本発明の第1態様によれば、調理空間を有する鍋と、
前記鍋を加熱する加熱部と、
前記調理空間を密閉するための内蓋を有する蓋と、
前記内蓋に設けられ、前記調理空間を封止する封止位置と大気圧に開放する開放位置との間で移動可能な減圧弁と、
前記蓋に設けられ、前記減圧弁の位置を可変に動作させる弁駆動部と、
前記蓋に設けられ、前記蓋の開き動作を規制するロック位置と前記開き動作を可能にするロック解除位置との間で移動可能な蓋ロック部材と、
前記蓋に設けられ、前記蓋ロック部材をユーザの手動操作で動作させるための操作部材を有する蓋ロック駆動部と、を備え、
前記弁駆動部の動作に、前記蓋ロック駆動部の動作を連動させた、加熱調理器を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記弁駆動部が、前記減圧弁を前記封止位置に移動させる方向に動作するときに、前記蓋ロック駆動部は、前記弁駆動部に連動して、前記蓋ロック部材を前記ロック位置に移動させる方向に動作する、第1態様に記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第3態様によれば、調理メニューを選択するための調理メニュー選択部と、
制御部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記調理メニュー選択部で加圧調理メニューが選択されることに応じて、前記減圧弁を前記封止位置に移動させる方向に前記弁駆動部を動作させる、第2態様に記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第4態様によれば、前記蓋ロック部材が前記ロック位置にあるか否かを検知する蓋ロック検知手段をさらに備える、第2態様又は第3態様に記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第5態様によれば、前記弁駆動部が、前記減圧弁を前記開放位置に移動させる方向に動作するときは、前記弁駆動部と前記蓋ロック駆動部の連動が解除される、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第6態様によれば、前記弁駆動部と前記蓋ロック駆動部は、長孔とピンの係合関係により互いに連動する、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第7態様によれば、制御部をさらに備え、
前記弁駆動部は、前記制御部によって制御される駆動源と、前記駆動源の駆動力によって動作する動作部とを備える、第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第8態様によれば、前記動作部は、回転動作する回転動作部である、第7態様に記載の加熱調理器を提供する。
以下、本開示に係る加熱調理器の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
(実施形態)
まず図1~図5を参照して、本開示の一実施形態に係る加熱調理器について説明する。
図1~図3はそれぞれ、実施形態に係る加熱調理器2の斜視図であり、図4Aは、蓋10の内側を示す平面図であり、図4Bは、本体部8の内側を示す平面図であり、図5は、図1のA-A矢視図である。図1、図2は、蓋10が閉じた状態を示し、図3は、蓋10が開いた状態を示す。
図1~図5に示す加熱調理器2は、食品等の調理物(図示せず)を加熱調理するための調理器具である。本実施形態の加熱調理器2は、調理メニューごとに動作シーケンスが予めプログラムされた自動調理器として使用可能であり、このような調理器を「オートクッカー」、「マルチクッカー」、「スロークッカー」とも称する。なお、本実施形態の加熱調理器2はもちろん、予めプログラムされた動作シーケンスを使用せず、手動調理を行うことも可能である。
ユーザが自動調理器として加熱調理器2を使用する際は、図3に示す鍋4の調理空間S1に調理物(図示せず)を配置するとともに、図1、図2に示す操作表示部6を操作して調理メニューを選択し、加熱調理の実行を決定する。加熱調理器2は、選択された調理メニューの料理(煮物やカレー等)に応じて、予め定められたプログラムに従って調理物を加熱調理するように動作する。
以下、本実施形態では加熱調理器2を自動調理器として使用する場合について、説明する。
本実施形態の加熱調理器2は、調理空間S1を大気圧よりも高い圧力に加圧した状態で調理する「加圧調理機能」を有する。加圧調理機能を実行するために、図2に示す操作表示部6において、加圧調理を行う加圧調理メニューが選択可能である。操作表示部6は、調理メニューを選択するための調理メニュー選択部として機能する。加圧調理機能だけでなく、調理空間S1を大気圧よりも低い圧力まで減圧した状態で調理する「減圧調理機能」が選択可能であってもよい。
図1~図5に示す加熱調理器2は、鍋4(図3、図5)と、鍋4を収容する本体部8と、蓋10とを備える。
鍋4は、上面が開口した底部を有する筒状の容器である。鍋4は、調理空間S1を形成し、調理空間S1には攪拌羽根5が設けられる。
本体部8は、上面が開口した底部を有する筒状の部材である。本体部8には加熱調理器2を動作させるための各種部品が内蔵されている。図4Bに示すように、本体部8の上端部には、蓋10の開閉検知を行うための蓋開閉検知手段150としてのマグネット152が内蔵されている。図5に示すように、本体部8の底部側には、鍋4を加熱するための加熱部としてのヒータ9が内蔵される。
図1、図3に示すように、本体部8は、蓋10を略水平位置から略垂直位置まで回転可能(矢印R1)に軸支する。これにより、蓋10は、上下方向および奥行方向に回動可能である。
蓋10は、本体部8および鍋4を開閉するための部材である。蓋10には、加熱調理器2を動作させるための各種部品が内蔵されており、例えば図5に示すように、制御部11が内蔵されている。制御部11は簡略化して図示する。
図3、図4Aに示すように、蓋10は、外蓋12と、内蓋14(図3、図4A)とを備える。外蓋12は、本体部8の上面開口部を開閉するための蓋であり、内蓋14は、鍋4の上面開口部を密閉するための蓋である。内蓋14は、外蓋12の内側(下面側)に着脱可能に取り付けられる。図3では、外蓋12から内蓋14が外れた状態を示し、図4Aでは、外蓋12に内蓋14が取り付けられた状態を示す。
図1、図2に示すように、外蓋12は、通気口16と、ハンドル201とを備える。
通気口16は、鍋4の調理空間S1を外部に通気するための開口部である。通気口16は、後述する減圧弁26によって、調理空間S1に連通する連通状態と、連通しない非連通状態が切り替えられる。連通状態では、調理空間S1の圧力は大気圧となり、非連通状態では、調理空間S1は内蓋14によって密閉され、大気圧とは独立した圧力となる。
ハンドル201は、蓋10のロック状態/ロック解除状態を切り替えるようにユーザが回転操作するための部材である。ハンドル201は、蓋10の厚み方向に延びる回転軸Axを中心に回転操作される(矢印R2)。蓋10の厚み方向は、蓋10が閉じられた状態(図1、図2)では鉛直方向に概ね一致し、蓋10が開いた状態(図3)では水平方向に概ね一致する。
図3、図4Aに示すように、内蓋14は、内蓋本体部20と、パッキン22とを有する。
内蓋本体部20は、内蓋14の本体部に相当する部分であり、大略円板状の形状を有する。内蓋本体部20の外周部にはパッキン22が取り付けられている。パッキン22は、内蓋本体部20の外周部に取り付けられた大略円環状の部材であり、ゴムなどの弾性材料で構成される。蓋10を閉じると、パッキン22が鍋4の上端部4Aに当接して調理空間S1を密閉する。
内蓋本体部20には、安全弁24と、減圧弁26と、ロックリング規制弁28とが設けられている。
安全弁24、減圧弁26およびロックリング規制弁28はいずれも、内蓋本体部20に取り付けられた弁であり、調理空間S1に露出するように配置される。図5に示すように、内蓋本体部20の上面側には、通気口16に連通する通気空間S2が設けられている。安全弁24および減圧弁26はそれぞれ、調理空間S1と通気空間S2の連通状態/非連通状態を切り替えるように動作する。
安全弁24は、調理空間S1の圧力上昇に応じて自発的に動作する弁である。安全弁24は、調理空間S1を封止する位置に配置されており、調理空間S1の圧力が所定圧力以上に上昇することに応じて封止位置から開放位置に移動する。安全弁24は、調理空間S1が過圧状態となることを防止する。
減圧弁26は、主に制御部11の制御によって自動的に動作する弁である。本実施形態の減圧弁26は、ハンドル201を特定の方向に操作したときにハンドル201に連動して動作するようにも構成されている。減圧弁26は、調理空間S1を封止する封止位置と、大気圧に開放する開放位置との間を移動可能であり、制御部11によって位置制御される。減圧弁26の上方には弁駆動部40が設けられており、制御部11が弁駆動部40を駆動することで、減圧弁26の位置を制御する。減圧弁26は、「圧力開放弁」、「圧力解除弁」と称してもよい。
ロックリング規制弁28は、安全弁24と同様に、調理空間S1の圧力上昇に応じて自発的に動作する弁である。ロックリング規制弁28は、後述するロックリング216(蓋ロック部材)の回転動作を自動的に規制するために設けられる。ロックリング規制弁28は、ロックリング216の回転動作を可能にする非規制位置から、調理空間S1の圧力が所定圧力以上まで上昇することに応じて、ロックリング216の回転動作を規制する規制位置に移動する。ここで、ロックリング規制弁28の非規制位置は、規制位置よりも高さ方向において低い位置である。安全弁24や減圧弁26とは異なり、ロックリング規制弁28の位置は調理空間S1の圧力に影響しない。
ここで、減圧弁26の詳細な構成について、図6A、図6Bを用いて説明する。図6A、図6Bはそれぞれ、減圧弁26の周辺構成を概略的に示す縦断面図であり、図6Aは、調理空間S1を封止した封止状態を示し、図6Bは、調理空間S1を大気圧に開放した開放状態を示す。
図6A、図6Bに示すように、減圧弁26は、弁体30と、パッキン32と、バネ34と、弁受け部36とを備える。
弁体30は、調理空間S1を封止する封止位置(図6A)と開放位置(図6B)との間を移動する可動部であり、上下方向に延びる棒状の部材である。弁体30は、内蓋本体部20に立設された弁受け部36の開口37に挿通される。
弁体30の中央部には、調理空間S1に配置される拡径部38が設けられる。拡径部38は、封止用のパッキン32を取り付けるための部分である。パッキン32は、開口37の周囲における弁受け部36の下面に当接すると調理空間S1を封止する。
バネ34は、弁体30を封止位置に向けて付勢するための付勢部材であり、弁体30に対して通気空間S2に向かう付勢力F3を作用させる。
弁体30の上方には、前述した弁駆動部40が設けられている。弁駆動部40は、弁押さえ部材42と、支持部材44と、弁駆動レバー82とを備える。
弁押さえ部材42は、弁体30の上方に配置されて弁体30を選択的に押圧するように係合する部材であり、支持部材44によって弾性支持されている。支持部材44は、後述する弁押さえ収容部116(図18等)に係止される。弁駆動レバー82は、弁押さえ部材42の上方に配置され、弁押さえ部材42の高さ位置を変更するように、図6A、図6Bの正面視でいう横方向B(平面視では円周方向)に沿って駆動される部材である。弁駆動レバー82は、弁押さえ部材42の上端部に接触する底面48を有し、底面48が駆動方向に沿って傾斜した傾斜面98を構成することで、弁押さえ部材42の高さ位置が変更される。
