JP7780545B2 - 積層体、及び該積層体を有する金属張積層板 - Google Patents
積層体、及び該積層体を有する金属張積層板Info
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Description
回路基板の主材料である金属張積層板、いわゆる絶縁性樹脂からなる基材フィルムの表面に金属膜を載せ積層させた金属張積層板(例えば、銅張積層板(CCL))にも、上記回路基板と同様の性能が求められる。
各種の改良がなされた金属張積層板、及び該金属張積層板に用いる積層体が、提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、低誘電材料の基材フィルムはCTEが大きな材質が多く、低誘電材料の基材フィルムを用いて金属張積層板を形成させると、フィルム収縮が大きく、金属張積層板の寸法安定性が悪かったり、金属張積層板が変形しカールが発生するという問題が生じることがわかった。一方、フィルム収縮による寸法安定性やカールが問題ないとしても、基材フィルムと金属膜との接着性(密着性)が悪い場合があることがわかった。
例えば、上記特許文献1に記載の銅張積層板(CCL)も、5G対応可能な良好な電気特性(誘電特性)を有しつつ、基材フィルムと金属膜との接着性(密着性)に優れ、寸法安定性に優れ、カールを抑制した銅張積層板(CCL)を提供するという観点からは、十分なものとはいえなかった。
また、フィルムの収縮や寸法安定性を向上するためのCTEが小さな基材フィルムには誘電特性の悪い材質が多いため、低CTEの基材フィルムを用いて金属張積層板を形成させると、誘電特性に優れた金属張積層板が得られない問題が生じる。
また、本発明は、上記金属張積層板を形成するために用いる、プリント配線板用の積層体を提供することを目的とする。
[1] 線熱膨張係数(CTE)が50ppm/℃以下である低CTE樹脂フィルムと、
前記低CTE樹脂フィルムの両面に、線熱膨張係数(CTE)が50ppm/℃より大きい高CTE樹脂フィルムと、を積層してなる積層体であって、
前記低CTE樹脂フィルムは、300℃以下に融点を持たず、
前記低CTE樹脂フィルムは、前記高CTE樹脂フィルムの融点に30℃足し合わせた温度において、溶融せず、
前記高CTE樹脂フィルムは、250℃以上の融点を示し、
前記高CTE樹脂フィルムの縦方向(MD方向)における引張破断の伸びは、400%以下である、積層体。
[2] 前記高CTE樹脂フィルムの比誘電率は3.5以下であり、誘電正接は0.008以下である、[1]に記載の積層体。
[3] 前記高CTE樹脂フィルムの吸水率は1%以下である、[1]又は[2]に記載の積層体。
[4] 前記低CTE樹脂フィルムの吸水率は2.5%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5] 前記高CTE樹脂フィルムの厚みと前記低CTE樹脂フィルムの厚みの比(前記高CTE樹脂フィルム:前記低CTE樹脂フィルム)が、1:10~10:1である、[1]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6] 前記低CTE樹脂フィルム及び/又は前記高CTE樹脂フィルムの表面が、コロナ処理、プラズマ処理、及び紫外線処理から選択されるいずれかの表面処理が施されている、[1]~[5]のいずれかに記載の積層体。
[7] 前記低CTE樹脂フィルム及び/又は前記高CTE樹脂フィルムの表面が、カップリング剤による表面処理が施されている、[1]~[5]のいずれかに記載の積層体。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の積層体の両面又は片面に、金属膜が積層されてなる金属張積層板。
[9] [1]~[7]のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、前記高CTE樹脂フィルムと、前記低CTE樹脂フィルムと、前記高CTE樹脂フィルムとを、この順に配置し、熱圧着して、前記積層体を得る、積層体の製造方法。
