特に定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語はすべて、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または等価な任意の方法および物質もまた、本開示の実施形態の実施または試験に使用され得る。
本明細書において、および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(and)」および「その(the)」は、文脈が特に明白に示さない限り、複数の指示物を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「化合物(a compound)」と言う場合、単一の化合物だけではなく、2つまたはそれより多くの化合物の組合せ物も含み、「置換基(a substituent)」と言う場合、単一の置換基と、2つまたはそれより多くの置換基とを含み、他も同様である。
本発明を記載および主張するに際し、ある特定の用語が、以下に説明される定義に従って使用される。本明細書において提供される定義は、相互に排他的であることは意図されていないことが理解される。したがって、ある化学部分は、1つより多い用語の定義に収まることがある。
語句「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「など(such as)」または「含む(including)」は、一層一般的な主題をさらに明確にする例を組み込むことを意図する。これらの例は、本開示を理解する一助としてのみに提示されており、限定を決して意図するものではない。
本明細書において議論されている刊行物は、本出願の出願日以前にそれらが開示されていることを単に提示しているに過ぎない。本発明が、先行発明によってこのような刊行物により先行される権利がないことを承認するものとして解釈されるべきものは、本明細書において何ら存在しない。さらに、提示されている刊行物の日付けは、実際の公開日とは異なることがあり、この日付けは、独立して確認する必要があることがある。
用語「活性剤」、「アンタゴニスト」、「阻害剤」、「薬物」および「薬理学的活性剤」は、本明細書において互換的に使用されて、生物(ヒトまたは動物)に投与されると、局所作用および/または全身作用による所望の薬理学的作用および/または生理学的作用を誘発する、化学物質または化合物を指す。
用語「処置(treatment)」、「処置すること(treating)」などは、腫瘍負荷の低下などの、所望の薬理学的作用および/または生理学的作用を得ることを指す。この作用は、疾患もしくはそれらの症状を完全にもしくは部分的に予防する点で予防的とすることができ、かつ/あるいは疾患および/または疾患に起因し得る有害作用に対する部分的もしくは完全な治癒という点で治療的とすることができる。「処置」は、哺乳動物における、特にヒトにおける疾患の任意の処置を包含することが意図されており、以下:(a)疾患に罹り易い可能性があるが、疾患を有するとまだ診断されていない被験体に疾患または疾患の症状(例えば、一次疾患に関連し得るまたは一次疾患によって引き起こされる恐れのある疾患(慢性HCV感染の状況においてもたらされる恐れのある肝線維症におけるような)を含む)が起こることを予防すること、(b)疾患を阻害すること、すなわちその発症を停止させること、および(c)疾患を軽減すること、すなわち疾患の後退(例えば、腫瘍負荷の低下)を引き起こすことを含む。
用語「薬学的に許容される塩」は、哺乳動物などの患者への投与に許容される塩(所与の投与量レジメンにとって許容される哺乳動物への安全性を有する対イオンとの塩)を意味する。このような塩は、薬学的に許容される無機塩基または有機塩基から、および薬学的に許容される無機酸または有機酸から誘導することができる。「薬学的に許容される塩」とは、化合物の薬学的に許容される塩を指し、この塩は、当分野で周知の様々な有機対イオンおよび無機対イオンから誘導され、単なる例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど、および分子が塩基性官能基を含有する場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、ベシル酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸または無機酸の塩を含む。
用語「個体」、「宿主」、「被験体」および「患者」は、本明細書において互換的に使用され、以下に限定されないが、サル類およびヒトを含めたヒトおよび非ヒト霊長類;ラットおよびマウスを含むげっ歯類;ウシ類;ウマ類;ヒツジ類;ネコ類;イヌ類などを含めた動物を指す。「哺乳動物」は、任意の哺乳動物種のメンバー(単数または複数)を意味し、例として、イヌ類;ネコ類;ウマ類;ウシ類;ヒツジ類;げっ歯目など、および霊長類、例えば、非ヒト霊長類およびヒトを含む。非ヒト動物モデル、例えば、哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、ネズミ科、ウサギ目などを実験検討に使用することができる。
本明細書において互換的に使用される用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指し、このポリマー形態には、コードされたアミノ酸およびコードされないアミノ酸、化学的または生化学的に改変または誘導されたアミノ酸、ならびに改変されたペプチド骨格を有するポリペプチドを含むことができる。この用語は、以下に限定されないが、N末端メチオニン残基を有するもしくは有さない、異種配列および天然リーダー配列を有する融合物である非相同性アミノ酸配列を有する融合タンパク質;免疫学的にタグ付けされたタンパク質;検出可能な融合パートナーを有する融合タンパク質、例えば、融合パートナーとして、蛍光タンパク質、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼなどを含む融合タンパク質などを含めた、融合タンパク質を含む。
用語「核酸分子」および「ポリヌクレオチド」は、互換的に使用され、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド、またはそれらのアナログのいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有することがあり、既知または不明の任意の機能を発揮し得る。ポリヌクレオチドの非限定例には、遺伝子、遺伝子断片、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐状ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、調節領域、任意の配列の単離RNA、核酸プローブおよびプライマーが含まれる。核酸分子は、直鎖状であってもよく、または環状であってもよい。
「治療有効量」または「有効量」は、疾患、状態または障害を処置するため、哺乳動物または他の被験体に投与されると、疾患、状態または障害に対するこのような処置を行うのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置される被験体の年齢、体重などに応じて様々となろう。
用語「単位剤形」とは、本明細書で使用される場合、ヒトおよび動物被験体のための単位投与量として好適な物理的に離散性の単位を指し、各単位は、薬学的に許容される希釈剤、担体またはビヒクルと連携して、所望の効果を生じるのに十分な量で計算される所定量の化合物(例えば、本明細書に記載されているアミノピリミジン化合物)を含有する。単位剤形に関する規格は、使用される特定の化合物、および実現されるべき効果、および宿主における各化合物に関連する薬力学に依存する。
用語「薬学的に許容される賦形剤」、「薬学的に許容される希釈剤」、「薬学的に許容される担体」および「薬学的に許容されるアジュバント」は、医薬組成物を調製する際に有用な、一般に安全で非毒性の、生物学的にもその他の点でも望ましくもないことがない、賦形剤、希釈剤、担体またはアジュバントを指し、獣医学的使用およびヒト医薬品使用に許容される賦形剤、希釈剤、担体およびアジュバントを含む。本明細書および特許請求の範囲において使用される「薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、担体およびアジュバント」は、このような賦形剤、希釈剤、担体およびアジュバントを1種および1種より多くの両方を含む。
用語「医薬組成物」は、哺乳動物、とりわけヒトなどの、被験体への投与に好適な組成物を包含することが意図される。一般に、「医薬組成物」は、滅菌であり、被験体の内部で望ましくない応答を誘発することが可能な夾雑物を好ましくは含まない(例えば、医薬組成物中の化合物(単数または複数)は、医薬品グレードである)。医薬組成物は、経口、口内、直腸、非経口、腹腔内、皮内、気管内、筋肉内、皮下などを含めたいくつかの異なる投与経路を介して、それを必要とする被験体または患者に投与するよう設計され得る。
語句「式を有する」または「構造を有する」は、限定を意図するものではなく、用語「含む」が一般に使用されるのと同じように使用される。用語「から独立して選択される」は、本明細書において、記載されている要素、例えばR基などが、同一とすることができるか、または異なることができることを示すよう使用される。
用語「してもよい(may)」、「必要に応じた(optional)」、「必要に応じて(optionally)」または「必要に応じて、~してもよい」は、その後に記載されている状況が起こることがあるか、または起こらないことがあることを意味し、その結果、この記載は、その状況が起こる例およびその状況が起こらない例を含む。例えば、語句「必要に応じて置換されている」は、非水素置換基は、所与の原子上に存在してもよく、または存在しなくてもよいことを意味し、したがって、この記載は、非水素置換基が存在する構造、および非水素置換基が存在しない構造を含む。
「アシル」とは、基H-C(O)-、アルキル-C(O)-、置換アルキル-C(O)-、アルケニル-C(O)-、置換アルケニル-C(O)-、アルキニル-C(O)-、置換アルキニル-C(O)-、シクロアルキル-C(O)-、置換シクロアルキル-C(O)-、シクロアルケニル-C(O)-、置換シクロアルケニル-C(O)-、アリール-C(O)-、置換アリール-C(O)-、ヘテロアリール-C(O)-、置換ヘテロアリール-C(O)-、ヘテロシクリル-C(O)-および置換ヘテロシクリル-C(O)-を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は、本明細書で定義されている通りである。例えば、アシルは、「アセチル」基CH3C(O)-を含む。
用語「アルキル」とは、必ずしもではないが通常、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、オクチル、デシルなど、およびシクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基などの、1~約24個の炭素原子を含有する、分岐状または非分岐状飽和炭化水素基(すなわち、モノラジカル)を指す。一般に、必ずしもではないが、アルキル基は、本明細書において、1~約18個の炭素原子を含有することができ、このような基は、1~約12個の炭素原子を含有することができる。用語「低級アルキル」は、1~6個の炭素原子からなるアルキル基を意図する。「置換アルキル」は、1つまたは複数の置換基により置換されているアルキルを指し、これは、カルボニル基中などの、アルキル置換基中の同一炭素原子からの2個の水素原子が置き換えられている例を含む(すなわち、置換アルキル基は、-C(=O)-部分を含むことができる)。用語「ヘテロ原子含有アルキル」および「ヘテロアルキル」とは、以下にさらに詳述されている通り、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子により置き換えられているアルキル置換基を指す。用語「アルキル」および「低級アルキル」は、特に示されていない場合、それぞれ、直鎖状、分岐状、環式、非置換の、置換されているおよび/もしくはヘテロ原子を含有するアルキルまたは低級アルキルを含む。
用語「置換アルキル」は、本明細書で定義されているアルキル基であって、アルキル鎖中の1個または複数の炭素原子が、-O-、-N-、-S-、-S(O)n-(nは、0~2である)、-NR-(Rは、水素またはアルキルである)などのヘテロ原子により必要に応じて置き換えられており、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-アリール、-SO2-ヘテロアリールおよび-NRaRb(R’およびR”は、同一であってもよくまたは異なっていてもよく、水素、必要に応じて置換されているアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式から選択される)からなる群から選択される1~5つの置換基を有する、アルキル基を含むことが意図されている。
用語「アルケニル」とは、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、エイコセニル、テトラコセニルなどの、少なくとも1つの二重結合を含有する、2~約24個の炭素原子からなる直鎖状、分岐状または環式炭化水素基を指す。一般に、やはり必ずしもではないが、アルケニル基は、本明細書において、2~約18個の炭素原子を含有することができ、例えば、2~12個の炭素原子を含有することができる。用語「低級アルケニル」は、2~6個の炭素原子からなるアルケニル基を意図する。用語「置換アルケニル」とは、1つまたは複数の置換基により置換されているアルケニルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルケニル」および「ヘテロアルケニル」とは、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子により置き換えられているアルケニルを指す。用語「アルケニル」および「低級アルケニル」は、特に示されていない場合、それぞれ、直鎖状、分岐状、環式、非置換の、置換されているおよび/またはヘテロ原子を含有するアルケニルならびに低級アルケニルを含む。
用語「アルキニル」とは、エチニル、n-プロピニルなどの、少なくとも1つの三重結合を含有する2~24個の炭素原子からなる直鎖状または分岐状炭化水素基を指す。一般に、やはり必ずしもではないが、アルキニル基は、本明細書において、2~約18個の炭素原子を含有することができ、このような基は、2~12個の炭素原子をさらに含有することができる。用語「低級アルキニル」は、2~6個の炭素原子からなるアルキニル基を意図する。用語「置換アルキニル」とは、1つまたは複数の置換基により置換されているアルキニルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルキニル」および「ヘテロアルキニル」とは、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子により置き換えられているアルキニルを指す。用語「アルキニル」および「低級アルキニル」は、特に示されていない場合、それぞれ、直鎖状、分岐状、非置換の、置換されているおよび/またはヘテロ原子を含有するアルキニルおよび低級アルキニルを含む。
用語「アルコキシ」とは、単一の末端エーテル連結基を介して結合しているアルキル基を指す。すなわち、「アルコキシ」基は、-O-アルキルと表されることができ、アルキルは、上で定義されている通りである。「低級アルコキシ」基は、1~6個の炭素原子を含有するアルコキシ基を指し、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、t-ブチルオキシなどを含む。「C1~C6アルコキシ」または「低級アルコキシ」として特定される置換基は、本明細書において、例えば、1~3個の炭素原子を含有してもよく、さらなる例として、このような置換基は、1個または2個の炭素原子を含有してもよい(すなわち、メトキシおよびエトキシ)。表示「-OMe」および「MeO-」は、メトキシ基を指す。
用語「置換アルコキシ」とは、置換アルキル-O-、置換アルケニル-O-、置換シクロアルキル-O-、置換シクロアルケニル-O-および置換アルキニル-O-という基を指し、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルは、本明細書で定義されている通りである。
用語「アリール」とは、別段の指定がない限り、一般に、必ずしもではないが、5~30個の炭素原子を含有し、かつ単一の芳香環、または一緒に縮合している、直接連結されている、もしくは間接的に連結されている複数の芳香環(こうして、異なる芳香環が、メチレン部分またはエチレン部分などの共通の基に結合している)を含有する芳香族置換基を指す。アリール基は、例えば、5~20個の炭素原子を含有することができ、さらなる例として、アリール基は、5~12個の炭素原子を含有することができる。例えば、アリール基は、1つの芳香環、あるいは2つもしくはそれより多い縮合芳香環または連結した芳香環(すなわち、ビアリール、アリール置換アリールなど)を含有することができる。例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノンなどが含まれる。「置換アリール」とは、1つまたは複数の置換基により置換されているアリール部分を指し、用語「ヘテロ原子含有アリール」および「ヘテロアリール」とは、以下にさらに詳細に記載されている通り、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子により置き換えられているアリール置換基を指す。アリールは、以下に限定されないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ピリジル、フリル、チオフェニル、イミダゾイル、ピリミジニルおよびオキサゾイルによって例示される、安定な環式、複素環式、多環式および複素多環式不飽和C3~C14部分を含むことが意図されており、これらは、ヒドロキシ、C1~C8アルコキシ、分岐状または直鎖状C1~C8アルキル、アシルオキシ、カルバモイル、アミノ、N-アシルアミノ、ニトロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノおよびカルボキシルからなる群から選択される1~5つのメンバーによってさらに置換されていてもよい(例えば、Katritzky, Handbook of Heterocyclic Chemistryを参照されたい)。特に示されていない場合、用語「アリール」は、非置換、置換および/またはヘテロ原子含有芳香族置換基を含む。
用語「アラルキル」とは、アリール置換基を有するアルキル基を指し、用語「アルカリール」とは、アルキル置換基を有するアリール基を指し、「アルキル」および「アリール」は、上で定義されている通りである。一般に、アラルキル基およびアルカリール基は、本明細書において、6~30個の炭素原子を含有する。アラルキル基およびアルカリール基は、例えば、6~20個の炭素原子を含有することができ、さらなる例として、このような基は、6~12個の炭素原子を含有することができる。
用語「アルキレン」とは、ジラジカルのアルキル基を指す。特に示さない限り、このような基は、1~24個の炭素原子を含有する飽和炭化水素鎖を含み、これは、置換されていてもよく、または非置換であってもよく、1つまたは複数の脂環式基を含有してもよく、ヘテロ原子を含有していてもよい。「低級アルキレン」は、1~6個の炭素原子を含有するアルキレン連結基を指す。例には、メチレン(--CH2--)、エチレン(--CH2CH2--)、プロピレン(--CH2CH2CH2--)、2-メチルプロピレン(--CH2--CH(CH3)--CH2--)、ヘキシレン(--(CH2)6--)などが含まれる。
同様に、用語「アルケニレン」、「アルキニレン」、「アリーレン」、「アラルキレン」および「アルカリーレン」とは、それぞれ、ジラジカルのアルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基およびアルカリール基を指す。
用語「アミノ」とは、-NRR’基を指し、RおよびR’は独立して、水素または非水素置換基であり、非水素置換基は、例えば、アルキル、アリール、アルケニル、アラルキル、ならびにそれらの置換されている変形体および/またはヘテロ原子含有変形体を含む。
「シクロアルキル」とは、縮合環系、架橋環系およびスピロ環系を含めた、単環式環または多環式環を有する、3~10個の炭素原子からなる環式アルキル基を指す。好適なシクロアルキル基の例には、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどが含まれる。このようなシクロアルキル基には、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどの単環構造、またはアダマンタニルなどの多環構造などが含まれる。
用語「置換シクロアルキル」とは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリールおよび-SO2-ヘテロアリールから選択される1~5つの置換基または1~3つの置換基を有するシクロアルキル基を指す。
「ヘテロ原子含有アルキル基」(「ヘテロアルキル」基とも呼ばれる)または「ヘテロ原子含有アリール基」(「ヘテロアリール」基とも呼ばれる)におけるような「ヘテロ原子含有」という用語は、1個または複数の炭素原子が、炭素以外の原子、例えば、窒素、酸素、硫黄、リンまたはケイ素、通常、窒素、酸素または硫黄により置き換えられている分子、連結基または置換基を指す。同様に、用語「ヘテロアルキル」とは、ヘテロ原子を含有するアルキル置換基を指し、用語「ヘテロシクロアルキル」とは、ヘテロ原子を含有するシクロアルキル置換基を指し、用語「複素環式」または「複素環」とは、ヘテロ原子を含有する環式置換基を指し、用語「ヘテロアリール」および「複素芳香族」とは、それぞれ、ヘテロ原子を含有する「アリール」および「芳香族」置換基を指す、などである。ヘテロアルキル基の例には、アルコキシアリール、アルキルスルファニル-置換アルキル、N-アルキル化アミノアルキルなどが含まれる。ヘテロアリール置換基の例には、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、フリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4-トリアゾリル、テトラゾリルなどが含まれ、ヘテロ含有脂環式基の例は、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノ、テトラヒドロフラニルなどである。
「ヘテロアリール」とは、環内に1~10個の炭素原子などの1~15個の炭素原子、ならびに酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1~10個のヘテロ原子からなる芳香族基を指す。このようなヘテロアリール基は、単環(ピリジニル、イミダゾリルまたはフリルなど)、または環系における縮合多環(例えば、インドリジニル、キノリニル、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾリルまたはベンゾチエニルなどの基におけるような)を有することができ、この場合、環系内の少なくとも1つの環は芳香族であり、但し、結合点は芳香環の原子を介することを条件とする。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基の窒素および/または硫黄環原子(単数または複数)は、必要に応じて酸化されて、N-オキシド(N→O)、スルフィニルまたはスルホニル部分をもたらす。この用語は、例として、ピリジニル、ピロリル、インドリル、チオフェニルおよびフラニルを含む。ヘテロアリール置換基に関して定義することによって特に制約されない限り、このようなヘテロアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリールおよび-SO2-ヘテロアリールおよびトリハロメチルから選択される1~5つの置換基または1~3つの置換基により必要に応じて置換され得る。
用語「複素環」、「複素環式」および「ヘテロシクリル」とは、単環、または、縮合環系、架橋環系およびスピロ環系を含む縮合多環を有し、そして1~4個のヘテロ原子を含めた3~15個の環原子を有する、飽和基または不飽和基を指す。これらの環ヘテロ原子は、窒素、硫黄および酸素から選択され、この場合、縮合環系において、環のうちの1つまたは複数が、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールとすることができ、但し、結合点は、非芳香環を介することを条件とする。ある特定の実施形態では、複素環式基の窒素原子(単数もしくは複数)および/または硫黄原子(単数もしくは複数)は、必要に応じて酸化され、N-オキシド、-S(O)-または-SO2-部分をもたらす。
複素環およびヘテロアリールの例には、以下に限定されないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも称される)、1,1-ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが含まれる。
複素環式置換基に関する定義によって特に制約されない限り、このような複素環式基は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリール、-SO2-ヘテロアリールおよび縮合複素環から選択される1~5つの置換基または1~3つの置換基により必要に応じて置換され得る。
「ヒドロカルビル」とは、アルキル基、アルケニル基、アリール基などの、1~約24個の炭素原子を含む、さらには1~約18個の炭素原子を含む、およびさらには約1~12個の炭素原子を含む、1~約30個の炭素原子を含有し、直鎖状、分岐状、環式、飽和および不飽和種を含む、一価のヒドロカルビルラジカルを指す。ヒドロカルビルは、1つまたは複数の置換基により置換されていてもよい。用語「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル」とは、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子により置き換えられているヒドロカルビルを指す。特に示さない限り、用語「ヒドロカルビル」は、置換されているおよび/またはヘテロ原子を含有するヒドロカルビル部分を含むものとして解釈されるべきである。
「置換ヒドロカルビル」、「置換アルキル」、「置換アリール」などにおけるような「置換されている」とは、上述の定義の一部において暗示されている通り、ヒドロカルビル、アルキル、アリールまたは他の部分において、炭素(または他の)原子に結合している少なくとも1個の水素原子が、1つまたは複数の非水素置換基により置き換えられていることが意図される。このような置換基の例には、非限定的に、官能基、およびヒドロカルビル部分C1~C24アルキル(C1~C18アルキルを含み、さらにはC1~C12アルキルを含み、さらにはC1~C6アルキルを含む)、C2~C24アルケニル(C2~C18アルケニルを含み、さらにはC2~C12アルケニルを含み、さらにはC2~C6アルケニルを含む)、C2~C24アルキニル(C2~C18アルキニルを含み、さらにはC2~C12アルキニルを含み、さらにはC2~C6アルキニルを含む)、C5~C30アリール(C5~C20アリールを含み、さらにはC5~C12アリールを含む)およびC6~C30アラルキル(C6~C20アラルキルを含み、さらにはC6~C12アラルキルを含む)が含まれる。上述のヒドロカルビル部分は、具体的に記載されているものなどの、1つもしくは複数の官能基、または追加のヒドロカルビル部分によりさらに置換されていてもよい。特に示さない限り、本明細書に記載されている基のいずれも、非置換基に加えて、置換部分および/またはヘテロ原子含有部分を含むものと解釈されるべきである。
用語「官能基」とは、ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1~C24アルコキシ、C2~C24アルケニルオキシ、C2~C24アルキニルオキシ、C5~C20アリールオキシ、アシル(C2~C24アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC6~C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C2~C24アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C6~C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、ハロカルボニル(-CO)-X(Xは、ハロである)、C2~C24アルキルカーボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C6~C20アリールカーボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO-)、カルバモイル(-(CO)-NH2)、一置換C1~C24アルキルカルバモイル(-(CO)-NH(C1~C24アルキル))、二置換アルキルカルバモイル(-(CO)-N(C1~C24アルキル)2)、一置換アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH2)、カルバミド(-NH-(CO)-NH2)、シアノ(-C≡N)、イソシアノ(-N+≡C-)、シアナト(-O-C≡N)、イソシアナト(-O-N+≡C-)、イソチオシアナト(-S-C≡N)、アジド(-N=N+=N-)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH2)、モノ-およびジ-(C1~C24アルキル)-置換アミノ、モノ-およびジ-(C5~C20アリール)-置換アミノ、C2~C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C5~C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、イミノ(-CR=NH(R=水素、C1~C24アルキル、C5~C20アリール、C6~C20アルカリール、C6~C20アラルキルなど))、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)(R=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど))、アリールイミノ(-CR=N(アリール)(R=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど))、ニトロ(-NO2)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO2-OH)、スルホナト(-SO2-O-)、C1~C24アルキルスルファニル(-S-アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(-S-アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1~C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C5~C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C1~C24アルキルスルホニル(-SO2-アルキル)、C5~C20アリールスルホニル(-SO2-アリール)、ホスホノ(-P(O)(OH)2)、ホスホナト(-P(O)(O-)2)、ホスフィナト(-P(O)(O-))、ホスホ(-PO2)およびホスフィノ(-PH2)、モノ-およびジ-(C1~C24アルキル)-置換ホスフィノ、モノ-およびジ-(C5~C20アリール)-置換ホスフィンなどの化学基が意図される。さらに、上述の官能基は、具体的な基が許容する場合、上で具体的に記載されているものなどの、1つもしくは複数の追加の官能基、または1つもしくは複数のヒドロカルビル部分によりさらに置換されていてもよい。
「連結基」、「リンカー部分」などにおけるものなどの「連結する」または「リンカー」とは、共有結合により、2つの基を連結する連結部分であることが意図される。リンカーは、直鎖状、分岐状、環式または単一原子とすることができる。このような連結基の例には、アルキル、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、アルカリーレン、アラルキレン、および非限定的に、アミド(-NH-CO-)、ウレイレン(-NH-CO-NH-)、イミド(-CO-NH-CO-)、エポキシ(-O-)、エピチオ(-S-)、エピジオキシ(-O-O-)、カルボニルジオキシ(-O-CO-O-)、アルキルジオキシ(-O-(CH2)n-O-)、エポキシイミノ(-O-NH-)、エピイミノ(-NH-)、カルボニル(-CO-)などを含めた、官能基を含有する連結部分が含まれる。ある特定の場合、リンカー主鎖の1個、2個、3個、4個もしくは5個、またはそれより多くの炭素原子は、硫黄、窒素または酸素ヘテロ原子により必要に応じて置換されていてもよい。主鎖原子の間の結合は、飽和または不飽和であってもよく、通常、1つ、2つまたは3つ以下の不飽和結合が、リンカー主鎖に存在する。リンカーは、例えば、アルキル基、アリール基またはアルケニル基を有する1つまたは複数の置換基を含んでもよい。リンカーは、非限定的に、ポリ(エチレングリコール)単位(単数または複数)(例えば、-(CH2-CH2-O)-);エーテル、チオエーテル、アミン、アルキル(例えば、(C1~C12)アルキル)を含むことができ、これらは、直鎖状または分岐状、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)などであってもよい。リンカー主鎖は、環式基、例えば、アリール、複素環またはシクロアルキル基を含むことができ、この場合、環式基の2個またはそれより多い原子、例えば、2個、3個または4個の原子が主鎖に含まれる。リンカーは、切断性であってもよく、または非切断性であってもよい。連結された基へのリンカーの都合のよい方向および/または連結が使用されてもよい。
用語「置換されている」が、可能な置換されている基の一覧表示の前に現れる場合、この用語は、その群のメンバーのそれぞれに適用されることが意図されている。例えば、語句「置換アルキルおよびアリール」は、「置換アルキルおよび置換アリール」として解釈されるべきである。
本明細書における開示に加えて、用語「置換されている」は、指定した基またはラジカルを修飾するために使用されている場合、指定した基またはラジカルの1個または複数の水素原子が、それぞれ、互いに独立して、以下に定義されている同一または異なる置換基により置きかえられていることも意味することができる。
本明細書における個々の用語に関して開示されている基に加えて、指定した基またはラジカルにおける飽和炭素原子上の1個または複数の水素(単一炭素上の任意の2個の水素は、=O、=NR70、=N-OR70、=N2または=Sにより置き換えられることができる)の代わりに置き換わる置換基は、別段の指定がない限り、-R60、ハロ、=O、-OR70、-SR70、-NR80R80、トリハロメチル、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-SO2R70、-SO2O-M+、-SO2OR70、-OSO2R70、-OSO2O-M+、-OSO2OR70、-P(O)(O-)2(M+)2、-P(O)(OR70)O-M+、-P(O)(OR70)2、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-C(O)O-M+、-C(O)OR70、-C(S)OR70、-C(O)NR80R80、-C(NR70)NR80R80、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OC(O)O-M+、-OC(O)OR70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70CO2
-M+、-NR70CO2R70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)NR80R80、-NR70C(NR70)R70および-NR70C(NR70)NR80R80であり、R60は、必要に応じて置換されているアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、R70はそれぞれ、独立して、水素またはR60であり、R80はそれぞれ、独立して、R70であるか、または代替的に、2つのR80は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員、6員または7員のヘテロシクロアルキルを形成し、これは、O、NおよびSからなる群から選択される同一のまたは異なる追加のヘテロ原子のうちの1~4個を必要に応じて含んでもよく、ヘテロ原子のうちのNは、-HまたはC1~C3アルキル置換を有していてもよく、M+はそれぞれ、正味の単一正電荷を有する対イオンである。M+はそれぞれ、独立して、例えば、K+、Na+、Li+などのアルカリイオン;+N(R60)4などのアンモニウムイオン;または[Ca2+]0.5、[Mg2+]0.5または[Ba2+]0.5(下付数字0.5は、このような二価のアルカリ土類イオンに対する対イオンのうちの1つが、本発明の化合物のイオン化形態とすることができること、および塩化物イオンまたは本明細書に開示されている2つのイオン化合物などの他の典型的な対イオンが、このような二価のアルカリ土類イオンに対する対イオンとして働くことができること、または本発明の二重イオン化化合物が、このような二価のアルカリ土類イオンに対する対イオンとして働くことができることを意味する)などのアルカリ土類イオンとすることができる。具体例として、-NR80R80は、-NH2、-NH-アルキル、N-ピロリジニル、N-ピペラジニル、4N-メチル-ピペラジン-1-イルおよびN-モルホリニルを含むことが意図されている。
本明細書における開示に加え、「置換されている」アルケン、アルキン、アリールおよびヘテロアリール基における不飽和炭素原子上の水素に対する置換基は、別段の指定がない限り、-R60、ハロ、-O-M+、-OR70、-SR70、-S-M+、-NR80R80、トリハロメチル、-CF3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、-N3、-SO2R70、-SO3
-M+、-SO3R70、-OSO2R70、-OSO3
-M+、-OSO3R70、-PO3
-2(M+)2、-P(O)(OR70)O-M+、-P(O)(OR70)2、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-CO2
-M+、-CO2R70、-C(S)OR70、-C(O)NR80R80、-C(NR70)NR80R80、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OCO2
-M+、-OCO2R70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70CO2
-M+、-NR70CO2R70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)NR80R80、-NR70C(NR70)R70および-NR70C(NR70)NR80R80であり、R60、R70、R80およびM+は、以前に定義されている通りであり、但し、置換アルケンまたはアルキンの場合、置換基は、-O-M+、-OR70、-SR70または-S-M+でないことを条件とする。
本明細書における個々の用語に関して開示されている基に加え、「置換されている」ヘテロアルキルおよびシクロヘテロアルキル基における窒素原子上の水素に対する置換基は、別段の指定がない限り、-R60、-O-M+、-OR70、-SR70、-S-M+、-NR80R80、トリハロメチル、-CF3、-CN、-NO、-NO2、-S(O)2R70、-S(O)2O-M+、-S(O)2OR70、-OS(O)2R70、-OS(O)2O-M+、-OS(O)2OR70、-P(O)(O-)2(M+)2、-P(O)(OR70)O-M+、-P(O)(OR70)(OR70)、-C(O)R70、-C(S)R70、-C(NR70)R70、-C(O)OR70、-C(S)OR70、-C(O)NR80R80、-C(NR70)NR80R80、-OC(O)R70、-OC(S)R70、-OC(O)OR70、-OC(S)OR70、-NR70C(O)R70、-NR70C(S)R70、-NR70C(O)OR70、-NR70C(S)OR70、-NR70C(O)NR80R80、-NR70C(NR70)R70および-NR70C(NR70)NR80R80であり、R60、R70、R80およびM+は、既に定義されている通りである。