図6Bに示すように、底面48における高さの低い箇所が弁押さえ部材42に接触すると、弁押さえ部材42が下方に押圧されて弁体30を下方に押圧する(矢印F4)。これにより、パッキン32と弁受け部36との接触が解除され、調理空間S1と通気空間S2が連通状態となり、調理空間S1が大気圧に開放される。弁駆動部40の詳細な機構・動作については後述する。
次に、蓋10の開閉をロックするための蓋ロック機構について、図7~図11を用いて説明する。
図7、図8は、蓋10における外蓋12の一部を省略した状態を示す拡大斜視図である。図7、図8は、同じ状態を異なる角度から見ている。
本実施形態の加熱調理器2は、蓋ロック機構を2重に設けている。具体的には、本体部8との係合によって蓋10の開閉をロックする蓋フック214(第1蓋ロック部材)と、鍋4との係合によって蓋10の開閉を規制するロックリング216(第2蓋ロック部材)が設けられる。
蓋フック214は、蓋10に設けられたフック状の部材であって、先端部が内側に屈曲した形状を有する。蓋10が閉じられると、蓋フック214は、本体部8に設けられたフック受け部215に引っ掛かる。これにより、蓋10の開き動作が規制されたロック状態となる。
ロックリング216は、蓋10に設けられたリング状の部材であって、後述する鍋4のフランジ部60(図9)に係止されて蓋10の開き動作、より具体的には鍋4に対する内蓋14の動作を規制する。ロックリング216は、蓋10の内部でハンドル201に接続されており、ハンドル201の回転操作(矢印R2)に伴って一体的に回転可能に設けられる(矢印R3)。
図9は、鍋4とロックリング216の分解斜視図である。
図9に示すように、ロックリング216の下面側には、複数のフランジ部217が設けられる。フランジ部217は、ロックリング216の中心側に向かって突出する突出部であり、周方向(矢印R4)に沿って互いに間隔を空けて配置される。
鍋4の上端部4Aにも同様に、複数のフランジ部60が設けられる。フランジ部60は、鍋4の外周側に向かって突出する突出部であり、周方向(矢印R4)に沿って互いに間隔を空けて配置される。
図10A~図10Cはそれぞれ、鍋4とロックリング216の相対的な位置関係を示すための平面図である。図10Aは、ロック解除状態に対応し、図10Bは、半ロック状態に対応し、図10Cは、ロック状態に対応する。図10A~図10Cでは、鍋4を実線で図示し、ロックリング216を点線で概略的に図示する。
蓋10を閉める際には、図10Aに示すように、ロックリング216のフランジ部217と鍋4のフランジ部60が平面視で重ならない位置にあるため、フランジ部217が隣り合うフランジ部60同士の間を通過して、フランジ部60の下方側に配置される。この状態でハンドル201を回転させてロックリング216を鍋4に対して相対的に回転させることで、図10Cに示すようにフランジ部60とフランジ部217が平面視で重なるロック状態と、図10Aに示すように重ならないロック解除状態を切り替えることができる。図10Bに示すように、フランジ部60とフランジ部217が部分的に重なる回転位置では「半ロック状態」となる。半ロック状態では、蓋10のロックが不完全な状態であり、図10Cに示すように完全なロック状態とすることが好ましい。
蓋10のロック状態を解除するには、ハンドル201を逆方向に回転操作すればよい。
図7、図8に示すように、ハンドル201には、蓋フック214とロックリング216を動作させるための蓋ロック駆動部200が接続されている。蓋ロック駆動部200は、ハンドル201と一体的に回転するスライド部材212を有する。スライド部材212がスライドすることで、蓋フック214によるロック状態とロックリング216によるロック状態を解除することができる。
図8に示すように、スライド部材212は、第1端部212Aと第2端部212Bを有する。スライド部材212の第2端部212Bが、蓋フック214の上端部214Aに接触して下端部214Bをフック受け部215から離脱させることで、蓋フック214をロック解除状態とする。また、スライド部材212とロックリング216は後述する長孔とピンを介して互いに接続されており、スライド部材212の回転に伴ってロックリング216が同じ方向に回転する。これにより、ロックリング216をロック解除状態にすることができる。
上記の通り、ハンドル201の回転操作によって、蓋フック214によるロック状態/ロック解除状態と、ロックリング216によるロック状態/ロック解除状態を切り替えることができる。
次に、ロックリング規制弁28の構成・動作について、図11A~図11Cを用いて説明する。図11A~図11Cは、ロックリング規制弁28の周辺構成を示すように上方から見た斜視図である。図11Aは、ロックリング216の回転を規制する前の状態を示し、図11Bは、ロックリング216が回転可能である状態を示し、図11Cは、ロックリング216の回転が規制された状態を示す。
図11A~図11Cに示すロックリング規制弁28は、通気空間S2の下方に位置する調理空間S1(図示せず)の圧力に応じてロックリング規制弁28の中心軸Zに沿って上下動するように動作する。ロックリング規制弁28は、図示しない付勢手段により下方に付勢されている(矢印F5)。
ロックリング規制弁28の近傍には規制ピン70が設けられている。規制ピン70は、ロックリング216の回転動作を規制するための棒状の部材であり、付勢手段72によって軸Yに沿ってロックリング規制弁28に近付く方向に付勢されている(矢印F6)。
ロックリング216は、規制ピン70を受けるためのピン受け部74を有する。規制ピン70がピン受け部74に近付く方向に動作すると、規制ピン70がピン受け部74に接触してロックリング216の回転動作が規制される。
図11Aに示す例では、調理空間S1の圧力が所定圧力未満であり、ロックリング規制弁28は中心軸Zに沿って上方に突出していない。このとき、ロックリング規制弁28は規制ピン70をピン受け部74に向かって押圧せず、規制ピン70はピン受け部74に接触しない程度に離れている。このため、ロックリング216は、図11Bに示すように周方向(矢印R3)に沿って回転動作することができる(矢印F7)。
調理空間S1の圧力が所定圧力以上に上昇すると、図11Cに示すようにロックリング規制弁28が中心軸Zに沿って上方に移動する(矢印F8)。上昇したロックリング規制弁28は、規制ピン70をピン受け部74に向けて押圧する(矢印F9)。これにより、規制ピン70はピン受け部74に接触可能な位置まで突出し、ロックリング216が回転動作しようとすると、規制ピン70がピン受け部74に接触して、更なる回転動作が規制される(矢印F7を点線で図示)。
上記動作によれば、調理空間S1が所定圧力以上の加圧状態になることに応じて、ロックリング規制弁28が自発的に動作してロックリング216の回転動作を規制する。これにより、調理空間S1が所定圧力以上の加圧状態のときはユーザが蓋10を開けられないようにすることが可能となる。
次に、弁駆動部40および蓋ロック駆動部200の構成について、図12~図32Cを用いて説明する。
図12は、ハンドル201を省略した状態を示す加熱調理器2の斜視図であり、図13は、図12のA部を拡大して示す斜視図である。
図12、図13に示すように、蓋10には、シャフト部材203が内蔵されている。シャフト部材203は、図示しないハンドル201に接続されてハンドル201と一体的に回転する軸部材である。シャフト部材203は、ハンドル201の回転軸Axに重なり、ハンドル201とともに蓋ロック駆動部200を構成する。
図14~図16は、蓋10における外蓋12の一部を省略した状態を示す斜視図および平面図である。図14~図16に示すように、蓋10の内部には、弁駆動部40と、蓋ロック駆動部200が内蔵されている。
弁駆動部40は、図14に示すカバー部材78を有し、図15、図16では、カバー部材78を省略した状態を示す。
シャフト部材203は、カバー部材78を含む弁駆動部40の中心部を貫通し、弁駆動部40の下方側の位置で、蓋ロック駆動部200を構成する回転アーム206に接続されている。
図14~図16に示すように、弁駆動部40に隣接する位置には、基板ケース80が設けられている。基板ケース80は、図示しない基板を配置するためのケースであり、基板ケース80に配置される基板は、図5に示した制御部11を構成する。
図16に示すように、蓋10には、蓋10の開閉状態を検知するための蓋開閉検知手段150としての基板154が設けられている。本実施形態の蓋開閉検知手段150は、図4Bに示したマグネット152と、図16に示す基板154とを備えて構成される。本実施形態の基板154は、磁力を検出可能なホール素子を実装した基板であり、図4Bに示した本体部8に内蔵されるマグネット152の磁力を検知可能である。基板154は、ホール素子による磁力の検出結果を制御部11に送信する。
蓋10の開閉状態に応じてホール素子による磁力の検出結果が変化するため、当該検出結果を基板154から制御部11に送信することで、制御部11が蓋10の開閉状態を特定できる。
次に、図17~図23を用いて、弁駆動部40の詳細な構成について説明する。図17は、弁駆動部40を拡大した平面図であり、図18、図19はそれぞれ、弁駆動部40の主要構成を示す分解斜視図である。図20、図21はそれぞれ、弁駆動レバー82の上面図、下面図であり、図22、図23はそれぞれ、支持プレート84の上面図、下面図である。
図17~図19に示すように、弁駆動部40は、弁駆動レバー82と、支持プレート84とを備える。
弁駆動レバー82は、制御部11の制御によって回転動作する部材(回転動作部)である(矢印R5)。弁駆動レバー82は、図6A、図6Bに示したように、減圧弁26の位置を可変に動作させる機能を有し、支持プレート84によって支持されている。支持プレート84は、弁駆動レバー82を移動可能な状態で下方から支持するプレート状の部材である。
弁駆動レバー82は、複数のアームを接続した形状を有する。図18~図21に示すように、弁駆動レバー82は、円弧アーム86と、複数の接続アーム88と、回転中心部90とを有する。
円弧アーム86は、回転中心部90を中心として円弧状に延びる部分であり、弁駆動レバー82の径方向において最も外側に位置する。円弧アーム86は、ギヤ部92と、押下げ部94と、長孔96とを有する。
ギヤ部92は、図18に示すモータ102の回転駆動力を弁駆動レバー82に伝達するためのギヤ形状であり、ギヤ部104が噛み合う。本実施形態のギヤ部92、104はそれぞれ、平歯歯車で構成される。ギヤ部92、104における歯の軸方向Cは、蓋10の厚み方向、すなわち上下方向である。
押下げ部94は、図18に示す弁押さえ部材42を押し下げるように動作する部材である。本実施形態の押下げ部94は、弁押さえ部材42に対向する下面側に傾斜面98を有する。傾斜面98は、弁駆動レバー82の移動方向に沿って高さが変化する面であり、ギヤ部92に近い側ほど低く(すなわち弁押さえ部材42に近い)、長孔96に近い側ほど高くなっている(すなわち弁押さえ部材42から遠い)。
長孔96は、後述する蓋ロック駆動部200の接続ピン208を挿通するための空間である。長孔96は、円弧アーム86が延びる方向に沿って円弧状に延びる。長孔96に接続ピン208が挿通されることで、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200が連動可能となる。
