JP7787748B2 - 複合断熱材 - Google Patents
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Description
特許文献1では、ポリウレタン発泡体などの合成樹脂フォームの表面に、セメント等の石灰質原料を主成分とするスラリー材料中にアルミニウム粉末を添加して得られる発泡モルタル硬化体よりなる無機質発泡組成物層を形成することを特徴とする複合断熱層形成法に関する発明が開示されている。そして、このような方法により、耐熱性が向上することが記載されている。
しかし、従来の複合断熱材は、比較的短時間の熱接触などにおいては耐性があるものの、例えば、溶接の際に生じる.火花に長時間晒される場合等の加熱負荷の大きい場合は、表面の無機系コートの破損が生じて、下地のポリウレタン発泡体が熱により損傷して形状保持が困難になる場合があった。そのため、従来の複合断熱材については、火災安全性の観点から改善の余地があった。
そこで、本発明では、ポリウレタン発泡体と無機系コートとを備える複合断熱材において、加熱負荷により表面の無機系コートの破損が生じた場合であっても、形状保持性が良好で耐火性に優れる複合断熱材を提供することを目的とする。
[2]前記ポリウレタン発泡体が、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、及び難燃剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネートとを含むウレタン樹脂組成物から形成された、上記[1]に記載の複合断熱材
[3]前記三量化触媒が4級アンモニウム塩を含む、上記[1]又は[2]に記載の複合断熱材。
[4]前記三量化触媒が4級アンモニウム塩及び金属触媒を含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の複合断熱材。
[5]前記ポリウレタン発泡体の密度が30kg/m3以上である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の複合断熱材。
[6]前記難燃剤が赤燐系難燃剤を含有する、上記[2]~[5]のいずれかに記載の複合断熱材。
[7]前記ポリウレタン発泡体のTG-DTAで測定される300℃における重量減少率が40%以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の複合断熱材。
[8]前記無機系コートが軽量骨材を含有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の複合断熱材。
[9]前記軽量骨材がパーライトを含有する、上記[8]に記載の複合断熱材。
[10]前記無機系コートが結合剤を含有する、上記[1]~[9]のいずれかに記載の複合断熱材。
[11]前記ポリウレタン発泡体と無機系コートとの間にプライマー層を備える、上記[1]~[10]のいずれかに記載の複合断熱材。
[12]ポリオール、三量化触媒、発泡剤、及び難燃剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネートとを含むウレタン樹脂組成物を構造物の表面に吹付けてポリウレタン発泡体を形成する工程、及び前記ポリウレタン発泡体上に無機系コートを形成する工程を含む、上記[1]~[11]のいずれかに記載の複合断熱材の製造方法。
本発明におけるポリウレタン発泡体は、ポリイソシアヌレート構造を含むものであり、より具体的には、本発明のポリウレタン発泡体は、化学構造としてポリイソシアヌレート構造を有する発泡体である。
ポリイソシアヌレート構造は、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基の三量化反応に伴い形成されるイソシアヌレート環を複数含む構造であり、詳細には、複数のイソシアヌレート環が有機基を介して任意に連結した構造である。
ポリウレタン発泡体は、ポリイソシアヌレート構造を含むことにより、加熱負荷に対する耐性が向上し、損傷が抑制される。その結果、本発明の複合断熱材の表面に存在する無機系コートの一部が火災などで破損したとしても、内部のポリウレタン発泡体の損傷が抑制されるため、複合断熱材全体としての形状は維持され、耐火性が向上する。
なお、本発明において「ポリイソシアヌレート構造を含む」とは、ポリウレタン発泡体のヌレート化度が0.7以上であることを意味する。
ヌレート化度は、ポリウレタン発泡体を測定試料として、赤外線吸収スペクトルをATR法により測定し、1500~1520cm-1の最大ピーク強度Iaに対する、1390~1430cm-1の最大ピーク強度Ibの比(Ib/Ia)である。
上記最大ピーク強度Ia及びIbは、1900~2000cm-1の平均強度をゼロに合わせた時の値である。赤外吸収スペクトルにおいて、1400cm-1の吸収は、イソシアヌレート結合に由来する吸収であり、1510cm-1の吸収は、ウレタン結合に由来する吸収である。
本発明におけるポリウレタン発泡体は、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、及び難燃剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネートとを含むウレタン樹脂組成物から形成される。
本発明におけるポリオール組成物は、ポリオールを含有する。ポリオールとしては、例えば、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、及びポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、及びノナンジオール等の水酸基含有化合物と、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等との脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸(m-フタル酸)、テレフタル酸(p-フタル酸)、o-フタル酸(フタル酸)、ナフタレンジカルボン酸及びコハク酸等が挙げられる。また、多価アルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6-ヘキサングリコール、及びネオペンチルグリコール等が挙げられる。
