<ヘッドレスト>
以下、図面を参照して、本発明に係るヘッドレストを乗物用シートのヘッドレストに適用した実施例について説明する。本明細書においては、前後方向、左右方向、及び、上下方向を、自動車の向きを基準として定める。
<<第1実施形態>>
第1実施形態に係るヘッドレスト1は乗物用シート2の一部を構成する。図1に示すように、乗物用シート2は、ヘッドレスト1に加えて、シートクッション3と、シートバック4とを備えている。
シートクッション3は上方を向く座面を有し、着座者の臀部を支持する。シートバック4はシートクッション3の後部から上方に延びている。シートバック4は前方に向く支持面を有し、支持面に凭れかかる着座者の背面を支持する。
シートクッション3及びシートバック4はそれぞれ金属製のフレーム5と、フレーム5に支持されたパッド部材6と、パッド部材6を覆う表皮材7とを有している。
シートバック4のフレーム5は、上下に延びる左右のサイドメンバ8と、左右に延び、左右のサイドメンバ8の上端部のそれぞれに結合したアッパメンバ9と、左右に延び、左右のサイドメンバ8の下端部のそれぞれに結合したロアメンバ10とを有する。
アッパメンバ9の左右方向中央部には、一対のガイドステー12が結合されている。
各ガイドステー12は、両端が開口した四角筒形に形成されている。ガイドステー12はそれぞれ互いに左右に間隔をおいて配置されている。ガイドステー12にはそれぞれ円形断面を有し、上下方向に貫通する貫通孔12Aが設けられている。
ヘッドレスト1はシートバック4の上部に結合されている。ヘッドレスト1は、図2~図4に示すように、デバイス15、ピラー16及びケース17と、パッド部材18及び表皮材19(図4参照)とを有する。
図1及び図2に示すように、デバイス15は電力によって駆動する電子機器であって、振動や音を発生(出力)することによって、乗物用シート2の着座者に情報を伝達する、いわば情報伝達装置に相当する。デバイス15は、指向性を持って振動や音波を出力する装置であるとよい。デバイス15はスピーカや、偏心モータ等を含んでいてもよい。
図3に示すように、デバイス15の後端面にデバイス側コネクタ21が設けられている。デバイス側コネクタ21はデバイス15に電力を供給するため、又は、信号を入出力するためのコネクタである。本実施形態では、デバイス側コネクタ21はデバイス15の筐体に公知の方法により、左右方向に変位可能に浮動支持されている。本実施形態では、デバイス15は、略直方体状をなしているが、この態様には限定されない。
デバイス15の左右両側面の上下方向略中央部にはそれぞれ、前後に延びるガイドリブ22が設けられている。デバイス15の前面左右両縁にはそれぞれ後方に凹む係止凹部23(被係止部)が設けられている。
図2に示すように、ピラー16は、シートバック4の上部から上方に延びる左右一対の脚部24と、脚部24それぞれの上端から湾曲部25を介して前方に向かって斜め上方に延びる左右一対の延出部26と、延出部26の前端からそれぞれ上方に延びる左右一対の縦部27と、左右に延びて縦部27の上端をそれぞれ接続する横部28とを備えている。本実施形態では、左右の脚部24、左右の延出部26、左右の縦部27、及び、横部28は金属製の丸パイプを折曲することによって形成されている。
図3に示すように、ピラー16には左右一対の挿通孔29が設けられている。挿通孔29はデバイス15に電力を供給するためのケーブル30を挿通させるための孔である。ケーブル30は一端側において、シートバック4のフレーム5に支持された電力供給用のコネクタに接続されている。ケーブル30はピラー16の内部、及び挿通孔29を通過している。ケーブル30の他端側には本体側コネクタ32が設けられている。
ケース17は硬質樹脂製の部材であり、ピラー16の上部に支持されている。ケース17は、その前部を構成するケース前部34(前カバーともいう)と、その後部を構成するケース後部36(後カバーともいう)とを組み合わせることによって構成されている。
図4(A)に示すように、ケース前部34は硬質樹脂製の部材であって、略直方体状をなす。ケース前部34の後面には前方に凹む前側凹部38が設けられている。前側凹部38はケース前部34の後面の左右方向略中央部に位置している。前側凹部38の左右方向略中央部には後方に突出し上下に延在する仕切壁39が設けられている。前側凹部38の上下縁及び左右縁を画定する壁体には、それぞれ後方を向く前側接合面(不図示)が設けられている。前側凹部38にはケース後部36に連結するべく柱状をなして後方に突出する複数の連結部(不図示)が設けられているとよい。本実施形態では、連結部は仕切壁39の左右対称に配置され、仕切壁39は左右に対をなす連結部によって挟まれている。前側凹部38の前面を画定する底壁には前方に突出し、左右方向に延在するリブ(横リブ)や、上下方向に延在するリブ(縦リブ)が設けられていてもよい。
ケース前部34は左右一対の受容凹部40を備えている。受容凹部40はそれぞれ前側凹部38の左右縁を画定する壁体に設けられている。受容凹部40はケース前部34の前面左右両縁において後方に延びている。受容凹部40はその左右内縁を画定する面(以下、内壁42)、左右外縁を画定する壁(以下、外壁43)、上縁を画定する壁及び、下縁を画定する壁、及び、後縁を画定する壁(以下、底壁44)によって形成され、略直方体状の受容空間41を画定している。内壁42は外壁43に対向する壁面を、外壁43は内壁42に対向する壁面をそれぞれ有している。受容空間41(すなわち、受容凹部40の底面)はそれぞれ水平断面視で、少なくともピラー16の脚部24よりも前方に位置している。
図4(B)に示すように、内壁42の前端及び外壁43の前端にはそれぞれ、互いに対向する方向に突出する係止爪45(係止部)が設けられている。係止爪45は内壁42及び外壁43それぞれに2つずつ設けられていてもよく、また、複数設けられていてもよい。係止爪45はそれぞれ、デバイス15の前面左右両縁に設けられた係止凹部23に弾発的に係合する弾発片をなす。これにより、デバイス15を係止するための係止爪45を簡素な構成によって形成することができる。
内壁42の外壁43に対向する壁面と、外壁43の内壁42に対向する壁面とには互いに相反する方向に凹む溝(以下、ガイド溝47)が設けられている。ガイド溝47は受容凹部40を画定する左右両壁の互いに対向する面に位置している。ガイド溝47はそれぞれ、内壁42の外壁43に対向する壁面の上下方向略中央部、及び、外壁43の内壁42に対向する壁面の上下方向略中央部において前後方向に延在している。本実施形態では、ガイド溝47はそれぞれ、対応する壁面の前縁から後縁まで延びている。
底壁44には貫通孔48が設けられている。貫通孔48は少なくとも、受容凹部40に受容されたデバイス15のデバイス側コネクタ21が挿通可能な位置に設けられている。受容凹部40と前側凹部38とは貫通孔48を介して連通している。
ケース後部36は硬質樹脂製の部材であって、略直方体状をなす。ケース後部36の前面には後方に凹む後側凹部50が設けられている。後側凹部50はケース前部34の後面の左右方向略中央部に位置している。後側凹部50の左右方向略中央部には前方に突出し上下に延在する仕切壁52が設けられている。本実施形態では、ケース前部34に設けられた仕切壁52には後方に突出する凸部が設けられ、ケース後部36に設けられて仕切壁52には後方に凹む凹部が設けられている。ケース後部36に設けられて仕切壁52には後方に凹む凹部は、ケース前部34に設けられた仕切壁39の凸部に整合する形状をなしている。前側凹部38にはケース後部36に連結するべく柱状をなして前方に突出する連結部53が設けられているとよい。本実施形態では、連結部53は仕切壁52の左右対称に配置され、仕切壁52は左右に対をなす連結部53によって挟まれている。前側凹部38の前面を画定する底壁44には左右に延在する横リブ44A、上下に延在する縦リブ44Bが設けられていてもよい。
後側凹部50の底壁44前面には、ケーブル30を固定するためのクリップ54と、本体側コネクタ32を係止するための支柱55が設けられている。本体側コネクタ32は支柱55に(すなわち、ケース後部36に)左右方向に変位可能に浮動支持されている。本体側コネクタ32はデバイス側コネクタ21に接続されている。デバイス15にはケーブル30を介して電力が供給されるとともに、出力を制御するための制御信号が送信される。
後側凹部50の上下縁及び左右縁を画定する壁体には、それぞれ前方を向く後側接合面が設けられている。後側接合面の上縁には、ピラー16の左右の縦部27上部及び横部28を受容するべく、後方に凹む凹部が形成されている。
ケース前部34とケース後部36とはそれぞれの接合面が互いに接触するように配置されて結合されている。ピラー16の左右の縦部27上部と横部28とが後側接合面の凹部に収容されて、ケース前部34とケース後部36との間に挟持される、これにより、ケース17はピラー16に支持される。また、ケース前部34とケース後部36とが結合すると、前側凹部38と後側凹部50とが前後に並ぶように配置されて、ケース17の内部には空洞57が形成される。本実施形態では、ケース前部34とケース後部36とが組み合わされたときには、ケース前部34の仕切壁39に設けられた凸部と、ケース後部36の仕切壁52に設けられた凹部とが嵌め合い、ケース前部34の仕切壁39とケース後部36の仕切壁52とは前後に連続する。これにより、空洞57は左右に並ぶ2つの空間57A、57Bに区切られている。
図4(A)に示すように、デバイス15は受容凹部40に前から挿入されて、受容凹部40の内部の受容空間41に収容されている。デバイス15からの出力が指向性を持つ場合には、その出力方向が前方を向くように、デバイス15は受容凹部40に挿入されているとよい。デバイス15が受容凹部40に完全に挿入されているときには、デバイス15の前面はケース17の前面であって、受容凹部40が設けられている部分以外の部分と面一をなしている。
このとき、デバイス15に設けられたガイドリブ22は、内壁42及び外壁43に設けられたガイド溝47に受容されている。このとき、ガイドリブ22の突端面は対応するガイド溝47の左右側面、より詳細にはガイド溝47の底面に当接している。ガイドリブ22は更に、ガイド溝47に沿って前後に摺動可能となっているとよい。図4(A)に示すように、デバイス15が受容凹部40に完全に挿入されているときには、デバイス15は側面視でピラー16の少なくとも一部に重なっている。
パッド部材18はウレタン素材によって形成されたクッション材であって、ケース17及びデバイス15を覆うように配置されている。本実施形態では、パッド部材18のデバイス15の前面を覆う部分にはそれぞれ前後方向に貫通する貫通孔18Aが設けられているとよい。本実施形態では、パッド部材18は、ケース17の受容凹部40以外の部分全体と、デバイス15の前面とを一体として覆うように配置されているが、この態様には限定されない。パッド部材18は、少なくとも、ケース17の前面の左右方向略中央部分を覆うように設けられていればよい。
表皮材19は布や人工皮革等の素材によって形成されたシート状の部材であって、パッド部材18の外面を覆うように配置されている。表皮材19の裏面にはパッド部材18が予め結合されているとよい。また、表皮材19にはパッド部材18とともに、ケース17から分離可能となるように、適所に線ファスナが設けられているとよい。
次に、このように構成したヘッドレスト1の効果について説明する。
ヘッドレスト1を組み立てる作業者は、まず、受容凹部40にデバイス15を挿入することによって、ケース前部34にデバイス15を取り付ける。その後、作業者は、ピラー16を挟み込むようにケース前部34及びケース後部36を結合させる。これにより、ケース17がピラー16に支持される。その後、作業者が、パッド部材18を備えた表皮材19をケース17に被せることによって、ヘッドレスト1が完成する。このように、デバイス15を受容凹部40に挿入して係止部により係止し、表皮材19でヘッドレスト1を被せることで、作業者は、デバイス15を内部に配置することができるヘッドレスト1を容易に製造することができる。
デバイス15が受容凹部40に完全に収容されてケース17に組付けられているときには、デバイス15の前面は、ケース17の前面であって受容凹部40以外の部分と面一をなす。これにより、表皮材19を被せたときに、ヘッドレスト1の前面に段差が生じ難くなるため、ヘッドレスト1の快適性を高めることができる。
デバイス15が受容凹部40に完全に収容されてケース17に組付けられているときには、デバイス15は側面視でピラー16の少なくとも一部に重なっている。これにより、ヘッドレスト1に側方からの荷重が加わったときに、ピラー16によってデバイス15を支持することができる。これにより、デバイス15の荷重方向に沿った側方への移動が防止できるため、例えば、荷重方向に位置する乗員に向かう方向のデバイス15の移動が防止でき、ヘッドレスト1が設けられた乗物用シート2の安全性が高められる。
デバイス15が受容凹部40に完全に収容されているときに、ガイドリブ22の突端面は内壁42及び外壁43、詳細にはそれぞれに設けられたガイド溝47の底面に当接する。これにより、デバイス15の左右方向の位置が適正な位置となるように案内される。
作業者が受容凹部40にデバイス15を挿入するときには、ガイドリブ22をガイド溝47に挿入し、デバイス15を後方に移動させるとよい。これにより、デバイス15は上下方向に適正な位置に配置される。
デバイス15の挿脱の繰り返しや、製造時の公差によって、ガイドリブ22の突端面とガイド溝47の底面とが当接せず、デバイス15の左右方向の位置が厳密に定まらないことがある。そこで、本実施形態では、デバイス側コネクタ21と本体側コネクタ32とがそれぞれ左右方向に変位可能に支持(すなわち、浮動支持)されている。これにより、デバイス15の位置が適正な位置から若干左右方向にずれていた場合であっても、デバイス側コネクタ21と本体側コネクタ32とを接続することができる。本実施形態では、デバイス側コネクタ21と本体側コネクタ32とが左右方向に変位可能に支持されていたが、いずれか一方のみが左右方向に変位可能に支持されていてもよい。