複数の接続アーム88は、円弧アーム86と回転中心部90を接続するように延びる部分である。円弧アーム86と接続アーム88で囲まれる領域には、他の部材を配置可能な部材配置スペース99が形成される。
円弧アーム86と接続アーム88の上面には、環状のリブ89が設けられている。リブ89は、弁駆動レバー82の上側に配置されるカバー部材78(図14)と接触するように設けられた突起部である。リブ89がカバー部材78に接触することで、弁駆動レバー82がカバー部材78に対して摺動する際の摩擦を低減することができ、弁駆動レバー82の動作をより安定化させる。なお、リブ89は、調理空間S1が大気圧よりも高い加圧状態から減圧されている間のみカバー部材78と接触し、それ以外の状態ではリブ89とカバー部材78との間に隙間がある。
回転中心部90は、弁駆動レバー82の回転中心に位置する部分である。回転中心部90は貫通孔100を有し、貫通孔100には前述したシャフト部材203が挿通される。弁駆動レバー82を含む弁駆動部40の回転軸Axと、シャフト部材203を含む蓋ロック駆動部200の回転軸Axは互いに一致する。すなわち、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200は同軸に構成されている。同軸にすることで、軸ずれを抑制することができる。また同軸にすることで、同軸でない場合に比べて、長孔96の横幅を小さくすることができる、弁駆動レバー82と蓋ロック駆動部200の可動部を省略して省スペース化を実現できる等の効果がある。
弁駆動部40はさらに、モータ102と、ギヤ部104とを備える。モータ102は、弁駆動レバー82を回転駆動するための駆動源であり、モータ102の先端にギヤ部104が接続されている。ギヤ部104は、モータ102によって回転駆動されるギヤ形状であり、前述した弁駆動レバー82のギヤ部92に噛み合う。
図24A、図24Bは、弁駆動部40の概略動作を説明するための平面図である。図24Aは、減圧弁26(図示せず)の封止状態に対応し、図24Bは、減圧弁26の開放状態に対応する。
図24Aに示すように、モータ102の回転駆動によってギヤ部104が反時計回りに回転すると(矢印R20)、ギヤ部92を有する弁駆動レバー82が反時計回り(矢印R6)に回転駆動される。弁駆動レバー82が最も反時計回りに回転した位置では、押下げ部94は弁押さえ部材42に接触せず、弁押さえ部材42を下方に押し下げない。このとき、減圧弁26は調理空間S1を封止する封止位置に位置する(図6A)。
図24Bに示すように、ギヤ部104がモータ102の回転駆動によって時計回りに回転すると(矢印R21)、弁駆動レバー82が時計回り(矢印R7)に回転駆動される。弁駆動レバー82が最も時計回りに回転するまでの過程において、押下げ部94が弁押さえ部材42に接触して、弁押さえ部材42を下方に押し下げる。このとき、減圧弁26は調理空間S1を大気圧に開放する開放位置に位置する(図6B)。
上記動作によれば、制御部11がモータ102を回転駆動することで、弁駆動レバー82を封止位置(図24A)あるいは開放位置(図24B)に向けて移動させることができる。
なお、調理空間S1の圧力に応じて減圧弁26と弁押さえ部材42は上下動する。それに応じて弁駆動レバー82も弁押さえ部材42によって押されて上下動する力が作用するが、前述したように、ギヤ部92、104の歯の軸方向C(図18)は弁押さえ部材42の移動方向に沿って上下に延びている。このため、弁駆動レバー82に対して上下動の力が作用する場合でも、ギヤ部92からギヤ部104に力がかからず、モータ102に対して無用な力が付与されないようにすることができる。
上述したモータ102およびギヤ部104は、支持プレート84に取り付けられている。
図18に示すように、支持プレート84は、弁駆動レバー82を下方から支持する下面106と、弁駆動レバー82の外周を取り囲む複数の壁部108、110、112とを備える。
壁部108、110、112は、いずれも下面106から上方に立ち上がる形状を有し、弁駆動レバー82を配置するスペースを内側に形成する。壁部108は、円弧状に延び、壁部110、112は、直線状に延びる。
壁部108は、円弧アーム86の外周部に対向する位置に設けられ、壁部110、112はそれぞれ、円弧アーム86の一端と他端に対向する位置に設けられる。壁部110は、弁駆動レバー82の反時計回りの回転(矢印R6)を規制し、壁部112は、弁駆動レバー82の時計回りの回転(矢印R7)を規制する。弁駆動レバー82は、壁部110と壁部112によって囲まれる区間において回転動作可能である。
支持プレート84はさらに、貫通孔114と、弁押さえ収容部116と、溝部118と、長孔120と、モータ取付部122と、少なくとも3つのネジ受け部160、162、164とを備える。
貫通孔114は、前述したシャフト部材203を挿通するための孔であって、弁駆動レバー82の回転中心部90に設けられた貫通孔100に重なる。
弁押さえ収容部116は、弁押さえ部材42を収容するための空間である。弁押さえ収容部116には、図6A、図6Bに示した支持部材44(図示せず)が係止され、弁押さえ部材42を弾性支持する。
溝部118は、弁駆動レバー82の円弧アーム86の回転移動をガイドするための円弧状の溝部である。溝部118には長孔120が形成される。
長孔120は、前述した蓋ロック駆動部200の接続ピン208を挿通するための貫通孔である。長孔120は、長孔96と同様に円弧状に形成され、長孔96が重なるように配置される。
モータ取付部122は、前述したモータ102およびギヤ部104を取り付けて支持するための部分である。モータ取付部122は、モータ102の本体部102Aを固定するための固定部124と、モータ102の回転軸102Bを挿通するための貫通孔126を有する。貫通孔126に挿通された回転軸102Bにギヤ部104が取り付けられる。
ネジ受け部160は、図17に示すネジ166を受けるための部分(ボス部)である。同様に、ネジ受け部162は、図17に示すネジ168を受けるための部分であり、ネジ受け部164は、図17に示すネジ170を受けるための部分である。ネジ受け部160、162、164にそれぞれ挿通されるネジ166、168、170は、通気口16を形成するブロック172(図17)に固定される。これにより、支持プレート84をブロック172に強固に固定して、蓋10に対して固定することができる。
ネジ受け部160、162、164は、弁押さえ収容部116の近傍に設けられる。弁押さえ収容部116では、鍋4の内圧が高いとき、すなわち、調理空間S1が大気圧よりも高い加圧状態のときに、減圧弁26が弁駆動レバー82によって押し下げられることによる反発力が大きく発生するため、弁駆動レバー82や支持プレート84の変形が生じやすい。これに対して、弁押さえ収容部116の周囲に複数のネジ受け部160、162、164を設けて支持プレート84をブロック172に固定することで、弁駆動レバー82や支持プレート84の変形を抑制することができ、弁駆動レバー82の摺動性向上に寄与する。
図17に示す取付後の状態において、ネジ受け部162、164は弁駆動レバー82の外側に配置されるのに対して、ネジ受け部160は弁駆動レバー82の内側に配置される。弁駆動レバー82の外側だけでなく内側にもネジ受け部160を設けて固定を行うことで、片持ち梁から両持ち梁の構成にすることができ、弁駆動部40の変形を押さえることができる。
図24A、図24Bに示すように、弁駆動レバー82の部材配置スペース99には、ギヤ部104と、モータ取付部122と、ネジ受け部160とが配置されている。部材配置スペース99に複数の部材を収容することで、弁駆動レバー82の内側のスペースを有効活用することができ、弁駆動部40の水平方向の寸法が一方向に長くなることを抑制することができる。これにより、弁駆動部40のサイズダウン、および弁駆動部40を含む蓋10のサイズダウンにつながる。
部材配置スペース99の大きさは、図24Aから図24Bまでの、弁駆動レバー82の回動範囲において、ギヤ部104、モータ取付部122およびネジ受け部160がいずれも、部材配置スペース99を構成するアーム86、88の内壁に接触しない大きさに設定されている。これにより、弁駆動レバー82の動作に干渉することなく部材配置スペース99に複数の部材を配置することができる。
部材配置スペース99にネジ受け部160を配置することで、支持プレート84の中心に近い位置で固定することが可能となり、強度向上の効果もより高くなる。
上記構成において、図24A、図24Bに示したように、弁駆動部40の動作を直線動作ではなく回転動作とすることで、蓋10の内部スペースを有効活用して、弁駆動部40を配置することができる。弁駆動部を直線動作させる構成と比較して、平面視で円形状の蓋10の形状を有効利用して弁駆動部40を配置でき、主に蓋10の水平方向および高さ方向の寸法を小さくすることができ、加熱調理器2の小型化を図ることができる。
ここで、第1接続ピン208と長孔96の係合関係について、図25A、図25Bを用いて説明する。図25A、図25Bはそれぞれ、第1接続ピン208と長孔96を拡大した平面図であり、図25Aは、図24Aに示す状態に対応し、図25Bは、図24Bに示す状態に対応する。
図25A、図25Bに示すように、長孔96を構成する円弧アーム86の内壁部は、第1接続ピン208に係合可能な2つの端部として、第1端部240と第2端部242を有する。第1端部240と第2端部242はそれぞれ、長孔96の終端部に相当する。第1端部240は、長孔96における弁開放方向(矢印R7)の端部であり、第2端部242は、弁封止方向(矢印R6)の端部である。
図25A、図25Bに示す構成によれば、(1)移動主体が第1接続ピン208か弁駆動レバー82か、(2)移動方向が時計回りか反時計回りかによって、第1接続ピン208と弁駆動レバー82との係合関係、すなわち、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の連動関係が切り替わる。
例えば、第1接続ピン208が長孔96のいずれかの端部240、242に接触した状態を維持するように第1接続ピン208あるいは弁駆動レバー82が動作する場合は、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200は連動状態となる。一方で、第1接続ピン208が長孔96の端部240、242の間を移動/相対移動するように第1接続ピン208あるいは弁駆動レバー82が動作する場合は、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の連動が解除された状態となる。
上記の通り、第1接続ピン208と長孔96の係合関係によって弁駆動部40と蓋ロック駆動部200を連動させる構成によれば、移動主体と移動方向に応じて連動状態と非連動状態を切り替えることができる。これにより、所望の動作を実現することができ、動作の詳細については後述する。
次に、蓋ロック駆動部200の詳細な構成について、図26~図31を用いて説明する。
図26は、蓋ロック駆動部200の周辺構成を示す斜視図であり、図27は、蓋ロック駆動部200の要部を示す斜視図であり、図28は、ベース部材202を示す斜視図であり、図29は、図28における蓋ロック検知手段228の周辺を拡大した斜視図であり、図30、図31は、ロックリング216を除いた蓋ロック駆動部200の要部を示す斜視図である。
図26~図31に示すように、蓋ロック駆動部200は、ベース部材202によって下方から支持された構成を有し、図27に示すロックリング216はベース部材202の下方に回転可能に配置される。
