本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
吸収性物品の製造装置において、粉砕およびまたは解繊された材料から前記吸収性物品における吸収体を積層する積層部と、少なくとも前記積層部に設けられたセンサから前記吸収性物品の製造に関する情報である第1の情報を取得する第1の取得部と、前記吸収性物品の製造ラインにおける前記吸収性物品の製品に関する情報である第2の情報を取得する第2の取得部と、前記第1の情報および前記第2の情報を関連付けて記憶する記憶部と、前記第1の情報および前記第2の情報に基づいて、少なくとも前記積層部における異常の存否を判定する判定部と、前記判定部による判定結果を出力する出力部と、を備えることを特徴とする吸収性物品の製造装置。
このような吸収性物品の製造装置によれば、吸収性物品の製造における上流工程での不具合を早期に特定することができる。
また、前記積層部は、円環状に設けられて該円環の中心軸まわりに回転可能な回転部を有し、該回転部の外周面に沿って複数の凹部または連続する凹部が形成された回転ドラムと、前記回転部の内周面および前記外周面に対向して設けられる吸引部と、前記回転ドラムの背後において前記吸引部に対し接続された配管を介した吸気流によって、前記凹部に対し前記材料を吸引して前記吸収体を積層させるとともに積層された前記吸収体を前記凹部から離脱させる吸気ファンとを備え、前記センサは、前記配管に複数設けられる。
このような吸収性物品の製造装置によれば、積層部の吸気流に関し、静電気や振動の受けにくい高品質なセンサデータの取得が可能となる。
また、配管は、前記吸引部に対して複数接続され、前記センサは、前記配管それぞれの直線部分に複数設けられる。
このような吸収性物品の製造装置によれば、積層部の吸気流に関し、配管ごとで安定的なセンサデータの取得が可能となる。
また、前記第1の情報は、前記配管を流れる吸気の圧力およびまたは流量に関する情報を含む。
このような吸収性物品の製造装置によれば、積層部の吸気流に関し、吸気の圧力およびまたは流量に基づいて積層部の状態を解析し、積層部における異常の存否を判定することが可能となる。
また、前記センサは、圧力センサ、流量センサ、および流速センサのうちの少なくとも1つである。
このような吸収性物品の製造装置によれば、積層部の吸気流に関し、圧力センサおよびまたは流量センサによって測定した吸気の圧力およびまたは流量に基づいて積層部の状態を解析し、積層部における異常の存否を判定することが可能となる。また、圧力センサのみであっても、ベルヌーイの定理を用いることにより、流量を算出することができる。
また、前記凹部は、交換可能に設けられたプレートによって形成され、前記第1の情報は、前記プレートに関する情報を含む。
このような吸収性物品の製造装置によれば、プレート単位に異常の存否を判定することが可能となり、また、異常があると判定された場合に、プレート単位に異常の対処を行うことが可能となる。
また、前記プレートに関する情報は、前記プレートの特定に関する情報、前回のメンテナンスに関する情報、および次回の交換に関する情報のうちの少なくともいずれかを含む。
このような吸収性物品の製造装置によれば、プレートの特定に関する情報に基づいてプレートを特定するとともに、前回のメンテナンスに関する情報や次回の交換に関する情報に応じて、特定したプレートに対する対処を決めることが可能となる。
また、前記第2の情報は、前記製品の完成品およびまたは半製品に関する情報を含む。
このような吸収性物品の製造装置によれば、完成品だけでなく半製品に関する情報に基づいて積層部の状態を解析し、積層部における異常の存否を判定することが可能となる。
また、前記製造ラインにおいて前記積層部よりも下流位置に設けられる撮像センサをさらに備え、前記第2の情報は、前記撮像センサによって撮像された前記吸収体の状態を示す画像に関する情報を含む。
このような吸収性物品の製造装置によれば、積層部よりも下流位置における吸収体の状態を示す画像に基づいて吸収体における材料の分布状態や吸収体の積層状態を検出し、その検出結果に基づいて積層部の状態を解析し、積層部における異常の存否を判定することが可能となる。
また、前記材料は、パルプ、合成繊維、および高分子吸収材のうちの少なくともいずれかを含み、前記第2の情報は、前記材料に関する情報を含む。
このような吸収性物品の製造装置によれば、吸収体の材料に関する情報に基づいて積層部の状態を解析し、積層部における異常の存否を判定することが可能となる。
また、温度センサおよびまたは湿度センサをさらに備え、前記第1の情報は、前記温度センサによって測定された温度に関する情報およびまたは前記湿度センサによって測定された湿度に関する情報を含む。
このような吸収性物品の製造装置によれば、製造ラインの周囲環境、例えば温度や湿度に関する情報に基づいて積層部の状態を解析し、積層部における異常の存否を判定することが可能となる。
以下に、吸収性物品の製造に関する製造装置、製造方法、およびプログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により吸収性物品の製造に関する製造装置、製造方法、およびプログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[実施形態]
〔1.製造ラインの構成例〕
まず、吸収性物品を製造する製造ラインPLの構成例について図1、および図2を参照し説明する。図1は、実施形態に係る製造ラインPLの構成の一例を示す概略側面図である。図2は、製造ラインPLにおいて製造されるおむつの模式図である。製造ラインPLは、その少なくとも一部が、後述する実施形態に係る製造装置50に含まれる。
実施形態に係る製造ラインPLは、吸収性物品を製造するための一連化された製造工程である。吸収性物品は、例えば、おむつや、生理用ナプキンや、尿取りパッドである。なお、以下では、吸収性物品としておむつDを製造する場合を主たる例に挙げて説明を進める。
製造ラインPLでは、おむつDの加工元となる連続体である連続シート(「連続ウェブ」と言い換えても可)を異なる位置で加工する複数の加工処理を行う。なお、ここに言う「加工」とは、最終的におむつDの1ピースが製造されるまでに連続ウェブに加えられるすべての手段を指す。
したがって、連続ウェブ上に吸収体を順次配置したり、連続ウェブを所定の形状へ成形したり、1ピースごとに切断したりといった、その「加工」の痕跡が最終的におむつDの1ピース上に残存するものの他、例えば連続ウェブ等の資材が途切れないように資材同士を接続する資材継ぎ処理等のように、その「加工」の痕跡が最終的におむつDの1ピース上に残存しないものも含む。
なお、以下では、製造ラインPLの幅方向(図1の紙面を貫通する方向)を「CD方向」と言い、かかるCD方向に直交する二方向のうち、鉛直な方向を「上下方向」と、水平な方向を「前後方向」と、それぞれ言う場合がある。
図1に示すように、製造ラインPLには、コアラップ搬送経路R1と、吸収体搬送経路R2と、ファスニングテープ搬送経路R3と、トップシート搬送経路R4と、ターゲットテープ搬送経路R5と、バックシート搬送経路R6と、基材シート搬送経路R7とが含まれる。