[10] 前記熱圧着が、前記高CTE樹脂フィルムの融点の温度に対し、-10℃~20℃の温度範囲で行う、[9]に記載の積層体の製造方法。
[11] [8]に記載の金属張積層板の製造方法であって、[9]又は[10]により製造された積層体の両面又は片面に金属膜を配置し、熱圧着して、前記金属張積層板を得る、金属張積層板の製造方法。
[12] [8]に記載の金属張積層板の製造方法であって、
金属膜と、前記高CTE樹脂フィルムと、前記低CTE樹脂フィルムと、前記高CTE樹脂フィルムとを、この順に配置し、熱圧着するか、
金属膜と、前記高CTE樹脂フィルムと、前記低CTE樹脂フィルムと、前記高CTE樹脂フィルムと、金属膜とを、この順に配置し、熱圧着するかにより、前記金属張積層板を得る、金属張積層板の製造方法。
[13] 前記熱圧着が、前記高CTE樹脂フィルムの融点の温度に対し、-10℃~20℃の温度範囲で行う、[11]又は[12]に記載の金属張積層板の製造方法。
また、本発明によれば、上記金属張積層板を形成するために用いる、プリント配線板用の積層体を提供することができる。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
本発明における融点とは、JIS K 7121に準拠して測定することができる。具体的には、溶融押出成形した樹脂フィルムから測定用試料を約5mg秤量し、示差走査熱量計(エスアイアイ・テクノロージーズ社製:高感度型示差走査熱量計X-DSC 7000)を使用して昇温速度10℃/min、測定温度範囲20℃から380℃まで加熱して測定する。
樹脂フィルム、金属膜(金属箔膜)等の膜厚は、顕微鏡を用いて測定対象の断面を観察し、5箇所の厚さを測定し、平均した値である。
なお、本明細書では、低CTE樹脂フィルムと高CTE樹脂フィルムとをまとめて、「樹脂フィルム」と称し、説明する場合もある。
積層体は、プリント配線板用の積層体であり、金属張積層板(銅張積層板(CCL))の作製に用いることができる。
積層体は、樹脂フィルムが3層積層されてなる。
積層体は、線熱膨張係数(CTE)(20℃~140℃のCTE)が50ppm/℃以下である低CTE樹脂フィルムと、該低CTE樹脂フィルムの両面に、線熱膨張係数(CTE)(20℃~140℃のCTE)が50ppm/℃より大きい高CTE樹脂フィルムと、を積層してなる。
低CTE樹脂フィルムは、300℃以下に融点を持たない。また、低CTE樹脂フィルムは、高CTE樹脂フィルムの融点に30℃足し合わせた温度において、溶融しない。
一方、高CTE樹脂フィルムは、250℃以上の融点を示す。また、高CTE樹脂フィルムの縦方向(MD方向)における引張破断の伸びは、400%以下である。
なお、本明細書において、線熱膨張係数(CTE)は、熱膨張係数、線熱膨張率、又は熱膨張率ともいう。
図1は、本発明の積層体の構成の一例を示す断面図である。
積層体11は、高CTE樹脂フィルム13と、低CTE樹脂フィルム12と、高CTE樹脂フィルム14とを有し、これらの順で積層されてなる。
低CTE樹脂フィルムは、3層の樹脂フィルムが積層されてなる積層体において、真ん中に配される。該低CTE樹脂フィルムは、線熱膨張係数(CTE)(20℃~140℃のCTE)が50ppm/℃以下である。
また、低CTE樹脂フィルムは、300℃以下に融点を持たず、高CTE樹脂フィルムの融点に30℃足し合わせた温度において、溶融しない。
このような低CTE樹脂フィルムを積層体の真ん中に配することで、積層体の寸法安定性の悪化や積層体のカールを、有効に防止することができる。
低CTE樹脂フィルムが、熱可塑性樹脂からなり、300℃より大きい融点を示す場合、さらに本発明では、低CTE樹脂フィルムは、高CTE樹脂フィルムの融点に30℃足し合わせた温度において、溶融しないという要件を満足する必要がある。つまり、本発明では、低CTE樹脂フィルムの融点は、高CTE樹脂フィルムの融点に30℃足し合わせた温度より高いものとなっている。