蓋ロック駆動部200は、回転アーム206と、第1接続ピン208と、第2接続ピン210と、スライド部材212とを備える。
回転アーム206は、シャフト部材203の回転(矢印R2)に伴って一体的に回転する部材であり(矢印R8)、回転軸Axに対して直交する径方向Dに延びる。回転アーム206における径方向Dの一方側の上方には、固定プレート207が設けられている。固定プレート207は、ベース部材202に固定されたプレート状の部材であって、回転アーム206の上方に間隔を空けて配置されるとともに、シャフト部材203を挿通する。
回転アーム206における径方向Dの途中部分には第1接続ピン208が立設される。第1接続ピン208は、前述した弁駆動レバー82の長孔96(図24A~図25B)に挿通される棒状の部材であり、弁駆動レバー82と回転アーム206を互いに連動させる。
回転アーム206における径方向Dの他方側の端部には、接続部220が設けられる。接続部220は、スライド部材212に接続される部分であり、回転アーム206とスライド部材212を一体的に回転させるように接続する。接続部220には長孔224が形成されており、長孔224には第2接続ピン210が挿通される。第2接続ピン210は、図27に示すロックリング216に立設された棒状の部材であり、図28に示すベース部材202の長孔226を介してベース部材202から上方に突出する。
スライド部材212は、ベース部材202の外周部においてスライドする部材であり、回転アーム206とともに回転動作する(矢印R8)。
図30、図31に示すように、スライド部材212の第1端部212Aは、接続部220に接続される端部であり、後述する蓋ロック検知手段228によって接触が検知される。スライド部材212の第2端部212Bは、図26、図28に示す蓋フック214に係合して蓋フック214による蓋10のロックを解除するための端部である。
図28、図29に示すように、長孔226の近傍には、蓋ロック検知手段228が設けられる。蓋ロック検知手段228は、蓋10がロック状態にあることを検知するための手段である。本実施形態の蓋ロック検知手段228は、スライド部材212の第1端部212Aが接触することを検知可能なマイクロスイッチである。
図29において、スライド部材212の第1端部212Aを点線で概略的に示している。第1端部212Aは、蓋ロック検知手段228に接触する検知位置P1と、蓋ロック検知手段228に接触しない非検知位置P2の間を周方向(矢印R8)に沿ってスライド移動する(矢印F10)。第1端部212Aは、検知位置P1において蓋ロック検知手段228に対して径方向Dに接触する。接触方向が径方向Dであることにより、第1端部212Aが蓋ロック検知手段228に接触してもスライド部材212やロックリング216等に対して上下方向の力は作用しない。これにより、蓋ロック駆動部200の動作に対する影響を小さくすることができる。
図26に示すように、蓋ロック検知手段228が第1端部212Aの接触を検知した場合、ロックリング216による蓋10のロック状態にあることが特定される。制御部11は、蓋ロック検知手段228から送信される検知信号に基づいて、上記ロック状態にあると判断する。
図29に示すように、長孔226の近傍には、凸部229が設けられている。凸部229は、ベース部材202の表面に設けられた凸部であり、スライド部材212の第1端部212Aと係合する。第1端部212Aが凸部229に接触する回転位置(図29に示す検知位置P1と非検知位置P2の間)では、ユーザがハンドル201を回転操作する際にクリック感が発生する。凸部229の位置は、第1端部212Aが蓋ロック検知手段228に接触するロック位置からロック解除位置に向けて動き始めるときに第1端部212Aと接触するような位置に設定されている。これにより、蓋10のロック解除動作が開始されることをユーザにクリック感で知らせることができる。
図31に示すように、回転アーム206は、固定プレート207の下方側の位置でシャフト部材203の下端部が挿入されている。回転アーム206の途中部分には摩擦部材230が設けられており、固定プレート207の下面にも同様に摩擦部材232が設けられている。摩擦部材230、232はそれぞれ、ゴムなどの摩擦係数の高い材料で構成されている。通常の場合、摩擦部材230と摩擦部材232の間には上下方向に間隔が空いており、摩擦部材230、232同士は接触せず、回転アーム206は固定プレート207に対して相対的に回転できる(矢印R8)。
ユーザが仮にハンドル201を持ち上げた場合、ハンドル201に接続されたシャフト部材203、回転アーム206等を含むロック駆動部200が一体的に持ち上がる。回転アーム206に設けられた摩擦部材230は、固定プレート207の摩擦部材232に接触するように上昇し、摩擦部材230、232同士の接触によって高い摩擦力が生じる。これにより、回転アーム206の回転が規制されるため、ユーザがハンドル201を持ち上げたときに、蓋ロック駆動部200の意図しない動作が生じることを防止することができる。
上述した構成を有する蓋ロック駆動部200の動作について、図32A~図32Cを用いて説明する。
図32A~図32Cはそれぞれ、蓋ロック駆動部200の動作を説明するための平面図である。
図32Aでは、蓋ロック駆動部200が最も反時計回りに回転した状態を示す。このとき、蓋フック214による蓋10のロック状態、且つロックリング216による蓋10のロック状態にある。ユーザがハンドル201を時計回りに回転させると、シャフト部材203が時計回りに回転し(矢印R2)、回転アーム206およびスライド部材212も一体的に時計回りに回転する(矢印R8)。ロックリング216に立設された第2接続ピン210は長孔224に配置されているため、回転アーム206やスライド部材212が時計回りに回転し始めて一定の区間は接続部220に係合せず、ロックリング216は回転動作しない。
ここで、第2接続ピン210と長孔224の係合関係について、図32D、図32Eを用いて説明する。図32D、図32Eはそれぞれ、第2接続ピン210と長孔224を拡大した平面図であり、図32Dは、図32Aに示す状態に対応し、図32Eは、図32Bに示す状態に対応する。
図32D、図32Eに示すように、長孔224を構成する内壁部は、第2接続ピン210に係合可能な2つの端部として、第1端部250と第2端部252を有する。第1端部250と第2端部252はそれぞれ長孔224の終端部であり、長孔224を取り囲む内側壁によって構成される。第1端部250は、長孔224におけるロック解除方向(矢印R8)の端部であり、第2端252Bは、ロック方向(矢印R20)の端部である。
図32Dに示す状態では、第2接続ピン210は長孔224の第1端部250に係合しているため、回転アーム206がロック解除方向(矢印R8)に移動しても、第2接続ピン210は長孔224の内部で第1端部250から第2端部252に向かって相対移動するのみであり、回転アーム206に係合しない。このため、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の連動は解除された状態となり、第2接続ピン210に接続されたロックリング216は回転動作しない。
シャフト部材203がさらに時計回りに回転すると、図32Bに示すように、長孔224を形成する接続部220に第2接続ピン210が係合することで、ロックリング216も一体的に回転し始める。このように、ロックリング216は、回転アーム206とスライド部材212に遅れて回転動作を開始する。ロックリング216が回転し始めると、図9、図10に示したフランジ部60、217同士の重なり面積が減少していき、ロック状態から半ロック状態となる。
図32Eに示すように、第2接続ピン210が長孔224の第2端部252に係合すると、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200が連動した状態となる。回転アーム206がロック解除方向(矢印R8)へ回転することに伴って、第2接続ピン210が第2端部252によって押圧され、ロックリング216が回転する。
シャフト部材203がさらに時計回りに回転すると、図32Cに示すように、スライド部材212の第2端部212Bが蓋フック214に係合して、蓋フック214による蓋10のロックが解除される。それとともに、図9、図10に示したフランジ部60、217同士の重なり領域がなくなることで、ロックリング216による蓋10のロックも解除される。このようにして、蓋フック214とロックリング216による二重のロックが解除される。
上記構成において、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200は、長孔96と接続ピン208の係合関係によって互いに接続されている。これにより、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200のうちの一方の動作に対して、他方の動作を連動させることができる。本実施形態の加熱調理器2では、このような弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の連動を利用して、加熱調理器2の利便性等を向上させた運転・動作を実行する。以下、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の連動を利用した運転・動作について、図33~図37Bを用いて説明する。
(加圧調理メニューの実行)
図33は、加圧調理メニューを実行する際の処理に関するフローチャートを示す。図33に示す各処理は例えば、制御部11によって実行される。
図33に示すように、制御部11は、蓋閉め状態を検知したか否かを判断する(S1)。具体的には、図16に図示した蓋開閉検知手段150による、本体部8に内蔵されたマグネット152の磁力の検知結果に応じて、蓋閉め状態を検知したか否かを判断する。蓋閉め状態を検知しない場合(S1でNO)、制御部11は、ステップS1の処理を再度実行する。
蓋閉め状態を検知した場合(S1でYES)、制御部11は、調理OKを報知する(S2)。具体的には、図2に示した操作表示部6において、調理が開始できることを示す「調理OK」のメッセージ等を表示する。
制御部11は、加圧調理メニューの選択を受け付ける(S3)。具体的には、図2に示した操作表示部6において、ユーザが加圧調理メニューを選択して調理開始ボタンを押下することに応じて、加圧調理メニューの選択を受け付ける。
制御部11は、蓋ロックを検知したか否かを判断する(S4)。具体的には、図28、図29に示す蓋ロック検知手段228がスライド部材212の第1端部212Aの接触を検知することに応じて、蓋フック214とロックリング216による2重のロック状態であることを検知する(S4でYES)。ここでの「蓋ロック」とは、蓋ロック検知手段228の検知結果に基づいて確認可能な、蓋フック214とロックリング216のロック状態を意味する。蓋10を開けた状態でもロックリング216を閉めることができるため、蓋ロック検知手段228の検知結果(S4)だけでなく、蓋開閉検知手段150の検知結果(S1)をあわせて確認することで、蓋10が完全なロック状態であること、すなわち、蓋10が閉まった状態で、且つ蓋フック214とロックリング216がともにロック状態であることを確認する。
蓋ロックを検知した場合(S4でYES)、制御部11は、弁駆動部40を駆動して、減圧弁26を封止位置へ移動させる(S5)。具体的には、加圧調理メニューに対応して調理空間S1を密閉状態にするために、弁駆動部40を駆動して、減圧弁26を封止位置へ移動させる。