各搬送経路R1~R7には、図示略の搬送装置が設けられる。搬送装置は、ベルトコンベアや、搬送ローラなどによって構成される。ベルトコンベアは、例えば、駆動周回する無端ベルトを搬送面とした通常のベルトコンベアや、無端ベルトの外周面に吸着機能を有するサクションベルトコンベアである。
コアラップ搬送経路R1では、コアラップシートCsがコイル状に巻き取られた資材コイル201からコアラップシートCsが繰り出される。すなわち、コアラップ搬送経路R1では、連続シートであるコアラップシートCsが搬送される。コアラップシートCsは、例えば、ティッシュペーパーや、不織布などの液透過性のシート部材である。
吸収体搬送経路R2では、コアラップ搬送経路R1から搬送されるコアラップシートCsに吸収体Abが載置される。吸収体Abは、液体吸収体素材であり、例えば、パルプ繊維、および高吸収性ポリマー(SAP:Superabsorbent polymer)が混合されて積層された積層体である。
吸収体Abは、製造ラインPLに設けられた積層部100において積層される。積層部100は、粉砕機101と、散布機102と、回転ドラム103と、フードFdとを有する。粉砕機101は、図示略のパルプ原反から引き出されたパルプ材Pwを回転刃によって粉砕および/または解繊してパルプ繊維を生成し、気流に乗せてフードFd内へ送り出す。
散布機102は、SAPを所定周期でフードFd内へ散布する。フードFdは、その一端部が粉砕機101側に接続されており、その一方で他端部は回転ドラム103側に回転ドラム103の外周面の一部を覆うように接続されている。フードFd内へ送り出されたパルプ繊維、およびSAPは、フードFd内において生じる混相流によって混合される。
回転ドラム103は、CD方向に沿った回転軸を中心に回転しつつ、フードFd内において混合されたパルプ繊維、およびSAPから吸収体Abを積層し、コアラップシートCsに載置する。
回転ドラム103は、その外周面に、回転方向に沿って形成された複数の凹部103aを有する。凹部103aは、コアラップシートCsに載置された吸収体Abの形状が、平面視で略矩形状となるように形成される。なお、凹部103aは、非連続の間欠に設けられるだけでなく連続するように設けられてもよい。
凹部103aは、その底面に対し、フードFd内において混合されたパルプ繊維とSAPとを吸引することによって吸収体Abを積層する。また、回転ドラム103は、回転しつつ、凹部103aに積層された吸収体Abを凹部103aから離脱させて吸収体搬送経路R2に転写することによって、吸収体AbをコアラップシートCsに載置する。この結果、コアラップシートCsには、前後方向に沿って複数の吸収体Abが並んで載置される。
なお、かかる積層部100において吸引および転写を実現する構成については、図3~図8等を用いて後述する。
また、吸収体搬送経路R2には、プレス装置202が設けられる。プレス装置202は、一対のプレスロール202a,202bを備える。プレスロール202a,202bはそれぞれ、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。また、プレスロール202a,202bは、互いの間を通過する吸収体Abを上下方向から挟み込んで加圧する。
また、プレス装置202の下流側には、カット装置203が設けられる。カット装置203は、吸収体Abが載置されたコアラップシートCsを切断する。カット装置203は、カッターロール203aと、アンビルロール203bとを備える。
カッターロール203aは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。カッターロール203aには、回転軸方向に沿ってカッター刃が設けられる。アンビルロール203bは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。
カット装置203は、吸収体Abが載置されたコアラップシートCsをカッターロール203aおよびアンビルロール203bによって挟圧して切断する。なお、カット装置203は、隣接する吸収体Abの間の位置でコアラップシートCsを切断する。
吸収体搬送経路R2では、カット装置203によって切断されたコアラップシートCsが前方に向けて搬送される。
ファスニングテープ搬送経路R3では、連続シートであるファスニングテープFt1が搬送される。ファスニングテープ搬送経路R3では、接着剤塗布装置204によって接着剤がファスニングテープFt1に塗布される。
トップシート搬送経路R4では、トップシートTsがコイル状に巻き取られた資材コイル205からトップシートTsが繰り出される。すなわち、トップシート搬送経路R4では、連続シートであるトップシートTsが搬送される。トップシートTsは、液透過性を有するシート部材であり、例えば、ポリエチレンや、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂繊維を含有する不織布である。
また、トップシート搬送経路R4には、スリップカット装置206が設けられる。スリップカット装置206は、ファスニングテープ搬送経路R3を搬送されたファスニングテープFt1を切断する。スリップカット装置206は、カッターロール206aと、アンビルロール206bとを備える。
カッターロール206aは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。カッターロール206aには、連続シートのファスニングテープFt1を単票状のファスニングテープFt2に切断するカッター刃(不図示)が設けられる。カッター刃は、回転方向に複数設けられる。
アンビルロール206bは、接着剤が塗布された連続体のファスニングテープFt1を吸着保持する。アンビルロール206bは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。アンビルロール206bには、カッターロール206aのカッター刃に対向する受け刃(不図示)が設けられる。
スリップカット装置206は、接着剤が塗布された連続シートのファスニングテープFt1をアンビルロール206bによって吸着し、連続シートのファスニングテープFt1をカッターロール206aによって切断し、単票状のファスニングテープFt2を生成する。
スリップカット装置206は、単票状に切断したファスニングテープFt2をアンビルロール206bによって吸着させて、トップシートTsに対向する位置まで搬送する。
また、トップシート搬送経路R4には、アンビルロール206bの下方に仮プレスロール207が設けられる。仮プレスロール207は、トップシートTsを挟んでアンビルロール206bと対向するように設けられる。
仮プレスロール207は、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。仮プレスロール207は、アンビルロール206bに吸着されたファスニングテープFt2がトップシートTsの上方に搬送されたタイミングでアンビルロール206bに向けて押圧する。これにより、連続体であるトップシートTsがアンビルロール206bに押し付けられ、ファスニングテープFt2に塗布された接着剤によって、ファスニングテープFt2がトップシートTsに接着する。これにより、ファスニングテープFt2は、トップシートTsに仮固定される。
