JP7789096B2 - 太陽電池および太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池および太陽電池の製造方法

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Description

本発明の実施形態は、太陽電池および太陽電池の製造方法に関する。
太陽電池パネルを積層したタンデム型太陽電池がある。タンデム型太陽電池は、第1の太陽電池パネルと、第1の太陽電池パネルの受光面側に積層された光透過型の第2の太陽電池パネルと、を備える。第1の太陽電池パネル、および第2の太陽電池パネルは、互いに異なる吸収波長域を持つ半導体材料により形成されている。タンデム型太陽電池は、従来の太陽電池と比べて幅広い波長の光を電気エネルギーに変換でき、高いエネルギー変換効率を持つ。このため、タンデム型太陽電池は、飛行体やモビリティ等の移動体の電源として好適である。
ところで、タンデム型太陽電池は、移動体等に搭載された場合、搭載先の機器によっては重量の制約を受ける。タンデム型太陽電池は、太陽電池パネルに封止材および保護材を積層して形成されるので、軽量化を図るという観点で封止材および保護材の構成には改善の余地がある。しかしながら、タンデム型太陽電池は、軽量化を目的として薄型化すると、表面に凹凸が発生する等して発電効率が低下する可能性がある。
再公表WO2019/180854号公報
本発明が解決しようとする課題は、高効率かつ軽量な太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することである。
実施形態の太陽電池は、第1太陽電池パネルと、第2太陽電池パネルと、第1封止層と、第2封止層と、第3封止層と、第1保護材と、を持つ。第2太陽電池パネルは、第1太陽電池パネルの受光面に対向するように配置された光透過型である。第1封止層は、第2太陽電池パネルに第1太陽電池パネルとは反対側から積層されている。第1封止層の厚さは、50μm以上400μm以下である。第2封止層は、第1太陽電池パネルおよび第2太陽電池パネルの間に配置されている。第2封止層は、第1太陽電池パネルおよび第2太陽電池パネルに直接接するように積層されている。第2封止層の厚さは、30μm以上400μm以下である。第3封止層は、第1太陽電池パネルに第2封止層とは反対側から積層されている。第3封止層の厚さは、50μm以上400μm以下である。第1保護材は、第1封止層に第2太陽電池パネルとは反対側から積層されている。第1保護材の厚さは、25μm以上200μm以下である。太陽電池の厚さは、第1太陽電池パネルの受光面の法線方向から見て第1太陽電池パネルおよび第2太陽電池パネルが重なり合う箇所で350μm以上1140μm以下である。
実施形態のタンデム型太陽電池の層構成を示す平面図。 実施形態のタンデム型太陽電池の展開図。 実施形態のボトムモジュールを示す平面図。 実施形態のトップモジュールを示す平面図。 実施形態のボトムモジュールおよびトップモジュールの位置関係を示す平面図。 図1のVI-VI線におけるタンデム型太陽電池の断面図。 実施形態の加熱工程の一例を示す図。 実施形態の変形例のタンデム型太陽電池を備えた機器の展開図。
以下、実施形態の太陽電池および太陽電池の製造方法を、図面を参照して説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
図1は、実施形態のタンデム型太陽電池の層構成を示す平面図である。図2は、実施形態のタンデム型太陽電池の展開図である。なお図1では、タンデム型太陽電池1の積層構造を示すために、一部の層を破断して示している。
図1および図2に示すように、タンデム型太陽電池1は、矩形の平板状に形成されている。以下、タンデム型太陽電池1の厚さ方向を、単に「厚さ方向」と称する。ここで、説明の便宜上、厚さ方向に直交する+X方向、-X方向、+Y方向、および-Y方向について定義する。-X方向は、+X方向とは反対方向である。+X方向と-X方向とを区別しない場合は、単に「X方向」と称する。+Y方向および-Y方向は、X方向とは直交する方向である。-Y方向は、+Y方向とは反対方向である。+Y方向と-Y方向とを区別しない場合は、単に「Y方向」と称する。また、厚さ方向の一方向を「表側」と定義し、表側とは反対方向を「裏側」と定義する。
タンデム型太陽電池1は、バックセルを構成する太陽電池セル12を備えたボトムモジュール10と、ボトムモジュール10の表側に配置されてフロントセルを構成する太陽電池セル52を備えたトップモジュール50と、ボトムモジュール10およびトップモジュール50を収容するパッケージ80と、を備える。タンデム型太陽電池1は、ボトムモジュール10およびトップモジュール50のそれぞれから電流を取り出す4端子型の太陽電池である。
図3は、実施形態のボトムモジュールを示す平面図である。なお図3ではパッケージ80の外形を仮想線で示している。
図3に示すように、ボトムモジュール10は、直列接続された複数のボトム太陽電池パネル11(第1太陽電池パネル、他の太陽電池パネル)を備える。全てのボトム太陽電池パネル11は、共通するXY平面に沿って配置されている。ボトム太陽電池パネル11には、少なくとも1つの太陽電池セル12が形成されている。ボトム太陽電池パネル11には、単一の太陽電池セル12が形成されていてもよいし、直並列接続された複数の太陽電池セル12が形成されていてもよい。太陽電池セル12は、光吸収層に間接遷移型の半導体であるSiを用いたシリコン系の太陽電池セルである。太陽電池セル12は、例えば光吸収層の裏側にn型電極およびp型電極を有するバックコンタクト型の結晶シリコン太陽電池セルである。太陽電池セル12は、結晶系シリコン太陽電池セルなど、他の態様の太陽電池セルであってもよい。太陽電池セル12として、例えば、単結晶、多結晶、ヘテロ接合型、アモルファス等のシリコン系太陽電池セルや、CIS系、CIGS系の化合物太陽電池セルなどが採用される。更に、太陽電池セル12のセル電極構造(p電極、n電極)としてメタルラップスルー構造および両面受光構造が組み合わされてもよい。ボトム太陽電池パネル11は、受光面を表側に向けて配置されている。すなわち、ボトム太陽電池パネル11の受光面の法線方向は、厚さ方向に沿う。各ボトム太陽電池パネル11は、厚さ方向から見た平面視で一対の辺がX方向に延び、かつ残りの一対の辺がY方向に延びる矩形状に形成されている。本実施形態では、各ボトム太陽電池パネル11は、平面視でX方向を長手方向とする矩形状に形成されている。
