以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.第4の実施の形態
5.移動体への応用例
6.車両への具体的な応用例
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る光検出システム(光検出システム1)の一構成例を表すものである。光検出システム1は、ToF(Time-of-Flight)センサであり、光を射出するとともに、計測対象物OBJにより反射された反射光を検出するように構成される。光検出システム1は、発光部11と、光学系12と、光検出部20と、制御部14とを備えている。
発光部11は、制御部14からの指示に基づいて、計測対象物OBJに向かって光パルスL0を射出するように構成される。発光部11は、制御部14からの指示に基づいて、発光および非発光を交互に繰り返す発光動作を行うことにより光パルスL0を射出するようになっている。発光部11は、例えば赤外光を射出する光源を有する。この光源は、例えば、レーザ光源やLED(Light Emitting Diode)などを用いて構成される。
光学系12は、光検出部20の受光面において像を結像させるレンズを含んで構成される。この光学系12には、発光部11から射出され、計測対象物OBJにより反射された光パルス(反射光パルスL1)が入射するようになっている。
光検出部20は、制御部14からの指示に基づいて、反射光パルスL1を検出するように構成される。そして、光検出部20は、検出結果に基づいて距離画像を生成し、生成した距離画像の画像データを距離画像信号S1として出力する。また、光検出部20は、後述するように、自己診断動作を行う機能を有しており、診断結果を診断結果信号S2として出力するようになっている。
制御部14は、発光部11および光検出部20に制御信号を供給し、これらの動作を制御することにより、光検出システム1の動作を制御するように構成される。
図2は、光検出部20の一構成例を表すものである。光検出部20は、画素アレイ21と、フリップフロップ部22と、ヒストグラム生成部23と、距離演算部24と、出力部25と、診断部26と、出力部27と、測距制御部28とを有している。
画素アレイ21は、マトリックス状に配置された複数の受光部Pを有する。受光部Pは、光を検出することにより、検出した光に応じたパルスを有するパルス信号を生成するように構成される。また、受光部Pは、光検出システム1が自己診断動作を行う際に、供給された制御信号(後述する制御信号ENBIST,XACT)に基づいてパルス信号を生成することができるようになっている。
図3は、受光部Pの一構成例を表すものである。受光部Pは、フォトダイオードPDと、トランジスタMN1,MP1,MP2,MP3,MN2と、インバータIV1と、論理積回路AND1と、論理和回路OR1とを有している。トランジスタMN1,MN2は、N型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタであり、トランジスタMP1~MP3は、P型のMOSトランジスタである。
フォトダイオードPDは、光を電荷に変換する光電変換素子である。フォトダイオードPDのアノードには負の電源電圧VNEGが供給され、カソードはトランジスタMN1のドレインおよびトランジスタMP1のドレインに接続される。フォトダイオードPDは、例えばシングルフォトンアバランシェダイオード(SPAD;Single Photon Avalanche Diode)を用いることができる。
トランジスタMN1のゲートには制御信号ENBISTが供給され、ドレインはフォトダイオードPDのカソードおよびトランジスタMP1のドレインに接続され、ソースは接地される。トランジスタMP1のゲートには制御信号ENBISTが供給され、ドレインはフォトダイオードPDのカソードおよびトランジスタMN1のドレインに接続され、ソースおよびバックゲートはノードN1に接続される。この構成により、制御信号ENBISTが低レベルである場合には、トランジスタMP1がオン状態になるとともにトランジスタMN1がオフ状態になる。これにより、受光部Pでは、フォトダイオードPDのカソードがトランジスタMP1を介してノードN1に接続される。また、制御信号ENBISTが高レベルである場合には、トランジスタMN1がオン状態になるとともにトランジスタMP1がオフ状態になる。これにより、受光部Pでは、フォトダイオードPDのカソードおよびノードN1が互いに切り離され、フォトダイオードPDのカソードがトランジスタMN1を介して接地されるようになっている。
トランジスタMP2のゲートにはバイアス電圧Vbiasが供給され、ソースには電源電圧VDDHが供給され、ドレインはトランジスタMP3のソースに接続される。トランジスタMP2は、電源電圧VDDHの電源ノードからノードN1に向かって電流を流す定電流源(後述する定電流源CUR)として動作する。トランジスタMP3のゲートには制御信号XACTが供給され、ソースはトランジスタMP2のドレインに接続され、ドレインはノードN1に接続される。トランジスタMN2のゲートには制御信号XACTが供給され、ドレインはノードN1に接続され、ソースは接地される。この構成により、制御信号XACTが低レベルである場合には、トランジスタMP3がオン状態になるとともにトランジスタMN2がオフ状態になる。これにより、受光部Pでは、定電流源として動作するトランジスタMP2のドレインが、トランジスタMP3を介してノードN1に接続される。また、制御信号XACTが高レベルである場合には、トランジスタMN2がオン状態になるとともにトランジスタMP3がオフ状態になる。これにより、受光部Pでは、定電流源として動作するトランジスタMP2のドレインおよびノードN1が互いに切り離され、ノードN1がトランジスタMN2を介して接地されるようになっている。
インバータIV1はノードN1における電圧の反転電圧を生成することによりパルス信号PLS1を生成するように構成される。このインバータIV1には、電源電圧VDDHが供給されるようになっている。
論理積回路AND1は、パルス信号PLS1と制御信号SELとの論理積を求めることによりパルス信号PLS2を生成するように構成される。この論理積回路AND1には、電源電圧VDDHよりも低い電源電圧VDDLが供給されるようになっている。
論理和回路OR1は、パルス信号PLS2と他の受光部Pから供給されたパルス信号PLS3(パルス信号PLS3A)との論理和を求めることによりパルス信号PLS3(パルス信号PLS3B)を生成するように構成される。この論理和回路OR1には、電源電圧VDDLが供給されるようになっている。
図4は、画素アレイ21の一構成例を表すものである。この図4では、説明の便宜上、受光部Pを簡略化して描いている。具体的には、フォトダイオードPD、トランジスタMN1,MP1,MP2,MP3の図示を省いている。また、トランジスタMN2を、スイッチのシンボルを用いて図示している。
この例では、図4における横方向に並設される複数の受光部Pは、4つに1つの割合で接続される。具体的には、ある受光部P(受光部P1)の論理和回路OR1の出力端子は、その受光部P1の4つ右側の受光部P(受光部P5)の論理和回路OR1の入力端子に接続される。受光部P1の右側の受光部P(受光部P2)の論理和回路OR1の出力端子は、その受光部P2の4つ右側の受光部P(受光部P6)の論理和回路OR1の入力端子に接続される。受光部P2の右側の受光部P(受光部P3)の論理和回路OR1の出力端子は、その受光部P3の4つ右側の受光部P(受光部P7)の論理和回路OR1の入力端子に接続される。受光部P3の右側の受光部P(受光部P4)の論理和回路OR1の出力端子は、その受光部P4の4つ右側の受光部P(受光部P8)の論理和回路OR1の入力端子に接続される。この例では、ある行に係る8つの受光部P1~P8を例に挙げて説明したが、他の行に係る複数の受光部Pについても同様である。このように、画素アレイ21では、複数の受光部Pが、いわゆるデイジーチェーン接続により接続される。そして、このようにデイジーチェーン接続された複数の受光部Pのうちの最終段の受光部Pの論理和回路OR1は、図2に示したように、パルス信号PLSを出力するようになっている。
フリップフロップ部22(図2)は、画素アレイ21から供給された複数のパルス信号PLSを、クロック信号CLKに基づいてサンプリングするように構成される。
図5は、フリップフロップ部22の一構成例を表すものである。フリップフロップ部22は、複数のフリップフロップ29を有している。複数のフリップフロップ29は、画素アレイ21から供給される複数のパルス信号PLSにそれぞれ対応して設けられる。複数のフリップフロップ29のそれぞれは、D型のフリップフロップであり、対応するパルス信号PLSをクロック信号CLKに基づいてサンプリングすることによりパルス信号PLSAを生成するように構成される。
ヒストグラム生成部23(図2)は、フリップフロップ部22から供給された複数のパルス信号PLSAのそれぞれに基づいて、パルス信号PLSの発生タイミングを示すヒストグラムを生成するように構成される。具体的には、測距動作では、光検出部20は、反射光パルスL1を検出することによりパルス信号PLSを生成するので、ヒストグラム生成部23は、複数のパルス信号PLSAに基づいて、複数の受光部Pのそれぞれにおける受光タイミングを示すヒストグラムを生成する。また、自己診断動作では、光検出部20は、制御信号XACTに基づいてパルス信号PLSを生成するので、ヒストグラム生成部23は、複数のパルス信号PLSAに基づいて、複数の受光部Pのそれぞれにおける、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングを示すヒストグラムを生成するようになっている。
距離演算部24は、ヒストグラム生成部23から供給された、複数の受光部Pのそれぞれにおける受光タイミングのデータに基づいて、計測対象物OBJまでの距離値を算出することにより、距離画像を生成するように構成される。
出力部25は、距離演算部24が生成した距離画像の画像データを、距離画像信号S1として出力するように構成される。
診断部26は、ヒストグラム生成部23から供給された、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングのデータに基づいて、画素アレイ21における複数の受光部Pの診断処理を行うように構成される。
出力部27は、診断部26の診断処理の結果を、診断結果信号S2として出力するように構成される。診断結果信号S2は、複数の受光部Pのいずれかに不具合があるかどうかを示すフラグ信号を含む。また、診断結果信号S2は、複数の受光部Pのいずれかに不具合がある場合には、その不具合の内容を示す信号を含む。出力部27は、このような情報を含む診断結果信号S2を出力するようになっている。
測距制御部28は、制御部14(図1)からの指示に基づいて、画素アレイ21、フリップフロップ部22、ヒストグラム生成部23、距離演算部24、および診断部26の動作を制御することにより、光検出部20の動作を制御するように構成される。
ここで、フォトダイオードPDは、本開示における「受光素子」の一具体例に対応する。ノードN1は、本開示における「第1のノード」の一具体例に対応する。トランジスタMP1は、本開示における「第1のスイッチ」の一具体例に対応する。トランジスタMN2は、本開示における「第2のスイッチ」の一具体例に対応する。パルス信号PLS1は、本開示における「パルス信号」の一具体例に対応する。インバータIV1は、本開示における「信号生成部」の一具体例に対応する。測距制御部28は、本開示における「制御部」の一具体例に対応する。フリップフロップ部22およびヒストグラム生成部23は、本開示における「検出部」の一具体例に対応する。出力部27は、本開示における「出力部」の一具体例に対応する。診断部26は、本開示における「診断部」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の光検出システム1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1,2を参照して、光検出システム1の全体動作概要を説明する。発光部11は、計測対象物OBJに向かって光パルスL0を射出する。光学系12は、光検出部20の受光面において像を結像させる。光検出部20は、計測対象物OBJにより反射された光パルス(反射光パルスL1)を検出する。制御部14は、発光部11および光検出部20に制御信号を供給し、これらの動作を制御することにより、光検出システム1の測距動作を制御する。
光検出部20において、画素アレイ21は、複数の受光部Pにおける受光結果に応じた複数のパルス信号PLSを生成する。フリップフロップ部22は、画素アレイ21から供給された複数のパルス信号PLSを、クロック信号CLKに基づいてサンプリングすることにより複数のパルス信号PLSAをそれぞれ生成する。ヒストグラム生成部23は、フリップフロップ部22から供給された複数のパルス信号PLSAのそれぞれに基づいて、複数の受光部Pのそれぞれにおける受光タイミングを示すヒストグラムを生成する。距離演算部24は、ヒストグラム生成部23から供給された、複数の受光部Pのそれぞれにおける受光タイミングのデータに基づいて、計測対象物OBJまでの距離値を算出することにより、距離画像を生成する。出力部25は、この距離画像の画像データを、距離画像信号S1として出力する。
自己診断動作では、画素アレイ21は、制御信号XACTに基づいて複数のパルス信号PLSを生成する。フリップフロップ部22は、画素アレイ21から供給された複数のパルス信号PLSを、クロック信号CLKに基づいてサンプリングすることにより複数のパルス信号PLSAをそれぞれ生成する。ヒストグラム生成部23は、フリップフロップ部22から供給された複数のパルス信号PLSAのそれぞれに基づいて、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングを示すヒストグラムを生成する。診断部26は、ヒストグラム生成部23から供給された、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングのデータに基づいて、画素アレイ21における複数の受光部Pの診断処理を行う。出力部27は、診断部26の診断処理の結果を、診断結果信号S2として出力する。
測距制御部28は、制御部14からの指示に基づいて、画素アレイ21、フリップフロップ部22、ヒストグラム生成部23、距離演算部24、および診断部26の動作を制御することにより、光検出部20の動作を制御する。
(詳細動作)
次に、光検出システム1の動作について詳細に説明する。
図6は、光検出システム1の一動作例を表すものである。光検出システム1では、測距期間T1およびブランキング期間T2が、交互に設けられる。測距期間T1では、光検出システム1は、測距動作を行う。これにより、光検出システム1は、測距動作を繰り返し行う。ブランキング期間T2では、光検出システム1は、画素アレイ21における複数の受光部Pの自己診断動作を行う。ここで、測距期間T1は、本開示における「第1の期間」の一具体例に対応する。ブランキング期間T2は、本開示における「第2の期間」の一具体例に対応する。
(測距動作)
まず、測距動作について説明する。測距動作では、光検出部20は、1つの測距期間T1において、画素アレイ21における複数の受光部Pのうちの、検出対象である複数の受光部Pを順次選択し、選択された複数の受光部Pにおける受光タイミングに基づいて、距離値を算出する。
図7は、光検出部20における、検出対象である複数の受光部Pの選択動作の一例を表すものである。図7において、網掛部は、画素アレイ21における、選択された複数の受光部Pの位置を模式的に示している。この例では、1つの測距期間T1において、画素アレイ21における左端から順に、複数の受光部Pが、順次選択される。
具体的には、図4において、測距制御部28は、制御信号SELを用いて、検出対象である複数の受光部Pを選択する。例えば、測距制御部28は、受光部P1,P2,P3,P4を含む4列分の受光部Pに供給される制御信号SELを高レベルにし、他の列の受光部Pに供給される制御信号SELを低レベルにする。これにより、受光部P1,P2,P3,P4を含む4列分の受光部Pが検出対象として選択される。
選択された受光部Pでは、図3に示したように、論理積回路AND1は、インバータIV1が生成したパルス信号PLS1と、高レベルである制御信号SELとの論理積を求めることにより、パルス信号PLS1に応じたパルス信号PLS2を生成する。選択されていない受光部Pでは、図3に示したように、論理積回路AND1は、低レベルである制御信号SELに基づいて、パルス信号PLS2を低レベルに維持する。その結果、選択された受光部Pが生成したパルス信号PLS2が、パルス信号PLSとして、フリップフロップ部22に供給される。
