JP7785246B1 - 診断装置および診断方法 - Google Patents

診断装置および診断方法

Info

Publication number
JP7785246B1
JP7785246B1 JP2025530529A JP2025530529A JP7785246B1 JP 7785246 B1 JP7785246 B1 JP 7785246B1 JP 2025530529 A JP2025530529 A JP 2025530529A JP 2025530529 A JP2025530529 A JP 2025530529A JP 7785246 B1 JP7785246 B1 JP 7785246B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
time
diagnostic
unit
geometric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2025530529A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2025181895A1 (ja
JPWO2025181895A5 (ja
Inventor
貴広 江戸
孝幸 甲斐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2025181895A1 publication Critical patent/JPWO2025181895A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7785246B1 publication Critical patent/JP7785246B1/ja
Publication of JPWO2025181895A5 publication Critical patent/JPWO2025181895A5/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M99/00Subject matter not provided for in other groups of this subclass

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

診断装置(1)は、信号変換部(32,33)と、幾何学図形生成部(34)と、特徴量抽出部(35)と、診断部(37)とを備える。信号変換部(32,33)は、診断対象の時間変化を示す原信号に対する時間ごとの時間-周波数変換処理により複数のスペクトル強度を算出し、算出された複数のスペクトル強度を時間ごとまたは周波数ごとに合計し、合計されたスペクトル強度の時間変化を示す変換信号を生成する。幾何学図形生成部(34)は、変換信号の複数の頂点のうちのいくつかの頂点を接続することによって1以上の幾何学図形を生成する。特徴量抽出部(35)は、1以上の幾何学図形から1以上の特徴量を抽出する。診断部(37)は、1以上の特徴量に基づいて診断対象を診断する。