また、本発明においては、低CTE樹脂フィルムを形成する樹脂として難燃性の高い樹脂を選択し、低CTE樹脂フィルムが難燃性の高い樹脂フィルムとすることにより、難燃性が向上した積層体を得ることができる。
フィラーとしては、例えば、無機フィラー及び有機フィラーが挙げられ、これらを単独で又は組み合わせて使用することができる。
有機フィラーとしては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチルメタクリレート、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン等の有機粒子が挙げられる。
無機フィラー及び有機フィラーは、上記のなかから1種を選択して単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組合せる場合は無機フィラーと有機フィラーの組合せであってもよい。
低CTE樹脂フィルムの膜厚は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm~150μmであることが好ましく、10μm~80μmであることがより好ましく、12μm~60μmであることがより好ましい。厚すぎると誘電特性が悪化することもあり、また、薄すぎるとカールの抑制や寸法安定性が不安定になるなどすることがある。
本明細書において、表面粗さ(Rz)とは、膜表面の十点平均粗さをいう。十点平均粗さRzJISは、JIS B 0601:2013(ISO 4287:1997 Amd.1:2009)に基づいて求めることができる。なお、本明細書では、十点平均粗さRzJISで求められる各層の表面粗さに対して、「表面粗さ(Rz)」と表記する。
シートの表面の十点平均粗さRzJIS(μm)は、試験片についてレーザー顕微鏡を用いて粗さ曲線を測定し、この粗さ曲線から、JIS B 0601:2013(ISO 4287:1997 Amd.1:2009)に基づいて、それぞれ10サンプルずつ測定し、それらの平均値を求めることにより得る。
低CTE樹脂フィルムの比誘電率としては、低いほうが望ましいが、現実的に可能な範囲として、例えば、2.5~3.5であることが好ましく、3.0~3.5であることがより好ましい。また、低CTE樹脂フィルムの誘電正接としては、例えば、0.001~0.025であることが好ましく、0.001~0.01であることがより好ましく、0.001~0.008であることがさらに好ましい。
樹脂フィルムの比誘電率及び誘電正接は、ネットワークアナライザーMS46122B(Anritsu社製)と開放型共振器ファブリペローDPS-03(KEYCOM社製)とを使用し、開放型共振器法で、温度23℃、湿度50%、周波数28GHzの条件で測定することができる。
吸水率は、JIS K7209A法に準拠し、23℃水浸漬×24時間の条件で測定することにより求めることができる。
浸水前後の質量変化から吸水率を求める。
吸水率=((24時間含水試験後の質量-試験前の質量)/試験前の質量)×100
また、低CTE樹脂フィルムの表面は、密着性向上等の理由により、カップリング剤による表面処理が施されていてもよい。
シランカップリング剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができ、例えば、アルコキシシラン等を用いることができる。
高CTE樹脂フィルムは、低CTE樹脂フィルムの両面に配される。該高CTE樹脂フィルムの線熱膨張係数(CTE)(20℃~140℃のCTE)は50ppm/℃より大きい。
また、高CTE樹脂フィルムの融点は250℃以上である。
さらにまた、高CTE樹脂フィルムの縦方向(MD方向)における引張破断の伸びは、400%以下である。
このような高CTE樹脂フィルムを設けることで、上記低CTE樹脂フィルムと相まって、積層体の寸法安定性の悪化や積層体のカールを、有効に防止することができる。