また、ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクト-ス、メチルグルコシド及びその誘導体等の四~八価のアルコール、フロログルシノール、クレゾール、ピロガロール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1,3,6,8-テトラヒドロキシナフタレン、及び1,4,5,8-テトラヒドロキシアントラセン等のポリオール、ひまし油ポリオール、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2~100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)、エチレンジアミン、及びブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、マンニッヒ系ポリエーテルポリオールを使用してもよい。マンニッヒ系ポリエーテルポリオールとは、マンニッヒ反応を利用して得られるものであって、分子内に2個以上の水酸基を有するマンニッヒ縮合物、又はそのようなマンニッヒ縮合物に、アルキレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオールである。
芳香族ポリエステルポリオールは、o-フタル酸(フタル酸)、m-フタル酸(イソフタル酸)、p-フタル酸(テレフタル酸)、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸とグリコールの縮合物であることが好ましい。中でも、ポリウレタン発泡体の難燃性、特に燃え拡がらない性能を高める観点から、芳香族ポリエステルポリオールは、フタル酸とグリコールとの縮合物である、フタル酸系ポリエステルポリオールを含むことがより好ましく、p-フタル酸とグリコールの縮合物である、p-フタル酸系ポリエステルポリオール、及び、о-フタル酸とグリコールの縮合物である、о-フタル酸系ポリエステルポリオールから選択される少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
なお、ポリオールの水酸基価は、JIS K 1557-1:2007に従って測定可能である。
加重平均水酸基価(mgKOH/g)=X1×(m1/(m1+m2))+X2×(m2/(m1+m2))
本発明におけるポリオール組成物は、三量化触媒を含有する。三量化触媒は、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する触媒である。三量化触媒を含有することで、ポリイソシアヌレート構造を含むポリウレタン発泡体が形成され、耐火性を高めることができる。また、イソシアネート基の反応を完了させて発泡性の良好なポリウレタン発泡体が得られやすくなる。
アンモニウム塩としては、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用することができるが、これらのなかでは、4級アンモニウム塩が好ましい。アンモニウム塩は、例えばカルボン酸のアンモニウム塩である。アンモニウム塩におけるカルボン酸としては、例えば炭素数1~10、好ましくは炭素数2~8の飽和脂肪酸が挙げられる。飽和脂肪酸は、炭化水素基が直鎖であってもよいし、分岐を有してもよいが、分岐を有することが好ましい。カルボン酸の具体例としては、2-エチルヘキサン酸、2,2-ジメチルプロパン酸、酢酸、及びギ酸などが挙げられるが、これらの中では2,2-ジメチルプロパン酸が好ましい。三量化触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオール組成物中の金属触媒(三量化金属触媒)の含有量は、特に限定されないが、ポリオール100質量部に対して、0.2~10質量部が好ましく、0.3~8質量部がより好ましく、0.6~5質量部がさらに好ましい。
また、ポリオール組成物中の三量化触媒の含有量は、ポリオール100質量部に対して、0.3~15質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましく、1~8質量部が更に好ましい。
本発明におけるポリオール組成物は、ウレタン化触媒を含有することが好ましい。ウレタン化触媒は、窒素含有複素環化合物を含有することが好ましい。ウレタン化触媒として窒素含有複素環化合物を含有することで、後述するハイドロフルオロオレフィンに対する安定性が良好となり、それにより、ハイドロフルオロオレフィンの分解が防止され、発泡性が良好なものとなる。また、反応速度を一定以上とし、ウレタン樹脂組成物を吹き付ける際の施工性を良好なものとすることができる。窒素含有複素環化合物の中でも、イミダゾール誘導体を含有することがより好ましい。
上記の通り、イミダゾール誘導体は、ハイドロフルオロオレフィンの影響を受けにくく、ポリオール組成物の安定性を高めつつポリオールとポリイソシアネートとを反応させやすくする。したがって、ポリオール組成物は、イミダゾール誘導体を含有することで、ポリオールとポリイソシアネートの反応性が高められ、発泡性がさらに良好となる。
イミダゾール誘導体は、好ましくは1位および2位がそれぞれ独立に炭素数8以下のアルキル基で置換されたイミダゾールであり、アルキル基は好ましくは炭素数6以下、より好ましくは炭素数4以下である。イミダゾール誘導体の好適な具体例は、下記一般式(1)で表される。
(一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1~8のアルキル基又は炭素数2~8のアルケニル基を表す。)
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基等が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、へプテニル基、オクテニル基等が挙げられる。
