JP7787640B2 - 船舶 - Google Patents

船舶

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Description

本発明は、船舶に関する。
船舶は、搭載されている操船装置や電動ポンプ、航行灯などの電気機器に電力を供給するため、充放電が可能なバッテリー(二次電池)を備えている。また、近年、内燃機関による駆動力のみならず、電動モータの駆動力をプロペラなどの推進装置に伝達して船舶を推進させる電気推進システムが提案されている(特許文献1参照)。前記電気推進システムでは、電動モータを駆動させる大容量の電力が必要であるため、船舶には、大容量のバッテリーが複数搭載されている。また、これらのバッテリーを充電するために、船舶は、内燃機関の駆動力を利用して発電する発電機を備えている。
バッテリーには、前記電気機器や駆動用の電動モータの配線が接続されている。そのため、バッテリーに水が掛かったり、バッテリーが水没すると、各配線の接続端子間がショート(短絡)し、配線や電気機器を損傷させたり、バッテリーを破損させるおそれがある。そのため、バッテリーは、水が浸入しないように液密構造の収容部に設置されることが好ましい。
特開2011-16388号公報
ところで、発電機によってバッテリーが充電されると、バッテリーは発熱する。また、経年劣化によりバッテリー液が不足した状態でバッテリーが使用された場合、或いは、内部のセパレータが消耗又は破損したまま充電されると、バッテリーが過剰に発熱し、場合によっては発火するおそれがある。また、バッテリーが急速に放電された場合もバッテリーが発熱する。
充放電などによってバッテリーが発熱した場合、バッテリーの大容量化に伴い発熱量が過大となり、収容部内における熱の放散が不十分となる。この場合、充放電時のバッテリー温度の上昇が顕著となり、バッテリー性能が劣化するのみならず、バッテリーが熱暴走し、場合によっては発火するおそれがある。
本発明の目的は、バッテリー収容部への水の浸入を防ぎつつ、バッテリー収容部において発生した熱を確実に放散することが可能な船舶を提供することにある。
本発明に係る船舶は、船体に設けられ、バッテリーが収容されるバッテリー収容部と、前記バッテリー収容部の側壁に設けられた第1開口と、前記側壁に設けられた第2開口と、外気案内部と、を備える。前記外気案内部は、前記船体に設けられ、前記バッテリー収容部外の外気を吸入する吸入口を有し、前記吸入口から前記第2開口に前記外気を案内する通気路を構成する。
本発明によれば、バッテリー収容部への水の浸入を防ぎつつ、バッテリー収容部において発生した熱を確実に放散することが可能である。
図1は、本発明の実施形態に係る船舶を示す側面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る船舶を示す平面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る船舶に適用される電気推進システムを示す図である。 図4は、図2における切断面IV-IVの断面図である。 図5は、バッテリー収容部及び各ダクトの他の実施形態を示す模式図である。 図6は、バッテリー収容部及び各ダクトのその他の実施形態を示す模式図である。 図7は、バッテリー収容部及び各ダクトのその他の実施形態を示す模式図である。 図8は、バッテリー収容部及び各ダクトのその他の実施形態を示す模式図である。 図9は、バッテリー収容部及び各ダクトのその他の実施形態を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[船舶1の構成]
図1は、本発明の実施形態に係る船舶1を示す側面図であり、図2は、船舶1を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、船舶1は、前後方向D2における所定の長さと、左右方向D3における所定の幅とを有する船体2を備える。なお、図1は、船舶1が水上に正常姿勢で静止しているときの静止状態を示しており、船舶1の上下方向D1は、前記静止状態における上下方向である。
船体2には、キャビン3及びデッキ4が設けられている。キャビン3は、船体2における前後方向D2及び左右方向D3の中央部に設けられている。デッキ4は、キャビン3の前方部(船体2の前部)に形成された船首デッキ4Aと、キャビン3の後方部(船体2の後部)に形成された船尾デッキ4Bを有する。また、キャビン3の左右両側方には、船首デッキ4Aと船尾デッキ4Bとを結ぶ通路6(図2参照)が設けられている。