本実施形態では、ケース17の内部には空洞57が設けられ、底壁44には空洞57の内部に通じる貫通孔48が設けられている。これにより、デバイス側コネクタ21を挿通させて、本体側コネクタ32に結合させることができる。
音を出力するデバイス15(スピーカ)では、指向方向に音を出力すると、指向方向とは逆方向に逆相の音が出力される。貫通孔48によって受容凹部40の内部と空洞57とが接続されるため、空洞57を逆方向に出力された音を閉じ込めるためのアコースティックチャンバとして利用することができる。これにより、デバイス15(スピーカ)から指向方向(前方)に出力される音の質を向上させることができる。
デバイス15は表皮材19を取り外すことによって、ケース17から着脱可能である。よって、乗員それぞれが好みの音を発する他のデバイス15(スピーカ)を取り付けることが可能である。
<<第2実施形態>>
第2実施形態に係るヘッドレスト71は、ケーブル72の構造が異なり、他の構造については第1実施形態と同様である。よって、他の構成については、説明を省略し、以下ではケーブル72の構造について説明を行う。
図5(A)に示すように、ケーブル72はデバイス15に接続されている。ケーブル72は湾曲変形可能なフラットケーブルによって構成されている。本実施形態では、図5(B)に示すように、ケーブル72は並列に並んで配置された導体72A(導電層)をフィルム状の絶縁体72B(絶縁層)で挟んで作られた、いわゆるFPCケーブルによって構成されている。ケーブル72は印刷技術(プリンテッドエレクトロニクス技術)を用いて製造されるものであってもよい。
ケーブル72は少なくとも脚部24の下端から脚部24の上部までの外側から覆っている。ケーブル72はピラー16の外面に絶縁層の側で接着されている。これにより、導体72Aとピラー16との間には絶縁層が設けられて、導体72Aとピラー16との間の短絡が防止されている。ケーブル72の導体72Aの一端は、ピラー16の外面下端において外部に露出してケーブル端子74を構成している。脚部24にはケーブル端子74を被覆する樹脂製のホース75が設けられているとよい。ホースの外周面には蛇腹が設けられ、その軸線方向に伸縮自在であるとよい。
本実施形態に係るヘッドレスト71に接続するガイドステー73は、図5(B)に示すように、筒状のガイドステー本体81と、ガイドステー本体81に設けられた弾性片82とを有している。ガイドステー本体81は絶縁性の硬質樹脂によって形成され、それぞれ上下方向に貫通する円形の貫通孔(以下、ステー貫通孔83)を備えている。脚部24はその脚部24を覆うケーブル72とともに、ステー貫通孔83に挿入されている。これにより、ヘッドレスト71は上下に移動可能にガイドステー73に結合されている。
ガイドステー73の下部には、ケーブル端子74に接触する弾性片82が設けられている。弾性片82はステー貫通孔83の下方に設けられ、ピラー16の径外側からピラー16に向かって突出し、ケーブル端子74に弾発的に接触している。弾性片82は金属によって構成されていてもよく、また、ケーブル端子74に接続する金属端子を備えたものであってもよい。図5(A)に示すように、弾性片82にはケーブル85が接続され、そのケーブル85がシートバック4の内部に設けられたコネクタに接続されている。弾性片82がケーブル端子74に接触することによって、ケーブル85がケーブル72に電気的に接続し、デバイス15に信号や電力が供給される。
次に、このように構成したヘッドレスト71の動作及び効果について説明する。ヘッドレスト71を上下方向に移動した場合であっても、弾性片82はケーブル端子74に接触する。これにより、ヘッドレスト71を上下に移動させた場合においても、デバイス15に信号や電力を供給することができる。
<<第3実施形態>>
第3実施形態に係るヘッドレスト101は、第1実施形態に比べて、ケース後部36に受容凹部102が設けられている点と、蓋体104を備える点とが異なり、他の構成については第1実施形態と同様である。よって、他の構成については説明を省略する。
第3実施形態に係るヘッドレスト101のケース17は、図6(A)~(C)に示すように、第1実施形態と同様に、ケース前部34と、ケース後部36とが組み合わされることによって構成されている。
図6(C)に示すように、受容凹部102はケース後部36の左右側面にそれぞれ設けられている。受容凹部102はそれぞれ左右内側に向かって凹んでいる。左右側壁にはそれぞれデバイス15を固定するための固定部102A(ねじ孔など)が設けられている。デバイス15は受容凹部102に挿入された状態でケース後部36に固定されている。
本実施形態では、受容凹部102の底壁に貫通孔が設けられることによって、ケース後部36の左右側面には、後側凹部50の内部に通じ、左右方向に貫通する孔(受容孔105)が形成されている。受容凹部102にはデバイス15の一部が収容される。すなわち、受容凹部102の内部にはデバイス15の一部を受容する受容空間41が形成されている。
前側凹部38及び後側凹部50にはそれぞれ第1実施形態と同様に上下に延在する仕切壁39、52が設けられている。また、前側凹部38及び後側凹部50にはそれぞれ、第1実施形態と同様に、ケース前部34及びケース後部36を連結するための連結部106、107が設けられていてもよい。左右方向に延在する横リブや、上下方向に延在する縦リブが設けられているとよい。
第1実施形態と同様に、ケース前部34とケース後部36とは、ピラー16を間に挟んだ状態で結合されている。これにより、ケース17はピラー16の上部に支持されている。パッド部材18及び表皮材19がケース17の前面及び後面を覆うように配置されている。
図7に示すように、ガーニッシュ103は左右方向に延びる硬質樹脂製の筒状の部材である。シート内方側の端部において受容凹部102の開口縁に嵌め込まれて固定されている。ガーニッシュ103のシート外側の端部には延在方向に直交する方向に延出する鍔部108が設けられている。ガーニッシュ103のシート外側の端部には内孔を封じるためのネット(網)が張られているとよい。
蓋体104は樹脂製の板材によって構成されている。蓋体104はケース17の左右後縁にそれぞれ設けられている。蓋体104はそれぞれ、ケース17の左右後縁にヒンジ接続されて、上下方向を軸線とする回動可能にケース17に支持されている。蓋体104は、受容凹部102の後方であって、受容凹部102の開口部分を被覆可能な位置に設けられている。すなわち、図7に示すように、蓋体104は回動することにより、ケース17の左右側面を左右外側から覆う閉位置(二点鎖線)と、ケース17の左右側面を露出させる開位置(実線)とに変位する。蓋体104の内面にはその内面に沿って、音や振動を反射させるための反射板等が結合されていてもよい。
次に、このように構成したヘッドレスト101の効果について説明する。蓋体104が開かれているときには、受容凹部102が蓋体104によって封じられる。これにより、受容凹部102の内部に収容されたデバイス15を保護することができる。蓋体104が開かれた状態でデバイス15から音や振動が出力されると、デバイス15から発せられた音や振動は蓋体104で反射される。これにより、音や振動がより前方の着座者に伝わり易くなる。また、蓋体104の開き具合を調整することで、着座者は音や振動の伝わる方向を調整することができる。
<<第4実施形態>>
第4実施形態に係るヘッドレスト151は、第3実施形態と比べて、蓋体104が設けられていない点と、ガーニッシュ152の構造とが異なり、他の構成については第3実施形態と同様である。よって、他の構成については説明を省略する。
図8(A)に示すように、ガーニッシュ152は左右方向に延びる略円筒形のガーニッシュ本体153と、ガーニッシュ本体153に設けられた耳部154とを有している。
ガーニッシュ本体153は左右内端において受容凹部102に嵌め込まれている。ガーニッシュ本体153は左右方向を軸線Xとした回転可能にケース後部36に結合されている。ガーニッシュ本体153は左右方向を軸線とする回転可能にケース後部36に結合されている。
耳部154はガーニッシュ本体153の左右外端に結合されている。耳部154はガーニッシュ本体153の左右外端から左右方向外側に向かって起立し、ケース17の左右外面よりも左右外方に延出している。耳部154は前後方向の断面視で略円弧状をなす板状をなしている。耳部154はガーニッシュ本体153の軸線側において湾曲面156を有している。耳部154はケース17の左右側面から左右外方に起立し、且つ、左右方向を軸線とする回転可能に支持されている。耳部154はデバイス15からの音や振動を反射させて、音や振動の伝わる方向を変更する反射板として機能する。
次に、このように構成したヘッドレスト151の効果について説明する。ガーニッシュ本体153はケース17に左右方向に延びる軸線Xを中心とした回転可能に支持されている。そのため、耳部154を回転させることで、乗員は、湾曲面156が前方に向く位置に、耳部154を配置することができる(図8(B)参照)。これにより、デバイス15からの振動や音がより前方に伝わり易くなる。同様に、乗員は、湾曲面156が下方に向く位置に耳部154を配置することができる(図8(C)参照)。これにより、デバイス15からの振動や音がより下方に伝わり易くなる。また、乗員は、湾曲面156が後方に向く位置に耳部154を配置することができる(図8(D)参照)。これにより、デバイス15からの振動や音がより後方に伝わり易くなる。このように、耳部154を回転し、湾曲面156の向きを変えることで、デバイス15からの音や振動が伝わる方向を変更することができる。
<<第5実施形態>>
第5実施形態に係るヘッドレスト201は、第1実施形態と比べて、受容凹部202の設けられている位置が異なり、他の構成は第1実施形態と同様である。よって、他の構成については説明を省略する。
ケース17には第1実施形態と同様に、受容凹部202が一対設けられている。図9(A)に示すように、受容凹部202はケース17の下面左右両端部にそれぞれ設けられている。受容凹部202はそれぞれ、ケース17の下面から上方に向かって凹んでいる。受容凹部202はケース17の下面からケース17の上部にまで延びている。受容凹部202はそれぞれピラー16の脚部24左右外側に位置している。
本実施形態では、図9(B)に示すように、受容凹部202はケース前部34に設けられている。但し、この態様には限定されず、ケース前部34とケース後部36とが結合されることによって受容凹部202が構成されてもよい。
デバイス15はそれぞれ受容凹部202に整合する形状をなしている。受容凹部202の内部にはそれぞれデバイス15が、振動や音の出力方向が前方となるように嵌め込まれている。ケース17の前面には後方に延び受容凹部202の内部に達する貫通孔203が左右一対設けられている。貫通孔203の左右側部を画定する壁面にはそれぞれ左右内側に延出する規制壁204が設けられている。
デバイス15にはそれぞれ下面に左右方向に延出する延出板205(羽部ともいう)が設けられている。延出板205にはそれぞれタッピング用の孔(タッピング孔)が設けられている。デバイス15は、受容凹部202に嵌め込まれた後、タッピングねじがタッピング孔に下方から挿入されてケース17の下面にタッピングされることによって、ケース17に固定されている。このとき、規制壁204はデバイス15の前面左右両縁部の前方に位置し、デバイス15の前方の移動を規制している。デバイス15からの振動や音は貫通孔203を通じて前方に進み、ケース17によって遮られることなく前方の着座者に伝えられる。
次に、このように構成したヘッドレスト201の効果について説明する。デバイス15をケース17に設けられた凹部や孔に挿入することによって構成されるヘッドレストにおいてはデバイス15のケース17への組付が容易になるという利点がある。一方、デバイス15が挿入方向の逆向きに移動し、ケース17から離脱する虞がある。
ヘッドレスト201には受容凹部202がケース17の下面から上方に凹むように形成され、デバイス15を上方向に移動させることでケース17に組付けられる。そのため、デバイス15が挿入方向とは逆向きに移動した場合であっても、デバイス15が着座者側への移動が防止できる。更に、規制壁204によってデバイス15の前方への移動が防止されるため、デバイス15の着座者側への移動がより確実に防止できる。
ここでは、受容凹部202はそれぞれ、ケース17の下面から上方に向かって凹むように構成されていたが、受容凹部202がケース17の上面からケース17の下部にまで延びるように構成されていてもよい。但し、受容凹部202はそれぞれ、ケース17の下面から上方に向かって凹むように構成されていることで、ヘッドレスト201におけるデバイス15の位置をより下側に設定することができる。これにより、ヘッドレスト201の重心を下げることができるため、水平方向の荷重に対するヘッドレスト201の安定性が向上する。
以上でヘッドレスト1、71、101、151、201(以下、これらを総称して、ヘッドレストHと記載する。)に係る実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。
上記第1実施形態では、係止爪45がデバイス15の前面に係合することによって、デバイス15が係止されていたが、この態様には限定されない。ケース前部34の左右側壁にタッピング孔を設け、ケース前部34の左右外側からタッピングすることによってデバイス15がケース前部34に固定されていてもよい。この場合には、受容凹部202を画定する外壁43は設けられていなくてもよい。その他、デバイス15の前面に第5実施形態と同様の延出板205を設け、その板をケース17の前面にタッピングすることによって、デバイス15がケース17に固定されていてもよい。
上記実施形態では、パッド部材18がシートバック4の上方に設けられる構成であったが、この態様には限定されない。図10(A)に示すように、ヘッドレスト251は、パッド部材18がシートバック4の上方から前面前方に延びるように配置されるティアドロップ型のものであってもよい。また、ヘッドレスト251はデバイス15がケース17に係止されるものには限定されず、デバイス15がピラー16に直接固定されてもよい。また、図10(B)に示すように、ヘッドレスト251は、デバイス15がピラー252に結合されたブラケット253に固定されていてもよい。ブラケット253Aがシート前方を向く面253ASを有するようにピラー252に固定され、デバイス15がその面253ASに結合されていてもよい。また、ブラケット253Bがシート左方向又はシート右方向を向く面253BSを有するようにピラー252に固定され、デバイス15がその面253BSに結合されていてもよい。