R1及びR2のアルキル基又はアルケニル基の炭素数が前記下限値以上であると、立体障害が大きくなりハイドロフルオロオレフィン等の発泡剤の影響を受けにくくなるため好ましい。一方、R1及びR2のアルキル基の炭素数が前記上限値以下であると、極端に立体障害が大きくならないためポリオールとポリイソシアネートとの反応を速やかに進行させることが可能になり、発泡性も良好となる。
これらの観点から、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
カルボン酸の具体例としては、オクチル酸、ラウリル酸、バーサチック酸、ペンタン酸及び酢酸等が挙げられ、これらのなかではオクチル酸が好ましい。すなわち、遷移金属塩は、オクチル酸の金属塩が好ましい。これらカルボン酸は、上記の通り直鎖状であってもよいが、分岐構造を有してもよい。なお、分岐構造を有するオクチル酸としては、2-エチルヘキサン酸が挙げられる。
カルボン酸の金属塩としては、カルボン酸のビスマス塩、カルボン酸の錫塩が好ましく、中でもオクチル酸のビスマス塩が好ましい。また、カルボン酸の金属塩は、アルキル金属のカルボン酸塩であってもよい。例えばカルボン酸錫塩はジアルキル錫カルボン酸塩等であってもよく、好ましくはジオクチル錫カルボン酸塩等である。
カルボン酸の金属塩の具体例としては、ビスマストリオクテート、ジオクチル錫バーサテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル酸錫等が挙げられ、好ましくはビスマストリオクテート、ジオクチル錫バーサテート、より好ましくはビスマストリオクテートである。
本発明におけるポリオール組成物は、発泡剤を含有する。発泡剤の具体例としては、例えば、水、低沸点の炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素化合物、フッ素化合物、ハイドロクロロフルオロカーボン化合物、ハイドロフルオロカーボン、エーテル化合物、ハイドロフルオロオレフィンなどが挙げられる。さらに、発泡剤としては、これらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
上記低沸点の炭化水素としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられる。
上記塩素化脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等が挙げられる。
上記フッ素化合物としては、例えば、CHF3、CH2F2、CH3F等が挙げられる。
上記ハイドロクロロフルオロカーボン化合物としては、例えば、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、ジクロロモノフルオロエタン(例えば、HCFC141b(1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン)、HCFC22 (クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン))等が挙げられる。
上記ハイドロフルオロカーボンとしては、HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)等が挙げられる。
上記エーテル化合物としては、例えば、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。
上記ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、HFO-1233zd(E)(トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)、HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン)、HFO-1336mzz(Z)(シス―1,1,1,4,4,4、-ヘキサフルオロブタ-2-エン)、HFO-1224yd(Z)等が挙げられる。
発泡剤として、水を使用する場合、水の含有量は、ポリウレタン発泡体と無機系コートとの密着性向上の観点から、ポリオール100質量部に対して、好ましくは0.1~5質量部であり、より好ましくは0.1~2.5質量部であり、さらに好ましくは0.5~2質量部である。
本発明のポリオール組成物は、難燃剤を含有する。ポリオール組成物が難燃剤を含有することにより、形成されるポリウレタン発泡体の耐火性が向上する。
難燃剤は、赤燐系難燃剤を含有することが好ましい。赤燐系難燃剤は、固体難燃剤に該当するものである。ここで、固体難燃剤とは、室温(25℃)、常圧(1気圧)において固体状の難燃剤である。固体難燃剤を用いることにより、ポリウレタン発泡体の耐火性が向上しさらに熱に晒された際の、形状変形を抑制しやすくなる。
赤燐系難燃剤は、赤燐単体のものを使用してもよいし、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物等を被膜したものでもよいし、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物等を混合したものなどを使用してもよい。赤燐を被膜し、または赤燐と混合する樹脂は、特に限定されないが、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、及びシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。被膜ないし混合する化合物としては、難燃性の観点から、金属水酸化物が好ましい。金属水酸化物は、後述するものを適宜選択して使用するとよい。