キャビン3の内部空間3Aには、操船者が着座するための操縦席や、操船者によって操舵される操舵ハンドル46(図3参照)、船速を指示するための船速レバー47(図3参照)などが設けられている。キャビン3は、内部空間3Aの周囲を囲むように設けられる外周フレーム13と、外周フレーム13の上部に設けられる上部フレーム15とを有する。外周フレーム13の前方部及び側方部それぞれには窓17が設けられている。したがって、内部空間3Aへの雨や波しぶきの浸入は、キャビン3によって阻止される。
また、キャビン3の後部、つまり、外周フレーム13の後部には、ドア18(図4参照)が取り付けられた出入り口19(図4参照)が設けられている。なお、図示されていないが、キャビン3の外部から操船操作を可能とする操舵装置を備えるアフトステーションボックスがキャビン3の後部に設けられていてもよい。
船舶1は、船体2の内部(船内)2Aに据付けられたエンジン7及びモータ8などを備える。エンジン7及びモータ8などは、船体2の内部に設けられた機関室20に設けられている。エンジン7及びモータ8などは、船体2の前後方向D2及び左右方向D3の中央部に設けられている。船舶1は、船内機タイプの船舶であり、船尾へ向けて延びるプロペラシャフト9が船底から突出している。プロペラシャフト9の先端にプロペラ10が装着されている。また、船体2の船底後端には旋回舵12が設けられており、旋回舵12の左右回動により船舶1の左右旋回を可能としている。なお、船舶1は、プロペラシャフト9を備えないスタンドライブのタイプの船舶であってもよい。
ここで、船舶1は、所謂小型船舶であり、具体的には、スポーツやレクリエーションなどのレジャーに用いられるプレジャーボートである。小型船舶は、総トン数20トン未満の船舶をいうが、スポーツまたはレクリエーションに供する長さ24m未満で国土交通大臣が認める20トン以上の船舶も小型船舶に含まれる。なお、本実施形態では、船舶1が小型船舶である例について説明するが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、本発明は、海、湖、川などの水上に浮かんで移動する船舶であれば如何なる構造や用途の船舶であっても適用可能である。
図3は、船舶1に適用される電気推進システム30を示す図である。電気推進システム30は、主として、エンジン7と、推進用のモータ8と、旋回用のモータ11と、エンジン7により駆動される発電機31と、モータ8の回転を制御するインバータ37と、メインコントローラ43と、エンジンコントローラ39と、を有しており、これらが、船体2の内部2A、又は機関室20(図1参照)に設置されている。また、電気推進システム30は、二次電池である複数のバッテリー33(33A,33B)を有しており、これらの複数のバッテリー33は、船体2に設けられた後述のバッテリー収容部50の内部に設けられている。
発電機31は、エンジン7に連結されており、エンジン7によって回転駆動されることにより発電する。発電機31により発電した電力は、充電のために、モータ8,11の駆動用に用いられる複数のバッテリー33Aと、船内機器用のバッテリー33Bに供給される。詳細には、発電機31により発電した電力は、充電のためにバッテリー33Aに供給されるか、或いは、モータ8,11の駆動制御のために直接にインバータ37に供給される。また、発電機31により発電した電力は、充電のためにバッテリー33Bにも供給される。
インバータ37は、モータ8,11の駆動及びその回転速度を制御する。インバータ37は、電動のモータ8を駆動制御する推進用インバータと、電動のモータ11を駆動制御する旋回用インバータとを含む。インバータ37は、例えば、可変電圧可変周波数インバーター(VVVFインバータ)である。
モータ8の出力軸にプロペラシャフト9が連結されており、モータ8の駆動によりプロペラ10が回転駆動されて、プロペラ10の回転方向と回転速度に応じた推進力が得られる。また、モータ11の出力軸に旋回舵12(図1参照)の回転軸が連結されており、モータ11の駆動により旋回舵12が回動されて、船舶1が旋回される。
