以下の遊離酸含有量を有する、
前記方法。
[項2]
溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の合計2~10回の連続工程、特には2~6回の連続工程、が実行される、項1に記載の方法。
[項3]
溶媒結晶化の前記工程が、溶媒中で行われ、前記溶媒は、その合計の少なくとも80重量%、より特には少なくとも90重量%、なおより特には少なくとも95重量%、更により特には少なくとも98重量%について、項1において特定されるケトン及びエーテルのグループから選択される少なくとも1つの化合物からなる、項1又は2に記載の方法。
[項4]
溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の前記工程のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての工程、において、R1がメチルであり、並びにR2が好ましくは、メチル、エチル及びイソブチルから選択されるケトン溶媒が使用され、ここで、R1及びR2がより好ましくは両方ともメチルである、項1~3のいずれか1項に記載の方法。
[項5]
溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の工程のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての工程、において、R3及びR4が独立して、メチル、エチル又はイソプロピルから選択されるエーテル溶媒が使用され、ここで、R3及びR4がより好ましくは両方ともイソプロピルである、項1~3のいずれか1項に記載の方法。
[項6]
アセトンが溶媒として使用される、項1~5のいずれか1項に記載の方法。
[項7]
溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての工程、が、前記供給原料中の前記メソラクチドの少なくとも20%、特には少なくとも25%、より特には少なくとも30%、及び/又は80%以下、が固体の形態で結晶化するように行われる、項1~6のいずれか1項に記載の方法。
[項8]
メソラクチドを含む前記供給原料が、少なくとも50meq/kg、好ましくは少なくとも80meq/kg、特には少なくとも120meq/kg、又は少なくとも150meq/kg、及び/又は700meq/kg以下、特には400meq/kg以下、より特には300meq/kg以下、多くの場合には200meq/kg以下、の遊離酸含有量を有する、項1~7のいずれか1項に記載の方法。
[項9]
メソラクチドを含む前記供給原料が、少なくとも80重量%のメソラクチド、なおより特には少なくとも90重量%のメソラクチド、更により特には少なくとも95重量%のメソラクチド、を含む、項1~8のいずれか1項に記載の方法。
[項10]
40重量%以下、特には35重量%以下、より特には30重量%以下、特には少なくとも10重量%、の溶媒が使用される、項1~9のいずれか1項に記載の方法。
[項11]
溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の最終工程から回収された前記固体のメソラクチドが、15meq/kg以下、特には10meq/kg以下、例えば5meq/kg以下、2meq/kg以下、又は1meq/kg以下、の遊離酸含有量を有する、項1~10のいずれか1項に記載の方法。
[項12]
溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての工程、が、溶媒と供給原料との混合物の温度を40℃未満、特には30℃未満、及び/又は少なくとも10℃、に低下させた状態で行われる、項1~11のいずれか1項に記載の方法。
[項13]
溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての工程、が、溶媒の蒸発下で行われる、項1~12のいずれか1項に記載の方法。
[項14]
溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての工程、が、静的晶析装置、削壁晶析装置、又は撹拌容器において行われ、撹拌容器が好ましい、項1~13のいずれか1項に記載の方法。
[項15]
溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての工程、が、撹拌容器において行われ、ここで、前記固体のラクチドが、濾過、例えばベルトフィルター又は遠心濾過、を使用して、特にはベルトフィルターを通じて、回収される、項14に記載の方法。
[項16]
溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の工程から回収された前記固体のメソラクチドが、洗浄工程、特には溶媒を用いた洗浄工程、に付される、項1~15のいずれか1項に記載の方法。
[項17]
精製されたメソラクチド並びに精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流を生成する方法であって、
a)乳酸を反応させて低分子量ポリ乳酸を形成すること、
b)前記低分子量ポリ乳酸を解重合して、メソラクチドとL-ラクチド及び/又はD-ラクチドとを含む粗ラクチドを形成すること、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優勢ラクチドである、
c)前記粗ラクチドからメソラクチドを1以上の工程において分離すること、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の形成がもたらされる、
d)少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流を精製プロセスに付すこと、ここで、前記精製プロセスが項1~16のいずれか1項に従う工程である、並びに、
精製されたメソラクチド並びに精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流を回収すること
の工程を含む、前記方法。
[項18]
前記精製されたメソラクチド及び/又は精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流が、水による加水分解によって高純度の乳酸に転化される、項1~17のいずれか1項に記載の方法。
[項19]
ポリラクチドを生成する方法であって、
a)乳酸を反応させて低分子量ポリ乳酸を形成すること、
b)前記低分子量ポリ乳酸を解重合して、メソラクチドとL-ラクチド及び/又はD-ラクチドとを含む粗ラクチドを形成すること、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優勢ラクチドである、
c)前記粗ラクチドからメソラクチドを1以上の工程において分離すること、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の形成がもたらされる、
d)少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流を精製プロセスに付すこと、ここで、前記精製プロセスが項1~14のいずれか1項に従う方法である、並びに、
e)前記精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部、前記精製されたメソラクチドの少なくとも一部、又は前記精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部と前記精製されたメソラクチドの少なくとも一部との組み合わせを重合工程に付して、ポリラクチドを形成すること
の工程を含む、前記方法。
[項20]
前記精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部と前記精製されたメソラクチドの少なくとも一部との組み合わせが、重合工程に提供されて、ポリラクチドを形成する、請求項19に記載の方法。
[項21]
工程d)において形成された精製されたメソラクチドの少なくとも一部が、工程a)又は工程b)に供給される、項19又は20に記載の方法。

Claims (22)