赤燐系難燃剤以外の固体難燃剤としては、例えば、ホウ素系難燃剤、臭素含有難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、ホスフィン酸系難燃剤、及び金属水酸化物系難燃剤が挙げられる。固体難燃剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ホウ素系難燃剤としては、具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。中でも、ホウ酸亜鉛が好ましい。
臭素系難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有する化合物であれば特に限定はないが、例えば、芳香族臭素化化合物等を挙げることができる。
前記芳香族臭素化化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA、等のモノマー系有機臭素化合物、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、前記ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、架橋または非架橋臭素化ポリ(α-メチルスチレン)等のハロゲン化された臭素化合物ポリマーが挙げられる。
これらの中でも、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、ヘキサブロモベンゼン等が好ましい。
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、リン酸と、周期律表IA族~IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンから選ばれる少なくとも一種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩を挙げることができる。
リン酸は特に限定はないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等の各種リン酸が挙げられる。
前記周期律表IA族~IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。前記脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。また前記芳香族アミンとして、ピリジン、トリアジン、メラミン等が挙げられる。
なお、上記のリン酸塩含有難燃剤は、シランカップリング剤処理、メラミン樹脂で被覆する等の公知の耐水性向上処理を加えてもよい。
モノリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素ニアンモニウム等のアンモニウム塩、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩、リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩、リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩等が挙げられる。
これらの中でも、前記リン酸塩含有難燃剤の自己消火性が向上するため、モノリン酸塩を使用することが好ましく、リン酸二水素アンモニウムを使用することがより好ましい。
リン酸塩含有難燃剤は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
本発明に使用するアンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。
酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
アンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
アンチモン含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
ホスフィン酸系難燃剤としては、例えば、ホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
金属水酸化物系難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化バナジウム、水酸化スズ等が挙げられる。金属水酸化物系難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することもできる。
また、ポリオール組成物は、上記した固体難燃剤以外のフィラーを含有してもよい。固体難燃剤以外のフィラーは、常温、常圧で固体となるものであり、ポリオール組成物中で粉体として存在する。固体難燃剤以外のフィラーとしては、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、イモゴライト、セリサイト、ガラスビーズ、シリカバルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、グラファイト、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、硫化モリブデン、炭化ケイ素、各種磁性粉、フライアッシュ等を適宜使用できる。固体難燃剤以外のフィラーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリオール組成物に含有される難燃剤としては、上記した固体難燃剤以外にも、液状難燃剤を使用してもよい。液状難燃剤とは、室温(25℃)、常圧(1気圧)で液体となるものである。液状難燃剤としては、特に限定されないが、リン酸エステル系難燃剤が好ましい。
縮合リン酸エステルの市販品としては、例えば、大八化学工業株式会社製の「CR-733S」、「CR-741」、「CR747」、ADEKA社製の「アデカスタブPFR」、「FP-600」等が挙げられる。
本発明のポリオール組成物は、整泡剤を含有してもよい。整泡剤としては、分子内に極性部分と非極性部分を有し界面活性効果を備える化合物を好適に使用することができる。