ボトムモジュール10は、直列接続された複数個のボトム太陽電池パネル11により形成されたボトムパネル列11R(少なくとも1つの第1太陽電池パネル)を複数列備えている。各ボトムパネル列11Rにおいてボトム太陽電池パネル11は、間隔をあけてX方向に並んでいる。各ボトムパネル列11Rの全体の外形は、平面視でX方向を長手方向とする矩形状に形成されている。ボトムパネル列11Rは、間隔をあけてY方向に並んでいる。これにより、複数のボトム太陽電池パネル11は、X方向およびY方向に整列している。整列した複数のボトム太陽電池パネル11の全体の外形は、X方向を長手方向とする矩形状に形成されている。図示の例では、ボトムモジュール10は、4個のボトム太陽電池パネル11により形成されたボトムパネル列11Rを5列備えている。ただし、ボトム太陽電池パネル11の個数は特に限定されない。以下、複数のボトムパネル列11Rのうち最も+Y方向に位置するボトムパネル列11Rを基準として、-Y方向に数えてN個目に位置するボトムパネル列11Rを「N番目のボトムパネル列11R」と称する。後述するトップパネル列51Rについても同様である。
ボトム太陽電池パネル11は、n型電極に電気的に接続された負極端子13と、p型電極に電気的に接続された正極端子14と、を備える。負極端子13および正極端子14は、太陽電池セル12がバックコンタクト型の太陽電池セルの場合、ボトム太陽電池パネル11の裏面に設けられている。負極端子13は、奇数番目のボトムパネル列11Rにおいてボトム太陽電池パネル11の+X方向の端部に設けられ、偶数番目のボトムパネル列11Rにおいてボトム太陽電池パネル11の-X方向の端部に設けられている。正極端子14は、各ボトム太陽電池パネル11における負極端子13とは反対側の端部に設けられている。
ボトムモジュール10は、インターコネクタ16と、パネル列端コネクタ17と、ボトムバスバー20と、を備える。
インターコネクタ16は、ボトムパネル列11R内で隣り合うボトム太陽電池パネル11を直列接続している。インターコネクタ16は、金属板により形成されている。例えば、インターコネクタ16は、両主面にはんだめっき層を有する銅板や銅線、銅箔により形成されている。インターコネクタ16は、平面視でX方向に隣り合う一対のボトム太陽電池パネル11の間隔を跨ぐように延びている。インターコネクタ16は、一方のボトム太陽電池パネル11の負極端子13および他方のボトム太陽電池パネル11の正極端子14に接続している。
パネル列端コネクタ17は、各ボトムパネル列11Rのボトム太陽電池パネル11における負極端子13および正極端子14のうちインターコネクタ16が接続されていない端子に接続されている。つまり、パネル列端コネクタ17は、ボトムパネル列11Rの電気的な端部となる負極端子13および正極端子14に接続されている。パネル列端コネクタ17は、金属板により形成されている。例えば、パネル列端コネクタ17は、インターコネクタ16と同じ材料により形成されている。パネル列端コネクタ17は、平面視でボトムパネル列11RからX方向に突出している。
ボトムバスバー20は、平面視で複数のボトム太陽電池パネル11の全体の周囲に配置されている。本実施形態において、複数のボトム太陽電池パネル11の全体の周囲とは、複数のボトム太陽電池パネル11を単一の矩形状のパネルと見なした場合の当該パネルの周囲を意味する。ボトムバスバー20は、金属板により形成されている。例えば、ボトムバスバー20は、両主面にはんだめっき層を有する銅板により形成されている。ボトムバスバー20は、Y方向に沿って延びている。ボトムバスバー20は、互いに接触しないように配置されている。ボトムバスバー20は、パネル間バスバー21と、端子用バスバー22と、を備える。
パネル間バスバー21は、隣り合うボトムパネル列11R同士をパネル列端コネクタ17を介して直列接続している。パネル間バスバー21は、平面視でボトムパネル列11Rの+X方向、および-X方向の両側に配置されている。+X方向のパネル間バスバー21は、nを偶数とした場合、n番目のボトムパネル列11Rと(n+1)番目のボトムパネル列11Rとを直列接続している。具体的には、+X方向のパネル間バスバー21は、n番目のボトムパネル列11Rに接続された+X方向のパネル列端コネクタ17と、(n+1)番目のボトムパネル列11Rに接続された+X方向のパネル列端コネクタ17と、に接続されている。-X方向のパネル間バスバー21は、mを奇数とした場合、m番目のボトムパネル列11Rと(m+1)番目のボトムパネル列11Rとを直列接続している。具体的には、-X方向のパネル間バスバー21は、m番目のボトムパネル列11Rに接続された-X方向のパネル列端コネクタ17と、(m+1)番目のボトムパネル列11Rに接続された-X方向のパネル列端コネクタ17と、に接続されている。
端子用バスバー22は、パネル列端コネクタ17のうちパネル間バスバー21に接続されていないパネル列端コネクタ17に接続されている。つまり、端子用バスバー22は、直列接続された複数のボトム太陽電池パネル11を1つの太陽電池と見なした場合、1つの太陽電池の電気的な端部となる負極端子13および正極端子14にパネル列端コネクタ17を介して接続されている。端子用バスバー22は、平面視でボトムパネル列11Rの+X方向、および-X方向の両側に配置されている。+X方向の端子用バスバー22は、1番目のボトムパネル列11Rに接続された+X方向のパネル列端コネクタ17に接続されている。+X方向の端子用バスバー22は、パネル列端コネクタ17との接続部から+Y方向に延びて、パッケージ80の外側に引き出されている。-X方向の端子用バスバー22は、ボトムパネル列11Rの数をNとした場合、N番目のボトムパネル列11Rに接続された-X方向のパネル列端コネクタ17に接続されている。-X方向の端子用バスバー22は、パネル列端コネクタ17との接続部から-Y方向に延びて、パッケージ80の外側に引き出されている。
ボトムバスバー20は、当該ボトムバスバー20に接続された各ボトムパネル列11Rよりも+Y方向に延びている。例えば、+X方向のパネル間バスバー21は、mを奇数とした場合、m番目のボトムパネル列11Rとの接続部からm番目のボトムパネル列11Rよりも+Y方向に延びて(m-1)番目のボトムパネル列11Rに接続している。さらに、+X方向のパネル間バスバー21は、(m-1)番目のボトムパネル列11Rとの接続部から(m-1)番目のボトムパネル列11Rよりも+Y方向に延びている。