本明細書おける開示に加え、ある特定の実施形態では、置換されている基は、1つ、2つ、3つもしくは4つの置換基、1つ、2つもしくは3つの置換基、1つもしくは2つの置換基、または1つの置換基を有する。
特に示さない限り、本明細書において明示的に定義されていない置換基の命名は、その官能基の末端部分、次いで隣接官能基に、結合点に向かう方向で名前を付けることにより達成される。例えば、置換基「アリールアルキルオキシカルボニル」とは、(アリール)-(アルキル)-O-C(O)-基を指す。
1つまたは複数の置換基を含有する本明細書において開示されている基のいずれかに関すると、当然ながら、このような基は、立体的に実現困難である、かつ/または合成的に現実可能ではない置換または置換パターンのいずれも含まないことが理解される。さらに、対象化合物は、これらの化合物の置換から生じる立体化学異性体のすべてを含む。
ある特定の実施形態では、置換基は、化合物の光学異性および/または立体異性に寄与することがある。化合物の塩、溶媒和物、水和物およびプロドラッグ形態もまた、関心がもたれる。このような形態のすべてが、本開示により包含される。したがって、本明細書において記載されている化合物は、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび異性体を含めた、その塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび異性形態を含む。ある特定の実施形態では、化合物は、薬学的に活性な誘導体に代謝され得る。
本開示を一読すれば、当業者に明白な通り、本明細書において記載および例示されている個々の実施形態はそれぞれ、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴とは容易に分けることができる、またはこれらの特徴と容易に組み合わせることができる、個別の構成要素および特徴を有する。記載されている方法のいずれも、記載されている事象の順序で、または理論的に可能な任意の他の順序で行うことができる。
装置および方法は、機能的な説明を伴う文法的流動性を目的として説明されたか、または説明されるが、米国特許法第112条の下で明示的に筋道を立てて述べられていない限り、特許請求の範囲は、「手段」または「工程」の限定を構成することによって必然的に限定されると決して解釈されるものではなく、司法上の均等論の元で特許請求の範囲によって提示される定義の意味および均等物の全範囲と一致すること、および特許請求の範囲が米国特許法第112条の下で明示的に筋道を立てて述べられている場合、米国特許法第112条の下で完全な法的等価物に一致することが明確に理解されるべきである。
上に要約されている通り、本開示の態様は、ENPP1を阻害するための化合物、組成物および方法を含む。本方法の態様は、試料にENPP1阻害剤化合物を接触させて、ENPP1のcGAMP加水分解活性を阻害するステップを含む。これらの化合物、組成物および方法は、ENPP1の阻害が望ましい様々な用途での使用が見出される。
同様に、対象とするENPP1阻害剤化合物を使用する、がんを処置する医薬組成物および方法が提供される。本方法の態様は、被験体に、治療有効量のENPP1阻害剤化合物を投与して、cGAMPの加水分解を阻害し、被験体のがんを処置するステップを含む。
ENPP1阻害剤化合物
対象となるENPP1阻害剤化合物は、親水性頭部基に連結されている、アリール環系またはヘテロアリール環系、例えば、キナゾリン基またはキノリン基に基づくコア構造を含むことができる。アリール環系またはヘテロアリール環系と親水性頭部基との間のリンカーは、単環式アリール、ヘテロアリール、炭素環または複素環、および1つまたは複数の非環式連結部分を含むことができる。キナゾリンまたはキノリンコア構造は、4位においてリンカーにより置換され得る。アリール環系またはヘテロアリール環系は、必要に応じてさらに置換されている。本開示は、4位においてリンカーにより、および3位においてシアノ基により置換されているキノリンコア構造を有する化合物を含む。一部の場合、リンカーは、フェニルまたは置換フェニルなどの6員の1,4-二置換アリール環式基またはヘテロアリール環式基を含む。ある特定の場合、リンカーは、N1,4-二置換ピペリジン環またはN1,N4-二置換ピペラジン環などの、6員の1,4-二置換飽和複素環または炭素環を含む。対象とするENPP1阻害剤化合物のさらなる態様は、以下において、およびその開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、2018年9月7日に出願のPCT出願番号PCT/US2018/050018においてLiらにより記載されている。
用語「親水性頭部基」とは、親水性であり、かつ水性環境、例えば生理的条件において、十分に溶媒和されており、細胞膜に対する透過性が低いコアアリール環系またはヘテロアリール環系に連結されている基を指す。一部の場合、細胞膜への透過性が低いとは、膜(例えば、結腸直腸Caco-2または腎MDCK細胞系などの細胞単層)を通過する単離された親水性頭部基に対する受動拡散の任意の好都合な方法により測定すると、透過係数が、10-5cm/sもしくはそれ未満、10-6cm/sもしくはそれ未満、10-7cm/sもしくはそれ未満、10-8cm/sもしくはそれ未満、10-9cm/sもしくはそれ未満、または一層低いなどの10-4cm/sもしくはそれ未満になることが意図される。例えば、Yang and Hinner, Methods Mol Biol. 2015; 1266: 29-53を参照されたい。親水性頭部基は、親水性頭部基が結合されている分子に、水溶解度の改善、および細胞透過性の低下をもたらすことができる。親水性頭部基は、水性環境において十分に溶媒和されており、膜への透過性が低い、任意の好都合な親水性基とすることができる。ある特定の例では、親水性基は、離散性の官能基(例えば、本明細書に記載されている)、またはその置換型である。一般に、荷電基、またはより大きな非荷電の極性基は、透過性が低い。一部の場合、親水性頭部基は荷電しており、例えば、正または負に荷電している。一部の実施形態では、親水性頭部基は、それ自体、細胞透過性ではなく、対象化合物に対して細胞不透過性をもたらす。親水性頭部基またはそのプロドラッグ形態は、対象化合物の所望の細胞透過性をもたらすように選択することができることが理解される。ある特定の場合、親水性頭部基は、中性の親水性基である。一部の場合、親水性頭部基は、プロドラッグ形態で含まれ、したがって、in vivoで除去され得るプロ部分を含む。ある特定の例では、対象化合物は、細胞透過性である。
親水性頭部基は、亜鉛イオンに結合するか、またはこれとキレートを形成することができる任意の好都合な基、またはそのプロドラッグ形態とすることができる。ある特定の場合、親水性頭部基は、リン含有基である。対象とするENPP1阻害剤において利用され得る目的のリン含有基は、以下に限定されないが、ホスホン酸またはホスホネート、ホスホン酸エステル、ホスフェート、リン酸エステル、チオホスフェート、チオリン酸エステル、ホスホロアミデートおよびチオホスホロアミデートもしくはそれらの塩、またはそれらのプロドラッグ形態(例えば、本明細書に記載されている)を含む。
式(III)~(IIIa)のある特定の実施形態では、nは0~3の整数である。ある特定の場合、nは0である。ある特定の場合、nは1である。ある特定の場合、nは2である。ある特定の場合、nは3である。式(III)~(IIIa)のある特定の実施形態では、mは0~3の整数である。ある特定の場合、mは0である。ある特定の場合、mは1である。ある特定の場合、mは2である。ある特定の場合、mは3である。ある特定の場合、nは0であり、mは1である。ある特定の場合、nは0であり、mは2である。ある特定の場合、nは0であり、mは3である。ある特定の場合、nは1であり、mは0である。ある特定の場合、nは1であり、mは1である。ある特定の場合、nは1であり、mは2である。ある特定の場合、nは1であり、mは3である。ある特定の場合、nは2であり、mは0である。ある特定の場合、nは2であり、mは1である。ある特定の場合、nは2であり、mは2である。ある特定の場合、nは2であり、mは3である。ある特定の場合、nは3であり、mは0である。ある特定の場合、nは3であり、mは1である。ある特定の場合、nは3であり、mは2である。ある特定の場合、nは3であり、mは3である。ある特定の場合、n+mは、0~3の整数である。ある特定の場合、n+mは0である。ある特定の場合、n+mは1である。ある特定の場合、n+mは2である。ある特定の場合、n+mは3である。
式(I)~(IIIa)のいずれかの一部の実施形態では、環系Aは、フェニル、置換フェニル、ピリジル、置換ピリジル、ピリミジン、置換ピリミジン、ピペリジン、置換ピペリジン、ピペラジン、置換ピペラジン、ピリダジン、置換ピリダジン、シクロヘキシルおよび置換シクロヘキシルから選択される。ある特定の場合、環系Aは、フェニルまたは置換フェニルである。一部の場合、環系Aは、ピリジルまたは置換ピリジルである。一部の場合、環系Aは、ピリミジンまたは置換ピリミジンである。一部の場合、環系Aは、ピペリジンまたは置換ピペリジンである。一部の場合、環系Aは、ピペラジンまたは置換ピペラジンである。一部の場合、環系Aは、シクロヘキシルまたは置換シクロヘキシルである。
ある特定の場合、A1は、フェニレンである。ある特定の場合、A1は、一置換フェニレンである。ある特定の場合、A1は、二置換フェニレンである。ある特定の場合、A1は、三置換フェニレンである。ある特定の場合、A1は、四置換フェニレンである。ある特定の場合、フェニレンの置換基(substitutent)は、低級アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル)およびハロゲン(例えば、F、Cl、IまたはBr)から選択される。
ある特定の場合、A2は、ピリジルである。ある特定の場合、A2は、置換ピリジルである。一部の場合、ピリジルは、一置換ピリジルである。他の場合、ピリジルは、二置換ピリジルである。他の場合、ピリジルは、三置換ピリジルである。ある特定の場合、Z5はNであり、こうしてA2はピリミジルとなる。一部の場合、A2は、置換ピリミジルである。一部の場合、ピリミジルは一置換されている。一部の場合、ピリミジルは二置換されている。A2のある特定の実施形態では、置換基は、低級アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル)、トリフルオロメチルおよびハロゲン(例えば、F、Cl、IまたはBr)から選択される。
ある特定の場合、A3は、ピリジルである。ある特定の場合、A3は、置換ピリジルである。一部の場合、ピリジルは、一置換ピリジルである。他の場合、ピリジルは、二置換ピリジルである。他の場合、ピリジルは、三置換ピリジルである。ある特定の場合、Z5はNであり、こうしてA3はピリミジルとなる。一部の場合、A3は、置換ピリミジルである。一部の場合、ピリミジルは一置換されている。一部の場合、ピリミジルは二置換されている。A3のある特定の実施形態では、置換基は、低級アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル)、トリフルオロメチルおよびハロゲン(例えば、F、Cl、IまたはBr)から選択される。
一部の場合、A4は、置換ピリミジルである。一部の場合、ピリミジルは一置換されている。一部の場合、ピリミジルは二置換されている。A4のある特定の実施形態では、置換基は、低級アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル)、トリフルオロメチルおよびハロゲン(例えば、F、Cl、IまたはBr)から選択される。
式(IV)~(IVa)のある特定の実施形態では、nは0~3の整数である。ある特定の場合、nは0である。ある特定の場合、nは1である。ある特定の場合、nは2である。ある特定の場合、nは3である。式(IV)~(IVa)のある特定の実施形態では、mは0~3の整数である。ある特定の場合、mは0である。ある特定の場合、mは1である。ある特定の場合、mは2である。ある特定の場合、mは3である。ある特定の場合、nは0であり、mは1である。ある特定の場合、nは0であり、mは2である。ある特定の場合、nは0であり、mは3である。ある特定の場合、nは1であり、mは0である。ある特定の場合、nは1であり、mは1である。ある特定の場合、nは1であり、mは2である。ある特定の場合、nは1であり、mは3である。ある特定の場合、nは2であり、mは0である。ある特定の場合、nは2であり、mは1である。ある特定の場合、nは2であり、mは2である。ある特定の場合、nは2であり、mは3である。ある特定の場合、nは3であり、mは0である。ある特定の場合、nは3であり、mは1である。ある特定の場合、nは3であり、mは2である。ある特定の場合、nは3であり、mは3である。ある特定の場合、n+mは、0~3の整数である。ある特定の場合、n+mは0である。ある特定の場合、n+mは1である。ある特定の場合、n+mは2である。ある特定の場合、n+mは3である。
式(VIa)~(VId)のある特定の実施形態では、nは0~3の整数である。ある特定の場合、nは0である。ある特定の場合、nは1である。ある特定の場合、nは2である。ある特定の場合、nは3である。式(VIa)~(VId)のいずれかのある特定の実施形態では、mは0~3の整数である。ある特定の場合、mは0である。ある特定の場合、mは1である。ある特定の場合、mは2である。ある特定の場合、mは3である。ある特定の場合、nは0であり、mは1である。ある特定の場合、nは0であり、mは2である。ある特定の場合、nは0であり、mは3である。ある特定の場合、nは1であり、mは0である。ある特定の場合、nは1であり、mは1である。ある特定の場合、nは1であり、mは2である。ある特定の場合、nは1であり、mは3である。ある特定の場合、nは2であり、mは0である。ある特定の場合、nは2であり、mは1である。ある特定の場合、nは2であり、mは2である。ある特定の場合、nは2であり、mは3である。ある特定の場合、nは3であり、mは0である。ある特定の場合、nは3であり、mは1である。ある特定の場合、nは3であり、mは2である。ある特定の場合、nは3であり、mは3である。ある特定の場合、n+mは、0~3の整数である。ある特定の場合、n+mは0である。ある特定の場合、n+mは1である。ある特定の場合、n+mは2である。ある特定の場合、n+mは3である。
式(VIIm)のある特定の実施形態では、nは0~3であり、mは0~3である。式(VIIm)の一部の例では、mは0である。ある特定の場合、mは1である。ある特定の場合、mは2である。ある特定の場合、mは3である。ある特定の場合、nは0であり、mは1である。ある特定の場合、nは0であり、mは2である。ある特定の場合、nは0であり、mは3である。ある特定の場合、nは1であり、mは0である。ある特定の場合、nは1であり、mは1である。ある特定の場合、nは1であり、mは2である。ある特定の場合、nは1であり、mは3である。ある特定の場合、nは2であり、mは0である。ある特定の場合、nは2であり、mは1である。ある特定の場合、nは2であり、mは2である。ある特定の場合、nは2であり、mは3である。ある特定の場合、nは3であり、mは0である。ある特定の場合、nは3であり、mは1である。ある特定の場合、nは3であり、mは2である。ある特定の場合、nは3であり、mは3である。ある特定の場合、n+mは、0~3の整数である。ある特定の場合、n+mは0である。ある特定の場合、n+mは1である。ある特定の場合、n+mは2である。ある特定の場合、n+mは3である。
式(X)の一部の実施形態では、環系Aは、フェニル、置換フェニル、ピリジル、置換ピリジル、ピリミジン、置換ピリミジン、ピペリジン、置換ピペリジン、ピペラジン、置換ピペラジン、ピリダジン、置換ピリダジン、シクロヘキシルおよび置換シクロヘキシルから選択される。ある特定の場合、環系Aは、フェニルまたは置換フェニルである。一部の場合、環系Aは、ピリジルまたは置換ピリジルである。一部の場合、環系Aは、ピリミジンまたは置換ピリミジンである。一部の場合、環系Aは、ピペリジンまたは置換ピペリジンである。一部の場合、環系Aは、ピペラジンまたは置換ピペラジンである。一部の場合、環系Aは、シクロヘキシルまたは置換シクロヘキシルである。
ある特定の場合、A5は、ピペリジンまたは置換ピペリジンである。ある特定の場合、A5は、ピペラジンまたは置換ピペラジンである。ある特定の場合、A5は、シクロヘキシルまたは置換シクロヘキシルである。A5のある特定の実施形態では、rは、1、2、3、4、5、6、7または8など、0より大きい。一部の場合、A5は、1つのR16基を含む。一部の場合、A5は、2つのR16基を含む。一部の場合、A5は、3つのR16基を含む。一部の場合、A5は、4つのR16基を含む。ある特定の実施形態では、置換基は、低級アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル)、トリフルオロメチルおよびハロゲン(例えば、F、Cl、IまたはBr)から選択される。
式(XIII)のある特定の実施形態では、sは0~3の整数である。ある特定の場合、sは0である。ある特定の場合、sは1である。ある特定の場合、sは2である。ある特定の場合、sは3である。
式(XIII)のある特定の実施形態では、sは0~3の整数である。ある特定の場合、sは0である。ある特定の場合、sは1である。ある特定の場合、sは2である。ある特定の場合、sは3である。
本明細書に記載されている式(I)~(XVb)の実施形態のいずれか1つに組み込まれ得る目的の親水性頭部基の具体的な例は、以下に限定されないが、ホスフェート(RPO4H-)、ホスホネート(RPO3H-)、ホウ酸(RBO2H2)、カルボキシレート(RCO2
-)、スルフェート(RSO4
-)、スルホネート(RSO3
-)、アミン(RNH3
+)、グリセロール、ラクトースなどの糖もしくはヒアルロン酸から誘導される糖、極性アミノ酸、ポリ酸化エチレン、およびオリゴエチレングリコールから選択される第1の部分を含む頭部基であって、コリン、エタノールアミン、グリセロール、核酸、糖、イノシトール、アミノ酸またはアミノ酸エステル(例えば、セリン)および脂質(例えば、脂肪酸、またはC8~C30飽和もしくは不飽和炭化水素などの炭化水素鎖)から選択される第2の部分の残基に必要に応じてコンジュゲートされている、頭部基を含む。頭部基は、様々な他の修飾部を含有してもよく、例えば、オリゴエチレングリコールおよびポリ酸化エチレン(PEG)含有頭部基の場合、このようなPEG鎖は、メチル基により終端されていてもよく、さらなる修飾のための遠位官能基を有してもよい。親水性頭部基の例にはまた、以下に限定されないが、チオホスフェート、ホスホコリン、ホスホグリセロール、ホスホエタノールアミン、ホスホセリン、ホスホイノシトール、エチルホスホスホリルコリン(ethylphosphosphorylcholine)、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール、メラミン、グルコサミン、トリメチルアミン、スペルミン、スペルミジンおよびコンジュゲートされているカルボキシレート、スルフェート、ホウ酸、スルホネート、スルフェートおよび炭水化物が含まれる。
本開示の態様は、ENPP1阻害剤化合物(例えば、本明細書に記載されている)、その塩(例えば、薬学的に許容される塩)、ならびに/またはそれらの溶媒和物、水和物および/もしくはプロドラッグ形態を含む。さらに、1つまたは複数のキラル中心を有する本明細書に記載されている化合物のいずれにおいても、絶対立体化学が明示的に表示されていない場合、各中心は、独立して、R立体配置またはS立体配置またはそれらの混合物とすることができることが理解される。塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび立体異性体のすべての変形が、本開示によって包含されていることが意図されていることが認識されよう。
一部の実施形態では、対象であるENPP1阻害剤化合物またはそのプロドラッグ形態は、薬学的に許容される塩の形態で提供される。アミンまたは窒素含有ヘテロアリール基を含有する化合物は、性質は塩基性であり、したがって、様々な無機酸および有機酸と反応して、薬学的に許容される酸付加塩を形成することができる。このような塩を形成するために一般に使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびにパラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸および酢酸などの有機酸、ならびに関連する無機酸および有機酸を含む。したがって、このような薬学的に許容される塩は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート塩、ヘキシン-1,6-ジオエート塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、マンデル酸塩、馬尿酸塩、グルコン酸塩、ラクトビオン酸塩、および同様の塩を含む。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される酸付加塩は、塩酸および臭化水素酸などの無機酸と形成されるもの、ならびにフマル酸およびマレイン酸などの有機酸と形成されるものを含む。
一部の実施形態では、対象化合物は、プロドラッグ形態で提供される。「プロドラッグ」とは、身体内で活性剤を放出するために変換を必要とする、活性剤の誘導体を指す。ある特定の実施形態では、変換は、酵素変換である。プロドラッグは、多くの場合、活性剤に変換されるまで、薬理学的に不活性であることが多いが、必ずしもそうではない。「プロ部分」は、活性剤内の官能基をマスクするために使用すると、活性剤をプロドラッグに変換する保護基の形態を指す。一部の場合、プロ部分は、in vivoで酵素的または非酵素的手段により切断される結合(単数または複数)を介して、薬物に結合されている。対象化合物の好都合なプロドラッグ形態のいずれも、例えば、Rautioら(”Prodrugs: design and clinical applications”, Nature Reviews Drug Discovery 7, 255-270(February 2008))によって記載されている戦略および方法に準拠して調製することができる。一部の場合、プロ部分は、対象化合物の親水性頭部基に結合されている。一部の場合、プロ部分は、対象化合物のヒドロキシ基またはカルボン酸基に結合されている。ある特定の場合、プロ部分は、アシル基または置換アシル基である。ある特定の場合、プロ部分は、例えば、対象化合物の親水性頭部基に結合されている場合、エステル官能基、例えばホスホン酸エステル、リン酸エステルなどを形成するアルキル基または置換アルキル基である。
一部の実施形態では、対象化合物は、ホスホン酸またはホスホネートまたはホスフェート頭部基を含む化合物に変換され得る、ホスホン酸エステルまたはリン酸エステルプロドラッグである。
一部の実施形態では、対象化合物、そのプロドラッグ、立体異性体または塩は、溶媒和物(例えば、水和物)の形態で提供される。用語「溶媒和物」とは、本明細書で使用される場合、1分子または複数分子の溶質、例えばプロドラッグまたは薬学的に許容されるその塩、および1分子または複数分子の溶媒によって形成される複合体または凝集物を指す。このような溶媒和物は、通常、溶質と溶媒の実質的に固定されたモル比を有する結晶性固体である。代表的な溶媒は、例として、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などを含む。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である。
一部の実施形態では、対象化合物は、経口投与によって供給されて、血流に吸収される。一部の実施形態では、対象化合物の経口生体利用率は、30%またはそれより高い。腸の内腔を通過する吸収量またはその生体利用率を増大させるために、好都合な任意の方法を使用して、対象化合物またはその製剤に改変が行われてもよい。
一部の実施形態では、対象化合物は、代謝的に安定である(例えば、化合物の半減期の間に、in vivoにおいて、実質的に無傷のままである)。ある特定の実施形態では、本化合物は、10分間もしくはそれより長い、12分間もしくはそれより長い、15分間もしくはそれより長い、20分間もしくはそれより長い、30分間もしくはそれより長い、60分間もしくはそれより長い、2時間もしくはそれより長い、6時間もしくはそれより長い、12時間もしくはそれより長い、24時間もしくはそれより長い、またはさらに長いなどの、5分間またはそれより長い半減期(例えば、in vivo半減期)を有する。
ENPP1を阻害する方法
上に要約されている通り、本開示の態様は、ENPP1阻害剤、およびこれを使用する阻害方法を含む。ENPP1は、エクト-ヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ(ENPP)ファミリーのメンバーである。したがって、対象方法の態様は、cGAMPに対するENPP1のヒドロラーゼ活性の阻害を含む。本発明者らは、cGAMPが、重要な細胞外生物学的機能を有することができ、これは、cGAMPの細胞外分解、例えばその分解酵素ENPP1による加水分解を遮断することによって増強され得ることを発見した。ある特定の例では、阻害のENPP1標的は細胞外にあり、対象となるENPP1を阻害する化合物は、細胞非透過性であり、したがって、細胞に拡散することができない。したがって、対象方法は、ENPP1のヒドロラーゼ活性の選択的な細胞外阻害を実現し、cGAMPの細胞外レベルを増大することができる。したがって、一部の場合、ENPP1阻害性化合物は、ENPP1の活性を細胞外で阻害する化合物である。本発明者により行われる実験は、ENPP1の活性を阻害すると、細胞外cGAMPを増大させて、その結果として、STING経路を促進することができることを示している。
ENPP1を阻害するとは、この酵素の活性を、20%もしくはそれを超えて、30%もしくはそれを超えて、40%もしくはそれを超えて、50%もしくはそれを超えて、60%もしくはそれを超えて、70%もしくはそれを超えて、80%もしくはそれを超えて、90%もしくはそれを超えて、95%もしくはそれを超えて(例えば、任意の好都合なin vitro阻害アッセイにおける対照との比較)などの10%またはそれを超えて低下することが意図される。一部の場合、ENPP1の阻害は、その正常活性に比べて(例えば、任意の好都合なアッセイによって測定される対照との比較)、3分の1倍もしくはそれより低く、5分の1倍もしくはそれより低く、10分の1倍もしくはそれより低く、100分の1倍もしくはそれより低く、または1000分の1倍もしくはそれより低くなどの、2分の1倍またはそれより低く、酵素の活性を低下させることを意味する。
一部の場合、本方法は、試料中のENPP1を阻害する方法である。用語「試料」は、本明細書で使用される場合、必ずしもではないが通常、目的の1つまたは複数の構成成分を含有する流体形態の物質または物質の混合物に関する。
一部の実施形態では、ENPP1を阻害する方法であって、試料に、細胞非透過性ENPP1阻害剤を接触させて、ENPP1のcGAMP加水分解活性を阻害させるステップを含む、方法が提供される。一部の場合、試料は、細胞試料である。一部の場合、試料は、cGAMPを含む。ある特定の場合、cGAMPレベルは、細胞試料中で向上している(例えば、阻害剤と接触させない対照試料との比較)。対象方法は、cGAMPのレベルの向上をもたらすことができる。「cGAMPレベルの向上」とは、対象化合物に接触させた細胞試料中のcGAMPのレベルであって、試料中のcGAMPレベルが、薬剤に接触されていない対照試料に比べて、20%もしくはそれより高く、30%もしくはそれより高く、40%もしくはそれより高く、50%もしくはそれより高く、60%もしくはそれより高く、70%もしくはそれより高く、80%もしくはそれより高く、90%もしくはそれより高く、100%もしくはそれより高く、またはさらに高くなどの10%またはそれより高く向上している、cGAMPレベルが意図される。
ある特定の実施形態では、本ENPP1阻害剤は、本明細書で定義されている阻害剤である。一部の実施形態では、本ENPP1阻害剤は、式(I)~(XVb)(例えば、本明細書に記載されている)のいずれか1つによる阻害剤である。一部の場合、ENPP1阻害剤は、表1~3(例えば、本明細書に記載されている)の化合物のうちのいずれか1つである。一部の場合、ENPP1阻害剤は、細胞非透過性である。
一部の実施形態では、本ENPP1阻害剤は、細胞透過性となるように構成されている。一部の実施形態では、ENPP1を阻害する方法であって、試料に、細胞透過性ENPP1阻害剤を接触させて、ENPP1を阻害させるステップを含む、方法が提供される。
一部の実施形態では、対象化合物は、さらなる酵素に対する活性を反映するENPP1阻害プロファイルを有する。一部の実施形態では、対象化合物は、1種または複数種の他の酵素の望ましくない阻害なしに、ENPP1を特異的に阻害する。
一部の実施形態では、本開示の化合物は、cGAMPおよびENPP1の相互作用を妨害する。例えば、対象化合物は、cGAMPに対するENPP1のヒドロラーゼ活性を阻害することによって、細胞外cGAMPを増加させるよう働くことができる。いかなる特定の理論にも拘泥されないが、細胞外cGAMPの増加により、STING経路が活性化されると考えられる。
一部の実施形態では、対象化合物は、阻害アッセイによって、例えば、対照と比較した、対象化合物による処置後の細胞不含系または細胞のどちらか一方での酵素の活性レベルを決定するアッセイによって、IC50またはEC50値をそれぞれ測定することによって求めると、ENPP1を阻害する。ある特定の実施形態では、対象化合物は、3μMもしくはそれ未満、1μMもしくはそれ未満、500nMもしくはそれ未満、300nMもしくはそれ未満、200nMもしくはそれ未満、100nMもしくはそれ未満、50nMもしくはそれ未満、30nMもしくはそれ未満、10nMもしくはそれ未満、5nMもしくはそれ未満、3nMもしくはそれ未満、1nMもしくはそれ未満、またはさらに一層低いなどの10μMまたはそれ未満のIC50値(またはEC50値)を有する。
上で要約されるように、本開示の態様は、ENPP1を阻害する方法を含む。対象化合物(例えば、本明細書に記載されている)は、10%~100%の範囲で、例えば、10%もしくはそれより高く、20%もしくはそれより高く、30%もしくはそれより高く、40%もしくはそれより高く、50%もしくはそれより高く、60%もしくはそれより高く、70%もしくはそれより高く、80%もしくはそれより高く、または90%もしくはそれより高く、ENPP1の活性を阻害することができる。ある特定のアッセイでは、対象化合物は、1×10-6Mもしくはそれ未満(例えば、1×10-6Mもしくはそれ未満、1×10-7Mもしくはそれ未満、1×10-8Mもしくはそれ未満、1×10-9Mもしくはそれ未満、1×10-10Mもしくはそれ未満、または1×10-11Mもしくはそれ未満)のIC50でその標的を阻害することができる。
ENPP1活性を決定する際に使用することができるプロトコールは多数あり、以下に限定されないが、細胞不含アッセイ、例えば、結合アッセイ;精製酵素を使用するアッセイ、細胞表現型が測定される細胞アッセイ、例えば遺伝子発現アッセイ;および特定の動物を含むin vivoアッセイ(この動物は、ある特定の実施形態では、標的病原体に関連する状態の動物モデルであってもよい)を含む。
一部の実施形態では、対象方法は、試料に、ENPP1を特異的に阻害する対象化合物を接触させるステップを含む、in vitroでの方法である。ある特定の実施形態では、試料は、ENPP1を含有することが疑われており、対象方法は、本化合物がENPP1を阻害するかどうかを評価するステップをさらに含む。
ある特定の実施形態では、対象化合物は、標識、例えば蛍光標識を含む修飾化合物であり、対象方法は、例えば、光学的検出を使用して、試料中の標識を、存在する場合、検出するステップをさらに含む。
ある特定の実施形態では、本化合物は、支持体、または支持体に結合する親和性基(例えば、ビオチン)により修飾されて、本化合物に結合しないいかなる試料も除去され得る(例えば、洗浄による)。特異的に結合したENPP1は、存在する場合、次に、標識化された標的特異的プローブの結合を使用する、または蛍光タンパク質反応性試薬を使用するなどの、任意の慣用的な手段を使用して検出され得る。
一部の実施形態では、本方法は、がん細胞の増殖を低減する方法であって、細胞に有効量の対象であるENPP1阻害剤化合物(例えば、本明細書に記載されている)を接触させて、がん細胞の増殖を低減するステップを含む方法である。ある特定の場合、対象であるENPP1阻害剤化合物は、細胞内で作用することができる。本方法は、化学療法剤(例えば、本明細書に記載されている)と組み合わせて行うことができる。がん細胞は、in vitroまたはin vivoとなり得る。ある特定の例では、本方法は、細胞にENPP1阻害剤化合物(例えば、本明細書に記載されている)を接触させるステップ、および細胞に化学療法剤を接触させるステップを含む。任意の好都合ながん細胞を標的とすることができる。
処置の方法
本開示の態様は、cGAMPに対するENPP1のヒドロラーゼ活性を阻害して、cGAMPのレベルの向上、および/またはSTING経路の下流でのモジュレート(例えば、活性化)を実現する方法を含む。本発明者らは、cGAMPが細胞外空間に存在することができること、およびENPP1が、cGAMPの細胞外レベルを制御することができることを発見した。本発明者らは、cGAMPが、in vivoで細胞外での重要な生物学的機能を有し得ることも発見した。本明細書において記載されて、実証されている結果は、対象方法によるENPP1阻害により、in vivoでSTING活性がモジュレートされ得ること、したがって、例えば、がん免疫療法に対する標的として、様々な疾患の処置における使用が見出されることを示す。したがって、対象方法は、ENPP1活性(例えば、cGAMPのヒドロラーゼ活性)を選択的に細胞外阻害してcGAMPの細胞外レベルを向上させて、インターフェロン遺伝子の刺激因子(STING)の経路の活性化を実現することができる。一部の例では、対象方法は、被験体におけるSTING媒介性応答を増大させる方法である。一部の例では、対象方法は、被験体における免疫応答をモジュレートする方法である。
「STING媒介性応答」とは、以下に限定されないが、例えば、細菌病原体、ウイルス病原体および真核生物病原体に対する免疫応答を含めた、STINGにより媒介されるあらゆる応答を指す。例えば、Ishikawa et al. Immunity 29: 538-550 (2008); Ishikawa et al. Nature 461: 788-792 (2009);およびSharma et al. Immunity 35: 194-207 (2011)を参照されたい。STINGはまた、自己DNAの不適切な認識により開始されるある特定の自己免疫疾患において(例えば、Gall et al. Immunity 36: 120-131 (2012)を参照されたい)、およびDNAワクチンに応答する適応免疫を誘導する場合に機能する(例えば、Ishikawa et al. Nature 461: 788-792 (2009)を参照されたい)。被験体におけるSTING媒介性応答を増大させるとは、対照被験体(例えば、対象化合物の投与を受けていない被験体)に比べると、被験体におけるSTING媒介性応答が増大することが意図される。一部の場合、被験体はヒトであり、対象化合物および方法は、ヒトSTINGの活性化をもたらす。一部の場合、STING媒介性応答は、免疫応答のモジュレートを含む。一部の例では、対象方法は、被験体における免疫応答をモジュレートする方法である。
一部の場合、STING媒介性応答は、被験体における、インターフェロン(例えば、I型インターフェロン(IFN)、III型インターフェロン(IFN))の生成量の増加を含む。インターフェロン(IFN)は、様々な生物活性、例えば、抗ウイルス、免疫モジュレートおよび抗増殖性を有するタンパク質である。IFNは、ウイルス、ポリペプチド、分裂促進因子などの様々な誘発因子への曝露に応答して哺乳動物細胞によって産生される、比較的小さく、種に特異的な単鎖ポリペプチドである。インターフェロンは、ウイルスの攻撃から動物組織および細胞を保護し、重要な宿主防御機構である。インターフェロンは、I型、II型およびIII型インターフェロンとして分類することができる。目的の哺乳動物のI型インターフェロンには、IFN-α(アルファ)、IFN-β(ベータ)、IFN-κ(カッパ)、IFN-δ(デルタ)、IFN-ε(イプシロン)、IFN-τ(タウ)、IFN-ω(オメガ)およびIFN-ζ(ゼータ、リミチンとしても公知である)が含まれる。
インターフェロンは、これらの分子が、複数のレベルで作用する抗がん活性を有するので、様々ながんの処置における使用が見出されている。インターフェロンタンパク質は、ヒト腫瘍細胞の増殖を直接、阻害することができる。一部の場合、抗増殖性活性はまた、シスプラチン、5FUおよびパクリタキセルなどの様々な承認されている化学療法剤と相乗性がある。インターフェロンタンパク質の免疫調節活性はまた、抗腫瘍免疫応答の誘発をもたらすことができる。この応答は、NK細胞の活性化、マクロファージ活性の刺激、およびMHCクラスI表面発現の誘発を含み、抗腫瘍細胞傷害性Tリンパ球活性の誘発をもたらす。さらに、インターフェロンは、免疫系における抗原の交差提示においてある役割を果たす。さらに、一部の検討は、IFN-βタンパク質は、抗血管新生活性を有することができることをさらに示す。新しい血管の形成である血管新生は、固形腫瘍の成長に重要である。IFN-βは、bFGFおよびVEGFなどの血管新生促進因子の発現を阻害することによって血管新生を阻害することができる。インターフェロンタンパク質はまた、組織リモデリングにおいて重要な、コラゲナーゼおよびエラスターゼなどの酵素の発現をモジュレートすることによって、腫瘍浸潤性を阻害することができる。
本方法の態様は、がんを有する被験体に、治療有効量のENPP1阻害剤を投与して、被験体のがんを処置するステップを含む。一部の例では、被験体は、がんと診断された、またはがんを有することが疑われるものである。任意の好都合なENPP1阻害剤が、がんを処置する対象方法に使用することができる。ある特定の場合、ENPP1阻害剤化合物は、本明細書に記載されている化合物である。ある特定の場合、ENPP1阻害剤は、細胞非透過性化合物である。ある特定の場合、ENPP1阻害剤は、細胞透過性化合物である。ある特定の場合、がんは、固形腫瘍がんである。ある特定の実施形態では、がんは、副腎、肝臓、腎臓、膀胱、乳房、結腸、胃、卵巣、子宮頸部、子宮、食道、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺(小細胞と非小細胞の両方)、甲状腺、癌腫、肉腫、神経膠芽腫、黒色腫および様々な頭頸部腫瘍から選択される。一部の場合、がんは乳がんである。一部の実施形態では、がんはリンパ腫である。
本方法の態様は、被験体に、治療有効量の細胞非透過性ENPP1阻害剤を投与して、cGAMPの加水分解を阻害し、被験体のがんを処置するステップを含む。ある特定の場合、がんは、固形腫瘍がんである。ある特定の実施形態では、がんは、副腎、肝臓、腎臓、膀胱、乳房、結腸、胃、卵巣、子宮頸部、子宮、食道、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺(小細胞と非小細胞の両方)、甲状腺、癌腫、肉腫、神経膠芽腫、黒色腫および様々な頭頸部腫瘍から選択される。ある特定の実施形態では、がんは乳がんである。一部の例では、がんはリンパ腫である。
本明細書において開示されている方法の一部の実施形態では、細胞非透過性ENPP1阻害剤は、式(I)~(XVb)(例えば、本明細書に記載されている)のいずれか1つの阻害剤である。一部の場合、ENPP1阻害剤は、表1~3の化合物、またはそれらのプロドラッグ形態(例えば、本明細書に記載されている)である。
したがって、本方法の態様は、本化合物がENPP1を阻害する条件下で、試料に対象化合物(例えば、上記)を接触させるステップを含む。化合物に試料を接触させる任意の好都合なプロトコールを使用することができる。使用される特定のプロトコールは、例えば、試料がin vitroであるかin vivoであるかに応じて変わり得る。in vitroプロトコールの場合、試料への本化合物の接触は、任意の好都合なプロトコールを使用して実現することができる。一部の例では、試料は、好適な培養培地中で維持される細胞を含み、複合体が培養培地に導入される。in vivoプロトコールの場合、任意の好都合な投与プロトコールが使用されてもよい。本化合物の効力、目的の細胞、投与方法、存在する細胞数に応じて、様々なプロトコールが使用されてもよい。