また、トップシート搬送経路R4には、本プレス装置208が設けられる。本プレス装置208は、トップシート搬送経路R4におけるトップシートTsの搬送方向において、仮プレスロール207よりも下流側に設けられる。
本プレス装置208は、トップシートTsに仮固定されたファスニングテープFt2を本固定する。本プレス装置208は、ファスニングテープFt2が仮固定されたトップシートTsを一対のロールによって挟持し、ファスニングテープFt2をトップシートTsに本固定する。
各ロールは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。一対のロールのうち、一方のロールは、他方のロールに向けて往復動する。すなわち、一対のロールは、一対のロールの間隔を変更可能である。
また、トップシート搬送経路R4には、接着剤塗布装置209が設けられる。接着剤塗布装置209は、トップシートTsの搬送方向において、本プレス装置208よりも下流側に設けられる。接着剤塗布装置209は、ファスニングテープFt2が本固定されたトップシートTsに接着剤を塗布する。接着剤塗布装置209は、トップシートTsの非肌側面に接着剤を塗布する。
ターゲットテープ搬送経路R5には、連続シートであるターゲットテープTt1が搬送される。ターゲットテープ搬送経路R5では、接着剤塗布装置210によって接着剤がターゲットテープTt1に塗布される。
バックシート搬送経路R6では、バックシートBsがコイル状に巻き取られた資材コイル211からバックシートBsが繰り出される。すなわち、バックシート搬送経路R6では、連続シートであるバックシートBsが搬送される。バックシートBsは、液不透過性を有するシート部材であり、例えば、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂フィルムである。
また、バックシート搬送経路R6には、スリップカット装置212が設けられる。スリップカット装置212は、ターゲットテープ搬送経路R5を搬送されたターゲットテープTt1を切断する。スリップカット装置212は、カッターロール212aと、アンビルロール212bとを備える。
カッターロール212aは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。カッターロール212aには、連続シートのターゲットテープTt1を単票状のターゲットテープTt2に切断するカッター刃(不図示)が設けられる。カッター刃は、回転方向に複数設けられる。
アンビルロール212bは、接着剤が塗布された連続体のターゲットテープTt1を吸着保持する。アンビルロール212bは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。アンビルロール212bには、カッターロール212aのカッター刃に対向する受け刃(不図示)が設けられる。
スリップカット装置212は、接着剤が塗布された連続シートのターゲットテープTt1をアンビルロール212bによって吸着し、連続シートのターゲットテープTt1をカッターロール212aによって切断し、単票状のターゲットテープTt2を生成する。
スリップカット装置212は、単票状に切断したターゲットテープTt2をアンビルロール212bによって吸着させて、バックシートBsに対向する位置まで搬送する。
また、バックシート搬送経路R6には、アンビルロール212bの下方に仮プレスロール213が設けられる。仮プレスロール213は、バックシートBsを挟んでアンビルロール212bと対向するように設けられる。
仮プレスロール213は、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。仮プレスロール213は、アンビルロール212bに吸着されたターゲットテープTt2がバックシートBsの上方に搬送されたタイミングでアンビルロール212bに向けて押圧する。これにより、連続体であるバックシートBsがアンビルロール212bに押し付けられ、ターゲットテープTt2に塗布された接着剤によって、ターゲットテープTt2がバックシートBsに接着する。これにより、ターゲットテープTt2は、バックシートBsに仮固定される。
また、バックシート搬送経路R6には、本プレス装置214が設けられる。本プレス装置214は、バックシート搬送経路R6におけるバックシートBsの搬送方向において、仮プレスロール213よりも下流側に設けられる。
本プレス装置214は、バックシートBsに仮固定されたターゲットテープTt2を本固定する。本プレス装置214は、ターゲットテープTt2が仮固定されたバックシートBsを一対のロールによって挟持し、ターゲットテープTt2をバックシートBsに本固定する。
各ロールは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。一対のロールのうち、一方のロールは、他方のロールに向けて往復動する。すなわち、一対のロールは、一対のロールの間隔を変更可能である。
また、バックシート搬送経路R6には、接着剤塗布装置215が設けられる。接着剤塗布装置215は、バックシートBsの搬送方向において、本プレス装置214よりも下流側に設けられる。接着剤塗布装置215は、ターゲットテープTt2が本固定されたバックシートBsに接着剤を塗布する。接着剤塗布装置215は、バックシートBsの肌側面に接着剤を塗布する。
上記した吸収体搬送経路R2によって搬送される吸収体Ab、トップシート搬送経路R4によって搬送されるトップシートTs、およびバックシート搬送経路R6によって搬送されるバックシートBsは、合流位置Mpで合流する。
具体的には、合流位置Mpでは、吸収体Abの非肌側から連続シートのバックシートBsが合流し、吸収体Abの肌側から連続シートのトップシートTsが合流する。トップシートTs、およびバックシートBsにはそれぞれ接着剤が塗布されているため、トップシートTs、吸収体Ab、およびバックシートBsは、接着剤によって接合されて一体化され、連続シートの基材シートBMsが生成される。基材シートBMsでは、吸収体Abが、前後方向において、おむつDの1ピース分の長さに相当する製品ピッチPで連続して並んだ状態となっている。
なお、図1においては、基材シートBMsの搬送方向において合流位置Mpよりも下流側の基材シートBMsを、トップシートTs、吸収体Ab、およびバックシートBsが離間した状態で示しているが、実際にはこれらは一体に接合されている。
基材シート搬送経路R7では、基材シートBMsが搬送される。基材シート搬送経路R7には、レッグホールカット装置216が設けられる。レッグホールカット装置216は、CD方向の両側において基材シートBMsの一部を切断し、おむつDの脚回り開口部を形成する。レッグホールカット装置216は、カッターロール216aと、アンビルロール216bとを備える。