Description

本開示は、診断装置および診断方法に関する。
特開平2-19776号公報(特許文献1)に開示された負荷時タップ切換器監視装置は、センサ手段と、データ収集部と、周波数分析部と、信号比較部とを備える。センサ手段は、変圧器の負荷時タップ切換器のタンク壁部またはタンク近傍に設けられ、タップ切換時に発生する振動や音響信号を検出する。データ収集部は、センサ手段によって検出された信号を一定周期でサンプリングし、ディジタル化する。周波数分析部は、データ収集部で収集したディジタルデータを周披数分析する。信号比較部は、周波数分析部で得られた周波数成分を正常運転時の周波数成分と比較し、負荷時タップ切換器の異常を判定する。
特開平2-19776号公報
診断対象から検出された信号を解析することによって診断対象の状態を診断する様々な診断装置が提案されている。これら診断装置において、診断精度を向上させる要望が常に存在する。信号に生じた何らかの変化に基づいて診断を行う場合、その変化を適切に検知できるかが診断精度に影響し得る。当該信号の変化が診断対象の状態変化が反映された実質的なものなのか、あるいは当該信号の変化が無視してもよいものなのかを区別できることが望ましい。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的の1つは、診断装置において、診断対象の診断精度を向上させることである。本開示の他の目的の1つは、診断方法において、診断対象の診断精度を向上させることである。
本開示のある局面に係る診断装置は、信号変換部と、幾何学図形生成部と、特徴量抽出部と、診断部とを備える。信号変換部は、診断対象の時間変化を示す原信号に対する時間幅ごとの時間-周波数変換によりスペクトル強度の時間変化を示す強度信号を算出し、強度信号を時間または周波数について合計することによって変換信号を生成する。幾何学図形生成部は、変換信号の複数の極値のうちの一部または全部を接続することによって各々が得られる1以上の幾何学図形を生成する。特徴量抽出部は、1以上の幾何学図形から1以上の特徴量を抽出する。診断部は、1以上の特徴量に基づいて診断対象を診断する。
本開示の他の局面に係る診断方法は、第1~第4のステップを含む。第1のステップは、診断対象の時間変化を示す原信号に対する時間幅ごとの時間-周波数変換によりスペクトル強度の時間変化を示す強度信号を算出し、強度信号を時間または周波数について合計することによって変換信号を生成するステップである。第2のステップは、変換信号の複数の極値のうちの一部または全部を接続することによって各々が得られる1以上の幾何学図形を生成するステップである。第3のステップは、1以上の幾何学図形から1以上の特徴量を抽出するステップである。第4のステップは、1以上の特徴量に基づいて診断対象を診断するステップである。
本開示によれば、診断対象の診断精度を向上させることができる。
ある実施の形態に係る診断システムの全体構成を示す図である。 診断装置の機能の概要を説明するための機能ブロック図である。 実施の形態1に係る開閉装置の診断システムの全体構成を示す図である。 実施の形態1における信号処理部の機能を説明するための機能ブロック図である。 信号処理部による信号処理を説明するための概念図である。 実際の波形の一例を示す図である。 スペクトラルフラックス信号において検知される変化の第1例を示す図である。 スペクトラルフラックス信号において検知される変化の第2例を示す図である。 特徴量の第1例を説明するための図である。 特徴量の第2例を説明するための図である。 特徴量の第3例を説明するための図である。 特徴量の第4例を説明するための図である。 実施の形態1において実行される処理(周波数分割)の処理手順の第1例を示すフローチャートである。 特徴量抽出の処理手順の一例を示すフローチャートである。 異常診断の処理手順の一例を示すフローチャートである。 重み付け係数の設定手法を説明するための図である。 通常のスペクトラルフラックス変換と重み付けスペクトラルフラックス変換とを比較する概念図である。 時間分割を説明するための概念図である。 実施の形態1において実行される処理(時間分割)の処理手順の第2例を示すフローチャートである。 実施の形態1において実行される処理(連続動作)の処理手順の第3例を示すフローチャートである。 実施の形態1における寿命推定の処理手順の一例を示すフローチャートである。 寿命推定手法を説明するための図である。 周波数分割と組合せ可能な処理を説明するための図である。 実施の形態2における信号処理部の機能を説明するための機能ブロック図である。 幾何学図形の生成手法および特徴量の抽出手法の第1例を説明するための概念図である。 実施の形態2において実行される処理(幾何学処理)の処理手順の第1例を示すフローチャートである。 幾何学図形の生成手法および特徴量の抽出手法の他の第2例を説明するための概念図である。 実施の形態2において実行される処理(比較処理)の処理手順の第2例を示すフローチャートである。 幾何学処理または比較処理と組合せ可能な処理を説明するための図である。 実施の形態3に係る開閉装置の診断装置の全体構成を示す図である。 実施の形態3における信号処理部の機能を説明するための機能ブロック図である。 実施の形態3において実行される処理(補強処理)の処理手順の一例を示すフローチャートである。 補強処理と組合せ可能な処理を説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
<共通構成>
図1は、ある実施の形態に係る診断システムの全体構成を示す図である。診断システム100は、診断装置1と、診断対象7と、センサ8とを備える。
診断対象7は、典型的には電気機器である。具体例を挙げると、診断対象7は、後述するように、受配電設備(スイッチギア)の内部に収容される開閉装置であってもよい。診断対象7は、変圧器(VT:Voltage Transformer)、変流器(CT:Current Transformer))またはファンであってもよい。診断対象7の種類は特に限定されず、診断対象7は、光学機器(発光素子、受光素子など)であってもよく、機械機構(歯車、チェーン、アクチュエータ、エンジンなど)であってもよい。診断対象7は、工場内で働く作業員、工場内に侵入する野生動物などの生体であってもよい。
センサ8は、診断対象7の状態(代表的には診断対象7の故障、異常、欠陥に起因する状態変化)を検出する。センサ8は、診断対象7に接触するように配置された接触センサであってもよいし、診断対象7に接触しないように(ただし、診断対象7の近傍に)配置された非接触センサであってもよい。センサ8は、たとえば、音響センサ、振動センサ(歪みセンサを含む。)、電圧センサ、電流センサ、光センサ(イメージセンサを含む。)、温度センサ、圧力センサ、距離センサ、速度センサ、加速度センサを含み得る。
診断装置1は、診断対象7に設けられたセンサ8からの信号(センサ信号)に基づいて診断対象7を診断する。診断装置1は、センサ信号自身(生信号)に基づいて診断を行ってもよいし、加工されたセンサ信号に基づいて診断を行ってもよい。センサ信号または加工されたセンサ信号は、本開示に係る「原信号」に相当する。
診断装置1は、プロセッサ101と、メモリ102と、通信機器103とを含む。プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などの処理回路(processing circuitry)を含む。メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置とを含む。メモリ102には、OS(Operating System)を含むシステムプログラムと、コンピュータ読み取り可能なコードを含む制御プログラムと、診断対象7を診断するための各種パラメータとが格納されている。プロセッサ101は、システムプログラム、制御プログラムおよびパラメータを読み出してメモリ102に展開して実行することによって様々な演算処理を実現する。通信機器103は、プロセッサ101による制御に従って診断装置1の外部と通信するように構成されている。
なお、図1には1つのプロセッサのみが図示されているが、診断装置1が複数のプロセッサを含んでもよい。すなわち、診断装置1は1以上のプロセッサを含む。メモリ102についても同様である。本明細書において、「プロセッサ」は、ストアードプログラム方式で処理を実行する狭義のプロセッサに限られず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードワイヤード回路を含み得る。そのため、「プロセッサ」との用語は、コンピュータ読み取り可能なコードおよび/またはハードワイヤード回路によってあらかじめ処理が定義された処理回路(circuitryまたはprocessing circuitry)と読み替えることもできる。
診断システム100は、サーバ91と、端末92とをさらに備える。サーバ91は、診断装置1による診断結果を保存するデータベースを含む。サーバ91は、診断装置1による信号処理の途中経過を示すデータ(いわゆるログ)を保存してもよい。端末92は、診断装置1による診断結果を表示するディスプレイを含む。端末92は、診断装置1による診断の結果、判明した診断対象7の異常を通知する報知器(警告灯、警報器など)を含んでもよい。報知器が診断装置1に設けられていてもよい。
図2は、診断装置1の機能の概要を説明するための機能ブロック図である。図1および図2を参照して、診断装置1は、入力部11と、信号処理部12と、出力部13とを含む。入力部11は、センサ8からセンサ信号を受ける。信号処理部12は、入力部11からのセンサ信号に対して、診断対象7を診断するための信号処理を実行する。出力部13は、信号処理部12による信号処理結果(診断結果)を診断装置1の外部のサーバ91、端末92などに出力する。
より詳細には、信号処理部12は、フィルタ121と、時間周波数変換部122と、強度変換部123と、特徴量抽出部124と、診断部125とを含む。図2には、信号処理部12が同種の機能ブロックを1つずつ含む例が示されている。しかし、後述するように、信号処理部12が2以上の同種の機能ブロックを含んでもよい。
フィルタ121は、入力部11からのセンサ信号のうち、一部の周波数帯域の信号成分を通過させ、その信号成分を時間周波数変換部122に出力する。フィルタ121は、アナログフィルタであってもよいし、デジタルフィルタであってもよい。
時間周波数変換部122は、フィルタ121を通過した信号に対する時間-周波数変換をあらかじめ定められた時間幅ごとに行うことにより、時間幅ごとの周波数領域信号を算出する。時間幅ごとの周波数領域信号は、時間-周波数-強度の3次元波形により表される。時間-周波数変換としては、短時間フーリエ変換(STFT:Short-Time Fourier Transform)、連続ウェーブレット変換(CWT:Continuous Wavelet Transform)、離散ウェーブレット変換(DWT:Discrete Wavelet Transform)、ストックウェル変換(Stockwell transform)などが用いられ得る。時間周波数変換部122は、時間幅ごとの周波数領域信号を強度変換部123に出力する。
強度変換部123は、時間幅ごとの周波数領域信号(時間-周波数-強度の3次元波形)における強度を周波数について合計することによって、スペクトル変動を示す時間領域信号(横軸が時間軸の2次元波形)に変換する。より具体的には、強度変換部123は、時間幅ごとに、すべての周波数について強度を合計することによって、スペクトル(全周波数帯域にわたる強度)の変動を示す時間領域信号を生成する。強度変換部123は、スペクトル変動を示す時間領域信号を特徴量抽出部124に出力する。
なお、強度変換部123は、時間幅ごとの周波数領域信号(時間-周波数-強度の3次元波形)における強度を規定の時間長ごとに合計することによって、強度の時間変動を示す周波数領域信号(横軸が周波数軸の2次元波形)に変換してもよい。
特徴量抽出部124は、スペクトル変動を示す時間領域信号に基づいて1以上の特徴量を抽出する。特徴量抽出部124は、抽出された1以上の特徴量を診断部125に出力する。
診断部125は、特徴量抽出部124により抽出された1以上の特徴量に基づいて診断対象7を診断する。診断部125は、診断結果を出力部13に出力する。