図8は、選択された受光部P、およびその受光部Pが生成したパルス信号PLS1に基づいて動作を行うフリップフロップ29を表すものである。この図8では、説明の便宜上、回路を簡略化して描いている。具体的には、図8では、トランジスタMP2を定電流源CURを用いて示し、その受光部Pにおける論理積回路AND1および論理和回路OR1と、その受光部Pより下流の1または複数の受光部Pの論理和回路OR1を、バッファBUFを用いて示している。また、トランジスタMN1,MN2,MP1,MP3を、トランジスタのオンオフ状態を示すスイッチのシンボルを用いて図示している。
図9は、測距動作における受光部Pおよびフリップフロップ29の一動作例を表すものであり、(A)は制御信号ENBISTの波形を示し、(B)は制御信号XACTの波形を示し、(C)は発光部11から射出される光の波形を示し、(D)は光検出部20に入射する光の波形を示し、(E)はノードN1における電圧VN1の波形を示し、(F)はパルス信号PLS1(パルス信号PLS)の波形を示し、(G)はクロック信号CLKの波形を示し、(H)はパルス信号PLSAの波形を示す。
測距動作では、測距制御部28は、制御信号ENBIST,XACTを低レベルにする(図9(A),(B))。これにより、受光部Pでは、図8に示したように、トランジスタMP1,MP3がオン状態になり、トランジスタMN1,MN2がオフ状態になる。その結果、フォトダイオードPDのカソードがノードN1に接続され、定電流源CURがノードN1に接続される。
タイミングt11において、発光部11は、制御部14からの指示に基づいて、光パルスL0を射出する(図9(C))。この光パルスL0は計測対象物OBJにおいて反射される。計測対象物OBJにより反射された光パルス(反射光パルスL1)は、タイミングt12において、光検出部20の受光部Pに入射する。光パルスL0が射出されたタイミングt11から、反射光パルスL1が入射するタイミングt12までの時間は、その受光部Pが検出した光パルスの飛行時間Ttofである。
受光部Pでは、フォトダイオードPDが光を検出することにより、アバランシェ増幅が生じ、ノードN1における電圧VN1が低下する(図9(E))。そして、タイミングt13において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより低くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を低レベルから高レベルへ変化させる(図9(F))。フリップフロップ29は、その後のタイミングt14において、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに基づいて、このパルス信号PLS1に応じたパルス信号PLSをサンプリングすることにより、パルス信号PLSAを低レベルから高レベルに変化させる(図9(G),(H))。
その後、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図9(E))。そして、タイミングt15において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図9(F))。フリップフロップ29は、その後のタイミングt16において、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに基づいて、このパルス信号PLS1に応じたパルス信号PLSをサンプリングすることにより、パルス信号PLSAを高レベルから低レベルに変化させる(図9(G),(H))。
このようにして、光検出システム1では、光パルスL0を1回射出することにより、反射された反射光パルスL1の受光タイミングに応じたタイミングから始まるパルスを含むパルス信号PLSAを生成する。このパルスのパルス幅は、この例では、図9(H)に示したように、クロック信号CLKにおける4つ分のクロックパルスに対応する時間長である。
光検出システム1は、1つの測距期間T1において、光パルスL0を複数回繰り返し射出することにより、図9に示した動作を繰り返す。光検出システム1は、このような動作を、選択された受光部Pのそれぞれについて行う。
図10は、測距動作におけるヒストグラム生成部23の一動作例を表すものであり、(A)は光パルスL0を1回射出したときに得られた、ある1つの受光部Pについてのヒストグラムを示し、(B)は、光パルスL0を複数回射出したときに得られた、その受光部Pについてのヒストグラムを示す。
光検出システム1は、光パルスL0を1回射出することにより、図9(H)に示したように、反射光パルスL1の受光タイミングに応じたタイミングから始まるパルスを含むパルス信号PLSAを生成する。このパルスのパルス幅は、この例では、クロック信号CLKにおける4つ分のクロックパルスに対応する時間長である。これに応じて、ヒストグラム生成部23は、図10(A)に示したヒストグラムを生成する。ヒストグラムにおけるビンの幅Wは、クロック信号CLKのパルス周期に対応している。この例では、光パルスL0を1回射出しているので、頻度は“1”である。このヒストグラムの左端は、反射光パルスL1の受光タイミングに対応し、ヒストグラムの分布の幅は、パルス信号PLSにおけるパルスのパルス幅に対応する。
光検出システム1は、1つの測距期間T1において、光パルスL0を複数回繰り返し射出する。これにより、図10(A)に示したようなデータが複数回分蓄積される。これにより、ヒストグラム生成部23は、図10(B)に示したヒストグラムを生成する。光検出システム1は、例えば、このヒストグラムの左端の位置に基づいて、受光タイミングを算出することができ、この受光タイミングに基づいて飛行時間Ttofを算出することができる。
ヒストグラム生成部23は、複数の受光部Pのそれぞれについて、図10(B)に示したヒストグラムを生成し、複数の受光部Pのそれぞれについて、受光タイミングを算出する。
距離演算部24は、ヒストグラム生成部23から供給された、複数の受光部Pのそれぞれにおける受光タイミングのデータに基づいて、計測対象物OBJまでの距離値を算出することにより、距離画像を生成する。そして、出力部25は、この距離画像の画像データを、距離画像信号S1として出力する。
(自己診断動作)
次に、自己診断動作について説明する。自己診断動作では、測距動作の場合(図7)と同様に、光検出部20は、1つのブランキング期間T2において、画素アレイ21における複数の受光部Pのうちの、検出対象である複数の受光部Pを順次選択する。そして、光検出部20は、選択された複数の受光部Pにおいて制御信号XACTを変化させることにより、自己診断を行う。
図11は、選択された受光部P、およびその受光部Pが生成したパルス信号PLS1に基づいて動作を行うフリップフロップ29を表すものである。この図11では、図8と同様に、説明の便宜上、回路を簡略化して描いている。
図12は、自己診断動作における受光部Pおよびフリップフロップ29の一動作例を表すものであり、(A)は制御信号ENBISTの波形を示し、(B)は制御信号XACTの波形を示し、(C)はノードN1における電圧VN1の波形を示し、(D)はパルス信号PLS1(パルス信号PLS)の波形を示し、(E)はクロック信号CLKの波形を示し、(F)はパルス信号PLSAの波形を示す。
自己診断動作では、測距制御部28は、制御信号ENBISTを高レベルにする(図12(A))。これにより、受光部Pでは、図11に示したように、トランジスタMP1がオフ状態になり、トランジスタMN1がオン状態になる。その結果、フォトダイオードPDのカソードは、ノードN1から切り離され、接地される。また、測距制御部28は、タイミングt21より前の期間において、制御信号XACTを高レベルにする(図12(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMN2がオン状態になり、トランジスタMP3がオフ状態になる。その結果、定電流源CURはノードN1から切り離され、ノードN1は接地される。
タイミングt21において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図12(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。
その後、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図12(C))。そして、タイミングt22において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図12(D))。フリップフロップ29は、その後のタイミングt23において、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに基づいて、このパルス信号PLS1に応じたパルス信号PLSをサンプリングすることにより、パルス信号PLSAを高レベルから低レベルに変化させる(図12(E),(F))。そして、電圧VN1が高レベルに到達することにより、準備が完了する。
そして、電圧VN1が高レベルに到達した後のタイミングt24において、測距制御部28は、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させる(図12(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMN2がオン状態になり、トランジスタMP3がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、定電流源CURから切り離されて接地されるので、ノードN1における電圧VN1は高レベルから低レベルに変化する(図12(C))。ノードN1における電圧VN1はインバータIV1の論理しきい値THより低くなるので、インバータIV1は、パルス信号PLS1を低レベルから高レベルに変化させる(図12(D))。フリップフロップ29は、その後のタイミングt25において、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに基づいて、このパルス信号PLS1に応じたパルス信号PLSをサンプリングすることにより、パルス信号PLSAを低レベルから高レベルに変化させる(図12(E),(F))。
次に、タイミングt26において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図12(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。
その後、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図12(C))。そして、タイミングt27において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図12(D))。フリップフロップ29は、その後のタイミングt28において、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに基づいて、このパルス信号PLS1に応じたパルス信号PLSをサンプリングすることにより、パルス信号PLSAを高レベルから低レベルに変化させる(図12(E),(F))。
図13は、自己診断動作におけるヒストグラム生成部23の一動作例を表すものである。光検出システム1は、図12において、タイミングt24~t26において制御信号XACTを高レベルにすることにより、図12(F)に示したように、この制御信号XACTの立ち上がりタイミングに応じたタイミングから始まるパルスを含むパルス信号PLSAを生成する。このパルスのパルス幅は、この例では、クロック信号CLKにおける4つ分のクロックパルスに対応する時間長である。これに応じて、ヒストグラム生成部23は、図13に示したヒストグラムを生成する。この例では、制御信号XACTを1回高レベルにしているので、頻度は“1”である。このヒストグラムの左端は、パルス信号PLSにおけるパルスの発生タイミングに対応し、ヒストグラムの分布の幅は、パルス信号PLSにおけるパルスのパルス幅に対応する。
診断部26は、ヒストグラム生成部23から供給された、複数の受光部Pのそれぞれにおけるデータに基づいて、パルス信号PLSにおけるパルスの発生タイミングおよびパルス幅を診断することにより、画素アレイ21における複数の受光部Pの診断処理を行う。
次に、いくつかの不具合の例を挙げて、自己診断動作を詳細に説明する。受光部Pでは、初期不良や、経年劣化などにより、様々な不具合が生じ得る。例えば、図8において、定電流源CURが流す電流が多い場合(ケースC1)や、定電流源CURが流す電流が少ない場合(ケースC2)があり得る。また、例えば、ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着する場合(ケースC3)や、ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着する場合(ケースC4)があり得る。また、フォトダイオードPDのカソードが低レベルに固着し、あるいはフォトダイオードPDのアノードおよびカソードが互いにショートする場合(ケースC5)があり得る。診断部26は、受光部Pにおけるこれらの様々な不具合を診断することができる。
(ケースC1)
まず、定電流源CURが流す電流が多い場合(ケースC1)について説明する。
図14Aは、ケースC1における受光部Pの一動作例を表すものであり、(A)は制御信号ENBISTの波形を示し、(B)は制御信号XACTの波形を示し、(C)はノードN1における電圧VN1の波形を示し、(D)はパルス信号PLS1の波形を示す。図14A(C),(D)において、破線は不具合が無い場合の波形を示し、実線は不具合がある場合の波形を示す。図14A(A)~(D)は、図12(A)~(D)にそれぞれ対応している。図14Aでは、クロック信号CLKおよびパルス信号PLSAの波形の図示を省いているが、図12(E),(F)と同様に、フリップフロップ29がクロック信号CLKの立ち上がりエッジに基づいてパルス信号PLSをサンプリングすることによりパルス信号PLSAを生成する。
タイミングt31において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図14A(B))。これにより、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。そして、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図14A(C))。ケースC1では、定電流源CURが流す電流が多いので、電圧VN1は、不具合が無い場合に比べて短い時間で上昇する。そして、タイミングt32において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1はパルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図14A(D))。そして、電圧VN1が高レベルに到達することにより、準備が完了する。
そして、電圧VN1が高レベルに到達した後のタイミングt33において、測距制御部28は、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させる(図14A(B))。これにより、ノードN1は、定電流源CURから切り離されて接地されるので、ノードN1における電圧VN1は高レベルから低レベルに変化する(図14A(C))。ノードN1における電圧VN1はインバータIV1の論理しきい値THより低くなるので、インバータIV1は、パルス信号PLS1を低レベルから高レベルに変化させる(図14A(D))。
次に、タイミングt34において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図14A(B))。これにより、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。そして、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図14A(C))。ケースC1では、定電流源CURが流す電流が多いので、電圧VN1は、不具合が無い場合に比べて短い時間で上昇する。そして、タイミングt35において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図14A(D))。