エンジン7の運転状態は、エンジンコントローラ39により制御される。バッテリー33Bは、エンジンコントローラ39及び船内機器41に電力を供給する。複数のバッテリー33は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等、種々の形式のものを使用可能である。また、バッテリー33に替えて、キャパシタを用いることもできる。
インバータ37には、発電機31により発電した電力が複数のバッテリー33Aを介して、又は発電機31から直接に供給される。このため、インバータ37を構成する推進用インバータ及び旋回用インバータそれぞれに、バッテリー33A及び発電機31それぞれが接続している。バッテリー33Aとインバータ37との間、及び、発電機31とインバータ37との間にそれぞれ設けた図示しないスイッチの切り換えにより、発電機31からインバータ37に電力を直接供給するか、或いは、バッテリー33Aからインバータ37に電力を供給するかを切り換えることができる。
各スイッチのオンオフは、メインコントローラ43により制御される。発電機31は、例えば、ブラシ付DCモータと同じ構成を有する。ただし、発電機31は、この構成に限定されるものではなく、例えばACモータの構成を有するものとし、発電機31から発電した電力をインバータまたは整流器で交流から直流に変換後、バッテリー33に充電することもできる。この場合、発電機31とインバータ37との間に別のインバータまたは整流器を設けることもできる。
メインコントローラ43及びエンジンコントローラ39は、制御部であり、CPUとメモリと有するマイクロコンピュータを含む。メインコントローラ43は、船内機器41や、現在位置を検出するためのナビゲーションシステム45から検出信号や制御信号等の信号が入力される。更に、メインコントローラ43は、船速レバー47から船速指示が入力され、操舵ハンドル46から旋回指示が入力される。また、メインコントローラ43には、イグニッションスイッチ等の図示しない起動スイッチから起動指示が入力される。
メインコントローラ43は、各機器からの信号に基づいて、エンジンコントローラ39と、インバータ37とにそれぞれ対応する制御信号を出力する。例えば、起動スイッチからの起動指示の入力に基づいてエンジンコントローラ39がエンジン7の作動を開始させ、起動停止指示の入力に基づいてエンジンコントローラ39がエンジン7の作動を停止させる。
また、船速レバー47からメインコントローラ43に加速または減速の船速指示が入力されると、その入力に基づいてインバータ37における前記推進用インバータが制御される。これにより、モータ8が前記船速指示に応じた回転方向及び回転数となるように回転駆動される。また、操舵ハンドル46からメインコントローラ43に旋回指示が入力されると、その入力に基づいてインバータ37における前記旋回用インバータが制御される。これにより、モータ11が前記旋回指示に応じた回動方向及び回動角となるように回転駆動される。
[バッテリー収容部50]
上述したように、複数のバッテリー33が船舶1に設けられており、これらの複数のバッテリー33は、船体2に設けられたバッテリー収容部50に収容されている。
図2に示すように、バッテリー収容部50は、船尾デッキ4Bにおけるキャビン3の後部の近傍であって、左右方向D3の中央部に配置されている。図4に示すように、バッテリー収容部50は、船尾デッキ4Bの表面から船体2の内部2Aに埋没するように配置された直方体形状の容器である。バッテリー収容部50の内部の収容室50Aに4つのバッテリー33が配置されている。バッテリー収容部50は、船尾デッキ4Bと一体に形成されている。
本実施形態では、バッテリー収容部50は、船体2の左右方向D3(幅方向)に長い形状に形成されており、船体2の内部2Aに配置される容器本体51と、容器本体51の上部開口51Aを覆って液密状に閉塞する蓋53とを有する。蓋53によって上部開口51Aが液密状に覆われているため、船尾デッキ4Bに雨水や海水などが流れても、上部開口51Aから水が容器本体51に浸入することが防止される。
また、容器本体51は、上部開口51A、及び後述する連通口61,62が形成されている以外に、外部と連通する開口や隙間などは形成されていない。
容器本体51は、収容室50Aの周囲を区画形成する複数の側壁52と、バッテリー33が載置される底板55とを有する。4つのバッテリー33は、底板55に取り付けられており、左右方向D3に等間隔に並んで配置されている。なお、収容室50Aにおいて、バッテリー33の上側には、バッテリー33に接続される各配線を中継するための中継ボックス35(ジャンクションボックス)が配置されている。