一部の実施形態では、対象方法は、被験体のがんを処置する方法である。一部の実施形態では、対象方法は、被験体に有効量の対象化合物(例えば、本明細書に記載されている)または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。対象化合物は、医薬組成物(例えば、本明細書に記載されている)の一部として投与されてもよい。本方法のある特定の例では、投与される化合物は、式(I)~(XVb)(例えば、本明細書に記載されている)の1つの化合物である。本方法のある特定の例では、投与される化合物は、表1~3の化合物の1つによって記載される。
一部の実施形態では、「有効量」とは、個体に1つまたは複数の用量を単剤療法または併用療法で投与した場合、化合物による処置の非存在下での個体におけるENPP1活性に比べて、または代替として化合物による処置前もしくは処置後の個体におけるENPP1活性に比べて、約20%(20%阻害)、少なくとも約30%(30%阻害)、少なくとも約40%(40%阻害)、少なくとも約50%(50%阻害)、少なくとも約60%(60%阻害)、少なくとも約70%(70%阻害)、少なくとも約80%(80%阻害)、または少なくとも約90%(90%阻害)、ENPP1を阻害するのに有効な対象化合物の量のことである。
一部の実施形態では、「治療有効量」とは、個体に1つまたは複数の用量を単剤療法または併用療法で投与した場合、化合物による処置の非存在下での個体における腫瘍負荷に比べて、または代替として化合物による処置前もしくは処置後の被験体における腫瘍負荷に比べて、約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、被験体における腫瘍負荷を低下させるのに有効な対象化合物の量のことである。本明細書で使用される場合、用語「腫瘍負荷」は、がんを有する被験体が有する腫瘍組織の総質量を指す。
一部の実施形態では、「治療有効量」とは、個体に1つまたは複数の用量を単剤療法または併用療法で投与した場合、化合物による処置の非存在下で、個体における腫瘍縮小を観察するのに必要な放射線治療の用量に比べて、約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、被験体における腫瘍縮小を観察するのに必要な放射線治療の用量を低下させるのに有効な対象化合物の量のことである。
一部の実施形態では、化合物の「治療有効量」とは、がんを有する個体に1つまたは複数の用量で投与すると、1.5log、2log、2.5log、3log、3.5log、4log、4.5logまたは5logの腫瘍サイズの低下を実現するのに有効な量のことである。
一部の実施形態では、化合物の有効量は、約50ng/ml~約50μg/ml(例えば、約50ng/ml~約40μg/ml、約30ng/ml~約20μg/ml、約50ng/ml~約10μg/ml、約50ng/ml~約1μg/ml、約50ng/ml~約800ng/ml、約50ng/ml~約700ng/ml、約50ng/ml~約600ng/ml、約50ng/ml~約500ng/ml、約50ng/ml~約400ng/ml、約60ng/ml~約400ng/ml、約70ng/ml~約300ng/ml、約60ng/ml~約100ng/ml、約65ng/ml~約85ng/ml、約70ng/ml~約90ng/ml、約200ng/ml~約900ng/ml、約200ng/ml~約800ng/ml、約200ng/ml~約700ng/ml、約200ng/ml~約600ng/ml、約200ng/ml~約500ng/ml、約200ng/ml~約400ng/mlまたは約200ng/ml~約300ng/ml)の範囲となる量である。
一部の実施形態では、化合物の有効量は、約10pg~約100mg、例えば、約10pg~約50pg、約50pg~約150pg、約150pg~約250pg、約250pg~約500pg、約500pg~約750pg、約750pg~約1ng、約1ng~約10ng、約10ng~約50ng、約50ng~約150ng、約150ng~約250ng、約250ng~約500ng、約500ng~約750ng、約750ng~約1μg、約1μg~約10μg、約10μg~約50μg、約50μg~約150μg、約150μg~約250μg、約250μg~約500μg、約500μg~約750μg、約750μg~約1mg、約1mg~約50mg、約1mg~約100mgまたは約50mg~約100mgの範囲となる量である。この量は、単回用量の量とすることができるか、または1日あたりの合計用量とすることができる。1日あたりの合計用量は、10pg~100mgの範囲とすることができるか、または100mg~約500mgの範囲とすることができるか、または500mg~約1000mgの範囲とすることができる。
一部の実施形態では、化合物の単回用量が投与される。他の実施形態では、多回用量が投与される。本化合物は、多回用量がある期間にわたり投与される場合、ある期間にわたり、1日2回(qid)、毎日(qd)、1日おき(qod)、3日おき、1週間に3回(tiw)または1週間に2回(biw)、投与され得る。例えば、化合物は、1日間~約2年間、またはそれより長い期間にわたり、qid、qd、qod、tiwまたはbiwで投与される。例えば、化合物は、様々な因子に応じて、1週間、2週間、1か月、2か月、6か月、1年間または2年間、またはそれより長い間、上述の頻度のいずれかで投与される。
がんを有する個体に治療有効量の対象化合物を投与すると、以下:1)腫瘍負荷の低下、2)腫瘍縮小を行うのに必要な放射線治療の用量の低下、3)個体における1つの細胞から別の細胞へのがんの蔓延の低減、4)臨床的転帰における罹患率または致死率の低下、5)他の抗がん剤と組み合わせた場合に、処置の全期間の短縮、および6)疾患応答の指標の改善(例えば、がんの1つまたは複数の症状の低下)のうちの1つまたは複数をもたらすことができる。様々な方法のいずれも、処置法が有効であるかどうかを判定するために使用することができる。例えば、対象方法により処置された個体から得られた生体試料をアッセイすることができる。
明細書において記載されている化合物のいずれも、処置の対象方法に利用することができる。ある特定の例では、本化合物は、式(I)~(XVb)(例えば、本明細書に記載されている)の1つである。ある特定の場合、本化合物は、表1~3の化合物の1つ、またはそのプロドラッグ形態である。一部の場合、対象方法に利用される化合物は、細胞浸透性ではない。一部の場合、対象方法に利用される化合物は、細胞浸透性に乏しい。
一部の実施形態では、本化合物はENPP1を特異的に阻害する。一部の実施形態では、本化合物は、cGAMPの活性をモジュレートする。一部の実施形態では、本化合物は、ENPP1とcGAMPとの相互作用を妨害する。一部の実施形態では、本化合物は、STING経路の活性化をもたらす。
一部の実施形態では、被験体は哺乳動物である。ある特定の例では、被験体はヒトである。他の被験体は、家庭用ペット(例えば、イヌおよびネコ)、家禽(例えば、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマなど)、げっ歯類(例えば、疾患の動物モデルにおけるような、例えば、マウス、モルモットおよびラット)、および非ヒト霊長類(例えば、チンパンジーおよびサル)を含むことができる。被験体は、がんの処置を必要とすることがある。一部の例では、対象方法は、本明細書に記載されているがんのいずれか1つを含む、がんを診断するステップを含む。一部の実施形態では、本化合物は、医薬調製物として投与される。
ある特定の実施形態では、ENPP1阻害剤化合物は、標識を含む修飾化合物であり、本方法は、被験体における標識を検出するステップをさらに含む。標識の選択は、検出手段に依る。任意の好都合な標識化および検出システムを対象方法に使用することができる。例えば、Baker, ”The whole picture,” Nature, 463, 2010, p977-980を参照されたい。ある特定の実施形態では、本化合物は、光学的検出に好適な蛍光標識を含む。ある特定の実施形態では、本化合物は、ポジトロン放出断層法(PET)または単一光子放射断層撮影法(SPECT)を使用する検出のための放射標識を含む。一部の場合、本化合物は、トモグラフィー検出に好適な常磁性標識を含む。対象化合物は、上記の通り標識化されていてもよいが、一部の方法では、本化合物は、標識されておらず、二次標識剤をイメージングに使用する。
併用療法
対象化合物は、被験体に単独でまたは追加の、すなわち第2の活性剤と組み合わせて投与され得る。対象であるENPP1阻害剤化合物が第2の活性剤、または追加治療法、例えば放射線療法と組み合わせて使用され得る併用治療方法。用語「薬剤」、「化合物」および「薬物」は、本明細書において互換的に使用される。例えば、ENPP1阻害剤化合物は、単独で、または以下に限定されないが、免疫調節性疾患および状態、ならびにがんを含めた、目的の疾患の処置に使用される薬物などの1つもしくは複数の他の薬物と連携して投与され得る。一部の実施形態では、対象方法は、第2の薬剤、例えば低分子、化学療法剤、抗体、抗体断片、抗体-薬物コンジュゲート、アプタマー、タンパク質またはチェックポイント阻害剤を同時に、または順番に同時投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、被験体に放射線療法を行うステップをさらに含む。
用語「共投与」および「と組み合わせて」とは、具体的な時間限定なしに、2種またはそれより多い治療剤の同時、一斉または逐次投与のいずれかを含む。一実施形態では、薬剤は細胞または被験体の身体に同時に存在するか、または同時にその生物学的効果もしくは治療効果を発揮する。一実施形態では、治療剤は、同じ組成物または単位剤形に存在する。他の実施形態では、治療剤は、個別の組成物または単位剤形に存在する。ある特定の実施形態では、第1の薬剤は、第2の治療剤の投与前(例えば、分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間前)に、第2の治療剤と同時にまたはその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間後)に投与することができる。
本開示の医薬組成物との公知の治療薬または追加治療法の「同時投与」は、本化合物および第2の薬剤または追加治療法を、公知薬物および本発明の組成物の両方が治療効果を有するような時間に投与することを意味する。このような同時投与は、対象化合物の投与に関して、薬物の同時(すなわち、同じ時間に)投与、事前投与または後続投与を含むことができる。2種の薬剤の投与経路は、様々となり得、この場合、代表的な投与経路は、以下に一層詳細に記載されている。当業者が、特定の薬物または治療法、および本開示の化合物にとっての投与の適切な時機、順序および投与量を決定することは困難ではない。
一部の実施形態では、本化合物(例えば、対象化合物および少なくとも1つの追加化合物または治療法)は、互いに12時間以内、互いに6時間以内、互いに3時間以内、または互いに1時間以内などの互いに24時間以内に被験体に投与される。ある特定の実施形態では、本化合物は、互いに1時間以内に投与される。ある特定の実施形態では、本化合物は、実質的に同時に投与される。実質的に同時に投与されるとは、本化合物が、互いに5分間もしくはそれ未満、または1分間もしくはそれ未満などの、互いに約10分間またはそれ未満以内に被験体に投与されることが意図される。
同様に、対象化合物および第2の活性剤の医薬調製物が提供される。医薬剤形では、本化合物は、その薬学的に許容される塩の形態で投与されてもよく、またはそれらは、単独でもしくは適切に連携させて、および他の薬学的活性化合物と組み合わせて使用されてもよい。
対象方法のいずれかに連携して、本ENPP1阻害剤化合物(例えば、本明細書に記載されている)(または、このような化合物を含む医薬組成物)は、感染症を軽減または予防するよう、慢性炎症または線維症を処置または予防するよう、あるいはがんを処置するよう設計されている別の薬物と組み合わせて投与することができる。各場合において、本ENPP1阻害剤化合物は、他の薬物の投与前に、それと同時に、またはその後に投与され得る。ある特定の場合、がんは、副腎、肝臓、腎臓、膀胱、乳房、結腸、胃、卵巣、子宮頸部、子宮、食道、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺(小細胞と非小細胞の両方)、甲状腺、癌腫、肉腫、神経膠腫、神経膠芽腫、黒色腫および様々な頭頸部腫瘍から選択される。
がんの処置に関すると、本ENPP1阻害剤化合物は、アルキル化剤、ニトロソ尿素、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、植物(ビンカ)アルカロイド、ステロイドホルモン、タキサン、ヌクレオシドアナログ、ステロイド、アントラサイクリン、甲状腺ホルモン置き換え薬物、チミジレート標的薬物、キメラ抗原受容体/T細胞治療法、キメラ抗原受容体/NK細胞治療法、アポトーシス調節因子阻害剤(例えば、B細胞CLL/リンパ腫2(BCL-2)BCL-2様1(BCL-XL)阻害剤)、CARP-1/CCAR1(細胞分裂周期およびアポトーシス調節因子1)阻害剤、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)阻害剤、CD47阻害剤、がんワクチン(例えば、Th17誘導性樹状細胞ワクチンまたは遺伝子改変されたチロシナーゼ(Oncept(登録商標)など))および他の細胞治療法からなる群から選択される化学療法剤と組み合わせて投与され得る。
目的の具体的な化学療法剤には、以下に限定されないが、ゲムシタビン、ドセタキセル、ブレオマイシン、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、トラメチニブ、ベバシズマブ、スニチニブ、ソラフェニブ、トラスツズマブ、アド-トラスツズマブエムタンシン、リツキシマブ、イピリムマブ、ラパマイシン、テムシロリムス、エベロリムス、メトトレキセート、ドキソルビシン、アブラキサン、フォルフィリノックス、シスプラチン、カルボプラチン、5-フルオロウラシル、テイスモ(Teysumo)、パクリタキセル、プレドニゾン、レボチロキシン、ペメトレキセド、ナビトクラックスおよびABT-199が含まれる。ペプチド化合物もまた使用され得る。目的のがん化学治療剤には、以下に限定されないが、ドラスタチンならびにそれらの活性アナログおよび誘導体;ならびにオーリスタチンならびにそれらの活性アナログおよび誘導体(例えば、モノメチルオーリスタチンD(MMAD)、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)など)が含まれる。例えば、WO96/33212、WO96/14856およびU.S.6,323,315を参照されたい。好適ながん化学療法剤はまた、メイタンシノイドならびにそれらの活性アナログおよび誘導体(例えば、EP1391213;およびLiu et al (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:8618-8623を参照されたい);デュオカルマイシンならびにそれらの活性アナログおよび誘導体(例えば、合成アナログ、KW-2189およびCB 1-TM1を含む);ならびにベンゾジアゼピンならびにそれらの活性アナログおよび誘導体(例えば、ピロロベンゾジアゼピン(PBD))を含む。
一部の実施形態では、本ENPP1阻害剤化合物は、がんを処置するための化学療法剤と組み合わせて投与され得る。ある特定の場合、化学療法剤はゲムシタビンである。一部の場合、化学療法剤はドセタキセルである。一部の場合、化学療法剤はアブラキサンである。
がん(例えば、固形腫瘍がん)の処置に関すると、本ENPP1阻害剤化合物は、免疫治療剤と組み合わせて投与することができる。免疫治療剤は、免疫応答を誘発する、増強するまたは抑制することによって疾患の処置に使用することが見出されている任意の好都合な薬剤である。一部の場合、免疫治療剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。例えば、図21A~4Cは、マウスモデルにおいて、例示的なENPP1阻害剤が免疫チェックポイント阻害剤と相乗的に作用することができることを例示している。以下に限定されないが、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)阻害剤、プログラム死1(PD-1)阻害剤およびPD-L1阻害剤を含めた、任意の好都合なチェックポイント阻害剤を利用することができる。ある特定の例では、チェックポイント阻害剤は、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)阻害剤、プログラム死1(PD-1)阻害剤およびPD-L1阻害剤から選択される。目的の例示的なチェックポイント阻害剤には、以下に限定されないが、イピリムマブ、ペムブロリズマブおよびニボルマブが含まれる。ある特定の実施形態では、がんおよび/または炎症性疾患を処置する場合、免疫調節性ポリペプチド(単数または複数)は、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)阻害剤と組み合わせて投与することができる。目的のCSF1R阻害剤には、以下に限定されないが、エマクツズマブが含まれる。
任意の好都合ながんワクチン治療法および薬剤が、対象とするENPP1阻害剤化合物、組成物および方法と組み合わせて使用することができる。がん、例えば卵巣がんの処置の場合、本ENPP1阻害剤化合物は、ワクチン接種治療法、例えばTh1/Th17免疫を促進する樹状細胞(DC)ワクチン接種剤と組み合わせて投与することができる。Th17細胞浸潤は、卵巣がん患者の中で全生存期間の顕著な延びと関連している。一部の場合、本ENPP1阻害剤化合物は、Th17誘導ワクチン接種と組み合わせたアジュバント療法としての使用が見出されている。
同様に、以下に限定されないが、Rishi et al., Journal of Biomedical Nanotechnology, Volume 11, Number 9, September 2015, pp. 1608-1627(20)により記載されているものを含むCARP-1/CCAR1(細胞分裂周期およびアポトーシス調節因子1)阻害剤、および以下に限定されないが、Hu5F9-G4などの抗CD47抗体剤を含めたCD47阻害剤である、薬剤が興味深い。
ある特定の例では、組合せ物は、いずれかの構成成分単独に比べると、効果の増強をもたらす。一部の場合、組合せ物は、構成成分の組合せ効果または相加効果に比べると、相加以上の効果または相乗効果を実現する。対象化合物および化学療法剤の様々な組合せ物が使用されてもよく、逐次にまたは同時にのどちらか一方で使用される。多回投与量の場合、例えば、2種の薬剤を、直接、順に交互にしてもよく、または1つの薬剤の2回もしくはそれより多い用量を単回用量の他の薬剤と順に交互にしてもよい。両方の薬剤の同時投与もまた、順に交互にしてもよく、または他の方法で、個々の薬剤の投与量を分散してもよい。一部の場合、投与量同士の間の時間は、処置の開始後、約1~6時間から、約6~12時間まで、約12~24時間まで、約1~2日間まで、約1~2週間まで、またはそれより長い期間までとすることができる。
cGAMP誘導化学療法剤との組合せ
本開示の態様は、がんを処置する方法であって、本ENPP1阻害剤化合物(または、このような化合物を含む医薬組成物)を、cGAMPの生成をin vivoで誘導することが可能な化学療法剤と組み合わせて投与することができる、方法を含む。被験体を有効量の特定の化学療法剤に曝露させると、被験体において、2’3’-cGAMPの生成が誘導され得る。対象であるENPP1阻害剤化合物が共投与されて、cGAMPの分解を防止すると、cGAMPの誘導されるレベルが維持および/または増強され得、例えば、どちらか一方の薬剤を単独で用いて実現されるレベルと比較すると増強され得る。圧倒的な修復機構または分解機構による細胞の死滅によって、アルキル化剤、核酸アナログおよび挿入剤などの、DNA損傷をもたらすことができ、cGAMP生成を誘導することができる任意の好都合な化学療法剤を、対象併用治療法に使用することができる。一部の場合、cGAMP誘導化学療法剤は、抗有糸分裂剤である。抗有糸分裂剤は、DNAを損傷することによって、または微小管に結合することによって作用する薬剤である。一部の場合、cGAMP誘導化学療法剤は、抗腫瘍剤である。
対象とする併用療法を使用して処置され得る目的のがんは、以下に限定されないが、副腎、肝臓、腎臓、膀胱、乳房、結腸、胃、卵巣、子宮頸部、子宮、食道、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺(小細胞と非小細胞の両方)、甲状腺、癌腫、肉腫、神経膠腫、神経膠芽腫、黒色腫および様々な頭頸部腫瘍を含む。一部の場合、がんは乳がんである。ある特定の例では、がんは神経膠腫または神経膠芽腫である。
目的の化学療法剤には、以下に限定されないが、ウラシルアナログ、フルオロウラシルプロドラッグ、チミジル酸シンターゼ阻害剤、デオキシシチジンアナログ、DNA合成阻害剤(例えば、S期アポトーシスをもたらす)、葉酸アナログ、デヒドロフォレートレダクターゼ阻害剤、アントラサイクリン、挿入剤(例えば、二本鎖の破壊をもたらす)、トポイソメラーゼIIa阻害剤、タキサン、微小管分解阻害剤(例えば、G2/M期停止/アポトーシスをもたらす)、微小管集合阻害剤、微小管機能安定化剤(例えば、G2/M期アポトーシスをもたらす)、チューブリン重合促進剤、チューブリン結合剤(例えば、M期停止によるアポトーシスをもたらす)、エポチロンBアナログ、ビンカアルカロイド、ナイトロジェンマスタード、ニトロソ尿素、DNAアルキル化剤(例えば、鎖間架橋、p53によるアポトーシスをもたらす)、VEGF阻害剤、抗血管新生抗体、HER2阻害剤、キナゾリンHER2阻害剤、EGFR阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、シロリムスアナログ、mTORC1阻害剤(例えば、乳がんにおいて、エキセメスタン=エストロゲン生成を阻害するアロマターゼ(Aromastase)阻害剤との組合せ物)、トリアゼン、ダカルバジンプロドラッグ、メチルヒドラジンが含まれる。
例示的な目的の乳がん化学治療剤には、以下に限定されないが、カペシタビン、カルモフール、フルオロウラシル、テガフール、ゲムシタビン、メトトレキセート、ドキソルビシン、エピルビシン、ドセタキセル、イキサベピロン、ビンデシン、ビノレルビン、シクロホスファミド、ベバシクマブ(Bevacicumab)、ペルツズマブ、トラスツズマブ、ラパチニブおよびエベロリムスが含まれる。例示的な神経膠腫/神経膠芽腫に関連する抗新生物薬物には、以下に限定されないが、カルムスチン、ロムスチン、テモゾロミド、プロカルバジン、ビンクリスチンおよびベバシクマブが含まれる。例示的な目的のDNA損傷化学療法剤には、以下に限定されないが、メルファラン、シスプラチンおよびエトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビンが含まれる。
併用放射線療法
代替的に、がんを処置する方法の場合、本ENPP1阻害剤化合物(または、このような化合物を含む医薬組成物)は、放射線療法と組み合わせて投与することができる。ある特定の実施形態では、本方法は、被験体に放射線療法を行うステップを含む。やはり、本ENPP1阻害剤化合物は、放射線療法の実施前またはその後に投与され得る。したがって、対象方法は、被験体に放射線療法を投与するステップをさらに含むことができる。放射線療法と対象化合物の投与とを組み合わせると、相乗的治療効果を実現することができる。被験体が、放射線療法(RT)の間に、好適な投与量および/または頻度の放射線照射に曝露されると、被験体において、2’3’-cGAMPの生成が誘導され得る。対象となるENPP1阻害剤化合物が共投与されて、cGAMPの分解を防止すると、cGAMPのこのようなレベルの誘導が維持および/または増強され得、例えば、RTを単独で用いて実現されるレベルと比べて増強され得る。例えば、図21Aは、マウスモデルにおいて、例示的なENPP1阻害剤が、放射線療法(RT)と相乗的に作用して腫瘍負荷を低下させることができることを例示している。したがって、対象方法の態様は、放射線照射処置単独の治療的に有効な投与量および/または頻度/レジメンに比べると、放射線照射処置の投与量および/または頻度/レジメンの減少した投与を含む。一部の場合、放射線療法は、被験体に放射線損傷のリスク、例えば放射線照射処置単独の治療的に有効な投与量および/または頻度/レジメンのもとで起こることが予期される放射線損傷を軽減するのに有効な投与量および/または頻度で、対象化合物と組み合わせて投与される。
一部の場合、本方法は、放射線療法の前に被験体にENPP1阻害剤を投与するステップを含む。一部の場合、本方法は、放射線療法に被験体を曝露した後に、被験体にENPP1阻害剤を投与するステップを含む。ある特定の場合、本方法は、それを必要とする被験体に放射線療法、次いで、ENPP1阻害剤、次いでチェックポイント阻害剤を逐次投与することを含む。
有用性
例えば、本明細書に記載されている本発明の化合物および方法は、様々な用途における使用が見出されている。目的の用途には、以下に限定されないが、研究用途および治療用途が含まれる。本発明の方法は、ENPP1の阻害が望ましい、任意の好都合な用途を含めた、様々な異なる用途における使用が見出される。
対象化合物および方法は、様々な研究用途における使用が見出されている。対象化合物および方法は、化合物の生体利用率および代謝安定性の最適化に使用することができる。
対象化合物および方法は、様々な治療用途における使用が見出されている。目的の治療用途は、がん処置における用途を含む。したがって、対象化合物は、宿主におけるがんの阻害および/または処置が望ましい、様々な異なる状態の処置における使用が見出されている。例えば、対象化合物および方法は、固形腫瘍がん(例えば、本明細書に記載されている)の処置における使用が見出され得る。
医薬組成物
本明細書において議論されている化合物は、任意の好都合な賦形剤、試薬および方法を使用して製剤化することができる。組成物は、薬学的に許容される賦形剤(単数または複数)を含む製剤で提供される。幅広い様々な薬学的に許容される賦形剤が当分野で公知であり、本明細書において詳細に議論される必要はない。薬学的に許容される賦形剤は、例えば、A. Gennaro (2000) ”Remington: The Science and Practice of Pharmacy,” 20th edition, Lippincott, Williams, & Wilkins; Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (1999) H.C. Ansel et al., eds., 7th ed., Lippincott, Williams, & Wilkins;およびHandbook of Pharmaceutical Excipients (2000) A.H. Kibbe et al., eds., 3rd ed. Amer. Pharmaceutical Assocを含む、様々な出版物に十分に記載されている。
ビヒクル、アジュバント、担体または希釈剤などの薬学的に許容される賦形剤が、公的に容易に入手可能である。さらに、pH調整剤および緩衝化剤、等張化剤、安定剤、湿潤剤などの薬学的に許容される補助物質が、公的に容易に入手可能である。
一部の実施形態では、対象化合物は、水性緩衝液中で製剤化される。好適な水性緩衝液には、以下に限定されないが、強度が5mM~100mMで変わる、酢酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩およびリン酸塩の緩衝液が含まれる。一部の実施形態では、水性緩衝液は、等張性溶液をもたらす試薬を含む。このような試薬には、以下に限定されないが、塩化ナトリウム;および糖、例えば、マンニトール、デキストロース、スクロースなどが含まれる。一部の実施形態では、水性緩衝液は、ポリソルベート20または80などの非イオン性界面活性剤をさらに含む。必要に応じて、製剤は、保存剤をさらに含んでもよい。好適な保存剤には、以下に限定されないが、ベンジルアルコール、フェノール、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなどが含まれる。多くの場合では、製剤は、約4℃で保管される。製剤はまた凍結乾燥されていてもよく、この場合、それらの製剤は、一般に、スクロース、トレハロース、ラクトース、マルトース、マンニトールなどの凍結保護物質を含む。凍結乾燥製剤は、周囲温度でさえも、長期間にわたり保管することができる。一部の実施形態では、対象化合物は、持続放出向けに製剤化される。
一部の実施形態では、対象化合物および第2の活性剤(例えば、本明細書に記載されている)、例えば、低分子、化学療法剤、抗体、抗体断片、抗体-薬物コンジュゲート、アプタマーまたはタンパク質などが、薬学的に許容される賦形剤(単数または複数)を含む製剤中(例えば、同一製剤または個別の製剤)で個体に投与される。一部の実施形態では、第2の活性剤は、チェックポイント阻害剤、例えば細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)阻害剤、プログラム死1(PD-1)阻害剤またはPD-L1阻害剤である。
本発明の別の態様では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、異性体、互変異性体もしくはプロドラッグを含むまたはこれらから本質的になる、医薬組成物であって、1つまたは複数の追加の目的の活性剤をさらに含む、医薬組成物が提供される。任意の好都合な活性剤は、対象化合物と連携して、対象方法に利用することができる。一部の例では、追加剤は、チェックポイント阻害剤である。併用療法のための、対象化合物およびチェックポイント阻害剤、ならびに本明細書に記載されている追加的な治療剤は、経口、皮下、筋肉内、経鼻、非経口または他の経路により投与され得る。対象化合物および第2の活性剤(存在する場合)は、同一投与経路によって、または異なる投与経路によって投与されてもよい。治療剤は、以下に限定されないが、例えば、経口、直腸、鼻腔、局所(経皮、エアゾール、口内および舌下を含む)、膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)、膀胱内、または罹患臓器への注射を含めた、任意の好適な手段により投与することができる。ある特定の場合、治療剤は経鼻により投与することができる。一部の場合、治療剤は、腫瘍内投与することができる。
一部の実施形態では、対象化合物および化学療法剤は、薬学的に許容される賦形剤(単数または複数)を含む製剤(例えば、同一製剤または個別の製剤)で個体に投与される。化学療法剤には、以下に限定されないが、アルキル化剤、ニトロソ尿素、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、植物(ビンカ)アルカロイドおよびステロイドホルモンが含まれる。ペプチド化合物もまた使用され得る。好適ながん化学療法剤には、ドラスタチンならびにそれらの活性アナログおよび誘導体;ならびにオーリスタチンならびにそれらの活性アナログおよび誘導体(例えば、モノメチルオーリスタチンD(MMAD)、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)など)が含まれる。例えば、WO96/33212、WO96/14856およびU.S.6,323,315を参照されたい。好適ながん化学療法剤はまた、メイタンシノイドならびにそれらの活性アナログおよび誘導体(例えば、EP1391213;およびLiu et al (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:8618-8623を参照されたい);デュオカルマイシンならびにそれらの活性アナログおよび誘導体(例えば、合成アナログ、KW-2189およびCB 1-TM1を含む);ならびにベンゾジアゼピンならびにそれらの活性アナログおよび誘導体(例えば、ピロロベンゾジアゼピン(PBD))を含む。
併用療法のための、対象化合物および第2の化学療法剤、ならびに本明細書に記載されている追加治療剤は、経口、皮下、筋肉内、非経口または他の経路により投与され得る。対象化合物および第2の化学療法剤は、同一投与経路によって、または異なる投与経路によって投与されてもよい。治療剤は、以下に限定されないが、例えば、経口、直腸、鼻腔、局所(経皮、エアゾール、口内および舌下を含む)、膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)、膀胱内、または罹患臓器への注射を含めた、任意の好適な手段により投与することができる。
対象化合物は、単位剤形で提供されてもよく、当分野で周知の任意の方法によって調製されてもよい。このような方法は、対象化合物と1つまたは複数の副成分を構成する薬学的に許容される担体または希釈剤とを組み合わせることを含む。薬学的に許容される担体は、選択された投与経路および標準医薬実務に基づいて選択される。担体はそれぞれ、製剤の他の成分と適合性がある、および被験体に有害でないという意味において、「薬学的に許容される」ものでなければならない。この担体は、固体または液体とすることができ、そのタイプは、使用される投与のタイプに基づいて一般に選択される。
好適な固体担体の例には、ラクトース、スクロース、ゼラチン、寒天およびバルク粉末が含まれる。好適な液体担体の例には、水、薬学的に許容される脂肪および油、アルコール、またはエステルを含めた他の有機溶媒、エマルション剤、シロップ剤もしくはエリキシル剤、懸濁液剤、溶液剤および/または懸濁液剤、ならびに非起泡性顆粒剤から再構成した溶液剤およびまたは懸濁液剤、ならびに起泡性顆粒剤から再構成した起泡性調製物が含まれる。このような液体担体は、例えば、好適な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、増粘剤および融解剤を含有することができる。好ましい担体は、食用油、例えばコーン油またはキャノーラ油である。ポリエチレングリコール、例えばPEGもまた良好な担体である。
以下の実施例は、本開示の実施形態を行い使用する方法の完全な開示および説明を当業者に提供するように提示されており、発明者がその発明として見なすものの範囲を限定することを意図するものでもなく、以下の実験が実施された実験のすべてまたは唯一であることを示すことを意図するものでもない。使用される数字(例えば量、温度など)に関する正確性を確保する努力を行ってきたが、ある程度の実験誤差および偏差を考慮すべきである。特に示さない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏の度であり、圧力は、大気圧または大気圧付近である。
本発明は、その特定の実施形態を参照して記載されているが、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてもよいこと、および等価物が置き換えられてもよいことが当業者によって理解されるべきである。さらに、本開示の目的、趣旨および範囲に対して、特定の状況、物質、物質の組成、プロセス、プロセス工程(単数または複数)を適応させる多数の修正が行われてもよい。このような修正はすべて、添付されている特許請求の範囲内にあることが意図されている。
(実施例1)
化合物の合成
化合物は、任意の好都合な方法を使用して合成されてよい。本開示の化合物を調製する際に使用するために適応され得る方法は、実施例1a~1cに記載されている例示的な合成法、およびその開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、2018年9月7日出願のPCT出願番号PCT/US2018/050018においてLiらによって記載されている方法を含む。開示化合物を合成するために有用な一般的に公知の化学的合成スキームおよび条件を提示する多数の一般的な参考文献もまた入手可能である(例えば、Smith and March, March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, Fifth Edition, Wiley-Interscience, 2001; or Vogel, A Textbook of Practical Organic Chemistry, Including Qualitative Organic Analysis, Fourth Edition, New York: Longman, 1978を参照されたい)。反応は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、LC/MSによってモニタリングすることができ、反応生成物は、LC/MSおよび1H NMRによって特徴付けられ得る。中間体および最終生成物は、シリカゲルクロマトグラフィーによって、またはHPLCによって精製することができる。
(実施例1a)
例示的な合成スキーム 化合物1
この開示の化合物の調製に使用するのに適合し得る化合物1の合成を以下に説明する;
ジメチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネートの調製
トルエン(100mL)中のビス(ジメトキシホスホリル)メタン(11.42g、49.19mmol)の撹拌溶液に、室温で水素化ナトリウム(2.16g、54.11mmol)を注意深く加えた。次に、この反応混合物を窒素雰囲気下に置き、温度を40℃未満に維持しながら、1-ベンジルピペリジン-4-カルバルデヒド(10g、49.19mmol)のトルエン(50mL)溶液をゆっくりと加えた。得られた混合物を室温で16時間、撹拌し、次に、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することによってクエンチした。有機相を分離し、ブラインにより洗浄して乾燥(MgSO4)し、蒸発乾固した。クロマトグラフィー(120g SiO2;ヘキサン中の5~100%のEtOAcのグラジエント)により、ジメチル(E)-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)ビニル)ホスホネート(6.2g、16%)が無色油状物として得られた。
エタノール(40mL)中のジメチル(E)-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)ビニル)ホスホネート(3.7g、12.0mmol)の混合物にPd/C(1.1g、10.3mmol)を加えた。この混合物を水素雰囲気下に置き、室温で12時間、撹拌してろ過し、減圧下で蒸発乾固すると、ジメチル(2-(ピペリジン-4イル)エチル)ホスホネート(2.7g、100%)が無色油状物として得られた。
ジメチル(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネートの調製
イソプロピルアルコール(20mL)中のジメチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート(1.1g、4.9mmol)および4-クロロ-6,7-ジメトキシキナゾリン(1.0g、4.5mmol)の混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(0.6g、8.9mmol)を加えた。90℃で3時間、撹拌した後、この反応混合物を冷却して、蒸発乾固させた。シリカゲル(ジクロロメタン中の5%MeOH)の精製により、ジメチル(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート(755mg、37%)が油状物として得られた。
LC-MS:m/z=410.25[M+H]+
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.65 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 4.19 (dq, J = 14.0,2.9, 2.4 Hz, 2H), 4.02 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.05 (td, J = 12.8,2.3 Hz, 2H), 1.93 - 1.77 (m, 4H), 1.67 (ddd, J = 14.1, 9.5, 5.9 Hz, 3H), 1.46 (qd, J =12.2, 3.7 Hz, 2H).