整泡剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。また、シリコーン整泡剤としては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの重合体であるポリオキシアルキレングリコールとポリジメチルシロキサンとのグラフト共重合体でもよい。また、市販品も使用でき、具体的にはSH-193(東レダウコーニング社製)、B8467(エボニック社製)、F501(信越化学工業社)、SF-2937F(ダウ東レ社製)等の整泡剤を使用することができる。
整泡剤の含有量は、ポリオール100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることがさらに好ましい。整泡剤の含有量がこれら上限値以下であると、ポリウレタン発泡体の表面状態が良好になり、ポリウレタン発泡体と無機系コートとの密着性が向上し易くなる。
整泡剤の含有量は、ポリオール100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることがさらに好ましい。整泡剤の含有量がこれら下限値以上であると、発泡の安定性が向上しやすくなる。
本発明におけるポリオール組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、染料等から選択される1種以上を含むことができる。
本発明のポリオール組成物の製造方法に特に制限はなく、例えば、各成分を混合することにより製造することができる。
本発明におけるウレタン樹脂組成物は、上記したポリオール組成物とポリイソシアネートとを含有する。
ウレタン樹脂組成物に含まれるポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系などの各種ポリイソシアネート化合物を用いることができる。好ましくは、取扱の容易さ、反応の速さ、得られるポリウレタン発泡体の物理特性が優れていること、および低コストであることなどから、液状ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いることが好ましい。液状MDIとしては、クルードMDI(ポリメリックMDIともいう)が挙げられる。液状MDIの具体的な市販品としては、「44V-10」,「44V-20」(住化コベストロウレタン株式会社製)、「ミリオネートMR-200」(日本ポリウレタン工業)などが挙げられる。また、ウレトンイミン含有MDI(例えば、市販品として「ミリオネートMTL」:日本ポリウレタン工業製)などでもよい。また、ポリイソシアネート化合物内のイソシアネート活性基の一部を水酸基含有化合物と反応させ、予めポリオールとの親和性を高めた処置を施したものを使用してもよい。液状MDIに加えて、他のポリイソシアネートを併用してもよく、併用するポリイソシアネートとしては、ポリウレタンの技術分野において公知のポリイソシアネートは限定なく使用可能である。
また、ウレタン樹脂組成物のイソシアネートインデックスは、好ましくは800以下、より好ましくは600以下であり、さらに好ましくは500以下である。イソシアネートインデックスがこれら上限値以下であると、製造コストに十分見合った難燃性が得られる。
イソシアネートインデックス(INDEX)は、以下の方法にて算出される。
ここで、
ポリイソシアネートの当量数=ポリイソシアネートの使用部数×NCO含有率(%)×100/NCO分子量
ポリオールの当量数=OHV×ポリオールの使用部数÷KOHの分子量、OHVはポリオールの水酸基価(mgKOH/g)、
水の当量数=水の使用部数×水のOH基の数/水の分子量
である。なお上記式において、使用部数の単位は重量(g)であり、NCO基の分子量は42、NCO含有率はポリイソシアネート化合物中のNCO基の割合を質量%で表したものであり、上記式の単位換算の都合上KOHの分子量は56100とし、水の分子量は18、水のOH基の数は2とする。
本発明におけるポリウレタン発泡体は、上記したウレタン樹脂組成物から形成されてなるものであり、具体的には、ウレタン樹脂組成物を発泡及び硬化させて得られるものである。
本発明におけるポリウレタン発泡体の密度は、特に限定されないが、30kg/m3以上であることが好ましい。密度が30kg/m3以上とすることにより、ポリウレタン発泡体の収縮が低減され、複合断熱材を構成するポリウレタン発泡体から無機系コートが剥離することを抑制しやすくなる。このような観点から、ポリウレタン発泡体の密度は、好ましくは33kg/m3以上であり、より好ましくは35kg/m3以上である。
また、ポリウレタン発泡体の軽量化や、吹付対象に対する施工性の観点などから、ポリウレタン発泡体の密度は200kg/m3以下であることが好ましく、100kg/m3以下であることがより好ましい。ポリウレタン発泡体の密度はJIS K7222に準拠して測定できる。
本発明におけるポリウレタン発泡体のTG-DTA(熱重量示差熱分析装置)により測定した場合の300℃における重量減少率は40%以下であることが好ましい。
重量減少率が40%以下であると、ポリウレタン発泡体が火災時に酸化分解し難くなり、難燃性が向上し、その結果、複合断熱材の形状保持性が良好になる。このような観点から、上記重量減少率は、好ましくは39%以下であり、より好ましくは38%以下である。重量減少率は、低ければ低いほど酸化分解が抑制されて難燃性は高まるため、0%が好ましい。
300℃における重量減少率は、測定前の試料(ポリウレタン発泡体)の重量と、TG-DTA測定の300℃における試料の重量から、以下の式(1)で求められる。
300℃における重量減少率(%)=100×(試験前の試料の重量-300℃における試料の重量)/測定前の試料の重量・・・式(1)
式(1)の300℃における試料の重量とは、TG-DTA測定において、40℃から1000℃まで昇温速度10℃/分で昇温させて測定する際の、300℃に到達したときの試料の重量である。
本発明の複合断熱材は、上記したポリウレタン発泡体の表面に積層された無機系コートを備える。無機系コートを備えることにより、火災時などにおいてポリウレタン発泡体の焦げ付きなどが防止され、耐火性が向上すると共に意匠性も維持される。