複数の側壁52には、二つの連通口61,62が形成されている。具体的には、容器本体51は、複数の側壁52として、左右方向D3に長い直方体の箱形状に形成されており、右側壁521、左側壁522、前側壁523、及び後側壁524を有しており、複数の側壁52のうち、右側壁521に第1連通口61(本発明の第1開口の一例)が形成されており、左側壁522に第2連通口62(本発明の第2開口の一例)が形成されている。
右側壁521は、船体2の右舷側に配置される側壁52であり、左側壁522は、船体2の左舷側に配置される側壁52である。右側壁521及び左側壁522は、バッテリー収容部50の底板55の左右方向D3の両端部から上方へ垂直に起立する側壁であり、互いに、左右方向D3に対して対向している。つまり、右側壁521及び左側壁522は左右方向D3に隔てられた状態で互いに対向するように配置された一対の側壁である。
また、前側壁523は、船体2の船首側に配置される側壁52であり、後側壁524は、船体2の船尾側に配置される側壁52である。前側壁523及び後側壁524は、バッテリー収容部50の底板55の前後方向D2の両端部から上方へ垂直に起立する側壁であり、互いに、前後方向D2に対して対向している。つまり、前側壁523及び後側壁524は前後方向D2に隔てられた状態で互いに対向するように配置された一対の側壁である。
なお、本実施形態では、第1連通口61が右側壁521に形成され、第2連通口62が左側壁522に形成された構成について例示するが、例えば、第1連通口61が後側壁524に形成され、第2連通口62が前側壁523に形成されていてもよい。
第1連通口61は、船体2の内部2Aの空間に連通する開口である。また、第2連通口62は、船体2の内部2Aの空間に連通する開口である。本実施形態では、第1連通口61は、第2連通口62よりも高い位置に形成されている。具体的には、第1連通口61は、右側壁521における上端部近傍に形成されているのに対して、第2連通口62は、左側壁522における下端部近傍に形成されている。
収容室50Aに複数のバッテリー33が設けられている場合、バッテリー33が充放電される際に生じる発熱量が過大となり、収容室50A内における熱の放散が不十分となり、充放電時のバッテリー33の温度上昇が顕著となり、バッテリー33の性能が劣化するのみならず、バッテリー33が熱暴走し、場合によっては発火するおそれがある。
このため、本実施形態では、バッテリー収容部50への水の浸入を防ぎつつ、バッテリー収容部50において発生した熱を確実に放散することが可能なように、吸気ダクト70(本発明の外気案内部の一例)、及び排気ダクト80(本発明の排気案内部の一例)が船体2に設けられている。
[吸気ダクト70]
図4に示すように、吸気ダクト70は、船体2の外部空間における外気を吸入する吸入口71を有しており、吸入口71から第2連通口62に前記外気を案内する通気路を構成するダクト部である。吸気ダクト70は、第2連通口62から左方向へ延出する第1ダクト72と、第1ダクト72の延出端部(左端部)の上部から上方へ延出する中継管73と、中継管73の上端部から後述する左舷側の左舷ブルワーク90Aに至る第2ダクト74とを有する。第1ダクト72及び中継管73は、船体2の内部2Aに配置されている。中継管73の上端部は船尾デッキ4Bを貫通して船尾デッキ4Bの表面を上方へ突出している。第2ダクト74は、船体2の左舷部の内壁2Bに沿って上下方向D1へ延在している。第2ダクト74の下端部は、船尾デッキ4Bの表面において中継管73の上端部を覆うように中継管73と連結している。また、第2ダクト74の上端部(上端面)には吸入口71が形成されており、その上端部は左舷ブルワーク90Aの庇部92の下方の空洞部分93に達している。つまり、吸入口71が空洞部分93に配置されている。
なお、吸気ダクト70は、第1ダクト72、中継管73、及び第2ダクト74を有する構成に限られず、例えば、第2連通口62から空洞部分93に至る1本の配管或いはフレキシブルチューブなどの管部材であってもよい。また、吸気ダクト70は、中継管73が省略された構成、つまり、第1ダクト72及び第2ダクト74で構成されたものであってもよい。この場合、吸気ダクト70は、第2ダクト74から船体2の内部2Aを経て、更に第1ダクト72を通って第2連通口62に至る通気路を形成する。
[排気ダクト80]