ジメチル(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4イル)エチル)ホスホン酸(化合物1)の調製
氷浴によって冷却した、クロロホルム(60mL)中のジメチル(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート(3.25g、7.94mmol)の冷却溶液にブロモトリメチルシラン(3.67g、24mmol)を加えた。この反応混合物を室温まで温め、90分後にメタノール(20mL)を添加することによってクエンチした。この混合物を減圧下で蒸発乾固し、次に、メタノール(100mL)中で溶媒和させた。この反応混合物を濃縮して体積を半分にし、ろ過して沈殿物を除去し、次に蒸発乾固した。この残留物をジクロロメタンにより結晶化し、ろ過して真空下で乾燥すると、ジメチル(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸(2.1g、69%)が得られた。
LC-MS:m/z=381.8[M+H]+
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.77 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 4.71 (d, J =13.1 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.48 (t, J = 12.7 Hz, 2H), 3.18 (s, 1H), 1.97-1.90 (m, 2H), 1.62-1.43 (m, 4H), 1.40-1.27 (m, 2H).
(実施例1b)
化合物5(表1)の合成
以下に説明されている合成スキームを使用して化合物5を調製する:
(実施例1c)
化合物6(表1)の合成
以下に説明されている合成スキームを使用して化合物6を調製する:
化学合成:特に明記しない限り、周囲雰囲気下で反応を行った。定性的TLC分析は、250mmの厚さ、60Å、ガラス背面、F254シリカ(Silicycle、Quebec City、Canada)で行った。可視化は、UV光およびp-アニスアルデヒドまたはKMnO4染色溶液への曝露と、その後に加熱することによって行った。使用した溶媒はすべて、ACSグレードのSure-Seal品であり、他の試薬はすべて、特に明記しない限り、入手したまま使用した。市販されていない4-クロロキナゾリンおよび4-クロロ3-キノンリンニトリル(4-chloro3-quinonline nitrile)の合成は、アミン構築ブロックと一緒に補足情報に記載されている。フラッシュクロマトグラフィーを、シリカゲルフラッシュカートリッジ(SiliCycle(登録商標)、SiliaSep(商標)40~63μm、60Å)を使用するTeledyne Isco精製システムで行った。HPLCは、Agilent PrepHT Zorbax Eclipse XDB-C18逆相カラム(21.2×250mm)を使用する、Agilent1260 Infinity分取スケール精製システムで行った。構造決定は、Bruker AV-500分光計で記録した1Hスペクトル、およびShimadzu20-20 ESI LCMS機器で採集した低分解能質量スペクトル(ESI-MS)を使用して行った。構造決定は、Bruker AV-500またはAV-400分光計のどちらか一方で記録した1Hスペクトル、およびShimadzu 20-20ESI LCMS機器で採集した低分解能質量スペクトル(ESI-MS)を使用して行った。HPLC-MSによって決定すると、最終化合物の純度は>95%であった。最終化合物の1Hスペクトルはすべて、期待した構造と一致した。
ウレア4および5の合成。
1-(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ウレア4(表3a中)の調製
1-(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ウレア64(173mg、1.01mmol)のイソプロパノール(5mL)溶液に、窒素雰囲気下、4-クロロ-6,7-ジメトキシキナゾリン63(181mg、0.81mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(391mg、3.03mmol)を加えた。この混合物を室温で2時間、撹拌し、次に減圧下で蒸発乾固した。精製(分取HPLC)により、表題化合物4(172mg、47%)が明黄色結晶として得られた。
LCMS:[M+H]+ m/z360。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.49 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 5.92-5.90 (m, 1H), 5.36 (br s, 2H), 4.13-4.09 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.04-2.94 (m, 4H), 1.81-1.78 (m, 2H), 1.62-1.56 (m, 1H) and 1.38-1.33 (m, 4H).
1-((1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メチル)ウレア5(表3a中)の調製
1-(ピペリジン-4-イルメチル)ウレア65(155mg、0.97mmol)のイソプロパノール(10mL)溶液に、窒素雰囲気下、4-クロロ-6,7-ジメトキシキナゾリン63(174mg、0.78mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(394mg、2.9mmol)を加えた。この混合物を10℃で3時間、撹拌し、次に減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2:ジクロロメタン中0~6%MeOH)により所望の生成物5(150mg、44%)が白色固体として得られた。
LCMS:[M+H]+ m/z346.0 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.44 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.28-4.24 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.13-3.07 (m, 4H), 1.94-1.87 (m, 3H) and 1.50-1.41 (m, 2H).
3-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)プロパン酸6(表3a中)の調製
4-クロロ-6,7-ジメトキシ-キナゾリン63(3.14g、13.98mmol)および3-(4-ピペリジル)プロパン酸(2.0g、12.72mmol)をイソプロパノール(100mL)中に懸濁させて、3時間、90℃で撹拌した。一旦冷却すると、この混合物を減圧下で蒸発乾固させた。次に、この残留物をCH2Cl2(20mL)により摩砕すると、表題化合物6(1.87g、42%)が白色固体として得られた。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ
(2-(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ボロン酸7(表3a中)の調製
溶媒中のtert-ブチル4-エチニルピペリジン-1-カルボキシレート66(2.92g、13.95mmol)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリドヒドリド(150mg、0.518mmol)および4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン67(1.49g、11.63mmol)の溶液を60℃で16時間、撹拌し、次に、エーテルにより希釈し、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2;石油エーテル中の2~5%酢酸エチル)により68(4.2g、89%)が得られた。MeOH(500mL)中のtert-ブチル(E)-4-(2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビニル)ピペリジン-1-カルボキシレート68(4.2g、12.46mmol)および炭素担持パラジウム(840mg、20%w/w)の混合物を水素雰囲気下に置き、室温で16時間、撹拌した。次に、この混合物をCelite(登録商標)のパッドでろ過し、次に、減圧下で蒸発乾固すると、69(4.2g、92%)が得られた。1M HCl水溶液(4mL)溶液を、冷却した(0℃)MeOH/ヘキサン(5mL/5mL)中の73(460mg、1.36mmol)の混合物に加えた。この混合物を室温まで温め、3時間、撹拌し、次に減圧下で蒸発乾固させると、(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ボロン酸70(180mg、68%)が塩酸塩として得られた。70(140mg、1.04mmol)のTHF(5mL)溶液に、4-クロロ-6,7-ジメトキシキナゾリン63(180mg、0.935mmol)、次いでN,N-ジイソプロピルエチルアミン(360mg、1.87mmol)を加えた。この混合物を80℃で16時間、撹拌し、次に減圧下で蒸発乾固した。精製(分取HPLC)により表題化合物が明黄色固体(105mg;37%)として得られた。
LCMS:[M+H]+ m/z 346.3。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.67 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 4.62-4.59 (m, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.42-3.36 (m, 4H), 2.46 (s, 1H), 1.88-1.86 (m, 2h), 1.29-1.14 (m, 3H) and 0.60-0.56 (m, 2H).
ヒドロキサム酸8および9の調製。
2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)-N-ヒドロキシアセトアミド8(表3a中)の調製
封管中、i-PrOH(6mL)中の4-クロロ-6,7-ジメトキシキナゾリン63(600mg、2.68mmol)およびエチル2-(ピペリジン-4-イル)アセテート71(504mg、2.95mmol)の混合物を100℃で16時間、撹拌した。次に、この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、エチル2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)アセテート(750mg、77%)が得られた。THF(10mL)中のエチル2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)アセテート(250mg、0.696mmol)の混合物に、H2O中の2M NaOH溶液(1mL)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌し、次に、1M HCl溶液を添加することによってクエンチした。有機相を酢酸エチルにより抽出してブラインにより洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固させると、酸72(200mg、86%)が白色固体として得られた。
THF(10mL)中の酸72(300mg、0.906mmol)の混合物に、NH2OH・HCl(76mg、1.09mmol)、DIEA(468mg、3.63mmol)および(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)(481mg、1.09mmol)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌し、次に水により希釈して酢酸エチルにより抽出し、ブライン溶液で洗浄して、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2、溶媒)により表題生成物8(180mg、77%)が白色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z347.10。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.42 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 4.68-4.62 (m, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.51-3.45 (m, 2H), 2.21-2.15 (m, 3H), 1.93-1.0 (m, 2H) and 1.45-1.36 (m, 2H).
1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド9(表3a中)の調製
エチルピペリジン-4-カルボキシレート73を使用した以外、8の手順に従い合成した。
LCMS:[M+H]+ m/z 333.25。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.39 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.94 (s, 1H), 4.62-4.58 (m, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.47-3.41 (m, 2H), 2.65-2.60 (m, 1H), 1.97-1.94 (m, 2H) and 1.82-1.77 (m, 2H).
化合物10、11、12、13および16(表3a中)の一般手順。
2-(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エタン-1-オール77の調製
封管中、イソプロパノール(10mL)中の4-クロロ-6,7-ジメトキシキナゾリン63(1.0g、4.46mmol)およびピペリジン-4-イルエタノール79(633mg、4.91mmol)の混合物を100℃で16時間、撹拌した。冷却すると、この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO2;石油エーテル中のEtOAc)によって精製すると、2-(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エタン-1-オール75(1.3g、91%)が得られた。
(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メタノール78の調製
封管中、i-PrOH(10mL)中の4-クロロ-6,7-ジメトキシキナゾリン63(900mg、4.02mmol)およびピペリジン-4-イルメタノール(piperdin-4-ylmethanol)76(508mg、4.42mmol)の混合物を100℃で16時間、撹拌した。冷却すると、この反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2;石油エーテル中、10~80%酢酸エチル)によって精製すると、(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メタノール78(1g、82%)が得られた。
2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル二水素ホスフェート10(表3a中)の調製
2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エタン-1-オール77(340mg、1.07mmol)を10mLの乾燥ピリジンに溶解し、次に、それを-15℃まで冷却し、10分間、撹拌した。POCl3(821mg、5.4mmol)をN2雰囲気下で滴下して加えた。この反応温度を0℃までゆっくりと昇温し、次に、さらに30分間、再度、撹拌した。この混合物を0℃で炭酸水素ナトリウム溶液(水250mL中の800mg)に注ぎ入れた。所望の化合物をジクロロメタンにより抽出した。有機相を濃縮し、分取HPLCを使用して精製すると、2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル二水素ホスフェート10(52mg、12%)が白色固体として得られた。
LCMS:[M+H]+ m/z 398。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 4.28-4.16 (m, 2H), 3.93 (s, 8H), 3.13-3.04 (m, 2H), 1.90-1.80 (m, 2H), 1.75 (s, 1H), 1.59 (d, J = 6.4 Hz, 2H) and 1.44-1.32 (m, 2H).
(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メチル二水素ホスフェート11(表3a中)の調製
(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メタノール78(100mg、0.33mmol)を乾燥ピリジン(3mL)に溶解し、次に、それを-15℃まで冷却し、10分間、撹拌した。POCl3(253mg、1.65mmol)を窒素雰囲気下で滴下して加えた。この反応温度を0℃までゆっくりと昇温し、次に、さらに30分間、撹拌した。この混合物を0℃でNaHCO3水溶液(50mLの水中の160mg)に注ぎ入れた。所望の化合物をジクロロメタンにより抽出し、次に減圧下で蒸発乾固した。分取HPLCによる精製によって(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メチル二水素ホスフェート11(70mg、55%)が、凍結乾燥後、白色粉末として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 384.20。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.74 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 4.66 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 3.97 (m, J = 12.6, 1.6 Hz, 8H), 3.76 (t, J = 6.6 Hz, 3H), 2.19-2.00 (m, 1H), 1.92 (d, J = 13.5 Hz, 2H), 1.45 (dd, J = 14.2, 10.7 Hz, 1H).
O-(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)O,O-二水素ホスホロチオエート12(表3a中)の調製
2-(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エタン-1-オール77(150mg、0.473mmol)の乾燥ピリジン(5mL)溶液に、-15℃でP(S)Cl3(477mg、2.84mmol)を加えた。この混合物を、0℃で0.5時間、撹拌した後、H2O(50mL)中のNaHCO3(238mg、2.84mmol)の溶液に注ぎ入れた。この混合物を、0℃で2時間、撹拌した。この反応混合物の進行をLCMSによってモニタリングした。次に、この混合物を減圧下で濃縮し、この残留物を分取HPLCによって精製すると、化合物12(16mg、8%)が明黄色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 414.05。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.62 (s, 1H), 7.19 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 4.45 (d, J = 12.3 Hz, 2H), 3.91 (d, J = 11.3 Hz, 10H), 1.86 (d, J = 12.2 Hz, 3H), 1.56 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 1.34 (d, J = 10.7 Hz, 2H).
O-((1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メチル)O,O-二水素ホスホロチオエート13(表3a中)の調製
(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メタノール78(100mg、0.330mmol)の乾燥ピリジン(5mL)溶液に、-15℃でP(S)Cl3(280mg、1.98mmol)を加えた。この混合物を、0℃で0.5時間、撹拌した後、H2O(50mL)中のNaHCO3(116mg、1.98mmol)の溶液に注ぎ入れた。この混合物を、0℃で2時間、撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発乾固し、この残留物を分取HPLCによって精製すると、化合物13(10mg、7.6%)が黄色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 400.15。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.25 (d, J = 13.4 Hz, 2H), 3.89 (d, J = 9.1 Hz, 6H), 3.76 (s, 2H), 3.10 (d, J = 11.8 Hz, 3H), 1.94 (s, 1H), 1.81 (d, J = 12.7 Hz, 2H), 1.39 (d, J = 11.4 Hz, 1H).
((1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メチル)ホスホン酸16の調製
無水CH2Cl2(40mL)中のPPh3(3.39g、15mmol)およびイミダゾール(1.02g、15mmol)を0℃で10分間、撹拌し、次に、I2(3.8g、15mmol)を加えた。粗製反応混合物を窒素雰囲気下に置き、さらに10分間、撹拌し、次に、(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メタノール78(3.03g、10mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩、撹拌した。水性Na2S2O3を添加することによって、この反応をクエンチした。粗製混合物をCH2Cl2により抽出し、水、ブラインにより洗浄して乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固した。メタノールからの再結晶により、4-(4-(ヨードメチル)ピペリジン-1-イル)-6,7-ジメトキシキナゾリン(2.28g、56%)が明黄色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 414.3。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.63 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 4.23 (s, 2H), 4.00 (s, 6H), 3.19 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 3.08 (s, 2H), 2.11-2.00 (m, 2H), 1.82 (s, 1H), 1.49 (s, 2H), 1.29-1.20 (m, 1H).無水MeCN(40mL)中のビス(ベンジルオキシ)(オキソ)-λ4-ホスファン(9.5g、36.3mmol)の冷却(0℃)溶液に、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)(9.2g、60.5mmol)を加えた。10分後、4-(4-(ヨードメチル)ピペリジン-1-イル)-6,7-ジメトキシキナゾリン(5.0g、12.1mmol)を加えた。得られた混合物を一晩、撹拌し、次に、減圧下で蒸発乾固した。残留物を酢酸エチルに溶解し、水、ブラインにより洗浄して乾燥(MgSO4)し、減圧下で蒸発乾固した。FCC[CH2Cl2:MeOH(50:1)]による精製によって、ジベンジル((1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メチル)ホスホネート(1.1g、18%)が無色の粘稠な油状物として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 548.20。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.57 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.39-7.33 (m, 10H), 6.99 (s, 1H), 5.08 (m, 3H), 4.96 (m, 2H), 4.64 (d, J = 13.5 Hz, 2H), 4.09 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.27 (d, J = 12.9 Hz, 2H), 2.05 (d, J = 13.9 Hz, 5H), 1.76 (m, 4H), 1.42 (d, J = 12.5 Hz, 2H).
MeOH(20mL)中のジベンジル((1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メチル)ホスホネート(660mg、1.2mmol)およびPd/C(132mg、20%w/w)を含有する混合物をH2雰囲気下に置き、室温で撹拌した。4時間後、粗製混合物をCelite(登録商標)パッドによりろ過して、ろ液を減圧下で蒸発乾固した。分取HPLCによる精製によって、((1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メチル)ホスホン酸16(125mg、28%)が、明黄色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 368.10。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.72 (s, 1H), 7.29 (s, 2H), 4.60 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 3.95 (d, J = 11.2 Hz, 6H), 3.46 (s, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.61 (s, 2H), 1.42 (s, 2H).
(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)プロピル)ホスホン酸14(表3a中)の調製
PPh3(1.4g、5.34mmol)およびイミダゾール(0.36g、5.34mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液に、ヨウ素(1.35g、5.34mmol)を加えた。この混合物を室温で0.5時間、撹拌し、次に、79(1.0g、4.11mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液を滴下して加えた。この反応混合物を室温で4時間、撹拌し、次に、飽和Na2SO3溶液によりクエンチして、CH2Cl2により抽出した。有機相を水、ブラインにより洗浄して乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2;石油エーテル中の5%EtOAc)により、tert-ブチル4-(3-ヨードプロピル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.0g、68%収率)が明黄色油状物として得られた。
DMF(50mL)中のtert-ブチル4-(3-ヨードプロピル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.0g、2.83mmol)の混合物に、ジエチルホスホネート(0.58g、4.24mmol)およびCs2CO3(1.84g、5.66mmol)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩、撹拌し、次に、水の添加(addition or water)によってクエンチした。有機相を水、ブラインにより洗浄して乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2;石油エーテル中の20%EtOAc)により80(0.78g、76%)が明黄色油状物として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 364.30。
80(0.78g、2.14mmol)のCH2Cl2(8mL)溶液に、TFA(1.5mL、21.4mmol)を加えた。この混合物を室温で4時間、撹拌し、次に減圧下で蒸発乾固すると粗製81が油状物として得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。LCMS:[M+H]+ m/z 264.25。
ジエチルホスホネート(597mg、2.65mmol)および粗製81のCH2Cl2(10mL)溶液に、DIPEA(1.37g、10.63mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩、撹拌し、次に、飽和NH4Cl水溶液によりクエンチして、CH2Cl2により抽出した。有機相を水、ブラインにより洗浄して乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2中の5%MeOH)によりジエチルホスホネート(0.5g、39%)中間体が黄色油状物として得られた。これをMeCN(10mL)中で溶媒和し、TMSBr(1.46mL、11.07mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で6時間、撹拌し、次に、室温まで冷却して、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(chromatopgraphy)(分取HPLC)により、14(220mg、50%)を白色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 396.20。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.51 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.49 (t, J = 12 Hz, 2H), 2.00-1.97 (m, 3H), 1.75-1.66 (m, 5H) and 1.45-1.37 (m, 5H).
(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホノチオO,O-酸17の調製
DMSO(10mL)中のO,O-ジエチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホノチオエート(400mg、1.51mmol)およびDIPEA(927mg、7.19mmol)の撹拌溶液に、4-クロロ-6,7-ジメトキシ-キナゾリン66(403mg、1.80mmol)を加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下に置き、次に、80℃で16時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈して酢酸エチルにより抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固した。精製(SiO2、ヘキサン中の0~100%EtOAc)すると、O,O-ジエチル(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホノチオエート(380mg、46%)が得られた。TMSI(7mL)中のO,O-ジエチル(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホノチオエート(45mg、0.099mmol)の撹拌溶液を60℃で16時間、撹拌し、次に、室温まで冷却した。この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、次に、減圧下で蒸発乾固した。分取HPLCによる精製によって、(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホノチオO,O-酸17(13mg、32%)が白色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 396.25。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.51 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.58 (d, J = 10.4 Hz, 3H), 3.48 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 2.00 (d, J = 11.7 Hz, 2H), 1.81 (s, 1H), 1.64 (d, J = 17.9 Hz, 2H), 1.61-1.51 (m, 2H), 1.45-1.32 (m, 2H).
(2-(4-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ホスホン酸18(表3a中)
LCMS:[M+H]+ m/z 382.25 1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.65 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.30-3.22 (m, 1H), 3.18-3.15 (m, 2H), 2.73-2.66 (m, 2H), 2.37-2.32 (m, 2H) and 1.79-1.63 (m, 6H).
(2-(4-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)ホスホン酸臭化水素塩19(表3a中)。
プロパン-2-オール中のピラジン82および化合物63を含有する混合物を30分間、加熱して還流し、次に、室温まで冷却した。この反応混合物を水でクエンチし、クロロホルムに抽出した。有機相を分離して水、ブラインにより洗浄し、乾燥(Na2SO4)して減圧下で蒸発乾固した。ジエチルエーテルからの結晶化により、83(1.65g、84%)が白色固体として得られた。ピペラジン83(0.31g、1.1mmol)を水(20mL)に溶解し、ビニルホスホネート84(0.19g、1.2mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で1時間、加熱し、次に、室温まで冷却した。クロロホルムにより抽出して乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2 12g;CH2Cl2中の15%MeOH)、次いでジエチルエーテルから結晶化させると、エチルエステル85(0.23g;49%)が白色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 410.10 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 8.67 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 4.01 (d, J = 18.8 Hz, 6H), 3.77 (d, J = 10.9 Hz, 6H), 3.68 (t, J = 4.9 Hz, 4H), 3.49 (s, 2H), 2.81-2.66 (m, 6H), 2.11-2.00 (m, 2H).クロロホルム(20mL)およびDMF(5mL)中の4-[4-(2-ジエトキシホスホリルエチル)ピペラジン-1-イル]-6,7-ジメトキシ-キナゾリン85(600mg、3.8mmol)の溶液に、臭化トリメチルシリル(198mg、1.3mmol)を加えた。得られた溶液を室温で3時間、撹拌し、次に、メタノールを添加することによってクエンチした。この混合物を減圧下で蒸発乾固し、メタノール-ジエチルエーテルから結晶化させると、所望の生成物19(0.23g、89%)がHBr塩として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 382.8。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.97 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 4.00 (s, 3H), 3.34 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 3.17 (s, 2H), 2.90 (s, 2H), 2.74 (s, 2H), 2.20-2.08 (m, 2H).
(4-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)フェネチル)ホスホン酸20(表3a中)の調製
2-(4-ブロモフェニル)エタン-1-オール86(5.0g、24.8mmol)の無水THF(100mL)溶液に、窒素雰囲気下、-78℃で2.5Mのn-ブチルリチウム(24mL)を加えた。1時間、撹拌した後、トリイソプロピルボレート(8.6mL)をこの混合物に加えた。この反応混合物を室温で1時間、撹拌し、次に、2M HCl溶液(100mL)を添加することによってクエンチし、1時間、撹拌した。この混合物をジクロロメタン(3×100mL)により抽出して乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2;ジクロロメタン:メタノール、1:0~20:0)により、ボロン酸87(1.34g、33%)が明黄色固体として得られた。次に、この物質をTHF(30mL)および水(10mL)の溶液に溶解した。この溶液に、4-クロロ-6,7-ジメトキシキナゾリン63(2.24g、10.0mmol)および炭酸カリウム(2.76g、20.0mmol)、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.5g、0.43mmol)を加えた。得られた混合物を65℃で16時間、撹拌し、次に、酢酸エチルにより希釈してブラインにより洗浄し、乾燥(Na2SO4)して減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2:ジクロロメタン中のメタノール0~10%)により、88(1.43g、60%)が明黄色固体として得られた。
トリフェニルホスフィン(2.36g、9.0mmol)のジクロロメタン(24mL)溶液に、0℃でイミダゾール(700mg、10.28mmol)を加えた。10分間、撹拌した後、I2(2.3g、9.0mmol)を加えた。さらに10分間撹拌した後、ジクロロメタン(12mL)中の化合物89(1.5g、4.8mmol)。この混合物を室温まで温め、5時間、撹拌した。次に、この混合物をジクロロメタン(36mL)により希釈し、ブラインにより洗浄して乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(SiO2:石油エーテル:酢酸エチル10:1)により89(4.0g)が無色油状物として得られた。
DMF(20mL)中の粗製89(930mg、2.2mmol)およびジベンジルホスホネート(884mg、3.37mmol)の混合物に、炭酸セシウム(1.426g、4.4mmol)を加えた。この混合物を窒素雰囲気下に置き、室温で3時間、撹拌した。一旦完了すると、この反応混合物をろ過して、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(C18カラム:水:アセトニトリル、1:0~80:1)、次いで凍結乾燥すると、ジベンジル中間体(750mg、79%)がオフホワイト色の固体として得られた。ジベンジル(4-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)フェネチル)ホスホネート(230mg、0.41mmol)をMeOH(20mL)に溶解した。Pd/C(46mg、20%w/w)を加え、この混合物を水素雰囲気下、室温で24時間、撹拌し、次に、Celite(登録商標)によりろ過した。クロマトグラフィー(分取HPLC、酸性条件下)により、化合物20(55.4mg、36%)が黄色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 375.0。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)): δ 9.09 (s, 1H), 7.75-7.73 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.45-7.43 (m, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 4.08 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.91 (s, 1H), 3.81 (s, 3H), 2.89-2.87 (m, 3H) and 1.89 (m, 2H).
(4-((6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)アミノ)フェニル)ホスホン酸ナトリウム塩21(表3a中)の合成
iPrOH(10mL)中の4-クロロ-6,7-ジメトキシ-キナゾリン67(0.67g、3.0mmol)およびジエチル(4-アミノフェニル)ホスホネート(0.69g、3.0mmol)の混合物を一晩、加熱して還流した。この固体沈殿物をろ過して、EtOAcにより洗浄して乾燥すると、ジエチル(4-((6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)アミノ)フェニル)ホスホネート(0.92g、73%収率)が白色固体として得られた。この生成物をMeCN(20mL)に溶解し、ここに、臭化トリメチルシリル(2.8mL、22mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で6時間、撹拌し、冷却して、次に、減圧下で蒸発乾固した。粗製残留物を飽和水性NaHCO3の添加によってクエンチした(pH8に調節した)。得られた混合物を分取HPLC(中性条件下)により精製し、次に凍結乾燥すると、所望の生成物21(300mg、35%収率)がオフホワイト色の固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 362.10。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 7.73 (s, 1H), 7.53 (t, J = 9.8 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 6.39 (s, 1H), 6.16 (s, 1H) and 3.39 (s, 6H).
(4-((6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)アミノ)ベンジル)ホスホン酸ナトリウム塩22(表3a中)の合成
iPrOH(10mL)中の4-クロロ-6,7-ジメトキシ-キナゾリン67(0.34g、1.5mmol)およびジエチル(4-アミノベンジル)ホスホネート(0.36g、3.0mmol)の混合物を一晩、加熱して還流した。この沈殿物をろ過して、EtOAcにより洗浄し、減圧下で蒸発乾固し、次にアセトニトリル(20mL)に溶解した。ここに、臭化トリメチルシリル(0.58mL、4.6mmol)を加えた。この混合物を、60℃で6時間、撹拌した。濃縮後、溶液がpH8に到達するまで、この残留物を飽和水性NaHCO3により処理した。この混合物を分取HPLC(中性)により精製すると、22(104mg、57%)がオフホワイト色の固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 376.10。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 7.77 (s, 1H), 7.15 (s, 4H), 6.49 (s, 1H), 6.21 (s, 1H), 3.47 (s, 6H) and 2.70 (d, J = 19.5 Hz, 2H).
(4-(((6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)ホスホン酸ナトリウム塩23(表1中で4とも称される)。
iPrOH(10mL)中の4-クロロ-6,7-ジメトキシ-キナゾリン63(0.93g、4.14mmol)および(4-ブロモフェニル)メタンアミン90(0.77g、4.14mmol)の混合物を一晩、加熱して還流した。沈殿した固体をろ過して酢酸エチルにより洗浄し、減圧下で蒸発乾固すると、N-(4-ブロモベンジル)-6,7-ジメトキシキナゾリン-4-アミン塩酸塩91(1.5g、88%)が白色固体として得られた。THF(10mL)中のKOAc(11mg、0.112mmol)、Pd(OAc)2(5.5mg、0.025mmol)、dppf(27mg、0.049mmol)からなる混合物に、トリエチルアミン(0.37mL、2.68mmol)を加え、窒素をパージした。トリエチルアミン(0.37mL、2.68mmol)を加えた。70℃で15分間、撹拌した後、N-(4-ブロモベンジル)-6,7-ジメトキシキナゾリン-4-アミン塩酸塩(0.5g、1.22mmol)およびジエチルホスホネート(0.16g、1.22mmol)のTHF(10mL)溶液を加えた。この反応物を6時間、還流して撹拌し、次に、EtOAc(30mL)と水(20mL)との間に分配した。有機相を分離して水、ブラインにより洗浄し、乾燥(Na2SO4)して減圧下で蒸発乾固した。カラムクロマトグラフィー(SiO2;酢酸エチル中の50%石油エーテル)によって精製すると、ジエチル(4-(((6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)ホスホネート(0.2g、38%)が黄色固体として得られた。
ジエチル(4-(((6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)ホスホネート(0.5g、1.16mmol)のMeCN(20mL)溶液に、TMSBr(1.45mL、11.5mmol)を加えた。この混合物を60℃で6時間、撹拌し、室温まで冷却して、次に、減圧下で蒸発させた。この残留物を飽和水性NaHCO3(pH9)によりクエンチし、得られた混合物を分取HPLC(中性)により精製すると、表題生成物23(102mg、22%)がオフホワイト色の固体として得られた。LCMS:[M-H]+ m/z:374.00。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.00 (s, 1H), 7.61 (s, 2H), 7.29 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.70 (s, 1H), 6.55 (s, 1H), 4.62 (s, 2H), 3.75 (d, J = 18.2 Hz, 6H).
ジメチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート92およびジエチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート93の一般手順合成(synthsis)
トルエン中のビス(ジメトキシホスホリル)メタン92またはビス(ジエトキシホスホリル)メタン93(1mol.当量)の撹拌溶液に、室温で水素化ナトリウム(1.1mol.当量)を注意深く加える。次に、この反応混合物を窒素雰囲気下に置き、温度を40℃未満に維持しながら、1-ベンジルピペリジン-4-カルバルデヒド94(1mol.当量)のトルエン溶液をゆっくりと加える。得られた混合物を室温で16時間、撹拌し、次に、飽和NH4Cl水溶液を添加することによってクエンチする。有機相を分離し、ブラインにより洗浄して乾燥(MgSO4)し、蒸発乾固した。クロマトグラフィー(120g SiO2;ヘキサン中の5~100%のEtOAcのグラジエント)により、ジメチルまたはジエチル(E)-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)ビニル)ホスホネートが無色油状物として得られる。エタノール中のジメチルまたはジエチル(E)-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)ビニル)ホスホネート(1mol.当量)の混合物に触媒のPd/Cを加える。この混合物を水素雰囲気下に置き、室温で12時間、撹拌してろ過し、減圧下で蒸発乾固すると、ジメチルまたはジエチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート95および96のいずれかが無色油状物として得られる。
ジベンジル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート100の合成に関する一般手順
PPh3(1.5mol.当量)およびイミダゾール(1.5mol.当量)のCH2Cl2溶液に、ヨウ素(1.5mol.当量)を加えた。10分間、撹拌した後、97(1.0mol.当量)のCH2Cl2溶液を滴下して加える。この混合物を室温で2時間、撹拌し、Celite(登録商標)パッドによりろ過して、5%チオ硫酸ナトリウム溶液により処理する。この混合物を酢酸エチルにより抽出し、ブラインにより洗浄して乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発乾固する。クロマトグラフィーにより98が油状物として得られる。
化合物98(3.0mol.当量)のMeCN溶液に、40℃でDBU(5.0mol.当量)を加えた。10分間、撹拌した後、ジベンジルホスホネート(1.0mol当量)のMeCN溶液を滴下して加えた。2時間、撹拌した後、この反応混合物を減圧下で蒸発乾固し、クロマトグラフィーによって精製すると、99が得られる。
TFA/DCM中の化合物99(1.0mol.当量)の溶液を室温で1時間、撹拌し、次に、減圧下で蒸発乾固すると、100が油状物として得られる。
(2-(1-(キナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸、(2-(1-(キノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸および(2-(1-(イソキノリン-1-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸を合成する一般方法。
方法A
イソプロピルアルコール中のジメチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート95またはジエチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート96(1.1mol.当量)および4-クロロキナゾリン、4-クロロキノリンまたは1-クロロイソキノリン(1mol.当量)のいずれかの混合物(0.1Mの反応濃度)に、ジイソプロピルエチルアミン(2mol.当量)を加えた。90℃で3時間、撹拌した後、この反応混合物を冷却して、蒸発乾固させた。シリカゲル(ジクロロメタン中の5%MeOH)の精製により、ジメチルホスホネートまたはジエチルホスホネートが得られる。クロロホルムまたはジクロロメタン中のホスホネート(1mol.当量)の冷却した(0℃)溶液(0.5Mの反応濃度)に、臭化トリメチルシリル(3mol.当量)を加えた。この反応混合物を室温まで温め、90分後にメタノールを添加することによってクエンチした。この混合物を減圧下で蒸発乾固し、次に、メタノール中で溶媒和させた。この反応混合物を濃縮して体積を半分にし、ろ過して沈殿物を除去し、次に蒸発乾固した。この残留物をジクロロメタンにより結晶化し、ろ過して減圧下で乾燥すると、所望のホスホン酸が臭化物塩として得られた。
方法B:
ジクロロメタン中のジメチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート95またはジエチル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート96(1.1mol.当量)および4-クロロキナゾリン、4-クロロキノリンまたは1-クロロイソキノリン(1mol.当量)のいずれかの混合物(0.1Mの反応濃度)に、ジイソプロピルエチルアミン(3mol.当量)を加えた。室温で一晩、撹拌した後、この反応混合物を飽和NH4Cl水溶液の添加によってクエンチした。有機相を分離して水およびブラインにより洗浄し、乾燥(Na2SO4)して減圧下で蒸発乾固した。シリカゲル(ジクロロメタン中の5%MeOH)の精製により、ジメチルホスホネートまたはジエチルホスホネートが得られる。アセトニトリル中のジメチルホスホネートまたはジエチルホスホネート(7mol.当量)の冷却した(0℃)溶液(0.1Mの反応濃度)に、臭化トリメチルシリル(3mol.当量)を加えた。この反応混合物を60℃で6時間、撹拌し、冷却して減圧下で蒸発乾固し、粗製残留物を飽和NaHCO3水溶液の添加によりクエンチした(pH8~9が観察されるまで)。この粗製残留物を分取HPLC(中性)により精製すると、ホスホン酸がナトリウム塩として得られた。
方法C:
ジクロロメタン中のジベンジル(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホネート100(1.1mol.当量)および4-クロロキナゾリン、4-クロロキノリンまたは1-クロロイソキノリン(1mol.当量)のいずれかの混合物(0.1Mの反応濃度)に、ジイソプロピルエチルアミン(3mol.当量)を加えた。室温で一晩、撹拌した後、この反応混合物を飽和NH4Cl水溶液の添加によってクエンチした。有機相を分離して水およびブラインにより洗浄し、乾燥(Na2SO4)して減圧下で蒸発乾固した。シリカゲル(ジクロロメタン中の5%MeOH)の精製により、ジベンジルホスホネートが得られる。MeOH中のジベンジルホスホネート(1mol.当量)およびPd/Cからなる混合物を水素雰囲気下に置き、室温で2時間、撹拌する。次に、この混合物をCelite(登録商標)によりろ過して、減圧下で蒸発乾固すると、ホスホン酸が得られる。
(2-(1-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸(または化合物1)の調製
方法Aに準拠して調製し、15(2.1g、69%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 381.8。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.77 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 4.71 (d, J = 13.1 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.48 (t, J = 12.7 Hz, 2H), 3.18 (s, 1H), 1.97-1.90 (m, 2H), 1.62-1.43 (m, 4H), 1.40-1.27 (m, 2H).