蓋ロックを検知しない場合(S4でNO)、制御部11は、弁駆動部40を駆動して、減圧弁26を封止位置へ移動させて(S6)、蓋ロックを検知したか否かを判断する(S7)。具体的には、ステップS6では、ステップS5と同様に、弁駆動部40を駆動して減圧弁26を封止位置へ移動させる。蓋ロックを検知しない状態、すなわち、スライド部材212の第1端部212Aが蓋ロック検知手段228に接触しない状態(ロック解除状態や半ロック状態)である場合、弁駆動部40の動作に連動して、蓋ロック駆動部200が動作することで、減圧弁26が封止位置へ移動することにあわせて、ロックリング216もロック位置まで移動される。これにより、スライド部材212の第1端部212Aも蓋ロック検知手段228に接触する位置まで移動するため、蓋ロック検知手段228の検知結果がOFFからONに変わることに応じて、蓋ロックを確認することができる(S7でYES)。弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の連動によって蓋ロック状態となるため、蓋ロック状態であることに加えて、減圧弁26が封止位置に移動していることも特定することができる。このようにして、ユーザが蓋10のロックを失念した場合やロックが不十分な場合(すなわち半ロック状態)であっても、加圧調理メニューを実行可能な状態に移行することができる。
ステップS7で蓋ロックを確認できない場合(S7でNO)、制御部11は、エラーを報知する(S8)。具体的には、操作表示部6において弁駆動部40の故障を示すメッセージ等を表示する。
ステップS5の実行あるいはステップS7でYESと判断されることに応じて、制御部11は、加圧調理メニューを実行する(S9)。具体的には、ステップS3で選択された加圧調理メニューに応じて、予め定められたシーケンスに従ってヒータ9等の動作を制御することで、所定の加圧調理を実行する。
ここで、ステップS6の詳細な動作について、図34A~図34Cを用いて説明する。図34A~図34Cはそれぞれ、ステップS6における弁駆動部40および蓋ロック駆動部200の動作を説明するための平面図である。
図34Aでは、弁駆動部40および蓋ロック駆動部200が最も時計回りに回転した状態を示す。このとき、減圧弁26は開放位置にあり、蓋フック214はロック解除状態、ロックリング216もロック解除状態にある。
図34Aに示す状態から、制御部11が図18に示したモータ102を回転駆動して弁駆動レバー82を反時計回りに回転駆動すると(矢印R9)、図34Bに示す状態へ移行し、その後、図34Cに示す状態へ移行する。図34B、図34Cに示すように、弁駆動レバー82の押下げ部94の位置が変化して、減圧弁26が開放位置から封止位置に移動して、調理空間S1が密閉される。
このとき、弁駆動レバー82の回転動作に連動して、回転アーム206も回転動作する。具体的には、弁駆動レバー82の長孔96に配置された第1接続ピン208が弁駆動レバー82に連動して反時計回りに回転することで、第1接続ピン208を有する回転アーム206が反時計回りに回転する(矢印R10)。回転アーム206の回転に伴って、回転アーム206に接続されたスライド部材212も反時計回りに回転する(矢印R11)。
図34Bに示すように、スライド部材212の第2端部212Bが蓋フック214から離れることで、蓋フック214がフック受け部215に引っかかり、ロック状態となる。また、回転アーム206の長孔224に挿通された第2接続ピン210も回転アーム206の回転に応じて反時計回りに回転することで、ロックリング216もロック状態に向かって移動する。弁駆動レバー82が最も反時計回りに移動したときに、第1接続ピン208および第2接続ピン210が図34Cに示すような最も反時計回りに回転した位置まで移動するように設計されている。このため、蓋フック214のロック状態にあわせてロックリング216もロック状態に移行させることができる。
上記動作によれば、弁駆動部40の動作に蓋ロック駆動部200の動作を連動させることで、弁駆動部40による減圧弁26の封止動作に、蓋ロック駆動部200による蓋10のロック動作を連動させることができる。これにより、調理開始時に減圧弁26を封止位置に移動させることにあわせて、蓋10を自動的にロック状態に移行させることができ、ユーザが蓋10のロックを失念した場合や半ロック状態でも加圧調理を実行可能な状態とすることができる。このため、ユーザによる蓋10のロック操作を省略することができ、加熱調理器2を利用する際の利便性を向上させることができる。
図34Aに示す状態から図34Cに示す状態へ移行すると、蓋ロック検知手段228がスライド部材212の接触を検知する。これにより、蓋フック214とロックリング216による2重のロック状態にあることを確認することができる。当該ロック状態は、弁駆動部40の動作に蓋ロック駆動部200の動作が連動した結果によるものであるため、弁駆動レバー82が減圧弁26を封止位置に移動させていることも特定することができる。これにより、加圧調理の準備が整った状態であることを蓋ロック検知手段228の検知結果のみで効率的且つ精度良く確認することができる。
図34Aの状態から図34Bの状態へ移行する際は、長孔96に挿通された第1接続ピン208は、長孔96の時計回りの端部である第1端部240(図25A、図25B)に係合しているため、弁駆動レバー82の反時計回りの回転に連動して一体的に回転する。一方で、長孔224に挿通された第2接続ピン210は、長孔224の反時計回りの端部である第2端部252(図32D、図32E)に係合しているため、回転アーム206の反時計回りの回転とは連動せず、動作しない。これにより、第2接続ピン210に接続されたロックリング216は動作しない。
図34Bの状態になると、第2接続ピン210は長孔224の時計回りの端部である第1端部250に係合するため、回転アーム206の反時計回りの回転に連動して一体的に回転し、図34Cの状態へ移行する。このようにして、弁駆動レバー82の駆動に対して遅れて動作しながらも、ロックリング216をロック位置へ移動させることができる。また後述するように、弁駆動レバー82を逆方向に回転駆動する場合は、長孔224と第2接続ピン210の接続関係によって、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の連動を解除することが可能となる。
加圧調理メニューの実行が完了すると、制御部11は、弁駆動部40を駆動して、減圧弁26を開放位置へ移動させる(S10)。このとき、図34Cに示す状態から弁駆動部40を駆動して、減圧弁26を開放位置に向けて移動させても、図34Aに示す状態には戻らないように設計されている。具体的な設計・動作について、図35A、図35Bを用いて説明する。
図35Aは、図34Bに示した状態と同じ状態を示す。減圧弁26は封止位置にあり、蓋フック214はロック状態、ロックリング216もロック状態にある。この状態から、制御部11が図18に示したモータ102を回転駆動して弁駆動レバー82を時計回りに回転駆動すると(矢印R12)、図35Bに示す状態へ移行する。
図35Bに示すように、弁駆動レバー82は最も時計回りに回転しているのに対して、回転アーム206は時計回りに回転しておらず、図35Aと同じ状態のままである。図35Aに示すように、長孔96に配置された第1接続ピン208は、長孔96における最も時計回りに回転した位置に配置されており、長孔96を含む弁駆動レバー82が時計回りに回転しても第1接続ピン208は移動せず、長孔96の途中部分に配置されたままである。
このような長孔96と第1接続ピン208の係合関係によって、弁駆動部40が減圧弁26を封止位置(図35A)から開放位置(図35B)に動作させるときは、蓋ロック駆動部200は連動せず、蓋10のロックは解除されないようにしている。
上記動作によれば、調理終了時に減圧弁26を開放位置に移動させても、蓋10のロックは解除されないようにすることができる。このため、蓋10のロックを解除するにはユーザがハンドル201を操作する必要があり、より安全性を向上させることができる。
制御部11は、調理終了を報知する(S11)。具体的には、図2に示した操作表示部6において、加圧調理が終了したことを示すメッセージ等を表示する。加圧調理が終了したことを認識したユーザはハンドル201を回転操作して、蓋10のロックを解除することで、蓋10を開いて、鍋4の中の調理物を取ることができる。
(停電時等)
加圧調理メニューを実行している最中に、停電等の理由により加圧調理器2の運転が停止する場合がある。調理空間S1が所定圧力以上にある場合は、前述したロックリング規制弁28が動作してロックリング216の回転動作が規制される。ロックリング規制弁28が動作しない圧力まで低下したときは、蓋10を開放可能な状態となるが、その場合に、調理空間S1の圧力が大気圧以上の場合であれば、内部の調理物が飛散するおそれがある。
また、調理空間S1の圧力が大気圧以下になる減圧調理メニューを有する場合においては、加圧調理メニューではなく減圧調理メニューの実行時に停電した場合は、調理空間S1の圧力が大気圧以下にあり、蓋10を開けようとしても開けることができない。蓋10を開くことができる状態となるまで、鍋4の圧力や温度が上昇するのを待つ必要がある。
上記問題を解消するために、本実施形態の加熱調理器2では、蓋ロック駆動部200の動作に弁駆動部40の動作を連動させることで、蓋10のロック解除動作に伴って、減圧弁26を封止位置から開放位置に移動させる動作が実行されるように設計している。具体的な動作について、図36A、図36Bを用いて説明する。
図36A、図36Bはそれぞれ、蓋ロック駆動部200の動作を説明するための平面図である。
図36Aでは、弁駆動部40および蓋ロック駆動部200が最も反時計回りに回転した状態を示す。このとき、減圧弁26は封止位置にあり、蓋フック214はロック状態、ロックリング216もロック状態にある。この状態で、ユーザがハンドル201およびシャフト203を時計回りに回転させると(矢印R13)、回転アーム206およびスライド部材212が一体的に時計回りに回転する(矢印R14)。これにより、図36Bに示すように、第2接続ピン210が長孔224の反時計回りの端部(図32D、図32Eに示す第2端部252)に当接し、回転アーム206と第2接続ピン210が係合して連動状態となる。さらにハンドル201およびシャフト203が回転されたとき、第2接続ピン210を有するロックリング216も遅れて時計回りに回転し(矢印R14)、最終的に、図36Cに示す状態へ移行する。
図36Cに示す状態では、スライド部材212およびロックリング216が最も時計回りに回転した位置まで移動しており、蓋フック214によるロック状態が解除され、ロックリング216によるロック状態も解除される。
上記動作において、回転アーム206の回転動作に連動して、弁駆動レバー82も回転動作する。具体的には、長孔96を有する回転アーム206と第1接続ピン208が係合しているため、長孔96に配置された回転アーム206の第1接続ピン208の回転に伴って、長孔96を形成する弁駆動レバー82も連動して時計回りに回転する(矢印R15)。