このように、ケースC1では、定電流源CURが流す電流が多いので、電圧VN1は、タイミングt34以降において、不具合が無い場合に比べて短い時間で上昇する。これにより、パルス信号PLS1のパルスの終了タイミングが早くなり、パルス信号PLS1のパルス幅は短くなり、これに応じて、フリップフロップ29が生成するパルス信号PLSAのパルス幅もまた短くなる。
図14Bは、ケースC1におけるヒストグラム生成部23の一動作例を表すものであり、(A)は不具合が無い場合を示し、(B)はケースC1に係る不具合がある場合を示す。図14A(D)に示したように、ケースC1では、パルス信号PLS1のパルス幅は短くなる。これにより、図14B(B)に示したように、不具合がない場合(図14B(A))に比べて、ヒストグラムにおける右端が左側に移動するので、ヒストグラムの分布の幅が狭くなる。
診断部26は、このように、ヒストグラムにおける右端が左側に移動することによりヒストグラムの分布の幅が狭くなっている場合には、受光部Pに、定電流源CURが流す電流が多くなるような不具合が生じていると診断する。
(ケースC2)
次に、定電流源CURが流す電流が少ない場合(ケースC2)について説明する。
図15Aは、ケースC2における受光部Pの一動作例を表すものである。タイミングt41において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図15A(B))。これにより、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。そして、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図15A(C))。ケースC2では、定電流源CURが流す電流が少ないので、電圧VN1は、不具合が無い場合に比べて長い時間で上昇する。そして、タイミングt42において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図15A(D))。そして、電圧VN1が高レベルに到達することにより、準備が完了する。
そして、電圧VN1が高レベルに到達した後のタイミングt43において、測距制御部28は、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させる(図15A(B))。これにより、ノードN1は、定電流源CURから切り離されて接地されるので、ノードN1における電圧VN1は高レベルから低レベルに変化する(図15A(C))。ノードN1における電圧VN1はインバータIV1の論理しきい値THより低くなるので、インバータIV1は、パルス信号PLS1を低レベルから高レベルに変化させる(図15A(D))。
次に、タイミングt44において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図15A(B))。これにより、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。そして、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図15A(C))。ケースC2では、定電流源CURが流す電流が少ないので、電圧VN1は、不具合が無い場合に比べて長い時間で上昇する。そして、タイミングt45において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図15A(D))。
このように、ケースC2では、定電流源CURが流す電流が少ないので、電圧VN1は、タイミングt44以降において、不具合が無い場合に比べて長い時間で上昇する。これにより、パルス信号PLS1のパルスの終了タイミングが遅くなり、パルス信号PLS1のパルス幅は長くなり、これに応じて、フリップフロップ29が生成するパルス信号PLSAのパルス幅もまた長くなる。
図15Bは、ケースC2におけるヒストグラム生成部23の一動作例を表すものであり、(A)は不具合が無い場合を示し、(B)はケースC2に係る不具合がある場合を示す。図15A(D)に示したように、ケースC2では、パルス信号PLS1のパルス幅は長くなるので、フリップフロップ29が生成するパルス信号PLSAのパルス幅もまた長くなる。これにより、図15B(B)に示したように、不具合がない場合(図15B(A))に比べて、ヒストグラムにおける右端が右側に移動するので、ヒストグラムの分布の幅が広くなる。
診断部26は、このように、ヒストグラムにおける右端が右側に移動することによりヒストグラムの分布の幅が広くなっている場合には、受光部Pに、定電流源CURが流す電流が少なくなるような不具合が生じていると診断する。
(ケースC3)
次に、ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着する場合(ケースC3)について説明する。
図16Aは、ケースC3における受光部Pの一動作例を表すものである。タイミングt51において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図16A(B))。また、測距制御部28は、タイミングt52において、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させ、タイミングt53において、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる。ケースC3では、ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着している(図16A(C))。よって、インバータIV1は、パルス信号PLS1を低レベルに維持する(図16A(D))。
このように、ケースC3では、ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着しているので、パルス信号PLS1は低レベルに維持され、これに応じて、フリップフロップ29が生成するパルス信号PLSAもまた低レベルに維持される。
図16Bは、ケースC3におけるヒストグラム生成部23の一動作例を表すものであり、(A)は不具合が無い場合を示し、(B)はケースC3に係る不具合がある場合を示す。図16A(D)に示したように、ケースC3では、パルス信号PLS1は低レベルに維持されるので、フリップフロップ29が生成するパルス信号PLSAもまた低レベルに維持される。これにより、図16B(B)に示したように、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“0”になる。
診断部26は、このように、全てのビンにおける頻度が“0”である場合には、受光部Pに、ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着するような不具合が生じていると診断する。
(ケースC4)
次に、ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着する場合(ケースC4)について説明する。
図17Aは、ケースC4における受光部Pの一動作例を表すものである。タイミングt61において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図17A(B))。また、測距制御部28は、タイミングt62において、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させ、タイミングt63において、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる。ケースC4では、ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着している(図17A(C))。よって、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルに維持する(図17A(D))。
このように、ケースC4では、ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着しているので、パルス信号PLS1は高レベルに維持され、これに応じて、フリップフロップ29が生成するパルス信号PLSAもまた高レベルに維持される。
図17Bは、ケースC4におけるヒストグラム生成部23の一動作例を表すものであり、(A)は不具合が無い場合を示し、(B)はケースC4に係る不具合がある場合を示す。図17A(D)に示したように、ケースC4では、パルス信号PLS1は高レベルに維持されるので、フリップフロップ29が生成するパルス信号PLSAもまた高レベルに維持される。これにより、図17B(B)に示したように、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“1”になる。
診断部26は、このように、全てのビンにおける頻度が“1”である場合には、受光部Pに、ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着するような不具合が生じていると診断する。
(ケースC5)
次に、フォトダイオードPDのカソードが低レベルに固着し、あるいはフォトダイオードPDのアノードおよびカソードが互いにショートする場合(ケースC5)について説明する。
図18は、選択された受光部P、およびその受光部Pが生成したパルス信号PLS1に基づいて動作を行うフリップフロップ29を表すものである。この図18では、図8と同様に、説明の便宜上、回路を簡略化して描いている。
図19Aは、ケースC5における受光部Pの一動作例を表すものであり、(A)は制御信号ENBISTの波形を示し、(B)は制御信号XACTの波形を示し、(C)はノードN1における電圧VN1の波形を示し、(D)はパルス信号PLS1(パルス信号PLS)の波形を示す。
この自己診断動作では、測距制御部28は、制御信号ENBISTを低レベルにする(図19A(A))。これにより、受光部Pでは、図18に示したように、トランジスタMP1がオン状態になり、トランジスタMN1がオフ状態になる。その結果、フォトダイオードPDのカソードは、接地ノードから切り離され、ノードN1に接続される。また、図18に示したように、測距制御部28は、フォトダイオードPDのアノードに印加する電源電圧VNEGを“0V”にする。なお、この例では、電源電圧VNEGを“0V”にしたが、これに限定されるものではなく、フォトダイオードPD(シングルフォトンアバランシェダイオード)を動作させないような電圧を印加することができる。例えば、測距動作において電源電圧VNEGを“-20V”にする場合には、この自己診断動作では、電源電圧VNEGを“-10V”にしてもよい。これにより、フォトダイオードPDはオフ状態になり、フォトダイオードPDのアノードとカソードとは、電気的に絶縁される。すなわち、図11の例ではトランジスタMP1をオフ状態にしたが、この図18の例では、トランジスタMP1をオン状態にするとともにフォトダイオードPDをオフ状態にしている。これにより、以下に説明するように、フォトダイオードPDのカソードに係る自己診断を行うことができる。なお、このようにしても、上述したケースC1~C4の自己診断動作(図14A,14B,15A,15B,16A,16B,17A,17B)と同様の動作を行うことができる。
タイミングt71において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図19A(B))。また、測距制御部28は、タイミングt72において、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させ、タイミングt73において、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる。不具合がない場合には、図12の場合と同様に、制御信号XACTに応じてノードN1における電圧VN1が変化し、この電圧VN1に応じてパルス信号PLS1は変化する。一方、ケースC5では、フォトダイオードPDのカソードが低レベルに固着し、あるいはフォトダイオードPDのアノードおよびカソードが互いにショートしている。よって、電圧VN1は低レベルを維持する(図19A(C))。よって、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルに維持する(図19A(D))。
図19Bは、ケースC5におけるヒストグラム生成部23の一動作例を表すものであり、(A)は不具合が無い場合を示し、(B)はケースC5に係る不具合がある場合を示す。図19A(D)に示したように、ケースC5では、パルス信号PLS1は高レベルに維持されるので、フリップフロップ29が生成するパルス信号PLSAもまた高レベルに維持される。これにより、図19B(B)に示したように、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“1”になる。
診断部26は、このように、制御信号ENBISTを低レベルにし、電源電圧VNEGを“0V”にした場合において、全てのビンにおける頻度が“1”である場合には、受光部Pに、フォトダイオードPDのカソードが低レベルに固着し、あるいはフォトダイオードPDのアノードおよびカソードが互いにショートするような不具合が生じていると診断する。
このようにして、診断部26は、受光部PにおけるケースC1~C5に示したような不具合の診断処理を行う。そして、出力部27は、診断部26の診断処理の結果を、診断結果信号S2として出力する。
このように、光検出システム1では、フォトダイオードPDと、オン状態になることによりフォトダイオードPDとノードN1とを接続する第1のスイッチ(トランジスタMP1)と、オン状態になることによりノードN1に所定の電圧(この例では接地電圧)を印加する第2のスイッチ(トランジスタMN2)と、ノードN1における電圧VN1に基づいてパルス信号PLS1を生成する信号生成部(インバータIV1)とを有する受光部Pを設けるようにした。パルス信号PLS1に基づいて、パルス信号PLSが変化するタイミングを検出する検出部(フリップフロップ部22およびヒストグラム生成部23)を設けるようにした。第2のスイッチ(トランジスタMN2)をオン状態にしたときの検出部の検出結果に応じた診断結果信号S2を出力する出力部27を設けるようにした。これにより、光検出システム1では、トランジスタMN2をオン状態にした場合において、受光部Pが所望の動作を行うかどうかを確認することができるので、受光部Pの自己診断を行うことができる。
また、光検出システム1では、図6に示したように、測距期間T1において測距動作を行い、ブランキング期間T2において自己診断動作を行うようにしたので、測距動作を続けつつ、受光部Pの自己診断を行うことができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、フォトダイオードと、オン状態になることによりフォトダイオードとノードN1とを接続する第1のスイッチと、オン状態になることによりノードN1に所定の電圧を印加する第2のスイッチと、ノードN1の電圧に基づいてパルス信号を生成する信号生成部とを有する受光部を設けるようにした。パルス信号に基づいて、パルス信号が変化するタイミングを検出する検出部を設けるようにした。第2のスイッチをオン状態にしたときの検出部の検出結果に応じた診断結果信号を出力する出力部を設けるようにした。これにより、自己診断を行うことができる。
[変形例1-1]
上記実施の形態では、フリップフロップ部22が、パルス信号PLSをサンプリングし、ヒストグラム生成部23が、そのサンプリング結果に基づいてヒストグラムを生成したが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例に係る光検出システム1Aについて詳細に説明する。
光検出システム1Aは、上記実施の形態に係る光検出システム1(図1)と同様に、光検出部20Aを備えている。
図20は、光検出部20Aの一構成例を表すものである。光検出部20Aは、TDC(Time to Digital Converter)部22Aと、ヒストグラム生成部23Aと、診断部26Aを有している。
TDC部22Aは、画素アレイ21から供給された複数のパルス信号PLSの立ち上がりタイミングを検出することにより、複数のタイミングコードTCODEを生成するように構成される。