無機系コートは、無機化合物を主成分とした層であり、その組成は限定されないが、軽量骨材を含有することが好ましい。軽量骨材を用いることで、無機系コートが軽量化され、かつ断熱性が向上しやすくなる。
軽量骨材としては、特に限定されないが、例えば、パーライト、バーミキュライト、シラスバルーン、ガラスバルーン、ひる石、真珠岩、黒曜石、抗火石、天然軽石などが挙げられ、中でも複合断熱材の形状維持性などを考慮すると、パーライトが好ましい。軽量骨材は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
無機系コートにおける軽量骨材の含有量は、特に限定されないが、例えば3~80質量%であり、好ましくは5~60質量%である。軽量骨材の含有量がこれら下限値以上であると、無機系コートが軽量化しやすくなる。軽量骨材の含有量がこれら上限値以下であると、耐火性が向上しやすくなる。
無機系コートは、結合剤を含有することが好ましく、上記した軽量骨材と結合剤の両方を含むことが好ましい。結合剤を用いることにより、無機系コートの機械強度及び耐火性が向上する。
結合剤としては、特に限定されないが、例えば、水硬化セメント、ドロマイトプラスターなどが挙げられる。上記水硬化セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント、白色セメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントなどが挙げられる。これらの中でも、結合剤としては、白色セメント、ドロマイトプラスターが好ましく、意匠性向上の観点から、白色セメントがより好ましい。結合剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
無機系コートにおける結合剤の含有量は、特に限定されないが、例えば10~70質量%であり、好ましくは15~60質量%である。結合剤の含有量がこれら下限値以上であると、無機系コートの機械強度が向上する。結合剤の含有量がこれら上限値以下であると、加熱時の熱歪みが生じ難く、破損を防止しやすくなる。
無機系コートは、無機充填剤を含有してもよい。無機充填剤は、上記した軽量骨材、結合剤以外の化合物である。
無機充填剤としては、フッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、第二リン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、水酸化コバルト、ほう砂、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化コバルトアンモニア錯体などの吸熱性物質が挙げられる。このような吸熱性物質を用いると、無機系コートの耐火性が向上する。上記した無機充填剤の中でも、耐火性向上の観点から、水酸化アルミニウムが好ましい。
無機系充填剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
無機系コートにおける無機充填剤の含有量は、特に限定されないが、例えば20~80質量%であり、好ましくは25~75質量%である。
無機系コートは、有機添加剤を含有してもよい。有機添加剤としては、各種樹脂粉末や液状の有機化合物などが挙げられ、例えば増粘剤や空気連行剤として使用することができる。
増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどの合成高分子系増粘剤、グアーガム、アルギン酸誘導体などの天然高分子系増粘剤などが挙げられる。
空気連行剤としては、各種界面活性剤などが挙げられ、例えば、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、りん酸エステル塩などの陰イオン系の界面活性剤、ポリエチレングリコール型、多価アルコール型などの非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
有機添加剤は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
有機添加剤を用いる場合の無機系コートにおける含有量は、例えば1~10質量%程度とするとよい。
無機系コートは、無機系コート形成用組成物、又は、無機系コート形成用組成物に水及び接着剤からなる群から選択される1種以上を加えた混合物を、吹付けあるいはコテ塗りなどの方法により、ポリウレタン発泡体の表面に塗布して形成することができる。なお、上記接着剤としては、特に制限されないが、例えば、アクリル樹脂系接着剤、エチレン-酢酸ビニル系接着剤、スチレン-ブタジエン系接着剤などが挙げられる。
本発明における無機系コート形成用組成物としては、上記した成分を含有するものであれば特に制限されないが、例えば大橋化学工業株式会社製の商品名「ダンコートSF」、「ダンコートA」、「ダンコート5」などが挙げられる。
本発明の複合断熱材において、無機系コートとポリウレタン発泡体との間にプライマー層が形成されていてもよい。プライマー層が存在することにより、無機系コートとポリレタン発泡体との接着性が向上する。プライマー層は、樹脂を含む樹脂系塗料を用いて形成すればよく、例えば、アクリル樹脂を含むアクリル樹脂系塗料などにより形成することができる。樹脂系塗料は、必要に応じて、顔料、有機添加剤を含有していてもよい。
樹脂系塗料に含有される顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸亜鉛、及び硫酸バリウムなどが挙げられる。
樹脂系塗料に含有される有機添加剤としては、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリカルボン酸アンモニウムなどの分散剤、セルロース系増粘剤、ポリアミド系増粘剤、ポリビニルアルコール系増粘剤などの増粘剤、シリコーン系消泡剤、界面活性剤系消泡剤などの消泡剤などが挙げられる。