ボトムモジュール10は、フレキシブル基板30と、バイパスダイオード40と、を備える。フレキシブル基板30は、ボトムパネル列11R毎に設けられている。フレキシブル基板30は、ボトムパネル列11Rに並列接続されてボトムパネル列11Rのバイパスラインを形成する。フレキシブル基板30は、ボトムパネル列11Rの電気的な端部となる負極端子13および正極端子14にボトムバスバー20およびパネル列端コネクタ17を介して接続されている。フレキシブル基板30は、ボトム太陽電池パネル11の裏側に配置されて、平面視でボトム太陽電池パネル11に重なっている。フレキシブル基板30は、平面視で一定の幅でボトムパネル列11Rの長手方向(すなわちX方向)に沿って延びている。
フレキシブル基板30は、両主面を厚さ方向に向けた状態で配置されている。フレキシブル基板30は、配線31と、配線31を支持する基材32と、を備える。例えば、配線31は、銅箔等により形成されている。配線31は、フレキシブル基板30の略全長にわたって延びている。基材32は、ポリイミド等の絶縁材料によりシート状に形成されている。基材32は、フレキシブル基板30の両端部で、配線31を表側に露出させている。配線31は、フレキシブル基板30の両端部で基材32から表側に露出している。ただし、フレキシブル基板30の両端部付近にフライングリードを用いて、基材32から表側および裏側の両方に配線31が露出した構成としてもよい。配線31は、フレキシブル基板30の両端部でボトムバスバー20の裏面に接続されている。
バイパスダイオード40は、フレキシブル基板30に実装されている。バイパスダイオード40は、配線31の中途部に接続されている。バイパスダイオード40は、配線31を整流している。バイパスダイオード40は、配線31の裏面に接続されて、フレキシブル基板30から裏側に突出している。
図4は、実施形態のトップモジュールを示す平面図である。なお図4ではパッケージ80の外形を仮想線で示している。
図4に示すように、トップモジュール50は、複数のトップ太陽電池パネル51(第2太陽電池パネル)を有する。全てのトップ太陽電池パネル51は、共通するXY平面に沿って配置されている。トップ太陽電池パネル51は、ボトム太陽電池パネル11と同数設けられている。トップ太陽電池パネル51には、1つの太陽電池セル52が形成されている。ただし、トップ太陽電池パネル51には、直並列接続された複数の太陽電池セルが形成されていてもよい。太陽電池セル52は、光吸収層に直接遷移型の半導体を用いた光透過型の太陽電池セルである。太陽電池セル52は、ボトムモジュール10の太陽電池セル12の光吸収層よりもバンドギャップの広い光吸収層を有する。太陽電池セル52の光吸収層は、直接遷移型の半導体として亜酸化銅(CuO)を含む。太陽電池セル52は、ガラス基板の表側に、p電極、p-光吸収層、n-化合物層、n電極が順に積層された構成となっている。p電極は、トップ太陽電池パネル51の+Y方向の端部で表側に露出している。n電極は、トップ太陽電池パネル51の-Y方向の端部で表側に露出している。p電極およびn電極は、トップ太陽電池パネル51の表側の面で電流取り出し用の端子として機能する。トップ太陽電池パネル51は、受光面を表側に向けて配置されている。すなわち、トップ太陽電池パネル51の受光面の法線方向は、厚さ方向に沿う。
トップモジュール50は、並列接続された複数個のトップ太陽電池パネル51によって形成されたトップパネル列51Rを複数列備えている。各トップパネル列51Rにおいてトップ太陽電池パネル51は、間隔をあけてX方向に並んでいる。各トップパネル列51Rの全体の外形は、平面視でX方向を長手方向とする矩形状に形成されている。トップパネル列51Rは、互いに直列接続されている。トップパネル列51Rは、間隔をあけてY方向に並んでいる。これにより、複数のトップ太陽電池パネル51は、X方向およびY方向に整列している。整列した複数のトップ太陽電池パネル51の全体の外形は、X方向を長手方向とする矩形状に形成されている。トップ太陽電池パネル51は、各ボトム太陽電池パネル11に1つずつ重なるように配置されている。これにより、図示の例では、トップモジュール50は、4個のトップ太陽電池パネル51により形成されたトップパネル列51Rを5列備えている。
図5は、実施形態のボトムモジュールおよびトップモジュールの位置関係を示す平面図である。
図5に示すように、各トップ太陽電池パネル51は、ボトムモジュール10のボトム太陽電池パネル11の受光面(表側の面)に対向するように配置されている。トップ太陽電池パネル51は、ボトム太陽電池パネル11と同等以上の大きさに形成されている。トップ太陽電池パネル51は、平面視でボトム太陽電池パネル11の全体に重なっている。トップ太陽電池パネル51の太陽電池セル52は、平面視でボトム太陽電池パネル11の太陽電池セル12の全体に重なっている。換言すると、ボトム太陽電池パネル11の各太陽電池セル12の全体は、平面視でトップ太陽電池パネル51の太陽電池セル52の外形線の内側に配置されている。
図4に示すように、トップモジュール50は、インターコネクタ60と、トップバスバー70と、を備える。例えば、インターコネクタ60は、両主面にはんだめっき層を有する銅線や銅板、銅箔、あるいは導電性テープにより形成されている。インターコネクタ60は、トップパネル列51R毎に一対設けられている。インターコネクタ60は、トップ太陽電池パネル51のp電極と導通する第1インターコネクタ61と、トップ太陽電池パネル51のn電極と導通する第2インターコネクタ62と、をトップパネル列51R毎に備える。各インターコネクタ60は、平面視で一定の幅で、トップパネル列51R内におけるトップ太陽電池パネル51の整列方向(すなわちX方向)に沿って延びている。第1インターコネクタ61は、各トップパネル列51Rのトップ太陽電池パネル51の+Y方向の端部の表面に接合されている。第1インターコネクタ61は、各トップパネル列51Rのトップ太陽電池パネル51のp電極を共通して接続する。第2インターコネクタ62は、各トップパネル列51Rのトップ太陽電池パネル51の-Y方向の端部の表面に接合されている。第2インターコネクタ62は、各トップパネル列51Rのトップ太陽電池パネル51のn電極を共通して接続する。インターコネクタ60は、平面視でボトム太陽電池パネル11の太陽電池セル12に重ならないように配置されることが望ましい。