図21は、TDC部22Aの一構成例を表すものである。TDC部22Aは、複数のTDC29Aを有している。複数のTDC29Aは、画素アレイ21から供給される複数のパルス信号PLSにそれぞれ対応して設けられる。複数のTDC29Aのそれぞれは、クロック信号CLKに基づいてカウント動作を行い、パルス信号PLSの立ち上がりエッジに基づいてカウント値をラッチすることにより、タイミングコードTCODEを生成するように構成される。そして、TDC部22Aは、複数のTDC29Aが生成したタイミングコードTCODEをヒストグラム生成部23Aに供給するようになっている。
ヒストグラム生成部23Aは、TDC部22Aから供給された複数のタイミングコードTCODEのそれぞれに基づいて、パルス信号PLSのパルスの発生タイミングを示すヒストグラムを生成するように構成される。具体的には、測距動作では、光検出部20は、反射光パルスL1を検出することによりパルス信号PLSを生成するので、ヒストグラム生成部23は、複数のパルス信号PLSAに基づいて、複数の受光部Pのそれぞれにおける受光タイミングを示すヒストグラムを生成する。また、自己診断動作では、光検出部20は、制御信号XACTに基づいてパルス信号PLSを生成するので、ヒストグラム生成部23は、複数のパルス信号PLSAに基づいて、複数の受光部Pのそれぞれにおける、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングを示すヒストグラムを生成するようになっている。
診断部26Aは、ヒストグラム生成部23Aから供給された、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングのデータに基づいて、画素アレイ21における複数の受光部Pの診断処理を行うように構成される。
ここで、TDC部22Aおよびヒストグラム生成部23Aは、本開示における「検出部」の一具体例に対応する。
図22は、測距動作におけるヒストグラム生成部23Aの一動作例を表すものであり、(A)は光パルスL0を1回射出したときに得られた、ある1つの受光部Pについてのヒストグラムを示し、(B)は、光パルスL0を複数回射出したときに得られた、その受光部Pについてのヒストグラムを示す。
光検出システム1Aは、光パルスL0を1回射出することにより、反射光パルスL1の受光タイミングに応じたタイミングコードTCODEを生成する。これに応じて、ヒストグラム生成部23Aは、図22(A)に示したヒストグラムを生成する。この例では、光パルスL0を1回射出しているので、頻度は“1”である。
光検出システム1Aは、1つの測距期間T1において、光パルスL0を複数回繰り返し射出する。これにより、図22(A)に示したようなデータが複数回分蓄積される。これにより、ヒストグラム生成部23Aは、図22(B)に示したヒストグラムを生成する。光検出システム1は、例えば、このヒストグラムの重心位置に基づいて、受光タイミングを算出することができる。
ヒストグラム生成部23Aは、複数の受光部Pのそれぞれについて、図22(B)に示したヒストグラムを生成し、複数の受光部Pのそれぞれについて、受光タイミングを算出する。
自己診断動作では、診断部26Aは、上述したケースC3~C5のような不具合を診断することができる。
ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着する場合(ケースC3)には、受光部Pは、図16Aに示したように、パルス信号PLS1を低レベルに維持する(図16A(D))。
図23は、ヒストグラム生成部23Aの一動作例を表すものであり、(A)は不具合が無い場合を示し、(B)はケースC3に係る不具合がある場合を示す。不具合がない場合には、図23(A)に示したように、パルス信号PLSの立ち上がりタイミングに応じたタイミングコードTCODEで、頻度が“1”になる。
ケースC3では、パルス信号PLS1は低レベルに維持されるので、パルス信号PLSに立ち上がりエッジが生じないため、TDC29AはタイミングコードTCODEを生成しない。これにより、ヒストグラムでは、図23(B)に示したように、全てのビンにおける頻度が“0”になる。診断部26Aは、このように、全てのビンにおける頻度が“0”である場合には、受光部Pに不具合が生じていると診断する。
ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着する場合(ケースC4)には、受光部Pは、図17Aに示したように、パルス信号PLS1を高レベルに維持する(図17A(D))。
ケースC4では、パルス信号PLS1は高レベルに維持されるので、パルス信号PLSに立ち上がりエッジが生じないため、図23に示したように、TDC29AはタイミングコードTCODEを生成しない。これにより、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“0”になる。診断部26Aは、このように、全てのビンにおける頻度が“0”である場合には、受光部Pに不具合が生じていると診断する。
フォトダイオードPDのカソードが低レベルに固着し、あるいはフォトダイオードPDのアノードおよびカソードが互いにショートする場合(ケースC5)には、受光部Pは、図19Aに示したように、パルス信号PLS1を高レベルに維持する(図19A(D))。
ケースC5では、パルス信号PLS1は高レベルに維持されるので、パルス信号PLSに立ち上がりエッジが生じないため、TDC29AはタイミングコードTCODEを生成しない。これにより、図23(B)に示したように、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“0”になる。診断部26Aは、このように、全てのビンにおける頻度が“0”である場合には、受光部Pに不具合が生じていると診断する。
[変形例1-2]
上記実施の形態では、1つのブランキング期間T2において、画素アレイ21における複数の受光部Pのうちの、検出対象である複数の受光部Pを順次選択したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、図24に示すように、複数(この例では2つ)のブランキング期間T2において、画素アレイ21における複数の受光部Pのうちの、検出対象である複数の受光部Pを順次選択してもよい。この例では、2つのブランキング期間T2のうちの最初のブランキング期間T2において、画素アレイ21の左半分における複数の受光部Pのうちの、検出対象である複数の受光部Pを順次選択し、次のブランキング期間T2において、画素アレイ21の右半分における複数の受光部Pのうちの、検出対象である複数の受光部Pを順次選択する。これにより、ブランキング期間T2の時間長を短くすることができるので、例えば単位時間当たりの測距動作の頻度を高めることができる。
[変形例1-3]
上記実施の形態では、測距動作において、図8に示したように、トランジスタMN2をオフ状態に維持したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、図25に示すように、このトランジスタMN2をオンオフしてもよい。これにより、例えば、以下に説明するように、測距動作において、発光部11が光パルスL0を射出する期間において、このトランジスタMN2をオン状態にすることにより、光検出部20の誤検出を防ぐことができる。
図26は、ブランキング期間T2から測距期間T1に移行するタイミングの前後における光検出システム1の一動作例を表すものであり、(A)は制御信号ENBISTの波形を示し、(B)は制御信号XACTの波形を示し、(C)は発光部11から射出される光の波形を示し、(D)は光検出部20に入射する光の波形を示し、(E)はノードN1における電圧VN1の波形を示し、(F)はパルス信号PLS1の波形を示す。
ブランキング期間T2では、光検出システム1は、自己診断を行う。この例では、測距制御部28は、タイミングt81~t82の期間において制御信号XACTを高レベルにし、ノードN1における電圧VN1およびパルス信号PLS1が、この制御信号XACTに応じて変化する(図26(B),(E),(F))。
そして、タイミングt83において、測距制御部28は、制御信号ENBISTを高レベルから低レベルに変化させる(図26(A))。これにより、トランジスタMP1がオン状態になるとともにトランジスタMN1がオフ状態になり、フォトダイオードPDのカソードが接地ノードから切り離され、ノードN1に接続される。
また、このタイミングt83において、測距制御部28は、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させる(図26(B))。これにより、トランジスタMN2がオン状態になるとともにトランジスタMP3がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、定電流源CURから切り離され、接地される。このように電圧VN1が高レベルから低レベルに変化するので(図26(E))、インバータIV1はパルス信号PLS1を低レベルから高レベルに変化させる(図26(F))。
そして、タイミングt84において、ブランキング期間T2が終了し、測距期間T1が開始する。このタイミングt84において、発光部11は、制御部14からの指示に基づいて、光パルスL0を射出する(図26(C))。このとき、制御信号XACTは高レベルであるので(図26(B))、トランジスタMN2はオン状態である。よって、ノードN1における電圧VN1は低レベルに維持される。
そして、その後のタイミングt85において、測距制御部28は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図26(B))。これにより、トランジスタMP3がオン状態になるとともにトランジスタMN2がオフ状態になる。その結果、ノードN1は接地ノードから切り離され定電流源CURに接続される。定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図26(E))。そして、タイミングt86において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図26(F))。
これ以降の動作は、上記実施の形態の場合(図9)と同様である。
このように、本変形例では、発光部11が光パルスL0を射出する期間において、このトランジスタMN2をオン状態にした。これにより、例えば、発光部11から射出された光パルスL0が、光検出システム1の筐体の内壁で反射して、光検出部20に入射した場合でも、光検出部20は、この光に基づいてパルス信号PLS1のパルスを生成させない。その結果、光検出部20では、誤検出を防ぐことができる。
この例では、図25に示したように、1つのトランジスタMN2を用いたが、これに限定されるものではなく、図27に示すように、トランジスタMN2とは別に、測距期間T1においてオンオフするトランジスタMN3を設けてもよい。
[変形例1-4]
上記実施の形態では、受光部Pをデイジーチェーン接続したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、画素アレイ21における複数の受光部Pにそれぞれ対応する複数のフリップフロップ29を設け、受光部Pおよびフリップフロップ29を一対一で接続してもよい。本変形例に係る光検出システム1Dは、上記実施の形態に係る光検出システム1(図1)と同様に、光検出部20Dを備えている。光検出部20Dは、上記実施の形態に係る光検出部20(図2)と同様に、画素アレイ21Dと、フリップフロップ部22Dとを有している。画素アレイ21Dは、マトリックス状に配置された複数の受光部Pを有する。フリップフロップ部22Dは、複数の受光部Pに対応する複数のフリップフロップ29を有している。
図28は、本変形例に係る受光部Pおよびフリップフロップ29の一構成例を表すものである。受光部Pは、フォトダイオードPDと、トランジスタMN1,MP1,MP2,MP3,MN2と、インバータIV1とを有している。本変形例に係る受光部Pは、上記実施の形態に係る受光部P(図3)から、論理積回路AND1および論理和回路OR1を省いたものである。本変形例に係る受光部Pでは、インバータIV1は、ノードN1における電圧VN1の反転電圧を生成することによりパルス信号PLSを生成するように構成される。フリップフロップ29は、このインバータIV1から出力されたパルス信号PLSに基づいて動作するようになっている。
図29は、光検出部20Dの一実装例を表すものである。この例では、光検出部20Dを2枚の半導体基板101,102に形成している。半導体基板101は、光検出部20Dの受光面側に配置され、半導体基板102は、光検出部20Dの受光面側とは反対側に配置される。半導体基板101,102は互いに重ね合わされる。半導体基板101の配線と、半導体基板102の配線とは、配線103により接続される。配線103は、例えばCu-Cu結合やバンプ結合などの金属結合などを用いることができる。例えば、図28に示した受光部PのフォトダイオードPDは、半導体基板101に配置され、受光部PにおけるフォトダイオードPD以外の素子、およびその受光部Pに接続されたフリップフロップ29は、半導体基板102に配置される。受光部PのフォトダイオードPDと、その受光部PにおけるフォトダイオードPD以外の素子、およびその受光部Pに接続されたフリップフロップ29は、半導体基板101,102における、互いに対応する領域に配置される。
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る光検出システム2について説明する。本実施の形態は、複数の受光部Pの自己診断をまとめて行うように構成される。なお、上記第1の実施の形態に係る光検出システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施の形態に係る光検出システム2は、第1の実施の形態に係る光検出システム1(図1)と同様に、光検出部30を備えている。
図30は、光検出部30の一構成例を表すものである。光検出部30は、フリップフロップ部32と、ヒストグラム生成部33と、診断部36とを有している。
図31は、フリップフロップ部32の一構成例を表すものである。フリップフロップ部32は、複数のフリップフロップ29と、複数の論理積回路37と、複数のフリップフロップ38とを有している。
複数の論理積回路37のそれぞれは、4つのパルス信号PLSの論理積を求めるように構成される。なお、この例では、論理積回路37は、4つのパルス信号PLSの論理積を求めるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、2つまたは3つのパルス信号PLSの論理積を求めるようにしてもよいし、5つ以上のパルス信号PLSの論理積を求めるようにしてもよい。
複数のフリップフロップ38は、複数の論理積回路37にそれぞれ対応して設けられる。複数のフリップフロップ38のそれぞれは、対応する論理積回路37の出力信号をクロック信号CLKに基づいてサンプリングすることによりパルス信号PLSBを生成するように構成される。このパルス信号PLSBは、診断処理動作において使用される。すなわち、光検出システム2は、診断処理動作では、4つの受光部Pをまとめて診断する。
ヒストグラム生成部33は、測距動作において、複数のパルス信号PLSAに基づいて、複数の受光部Pのそれぞれにおける受光タイミングを示すヒストグラムを生成する。また、ヒストグラム生成部33は、自己診断動作において、複数のパルス信号PLSBに基づいて、複数の受光部Pのそれぞれにおける、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングを示すヒストグラムを生成するようになっている。
診断部36は、ヒストグラム生成部33から供給された、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングのデータに基づいて、画素アレイ21における複数の受光部Pの診断処理を行うように構成される。この診断部36は、4つの受光部Pをまとめて診断することにより、複数の受光部Pの診断処理を行うようになっている。
ここで、フリップフロップ部32およびヒストグラム生成部33は、本開示における「検出部」の一具体例に対応する。
光検出システム2は、第1の実施の形態に係る光検出システム1の場合(図6)と同様に、測距期間T1において測距動作を行い、ブランキング期間T2において、画素アレイ21における複数の受光部Pの自己診断を行う。光検出システム2の測距動作は、第1の実施の形態に係る光検出システム1の場合(図7~10)と同様である。