また、図11(A)及び(B)に示すように、ヘッドレスト263のピラー264に支持されたパッド部材18にデバイス15が固定されていてもよい。その場合には、パッド部材18にクリップ266を固定するとともに、デバイス15にクリップ266に嵌め合うワイヤ268を設けるとよい。また、本体側コネクタ32はパッド部材18のデバイス側コネクタ21に嵌め合う位置に固定されているとよい。
図11(C)に示すように、ピラー270に本体側コネクタ32を固定し、デバイス側コネクタ21を本体側コネクタ32に接続することによって、デバイス15がピラー270に固定されていてもよい。また、ピラー270に切欠が設けられ、デバイス15にその切欠に嵌め合う係止爪を設け、係止爪が切欠に係合することで、デバイス15はピラー270に固定されていてもよい。
上記第2実施形態では、デバイス15への給電や通信のためのケーブル72がピラー16の外面に設けられていたが、この態様には限定されず、図11(A)に示すように、ヘッドレスト263にはケーブル30(ハーネス)を収容するための柱体274が下方に延び、シートバック4に達するように設けられていてもよい。
ヘッドレストHにデバイス15によって発された音を前方に案内するダクトが設けられていてもよい。ダクトは柔軟性を有する素材によって構成されているとよい。デバイス15はパッド部材18や表皮材19を伝達して音や振動を伝えるものであってもよく、また、ケース17を振動させて音を発するものであってもよい。
また、デバイス15はピラー16に設けられたネックレストに設けられていてもよい。デバイス15は振動させることによって音を着座者に伝える振動体であってもよい。
デバイス15が振動を発生するデバイス15(偏心モータ等の振動デバイス)であるときには、ガイドステー12を介してシートバック4のフレーム5に振動が伝わらないように、ガイドステー12の内孔の内周面に防振部材(インシュレータ)をガイドステー12の貫通孔12Aの内周面に設けるとよい。デバイス15が収容されたケース17とピラーの間に防振部材を設けてもよい。
ケース17の内部に設けられた空洞57にダイナミックダンパが設けられていてもよい。これにより、デバイス15から発せられた音を変える(重低音を作る)ことができる。
シートクッション3やシートバック4のパッド部材6に着座面に送風するための送風孔と、送風孔に通じるダクトが設けられているときには、デバイス15はダクト内に音を発するものであってもよい。これによりシートクッション3の座面やシートバック4の支持面に振動を伝えることができ、着座者のコリや筋肉疲労を緩和する(着座者をマッサージする)ことができる。
ヘッドレストHは電子基板を配置するためのスロットを備えていてもよい。スロットには例えば、デバイス15からの出力を増幅するアンプや、デバイス15への入力信号をフィルタリングするためのフィルタが設置可能であるとよい。その他、スロットは、アンプを筐体内に収容したアンプユニットや、フィルタを筐体内に収容したフィルタユニットが挿脱されるように構成されていてもよい。また、スロットには、アンプとフィルタとが一体となったアンプユニットが挿脱可能であってもよい。
デバイス15の前方に、デバイス15を保護するための保護部材が設けられていてもよい。シートバック4のフレーム5に、ヘッドレストHからの荷重に対抗するためのカウンタウェイトが設けられていてもよい。カウンタウェイトはアッパメンバ9のガイドステー12の間の部分に設けられると良い。
ヘッドレストH内にデバイス15が設けられる場合には、ヘッドレストHのピラーは、ヘッドレストH内にデバイス15が設けられない場合に比べて、例えば、その径や肉厚などを大きくすることによって変形し難くなるように構成されているとよい。ピラーの形状は上記実施形態に記載した逆U字状には限定されない。例えば、図11(C)に示すように、ピラー270がケース17に差し込まれる2つの直管によって構成されていてもよい。ピラー270が直管で構成される場合には、ピラー270にケース17内の端部を封じる補強部材272が設けられているとよい。補強部材272は樹脂材料によって構成されているとよい。また、ピラーは上下方向に延びる楕円形状をなすように構成されていてもよい。また、ピラーは3つ以上の脚部24を備えていてもよい。
<音響システム>
上記のように、ヘッドレストHに設けられたデバイス15がスピーカ(以下、ヘッドレストスピーカ)である場合には、当該デバイス15が車室内に提供する音楽や音声を制御するための音響システム401の一部を構成する場合がある。以下、このような音響システム401について説明を行う。
音響システム401は、図12に示すように、ヘッドレストHそれぞれに設けられたヘッドレストスピーカ402と、シート以外の車両のドアトリム等に設けられた車内スピーカ403と、ヘッドレストスピーカ402及び車内スピーカ403それぞれを制御する制御装置404とを有し、運転者に通知すべき音声や音楽を選択して、運転席のヘッドレストスピーカ402から出力し、運転者以外にも共有すべきと音声や音声を、各シートのヘッドレストスピーカ402や車内スピーカ403から出力するとよい。また、制御装置404は、シートバックに設けられたスピーカ(以下、シートバックスピーカ405)から発せられる音を制御してもよい。
具体的には、音響システム401は、車両の位置(場所)や交通規制情報等を取得するカーナビゲーション装置406を含んでいる場合には、制御装置404はカーナビゲーション装置406からそれらの情報を取得して、運転者に通知すべき情報を選択し、選択した情報をヘッドレストスピーカ402(車内スピーカ403)から出力させてもよい。運転者に通知すべき情報としては、例えば、車両周辺の事故情報、交通規制情報、周辺車両が自動運転車か否か等が含まれる。これにより、運転席のヘッドレストスピーカ402から運転者にとって重要な情報が音声として出力されるため、運転者に運転操作に必要な警告や情報を的確に通知することができる。また、すべての乗員に共有することが好ましい情報(例えば、カーナビゲーション装置406からの走行案内、予定経路上の店舗や天候、緊急地震速報、渋滞情報等)については、制御装置404は各シートのヘッドレストスピーカ402や車内スピーカ403から出力する。これにより、共有することが好ましい情報をすべての乗員に通知を行うことができる。
ヘッドレストスピーカ402や車内スピーカ403は出力方向の指向性がある(強い)状態と指向性がない(弱い)状態とに変更可能であり、且つ、出力方向を変更可能であるとよい。その場合は、制御装置404は、特定の乗員に音声を伝えるべきときに、ヘッドレストスピーカ402(車内スピーカ403)の出力方向をその特定の乗員に向くように出力方向を調節し、すべての乗員に音声を伝えたいときには、スピーカの指向性をない状態とする(又は、指向性の弱い状態とする)とよい。
また、制御装置404は、シートの着座者の好みにあった音楽をそれぞれのシートのヘッドレストスピーカ402から出力させてもよい。例えば、制御装置404は、ラジオ放送を受信して運転席に対応するシートのヘッドレストスピーカ402から出力し、音楽を助手席に対応するシートのヘッドレストスピーカ402から出力してもよい。
制御装置404は、カーナビゲーション装置406によって取得された車両の位置(場所)に応じて、記憶装置に記憶された楽曲データを選択し、スピーカから出力してもよい。また、制御装置404が、車両に搭載されたシートそれぞれに設けられたスピーカ(ヘッドレストスピーカ402等)や、乗員のスマートフォン、パソコンに搭載されたスピーカを制御可能であるときには、出力すべきスピーカを選択し、出力を行ってもよい。
また、制御装置404は、カーナビゲーション装置406から走行予定経路等を取得して車両挙動を推定し、推定された車両挙動に関する通知を乗物酔いし易い乗員が着座するヘッドレストスピーカ402から出力してもよい。これにより、乗物酔いし易い乗員が予め自らの体に加わる慣性力の向き等を察知できるため、乗物酔いを防止することができる。
制御装置404は乗員の好みにあった楽曲を提供するため学習手段を備えているとよい。具体的には、制御装置404は、乗員に提供された音楽に対する乗員の反応(受け入れるか拒否するか等の応答)を取得して学習モデルを構築し、その学習済みモデルを用いて、乗員の反応に対応する楽曲を選択し、スピーカ(ヘッドレストスピーカ402等)から出力するとよい。
音響システム401は、車室内の音声を取得可能なマイク407を備え、制御装置404はマイク407から取得した信号に基づいて雑音の強弱を判定し、雑音が強い(又は、雑音がある)と判定したときには、ヘッドレストスピーカ402から出力する音の音量を大きくするとよい。その他、制御装置404は、窓が開いた事を検出した時、エアコン作動時、車両の加速時(すなわち、エンジン音やモータ音が大きいとき)や、車外の騒音検出時(他車が自車に接近時)等において、制御装置404はスピーカから出力される音量をそれ以外の場合に比べて大きくするとよい。
制御装置404は、マイク407によって取得した雑音の音量が所定値以上、又は、スピーカから出力すべき音量が所定値以上であるときには、スピーカからの出力を制限する(又は、禁止する)とよい。
また、制御装置404はマイク407によって取得した音声に基づいて、乗員の間で会話がなされていると判定したときには、制御装置404は、スピーカ(各シートのヘッドレストスピーカ402、車内スピーカ403、シートバックスピーカ405、又は、乗員のスマートフォン等の端末やパソコン等に搭載されたスピーカ)の音量を制限するとよい。このとき、制御装置404は、会話がなされていない場合に比べて音量が小さくなるように制限するか、又は、音量がゼロとなる(すなわち、消音する)ようにしてもよい。
また、制御装置404はフロントシート(リアシート)の着座者の音声をマイク407によって取得したときに、リアシート(フロントシート)のヘッドレストスピーカ402から出力するように構成していてもよい。このとき、シートそれぞれに発光素子が設けられているときには、制御装置404は、音声を取得した着座者の着座するシートの発光素子を発光させるとよい。制御装置404は、着座者からの入力(例えば、ボタン入力等)に基づいて、適宜、他の着座者の音声を自らの着座するシートのヘッドレストスピーカ402から出力する処理を実行、又は、停止するとよい。
音響システム401は車外に向けて音声を発する車外スピーカ408を備えていてもよい。制御装置404は、マイク407によって取得した音声を車外スピーカ408から出力してもよい。また、音響システム401は車外にいる人と車内にいる人とが会話を行うことができるように、車外の音声を取得するマイク407を備えていてもよい。
制御装置404は、自動運転時には出力先を各シートのヘッドレストスピーカ402とし、出力内容を着座者の好む音楽に設定し、手動運転時には出力先を車内スピーカ403や全てのシートのヘッドレストスピーカ402とし、出力内容を走行案内となるように設定してもよい。
音響システム401は車外を撮像する車外カメラ410を含み、制御装置404は車外カメラ410によって取得された画像に基づいて車両が危険な状態になりうると判定したときには、運転者のみへの通知から車内全員に通知すべく、ヘッドレストスピーカ402からの音声出力を車内スピーカ403からの音声出力に切り替えてもよい。制御装置404は、車外カメラ410によって取得された画像に基づいて、所定の方向に危険な事象が生じていると判定したときには、対応する方向のスピーカから出力を行ってもよい。
このとき、制御装置404は、車室内のシートに設けられたスピーカ(ヘッドレストスピーカ402や、シートバックスピーカ405等)や、車内スピーカ403からの出力を制御することによって、音像定位を変え、車の接近などを乗員に直感的に知らせてもよい。
また、制御装置404は車外カメラ410によって車両前方の信号機の状態(赤、黄、
青色)を取得し、その取得結果に基づいて、スピーカを介して乗員に発進可能である事を
案内する(音や振動で知らせる)ように構成してもよい。具体的には、制御装置404は、車外カメラ410に基づいて、車両前方の信号が赤色から青色になったことを検出したときには、ヘッドレストスピーカ402(運転席のヘッドレストスピーカ402、シートバック4に設けられたスピーカ)や車内スピーカ403によって運転者に発進可能であることを通知してもよい。制御装置404は、車外カメラ410に基づいて、車両前方の信号が青色から黄色に変更した時や黄色から赤色に変更した時、ヘッドレストスピーカ402や車内スピーカ403から運転者に減速や停止を案内してもよい。
また、音響システム401は、シートに設けられた振動デバイス412や、照明装置414を含んでいてもよい。振動デバイス412や照明装置414は制御装置404によって制御されるものであってよい。制御装置404は、振動デバイス412や照明装置414を駆動させることにより、運転者に発進、減速や停止を案内してもよい。
また、音響システム401は、車速センサ415やブレーキの作動状態を検出するブレーキセンサ416(例えば、ブレーキの踏込量を検出するセンサ)を含んでいてもよい。制御装置404は、乗員への案内を行うタイミングや、乗員への通知レベルを、車速センサ415によって取得される車速や、ブレーキセンサ416によって取得されるブレーキの作動状態に基づいて設定してもよい。例えば、制御装置404は、乗員への案内のタイミングを、車速が所定値より高く、ブレーキが作動していない場合に、それ以外の場合に比べて早く設定するとよい。また、制御装置404は、乗員への通知レベルを、車速が所定値より高く、ブレーキが作動していない場合に、それ以外の場合に比べて通常よりも例えば、音を大きく、振動を大きく、照明を点滅する等によって、高くするとよい。