出力部13は、サーバ91および端末92に診断結果を出力する。出力部13は、メモリ102に診断結果を保存してもよい。図示しないが、信号処理部12による信号処理の途中経過を示すデータ(時間幅ごとの周波数領域信号、スペクトル変動を示す時間領域信号など)がメモリ102またはサーバ91に保存されもよい。
以下、信号処理部12による信号処理の理解を容易にするため、診断対象7が開閉装置であり、センサ8が音響センサである具体例について説明する。
実施の形態1.
<システム構成>
≪全体構成≫
図3は、実施の形態1に係る開閉装置の診断システムの全体構成を示す図である。なお、図3では紙面が煩雑になるのを防ぐため、サーバ91および端末92(図1参照)の図示が省略されている。
開閉装置71は、遮断器711と、モータ712とを含む。遮断器711は、図示しない電力系統への電力供給経路に電気的に接続されている。モータ712は、電磁モータであって、診断装置1Aからの制御指令に従って遮断器711を開放したり閉成したりするように構成されている。遮断器711が閉成状態から開放状態に遷移する動作が開閉装置71の開極動作であり、遮断器711が開放状態から閉成状態に遷移する動作が開閉装置71の投入動作である。
遮断器711には音響センサ81が設けられている。音響センサ81は、たとえばマイクロホンを含み、開閉装置71の動作音(構成部品同士の接触音など)を検出する。音響センサ81は、その検出結果を示す音響信号を診断装置1Aに出力する。
診断装置1Aは、入力部11と、信号処理部12Aと、出力部13と、制御部14とを含む。入力部11は、音響センサ81からの音響信号を受ける。信号処理部12Aは、音響信号に対して、開閉装置71を診断するための信号処理を実行する。出力部13は、信号処理部12Aによる診断結果をサーバ91および端末92(図1参照)のうちの少なくとも一方に出力する。出力部13は、診断の結果または途中経過を図示しない記憶部(メモリ102)に出力してもよい。制御部14は、開閉装置71に開極動作または投入動作を行わせるための制御指令を出力する。
≪機能ブロック≫
図4は、実施の形態1における信号処理部12Aの機能を説明するための機能ブロック図である。図5は、信号処理部12Aによる信号処理を説明するための概念図である。以下、音響信号に対する処理を例に説明するが、他の種類の信号(振動信号など)に対しても同様の処理が実行され得る。図6は、実際の波形の一例を示す図である。
図3~図6を参照して、信号処理部12Aは、第1フィルタ211と、第2フィルタ221と、第1短時間フーリエ変換部212と、第2短時間フーリエ変換部222と、第1スペクトラルフラックス(SF:Spectral Flux)変換部213と、第2SF変換部223と、特徴量抽出部24と、記憶部25と、診断部26とを含む。
第1フィルタ211および第2フィルタ221の各々は、音響センサ81から音響信号を受ける。図6の上部に音響信号の波形の一例が示されている。第1フィルタ211は、音響信号のうちの一部の周波数帯域の信号成分のみを通過させるバンドパスフィルタである。第2フィルタ221は、第1フィルタ211とは異なる周波数帯域の成分のみを通過させるバンドパスフィルタである。この例では、第1フィルタ211が低周波数帯域の成分を通過させ、第2フィルタ221が高周波数帯域の成分)を通過させると想定する。第1フィルタ211および第2フィルタ221は、本開示に係る「フィルタ」に相当する。
第1短時間フーリエ変換部212は、低周波数帯域の成分に対する短時間フーリエ変換である下記式(1)に従って、あらかじめ定められた時間幅ごとのスペクトル強度を示す信号(以下「強度信号」とも称する。)を算出する。
音響信号をxで表し、窓関数をwで表し、強度をIで表し、時間をt(およびτ)で表し、周波数をfで表す。短時間フーリエ変換後の波形は、図6の中部に示すようなカラーマップ上に表現可能である。カラーマップにおいて、横軸は時間を表し、縦軸は周波数を表し、奥行き軸(紙面に垂直な軸)は強度Iに応じた色を表す。第1短時間フーリエ変換部212は、生成された強度信号I(t,f)を第1SF変換部213に出力する。
第1SF変換部213は、第1短時間フーリエ変換部212により生成された強度信号I(t,f)に対するスペクトラルフラックス変換により、スペクトラルフラックス信号を生成する。スペクトラルフラックス変換は下記式(2)のように表される。
SFはスペクトラルフラックス値を表す。Hは、強度信号Iの立ち上がりを強調するための半波整流を行う関数であって、ゼロまたは正値に対しては値をそのまま返し、負値に対してはゼロを返す(下記式(3)参照)。Lは最大周波数(周波数の上限値)を表す。
式(2)から理解されるように、スペクトラルフラックス信号は、周波数fごとに、同じ周波数fにおける強度Iの時間変化(ある時刻における強度I(t)と、その前の時刻における強度I(t-1)との差分)を算出し、その時間変化を、設定した周波数帯域(この例では全周波数帯域)にわたって合計するものである。これにより、スペクトラルフラックス値の時間変化を示す信号(以下「スペクトラルフラックス信号」とも称する。)SF(t)が生成される。図6の下部にスペクトラルフラックス信号の波形の一例が示されている。図中、スペクトラルフラックス値をSF値と記載する。スペクトラルフラックス信号は本開示に係る「変換信号」に相当する。
なお、この例では、第1SF変換部213は、時間幅ごとに、強度Iの差分をすべての周波数fについて合計することによって、設定した全周波数帯域にわたるスペクトラルフラックス値の時間変化を示す信号SF(t)を生成する。ただし、強度信号I(t,f)の変化、すなわち、強度信号I(t,f)の立ち上がりおよび/または立ち下がりを強調して検知可能であれば、任意の変換式が使用され得る。たとえば、第1SF変換部213に代えて設けられる変換部(図示せず)が、隣接する周波数fの間の強度Iの差を規定の時間長にわたって合計してもよい。第1SF変換部213は、スペクトラルフラックス信号SF(t)を特徴量抽出部24に出力する。
第2短時間フーリエ変換部222および第2SF変換部223の機能は、対象とする周波数帯域が異なり、時間幅が異なり得る以外は、第1短時間フーリエ変換部212および第1SF変換部213の機能とそれぞれ同等であるため、説明は繰り返さない。第1短時間フーリエ変換部212および第1SF変換部213は、本開示に係る「第1の信号変換部」に相当する。第2短時間フーリエ変換部222および第2SF変換部223は、本開示に係る「第2の信号変換部」に相当する。
特徴量抽出部24は、第1SF変換部213により生成されたスペクトラルフラックス信号SF(t)の変化と、第2SF変換部223により生成されたスペクトラルフラックス信号SF(t)の変化とを検知する。特徴量抽出部24は、2つのスペクトラルフラックス信号SF(t),SF(t)の変化を別々に検知してもよいし、2つのスペクトラルフラックス信号SF(t),SF(t)を重ね合わせた1つの信号(たとえばSF(t)+SF(t))の変化を検知してもよい。特徴量抽出部24は、検知された変化に関連する1以上の特徴量を抽出する。
図7は、スペクトラルフラックス信号において検知される変化の第1例を示す図である。横軸は時間を表し、縦軸はスペクトラルフラックス値を表す。続く図8~図10についても同様である。特徴量抽出部24は、スペクトラルフラックス信号にピーク(特に、閾値よりも大きいピーク値)が生じたことを検知してもよい。この場合、特徴量抽出部24は、ピーク時刻および/またはピーク値に基づいて特徴量を抽出してもよい。
図8は、スペクトラルフラックス信号において検知される変化の第2例を示す図である。特徴量抽出部24は、スペクトラルフラックス信号が閾値を超えたことを検知してもよい。この場合、特徴量抽出部24は、スペクトラルフラックス信号が閾値を超えた時刻(立ち上がり時刻であってもよいし、立ち下がり時刻であってもよい)に基づいて特徴量を抽出してもよいし、立ち上がり時刻と立ち下がり時刻との間の時間差に基づいて特徴量を抽出してもよいし、閾値よりも大きいスペクトラルフラックス値(たとえばピーク値)に基づいて特徴量を抽出してもよい。
図9は、特徴量の第1例を説明するための図である。この例では、スペクトラルフラックス信号において4つのピークが検知されている。特徴量抽出部24は、4つのピークのうちの隣り合う2つのピーク間の時間差ΔTa,ΔTb,ΔTcを特徴量として抽出してもよい。
図10は、特徴量の第2例を説明するための図である。横軸は時間を表す。上の縦軸はスペクトラルフラックス値を表し、下の縦軸は音響信号の強度を表す。特徴量抽出部24は、4つのピークが検知された各時刻における音響信号x(t)の周波数を特徴量として抽出してもよい。図示しないが、特徴量抽出部24は、4つのピークが検知された各時刻における強度信号I(t,f)の周波数(カラーマップ上の強度)を特徴量として抽出してもよい。
図11は、特徴量の第3例を説明するための図である。横軸は時間を表し、縦軸はスペクトラルフラックス値を表す。特徴量抽出部24は、4つのピーク値(またはピークの前後におけるスペクトラルフラックス値の変化量)ΔSFa,ΔSFb,ΔSFc,ΔSFdを特徴量として抽出してもよい。
図12は、特徴量の第4例を説明するための図である。横軸は時間を表し、縦軸は音響信号の強度を表す。特徴量抽出部24は、スペクトラルフラックス信号においてピークが検知された時刻における音響信号の減衰時間(典型的には音響信号の振幅が減衰前の振幅の1/eになるまでの所要時間)τaまたはτbを特徴量として抽出してもよい。
図4を再び参照して、記憶部25は、開閉装置71を診断するための基準(以下「診断基準」と称する。)を記憶している。診断基準は、特徴量の種類に応じて定められ、たとえば、基準強度、基準変化量、基準周波数、基準時間または基準波形である。記憶部25は、診断基準を診断部26に出力する。
診断部26は、特徴量抽出部24により抽出された1以上の特徴量と、記憶部25からの診断基準とを比較することによって、診断対象を診断する。診断部26による診断手法については後に詳細に説明する。
<処理フロー>
≪周波数分割≫
図13は、実施の形態1において実行される処理(「周波数分割」とも称する。)の処理手順の第1例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、あらかじめ定められた条件の成立時(たとえばあらかじめ定められた周期ごと)に図示しないメインルーチンから呼び出されて実行される。各ステップは、診断装置1(より詳細にはプロセッサ101)によるソフトウェア処理により実現されるが、診断装置1内に配置されたハードウェア(電気回路)により実現されてもよい。他のフローチャートに示される処理に関しても同様である。以下、ステップをSと略す。
図1、図3および図13を参照して、S101において、診断装置1は、音響センサ81から音響信号を取得する。
S102において、診断装置1は、典型的にはバンドパスフィルタを用いることにより、音響信号を周波数帯域に応じて2つの信号(たとえば低周波数信号および高周波数信号)に分割する。周波数帯域が異なれば、2つの信号の周波数帯域の差は特に限定されない。診断装置1は、音響信号を3以上の信号に分割してもよい。
S103において、診断装置1は、S102にて分割された2つの信号の各々に対する短時間フーリエ変換を行うことによって、時間幅ごとのスペクトル強度を示す強度信号を算出する。前述のとおり、診断装置1は、短時間フーリエ変換に代えて、連続ウェーブレット変換、離散ウェーブレット変換またはストックウェル変換を行ってもよい。
S104において、診断装置1は、2つの強度信号に対するスペクトラルフラックス変換を行うことによって、スペクトラルフラックス値の時間変化を示すスペクトラルフラックス信号を生成する。スペクトラルフラックス変換は、時間幅ごとに、強度の差分をすべての周波数について合計するものである。これに代えて、診断装置1は、隣接する周波数間の強度の差分を規定の時間長にわたって合計してもよい。
S105において、診断装置1は、図14にて説明するように、2つのスペクトラルフラックス信号から1以上の特徴量を抽出する(特徴量抽出)。
S106において、診断装置1は、図15にて説明するように、特徴量抽出により抽出された1以上の特徴量に基づいて開閉装置71の異常の有無を診断する(異常診断)。
≪特徴量抽出≫
図14は、特徴量抽出の処理手順の一例を示すフローチャートである。図1、図3および図14を参照して、S51において、診断装置1は、2つのスペクトラルフラックス信号の各々において検知された複数のピーク間の時間差を特徴量として抽出する(図9参照)。