インターコネクタ60は、トップパネル列51Rよりもそれぞれ+X方向または-X方向に延びている。奇数番目のトップパネル列51Rに接合された第1インターコネクタ61は、当該トップパネル列51Rよりも-X方向に延びている。偶数番目のトップパネル列51Rに接合された第1インターコネクタ61は、当該トップパネル列51Rよりも+X方向に延びている。奇数番目のトップパネル列51Rに接合された第2インターコネクタ62は、当該トップパネル列51Rよりも+X方向に延びている。偶数番目のトップパネル列51Rに接合された第2インターコネクタ62は、当該トップパネル列51Rよりも-X方向に延びている。インターコネクタ60は、トップパネル列51RよりもX方向に突出した箇所で、トップバスバー70に接続している。
トップバスバー70は、平面視でトップパネル列51Rの+X方向、および-X方向の両側に配置されている。トップバスバー70は、平面視で複数のトップ太陽電池パネル51の全体の周囲に配置されている。本実施形態において、複数のトップ太陽電池パネル51の全体の周囲とは、複数のトップ太陽電池パネル51を単一の矩形状のパネルと見なした場合の当該パネルの周囲を意味する。トップバスバー70は、ボトムバスバー20とX方向における同じ位置に配置されている。トップバスバー70は、金属板により形成されている。例えば、トップバスバー70は、ボトムバスバー20と同じ材料により形成されている。トップバスバー70は、Y方向に沿って延びている。トップバスバー70は、互いに接触しないように配置されている。トップバスバー70は、パネル間バスバー71と、端子用バスバー72と、を備える。
パネル間バスバー71は、隣り合うトップパネル列51R同士をインターコネクタ60を介して直列接続している。パネル間バスバー71は、平面視でトップパネル列51Rの+X方向、および-X方向の両側に配置されている。+X方向のパネル間バスバー71は、mを奇数とした場合、m番目のトップパネル列51Rに接続された第2インターコネクタ62の+X方向の端部と、(m+1)番目のトップパネル列51Rに接続された第1インターコネクタ61の+X方向の端部と、に接続されている。-X方向のパネル間バスバー71は、nを偶数とした場合、n番目のトップパネル列51Rに接続された第2インターコネクタ62の-X方向の端部と、(n+1)番目のトップパネル列51Rに接続された第1インターコネクタ61の-X方向の端部と、に接続されている。
端子用バスバー72は、直並列接続された複数のトップ太陽電池パネル51を1つの太陽電池と見なした場合、1つの太陽電池の電気的な端部となるp電極およびn電極にインターコネクタ60を介して接続されている。端子用バスバー72は、平面視でトップパネル列51Rの+X方向、および-X方向の両側に配置されている。-X方向の端子用バスバー72は、1番目のトップパネル列51Rに接続された第1インターコネクタ61の-X方向の端部に接続されている。-X方向の端子用バスバー72は、第1インターコネクタ61との接続部から+Y方向に延びて、パッケージ80の外側に引き出されている。+X方向の端子用バスバー72は、トップパネル列51Rの数をNとした場合、N番目のトップパネル列51Rに接続された第2インターコネクタ62の+X方向の端部に接続されている。+X方向の端子用バスバー72は、第2インターコネクタ62との接続部から-Y方向に延びて、パッケージ80の外側に引き出されている。
なお、図示しないが、各トップ太陽電池パネル51には、バイパスダイオードが並列接続されていてもよい。例えば、バイパスダイオードは、トップパネル列51R毎に1つずつ設けることができる。この場合、バイパスダイオードは、トップパネル列51Rの+X方向または-X方向の位置で、第1インターコネクタ61および第2インターコネクタ62に接続してもよい。
図1に示すように、パッケージ80は、ボトムバスバー20の端子用バスバー22を引き出した状態でボトムモジュール10を収容しているとともに、トップバスバー70を引き出した状態でトップモジュール50を収容している。パッケージ80は、フロントカバー81(第1保護材)と、バックカバー82(第2保護材)と、を備える。フロントカバー81は、ボトムモジュール10およびトップモジュール50の表側に配置されている。バックカバー82は、ボトムモジュール10およびトップモジュール50の裏側に配置されている。
フロントカバー81は、フッ素系樹脂により形成された透光性を有する単層フィルムである。例えば、フッ素系樹脂は、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)やクロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)等である。フロントカバー81は、平面視で一対の辺がX方向に延び、かつ残りの一対の辺がY方向に延びる矩形状に形成されている。フロントカバー81は、ボトムモジュール10のうち端子用バスバー22の先端を除く部分、およびトップモジュール50のうち各トップバスバー70の先端を除く部分の全体に平面視で重なるように配置されている。以下、ボトムモジュール10およびトップモジュール50それぞれのうち、平面視でフロントカバー81が重なる部分を主要部と称する。フロントカバー81の表側の面は、タンデム型太陽電池1の光入射面を形成している。
バックカバー82は、フロントカバー81と同様に、フッ素系樹脂により形成された透光性を有する単層フィルムである。バックカバー82は、平面視でフロントカバー81と同形同大に形成されている。バックカバー82は、平面視でフロントカバー81に完全に重なるように配置されている。
図2に示すように、パッケージ80は、封止材83を備える。封止材83は、フロントカバー81とバックカバー82との間に配置されている。封止材83は、透光性および絶縁性を有する樹脂材料により形成されている。封止材83は、フロントカバー81とバックカバー82との間で複数の絶縁フィルム90を積層して加熱処理により互いに一体化することにより形成されている。各絶縁フィルム90は、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン系樹脂およびアイオノマー系樹脂のうち少なくともいずれかを含む単層フィルムである。
図6は、図1のVI-VI線におけるタンデム型太陽電池の断面図である。
図2および図6に示すように、複数の絶縁フィルム90は、トップモジュール50とフロントカバー81との間に配置される第1絶縁フィルム91(第1封止材)と、ボトムモジュール10とトップモジュール50との間に配置される第2絶縁フィルム92(第2封止材)と、ボトムモジュール10とバックカバー82との間に配置される第3絶縁フィルム93(第3封止材)と、を含む。これにより、絶縁フィルム90の層間には、ボトムモジュール10およびトップモジュール50が配置されている。第3絶縁フィルム93には、フレキシブル基板30が埋設されている。各絶縁フィルム90は、フロントカバー81およびバックカバー82と同様に、平面視でボトムモジュール10およびトップモジュール50それぞれの主要部全体に重なっている。さらに、絶縁フィルム90は、ボトムモジュール10およびトップモジュール50の平面視外側で互いに重なり合っている。