また、制御装置404は、車内の状況や、車両の利用用途に応じてヘッドレストスピーカ402と車内スピーカ403を切り替えてもよい。例えば、車両がカーシェアで利用される場合には、制御装置404はヘッドレストのスピーカから音声や音楽を出力するとよい。また、制御装置404は車内カメラ等の検出結果に基づいて、車両が家族連れに使用されていると判定したときには、車内スピーカ403から音声や音楽を出力するとよい。
また、音響システム401は、着座者の体型や座高等の生体情報を取得可能な生体情報センサ418を含んでいてもよい。生体情報センサ418は例えば、シートの着座面に設けられた体圧センサや、着座者を撮像する車内カメラによって構成されていてもよい。制御装置404は、生体情報センサ418によって取得された着座者の生体情報に基づいて、スピーカ(ヘッドレストスピーカ402等)を制御する(選択する)とよい。制御装置404は、例えば、生体情報センサ418によって取得された着座者の体型や座高に基づいて、スピーカから出力する音の方向を変更する(小柄な人や子供ならばヘッドレストス
ピーカ402から下向きに音を出すか、シートバック4にスピーカが設けられた場合にはシートバック4のスピーカから音を出す)構成であってもよい。また、制御装置404は
、各シートに設けられた着座センサから、シートそれぞれの着座者の有無を取得し、着座者がいないと判定したときには、そのシートに設けられたスピーカ(ヘッドレストスピーカ402等)から音声を出力させないようにしてもよい。
また、音響システム401は、シートの姿勢を検出するシート姿勢センサ420を含んでいてもよい。シート姿勢センサ420は、例えば、シートのリクライニング角度を検出するリクライニング角度センサであってよい。また、シートがフロアに対して上下方向を軸線とした回転可能に支持されているときには、シート姿勢センサ420は、シートの回転角度を検出する回転角度センサであってよい。
制御装置404は、シート姿勢センサ420によって取得されたリクライニング角度に基づいて、ヘッドレストスピーカ402から出力する音の大きさを設定してもよい。具体的には、制御装置404は、リクライニング角度が大きくなるにつれて、ヘッドレストスピーカ402から出力する音の音量を小さくなるように設定してもよい。これにより、シートがリクライニング状態にあり、着座者の頭部とヘッドレストHとの距離が小さくなるほど、ヘッドレストスピーカ402から出力する音の大きさが小さく設定されるため、シートの快適性が向上する。
制御装置404は、シート姿勢センサ420によって取得されたシートの回転角度に基づいて、ヘッドレストスピーカ402及びシートバックスピーカ405から出力する音の大きさや出力方向を変更・制限してもよい。具体的には、制御装置404は、シートの回転角度に基づいて、ヘッドレストスピーカ402及びシートバックスピーカ405の出力方向がそのシートの着座者以外の乗員に向き、他の乗員に影響があると判定した場合には、その影響を抑制するために、ヘッドレストスピーカ402及びシートバックスピーカ405から出力する音の大きさを抑制して、音の大きさを小さく(又は、消音)してもよく、また、ヘッドレストスピーカ402及びシートバックスピーカ405の出力方向を変更してもよい。
また、音響システム401は、スピーカの搭載されたヘッドレストHと、当該ヘッドレストHの前方に位置する物体(例えば、着座者の頭部等)との距離を検出する測距センサ421を含んでいてもよい。このとき、制御装置404は、測距センサ421によって取得された距離に基づいて、ヘッドレストスピーカ402から出力する音の大きさや音響の性質を設定してもよい。測距センサ421は例えば、電波に基づくもの、赤外線を用いたものであってもよい。制御装置404は測距センサ421によって取得された距離に基づいて、着座者の有無を判定してもよい。上記のようにヘッドレストHに2つのスピーカが設けられる場合には、測距センサ421は2つのヘッドレストスピーカ402の間に配置されているか、又は、ヘッドレストスピーカ402と重ならない位置に設けられているとよい。
測距センサ421によって取得された距離が第1閾値以上であるとき(例えば、乗員が食事をとっているとき)には、制御装置404は、ヘッドレストスピーカ402や車内スピーカ403から出力する音の音量を第1閾値未満であるときよりも大きく設定してもよい。また、測距センサ421によって取得された距離が、第1閾値よりも大きな第2閾値以上であるときには、制御装置404は、ヘッドレストスピーカ402や車内スピーカ403からの音声の出力を停止してもよい。また、制御装置404は、乗員の保持するスマートフォンへの入力に基づいて、ヘッドレストスピーカ402や車内スピーカ403から出力する音の音量を変更してもよい。このとき、スマートフォンには、ヘッドレストスピーカ402や車内スピーカ403の音量を変更するための専用のアプリケーションがインストールされているとよい。アプリケーションが実行されると、スマートフォンは制御装置404とペアリングし、例えば、スマートフォンへの入力に基づいて、スピーカから対応する音声や楽曲が出力されてもよい。
また、音響システム401は、上記のスピーカとは別に、ヘッドレストHに設けられた骨伝導スピーカ422を含んでいてもよい。制御装置404は、測距センサ421によって取得された距離に基づいて、ヘッドレストHに着座者の頭部が接触していると判定したときには、上記のスピーカに変えて、骨伝導スピーカ422から音を出力してもよい。また、制御装置404はヘッドレストHを可動し、着座者の頭部や首、肩口にヘッドレストHを接触させた後、骨伝導スピーカ422から音を出力してもよい。その他、制御装置404は着座者にのみ音を伝えたい場合には骨伝導スピーカ422から出力し、それ以外のときには、上記のスピーカから出力してもよい。ネックパッドや、ヘッドレストH、シートバック4にエアセルが設けられ、その着座者側に振動デバイス412が設けられているときには、制御装置404は、振動デバイス412を骨伝導スピーカ422として駆動してもよい。このとき、振動デバイス412は、着座者の適所を押圧することにより、マッサージを行うことができるように構成されているとよい。
音響システム401は、車室内に香りを放つ芳香デバイス423を含んでいてもよい。芳香デバイス423はヘッドレスト1に設けられていてもよい。制御装置404は、スピーカから出力する音に合わせて、芳香デバイス423から放つ香りの種類を変更可能であるとよい。これにより、例えは、車内のモニタ等に映し出される映画の状況に合わせて香りを変えることができる。
音響システム401は、生体情報センサ418(例えば、車内カメラ等)によって取得した情報に基づいて、着座者を特定し、特定された着座者に合わせて芳香デバイス423から出力する香りの種類を決定するとよい。芳香デバイス423の香り吹き出し口が、使用していない時には収納可能であるとよく、回転収納やスライド収納可能であるとよい。また、芳香デバイス423は、複数の芳香剤を有するカートリッジからの香りを組み合わせることによって、オリジナルの香りを精製(調香)することができるとよい。
制御装置404は、生体情報センサ418から着座者がマスクをしていると判定したときには、マスクをしていないと判定したときに比べて、香りをより強く放つように芳香デバイス423を制御するとよい。音響システム401は空調装置424を含み、制御装置404は空調装置424から当該空調装置424が稼働しているか否かを示す情報を取得し、空調装置424が稼働しているときには、芳香デバイス423からの香りの放出を制限あるいは禁止してもよい。制御装置404は、車内カメラ等によって、窓が開いていると検知したときには、芳香デバイス423からの香りの放出を制限あるいは禁止してもよい。
ヘッドレストHには、芳香デバイス423からの香りを導くためのダクトが設けられていてもよい。例えば、ダクトは密閉されたケース17の内部を横切るようにダクトが設けられていてもよく、また、ケース17の外側にダクトが設けられていてもよい。ダクトがケース17の内部に設けられているときには、ダクトはスピーカを避けた位置に設けられているとよい。また、スピーカが入っているケース17自体が、ダクトの一部を構成していてもよい。芳香デバイス423は、スピーカの振動をポンプとして利用し、香りを放つように構成されていてもよい。また、スピーカから音を前に出すための通路が、芳香デバイス423からの香りの導くための通路として機能してもよい。
ヘッドレストスピーカ402はシートバック4の上端に設けられた給電器426によって無線給電されてもよい。ヘッドレストスピーカ402にはバッテリが設けられていてもよく、バッテリは着座者がいないときに、充電が行われるように構成されているとよい。バッテリはヘッドレスト1に着脱可能に設けられているとよい。シートバック4の上端に設けられた給電器426によって、例えば、着座者の保持する端末(スマートフォン等)が給電可能であってもよい。給電器426には端末を保持する構造(例えば、リブ等)が設けられているとよく、また、置き忘れ防止機能を備えたものであってよい。バッテリに限らず、ヘッドレスト1に設けられるデバイス15(スピーカや、芳香デバイス423、振動デバイス412、通信ユニット等)はシートから着脱可能であり、且つ、入れ替え可能であってもよい。
音響システム401は、ディスプレイ428やプロジェクタ430を含んでいてもよい。ディスプレイ428はヘッドレスト1の背面に設けられていてもよく、ヘッドアップディスプレイであってもよい。このとき、ヘッドレスト1のスピーカには前後方向に延びるダクト(不図示)が接続され、そのダクトには出力方向を切り替える弁体(不図示)が設けられていてもよい。ディスプレイ428に映像が表示されるときには、その映像に合わせた音を後方に伝えるべく、制御装置404は弁体を制御するとよい。
制御装置404は、スピーカ、照明装置414、カーナビゲーション装置406、ディスプレイ428、プロジェクタ430、芳香デバイス423、空調装置424や、各種デバイス、スイッチ等を連携して作動させるものであってよい。音響システム401は、映像に加えてリアルな体感要素を提供する体感型劇場上映システム(4DX)として機能してもよい。
制御装置404は、スピーカのいずれかに異常を検出したときには、そのスピーカからの音の発生を停止し、他のスピーカから音を発生させるように構成されているとよい。具体的には、制御装置404は、ヘッドレストスピーカ402の異常を検出したときには、対応するシートの側方に位置する車内スピーカ403(ドアスピーカ等)から出力を行うとよい。制御装置404は、ヘッドレストスピーカ402と、対応するシートの側方に位置する車内スピーカ403に異常を検出したときには、対応するシートの周辺に位置するシートに設けられたスピーカから出力を行うとよい。
制御装置404は、運転席のヘッドレストスピーカ402の異常が検出された時は、異なるスピーカ(車内スピーカ403や、運転席以外のシートに設けられたスピーカ)から運転支援情報を案内するとよい。このとき、他のスピーカから出力するときには、制御装置404は、運転者により音が伝わるように、出力方向を通常の出力方向とは異なる方向に変更してもよい。制御装置404は、振動デバイス412や照明装置414を作動させて、運転者に通知を行うとよい。
制御装置404は、運転席に設けられたスピーカ、運転席以外のシートに設けられたスピーカ及び車内スピーカ403のいずれか1つに異常を検出したときには、ディスプレイ428やナビゲーション装置のタッチパネルに異常が検出されたスピーカの位置を表示し、その異常が検出されたスピーカからの出力を制限(停止)するとよい。
制御装置404は、シートに設けられたスピーカの少なくとも一つの異常が検出された時は、異常が検出されたスピーカの作動を制限(禁止)するとともに、そのスピーカに近接する車内スピーカ403(ドアスピーカや、トレイ等のインテリアに設けられたスピーカ)や他のシートに設けられたスピーカから出力を行ってもよい。このとき、制御装置404は、車内スピーカ403や他のシートに設けられたスピーカから発生する音の音量を、通常、車内スピーカ403から発生する音の音量よりも大きくするか、又は、出力方向を変更するとよい。また、同時に、制御装置404は、振動デバイス412を駆動させる、照明装置414を点滅させるなどしてもよい。
制御装置404は、車室内に音を発するスピーカから運転支援情報に係る音声を発生させたときに、マイク407によって対応する乗員の音声を取得ことができない(すなわち、乗員が応答しない)場合は、制御装置は、スピーカから音をより大きな発生させる、振動デバイス412を駆動させる、また、照明装置414を点滅させるなどにより、再度、乗員に通知を行うとよい。
<ドアタッチセンサ>
ドアトリム500であって、その車内側の面を形成する車両用内装品501を備えたものがある(例えば、国際公開第2020/204174号)。車両用内装品501の車内側の側面には、着座者の入力を受け付けるためのタッチスイッチ502が設けられている。車両の振動対策として、タッチスイッチ502に接続されたフラットケーブル503をより強固に固定する技術の開発が求められるようになっている。以下では、タッチスイッチ502に接続されたフラットケーブル503の固定性を向上させた車両用内装品501について記載する。
図13に示すように、車両用内装品501は車両ドアのドアトリム500に設けられ、ドアトリム500の車内側側面の一部を構成している。すなわち、ドアトリム500は、ドアトリム本体505と、車両用内装品501とを含む。ドアトリム本体505には車幅方向に貫通する開口506が設けられ、車両用内装品501は開口506に車外側から嵌めこまれている。図14(A)に示すように、車両用内装品501は、車両に搭載された車載機器を制御するタッチスイッチ502と、図柄が設けられた加飾パネル507とを有している。加飾パネル507は車内側を向く面を有している。
タッチスイッチ502はいわゆるメンブレンスイッチによって構成されているとよい。タッチスイッチ502は乗員からの入力を受け付けるための複数の電極を有している。タッチスイッチ502の電極は加飾パネル507の車内側を向く面に沿って配置されている。タッチスイッチ502の表面側には加飾フィルム508が貼着されている。
タッチスイッチ502へのタッチ操作は電極間の容量の変化や、抵抗の変化として検出される。電極にはフラットケーブル503(接続部ともいう)が接続されている。このようなフラットケーブル503においては、車両(特に悪路を走行する車両)における振動対策として、固定性の向上が望まれる場合がある。