  1. 少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有するメソラクチドを精製する方法であって、
    少なくとも75重量%のメソラクチドを含む供給原料を、溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収に付す少なくとも一つの工程を含み、ここで、前記溶媒結晶化の工程は、下記の式:R1-C(=O)-R2(ここで、R1及びR2は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択される)のケトン及び下記の式:R3-O-R4(ここで、R3及びR4は独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル及びイソブチルから選択される)のエーテルのグループから選択される少なくとも1つの化合物を、合計で少なくとも70重量%含む溶媒中で行われ、前記溶媒は、供給原料及び溶媒の合計に対して計算して5~50重量%の量で存在し、前記溶媒結晶化条件が、前記供給原料中の前記メソラクチドの少なくとも15%が固体の形態で結晶化するように選択され、
    ここで、溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の最終工程から回収された前記固体のメソラクチドが、20meq/kg以下の遊離酸含有量を有する、
    前記方法。
  2. 溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の合計2~10回の連続工程が実行される、請求項1に記載の方法。
  3. 溶媒結晶化の前記工程が溶媒中で行われ、前記溶媒は、その合計の少なくとも80重量%について、請求項1において特定されるケトン及びエーテルのグループから選択される少なくとも1つの化合物からなる、請求項1に記載の方法。
  4. 溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の前記工程のうちの少なくとも1つにおいて、R1がメチルであり且つR2がメチル、エチル及びイソブチルから選択されるケトン溶媒が使用される、請求項1に記載の方法。
  5. 溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収前記工程のうちの少なくとも1つにおいて、R3及びR4が独立して、メチル、エチル又はイソプロピルから選択されるエーテル溶媒が使用される、請求項1に記載の方法。
  6. アセトンが溶媒として使用される、請求項1に記載の方法。
  7. 溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つが、前記供給原料中の前記メソラクチドの少なくとも20%及び80%以下が固体の形態で結晶化するように行われる、請求項1に記載の方法。
  8. メソラクチドを含む前記供給原料が、少なくとも50meq/kg及び700meq/kg以下の遊離酸含有量を有する、請求項1に記載の方法。
  9. メソラクチドを含む前記供給原料が、少なくとも80重量%のメソラクチドを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 40重量%以下及び少なくとも10重量%溶媒が使用される、請求項1に記載の方法。
  11. 溶媒結晶化そしてその後の生成物メソラクチド回収の最終工程から回収された前記固体のメソラクチドが、15meq/kg以下の遊離酸含有量を有する、請求項1に記載の方法。
  12. 溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つが、溶媒と供給原料との混合物の温度を40℃未満に低下させた状態で行われる、請求項1に記載の方法。
  13. 溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つが、溶媒の蒸発下で行われる、請求項1に記載の方法。
  14. 溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つが、静的晶析装置、削壁晶析装置、又は撹拌容器において行われ、請求項1に記載の方法。
  15. 溶媒結晶化の工程のうちの少なくとも1つが、撹拌容器において行われ、ここで、前記固体のラクチドが、濾過を通じて、回収される、請求項14に記載の方法。
  16. 溶媒結晶化そしてその後の生成物回収の工程から回収された固体のメソラクチドが、洗浄工程に付される、請求項1に記載の方法。
  17. 精製されたメソラクチド並びに精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流を生成する方法であって、
    a)乳酸を反応させて低分子量ポリ乳酸を形成すること、
    b)前記低分子量ポリ乳酸を解重合して、メソラクチドとL-ラクチド及び/又はD-ラクチドとを含む粗ラクチドを形成すること、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優勢ラクチドである、
    c)前記粗ラクチドからメソラクチドを1以上の工程において分離すること、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の形成がもたらされる、
    d)少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流を精製プロセスに付すこと、ここで、前記精製プロセスが請求項1~16のいずれか1項に従う方法である、並びに、
    製されたメソラクチド並びに精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流を回収すること
    の工程を含む、前記方法。
  18. 前記精製されたメソラクチドが、水による加水分解によって高純度の乳酸に転化される、請求項1に記載の方法。
  19. 前記精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流が、水による加水分解によって高純度の乳酸に転化される、請求項17に記載の方法。
  20. ポリラクチドを生成する方法であって、
    a)乳酸を反応させて低分子量ポリ乳酸を形成すること、
    b)前記低分子量ポリ乳酸を解重合して、メソラクチドとL-ラクチド及び/又はD-ラクチドとを含む粗ラクチドを形成すること、ここで、L-ラクチド又はD-ラクチドのいずれかが非優勢ラクチドである、
    c)前記粗ラクチドからメソラクチドを1以上の工程において分離すること、その結果、少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流と、精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の形成がもたらされる、
    d)少なくとも30meq/kgの遊離酸含有量を有する少なくとも75重量%のメソラクチドを含むメソラクチド流を精製プロセスに付すこと、ここで、前記精製プロセスが請求項1~16のいずれか1項に従う方法である、並びに、
    e)前記精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部、前記精製されたメソラクチドの少なくとも一部、又は前記精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部と前記精製されたメソラクチドの少なくとも一部との組み合わせを重合工程に付して、ポリラクチドを形成すること
    の工程を含む、前記方法。
  21. 前記精製されたL-ラクチド及び/又はD-ラクチド流の少なくとも一部と前記精製されたメソラクチドの少なくとも一部との組み合わせが、重合工程に提供されて、ポリラクチドを形成する、請求項20に記載の方法。
  22. 工程d)において形成された精製されたメソラクチドの少なくとも一部が、工程a)又は工程b)に供給される、請求項20に記載の方法。
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