排気ダクト80は、バッテリー33によって高温にされた収容室50A内の空気を第1連通口61を経て船体2の外部に排出する排気口(排出口)81を有し、第1連通口61から排気口81に空気を案内する排気路を構成するダクト部である。排気ダクト80は、第1連通口61から右方向へ延出する第3ダクト82と、第3ダクト82の延出端部(右端部)の上部から上方へ延出する中継管83と、中継管83の上端部から後述する右舷側の右舷ブルワーク90Bに至る第4ダクト84とを有する。第3ダクト82及び中継管83は、船体2の内部2Aに配置されている。中継管83の上端部は船尾デッキ4Bを貫通して船尾デッキ4Bの表面を上方へ突出している。第4ダクト84は、船体2の右舷部の内壁2Cに沿って上下方向D1へ延在している。第4ダクト84の下端部は、船尾デッキ4Bの表面において中継管83の上端部を覆うように中継管83と連結している。また、第4ダクト84の上端部(上端面)には排気口81が形成されており、その上端部は右舷ブルワーク90Bの庇部97の下方の空洞部分98に達している。つまり、排気口81が空洞部分98に配置されている。
なお、排気ダクト80は、第3ダクト82、中継管83、及び第4ダクト84を有する構成に限られず、例えば、第1連通口61から空洞部分98に至る1本の配管或いはフレキシブルチューブなどの管部材であってもよい。また、排気ダクト80は、中継管83が省略された構成、つまり、第3ダクト82及び第4ダクト84で構成されたものであってもよい。この場合、排気ダクト80は、第3ダクト82から船体2の内部2Aを経て、更に第4ダクト84を通って排気口81に至る排気路を形成する。
容器本体51には、収容室50A内の空気を第1連通口61からバッテリー収容部50の外部に送出する送風ファン57(本発明の送風機の一例)が設けられている。送風ファン57は、例えば、軸流ファンなどの電動ファンである。送風ファン57は、第1連通口61から第3ダクト82へ送風可能なように、右側壁521の内面に取り付けられている。送風ファン57は、船舶1に備えられる電気機器であり、船内機器41の一つである。送風ファン57は、船舶1が使用されている間、メインコントローラ43によって駆動される。送風ファン57は、前記軸流ファンに限られず、シロッコファンなどの各種電動ファンを適用することができる。
なお、送風ファン57は、収容室50A内の空気を第1連通口61を経て、排気ダクト80の排気口81から外部に送出するものであれば、如何なる構成のものでも適用可能である。また、送風ファン57は、第1連通口61に取り付けられた構成に限られない。例えば、送風ファン57は、排気ダクト80における排気路に設けられ、第1連通口61から排気口81へ向けて空気を送出するものであってもよい。また、送風ファン57は、第2連通口62或いは第1ダクト72の通気路に設けられていてもよい。この場合、送風ファン57は、吸入口71から外気を取り込み、第2連通口62から収容室50Aに送り込むものであればよい。
[ブルワーク90]
図4に示すように、船体2には、防護壁としてのブルワーク90が設けられている。ブルワーク90は、船舶1の航行時にデッキ4に打ち上げられる波や水しぶきなどが操船者や乗船者に降りかかることを防止し、乗船者が落下することを防止する。なお、ブルワーク90は、船体2との間で上下方向D1に拡がる空間を形成するものであり、本発明の構造体の一例である。
ブルワーク90は、デッキ4の外周に沿って、船体2の外舷を囲むように連続して設けられている。ブルワーク90は、左舷側に設けられた左舷ブルワーク90Aと、右舷側に設けられた右舷ブルワーク90Bと、船尾側に設けられた船尾ブルワーク90Cとを含む。各ブルワーク90A,90B,90Cは、配置位置が異なるだけで、すべて同じ構成である。なお、本実施形態では、デッキ4の外周に沿って設けられた連続構造のブルワーク90を例示するが、ブルワーク90は、デッキ4の外周に沿って断続的に設けられた断続構造のものであってもよい。
左舷ブルワーク90Aは、船体2の左舷側に設けられている。本実施形態では、左舷ブルワーク90Aは、船体2の左舷部を船尾から船首まで連続して形成されている。左舷ブルワーク90Aは、船体2の喫水面よりも上方へ延出しており、詳細には、デッキ4から上方へ延出している。左舷ブルワーク90Aは、デッキ4から上方へ延びるように起立する起立部91と、起立部91から船体2の中央側へ突出する庇部92(本発明の突出部の一例)とを有する。庇部92は、起立部91の上端部から前記中央側へ庇状に突出する部材である。庇部92は、前記中央側の端部が更に下方へ屈曲されている。庇部92によって囲まれた空洞部分93は、前後方向D2に沿って、左舷の船尾から船首まで連続して形成された空間である。この空洞部分93に、外気を取り込み可能なように、吸気ダクト70の吸入口71が配置されている。