カッターロール216aは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。カッターロール216aには、回転方向に沿ってカッター刃(不図示)が設けられる。カッター刃は、脚回り開口部の形状に合わせて湾曲形状に設けられる。アンビルロール216bは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。
レッグホールカット装置216における各ロール216a,216bの回転は、基材シートBMsにおける所定の位置に脚回り開口部が形成されるように、基材シートBMsの搬送動作と連動する。
レッグホールカット装置216では、カッターロール216aは、アンビルロール216bに向けて移動可能であり、カッターロール216aとアンビルロール216bとの間隔を変更可能である。
また、基材シート搬送経路R7には、エンドカット装置217が設けられる。エンドカット装置217は、基材シート搬送経路R7における基材シートBMsの搬送方向において、レッグホールカット装置216よりも下流側に設けられる。
エンドカット装置217は、基材シート搬送経路R7によって搬送された基材シートBMsを切断する。エンドカット装置217は、カッターロール217aと、アンビルロール217bとを備える。
カッターロール217aは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。カッターロール217aには、回転軸方向に沿ってカッター刃(不図示)が設けられる。アンビルロール217bは、CD方向に沿った回転軸を中心に回転する。
エンドカット装置217は、基材シートBMsにおいて予め設定された位置で基材シートBMsの下流端を切断し、図2に示すおむつDを生成する。
なお、前述のカッターロール203aの周長は、図2に示すおむつDの1ピース分の長さである製品ピッチPの長さと同値に設定されている。したがって、カッターロール203aが1回転すると、例えば吸収体Abは製品ピッチPの長さ分の搬送量だけ搬送される。
そして、製造されたおむつDは、例えば人の目視検査を含む検査工程を経て、最終的な出荷工程へと移されることとなる。また、既存技術には、例えば製造ラインPLにおける各加工工程の間に、まだ半製品の状態であるおむつDを都度検査し、製造ラインPLにおける不具合を早期に特定しようとするものがある。
しかしながら、既に述べた通り、既存技術には、おむつDの製造における上流工程での不具合を早期に特定するうえで、さらなる改善の余地がある。
例えば、既存技術では、おむつDにおける吸収体Abを製造する工程、すなわち図1に示した積層部100における吸収体Abの積層工程よりも下流側に設けられたセンサで異常を検知する。このため、吸収体Abそのものの製造状態、例えばパルプ繊維、およびSAPの積層状態等に不具合があっても、かかるセンサに至るまでの過程において、工場内で異物が混入するなど、異常発生の別の要因が加わる余地があり、吸収体Abの製造状態の不具合を直接的に特定することが困難であった。
そこで、実施形態に係る製造方法では、少なくとも積層部100に設けられたセンサからおむつDの製造に関する情報である第1の情報を取得し、製造ラインPLにおけるおむつDの製品に関する情報である第2の情報を取得し、第1の情報および第2の情報を関連付けて記憶することとした。そして、第1の情報および第2の情報に基づいて、少なくとも積層部100における異常の存否を判定し、判定結果を出力することとした。
以下、このような実施形態に係る製造方法を適用した製造システム1の構成例について、図3以降を参照しつつ詳細に説明する。
〔2.実施形態に係る製造システムの構成の一例〕
〔2-1.積層部の構成例〕
まず、実施形態に係る積層部100の構成例から説明する。図3は、実施形態に係る積層部100の構成例を示す正面模式図である。また、図4は、実施形態に係る積層部100の構成例を示す側面模式図である。また、図5は、実施形態に係る積層部100におけるセンサ位置の説明図である。
また、図6は、実施形態に係る積層部100における吸気の流れの説明図である。また、図7は、凹部103aを形成するプレートPtの配置例を示す図である。また、図8は、プレートPtの平面模式図である。また、図9は、積層部100の下流位置において撮像される画像の一例を示す図である。
図3に示すように、まず前述の散布機102は、ノズル102aと、センサ102bとを有する。ノズル102aは、SAPの散布口である。センサ102bは、散布機102から空気搬送によって散布されるSAP搬送流の圧力または流量を検出するセンサである。
また、前述の回転ドラム103は、回転部103bを有する。回転部103bは、円環状に設けられて、かかる円環の中心軸まわりに回転する。前述の凹部103aは、かかる回転部103bの外周面に沿って複数または連続して形成される。また、積層部100は、吸気口104-A,104-B,104-C,104-D,104-E,104-Fを備える。吸気口104-A,104-B,104-C,104-D,104-Eは、回転ドラム103の背後に、回転ドラム103の内周に沿って配列するように形成される。
吸気口104-A,104-B,104-C,104-Dは、回転ドラム103の水平な直径を切断線として回転ドラム103を上下に2分割した場合の、上側の半円領域に対応する位置に設けられる。吸気口104-Eは、同じく2分割した場合の下側の半円領域に対応する位置に設けられる。
また、積層部100は、転写コンベア105をさらに有する。転写コンベア105は、前述の吸収体搬送経路R2を形成する。吸気口104-Fは、回転ドラム103の下方、具体的には、回転ドラム103から転写コンベア105への吸収体Abの転写位置に対応する位置に設けられる。
なお、図3に示すように、例えば前述のプレス装置202は、カメラ202cをさらに有する。カメラ202cは、プレス装置202の下流位置に設けられ、吸収体Abを3次元方向について撮像可能に設けられる。カメラ202cは、吸収体Abを例えばX線撮影する。
ここで、カメラ202cは、積層部100よりも下流位置で吸収体Abの状態を示す画像を撮像する撮像センサの一例である。したがって、プレス装置202だけでなく、前述のカット装置203やレッグホールカット装置216、エンドカット装置217等が、カメラ202cに相当する撮像センサを有することとしてもよい。無論、かかる撮像センサは、積層部100よりも下流位置であれば吸収体搬送経路R2上のいずれに設けられてもよいが、少なくとも吸収体Abが加圧加工された後の位置であることが好ましい。
また、積層部100は、前述の吸気口104-A,104-B,104-C,104-D,104-E,104-Fに繋がる各配管にセンサを有する。図4に示すように、積層部100は、回転ドラム103の背後に、配管106と、駆動部107と、吸気ファン108とを有する。
