JP7776009B2 - 車両の運転支援方法及び運転支援装置 - Google Patents

車両の運転支援方法及び運転支援装置

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Description

本発明は、車両の運転支援方法及び運転支援装置に関するものである。
車両が走行車線に沿って走行するように車両の操舵を支援する車線維持部と、車両が走行車線から別の車線に車線変更するように車両の操舵を支援する車線変更部と、を備え、ドライバーの操舵量に基づいて、車線維持部による操舵支援の中止と、車線変更部による操舵支援の中止とを判定する走行支援装置が知られている(特許文献1)。当該走行支援装置では、ドライバーの操舵量が車線維持中止閾値を超えた場合は、車線維持部による操舵支援を中止し、同操舵量が、車線維持中止閾値より大きい車線変更中止閾値を超えた場合は、車線変更部による操舵支援を中止する。
特開2015-205558号公報
しかしながら、上記従来技術には、操舵支援を中止する閾値をより大きな値に変更するタイミングについて記載されていないので、自律車線変更制御を継続すべき走行シーンであるにもかかわらず操舵支援が中止される場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、ドライバーの操舵操作により、自律車線変更制御を継続すべき走行シーンにおいて自律操舵制御が中止されることを抑制できる、車両の運転支援方法及び運転支援装置を提供することである。
本発明は、車両が走行する自車線に沿った走行を維持する第1自律操舵制御と、自車線から他車線へ車線変更する第2自律操舵制御と、を含む自律操舵制御を実行する場合に、第1自律操舵制御の所定中止条件を設定し、第1自律操舵制御の実行中に入力されたドライバーの操舵操作が第1自律操舵制御の所定中止条件を満たす場合は第1自律操舵制御を中止し、第2自律操舵制御の開始後且つ車両が自車線の幅方向に移動を開始する前に第1自律操舵制御の所定中止条件より中止され難い条件である第2自律操舵制御の所定中止条件を設定し、第2自律操舵制御を開始した後、車両が自車線の幅方向に移動を開始するまでに操舵操作を検出した場合は、操舵操作が第2自律操舵制御の所定中止条件を満たすか否かを判定し、操舵操作が第2自律操舵制御の所定中止条件を満たすと判定した場合は第2自律操舵制御を中止し、操舵操作が第2自律操舵制御の所定中止条件を満たさないと判定した場合は、操舵操作に基づいて第2自律操舵制御による車線変更の走行動作を補正することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、ドライバーの操舵操作により、自律車線変更制御を継続すべき走行シーンにおいて自律操舵制御が中止されることを抑制できる。
本発明の運転支援装置を含む運転支援システムを示すブロック図である。 図1に示す運転支援システムにて運転支援を実行する走行シーンの一例を示す平面図である。 図1に示す運転支援システムにて運転支援を実行する走行シーンの他の例を示す平面図である(その1)。 図1に示す運転支援システムにて運転支援を実行する走行シーンの他の例を示す平面図である(その2)。 図1に示す運転支援システムにて運転支援を実行する走行シーンのまた他の例を示す平面図である。 図1の運転支援装置における自律走行制御の状態遷移を示すブロック図である。 図1の運転支援システムにおける処理手順の一例を示すフローチャートである(その1)。 図1の運転支援システムにおける処理手順の一例を示すフローチャートである(その2)。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は、左側通行の法規を有する国で、車両が左側通行で走行することを前提としている。右側通行の法規を有する国では、車両が右側通行で走行するため、以下の説明の右と左を対称にして読み替えるものとする。
[運転支援システムの構成]
図1は、本発明に係る運転支援システム10を示すブロック図である。運転支援システム10は車載システムであり、自律走行制御により、車両の乗員(ドライバーを含む)により設定された目的地まで車両を走行させる。自律走行制御とは、後述する運転支援装置を用いて車両の走行動作を自律的に制御することをいい、当該走行動作には、加速、減速、発進、停車、右方向又は左方向への転舵、車線変更、幅寄せなど、あらゆる走行動作が含まれる。また、自律的に走行動作を制御するとは、運転支援装置が、車両の装置を用いて走行動作の制御を行うことをいう。運転支援装置は、予め定められた範囲内でこれらの走行動作を制御し、運転支援装置により制御されない走行動作については、ドライバーによる手動の操作が行われる。本実施形態では、自律走行制御による自律走行で、車両が走行する自車線から、自車線以外の車線(たとえば隣接車線)へ車線変更を行う制御を特に自律車線変更制御と言い、自車線以外の車線のことを他車線とも言うこととする。
上述した車両には、自家用車両のほか、配車サービスにおいて配車される車両も含まれる。配車サービスとは、乗車地から降車地まで利用者を運ぶ車両を、利用者に割り当てて差し向けることを言い、たとえば、有人及び無人タクシーの配車、空港、駅及びホテルなどの送迎サービスに用いる車両の配車、及びレンタカーやライドシェアのサービスに用いる車両の配車が挙げられる。以下、自車両のことを単に車両とも言うこととする。
図1に示すように、運転支援システム10は、撮像装置11、測距装置12、自車状態検出装置13、地図情報14、自車位置検出装置15、ナビゲーション装置16、車両制御装置17、表示装置18及び運転支援装置19を備える。運転支援システム10を構成する装置は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、互いに情報を授受できる。
撮像装置11は、画像により車両の周囲の対象物を認識する装置であり、たとえば、CCDなどの撮像素子を備えるカメラ、超音波カメラ、赤外線カメラなどのカメラである。撮像装置11は、一台の車両に複数を設けることができ、たとえば、車両のフロントグリル部、左右ドアミラーの下部及びリアバンパ近傍に配置できる。これにより、車両の周囲の対象物を認識する場合の死角を減らすことができる。
測距装置12は、車両と対象物との相対距離および相対速度を演算するための装置であり、たとえば、レーザーレーダー、ミリ波レーダーなど(LRFなど)、LiDAR(light detection and ranging)ユニット、超音波レーダーなどのレーダー装置又はソナーである。測距装置12は、一台の車両に複数設けることができ、たとえば、車両の前方、右側方、左側方及び後方に配置できる。これにより、車両の周囲の対象物との相対距離及び相対速度を正確に演算できる。
撮像装置11及び測距装置12にて検出する対象物は、道路の車線境界線、中央線、路面標識、中央分離帯、ガードレール、縁石、高速道路の側壁、道路標識、信号機、横断歩道、工事現場、事故現場、交通制限などである。また、対象物には、自車両以外の自動車(他車両)、自動二輪車(オートバイ)、自転車、歩行者など、車両の走行に影響を与える可能性がある障害物も含まれている。撮像装置11及び測距装置12の検出結果は、必要に応じ、運転支援装置19により所定の時間間隔で取得される。
また、撮像装置11及び測距装置12の検出結果は、運転支援装置19にて統合又は合成(いわゆるセンサフュージョン)することができ、これにより、検出した対象物の不足する情報を補完できる。たとえば、自車位置検出装置15により取得した、車両が走行する位置である自己位置情報と、車両と対象物の相対位置(距離と方向)とにより、運転支援装置19にて対象物の位置情報を算出できる。算出された対象物の位置情報は、運転支援装置19にて、撮像装置11及び測距装置12の検出結果、並びに地図情報14などの複数の情報と統合され、車両の周囲の走行環境情報となる。また、撮像装置11及び測距装置12の検出結果と、地図情報14とを用いて、車両の周囲の対象物を認識し、その動きを予測することもできる。
自車状態検出装置13は、車両の走行状態を検出するための装置であり、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ(たとえばジャイロセンサ)、舵角センサ、慣性計測ユニットなどが挙げられる。これらの装置については、特に限定はなく、公知のものを用いることができる。また、これらの装置の配置及び数は、車両の走行状態を適切に検出できる範囲内で適宜に設定できる。各装置の検出結果は、必要に応じ、運転支援装置19により所定の時間間隔で取得される。
地図情報14は、走行経路の生成、走行動作の制御などに用いられる情報であり、道路情報、施設情報及びそれらの属性情報を含む。道路情報及び道路の属性情報には、道路の幅、道路の曲率半径、路肩の構造物、道路交通法規(制限速度、車線変更の可否)、道路の合流地点と分岐地点、車線数の増加・減少位置などの情報が含まれている。地図情報14は、レーンごとの移動軌跡を把握できる高精細地図情報であり、各地図座標における二次元位置情報及び/又は三次元位置情報、各地図座標における道路・レーンの境界情報、道路属性情報、レーンの上り・下り情報、レーン識別情報、接続先レーン情報などを含む。なお、高精度地図のことをHD(High-Definition)マップとも言う。
高精細地図情報の道路・レーンの境界情報は、車両が走行する走路とそれ以外との境界を示す情報である。車両が走行する走路とは、車両が走行するための道であり、走路の形態は特に限定されない。境界は、車両の進行方向に対して左右それぞれに存在し、形態は特に限定されない。境界は、たとえば、路面標示又は道路構造物であり、路面標示としては車線境界線、中央線などが挙げられ、道路構造物としては中央分離帯、ガードレール、縁石、トンネル、高速道路の側壁などが挙げられる。なお、交差点内のような走路境界が明確に特定できない地点では、予め、走路に境界が設定されている。この境界は架空のものであって、実際に存在する路面標示または道路構造物ではない。
地図情報14は、運転支援装置19、車載装置、又はネットワーク上のサーバに設けられた記録媒体に読み込み可能な状態で記憶されている。運転支援装置19は、必要に応じて地図情報14を取得する。
自車位置検出装置15は、車両の現在位置を検出するための測位システムであり、特に限定されず、公知のものを用いることができる。自車位置検出装置15は、たとえば、GPS(Global Positioning System)用の衛星から受信した電波などから車両の現在位置を算出する。また、自車位置検出装置15は、自車状態検出装置13である車速センサ、加速度センサ及びジャイロセンサから取得した車速情報及び加速度情報から車両の現在位置を推定し、推定した現在位置を地図情報14と照合することで、車両の現在位置を算出してもよい。
ナビゲーション装置16は、地図情報14を参照して、自車位置検出装置15により検出された車両の現在位置から、乗員(ドライバーを含む)により設定された目的地までの走行経路を算出する装置である。ナビゲーション装置16は、地図情報14の道路情報及び施設情報などを用いて、車両が現在位置から目的地まで到達するための走行経路を検索する。走行経路は、車両が走行する道路、走行車線及び車両の走行方向の情報を少なくとも含み、たとえば線形で表示される。検索条件に応じ、走行経路は複数存在し得る。ナビゲーション装置16にて算出された走行経路は、運転支援装置19に出力される。