S52において、診断装置1は、2つのスペクトラルフラックス信号の各々においてピークが検知された時刻における音響信号の周波数を特徴量として抽出する(図10参照)。
S53において、診断装置1は、2つのスペクトラルフラックス信号の各々における1以上のピーク値を特徴量として抽出する(図11参照)。
S54において、診断装置1は、2つのスペクトラルフラックス波形の各々においてピークが検知された時刻における音響信号の減衰時間を特徴量として抽出する(図12参照)。
S51~S54の4つの処理の順序は特に限定されず、当該4つの処理は任意の順序で実行され得る。当該4つの処理のすべてに代えて、当該4つの処理のうちのいずれか1つ、2つまたは3つの処理のみが実行されてもよい。特徴抽出処理が終了すると、診断装置1は処理を周波数分割(図13参照)に戻す。
≪異常診断≫
図15は、異常診断の処理手順の一例を示すフローチャートである。図1、図3および図15を参照して、S61において、診断装置1は、特徴抽出処理により抽出された1以上の特徴量の各々が、あらかじめ定められた診断基準を満たすかどうかを判定する。少なくとも1つの特徴量が診断基準を満たす場合(S61においてYES)、診断装置1は、その特徴量に関連付けられた異常が開閉装置71において発生していると診断する(S62)。そして、診断装置1は、どのような異常が発生したのかを外部のサーバ91または端末92に通知する(S63)。一方、すべての特徴量が診断基準を満たさない場合(S61においてNO)、診断装置1は、開閉装置71は正常であると診断する(S64)。図示しないが、診断装置1は、開閉装置71は正常であるとの診断結果を外部のサーバ91または端末92に通知してもよい。
診断対象の時間変化を示す物理量がセンサにより検出される場合、本来取得したい信号(たとえばkHzオーダーの信号)に、当該信号とは周波数帯域が異なる別の信号(たとえばHzオーダーの信号)が重畳している場合がある。また、本来取得したい信号にノイズが重畳している場合もある。このような場合、単に、検出された物理量を診断に用いたのでは、本来取得したい信号以外が妨げとなり、診断対象の診断精度が低下し得る。実施の形態1においては、診断対象(この例では開閉装置71)の時間変化を示すセンサ信号が、互いに周波数帯域が異なる第1の時間領域信号と第2の時間領域信号とに分割される。これにより、診断対象において起こっている現象を周波数帯域に応じて切り分けて分析することが可能になる。よって、実施の形態1によれば、診断対象の診断精度を向上させることができる。
<各種バリエーションの説明>
≪重み付けスペクトラルフラックス変換≫
上記式(2)に示した通常のスペクトラルフラックス変換に代えて、下記式(4)に示すような重み付けスペクトラルフラックス変換が用いられてもよい。重み付けスペクトラルフラックス変換は、音響信号の立ち上がりを強調するための関数Hに重み付け係数Kが乗算されている点において、通常のスペクトラルフラックス変換と異なる。重み付け係数Kは、周波数fごとに定められる重み付け係数の集合である。
図16は、重み付け係数Kの設定手法を説明するための図である。横軸は周波数fを表す。縦軸は、ある時間差におけるスペクトル強度の差分を表す。この例では、時刻tにおけるスペクトル強度I(t,f)と、時刻t-1におけるスペクトル強度I(t-1,f)との差分が縦軸に採用されている。様々な時間差に関してスペクトル強度の差分を算出することによって、図16に示すような周波数分布が多数得られる。多数の周波数分布について、その平均を取ったものを重み付け係数Kとすることができる。あるいは、多数の周波数分布に関する機械学習(深層学習など)により重み付け係数Kを設定することも可能である。
図17は、通常のスペクトラルフラックス変換と重み付けスペクトラルフラックス変換とを比較する概念図である。通常のスペクトラルフラックス変換により算出されるスペクトルフラックス値は、少数の高いピークだけでなく多数の低いピークも取り得る。この場合、高いピークを低いピークから分離する(高いピークを抜き出す)ための追加の処理が必要となる。これに対し、重み付けスペクトラルフラックス変換によれば、低いピークに対応する重み付け係数が小さいため、低いピークが抑制される一方で、高いピークに対応する重み付け係数は大きいため、高いピークは強調される。その結果、ピーク検知が容易になる。
≪時間分割≫
ここまで、音響信号を周波数帯域に応じて分割することにより2つの信号を生成する「周波数分割」について説明した。以下、音響信号を周波数帯域に加えて時間的に分割する例について説明する。この処理を「時間分割」と称する。
図18は、時間分割を説明するための概念図である。時間分割は、図5に示した周波数分割と対比される。まず、音響信号が周波数分割されて低周波数信号と高周波数信号とが得られる。続いて、この例では、低周波数信号が2つに時間分割されるとともに、高周波数信号が2つに時間分割される。各信号は、たとえば、音響信号の強度が基準値よりも高い時刻を基準に2以上の信号に時間分割されてもよい。音響信号の強度が基準値よりも低い期間が長く続いた場合、その期間中には本来取得したい音響信号が発生しておらずノイズしか発生していない可能性がある。そのため、強度が基準値よりも低い状態が規定長よりも長く続く期間(ノイズ期間)の音響信号は除去されてもよい。
その後、図18に示す例では、合計4つに分割された信号の各々に対して短時間フーリエ変換が行われ、続いてスペクトラルフラックス変換が行われる。短時間フーリエ変換およびスペクトラルフラックス変換の処理内容は前述のものと同等であるため、詳細な図示が省略されている。
図19は、実施の形態1において実行される処理(時間分割)の処理手順の第2例を示すフローチャートである。図1、図3および図19を参照して、S201において、診断装置1は、音響センサ81から音響信号を取得する。
S202において、診断装置1は、典型的にはバンドパスフィルタを用いることにより、音響信号を周波数帯域に応じて2つの信号に分割する(周波数分割)。
S203において、診断装置1は、周波数分割された2つの信号の各々を時間的に分割する(時間分割)。前述のとおり、診断装置1は、強度と基準値とを比較し、基準値を境界に各信号を2以上の信号に分割し得る。診断装置1は、各信号を3以上の信号に分割してもよい。診断装置1は、周波数分割された2以上の信号のうちの一部のみを時間的に分割してもよい。
この例のように診断対象が接点を含む開閉装置71である場合、診断装置1は、接点動作信号(接点の動作を示す信号)を開閉装置71から受けてもよい。診断装置1は、接点動作信号が変化した時刻を基準に、周波数分割された2つの信号の各々を時間的に分割してもよい。
S204において、診断装置1は、時間分割により得られた各信号から、強度が基準値よりも低い状態が規定長よりも長く続くノイズ期間を除去する。たとえば開閉装置71の開極動作と投入動作とが交互に繰り返される場合(後述する連続動作の場合)、開極動作と投入動作との間には何の動作も行われない待ち時間が生じる。そのため、ノイズ期間を除去することで、開極動作と投入動作との間の環境ノイズを除去できる。これにより、強度が基準値よりも高い期間(意味がある信号が発生している期間)を含む信号が選択的に残る。
S205以降の処理は、図13~図15に示したフローチャートにおける対応する処理と同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
以上のように、時間分割により、ノイズ期間を除去することが可能になる。加えて、時間分割により、短時間フーリエ変換の条件を信号ごとに調整することが可能になり、その結果、各信号の周波数分解能を向上させることができる。より詳細には、一般に、短時間フーリエ変換では、分析窓関数が用いられ、周波数分解能と時間分解能とがトレードオフの関係にある。分析窓関数とは、0≦t≦N-1(Nはフレーム長)の範囲内では0でない値であり、当該範囲外では0である関数である。時間分割によりノイズ期間を除去することでフレーム長Nが長くなる。そうすると、時間分解能は低くなる一方、周波数分解能は高くなる。よって、時間分割によれば、開閉装置71の診断精度を一層向上させることができる。
≪連続動作≫
開閉装置71の開極動作と投入動作との時間間隔が空くと、開閉装置71の下流に設けられた電力系統への電力供給が遮断されて電力系統の停電が発生し得る。開閉装置71の開極動作後、直ちに投入動作を行うことによって電力系統の停電を抑制可能である。以下、開閉装置71の開極動作と投入動作とを電力系統の停電を抑制可能な短時間に行い、その間に開閉装置71を診断することを開閉装置71の「連続動作」と称する。
図20は、実施の形態1において実行される処理(連続動作)の処理手順の第3例を示すフローチャートである。図1、図3および図20を参照して、S301において、診断装置1は、開閉装置71に開極動作を行わせるための制御指令を開閉装置71に出力する。続いて、診断装置1は、開閉装置71の開極動作に伴う音響信号を音響センサ81から取得する(S302)。診断装置1は、たとえばバンドパスフィルタを用いることにより、音響信号を周波数帯域に応じて2つの信号に分割する(S303)。診断装置1は、周波数分割された2つの信号の各々の短時間フーリエ変換により強度信号を算出する(S304)。診断装置1は、2つの強度信号に対するスペクトラルフラックス変換によりスペクトラルフラックス信号を生成する(S305)。S302~S305の各処理は、図13に示したフローチャートの対応する処理と同等である。
S306において、診断装置1は、開閉装置71の開極動作に伴う音響信号に基づくスペクトラルフラックス信号から特徴量を抽出する。特徴量抽出としては図14のフローチャートに示された処理と同等のものを採用可能である。
次に、S307において、診断装置1は、開閉装置71に投入動作を行わせるための制御指令を開閉装置71に出力する。S301にて開閉装置71に開極動作を行わせるための制御指令を出力してから、S307にて開閉装置71に投入動作を行わせるための制御指令を出力するまでの時間は、電力系統の停電を抑制可能な程度に十分に短く(たとえば1秒未満に)設定されている。続く308~S311の処理は、S302~S305の処理と同等である。
S312において、診断装置1は、開閉装置71の投入動作に伴う音響信号に基づくスペクトラルフラックス信号から特徴量を抽出する。特徴量抽出としては図14のフローチャートに示された処理と同等のものを採用可能である。
S313において、診断装置1は、異常診断を実行し、開閉装置71の開極動作に伴う特徴量と、開閉装置71の投入動作に伴う特徴量との両方について、あらかじめ定められた診断基準を満たすかどうかを判定する。異常診断に使用される特徴量が異なるものの、異常診断は図15のフローチャートに示された処理と同等である。
この例では、開閉装置71の開極動作と投入動作との間に、開閉装置71の開極動作に関する短時間フーリエ変換(S304)、スペクトラルフラックス変換(S305)および特徴量抽出(S306)の各処理が実行される例について説明した。しかし、S304~S306の処理は、開閉装置71の投入動作に伴う音響信号の取得後(S308の処理以降)に実行されてもよい。言い換えると、診断装置1は、最初に開閉装置71の開極動作に伴う音響信号と開閉装置71の投入動作に伴う音響信号とを取得し、これらの信号に対する信号処理(短時間フーリエ変換、スペクトラルフラックス変換および特徴量抽出の各処理)は事後的に実行してもよい。
以上のように、連続動作により、電力系統の停電を抑制しつつ開閉装置71を診断をできる。本来であれば、電力系統の停電が問題にならない状況下でしか開閉装置71を診断する機会が得られない。これに対し、連続動作によれば、開閉装置71の診断機会を確保することが容易になるため、所望のタイミングで、あるいは、より高い頻度で開閉装置71を診断することが可能になる。
≪寿命推定≫
特徴量に基づいて開閉装置71の異常の有無が診断される例について説明した(異常診断)。開閉装置71の寿命が推定されてもよい。この処理を「寿命推定」と称する。以下の例では、寿命推定は異常診断(図15参照)に加えて実行される。しかし、寿命推定は異常診断に代えて実行されてもよい。