また、本発明においては、高CTE樹脂フィルムを形成する樹脂として難燃性の高い樹脂を選択し、高CTE樹脂フィルムが難燃性の高い樹脂フィルムとすることにより、難燃性が向上した積層体を得ることができる。
高CTEフィルムの引張破断時の伸びは、JIS K7127に準拠し、引張速度50mm/分、温度23℃の条件でフィルムの縦方向(つまり、フィルムの押出方向)における伸びを測定することで求めることができる。
フィラーや各種添加剤としては、上述した通りである。
低CTE樹脂フィルムの両側に配されるそれぞれの高CTE樹脂フィルムの膜厚は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm~150μmであることが好ましく、10μm~80μmであることがより好ましく、12μm~60μmであることがより好ましい。
一方、高CTE樹脂フィルムと金属膜との界面における高CTE樹脂フィルムの表面粗さ(Rz)は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1~10μmであることが好ましい。
また、高CTE樹脂フィルムの吸水率は、1%以下、より好ましくは0.3%以下であることが好ましい。
これらの特性を満足する高CTE樹脂フィルムを有する金属張積層板(例えば、銅張積層板(CCL))は、5G対応可能な良好な電気特性(誘電特性)を有する。
高CTE樹脂フィルムの比誘電率としては、低いほど望ましいが、半田耐熱性を有する樹脂である必要性から、例えば、2.0~3.5であることが好ましく、2.1~3.3であることがより好ましい。また、高CTE樹脂フィルムの誘電正接としては、低いほど望ましいが、半田耐熱性を有する樹脂である必要性から、例えば、0.0005~0.008であることが好ましく、0.0005~0.006であることがより好ましく、0.0005~0.004であることがさらに好ましく、0.0005~0.003であることが特に好ましい。
吸水率は、JIS K7209A法に準拠し、23℃水浸漬×24時間の条件で測定することにより求めることができる。
浸水前後の質量変化から吸水率を求める。
吸水率=((24時間含水試験後の質量-試験前の質量)/試験前の質量)×100
また、高CTE樹脂フィルムの表面は、密着性向上等の理由により、カップリング剤による表面処理が施されていてもよい。
樹脂フィルムは、例えば、溶融押出成形法によって樹脂をフィルム状に成形することにより得ることができる。
溶融押出成形法とは、溶融押出成形機を使用して樹脂材料を溶融混練し、溶融押出成形機のTダイスから樹脂材料を連続的に押し出す成形方法である。
例えば、溶融押出成形機で溶融混練された樹脂材料は、溶融押出成形機の先端部のTダイスにより帯形の樹脂フィルムに連続して押出成形され、この連続した樹脂フィルムは次に配置されているロール間に配され、冷却された後、巻取機に巻き取られる。こうして、樹脂フィルムが製造される。
なお、押出成形機は、特に制限はなく、単軸押出成形機、あるいは二軸押出成形機等、いずれの成形機も用いることができる。
本発明の金属張積層板は、上記本発明の積層体の両面又は片面に、金属膜が積層されてなる。
また、本発明の金属張積層板は、金属膜が基材フィルムの両側に積層されていてもよい。この場合の金属張積層板は、金属膜、高CTE樹脂フィルム、低CTE樹脂フィルム、高CTE樹脂フィルム、金属膜がこの順で積層されてなる。
金属張積層板21は、金属膜25、高CTE樹脂フィルム23と、低CTE樹脂フィルム22と、高CTE樹脂フィルム24と、金属膜26とを有し、これらの順で積層されてなる。
本発明の金属張積層板の好ましい態様として、積層体に金属箔の膜が張り合わされた金属張積層板が挙げられる。中でも、金属箔が銅箔である、積層体に銅箔の膜(銅箔膜)が張り合わされた銅張積層板がより好ましい。
金属膜の好ましい態様として、金属箔の膜が挙げられる。
金属箔の種類としては、特に限定されず、例えば、電解金属箔、圧延金属箔等を用いることができる。