車両制御装置17は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)などの車載コンピュータであり、車両の走行を律する車載機器を電子的に制御する。車両制御装置17は、車両の走行速度を制御する速度制御装置171と、車両の操舵操作を制御する操舵制御装置172を備える。速度制御装置171及び操舵制御装置172は、運転支援装置19から入力された制御信号に応じ、これらの駆動装置及び操舵装置の動作を自律的に制御する。これにより、車両は、設定した走行経路に従って自律的に走行できる。速度制御装置171及び操舵制御装置172による自律的な制御に必要な情報、たとえば車両の走行速度、加速度、操舵角度及び姿勢は、自車状態検出装置13から取得する。
速度制御装置171が制御する駆動装置としては、走行駆動源である電動モータ及び/又は内燃機関、これら走行駆動源からの出力を駆動輪に伝達するドライブシャフトや自動変速機を含む動力伝達装置、動力伝達装置を制御する駆動装置などが挙げられる。また、速度制御装置171が制御する制動装置は、たとえば、車輪を制動する制動装置である。速度制御装置171には、運転支援装置19から、設定した走行速度に応じた制御信号が入力される。速度制御装置171は、運転支援装置19から入力された制御信号に基づいて、これらの駆動装置を制御する信号を生成し、駆動装置に当該信号を送信することで、車両の走行速度を自律的に制御する。
一方、操舵制御装置172が制御する操舵装置は、ステアリングホイールの回転角度に応じて操舵輪を制御する操舵装置であり、たとえば、ステアリングのコラムシャフトに取り付けられるモータなどのステアリングアクチュエータが挙げられる。操舵制御装置172は、運転支援装置19から入力された制御信号に基づき、設定した走行経路に対して所定の横位置(車両の左右方向の位置)を維持しながら車両が走行するように、操舵装置の動作を自律的に制御する。この制御には、撮像装置11及び測距装置12の検出結果、自車状態検出装置13で取得した車両の走行状態、地図情報14及び自車位置検出装置15で取得した車両の現在位置の情報のうちの少なくとも一つを用いる。
表示装置18は、車両の乗員に必要な情報を提供するための装置であり、たとえば、インストルメントパネルに設けられた液晶ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)などのプロジェクターである。表示装置18は、車両の乗員が、運転支援装置19に指示を入力するための入力装置を備えてもよい。入力装置としては、ユーザの指触又はスタイラスペンによって入力されるタッチパネル、ユーザの音声による指示を取得するマイクロフォン、車両のステアリングホイールに取付けられたスイッチなどが挙げられる。また、表示装置18は、出力装置としてのスピーカーを備えてもよい。
運転支援装置19は、運転支援システム10を構成する装置を制御して協働させることで車両の走行を制御し、設定された目的地まで車両を走行させるための装置である。目的地は、たとえば車両の乗員が設定する。運転支援装置19は、たとえばコンピュータであり、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)191と、プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)192と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)193とを備える。CPU191は、ROM192に格納されたプログラムを実行し、運転支援装置19が有する機能を実現するための動作回路である。
運転支援装置19は、自律走行制御により、設定された目的地まで車両を走行させる運転支援機能を有する。運転支援装置19は、運転支援機能として、走行経路を生成する経路生成機能と、車両の周囲の走行環境を認識する環境認識機能と、走行軌跡を生成し、走行軌跡に沿って車両を走行させる走行制御機能とを有する。走行制御機能には、車両の走行速度を自律制御する車速制御機能と、車両の操舵を自律制御する操舵制御機能とが含まれる。これに加え、運転支援装置19は、ドライバーの操舵操作が所定中止条件を満たすか否かを判定する判定機能を有する。
ROM192に格納されたプログラムは、上述した機能を実現するためのプログラムを備え、CPU191がROM192に格納されたプログラムを実行することで、これらの機能が実現される。図1には、各機能を実現する機能ブロックを便宜的に抽出して示す。
[各機能ブロックの機能]
以下、図1に示す支援部20、生成部21、認識部22、制御部23及び判定部24の各機能ブロックが有する機能について説明する。
支援部20は、自律走行制御により、設定された目的地まで車両を走行させる運転支援機能を有する。図2は、運転支援装置19が、支援部20の運転支援機能により車両の走行を自律制御する、走行シーンの一例を示す平面図である。図2に示す走行シーンでは、片側2車線の道路が図面の上下方向に延在し、車両は当該道路を図面の下側から上側に向かって走行するものとする。図2に示すように、走行方向左側の車線を車線L1とし、走行方向右側の車線を車線L2とする。
図2に示す走行シーンでは、車両Vは、車線L1の位置P1を走行し、車両Vの乗員により設定された、車線L2前方に存在する目的地Xに向かうものとする。この場合、運転支援装置19は、支援部20の運転支援機能により、目的地Xに向かう走行経路を生成し、生成した走行経路に沿って、自律走行制御により車両Vを走行させる。この自律走行制御は、主に生成部21、認識部22、制御部23及び判定部24の有する各機能により制御される。
生成部21は、車両が、現在位置から目的地まで走行するための走行経路を生成する経路生成機能を有する。また、生成部21は、車両が、走行経路に沿って走行するための車線を設定する機能を有する。運転支援装置19は、生成部21の経路生成機能により、ナビゲーション装置16を用いて、車両が、現在位置から目的地まで自律走行制御により走行する走行経路を生成する。また、運転支援装置19は、生成した走行経路に沿って走行するための車線を設定する。運転支援装置19は、必要に応じ、生成された走行経路と、設定された車線との情報を、ナビゲーション装置16から取得する。
図2に示す走行シーンでは、運転支援装置19は、自車位置検出装置15から車両Vの現在位置である位置P1を取得し、地図情報14から道路ネットワークデータを取得し、ナビゲーション装置16を用いて、位置P1から目的地Xまでの走行する経路を探索する。探索した経路が複数ある場合は、走行時間又は走行距離が最も短くなる経路を選択する。
認識部22は、車両の周囲の走行環境を認識する環境認識機能を有する。運転支援装置19は、認識部22の環境認識機能により、撮像装置11及び測距装置12を用いて、車両の周囲の走行環境を認識する。走行環境とは、車両が、現在の走行状態を維持できるか、走行状態を変更する必要があるかを判定するための情報であり、たとえば、対象物の種類及び位置、障害物が存在する場合はその種類及び位置、路面状況などの道路状況、天気などの情報が含まれる。運転支援装置19は、撮像装置11及び測距装置12の検出結果に対し、パターンマッチング、センサフュージョンなどの適宜の処理を行い、走行環境を認識する。
これに代えて又はこれに加えて、運転支援装置19は、信号機や電信柱、道路標識などに設置されたカメラから画像データを取得し、車両の撮像装置11では検出できない範囲に存在する障害物を認識してもよい。また、運転支援装置19は、渋滞の発生、事故の発生、通行止め区間などの交通情報を提供するサーバに接続し、サーバから取得した情報から障害物を認識してもよい。さらに、運転支援装置19は、車両の周囲を走行する他車両との車車間通信を用いて、車両の撮像装置11では検出できない範囲に存在する障害物を認識してもよい。
図2に示す走行シーンでは、車両Vの周囲に障害物が存在しない。そのため、運転支援装置19は、撮像装置11及び測距装置12の検出結果から、車両Vの周囲において障害物が検出されず、車両Vの走行を阻害する物体が存在しない走行環境であることを認識する。
制御部23は、生成された走行経路に沿って車両Vを走行させる走行軌跡を生成し、生成した走行軌跡に追従するように車両Vの走行動作を制御する走行制御機能を有する。運転支援装置19は、制御部23の走行制御機能により、走行経路に沿って車両Vを走行させる走行軌跡を生成し、生成した走行軌跡に車両Vが追従するように、車両制御装置17(特に、速度制御装置171及び操舵制御装置172)を介して車両の走行動作を自律制御する。走行軌跡の生成には、地図情報14に含まれる道路の形状や、幅員、カーブの曲率などの情報に加えて、車両Vの車体の全長及び全幅、並びに車両Vの最小旋回半径などを考慮する。
制御部23は、車両Vの走行速度を自律制御する車速制御機能と、車両Vの操舵を自律制御する操舵制御機能とを有し、車速制御機能は主に速度制御部231により実現され、操舵制御機能は主に操舵制御部232により実現される。以下、速度制御部231による走行速度の自律制御を、単に自律速度制御とも言い、操舵制御部232による操舵の自律制御を、単に自律操舵制御とも言う。
運転支援装置19は、先行車両を検出している場合は、速度制御部231の車速制御機能により、ドライバーが設定した走行速度を上限にして、走行速度に応じた車間距離を保つように車間制御を行いつつ、車両Vを先行車両に追従させる。一方、先行車両を検出していない場合は、ドライバーが設定した走行速度で定速走行を行う。前者を車間制御と言い、後者を定速制御とも言う。なお、運転支援装置19は、車速制御機能により、撮像装置11を用いて、走行中の道路の制限速度を道路標識から検出し、又は地図情報14から制限速度を取得して、その制限速度を自動的に走行速度に設定してもよい。
速度制御部231による車速制御機能を作動させるには、まずドライバーが、ステアリングホイールに設けられたスイッチを操作し、所望の走行速度を入力する。たとえば、車両Vが70km/hで走行中にスイッチを押すと、現在の走行速度がそのまま設定されるが、所望の走行速度がそれ以外である場合は、スイッチを操作して設定速度を増加又は減少させる。また、ドライバーが所望する車間距離は、たとえば短距離・中距離・長距離といった複数段の設定から、スイッチ(たとえば、車間距離調整スイッチ)を操作して1つを選択する。
定速制御は、測距装置12の前方レーダーなどにより、車両Vが走行する自車線の前方において先行車両が検出されない場合に実行される。定速制御では、設定された走行速度を維持するよう、自車状態検出装置13である車速センサの車速情報をフィードバックしながら、速度制御装置171によりエンジンやブレーキなどの駆動機構の動作を制御する。
車間制御は、測距装置12の前方レーダーなどにより、車両Vが走行する自車線の前方において先行車両が検出された場合に実行される。車間制御では、設定された走行速度を上限にして、設定された車間距離を維持するよう、前方レーダーにより検出した車間距離データをフィードバックしながら、速度制御装置171により駆動機構の動作を制御する。
なお、車間制御で走行中に先行車両が停止した場合は、運転支援装置19は、先行車両に続いて車両Vを停止させる。また、車両Vが停止した後、たとえば30秒以内に先行車両が発進すると、運転支援装置19は、車両Vを発進させ、再び車間制御による追従走行を開始する。車両Vが30秒を超えて停止している場合は、先行車両が発進しても自動で発進せず、先行車両が発進した後、ステアリングホイールに設けられたスイッチを操作する又はアクセルペダルを踏むと、再び車間制御による追従走行を開始する。