(4-(((6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)アミノ)メチル)ベンジル)ホスホン酸24(本明細書における表中で5とも称される)の調製
方法Bに準拠して調製した。分取HPLCによって、生成物をオフホワイト色の固体(9%収率)として単離した。LCMS:[M+H]+ m/z 390.15。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.12 (s, 1H), 7.22 (s, 4H), 7.11 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 4.79 (s, 2H), 4.76 (s, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 2.79 (s, 1H), 2.74 (s, 1H)
(2-(1-(6-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸25の調製
方法Aに準拠して調製し、25(50%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 352.10。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.57 (s, 1H), 7.74-7.73 (m, 1H), 7.68-7.66 (m, 1H), 7.46 (d, 1H), 4.96 (br s, 2H), 3.98, (s, 3H), 3.57 (br s, 2H), 2.65 (s, 2H), 2.07-2.04 (m, 2H), 1.81 (m, 1H), 1.79-1.75 (m, 2H), 1.66-1.63 (m, 2H) and 1.46-1.44 (m, 2H).
(2-(1-(6-ヒドロキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸26の調製
方法Cに準拠して調製し、26(7%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 338.15。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.48 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.18 (s, 1H), 4.21-4.17 (m, 2H), 2.99-2.95 (m, 2H), 1.82-1.79 (m, 2H), 1.53-1.49 (m, 5H) and 1.30-1.19 (m, 2H).
(2-(1-(7-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸27の調製
方法Aに準拠して調製し、27(95%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 352.0 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ 8.55 (s, 1H), 8.10 (d, J = 10 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 10 Hz and 5 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 5 Hz, 1H), 4.01 (s, 3H), 3.57-3.48 (m, 2H), 2.65 (s, 1H), 2.05-2.02 (m, 2H), 1.94-1.90 (m, 1H), 1.80-1.74 (m, 2H), 1.65-1.60 (m, 2H) and 1.46-1.41 (m, 2H).
(2-(1-(7-エトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸28の調製。
方法Bに準拠して調製し、28をオフホワイト色の固体として得た。
(2-(1-(7-ヒドロキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸29の調製
方法Bに準拠して調製し、29(4%収率)を淡黄色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 338.25。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.49 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.96 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 9.2 and 2.2 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.62 (br s, 2H), 3.38 (br s, 2H), 1.87 (d, J = 12.7 Hz, 2H), 1.72 (br s, 1H), 1.58-1.38 (m, 4H) and 1.28-1.22 (m, 2H).
(2-(1-(7-アミノキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸30の調製
方法Cに準拠して調製し、30(32%収率)を明黄色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 337.10。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.35 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.61 (br s, 1H), 6.30 (br s, 2H), 4.26-4.20 (m, 2H), 3.10-2.90 (m, 2H), 1.79-1.76 (m, 2H), 1.60-1.30 (m, 5H) and 1.25-1.20 (m, 2H).
(2-(1-(7-イソプロポキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸31の調製
方法Bに準拠して調製し、31を明黄色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 337.10。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.35 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.30 (br s, 2H), 4.25-4.21 (m, 2H), 3.08-2.96 (m, 2H), 1.81-1.75 (m, 2H), 1.65-1.31 (m, 5H) and 1.27-1.18 (m, 2H).
(2-(1-(8-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸32の調製
方法Bに準拠して調製し、32(32%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 352.15。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.92 (s, 1H), 6.92-6.88 (m, 1H), 6.80 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.76-3.70 (m, 2H), 3.71 (s, 3H), 2.72 (t, J = 12 Hz, 2H), 1.64 (d, J = 12 Hz, 2H), 1.51-1.28 (m, 5H) and 1.02-0.94 (m, 2H).
(2-(1-(8-エトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸33(本明細書における表中で226とも称される)の調製
方法Bに準拠して調製し、33を白色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 366.20。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.17 (s, 1H), 7.21-7.09 (m, 2H), 4.13-3.98 (m, 4H), 2.97 (t, J = 12.4 Hz, 2H), 1.82 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 1.56-1.35 (m, 8H), 1.26 (q, J = 11.4 Hz, 2H).
(2-(1-(8-イソプロポキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸34(表3a中)の調製
方法Bに準拠して調製し、34(43%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.10 (s, 1H), 7.11 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 2.86 (t, J = 12.6 Hz, 2H), 1.67 (d, J = 13.1 Hz, 2H), 1.40-1.07 (m, 13H).
(2-(1-(8-ヒドロキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸36(表3a中)の調製
方法Bに準拠して調製し、35をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS:[M+H]+ m/z 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1H NMR (400 MHz, D2O)
(2-(1-(5,8-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸36の調製
方法Bに準拠して調製し、36をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 382.15。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.47 (s, 1H), 7.54 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.95 (d, J = 12.0 Hz, 8H), 1.82 (s, 2H), 1.67 (s, 1H), 1.59-1.30 (m, 6H), 1.21 (s, 2H).
(2-(1-(6,8-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸37の調製
方法Cに準拠して調製し、37(15%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 382.15 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.54 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.86-6.82 (m, 1H), 4.50 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.27 (m, 1 H), 3.85 (m, 6 H), 3.74 (m, 2 H), 3.27 (m, 2 H), 1.88-1.85 (m, 2 H), 1.66 (m, 1 H), 1.54-1.48 (m, 4 H) and 1.29 (m, 2 H).
(2-(1-(7,8-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸38の調製
方法Cに準拠して調製し、38(16%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 382.15 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.60 (s, 1H), 7.90 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.69 (m, 2H), 4.02 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.46 (m, 2H), 1.90 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.75 (m, 1H), 1.53-1.49 (m, 4 H) and 1.31-1.28 (m, 2H).
(2-(1-(7,8-ジヒドロ-[1,4]ジオキシノ[2,3-g]キナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸39(表3a中)の調製
方法Cに準拠して調製し、39(7%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 380.15。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.64 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.19 (s, 1H), 4.56 (d, J = 11.8 Hz, 2H), 4.45 (d, J = 3.0 Hz, 2H), 4.38 (d, J = 3.3 Hz, 2H), 3.39 (s, 1H), 3.33 (s, 1H), 1.87 (d, J = 12.2 Hz, 2H), 1.71 (s, 1H), 1.58-1.38 (m, 4H), 1.26 (d, J = 10.2 Hz, 2H).
(2-(1-(5-フルオロ-8-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸40(表3a中)の調製
方法Cに準拠して調製し、40(7%収率)を明黄色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 370.10。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.55 (s, 1H), 7.44-7.38 (m, 2H), 4.28-4.23 (m, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.28-3.18 (m, 2H), 1.82-1.78 (m, 2H), 1.70-1.66 (m, 1H), 1.49-1.23 (m, 4H) and 1.26-1.09 (m, 2H).
(2-(1-(6-フルオロ-8-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸41(表3a中)の調製
方法Bに準拠して調製し、41(44%収率)を白色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 366.15。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 1.91-1.88 (m, 2 H), 1.74(m, 1 H), 1.53-1.49(m, 5 H), and 1.29-1.27 (m, 3 H).
(2-(1-(6-クロロ-8-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸42(表3a中)の調製
方法Bに準拠して調製し、42(42%収率)を明黄色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 386.10。1H NMR (400 MHz, D2O) δ8.03 (s, 1H), 6.91-6.88 (m, 2H), 3.92-3.89 (m, 2H), 3.77 (s, 3H), 2.93-2.87 (m, 2H), 1.70-1.67 (m, 2H) and 1.41-1.12 (m, 7H).
(2-(1-(7-クロロ-8-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸43(表3a中)の調製
方法Bに準拠して調製し、43(50%収率)を白色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 386.05。1H NMR (400 MHz, D2O) δ8.07 (s, 1H), 7.10-7.06 (m, 2H), 3.95-3.91 (m, 2H), 3.71 (s, 3H), 2.96-2.90 (m, 2H), 1.71-1.68 (m, 2H) and 1.42-1.01 (m, 7H).
2-[1-[6,7-ジメトキシ-2-[(E)-2-(3-ピリジル)ビニル]キナゾリン-4-イル]-4-ピペリジル]エチル-ヒドロキシ-ホスフィネート44の調製
方法Bに準拠して調製し、44(49%収率)を明黄色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 485.25。1H NMR (400 MHz, D2O) δ8.09 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.36 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.74 (d, J = 16.8 Hz 1H), 6.58 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.94-3.91 (m, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 2.96-2.90 (m, 2H), 1.96-1.93 (m, 2H) and 1.56-1.32 (m, 7H).
(E)-(2-(1-(8-メトキシ-2-(2-(ピリジン-3-イル)ビニル)キナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸45の調製
方法Bに準拠して調製し、45(79%収率)を黄色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 455.20。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ9.07 (br s, 1H), 8.70 (br s, 1H), 8.62-8.60 (m, 1H), 8.31 (d, 1H), 7.89-7.88 (m, 1H), 7.70-7.54 (m, 4H), 5.20-5.00 (m, 2H) 4.13 (s, 3H), 3.58-3.50 (m, 2H), 2.07-2.02 (m, 2H), 1.88-1.82 (m, 1H), 1.78-1.64 (m, 4H) and 1.51-1.46 (m, 2H).
(2-(1-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸46の調製
方法Cに準拠して調製し、46(22%収率)を白色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 381.30。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ8.35 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.29-7.27 (m, 2H), 7.11 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.27-4.23 (m, 2H), 4.03 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 3.40-3.32 (m, 2H), 2.06-2.03 (m, 4H) 1.82-1.79 (m, 3H) and 1.62-1.48 (m, 2H).
(2-(1-(3-シアノ-6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸47(表2中で42とも称される)の調製
方法Bに準拠して調製し、47(47%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 406.20。1H NMR (400 MHz, D2O) δ8.00 (s, 1H), 6.62 (s, 1H), 6.40 (s, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 3.18 (d, J = 12.3 Hz, 2H), 2.94 (t, J = 12.2 Hz, 2H), 1.72 (d, J = 12.7 Hz, 2H), 1.43-1.30 (m, 6H), 1.17-1.04 (m, 2H).
(2-(1-(3-シアノ-6-メトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸48(表2中で44とも称される)の調製
方法Bに準拠して調製し、48(16%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 376.20。1H NMR (400 MHz, D2O) δ8.15 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.60-3.51 (m, 2H), 3.15-3.08 (m, 2H), 1.81-1.74 (m, 2H) and 1.41-1.15 (m, 7H).
(2-(1-(3-シアノ-7-メトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸49(表2中で43とも称される)の調製
方法Bに準拠して調製し、49(23%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 376.20。1H NMR (400 MHz, D2O) δ7.94 (s, 1H), 7.39 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 6.84-6.64 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.59 (d, J = 12.4 Hz, 2H), 3.22 (t, J = 12 Hz, 2H), 1.89 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.62-1.45 (m, 5H) and 1.33-1.25 (m, 2H).
(2-(1-(3-シアノ-8-メトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸50(表1中で45とも称される)の調製
方法Bに準拠して調製し、50をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 376.20。1H NMR (400 MHz, D2O) δ8.03 (s, 1H), 7.27-7.23 (m, 1H), 7.11-7.09 (m, 1H), 7.04-7.02 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.43 (br d, J = 12.4 Hz, 2H), 3.06 (br t, J = 12 Hz, 2H), 1.80 (br d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.50-1.47 (m, 5H) and 1.31-1.24 (m, 2H).
(2-(1-(6,7-ジメトキシイソキノリン-1-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸51の調製
方法Bに準拠して調製し、51(30%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 381.10。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.79 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.51-7.44 (m, 2H), 7.31 (s, 1H), 3.96 (d, J = 4.8 Hz, 6H), 3.23 (m, 4H), 1.88 (m, 2H), 1.55 (m, 2H), 1.48 (m, 1H) and 1.45 (m, 4 H).
(2-(1-(4-シアノ-6,7-ジメトキシイソキノリン-1-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ホスホン酸52(表3a中)の調製
方法Bに準拠して調製し、52(50%収率)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 1H NMR (400 MHz, D2O) δ
O-((1-(8-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メチル)O,O-二水素ホスホロチオエート53(表3a中)の調製
(1-(8-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)メタノール(化合物80と同じ方法を使用して調製)(500mg、1.83mmol)のピリジン(5mL)溶液に、-15℃で三塩化ホスホロチオイル(1.6g、9.45mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を0℃で1時間、撹拌した後、炭酸水素ナトリウム(923mg、10.98mmol)水溶液(20mL)に0℃で加えた。得られた混合物を0℃で2時間、撹拌した。次に、減圧下で蒸発乾固した。精製(分取HPLC)により、53(83mg、12%)が白色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 354.10 1H NMR (400 MHz, , DMSO-d6) δ8.59 (s, 1H), 7.59-7.50 (m, 2H), 7.45 (dd, J = 6.5, 2.4 Hz, 1H), 4.53 (d, J = 12.7 Hz, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.80-3.74 (m, 4H), 2.03 (s, 1H), 1.86 (d, J = 13.5 Hz, 2H), 1.41 (q, J = 11.8 Hz, 2H).
(((1-(8-メトキシキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸54(表3a中)の調製
化合物10および11と同じ方法を使用して調製した。この混合物を精製すると(分取HPLC、0.1%TFA)、54がオフホワイト色の固体として得られた。
LCMS:[M+H]+ m/z 353.3。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.40 (s, 1H), 7.54 (s, 2H), 7.40 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.37 (s, 3H), 4.01-3.88 (m, 9H), 3.71 (d, J = 9.3 Hz, 4H), 3.63 (s, 1H), 2.11 (s, 2H), 1.81 (s, 2H).
(4-(8-メトキシキナゾリン-4-イル)フェネチル)ホスホン酸55(表3a中)の調製
化合物20と同じ方法を使用し、白色固体として調製した。
LCMS:[M+H]+ m/z 345.10。1H NMR (400 MHz, D2O) δ
(4-(((8-メトキシキナゾリン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)ホスホン酸56の調製
化合物23と同じ方法に準拠して調製した。LCMS:[M+H]+ m/z 346.10。1H NMR (400 MHz, D2O) δ8.20 (s, 1H), 7.62-7.57 (m, 2H), 7.43-7.41 (m, 2H), 7.31-7.28 (m, 2H), 7.23-7.21 (m, 1H) and 2.93 (s, 3H).
(4-(((3-シアノ-8-メトキシキノリン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)ホスホン酸57(表1中で52とも称される)の調製
化合物23と同じ方法に準拠して調製し、57をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 370.10。1H NMR (400 MHz, D2O) δ8.02 (s, 1H), 7.48-7.43 (m, 2H, 7.36-7.30 (m, 2H), 7.15-7.09 (m, 3H), 4.77 (s, 2H) and 3.81 (s, 3H).
(4-(((3-シアノ-8-メトキシキノリン-4-イル)アミノ)メチル)ベンジル)ホスホン酸58(表2中で211とも称される)の調製
化合物23と同じ方法に準拠して調製し、58を白色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 384.15。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ8.32 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.35-7.33 (m, 2H), 7.26 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.02 (s, 2H), 3.99 (s, 3H) and 2.85 (d, J = 20 Hz, 2H).
(3-(1-(3-シアノ-8-メトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)プロピル)ホスホン酸59(表2中で210とも称される)の調製
化合物14と同じ方法に準拠して調製し、59を白色固体として得た。LCMS:[M+H]+ m/z 390.20。1H NMR (400 MHz, D2O) δ8.30 (s, 1H), 7.39 (br s, 2H), 7.19 (br s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.73-3.70 (m, 2H), 3.30 (t, J = 12 Hz, 2H), 1.92-1.88 (m, 2H), 1.70-1.45 (m, 3H) and 1.40-1.27 (m, 6H).
(4-(((3-シアノ-8-メトキシキノリン-4-イル)アミノ)メチル)フェニル)ボロン酸60(表2中で214とも称される)の調製
化合物101(0.97g、5.0mmol)の2-メトキシエタノール(10mL)溶液に、(4-ブロモフェニル)メタンアミン90(1.74g、10.0mmol)およびEt3N(1.51g、15mmol)を加えた。この混合物を100℃で一晩、加熱し、室温まで冷却して、次に減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(石油エーテル中の35%EtoAc)により102(1.5g、88%)が白色固体として得られた。化合物102(69mg、0.2mmol)のDMSO(3mL)溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(61.0mg、0.24mmol)、酢酸カリウム(58.8mg、3.0mmol)、Pd(dppf)Cl2(7.4mg、0.05mmol)を加えた。この反応物に窒素をパージすることにより脱気し、次に、80℃で48時間、加熱した。この混合物を室温まで冷却して酢酸エチルにより希釈し、次に、Celite(登録商標)パッドによりろ過した。ろ液を減圧下で蒸発乾固した。この残留物をEtOAc(10mL)に溶解し、EtOAc中のHCl(4M、0.2mL、4.0mmol)溶液を加えた。この混合物を室温で一晩、撹拌し、次に減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー[分取HPLC(TFA)]により、60(40.5mg、2工程通算で65%)が白色固体として得られた。LCMS:[M+H]+ m/z 334.15。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.69 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.73 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 7.61 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.41 (dd, J = 17.3, 7.8 Hz, 2H), 5.05 (s, 2H), 4.13 (s, 3H).
(2-(1-(3-シアノ-8-メトキシキノリン-4-イル)ピペリジン-4-イル)エチル)ボロン酸61(表2中の216とも称する)の調製
化合物7と同じ手順に従い調製した。化合物61を黄色固体として単離した。
LCMS:[M+H]+ m/z 340.20。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ8.81 (s, 1H), 7.83 (d, J = 12 Hz, 1H), 7.72 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 12 Hz, 2H), 3.81 (t, J = 12 Hz, 2H), 3.31 (s, 3H), 2.66 (s, 1H). 2.05 (br d, J = 12 Hz, 2H), 1.72-1.30 (m, 4H) and 0.91-0.85 (m, 2H).
4-(((3-シアノ-8-メトキシキノリン-4-イル)アミノ)メチル)-N-ヒドロキシベンズアミド62(表2中で220とも称される)の調製
101(2.0g、8.9mmol)および103(1.5g、8.9mmol)の2-メトキシエタノール(40mL)溶液を一晩、加熱して還流し、次に、室温まで冷却した。この反応混合物を減圧下で蒸発乾固し、次に、EtOAcにより摩砕して、ろ過して乾燥すると、粗製化合物104(1.7g)が明黄色固体として得られた。
化合物104(0.5g、1.55mmol)のTHF(20mL)溶液に、NaOH(0.17g、4.65mmol、水2mLに溶解)を加えた。この混合物を一晩、45℃まで加熱した。冷却した溶液を減圧下で濃縮し、pH5.5が実現するまで、残留物を水性HCl(2N)により処理した。得られた沈殿物をろ過して乾燥すると、粗製酸中間体(0.3g、62%収率)が明黄色固体として得られた。粗製酸をDMF(10mL)に溶解し、次に、0℃まで冷却して、窒素下に置いた。BOP(0.48g、1.06mmol)およびDIPEA(0.50g、3.88mmol)、次いでHONH2-HCl(0.09g、1.26mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩、撹拌し、水(50mL)によりクエンチし、EtOAcで抽出した。有機相を水およびブラインにより洗浄し、乾燥(Na2SO3)して、減圧下で蒸発乾固した。クロマトグラフィー(CH2Cl2中の5%MeOH)、次に分取HPLC(H+、0.1%TFA)により、62(34mg、10%)がオフホワイト色の固体として得られた。LCMS:[M+H]+ 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.19 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.45 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.39 (dd, J = 4.6, 2.9 Hz, 2H), 7.29 (dd, J = 12.3, 5.0 Hz, 2H), 5.11 (s, 2H), 3.93 (s, 3H).
(実施例2)
化合物活性の評価
表1~3の選択化合物および他の誘導体を調製し、基質として、チミジン一リン酸パラニトロフェノール(TMP-pNP)を使用するENPP1活性アッセイで評価する。100mM Tris、150mM NaCl、2mM CaCl2、200μM ZnCl2(pH7.5)中、室温でTMP-pNP(2μM)、ENPP1阻害剤の5倍希釈液および精製されている組換えマウスENPP1(0.5nM)を用いて酵素反応を用意する。反応の進行は、この反応により生成するパラニトロフェノレートの吸光度を400nmにおいて20分間、測定することによりモニタリングする。生成物形成の傾きを抽出して、プロットし、Graphpad Prism7.03を用いてあてはめを行い、IC50値を得ることができる。
化合物をまた、基質としてcGAMPを使用するENPP1酵素活性アッセイでも評価する。対象化合物を評価するために使用することができる方法は、2018年9月7日に出願のPCT出願番号PCT/US2018/050018においてLiらにより記載されているものを含む。例示的な方法を以下に説明する。
物質:
マウスENPP1:Kato et al. PNAS (2012) 109(42):16876-8に従い発現させて精製した。cGAMP:Li et al. Nat. Chem. Biol. (2014) 10:1043-8に従い合成して精製した。ポリホスフェート:AMPホスホトランスフェラーゼ(PAP):PAP遺伝子(ジーンバンク:AB092983.1)を合成(Integrated DNA Technologies)し、His-SUMO C末端タグを有するpTB146ベクターにクローニングした。プラスミドを用いて形質転換したBL21(DE3)細胞を成長させて、16℃で一晩、0.75mM IPTGによりOD600=1で誘導した。50mM Tris(pH7.5)、400mM NaCl、10mM イミダゾール、2mM DTT、プロテアーゼ阻害剤(Roche)を含有する緩衝液中に細胞を再懸濁させて、2回の凍結-解凍サイクルおよび超音波処理により溶解した。すべての後工程は、4℃で行った。溶解物を40,000rcfで1時間、遠心分離することによって濁りをとり、上清をHisPurコバルト樹脂(Thermo Fisher Scientific)と共に2時間、インキュベートした。50mM Tris(pH7.5)、150mM NaClを含有する30mLの緩衝液を用いて2回、樹脂を洗浄し、タンパク質を50mM Tris(pH7.5)、150mM NaCl、600mM イミダゾールを用いて溶出した。陰イオン交換クロマトグラフィー(HiTrap Q HP)を行った。ミオキナーゼ(MilliporeSigma)。CellTiterGlo(Promega)
ENPP1酵素活性アッセイに関する例示的な手順:
50mM Tris(pH7.6)、250nM NaCl、500uM CaCl2および1uM ZnCl2(全反応体積=10μL)を含有する緩衝液中、5uMのcGAMPおよび化合物の5倍連続希釈液と共に、室温で3時間、3nMのマウスENPP1をインキュベートし、この後に、この反応物を95℃で10分間、熱不活性化した。AMP分解生成物は、ATPに変換され、これを、ルシフェラーゼを使用して検出した。これを達成するため、ポリホスフェート:AMPホスホトランスフェラーゼ(PAP)およびミオキナーゼからなる酵素混合物をGoueliらのEP2771480に準拠して調製した。手短に述べると、PAPを、50mM Tris(pH7.5)、0.1% NP-40を含有する緩衝液中、2mg/mLに希釈した。3.2mM 硫酸アンモニウム(pH6.0)、1mM EDTAおよび4mMポリホスフェートを含有する緩衝液中にミオキナーゼを2KU/mLに希釈した。40mM Tris(pH7.5)、0.05mg/mL Prionex、5mM MgCl2、20μMポリホスフェートおよび0.15g/Lフェノールレッド(ピペット操作を容易にするため)を含有する緩衝液中、熱不活性化したENPP1反応物をPAP(0.01μg/μL)およびミオキナーゼ(0.0075U/μL)と共に、3時間インキュベートした(全反応体積=20μL)。製造業者のプロトコールに準拠して、この反応物にCellTiterGlo(20uL)を加え、発光量を測定した。データを100%酵素活性(化合物なし)および0%酵素活性(酵素なし)に正規化した後、関数100/(1+([化合物]/IC50))にあてはめた。