図21は、実施の形態1における寿命推定の処理手順の一例を示すフローチャートである。図1、図3および図21を参照して、S71において、診断装置1は、特徴量抽出(図14参照)により抽出された複数の特徴量の各々が診断基準を満たすかどうかを判定する。
少なくとも1つの特徴量が診断基準を満たす場合(S71においてYES)、診断装置1は、その特徴量に関連付けられた異常が開閉装置71において発生していると診断する(S72)。そして、診断装置1は、どのような異常が発生したのかを外部のサーバ91または端末92に報知する(S73)。
一方、すべての特徴量が診断基準を満たさない場合(S71においてNO)、診断装置1は、開閉装置71は正常であると診断する(S74)。
S75において、診断装置1は、複数の特徴量のうち、あらかじめ寿命に関連付けられた特徴量についての外挿補間により、開閉装置71の寿命を推定する。そして、診断装置1は、開閉装置71は正常であるとの診断結果とともに、開閉装置71の推定寿命を外部のサーバ91または端末92に通知する。診断装置1は、さらに、推定寿命に基づいて決定される開閉装置71の推奨更新時期をサーバ91または端末92に通知する(S76)推奨更新時期は、推定寿命よりも規定の期間だけ前に決定され得る。なお、開閉装置71の「寿命」を推定することは、開閉装置71の「余命」を推定することを含み得る。
図22は、寿命推定手法を説明するための図である。横軸は経過時間を表す。縦軸は特徴量を表す。この例では特徴量に関する閾値があらかじめ定められている。特徴量が閾値に達したことは開閉装置71の寿命が到来したことを意味する。特徴量は、時間の経過とともに徐々に増加するものの、現時点(時刻t5)では閾値に達していない。診断装置1は、過去から現在に至るまでの期間(時刻t1から時刻t5までの期間)における特徴量の推移に基づく外挿補間(典型的には回帰曲線の外挿)により、特徴量が閾値に達する時刻(時刻t6)を推定する。診断装置1は、特徴量が閾値に達する時刻を開閉装置71の推定寿命としてもよい。それに代えてまたは加えて、診断装置1は、現時点から特徴量が閾値に達する時刻までの期間(時刻t5と時刻t6との間の期間)の長さを開閉装置71の推定余命としてもよい。
以上のように、寿命推定により、開閉装置71の推定寿命を開閉装置71のユーザ(管理者など)が把握できる。これにより、ユーザは、開閉装置71の保守計画を立て直したり、開閉装置71の更新(点検、整備または置換)を行ったりすることが可能になる。
<処理の組合せ>
図23は、周波数分割と組合せ可能な処理を説明するための図である。図中、時間分割、連続動作または寿命推定に付されたチェックマークは、その処理が周波数分割と組合せ可能であることを示す。周波数分割は、単独で実行されてもよいし(No.1)、時間分割のみと組み合わせられてもよいし(No.2)、時間分割および連続動作と組み合わせられてもよいし(No.3)、時間分割および寿命推定と組み合わせられてもよいし(No.4)、時間分割、連続動作および寿命推定のすべてと組み合わせられてもよいし(No.5)、連続動作のみと組み合わせられてもよいし(No.6)、連続動作および寿命推定と組み合わせられてもよいし(No.7)、寿命推定のみと組み合わせられてもよい(No.8)。
実施の形態2.
実施の形態2においては、スペクトラルフラックス信号を幾何学図形(典型的には多角形)として認識し、幾何学図形から特徴量を抽出する処理について説明する。実施の形態2において、診断装置は、実施の形態1における信号処理部12A(図4参照)とは異なる信号処理部12Bを含む。実施の形態2における診断システムの全体構成は、図1~図3に示した構成と同様であるため、説明は繰り返さない。
<システム構成>
図24は、実施の形態2における信号処理部の機能を説明するための機能ブロック図である。信号処理部12Bは、フィルタ31と、短時間フーリエ変換部32と、スペクトラルフラックス変換部33と、幾何学図形生成部34と、特徴量抽出部35と、記憶部36と、診断部37とを含む。すなわち、信号処理部12Bは、フィルタ、短時間フーリエ変換部およびスペクトラルフラックス変換部を1つずつ含む点と、幾何学図形生成部34をさらに含む点において、実施の形態1における信号処理部12Aと異なる。フィルタ31、短時間フーリエ変換部32、スペクトラルフラックス変換部33、記憶部36および診断部37は、実施の形態1における第1フィルタ211、第1短時間フーリエ変換部212、第1SF変換部213、記憶部36および診断部37は、実施の形態1における記憶部25および診断部26(図4参照)とそれぞれ同等である。短時間フーリエ変換部32およびスペクトラルフラックス変換部33は、本開示に係る「信号変換部」に相当する。
幾何学図形生成部34は、スペクトラルフラックス変換部33からスペクトラルフラックス信号を受け、スペクトラルフラックス信号から幾何学図形を生成する。幾何学図形生成部34は、生成された幾何学図形を特徴量抽出部35に出力する。特徴量抽出部35は、幾何学図形に基づいて特徴量を抽出する。以下に説明するように、信号処理部12Bは、「幾何学処理」または「比較処理」を実行する。各処理について詳細に説明する。
<概念図および処理フロー>
≪幾何学処理≫
図25は、幾何学図形の生成手法および特徴量の抽出手法の第1例を説明するための概念図である。図24および図25を参照して、幾何学図形生成部34は、たとえば、スペクトラルフラックス信号の複数の極値(極大値および極小値)を、幾何学図形(典型的には多角形)を生成するための複数の頂点として特定する。そして、幾何学図形生成部34は、複数の頂点のうちの一部または全部を接続することによって幾何学図形を生成する。これにより、図25に示す例では3つの三角形が生成される。幾何学図形は三角形に限定されるものではない。幾何学図形生成部34は、頂点数が4以上の幾何学図形を生成してもよい。たとえばすべての頂点が接続される場合、破線で囲んで示すように七角形が生成され得る。また、スペクトラルフラックス信号の強度の補正などにより、スペクトラルフラックス信号が時間軸との交点(スペクトラルフラックス値が0となる点)を有する場合、幾何学図形生成部34は、スペクトラルフラックス信号の極値に加えて、スペクトラルフラックス信と時間軸との交点を複数の頂点の一部として幾何学図形を生成してもよい。
特徴量抽出部35は、幾何学図形に基づいて特徴量を抽出する。特徴量抽出部35は、たとえば3つの三角形の各々の重心を特徴量として抽出してもよい。特徴量抽出部35は、すべての頂点を接続することで生成される幾何学図形(破線内に示す例では七角形)の重心を特徴量として抽出してもよい。
図26は、実施の形態2において実行される処理(幾何学処理)の処理手順の第1例を示すフローチャートである。図1、図3、図25および図26を参照して、S401において、診断装置1は、音響センサ81から音響信号を取得する。
S402において、診断装置1は、音響信号の短時間フーリエ変換により強度信号を算出する。実施の形態1と同様に、診断装置1は、連続ウェーブレット変換、離散ウェーブレット変換またはストックウェル変換を行ってもよい。
S403において、診断装置1は、強度信号のスペクトラルフラックス変換によりスペクトラルフラックス信号を生成する。スペクトラルフラックス変換は、時間幅ごとに、強度の差分をすべての周波数について合計するものであってもよいし、隣接する周波数間の強度の差分を規定の時間長にわたって合計するものであってもよい。
S404において、診断装置1は、スペクトラルフラックス信号の複数の極値を幾何学図形を生成するための複数の頂点として特定する。
S405において、診断装置1は、S404にて特定された複数の頂点の一部または全部を接続することによって幾何学図形を生成する。診断装置1は、図25に示したように、複数の三角形を生成してもよいし、1または複数のn角形(nは4以上の自然数)を生成してもよい。
S406において、診断装置1は、S405にて生成された幾何学図形の重心を特徴量として抽出する(特徴量抽出)。診断装置1は、幾何学図形の頂点を特徴量として抽出してもよい。
S407において、診断装置1は、特徴量抽出により抽出された特徴量に基づいて、開閉装置71の異常の有無を診断する(異常診断)。この処理は、図15にて説明した処理と同様であるため、説明は繰り返さない。
≪比較処理≫
図27は、幾何学図形の生成手法および特徴量の抽出手法の第2例を説明するための概念図である。この例では、正常な開閉装置71から取得されたスペクトラルフラックス信号(本開示に係る「正常信号」に相当)が、たとえば幾何学図形生成部34にあらかじめ記憶されている。幾何学図形生成部34は、図27には図示しない記憶部(図1のメモリ102)から当該スペクトラルフラックス信号を取得してもよい。
幾何学図形生成部34は、今回取得されたスペクトラルフラックス信号と、正常な開閉装置71から取得されたスペクトラルフラックス信号とを比較し、両者が相違する領域を特定する。幾何学図形生成部34は、今回取得されたスペクトラルフラックス信号のうち、特定された領域における信号成分を摘出する。さらに、幾何学図形生成部34は、摘出された信号成分の複数の極値を、幾何学図形を生成するための複数の頂点として特定する。幾何学図形生成部34は、複数の頂点のうちの一部または全部を接続することによって幾何学図形を生成する。そして、幾何学図形生成部34は、生成された幾何学図形を特徴量抽出部35に出力する。
特徴量抽出部35は、図25に示した例と同様に、幾何学図形の重心または頂点を特徴量として抽出する。
図28は、実施の形態2において実行される処理(比較処理)の処理手順の第2例を示すフローチャートである。図1、図3、図27および図28を参照して、S501~S503の処理は、図26に示したS401~S403の処理と同等である。
S504において、診断装置1は、正常な開閉装置71から取得されたスペクトラルフラックス信号をメモリ102から読み出す。
S505において、診断装置1は、S503にて算出されたスペクトラルフラックス信号と、S504にて読み出されたスペクトラルフラックス信号とを比較することによって、2つのスペクトラルフラックス信号が互いに相違する領域を特定する。診断装置1は、たとえば上記2つのスペクトラルフラックス信号の差分により、両者が相違する領域を特定する。そして、診断装置1は、S503にて算出されたスペクトラルフラックス信号のうち、特定された領域における信号成分を摘出する。
S506において、診断装置1は、S505にて摘出された信号成分における複数の極値(変曲点等であってもよい)を幾何学図形を生成するための複数の頂点として特定する。
以降のS507~S509の処理は、図26に示したS405~S407の処理と同等である。
スペクトラルフラックス信号の波形形状は様々な要因の影響を受けて変化し得る。実施の形態2においては、スペクトラルフラックス信号から特徴量が直接抽出されるのに代えて、スペクトラルフラックス信号から幾何学図形が生成され、生成された幾何学図形に基づいて特徴量が抽出される。スペクトラルフラックス信号から幾何学図形を生成することで、スペクトラルフラックス信号に何らかの変動(立上り、立下りなど)が生じている範囲を際立たせることができる。また、幾何学図形の重心などを特徴量として抽出することで、スペクトラルフラックス信号波形の微細な変化を無視することが可能になる一方で、スペクトラルフラックス信号の実質的な変化が明瞭になる。よって、実施の形態2によれば、開閉装置71の診断精度を向上させることができる。
加えて、幾何学図形の情報量(データサイズ)の方がスペクトラルフラックス信号の情報量よりも少ない。したがって、開閉装置71の診断経過を示すデータ(ログ)をメモリ102またはサーバ91に残す場合に保存容量を低減できる。
<処理の組合せ>
図29は、幾何学処理または比較処理と組合せ可能な処理を説明するための図である。幾何学処理は、単独で実行されてもよいし(No.1)、時間分割のみと組み合わせられてもよいし(No.2)、時間分割および連続動作と組み合わせられてもよいし(No.3)、時間分割および寿命推定と組み合わせられてもよいし(No.4)、時間分割、連続動作および寿命推定のすべてと組み合わせられてもよいし(No.5)、連続動作のみと組み合わせられてもよいし(No.6)、連続動作および寿命推定と組み合わせられてもよいし(No.7)、寿命推定のみと組み合わせられてもよい(No.8)。比較処理についても同様である(No.9~16)。
実施の形態1における周波数分割と、実施の形態2における幾何学処理または比較処理とを組み合わせてもよい。すなわち、周波数分割された2以上のスペクトラルフラックス信号の各々を対象に幾何学処理または比較処理が実行されてもよい。