運転支援装置19は、上述した自律速度制御の実行中に所定の条件が成立した場合は、操舵制御部232の操舵制御機能により、操舵制御装置172でステアリングアクチュエータの動作を制御し、自律操舵制御を実行する。自律操舵制御には、レーンキープ制御と、自律車線変更制御とが含まれる。本実施形態では、車両が走行する自車線に沿った走行を維持するレーンキープ制御を第1自律操舵制御とも言い、自車線から他車線(たとえば隣接車線)へ車線変更する自律車線変更制御を第2自律操舵制御とも言うこととする。第1自律操舵制御と第2自律操舵制御との違いは、自律操舵制御における車線変更の有無である。すなわち、第1自律操舵制御は、車線変更を行わずに自車線に沿って道なりに走行する自律操舵制御であり、第2自律操舵制御は、自車線から他車線(たとえば隣接車線)に車線変更する自律操舵制御である。また、第1自律操舵制御は、自車線に目標位置を設定する自律操舵制御であり、第2自律操舵制御は、他車線(たとえば隣接車線)に目標位置を設定する自律操舵制御である。
運転支援装置19は、レーンキープ制御により、車両Vが車線の中央付近を走行するように、操舵制御装置172でステアリングアクチュエータを制御し、ドライバーのハンドル操作を支援する。また、運転支援装置19は、自律車線変更制御により、自律走行による車線変更を行う。つまり、運転支援装置19による自律車線変更制御は、主に操舵制御部232の操舵制御機能により実現される。
例として、図2に示す走行シーンにおいて、車両Vが位置P1から位置P2まで走行した後、位置P2にて、ドライバーが方向指示レバーを操作したとする。この場合、操舵制御部232の自律車線変更制御により方向指示器の点滅を開始し、予め設定された車線変更開始条件を満たした場合は、自律走行制御による車線変更の一連の処理である車線変更操作(以下LCPとも言う)を開始する。また、ステアリングホイールに設けられたスイッチを操作した場合のように、自律車線変更制御の開始を承諾するボタン操作を行った場合に、方向指示器を点滅させ、LCPを開始してもよい。
運転支援装置19は、認識部22の環境認識機能により取得した走行情報に基づいて、車線変更開始条件が成立したか否かを判断する。車線変更開始条件として、特に限定されないが、次の条件が全て成立することなどを例示できる。
・ハンズオンモードのレーンキープモードである。
・ハンズオン判定中である。
・速度60km/h以上で走行している。
・車線変更方向に車線がある。
・車線変更先の車線に車線変更可能なスペースがある。
・レーンマーカの種別が車線変更可能である。
・道路の曲率半径が250m以上である。
・ドライバーが方向指示レバーを操作してから1秒以内である。
なお、ハンズオンモードのレーンキープモードとは、詳しくは後述するが、運転支援装置19が、速度制御部231による自律速度制御と、操舵制御部232によるレーンキープ制御とを実行中であり、かつ、ドライバーによるハンドルの保持が検出されている状態を言う。また、ハンズオン判定中とは、ドライバーによるハンドルの保持が継続されている状態を言う。
図2に示す走行シーンでは、直線の車線L1の右側に車線L2が存在し、車線L2に車両Vが進入するスペースが存在する。したがって、運転支援装置19が、ハンズオンモードのレーンキープモードであり、ハンズオン判定中であり、車両Vが60km/h以上で走行しており、車線L1から車線L2へ車線変更可能であり、位置P2にて方向指示レバーを操作してから1秒以内であれば、車線変更開始条件を満たす。
運転支援装置19は、車線変更開始条件を満たした場合は、自律車線変更制御によりLCPを開始する。このLCPでは、車両Vの隣接車線(つまり車線L2)への横移動と、実際に車線L2へ移動する車線変更操縦(以下、LCM)とを含む。具体的には、運転支援装置19は、図2に示す走行軌跡T1を生成し、走行軌跡T1に追従し、位置P2から位置P6まで走行することで、車線L1から車線L2への車線変更を行う。運転支援装置19は、位置P3にて車線L2への横移動を開始し、位置P4にてLCMを開始する。位置P5にて、運転支援装置19は、方向指示器を消灯してLCMを完了する。そして、位置P6にてLCPを完了させ、レーンキープ制御を開始する。なお、LCPを実行中、運転支援装置19は、自律車線変更制御で車線変更を行っていることを表す情報を表示装置18によりドライバーに提示し、周囲への注意を促す。
これに加え、制御部23は、レーンキープ制御と自律車線変更制御とを組み合わせた追い越し制御を実行する機能を有する。追い越し制御は、先行車両を追い越す走行シーンにおける自律車線変更制御である。図3Aは、運転支援装置19が追い越し制御を実行する走行シーンの一例を示す平面図である。図3Aに示す走行シーンは、車線L1の位置Pyを走行する他車両Yが存在すること以外は、図2に示す走行シーンと同様である。運転支援装置19は、図3Aに示すように、車線L1の前方に車両Vよりも遅い他車両Yが存在し、かつ、予め設定された所定の追い越し提案条件を満たした場合に、表示装置18を用いて、追い越し情報をドライバーに提示する。
追い越し情報とは、ドライバーに対し、先行車両である他車両Yの追い越しを行なうことを提案するための情報である。また、運転支援装置19は、追い越し情報の提示に対し、ドライバーがステアリングホイールに設けられたスイッチを操作して承諾し(承諾入力に相当)、かつ、予め設定された追い越し開始条件を満たした場合に、上述したLCPを開始する。当該承諾入力には、ドライバーが、方向指示レバーを右又は左に操作することが含まれる。
運転支援装置19は、認識部22の環境認識機能により取得した情報に基づいて、追い越し提案条件及び追い越し開始条件が成立したか否かを判断する。なお、追い越し支援制御は、追い越し情報を提示していない場合であっても、ドライバーが方向指示レバーを操作したときに、先行車両を追い越すためのLCPを開始する機能を含んでもよい。
追い越し提案条件として、特に限定されないが、次の条件が全て成立することなどを例示できる。
・ハンズオフモードのレーンキープモードである。
・速度60km/h以上で走行している。
・車線変更方向に車線がある。
・車線変更先の車線に5秒後に車線変更可能なスペースがある。
・レーンマーカの種別が車線変更可能である。
・道路の曲率半径が250m以上である。
・自車両の速度が設定速度より5km/h以上遅い。
・先行車両の速度が設定速度より10km/h以上遅い。
・自車両と先行車両との車間距離が、自車両と先行車両との速度差に基づいて予め設定された閾値を下回っている。
・車線変更先の車線に存在する先行車両の速度が所定条件を満たす。
なお、ハンズオフモードのレーンキープモードとは、詳しくは後述するが、自律速度制御と、レーンキープ制御とが実行中で、かつ、ドライバーによるハンドルの保持が不要なモードを言う。また、車線変更先の車線に存在する先行車両の速度が所定条件を満たす、という条件は、車線変更先の車線の種類によって異なった条件が適用される。たとえば、左側通行の複数車線の道路において、左側の車線から右側の車線に車線変更を行う場合に、左側車線に存在する自車両の速度が、右側車線の先行車両の速度よりも約5km/h以上速いことが条件となる。これとは逆に、左側通行の複数車線の道路において、右側車線から左側車線に車線変更する場合には、自車両と、左側車線の先行車両との速度差が約5km/h以内であることが条件となる。なお、この自車両と先行車両との相対速度差に関する条件は、右側通行の道路では逆になる。
運転支援装置19は、ドライバーが追い越し情報の提示に承諾し、かつ、予め設定された所定の追い越し開始条件を満たした場合に、追い越し制御により方向指示器を点滅させ、LCPを開始する。追い越し開始条件として、特に限定されないが、次の条件が全て成立することなどを例示できる。
・ハンズオンモードのレーンキープモードである。
・ハンズオン判定中である。
・速度60km/h以上で走行している。
・車線変更方向に車線がある。
・車線変更先の車線に車線変更可能なスペースがある。
・レーンマーカの種別が車線変更可能である。
・道路の曲率半径が250m以上である。
・自車両の速度が設定速度より5km/h以上遅い(左側通行で右側車線に車線変更する場合)。
・先行車両の速度が設定速度より10km/h以上遅い(左側通行で右側車線に車線変更する場合)。
・車線変更先の車線に存在する先行車両の速度が所定条件を満たす。
・自律車線変更制御の開始を承諾するスイッチ(車線変更支援スイッチ)の操作から10秒以内である。
なお、先行車両の速度が設定速度より10km/h以上遅い、という条件は、ドライバーの設定により変更可能であり、変更後の設定速度が追い越し開始条件となる。変更可能な速度としては、たとえば、10km/h以外に、15km/h、20km/hが選択可能である。また、車線変更先の車線に存在する先行車両の速度が所定条件を満たす、という条件は、上述した追い越し提案条件と同様である。
図3Aに示す走行シーンでは、直線の車線L1の右側に車線L2が存在し、車線L2に車両Vが進入するスペースが存在し、5秒後にも当該スペースは存在する。したがって、ハンズオフモードのレーンキープモードであり、車両Vが60km/h以上で走行しており、車線L1から車線L2へ車線変更可能であり、車両Vの走行速度が設定速度より5km/h以上遅く、他車両Yの走行速度が設定速度より10km/h以上遅く、車両Vと他車両Yとの車間距離が、車両Vと他車両Yとの速度差に基づいて予め設定された閾値を下回っていれば、追い越し提案条件を満たす。追い越し提案条件を満たした場合、運転支援装置19は、車両Vが位置P1を走行している時に、表示装置18を用いて追い越し情報を提示する。
追い越し情報を提示されたドライバーが追い越しを承諾すると、運転支援装置19は、追い越し開始条件を満たすか否かを判定する。図3Aの走行シーンでは、追い越し提案条件を満たしているので、ハンズオン判定中であり、ステアリングホイールに設けられた車線変更支援スイッチの操作から10秒以内であれば、追い越し開始条件を満たすことになる。図3Aに示す走行シーンでは、車両Vが位置P2を走行している時にドライバーが追い越し制御の実行の承諾を入力したものとする。追い越し開始条件を満たした場合には、追い越し制御によりLCPを開始し、隣接車線への横移動と、LCMとを実行する。
具体的には、運転支援装置19は、図3Aに示す走行軌跡T2を生成し、走行軌跡T2に追従し、位置P3から位置P7まで走行することで、車線L1から車線L2への車線変更を行う。運転支援装置19は、位置P3にて方向指示器の点滅を開始し、位置P4にて車線L2への横移動を開始し、位置P5にてLCMを開始する。運転支援装置19は、位置P6にて、方向指示器を消灯してLCMを完了する。そして、位置P7にてLCPを完了させ、レーンキープ制御を開始する。車両Vは、レーンキープ制御により車線L2を走行して他車両Yを追い越す。
運転支援装置19は、追い越し制御により他車両Yの追い越した後に、再び追い越し提案条件を満たした場合は、元の車線L1に戻ることを表示装置18によりドライバーに提案する。この提案に対し、ドライバーが、ステアリングホイールに設けられたスイッチを操作して承諾し、かつ、追い越し開始条件を満たした場合には、運転支援装置19は、図3Bに示すように、追い越し制御により車両Vを元の車線L1に戻すようにLCPを開始する。