IC50値は、文字A~Cにより表示される範囲内に収まり、ここで、Aは、IC50値が50nM未満であることを表し、Bは、IC50値が50nM~100nMの間であることを表し、Cは、IC50値が100nMより高いことを表す。
(実施例3)
細胞外ENPP1、および細胞外ENPP1の阻害の実証
図18A~18Cを参照すると、ENPP1は、cGAMPの細胞外レベルを制御すること、およびcGAMPレベルは、ENPP1阻害剤(例えば、化合物1)により細胞を処置することによって回復され得ることが観察された。
293T cGAS ENPP1-/-細胞にヒトENPP1発現プラスミドをトランスフェクトし、全細胞溶解物にcGAMPヒドロラーゼ活性があることが確認された(図18A)。293T細胞は、ATCCから購入し、ウイルスをトランスフェクトして、マウスcGASを安定的に発現させた。293T mcGAS ENPP1-/-を、CRISPR sgRNA標的ヒトENPP1(5’CACCGCTGGTTCTATGCACGTCTCC-3’)(配列番号1)のウイルストランスフェクトによって生成した。10% FBS(Atlanta Biologics)(v/v)および100U/mLペニシリン-ストレプトマイシン(ThermoFisher)を補給したDMEM(Corning Cellgro)中で、PurCol(Advanced BioMatrix)によりコーティングした、組織培養物処理済みプレートにおいて、293T mcGAS ENPP1-/-細胞をプレート培養した。プレート培養して12~24時間後、製造業者の指示書に準拠し、表示濃度のpcDNA3プラスミドDNA(空の、またはヒトENPP1を含む)を加えて、細胞にFugene6(Promega)をトランスフェクトした。トランスフェクトして24時間後に、ウエスタンブロット法(抗体ウサギ抗ENPP1(L520、1:1000)およびマウス抗チューブリン(DM1A、1:2,000)、Cell Signaling Technologiesを使用)によりENPP1発現の分析を行うために細胞を溶解した。全細胞溶解物は、10mM Tris、150mM NaCl、1.5mM MgCl2、1% NP-40(pH9.0)中、1×106個の細胞を溶解することによって生成した。32P-cGAMP(5μM)を全細胞溶解物と共にインキュベートし、分解を上の実施例2に記載されている通りモニタリングした(図18A)。
無傷細胞では、ENPP1発現は、細胞外cGAMPを枯渇させるが、細胞内cGAMP濃度に影響を及ぼさない(図18B)。293T mcGAS ENPP1-/-にpcDNA3(空の、またはヒトENPP1を含む)をトランスフェクトして24時間後に、培地を取り除き、1% インスリン-トランスフェリン-セレン-ピルビン酸ナトリウム(ThermoFisher)および100U/mLペニシリン-ストレプトマイシンを補給した血清不含DMEMにより置き換えた。培地を交換して12~24時間後、培地を取り除き、冷PBSを用いてプレートから細胞を洗い流した。培地と細胞の両方を1000rcfにおいて、4℃で10分間、遠心分離し、液体クロマトグラフィー-タンデム型質量分析法(LC-MS/MS)によって、cGAMPの濃度測定の準備を行った。内部標準として500nMの環状GMP-13C10,15N5-AMPを補給した50:50のアセトニトリル:水30~100μLに、細胞を溶解し、15,000rcfにおいて、4℃で20分間、遠心分離にかけて、不溶性フラクションを除去した。培地を除去して、内部標準として500nMの環状GMP-13C10,15N5-AMPおよび20%ギ酸を補給した。試料のcGAMP、ATPおよびGTP含有量を、4℃に設定したオートサンプラーを備えており、AB Sciex4000 QTRAP(Foster City、CA)に接続したShimadzu HPLC(San Francisco、CA)で分析した。10μLの分量をBiobasic AX LCカラム、5μm、50×3mm(Thermo Scientific)に注入した。移動相は、100mMの炭酸アンモニウム(A)およびアセトニトリル中の0.1%ギ酸(B)からなった。初期条件はB90%とし、0.5分間、維持した。この移動相を、0.5分から2.0分までA30%に向上させ、A30%を2.0分から3.5分まで維持し、3.5分から3.6分までB90%に上昇させ、B90%を3.6分から5分まで維持した。流速は0.6mL/分に設定した。質量分析計は、ソース温度を500℃に設定してエレクトロスプレー陽イオンモード(electrode spray positive ion mode)で操作した。デクラスタリングおよび衝突誘起解離は、窒素ガスを使用して実施した。デクラスタリング電位および衝突エネルギーは、標準品の直接注入によって最適化した。各分子に関して、MRM遷移(m/z)、DP(V)およびCE(V)は以下の通りである:ATP(508>136、341、55)、GTP(524>152、236、43)、cGAMP(675>136、121、97;675>312、121、59;675>152、121、73)、内部標準の環状GMP-13C10,15N5-AMP(690>146、111、101;690>152、111、45;690>327、111、47)、抽出標準の環状13C10,15N5-GMP-13C10,15N5-AMP(705>156、66、93;705>162、66、73)。
ENPP1の阻害により、細胞外cGAMPの分解が遮断される(図18C)。同一実験を上記の通り行い、この回は、培地を変更した際に50μMのENPP1阻害剤(化合物1)も含んだ。阻害剤を用いた場合、培地中の細胞外cGAMP濃度は以前のレベルに戻った。
図18Aは、空のベクター、およびヒトENPP1を含有するベクターをトランスフェクトした293T cGAS ENPP1-/-細胞であって、ウエスタンブロットを使用して、ENPP1タンパク質発現について24時間後に分析した293T cGAS ENPP1-/-細胞(上)、薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用したENPP1 32P-cGAMP加水分解活性(下)を示している。図18Bは、LC-MS/MSを使用した、細胞内および細胞外cGAMP濃度を示す。BQL=定量限界値未満。平均値±標準誤差(n=2)。**P=0.005(スチューデントのt検定)。図18Cは、50μMの化合物1の存在下または非存在下での、空のベクターまたはヒトENPP1を含有するベクターをトランスフェクトした293T cGAS ENPP1-/-細胞に関する細胞内および細胞外cGAMP濃度を示している。BQL=定量限界値未満。平均値±標準誤差(n=2)。**P=0.0013(スチューデントのt検定)。
(実施例4)
ENPP1の阻害により、一次CD14+単球のcGAMP活性化が向上する
ENPP1阻害剤(化合物1)を使用して、293T cGAS ENPP1low細胞系によって排出されたcGAMPが、ヒトCD14+単球などの抗原提示細胞(APC)によって検出され得るかどうかを試験した(図19A)。293T cGAS ENPP1low細胞にpcDNA(空の、またはヒトENPP1を含有する)をトランスフェクトした。全血からの濃縮バフィーコートにPercoll密度勾配を施すことによって一次ヒト末梢血液単核球細胞(PBMC)を単離した。CD14+単球は、CD14+マイクロビーズ(Miltenyi)を使用して単離した。2% ヒト血清および100U/mLペニシリン-ストレプトマイシンを補給したRMPI中でCD14+単核球を培養した。293T cGAS ENPP1low細胞をトランスフェクトして8時間後、培地を、例示的なENPP1阻害剤化合物1を含むまたは含まない、2%ヒト血清および100U/mLペニシリン-ストレプトマイシンを補給したRMPIに変更した。培地を変更して24時間後、293T cGAS ENPP1low細胞に由来する上清をCD14+単球に移した(図19A)。上清を移送して24~26時間後、全RNAをTrizol(Thermo Fisher Scientific)を使用して抽出し、Maxima H Minus逆転写酵素(Thermo Fisher Scientific)を用いて逆転写した。7900HT高速リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)で、AccuPower 2X Greenstar qPCR Master Mix(Bioneer)を用いて、二連でリアルタイムRT-PCRを行った。データを各試料に関してCD14発現量に正規化した。誘導倍率は、ΔΔCtを使用して計算した。ヒトIFNB1に対するプライマー:フォワード(5’-AAACTCATGAGCAGTCTGCA-3’)(配列番号2)、リバース(5’-AGGAGATCTTCAGTTTCGGAGG-3’)(配列番号3);ヒトCD14:フォワード(5’-GCCTTCCGTGTCCCCACTGC-3’)(配列番号4)、リバース(5’-TGAGGGGGCCCTCGACG-3’)(配列番号5)。
cGASを発現する293T cGAS ENPP1low細胞に由来する上清は、CD14+ IFNB1発現を誘発したが、cGASヌル293T細胞に由来する上清は誘発しなかった。このことは、がん細胞により排出される細胞外cGAMPが、シグナル伝達因子として、CD14+細胞によって検出され得ることを示唆する(図19B)。293T cGAS ENPP1low細胞表面のENPP1の一過性過剰発現は、細胞外cGAMPの分解およびCD14+ IFNB1発現量の低下を引き起こしたが、化合物1の添加により、細胞外cGAMPレベルがレスキューされて、CD14+ IFNB1発現を誘発した(図19B)。
図19Aを参照すると、上清の移送実験の概略図を示す。図19Bは、DNAをトランスフェクトして、化合物1の存在下または非存在下でインキュベートしたcGASヌル293T細胞または293T cGAS ENPP1low細胞を示している。これらの細胞からの上清を一次CD14+ヒトPBMCに移送した。IFNB1 mRNAレベルをCD14に正規化し、誘導倍率を未処置CD14+細胞と比較して計算した。平均値±標準誤差(n=2)。*P<0.05、***P<0.001(一元配置ANOVA)。
(実施例5)
ENPP1阻害は、電離放射線(IR)処置と相乗作用し、腫瘍関連樹状細胞を増大させる。
がん細胞系はcGAMPを排出するかどうか、および電離放射線(IR)が、生成される細胞外cGAMPのレベルに影響を及ぼすかどうかを試験した。電離放射線(IR)は、腫瘍細胞において、サイトゾルDNAを増加させて、cGAS依存的IFN-β生成を活性化することが示されている(Bakhoum et al. Nat. Commun. (2015) 6:1-10;およびVanpouille Nat. Commun. (2017) 8:15618)。プレート培養して24時間後、セシウム源を使用して4T1細胞を20Gy IRにより処置し、ENPP1阻害剤(化合物1)50uMを補給した培地に変更して、細胞培養物中に存在するENPP1を阻害した。培地を表示時間に採集し、1000×gで遠心分離し、残留細胞を除去し、0.5%酢酸で酸性にして、抽出標準としての環状-13C10,15
5-GMP-13C10,15N5-AMPを補給した(100μL中で最終濃度2μMにするために適量)。以前に記載された通り、HyperSepアミノプロピルSPEカラム(ThermoFisher Scientific)に培地を適用して、cGAMPを富化させた(Gao et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (2015) 112:E5699-705)。溶離液を蒸発乾固させて、500nMの内部標準を補給した50:50アセトニトリル:水に再構成した。培地をcGAMPの質量分析法による定量に供した。
連続的なcGAMP排出が、4T1細胞において48時間にわたり検出された。48時間時には、IRにより処置した細胞は、未処置よりも細胞外cGAMPレベルがかなり高かった。
次に、マウス4T1腫瘍モデルにおける、腫瘍関連樹状細胞数に及ぼす、例示的なENPP1阻害剤化合物1と組み合わせたIRの効果を検討した(図20B)。7~9週齢の雌Balb/cマウス(Jackson Laboratories)の乳腺脂肪体に、50μLのPBS中に懸濁させた1×106個の4T1-ルシフェラーゼ腫瘍細胞を接種した。注射して2日後に、0.5mm Cuのフィルター付き225kVpキャビネット式X線照射装置(IC250、Kimtron Inc.、CT)を使用して、腫瘍に20Gyの放射線照射を行った。麻酔をかけた動物を、腫瘍が存在するところに15×20mmの隙間を有する3.2mmの鉛製シールドを用いて遮蔽した。PBS中の1mMの化合物1を100μL、またはPBS単独で、マウスに腫瘍内に注射した。その翌日に、腫瘍を抽出し、20μg/mL DNアーゼI IV型(Sigma-Aldrich)、およびクロストリジウムヒストリチクム(Clostridium histolyticum)に由来する1mg/mLコラゲナーゼ(Sigma-Aldrich)を含むRPMI+10%FBS中、37℃で30分間、インキュベートした。腫瘍を100μmセルストレーナー(Sigma-Aldrich)に通し、赤血球溶解緩衝液(155mM NH4Cl、12mM NaHCO3、0.1mM EDTA)を使用して赤血球を室温で5分間、溶解した。Live/Dead固定近赤外死滅細胞染色キット(Thermo Fisher Scientific)を用いて細胞を染色し、TruStain fcXを使用して10分間、Fc-ブロックし、続いて、CD11c、CD45およびI-A/I-E(すべて、Biolegend)を用いて抗体染色した。SH800Sセルソーター(Sony)またはLSR II(BD Biosciences)を使用して細胞を分析した。統計解析に関して、FlowJo V10ソフトウェア(Treestar)およびPrism7.04ソフトウェア(Graphpad)を使用してデータを解析し、そして統計学的有意性を、ウェルチの補正を伴う対応のないt検定を使用して評価した。
PBS対照と比べると、化合物1の腫瘍内注射により、腫瘍関連白血球の組成は変わらず(図20B)、ENPP1は、この腫瘍モデルにおいて、基底レベルの細胞外cGAMPを一掃する際に大きな役割を果たさないことを示唆している。しかし、腫瘍をIRにより事前処置した場合、化合物1により腫瘍関連CD11c+集団が増加したことが観察された(図20B)。
これらの結果が、図20Aおよび図20Bに例示されている。図20Aは、48時間にわたり、4T1細胞により生成した細胞外cGAMPを示している。時間0時において、細胞を未処置のまま放置するか、または20Gy IRにより処置し、50μMの化合物1を補給した培地で新しくした。平均値±標準誤差(n=2)。**P=0.004(スチューデントのt検定)。図20Bは、0日目にBALB/cJマウスに同所的に注射した4T1細胞(1×106)を示している。2日目に腫瘍を未処置のまま放置したか、または20Gy IRにより処置し、PBS(IR(0Gy)の場合、n=5;IR(20Gy)の場合、n=4)または化合物1(n=5)を腫瘍内注射した。3日目に、腫瘍を採取し、FACSにより分析した。*P=0.047(ウェルチのt検定)。
(実施例6)
ENPP1阻害は、IR処置および抗CTLA-4と相乗作用し、抗腫瘍作用を発揮する
腫瘍の免疫検出およびクリアランスが、電離放射線(IR)および例示的なENPP1阻害剤、例えば化合物1を使用して、細胞外cGAMPをin vivoでさらに増加させることによって、増大し得るかどうかを検討した。
7~9週齢の雌Balb/cマウス(Jackson Laboratories)の乳腺脂肪体に、50μLのPBS中に懸濁させた5×104個の4T1-ルシフェラーゼ細胞を接種した。腫瘍体積(長さ2×幅/2で求める)が80mm3~120mm3に到達すると、0.5mm Cuのフィルター付き225kVpキャビネット式X線照射装置(IC250、Kimtron Inc.、CT)を使用して、腫瘍に20Gyの放射線照射を行った。麻酔をかけた動物を、腫瘍が存在するところに15×20mmの隙間を有する3.2mmの鉛製シールドを用いて遮蔽した。IR後の2、4および7日目に、100μLの100μMの化合物1、および/またはPBS中のcGAMP10μgまたはPBS単独を腫瘍内に注射した。あるいは、IR後、2日目、5日目および7日目に、PBS中の1mM化合物1またはPBS単独を腫瘍内に注射し、200μgの抗CTLA-4抗体またはSyrianハムスターIgG抗体(どちらもBioXCell)を腹腔内注射した。異なる処置群に由来するマウスを各ケージに共同収容し、ケージの影響をなくした。検討全体を通して実験者を盲検にした。1日おきに腫瘍体積を記録した。マウス内の相関関係を考慮するため、腫瘍体積を一般化推定式で分析した。各時間点における処置群の一対比較を、多重比較の場合のテューキーの調節を伴う事後検定を使用して行った。Graphpad Prism7.03を使用して、動物の死亡をカプランマイヤー曲線にプロットし、統計学的有意性をログランクマンテル-コックス検定を使用して評価した。動物手順はすべて、実験室用動物の世話に関する管理委員会により承認を受けた。
化合物1の投与は、IR処置の腫瘍縮小効果を増強したが、有意ではなかった(図21A)。cGAMPの腫瘍内注射は、IR処置ほどの効果を有さなかったが、cGAMPに加えて、化合物1を注射すると、相乗的に腫瘍を退縮させて、生存が延び、10%の治癒率を達成した(図21Aおよび図21B)。
適応免疫チェックポイント遮断薬である抗CTLA-4との相乗効果も試験した。IRのない場合、抗CTLA-4および化合物1による処置は、生存の延長に効果がなかった(図21C)。しかし、IR事前処置と化合物1および抗CTLA-4とを組み合わせると、有意な相乗効果が発揮され、10%の治癒率が達成された。まとめると、これらの結果は、IR処置とENPP1阻害とを組み合わせることによって細胞外cGAMPを増大すると、腫瘍免疫原性が増大されて、抗腫瘍作用を発揮することを実証する。
これらの結果は、図21Aに例示されており、これは、IRと組み合わせた化合物1の腫瘍縮小効果を示している。確立された腫瘍(100±20mm3)を20Gy IRにより一旦、処置し、次いで、IR後の2日目、4日目および7日目に、PBSを3回腫瘍内注射または処置を行った(処置群あたり、n=9)。異なる処置群からのマウスを共同収容し、実験者を盲検にした。マウス内の相関関係を考慮するため、腫瘍体積を一般化推定式で分析した。各時間点における処置群の一対比較を、多重比較の場合のテューキーの調節を伴う事後検定を使用して行った。図21Bは、図21Aの場合のカプランマイヤー曲線を示しており、P値はログランクマンテル-コックス検定によって求めた。図21Cは、図21Bにおける場合と同じ手順に加えて、IR後の2日目、5日目および7日目に腹腔内に注射した抗CTLA4またはIgGアイソタイプ対照抗体を示している(IR(0)+化合物1+CTLA-4処置群の場合、n=8;他のすべての処置群の場合、n=17~19)。統計解析は、図21Bの場合と同様に行った。
要約すると、これらの結果は、cGAMPは細胞外に存在し、対象となるENPP1阻害剤は、細胞外で作用することができることを示しており、したがって、ENPP1の細胞外阻害は、治療効果に十分であることを示している。ENPP1は、自然免疫チェックポイントとしてふさわしい。これらの実験は、ENPP1を細胞外で阻害することにより、cGAMPは抗がん免疫が賦活化され、治療法として既に利用可能な免疫チェックポイント遮断薬と相乗的に組み合わせることが可能であることを示している(図22)。
(実施例7)
2’3’-cGAMPは、がん細胞により生成され、ENPP1によって調節される免疫伝達物質である
導入部
2’3’-環状GMP-AMP(cGAMP)は、サイトゾルdsDNAに応答して合成され、自然免疫STING経路を活性化する細胞内の第2のメッセンジャーとして特徴付けられる。その細胞外ヒドロラーゼENPP1は、細胞外cGAMPが存在することを暗示している。質量分析法を使用して、cGAMPが、操作された細胞系によって可溶性因子として連続的に排出されるが、次に、ENPP1によって効率的に一掃されることが検出された。強力で、特異的かつ細胞非透過性ENPP1阻害剤を開発することによって、cGAMP排出は、マウスの腫瘍モデルに一般的に使用されるがん細胞系において検出された。腫瘍では、中和性タンパク質を使用する細胞外cGAMPの枯渇により、腫瘍関連樹状細胞が低下した。ENPP1の遺伝的ノックアウトおよび薬理学的阻害による細胞外cGAMPの増大により、腫瘍関連樹状細胞が増加して、腫瘍が縮小し、電離放射線および抗CTLA-4と相乗作用して、腫瘍を治癒する。結論として、cGAMPは、腫瘍により放出され、宿主の先天性免疫によって検出される抗がん免疫伝達物質である。
第2のメッセンジャー2’3’-環状GMP-AMP(cGAMP)は、抗ウイルスおよび抗がん先天性免疫において極めて重要な役割を果たす。cGAMPは、サイトゾル中の二本鎖DNA(dsDNA)に応答して、酵素である環状-GMP-AMPシンターゼ(cGAS)によって合成され、これは、細胞内病原体、および損傷細胞またはがん性細胞に対する危険シグナルである。cGAMPは、その小胞体(ER)表面受容体であるインターフェロン遺伝子の刺激因子(STING)に結合して、これを活性化し、1型インターフェロン(IFN)の生成を活性化する。これらの有力なサイトカインは、脅威を取り除くための下流での自然免疫応答および適応免疫応答を誘発する。
cGAMPは、その元の細胞内のSTINGを活性化することに加えて、上皮細胞におけるギャップ結合により、バイスタンダー細胞へと拡散することができる。この細胞間連絡機構は、損傷した細胞の隣接細胞に警告を与え、やはりまた、不運なことに、薬物誘発性肝臓毒性の拡散および脳転移の主原因となる恐れがある。さらに、サイトゾルcGAMPは、感染の次の段階の間に、発芽ウイルス粒子に包み込まれて、伝達され得る。どちらの伝達モードでも、cGAMPは、細胞外空間には決して曝露されない。
唯一検出可能なcGAMPヒドロラーゼ活性を担う酵素は、エクトヌクレオチドピロホスファターゼホスホジエステラーゼ1(ENPP1)である(例えば、Li, L. et al. Hydrolysis of 2’3’-cGAMP by ENPP1 and design of nonhydrolyzable analogs. Nat. Chem. Biol. 10, 1043-8 (2014)を参照されたい)。ENPP1は、一回膜貫通ドメインによって固定される膜結合形態と血清中の切断された可溶性タンパク質の両方として細胞外酵素として注釈が付けられるので、上記のことは驚くべきことである。2つの負電荷を有しており、恐らくは細胞膜を受動的に通過することができないcGAMPは、細胞に侵入して、STINGを活性化することができ(例えば、Gao, P. et al. Structure-function analysis of STING activation by c[G(2’,5’) pA(3’,5’)p] and targeting by antiviral DMXAA. Cell 154, 748-762 (2013);およびCorrales, L. et al. Direct Activation of STING in the Tumor Microenvironment Leads to Potent and Systemic Tumor Regression and Immunity. Cell Rep. 11, 1018-1030 (2015)を参照されたい)、cGAMPのための輸送チャネルが存在することを示唆する。cGAMPは細胞に侵入することができるので、cGAMPアナログは、腫瘍内注射により、転移性固形腫瘍を処置するための臨床試験において現在、試験が行われている最中である。細胞外cGAMPが流入されて、抗がん作用を有すること、および主要cGAMPヒドロラーゼは細胞外にあることを認識して、cGAMPは細胞外空間に排出されて、他の細胞にシグナルを伝達し、細胞外分解によって調節されると仮定した。
がんによるcGAMP排出および抗がん免疫検出における細胞外cGAMPの役割が本明細書において実証されている。遺伝的ノックアウトおよび薬理学的阻害を使用して、細胞外cGAMP濃度、免疫浸潤および腫瘍進行の制御におけるENPP1の役割も検討した。まとめると、cGAMPは、ENPP1によって調節される免疫伝達物質として特徴付けられた。
物質および方法
試薬、抗体および細胞系
[α-32P]ATP(800Ci/mmol、10mCi/mL、250μCi)および[35S]ATPαS(1250Ci/mmol、12.5mCi/mL、250μCi)は、Perkin Elmerから購入した。アデノシン三リン酸、グアノシン三リン酸、アデノシン-13C10,15N5、5’-三リン酸、グアノシン-13C10,15N5-三リン酸、4-ニトロフェニルホスフェートおよびビス(4-ニトロフェニル)ホスフェートをSigma-Aldrichから購入し、>98%原子的に純粋である。2’3’-cGAMPはInvivogenから購入した。Caco-2アッセイは、Cyprotexから購入した。キノームのスクリーニングは、Eurofinsによって行われた。PAMPAおよびMDCK透過性アッセイは、Quintara Discoveryによって行われた。総タンパク質含有量は、BCAアッセイ(ThermoFisher)を使用して定量した。細胞生存率は、CellTiterGloアッセイ(Promega)を使用して定量した。完全長ヒトENPP1は、pcDNA3ベクターにクローニングした。一連の4ON-TARGETplus ENPP1 siRNA(LQ-003809-00-0002)は、Dharmaconから購入した。QS1は、以前に記載された通りに合成した25。以下のモノクローナル抗体をウエスタンブロット法に使用した:ウサギ抗cGAS(D1D3G Cell Signaling、1:1,000)ウサギ抗マウスcGAS(D2O8O Cell Signaling、1:1,000)、マウス抗チューブリン(DM1A Cell Signaling、1:2,000)およびウサギ抗STING(D2P2F Cell Signaling、1:1,000)、IRDye 800CWヤギ抗ウサギ(LI-COR、1:15,000)およびIRDye 680RDヤギ抗マウス(LI-COR、1:15,000)。
293T細胞はATCCから購入し、ウイルスをトランスフェクトして、マウスcGASを安定的に発現させた。293T cGAS ENPP1low細胞は、CRISPR sgRNA標的ヒトENPP1(5’-CACCGCTGGTTCTATGCACGTCTCC-3’)のウイルストランスフェクトによって生成し、293T mcGAS ENPP1-/-細胞は、このプールからの単一細胞クローニング後に選別した。4T1およびE0771 cGAS-/-細胞は、CRISPR sgRNA(lentiCRISPRv2-blastを使用、Addgeneプラスミド、#83480)標的マウスMb21d1(5’-CACCGGAAGGGGCGCGCGCTCCACC-3’)のウイルストランスフェクトによって生成した。細胞は、単一細胞クローニング後に選別した。4T1-Luc ENPP1-/-細胞は、CRISPR sgRNA(lentiCRISPRv2-blastを使用)(Sanjana, N. E., Shalem, O. & Zhang, F. Improved vectors and genome-wide libraries for CRISPR screening. Nat. Methods 11, 783-784 (2014))標的マウスENPP1(5’-GCTCGCGCCCATGGACCT-3’および5’-ATATGACTGTACCCTACGGG-3’)またはスクランブル配列のウイルストランスフェクトによって生成した。4T1-Luc shcGAS細胞は、プラスミドpGH188を使用するshRNA(5’-CAGGATTGAGCTACAAGAATAT-3’)のウイルストランスフェクトによって生成した。shRNAを内包する細胞は、ブラストサイジンを用いて選別し、GFP発現に関してソートし、実験用のプールとして使用した。MDA-MB-231は、ATCCから購入し、E0771は、CH3 BioSystemsから購入し、4T1-ルシフェラーゼおよび分泌されたmENPP1を発現するHEK293S GnT1-細胞を得た。
細胞培養物
細胞系を、10% FBS(Atlanta Biologics)(v/v)および100U/mLペニシリン-ストレプトマイシン(ThermoFisher)を補給したDMEM(Corning Cellgro)(293T、MC38)またはRPMI(Corning Cellgro)(4T1-Luc、E0771、MDA-MD-231)中で維持した。全血からの濃縮バフィーコートにPercoll密度勾配を施すことによって一次ヒト末梢血液単核細胞(PBMC)を単離した。CD14+ PBMCは、CD14+マイクロビーズ(Miltenyi)を使用して単離した。2%ヒト血清および100U/mLペニシリン-ストレプトマイシンを補給したRMPI中でCD14+PBMCを培養した。
組換えタンパク質の発現および精製
sscGAS:プライマーペアフォワード:(5’-CTGGAAGTTCTGTTCCAGGGGCCCCATATGGGCGCCTGGAAGCTCCAGAC-3’)およびリバース:(5’-GATCTCAGTGGTGGTGGTGGTGGTGCTCGAGCCAAAAAACTGGAAATCCATTGT-3’)を使用して、ブタcDNAライブラリーからブタcGAS(残基135~497)をコードするDNA配列を増幅した。PCR生成物をギブソンアセンブリによりpDB-His-MBPに挿入し、Rosetta細胞中で発現させた。カナマイシン(100μg/ml)を含む2×YT培地中で細胞を成長させて、OD600が1に到達すると、0.5mM IPTGにより誘発させて、16℃で一晩、成長させた。タンパク質および細胞溶解物を含む以下の手順のすべてを4℃で行った。細胞をペレット化し、20mM HEPES(pH7.5)、400mM NaCl、10% グリセロール、10mMイミダゾール、1mM DTTおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル(cOmplete EDTA不含錠剤、Roche)中に溶解した。細胞抽出物を50,000×gで1時間、超遠心分離することによって濁りを取り除いた。濁りのない上清をHisPurコバルト樹脂(ThermoFisher Scientific;細菌培養物1リットルあたり1mLの樹脂)と共にインキュベートした。コバルト樹脂を、20mM HEPES(pH7.5)、1M NaCl、10%グリセロール、10mMイミダゾール、1mM DTTにより洗浄した。タンパク質は、20mM HEPES(pH7.5)、1M NaCl、10%グリセロールおよび1mM DTT中の300mMイミダゾールにより樹脂から溶出した。His-MBP-sscGASを含有するフラクションをプールして濃縮し、20mM HEPES(pH7.5)、400mM NaCl、1mM DTTに対して透析した。タンパク質は、今後の使用のために一定分量で迅速に凍結した。
STING:マウスSTING(残基139~378)をpTB146 His-SUMOベクターに挿入し、Rosetta細胞中で発現させた。100μg/mLのアンピシリンを含む2×YT培地中で細胞を成長させて、OD600が1に到達すると、0.75mM IPTGにより16℃で一晩、誘発させた。タンパク質および細胞溶解物を使用する以下の手順のすべてを4℃で実施した。細胞をペレット化し、50mM Tris(pH7.5)、400mM NaCl、10mMイミダゾール、2mM DTTおよびプロテアーゼ阻害剤(cOmplete、EDTA不含プロテアーゼ阻害剤カクテル、Roche)中に溶解した。細胞を超音波処理によって溶解し、溶解物を50,000rcfで1時間、超遠心分離することによって濁りをとった。濁りのない上清をHisPurコバルト樹脂(ThermoFisher Scientific;細菌培養物1Lあたり1mLの樹脂)と共に30分間、インキュベートした。樹脂結合タンパク質を、50カラム体積分の50mM Tris(pH7.5)、150mM NaCl、2% triton(登録商標) X-114、50CVの50mM Tris(pH7.5)、1M NaCl(各洗浄は、1滴/2~3秒のドリップ速度に設定し、2~3時間かかった)および20CVの50mM Tris(pH7.5)、150mM NaClで洗浄した。タンパク質は、50mM Tris(pH7.5)、150mM NaCl中の600mMイミダゾールにより樹脂から溶出した。His-SUMO-STINGを含有するフラクションをプールして濃縮し、SUMOラーゼ酵素His-ULP1と共にインキュベートしながら、50mM Tris(pH7.5)、150mM NaClに対して透析を行い、His-SUMOタグを一晩、除去した。この溶液をHisPurコバルト樹脂と共に再度、インキュベートし、His-SUMOタグを除去して、STINGを通過液から採取した。タンパク質を50mM Tris(pH7.5)に対して透析し、Aekta FPLC(GE Healthcare)を使用してHitrapQ陰イオン交換カラム(GE Healthcare)にロードし、NaClグラジエントにより溶出した。STINGを含有するフラクションをプールし、PBSに緩衝液交換し、使用するまで4℃で保管した。
ENPP1:mENPP1は、Kato, K. et al. (Expression, purification, crystallization and preliminary X-ray crystallographic analysis of Enpp1. Acta Crystallogr. Sect. F Struct. Biol. Cryst. Commun. 68, 778-782 (2012);およびCrystal structure of Enpp1, an extracellular glycoprotein involved in bone mineralization and insulin signaling. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 109, 16876-81 (2012))によって記載されている通りに生成した。
液体クロマトグラフィー-タンデム型質量分析法
環状GMP-13C10,15N5-AMPを内部標準として使用し、環状13C10,15
5-GMP-13C10,15N5-AMPを抽出標準として使用した。同位体標識cGAMP標準は、100mM Tris(pH7.5)中、1mM ATP(同位体標識されている)、1mM GTP(同位体標識されている)、20mM MgCl2、0.1mg/mLニシン精巣DNA(Sigma)および2μM sscGASを一晩、インキュベートすることによって合成した。反応物を95℃で加熱し、3kDa遠心フィルターによりろ過した。水を回転式蒸発器で除去した。cGAMPは、UV-可視検出器(ProStar;Agilent Technologies)およびフラクションコレクタ(440-LC;Agilent Technologies)を接続した、分取HPLC(1260Infinity LC system;Agilent Technologies)でのPLRP-Sポリマー逆相分取カラム(100Å、8μm、300×25mm;Agilent Technologies)を使用して粗製反応混合物から精製した。流速は25mL/分に設定した。移動相は、水中の10mM酢酸トリエチルアンモニウムおよびアセトニトリルからなった。移動相は、最初の5分間、2%アセトニトリルとして開始した。次に、アセトニトリルを5~20分に30%に上昇させて、20~22分に90%に上昇させて、22~25分に90%で維持し、次に、25~28分に2%まで低下させた。cGAMPを含有するフラクションを凍結乾燥し、水に再懸濁させた。280nmにおいて吸光度を測定することによって、濃度を求めた。試料のcGAMP、ATPおよびGTP含有量を、4℃に設定したオートサンプラーを備えており、AB Sciex4000 QTRAP(Foster City、CA)に接続したShimadzu HPLC(San Francisco、CA)で分析した。10μLの分量をBiobasic AX LCカラム、5μm、50×3mm(Thermo Scientific)に注入した。移動相は、100mMの炭酸アンモニウム(A)およびアセトニトリル中の0.1%ギ酸(B)からなった。初期条件はB90%とし、0.5分間、維持した。この移動相を、0.5分間~2.0分間でA30%に上昇させ、A30%を2.0分から3.5分まで維持し、3.5分から3.6分までB90%に上昇させ、B90%を3.6分から5分まで維持した。流速は0.6mL/分に設定した。質量分析計は、ソース温度を500℃に設定してエレクトロスプレー陽イオンモードで操作した。デクラスタリングおよび衝突誘起解離は、窒素ガスを使用して実施した。デクラスタリング電位および衝突エネルギーは、標準品の直接注入によって最適化した。各分子に関して、MRM遷移(m/z)、DP(V)およびCE(V)は以下の通りである:ATP(508>136、341、55)、GTP(524>152、236、43)、cGAMP(675>136、121、97;675>312、121、59;675>152、121、73)、内部標準の環状GMP-13C10,15N5-AMP(690>146、111、101;690>152、111、45;690>327、111、47)、抽出標準の環状13C10,15N5-GMP-13C10,15N5-AMP(705>156、66、93;705>162、66、73)。
293T cGAS ENPP1-/-細胞における排出アッセイ
293T cGAS ENPP1-/-細胞は、PurColをコーティングした、組織培養物処理プレート(Advanced BioMatrix)でプレート培養した。24時間後、培地を穏やかに取り除き、1%インスリン-トランスフェリン-セレン-ピルビン酸ナトリウム(ThermoFisher)および100U/mLペニシリン-ストレプトマイシンを補給した血清不含DMEMにより置き換えた。表示時間に、培地を取り除き、冷PBSを用いてプレートから細胞を洗い流した。培地と細胞の両方を1000rcfにおいて、10分間、4℃で遠心分離した。500nMの内部標準を補給した50:50のアセトニトリル:水30~100μLに細胞を溶解し、15,000rcfにおいて、4℃で20分間、遠心分離にかけて、不溶性フラクションを除去した。濃縮を必要としない場合、培地の一定分量を取り出し、500nMの内部標準および20%ギ酸を補給した。濃縮が必要な場合、0.5%酢酸を用いて培地を酸性にし、抽出標準を補給した(100μL中で2μMの最終濃度にするために適量)。Gao, D. et al. (Activation of cyclic GMP-AMP synthase by self-DNA causes autoimmune diseases. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 112, E5699-705 (2015))によって記載されている通り、培地をHyperSepアミノプロピルSPEカラム(ThermoFisher Scientific)に適用してcGAMPを富化させた。溶離液を蒸発乾固させて、500nMの内部標準を補給した50:50のアセトニトリル:水に再構成した。cGAMP、ATPおよびGTPの質量分析での定量に、培地および細胞抽出物を供した。
293T cGAS ENPP1-/-細胞のトランスフェクト刺激
製造業者の指示書に準拠し、表示濃度のpcDNA3プラスミドDNA(空の、またはヒトENPP1を含む)を加えて、293T cGAS ENPP1-/-細胞にFugene6(Promega)をトランスフェクトした。トランスフェクトして24時間後に、排出アッセイを上記の通り行った。
馴化培地の移送
293T cGAS ENPP1low細胞をプレート培養し、上記の通り、プラスミドDNAをトランスフェクトした。トランスフェクトして24時間後、培地をRPMI+2%ヒト血清+1%ペニシリン-ストレプトマイシン、+/- 2μM cGAMP、+/- 20nM 組換えmENPP1または+/- 50uM化合物1に変更した。培地を変更して24時間後に、293T cGAS ENPP1low細胞から馴化培地を取り除き、新しく単離したCD14+ PBMCと共にインキュベートした。CD14+ PBMCの遺伝子発現量を14~16時間後に分析した。
RT-PCR分析