右舷ブルワーク90Bは、船体2の右舷側に設けられている。本実施形態では、右舷ブルワーク90Bは、船体2の右舷部を船尾から船首まで連続して形成されている。右舷ブルワーク90Bは、左舷ブルワーク90Aと同じ構成であり、デッキ4から上方へ延びるように起立する起立部96と、起立部96から船体2の中央側へ突出する庇部97(本発明の突出部の一例)とを有する。また、庇部97は、前記中央側の端部が更に下方へ屈曲されている。庇部97によって囲まれた空洞部分98は、前後方向D2に沿って、右舷の船尾から船首まで連続している。この空洞部分98に、排気ダクト80の排気口81から収容室50A内の高温な空気を排出可能なように、排気口81が配置されている。
以上説明したように、本実施形態の船舶1は、船体2に設けられたバッテリー収容部50と、バッテリー収容部50の右側壁521に設けられた第1連通口61と、バッテリー収容部50の左側壁522に設けられた第2連通口62と、船体2の外部の外気を吸入する吸入口71を有する吸気ダクト70と、収容室50A内の空気を第1連通口61を経て船体2の外部に排出する排気口81を有する排気ダクト80と、を備えている。この構成において、吸気ダクト70は、吸入口71から第2連通口62に至る通気路を構成している。また、排気ダクト80は、第1連通口61から排気口81に至る排気路を構成している。このように船舶1が構成されているため、収容室50Aにおいて充放電時にバッテリー33の発熱によって空気が高温に温められた場合に、その空気が第1連通口61から排気ダクト80を通って排気口81から外部に排出される。また、排気口81からの排気にともない、吸入口71から低温の外気が吸気ダクト70に流入し、収容室50A内の空気よりも低温の空気が第2連通口62から収容室50Aの内部に流入する。収容室50Aの内部では、第2連通口62から第1連通口61へ向かう気流が生じ、この気流によって、高温化したバッテリー33が冷却される。その結果、バッテリー収容部50において、バッテリー収容部50の内部への水の浸入を防ぎつつ、バッテリー収容部50において発生した熱を確実に放散することができる。また、吸入口71の上側にブルワーク90の庇部92が配置されており、排気口81の上側にブルワーク95の庇部97が配置されているため、吸入口71又は排気口81から雨滴や波しぶきなどの浸入が防止される。
また、バッテリー収容部50において、第1連通口61は、第2連通口62よりも高い位置に配置されている。そのため、収容室50Aの上層部に存在する高温になった空気が第1連通口61に進み、排気ダクト80を通って外部に排出されるとともに、吸入口71から外気が吸気ダクト70に流入して第2連通口62から収容室50Aに流入する自然対流が生じやすくなる。
また、本実施形態では、収容室50A内の空気を第1連通口61を経て、排気ダクト80の排気口81から外部に送出する送風ファン57が設けられているため、上述した自然対流のよる換気が不十分である場合でも、送風ファン57による換気が可能である。なお、上述した自然対流による換気が十分である場合は、送風ファン57を省略することも可能である。
[他の実施形態]
以下、図5乃至図9を参照して、本実施形態に係る船舶1の他の実施形態について説明する。
上述の実施形態では、吸気ダクト70の第2ダクト74の上端部に吸入口71が形成され、排気ダクト80の第4ダクト84の上端部に排気口81が形成された構成を例示したが、本発明はこの構成に限られない。例えば、図5に示すように、吸入口71は、第2ダクト74の前方側の側面の上部に形成されていてもよい。つまり、吸入口71は、前方へ向くように配置されていてもよい。この場合、船舶1が前進すると、吸入口71から外気が流入しやすくなる。また、吸入口71は、第2ダクト74の後方側の側面の上部に形成されていてもよい。つまり、吸入口71は、後方へ向くように配置されていてもよい。この場合、船舶1が後進すると、吸入口71から外気が流入しやすくなる。なお、吸入口71は、第2ダクト74の前方側の側面及び後方側の側面の両方に形成されていてもよい。