実施の形態3.
実施の形態3においては、音響信号と他の信号とを組み合わせることによって診断精度を向上させる構成について説明する。実施の形態3において、診断対象は、受配電設備の内部に収容される1以上の電気機器である。当該1以上の電気機器は開閉装置71を含む。
<システム構成>
図30は、実施の形態3に係る開閉装置の診断装置の全体構成を示す図である。実施の形態3においても実施の形態1(図3参照)と同様に、音響センサ81が開閉装置71の遮断器711に設けられている。音響センサ81は、たとえばマイクロホンを含み、開閉装置71の動作音を検出する。音響センサ81は、その検出結果を示す音響信号を診断装置1Cに出力する。
実施の形態3では、音響センサ81に加えて、1以上の他のセンサが遮断器711に設けられている。他のセンサは、音響センサ81からの音響信号に基づく診断を補強するために用いられるため、以下「補強センサ」とも称する。補強センサは、開閉装置71の診断に使用可能な開閉装置71の様々な状態のうち、音響センサ81とは異なる状態を検出するものであってもよい。補強センサは、音響センサ81とは異なる原理に従って開閉装置71の状態を検出するものであってもよい。そうすることで、音響センサ81を単独で用いた場合と比べて、開閉装置71の診断精度を向上させることができるためである。また、音響センサ81とは異なる観点から、または音響センサ81とは異なる範囲について、開閉装置71を診断することも可能になり得る。
より具体的には、音響センサ81は、開閉装置71の動作音の周波数に基づく診断のために設けられる。音響センサ81は開閉装置71から一定程度離れた位置に(言い換えると非接触的に)配置されているところ、音速は光速と比べて遅いため、開閉装置71の動作音が音響センサ81により検出されるまでに若干の時間遅れ(伝搬遅れ)が生じ得る。また、音響信号が空気中を伝搬する際に音の回折などによるノイズが重畳し得る。
このような音響センサ81の特徴に鑑み、補強センサは、音響センサ81とは検出対象が異なるもの(開閉装置71の動作音の周波数以外を診断するためのもの)であったり、時間遅れが大きいか無視できるほど小さいものであったり、開閉装置71に接触的に配置されたものであったりしてもよい。
補強センサは、この例では、振動センサ82、電圧センサ83および電流センサ84のうちの少なくとも1つを含む。振動センサ82は、たとえば圧電素子を含み、開閉装置71の振動を検出する。振動センサ82は歪みセンサであってもよい。電圧センサ83は、開閉装置71(遮断器711)に印加される電圧を検出する。電流センサ84は、開閉装置71(遮断器711)を流れる電流を検出する。各センサは、その検出結果を示す信号を診断装置1Cに出力する。
振動センサ82、電圧センサ83および電流センサ84の検出対象は、音響センサ81の検出対象と異なる。振動センサ82、電圧センサ83および電流センサ84はいずれも開閉装置71に接触的に配置され、かつ、開閉装置71の動作に対する時間遅れが無視できるほど小さい。振動センサ82を用いることにより、開閉装置71の動作時に発生する異常振動を検出することが可能になる。電圧センサ83を用いることにより、電圧位相に基づいて、遮断器711が絶縁劣化しているかどうかを診断することが可能になる。電流センサ84を用いることにより、電流位相に基づいて、遮断器711においてアークが発生したかどうかを診断することが可能になる。
補強センサは上記3種類のセンサに限定されない。補強センサは、光センサ(光検出器)またはイメージセンサであってもよい。光センサまたはイメージセンサは、音響センサ81と比べて、開閉装置71の動作に対する時間遅れが小さい。光センサまたはイメージセンサを用いることにより、開閉装置71(遮断器711)が発する光(アークなど)を検出することが可能になる。なお、イメージセンサを監視カメラとして用いて、撮影された画像に基づき、開閉装置71の周囲に不審者、野生動物などがいないかどうかを監視してもよい。
補強センサは温度センサであってもよい。補強センサは、接触型温度センサ(熱電対など)であってもよいし、非接触型温度センサ(放射温度計など)であってもよい。補強センサはサーモグラフィ(サーマルカメラ)であってもよい。温度センサは、開閉装置71の温度変化を示す信号(サーマルカメラの場合、画像)を出力する。温度センサを用いることにより、遮断器711の接点溶着による異常発熱、遮断器711の氷結の可能性などを診断することが可能になる。
補強センサは診断対象に応じて適宜選択され得る。補強センサは、力学的運動を検出するセンサ(距離(変位)センサ、速度センサ、加速度センサなど)であってもよい。補強センサは圧力センサであってもよい。補強センサは、煙センサであってもよく、においセンサであってもよい。
診断装置1Cは、信号処理部12Aに代えて信号処理部12Cを含む点において、実施の形態1における診断装置1A(図4参照)と異なる。診断装置1Cの他の構成は、診断装置1Aの対応する構成と同等である。
図31は、実施の形態3における信号処理部12Cの機能を説明するための機能ブロック図である。信号処理部12Cは、フィルタ41と、短時間フーリエ変換部42と、スペクトラルフラックス部43と、特徴量抽出部44と、記憶部45と、診断部46とを含む。
フィルタ41は、音響信号と補強信号とを同時に受ける。言い換えると、フィルタ41は、補強信号と音響信号とが互いに同期するように、音響信号および補強信号を受ける。フィルタ41は、音響信号および補強信号のうち一部の周波数帯域の信号成分のみを通過させて短時間フーリエ変換部42へと出力する。続く短時間フーリエ変換部42、スペクトラルフラックス部43、特徴量抽出部44、記憶部45および診断部46の機能は、実施の形態1における対応する機能ブロック(図4参照)の機能と同等である。
図示しないが、音響信号に適したフィルタと、補強信号に適したフィルタとが別々に設けられていてもよい。短時間フーリエ変換部、スペクトラルフラックス部および特徴量抽出部についても同様に、音響信号用の機能ブロックと、補強信号用の機能ブロックとが別々に設けられていてもよい。
補強信号に対するフィルタ、短時間フーリエ変換部、スペクトラルフラックス部および特徴量抽出部は設けられなくてもよい。補強信号は、たとえば、開閉装置から取得される接点信号(接点の開離および接触を示す信号)であってもよく、開閉装置を動作させるための動作信号であってもよい。これらの信号波形は振動しない。そのため、接点信号または動作信号に対しては、スペクトル強度の時間変化を示す強度信号を算出する必要がない。接点信号または動作信号については、生波形を補強信号として使用できる。接点信号または動作信号を用いることによって、音響信号の波形のうちのどの時間帯の波形を短時間フーリエ変換、スペクトラルフラックス変換および特徴量抽出の対象とするか(信号処理の対象とする適切なタイミング)を決定できる。
あるいは、接点信号または動作信号と、音響信号の波形を短時間フーリエ変換した強度信号と、を時間または周波数について波形を重ねることによって生成した波形を、特徴量抽出の対象とすることも可能である。これにより、強度信号のピークのない点に接点信号または動作信号の変更点があった場合に、その点を特徴点とすることができる。また、ピークを有する補強信号においても、短時間フーリエ変換の必要のない信号(たとえば、開閉器の接点の動作を測定した信号など)であれば、その生波形と、音響信号の波形を短時間フーリエ変換した強度信号と、を時間または周波数について合計することによってスペクトラルフラックス信号を生成(スペクトラルフラックス変換)し、特徴量抽出の対象とすることも可能である。
<処理フロー>
図32は、実施の形態3において実行される処理(補強処理)の処理手順の一例を示すフローチャートである。図1、図30および図32を参照して、S501において、診断装置1Cは、音響センサ81から音響信号を取得するとともに、それと同期するように、補強センサ(ここでは振動センサ82、電圧センサ83および電流センサ84のうちのいずれか1つ)から補強信号を取得する。
S502において、診断装置1Cは、音響信号および補強信号(音響信号と補強信号とが互いに同期した1つの信号)に対する短時間フーリエ変換により強度信号を算出する。実施の形態1と同様に、診断装置1は、連続ウェーブレット変換、離散ウェーブレット変換またはストックウェル変換を行ってもよい。前述のとおり、補強信号の種類によっては、補強信号(開閉装置の接点信号、開閉装置の動作信号など)を短時間フーリエ変換(および、それに続くスペクトラルフラックス変換、特徴量の抽出)の対象としなくてもよい。
S503において、診断装置1Cは、音響信号および補強信号のスペクトラルフラックス変換により、スペクトラルフラックス信号を生成する。スペクトラルフラックス変換は、時間幅ごとに、強度の差分をすべての周波数について合計するものであってもよいし、隣接する周波数間の強度の差分を規定の時間長にわたって合計するものであってもよい。
S504において、診断装置1Cは、S503にて生成されたスペクトラルフラックス信号から1以上の特徴量を抽出する(特徴量抽出)。この処理は、図14にて説明した処理と同等であるため、説明は繰り返さない。
S505において、診断装置1Cは、特徴量抽出により抽出された1以上の特徴量に基づいて、開閉装置71の異常の有無を診断する(異常診断)。この処理は、図15にて説明した処理と同等であるため、説明は繰り返さない。
音響信号は開閉装置71の動作音の周波数に基づく開閉装置71の診断には適するものの、音響信号のみでは十分な診断が困難な開閉装置71の異常も存在し得る。実施の形態3においては、音響信号に加えて補強信号が用いられる。補強信号は、音響信号とは異なる検出原理に基づくものであって音響信号とは検出対象が異なる。音響信号と補強信号とは、開閉装置71の異なる状態を検出したり、異なる時間遅れを検出したりする。よって、音響信号および補強信号の両方を用いることによって、音響信号のみを用いる場合と比べて、開閉装置71の診断精度を向上させることができる。
<処理の組合せ>
図33は、補強処理と組合せ可能な処理を説明するための図である。補強処理は、単独で実行されてもよいし(No.1)、時間分割のみと組み合わせられてもよいし(No.2)、時間分割および連続動作と組み合わせられてもよいし(No.3)、時間分割および寿命推定と組み合わせられてもよいし(No.4)、時間分割、連続動作および寿命推定のすべてと組み合わせられてもよいし(No.5)、連続動作のみと組み合わせられてもよいし(No.6)、連続動作および寿命推定と組み合わせられてもよいし(No.7)、寿命推定のみと組み合わせられてもよい(No.8)。
実施の形態3における補強処理と、実施の形態1における周波数分割とを組み合わせられてもよい。音響信号および補強信号が周波数分割されてもよい。また、実施の形態3における補強処理と、実施の形態2における幾何学処理または比較処理とが組み合わせられてもよい。音響信号および補強信号に基づいて生成されたスペクトラルフラックス信号を対象に幾何学処理または比較処理が実行されてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 診断システム、1,1A,1C 診断装置、101 プロセッサ、102 メモリ、103 通信機器、3 コントローラ、7 診断対象、8 センサ、11 入力部、12 信号合成部、121 フィルタ、122 時間周波数変換部、123 信号変換部、124 特徴量抽出部、125 診断部、12A 信号処理部、13 出力部、14 制御部、211 第1フィルタ、212 第1短時間フーリエ変換部、213 第1スペクトラルフラックス変換部、223 第2スペクトラルフラックス変換部、221 第2フィルタ、222 第2短時間フーリエ変換部、24 特徴量抽出部、25 記憶部、26 診断部、12B 信号処理部、31 フィルタ、32 短時間フーリエ変換部、33 スペクトラルフラックス変換部、34 幾何学図形生成部、35 特徴量抽出部、36 記憶部、37 診断部、12C 信号処理部、41 フィルタ、42 短時間フーリエ変換部、43 スペクトラルフラックス部、44 特徴量抽出部、45 記憶部、46 診断部、711 遮断器、712 モータ、71 開閉装置、81 音響センサ、82 振動センサ、83 電圧センサ、84 電流センサ、91 サーバ、92 端末。