具体的には、運転支援装置19は、追い越し提案条件を満たした場合、車両Vが位置P7を走行している時に、表示装置18を用いて追い越し情報を提示する。そして、車両Vが位置P8を走行している時にドライバーが追い越し制御の実行の承諾を入力したものとすると、運転支援装置19は、図3Bに示す走行軌跡T3を生成し、走行軌跡T3に追従し、位置P9から位置P13まで走行し、車線L2から元の車線L1へ車線変更する。運転支援装置19は、位置P9にて方向指示器の点滅を開始し、位置P10にて車線L1への横移動を開始し、位置P11にてLCMを開始する。運転支援装置19は、位置P12にて、方向指示器を消灯してLCMを完了する。そして、位置P13にてLCPを完了させ、レーンキープ制御を開始する。
これに加え、制御部23は、レーンキープ制御と自律車線変更制御とを組み合わせたルート走行制御を実行する機能を有する。運転支援装置19は、ルート走行制御により、設定された走行経路に沿って車両Vを走行させる。運転支援装置19は、設定された走行経路に分岐地点や合流地点、出口や料金所等の走行方向変更地点が存在し、走行方向変更地点までの距離が所定距離以内であり、かつ、所定のルート走行提案条件を満たした場合に、ルート走行制御により、ルート走行情報を提示する。運転支援装置19は、ルート走行情報として、表示装置18により走行方向変更地点への車線変更を提案する。
運転支援装置19は、車線変更の提案が、ステアリングホイールに設けられたスイッチの操作により承諾され、かつ、所定のルート走行開始条件を満たした場合に、LCPを開始する。なお、当該スイッチの操作は、ドライバーによる方向指示レバーの操作であってもよい。運転支援装置19は、認識部22の環境認識機能により取得した情報(走行環境)に基づいて、ルート走行提案条件及びルート走行開始条件が成立したか否かを判断する。
なお、ナビゲーション装置16で設定された走行経路が設定されているが、ルート走行制御が実行されていない場合、又は設定で無効になっている場合は、ナビゲーション装置16により走行経路を案内する通常のナビゲーションが実行される。また、ルート走行制御は、ルート走行情報により車線変更が提案されていない場合でも、ドライバーが方向指示レバーを操作したときに、走行経路に沿って走行するためのLCPを開始する機能を含んでもよい。
図4は、運転支援装置19が、ルート走行制御する走行シーンの一例を示す平面図である。図4に示す走行シーンでは、片側3車線の道路が図面の上下方向に延在し、車両は当該道路を図面の下側から上側に向かって走行するものとする。図4に示すように、走行方向右側の車線を車線L1とし、中央の車線を車線L2とし、走行方向左側の車線を車線L3とし、目的地Xに向かう分岐線を車線L4する。
図4に示す走行シーンでは、車両Vは、車線L1の位置P1を走行し、車両Vの乗員により設定された、車線L4前方に存在する目的地Xに向かうものとする。この場合、運転支援装置19は、分岐地点Zまで第1所定距離以内(たとえば、分岐地点Zまで約2.5km~1.0km手前)であり、かつ、ルート走行提案条件を満たした場合に、ルート走行制御により、車線L1から車線L2への車線変更を提案する。
なお、第1所定距離(車線変更提案区間ともいう)は、走行方向変更地点が存在する車線まで移動するために必要な車線変更の回数に応じて予め設定されている。たとえば、図4に示すように、車線L1から車線L2を経て車線L3へ2回の車線変更が必要な場合には、例示したように、分岐地点Zまで約2.5km~1.0km手前までの区間が第1所定距離(車線変更提案区間)となる。
ルート走行提案条件として、特に限定されないが、次の条件が全て成立することなどを例示できる。
・ナビゲーション装置16で目的地が設定されている。
・ハンズオフモードのレーンキープモードである。
・速度60km/h以上で走行している。
・車線変更方向に車線がある。
・レーンマーカの種別が車線変更可能である。
・道路の曲率半径が250m以上である。
なお、ルート走行提案条件では、車線変更先に車線変更可能なスペースが存在しない場合でも、走行経路に沿った車線変更が必要なことをドライバーに通知するため、ルート走行情報を提示する。
図4に示す走行シーンでは、目的地Xが設定されており、直線の車線L1の左側(車線変更側)に車線L2が存在し、車線L2には障害物が存在しない。そのため、ハンズオフモードのレーンキープモードであり、車両Vが60km/h以上で走行し、車線L1と車線L2との境界線が車線変更可能なものであれば、ルート走行提案条件を満たす。図4に示す走行シーンでは、ルート走行提案条件を満たす場合は、位置P1を走行している時に、表示装置18を用いてドライバーにルート走行情報を提示する。
運転支援装置19は、位置P1にて、ドライバーが分岐地点に向かうための車線変更を承諾する入力をし、かつ、ルート走行開始条件を満たした場合に、ルート走行制御により、方向指示器を点灯してLCPを開始する。ルート走行開始条件として、特に限定されないが、次の条件が全て成立することなどを例示できる。
・ハンズオンモードのレーンキープモードである。
・ハンズオン判定中である。
・速度60km/h以上で走行している。
・車線変更方向に車線がある。
・車線変更先の車線に車線変更可能なスペースがある。
・レーンマーカの種別が車線変更可能である。
・車線変更提案区間を走行している。
・道路の曲率半径が250m以上である。
図4に示す走行シーンでは、ルート走行提案条件を満たしているため、ハンズオンモードのレーンキープモードであり、ハンズオン判定中であり、図4に示す道路が車線変更提案区間であれば、ルート走行開始条件を満たす。運転支援装置19は、ルート走行開始条件を満たした場合は、ルート走行制御によりLCPを開始し、車線L2への横移動と、LCMとを実行する。運転支援装置19は、たとえば、図4に示す走行軌跡T4を生成し、走行軌跡T4に追従するように車両Vの走行動作を自律制御する。運転支援装置19は、LCMが完了すると、方向指示器を消灯し、車線L2の位置P3でレーンキープ制御を開始する。なお、運転支援装置19は、LCPを実行中に、ルート走行制御で車線変更を行っていることを表す情報を表示装置18によりドライバーに提示し、周囲への注意を促す。
また、運転支援装置19は、図6に示すように、車線L2でのレーンキープ制御の実行中に、分岐地点Zまで第2所定距離以内(たとえば、分岐地点まで約2.3km~700m手前)であり、かつ、ルート走行開始条件を満たした場合に、ルート走行支援制御により、方向指示器を点灯して2回目のLCPを開始し、車線L2から車線L3へ車線変更を行なう。運転支援装置19は、たとえば、図4に示す走行軌跡T5を生成し、走行軌跡T5に追従するように車両Vを走行させ、位置P4から位置P5まで走行する。運転支援装置19は、LCMが完了すると、方向指示器を消灯し、車線L3の位置P5でレーンキープ制御を開始する。
さらに、運転支援装置19は、車線L3でのレーンキープ制御の実行中に、分岐地点Zまで第3所定距離以内(たとえば、分岐地点まで約800m~150m手前)であり、かつ、ルート走行開始条件を満たした場合に、ルート走行制御により方向指示器を点灯する。運転支援装置19は、ルート走行制御により、車線L4に進入する走行軌跡T6を生成する。そして、分岐地点Zの手前の位置P6にて、分岐線である車線L4へ進入する自律操舵制御を開始し、走行軌跡T6に追従して位置P6から位置P7まで走行し、車線L3から車線L4に進入する。運転支援装置19は、車線L4への進入が完了すると、方向指示器を消灯し、車線L4の位置P7にてレーンキープ制御を開始する。
次に、図5は、運転支援装置19に確立された各機能の状態遷移を示すブロック図である。図5に示すシステムとは、運転支援装置19により実現される自律走行制御システムを意味する。図5に示すシステムOFFの状態から、メインスイッチをONすると、当該システムがスタンバイ状態となる。メインスイッチとは、運転支援装置19の車速制御機能及び操舵制御機能を実現するシステムの電源をON/OFFするスイッチであり、たとえばステアリングホイールに設けられている。
スタンバイ状態から、セット・コーストスイッチ又はリジューム・アクセラレートスイッチをONすることで、車速制御機能による自律速度制御が立ち上がる。これにより、上述した定速制御又は車間制御が開始し、ドライバーはハンドルを操作するだけで、アクセルやブレーキを踏むことなく、自車両を走行させることができる。リジューム・アクセラレートスイッチとは、自律速度制御を停止(OFF)した後、OFF前の設定速度で自律速度制御を再開したり、設定速度を上げたり、先行車両に追従して停車した後、運転支援装置19により再発進させたりするためのスイッチである。セット・コーストスイッチとは、走行時の速度で自律速度制御を開始したり、設定速度を下げたりするスイッチである。これらのスイッチは、たとえばステアリングホイールに設けられている。
自律速度制御を実行中に、図5の条件(1)が成立すると自律操舵制御・ハンズオンモードのレーンキープモードに遷移する。この条件(1)としては、たとえば、車両Vの両側のレーンマーカが検出されている状態で、ドライバーがハンドルを持っていることが挙げられる。
なお、ハンズオンモードとは、ドライバーがハンドルを持っていないと、自律操舵制御機能による自律操舵制御が作動しないモードをいい、ハンズオフモードとは、ドライバーがハンドルから手を離しても、自律操舵制御機能による自律操舵制御が作動するモードをいう。なお、ドライバーによるハンドルの保持は、自車状態検出装置13のタッチセンサにより検出する。
自律操舵制御・ハンズオンモードのレーンキープモードを実行中に、図5の条件(2)が成立すると、自律操舵制御・ハンズオフモードのレーンキープモードに遷移する。この条件(2)としては、たとえば、自車Vが、高精度地図がある自動車専用道路を走行しており、GPS信号が有効であることが挙げられる。
逆に、自律操舵制御・ハンズオフモードのレーンキープモードを実行中に、図5の条件(3)が成立すると、自律操舵制御・ハンズオンモードのレーンキープモードに遷移する。この条件(3)としては、たとえば、走行速度が制限速度を超えたことが挙げられる。
自律操舵制御・ハンズオフモードのレーンキープモードを実行中に、図5の条件(4)が成立すると、自律操舵制御を中止して自律速度制御に遷移する。この条件(4)としては、たとえば、ドライバーがハンドル操作をしていることが挙げられる。
また、自律操舵制御・ハンズオフモードのレーンキープモードを実行中に、図5の条件(5)が成立すると、自律操舵制御及び自律速度制御を中止してスタンバイ状態に遷移する。この条件(5)としては、たとえば、ドライバーがブレーキを操作したことが挙げられる。
自律操舵制御・ハンズオンモードを実行中に、図5の条件(6)が成立すると、自律操舵制御を中止して自律速度制御に遷移する。この条件(6)としては、たとえば、ドライバーが方向指示レバーを操作したことが挙げられる。
また、自律操舵制御・ハンズオンモードを実行中に、図5の条件(7)が成立すると、自律操舵制御及び自律速度制御を中止してスタンバイ状態に遷移する。この条件(7)としては、たとえば、ドライバーがブレーキを操作したことが挙げられる。
自律速度制御を実行中に、図5の条件(8)が成立すると、スタンバイ状態に遷移する。この条件(8)としては、たとえば、ドライバーが自律速度制御をOFFするキャンセルスイッチを操作したことが挙げられる。