自己診断動作では、診断部36は、上述したケースC1,C3のような不具合を診断することができる。
(ケースC1)
定電流源CURが流す電流が多い場合(ケースC1)には、図14Aに示したように、不具合がない場合に比べて、パルス信号PLS1のパルス幅が短くなる(図14A(D))。
図32は、ヒストグラム生成部33の一動作例を表すものであり、(A)は4つの受光部Pのいずれにも不具合が無い場合を示し、(B)は4つの受光部Pのうちの少なくとも1つにケースC1に係る不具合がある場合を示す。4つの受光部Pのいずれにも不具合がない場合には、その4つの受光部Pにより生成された4つのパルス信号PLSは、ほぼ同じ波形を有する。フリップフロップ部32の論理積回路37は、4つの受光部Pから供給されたパルス信号PLSの論理積を求める。論理積回路37の出力信号は、これらの4つのパルス信号PLSとほぼ同じ波形を有する。よって、図32(A)に示したように、頻度が“1”であるヒストグラムが得られる。このヒストグラムの左端は、パルス信号PLSにおけるパルスの発生タイミングに対応し、ヒストグラムの分布の幅は、パルス信号PLSにおけるパルスのパルス幅に対応する。
4つの受光部Pのうちの少なくとも1つにケースC1に係る不具合がある場合には、その不具合がある受光部Pでは、図14Aに示したように、パルス信号PLS1のパルスの終了タイミングが早くなることにより、パルス幅が短くなる(図14A(D))。フリップフロップ部32の論理積回路37は、4つの受光部Pから供給されたパルス信号PLSの論理積を求める。論理積回路37の出力信号は、不具合がある受光部Pが生成するパルス信号PLS1と同様に、パルス幅が短い信号となる。その結果、図32(B)に示したように、不具合がない場合(図32(A))に比べて、ヒストグラムにおける右端が左側に移動するので、ヒストグラムの分布の幅が狭くなる。
診断部36は、このように、ヒストグラムにおける右端が左側に移動することによりヒストグラムの分布の幅が狭くなっている場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、定電流源CURが流す電流が多くなるような不具合が生じていると診断する。
(ケースC3)
ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着する場合(ケースC3)には、受光部Pは、図16Aに示したように、パルス信号PLS1を低レベルに維持する(図16A(D))。
図33は、ヒストグラム生成部33の一動作例を表すものであり、(A)は4つの受光部Pのいずれにも不具合が無い場合を示し、(B)は4つの受光部Pのうちの少なくとも1つにケースC3に係る不具合がある場合を示す。4つの受光部Pのうちの少なくとも1つにケースC3に係る不具合がある場合には、その不具合がある受光部Pでは、図16Aに示したように、パルス信号PLS1は低レベルに維持される(図16A(D))。フリップフロップ部32の論理積回路37は、4つの受光部Pから供給されたパルス信号PLSの論理積を求める。これにより、論理積回路37の出力信号は、低レベルに維持される。その結果、図33(B)に示したように、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“0”になる。
診断部36は、このように、全てのビンにおける頻度が“0”である場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着するような不具合が生じていると診断する。
このように、光検出システム3では、複数(この例では4つ)の受光部Pがそれぞれ生成したパルス信号PLSに基づいて合成パルス信号(パルス信号PLSB)を生成し、この合成パルス信号が変化するタイミングを検出するようにしたので、診断処理を行うことができる。
以上のように本実施の形態では、複数の受光部がそれぞれ生成したパルス信号に基づいて合成パルス信号を生成し、この合成パルス信号が変化するタイミングを検出するようにしたので、診断処理を行うことができる。
[変形例2-1]
上記実施の形態では、図31に示したように、論理積回路37が4つのパルス信号PLSの論理積を求めることにより、4つの受光部Pの自己診断をまとめて行うようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、4つのパルス信号PLSの論理和を求めることにより、4つの受光部Pの自己診断をまとめて行うようにしてもよい。以下に、本変形例に係る光検出システム2Aについて、詳細に説明する。
本実施の形態に係る光検出システム2Aは、第1の実施の形態に係る光検出システム1(図1)と同様に、光検出部30Aを備えている。光検出部30Aは、第2の実施の形態に係る光検出部30(図30)と同様に、フリップフロップ部32Aと、診断部36Aとを有している。
図34は、フリップフロップ部32Aの一構成例を表すものである。フリップフロップ部32Aは、複数の論理和回路37Aを有している。
複数の論理和回路37Aのそれぞれは、4つのパルス信号PLSの論理和を求めるように構成される。複数のフリップフロップ38のそれぞれは、対応する論理和回路37Aの出力信号をクロック信号CLKに基づいてサンプリングすることによりパルス信号PLSBを生成するようになっている。
診断部36Aは、ヒストグラム生成部33から供給された、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングのデータに基づいて、画素アレイ21における複数の受光部Pの診断処理を行うように構成される。この診断部36Aは、4つの受光部Pをまとめて診断することにより、複数の受光部Pの診断処理を行うようになっている。
自己診断動作では、診断部36Aは、上述したケースC2,C4,C5のような不具合を診断することができる。
定電流源CURが流す電流が少ない場合(ケースC2)には、図15Aに示したように、不具合がない場合に比べて、パルス信号PLS1のパルス幅が長くなる(図15A(D))。
図35は、ヒストグラム生成部33Aの一動作例を表すものであり、(A)は4つの受光部Pのいずれにも不具合が無い場合を示し、(B)は4つの受光部Pのうちの少なくとも1つにケースC2に係る不具合がある場合を示す。4つの受光部Pのうちの少なくとも1つにケースC2に係る不具合がある場合には、その不具合がある受光部Pでは、図15Aに示したように、パルス信号PLS1のパルスの終了タイミングが遅くなることにより、パルス幅が長くなる(図15A(D))。フリップフロップ部32Aの論理和回路37Aは、4つの受光部Pから供給されたパルス信号PLSの論理和を求める。これにより、論理和回路37Aの出力信号は、不具合がある受光部Pが生成するパルス信号PLS1と同様に、パルス幅が長い信号となる。その結果、図35(B)に示したように、不具合がない場合(図35(A))に比べて、ヒストグラムにおける右端が右側に移動するので、ヒストグラムの分布の幅が広くなる。
診断部36Aは、このように、ヒストグラムにおける右端が右側に移動することによりヒストグラムの分布の幅が広くなっている場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、定電流源CURが流す電流が少なくなるような不具合が生じていると診断する。
ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着する場合(ケースC4)には、受光部Pは、図17Aに示したように、パルス信号PLS1を高レベルに維持する(図17A(D))。
図36は、ヒストグラム生成部33Aの一動作例を表すものであり、(A)は4つの受光部Pのいずれにも不具合が無い場合を示し、(B)は4つの受光部Pのうちの少なくとも1つにケースC4に係る不具合がある場合を示す。
4つの受光部Pのうちの少なくとも1つにケースC4に係る不具合がある場合には、その不具合がある受光部Pでは、図17Aに示したように、パルス信号PLS1は高レベルに維持される(図17A(D))。フリップフロップ部32Aの論理和回路37Aは、4つの受光部Pから供給されたパルス信号PLSの論理和を求める。これにより、論理和回路37Aの出力信号は、高レベルに維持される。その結果、図36(B)に示したように、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“1”になる。
診断部36Aは、このように、全てのビンにおける頻度が“1”である場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着するような不具合が生じていると診断する。
フォトダイオードPDのカソードが低レベルに固着し、あるいはフォトダイオードPDのアノードおよびカソードが互いにショートする場合(ケースC5)には、受光部Pは、図19Aに示したように、パルス信号PLS1を高レベルに維持する(図19A(D))。なお、ケースC5に係る自己診断を行う場合には、上述したように、制御信号ENBISTを低レベルにし、フォトダイオードPDのアノードに印加する電源電圧VNEGを“0V”にしている。よって、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つにケースC5に係る不具合がある場合には、ケースC4の場合(図36)と同様に、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“1”になる。
診断部36Aは、制御信号ENBISTを低レベルにし、電源電圧VNEGを“0V”にした場合において、このように、全てのビンにおける頻度が“1”である場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、フォトダイオードPDのカソードが低レベルに固着し、あるいはフォトダイオードPDのアノードおよびカソードが互いにショートするような不具合が生じていると診断する。
[変形例2-2]
上記実施の形態では、フリップフロップ29,38を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図37に示すように、変形例1-1と同様に、TDCを設けてもよい。TDC部32Bは、複数のTDC29Bと、複数の論理積回路37と、複数のTDC38Bとを有している。複数のTDC29Bのそれぞれは、クロック信号CLKに基づいてカウント動作を行い、パルス信号PLSの立ち上がりエッジに基づいてカウント値をラッチすることにより、タイミングコードTCODEを生成するように構成される。複数のTDC38Bのそれぞれは、クロック信号CLKに基づいてカウント動作を行い、論理積回路37の出力信号の立ち上がりエッジに基づいてカウント値をラッチすることにより、タイミングコードTCODEを生成するように構成される。
[変形例2-3]
上記実施の形態では、受光部Pをデイジーチェーン接続したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、変形例1-4と同様に、画素アレイ21における複数の受光部Pにそれぞれ対応する複数のフリップフロップ29を設け、受光部Pおよびフリップフロップ29を一対一で接続してもよい。本変形例に係る光検出システム2Cは、第2の実施の形態に係る光検出システム2と同様に、光検出部30Cを備えている。光検出部30Cは、第2の実施の形態に係る光検出部30(図30)と同様に、画素アレイ21Cと、フリップフロップ部32Cとを有している。画素アレイ21Cは、マトリックス状に配置された複数の受光部Pを有する。フリップフロップ部32Cは、複数の受光部Pに対応する複数のフリップフロップ29と、複数の論理積回路37と、複数のフリップフロップ38とを有している。
図38は、本変形例に係る、4つの受光部P、4つのフリップフロップ29、論理積回路37、およびフリップフロップ38の一構成例を表すものである。受光部Pは、フォトダイオードPDと、トランジスタMN1,MP1,MP2,MP3,MN2と、インバータIV1とを有している。本変形例に係る受光部Pは、上記実施の形態に係る受光部P(図3)から、論理積回路AND1および論理和回路OR1を省いたものである。本変形例に係る受光部Pでは、インバータIV1は、ノードN1における電圧VN1の反転電圧を生成することによりパルス信号PLSを生成するように構成される。4つのフリップフロップ29のそれぞれは、対応する受光部PのインバータIV1から出力されたパルス信号PLSに基づいて動作する。論理積回路37は、4つのパルス信号PLSの論理積を求める。フリップフロップ38は、論理積回路37の出力信号に基づいて動作する。なお、この例では、複数の論理積回路37を有するフリップフロップ部32Cを用いたが、これに限定されるものではなく、図39に示すように、複数の論理和回路37Aを有するフリップフロップ部32Dを用いてもよい。
また、図38の例では、4つの受光部Pにそれぞれ対応する4つのフリップフロップ29を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、図40に示すフリップフロップ部32Eのように、4つの受光部Pに対応する1つのフリップフロップ29を設けてもよい。このフリップフロップ部32Eは、論理和回路37Eと、論理積回路37Fと、セレクタ38Eと、フリップフロップ29とを有している。論理和回路37Eは、4つのパルス信号PLSの論理和を求めるように構成される。論理積回路37Fは、4つのパルス信号PLSの論理積を求めるように構成される。セレクタ38Eは、測距動作では論理和回路37Eの出力信号を選択し、自己診断動作では論理積回路37Fの出力信号を選択するように構成される。フリップフロップ29は、セレクタ38Eの出力信号を、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに基づいてサンプリングすることにより、パルス信号PLSAを生成するように構成される。測距動作において、論理和回路37Eは、4つのパルス信号PLSの論理和を求め、フリップフロップ29は、この論理和回路37Eの出力信号に基づいてパルス信号PLSAを生成する。これにより、図38の例に比べて、フリップフロップ29の数を減らすことができるので、回路面積を小さくすることができるとともに、消費電力を低減することができる。
同様に、図39の例では、4つの受光部Pにそれぞれ対応する4つのフリップフロップ29を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、図41に示すフリップフロップ部32Fのように、4つの受光部Pに対応する1つのフリップフロップ29を設けてもよい。このフリップフロップ部32Fは、論理和回路37Eと、フリップフロップ29とを有している。論理和回路37Eは、4つのパルス信号PLSの論理和を求めるように構成される。フリップフロップ29は、論理和回路37Eの出力信号を、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに基づいてサンプリングすることにより、パルス信号PLSAを生成するように構成される。この例では、測距動作および自己診断動作の両方において、論理和回路37Eを用いる。これにより、図39の例に比べて、フリップフロップ29の数を減らすことができるので、回路面積を小さくすることができるとともに、消費電力を低減することができる。
本変形例に係る光検出部は、変形例1-4に係る光検出部20D(図29)と同様に、例えば、2枚の半導体基板に形成することができる。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る光検出システム3について説明する。本実施の形態は、加算器を用いて、複数の受光部Pの自己診断をまとめて行うように構成される。なお、上記第1の実施の形態に係る光検出システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施の形態に係る光検出システム3は、第1の実施の形態に係る光検出システム1(図1)と同様に、光検出部40を備えている。
図42は、光検出部40の一構成例を表すものである。光検出部40は、フリップフロップ部42と、ヒストグラム生成部43と、診断部46とを有している。
図43は、フリップフロップ部42の一構成例を表すものである。フリップフロップ部42は、複数のフリップフロップ29と、複数の加算器47とを有している。
複数の加算器47のそれぞれは、4つのパルス信号PLSAに基づいて加算処理を行うことによりコードCODEを生成するように構成される。具体的には、加算器47は、4つのパルス信号PLSAのうち、高レベルである信号の数を示すコードCODEを生成する。高レベルである信号の数は、0以上4以下の値を取り得る。よって、加算器47は、3ビットのコードCODEを生成するようになっている。