配管106は、各吸気口104-A,104-B,104-C,104-D,104-E,104-Fから空気を吸気するダクトである。なお、図4には、図を見やすくするために、吸気口104-Bに繋がる配管106-B、吸気口104-Eに繋がる配管106-E、および吸気口104-Fに繋がる配管106-Fのみを示している。吸気口104-A,104-C,104-Dに繋がる各配管106-A,106-C,106-D(図5参照)は、配管106-Bと同様であると見なしてよい。
駆動部107は、回転ドラム103の回転部103bを回転させる。吸気ファン108は、各配管106が集合的に連結され、各配管106内に吸気流を形成するファンである。
積層部100は、かかる各吸気流の状態を検出する複数のセンサを備える。かかる複数のセンサは、図4に示した領域P-Srに配置される。領域P-Srは、例えば各配管106の直線部分の一部である。
図5に示すように、センサは、各配管106の領域P-Srに対し、例えば3つずつ設けられる。センサは、基本的には圧力センサである。吸気流の圧力を測定することで、ベルヌーイの定理により、流速、および流量を算出することができるが、圧力センサ以外に、または圧力センサとともに、流速センサや流量センサを設けてもよい。
各配管106は、領域P-SrにダンパDpを有する。センサは、例えばかかるダンパDpを挟んだ吸気流の上流側に1つと下流側に2つずつ配置され、少なくとも各配管106内の全圧、および静圧を測定可能に設けられる。
次に、積層部100に形成される吸気の流れについて説明する。図6に示すように、回転ドラム103は、回転部103bの中空部分に、空間A,B,C,D,Eが形成される。空間A,B,C,D,Eは、それぞれ順に吸気口104-A,104-B,104-C,104-D,104-Eが接続された略閉空間であり、前述の凹部103aを介して外気と連通する。空間A,B,C,D,Eは、言わば吸引チャンバであり、回転部103bの内周面に対向して設けられる吸引部の一例に相当する。
図7に示すように、凹部103aは、回転部103bの外周面に沿って取り付けられたプレートPtによって形成される。ここで、プレートPtは、図8に示すように、凹部103aの底面に相当する部位がパンチングメタル等で孔あけ加工され、さらにその上層には、底面の孔よりも径の小さい孔が配列された細孔層が形成されている。
かかるプレートPtが形成する凹部103aの底面のパターンは、各製品の仕様に応じて複数存在し、プレートPtは、製造ラインPLにおいて製造される製品に応じて適宜交換可能である。また、プレートPtは、目詰まりや経年劣化等に応じて適宜交換可能である。
なお、図7、および図8は、1つのプレートPtが1つの凹部103aに対応する例を挙げたが、プレートPtの態様を限定するものではなく、1つのプレートPtに複数の凹部103aが形成されてもよい。
図6の説明に戻る。空間A,B,C,Dは、凹部103aの底面を介して、フードFd内の外気と連通する。空間Eは、凹部103aの底面を介して、フードFd外の外気と連通する。
また、積層部100は、転写コンベア105における前述の吸収体Abの転写位置の下方に空間Fを有する。空間Fは、吸気口104-Fが接続された略閉空間である。空間Fは、吸収体Abの転写位置側の上面において外気と連通する。空間Fは、空間A,B,C,D,Eと同様に言わば吸引チャンバであり、回転部103bの外周面に対向して設けられる吸引部の一例に相当する。
以上のような構成の積層部100において、前述の粉砕機101からフードFd内にパルプ繊維が送り出され、散布機102のノズル102aからフードFd内にSAPが散布されると、混相流によってパルプ繊維、およびSAPが混合される。
一方で、前述の吸気ファンが駆動されると、各配管106内には吸気流が形成され、空間A,B,C,D,E,Fはそれぞれ負圧となる。このため、各空間A,B,C,D,E,Fにおいては、図6に示す吸気の流れが生じる。
この状態において、図6の例では時計回りの方向に回転部103bが回転すれば、1つの凹部103aが空間A,B,C,Dに面した位置をそれぞれ通過する間に、凹部103aの底面にフードFd内のパルプ繊維、およびSAPが吸引されて積層される。
また、凹部103aが空間Eに面した位置を通過する間は、積層された吸収体Abが落下しないように、凹部103aに保持される。そして、凹部103aが空間Fに面した位置を通過する際は、吸収体Abは、空間Fに生じる吸気の流れによって凹部103aから離脱し、転写コンベア105へ転写されることとなる。
また、前述のカメラ202cは、プレス装置202において上下方向から加圧された吸収体Abの画像を撮像する。カメラ202cは、例えば図9に示すようなX線画像を撮像する。かかるカメラ202cが撮像した画像を解析することにより、例えばパルプ繊維、およびSAPの分布状態を検出することが可能となる。
また、プレス装置202は、プレスロール202a,202bの間を吸収体Abが通過する際、プレスロール202a、およびプレスロール202bのうちの少なくとも一方が、吸収体Abの平滑さに応じて振動する。このとき、プレス装置202は、かかる振動時におけるプレスロール202a、および/またはプレスロール202bの回転軸の振れを、基準面からの変位量(距離)aとして図示略の変位センサにより測定することができる。かかる変位量aを解析することにより、例えばパルプ繊維、およびSAPの積層状態を検出することが可能となる。なお、プレス装置202は、図示略の振動センサにより、吸収体Abが通過する際のプレスロール202a、およびプレスロール202bのうちの少なくとも一方の振動を測定することによって積層状態を検出することとしてもよい。
〔2-2.製造システムの構成例〕
次に、図10は、実施形態に係る製造システム1の構成例を示すブロック図である。なお、図10のほか、後に示す図11でもブロック図を示すが、これらブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、これらブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
また、これらブロック図を用いた説明では、既に説明済みの構成要素については、説明を簡略するか、説明を省略する場合がある。
図10に示すように、実施形態に係る製造システム1は、監視装置10と、製造管理装置20と、製造ラインPLと、ユーザ端末500とを含む。
監視装置10と、製造管理装置20と、製造ラインPLとは、有線、または無線の通信回線であるネットワークN-1を介して互いに通信可能に接続される。ネットワークN-1は、例えば、LAN(Local Area Network)等で構成されるイントラネット等である。
監視装置10と、ユーザ端末500とは、有線、または無線の通信回線であるネットワークN-2を介して互いに通信可能に接続される。ネットワークN-2は、例えば、LAN、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等の通信ネットワークである。なお、以下では、ネットワークN-1,N-2を特に区別する必要がない場合には、単に「ネットワークN」と称する。
監視装置10と、製造ラインPLの少なくとも一部とは、実施形態に係る製造装置50を構成する。ここに言う製造ラインPLの少なくとも一部は、積層部100と、積層部100が有する各種センサSrと、製造ラインPLに含まれるその他の各種センサSrである。