プライマー層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1~5mmであり、好ましくは0.1~2mmである。
本発明の複合断熱材は、必要に応じて無機系コートの表面に被覆層が形成されていてもよい。被覆層は、単層であっても2層であってもよく、あるいは3層以上であってもよいが、単層又は2層であることが好ましい。被覆層が形成されていることにより、無機系コートの劣化を抑制することができ、また色彩調整など意匠性を高めることも可能となる。被覆層は、アクリル樹脂を含むアクリル樹脂系塗料などの樹脂系塗料により形成することができる。かかる樹脂系塗料の組成は、上記したプライマー層で説明した組成のものを特に制限なく使用することができる。
被覆層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1~10mmであり、好ましくは0.1~5mmである。
本発明の複合断熱材の製造方法は、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、及び難燃剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネートとを含むウレタン樹脂組成物を構造物の表面に吹付けてポリウレタン発泡体を形成する工程、及び前記ポリウレタン発泡体上に無機系コートを形成する工程を含む製造方法であることが好ましい。
吹付けは、吹付け装置(例えばGRACO社製:A-25)及びスプレーガン(例えばガスマー社製:Dガン)を利用して実施することができる。吹付けは、別容器に入ったポリオール組成物とポリイソシアネートを吹付け装置内で温度調整し、スプレーガンの先端で両者を衝突混合させ、混合液をエア圧によりミスト化することで実施できる。吹付け装置及びスプレーガンは公知であり、市販品を使用することができる。また原液温度設定・圧力等は一般的なポリウレタン発泡体の吹き付け条件が適用できる。
ポリウレタン発泡体上に無機系コートを形成する前に、ポリウレタン発泡体上にプライマー層を形成させて、該プライマー層上に無機系コートを形成してもよい。プライマー層は、上記したプライマー層を形成するための樹脂系塗料を用いて形成するとよい。そして、プライマー層上に、無機系コート形成用組成物を塗布し、無機系コートを形成するとよい。
該複合断熱材の無機系コート表面には、上記したとおり必要に応じて被覆層を形成することができる。被覆層は、上記した樹脂系塗料を無機系コート上に塗布し、乾燥することで形成することができる。被覆層を多層化してもよく、この場合は、複数の樹脂系塗料を準備して、個々の樹脂系塗料を無機系コート上に順次、塗布・乾燥して多層化するとよい。なお、被覆層を多層化する際に用いる複数の樹脂系塗料の組成は、同一であっても異なっていてもよい。
<ポリオール>
・p-フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRLK-087、水酸基価=200mgKOH/g)
・p-フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRFK-505、水酸基価=250mgKOH/g)
・o-フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRDK-133、水酸基価=315mgKOH/g)
・マンニッヒ系ポリエーテルポリオール(第一工業製薬社製、製品名:DK3776S、水酸基価=350mgKOH/g)
・エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(AGC株式会社製、製品名:EL750ED、水酸基価=760mgKOH/g)
・シリコーン系整泡剤(ダウ・東レ社製、製品名:SH-193)
(1)三量化触媒
・金属触媒:2-エチルヘキサン酸カリウム(エボニック社製、製品名:DABCO K-15)濃度70~80質量%
・4級アンモニウム塩:2,2-ジメチルプロパン酸テトラメチルアンモニウム塩(エボニック社製、製品名:DABCO TMR7)濃度45~55質量%
(2)ウレタン化触媒
・1,2-ジメチルイミダゾール(東ソー株式会社製、製品名:TOYOCAT(登録商標)-DM70)濃度65~75質量%
・N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジン(エボニックジャパン社製、製品名「POLYCAT 201」:PC-201) 水及びエチレングリコールとの混合物、濃度55~65質量%(N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジン60質量%、エチレングリコール32質量%、水8質量%)
・2-エチルヘキサン酸ビスマス(ウレタン化金属触媒:日東化成社製、製品名:Bi28)濃度81~90質量%
・リン酸エステル系難燃剤 トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート(大八化学社製、製品名:TMCPP)
・赤燐系難燃剤(燐化学工業社製、製品名:ノーバエクセル140)
・水 イオン交換水
・HFO-1233zd<ハイドロフルオロオレフィン>(ハネウェル製、製品名:ソルスティスLBA)
・MDI(住化コベストロウレタン(株)製、製品名:44V-20)
白色セメントとパーライトを含む無機系コート形成用組成物
各実施例及び比較例で作製した複合断熱材を構成するポリウレタン発泡体について、ヌレート化度を測定した。ヌレート化度は無機系コートを除くポリウレタン発泡体の全体の厚みに対して30%分の厚さの表層を除いたコアの部分における赤外線吸収スペクトルをATR法により測定して求めた。ヌレート化度は、1900~2000cm-1の平均強度をゼロに合わせた時の1500~1520cm-1の最大ピーク強度Iaに対する、1390~1430cm-1の最大ピーク強度Ibの比(Ib/Ia)により求めた。ヌレート化度は同一サンプルから4点測定して平均値を算出し求めた。
JIS K7222に準拠し、ポリウレタン発泡体のコアの部分を切り出し、その密度を測定した。