図36Bに示すように、回転アーム206が所定角度だけ回転した状態では、スライド部材212の第2端部212Bは蓋フック214に係合していない。長孔224に挿通された第2接続ピン210も長孔224の反時計回りの端部(第2端部252)に到達するまで係合しておらず、回転アーム206に連動して回転しないため、ロックリング216も動作していない。一方で、長孔96に挿通された第1接続ピン208の回転に連動して、弁駆動レバー82は略同じ角度だけ時計回りに回転している(矢印R15)。図36Bに示す状態では、弁駆動レバー82の押下げ部94は弁押さえ部材42との接触を開始しており、減圧弁26は開放位置に向かって移動して、調理空間S1を大気圧に開放し始めている。
図36Cに示す状態まで移行して初めて、蓋フック214とロックリング216による蓋10のロック状態が解除される。
上記動作によれば、蓋ロック駆動部200の動作に弁駆動部40の動作を連動させることで、蓋ロック駆動部200による蓋10のロック解除動作に、弁駆動部40による減圧弁26の開放動作を連動させることができる。これにより、停電等によって弁駆動レバー82が駆動できない状態になった場合でも、ユーザの手動操作によって減圧弁26を開放して調理空間S1を大気圧に開放することができる。このため、蓋10を安全かつ迅速に開くことができる状態とすることができ、加熱調理器2を利用する際の利便性を向上させることができる。
また、弁駆動レバー82が減圧弁26を開放位置に移動させてから、その後に、蓋フック214とロックリング216のロック状態を解除するようにしている。これにより、調理空間S1を大気圧に開放してから蓋10のロック状態を解除することができ、鍋4が加圧状態である場合は鍋4の調理物が飛散することを防止することができ、鍋4が減圧状態である場合は蓋10が開く状態を先に確保することができる。
図36Cに示す状態から、ユーザがハンドル201を反時計回りに回転させて蓋10をロックする方向に動作させても、図36Aに示す状態には戻らないように設計されている。具体的な設計・動作について、図37A~図37Cを用いて説明する。
図37Aは、図36Cに示した状態と同じ状態を示す。減圧弁26は開放位置にあり、蓋フック214はロック解除状態、ロックリング216もロック解除状態にある。この状態から、ユーザがハンドル201を回転させてシャフト部材203を反時計回りに回転させると(矢印R16)、回転アーム206とスライド部材212が反時計回りに回転し(矢印R17)、図37Bに示す状態へ移行する。図37Bに示す状態では、第2接続ピン210が長孔224の第1端部250(図32D、図32E)に係合するため、連動状態となり、第2接続ピン210とロックリング216も一体的に時計回り回転し始める(矢印R17)。これにより、回転アーム206、スライド部材212およびロックリング216が一体的に回転し、図37Cに示す状態へ移行する。
図37Cに示すように、回転アーム206等の蓋ロック駆動部200が最も反時計回りに回転しているのに対して、弁駆動レバー82は反時計回りに回転しておらず、図37Aと同じ状態のままである。
図37Aに示す状態では、長孔96に配置された第1接続ピン208は長孔96における最も時計回りに回転した位置に配置されているため、第1接続ピン208が反時計回りに回転しても、長孔96を有する弁駆動レバー82は連動して回転しない。
このような長孔96と第1接続ピン208の係合関係によって、蓋ロック駆動部200が蓋10をロック解除状態(図37A)からロック状態(図37C)へ移行させるときは、蓋ロック駆動部200と弁駆動部40の連動が解除され、減圧弁26は開放位置のままで位置が固定される。
上記動作によれば、調理空間S1を密閉して加圧可能な状態とするには、制御部11が弁駆動レバー82を駆動する必要があり、ユーザの手動操作のみでは減圧弁26を封止位置に移動させることができない。これにより、ユーザの手動操作で危険な状態となることを防止し、安全性を向上させることができる。
ここで、図34A~図37Cで説明した動作を、図38~図41の表に整理して説明する。
図38~図41は、ハンドル201の手動操作でハンドル201を動作させた場合や、モータ102の自動運転によって弁駆動レバー82と減圧弁26を動作させた場合の各部材の動作を示す表である。
図38は、ハンドル201を操作して開状態(ロック解除状態)から閉状態(ロック状態)へ移行する際の動作を示し、図39は、モータ102の自動運転で減圧弁26を開状態から閉状態へ移行する際の動作を示す。図40は、ハンドル201を操作して閉状態(ロック状態)から開状態(ロック解除状態)へ移行する際の動作を示し、図41は、モータ102の自動運転で減圧弁26を閉状態から開状態へ移行する際の動作を示す。
図38~図41において、「ハンドル移動角度」(図38、図40)、「弁駆動移動角度」(図39、図41)はそれぞれ、ハンドル201の移動量、弁駆動レバー82の移動量(単位:度)を表す。「ハンドル」は、ハンドル201の動作を表し、「ロックリング」は、ロックリング216の動作を表し、「弁駆動レバー」は、弁駆動レバー82の動作を表す。
<開⇒閉(ハンドル手動)>
図38に示すように、ハンドル201の手動操作によって開状態から閉状態に移行する場合、ハンドル201は、0°からA°まで回転した後、A°からC°まで回転する。A、Cの角度は、A<Cの関係であれば、適宜設定してもよい。Aは例えば約10°であり、Cは例えば約30度である。
図38に示すように、ハンドル201が0°からA°まで回転する際は、ロックリング216と弁駆動レバー82はともに移動せず、減圧弁26も開放状態のままである。当該動作は、図37Aに示す状態から図37Bに示す状態へ移行する動作に対応する。
図37Aに示すように、長孔224に挿通された第2接続ピン210は、長孔224における反時計回りの第2端部252(図35D、図35E)に当接しているため、回転アーム206が反時計回りに回転しても、第2接続ピン210は連動して動作しない。すなわち、ロックリング216はハンドル201の動作に連動しない。長孔96に挿通された第1接続ピン208は、長孔96における時計回りの第1端部240(図25A、図25C)に当接しているため、第1接続ピン208が反時計回りに回転しても、弁駆動レバー82は連動して動作しない。すなわち、弁駆動レバー82は、ハンドル201の動作に連動しない。
図38に示すように、ハンドル201がA°からC°(ロック位置)まで回転する際は、ロックリング216は(C-A)°回転してロック位置へ移動し、弁駆動レバー82は移動せず、減圧弁26は開放状態のままである。当該動作は、図37Bに示す状態から図37Cに示す状態へ移行する動作に対応する。
図37Bに示す状態では、第2接続ピン210は、長孔224の時計回りの第1端部250に係合するため、回転アーム206が反時計回りに回転することに伴って、第2接続ピン210に接続されたロックリング216が連動して同方向に移動する。一方、長孔96に挿通された第1接続ピン208は未だ、長孔96における第1端部240と第2端部242の中間位置にあり弁駆動レバー82とは係合していないため、弁駆動レバー82は連動して動作しない。
長孔96と第1接続ピン208の位置関係は、図37Aに示す状態から図37Cに示す状態へ移行するまで、第1接続ピン208が長孔96の第2端部242に係合しないように設計されている。これにより、ハンドル201を反時計回りに回転操作するときは、ハンドル201の動作に弁駆動レバー82が連動しない状態、すなわち、蓋ロック駆動部200と弁駆動部40の連動が解除された状態を作ることができる。
上記動作によれば、調理空間Sの加圧の有無にかかわらず、ハンドル201の操作によって蓋フック214やロックリング216をロック状態へ移行させることができる。これにより、非加圧状態でも蓋10と本体8をロックすることができ、安全性を向上させることができる。
<開⇒閉(モータ自動)>
図39に示すように、モータ102の自動運転によって減圧弁26を開状態から閉状態に移行する場合、弁駆動レバー82は、0°からA°まで回転した後、A°からC°まで回転する。
弁駆動レバー82が0°からA°まで回転する際は、ハンドル201は連動して0°からA°まで移動し、ロックリング216は連動しない。なお、弁駆動レバー82がA°回転しても減圧弁26は閉塞状態とならず、開放状態のままである。当該動作は、図34Aに示す状態から図34Bに示す状態へ移行する動作に対応する。
図34Aに示すように、長孔96に挿通された第1接続ピン208は、長孔96の時計回りの第1端部240(図25A、図25B)に係合しているため、弁駆動レバー82が反時計回りに回転し始めると(矢印R9)、第1接続ピン208が連動して同方向に移動する(矢印R10)。一方、長孔224に挿通された第2接続ピン210は、長孔224の反時計回りの第2端部252(図32D、図32E)に係合しているため、回転アーム206が反時計回りに回転しても、第2接続ピン210は連動して動作しない。このため、ロックリング216は、弁駆動レバー82の動作に連動しない。
図39に示すように、弁駆動レバー82がA°からC°まで回転すると、減圧弁26は閉塞状態から開放状態へ移行する。さらに、ハンドル201も連動してA°からC°まで移動し、且つ、ロックリング216も連動して0°から(C-A)°まで移動する。これにより、ハンドル201とロックリング216はともにロック位置へ移動する。当該動作は、図34Bに示す状態から図34Cに示す状態へ移行する動作に対応する。
図34Bに示す状態になると、長孔224に挿通された第2接続ピン210は、長孔224における時計回りの第1端部250に係合する。回転アーム206が反時計回りに回転することに伴って、第2接続ピン210に接続されたロックリング216が連動して同方向に回転し、図34Cに示す状態へ移行する。
上記動作によれば、加圧調理の調理コースを実行する際に、自動的にロックリング216をロック位置へ移動させることができる。これにより、ロックリング216がロック位置へ移動していない状態(半ロック状態を含む。)で減圧弁26が閉塞されるという状況になることを防止することができる。減圧弁26の閉塞と蓋10のロックを同時に実施でき、安全性を向上させることができる。
<閉⇒開(ハンドル手動)>
図40に示すように、ハンドル201の手動操作によって閉状態から開状態に移行する場合、ハンドル201は、C°からB°まで回転し、その後、B°から0°まで回転する。B、Cの角度は、B<Cの関係であれば、適宜設定してもよい。Bは例えば約20°である。本実施形態では、B>Aの関係である。
ハンドル201がC°からB°まで回転する際は、弁駆動レバー82は連動してC°からB°まで移動する。これにより、減圧弁26は閉塞状態から開放状態へ移行して、調理空間Sが大気圧に開放される。また、ロックリング216は連動せず、ロック状態を維持する。当該動作は、図36Aに示す状態から図36Bに示す状態への移行動作に対応する。
図36Aに示す状態では、長孔96に挿通された第1接続ピン208は、長孔96における時計回りの第1端部240(図25A、図25B)に係合している。このため、ハンドル201の操作で回転アーム206と第1接続ピン208が時計回りに回転すると、第1接続ピン208に係合した弁駆動レバー82も連動して同方向に回転する。一方で、長孔224に挿通された第2接続ピン210は、長孔224における時計回りの第1端部250に係合している。このため、回転アーム206が時計回りに回転しても、第2接続ピン210に接続されたロックリング216は連動して動作しない。
図40に示すように、ハンドル201がB°から0°まで回転する際は、弁駆動レバー82が連動してB°から0°まで移動し、ロックリング216も連動してB°から0°まで移動する。これにより、ハンドル201とロックリング216はともにロック位置へ移動する。なお、減圧弁26は開放状態のままである。当該動作は、図36Bに示す状態から図36Cに示す状態へ移行する動作に対応する。