Claims (14)

  1. 診断対象の時間変化を示す原信号に対する時間幅ごとの時間-周波数変換によりスペクトル強度の時間変化を示す強度信号を算出し、前記強度信号を時間または周波数について合計することによって変換信号を生成する信号変換部と、
    前記変換信号の複数の極値のうちの一部または全部を接続することによって各々が得られる1以上の幾何学図形を生成する幾何学図形生成部と、
    前記1以上の幾何学図形の各々の重心を1以上の特徴量として抽出する特徴量抽出部と、
    前記1以上の特徴量に基づいて前記診断対象を診断する診断部とを備える、診断装置。
  2. 前記幾何学図形生成部は、前記変換信号と、正常な診断対象から取得された変換信号である正常信号とを比較し、前記変換信号と前記正常信号とが相違する領域における前記変換信号の複数の極値のうちの一部または全部を接続することによって、前記1以上の幾何学図形を生成する、請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記幾何学図形生成部は、前記変換信号と前記正常信号との差分により、前記相違する領域を特定する、請求項2に記載の診断装置。
  4. 前記特徴量抽出部は、前記1以上の幾何学図形の頂点を前記1以上の特徴量としてさらに抽出する、請求項1~3のいずれか1項に記載の診断装置。
  5. 前記原信号は、前記診断対象の振動を示す振動信号、または、前記診断対象により発生した音を示す音響信号である、請求項1~3のいずれか1項に記載の診断装置。
  6. 前記原信号を、互いに周波数帯域が異なる第1の時間領域信号と第2の時間領域信号とに周波数分割するフィルタをさらに備え、
    前記信号変換部は、
    前記第1の時間領域信号から第1の変換信号を生成し、
    前記第2の時間領域信号から第2の変換信号を生成し、
    前記幾何学図形生成部は、
    前記第1の変換信号の複数の極値のうちの一部または全部を接続することによって第1の幾何学図形を生成し、
    前記第2の変換信号の複数の極値のうちの一部または全部を接続することによって第2の幾何学図形を生成し、
    前記特徴量抽出部は、前記第1および第2の幾何学図形から前記1以上の特徴量を抽出する、請求項1~3のいずれか1項に記載の診断装置。
  7. 前記信号変換部は、
    前記第1の時間領域信号を複数の信号成分に時間的に分割し、分割された信号成分ごとに前記第1の変換信号を生成し、
    前記第2の時間領域信号を複数の信号成分に時間的に分割し、分割された信号成分ごとに前記第2の変換信号を生成する、請求項に記載の診断装置。
  8. 前記信号変換部は、
    前記第1の時間領域信号が第1の基準値を超えた時刻を基準に、前記第1の時間領域信号を時間的に分割し、
    前記第2の時間領域信号が第2の基準値を超えた時刻を基準に、前記第2の時間領域信号を時間的に分割する、請求項に記載の診断装置。
  9. 前記診断対象は、接点を含む開閉装置であり、
    前記信号変換部は、前記接点の動作を示す信号が変化した時刻を基準に、前記第1および第2の時間領域信号を時間的に分割する、請求項に記載の診断装置。
  10. 前記1以上の特徴量は、複数の特徴量であり、
    前記診断部は、前記複数の特徴量のうちの第1の特徴量が抽出された時刻と、前記複数の特徴量のうちの第2の特徴量が抽出された時刻との間の時間差に基づいて、前記診断対象を診断する、請求項1~3のいずれか1項に記載の診断装置。
  11. 前記診断対象は、電力系統への電力供給経路に電気的に接続された開閉装置であり、
    前記開閉装置の開極動作と投入動作とを前記電力系統の停電を抑制可能な短時間で実施するように前記開閉装置を制御する制御部をさらに備え、
    前記特徴量抽出部は、
    前記開閉装置の開極動作時に取得された前記原信号から第1の特徴量を抽出し、
    前記開閉装置の投入動作時に取得された前記原信号から第2の特徴量を抽出する、請求項1~3のいずれか1項に記載の診断装置。
  12. 前記1以上の特徴量は、複数の特徴量であり、
    前記診断部は、前記複数の特徴量の外挿補間により、前記診断対象の寿命を推定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の診断装置。
  13. 前記診断部は、前記寿命に基づいて決定される前記診断対象の推奨更新時期を通知する、請求項12に記載の診断装置。
  14. 診断対象の時間変化を示す原信号に対する時間幅ごとの時間-周波数変換によりスペクトル強度の時間変化を示す強度信号を算出し、前記強度信号を時間または周波数について合計することによって変換信号を生成するステップと、
    前記変換信号の複数の極値のうちの一部または全部を接続することによって各々が得られる1以上の幾何学図形を生成するステップと、
    前記1以上の幾何学図形の各々の重心を1以上の特徴量として抽出するステップと、
    前記1以上の特徴量に基づいて前記診断対象を診断するステップとを含む、診断方法。
JP2025530529A 2024-02-27 2024-02-27 診断装置および診断方法 Active JP7785246B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2024/007052 WO2025181895A1 (ja) 2024-02-27 2024-02-27 診断装置および診断方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2025181895A1 JPWO2025181895A1 (ja) 2025-09-04
JP7785246B1 true JP7785246B1 (ja) 2025-12-12
JPWO2025181895A5 JPWO2025181895A5 (ja) 2026-02-04