金属箔の中でも、銅箔がより好ましい。
金属箔の膜と高CTE樹脂フィルムとの界面における、金属箔の膜の表面粗さ(Rz)は、表皮効果による伝送特性の観点から0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましい。
金属張積層板の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、10~300μmが好ましい。金属張積層板の膜厚が上記範囲の下限値以上であれば、ハンドリング性に優れ、強度を確保できる。また、上記範囲の上限値以下であれば、軽薄短小化、フレキシブル性を付与できる。
積層体の製造方法は、高CTE樹脂フィルムと、低CTE樹脂フィルムと、高CTE樹脂フィルムとを、この順に配置し、これらを熱プレス機あるいは加熱ロール間や加熱ベルト間に挟み、加熱・加圧して熱圧着し、各樹脂フィルムを貼り合わせる工程を含む。
上記熱圧着は、高CTE樹脂フィルムの融点の温度に対し、-10℃~30℃、より好ましくは-10℃~20℃の温度範囲で行うことが好ましい。
また、熱圧着における圧力は、例えば、熱プレス機や加熱ベルトの場合、0.2~10MPaであることが好ましく、1~5MPaであることがより好ましく、熱圧着の時間は、1~30分であることが好ましい。加熱ロールの場合は、線圧4~60kN/m、線速0.5~5.0m/分であることが望ましい。
金属張積層板の製造方法は、上記積層体の両面又は片面に金属膜を配置し、熱圧着し、積層体と金属膜とを貼り合わせる工程を含む。
また、金属張積層板の製造方法は、金属膜と、高CTE樹脂フィルムと、低CTE樹脂フィルムと、高CTE樹脂フィルムとを、この順に配置し、これらを熱プレス機あるいは加熱ロール間や加熱ベルト間に挟み、加熱・加圧して熱圧着し、金属膜と各樹脂フィルムとを貼り合わせるか、金属膜と、高CTE樹脂フィルムと、低CTE樹脂フィルムと、高CTE樹脂フィルムと、金属膜とを、この順に配置し、熱圧着し、金属膜と各樹脂フィルムとを貼り合わせる工程を含む。
上記熱圧着は、高CTE樹脂フィルムの融点の温度に対し、-10℃~30℃、より好ましくは-10℃~20℃の温度範囲で行うことが好ましい。
例えば、エッチング、電解めっき法(セミアディティブ法(SAP法)、モディファイドセミアディティブ法(MSAP法))によって、本発明の金属張積層板の金属基板を所定の形状を有する伝送回路(導体回路)に加工すれば、プリント回路基板を製造できる。
プリント回路基板の製造においては、伝送回路を形成した後に、伝送回路上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜上にさらに伝送回路を形成してもよい。また、伝送回路上にソルダーレジストやカバーレイフィルムを積層してもよい。
吸水率は、JIS K7209A法に準拠し、23℃水浸漬×24時間の条件で測定した。浸水前後の質量変化から吸水率を求めた。
誘電特性(比誘電率、誘電正接)は、電子計測器(製品名コンパクトUSBベクトルネットワークアナライザMS46122B:Anritsu社製)を用い、開放型共振器法の一種であるファブリペロー法により、周波数28GHz付近の23℃×50RH%の誘電特性を測定した。開放型共振器(製品名ファブリペロー共振器Model No.DPS03:キーコム社製)を用いた。
線熱膨張係数(CTE)は、熱機械分析装置(製品名:SII//SS7100 日立ハイテクサイエンス株式会社製)を用いた引張モードにより、荷重50mN、昇温速度5℃/minの条件で10℃から200℃の範囲で測定し、20℃から140℃までの範囲の傾きから線熱膨張係数(ppm/℃)を求めた。樹脂フィルムの幅方向(TD)を測定した。
融点は、JIS K 7121に準拠して測定した。具体的には、溶融押出成形した樹脂フィルムから測定用試料を約5mg秤量し、示差走査熱量計(エスアイアイ・テクノロージーズ社製:高感度型示差走査熱量計X-DSC 7000)を使用して昇温速度10℃/min、測定温度範囲20℃から380℃まで加熱して測定した。