自律操舵制御・ハンズオフモードのレーンキープモードを実行中に、図5の条件(9)が成立すると、自律操舵制御・ハンズオンモードのレーンチェンジモードに遷移する。この条件(9)としては、たとえば、運転支援システム10の車線変更の提案に対し、ドライバーが車線変更支援スイッチを操作したことと、ドライバーが自律車線変更制御を実行するために方向指示レバーを操作したこととが挙げられる。
なお、車線変更支援スイッチとは、運転支援装置19が車線変更の開始をドライバーに確認した場合に、車線変更の開始を指示する(承諾する)ためのスイッチである。車線変更支援スイッチは、たとえばステアリングホイールに設けられている。
自律操舵制御・ハンズオンモードのレーンチェンジモードを実行中に、図5の条件(10)が成立すると、自律操舵制御・ハンズオンモードのレーンキープモードに遷移する。この条件(10)としては、たとえば、LCPの開始前に走行速度が制限速度を超えたことが挙げられる。
なお、本実施形態では、自律操舵制御・ハンズオフモードにおいてレーンキープモードとレーンチェンジモードが設定され、自律操舵制御・ハンズオフモードにおいて自律車線変更制御が実行できるものとする。
また、自律操舵制御・ハンズオフモード、自律操舵制御・ハンズオンモード、自律速度制御、スタンバイ状態のいずれかの状態でメインスイッチをOFFすると、システムOFFとなる。
判定部24は、自律操舵制御の実行中に、ドライバーにより入力された操舵操作が所定中止条件を満たすか否かを判定し、ドライバーにより入力された操舵操作が所定中止条件を満たすと判定した場合は、自律操舵制御を中止する機能を有する。自律車線変更制御の実行中とは、たとえば、自律車線変更制御を開始した後であって、車両Vが道路の幅方向の移動(横移動)を開始する前又は車両VがLCMを開始する前である。運転支援装置19は、判定部24の判定機能により、ドライバーの操舵操作が所定中止条件を満たしたと判定した場合は、自律操舵制御を中止する。
具体的には、運転支援装置19は、第1自律操舵制御の実行中にドライバーの操舵操作が所定中止条件を満たしたと判定した場合は、第1自律操舵制御を中止する。また、運転支援装置19は、第2自律操舵制御の実行中にドライバーの操舵操作が所定中止条件を満たしたと判定した場合は、第2自律操舵制御を中止する又は第1自律操舵制御及び第2自律操舵制御を中止する。第2自律操舵制御を中止した場合は、第1自律操舵制御に遷移し、第1自律操舵制御及び第2自律操舵制御を中止した場合は、ドライバーの手動操作による走行に遷移する。
操舵操作とは、車両Vの操舵輪を車両Vの目標進行方向に向ける操作を言い、たとえばステアリングホイールを回転させることである。操舵操作は、自車状態検出装置13の舵角センサ、トルクセンサなどを用いて検出される。所定中止条件とは、運転支援装置19が自律操舵制御を中止する条件であり、たとえば、車両Vのステアリングホイールの回転角度の絶対値が所定角度より大きくなる条件と、ドライバーによりステアリングホイールに入力された操舵トルクの絶対値が所定値より大きくなる条件とが挙げられる。操舵トルクとは、ステアリングホイールを回転させるトルクである。なお、所定中止条件はこれらに限られず、上述した各条件を適宜に組み合わせることができる。
ステアリングホイールの回転角度は、車両Vの操舵輪(たとえば前輪)が車両Vの前後方向と平行になるときを0°とし、ステアリングホイールを時計回りに回転させた場合は正の角度とし、反時計回りに回転させた場合は負の角度とする。ステアリングホイールに入力された操舵トルクは、ステアリングホイールを時計回りに回転させるトルクは正の値となり、反時計回りに回転させるトルクは負の値になるものとする。ステアリングホイールの回転角度及びステアリングホイールに入力される操舵トルクは、たとえば、自車状態検出装置13の舵角センサ及びトルクセンサにより検出する。
所定角度は、車両Vの走行速度に応じた値となり、自律操舵制御が中止された場合に車両Vの乗員が違和感を覚えない範囲内で適宜の値に設定できる。具体的には、車両Vが80~100km/hで走行している場合は約5~10°であり、車両Vが60~80km/hで走行している場合は約10~20°である。また、操舵トルクの所定値は、車両Vが80~100km/hで走行している場合は約5~15Nmであり、車両Vが60~80km/hで走行している場合は約20~30Nmである。車両Vの挙動変化を抑制するため、車両Vの走行速度が高いほど、所定角度及び所定値は小さい値に設定することが好ましい。なお、所定角度及び操舵トルクは、上述した範囲に限られず、本発明において、適宜に組み合わせて用いることができる。
運転支援装置19は、自律操舵制御の開始後、自律操舵制御の実行中に、ドライバーの操舵操作が所定中止条件を満たしたと判定した場合は、自律操舵制御を中止し、手動運転による走行に遷移する。この場合、運転支援装置19の状態は図5に示すシステムOFFの状態となり、ドライバーの操舵操作により車両の走行が制御される。なお、手動運転とは、運転支援装置19が走行動作の自律走行制御を行わず、ドライバーの操作により車両の走行を制御することを言う。この手動運転による走行への遷移は、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
これに代え、運転支援装置19は、自律操舵制御の開始後、自律操舵制御の実行中に、ドライバーの操舵操作が所定中止条件を満たしたと判定した場合は、自律操舵制御を中止し、自律速度制御を維持してもよい。この場合、運転支援装置19の状態は図5に示す自律速度制御の状態となる。自律操舵制御の実行中に、ドライバーの操舵操作が所定中止条件を満たしたと判定した場合に、自律操舵制御を中止し、自律速度制御を維持することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
これに対し、運転支援装置19は、自律操舵制御の開始後、自律操舵制御の実行中に検出された操舵操作が、所定中止条件を満たさないと判定した場合は、当該操舵操作に基づいて自律操舵制御による走行動作を補正する。たとえば、運転支援装置19は、所定中止条件を満たさない操舵操作に基づき、第2自律操舵制御において、車線変更の走行動作を実行するタイミングを早める又は遅らせる。この走行動作の補正は、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。これに代え、又はこれに加え、運転支援装置19は、当該操舵操作に基づき、第2自律操舵制御において、車線変更の走行動作の実行に要する時間を短く又は長くしてもよい。車線変更の走行動作の実行に要する時間を短く又は長くすることは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。これに代え、又はこれに加え、運転支援装置19は、当該操舵操作に基づき、第2自律操舵制御において、車両Vが自車線から他車線(たとえば隣接車線)に移動するときの、自車線(又は道路)の幅方向の速度を大きく又は小さくしてもよい。車両Vが自車線から他車線に移動するときの、自車線の幅方向の速度を大きく又は小さく設定することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
一例として、図2に示す自律車線変更制御(つまり第2自律操舵制御)を用いて、走行動作の補正について説明する。図2に示す走行シーンにおいて、車両Vは、位置P3にて車線L2への横移動を開始する。この場合に、当該横移動を開始する前の、位置P2と位置P3との間でステアリングホイールを左側に回転させる操舵トルクが検出されたとすると、操舵トルクの値が所定値より大きいときは、上述のとおり、第2自律操舵制御を中止する。これに対し、操舵トルクの値が所定値以下であるときは、運転支援装置19は、車両Vが車線L2への横移動を開始する位置を位置P3から位置P3aに変更する。つまり、運転支援装置19は、ステアリングホイールに入力された操舵トルクに応じて、車両Vが横移動を開始するタイミングを遅らせる。
他の例として、図2に示す走行シーンにおいて、車線L2への横移動を開始する前の、位置P2と位置P3との間でステアリングホイールを右側に回転させる操舵トルクが検出されたとする。この場合、操舵トルクの値が所定値より大きいときは、第2自律操舵制御を中止する。これに対し、操舵トルクの値が所定値以下であるときは、運転支援装置19は、車両Vが車線L2への横移動を開始する位置を位置P3から位置P3bに変更する。つまり、車両Vが横移動を開始するタイミングを早める。
車両Vが横移動を開始するタイミングを変化させた場合、LCPが完了する位置は当初設定した位置であってもよく、変化させたタイミングに合わせてLCPが完了する位置を変更してもよい。たとえば、車両Vが位置P3aから横移動を開始した場合は、LCPが完了する位置は位置P6であってもよく、位置P6より走行方向前方の位置であってもよい。また、車両Vが位置P3bから横移動を開始した場合は、LCPが完了する位置は位置P6であってもよく、位置P6より走行方向で後方の位置であってもよい。
またこれに代え、運転支援装置19は、自律操舵制御の開始後、所定値以下の操舵トルクが、所定時間以上継続してステアリングホイールに入力された場合は、自律操舵制御を中止してもよい。たとえば、図2に示す自律車線変更制御(つまり第2自律操舵制御)において、運転支援装置19が位置P1にてドライバーに車線変更を提案した後、ステアリングホイールを左側に回転させるトルクが所定時間以上継続して検出された場合は、運転支援装置19は、第2自律操舵制御を中止し、ドライバーの手動操作による走行に遷移する。当該所定時間は、第2自律操舵制御が中止された場合に車両Vの乗員が違和感を覚えない範囲内で適宜の値を設定でき、具体的には約5~60秒である。所定値以下の操舵トルクが、所定時間以上継続してステアリングホイールに入力された場合に、自律操舵制御を中止することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。これに代え、運転支援装置19は、自律操舵制御の開始後、所定中止条件を満たさない操舵操作が所定時間以上継続して検出された場合は、自律操舵制御を中止してドライバーの手動操作による走行に遷移してもよい。この自律操舵制御を中止してドライバーの手動操作による走行に遷移することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
本実施形態の運転支援装置19では、ドライバーは、操舵操作を入力することで第1自律操舵制御及び第2自律操舵制御のいずれも補正又は中止できる。ところが、同じ操舵操作を入力した場合でも、第1自律操舵制御を実行しているときと、第2自律操舵制御を実行しているときとでは、ドライバーの意図が異なる。すなわち、第1自律操舵制御(レーンキープ制御)の実行中に操舵操作が入力された場合は、ドライバーは、自律操舵制御(レーンキープ制御)の解除を意図している。これに対し、第2自律操舵制御の実行中に操舵操作が入力された場合は、ドライバーは、自律操舵制御の補正を意図している。そこで、本実施形態の所定中止条件は、第2自律操舵制御の開始後、特に車両Vが自車線の幅方向に移動を開始する前において、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され難い条件とする。これにより、第2自律操舵制御を継続しつつ、車両が自車線の幅方向に移動を開始する前に、ドライバーの意図を反映して車線変更の走行動作を補正できる。