〔2-3.監視装置について〕
監視装置10は、少なくとも積層部100に設けられた各種センサSrからおむつDの製造に関する情報である第1の情報を取得し、製造ラインPLにおけるおむつDの製品に関する情報である第2の情報を取得する装置である。また、監視装置10は、取得した第1の情報および第2の情報を関連付けて記憶し、第1の情報および第2の情報に基づいて、少なくとも積層部100における異常の存否を判定し、判定結果を出力する装置である。
監視装置10は、状態解析モデルDB(Database)13bを有する。監視装置10は、状態解析モデルDB13bを用いて、第1の情報および第2の情報に基づく積層部100の状態を解析し、少なくとも積層部100における異常の存否を判定する。
状態解析モデルDB13bを用いた解析方法の具体例については、図16~図18を用いた説明で後述する。
また、監視装置10は、判定結果を自装置が有するHMI(Human Machine Interface)部12(図11参照)へ出力する。HMI部12は、対人用のインタフェース部品であり、ディスプレイ、スピーカ等の出力部品や、キーボード、タッチパネル等の入力部品を含む。
また、監視装置10は、判定結果として製造ラインPLにおける各種機構を制御する制御信号を生成し、ネットワークN-1を介し、製造ラインPLへ出力する。また、監視装置10は、ネットワークN-2を介し、判定結果をユーザ端末500へ出力する。
〔2-4.製造管理装置について〕
製造管理装置20は、製造ラインPLにおけるおむつDの製品に関する情報を管理する装置である。製造管理装置20は、製造ラインPLを管理する管理者等によって利用される。製造管理装置20は、製造管理DB21を有する。製造管理DB21は、おむつDの製品に関する各種の情報が格納される。
おむつDの製品に関する情報は、例えば、おむつDの製造計画のスケジュールや、製造された各おむつDを一意に識別する製品番号等を含む。また、おむつDの製品に関する情報は、例えば、各製品に用いられた材料の材種や組成に関する情報等を含む。材料は、パルプ、合成繊維、およびSAPのうちの少なくともいずれかを含む。
〔2-5.製造ラインについて〕
製造ラインPLは、積層部100と、積層部100以外の複数の加工部300とを有する。複数の加工部300は、上記した資材コイル201,205,211、プレス装置202、カット装置203、接着剤塗布装置204,209,210,215、スリップカット装置206,212、仮プレスロール207,213、本プレス装置208,214、レッグホールカット装置216、エンドカット装置217、各搬送経路R1~R7を形成する搬送装置といった、おむつDの製造に関わる各種の加工装置に相当する。
積層部100は、各種センサSrを有する。積層部100が有する各種センサSrは、前述の散布機102のセンサ102bや、各配管106に設けられる複数のセンサ等を含む。また、加工部300もそれぞれ、各種センサSrを有する。加工部300が有する各種センサSrは、前述のプレス装置202が有する変位センサや、振動センサ、カメラ202c等を含む。
〔2-6.ユーザ端末について〕
ユーザ端末500は、製造ラインPLの管理者や作業者等が利用する情報処理装置である。ユーザ端末500は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機や、タブレット端末、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってもよい。また、ユーザ端末500は、眼鏡型や時計型の情報処理装置であるウェアラブルデバイス(Wearable Device)であってもよい。
〔2-7.監視装置の構成例〕
次に、図11は、実施形態に係る監視装置10の構成例を示すブロック図である。図11に示すように、監視装置10は、通信部11と、HMI部12と、記憶部13と、制御部14とを有する。
また、監視装置10は、通信部11を介し、図10に示した各種センサSrや、製造管理装置20や、ネットワークN-2や、製造ラインPLの各種機構Mcが接続される。各種機構Mcは、例えば前述の配管106のダンパDpである。
通信部11は、例えばネットワークアダプタによって実現される。通信部11は、各種センサSr、ネットワークN-2、各種機構Mcと制御部14との間の通信処理を実行する。HMI部12については説明済みのため、ここでの説明は省略する。
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部13は、ばNAS(Network Attached Storage)等によって実現されてもよい。記憶部13は、図11の例では、取得情報DB13aと、状態解析モデルDB13bとを記憶する。
取得情報DB13aは、後述する製造情報取得部14a、および製品情報取得部14bによって取得される製造情報(「第1の情報」の一例に相当)と、製品情報(「第2の情報」の一例に相当)とが格納されるデータベースである。
状態解析モデルDB13bは、後述する解析部14cによって用いられる各種の状態解析モデルが格納されるデータベースである。
ここで、取得情報DB13aに格納される各種の情報について、図12~図15を参照して説明する。図12は、取得情報DB13aに格納されるセンサ情報の一例を示す図である。また、図13は、取得情報DB13aに格納されるプレート情報の一例を示す図である。また、図14は、取得情報DB13aに格納される製品情報の一例を示す図である。また、図15は、製造情報と製品情報の紐付けの一例の説明図である。
図12に示すように、取得情報DB13aは、例えば「センサ情報」を格納する。「センサ情報」は、「センサID」項目と、「設置箇所」項目と、「データ種別」項目と、「基準値」項目と、「センサデータ」項目とを含む。「センサ情報」は、おむつDの製造に関する製造情報の一例に相当する。「センサ情報」の各項目に格納されるデータは、例えば各種センサSr、および製造管理DB21から取得される。
「センサID」項目は、各種センサSrを一意に識別する識別情報が格納される。「設置箇所」項目は、各種センサSrそれぞれの設置箇所が格納される。「データ種別」項目は、各種センサSrそれぞれにおいて測定されるセンサデータの種別が格納される。「基準値」項目は、各種センサSrそれぞれにおけるセンサデータの基準値が格納される。「センサデータ」項目は、各種センサSrそれぞれにおいて測定された直近の所定期間分のセンサデータが格納される。
図12の例は、センサID「S-01」のセンサは散布機102に設けられたセンサ102bであり、かかるセンサ102bがSAPの流量を測定する流量センサであることを示している。
また、図12の例は、センサID「A-01」~「A-03」のセンサはA配管に設けられたセンサであり、センサID「A-01」、および「A-02」のセンサは圧力センサであることを示している。また、センサID「A-03」のセンサは流量センサであることを示している。なお、「A配管」は、吸気口104-Aに繋がる配管106-Aであることを表している。