また、図5に示すように、排気口81は、第4ダクト84の後方側の側面の上部に形成されていてもよい。つまり、排気口81は、後方へ向くように配置されていてもよい。この場合、高温の空気が右舷ブルワーク90Bの庇部97を下側を後方へ向けて排出されるため、デッキ4の乗船員に熱風が吹き付けられることが防止される。また、仮に、収容室50A内のバッテリー33が発火した場合でも、排気口81から排出される高温のガスや炎によって乗船員が怪我をすることが防止される。なお、排気口81の排気方向は後方側に限られず、下向き、或いは舷側よりも外側であってもよい。つまり、前記排気方向は、乗船員に排気が吹き付けられない方向(デッキ4の中央側を除く方向)であれよい。
また、図6に示すように、バッテリー収容部50において、第1連通口61は、容器本体51の右側壁521の上端部におけるいずれか一方側のコーナー部(図6では前方側のコーナー部)の付近に配置されており、第2連通口62は、左側壁522の下端部におけるいずれか他方側のコーナー部(図6では後方側のコーナー部)の付近に配置されていることが好ましい。この場合、第1連通口61及び第2連通口62は、実質的に、第1連通口61と第2連通口62とを結ぶ直線が概ね最長となる位置に配置されている。言い換えると、バッテリー収容部50において、第1連通口61と第2連通口62とは最も離れた位置に配置されている。具体的には、第1連通口61は、右側壁521の上端部の前方側のコーナー部付近に設けられている。また、第2連通口62は、左側壁522の下端部の後方側のコーナー部付近に設けられている。この構成であれば、第2連通口62から収容室50Aに流入した空気が、収容室50A内を第1連通口61へ向けて通り抜ける際に、バッテリー33の熱を効率よく冷ますことができる。
なお、本発明は、第1連通口61及び第2連通口62が互いに最も離れた位置に配置される構成に限定されない。バッテリー収容部50において、第1連通口61及び第2連通口62が、右側壁521及び左側壁522の内面に沿う方向に互いにずらされた位置に配置されていればよい。例えば、第1連通口61が右側壁521に設けられており、第2連通口62が左側壁522に設けられた構成において、各連通口61,62は、各側壁521,522において異なる位置、つまり、上下方向D1、前後方向D2、或いは斜め方向にずらされた位置に配置されていればよい。各連通口61,62のずれ量が大きいほど、第2連通口62から第1連通口61に空気が通り抜ける際のバッテリー33の冷却効率が高くなり、好適である。
なお、上述の実施形態では、バッテリー収容部50の左舷側に吸気ダクト70を設け、右舷側に排気ダクト80を設けた構成を例示したが、本発明はこの構成に限られない。例えば、図7に示すように、左舷側に排気ダクト80を設け、右舷側に吸気ダクト70を設けた構成であってもよい。また、上述の実施形態では、右舷ブルワーク90Bの空洞部分98に排気口81を配置した構成を例示したが、例えば、排気ダクト80を船尾ブルワーク90C(図2参照)まで延ばし、排気口81を船尾ブルワーク90Cの庇部の下方の空洞部分に配置するようにしてもよい。この構成であれば、排気口81からの排気が乗船員に吹き付けられることが防止される。
また、図8に示すように、バッテリー収容部50の左舷側と右舷側の両方に吸気ダクト70を設け、船尾側に排気ダクト80を設けた構成とすることも考えられる。この場合、第2連通口62は、右側壁521及び左側壁522それぞれに形成されており、具体的には、各側壁521,522における下端部の前方側のコーナー付近に形成されている。また、第1連通口61は、後側壁524に形成されており、具体的には、第2連通口62よりも高い位置であって、後側壁524の中央における上端部近傍に形成されている。この構成において、排気ダクト80は、船尾ブルワーク90C(図2参照)まで延在しており、排気口81が船尾ブルワーク90Cの庇部の下方の空洞部分に配置される。
更には、図9に示すように、バッテリー収容部50の船首側に吸気ダクト70を設け、船尾側に排気ダクト80を設けた構成としてもよい。この場合、第2連通口62は、前側壁523に形成されており、具体的には、前側壁523における下端部付近に形成されている。この構成において、吸気ダクト70は、船体2の内部2Aを通ってキャビン3の内部空間3Aまで延ばし、第2ダクト74をキャビン3の内部空間3Aまで延出させ、吸入口71を内部空間3Aに配置することが好ましい。この構成であっても、吸入口71への雨滴や波しぶきなどの浸入が防止される。