Family

ID=96920102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2025530529A Active JP7785246B1 (ja) 2024-02-27 2024-02-27 診断装置および診断方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7785246B1 (ja)
TW (1) TW202534462A (ja)
WO (1) WO2025181895A1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1026580A (ja) * 1996-05-08 1998-01-27 Nippon Steel Corp 変速型回転機械設備の診断方法および装置
JP2014093739A (ja) * 2012-11-06 2014-05-19 Nagase Techno-Engineering Co Ltd 集音装置
WO2017145687A1 (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 Ntn株式会社 異常診断装置および異常診断方法
JP2019184341A (ja) * 2018-04-05 2019-10-24 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換システムおよび遮断器診断装置
JP2021167853A (ja) * 2020-04-09 2021-10-21 日本放送協会 異常音検知装置及びそのプログラム
JP2022082208A (ja) * 2020-11-20 2022-06-01 株式会社日立ビルシステム パターン分類装置、昇降機音診断システム、及びパターン分類方法昇降機音の診断装置、及び昇降機音診断方法
JP2024009691A (ja) * 2022-07-11 2024-01-23 株式会社日立製作所 遮断器モデル生成システム、遮断器モデル生成装置及び遮断器モデル生成方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1026580A (ja) * 1996-05-08 1998-01-27 Nippon Steel Corp 変速型回転機械設備の診断方法および装置
JP2014093739A (ja) * 2012-11-06 2014-05-19 Nagase Techno-Engineering Co Ltd 集音装置
WO2017145687A1 (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 Ntn株式会社 異常診断装置および異常診断方法
JP2019184341A (ja) * 2018-04-05 2019-10-24 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換システムおよび遮断器診断装置
JP2021167853A (ja) * 2020-04-09 2021-10-21 日本放送協会 異常音検知装置及びそのプログラム
JP2022082208A (ja) * 2020-11-20 2022-06-01 株式会社日立ビルシステム パターン分類装置、昇降機音診断システム、及びパターン分類方法昇降機音の診断装置、及び昇降機音診断方法
JP2024009691A (ja) * 2022-07-11 2024-01-23 株式会社日立製作所 遮断器モデル生成システム、遮断器モデル生成装置及び遮断器モデル生成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2025181895A1 (ja) 2025-09-04
WO2025181895A1 (ja) 2025-09-04
TW202534462A (zh) 2025-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2009034967A1 (ja) 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
CN110458248B (zh) 基于多测点振动信号的变压器异常状态检测方法
EP3045889B1 (en) Information processing system, information processing method, and program
US5730144A (en) Method and apparatus for predicting the efficacy of cardioversion
US20220018707A1 (en) Method and Device for Monitoring a Circuit Breaker
KR101550689B1 (ko) 잡음제거 기능을 구비한 ae센서 기반 수배전반의 아크 및 코로나 검출 시스템
CN119667417B (zh) 一种基于声音信号的电力线路检测方法及系统
JP5281475B2 (ja) 常時微動計測に基づく建物の健全性診断法、診断装置及び診断プログラム
EP4450966A1 (en) State monitoring system and state monitoring method
US10359401B2 (en) Malfunction diagnosing apparatus, malfunction diagnosing method, and recording medium
JP2024023644A (ja) 絶縁診断システムおよび絶縁診断方法
JP7785246B1 (ja) 診断装置および診断方法
CN119938437A (zh) 一种多功能智能感知浸没式液冷监控方法及系统
JP2009257862A (ja) 回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法
JP7785247B1 (ja) 診断装置および診断方法
JP2010266327A (ja) 設備診断装置及び設備診断方法
JP6904418B2 (ja) 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラム
TWI921031B (zh) 診斷裝置以及診斷方法
JP2019082449A (ja) 部分放電診断装置
WO2025181894A1 (ja) 診断装置および診断方法
CN121093087A (zh) 一种配电线路避雷器在线监测方法及系统
KR102513271B1 (ko) 부분방전 위험도 예측 장치 및 방법
CN118604602B (zh) 一种电气设备运行状态监测方法
JP7775534B1 (ja) 診断装置、それを備えた診断システム、および、診断方法
CN110017894A (zh) 变压器运行状态振声检测中随机噪声的滤除方法和装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20250526

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20250526

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20250526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20250805

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20251003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20251104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20251202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7785246

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150