このような要望に対して、フラットケーブル503が当接する加飾パネル507(ベース部材)に、フラットケーブル503を固定するための固定手段510を設けることが考えられる。以下、固定手段510(固定装置)の態様について、順次説明を行う。
図14(A)に示すように、フラットケーブル503の固定手段510は加飾パネル507の上端部から突出し、フラットケーブル503の延在方向に直交する方向の縁部(サイドともいう)においてフラットケーブル503に当接する2つの凸部512を含むとよい。これにより、フラットケーブル503の位置決めが行われるため、フラットケーブル503のふらつきが防止できる。また、図14(B)に示すように、固定手段510は、フラットケーブル503の延在方向に直交する方向の縁部それぞれにおいて延在方向に直交する方向に延出し、凸部512に当接する張出部513を含んでいてもよい。これにより、フラットケーブル503の固定性が向上する。
また、図15(A)に示すように、固定手段510は、フラットケーブル503に設けられた開口部514と、加飾パネル507に設けられ、開口部514に突入する凸部516とを含んでいてもよい。開口部514に凸部516が突入することによって、フラットケーブル503が位置決めされるため、フラットケーブル503の固定性が向上する。
また、図15(B)に示すように、固定手段510は加飾パネル507の上面に設けられ、フラットケーブル503を収納可能な凹部518を含んでいてもよい。凹部518の幅(前後方向の幅)はフラットケーブル503の幅と概ね等しいとよい。フラットケーブル503が凹部518に収容されることで、フラットケーブル503の固定性が向上する。
また、図15(C)に示すように、固定手段510は、フラットケーブル503を収容した凹部518を覆うように加飾パネル507に配置されたシート状の保護部材520を含んでいてもよい。これにより、フラットケーブル503が保護部材520に保護される。
また、図16(A)に示すように、固定手段510は、加飾パネル507に設けられ、フラットケーブル503が挿通可能な貫通孔522を含んでいてもよい。フラットケーブル503を貫通孔522に通すことで、フラットケーブル503の固定性が向上する。固定手段510は、図16(B)に示すように、加飾パネル507の貫通孔522と、フラットケーブル503を貫通孔522に係止するためのクリップ部材524とを含んでいてもよい。例えば、クリップ部材524はフラットケーブル503と貫通孔を画定する壁面を封止するものであってよく、例えば、不織布等によって構成されていてもよい。これにより、車両の振動による影響が抑制され、フラットケーブル503の脱落を防止でき、更に、フラットケーブル503の固定性を向上させることができる。また、絶縁体である不織布が貫通孔522を画定する壁面とフラットケーブル503との間に設けられるため、フラットケーブル503の配線が車両用内装品501やドアパネルに接触し、グランドに短絡することを防止することができる。
その他、クリップ部材524をフラットケーブル503で挟み、クリップ部材524ごと加飾パネル507とインサート成形することによって、車両用内装品501が構成されていてもよい。これにより、加飾パネル507とフラットケーブル503とが一体化されるため、フラットケーブル503の固定性が向上する。
ドア開放時にドアトリム500に雨水等がかかると、タッチスイッチ502の電極に雨水が付着する虞がある。そこで、雨水が車両用内装品501に付着することを防止することが望ましい。
そこで、図17に示すように、車両用内装品501の上側であって、ドアトリム本体505の車両用内装品501に近接する部位に、車内側に向かって下方に張り出す張出部526を設けることが考えられる。張出部526は、タッチスイッチ502を斜め上方から覆う庇状をなしている。張出部526は、タッチスイッチ502の上方のドアトリム500の車内側の面に付着した水が下方に垂れて、タッチスイッチ502の電極に到達することを防止する。
張出部526はフラットケーブル503のうち、車両用内装品501の上方を通過する部分よりも上方に配置されていてもよい。また、張出部526はフラットケーブル503への水の侵入を防止するべく、車両用内装品501の下方に配置されていてもよい。
その他、タッチスイッチ502に親水性のコート剤が塗布されていてもよく、また、ドアトリム500の車内側側面に水を流すための流路が、タッチスイッチ502を避けるように設けられていてもよい。
これまで、タッチスイッチ502はメンブレンスイッチによって構成されている例を記載したが、この態様には限定されない。例えば、タッチスイッチ502はタッチパネルに表示されるボタンによって構成されていてもよい。タッチパネルはフラットケーブル503を介して、タッチパネルへの入力の処理や、タッチパネルへの表示の制御を行う制御装置に接続されているとよい。
制御装置は、タッチスイッチ502への入力を受け付けたときに、タッチパネルに操作入力があった箇所を強調させるような制御を行うとよい。制御装置は乗員の声を取得可能なマイクに接続されている場合には、乗員の音声の有り無しによって、画面強調の度合いを変えてもよい。具体的には、乗員が「シートのリクライニング」と発話すると、制御装置は、タッチパネルに表示されたリクライニングに関するスイッチ部分のみを発光させるように制御するとよい。また、制御装置は、ドアトリム500の車内側に設けられたシートの姿勢(例えば、リクライニング角度等)を検出するセンサに接続され、そのセンサによる検出結果に応じて、入力を受け付けるボタンの位置を変えてタッチパネルに表示してもよい。
その他、タッチスイッチ502が複数設けられ、タッチスイッチ502にそれぞれ発光素子が設けられていてもよい。タッチスイッチ502のいずれにおいて入力を受け付けるかを通知するために、それぞれの発光素子は適宜、点灯・点滅するとよい。入力を受け付けるタッチスイッチ502は、ドアトリム500の車内側に位置するシートの姿勢に応じて、変更されるとよい。例えば、シート側方のドアにタッチスイッチ502が前後に配置されている場合に、シートが後方に倒された(リクライニング角度が所定閾値以上となった)ときは、ドアの後方側のスイッチが光ってアクティブになる(すなわち、入力受付可能となる)とよい。
<生体センサシステム>
車両には着座者の呼吸状態を望ましい状態となるように誘導するため、車両に呼吸支援システムが設けられることがある(例えば、国際公開第2021/020523号)。着座者から呼吸に関するもの以外の情報、例えば、心拍や脈拍等も取得することができるセンサが開発されている。そこで、着座者の様々な生体情報を取得し、取得した生体情報に基づいて新たなサービスを提供できる生体センサシステム601の開発が望まれている。以下では、センサによって取得された生体情報に基づいて、種々のサービスを提供することのできる生体センサシステム601について記載する。
生体センサシステム601は、自動車等の車両に搭載されるものである。図18に示すように、生体センサシステム601は、車室内のシートに設けられた生体センサ602と、生体センサ602から情報を取得可能な制御装置603(ECU)と、制御装置603に電力を供給するバッテリ604と、制御装置603と外部機器との通信を媒介する通信装置605と、車両内外の人に報知を行う報知装置606とを備えている。
生体センサ602は各シートに設けられ、対応するシートの着座者の生体情報を取得する。生体センサ602によって取得される生体情報は、例えば、着座者の呼吸(呼吸回数等)、心拍(心拍数等)、脈拍(脈拍数等)や、着座者からの臭気、着座面に加わる圧力(体圧)を検出可能であってよい。生体センサ602は、複数のデバイス(例えば、半導体デバイス)によって構成されていてもよく、単一のデバイスによって構成されていてもよい。生体デバイスは、例えば、シートクッションのパッド上に上下に重ね合うように配置された電極を備え、その電極間の抵抗値がシートクッションに着座した着座者の呼吸や心拍等によって変化する抵抗感圧式のセンサであってもよい。
制御装置603は、中央演算処理装置610(CPU)、RAM611、ROM612、及び、SSDやHDD等の記憶装置613を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。
制御装置603は生体センサ602によって取得された情報を記憶装置613に記憶させるとよい。記憶装置613に記憶させる情報は例えば、心拍や、呼吸、脈波、体臭、体圧等の生体情報であってよい。制御装置603は、記憶装置613に保持された情報と、生体センサ602の検出結果とに基づいて、運転者の異常(例えば、心停止等)を検出することができる。
制御装置603は、車速センサや加速度センサ等の車両挙動センサ607に接続されていてもよい。これにより、制御装置603は、車両挙動センサ607の検出結果に基づいて、生体センサシステム601が搭載された車両に事故が発生したか否かを判定することができる。
制御装置603は、また、車両を自律走行させるための自律走行支援システムに接続されていてもよい。
通信装置605は、制御装置603と、着座者が保持する携帯可能な端末608(スマートフォン)や、救急センタ609との通信を媒介する。通信装置605は、制御装置603と端末608との間のWi-Fi等による短距離の無線通信を媒介するとともに、制御装置603と救急センタ609に設けられたサーバとのパケット通信や、音声による通信を媒介するものであってよい。
報知装置606は車両内外の人に報知を行うものであって、車内外に音を発生させるスピーカや、車内外に光を照射する発光デバイス等であってよい。
端末608は通信装置605を介して制御装置603と相互に通信(ペアリング)し、画面に生体センサ602によって取得された情報(心拍数や呼吸数等)を表示するとよい。
制御装置603は、車両挙動センサ607の検出結果に基づいて事故が発生したと判定したときや、生体センサ602によって運転者に異常が発生したと判定したときには、報知装置606を駆動して、車外に音や光等によって事故が発生したことを通知するとよい。これにより、通信装置605によって救急センタ609に接続できない場合であっても、車外に事故の発生や運転者の異常を通知することができる。このとき、音の強さや高さ、光の強度や色によって、制御装置603は運転者の救護の緊急度を車外に報知するとよい。
運転者に異常が発生したと判定したときには、制御装置603は救急センタ609に接続し、スピーカから車内に向けて救急センタ609からの音声を出力するように構成されていてもよい。また、制御装置603は端末608を制御し、救急センタ609に接続させるように構成されていてもよい。これにより、端末608を通じて、救急センタ609と運転者とが通信可能となり、運転者の救護を的確に行うことが可能となる。
また、制御装置603がシートを制御可能に構成され、車両挙動センサ607の検出結果に基づいて事故が発生したと判定したときや、生体センサ602によって運転者に異常が発生したと判定したときに、シートを制御するように構成されているとよい。その他、制御装置603は、シートに設けられたシートヒータを制御可能に構成され、車両挙動センサ607の検出結果に基づいて事故が発生したと判定したときや、生体センサ602によって運転者に異常が発生したと判定したときに、着座者を温めるべく、シートヒータを駆動させてもよい。
端末608は制御装置603から記憶装置613に保持された生体情報を取得可能に構成されているとよい。これにより、端末608が取得した生体情報の履歴を、例えば、病院等において、乗員の体調を診断するためのデータとして活用することができる。
制御装置603は生体センサ602によって取得される体圧に基づいて、例えば、失神等による運転者の姿勢の崩れを検出したときには、自律走行支援システムに車両を自律走行させて路端に停止させるべく通知を行うとよい。
制御装置603は、車両挙動センサ607の検出結果に基づいて事故が発生したと判定したときには、生体センサ602によって取得された着座面の圧力分布を外部のサーバに対して送信するとよい。これにより、例えば、救護者が救護を行うときに、圧力分布に基づいて、例えば、事故により車両内に閉じ込められた乗員の姿勢を理解することができる。このとき、救護者は生体センサ602によって取得された情報と、車両に搭載されたドライブレコーダによって記録された情報とを連携させる(又は、併用する)とよい。
<振動デバイス>
シート701には、着座者に所定の情報を伝達するための振動デバイス702が設けられることがある(例えば、特開2020―152377号公報)。一方で、シート701の内部には、着座面への送風や、着座面からの排気を目的として、通気溝703が設けられることがある(例えば、特開2020―110702号公報)。
着座者に効果的に振動を伝えるという観点から、振動デバイス702はパッド部材704の着座面側の面に設けられることが好ましい。一方、パッド部材704の着座面側の面に通気溝703の一部が設けられた場合に、振動デバイス702の配置できる範囲が制限される。そのため、振動が乗員に伝わりやすくなるように、通気溝703と振動デバイス702とを適切に配置することのできる技術の開発が望まれていた。
そこで、図19(A)に示すように、パッド部材704と、パッド部材704の外面を覆う表皮材705とを有するシート701であって、パッド部材704の表面(着座者側の面)に設けられた部分を含む通気溝703と、パッド部材704の表側に設けられた振動デバイス702とを有し、振動デバイス702は通気溝703を避けた位置に配置されているとよい。これにより、通気溝703をパッド部材704の表面に設けることができる。また、振動デバイス702と着座者との間に表皮材705のみが設けられる態様となるため、振動が着座者に伝わり易い。