全RNAをTrizol(Thermo Fisher Scientific)を使用して抽出し、Maxima H Minus逆転写酵素(Thermo Fisher Scientific)を用いて逆転写した。7900HT高速リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)で、AccuPower 2X Greenstar qPCR Master Mix(Bioneer)を用いて、二連でリアルタイムRT-PCRを行った。データを各試料に関してCD14、ACTBまたはGAPDH発現量に正規化した。誘導倍率は、ΔΔCtを使用して計算した。ヒトIFNB1に対するプライマー:フォワード(5’-AAACTCATGAGCAGTCTGCA-3’)、リバース(5’-AGGAGATCTTCAGTTTCGGAGG-3’);ヒトCD14:フォワード(5’-GCCTTCCGTGTCCCCACTGC-3’)、リバース(5’-TGAGGGGGCCCTCGACG-3’);ヒトACTB:フォワード(5’-GGCATCCTCACCCTGAAGTA-3’)、リバース(5’-AGAGGCGTACAGGGATAGCA-3’);ヒトGAPDH:フォワード(5’-CCAAGGTCATCCATGACAAC-3’);リバース(5’-CAGTGAGCTTCCCGTTCAG-3’)。
32P-cGAMP分解TLCアッセイ
放射標識32P cGAMPは、20mM Tris(pH7.5)、2mM MgCl2、100μg/mLニシン精巣DNA中、非標識ATP(1mM)および2μMの精製した組換えブタcGASを含む32P-ATPをドープしたGTP(1mM)を室温で一晩、インキュベートすることによって合成し、残りのヌクレオチド出発物質は、アルカリホスファターゼを用いて4時間、37℃で分解した。細胞溶解物は、100μLの10mM Tris、150mM NaCl、1.5mM MgCl2、1% NP-40(pH9.0)中、1×106細胞(293T)または10×106細胞(4T1-Luc、E0771およびMDA-MB-231)を砕き、溶解することによって生成した。4T1-Luc、E0771およびMDA-MB-231の場合、溶解物の全タンパク質濃度をBCAアッセイ(Pierce、Thermo Fisher)を使用して測定し、試料を正規化し、その結果、各溶解物の反応に同量のタンパク質を使用した。100mM Tris、150mM NaCl、2mM CaCl2、200μM ZnCl2(pH7.5またはpH9.0)中、プローブ32P-cGAMP(5μM)を、表示時間量の間、mENPP1(20nM)または全細胞溶解物と共にインキュベートした。阻害曲線を生成するために、ENPP1阻害剤の5倍希釈液をこの反応に含ませた。分解はTLCによって評価した(例えば、Li, L. et al. Hydrolysis of 2’3’-cGAMP by ENPP1 and design of nonhydrolyzable analogs. Nat. Chem. Biol. 10, 1043-8 (2014)を参照されたい)。プレートを蛍光スクリーン(Molecular Dynamics)に曝露させて、Typhoon9400にイメージングし、32PシグナルをImageJを使用して定量した。阻害曲線をあてはめ、Graphpad Prism7.03を使用してIC50値を得た。IC50値は、Cheng-Prusoff式Ki,app=IC50/(1+[S]/Km)を使用して、Ki,app値に変換した。
ALPLおよびENPP2阻害アッセイ
96ウェルプレートフォーマット中、室温で反応構成成分をインキュベートし、プレートリーダー(Tecan)において、400nMでの吸光度を測定することによって、4-ニトロフェノレートの生成をモニタリングすることによって、他のエクトヌクレオチダーゼに関する阻害アッセイを行った。ALPL:50mM Tris、20μM ZnCl2、1mM MgCl2を含有する緩衝液(pH9.0)中の、0.1nM ALPL、2μM 4-ニトロフェニルホスフェート、および様々な濃度の阻害剤を室温で。ENPP2:100mM Tris、150mM NaCl、200μM ZnCl2、2mM CaCl2を含有する緩衝液(pH9.0)中の、2nM ENPP2、500μMビス(4-ニトロフェニル)ホスフェート、および様々な濃度の阻害剤。
がん細胞系における排出アッセイ
4T1-Luc、E0771およびMC38細胞を、50μMの化合物1を補給した新しい培地に変更した。表示時間において、培地を採取した。細胞は、PBSを用いてプレートから剥がし、1000rcfにおいてペレット化し、4mLの50:50アセトニトリル:水に溶解し、15,000rcfで遠心分離した。HyperSepアミノプロピルSPEカラムを使用して、上記の通り、cGAMPを培地および細胞の上清から富化して、質量分析による定量に供した。
4T1-Luc腫瘍マウスモデル
7~9週齢の雌BALB/cマウス(Jackson Laboratories)の乳腺脂肪体に、50μLのPBS中に懸濁させた5×104個または5×105個の4T1-Luc-ルシフェラーゼ細胞を接種した。腫瘍体積(長さ2×幅/2で求める)が80mm3~120mm3に到達すると、0.5mm Cuのフィルター付き225kVpキャビネット式X線照射装置(IC250、Kimtron Inc.、CT)を使用して、腫瘍に20Gyの放射線照射を行った。麻酔をかけた動物を、腫瘍が存在するところに15×20mmの隙間を有する3.2mmの鉛製シールドを用いて遮蔽した。IR後の2日目、4日目および7日目に、100μLの100μMの化合物1、および/またはPBS中のcGAMP10μgまたはPBS単独を腫瘍内に注射した。あるいは、IR後、2日目、5日目および7日目に、PBS中の1mM化合物1またはPBS単独を腫瘍内に注射し、200μgの抗CTLA-4 抗体またはSyrianハムスターIgG抗体(どちらもBioXCell)を腹腔内に注射した。異なる処置群に由来するマウスを各ケージに共同収容し、ケージの影響をなくした。検討全体を通して実験者を盲検にした。1日おきに腫瘍体積を記録した。マウス内の相関関係を考慮するため、腫瘍体積を一般化推定式で分析した。各時間点における処置群の一対比較を、多重比較の場合のテューキーの調節を伴う事後検定を使用して行った。Graphpad Prism 7.03を使用して、動物の死亡をカプランマイヤー曲線にプロットし、統計学的有意性をログランクマンテル-コックス検定を使用して評価した。マウスはすべて、Stanford Universityの施設内動物管理委員会の規則を遵守してStanford Universityにおいて維持し、手順はStanford Universityの実験室用動物の世話に関する管理委員会によって承認を受けた。
腫瘍のFACS解析
7~9週齢の雌BALB/c WT(4T1-Luc腫瘍)またはC57BL/6(E0771腫瘍)WT、cGAS-/-またはSTINGgt/gt(STING-/-と称する)マウス(Jackson Laboratories)の乳腺脂肪体に、50μLのPBSに懸濁させた1×106個の腫瘍細胞を接種した。注射をして2日後、腫瘍を記載されている通りに放射線照射し、PBS中の1mM化合物1を100μL、またはPBS単独を注射した。STINGおよびmENPP1を使用する実験の場合、100μMの中和性STINGまたは非結合性STING(R237A)100μL、あるいは700nM mENPP1またはPBSを腫瘍内注射した。翌日に腫瘍を抽出し、20μg/mL DNアーゼI IV型(Sigma-Aldrich)、およびクロストリジウムヒストリチクム(Clostridium histolyticum)に由来する1mg/mLコラゲナーゼ(Sigma-Aldrich)を含むRPMI+10% FBS中、37℃で30分間、インキュベートした。腫瘍を100μmセルストレーナー(Sigma-Aldrich)に通し、赤血球溶解緩衝液(155mM NH4Cl、12mM NaHCO3、0.1mM EDTA)を使用して赤血球を室温で5分間、溶解した。Live/Dead固定近赤外死滅細胞染色キット(Thermo Fisher Scientific)を用いて細胞を染色し、TruStain fcXを使用して10分間、Fc-ブロックし、続いて、CD11c、CD45およびI-A/I-E(すべて、Biolegend)を用いて抗体染色した。SH800Sセルソーター(Sony)またはLSR II(BD Biosciences)を使用して細胞を分析した。統計解析に関して、FlowJo V10ソフトウェア(Treestar)およびPrism 7.04ソフトウェア(Graphpad)を使用してデータを解析し、そして統計学的有意性を、ウェルチの補正を伴う対応のないt検定を使用して評価した。
in vivoイメージング
200μlの水中の3mg XenoLight D-ルシフェリン(Perkin-Elmer)をマウスにip注射し、Lago X in vivoイメージングシステム(Spectral Instruments Imaging)を使用してイメージングした。対物高さを1.5cmに、ビニングを4に、Fストップを1.2に設定し、曝露時間を120秒とした。画像は、aura2.0.1ソフトウェア(Spectral Instruments Imaging)を使用して解析した。
結果
cGAMPは、293T cGAS ENPP1-/-細胞から可溶性因子として排出される
cGAMPが細胞外に存在するという仮説を試験するため、本発明者らは、最初に、複雑な混合物からcGAMPを検出する液体クロマトグラフィー-タンデム型質量分析法(LC-MS/MS)法を開発した。本発明者らは、2つの同位体標識されているcGAMP標準(図1のパネルA)を使用して、基底細胞培養培地および血清含有培地の両方において、cGAMP濃度を0.5nMの低濃度まで定量することができ、本発明者らは、同じ実験において、細胞抽出物から細胞内cGAMP濃度を定量することができる(図1のパネルB、ならびに図8のパネルAおよびB)。本発明者らは、cGASもSTINGも発現しない293T細胞の使用を選択する。本発明者らは、マウスcGASを安定的に発現し、CRISPRを使用してENPP1をノックアウトすることによって、293T cGAS ENPP1low細胞系を生成した(図8のパネルC)。次に、本発明者らは、単一クローンを単離し、293T cGAS ENPP1-/-細胞系を生成した(図8のパネルC)。血清は、ENPP1のタンパク質分解により切断された可溶形態を含有するので、本発明者らは血清不含培地も使用した。本発明者らは、このENPP1不含細胞培養物系を使用して、いかなる刺激もなしに、293T cGAS ENPP1-/-細胞中で一定の低いマイクロモル濃度の基底細胞内cGAMP濃度を検出した(図1のパネルC)。誤ったDNA分離の結果として、がん細胞においてサイトゾルdsDNAが多量に存在するので、これは驚くべきことではない(例えば、Mackenzie, K. J. et al. cGAS surveillance of micronuclei links genome instability to innate immunity. Nature 548, 461-465 (2017); Harding, S. M. Mitotic progression following DNA damage enables pattern recognition within micronuclei. Nature 548, 466-470 (2017);およびBakhoum, S. F. et al. Chromosomal instability drives metastasis through a cytosolic DNA response. Nature 553, 467-472 (2018)を参照されたい)。本発明者らは、新しい培地を細胞に補充した後、30時間後に、細胞外cGAMP濃度の100nMまでの直線的な向上を測定した(図1のパネルD)。30時間時に、細胞の外側のcGAMP分子の数は、内側の数に等しかった(図1のパネルE)。本発明者らは、細胞外ラクトースデヒドロゲネート(dehydrogenate)(LDH)活性に基づいて無視できる程度の細胞死の量を検出し、培地中のcGAMPは生細胞によって排出されることを示唆している(図1のパネルE)。本発明者らは、排出速度(vexport)が、220分子 細胞-1s-1であると計算した(図1のパネルF)。最後に、培地中のcGAMPは、10kDaのフィルターを何ら保持されることなく通過することができ、これは、細胞外ベシクルおよびタンパク質を保持しているはずであり、cGAMPは、自由に可溶性の分子として排出されることを示唆している(図1のパネルH)。
293T細胞によって分泌された細胞外cGAMPは、主に可溶形態にあるが、細胞外ベシクルには存在しないことをさらに確認するため、本発明者らは、レポーターとして、CD14+ヒト末梢血液単核細胞(PBMC)を使用した。これらの細胞は、可溶性cGAMPを吸収し、これにより、IFN-β生成をもたらすことが以前に示されている17。本発明者らは、CD14+ PBMCは、IFNB1を上方調節することによって、可溶性cGAMPのマイクロモル濃度未満の濃度に応答することを観察した(図9)。DNAをトランスフェクトしたcGASを発現する293T cGAS ENPP1low細胞からの馴化培地は、CD14+細胞において、IFNB1発現を誘発したが、DNAをトランスフェクトしたcGASヌル293T細胞からの馴化培地は、誘発しなかった。このことは、この活性が、293T細胞によって生成される細胞外cGAMPの結果であることを示唆している(図1のパネルHおよびI)。精製済みの可溶性組換えマウスENPP1(mENPP1)の添加(図8のパネルD)により、馴化培地中で検出可能なcGAMPが枯渇し、やはりまたこの活性が失われた(図1のパネルHおよびJ)。可溶性ENPP1(MW=約100kDa)は、膜に浸透することができず、したがって、可溶性細胞外cGAMPしか接近することができないので、本発明者らは、293T細胞が可溶性cGAMPを分泌すると結論付ける。まとめると、本発明者らのデータは、この人工的ながん細胞系は、細胞内cGAMPを細胞外培地に可溶性因子として排出することによって、その細胞内cGAMPを定常状態に維持することを実証している。
図1のパネルA~J:cGAMPは、293T cGAS ENPP1-/-細胞から、可溶性因子として排出される。a、cGAMPおよび単一同位体標識されているcGAMPの化学構造、b、cGAMPはLC-MS/MSにより検出される。定量の下限値=4nM。(左)0、4および10nMにおけるcGAMP、ならびに内部標準としての500nMでの単一同位体標識cGAMP(15Da重い)の液体クロマトグラフィートレース;(右)cGAMPの外部標準曲線、R2=0.996。データは、10より多い独立実験の代表である。c~d、LC-MS/MSを使用して測定される、外因性刺激のない293T cGAS ENPP1-/-細胞からの、cGAMPの細胞内および細胞外濃度。0時間時に、細胞に血清不含培地を補充した。可視化するには小さ過ぎる、いくつかのエラーバーを伴う平均値±標準誤差(n=2)。データは、3回の独立実験の代表である。e、細胞外/合計ラクトースデヒドロゲネート(LDH)活性の割合(右側のy軸)と比較した、(c)および(d)におけるデータから計算した、細胞外/全cGAMP分子の割合(左側のy軸)。f、(d)におけるデータから計算した、経時的な細胞あたり排出されたcGAMPの量。排出速度は、線形回帰を使用して見出した。g、10kDaフィルターに培地を通す前および後に測定した、293T cGAS ENPP1-/-細胞によって生成される細胞内および細胞外cGAMP濃度。平均値±標準誤差(n=2)。データは、2つの独立実験の代表である。h、(i)および(j)に関する馴化培地移送実験の概略図。cGASヌル293Tまたは293T cGAS ENPP1low細胞に、空のpcDNAベクターをトランスフェクトし、+/- 20nM組換えマウスENPP1(mENPP1)により処置した。これらの細胞からの馴化培地を一次CD14+ ヒトPBMCに移送した。i、IFNB1 mRNAレベルをCD14に正規化し、誘導倍率を未処置CD14+細胞と比較して計算した。平均値±標準誤差(n=4)。***P=0.0003(一元配置ANOVA)。cGAMP濃度は馴化培地中で測定した。平均値±標準誤差(n=2)。***P=0.0002(一元配置ANOVA)。データは、2つの独立実験の代表である。j、IFNB1 mRNAレベルをCD14に正規化し、誘導倍率を未処置CD14+細胞と比較して計算した。平均値±標準誤差(n=2)。*P=0.04(一元配置ANOVA)。cGAMP濃度は馴化培地中で測定した。平均値±標準誤差(n=2)。**P=0.002(一元配置ANOVA)。データは、2つの独立実験の代表である。
図8のパネルA~D:LC-MS/MS法の開発、ならびに293T cGAS ENPP1lowおよび293T cGAS ENPP1-/-細胞系の構築。a、0、20および80nMにおけるcGAMP;500nMにおける単一同位体標識内部標準cGAMP(15Da重い);ならびに2μMの二重同位体標識抽出標準cGAMP(30Da重い)の液体クロマトグラフィーのトレース。すべての分析対象の化学構造。b、LC-MS/MSによって測定されるATP濃度に対する細胞数の較正。平均値±標準誤差(n=2)。c、ウエスタンブロットによって分析した、293T、293T cGAS ENPP1-/-および293T cGAS ENPP1low細胞系のcGAS発現量(左)。TLCおよびオートラジオグラフィーによって測定される、293T cGAS、293T cGAS ENPP1-/-および293T cGAS ENPP1low細胞の各々の100万個からの全細胞溶解物中の32P-cGAMPのENPP1加水分解活性(右)。溶解物データは、2回の独立実験の代表である。d、培地から精製した組換えマウスENPP1のクーマシーゲル;溶出フラクションは、使用前にプールした(左)。TLCによって分析したマウスENPP1による32P-cGAMP分解(右)。
図9のパネルA:CD14+ PBMCは、細胞外cGAMPに応答する。a、細胞外cGAMPによるCD14+ PBMCの刺激の概略図。b、16時間、細胞外cGAMPの濃度を向上させて刺激したヒトCD14+ PMBCに関するRT-qPCRによって測定したIFNB1誘発。平均値±標準誤差(n=2、技術的qPCR反復)。
ENPP1は、細胞外cGAMPのみを調節する
本発明者らは、293T細胞に由来するENPP1をノックアウトして、この細胞をENPP1不含培地中で培養すると、細胞外cGAMPを最初に観察することができたので、本発明者らは、次に、細胞外cGAMPしかENPP1によって調節されないかどうかを検討した。ENPP1は、その細胞外注釈があるにも関わらず、酵素であるCD38の場合のように膜表面の配向を反転させることができること(例えば、Zhao, Y. J., Lam, C. M. C. & Lee, H. C. The membrane-bound enzyme CD38 exists in two opposing orientations. Sci. Signal. 5, ra67 (2012)を参照されたい)、またはENPP1は、ERルーメンにおいて合成されると活性化され得ること、およびcGAMPはER膜を通過することができることが考えられる(図2のパネルA)。ENPP1活性の局在化を検討するために、本発明者らは、293T cGAS ENPP1-/-細胞にヒトENPP1発現プラスミドをトランスフェクトし、全細胞溶解物におけるその活性を確認した(図2のパネルB)。無傷細胞では、ENPP1発現は、細胞外cGAMPを枯渇させるが、細胞内cGAMP濃度に影響を及ぼさない(図2のパネルC)。したがって、これらの細胞では、細胞外cGAMPはENPP1によって調節されるが、細胞内cGAMPは調節されない。
図2のパネルA~C:ENPP1は細胞外cGAMPのみを調節する。a、ENPP1活性の3つの可能な細胞位置。b、293T cGAS ENPP1-/-細胞に、空のベクターまたはヒトENPP1を含有するベクターをトランスフェクトし、24時間後にウエスタンブロットを使用して、ENPP1タンパク質発現量について(上)、および薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用してENPP1 32P-cGAMP加水分解活性について(下)分析した。データは、2つの独立実験の代表である。c、LC-MS/MSを使用して測定した細胞内および細胞外cGAMP濃度。BQL=定量限界値未満。平均値±標準誤差(n=2)。**P=0.002(スチューデントのt検定)。データは、3回の独立実験の代表である。
細胞非透過性ENPP1阻害剤の開発
細胞外cGAMPの生理的関連性、およびcGAMPが特異的ヒドロラーゼによって調節される必要がある理由を検討するため、本発明者らは、ENPP1を薬理学的に阻害することによって、その濃度を操作しようとした。本発明者らは、非特異的ENPP1阻害剤であるQS1を最初に試験した(図10のパネルA)(Patel, S. D. et al. Quinazolin-4-piperidin-4-methyl sulfamide PC-1 inhibitors: Alleviating hERG interactions through structure based design. Bioorganic Med. Chem. Lett. 19, 3339-3343 (2009); and Shayhidin, E. E. et al. Quinazoline-4-piperidine sulfamides are specific inhibitors of human NPP1 and prevent pathological mineralization of valve interstitial cells. Br. J. Pharmacol. 172, 4189-4199 (2015))。QS1は、ENPP1を過剰発現する細胞では、細胞外cGAMP分解を阻害することができるが、これは、ENPP1ノックアウト細胞では、cGAMPの排出を部分的に遮断もした(図10のパネルB)。QS1処置細胞により、細胞内cGAMPが向上し、排出は、がん細胞においてcGAMPホメオスタシスを維持するための重要な機構であることをやはり実証している。排出遮断活性のために、本発明者らの排出検討では、細胞外cGAMPを検討するための手段としてQS1が除外される。ホスホネートアナログである化合物1は、ENPP1触媒部位において、Zn2+とキレート形成するよう、および細胞透過性を最小化するよう、および細胞内オフターゲットを回避するよう設計した(図3のパネルA)。化合物1は、110±10nMとなるKi,appを有し(図3のパネルB)、これは、QS1よりも約60倍、強力である(図10のパネルA)。
本発明者らは、3つの独立した透過性アッセイ:並行した人工膜透過性アッセイ(PAMPA)(図11のパネルA);腸細胞Caco-2透過性アッセイ(図11のパネルB);および上皮細胞MDCK透過性アッセイ(図11のパネルC)を行うことによって、化合物1が細胞非透過性であることを確認した。高い細胞透過性および低い細胞透過性を有する対照化合物に比べると、化合物1は、3つのすべてのアッセイにおいて、非透過性化合物の分類に入る。さらに、化合物1は、密接に関連しているエクトヌクレオチダーゼであるアルカリホスファターゼ(Ki,app>100μM)およびENPP2(Ki,app=5.5μM)に対する活性は低い(図11のパネルD)。本発明者らは、化合物1は、その低い細胞透過性のために細胞内オフターゲットを有すると予期していないが、本発明者らは、468種のキナーゼのパネルに対するその結合を試験して、その特異性をさらに決定した。AMPに対して構造的類似性があるにもかかわらず、化合物1は、1μMで2種のキナーゼにしか結合しない(図11のパネルE)。化合物1はまた、ヒトとマウスとの両方の肝臓ミクロソームにおいて、高い安定性(t1/2>159分間)を示す。まとめると、本発明者らは、化合物1が強力な、細胞非透過性の特異的かつ安定なENPP1阻害剤であることを実証した。
次に、本発明者らは、ENPP1を過剰発現する293T cGAS細胞の細胞外cGAMP濃度を維持する際の化合物1の有効性を測定して、340±160nMとなるIC50値を得て(図3のパネルC)、細胞外cGAMP分解を完全に遮断するのに10μMで十分であった(図3のパネルD)。QS1と異なり、化合物1は、細胞内cGAMPに影響を及ぼさず、化合物1は、cGAMPの排出に影響を及ぼさないことを実証した(図3のパネルD)。したがって、化合物1は、細胞外cGAMP濃度を特異的に増大する、優れたENPP1阻害剤の手段化合物である。
最後に、本発明者らは、CD14+ PBMCに対して検出可能な細胞外cGAMPシグナルの増強における化合物1の有効性を試験した。本発明者らは、化合物1が、使用した濃度では、PBMCに対して毒性がないことを最初に確認した(図11のパネルF)。ENPP1を過剰発現する293T cGAS細胞に由来する馴化培地は、CD14+細胞において、IFNB1発現を誘発できなかった(図3のパネルEおよびF)。しかし、化合物1は、培地中の細胞外cGAMPレベル、およびCD14+細胞におけるIFNB1発現の誘発をレスキューした(図3のパネルF)。これらの結果は、膜貫通タンパク質としての潜在的な足場効果のない、ENPP1の酵素活性は、CD14+ PBMCによる細胞外cGAMPへの応答を抑制することを実証している。まとめると、本発明者らのデータは、細胞外cGAMPレベルは、ENPP1発現によって低下し得ること、およびENPP1阻害によって向上し得ることを示唆しており、これらのことは、CD14+ PBMCのin vitroでの活性化に影響を及ぼす。
図3のパネルA~F:細胞非透過性ENPP1阻害剤の活性。a、化合物1の化学構造。b、pH7.5における、基質としての32P-cGAMPを有する精製マウスENPP1に対する化合物1の阻害活性(Ki,app=110±10nM)。可視化するには小さ過ぎるいくつかのエラーバーを伴う平均値±標準誤差(n=3の独立実験)。c、293T cGAS ENPP1-/-細胞において一過的に発現されるヒトENPP1に対する化合物1の阻害活性(IC50=340±160nM)。平均値±標準誤差(n=2)。d、10μMの化合物1の存在下または非存在下で、空のpcDNAベクターまたはヒトENPP1を含有するベクターをトランスフェクトした293T cGAS ENPP1-/-細胞に関する細胞内および細胞外cGAMP濃度。BQL=定量限界値未満。平均値±標準誤差(n=3)。****P<0.0001(一元配置ANOVA)。データは、2つの独立実験の代表である。e、馴化培地実験の概略図。293T cGAS ENPP1low細胞に、ヒトENPP1を含有するベクターをトランスフェクトし、化合物1の存在下または非存在下でインキュベートした。これらの細胞からの馴化培地を一次CD14+ヒトPBMCに移送した。f、IFNB1 mRNAレベルをCD14に正規化し、誘導倍率を未処置CD14+細胞と比較して計算した。平均値±標準誤差(n=2)。**P=0.007(一元配置ANOVA)。cGAMP濃度は馴化培地中で測定した。平均値±標準誤差(n=2)。**P=0.006(一元配置ANOVA)。データは、2つの独立実験の代表である。
図10のパネルA~B:QS1に比べた化合物1の改善。
a、QS1の構造、およびpH7.5における、基質として32P-cGAMPを用いる精製マウスENPP1に対するその阻害活性(化合物1との比較)(QS1 Ki,app=6.4±3.2μM)。平均値±標準誤差(n=2独立実験)。b、QS1の存在下または非存在下で、空のベクターまたはヒトENPP1を含有するベクターをトランスフェクトした293T cGAS ENPP1-/-細胞に関する細胞内、細胞外および全cGAMP。平均値±標準誤差(n=2)。*P<0.05。**P<0.01(一元配置ANOVA)。
図11のパネルA~F:化合物1は、細胞非透過性で、ENPP1に特異的かつ非毒性である。a、人工膜透過性アッセイ(PAMPA)における化合物1の透過性。b、腸細胞Caco-2アッセイにおける化合物1の透過性。PA=ピーク面積、IS=内部標準。化合物1、アテノロール(低い受動性透過性ネガティブ対照)およびプロプラノロール(高い受動性透過性ポジティブ対照)を含む化合物を、2時間、Caco-2単層の頂端側でインキュベートした。基底外側にある化合物の濃度をLC-MS/MSによってモニタリングした。見かけ透過速度(Papp)は、傾きから計算した。データは、2つの独立実験の代表である。c、上皮細胞MDCK透過性アッセイにおける化合物1の透過性。d、アルカリホスファターゼ(ALPL)およびENPP2に対する、化合物1の阻害活性。平均値±標準誤差(n=2)。e、対照の百分率としての、キナーゼ阻害を図示する化合物1に関するキノーム相互作用マップ(試験した468種のキナーゼ)。TREEspot(商標)ソフトウェアツールを使用して生成し、KINOMEscan(登録商標)、DiscoveRx Corporationの1部門DiscoveRXから許可を得て転載した画像。DiscoveRx Corporation2010(著作権)。f、CellTiterGloによって測定した細胞生存率。全PBMCおよびCD14+ PBMCを化合物1と共に16時間、インキュベートし、次に、CellTiterGloを使用してATPレベルについてアッセイした。データを化合物1がない場合に正規化し、%細胞生存率を計算した。
がん細胞は、培養物中でcGASを発現して、cGAMPを連続的に排出する
細胞外cGAMPが、in vivoでがん細胞により分泌される危険シグナルとして機能し得るかどうかを判定するため、本発明者らは、最初に、cGAMPを排出する腫瘍モデルを特定しようとした。本発明者らは、培養物中で、1つのヒト(MDA-MB-231)および3つのマウスがん細胞系(E0771、MC38、およびin vivoでのイメージングのためのルシフェラーゼを発現する4T1細胞系である4T1-Luc)を試験し、これらはすべて、cGASを発現する(図4のパネルA)。これらの細胞における細胞内cGAMP濃度を検出することは困難である。しかし、余分の濃度および精製工程を使用して、本発明者らは、4T1-Luc細胞において、5.8×10-10nmol/細胞(約150nM)の細胞内cGAMPを検出することができた(図4のパネルB)。shRNAを使用してcGASをノックダウンすると、cGASタンパク質レベルの低下をもたらして、細胞内cGAMPレベルが低下し、cGAS発現は、4T1-Luc細胞に存在するcGAMPの量を制御することを実証している(図12のパネルAおよびB)。細胞培養培地において、細胞表面および可溶性ENPP1を阻害する化合物1を使用して、本発明者らは、これらの細胞系のすべてにおいて、連続的なcGAMP排出を検出し、細胞外cGAMPレベルは、48時間で約6×10-9nmol/細胞(培地に希釈すると、約10nM)に到達した(図4のパネルCおよびD、ならびに図12のパネルCおよびD)。驚くべきことに、これは、細胞内に存在するcGAMPの約10倍の量であり、がん細胞は、そのcGAMPを排出によって効率的に一掃することを示唆している。電離放射線(IR)は、腫瘍細胞において、サイトゾルDNAを増加させて、cGAS依存的IFN-β生成を活性化することができる(例えばBakhoum, S. F. et al. Numerical chromosomal instability mediates susceptibility to radiation treatment. Nat. Commun. 6, 1-10 (2015);およびVanpouille-Box, C. et al. DNA exonuclease Trex1 regulates radiotherapy-induced tumour immunogenicity. Nat. Commun. 8, 15618 (2017)を参照されたい)。実際に、IR処置によっても、2日後に4T1-Luc細胞において、細胞外cGAMP生成が増大した(図4のパネルEおよび図12のパネルE)。まとめると、本発明者らのデータは、これらのがん細胞系は、cGAMPを絶えず生成して、これを効率的に排出し、IRによって刺激されて、一層多くの細胞外cGAMPを生成することができることを実証している。
図4のパネルA~E:がん細胞は、培養物中でcGASを発現して、cGAMPを連続的に排出する。a、ウエスタンブロットにより分析した4T1-Luc、E0771、MDA-MB-231およびMC38のcGAS発現。b、外因性刺激のない場合の、4T1-Luc細胞における細胞内cGAMPの濃度の推定。平均値±標準誤差(n=2)。c、48時間にわたる、MC38細胞により生成される細胞外cGAMP。時間0時において、50μMの化合物1を補給した培地を用いて細胞を新しくした。平均値±標準誤差(n=2)。データは、2つの独立実験の代表である。d、50μMの化合物1の存在下、48時間後に測定した、4T1-Luc、E0771およびMDA-MB-231細胞により生成した細胞外cGAMP。BQL=定量限界値未満。平均値±標準誤差(n=2)。e、48時間にわたる、4T1-Luc細胞により生成される細胞外cGAMP。時間0時において、細胞を未処置のまま放置するか、または20Gy IRにより処置し、50μMの化合物1を補給した培地で新しくした。平均値±標準誤差(n=2)。*P=0.04(スチューデントのt検定)。
図12のパネルA~E:がん細胞は、培養物中で、cGAMPを連続的に排出する。a、ウエスタンブロットによって分析した4T1-Luc WTおよび4T1-Luc shcGAS細胞系のcGAS発現量。b、外因性刺激のない、4T1-Luc WTおよび4T1-Luc shcGAS細胞系の細胞内cGAMP。平均値±標準誤差(n=2)。4T1-Luc WTのデータは、比較のため、図4のパネルbからの再提示である。c、図4のパネルcに示されている実験の細胞外cGAMP(培地濃度単位で図示)。d、図4のパネルdに示されている実験の細胞外cGAMP(培地濃度単位で図示)。BQL=定量限界値未満。平均値±標準誤差(n=2)。e、図4のパネルcに示されている実験の細胞外cGAMP(培地濃度単位で図示)。平均値±標準誤差(n=2)。**P=0.004(スチューデントのt検定)。
細胞外cGAMPの隔離により、腫瘍cGASおよび宿主STINGに依存して、腫瘍関連樹状細胞が低下する
腫瘍では、細胞外空間は、細胞内空間の体積の0.3~0.8倍と推定される28。しかし、細胞培養物では、細胞外空間の体積は、細胞内空間の体積の約250~1000倍である。本発明者らは、1×106個の細胞あたり、培養培地1mLを使用し、細胞体積は約1~4pLと推定して、この計算を行う。したがって、本発明者らの細胞培養物の系は、腫瘍微小環境中と比べて、300~3000倍細胞外空間を希釈する。この希釈係数、およびin vitroにおいてがん細胞により排出される細胞外cGAMPはナノモル濃度であるという本発明者らの測定値を考慮すると、本発明者らは、腫瘍微小環境における細胞外cGAMPは、腫瘍細胞の自然免疫認識をもたらし得る、マイクロモル濃度の範囲に到達し得ると予想する。本発明者らのin vitroでの細胞実験の限界を認識したので、本発明者らは、in vivo実験に戻り、細胞外cGAMPの役割を検討した(図5のパネルA)。最初に、本発明者らは、腫瘍細胞におけるcGASをノックアウトすることによって、腫瘍対宿主cGAMPの重要性を判定しようとし(図13のパネルA)、C57BL/6バックグラウンドにおいて、cGAS-/-およびSTING-/-マウスを利用した。本発明者らはまた、細胞外cGAMPを特異的に隔離するための手段として、中和剤も開発した(図5のパネルA)。本発明者らは、STINGの可溶性サイトゾルドメインを利用し(図5のパネルB)、これは、Kd73±14nMでcGAMPに結合する(図5のパネルC)。本発明者らは、非結合性STING対照として、R237A変異体STING(例えば、Gao, P. et al., Cell 154, 748-762 (2013)を参照されたい)も生成した(図5のパネルB~D)。細胞培養物中のこれらのタンパク質の中和有効性を試験するため、本発明者らは、CD14+ PBMCを使用した。野生型(WT)STING(中和性STING)は、予期される2:1の化学量論で細胞外cGAMPを中和することが可能である一方、非結合性STINGは、200倍高い濃度の場合でさえも効果がなかった(図5のパネルE)。
本発明者らは、マウスにおけるE0771同所性腫瘍を確立し、次いで、中和性STINGを腫瘍内注射を行って細胞外cGAMPを枯渇させて、腫瘍関連白血球を染色するために腫瘍を切除した。WT E0771腫瘍では、中和性STINGにより、全CD45+/MHC-II+腫瘍関連抗原提示細胞(APC)集団において、CD11c+樹状細胞集団が顕著に低下し、細胞外cGAMPは、免疫系によって検出され得ることを示唆する(図5のパネルFおよびG、ならびに図13のパネルB)。細胞外cGAMPの枯渇はまた、腫瘍がcGAS-/-マウスにおいて成長すると、CD11c+集団を減少させ、宿主細胞は、細胞外cGAMP生成に有意に寄与しないことを示唆している(図5のパネルG、および図13のパネルB)。対照的に、細胞外cGAMPの枯渇は、cGAS-/- E0771細胞(複数のクローンをプールして、完全なノックアウトを実現したが、クローン効果を最小限にした)またはSTING-/-マウスを使用した場合、CD11c+集団に影響を及ぼさなかった。これは、宿主細胞ではなく腫瘍細胞が、細胞外cGAMPの主要生産体であり、次に、細胞外cGAMPは、宿主STINGによって感知されることを実証している(図5のパネルGおよび図13のパネルB)。本発明者らはまた、BALB/cバックグラウンドにおいて、同所性4T1-Luc腫瘍モデルを試験した。cGASおよびSTINGノックアウト株は、このバックグラウンドにおいて確立されなかったが、本発明者らは、4T1-Luc腫瘍においてcGASをノックアウトした。CD45+/MHC II+集団において、中和性STINGの、WT 4T1-Luc腫瘍への腫瘍内注射により、腫瘍関連CD11c+集団が顕著に低下した(図5のパネルH、および図13のパネルC)。対照的に、細胞外cGAMPの枯渇は、cGAS-/- 4T1-Luc腫瘍には影響を及ぼさなかった(図5のパネルH、および図13のパネルC)。本発明者らはまた、mENPP1タンパク質の腫瘍内注射によって細胞外cGAMPを枯渇し(図8のパネルD)、CD45+/MHC II+集団において、CD11c+細胞が低下することが再度、観察された(図5のパネルI、および図13のパネルD)。本発明者らのE0771および4T1-Lucモデルの結果は一緒に、腫瘍細胞によって生成した細胞外cGAMPは、宿主STINGに依存的であるが、宿主cGASに無関係に、自然免疫応答を活性化することを実証している。まとめると、本発明者らのデータは、がん細胞によって生成する細胞外cGAMPは、自然免疫応答を誘発する危険シグナルであることを実証している。
図5のパネルA~I:細胞外cGAMPの隔離により、腫瘍cGASおよび宿主STINGに依存的に、腫瘍関連樹状細胞が低下する。a、in vivoで、細胞外cGAMPの役割を評価するための実験の段取り。b、組換えマウスWT STINGおよびR237A STINGのクーマシーゲル。c、プローブとして、放射標識した35S-cGAMPを使用する、膜結合アッセイによって求めた、マウスWT STING(中和性)およびR237A STING(非結合性)のサイトゾルドメインの結合曲線。平均値±標準誤差(2つの独立実験からn=2)。d、R237をピンク色で強調したcGAMPを有する複合体におけるマウスWT STINGの結晶構造(PDB ID 4LOJ)。e、中和性STINGまたは非結合性STING(2μM~100μM、2.5倍希釈液)の存在下で、2μMのcGAMPにより処置したCD14+ PBMCにおける、IFNB1 mRNAの誘導倍率。平均値±標準誤差(n=2、技術的qPCR反復)。f、WTまたはcGAS-/-E0771細胞(1×106)を、0日目にWT、cGAS-/-またはSTING-/- C57BL/6Jマウスに同所的に注射した。中和性(WTマウスn=5;cGAS-/-マウス、n=5;STING-/-マウス、n=4)または非結合性STING(WTマウス、n=5;cGAS-/-マウス、n=4;STING-/-マウス、n=5)を2日目に、腫瘍内注射した。3日目に、腫瘍を取得し、FACSにより分析した。試料をFSC-A/SSC-A、シングレット(FSC-W)、生細胞、CD45+、MHC II+、CD11c+集団における細胞表面でゲートした。g、全APCのCD11c+細胞の百分率。平均値±標準偏差。*P=0.015。**P=0.008(ウェルチのt検定)。h、WT BALB/cJマウスにおいて、WT(中和性STING、n=3;非結合性STING、n=2)またはcGAS-/- 4T1-Luc細胞(n=5)を用いて、(f)および(g)においてと同じ手順を行った。平均値±標準偏差。*P=0.011。(ウェルチのt検定)。i、0日目に、WT BALB/cJマウスに4T1-Luc細胞(1×106)を同所的に注射した。2日目に、PBS(n=5)または組換えマウスENPP1(mENPP1)(n=6)を腫瘍内注射した。3日目に、腫瘍を取得し、FACSにより分析した。平均値±標準偏差。*P=0.033。(ウェルチのt検定)。