高CTEフィルムの引張破断の伸び(引張破断時の伸び)は、JIS K7127に準拠し、引張速度50mm/分、温度23℃の条件でフィルムの縦方向(つまり、フィルムの押出方向)における伸びを測定した。
PPSフィルム:信越ポリマー社製PPSフィルム
PPE-PPSフィルム:信越ポリマー社製PPE-PPSフィルム
無延伸PEEKフィルム:信越ポリマー社製無延伸PEEKフィルム
TPIフィルム:信越ポリマー社製TPIフィルム
PIフィルム:東レデュポン社製PIカプトン(登録商標)Hシリーズ
PIフィルム:東レデュポン社製PIカプトン(登録商標)LKシリーズ
LCPフィルム:信越ポリマー社製高融点LCP(1)フィルム
延伸PEEKフィルム:クラボウ社製延伸PEEKフィルム
LCPフィルム:信越ポリマー社製低融点LCP(2)フィルム
PFAフィルム:信越ポリマー社製PFAフィルム
(銅箔膜)
銅箔:福田金属箔粉工業社製CF-T9DA-SV-12(Rz:0.21μm、CTE:18ppm/℃)
厚みが50μmの表1に示すポリイミドフィルム(PI)(東レデュポン社製 PIカプトン(登録商標)LKシリーズのフィルムを用意した。
該ポリイミドフィルムの表及び裏面にコロナ処理を行った。
該ポリイミドフィルムの両面に、厚み25μmの表1に示すポリフェニレンサルファイドフィルム(PPS)(信越ポリマー社製 ShinEtsu SeplaFilm)を配置し、更に最表面の両面に耐熱離型フィルム(PI25x1-J0(LM)-ASI5:ニッパ(株)製)を配して、熱ラミネート装置を用いて温度295℃、線圧20kN/m、線速2m/minの条件でラミネートし、使用済みの耐熱離型フィルムは排除して実施例1の積層体を得た。
更に最表面の両面に厚み12μmの銅箔膜(福田金属箔粉工業社製 CF-T9DA)を配置して、熱プレス機を用いて、1mm厚のステンレス板(SUS板)で挟んで、面圧3MPa、熱プレス機の熱板温度を295℃に設定し、5分間熱圧着して銅張積層板(CCL)を得た。
このようにして得られた実施例1の銅張積層板の構成を下記表2-1及び表2-2(まとめて表2ともいう)に示す。
該実施例1の銅張積層板に対して、下記評価方法により、カール、250℃寸法、伝送特性、剥離強度、難燃性の各評価を行った。結果を下記表4に示す。
得られた銅張積層板(CCL)から150×150mmのサイズで試験体を切り出し、試験体の片面側の銅箔のみを塩化鉄水溶液で除去し、試験体を平らなガラス板の上に置き、試験体の4隅4点の浮き上がり量をそれぞれ物差しで測定し、その平均値を求めた。
〇 4点平均が5cm以下
× 4点平均が5cmより大きい
250℃寸法収縮率試験については、JIS C 6481:1996に準拠して測定した。
先ず、銅張積層板(CCL)を300×300mmの大きさにカットし、この積層板の端4点に穴を開け、穴の中心間の距離を測定した後、積層された銅箔を塩化鉄水溶液で除去し、250℃のオーブンに30分入れ、取り出したのちに寸法を測定した。
寸法の測定に際しては、2次元測長機(製品名:VMH600 ミノグループ社製)を用いた。
◎ 収縮率が0.2%以下(収縮率が良好)
〇 収縮率が0.2%より大きく0.3%以下
△ 収縮率が0.3%より大きく0.4%以下
× 収縮率が0.4%より大きい(収縮率が不良)
伝送特性試験は、銅張積層板(CCL)中の銅箔をエッチングして長さ10cm、インピーダンス50Ωのマイクロストリップラインを作製し、温度25℃・湿度50%の条件で30GHzでの伝送特性を測定した。測定機器としては、ネットワークアナライザE8363B(キーサイトテクノロジー社製)を用いた。
◎ 5dB(30GHz)以下
〇 5dBより大きく7dB以下
△ 7dBより大きく10dB以下
× 10dBより大きい
剥離強度試験は、銅張積層板(CCL)をカットして幅25mmの試験体とし、JIS Z 0237:2009を参考に、剥離速度0.3mm/min、剥離角180°にて、銅張積層板(CCL)を支持体に固定し、銅箔を引張治具に固定し、銅張積層板(CCL)から銅箔を引張った際の剥離強度を測定した。