図6に示すように、封止材83は、第1封止層84と、第2封止層85と、第3封止層86と、を備える。第1封止層84は、トップ太陽電池パネル51にボトム太陽電池パネル11とは反対側から直接接するように積層されている。第1封止層84は、第1絶縁フィルム91のうち平面視でトップ太陽電池パネル51に重なる部分である。第2封止層85は、ボトム太陽電池パネル11およびトップ太陽電池パネル51の間に配置されている。第2封止層85は、ボトム太陽電池パネル11およびトップ太陽電池パネル51に直接接するように積層されている。第2封止層85は、第2絶縁フィルム92のうち平面視でボトム太陽電池パネル11およびトップ太陽電池パネル51に重なる部分である。これにより、ボトム太陽電池パネル11およびトップ太陽電池パネル51の間には、第2封止層85のみが配置されている。第3封止層86は、ボトム太陽電池パネル11に第2封止層85とは反対側から直接接するように積層されている。第3封止層86は、第3絶縁フィルム93のうち平面視でボトム太陽電池パネル11に重なる部分である。
タンデム型太陽電池1の各構成部材の厚さについて、図6を参照して説明する。
フロントカバー81の厚さは、25μm以上200μm以下、好ましくは50μm以上150μm以下、より好ましくは50μm以上100μm以下である。第1封止層84の厚さは、50μm以上400μm以下、好ましくは50μm以上200μm以下、より好ましくは100μm以上200μm以下である。トップ太陽電池パネル51の厚さは、30μm以上150μm以下、好ましくは35μm以上80μm以下である。例えば、トップ太陽電池パネル51の厚さは、ガラス基板の厚さである。第2封止層85の厚さは、30μm以上400μm以下、好ましくは35μm以上200μm以下、より好ましくは100μm以上200μm以下である。ボトム太陽電池パネル11の厚さは、100μm以上150μm以下である。例えば、ボトム太陽電池パネル11の厚さは、シリコンウエハ(シリコン基板)の厚さである。第3封止層86の厚さは、50μm以上400μm以下、好ましくは50μm以上200μm以下、より好ましくは100μm以上200μm以下である。なお、第3封止層86にフレキシブル基板30が埋設されている場合、第3封止層86の厚さはフレキシブル基板30を含めた厚さである。バックカバー82の厚さは、25μm以上200μm以下、好ましくは50μm以上150μm以下、より好ましくは50μm以上100μm以下である。さらに、タンデム型太陽電池1の厚さは、平面視でボトム太陽電池パネル11およびトップ太陽電池パネル51が重なり合う箇所で375μm以上1290μm以下である。例えば、タンデム型太陽電池1の各部の厚さは、断面SEM等で測定される。
タンデム型太陽電池1の製造方法について説明する。
本実施形態では、上述したフロントカバー81、バックカバー82、ボトムモジュール10、トップモジュール50および絶縁フィルム90を積層した積層体2を加熱して一体化することによりタンデム型太陽電池1を形成する。本実施形態の製造方法は、プレヒート工程と、積層工程と、加熱工程と、を備える。
最初に、プレヒート工程を行う。プレヒート工程では、第1絶縁フィルム91、第2絶縁フィルム92および第3絶縁フィルム93のうち少なくともいずれか1つの絶縁フィルムを単体で加熱して、予め絶縁フィルムを収縮させる。プレヒート工程では、加熱対象の絶縁フィルムと加熱体との間にフッ素樹脂シートを配置して、絶縁フィルムが加熱体に溶着することを抑制することが望ましい。なお、プレヒート工程は、保護材または絶縁フィルムの厚さや材質等に応じて実施しなくてもよい。具体的には、後述の加熱工程において、第1保護材および第2保護材のうち加熱面側となる保護材の厚さが100μmを超える(好ましくは150μm以上)場合、かつ、絶縁フィルムの厚さが100μmを超える場合は、プレヒート工程を実施しなくてもよい。
次いで、積層工程を行う。積層工程では、フロントカバー81、第1絶縁フィルム91、トップモジュール50、第2絶縁フィルム92、ボトムモジュール10、第3絶縁フィルム93およびバックカバー82がこの順に積層された積層体2を形成する。トップ太陽電池パネル51がボトム太陽電池パネル11の受光面に対向するようにトップモジュール50を配置する。トップモジュール50にボトムモジュール10とは反対側から第1絶縁フィルム91を重ねる。ボトム太陽電池パネル11およびトップ太陽電池パネル51の間で、ボトムモジュール10およびトップモジュール50に第2絶縁フィルム92を重ねる。ボトムモジュール10に第3絶縁フィルム93を第2絶縁フィルム92とは反対側から重ねる。第3絶縁フィルム93にバックカバー82をボトムモジュール10とは反対側から重ねる。第1絶縁フィルム91にフロントカバー81をトップモジュール50とは反対側から重ねる。以上により積層体2が形成される。なお、部材を重ねる工程を実施する順番は特に限定されず、各部材が上述した順に積層された積層体2を形成できればよい。例えば、フロントカバー81、第1絶縁フィルム91、トップモジュール50、第2絶縁フィルム92、ボトムモジュール10、第3絶縁フィルム93、バックカバー82をこの順に重ねて積層体2を形成する。
ここで、絶縁フィルム90は、ボトムモジュール10およびトップモジュール50の平面視外側で互いに重なり合っている。これにより、第1絶縁フィルム91および第2絶縁フィルム92は、トップモジュール50の外側で互いに直接重なり合っている。また、第2絶縁フィルム92および第3絶縁フィルム93は、ボトムモジュール10の外側で互いに重なり合っている。
各絶縁フィルム90の厚さは、50μm以上400μm以下、好ましくは50μm以上200μm以下、より好ましくは100μm以上200μm以下である。プレヒート工程を行う場合には、各絶縁フィルム90の厚さは、プレヒート工程前の厚さである。なお、フロントカバー81、バックカバー82、ボトム太陽電池パネル11およびトップ太陽電池パネル51それぞれの厚さは、完成品のタンデム型太陽電池1におけるそれぞれの厚さと同じである。