図13のパネルA~D:細胞外cGAMPの隔離により、腫瘍cGASおよび宿主STINGに依存的に、腫瘍関連樹状細胞が低下する。a、CRISPRノックアウトプールからサブクローニングした、E0771(左)および4T1-Luc(右)cGAS-/-細胞。E0771 cGAS-/-のサブクローン1、2、4、6、8および9は、マウスへの注射前にプールした。4T1-Luc cGAS-/-のサブクローン4、7および8は、マウスへの注射前にプールした。b、図5gに示されている実験の幾何平均。平均値±標準偏差。*P=0.049(WT腫瘍/WT宿主)。*P=0.015(WT腫瘍/cGAS-/-宿主)。(ウェルチのt検定)。c、図5hに示されている実験の幾何平均。平均値±標準偏差。**P=0.009(ウェルチのt検定)。d、図5iに示されている実験の幾何平均。平均値±標準偏差。*P<0.015(ウェルチのt検定)。
ENPP1活性を低下させることにより細胞外cGAMPを向上させると、樹状細胞浸潤が増加し、乳房腫瘍はさらに処置可能になる。
ENPP1は、一部の乳がんにおいて高度に発現され、そのレベルは、予後不良と相関づけられている(例えば、Lau, W. M. et al. Enpp1: A Potential Facilitator of Breast Cancer Bone Metastasis. PLoS One 8, 1-5 (2013); Takahashi, R. U. et al. Loss of microRNA-27b contributes to breast cancer stem cell generation by activating ENPP1. Nat. Commun. 6, 1-15 (2015);およびUmar, A. et al. Identification of a Putative Protein Profile Associated with Tamoxifen Therapy Resistance in Breast Cancer. Mol. Cell. Proteomics 8, 1278-1294 (2009)を参照されたい)。高いENPP1発現量は、乳がんが細胞外cGAMPを枯渇させて、免疫検出を抑制するために利用する機構となり得る。本発明者らは、3種のトリプルネガティブ乳がん細胞である4T1-Luc、E0771およびMDA-MB-231におけるENPP1活性を測定し、MDA-MB-231および4T1-Lucは、高いENPP1活性を示した(図14のパネルA)。したがって、本発明者らは、腫瘍免疫検出、成長および処置に対する応答に及ぼすENPP1の効果をプローブするため、トリプルネガティブ転移性および同所性4T1-Lucマウスモデルを選択する。
本発明者らは、最初に、腫瘍浸潤樹状細胞に及ぼすENPP1の影響を試験した。本発明者らは、4T1-Luc細胞におけるENPP1をノックアウトして、その酵素活性が欠如していることによってクローンを検証し(市販のENPP1抗体は、ノックアウトを検証するほど十分な感度がない)、複数のクローンをプールして、クローン効果を最小化した(図14のパネルB)。4T1-Luc埋め込み後に、本発明者らは、cGAMP生成を誘導するため、20Gy IRの線量で腫瘍を処置し、24時間後に腫瘍を切除して、その腫瘍関連白血球組成を分析した。ENPP1-/-腫瘍は、WT腫瘍よりも大きな腫瘍関連CD11c+集団を有する(図6のパネルAおよび図14のパネルC)。次に、本発明者らは、4T1-Luc腫瘍の免疫拒絶に及ぼすENPP1の影響を試験した。これは、腫瘍を埋め込んで2週間以内に肺に通常、転移する侵襲性腫瘍モデルである(Pulaski, B. A. & Ostrand-Rosenberg, S. Reduction of Established Spontaneous Mammary Carcinoma Metastases following Immunotherapy with Major Histocompatibility Complex Class II and B7.1 Cell-based Tumor Vaccines. Cancer Res. 58, 1486-1493 (1998))。ENPP1-/-腫瘍が100mm3に到達する前のこの腫瘍の初期腫瘍成長速度は、WT腫瘍と同じであり、このことは、本発明者らが、ゆっくりと成長するクローンを選択しなかったことを示唆している(図14のパネルD)。しかし、確立されたENPP1-/-腫瘍は、侵襲性が低く(図6のパネルB)、IRに対して一層の応答が高い(図6のパネルB)。IRがない場合、適応免疫チェックポイント遮断薬である抗CTLA-4は、腫瘍の収縮に際し、ENPP1-/-と相乗作用しない(図14のパネルEおよびF)。顕著なことに、本発明者らは、IRをcGAMP生成の誘導に使用すると、抗CTLA-4は、ENPP1-/- 腫瘍を40%治癒したが、WT腫瘍を何ら治癒しなかった(図6のパネルC)。細胞外cGAMPの直接的な腫瘍内注射は、WT腫瘍よりもENPP1-/-腫瘍において効果的であり、抗CTLA-4の存在なしにIRと相乗作用して、マウスの30%を治癒する(図6のパネルD)。まとめると、ENPP1は、4T1-Luc腫瘍の自然免疫検出である細胞外cGAMPを抑制し、IRへのその応答、および適応免疫チェックポイント遮断に負に影響を及ぼす。
図6のパネルA~D:ENPP1-/-腫瘍は、自然免疫浸潤を動員し、侵襲性が低く、かつIRおよび抗CTLA-4治療法への感受性がより高い。a、0日目に、WT BALB/cJマウスにWTまたはENPP1-/-4T1-Luc細胞(1×106)を同所的に注射した(各群について、n=5)。2日目に腫瘍を20GyのIRにより処置した。3日目に、腫瘍を取得し、FACSにより分析した。複数のENPP1-/- 4T1-Luc細胞クローンをプールした後、注射し、クローン効果を最小限にした。**P=0.008(ウェルチのt検定)。b、確立したWTまたはENPP1-/- 4T1-Luc腫瘍(100±20mm3)を0Gyまたは20GyのIRで1回、処置し、次いでIR後の2日目、5日目および7日目にIgGの3回の腹腔内注射を行った(WT 4T1-Lucの場合、n=9、ENPP1-/- 4T1-Lucの場合、n=10)。腫瘍体積およびカプランマイヤー曲線を示す。20日目にテューキーの調節を用いる事後検定(腫瘍体積)、およびログランクマンテル-コックス検定(カプランマイヤー)を使用して、一対比較によりP値を求めた。****P<0.0001。c、確立したWTまたはENPP1-/- 4T1-Luc腫瘍(100±20mm3)を0Gyまたは20GyのIRで1回、処置し、次いで、IR後の2日目、5日目および7日目に抗CTLA-4の3回の腹腔内注射を行った(すべての群に関して、n=10)。腫瘍体積およびカプランマイヤー曲線を示す。20日目にテューキーの調節を用いる事後検定(腫瘍体積)、およびログランクマンテル-コックス検定(カプランマイヤー)を使用して、一対比較によりP値を求めた。****P<0.0001。ENPP1-/- 4T1-Luc+IR(20)+抗CTLA-4処置群において、4/10(40%)のマウスは、生物発光イメージングによって検証した腫瘍不含生存者である。d、スクランブルsgRNA配列を感染させて確立した4T1-Luc腫瘍、またはENPP1-/- 4T1-Luc腫瘍(100±20mm3)を20GyのIRで1回、処置し、次いで、IR後の2日目、4日目および7日目に10μgのcGAMPの3回の腹腔内注射を行った(両群に関して、n=10)。腫瘍体積およびカプランマイヤー曲線を示す。20日目にテューキーの調節を用いる事後検定(腫瘍体積)、およびログランクマンテル-コックス検定(カプランマイヤー)を使用して、一対比較によりP値を求めた。*P<0.05、****P<0.0001。ENPP1-/- 4T1-Luc+IR(20)cGAMP処置群では、3/10(30%)のマウスは、生物発光イメージングによって検証した腫瘍不含生存者である。b~dにおける異なる処置群からのマウスを共同収容し、実験者を盲検にした。
図14のパネルA~F:確立されたENPP1-/-腫瘍は、腫瘍関連樹状細胞の増加をもたらし、侵襲性が低く、かつIRおよび抗CTLA-4治療法に感受性がより高い。a、32P-cGAMP分解アッセイを使用する、4T1-Luc、E0771およびMDA-MB231細胞におけるENPP1活性。データは、3回の独立実験の代表である。b、32P-cGAMP分解アッセイを使用する、ENPP1-/- 4T1-Lucクローンの検証。異なるクローンに由来する溶解物をタンパク質濃度によって正規化した。マウスへの注射前に、ENPP1-/- 4T1-Luc クローン2~6および13~18をプールした。c、図6aに示されている実験の幾何平均。平均値±標準偏差。*P=0.012(ウェルチのt検定)。d、(左)処置した当日における、WT(n=55)対ENPP1-/-(n=55)4T1-Luc細胞の腫瘍体積;(右)腫瘍体積/100mm3±20mm3のサイズに到達するために必要な日数として表される、初期腫瘍成長速度。平均値±標準偏差(ウェルチのt検定)。e、腫瘍を有するマウスの生物発光画像。f、IgGと抗CTLA-4処置群との間の比較を強調するための、図6a、bに示されているデータの再プロット。腫瘍が必要なサイズに到達した後の、2日目、5日目および7日目に、確立したWTまたはENPP1-/- 4T1-Luc腫瘍(100±20mm3)に、IgGまたは抗CTLA-4の3回の腹腔内注射により処置した(WT 4T1-Luc+IgGの場合、n=9、すべての他の群に関してn=10)。腫瘍体積およびカプランマイヤー曲線を示す。20日目にテューキーの調節を用いる事後検定(腫瘍体積)、およびログランクマンテル-コックス検定(カプランマイヤー)を使用して、一対比較によりP値を求めた。
本発明者らの遺伝的結果は、ENPP1が薬理学的阻害に対する潜在的標的であることを示唆している。本発明者らが開発したENPP1阻害剤である化合物1は、腫瘍内に注射されると、迅速なクリアランスを示す。本発明者らは、医薬品会社が通常、薬物開発の後期段階で通常行う、投与経路の広範囲な検討、および対応する製剤の最適化なしに、化合物1がin vivoで効果を有するかどうかを求めた。本発明者らは、IR処置直後に化合物1を腫瘍に注射し、24時間後に、腫瘍関連CD11c+集団が増加したことを観察した(図7のパネルAおよび図15)。驚くべきことに、化合物1は、IRおよび抗CTLA-4と相乗作用し、10%治癒率を実現した(図7のパネルB)。最後に、化合物1は、IRおよびcGAMPと相乗作用して腫瘍を収縮し、生存を延長し、10%治癒率を実現したことが観察された(図7のパネルC)。まとめると、これらの結果は、ENPP1が、薬理学的な標的の対象となり、がんの自然免疫認識が増強され得ることを実証している。
図7のパネルA~C:ENPP1阻害は、IR処置および抗CTLA-4と相乗作用し、抗腫瘍作用を発揮する。a、0日目に、WT BALB/cJマウスに4T1-Luc細胞(1×106)を同所的に注射した。2日目に、腫瘍を20GyのIRにより処置し、PBS(n=4)または化合物1(n=5)を腫瘍内注射した。3日目に腫瘍を取得し、FACSにより分析した。*P=0.047(ウェルチのt検定)。b、確立された4T1-Luc腫瘍(100±20mm3)を20GyのIRにより一旦、処置し、次いで、2日目、4日目および7日目に、PBSまたは化合物1を3回腫瘍内注射し、2日目、5日目および7日目に抗CTLA-4の腹腔内注射を行った(すべての処置群あたり、n=17~19)。腫瘍体積およびカプランマイヤー曲線を示す。40日目にテューキーの調節を用いる事後検定(腫瘍体積)、およびログランクマンテル-コックス検定(カプランマイヤー)を使用して、一対比較によりP値を求めた。c、確立された4T1-Luc腫瘍(100±20mm3)を20GyのIRにより一旦、処置し、次いで、IR後の2日目、4日目および7日目に、cGAMPを単独で、またはcGAMP+化合物1の3回腫瘍内注射を行った(処置群あたり、n=9)。腫瘍体積およびカプランマイヤー曲線を示す。40日目にテューキーの調節を用いる事後検定(腫瘍体積)、およびログランクマンテル-コックス検定(カプランマイヤー)を使用して、一対比較によりP値を求めた。
図15は、ENPP1阻害がIR処置と相乗作用して、腫瘍関連樹状細胞を増加させることを示している。図7のパネルaに示されている実験の幾何平均。平均値±標準偏差。*P<0.05(ウェルチのt検定)。
図16:合成細胞から標的細胞へのcGAMP移行の様々な様式。(1)ギャップ結合による拡散;(2)出芽ウイルス粒子に包み込まれて、感染の次の段階の間に伝達される;および(3)細胞外空間への排出。
図17:cGAMPはがん危険シグナルである。APCは、様々なcGAS依存機構によって腫瘍細胞を感知することができる:(1)腫瘍誘導性dsDNAによるAPC cGASの活性化、(2)腫瘍細胞によって分泌されたI型IFNのAPC感知、および(3)腫瘍細胞によって構成的に生成されて排出されたcGAMPのAPC感知。
考察
本開示の結果は、cGAMP排出の証拠を提示する。細胞-細胞cGAMP移行は、ギャップ結合およびウイルス粒子により起こり得る。本開示は、cGAMPは細胞外空間を移動することができるというin vitroおよびin vivoでの証拠を提示している(例えば、図16を参照されたい)。本発明者らが試験した細胞系のすべてが、外部刺激なしにcGAMPを合成して排出するので、cGAMPの排出は、がん細胞の顕著な特徴である。染色体の不安定性および異常なサイトゾルdsDNAは、腫瘍の固有の特性であると考えられ、腫瘍細胞はcGASをほとんど不活性化しないので(例えば、Bakhoum, S. F. et al. Chromosomal instability drives metastasis through a cytosolic DNA response. Nature 553, 467-472 (2018)を参照されたい)、本発明者らは、持続的なcGAMP生成および排出はやはり、腫瘍細胞に固有の特性となり得ると結論付ける。サイトゾルcGAMPヒドロラーゼは特定されておらず、ENPP1は、細胞内cGAMPを分解することができないので、排出は、現在のところ、cGAMPがサイトゾルから除去される唯一の機構であり、ユビキチン媒介性STING分解の他に、細胞内STINGシグナル伝達を停止する別の方法となる(例えば、Konno, H., Konno, K. & Barber, G. N. Cyclic dinucleotides trigger ULK1 (ATG1) phosphorylation of STING to prevent sustained innate immune signaling. Cell 155, 688-698 (2013)を参照されたい)。しかし、このクリアランス機構により、がん細胞は免疫検出に晒される。
実際に、本発明者らの結果は、がん細胞による排出されたcGAMPは、免疫系により検出される危険シグナルであることを実証している。がん細胞に由来するネオアンチゲンは、APCにより提示されて、最終的にがん特異的死滅を発揮する、細胞傷害性CD8+T細胞をクロスプライミングする。しかし、APCが最初にどのようにがん細胞を検出するかはそれほど理解されていない。免疫原性腫瘍は、APCの重要なタイプである、CD11c+樹状細胞に対する危険シグナルとしてdsDNAを放出する(例えば、Xu, M. M. et al. Dendritic Cells but Not Macrophages Sense Tumor Mitochondrial DNA for Cross-priming through Signal Regulatory Protein a Signaling. Immunity 47, 363-373 (2017)を参照されたい)。さらに、がん細胞は、放射線照射によって誘導されるがん細胞自体のサイトゾルdsDNAに応答して、危険シグナルとしてIFNを生成する(Vanpouille-Box, C. et al. DNA exonuclease Trex1 regulates radiotherapy-induced tumour immunogenicity. Nat. Commun. 8, 15618 (2017))。腫瘍cGASの触媒活性は、B16黒色腫モデルにおいて、宿主STING依存的に、腫瘍免疫と相関し(例えば、Marcus, A. et al. Tumor-Derived cGAMP Triggers a STING-Mediated Interferon Response in Non-tumor Cells to Activate the NK Cell Response. Immunity 49, 754-763.e4 (2018)を参照されたい)、cGAMPは、未知の機構で、腫瘍細胞から宿主細胞に移行され得ることを示唆している。ここで、本発明者らは、がん細胞は、危険シグナルとして可溶性細胞外cGAMPを生成し、これにより、腫瘍微小環境において、樹状細胞数の増加がもたらされるという直接的な証拠を提示する(図17)。cGAMP排出は、物理的に連絡されていないが、近接状態にある、細胞間のcGAMP連絡の重要な様式である。サイトカインとは異なり、cGAMPは、分解されることなく、および/またはその有効な濃度未満に希釈されることなく、細胞外空間において長い距離を移動することができない。この特性は神経伝達物質と共有され、cGAMPを最初に特定された免疫伝達物質と認定する。
したがって、細胞外空間へのcGAMPの放出は、がんがcGAMPを迅速に一掃することができない場合、がんの弱点となる。本発明者らは、ENPP1は、マウスにおいて、細胞外cGAMPシグナル伝達をin vitroで、およびその下流での抗がん免疫活性化を負に調節することを実証する。腫瘍由来の可溶性cGAMPは、自由に拡散可能であるため、1つの細胞表面におけるENPP1の過剰発現は、微小環境の近傍において確実にcGAMPを一掃し、その近傍に適応する。ヒトでは、乳がんにおけるENPP1発現レベルは、薬物耐性(例えば、Umar, A. et al. Mol. Cell. Proteomics 8, 1278-1294 (2009)を参照されたい)、骨腫瘍転移(例えば、Lau, W. M. et al. PLoS One 8, 1-5 (2013)を参照されたい)および予後不良に相関づけられている(Takahashi, R. U. et al. Nat. Commun. 6, 1-15 (2015))。ENPP1は、がん免疫療法での用途に対する自然免疫チェックポイントとして阻害の標的対象となり得る。
前述の発明は、理解を明確にするため、例示および実施例によって一部詳細に記載されているが、本発明の教示と照らし合わせると、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、そのある種の変更および修正がなされ得ることが当業者には容易に明らかである。
したがって、前述のことは、単に、本発明の原理を例示しているに過ぎない。当業者は、本明細書において明確に記載または示されてはいないが、本発明の原理を具現化し、かつその趣旨および範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解されよう。さらに、本明細書において記載されているすべての例および条件付き語句は、読み手が本発明の原理および本発明者らによる当技術の促進に寄与される概念を理解する一助となることが主に意図されており、このような具体的に記載されている例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態、ならびにそれらの具体例を記載している本明細書におけるすべての記述は、それらの構造的等価物および機能的等価物の両方を包含することが意図されている。さらに、このような等価物は、現在公知の等価物および将来に開発される等価物の両方、すなわち、構成に関わりなく、同じ機能を発揮する開発された任意の要素を含むことが意図されている。したがって、本発明の範囲は、本明細書に示されて記載されている例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲および趣旨は、以下によって具現化される。
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示されて記載されている例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化されている。特許請求の範囲において、米国特許法第112条第(f)項または米国特許法第112条第(6)項は、請求項における限定の始めに正確な語句「のための手段」または正確な語句「のステップ」が記載されている場合にのみ、請求項におけるこのような限定に対して想起されると明示的に定義されている。このような正確な語句が、請求項における限定に使用されない場合、米国特許法第112条第(f)項または米国特許法第112条第(6)項は、発動されない。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式(I)の化合物:
[式中、
X
1
は、親水性頭部基(例えば、亜鉛イオンと結合することが可能なリン含有基)であり、
Aは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環および置換複素環から選択される環系であり、
L
1
およびL
2
は、独立して、共有結合またはリンカーであり、
Z
3
は、存在しないか、またはNR
22
、OおよびSから選択され、
Z
2
は、CR
12
またはNであり、
Z
1
は、CR
11
またはNであり、
R
1
は、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキルヘテロアリール、アルケニルアリール(例えば、エテニルアリール)、置換アルケニルアリール、アルケニルヘテロアリール(例えば、エテニルヘテロアリール)、置換アルケニルヘテロアリール、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環から選択され、
R
11
およびR
12
は、H、シアノ、トリフルオロメチル、ハロゲン、アルキルおよび置換アルキルから独立して選択され、
R
22
は、H、アルキルおよび置換アルキルから選択され、
R
2
~R
5
は、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルコキシ、置換アルコキシ、-OCF
3
、ハロゲン、シアノ、アミン、置換アミン、アミド、複素環および置換複素環から独立して選択されるか、またはR
2
とR
3
、R
3
とR
4
もしくはR
4
とR
5
は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールおよび置換アリールから選択される縮合環(例えば、5員または6員の単環式環)をもたらす]
またはそのプロドラッグ、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
(項目2)
前記化合物が、式(II):
[式中、Z
31
は、NR
22
、OおよびSから選択される]
のものである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
Z
31
が、NR
22
であり、
R
22
が、H、C
(1~6)
アルキルおよび置換C
(1~6)
アルキルから選択される、
項目2に記載の化合物。
(項目4)
前記化合物が、式(III):
[式中、R
31
~R
34
はそれぞれ、H、ハロゲン、アルキルおよび置換アルキルから独立して選択されるか、またはR
31
とR
32
もしくはR
33
とR
34
は、環式連結しており、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリル環をもたらし、
nおよびmは、それぞれ独立して、0~6の整数(例えば、0~3)である]
のものである、項目2または3に記載の化合物。
(項目5)
n+mが0~3(例えば、0、1、2または3)である、項目4に記載の化合物。
(項目6)
前記環系Aが、フェニル、置換フェニル、ピリジル、置換ピリジル、ピリミジン、置換ピリミジン、ピペリジン、置換ピペリジン、ピペラジン、置換ピペラジン、ピリダジン、置換ピリダジン、シクロヘキシルおよび置換シクロヘキシルから選択される、項目1から5のいずれか一項に記載の化合物。
(項目7)
前記環系Aが、以下:
[式中、
Z
5
は、NおよびCR
6
から選択され、
R
6
はそれぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、アシル、置換アシル、カルボキシ、カルボキシアミド、置換カルボキシアミド、スルホニル、置換スルホニル、スルホンアミドおよび置換スルホンアミドから選択され、
pは、0~4の整数であり、
qは、0~2の整数である]
から選択される、項目6に記載の化合物。
(項目8)
前記化合物が、式(IV):
[式中、
Z
11
およびZ
21
は、NおよびC(CN)から独立して選択され、
R
6
はそれぞれ、H、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメチルおよびハロゲンから独立して選択され、
pは、0~4の整数である]
のものである、項目4から7のいずれか一項に記載の化合物。
(項目9)
前記化合物が、式(V):
[式中、
R
41
~R
44
は、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、アシル、置換アシル、カルボキシ、カルボキシアミド、置換カルボキシアミド、スルホニル、置換スルホニル、スルホンアミドおよび置換スルホンアミドから独立して選択される]
のものである、項目8に記載の化合物。
(項目10)
前記化合物が、式(VIa)~(VIb)のうちの1つ:
のものである、項目9に記載の化合物。
(項目11)
R
1
が、H、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキルヘテロアリール、アルケニルアリール(例えば、エテニルアリール)、置換アルケニルアリール、アルケニルヘテロアリール(例えば、エテニルヘテロアリール)、置換アルケニルヘテロアリール、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される、項目1から10のいずれか一項に記載の化合物。
(項目12)
R
1
が、H、エテニルアリール、置換エテニルアリール、エテニルヘテロアリールおよび置換エテニルヘテロアリールから選択される、項目11に記載の化合物。
(項目13)
前記化合物が、式(VIIa)~(VIIb)のうちの1つ:
のものである、項目10に記載の化合物。
(項目14)
R
2
~R
5
が、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、-OCF
3
、ハロゲン、シアノ、アミン、置換アミン、アミド、複素環および置換複素環から独立して選択される、項目1から13のいずれか一項に記載の化合物。
(項目15)
R
2
~R
5
が、H、OH、C
(1~6)
アルコキシ、-OCF
3
、C
(1~6)
アルキルアミノ、ジ-C
(1~6)
アルキルアミノ、F、Cl、BrおよびCNから独立して選択される、項目14に記載の化合物。
(項目16)
R
3
およびR
4
が、独立して、アルコキシであり、
R
2
およびR
5
が、水素である、
項目14に記載の化合物。
(項目17)
R
3
が、アルコキシであり、
R
2
、R
4
およびR
5
が、水素である、
項目14に記載の化合物。
(項目18)
R
4
が、アルコキシであり、
R
2
、R
3
およびR
5
が、水素である、
項目14に記載の化合物。
(項目19)
R
2
、R
3
およびR
4
が、Hであり、
R
5
が、アルコキシである、
項目14に記載の化合物。
(項目20)
nが0であり、mが1である、項目4から19のいずれか一項に記載の化合物。
(項目21)
nが1であり、mが0である、項目4から19のいずれか一項に記載の化合物。
(項目22)
nおよびmがどちらも1である、項目4から19のいずれか一項に記載の化合物。
(項目23)
nおよびmがどちらも0である、項目4から19のいずれか一項に記載の化合物。
(項目24)
Z
3
が存在せず、Z
2
がCR
12
であり、R
12
がシアノであり、前記化合物が、式(X):
[式中、L
11
およびL
12
は、独立して、共有結合またはリンカーである]
のものである、項目1に記載の化合物。
(項目25)
前記環系Aが、フェニル、置換フェニル、ピリジル、置換ピリジル、ピリミジン、置換ピリミジン、ピペリジン、置換ピペリジン、ピペラジン、置換ピペラジン、ピリダジン、置換ピリダジン、シクロヘキシルおよび置換シクロヘキシルから選択される、項目24に記載の化合物。
(項目26)
前記化合物が、式(XI):
[式中、
Z
5
はそれぞれ、NおよびCR
16
から独立して選択され、
R
16
はそれぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、アシル、置換アシル、カルボキシ、カルボキシアミド、置換カルボキシアミド、スルホニル、置換スルホニル、スルホンアミドおよび置換スルホンアミドから独立して選択され、
rは、0~8の整数である]
のものである、項目24または25に記載の化合物。
(項目27)
前記化合物が、式(XII):
のものである、項目26に記載の化合物。
(項目28)
Z
5
がNである、項目27に記載の化合物。
(項目29)
前記化合物が、式(XIII):
[式中、sは0~6の整数(例えば、0~3)である]
のものである、項目28に記載の化合物。
(項目30)
前記化合物が、式(XIV):
のものである、項目29に記載の化合物。
(項目31)
R
2
~R
5
が、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、-OCF
3
、ハロゲン、シアノ、アミン、置換アミン、アミド、複素環および置換複素環から独立して選択される、項目24から30のいずれか一項に記載の化合物。
(項目32)
R
2
~R
5
が、H、OH、C
(1~6)
アルコキシ、-OCF
3
、C
(1~6)
アルキルアミノ、ジ-C
(1~6)
アルキルアミノ、F、Cl、BrおよびCNから独立して選択される、項目31に記載の化合物。
(項目33)
R
3
およびR
4
が、独立して、アルコキシであり、
R
2
およびR
5
が、水素である、
項目31に記載の化合物。
(項目34)
R
3
が、アルコキシであり、
R
2
、R
4
およびR
5
が、水素である、
項目31に記載の化合物。
(項目35)
R
4
が、アルコキシであり、
R
2
、R
3
およびR
5
が、水素である、
項目31に記載の化合物。
(項目36)
R
2
、R
3
およびR
4
が、Hであり、
R
5
が、アルコキシである、
項目31に記載の化合物。
(項目37)
sが1である、項目29から36のいずれか一項に記載の化合物。
(項目38)
sが2である、項目29から36のいずれか一項に記載の化合物。
(項目39)
sが3である、項目29から36のいずれか一項に記載の化合物。
(項目40)
X
1
が、亜鉛イオンに結合することが可能な荷電リン含有基をマスクするプロ部分を含む、項目1から39のいずれか一項に記載の化合物。
(項目41)
X
1
が、ホスホン酸、ホスホネート、ホスホン酸エステル、ホスフェート、リン酸エステル、チオホスフェート、チオリン酸エステル、ホスホロアミデートおよびチオホスホロアミデートから選択される、項目41から40のいずれか一項に記載の化合物。
(項目42)
X
1
が、式(XV):
[式中、
Z
6
は、存在しないか、またはOおよびCH
2
から選択され、
Z
7
およびZ
9
は、OおよびNR
10
からそれぞれ独立して選択され、R
10
は、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
Z
8
は、OおよびSから選択され、
R
8
およびR
9
は、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、置換アシル、非芳香族複素環、置換非芳香族複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキルおよびプロ部分からそれぞれ独立して選択される]
のものである、項目1から41のいずれか一項に記載の化合物。
(項目43)
X
1
が、式(XVa)~(XVf)のいずれか1つ:
[式中、
R
10
およびR
11
は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、置換アシルおよびプロ部分からそれぞれ独立して選択される]
から選択される、項目42に記載の化合物。
(項目44)
X
1
が、以下:
から選択される、項目43に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目45)
前記化合物が、以下の構造:
から選択される、項目13に記載の化合物。
(項目46)
前記化合物が、以下の構造:
から選択される、項目30に記載の化合物。
(項目47)
ENPP1機能を阻害する手段、および
薬学的に許容される賦形剤
を含む、医薬組成物。
(項目48)
ENPP1機能を阻害する前記手段が、項目1から46のいずれか一項に記載のENPP1阻害剤である、項目47に記載の医薬組成物。
(項目49)
がんの処置に使用するための医薬組成物であって、
項目1から46のいずれか一項に記載のENPP1阻害剤、および
薬学的に許容される賦形剤
を含む、医薬組成物。
(項目50)
ENPP1を阻害する方法であって、
ENPP1を含む試料に、項目1から46のいずれか一項に記載のENPP1阻害剤を接触させて、前記ENPP1のcGAMP加水分解活性を阻害するステップ
を含む、方法。
(項目51)
前記ENPP1阻害剤が、細胞非透過性である、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記ENPP1阻害剤が、細胞透過性である、項目50に記載の方法。
(項目53)
前記試料が細胞試料である、項目50から52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記試料がcGAMPを含む、項目53に記載の方法。
(項目55)
cGAMPレベルが、前記細胞試料中で向上している(例えば、前記ENPP1阻害剤と接触していない対照試料との比較)、項目54に記載の方法。
(項目56)
がんを処置する方法であって、
がんを有する被験体に、治療有効量の項目1から46のいずれか一項に記載のENPP1阻害剤を投与して、前記被験体のがんを処置するステップ
を含む、方法。
(項目57)
がんを処置する方法であって、
がんを有する被験体に、治療有効量のENPP1機能を阻害する手段を投与して、前記被験体のがんを処置するステップ
を含む、方法。
(項目58)
前記がんが固形腫瘍がんである、項目56または57に記載の方法。
(項目59)
前記がんが、副腎、肝臓、腎臓、膀胱、乳房、結腸、胃、卵巣、子宮頸部、子宮、食道、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺(小細胞と非小細胞の両方)、甲状腺、癌腫、肉腫、神経膠芽腫、黒色腫および様々な頭頸部腫瘍から選択される、項目56から58のいずれか一項に記載の方法。
(項目60)
前記がんが乳がんである、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記がんがリンパ腫である、項目56または57に記載の方法。
(項目62)
前記がんが神経膠芽腫である、項目59に記載の方法。
(項目63)
有効量の1種または複数種の追加の活性剤を前記被験体に投与するステップをさらに含む、項目56から62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記1種または複数種の追加の活性剤が、化学療法剤または免疫治療剤である、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記1つまたは複数の追加の活性剤が、低分子、抗体、抗体断片、抗体-薬物コンジュゲート、アプタマーまたはタンパク質である、項目63または64に記載の方法。
(項目66)
前記1つまたは複数の追加の活性剤が、チェックポイント阻害剤を含む、項目63から65のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記チェックポイント阻害剤が、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)阻害剤、プログラム死1(PD-1)阻害剤およびPD-L1阻害剤から選択される、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記1つまたは複数の追加の活性剤が、化学療法剤を含む、項目63から65のいずれか一項に記載の方法。
(項目69)
前記化学療法剤が、cGAMP誘導化学療法剤である、項目68に記載の方法。
(項目70)
cGAMP誘導化学療法剤が、前記被験体におけるcGAMPの生成を誘導するのに有効な量で投与される抗有糸分裂剤または抗腫瘍剤である、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記被験体に放射線療法を投与するステップをさらに含む、項目56から70のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記阻害剤が放射線療法の前に前記被験体に投与される、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記阻害剤が、放射線療法への前記被験体の曝露後に投与される、項目71に記載の方法。
(項目74)
前記放射線療法が前記被験体におけるcGAMPの生成を誘導する、項目72または73に記載の方法。
(項目75)
前記放射線療法が、前記被験体への放射線損傷を軽減するのに有効な程度の投与量および/または頻度で投与される、項目71から74のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
前記ENPP1阻害剤が細胞非透過性である、項目56から75のいずれか一項に記載の方法。
(項目77)
前記ENPP1阻害剤が細胞透過性である、項目56から75のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
がんを処置する際に使用するための、項目1から46のいずれか一項に記載のENPP1阻害剤。
(項目79) がんを処置するための医薬の製造における、項目1から46のいずれか一項に記載のENPP1阻害剤の使用。
(項目80)
被験体における、免疫応答をモジュレートする方法であって、
治療有効量の項目1から46のいずれか一項に記載のENPP1阻害剤を被験体に投与して、前記被験体の炎症状態を処置するステップ
を含む、方法。
(項目81)
被験体における、免疫応答をモジュレートする方法であって、
被験体に治療有効量のENPP1機能を阻害するための手段を投与して、前記被験体の炎症状態を処置するステップ
を含む、方法。
(項目82)
Z
3
が存在せず、Z
2
がCR
12
であり、R
12
がシアノ、ハロゲンまたはNHであり、前記化合物が、式(X):
[式中、L
11
およびL
12
は、独立して、共有結合またはリンカーである]
のものである、項目1に記載の化合物。
(項目83)
前記環系Aが、フェニル、置換フェニル、ピリジル、置換ピリジル、ピリミジン、置換ピリミジン、ピペリジン、置換ピペリジン、ピペラジン、置換ピペラジン、ピリダジン、置換ピリダジン、シクロヘキシルおよび置換シクロヘキシルから選択される、項目82に記載の化合物。
(項目84)
前記化合物が、式(XI):
[式中、
Z
5
はそれぞれ、NおよびCR
16
から独立して選択され、
R
16
はそれぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、アシル、置換アシル、カルボキシ、カルボキシアミド、置換カルボキシアミド、スルホニル、置換スルホニル、スルホンアミドおよび置換スルホンアミドから独立して選択され、
rは、0~8の整数である]
のものである、項目82または83に記載の化合物。
(項目85)
前記化合物が、式(XII):
のものである、項目82に記載の化合物。
(項目86)
Z
5
がNである、項目85に記載の化合物。
(項目87)
前記化合物が、式(XIII):
[式中、sは0~6の整数(例えば、0~3)である]
のものである、項目84に記載の化合物。
(項目88)
前記化合物が、式(XIV):
のものである、項目84に記載の化合物。
(項目89)
R
2
~R
5
が、H、OH、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、-OCF
3
、ハロゲン、シアノ、アミン、置換アミン、アミド、複素環および置換複素環から独立して選択される、項目82から87のいずれか一項に記載の化合物。
(項目90)
R
2
~R
5
が、H、OH、C
(1~6)
アルコキシ、-OCF
3
、C
(1~6)
アルキルアミノ、ジ-C
(1~6)
アルキルアミノ、F、Cl、BrおよびCNから独立して選択される、項目89に記載の化合物。