図44は、加算器47の一構成例を表すものである。加算器47は、半加算器51,52と、全加算器53,54とを有している。半加算器51の入力端子A,Bには、4つのパルス信号PLSAのうちの2つが入力され、出力端子Sは全加算器54の入力端子Aに接続され、キャリー出力端子Coutは全加算器53の入力端子Aに接続される。半加算器52の入力端子A,Bには、4つのパルス信号PLSAのうちの残りの2つが入力され、出力端子Sは全加算器54の入力端子Bに接続され、キャリー出力端子Coutは全加算器53の入力端子Bに接続される。全加算器53の入力端子Aは半加算器51のキャリー出力端子Coutに接続され、入力端子Bは半加算器52のキャリー出力端子Coutに接続され、キャリー入力端子Cinは全加算器54のキャリー出力端子Coutに接続される。全加算器53は、キャリー出力端子Coutから、コードCODEのビットB2を示す信号を出力し、出力端子Sから、コードCODEのビットB1を示す信号を出力する。全加算器54の入力端子Aは半加算器51の出力端子Sに接続され、入力端子Bは半加算器52の出力端子Sに接続され、キャリー入力端子Cinは接地され、キャリー出力端子Coutは全加算器53のキャリー入力端子Cinに接続される。全加算器54は、出力端子Sから、コードCODEのビットB0を示す信号を出力する。ビットB2はコードCODEの最上位ビットであり、ビットB0はコードCODEの最下位ビットである。
ヒストグラム生成部43(図42)は、測距動作において、複数のパルス信号PLSAに基づいて、複数の受光部Pのそれぞれにおける受光タイミングを示すヒストグラムを生成する。また、ヒストグラム生成部43は、自己診断動作において、コードCODEに基づいて、複数の受光部Pのそれぞれにおける、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングを示すヒストグラムを生成するようになっている。
診断部46は、ヒストグラム生成部43から供給された、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングのデータに基づいて、画素アレイ21における複数の受光部Pの診断処理を行うように構成される。この診断部46は、4つの受光部Pをまとめて診断することにより、複数の受光部Pの診断処理を行うようになっている。
ここで、フリップフロップ部42およびヒストグラム生成部43は、本開示における「検出部」の一具体例に対応する。
光検出システム3は、第1の実施の形態に係る光検出システム1の場合(図6)と同様に、測距期間T1において測距動作を行い、ブランキング期間T2において、画素アレイ21における複数の受光部Pの自己診断を行う。光検出システム3の測距動作は、第1の実施の形態に係る光検出システム1の場合(図7~10)と同様である。
自己診断動作では、診断部36は、上述したケースC1~C5のような不具合を診断することができる。
(ケースC1)
定電流源CURが流す電流が多い場合(ケースC1)には、図14Aに示したように、不具合がない場合に比べて、パルス信号PLS1のパルス幅が短くなる(図14A(D))。
図45は、ヒストグラム生成部43の一動作例を表すものであり、(A)は4つの受光部Pのいずれにも不具合が無い場合を示し、(B)は4つの受光部Pのうちの1つにケースC1に係る不具合がある場合を示す。4つの受光部Pのいずれにも不具合がない場合には、4つのパルス信号PLSのパルス幅は同じであるので、コードCODEが示す値は、例えば、パルス信号PLSのパルス付近において、“0”,“4”,“4”,“4”,“4”,“0”のように変化する。よって、図45(A)に示したように、頻度が“4”である平坦なヒストグラムが得られる。このヒストグラムの左端は、パルス信号PLSにおけるパルスの発生タイミングに対応し、ヒストグラムの分布の幅は、パルス信号PLSにおけるパルスのパルス幅に対応する。
4つの受光部Pのうちの1つにケースC1に係る不具合がある場合には、その不具合がある受光部Pでは、図14Aに示したように、パルス信号PLS1のパルスの終了タイミングが早くなることにより、パルス幅が短くなる(図14A(D))。よって、コードCODEが示す値は、例えば、パルス信号PLSのパルス付近において、“0”,“4”,“4”,“4”,“3”,“0”のように変化する。その結果、図45(B)に示したように、不具合がない場合(図45(A))に比べて、ヒストグラムにおける右端の一部が欠ける。
診断部46は、このように、ヒストグラムにおける右端の一部が欠けている場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、定電流源CURが流す電流が多くなるような不具合が生じていると診断する。
(ケースC2)
定電流源CURが流す電流が少ない場合(ケースC2)には、図15Aに示したように、不具合がない場合に比べて、パルス信号PLS1のパルス幅が長くなる(図15A(D))。
図46は、ヒストグラム生成部43の一動作例を表すものであり、(A)は4つの受光部Pのいずれにも不具合が無い場合を示し、(B)は4つの受光部Pのうちの1つにケースC2に係る不具合がある場合を示す。4つの受光部Pのうちの1つにケースC2に係る不具合がある場合には、その不具合がある受光部Pでは、図15Aに示したように、パルス信号PLS1のパルスの終了タイミングが遅くなることにより、パルス信号PLS1のパルス幅が長くなる(図15A(D))。よって、コードCODEが示す値は、例えば、パルス信号PLSのパルス付近において、“0”,“4”,“4”,“4”,“4”,“1”,“0”のように変化する。その結果、図46(B)に示したように、不具合がない場合(図46(A))に比べて、ヒストグラムにおける右端の一部が広がる。
診断部46は、このように、ヒストグラムにおける右端の一部が広がる場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、定電流源CURが流す電流が少なくなるような不具合が生じていると診断する。
(ケースC3)
ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着する場合(ケースC3)には、受光部Pは、図16Aに示したように、パルス信号PLS1を低レベルに維持する(図16A(D))。
図47は、ヒストグラム生成部43の一動作例を表すものであり、(A)は4つの受光部Pのいずれにも不具合が無い場合を示し、(B)は4つの受光部Pのうちの1つにケースC3に係る不具合がある場合を示す。4つの受光部Pのうちの1つにケースC3に係る不具合がある場合には、その不具合がある受光部Pでは、図16Aに示したように、パルス信号PLS1は低レベルに維持される(図16A(D))。よって、コードCODEが示す値は、例えば、パルス信号PLSのパルス付近において、“0”,“3”,“3”,“3”,“3”,“0”のように変化する。その結果、図47(B)に示したように、不具合がない場合(図47(A))に比べて、ヒストグラムの高さが低くなる。
診断部46は、このように、ヒストグラムの高さが低くなる場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、ノードN1における電圧VN1が高レベルに固着するような不具合が生じていると診断する。
(ケースC4)
ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着する場合(ケースC4)には、受光部Pは、図17Aに示したように、パルス信号PLS1を高レベルに維持する(図17A(D))。
図48は、ヒストグラム生成部43の一動作例を表すものであり、(A)は4つの受光部Pのいずれにも不具合が無い場合を示し、(B)は4つの受光部Pのうちの1つにケースC4に係る不具合がある場合を示す。4つの受光部Pのうちの1つにケースC4に係る不具合がある場合には、その不具合がある受光部Pでは、図17Aに示したように、パルス信号PLS1は高レベルに維持される(図17A(D))。よって、コードCODEが示す値は、例えば、“1”,…,“1”,“4”,“4”,“4”,“4”,“1”,…のように変化する。その結果、図48(B)に示したように、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“1”以上になる。
診断部46は、このように、全てのビンにおける頻度が“1”以上である場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、ノードN1における電圧VN1が低レベルに固着するような不具合が生じていると診断する。
(ケースC5)
フォトダイオードPDのカソードが低レベルに固着し、あるいはフォトダイオードPDのアノードおよびカソードが互いにショートする場合(ケースC5)には、受光部Pは、図19Aに示したように、パルス信号PLS1を高レベルに維持する(図19A(D))。なお、ケースC5に係る自己診断を行う場合には、上述したように、制御信号ENBISTを低レベルにし、フォトダイオードPDのアノードに印加する電源電圧VNEGを例えば“0V”にしている。よって、4つの受光部Pのうちの1つにケースC5に係る不具合がある場合には、ケースC4の場合(図48)と同様に、ヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“1”以上になる。
診断部46は、制御信号ENBISTを低レベルにし、電源電圧VNEGを“0V”にした場合において、このように、全てのビンにおける頻度が“1”以上である場合には、4つの受光部Pのうちの少なくとも1つに、フォトダイオードPDのカソードが低レベルに固着し、あるいはフォトダイオードPDのアノードおよびカソードが互いにショートするような不具合が生じていると診断する。
このように、光検出システム3では、複数(この例では4つ)の受光部Pがそれぞれ生成したパルス信号PLSに基づいて加算処理を行うことによりコードCODEを生成し、コードCODEが変化するタイミングを検出するようにしたので、診断処理を行うことができる。
以上のように本実施の形態では、複数の受光部がそれぞれ生成したパルス信号に基づいて加算処理を行うことによりコードを生成し、コードが変化するタイミングを検出するようにしたので、診断処理を行うことができる。
[変形例3-1]
上記実施の形態では、フリップフロップ29を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、変形例2-2と同様に、TDCを設けてもよい。
[変形例3-2]
上記実施の形態では、受光部Pをデイジーチェーン接続したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、変形例2-3と同様に、受光部Pおよびフリップフロップ29を一対一で接続してもよい。
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態に係る光検出システム4について説明する。本実施の形態は、受光部Pの構成が、第1の実施の形態に係る受光部P(図3)と異なるものである。なお、上記第1の実施の形態に係る光検出システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施の形態に係る光検出システム4は、第1の実施の形態に係る光検出システム1(図1)と同様に、光検出部60を備えている。
図49は、光検出部60の一構成例を表すものである。光検出部60は、画素アレイ61と、診断部66とを有している。
画素アレイ61は、マトリックス状に配置された複数の受光部Pを有する。受光部Pは、光を検出することにより、検出した光に応じたパルスを有するパルス信号を生成するように構成される。また、受光部Pは、光検出システム1が自己診断動作を行う際に、供給された制御信号(後述する制御信号ENBIST,XACT,XENAR)に基づいてパルス信号を生成することができるようになっている。
図50は、受光部Pの一構成例を表すものである。受光部Pは、フォトダイオードPDと、トランジスタMN1,MP1,MP2,MP3,MN2と、インバータIV1と、否定論理和回路NOR1と、否定論理積回路NAND1と、遅延回路DEL1と、トランジスタMP4と、論理積回路AND1と、論理和回路OR1とを有している。トランジスタMP4は、P型のMOSトランジスタである。
否定論理和回路NOR1は、制御信号XACTおよび制御信号XENARの否定論理和を求めるように構成される。この否定論理和回路NOR1には、電源電圧VDDHが供給されるようになっている。
否定論理積回路NAND1は、否定論理和回路NOR1の出力信号およびパルス信号PLS1の否定論理積を求めるように構成される。この否定論理積回路NAND1には、電源電圧VDDHが供給されるようになっている。
遅延回路DEL1は、否定論理積回路NAND1の出力信号を遅延させるように構成される。この遅延回路DEL1には、電源電圧VDDHが供給されるようになっている。
トランジスタMP4のゲートには遅延回路DEL1の出力信号が供給され、ソースには電源電圧VDDHが供給され、ドレインはノードN1に接続される。
診断部66(図49)は、ヒストグラム生成部23から供給された、制御信号XACTに基づくパルス信号PLSのパルスの発生タイミングのデータに基づいて、画素アレイ61における複数の受光部Pの診断処理を行うように構成される。
測距制御部68は、制御部14からの指示に基づいて、画素アレイ61、フリップフロップ部22、ヒストグラム生成部23、距離演算部24、および診断部66の動作を制御することにより、光検出部60の動作を制御するように構成される。
図51は、測距動作における受光部Pにおける一動作例を表すものであり、(A)は制御信号ENBISTの波形を示し、(B)は制御信号XACTの波形を示し、(C)は制御信号XENARの波形を示し、(D)は発光部11から射出される光の波形を示し、(E)は光検出部60に入射する光の波形を示し、(F)はトランジスタMP4のゲートにおける電圧ARの波形を示し、(G)はノードN1における電圧VN1の波形を示し、(H)はパルス信号PLS1(パルス信号PLS)の波形を示す。図51では、クロック信号CLKおよびパルス信号PLSAの波形の図示を省いているが、上記第1の実施の形態の場合(図9)と同様である。
測距動作では、測距制御部68は、制御信号ENBIST,XACTを低レベルにする(図51(A),(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP1,MP3がオン状態になり、トランジスタMN1,MN2がオフ状態になる。その結果、フォトダイオードPDのカソードがノードN1に接続され、定電流源CUR(トランジスタMP2)がノードN1に接続される。また、測距制御部68は、制御信号XENARを低レベルにする(図51(C))。これにより、否定論理和回路NOR1の出力信号は高レベルである。
タイミングt91において、発光部11は、制御部14からの指示に基づいて、光パルスL0を射出する(図51(D))。この光パルスL0は計測対象物OBJにおいて反射される。計測対象物OBJにより反射された光パルス(反射光パルスL1)は、タイミングt92において、光検出部60の受光部Pに入射する。光パルスL0が射出されたタイミングt91から、反射光パルスL1が入射するタイミングt92までの時間は、その受光部Pが検出した光パルスの飛行時間Ttofである。
受光部Pでは、フォトダイオードPDが光を検出することにより、アバランシェ増幅が生じ、ノードN1における電圧VN1が低下する(図51(G))。そして、タイミングt93において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより低くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を低レベルから高レベルへ変化させる(図51(H))。
このパルス信号PLS1の変化に応じて、否定論理積回路NAND1は出力信号を高レベルから低レベルに変化させる。タイミングt93から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ遅れたタイミングt94において、遅延回路DEL1は、トランジスタMP4のゲートにおける電圧ARを高レベルから低レベルに変化させる(図51(F))。これにより、トランジスタMP4がオン状態になり、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図51(G))。そして、タイミングt95において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図51(H))。