また、図19(B)に示すように、パッド部材704と、パッド部材704の表面を覆う表皮材705とを有するシート701であって、パッド部材704の表面に設けられた通気溝703と、通気溝703に収容された振動デバイス702とを有し、振動デバイス702の着座面側の面がパッド部材704の表面であって通気溝703が設けられていない部分と面一をなしているとよい。これにより、パッド部材704と振動デバイス702とによって滑らかな面が形成されるため、着座感が向上する。更に、振動デバイス702と着座者との間に表皮材705のみが設けられる態様となるため、着座者に振動が伝わり易い。
また、通気溝703は直線状に延びる直線部710と、直線部710に接続され直線部710から側方に延びる凹部711とを備え、振動デバイス702は凹部711に整合する形状(箱型状)をなし、振動デバイス702は凹部711に収容されて、凹部711を封止するとよい。これにより、振動デバイス702と通気溝703とによって、直線状の通気路712を構成することができる。このように、直線状の通気路712をシート701内に構成することで、ジグザグ状の通気路を構成する場合に比べて、シート701内の通気性が高められる。
パッド部材704は、図20に示すように、パッド本体720と、パッド本体720の表面に重ねて配置されたカバーパッド722とによって構成されるとよい。このとき、カバーパッド722は、シート状の中間パッド725と、シート状の表側パッド726とを備えている。中間パッド725と、表側パッド726とが、パッド本体720の表面に記載の順に重ね合わされている。
パッド本体720には表裏方向に貫通する本体通気孔730が設けられている。中間パッド725には、表裏方向に貫通する中間通気溝732が設けられている。中間通気溝732は表面側から見てU字状をなすU字溝部734と、U字溝部734から延びる延出溝部736とを有している。表側パッド726にはU字溝部734に整合する位置に表裏方向に貫通するカバー通気孔748が設けられている。カバーパッド722がパッド本体720に重ね合わされたときには、本体通気孔730は延出溝部736に表裏方向に重なり、カバー通気孔748がU字溝部734に表裏方向に重なる。これにより、パッド部材704に、本体通気孔730、中間通気溝732、及び、カバー通気孔748を順に通過する通気路が形成される。
図21に示すように、中間パッド725の表面には、裏側に凹み、振動デバイス702を収容する凹部750が形成されているとよい。凹部750は中間通気溝732を避けた位置に設けられていてもよく、また、中間通気溝732に接するように設けられていてもよい。凹部750が中間通気溝732に接するように設けられているときには、振動デバイス702は凹部750に整合する形状をなし、振動デバイス702が凹部750に収容されたときに、凹部750が封止されるとよい。これにより、振動デバイス702の側面が通気路を画定する面を構成し、通気路の中間パッド725を通過する部分であって、振動デバイス702が設けられた部分近傍が直線状をなすようになる。
図20に示すように、振動デバイス702を収容する凹部750は、表側パッド726やパッド本体720に設けられていてもよい。凹部750が表側パッド726に設けられるときには、凹部750はカバー通気孔748を避けた位置に設けられることが好ましい。凹部750がパッド本体720に設けられるときには、凹部750はパッド本体720の表側に設けられることが好ましく、凹部750は本体通気孔730を避けた位置や、本体通気孔730に接する位置に設けられていてもよい。
但し、振動デバイス702を収容する凹部750はパッド本体720、中間パッド725、及び、表側パッド726のいずれかに形成され、それぞれ振動デバイス702を収容する収容室752を画定していたが、それぞれの部材のいずれかのみに形成される態様には限定されない。
例えば、図22(A)に示すように、振動デバイス702を収容する収容室752は、表側パッド726と中間パッド725とに跨るように設けられていてもよく、図22(B)に示すように、収容室752は表側パッド726の表側から中間パッド725に至るように形成されていてもよい。また、図22(C)に示すように、振動デバイス702を収容する収容室752は中間パッド725の表面からパッド本体720に至るように形成されていてもよく、また、図22(D)に示すように、表側パッド726、中間パッド725、及びパッド本体720の3つに跨るように形成されていてもよい。
図23(A)に示すように、振動デバイス702を収容する収容室752には、振動デバイス702に電力を供給するためのハーネスが収容されるハーネス収容部754が設けられているとよい。ハーネス収容部754を形成するため、中間パッド725に凹部750が設けられたときには、図23(B)に示すように、パッド本体720の凹部750に整合する位置に表裏方向に貫通するハーネス用貫通孔755が設けられているとよい。また、中間パッド725の裏面側に表側に凹むハーネス用溝756が形成され、ハーネス用溝756とパッド本体720とによってハーネス収容部754が形成されていてもよい。また、ハーネス用溝756は中間パッド725の表側に裏側に凹むように設けられ、ハーネス用溝756と表側パッド726とによって、ハーネス収容部754が形成されていてもよい。
これまで記載してきたように、振動デバイス702をパッド部材704に設ける場合には、振動デバイス702をパッド部材704に形成された凹部750に収容する(すなわち、パッド部材704に埋め込む、挿し込むともいう)態様が一般的ではあるが、振動デバイス702をパッド部材704に配置する方法はこの態様には限定されない。例えば、表皮材705を固定するための部材、例えば、吊り込みワイヤやクリップの台座等に取付部が設けられ、その取付部に振動デバイス702が固定されていてもよい。表皮材705を固定する部材(パッドに埋め込まれたワイヤや、表皮をクリップ固定するための台座。表皮固定部ともいう)に、振動デバイス702の取付部を設けて固定をすることで、振動デバイス702をパッド部材704に強固に固定できる。また、振動デバイス702から発生する振動が表皮材705を固定する部材に伝わるため、乗員に振動が伝わり易くなる。
図24(A)には、表皮材705を固定する部材であるワイヤ770に、振動デバイス702を固定する例が示されている。表皮材705を固定するワイヤ770は、パッド部材772の表面に設けられた溝774に収容されている。
図24(B)に示すように溝はシートクッションのパッド部材704の表面にH字状をなすように形成されている。溝は前後方向に延びる左右一対の縦部776と、左右に延びて縦部を接続する横部778とが設けられている。シートバックにおいても、同様に、溝は上下方向に延びる左右一対の縦部(不図示)と、左右に延びて縦部を接続する横部(不図示)とが設けられている。縦部及び横部にはそれぞれワイヤ770が収容されている。
縦部776に収容されたワイヤ770にはそれぞれ、取付部780を構成するための取付具782が設けられている。図25(B)に示すように、取付具782はワイヤ770に掛け止めされる掛止部790と、振動デバイス固定部792とを有している。振動デバイス固定部792は着座面側に向かって開口する箱状をなしている。振動デバイス固定部792の開口には、振動デバイス702に係合し、振動デバイス702を固定するための爪部794が設けられている。爪部794は振動デバイス702の着座面側の面に係合し、振動デバイス702を取付具782に係止する。これにより、振動デバイス702はワイヤ770を介してパッド部材704に固定される。
パッド部材704に固定された振動デバイス702は着座者に振動を伝え、情報を伝達する。一方、車両にはスピーカ等の音声を出力することによって、情報を伝達するデバイスが設けられる。このように、車両には、振動、音を出力する役割ごとにデバイスが設けられている必要があった。そこで、車両にボイスコイルモータ等のアクチュエータを用いて、音と振動の複合波形を出力させて、振動と音とを同時に出力させることが考えらえる。アクチュエータを駆動する波形には、人が触覚で感じることのできる低い周波数成分と、音として伝える高い周波数成分との両方を組み合わせた波形を用いるとよい。アクチュエータを駆動する波形は、例えば、周波数の低い成分の振動と、高い周波数の成分の振動とを交互に入れ替えたものであってよい。これにより、アクチュエータからは振動と音とが間欠的に出力される。
このように、1つのアクチュエータによって振動及び音を出力可能とすることで、着座者に触覚(振動)及び聴覚(音)を通じて、同時に情報を伝達することが可能となる。1つのデバイス(アクチュエータ)によって振動と音とが同時に出力されるため、振動、音をそれぞれ出力する2つのデバイスを用いた場合に比べてコストを抑えることができレイアウト性を向上させることができる。また、一つのデバイス(アクチュエータ)から振動と音とが同時に出力されるため、着座者が振動や音に気が付きやすくなる。
<情報伝達システム>
車両には、音や、光を発するデバイスを備え、それらを駆動することによって各種情報を伝達する情報伝達システムが設けられることがある。しかしながら、着座者の姿勢や状態によっては、このようなデバイスを駆動させても的確に情報が伝達されない場合がある。
そこで、図25(A)に示すように、情報伝達システム801は、車両の周辺環境情報を取得する情報取得装置802と、情報取得装置802によって取得した周辺情報を着座者に情報を伝達可能な情報伝達装置803と、車室内を含めた車両の状態を検出する状態検出装置804と、状態検出装置804による検出結果に基づいて情報伝達装置803の駆動状態を制御する制御装置805とを含むとよい。
図25(B)に示すように、制御装置805は中央演算処理装置810(CPU)、RAM811、ROM812、SSDやHDDによって構成された記憶装置813を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。制御装置805は情報取得装置802によって取得された情報に基づいて情報伝達装置803を駆動させる駆動部820(駆動手段)と、状態検出装置804による検出結果に変更があったときに、駆動部820の駆動を変更する変更部821(変更手段)とを含む。駆動部820及び変更部821はそれぞれ、制御装置805が所定のソフトウエアを実行することによって構成されるとよい。
情報取得装置802は、道路の湾曲や分岐や凹凸情報や目的地までの運転情報や周辺の車や障害物との距離情報を取得する。情報取得装置802は、例えば、カーナビゲーションシステムによって構成されていてもよく、また、車両に設けられた路面センサや、レーダ、ライダ、ソナー等の各種センサによって構成されていてもよい。また、カーナビゲーションシステムは、各種センサの組み合わせによって構成されていてもよい。
状態検出装置804は車室内の乗員の状態や、車両の走行状態を検出する。状態検出装置804は、各シートの着座者の有無や、着座者の種別(子供、高齢者、体調不良者等)、着座者それぞれの覚醒度、心拍、脈波、温度、体圧等の生体情報や、着座者の作業状態(仕事中である、読書を行っている等)を検出可能であるとよい。状態検出装置804は、例えば、シートそれぞれに設けられたセンサ、車内カメラ、又は、操作スイッチ等のデバイスや、それらのデバイスを組み合わせることによって構成されているとよい。
状態検出装置804は車両の状態として、車両の自動運転レベルを取得するものであってもよい。具体的には、状態検出装置804は車両が、運転者が運転操作を行う手動運転モードにあるか、又は、自律走行する自動運転モードにあるかを検出するものであってもよい。
シートがフロアに上下方向を軸線として回転可能に支持されている場合がある。その場合には、状態検出装置804は、シートそれぞれの回転角度を検出する回転角センサを含むとよい。また、状態検出装置804は、シートのリクライニング角度を検出するリクライニング角度センサや、シートの前後位置や移動距離を検出する位置センサを含んでいてもよい。回転角センサやリクライニング角度センサ、位置センサによる検出結果に基づいて、乗員の状態(リラックスモードにあるなど)や、車両の自動運転レベルを推定することができる。
情報伝達装置803は、振動により情報を伝達する振動体(振動デバイス)、又は、音声(空気の振動)により情報を伝達するスピーカや、振動体及びスピーカの組み合わせによって構成されているとよい。振動体は、各シートに設けられていることが好ましく、例えば、シートクッションやシートバックの着座面を振動させることで、乗員に情報を伝達するもの(偏心モータ等)であってもよい。
車両が手動運転モードにあることを状態検出装置804が検出したときには、制御装置805(駆動部820)は周辺環境情報を特定の乗員のみに選択的に伝達するべく、情報伝達装置803を制御する(このときの駆動部820の状態を特定伝達モードと記載する)。このとき、制御装置805(駆動部820)は特定の乗員が着座するシートに設けられたスピーカや振動体のみを駆動させてもよく、特定の乗員が着座するシートの側方のドアに設けられたスピーカのみを駆動させてもよい。また、制御装置805は、シートに設けられたスピーカや振動体、ドアに設けられたスピーカを選択的に、又は、協働して駆動させてもよい。また、このとき、制御装置805は特定の乗員に対応するスピーカや振動体の作動量を、他の乗員に対応するスピーカや振動体に比べて大きくしてもよい。具体的には、制御装置805(駆動部820)は、車両が手動運転モードにあるときには、制御装置805は周辺情報を運転者のみに伝達するべく、運転席に設けられた振動体及びスピーカの少なくとも一方を駆動させるとよい。但し、特定の乗員に対応するスピーカや振動体とは、乗員の着座するシートに設けられたスピーカや振動体、そのシートの側方に位置するドアのスピーカを意味する。
車両が自動運転モードにあることを状態検出装置804が検出したときには、制御装置805(駆動部820)は周辺環境情報を車室内の乗員に広く伝達するべく、情報伝達装置803を制御する(このときの駆動部820の状態を全体伝達モードと記載する)。例えば、車両が自動運転モードにあるときには、制御装置805は周辺情報を車室内の乗員に広く伝達するべく、乗員が着座しているシートの振動体及びスピーカのいずれか一方を駆動させるとよい。
状態検出装置804によって検出される車両の状態が手動運転モードから自動運転モードに切り替わったときに、変更部821が、駆動部820の作動態様を特定伝達モードから全体伝達モードに変更してもよい。状態検出装置804によって検出される車両の状態が手動運転モードから自動運転モードに切り替わったときに、変更部821が、駆動部820の状態を特定伝達モードから全体伝達モードに変更してもよい。