運転支援装置19は、たとえば、図2に示す走行シーンであれば、位置P1と位置P2との間で第2自律操舵制御を開始した後、位置P3にて車線L2への横移動を開始する前に、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され難い条件に設定する。第2自律操舵制御を開始するタイミングは、車両Vが車線変更を開始する起点となる地点に到達したタイミングであり、当該タイミングは、車両Vが自車線の幅方向に横移動を開始する前である。たとえば、LCPを開始したタイミング、ドライバーに車線変更を提案したタイミング、方向指示器の点滅を開始したタイミング、他車線(たとえば隣接車線)に車両Vが進入するスペースを検出したタイミング、第2自律操舵制御を開始する地点として設定された地点に到達したタイミング、車両Vと、自車線又は他車線の先行車両との速度差が所定速度以下になったタイミングなどが挙げられる。
なお、本実施形態では、所定中止条件を、第2自律操舵制御の開始後、車両Vが自車線の幅方向に移動を開始する前において、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され難い条件とする。これは、少なくとも、第2自律操舵制御の開始後、車両Vが自車線の幅方向に移動を開始する前の間において、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され難い状態になっていればよい。好ましくは、所定中止条件を、第2自律操舵制御の開始する際に設定するとよい。なお、所定条件を、自車線の幅方向の移動を開始する際に、第2自律操舵制御が中止し易いように設定を変更することもできる。
運転支援装置19は、自律操舵制御を中止する、ステアリングホイールの回転角度である所定角度について、第2自律操舵制御の所定角度を、第1自律操舵制御の所定角度より大きく設定する。たとえば、第1自律操舵制御の所定角度を約5~10°に設定し、第2自律操舵制御の所定角度を、第1自律操舵制御の1.5倍である約7.5~15°に設定する。これに代え、又はこれに加え、運転支援装置19は、自律操舵制御を中止する操舵トルクの所定値について、第2自律操舵制御の所定値を、第1自律操舵制御の所定値より大きく設定してもよい。たとえば、第1自律操舵制御の所定値を約5~15Nmに設定し、第2自律操舵制御の所定値を、第1自律操舵制御の所定値の2倍である約10~30Nmに設定する。自律操舵制御を中止する、ステアリングホイールの回転角度である所定角度について、第2自律操舵制御の所定角度を、第1自律操舵制御の所定角度より大きく設定することと、自律操舵制御を中止する操舵トルクの所定値について、第2自律操舵制御の所定値を、第1自律操舵制御の所定値より大きく設定することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
なお、本実施形態の運転支援装置19は、第1自律操舵制御と第2自律操舵制御とを択一的に実行するものとする。そのため、たとえば、第1自律操舵制御の所定角度を10°に設定し、第2自律操舵制御の所定角度を15°に設定した場合に、ステアリングホイールの回転角度が12°と検出されたときは、第1自律操舵制御を実行中であれば第1自律操舵制御を中止し、第2自律操舵制御を実行中であれば第2自律操舵制御を継続することとなる。つまり、第2自律操舵制御を実行中に、第1自律操舵制御の所定中止条件を満たしても、第1自律操舵制御を中止することはなく、第2自律操舵制御を継続する。
これに代え、又はこれに加え、ステアリングホイールの回転角度の所定角度及び操舵トルクの所定値を変化させず、ステアリングホイールの動作の設定を変更することで、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され難い条件に設定してもよい。たとえば、車両の操舵輪の操舵角度を変化させるために必要なステアリングホイールの回転量が可変とされた操舵装置を備える場合、ステアリングホイールの回転量について、第2自律操舵制御の回転量を、第1自律操舵制御の回転量より多く設定する。これに代え、又はこれに加え、第2自律操舵制御においてステアリングホイールの回転に必要なトルクを、第1自律操舵制御においてステアリングホイールの回転に必要なトルクより大きくなるようにドライバーの操舵入力に対するアシストゲインを低く設定してもよい。これにより、所定角度に到達するために必要な回転量及び操舵トルクが増大し、第2自律操舵制御が中止され難くなる。なお、ステアリングホイールの回転角度の所定角度及び操舵トルクの所定値を変化させず、ステアリングホイールの動作の設定を変更することで、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され難い条件に設定することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
運転支援装置19は、車両Vのステアリングホイールの回転量に対する車両Vの操舵輪の操舵角度の変化量について、車両Vが自車線の幅方向に移動を開始する前に、第2自律操舵制御における変化量を、第1自律操舵制御における変化量より小さく設定してもよい。操舵角度とは、車両Vの前後方向に対する操舵輪の傾きを示す角度であり、車両Vのヨー角であってもよい。操舵角度は、車両Vの操舵輪(たとえば前輪)が車両Vの前後方向と平行になるときを0°とし、操舵輪が車両の右側に傾いた場合は正の角度とし、車両の左側に傾いた場合は負の角度とする。操舵角度は、自車状態検出装置13の舵角センサの検出結果から求める。すなわち、操舵角度は、ステアリングホイールの回転量(回転角度)に対応しているため、操舵角度と回転量(回転角度)の対応関係(たとえば比例関係)を用いて求めることができる。又はこれに代え、ヨーレートセンサから取得したヨーレートを積分し、操舵角度としてのヨー角を求めてもよい。車両Vが自車線の幅方向に移動を開始する前に、第2自律操舵制御における変化量を、第1自律操舵制御における変化量より小さく設定することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
運転支援装置19は、車両Vが、車両Vが走行する自車線の幅方向に移動を開始した後は、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され易い条件に設定する。又はこれに代え、運転支援装置19は、車両Vが、車両Vが走行する自車線の幅方向に移動を開始した後は、所定中止条件を、第1自律操舵制御を中止する条件に設定してもよい。これにより、車両Vが車線変更の走行動作を開始した後に、ドライバーが自律操舵制御を中止したい場合、ドライバーが自車線の幅方向の移動速度を上げたい場合などに、ドライバーの意図を車両Vの走行に反映しやすくなる。車両Vが、車両Vが走行する自車線の幅方向に移動を開始した後に、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され易い条件に設定することと、車両Vが、車両Vが走行する自車線の幅方向に移動を開始した後に、所定中止条件を、第1自律操舵制御を中止する条件に設定することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
また、運転支援装置19は、車両Vの操舵輪のうち車両Vが移動する方向と反対側の方向の操舵輪が、自車線を画定する境界線の上を通過した後に、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され易い条件に設定する。又はこれに代え、運転支援装置19は、車両Vの操舵輪のうち車両Vが移動する方向と反対側の方向の操舵輪が、自車線を画定する境界線の上を通過した後に、所定中止条件を、第1自律操舵制御を中止する条件に設定してもよい。
たとえば、図2に示す走行シーンであれば、車両Vは車線L1から右側の車線L2に車線変更するため、車両Vの左側の前輪が、車線L1を画定する破線の境界線の上を通過した後に、所定中止条件を、第1自律操舵制御を中止する条件に設定する。左側の前輪の位置は、たとえば、撮像装置11から取得した境界線の画像データと、測距装置12から取得した路肩までの距離のデータとに基づいて推測する。これに代え、又はこれに加え、車両Vのダンパーに取り付けられた加速度センサの検出結果から、車両Vの前輪が境界線の上を通過したか否かを判定してもよい。これにより、自律操舵制御を中止する、自車線の幅方向の移動速度を上げるといったドライバーの意図を車両Vの走行に反映しやすくなる。車両Vの操舵輪のうち車両Vが移動する方向と反対側の方向の操舵輪が、自車線を画定する境界線の上を通過した後に、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され易い条件に設定することと、車両Vの操舵輪のうち車両Vが移動する方向と反対側の方向の操舵輪が、自車線を画定する境界線の上を通過した後に、所定中止条件を、第1自律操舵制御を中止する条件に設定することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
運転支援装置19は、第2自律操舵制御により車両Vの方向指示器の点滅を開始した後に、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され難い条件に設定してもよい。これにより、方向指示器の点滅開始後に第2自律操舵制御が中止し難い状態となり、車両Vの後方から、車両Vより高速で走行する後続車両が接近する場合などに、ドライバーの意図を反映して車両Vが自車線の幅方向の移動を開始するタイミングを早めることができる。第2自律操舵制御により車両Vの方向指示器の点滅を開始した後に、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され難い条件に設定することは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。また、運転支援装置19は、第2自律操舵制御の開始後、車両Vが自車線の幅方向に移動を開始する前にドライバーの操舵操作が検出されたか否かを判定し、ドライバーの操舵操作が検出された場合は、車両Vの方向指示器を点滅させてもよい。これにより、車両Vの周囲の他車両に、車両Vが車線変更を試みていることを表示できる。第2自律操舵制御の開始後、車両Vが自車線の幅方向に移動を開始する前にドライバーの操舵操作が検出されたか否かを判定することと、ドライバーの操舵操作が検出された場合に、車両Vの方向指示器を点滅させることは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
運転支援装置19は、第2自律操舵制御により他車線(たとえば隣接車線)への移動を開始する前に、認識部22の環境認識機能により、撮像装置11及び測距装置12の検出結果から車両Vが他車線に進入するスペースを検出する。この場合に、検出されたスペースの、車両Vの進行方向の長さが、車両Vの全長より長く、第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定される長さより短いか否かを判定する。第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定されるスペースとは、たとえば、車両Vの前方の障害物との車間時間(THW)が0.7~1.4秒以上であり、車両Vの後方の障害物との車間時間(THW)が0.7~1.4秒以上であるスペースである。