次いで、加熱工程を行う。加熱工程では、積層体2を加熱して、絶縁フィルム90を溶融させる。溶融した絶縁フィルム90は、絶縁フィルム90に重なる部材に接合する。これにより、ボトムモジュール10、トップモジュール50、フロントカバー81、バックカバー82、第1絶縁フィルム91、第2絶縁フィルム92、および第3絶縁フィルム93が互いに接合する。また、第1絶縁フィルム91および第2絶縁フィルム92は、トップモジュール50の平面視外側で互いに溶着されて一体化する。さらに、第2絶縁フィルム92および第3絶縁フィルム93は、ボトムモジュール10の平面視外側で互いに溶着されて一体化する。その結果、第1絶縁フィルム91、第2絶縁フィルム92および第3絶縁フィルム93が連続性を有するように一体化して封止材83が形成される。
図7は、実施形態の加熱工程の一例を示す図である。
図7に示すように、加熱工程では、積層体2に高温の加熱装置100を直接接触させて積層体2を加熱する。加熱装置100は、積層体2に直接接するガラス体101と、ガラス体101を加熱するヒータ102と、を備える。ガラス体101は、ケイ酸塩ガラスにより形成されている。ガラス体101は、例えばガラス板である。ガラス体101は、積層体2のフロントカバー81またはバックカバー82(図示の例ではバックカバー82)に接する平坦な加熱面103と、加熱面103とは反対側を向く平坦な被加熱面104と、を有する。加熱面103は、フロントカバー81またはバックカバー82の全面に接する大きさに形成されている。ヒータ102は、金属製である。ヒータ102は、ガラス体101の被加熱面104に接する。ヒータ102は、被加熱面104のうち、加熱面103の法線方向から見て、少なくとも加熱面103と積層体2との接触部と一致する範囲の全体に接することが望ましい。例えば、ヒータ102は、被加熱面104の全体に接する。
加熱工程では、ガラス体101および押圧部材105によって積層体2をその厚さ方向の両側から挟んでもよい。押圧部材105は、フロントカバー81またはバックカバー82(図示の例ではフロントカバー81)の全面に接することが望ましい。例えば、押圧部材105は、その自重によって積層体2を押圧する。ただし、積層体2を押圧する外力を押圧部材105に加えてもよい。また、加熱装置100による積層体2の加熱に加えて、高温の押圧部材105によって積層体2を加熱してもよい。この場合、押圧部材105を加熱装置100と同様にガラス体およびヒータによって形成してもよい。
以上により、タンデム型太陽電池1が形成される。また、本実施形態の加熱工程を行うことで、絶縁フィルム90が溶融して、上記の厚さを有する各封止層84,85,86が形成される。
以上に説明したように、本実施形態のタンデム型太陽電池1は、第1絶縁フィルム91、第2絶縁フィルム92および第3絶縁フィルム93を加熱して、ボトムモジュール10、トップモジュール50、第1絶縁フィルム91、第2絶縁フィルム92、第3絶縁フィルム93、フロントカバー81およびバックカバー82を互いに接合して形成される。ここで、各絶縁フィルム90の厚さを50μm以上400μm以下に設定し、フロントカバー81の厚さを25μm以上200μm以下に設定し、バックカバー82の厚さを25μm以上200μm以下に設定する。これにより、完成品のタンデム型太陽電池1において第1封止層84の厚さが50μm以上400μm以下となり、第2封止層85の厚さが30μm以上400μm以下となり、第3封止層86の厚さが50μm以上400μm以下となる。そして、タンデム型太陽電池1の各層の厚さを上記範囲内に収めつつ、タンデム型太陽電池1における平面視でボトム太陽電池パネル11およびトップ太陽電池パネル51が重なり合う箇所で厚さを375μm以上1290μm以下に設定することで、フロントカバー81に皺がなく、かつ封止層84,85,86に欠損がないタンデム型太陽電池1を形成できることが確認された。よって、タンデム型太陽電池1の薄型化を図りつつ発電効率の低下を抑制できる。したがって、高効率かつ軽量なタンデム型太陽電池1が得られる。
特に第2封止層85の厚さが30μm以上であれば、第2封止層85として体積抵抗率が1.0×1014[Ω・cm]以上の材料を用いた場合に、第2封止層85における厚さ方向の抵抗値が3.0×1011[Ω]以上となる。よって、本実施形態のように第2封止層85の厚さを30μm以上に設定することで、薄型化されたタンデム型太陽電池1において、ボトム太陽電池パネル11とトップ太陽電池パネル51との間の絶縁を確保することができる。
また、ボトム太陽電池パネル11の厚さを100μm以上150μm以下とし、トップ太陽電池パネル51の厚さを30μm以上150μm以下とする。これにより、太陽電池パネル11,51の薄型化による曲げ強度の確保、および加熱時の熱応力に対する強度の確保を両立できる。したがって、優れた実用強度を有する薄型化されたタンデム型太陽電池1が得られる。
フロントカバー81は、フッ素系樹脂を含む透光性を有するフィルムである。この構成によれば、トップ太陽電池パネル51およびボトム太陽電池パネル11に入射する光の減衰を抑制しつつ、電気絶縁性を確保しながら各太陽電池パネル51,11を封止できる。特に本実施形態のフロントカバー81は単層フィルムであるため、フロントカバーが多層フィルムの場合よりも軽量化できる。したがって、タンデム型太陽電池1を軽量に形成できる。
ボトム太陽電池パネル11は、間接遷移型の半導体層を有する。トップ太陽電池パネル51は、直接遷移型の半導体層を有する。この構成によれば、ボトム太陽電池パネル11における吸収波長域、およびトップ太陽電池パネル51における吸収波長域を相違させることができる。したがって、1種類の半導体層を有する太陽電池パネルを備えた太陽電池と比べて高効率な太陽電池を形成できる。
また、トップ太陽電池パネル51において、ガラス基板の表側にp電極およびn電極が形成されている。この構成によれば、トップ太陽電池パネル51とボトム太陽電池パネル11との間の第2封止層85が薄くても、ガラス基板によってトップ太陽電池パネル51およびボトム太陽電池パネル11の電気的絶縁を確保できる。したがって、第2封止層85の薄膜化によってタンデム型太陽電池1を軽量に形成できる。
なお、トップ太陽電池パネル51のガラス基板の厚さが30μm以上であれば、ガラス基板の体積抵抗率が7.9×1011[Ω・cm]以上の場合に、ガラス基板における厚さ方向の抵抗値が2.0×10[Ω]以上となる。よって、薄型化されたタンデム型太陽電池1において、ボトム太陽電池パネル11とトップ太陽電池パネル51との間の絶縁をより確実に確保することができる。