図36Bに示す状態になると、長孔224に挿通された第2接続ピン210は、長孔224における反時計回りの第2端部252に係合するため、回転アーム206の時計回りの回転に伴って、第2接続ピン210に接続されたロックリング216も連動して同方向に回転し、図36Cに示す状態へ移行する。
上記動作によれば、モータ102の故障時や停電時でも調理空間Sを加圧状態から大気圧へ減圧することが可能となり、内容物の早期取り出しが可能となる。
<閉⇒開(モータ自動)>
図41に示すように、モータ102の自動運転によって減圧弁26を閉状態から開状態に移行する場合、弁駆動レバー82は、C°からB°まで回転した後、B°から0°まで回転する。
弁駆動レバー82がC°からB°まで回転する際は、ハンドル201とロックリング216はともに連動せず、ロックリング216はロック状態を維持する。弁駆動レバー82がB°まで移動すると、減圧弁26は閉塞状態から開放状態へ移行して、調理空間Sが大気圧に開放される。その後、弁駆動レバー82がB°から0°まで回転する際も、ハンドル201とロックリング216はともに連動せず、ロックリング216はロック状態を維持する。当該動作は、図35Aに示す状態から図35Bに示す状態への移行動作に対応する。
図35Aに示す状態では、長孔96に挿通された第1接続ピン208は、長孔96における時計回りの第1端部240に係合している。このため、弁駆動レバー82が時計回りに回転しても、第1接続ピン208は連動して動作せず、図35Bに示す状態へ移行する。
長孔96と第1接続ピン208の位置関係は、図35Aに示す状態から図35Bに示す状態へ移行するまで、第1接続ピン208が長孔96の第2端部242に係合しないように設計されている。これにより、モータ102の自動運転で弁駆動レバー82を時計回り(弁開放方向)に回転させるときは、弁駆動レバー82の動作に第1接続ピン208に接続された回転アーム206が連動しない状態、すなわち、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の連動が解除された状態を作ることができる。
上記動作によれば、ロックリング216のロック状態を解除することなく、減圧弁26を開放状態に移動させることが可能となる。これにより、蓋10と本体部8がロックされた状態を維持することができ、安全性を向上させることができる。
(作用・効果1)
上述したように、本実施形態の加熱調理器2は、調理空間S1を有する鍋4と、鍋4を加熱するヒータ9(加熱部)と、調理空間S1を密閉するための内蓋14を有する蓋10と、内蓋14に設けられ、調理空間S1を封止する封止位置と大気圧に開放する開放位置との間で移動可能な減圧弁26と、蓋10に設けられ、減圧弁26の位置を可変に動作させる弁駆動部40と、を備え、弁駆動部40は、モータ102(駆動源)と、モータ102の駆動力によって回転動作する弁駆動レバー82(回転動作部)とを備える。
このような加熱調理器2によれば、弁駆動部40が回転動作することで、蓋10の内部スペースを有効活用して弁駆動部40を配置することができ、加熱調理器2の製品サイズの小型化に寄与する。特に、蓋10が平面視で大略円形の外形を有する場合、弁駆動部40を直線運動ではなく回転運動させることで、蓋10の水平方向の寸法を一方向に大きくすることなく蓋10の内部スペースを有効活用して弁駆動部40を設けることができる。これにより、蓋10の水平方向のサイズを小さくすることができ、加熱調理器2のサイズダウンにつながる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動レバー82(回転動作部)の回転軸Axは、蓋10の厚み方向に沿って延びる。このような加熱調理器2によれば、蓋10の内部スペースを有効活用して弁駆動部を配置することができ、特に蓋10の高さを低くすることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動レバー82(回転動作部)は、減圧弁26を封止位置から開放位置に向けて押し下げるための押下げ部94を有し、押下げ部94は、減圧弁26を押し下げる第1の位置(図24B)と、第1の位置とは異なる第2の位置(図24A)の間を円弧状に移動する。このような加熱調理器2によれば、押下げ部94が円弧状に移動することで、直線状に移動する場合よりも長い移動距離を確保しやすくなる。これにより、蓋10の内部スペースを有効活用しながら、押下げ部94の位置調整をより精密に行うことができ、圧力調整の精度向上を図ることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、押下げ部94は、円弧状の移動方向に沿って高さが変化する傾斜面98を有する。このような加熱調理器2によれば、簡単な構造で押下げ部94を構成することができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動レバー82(回転動作部)は、円弧状に延びる円弧アーム86(第1アーム)と、円弧アーム86と回転軸Axの間を接続する接続アーム88(第2アーム)とを備える。このような加熱調理器2によれば、簡単な構造で弁駆動部40を構成することができる。
また、本実施形態の加熱調理器2は、弁駆動レバー82(回転動作部)は、円弧アーム86(第1アーム)と接続アーム88(第2アーム)で囲まれる領域に部材配置スペース99を有する。このような加熱調理器2によれば、部材配置スペース99に他の部材を配置することができ、スペースを有効活用することができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、部材配置スペース99には、モータ102(駆動源)の駆動力を弁駆動レバー82(回転動作部)に伝達するためのギヤ部104(第1ギヤ)が設けられており、円弧アーム86(第1アーム)の内周面には、ギヤ部104に噛み合うギヤ部92(第2ギヤ)が形成されている。このような加熱調理器2によれば、部材配置スペース99のスペースを活用してギヤ部92、104を配置するとともに、簡単な構成で弁駆動レバー82を動作させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2は、ギヤ部104(第1ギヤ)とギヤ部92(第2ギヤ)はそれぞれ平歯歯車で構成されており、減圧弁26は、平歯歯車の軸方向Cに沿って上下動する。このような加熱調理器2によれば、減圧弁26が上下動して弁駆動レバー82(回転動作部)を押圧する場合でも、平歯歯車の軸方向Cに押圧力がかかるため、ギヤ部92、104の間で駆動力は伝達されない。これにより、ギヤ部104やモータ102に対して無用な力が付与されない構成が実現可能となる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動レバー82(回転動作部)を回転可能な状態で支持する支持プレート84をさらに備える。このような加熱調理器2によれば、弁駆動レバー82の動作がより安定する。
また、本実施形態の加熱調理器2は、弁駆動レバー82(回転動作部)は、円弧状に延びる円弧アーム86(第1アーム)を有し、支持プレート84は、円弧アーム86(第1アーム)の円弧状の移動をガイドする円弧状の溝部118を有する。このような加熱調理器2によれば、弁駆動レバー82の動作を安定させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、支持プレート84は、弁駆動レバー82(回転動作部)の第1方向(平面視で反時計回り)への移動を遮る壁部110(第1規制壁)と、弁駆動レバー82の第2方向(平面視で時計回り)への移動を遮る壁部112(第2規制壁)と、を備え、弁駆動レバー82は、壁部110と壁部112の間の領域で回転可能に設けられる。このような加熱調理器2によれば、弁駆動レバー82の移動範囲を簡単に規定できる。また、弁駆動レバー82の動作に異常が生じた場合でも、壁部110、112との接触によって移動を規制できるため、ギヤ部92、104等にかかる負荷を緩和できる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動レバー82(回転動作部)は、円弧アーム86(第1アーム)と接続アーム88(第2アーム)で囲まれる領域に部材配置スペース99を有し、支持プレート84は、支持プレート84を蓋10(ブロック172)に固定するためのネジ受け部160(固定部)を有し、ネジ受け部160は、部材配置スペース99に配置される。このような加熱調理器2によれば、支持プレート84の中心に近い位置で支持プレート84を蓋10に固定することが可能となり、支持プレート84の強度を向上させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動レバー82(回転動作部)を覆うカバー部材78をさらに備え、弁駆動レバー82は、カバー部材78に接触する箇所にリブ89を有する。このような加熱調理器2によれば、弁駆動レバー82が摺動する際にカバー部材78との摩擦を低減することができ、弁駆動レバー82の動作を安定化させることができる。
(作用・効果2)
上述したように、本実施形態の加熱調理器2は、調理空間S1を有する鍋4と、鍋4を加熱するヒータ9(加熱部)と、調理空間S1を密閉するための内蓋14を有する蓋10と、内蓋14に設けられ、調理空間S1を封止する封止位置と大気圧に開放する開放位置との間で移動可能な減圧弁26と、蓋10に設けられ、減圧弁26の位置を可変に動作させる弁駆動部40と、蓋10に設けられ、蓋10の開き動作を規制するロック位置と開き動作を可能にするロック解除位置との間で移動可能なロックリング216(蓋ロック部材)と、蓋10に設けられ、ロックリング216をユーザの手動操作で動作させるためのハンドル201(操作部材)を有する蓋ロック駆動部200と、を備え、弁駆動部40は、長孔96(第1係合部)を有し、蓋ロック駆動部200は、長孔96に係合する第1接続ピン208(第2係合部)を有する。
このような加熱調理器2によれば、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200を互いに係合させることで、それぞれの動作を連動させることが可能となる。これにより、状況に応じて減圧弁26やロックリング216を適切な位置に自動で移動させることができ、ユーザの手動操作を省略することが可能となり、加熱調理器2を利用する際の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、長孔96と第1接続ピン208の係合関係によって、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200を連動させている。これにより、駆動部40、200の動作方向や位置に応じて連動状態と非連動状態を切り替えることが可能となる。
なお、弁駆動部40が長孔96を有して蓋ロック駆動部200がピン208を有する場合に限らず、弁駆動部40がピンを有して蓋ロック駆動部200が長孔を有する場合であってもよい。すなわち、弁駆動部40が有する第1係合部は、長孔又はピンのうちの一方であり、蓋ロック駆動部200が有する第2係合部は、その他方であってもよい。