運転支援装置19は、検出されたスペースの、車両Vの進行方向の長さが、車両Vの全長より長く、第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定される長さより短い場合は、所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され難い条件に設定する。これにより、第2自律操舵制御を継続しつつ、ドライバーの判断に因り車線変更ができる。これに対し、検出されたスペースの、車両Vの進行方向の長さが、車両Vの全長以下である場合又は第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定される長さ以上である場合は、運転支援装置19は、所定中止条件を維持する又は所定中止条件を、第2自律操舵制御が第1自律操舵制御より中止され易い条件に設定する。第2自律操舵制御により他車線への移動を開始する前に、車両Vが他車線に進入するスペースを検出することと、検出されたスペースの、車両Vの進行方向の長さが、車両Vの全長より長く、第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定される長さより短いか否かを判定することとは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて付け加えてもよく省略してもよい。
なお、運転支援装置19は、車両の操舵輪の操舵角度を変化させるために必要なステアリングホイールの回転量が可変とされた操舵装置を備える場合、同じ回転量の操舵操作が入力された場合であっても、入力時間が短いときは第1自律操舵制御(レーンキープ制御)を維持し、継続して入力されたときは第2自律操舵制御(自律車線変更制御)を実行するようにしてもよい。たとえば、ステアリングホイールの回転角度を30°とする回転がステアリングホイールに入力された場合に、入力時間が約0.5~5秒であれば操舵輪を回転させずに第1自律操舵制御を維持し、入力時間が約5秒より長いときは、操舵操作に応じて操舵輪を回転させるとともに第2自律操舵制御を実行する。
[運転支援システムにおける処理]
図6A~6Bを参照して、運転支援装置19が情報を処理する際の手順を説明する。図6A~6Bは、本実施形態の運転支援システム10において実行される、情報の処理を示すフローチャートの一例である。以下に説明する処理は、運転支援装置19のプロセッサであるCPU191により所定の時間間隔で実行される。なお、図6A~6Bに示すフローチャートは、車両Vが道路をレーンキープ制御で走行する走行シーンを前提とする。
まず、図6AのステップS1にて、判定部24の判定機能により、第1自律操舵制御(レーンキープ制御)の所定中止条件を設定する。この所定中止条件は、たとえば第1自律操舵制御より第2自律操舵制御が中止され易い条件であり、予め設定された基準となる条件であってよい。続くステップS2にて、操舵制御部232の第1自律操舵制御(レーンキープ制御)により、車両制御装置17を用いて車両Vを走行させる。具体的には、車間制御又は定速制御により、速度制御装置171を用いて車両Vの走行速度を制御する。また、自律操舵制御により、車両が自車線に沿って走行するよう、操舵制御装置172を用いて車両Vの操舵装置を制御する。
ステップS3にて、認識部22の環境認識機能により、自車位置検出装置15から車両Vの現在位置を取得する。続くステップS4にて、制御部23の走行制御機能により、ナビゲーション装置16から走行経路を取得する。続くステップS5にて、認識部22の環境認識機能により、撮像装置11及び測距装置12の検出結果から、車両Vの周囲の走行環境を認識する。
ステップS6にて、判定部24の判定機能により、ステップS3~S5にて取得した情報に基づいて、第2自律操舵制御の実行が必要か否かを判定する。たとえば、設定された走行経路に沿って左折するため、自車線から、左折専用車線である隣接車線に車線変更する必要がある場合は、第2自律操舵制御の実行が必要と判定する。これに対し、自車線に沿って走行を継続して目的地に到達できる場合は、第2自律操舵制御の実行が必要ないと判定する。
第2自律操舵制御の実行が必要ないと判定した場合は、ステップS7に進み、第1自律操舵制御(レーンキープ制御)による走行を維持する。続くステップS8にて、支援部20の運転支援機能により、車両Vが目的地に到着したか否かを判定する。車両Vが目的地に到着したと判定した場合は、自律走行制御を中止し、表示装置18を介してドライバーの手動操作による運転を促す。これに対し、車両Vが目的地に到着していないと判定した場合は、ステップS2に進み、上述の処理を繰り返す。
一方、ステップS6にて、第2自律操舵制御の実行が必要であると判定した場合は、ステップS9に進み、判定部24の判定機能により、車線変更開始条件を満たすか否かを判定する。車線変更開始条件を満たさないと判定した場合は、自律走行制御を中止し、表示装置18を介してドライバーの手動操作による車線変更を促す。これに対し、車線変更開始条件を満たすと判定した場合は、ステップS10に進み、制御部23による第2自律操舵制御を開始する。続くステップS11にて、判定部24の判定機能により、第2自律操舵制御の所定中止条件を設定する。すなわち、第1自律操舵制御より第2自律操舵制御が中止され難い所定中止条件を設定する。
次に、図6BのステップS12にて、判定部24の判定機能により、ドライバーによる操舵操作が検出されたか否かを判定する。ドライバーによる操舵操作が検出されないと判定した場合は、ステップS17に進み、制御部23の第2自律操舵制御による車線変更を開始する。具体的には、LCP、LCM、方向指示器の点滅又は自車線の幅方向の横移動を開始する。これに対し、ドライバーによる操舵操作が検出された場合は、ステップS13に進む。なお、すでに車線変更を開始している場合は、図6Bに示すステップS17を「車線変更を継続」と読み替えるものとする。
ステップS13にて、判定部24の判定機能により、入力された操舵操作が所定中止条件を満たすか否かを判定する。たとえば、トルクセンサ(自車状態検出装置13)から取得した操舵トルクの絶対値が所定値より大きい場合は、所定中止条件を満たすと判定する。これに対し、舵角センサ(自車状態検出装置13)から取得されたステアリングホイールの回転角度が所定角度以下である場合は、所定中止条件を満たさないと判定する。
操舵操作が所定中止条件を満たさないと判定した場合は、ステップS14に進み、操舵操作に応じて車線変更の走行動作を補正する。たとえば、進行方向右側に車線変更する場合に、ステアリングホイールを進行方向左側に転舵するトルクが検出されたときは、車両Vが横移動を開始するタイミングを遅らせる。
続くステップS15にて、判定部24の判定機能により、所定値以下の操舵トルクが、所定時間以上継続してステアリングホイールに入力されたか否かを判定する。所定値以下の操舵トルクが、所定時間以上継続してステアリングホイールに入力されなかったと判定した場合は、ステップS17に進み、補正された走行動作に基づいて車線変更を実行する。
これに対し、所定値以下の操舵トルクが、所定時間以上継続してステアリングホイールに入力されたと判定した場合は、ステップS16に進み、第2自律操舵制御を中止する。また、ステップS13にて、入力された操舵操作が所定中止条件を満たすと判定した場合もステップS16に進み、第2自律操舵制御を中止する。そして、表示装置18を介してドライバーの手動操作による運転を促す。
ステップS17にて車線変更を開始した後、ステップS18にて、判定部24の判定機能により、車両Vが自車線の幅方向の移動を開始したか否かを判定する。たとえば、舵角センサ又はトルクセンサでステアリングホイールの回転が検出された場合は、車両Vが自車線の幅方向の移動を開始したと判定し、ステップS22に進む。これに対し、ステアリングホイールの回転が検出されなかった場合は、車両Vが自車線の幅方向の移動を開始していないと判定し、ステップS19に進む。
ステップS19にて、判定部24の判定機能により、車両Vの操舵輪のうち車両Vが移動する方向と反対側の方向の操舵輪が、自車線を画定する境界線の上を通過したか否かを判定する。たとえば、車両Vが左側の隣接車線に車線変更する場合は、車両Vの右側の前輪が、自車線を画定する境界線の上を通過したか否かを判定する。当該判定では、たとえば、撮像装置11から取得した境界線の画像データと、測距装置12から取得した路肩までの距離のデータとに基づいて、自車線における車両Vの前輪の位置を推測する。車両Vが移動する方向と反対側の方向の操舵輪が、自車線を画定する境界線の上を通過したと判定した場合は、ステップS22に進む。これに対し、車両Vが移動する方向と反対側の方向の操舵輪が、自車線を画定する境界線の上を通過していないと判定した場合は、ステップS20に進む。
ステップS20にて、認識部22の環境認識機能により、撮像装置11から取得した画像データを用いて、自車線の隣接車線に進入するためのスペースを検出する。続くステップS21にて、検出されたスペースの、車両Vの進行方向の長さが、車両Vの全長より長く、第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定される長さより短いか否かを判定する。検出されたスペースの、車両Vの進行方向の長さが、車両Vの全長より長く、第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定される長さより短い場合は、ステップS23に進む。これに対し、検出されたスペースの、車両Vの進行方向の長さが、車両Vの全長以下である又は第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定される長さ以上である場合は、ステップS22に進む。
ステップS22にて、判定部24の判定機能により、所定中止条件を、第1自律操舵制御が中止される条件に変更する。たとえば、所定中止条件を、ステップS1にて設定した条件に変更する。これに代え、所定中止条件を、第2自律操舵制御がより中止し易い条件に変更してもよい。その後、ステップS23に進む。
ステップS23にて、支援部20の走行制御機能により、車線変更が完了したか否かを判定する。具体的には、LCM又はLCPが完了したか否かを判定する。車線変更が完了していないと判定した場合は、ステップS12に進み、上述の処理を繰り返す。これに対し、車線変更が完了したと判定した場合は、第2自律操舵制御を終了して図6AのステップS8に進む。
[本発明の実施態様]