制御装置805は、情報取得装置802によって取得された周辺環境情報から運転者にとりわけ有用な情報を選択して、運転者に優先的に伝達するように情報伝達装置803を駆動してもよい。周辺環境情報のうち運転者にとりわけ有用な情報には、例えば、道路の湾曲や分岐や凹凸情報や目的地まで運転情報、周辺車両や障害物との距離情報が含まれているとよい。制御装置805は、運転者に優先的に伝達するべく情報伝達装置803を駆動するときには、例えば、制御装置805は運転席や運転席側方のドアのスピーカや振動体だけを作動させてもよく、運転席や運転席側方のドアのスピーカは振動体の駆動量を他に比べて大きくしてもよい。
情報取得装置802によって取得された周辺環境情報の種類に基づいて、変更部821が駆動部820の動作態様を変更してもよい。例えば、周辺環境情報によって取得された情報が運転者にとりわけ有用な情報であるときには、変更部821が、駆動部820の状態を全体伝達モードから運転者のみに情報伝達を行う特定伝達モードに変更してもよい。
制御装置805は、状態検出装置804によって取得された乗員の状態に基づいて、情報を伝達すべき乗員を選定し、その乗員に情報を選択的に伝達するべく、情報伝達装置803を制御してもよい。具体的には、制御装置805は、状態検出装置804によって取得された乗員の種別に監視を要する特定の種別(例えば、子供、高齢者、体調不良者等)に該当する者が含まれる場合には、特定の種別に該当する乗員を監視する乗員に周辺環境情報を選択的に伝達するべく、情報伝達装置803を制御するとよい。このとき、制御装置805は、監視する乗員の着座するシートに設けられたスピーカや振動体、そのシートの側方に位置するドアのスピーカのみを駆動するか、又は、他のスピーカ、振動体に比べて作動量を大きくするとよい。
その他、制御装置805は、状態検出装置804によって取得された乗員の作業状態が所定の条件を満たすとき(例えば、学習中である、読書中である等の聞き逃し等が生じやすい状態であるとき)には、対応するスピーカや振動体の作動量を大きくする等により、その乗員に周辺環境情報がより伝達されるように、情報伝達装置803を制御するとよい。
その他、状態検出装置804によって取得された乗員の覚醒度、心拍、脈波等の生体情報に基づいて、乗員の体調の異常を検出したときには、制御装置805は、その乗員の着座するシートに設けられたスピーカや振動体、そのシートの側方に位置するドアのスピーカからの出力を制限する(禁止する)か、又は、出力の強弱等の変更を停止する(変更部821の作動を制限する)とよい。
<車両>
ドライバーと、相乗希望者とをマッチングすることによって、乗合サービスを行うライドシェアが行われるようになっている。ライドシェアでは、面識のない人同士が車室を共有することになるため、乗員のプライバシーの確保が課題となっている。
そこで、図26(A)に示すように、車室901内に前後にシート902が並ぶシート列903が左右に並んで配置された車両904であって、車室901には左右のシート列903の間に前後に延びる前後仕切壁905が設けられているとよい。これにより、車室901が左右2つの個室906Aに区画されるため、前後仕切壁905がない場合に比べて、プライバシーが確保され易くなる。このとき、シート902はそれぞれレール902Lを介してフロア907に支持され、前後に移動可能であってよい。また、シート902はそれぞれ上下方向に延びる軸線Aを中心として回転可能であるとよい。これにより、例えば、乗員は、前後に並ぶ2つのシート902を向かい合うように配置したり、左右に並ぶ2つの902のシート前側を互いに近づくように配置したりすることができる。
前後仕切壁905は前後に移動可能であるとよく、より好ましくは、最前列や最終列に位置する左右のシート902の間に前後仕切壁905が存在しなくなるまで、前後仕切壁905は移動可能であるとよい。図26(B)に示すように、前後仕切壁905は前後に収縮可能であってもよく、より好ましくは、最前列や最終列に位置する左右のシート902の間に前後仕切壁905が存在しなくなるまで、前後仕切壁905は収縮可能であるとよい。
前後仕切壁905は、車両904の自動運転レベル(自動運転モード、手動運転モード)に応じて、移動又は収縮するものであってよい。例えば、車両904が自動運転モードにあるときには、全ての隣り合うシート902の間に前後仕切壁905が存在するまで前後仕切壁905が伸び、手動運転モードにあるときには、全ての隣り合うシート902の間に前後仕切壁905が存在しなくなるまで収縮するとよい。また、手動運転モードにあるときには、運転席と助手席(最前列に位置する左右のシート902)の間に前後仕切壁905が存在しなくなるまで、前後仕切壁905が収縮してもよい。
また、図27(A)に示すように、車室901内に左右に並ぶシート列908が前後に並んで配置された車両904であって、車室901には前後に並ぶシート列908の間に左右に延びる左右仕切壁909が設けられているとよい。これにより、車室901が前後2つの個室906Bに区画されるため、左右仕切壁909がない場合に比べて、プライバシーが確保され易くなる。このとき、シート902はそれぞれレール902Lを介してフロア907に支持され、前後に移動可能であってよい。また、シート902はそれぞれ上下方向に延びる軸線Aを中心として回転可能であるとよい。これにより、例えば、乗員は、前後に並ぶ2つのシート902を向かい合うように配置したり、左右に並ぶ2つの902のシート前側を互いに近づくように配置したりすることができる。
左右仕切壁909は前後に移動可能であるとよく、より好ましくは、左端や右端において前後に並ぶシート902の間に左右仕切壁909が存在しなくなるまで、左右仕切壁909は移動可能であるとよい。図27(B)に示すように、左右仕切壁909は左右に収縮可能であってもよく、より好ましくは、左端や右端において前後に並ぶシート902の間に左右仕切壁909が存在しなくなるまで、左右仕切壁909は収縮可能であるとよい。
このとき、左右仕切壁909の前面及び後面にはそれぞれ前後方向に突出するテーブル910が設けられていてもよい。
図28(A)に示すように、車室901内に前後及び左右にそれぞれ4つのシート902が配置された車両904であって、車室901に、左側に位置する2つのシート902及び右側に位置する2つのシート902の間において前後に延在する前後仕切壁905と、前側に位置する2つのシート902及び後側に位置する2つのシート902において左右に延在する左右仕切壁909とが設けられていてもよい。前後仕切壁905、及び、左右仕切壁909によって、車室901は前後左右に並ぶ4つの個室906Cに区画される。個室906C内にはそれぞれ1つずつのシート902が配置されている。このとき、シート902はそれぞれレール902Lを介してフロア907に支持され、前後に移動可能であってよい。また、シート902はそれぞれ上下方向に延びる軸線Aを中心として回転可能であるとよい。これにより、例えば、乗員は、前後に並ぶ2つのシート902を向かい合うように配置したり、左右に並ぶ2つの902のシート前側を互いに近づくように配置したりすることができる。
前側に位置する2つのシート902の間に存在しなくなるまでか、又は、後側に位置する2つのシート902の間に存在しなくなるまで、前後仕切壁905は前後に移動可能か、又は、収縮可能であるとよい。また、図28(B)に示すように、左側に位置する2つのシート902の間に存在しなくなるまでか、又は、右側に位置する2つのシート902の間に存在しなくなるまで、左右仕切壁909は左右に移動可能か、又は、収縮可能であるとよい。これにより、個室906Cを連結することができ、車室901をより自由に区画することができる。
図28(A)に示すように、前後仕切壁905と左右仕切壁909とが連結する部分にそれぞれ略水平に延出するテーブル910が設けられているとよい。テーブル910はそれぞれ、前後仕切壁905及び左右仕切壁909に結合されているとよい。これにより、テーブル910が前後仕切壁905及び左右仕切壁909の一方にのみ結合されている場合に比べて、安定性が高められる。個室906Cにはそれぞれ、物を収容することのできる収容部911が設けられているとよい。収容部911は例えば上方に向けて開口する箱体によって構成されているとよい。収容部911はフロア907に載置されていてもよい。また、収容部911は、前後仕切壁905や、左右仕切壁909に設けられていてもよい。
前後仕切壁905及び左右仕切壁909は車両904の自動運転レベル(自動運転モード、手動運転モード)に応じて、移動又は収縮するものであってよい。また、乗員の状態(例えば、睡眠しようとしている、体調に異常がある等)や、行動状態(仕事、読書、学習をしようとしている等)に基づいて、他の乗員に情報を通知するべく、前後仕切壁905及び左右仕切壁909が移動又は伸縮してもよい。
このように、車室901を前後仕切壁905や左右仕切壁909によって個室906A、906B,906Cに区切ることは、車室901内の乗員のプライバシーの確保に加えて、感染症が乗員間で伝染することを防止する効果も期待できる。
<アームレスト>
乗物に搭載される乗物用シートであって、着座者が腕を載置することのできるアームレストが設けられる場合がある。このようなアームレストには、乗物用シートのリクライニング角度の調整や、シートヒータの駆動のための操作スイッチが設けられることがある。
図29(A)及び(B)に示すように、乗物用シート940に設けられるアームレスト941であって、操作スイッチ942を備え、その操作スイッチ942がアームレスト941の左右側面であって、着座者側の側面(シート内側の側面)に設けられているとよい。これにより、乗員がアームレスト941に腕を載せた状態で、上から掌をアームレスト941上面に載せたときに親指が、操作スイッチ942に触れる位置となる。そのため、乗員がアームレスト941に腕を載せた自然な姿勢で、容易に操作スイッチ942に操作入力を行うことができる。
操作スイッチ942はアームレスト941のシート外側の側面に設けられていてもよい。この場合には、乗員がアームレスト941に腕を載せた状態で、上から掌をアームレスト941上面に載せたときに、人差し指、中指や薬指で操作することができる。
図29(A)に示すように、操作スイッチ942は、アームレスト941の上面に設けられていてもよい。乗員の左右それぞれにアームレスト941が設けられるときには、その左右のアームレスト941にそれぞれ操作対象や態様の異なる操作スイッチ942が設けられていてもよい。その他、図29(B)に示すように、操作スイッチ942は、アームレスト941の下面に設けられていてもよい。
アームレスト941に設けられる操作スイッチ942は、物理スイッチ、タッチパネル(静電容量式、感圧式など)などのいずれの態様のスイッチであってもよい。
図30(A)及び(B)に示すように、アームレスト945は、前後に延在して着座者の腕を支持する(腕を載置可能な)本体部946と、操作スイッチ942を有する操作部947とを含み、操作部947は、着座者が容易に操作入力することのできる使用位置(図30(A)参照)と、収納された収納位置(図30(B)参照)とに変位可能であるとよい。これにより、操作入力が不要であるときに、操作部947を収納することができる。
本体部946はシートバック940Aやシートクッション940B、ヘッドレスト940C(これらを総称して、シート本体ともいう)のいずれに結合されていてもよく、また、フロアF(図29(A)参照)や、ドアトリム(不図示)等に結合されて支持されていてもよい。
乗物を自律走行させる自動運転モードと、運転者による運転操作に基づいて車両を走行させる手動運転モードとに切り換えることのできる制御装置(不図示)が車両に設けられる場合がある。この場合は、アームレスト945は、制御装置からの信号に基づいて、操作部を変位させるアクチュエータ948を備えているとよい(例えば、図30(A)及び(B)を参照)。制御装置は手動運転モード時にアクチュエータ948を駆動させて操作部947を使用位置とし、自動運転モード時にはアクチュエータ948を駆動させて操作部947と収納位置とするとよい。
操作部947は本体部946に対して前後又は左右にスライド移動可能に支持されているとよい。この場合には、操作部947は、本体部946によって少なくとも上方から覆われる収納位置(図30(A)参照)と、上面が少なくとも一部において露出する操作位置(図30(B)参照)との間で変位可能であるとよい。
アクチュエータ948は、前後方向に伸縮可能な装置(例えば、リニアアクチュエータ)によって構成されているとよい。アクチュエータ948は、操作部947と本体部946との間に介在し、その伸長によって、操作部947を収納位置と使用位置との間で変位させるとよい。
図31(A)及び(B)に示すように、操作部947を本体部946に対して左右方向に延びる軸線Pを中心として回転可能(チルト可能ともいう)に連結(すなわち、ヒンジ接続)されていてもよい。この場合には、操作部947は板状部材によって構成され、操作部947は、本体部946の下方に位置する収納位置と、操作部947の上面が本体部946の上面に対して面一をなして略水平となる使用位置との間で変位可能であってもよい。
図31(C)に示すように、操作部947は本体部946に対して斜め前方に起立可能となるように、本体部946に接続されていてもよい。この場合には、着座者が操作部947を本体部946に対して所定角度回転した状態で係止し、適宜、その係止を解除できるように、アームレスト941にはロック機構が設けられているとよい。
操作部947が本体部946に対して斜め前方に起立可能であり、乗物用シート940が運転席である場合には、着座している運転者がステアリングホイールを把持しようとしたときに、操作部947が邪魔になり、肘を伸ばすことができない虞がある。そのため、操作部947は標準的な体型の着座者の肘の前方に配置されているとよい。これにより、操作部947を収納位置(例えば、図31(A)や図31(B))に移動させることによって、運転者は操作部947によって阻害されることなく運転操作を行うことができ、操作部947を起立させる(例えば、図31(C))ことによって、運転者は必要な時に容易に操作スイッチ942を操作することができる。