また、図12の例は、センサID「B-01」~「B-03」のセンサはB配管に設けられたセンサであり、センサID「B-01」、および「B-02」のセンサは圧力センサであることを示している。また、センサID「B-03」のセンサは流量センサであることを示している。なお、「B配管」は、吸気口104-Bに繋がる配管106-Bであることを表している。
また、図12の例は、センサID「X-01」のセンサはプレス装置202に設けられた変位センサであることを示している。また、図12の例は、センサID「Y-01」のセンサはプレス装置202の下流位置に設けられたカメラ202cであることを示している。
また、各種センサSrは、これまで例に挙げたデータ種別以外のセンサデータを取得するセンサであってもよい。例えば、図12の例は、センサID「T-01」のセンサは積層部100が設けられた積層部区画に配置された温度センサであることを示している。また、図12の例は、センサID「H-01」のセンサは積層部100が設けられた積層部区画に配置された湿度センサであることを示している。
なお、積層部100の温度は、吸収体Abの比重や嵩、吸気の流量、散布物の落ち方、吸収体Abの水素結合等に影響を与えると考えられる。同様に、積層部100の湿度は、静電気の発生しやすさ、フードFdの壁面への付着による重量バランスの変化、転写のしやすさ、目詰まりのしやすさ等に影響を与えると考えられる。
また、図13に示すように、取得情報DB13aは、例えば前述のプレートPtに関する情報である「プレート情報」を格納する。「プレート情報」は、おむつDの製造に関する製造情報の一例に相当する。「プレート情報」の各項目に格納されるデータは、例えば製造管理DB21から取得される。
「プレート情報」は、「凹部ID」項目と、「プレードID」項目と、「論理番号」項目と、「前後プレート」項目と、「使用開始日」項目と、「前回メンテ日」項目と、「交換予定日」項目とを含む。
「凹部ID」項目は、回転ドラム103の凹部103aを一意に識別する識別情報が格納される。「プレートID」項目は、プレートPtを一意に識別する識別情報が格納される。
「論理番号」項目は、製造ラインPLにおいて各プレートPtに対し循環的に割り当てられる論理番号が格納される。「前後プレート」項目は、回転ドラム103の外周面における一のプレートPtの前後の取り付け方向を示すプレートIDが格納される。
「使用開始日」項目は、該当のプレートPtの使用開始日が格納される。「前回メンテ日」は、該当のプレートPtの前回のメンテナンス日が格納される、「交換予定日」項目は、該当のプレートPtの交換予定日が格納される。
また、図14に示すように、取得情報DB13aは、例えば前述の製品に関する情報である「製品情報」を格納する。「製品情報」は、「製品番号」項目と、「製造日時」項目と、「日次SEQ番号」項目と、「対応論理番号」項目と、「パルプ材種」項目と、「SAP水分量」項目とを含む。「製品情報」は、おむつDの製品に関する製品情報の一例に相当する。「製品情報」の各項目に格納されるデータは、例えば製造管理DB21から取得される。
「製品番号」項目は、おむつDを一意に識別する識別情報が格納される。「製造日時」項目は、おむつDそれぞれが製造された製造日時が格納される。「日次SEQ番号」は、例えば製造番号の一部に含まれる番号であり、日次の製造ラインPLの稼働ごとにおむつDそれぞれに割り当てられるシーケンシャル番号が格納される。
「対応論理番号」項目は、例えば日次の製造ラインPLの稼働開始時に、日次の最初の製品番号に対応する論理番号(図13参照)が格納される。
図15に示すように、プレートPtの論理番号は、各プレートPtに対し循環的に割り当てられる。なお、図15の例は、回転ドラム103に対し、凹部103aが8つ設けられている場合を示している。
一方で、日次SEQ番号は、時間の経過とともにシーケンシャルに割り当てられる。ここで、図14に示したように、例えば日次の最初の製品番号に対応する論理番号を紐付けておくことで、不良品のおむつDが発生した場合に、当該おむつDに対応する論理番号を割り出すことが可能となる。また、これにより、当該論理番号に該当するプレートPtを特定することが可能となる。
なお、ここでは「日次」としたが、これは、あくまで製造ラインPLが稼働を開始するタイミングが日ごとであるという前提に基づく一例であって、SEQ番号のカウントが開始されるタイミングを限定するものではない。
また、図15に示したのは、あくまで製造情報と製品情報の紐付けの一例であって、無論、他の方法も用いることができる。他の一例としては、例えば、吸収体搬送経路R2の搬送速度を不変とすれば、吸収体Abに不具合が発見された時間と当該吸収体Abから積層部100までの距離、およびかかる距離に含まれる吸収体Abの個数から、該当するプレートPtを割り出すことが可能である。
図14の説明に戻る。また、「製品情報」の「パルプ材種」項目は、該当の製品番号のおむつDを製造するに用いられたパルプ材種を示すデータ(ここでは、「b種」)が格納される。なお、パルプ材種により目詰まりやすさが異なると考えられる。また、「SAP水分量」項目は、該当の製品番号のおむつDを製造するに用いられたSAPの水分量を示すデータが格納される。
なお、図14には示していないが、「製品情報」は、おむつDの完成品だけでなく半製品に関する情報をも含む。したがって、例えば図9に示した言わば半製品のX線画像を二値化した二値化画像等の画像(図12参照)のデータは、製品情報に含まれることとしてもよい。また、画像のデータは、二値化画像以外の画像や輝度分布画像であってもよい。
後述する解析部14cは、図12~図14に示した各種情報に基づいて積層部100の状態を解析することにより、少なくとも積層部100における異常の存否を判定することが可能となる。
図11の説明に戻る。制御部14は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部13に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部14は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
制御部14は、製造情報取得部14aと、製品情報取得部14bと、解析部14cと、判定部14dと、出力部14eとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
製造情報取得部14aは、通信部11を介し、各種センサSrや製造管理装置20からおむつDの製造に関する製造情報を取得する。また、製造情報取得部14aは、取得した製造情報を取得情報DB13aへ格納する。
製品情報取得部14bは、通信部11を介し、各種センサSrや製造管理装置20からおむつDの製品に関する製品情報を取得する。また、製品情報取得部14bは、取得した製品情報を取得情報DB13aへ格納する。
解析部14cは、取得情報DB13aへ格納された製造情報および製品情報に基づき、状態解析モデルDB13bに格納された各種の状態解析モデルを用いて、積層部100の状態を解析する。