〇 7N/cm以上
△ 3N/cm以上7N/cm未満
× 3N/cm以下
難燃性試験は、UL-94(VTM試験)に基づき試験片を作製し、VTM法に基づいて燃焼試験を行った。
試験片は、銅張積層板(CCL)の銅箔を塩化鉄水溶液で全面除去したものから切り出したものを用いた。
〇 VTM-0
△ VTM-1
× VTM-0及びVTM-1の条件を満たさない
実施例1において、使用する樹脂フィルムの種類、及び熱圧着温度の条件を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~実施例14の銅張積層板を作製した。
実施例2~実施例14の銅張積層板に対する評価結果を表4に示す。
実施例1において、使用する樹脂フィルムの種類、及び熱圧着温度の条件を表3-1及び表3-2(まとめて表3ともいう)に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1~比較例7の銅張積層板を作製した。なお、比較例5は多数の皺が発生したため、積層体のラミネートができなかった。
比較例1~比較例7の銅張積層板に対する評価結果を表4に示す。
12 低CTE樹脂フィルム
13 高CTE樹脂フィルム
14 高CTE樹脂フィルム
21 金属張積層板
22 低CTE樹脂フィルム
23 高CTE樹脂フィルム
24 高CTE樹脂フィルム
25 金属膜
26 金属膜
Claims (9)
- 線熱膨張係数(CTE)が50ppm/℃以下である低CTE樹脂フィルムと、
前記低CTE樹脂フィルムの両面に、線熱膨張係数(CTE)が50ppm/℃より大きい高CTE樹脂フィルムと、を積層してなる積層体であって、
前記低CTE樹脂フィルムは、300℃以下に融点を持たず、
前記低CTE樹脂フィルムは、前記高CTE樹脂フィルムの融点に30℃足し合わせた温度において、溶融せず、
前記高CTE樹脂フィルムは、250℃以上の融点を示し、
前記高CTE樹脂フィルムの縦方向(MD方向)における引張破断の伸びは、400%以下であり、
前記高CTE樹脂フィルムの厚み(高CTE樹脂フィルム1層の厚み)と前記低CTE樹脂フィルムの厚みの比(前記高CTE樹脂フィルム:前記低CTE樹脂フィルム)が、1:1~1:5である、積層体。 - 前記高CTE樹脂フィルムの比誘電率は3.5以下であり、誘電正接は0.008以下である、請求項1に記載の積層体。
- 前記高CTE樹脂フィルムの吸水率は1%以下である、請求項1に記載の積層体。
- 前記低CTE樹脂フィルムの吸水率は2.5%以下である、請求項1に記載の積層体。
- 前記低CTE樹脂フィルム及び/又は前記高CTE樹脂フィルムの表面が、コロナ処理、プラズマ処理、及び紫外線処理から選択されるいずれかの表面処理が施されている、請求項1に記載の積層体。
- 前記低CTE樹脂フィルム及び/又は前記高CTE樹脂フィルムの表面が、カップリング剤による表面処理が施されている、請求項1に記載の積層体。
- 請求項1~6のいずれかに記載の積層体の両面又は片面に、金属膜が積層されてなる金属張積層板。
- 請求項1~6のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、前記高CTE樹脂フィルムと、前記低CTE樹脂フィルムと、前記高CTE樹脂フィルムとを、この順に配置し、熱圧着して、前記積層体を得る、積層体の製造方法。
- 請求項7に記載の金属張積層板の製造方法であって、
金属膜と、前記高CTE樹脂フィルムと、前記低CTE樹脂フィルムと、前記高CTE樹脂フィルムとを、この順に配置し、熱圧着するか、
金属膜と、前記高CTE樹脂フィルムと、前記低CTE樹脂フィルムと、前記高CTE樹脂フィルムと、金属膜とを、この順に配置し、熱圧着するかにより、前記金属張積層板を得る、金属張積層板の製造方法。
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