図32(A)及び(B)に示すように、乗物用シート950に着座者の有無を判定する着座センサ951が設けられている場合がある。この場合には、乗物用シート950は、アームレスト952を変位させるアクチュエータ953と、着座センサ951によって判定される着座者の有無に基づいてアクチュエータ953を駆動させる制御装置954とを備えているとよい。アームレスト952が例えば、シートバック940Aに対して左右方向に延びる軸線Qを中心とする回転可能に接続されているときには、アクチュエータ953はアームレスト952を回転させるモータ等であってよい。また、着座センサ951は着座者から着座面に加わる圧力を検出する圧力センサや、着座面に沿って設けられ、着座者からの荷重によってオン・オフが切り替わるメンブレンスイッチ等によって構成されているとよい。
制御装置954は、着座センサ951によって取得された着座者の有無に応じて、アクチュエータ953を駆動させ、アームレスト952を使用可能な位置(図32(A))と、アームレスト952が収納された位置(図32(B))とに変位させるとよい。具体的には、制御装置954は、着座センサ951によって着座者がいることが検出されたときに、アクチュエータ953(モータ)を駆動させて、アームレスト952をその上面が略水平となる使用位置に回転させるとよい。制御装置954は、着座センサ951によって着座者がいないことが検出されたときには、アクチュエータ953(モータ)を駆動させ、アームレスト952をシートバック940Aの側方においてシートバック940Aに沿って略上下方向に延びる収納位置まで回転させるとよい。
図33(A)に示すように、アームレスト960は、着座者の腕を支持する本体部961と、操作スイッチ942を備えた操作部962L、962Rとを有し、操作部962L、962Rは本体部961に着脱可能であってもよい。これにより、シートバック940Aが後傾したリクライニング位置にあるときに、着座者は操作部962L、962Rを本体部961から取り外して操作することできる。また、操作部962L、962Rはタッチパネルを備えた端末によって構成されていてもよく、操作部962L、962Rは端末(例えば、スマートフォンやタブレット等)をその一部に含んでいてもよい。端末は所定のアプリケーションをインストールされることによって、操作スイッチ942として機能してもよい。
シート左側に位置する操作部962Lは、シート右側に位置する本体部961にも着脱自在であり、シート右側に位置する操作部962Rがシート左側に位置する本体部961にも着脱自在であるとよい。これにより、図33(B)に示すように、操作部962L、962Rは左右入れ替えて使用することができる。
また、操作部962L、962Rには、本体部961に接続されているか否かを検出する操作部接続センサ964が設けられていてもよい。これにより、操作部接続センサ964によって操作部962L(962R)が接続されたことを検出されたときに、接続された操作部962Lに設けられた操作スイッチ942の機能、操作対象等を変更することができる。また、本体部961にもまた、操作部962L、962Rが接続されているか否かを検出する本体部接続センサ966が設けられていてもよい。これにより、本体部接続センサ966によって操作部962L、962Rが接続されたことを検出されたときに、本体部961に設けられた操作スイッチ942の機能や操作対象等を変更することができる。
例えば、左側に位置する本体部961に操作部962Lが取り付けられたとき、左側に位置する本体部961や操作部962Lの着座者側に位置する面(右側側面)の操作スイッチ942がアクティベート(操作入力可能)されてもよい。すなわち、操作部962L、962Rは、操作スイッチ942をアクティベートさせるためのキー、いわば有効化キーとして機能してもよい。また、操作部962L、962Rが本体部961に接続されたときに、操作スイッチ942の操作内容が変更されてもよい。その他、操作部962L、962Rが本体部961に接続されたときに、操作入力を受け付ける操作スイッチ942が変更される(例えば、アームレスト960のシート内側の側面に位置する操作スイッチ942から、シート外側の側面に位置する操作スイッチ942に変更される)ものであってもよい。
図34(A)に示すように、アームレスト970は、乗員の腕を支持する本体部971と、操作スイッチ942を有する操作部972とを含み、本体部971と操作部972とは、前方に向かって上方に延出する部分を含む接続部974を介して接続されているとよい。接続部974は本体部971の前端に接続され、前方に向かって上方に延出し、操作部972の後端に接続されているとよい。操作部972は後端において接続部974の前端において前方に延びるように配置されていてもよい。これにより、操作部972と本体部971とが操作部972を介して連結されるため、操作部972が本体部971に対して高い位置に配置されるため、乗員が肘を本体部971について操作部972を握ることができる。
着座者が操作部972を握りやすいように、操作部972の上下方向の幅は設定されているとよく、具体的には本体部971の上下方向の幅よりも小さくなるように設定されていることが好ましい。また、接続部974の変形(例えば、接続部974の操作部972との連結部分、接続部974の本体部971との連結部分等における屈曲変形)によって、操作部972はその上面が本体部971と面一をなし、着座者の運転操作を阻害しない収納位置(図34(A)の実線参照)と、本体部971に対して起立し、着座者が操作入力をし易い使用位置(図34(A)の二点鎖線参照)とに変位可能であってもよい。
操作部972の下面(裏面)には所定領域への乗員の接触を検知するタッチセンサ976が設けられているとよい。操作スイッチ942は、タッチセンサ976によって接触が検知されたときに、操作スイッチ942が操作入力受付可能(アクティブ)になるように構成されているとよい。
操作部972の下面(裏面)には上方(内方)に凹む凹部978(窪み部ともいう)が設けられ、その凹部978にタッチセンサ976が配置されていてもよい。これにより、凹部978内のタッチセンサ976への接触がない限り、操作スイッチ942が操作入力受付可能とならないため、操作部972(タッチセンサ976)への誤入力が防止できる。
アームレスト980の外面の少なくとも一部がシート状の表皮材981によって覆われている場合には、操作スイッチ942は表皮材981によって覆われていなくてもよく、また、表皮材981によって覆われていてもよい(図35(A)を参照)。操作スイッチ942が表皮材981によって覆われているときには、表皮材981の表面の操作スイッチ942と対応する部分には、操作スイッチ942があることを示す図柄や記号、文字等が描かれている(すなわち、視覚的作用が施されている)とよい。
図35(B)に示すように、操作スイッチ942が発光素子982を備え、表皮材981の少なくとも操作スイッチ942を覆う部分が、発光素子982の発する光を透過させる構成であってもよい。これにより、発光素子982から発した光が表皮材981を透過するため、着座者はその光によって操作スイッチ942の位置を認識することができる。
アームレストには加速度センサが設けられていてもよい。加速度センサは例えば、乗員の発する音声を取得して処理を行う処理装置に接続されているとよい。処理装置は、例えば、乗員の発した音声によって起動し、所定の学習モデルに基づいて、乗員の音声に対応する音声を出力することのできる、いわゆるAIアシスタントであってよい。処理装置は、加速度センサによって、アームレストに乗員が指でたたく、ノックする、摩る等の操作を行ったことを検出すると、起動するなどの対応する操作を実行するとよい。これにより、乗員は音声を発するだけではなく、アームレストへの接触によって、処理装置を起動させることができる。
図36に示すように、乗物用シート985は、アームレスト986に連結可能であり、且つ、操作スイッチ987が設けられた板状のテーブル988を含むとよい。乗物用シート985に左右一対のアームレスト986が設けられているときには、テーブル988は2つのアームレスト986の一方に連結可能であってもよく、また、両方に連結可能であってもよい。テーブル988はアームレスト986に対して分離不能(すなわち、一体)となっていてもよく、また、分離可能(着脱可能)であってもよい。また、テーブル988は、シートバック、シートクッション、又は、ヘッドレストに結合されていてもよく、また、その内部に収納可能であってもよい。操作スイッチ987はテーブル988の上面、下面、左右側面、前後面のいずれの部分に設けられていてもよい。テーブル988はアームレスト986の上面に上下方向を向く面を有するように配置(展開)可能であるとよい。この場合には、操作スイッチ987はテーブル988の左右側面のいずれか一方に設けられることが好ましい。これにより、テーブル988が配置されたときに、アームレスト986の上面に設けられた操作スイッチ942が上側から覆われても、着座者が容易に操作スイッチ987を操作できる。
テーブル988に設けられた操作スイッチ942は、アームレスト986に設けられた操作スイッチ942と、その操作対象が同じものであってもよく、また、異なるものであってもよい。テーブルに設けられた操作スイッチ942は、アームレスト986に設けられた操作スイッチ942と、その機能が同じものであってもよく、また、異なるものであってもよい。
図37(A)及び(B)に示すように、乗物用シート990は、シートの位置や形状を変更するシート装置991と、シートバック又はシートクッションに回動可能に支持されたアームレスト992と、アームレスト992の回転角度を検出する回転角センサ993とを備え、回転角センサ993によって検出されたアームレスト992への操作入力に基づいて、シート装置991が駆動するとよい。
シート装置991は、回転角センサ993によって検出されたアームレスト992の回転方向や回転角度に応じて、シートの位置や形状を変更するとよい。シート装置991は、例えば、シートの前後に移動させるものであってもよく、座面の高さ(ハイト)を変更するものであってもよい。また、シート装置991は、リクライニング角度を変更するものであってもよい。
シート装置991は、回転角センサ993によって検出されたアームレスト992の回転方向がアームレスト992の持ち上げ動作に対応する場合には、リクライニング角度を増やし、シートバックを後傾するように構成されていてもよい。また、シート装置991は、回転角センサ993によって検出されたアームレスト992の回転方向がアームレスト992の持ち上げ動作に対応する場合には、シートの座面の高さの調整(ハイト調整)を行うように構成されていてもよい。また、乗物用シート990がフロアに対して上下方向を軸線とした回転可能に支持されているときには、シート装置991は回転角センサ993によって検出されたアームレスト992の回転角度に応じて、乗物用シート990を回転させてもよい。
車両をクルーズ走行させる走行制御装置994が車両に設けられているときには、走行制御装置994は、回転角センサ993によって検出されたアームレスト992の持ち上げ、押し下げ操作に応じて、車両のクルーズ走行時の設定速度を変更してもよい。
自律走行可能な車両には、順次、走行計画を立案することによって、車両を自律走行させる走行制御装置994が設けられている。この場合であって、乗物用シートに左右一対のアームレスト992が設けられているときには、走行制御装置994は、左右のアームレスト992に対する回転操作に基づいて、走行制御装置994は、走行計画を設定・変更してもよい。例えば、走行制御装置994は、操作したアームレスト992に対応した方向へ車線変更するべく、走行計画を設定・変更してもよい。その他、走行制御装置994は、左右のアームレスト992に対する回転操作に基づいて、追い越しを行うべく、走行計画を設定・変更してもよい。
乗物用シート990には、アームレスト992を回転させたときにアームレスト992に加わるべき反力を調整する反力調整アクチュエータ995が設けられていてもよい。これにより、着座者がアームレスト992に加えるべき力(操作力)の強さの調整を行うことができる。
このように、アームレスト992を車両走行の制御を行うための操作入力装置として用いることができ、アームレスト992を操作入力装置とする操作システム996が構築できる。アームレスト992を操作入力装置とする場合には、左のアームレスト992への操作入力に対応する制御と、左のアームレスト992への操作入力に対応する制御とが異なっていてもよい。
アームレスト992を車両走行の制御を行うための操作入力装置として用いる場合には、アームレスト992に振動デバイス997を設けるとよい。振動デバイス997は、アームレスト992への操作入力が回転角センサ993によって検知されときに作動するとよい。これにより、回転角センサ993によって操作入力が検出されたことを操作した者に伝える(すなわち、操作入力を検知したことを操作した者にフィードバックする)ことができる。
図30(B)には、操作部947は本体部946の内部に収容される構成が示されていた、この態様には限定されない。例えば、図38(A)に示すように、操作部947が本体部946に対して前後にスライド移動可能に支持されるものであってよい。これにより、着座者は自らの体型に合わせて、操作部947を移動させることができる。また、図29(A)では、操作スイッチ942が前後左右の入力ボタンが設けられて円形をなすものの場合(着座者の右側のアームレスト941上面の操作スイッチ942R)や、タッチパネルによって構成される場合(着座者の左側のアームレスト941上面の操作スイッチ942L)等が示されていたが、この態様には限定されない。図38(B)に示すように、例えば、操作スイッチ942は、例えば、前後に対をなすボタン942Aと、左右に対をなすボタン942Bと、円形のボタン942Cとを含むものであってもよい。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。