また、本実施形態のタンデム型太陽電池1の製造方法は、ボトム太陽電池パネル11、トップ太陽電池パネル51、第1絶縁フィルム91、第2絶縁フィルム92、第3絶縁フィルム93、バックカバー82およびフロントカバー81により形成された積層体2を、加熱されたガラス体101に接触させて加熱する加熱工程を備える。この方法によれば、ガラスは金属材料よりも熱伝導率が十分に低いので、加熱された金属体に積層体を接触させて加熱させる方法と比べて、積層体2に急激に伝熱されることを抑制できる。このため、積層体2をむらなく加熱できるので、タンデム型太陽電池1に局所的な欠陥が生じることを抑制できる。
また、本実施形態のタンデム型太陽電池1の製造方法は、第1絶縁フィルム91、第2絶縁フィルム92および第3絶縁フィルム93のうち少なくともいずれか1つの絶縁フィルムを単体で加熱するプレヒート工程を備える。この方法によれば、予め熱収縮した絶縁フィルムを加熱工程で使用できるので、加熱工程における絶縁フィルムの熱収縮を抑制して封止層84,85,86に皺や欠損等の欠陥が生じることを抑制できる。特に絶縁フィルムが熱可塑性樹脂、または熱収縮率が比較的大きい材料により形成されている場合には効果的である。
なお絶縁フィルムのうち加熱工程において最も加熱装置100に近い位置に配置される絶縁フィルム(本実施形態では第3絶縁フィルム93)の厚さが100μm以下の場合には、加熱工程後に段差または空洞を含む厚さが30μm程度以下の欠損部が生じ得る。これにより、封止層における水蒸気バリア性の低下や、電極腐食、気圧変化による欠損部内の空気の膨張等が生じる。
また、加熱工程において加熱面側となる保護材の厚さ100μmより大きい(好ましくは150μm以上)場合は、保護材の固さにより絶縁フィルムの収縮が抑制されるが、保護材の厚さが100μm以下の場合には絶縁フィルムに皺が生じやすくなる。したがって、加熱工程における加熱面側の保護材または絶縁フィルムの厚さが100μm以下の場合に、プレヒート工程を行うことで上述した不具合の発生を効果的に抑制することができるため、プレヒート工程を行うことが好ましい。
実施形態の変形例について図8を参照して説明する。図8は、実施形態の変形例のタンデム型太陽電池を備えた機器の展開図である。
上記実施形態では、封止材83がバックカバー82に積層されている。しかし、図8に示すタンデム型太陽電池1Aのように、封止材83は、バックカバー82に代えて、タンデム型太陽電池1Aの搭載先の機器200の一部に積層されていてもよい。この場合、タンデム型太陽電池1Aは、搭載先の機器200に接着等によって固定される。例えば、封止材83は、飛行体の翼の上面や、モビリティの屋根等に積層される。この場合であっても、ボトム太陽電池パネル11、トップ太陽電池パネル51、第1封止層84、第2封止層85、第3封止層86およびフロントカバー81それぞれの厚さは上記実施形態と同様である。また、タンデム型太陽電池1Aの厚さは、平面視でボトム太陽電池パネル11およびトップ太陽電池パネル51が重なり合う箇所で350μm以上1140μm以下である。これにより、タンデム型太陽電池1Aは、実施形態のタンデム型太陽電池1と同様の作用効果を奏する。
本変形例のタンデム型太陽電池1Aは、実施形態のタンデム型太陽電池1と同様の製造方法で形成できる。この場合、加熱工程では、フロントカバー81、ボトムモジュール10、トップモジュール50および絶縁フィルム90を積層した積層体のうちフロントカバー81に加熱装置100を接触させることが望ましい。
なお、上記実施形態では、フロントカバー81がフッ素系樹脂により形成された単層フィルムであるが、この構成に限定されない。フロントカバーは、耐候性ポリエチレンテレフタレートにより形成された単層フィルムであってもよい。また、フロントカバーは、上述したいずれかの単層フィルムに、プライマーやトップコート等を塗布した構造を有していてもよい。また、フロントカバーは、フッ素系樹脂および耐候性ポリエチレンテレフタレートのうち少なくともいずれかを含む多層フィルムであってもよい。例えば、多層フィルムは、光入射側のフッ素系樹脂製のフィルムと、封止材側の耐候性ポリエチレンテレフタレート製のフィルムと、を接合したフィルムである。上記いずれの構成であっても、フロントカバーがフッ素系樹脂および耐候性ポリエチレンテレフタレートのうち少なくともいずれかを含む透光性を有するフィルムであれば、トップ太陽電池パネル51およびボトム太陽電池パネル11に入射する光の減衰を抑制しつつ、電気絶縁性を確保しながら各太陽電池パネル11,51を封止できる。ただし、フロントカバーは、上述した材料以外の透明な樹脂材料やガラス等により形成されていてもよい。バックカバーについても、フロントカバーと同様である。
また、上記実施形態では、全てのボトム太陽電池パネル11が直列接続されているが、この構成に限定されない。複数のボトム太陽電池パネルは、並列、または直列および並列の組み合わせによって互いに接続されていてもよい。また、ボトムモジュールに単一のボトム太陽電池パネルが設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、複数のトップ太陽電池パネル51が並列および直列の組み合わせによって互いに接続されているが、この構成に限定されない。複数のトップ太陽電池パネルは、互いに直列または並列に接続されていてもよい。また、トップモジュールに単一のトップ太陽電池パネルが設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、タンデム型太陽電池1が4端子型の太陽電池であるが、この構成に限定されない。タンデム型太陽電池は、ボトムモジュールおよびトップモジュールが互いに直列接続された2端子型の太陽電池であってもよい。また、タンデム型太陽電池における正極端子および負極端子の位置は特に限定されない。
また、上記実施形態では、ボトムモジュール10のフレキシブル基板30がボトム太陽電池パネル11の裏側に配置されているが、この構成に限定されない。例えば、フレキシブル基板は、ボトム太陽電池パネル11に重ならないようにボトムパネル列11Rの周囲に配置されていてもよい。例えば、フレキシブル基板は、当該フレキシブル基板に並列接続されたボトムパネル列11Rに対してY方向にずれた位置でボトムパネル列11Rに沿って配置されてもよい。