なお、吸気ダクト70の吸入口71の配置位置は、ブルワーク90の庇部の下方の空洞部分や、キャビン3の内部空間3Aに限られない。例えば、ハッチやカバーなどで液密状に閉塞された荷室や客室が船体2に設けられている場合は、吸入口71を前記荷室や客室の内部に配置してもよい。また、吸入口71を機関室に配置してもよく、或いは、テンダーボート収納庫が船体2に設けられている場合は、テンダーボート収納庫に吸入口71を配置してもよい。
また、排気口81の配置位置についても、ブルワーク90の庇部の下方の空洞部分に限定されない。例えば、排気口81を舷側の上部に形成された貫通口に接続して、前記貫通口から排気するようにしてもよい。
1 :船舶
2 :船体
2A :内部
3 :キャビン
3A :内部空間
4 :デッキ
7 :エンジン
8 :モータ
11 :モータ
20 :機関室
30 :電気推進システム
31 :発電機
33 :バッテリー
35 :中継ボックス
37 :インバータ
39 :エンジンコントローラ
41 :船内機器
43 :メインコントローラ
50 :バッテリー収容部
51 :容器本体
52 :側壁
57 :送風ファン
61 :第1連通口
62 :第2連通口
70 :吸気ダクト
71 :吸入口
80 :排気ダクト
81 :排気口
90 :ブルワーク
91 :起立部
92 :庇部

Claims (11)

  1. 船体に設けられ、バッテリーが収容されるバッテリー収容部と、
    前記バッテリー収容部の側壁に設けられた第1開口と、
    前記側壁に設けられた第2開口と、
    前記船体に設けられ、前記バッテリー収容部外の外気を吸入する吸入口を有し、前記吸入口から前記第2開口に前記外気を案内する通気路を構成する外気案内部と、
    前記船体に設けられ、前記船体との間で空間を形成する構造体と、を備え、
    前記構造体は、
    前記船体に設けられ、上下方向へ延びるように起立する起立部と、
    前記起立部から前記船体の中央側へ突出する突出部と、を有し、
    前記外気案内部は、前記第2開口から前記突出部の下方の空間に延在し、前記吸入口が前記下方の空間に配置されている、
    船舶。
  2. 前記構造体は、前記船体の外周部に設けられるブルワークである、請求項1に記載の船舶。
  3. 前記外気案内部の前記吸入口は、前記船体の前方又は後方のいずれか一方、もしくは、前方及び後方の両方に向くように設けられている、請求項1又は2に記載の船舶。
  4. 前記側壁において、前記第1開口は、前記第2開口よりも高い位置に設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の船舶。
  5. 前記バッテリー収容部は、互いに対向するよう配置される一対の側壁を有し、
    前記第1開口は、前記一対の側壁のうちの一方の側壁に設けられ、前記第2開口は、前記一対の側壁のうちの他方の側壁に設けられている、請求項1から4のいずれかに記載の船舶。
  6. 前記一対の側壁は、前記船体の左舷側に配置される左側壁、及び前記船体の右舷側に配置される右側壁、もしくは、前記船体の船首側に配置される前側壁、及び前記船体の船尾側に配置される後側壁である、請求項5に記載の船舶。
  7. 前記バッテリー収容部において、前記第1開口及び前記第2開口それぞれは、前記側壁の内面に沿う方向にずらされて配置されている、請求項5又は6に記載の船舶。
  8. 前記バッテリー収容部において、前記第1開口は、前記一方の側壁の上端部におけるいずれか一方側の角部付近に配置され、前記第2開口は、前記他方の側壁の下端部におけるいずれか他方側の角部付近に配置されている、請求項5から7のいずれかに記載の船舶。
  9. 前記船体に設けられ、前記バッテリー収容部内の空気を前記第1開口から前記船体の外部に排出する排出口を有し、前記第1開口から前記排出口に前記空気を案内する排気路を構成する排気案内部を更に備える、請求項1から8のいずれかに記載の船舶。
  10. 前記排気案内部の前記排出口は、前記船体の後方へ向くように設けられている、請求項9に記載の船舶。
  11. 前記バッテリー収容部内の空気を前記第1開口から前記バッテリー収容部の外部に送風する送風機を更に備える、請求項1から10のいずれかに記載の船舶。
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