そして、このパルス信号PLS1の変化に応じて、否定論理積回路NAND1は出力信号を低レベルから高レベルに変化させる。タイミングt95から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ遅れたタイミングt96において、遅延回路DEL1は、トランジスタMP4のゲートにおける電圧ARを低レベルから高レベルに変化させる(図51(F))。
図52は、自己診断動作における受光部Pの一動作例を表すものであり、(A)は制御信号ENBISTの波形を示し、(B)は制御信号XACTの波形を示し、(C)は制御信号XENARの波形を示し、(D)はトランジスタMP4のゲートにおける電圧ARの波形を示し、(E)はノードN1における電圧VN1の波形を示し、(F)はパルス信号PLS1(パルス信号PLS)の波形を示す。図52では、クロック信号CLKおよびパルス信号PLSAの波形の図示を省いているが、上記第1の実施の形態の場合(図12等)と同様である。
自己診断動作では、測距制御部68は、制御信号ENBISTを高レベルにする(図52(A))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP1がオフ状態になり、トランジスタMN1がオン状態になる。その結果、フォトダイオードPDのカソードは、ノードN1から切り離され、接地される。また、測距制御部68は、タイミングt101より前の期間において、制御信号XACTを高レベルにする(図52(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMN2がオン状態になり、トランジスタMP3がオフ状態になる。その結果、定電流源CURはノードN1から切り離され、ノードN1は接地される。さらに、測距制御部68は、制御信号XENARを低レベルにする(図52(C))。タイミングt101より前の期間において、制御信号XACTは高レベルであるので、否定論理和回路NOR1は出力信号を低レベルにする。よって、遅延回路DEL1は、電圧ARを高レベルにする(図52(D))。
タイミングt101において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図52(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。これにより、図示していないが、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が少しずつ上昇する。
次に、タイミングt101から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ経過したタイミングt102において、遅延回路DEL1はトランジスタMP4のゲートにおける電圧ARを高レベルから低レベルに変化させる(図52(D))。これにより、トランジスタMP4はオン状態になり、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図52(E))。そして、タイミングt103において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図52(F))。そして、このタイミングt103から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ経過したタイミングにおいて、遅延回路DEL1は電圧ARを低レベルから高レベルに変化させる(図52(D))。これにより、準備が完了する。
そして、タイミングt104において、測距制御部68は、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させる(図52(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMN2がオン状態になり、トランジスタMP3がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、定電流源CURから切り離されて接地されるので、ノードN1における電圧VN1は高レベルから低レベルに変化する(図52(E))。ノードN1における電圧VN1はインバータIV1の論理しきい値THより低くなるので、インバータIV1は、パルス信号PLS1を低レベルから高レベルに変化させる(図52(F))。
次に、タイミングt105において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図52(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。これにより、図示していないが、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が少しずつ上昇する。
次に、タイミングt105から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ経過したタイミングt106において、遅延回路DEL1は電圧ARを高レベルから低レベルに変化させる(図52(D))。これにより、トランジスタMP4はオン状態になり、ノードN1における電圧VN1が上昇する(図52(E))。そして、タイミングt107において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図52(F))。そして、このタイミングt107から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ経過したタイミングにおいて、遅延回路DEL1は電圧ARを低レベルから高レベルに変化させる(図52(D))。
次に、いくつかの不具合の例を挙げて、自己診断動作を詳細に説明する。受光部Pでは、初期不良や、経年劣化などにより、様々な不具合が生じ得る。例えば、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができない場合(ケースC11)や、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できない場合(ケースC12)があり得る。また、ケースC11とケースC12が同時に生じている場合(ケースC13)もあり得る。診断部66は、受光部Pにおけるこれらの様々な不具合を診断することができる。
(ケースC11)
まず、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができない場合(ケースC11)について説明する。なお、この例では、トランジスタMP4に不具合が生じている例で説明するが、否定論理積回路NAND1、遅延回路DEL1、およびトランジスタMP4の経路におけるいずれかの箇所に不具合が生じている場合も同様である。
図53は、ケースC11における受光部Pの一動作例を表すものであり、(A)は制御信号ENBISTの波形を示し、(B)は制御信号XACTの波形を示し、(C)は制御信号XENARの波形を示し、(D)はトランジスタMP4のゲートにおける電圧ARの波形を示し、(E)はノードN1における電圧VN1の波形を示し、(F)はパルス信号PLS1(パルス信号PLS)の波形を示す。図53(E),(F)において、破線は不具合が無い場合の波形を示し、実線は不具合がある場合の波形を示す。図53(A)~(F)は、図52(A)~(F)にそれぞれ対応している。
タイミングt111において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図53(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。これにより、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が少しずつ上昇する(図53(E))。
次に、タイミングt111から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ経過したタイミングt112において、遅延回路DEL1はトランジスタMP4のゲートにおける電圧ARを高レベルから低レベルに変化させる(図53(D))。ケースC11では、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができないので、電圧VN1は、定電流源CURから供給される電流に基づいて、そのまま上昇していく(図53(E))。その後に、遅延回路DEL1は電圧ARを低レベルから高レベルに変化させる(図53(D))。タイミングt113において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図53(F))。
そして、タイミングt114において、測距制御部68は、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させる(図53(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMN2がオン状態になり、トランジスタMP3がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、定電流源CURから切り離されて接地されるので、ノードN1における電圧VN1は高レベルから低レベルに変化する(図53(E))。ノードN1における電圧VN1はインバータIV1の論理しきい値THより低くなるので、インバータIV1は、パルス信号PLS1を低レベルから高レベルに変化させる(図53(F))。
次に、タイミングt115において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図53(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。これにより、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が少しずつ上昇する(図53(E))。
次に、タイミングt115から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ経過したタイミングt116において、遅延回路DEL1は電圧ARを高レベルから低レベルに変化させる(図53(D))。ケースC11では、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができないので、電圧VN1は、定電流源CURから供給される電流に基づいて、そのまま上昇していく(図53(E))。その後に、遅延回路DEL1は電圧ARを低レベルから高レベルに変化させる(図53(D))。タイミングt117において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図53(F))。
このように、ケースC11では、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができないので、トランジスタMP2,MP3の経路により、ノードN1に電流が流れ、ノードN1の電圧VN1が上昇する。これにより、不具合がない場合に比べて、パルス信号PLS1のパルスの終了タイミングが遅くなり、パルス信号PLS1のパルス幅は長くなる。これにより、ヒストグラム生成部23が生成するヒストグラムでは、ヒストグラムにおける右端が右側に移動することによりヒストグラムの分布の幅が広くなる。
診断部66は、このように、ヒストグラムにおける右端が右側に移動することによりヒストグラムの分布の幅が広くなっている場合には、受光部Pに、トランジスタMP4がノードN1の電圧を変化させることができない不具合が生じていると診断する。
(ケースC13)
次に、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができず、かつ、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できない場合(ケースC13)について説明する。
図54は、ケースC13における受光部Pの一動作例を表すものである。
タイミングt121において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図54(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。ケースC13では、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないので、ノードN1における電圧VN1は、低レベルを維持する(図54(E))。
次に、タイミングt121から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ経過したタイミングt122において、遅延回路DEL1はトランジスタMP4のゲートにおける電圧ARを高レベルから低レベルに変化させる(図54(D))。ケースC13では、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができないので、電圧VN1は、低レベルを維持する(図54(E))。その後に、遅延回路DEL1は電圧ARを低レベルから高レベルに変化させる(図54(D))。
そして、タイミングt123において、測距制御部68は、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させる(図54(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMN2がオン状態になり、トランジスタMP3がオフ状態になる。その結果、ノードN1は接地されるので、ノードN1における電圧VN1は低レベルを維持する(図54(E))。
次に、タイミングt124において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図54(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。ケースC13では、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないので、ノードN1における電圧VN1は、低レベルを維持する(図54(E))。
次に、タイミングt124から遅延回路DEL1の遅延時間分だけ経過したタイミングt125において、遅延回路DEL1は電圧ARを高レベルから低レベルに変化させる(図54(D))。ケースC13では、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができないので、電圧VN1は、低レベルを維持する(図54(E))。その後に、遅延回路DEL1は電圧ARを低レベルから高レベルに変化させる(図54(D))。
このように、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができず、かつ、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないので、ノードN1の電圧VN1は低レベルに維持される。よって、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルに維持する。これにより、ヒストグラム生成部23が生成するヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“1”になる。
診断部66は、このように、全てのビンにおける頻度が“1”である場合には、受光部Pに、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができず、かつ、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないような不具合が生じていると診断する。
(ケースC12)
次に、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できない場合(ケースC12)について説明する。ケースC12の自己診断動作は、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができないように設定して行われる。まず、ケースC12の不具合が生じていない場合を説明し、その後に、ケースC12の不具合が生じている場合を説明する。