また、上記実施形態では、ボトム太陽電池パネル11の太陽電池セル12は、裏側にn型電極およびp型電極を有するバックコンタクト型の太陽電池セルであるが、この構成に限定されない。例えば、ボトム太陽電池パネルの太陽電池セルは、表側にn電極を持ち、裏側にp電極を持つ構造を有していてもよい。この場合、一対のボトム太陽電池パネル同士を接続するインターコネクタは、ワイヤー状の部材であって、一方のボトム太陽電池パネルの裏側のp電極と、他方のボトム太陽電池パネルの表側のn電極と、を接続してもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、厚さ方向から見てボトム太陽電池パネルおよびトップ太陽電池パネルが重なり合う箇所で厚さを350μm以上1140μm以下とすることで、フロントカバーに皺がなく、かつ封止層に欠損がないタンデム型太陽電池を形成できる。よって、タンデム型太陽電池の薄型化を図りつつ発電効率の低下を抑制できる。したがって、高効率かつ軽量なタンデム型太陽電池が得られる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (8)

  1. 第1太陽電池パネルと、
    前記第1太陽電池パネルの受光面に対向するように配置された光透過型の第2太陽電池パネルと、
    前記第2太陽電池パネルに前記第1太陽電池パネルとは反対側から積層された、厚さが50μm以上400μm以下の第1封止層と、
    前記第1太陽電池パネルおよび前記第2太陽電池パネルの間に配置され、前記第1太陽電池パネルおよび前記第2太陽電池パネルに直接接するように積層された、厚さが30μm以上400μm以下の第2封止層と、
    前記第1太陽電池パネルに前記第2封止層とは反対側から積層された、厚さが50μm以上400μm以下の第3封止層と、
    前記第1封止層に前記第2太陽電池パネルとは反対側から積層された、厚さが25μm以上200μm以下の第1保護材と、
    を備え、
    前記第1封止層、前記第2封止層および前記第3封止層は、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン系樹脂およびアイオノマー系樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの材料により形成されたフィルムであり、
    前記第1保護材は、フッ素系樹脂もしくは耐候性ポリエチレンテレフタレートにより形成された透光性を有する単層フィルム、または前記フッ素系樹脂により形成されたフィルムおよび前記耐候性ポリエチレンテレフタレートにより形成されたフィルムを接合した透光性を有する多層フィルムであり、
    前記第1太陽電池パネルの前記受光面の法線方向から見て前記第1太陽電池パネルおよび前記第2太陽電池パネルが重なり合う箇所で厚さが350μm以上1140μm以下の太陽電池。
  2. 請求項1に記載の太陽電池において、
    前記第3封止層に前記第1保護材とは反対側から積層された、厚さが25μm以上200μm以下の第2保護材をさらに備え、
    前記第2保護材は、前記フッ素系樹脂もしくは前記耐候性ポリエチレンテレフタレートにより形成された透光性を有する単層フィルム、または前記フッ素系樹脂により形成されたフィルムおよび前記耐候性ポリエチレンテレフタレートにより形成されたフィルムを接合した透光性を有する多層フィルムであり、
    前記第1太陽電池パネルの前記受光面の法線方向から見て前記第1太陽電池パネルおよび前記第2太陽電池パネルが重なり合う箇所で厚さが375μm以上1290μm以下の太陽電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載の太陽電池において、
    前記第1太陽電池パネルの厚さは100μm以上150μm以下であり、
    前記第2太陽電池パネルの厚さは30μm以上150μm以下である、
    太陽電池。
  4. 請求項1または請求項2に記載の太陽電池において、
    前記第1保護材は、単層フィルムである、
    太陽電池。
  5. 請求項1または請求項2に記載の太陽電池において、
    前記第1保護材は、多層フィルムである、
    太陽電池。
  6. 請求項1または請求項2に記載の太陽電池において、
    前記第1太陽電池パネルは、間接遷移型の半導体層を有し、
    前記第2太陽電池パネルは、直接遷移型の半導体層を有する、
    太陽電池。
  7. 第1太陽電池パネルの受光面に対向するように光透過型の第2太陽電池パネルを配置し、
    前記第2太陽電池パネルに、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン系樹脂およびアイオノマー系樹脂からなる群より選択され、厚さが50μm以上400μm以下の第1封止材を前記第1太陽電池パネルとは反対側から重ね、
    前記第1太陽電池パネルおよび前記第2太陽電池パネルの間で、前記第1太陽電池パネルおよび前記第2太陽電池パネルに、前記エチレン酢酸ビニル共重合体、前記ポリオレフィン系樹脂および前記アイオノマー系樹脂からなる群より選択され、厚さが50μm以上400μm以下の第2封止材を重ね、
    前記第1太陽電池パネルに、前記エチレン酢酸ビニル共重合体、前記ポリオレフィン系樹脂および前記アイオノマー系樹脂からなる群より選択され、厚さが50μm以上400μm以下の第3封止材を前記第2封止材とは反対側から重ね、
    前記第1封止材に、フッ素系樹脂もしくは耐候性ポリエチレンテレフタレートにより形成された透光性を有する単層フィルム、または前記フッ素系樹脂により形成されたフィルムおよび前記耐候性ポリエチレンテレフタレートにより形成されたフィルムを接合した透光性を有する多層フィルムであり、厚さが25μm以上200μm以下の第1保護材を前記第2太陽電池パネルとは反対側から重ね、
    前記第1封止材、前記第2封止材および前記第3封止材を加熱して、前記第1太陽電池パネル、前記第2太陽電池パネル、前記第1封止材、前記第2封止材、前記第3封止材および前記第1保護材を互いに接合し、前記第1太陽電池パネルの前記受光面の法線方向から見て前記第1太陽電池パネルおよび前記第2太陽電池パネルが重なり合う箇所の厚さを350μm以上1140μm以下にする、
    太陽電池の製造方法。
  8. 請求項に記載の太陽電池の製造方法において、
    前記第1太陽電池パネル、前記第2太陽電池パネル、前記第1封止材、前記第2封止材、前記第3封止材および前記第1保護材が積層された積層体を、加熱されたガラス体に接触させて加熱する加熱工程を備える、
    太陽電池の製造方法。
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