ここで、解析部14cが実行する状態解析モデルを用いた解析処理の具体例について、図16~図18を参照しつつ説明する。図16は、解析処理の具体例を示す図(その1)である。また、図17は、解析処理の具体例を示す図(その2)である。また、図18は、解析処理の具体例を示す図(その3)である。
解析部14cは、最も単純には、所定の異常判定閾値によって積層部100の状態を解析する状態解析モデルを用いる。かかる場合、解析部14cは、各種センサSrの種別に応じ、センサデータが異常判定閾値を超えるまたは異常判定閾値以下である場合に、少なくとも積層部100に異常があると解析する。
また、解析部14cは、図16に示すように、例えば積層部100のA配管、B配管、…ごとに設けられた状態解析モデルを用いて配管106ごとの状態を解析する。そして、解析部14cは、かかる配管106ごとの解析結果に基づいて、積層部100全体の解析結果を生成する。
かかる場合、解析部14cは、例えば各配管106の解析結果うちの少なくともいずれかに異常が認められる場合に、積層部100全体に異常があると解析する。また、解析部14cは、例えば各配管106の解析結果うちの過半数に異常が認められる場合に、積層部100全体に異常があると解析する。また、解析部14cは、例えば各配管106の解析結果うちのすべてに異常が認められる場合に、積層部100全体に異常があると解析する。
なお、図16の例は、少なくとも積層部100の各配管106に設けられたセンサデータに基づく例を示しているが、製造ラインPL全体における各種センサSrのそれぞれに対応する状態解析モデルを用いることとしてもよい。
また、解析部14cは、図17に示すように、例えば各種センサSrのセンサデータ等に基づく多変量解析によって、積層部100の状態を解析する。かかる場合、解析部14cは、例えば状態解析モデルDB13bに状態解析モデルとして含まれる多変量解析モデルを用いて積層部100の状態を示す評価スコアを算出する。
多変量解析モデルは、各種センサSrのセンサデータや、前述の製造情報、および製品情報の各要素を説明変数とする異常予知のための統計式を解くことによって、解析部14cに積層部100の状態の評価スコアを算出させる。
このとき、説明変数には、製造情報、および製品情報の各要素が示す状況に応じて適宜重みが付与されてもよい。例えば、プレートPtの異常を示す説明変数は、プレートPtの交換予定日までの日数に応じ、日数が長ければ重くなるように、短ければ軽くなるように重みが付与されてもよい。
また、解析部14cは、図18に示すように、例えば状態解析モデルDB13bに状態解析モデルとして含まれる正常状態モデルを用いて積層部100の状態を解析する。正常状態モデルは、製造ラインPLの正常稼働時における各種センサSrのセンサデータの相関性を機械学習することによって生成された学習モデルである。
かかる正常状態モデルは、例えばリアルタイムの各種センサSrのセンサデータが入力されることによって、正常状態からの乖離度を算出する。機械学習のアルゴリズムとしては、例えば深層学習のアルゴリズム等が用いられる。
なお、機械学習のアルゴリズムを用いる場合、正常状態モデルは、例えばカメラ202cによって前述の分布状態を示す画像が入力された場合に、正常な分布状態からの乖離度を算出するものであってもよい。また、図18に示した正常状態モデルを用いる場合、正常状態からの乖離度を判定するので、異常までには至らない異常の予兆を検知するのにも有用である。
図11の説明に戻る。判定部14dは、解析部14cによる解析結果に基づいて、少なくとも積層部100における異常の存否を判定する。出力部14eは、判定部14dによる判定結果を出力する。
出力部14eは、判定結果をHMI部12へ出力する。また、出力部14eは、通信部11を介し、判定結果をユーザ端末500へ出力する。このとき、出力部14eは、判定結果を例えば作業員等に対する指示内容に変換し、HMI部12および/またはユーザ端末500へ出力する。指示内容は、各種機構Mcに対する作業員の操作内容等を含む。
出力部14eは、次回のメンテナンス予定日までの期間が短ければ、それまでの短期的な延命化を図るブースト制御のための指示内容を出力する。具体的には、出力部14eは、解析部14cによる解析結果として例えばプレートPtの目詰まりが想定される場合には、作業員に吸気ファン108の風量を上げさせる指示内容を出力する。また、出力部14eは、同様の場合に、ダンパDpの開度を調整させる指示内容を出力する。また、出力部14eは、同様の場合に、該当のプレートPtを掃除させる指示内容を出力する。
また、出力部14eは、各種機構Mcが自動的な制御が可能である場合には、判定結果として各種機構Mcを制御する制御信号を生成し、各種機構Mcへ出力する。
〔3.処理手順〕
次に、図19を参照して、実施形態に係る監視装置10が実行する処理手順について説明する。図19は、実施形態に係る監視装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
まず、製造情報取得部14aが、少なくとも積層部100に設けられたセンサからおむつの製造に関する製造情報を取得する(ステップS101)。
そして、製品情報取得部14bが、製造ラインPLにおけるおむつDの製品に関する製品情報を取得する(ステップS102)。
そして、記憶部13は、製造情報および製品情報を関連付けて記憶する(ステップS103)。
また、判定部14dは、記憶された製造情報および製品情報に基づいて少なくとも積層部100における異常の存否を判定する(ステップS104)。そして、出力部14eが、判定部14dによる判定結果を出力し(ステップS105)、監視装置10は、ステップS101からの処理を繰り返す。
なお、これまでは、各種センサSrとして、圧力センサや、流量センサや、変位センサ、カメラ、温度センサ、および湿度センサを例に挙げてきたが、センサの種別を限定するものではない。したがって、吸収性物品の製造ラインPLに設けられるものであれば如何なるセンサでもよく、例えば連続ウェブのテンションを測定するテンションセンサ等であってもよい。
〔4.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る監視装置10は、例えば図20に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図20は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置であるキャッシュ1040、二次記憶装置であるメモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が監視装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、製造情報取得部14a、製品情報取得部14b、解析部14c、判定部14d、および出力部14eの機能を実現することとなる。
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。