また、本実施形態の加熱調理器2では、蓋ロック駆動部200は、ハンドル201(操作部材)とロックリング216(蓋ロック部材)の間を接続するように蓋10の内部で横方向Bに延在する回転アーム206(アーム部材)を有し、第1接続ピン208(第2係合部)は、回転アーム206に設けられたピンであり、長孔96(第1係合部)は、第1接続ピン208が挿通される長孔である。このような加熱調理器2によれば、蓋10の内部空間を有効活用しながらピン208と長孔96を設けて、2つの駆動部40、200を連動させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200はそれぞれ回転動作する。このような加熱調理器2によれば、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の動作を連動させやすくなるとともに、蓋10における横方向Bのスペースを有効活用することができ、製品サイズを小型化することができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動部40の回転軸Axとロックリング216(蓋ロック部材)の回転軸Axは同軸である。このような加熱調理器2によれば、軸ずれを抑制しつつ、構成の簡略化および製品の小型化を図ることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、蓋10には、回転操作されるハンドル201(操作部材)と、ハンドル201の回転軸Axとして蓋10の厚み方向に延びるシャフト部材203とが設けられており、弁駆動部40の回転中心部90には、シャフト部材203を挿通させる貫通孔100が形成される。このような加熱調理器2によれば、簡単な構成で同軸構造を作ることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、ハンドル201(操作部材)は、蓋10の厚み方向に沿って延びる回転軸Axを中心として回転操作される。このような加熱調理器2によれば、ユーザが容易に操作することができる。
また、本実施形態の加熱調理器2は、内蓋14に設けられ、調理空間S1の圧力が所定圧力以上の場合は第1の位置に位置し、所定圧力よりも小さい場合は第2の位置に位置するロックリング規制弁28(移動部材)をさらに備え、ロックリング規制弁28は、第1の位置(図11C)ではロックリング216(蓋ロック部材)の移動を規制し、第2の位置(図11A、図11B)ではロックリング216の移動を規制しないように、ロックリング216に選択的に係合する。このような加熱調理器2によれば、ロックリング規制弁28を設けることで、調理空間S1が高圧状態のときに蓋10を開けられないようにすることができ、安全性を向上できる。
(作用・効果3)
上述したように、本実施形態の加熱調理器2は、調理空間S1を有する鍋4と、鍋4を加熱するヒータ9(加熱部)と、調理空間S1を密閉するための内蓋14を有する蓋10と、内蓋14に設けられ、調理空間S1を封止する封止位置と大気圧に開放する開放位置との間で移動可能な減圧弁26と、蓋10に設けられ、減圧弁26の位置を可変に動作させる弁駆動部40と、蓋10に設けられ、蓋10の開き動作を規制するロック位置と開き動作を可能にするロック解除位置との間で移動可能なロックリング216(蓋ロック部材)と、蓋10に設けられ、ロックリング216をユーザの手動操作で動作させるためのハンドル201(操作部材)を有する蓋ロック駆動部200と、を備え、弁駆動部40の動作に、蓋ロック駆動部200の動作を連動させている。
このような加熱調理器2によれば、弁駆動部40の動作に蓋ロック駆動部200の動作を連動させることで、減圧弁26の開閉動作に応じて、蓋10のロック/ロック解除の動作を付随させて行うことができ、ユーザの手動操作に代用できる。これにより、加熱調理器2を利用する際の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動部40が、減圧弁26を封止位置に移動させる方向に動作するときに、蓋ロック駆動部200は、弁駆動部40に連動して、ロックリング216(蓋ロック部材)をロック位置に移動させる方向に動作する。このような加熱調理器2によれば、加圧調理メニューが選択された場合に、ユーザが蓋10のロックを忘れている場合やロックが不十分な場合(例えば半ロック状態)でも、蓋10を自動的にロック状態に移行させることができ、加圧調理を開始できる状態にすることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2は、調理メニューを選択するための操作表示部6(調理メニュー選択部)と、制御部11と、をさらに備え、制御部11は、操作表示部6で加圧調理メニューが選択されることに応じて、減圧弁26を封止位置に移動させる方向に弁駆動部40を動作させる。このような加熱調理器2によれば、加圧調理メニューを実行する際に、鍋4の調理空間S1を密閉状態として加圧調理を開始できる状態にすることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2は、ロックリング216(蓋ロック部材)がロック位置にあるか否かを検知する蓋ロック検知手段228をさらに備える。このような加熱調理器2によれば、ロックリング216がロック位置にあることを確認することで、ロックリング216がロック位置にあることに加えて、減圧弁26が封止位置にあることを確認することができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動部40が、減圧弁26を開放位置に移動させる方向に動作するときは、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200の連動が解除される。このような加熱調理器2によれば、調理終了時等に減圧弁26を開放位置に移動させて鍋4を大気圧状態に戻すときは、蓋ロック駆動部200を連動させずに蓋のロック状態を解除しないようにすることで、蓋のロック解除はユーザの手動操作が必要となる。これにより、安全性を向上させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200は、長孔96とピン208の係合関係により互いに連動する。このような加熱調理器2によれば、長孔96とピン208の係合関係で連動させることで、駆動部40、200の動作方向や位置に応じて、連動状態と非連動状態を切り替えることが可能となる。
また、本実施形態の加熱調理器2は、制御部11をさらに備え、弁駆動部40は、制御部11によって制御されるモータ102(駆動源)と、モータ102の駆動力によって動作する弁駆動レバー82(動作部)とを備える。このような加熱調理器2によれば、弁駆動部40を自動で動作させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動レバー82(動作部)は、回転動作する。このような加熱調理器2によれば、蓋10の内部スペースを有効活用して弁駆動部40を配置することができ、製品サイズの小型化に寄与する。
(作用・効果4)
上述したように、本実施形態の加熱調理器2は、調理空間S1を有する鍋4と、鍋4を加熱するヒータ9(加熱部)と、調理空間S1を密閉するための内蓋14を有する蓋10と、内蓋14に設けられ、調理空間S1を封止する封止位置と大気圧に開放する開放位置との間で移動可能な減圧弁26と、蓋10に設けられ、減圧弁26の位置を可変に動作させる弁駆動部40と、蓋10に設けられ、蓋10の開き動作を規制するロック位置と開き動作を可能にするロック解除位置との間で移動可能なロックリング216(蓋ロック部材)と、蓋10に設けられ、ロックリング216をユーザの手動操作で動作させるためのハンドル201(操作部材)を有する蓋ロック駆動部200と、を備え、蓋ロック駆動部200の動作に、弁駆動部40の動作を連動させている。
このような加熱調理器2によれば、蓋ロック駆動部200の動作に弁駆動部40の動作を連動させることで、蓋10のロック/ロック解除の動作に応じて、減圧弁26の開閉動作を付随させて行うことができる。例えば、蓋10のロックを解除するときに、減圧弁26を開放位置に移動させて鍋4の圧力を大気圧に戻すような動作が実現可能となる。これにより、停電等で弁駆動部40が動作しないときでも鍋4の圧力を大気圧にして蓋10を開けられる状態にすることができ、加熱調理器2を利用する際の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、蓋ロック駆動部200が、ロックリング216(蓋ロック部材)をロック解除位置に移動させる方向に動作するときに、弁駆動部40は、蓋ロック駆動部200に連動して、減圧弁26を開放位置に移動させる方向に動作する。このような加熱調理器2によれば、停電等で弁駆動部40が動作しない場合でも、鍋4の圧力を大気圧にして蓋10を開けられる状態にすることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、蓋ロック駆動部200の動作に弁駆動部40の動作が連動する際に、減圧弁26が開放位置に移動してから、ロックリング216(蓋ロック部材)がロック解除位置に移動する。このような加熱調理器2によれば、調理空間S1の圧力を開放してから蓋10を開放できるようにすることで、安全性や利便性を向上させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2は、ハンドル201(操作部材)の操作に対してクリック感を生じさせるように蓋ロック駆動部200に選択的に係合する凸部229をさらに備える。このような加熱調理器2によれば、ユーザの誤操作を抑制することができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、蓋ロック駆動部200が、ロックリング216(蓋ロック部材)をロック位置に移動させる方向に動作するときは、蓋ロック駆動部200と弁駆動部40の連動が解除される。このような加熱調理器2によれば、ユーザが蓋10を手動で閉める場合は減圧弁26を封止位置に移動させないようにすることで、ユーザの手動操作では鍋4の調理空間S1を加圧可能な密閉状態とすることができない。これにより、安全性を向上させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動部40と蓋ロック駆動部200は、長孔96とピン208の係合関係により互いに連動する。このような加熱調理器2によれば、長孔96とピン208の係合関係で連動させることで、駆動部40、200の動作方向や位置に応じて、連動状態と非連動状態を切り替えることが可能となる。
また、本実施形態の加熱調理器2は、制御部11をさらに備え、弁駆動部40は、制御部11によって制御されるモータ102(駆動源)と、モータ102の駆動力によって動作する弁駆動レバー82(動作部)とを備える。このような加熱調理器2によれば、弁駆動部40を自動で動作させることができる。
また、本実施形態の加熱調理器2では、弁駆動レバー82は、回転動作する。このような加熱調理器2によれば、蓋10の内部スペースを有効活用して弁駆動部40を配置することができ、製品サイズの小型化に寄与する。
以上、上述の実施形態を挙げて本開示の発明を説明したが、本開示の発明は上述の実施形態に限定されない。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
前記実施形態の様々な変形例のうち、任意の変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。