以上のとおり、本実施形態によれば、車両Vが走行する自車線に沿った走行を維持する第1自律操舵制御と、前記自車線から他車線へ車線変更する第2自律操舵制御と、を含む自律操舵制御を実行し、前記自律操舵制御の実行中に入力されたドライバーの操舵操作が所定中止条件を満たす場合は、前記自律操舵制御を中止する、プロセッサにより実行される車両の運転支援方法において、前記所定中止条件は、前記第2自律操舵制御の開始後であって、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始する前において、前記第2自律操舵制御が前記第1自律操舵制御より中止され難い条件である、車両の運転支援方法が提供される。これにより、ドライバーの操舵操作により、自律車線変更制御を継続すべき走行シーンにおいて自律操舵制御が中止されることを抑制できる。また、ドライバーが周囲の走行環境を確認し、車線変更が可能なタイミングで操舵を行っても、自律操舵制御を継続したまま車線変更が開始できる。そのため、ドライバーは、所望のタイミングで車線変更の走行動作を開始でき、車線変更の走行動作を開始した後は自律操舵制御により走行できる。
また、本実施形態の車両の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記第2自律操舵制御の開始後、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始する前に、前記所定中止条件を、前記第2自律操舵制御が前記第1自律操舵制御より中止され難い条件に設定してもよい。これにより、ドライバーの操舵操作により、ドライバーの意図に反して自律操舵制御が中止されることを抑制できる。
また、本実施形態の車両の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記車両のステアリングホイールの回転量に対する前記車両の操舵輪の操舵角度の変化量について、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始する前に、前記第2自律操舵制御における前記変化量を、前記第1自律操舵制御における前記変化量より小さく設定してもよい。これにより、所定角度に到達するために必要な回転量が増大し、第2自律操舵制御が中止され難くなる。
また、本実施形態の車両の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始した後、前記所定中止条件を、前記第1自律操舵制御を中止する条件に設定してもよい。これにより、車両Vが車線変更の走行動作を開始した後に、ドライバーが自律操舵制御を中止したい場合、ドライバーが自車線の幅方向の移動速度を上げたい場合などに、ドライバーの意図を車両Vの走行に反映しやすくなる。
また、本実施形態の車両の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記車両の操舵輪のうち前記車両が移動する方向と反対側の方向の前記操舵輪が、前記自車線を画定する境界線の上を通過した後に、前記所定中止条件を、前記第1自律操舵制御を中止する条件に設定してもよい。これにより、自律操舵制御を中止する、自車線の幅方向の移動速度を上げるといったドライバーの意図を車両Vの走行に反映しやすくなる。
また、本実施形態の車両の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記第2自律操舵制御により前記車両の方向指示器の点滅を開始した後に、前記所定中止条件を、前記第2自律操舵制御が前記第1自律操舵制御より中止され難い条件に設定してもよい。これにより、車両Vの後方から、車両Vより高速で走行する後続車両が接近する場合などに、ドライバーの意図を反映して車両Vが自車線の幅方向の移動を開始するタイミングを早めることができる。
また、本実施形態の車両の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記第2自律操舵制御の開始後、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始する前に前記操舵操作が検出された場合は、前記車両の方向指示器を点滅させてもよい。これにより、車両Vの周囲の他車両に、車両Vが車線変更を試みていることを表示できる。
また、本実施形態の車両の運転支援方法によれば、前記プロセッサは、前記車両が前記他車線に進入するスペースを検出し、検出された前記スペースの、前記車両の進行方向の長さが、前記車両の全長より長く、前記第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定される長さより短い場合は、前記所定中止条件を、前記第2自律操舵制御が前記第1自律操舵制御より中止され難い条件に設定してもよい。これにより、第2自律操舵制御を継続しつつ、ドライバーの判断に因り車線変更ができる。
また、本実施形態によれば、車両Vが走行する自車線に沿った走行を維持する第1自律操舵制御と、前記自車線から他車線へ車線変更する第2自律操舵制御と、を含む自律操舵制御を実行する制御部23と、前記自律操舵制御の実行中に入力されたドライバーの操舵操作が所定中止条件を満たす場合は、前記自律操舵制御を中止する判定部24と、を備え、前記所定中止条件は、前記第2自律操舵制御の開始後であって、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始する前において、前記第2自律操舵制御が前記第1自律操舵制御より中止され難い条件である、車両の運転支援装置19が提供される。これにより、ドライバーの操舵操作により、自律車線変更制御を継続すべき走行シーンにおいて自律操舵制御が中止されることを抑制できる。また、ドライバーが周囲の走行環境を確認し、車線変更が可能なタイミングで操舵を行っても、自律操舵制御を継続したまま車線変更が開始できる。そのため、ドライバーは、所望のタイミングで車線変更の走行動作を開始でき、車線変更の走行動作を開始した後は自律操舵制御により走行できる。
本実施形態の車両の運転支援方法及び運転支援装置19では、上述の実施態様に記載された各構成を自由に組み合わせて用いてよく、その組み合わせは特に限定されない。また、本実施形態の車両の運転支援方法及び運転支援装置19では、上述の実施態様に記載された構成に限らず、実施形態に記載された構成を自由に組み合わせて用いてよく、その組み合わせは特に限定されない。
10…運転支援システム
11…撮像装置
12…測距装置
13…自車状態検出装置
14…地図情報
15…自車位置検出装置
16…ナビゲーション装置
17…車両制御装置
171…速度制御装置
172…操舵制御装置
18…表示装置
19…運転支援装置
191…CPU(プロセッサ)
192…ROM
193…RAM
20…支援部
21…生成部
22…認識部
23…制御部
231…速度制御部
232…操舵制御部
24…判定部
L1,L2,L3,L4…車線
P1,P2,P3,P3a,P3b,P4,P5,P6,P7,P8,P9,P10,P11,P12,P13,Py…位置
T1,T2,T3,T4,T5,T6…走行軌跡
V…車両(自車両)
X…目的地
Y…他車両
Z…分岐地点

Claims (7)

  1. プロセッサにより実行される車両の運転支援方法において、
    前記プロセッサは、
    車両が走行する自車線に沿った走行を維持する第1自律操舵制御と、前記自車線から他車線へ車線変更する第2自律操舵制御と、を含む自律操舵制御を実行し、
    前記第1自律操舵制御の所定中止条件を設定し、
    前記第1自律操舵制御の実行中に入力されたドライバーの操舵操作が前記第1自律操舵制御の所定中止条件を満たす場合は、前記第1自律操舵制御を中止
    記第2自律操舵制御の開始後且つ前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始する前に、前記第1自律操舵制御の所定中止条件より中止され難い条件である前記第2自律操舵制御の所定中止条件を設定し
    前記第2自律操舵制御を開始してから、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始するまでに前記操舵操作を検出した場合は、前記操舵操作が前記第2自律操舵制御の所定中止条件を満たすか否かを判定し、
    前記操舵操作が前記第2自律操舵制御の所定中止条件を満たすと判定した場合は、前記第2自律操舵制御を中止し、
    前記操舵操作が前記第2自律操舵制御の所定中止条件を満たさないと判定した場合は、前記操舵操作に基づいて前記第2自律操舵制御による車線変更の走行動作を補正する、車両の運転支援方法。
  2. 前記プロセッサは、前記車両のステアリングホイールの回転量に対する前記車両の操舵輪の操舵角度の変化量について、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始する前に、前記第2自律操舵制御における前記変化量を、前記第1自律操舵制御における前記変化量より小さく設定する、請求項1に記載の車両の運転支援方法。
  3. 前記プロセッサは、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始した後、前記第2自律操舵制御の所定中止条件を、前記第1自律操舵制御の所定中止条件と同じ条件に設定する、請求項1又は2に記載の車両の運転支援方法。
  4. 前記プロセッサは、前記車両の操舵輪のうち前記車両が移動する方向と反対側の方向の前記操舵輪が、前記自車線を画定する境界線の上を通過した後に、前記第2自律操舵制御の所定中止条件を、前記第1自律操舵制御の所定中止条件と同じ条件に設定する、請求項1又は2に記載の車両の運転支援方法。
  5. 前記プロセッサは、前記第2自律操舵制御により前記車両の方向指示器の点滅を開始した後に、前記第1自律操舵制御の所定中止条件より中止され難い条件である前記第2自律操舵制御の所定中止条件を設定する、請求項1又は2に記載の車両の運転支援方法。
  6. 前記プロセッサは、
    前記車両が前記他車線に進入するスペースを検出し、
    検出された前記スペースの、前記車両の進行方向の長さが、前記車両の全長より長く、前記第2自律操舵制御にて車線変更可能と判定される長さより短い場合は、前記第1自律操舵制御の所定中止条件より中止され難い条件である前記第2自律操舵制御の所定中止条件を設定する、請求項1又は2に記載の車両の運転支援方法。
  7. 車両が走行する自車線に沿った走行を維持する第1自律操舵制御と、前記自車線から他車線へ車線変更する第2自律操舵制御と、を含む自律操舵制御を実行する制御部と、
    前記第1自律操舵制御の所定中止条件を設定し、前記第1自律操舵制御の実行中に入力されたドライバーの操舵操作が前記第1自律操舵制御の所定中止条件を満たす場合は、前記第1自律操舵制御を中止する判定部と、を備え、
    前記判定部は、
    記第2自律操舵制御の開始後且つ前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始する前に、前記第1自律操舵制御の所定中止条件より中止され難い条件である前記第2自律操舵制御の所定中止条件を設定し
    記第2自律操舵制御を開始してから、前記車両が前記自車線の幅方向に移動を開始するまでに前記操舵操作を検出した場合は、前記操舵操作が前記第2自律操舵制御の所定中止条件を満たすか否かを判定し、
    前記制御部は、
    前記判定部が、前記操舵操作が前記第2自律操舵制御の所定中止条件を満たすと判定した場合は、前記第2自律操舵制御を中止し、
    前記判定部が、前記操舵操作が前記第2自律操舵制御の所定中止条件を満たさないと判定した場合は、前記操舵操作に基づいて前記第2自律操舵制御による車線変更の走行動作を補正する、車両の運転支援装置。
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