各実施例及び比較例で作製した複合断熱材を構成するポリウレタン発泡体について、次のようにしてTD-DTA測定を行った。TD-DTA測定に用いた装置は、セイコー電子工業社製のTG/DTA-6200である。
無機系コートを除くポリウレタン発泡体のコアの部分を切り出して測定試料とし、該測定試料(1.5mg)について、昇温速度10℃/分、測定温度範囲40~1000℃にて、TG/DTA測定を空気下で行った。測定前の試料(ポリウレタン発泡体)の重量と、TG-DTA測定の300℃における試料の重量から、以下の式(1)で重量減少率を求め、以下の基準で評価した。
300℃における重量減少率(%)=100×(試験前の試料の重量-300℃における試料の重量)/測定前の試料の重量・・・式(1)
〇:300℃における重量減少率が40%以下
×:300℃における重量減少率が40%超
各実施例及び比較例で作製した複合断熱材を、基材側(石膏ボード側)から金づちで3回同程度の力でたたいて、無機系コートがポリウレタン発泡体から剥がれるか否かを確認した。
〇:剥がれが確認されなかった。
△:剥がれが確認された。
各実施例及び比較例で作製した複合断熱材について、無機系コート側にアーク溶接火花を500mm上空から1分間落下させた試料を作製した。該試料の断面観察を行い、生じた内部欠損(空隙)の表面から深さ方向の長さの最大値を測定し、以下の基準で評価した。
〇:15mm未満
△:15以上~20mm未満
×:20mm以上
各実施例及び比較例で作製した複合断熱材を、縦99mm×横99mmのサイズに石膏ボードを含むように切断してコーンカロリーメーター試験用サンプルを準備した。該試験用サンプルを、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/m2にて5分間加熱したときの最高発熱速度(kW/m2)を測定した。
各実施例及び比較例で作製した複合断熱材について、DIN-4102に基づく耐火性試験を行い、表面状態を観察した。
〇・・表面に焦げがほとんど確認されず、下層ウレタンの変形は確認されなかった。
×・・表面に焦げが確認され、下層ウレタンの変形が確認された。
表1の配合に従い、ポリオール、整泡剤、三量化触媒、ウレタン化触媒、難燃剤、及び発泡体を混合してポリオール組成物を調製し、該ポリオール組成物とポリイソシアネート(MDI)のそれぞれを吹付け装置(GRACO社製:A-25)に導入した。装置内で温度調整し、スプレーガン(GRACO社製:APガン)を利用して、ポリオール組成物とポリイソシアネートの混合液からなるウレタン樹脂組成物を、厚さ12.5mmの石膏ボード上に吹き付けることで、厚み約30mmのポリウレタン発泡体を形成させた。
次いで、白色セメントとパーライトを含む無機系コート形成用組成物を混和剤(接着剤)および水と混合した混合物を、吹付け装置(アネスト岩田社製:リシンガンMG-2D)により、上記ポリウレタン発泡体の表面に吹付けて、20℃で7日間乾燥させて、ポリウレタン発泡体及び無機系コートを備える複合断熱材を得た。該複合断熱材を用いて、各種評価を行った。
なお、表1に記載するポリオール組成物を構成する各種成分、及びポリイソシアネートの欄に記載の数値の単位は質量部である。
ポリオール組成物の組成、ポリイソシアネートの量、形成されるポリウレタン発泡体及び無機系コートの厚みを表1のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして複合断熱材を得た。該複合断熱材を用いて、各種評価を行った。
無機系コートを形成しなかった以外は、実施例1と同様の方法で複合断熱材を得た。該複合断熱材を用いて、各種評価を行った。
これに対して、三量化触媒を使用していないため、ポリイソシアヌレート構造を有さないポリウレタン発泡体を備える比較例1の複合断熱材は、形状保持性が悪く、耐火性に劣っていた。また、無機系コートを備えない比較例2の断熱材は、ポリウレタン発泡体の表面に焦げが確認されており、さらに、最高発熱速度も実施例より高く、耐火性に劣っていた。
Claims (10)
- ポリウレタン発泡体と、前記ポリウレタン発泡体の表面に積層された無機系コートとを備え、前記無機系コートが最表面に位置する複合断熱材であって、
前記無機系コートがパーライトを含み、
前記ポリウレタン発泡体は吹付けポリウレタン発泡体であり、
前記ポリウレタン発泡体はポリイソシアヌレート構造を含む、複合断熱材。 - 前記ポリウレタン発泡体が、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、及び難燃剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネートとを含むウレタン樹脂組成物から形成された、請求項1に記載の複合断熱材。
- 前記三量化触媒が4級アンモニウム塩を含む、請求項2に記載の複合断熱材。
- 前記三量化触媒が4級アンモニウム塩及び金属触媒を含む、請求項2又は3に記載の複合断熱材。
- 前記ポリウレタン発泡体の密度が30kg/m3以上である、請求項1~4のいずれかに記載の複合断熱材。
- 前記難燃剤が赤燐系難燃剤を含有する、請求項2~4のいずれかに記載の複合断熱材。
- 前記ポリウレタン発泡体のTG-DTAで測定される300℃における重量減少率が40%以下である、請求項1~6のいずれかに記載の複合断熱材。
- 前記無機系コートが結合剤を含有する、請求項1~7のいずれかに記載の複合断熱材。
- 前記ポリウレタン発泡体と無機系コートとの間にプライマー層を備える、請求項1~8のいずれかに記載の複合断熱材。
- ポリオール、三量化触媒、発泡剤、及び難燃剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネートとを含むウレタン樹脂組成物を構造物の表面に吹付けてポリウレタン発泡体を形成する工程、及び前記ポリウレタン発泡体上にパーライトを含有する無機系コートを形成する工程を含む、前記無機系コートが最表面に位置する複合断熱材の製造方法。
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