図55は、ケースC12の不具合が生じていない場合における自己診断動作における受光部Pの一動作例を表すものである。この自己診断動作では、測距制御部68は、制御信号XENARを高レベルにする(図55(C))。これにより、否定論理和回路NOR1は出力信号を低レベルに維持し、遅延回路DEL1はトランジスタMP4のゲートにおける電圧ARを高レベルに維持する。この自己診断動作では、このようにして、トランジスタMP4をオフ状態に維持する。
タイミングt131において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図55(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。これにより、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が少しずつ上昇する(図55(E))。そして、タイミングt132において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図55(F))。これにより、準備が完了する。
そして、タイミングt133において、測距制御部68は、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させる(図55(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMN2がオン状態になり、トランジスタMP3がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、定電流源CURから切り離されて接地されるので、ノードN1における電圧VN1は高レベルから低レベルに変化する(図55(E))。ノードN1における電圧VN1はインバータIV1の論理しきい値THより低くなるので、インバータIV1は、パルス信号PLS1を低レベルから高レベルに変化させる(図55(F))。
次に、タイミングt134において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図55(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。その結果、ノードN1は、接地ノードから切り離され、定電流源CURに接続される。これにより、定電流源CURを介してノードN1に電流が流れることにより、ノードN1における電圧VN1が少しずつ上昇する。そして、タイミングt135において、ノードN1における電圧VN1がインバータIV1の論理しきい値THより高くなると、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルから低レベルに変化させる(図55(F))。
図56は、ケースC12の不具合が生じている場合における自己診断動作における受光部Pの一動作例を表すものである。図56(E),(F)において、破線は不具合が無い場合の波形を示し、実線は不具合がある場合の波形を示す。図56(A)~(F)は、図55(A)~(F)にそれぞれ対応している。
タイミングt141において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図56(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。ケースC12では、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないので、ノードN1における電圧VN1は、低レベルを維持する(図56(E))。
そして、タイミングt142において、測距制御部68は、制御信号XACTを低レベルから高レベルに変化させる(図56(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMN2がオン状態になり、トランジスタMP3がオフ状態になる。その結果、ノードN1は接地されるので、ノードN1における電圧VN1は低レベルに維持される(図56(E))。
次に、タイミングt143において、測距制御部68は、制御信号XACTを高レベルから低レベルに変化させる(図56(B))。これにより、受光部Pでは、トランジスタMP3がオン状態になり、トランジスタMN2がオフ状態になる。ケースC12では、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないので、ノードN1における電圧VN1は、低レベルを維持する(図56(E))。
このように、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないので、ノードN1の電圧VN1は低レベルに維持される。よって、インバータIV1は、パルス信号PLS1を高レベルに維持する。これにより、ヒストグラム生成部23が生成するヒストグラムでは、全てのビンにおける頻度が“1”になる。
診断部66は、このように、制御信号XENARを高レベルにした場合において、全てのビンにおける頻度が“1”である場合には、受光部Pに、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないような不具合が生じていると診断する。
図57は、光検出システム4における自己診断動作の一例を表すものである。
まず、光検出システム4は、制御信号XENARを低レベルにして自己診断動作を行う(ステップS101)。この動作は、図52~54に対応する。
次に、診断部66は、パルス信号PLSが高レベルを維持したかどうかを確認する(ステップS102)。具体的には、診断部66は、図54(F)に示したように、パルス信号PLSが高レベルを維持したかどうかを確認する。パルス信号PLSが高レベルを維持した場合(ステップS102において“Y”)には、診断部66は、ケースC13に該当すると診断する(ステップS103)。すなわち、診断部66は、受光部Pに、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができず、かつ、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないような不具合が生じていると診断する。そして、この処理は終了する。
パルス信号PLSが高レベルを維持しない場合(ステップS102において“N”)には、診断部66は、パルス信号PLSのパルス幅が広いかどうかを確認する(ステップS104)。具体的には、診断部66は、図53(F)に示したように、パルス信号PLSのパルス幅が広いかどうかどうかを確認する。パルス信号PLSのパルス幅が広い場合(ステップS104において“Y”)には、診断部66は、ケースC11に該当すると診断する(ステップS105)。すなわち、診断部66は、受光部Pに、トランジスタMP4がノードN1の電圧VN1を変化させることができない不具合が生じていると診断する。そして、この処理は終了する。
パルス信号PLSのパルス幅が広くない場合(ステップS104において“N”)には、光検出システム4は、制御信号XENARを高レベルにして自己診断動作を行う(ステップS106)。この動作は、図55,56に対応する。
次に、診断部66は、パルス信号PLSが高レベルを維持したかどうかを確認する(ステップS107)。具体的には、診断部66は、図56(F)に示したように、パルス信号PLSが高レベルを維持したかどうかを確認する。パルス信号PLSが高レベルを維持した場合(ステップS107において“Y”)には、診断部66は、ケースC12に該当すると診断する(ステップS108)。すなわち、診断部66は、受光部Pに、トランジスタMP2,MP3がノードN1に電流を供給できないような不具合が生じていると診断する。そして、この処理は終了する。
パルス信号PLSが高レベルを維持しない場合(ステップS107において“N”)には、診断部66は、受光部Pに不具合は生じておらず正常であると診断する(ステップS109)。以上で、この処理は終了する。
このように、光検出システム4では、図50に示した受光部Pの診断処理を行うことができる。
[変形例4]
上記第4の実施の形態に係る光検出システム4に、上記第1~第3の実施の形態の各変形例を適用してもよい。
<5.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図58は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図58に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図58の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図59は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図59では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図59には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。これにより、車両制御システム12000では、自己診断を行うことにより、撮像部12031が正常に動作しているかどうかを診断することができる。これにより、車両制御システム12000では、例えば不具合が生じた場合には、例えば運転者に注意喚起を促すなどの適切な処理を行うことができるため、信頼性を高めることができる。
<6.車両への具体的な応用例>
次に、本開示に係る光検出システムの、車両への具体的な応用例について、詳細に説明する。
図60,61は、本技術が適用された車両200の一構成例を表すものである。図61は、車両200は、ECU(Electronic Control Unit)208と、フロントカメラモジュール201と、ステアリング202と、ヘッドランプ203と、エンジン204と、モータ205と、ブレーキ206と、表示操作部207とを備えている。ECU208、フロントカメラモジュール201、ステアリング202、ヘッドランプ203、エンジン204、モータ205、ブレーキ206、および表示操作部207は、図61に示したように、バス209を介して接続される。
ECU208は、バス209を介して車両200における各ブロックと通信を行うことにより、車両200の制御を行うように構成される。ECU208は、運転支援モードでは、フロントカメラモジュール201から供給された情報に基づいて、車両200の制御を行うようになっている。ECU208は、1または複数のECUを用いて構成される。
フロントカメラモジュール201は、車両200が走行しているレーンや、車両200の前方を走行する車両、前方を歩行する歩行者などを検出するように構成される。フロントカメラモジュール201は、図61に示したように、イメージセンサ211と、測距センサ212と、フロントカメラECU213とを有している。
イメージセンサ211は、例えばCMOS(Complementary MOS)イメージセンサを用いて構成され、撮像動作を行うことにより車両200の前方を撮像するように構成される。この例では、イメージセンサ211は、自己診断動作を行う機能をも有している。なお、これに限定されるものではなく、イメージセンサ211は、自己診断動作を行う機能を有していなくてもよい。
測距センサ212は、上記実施の形態に係る光検出システムを用いて構成され、測距動作を行うことにより、車両200の前方の被写体までの距離を計測するように構成される。測距センサ212は、自己診断動作を行う機能をも有している。
フロントカメラECU213は、イメージセンサ211が生成した撮像画像、および測距センサ212が生成した距離画像に基づいて、例えば、レーン検出、車両検出、歩行者検出、ヘッドランプ検出などの各種検出処理を行うように構成される。そして、フロントカメラECU213は、その検出処理の結果をECU208に通知するようになっている。また、フロントカメラECU213は、イメージセンサ211において不具合が検出された場合や、測距センサ212において不具合が検出された場合には、これらの情報をECU208に通知する機能をも有している。
ステアリング202は、車両200の走行方向を制御するように構成される。ステアリング202は、例えば、ドライバにより操作される。また、ステアリング202は、運転支援モードでは、例えばECU208により制御される。具体的には、例えば、運転支援モードでは、ECU208は、フロントカメラモジュール201から供給された情報に基づいて、レーンに沿って、車両200の前方の車両や歩行者などに衝突しないように、ステアリング202を制御するようになっている。
ヘッドランプ203は、車両200の前方に光を照射するように構成される。ヘッドランプ203は、例えばドライバにより操作される。また、ヘッドランプ203は、運転支援モードでは、例えばECU208により制御される。具体的には、例えば、運転支援モードでは、ECU208は、フロントカメラモジュール201から供給された情報に基づいて、対向車が走行している場合には、ハイビームをロービームに切り替える制御を行い、対向車が走行していない場合には、ロービームをハイビームに切り替える制御を行うようになっている。
エンジン204およびモータ205は、車両200を走行させる動力源である。エンジン204およびモータ205は、ECU208により制御される。例えば、ECU208は、発進時など、エンジン204の効率が悪いような状況では、モータ205を動作させる。また、ECU208は、例えば、エンジン204の効率がよい状況では、エンジン204を動作させる。また、例えば、運転支援モードでは、ECU208は、フロントカメラモジュール201から供給された情報に基づいて、エンジン204やモータ205の動作を制御するようになっている。
ブレーキ206は、車両200を制動するように構成される。ブレーキ206は、例えばドライバにより操作される。また、ブレーキ206は、運転支援モードでは、例えばECU208により制御される。具体的には、例えば、運転支援モードでは、ECU208は、フロントカメラモジュール201から供給された情報に基づいて、車両200の前方の車両や歩行者などに衝突しないように、ブレーキ206を制御するようになっている。
表示操作部207は、例えば液晶ディスプレイやタッチパネルなどを用いて構成され、車両200の走行状態を表示するように構成される。また、表示操作部207は、例えば、図示しないGPS(Global Positioning System)装置からの情報に基づいて、目的地までのルート案内などを行う機能をも有している。例えば、フロントカメラモジュール201に不具合が生じ、ECU208が運転支援モードを終了した場合には、表示操作部207は、その旨を表示するようになっている。
図62は、車両200の運転支援処理の一例を表すものである。
ECU208は、例えば表示操作部207が操作され、運転支援モードに設定されたかどうかを確認する(ステップS201)。運転支援モードに設定されていない場合(ステップS201において“N”)には、運転支援モードに設定されるまで、このステップS201を繰り返す。
運転支援モードに設定された場合(ステップS201において“Y”)には、ECU208は、フロントカメラモジュール201における自己診断動作の結果を取得する(ステップS202)。そして、ECU208は、フロントカメラモジュール201に不具合があるかどうかを確認する(ステップS203)。
ステップS203において、フロントカメラモジュール201に不具合が無い場合(ステップS203において“N”)には、フロントカメラモジュール201は、撮像動作および測距動作を行う(ステップS204)。具体的には、イメージセンサ211は、車両200の前方を撮像することにより撮像画像を生成する。また、測距センサ212は、車両200の前方の被写体までの距離を計測することにより距離画像を生成する。
次に、フロントカメラECU213は、撮像画像および距離画像を解析する(ステップS205)。具体的には、フロントカメラECU213は、イメージセンサ211が生成した撮像画像、および測距センサ212が生成した距離画像に基づいて、例えば、レーン検出、車両検出、歩行者検出、ヘッドランプ検出などの各種検出処理を行う。
次に、ECU208は、フロントカメラECU213の解析結果に基づいて、運転支援処理を行う(ステップS206)。具体的には、ECU208は、ステアリング202、ヘッドランプ203、エンジン204、モータ205、ブレーキ206、および表示操作部207の動作を制御することにより、運転支援処理を行う。
そして、ECU208は、運転が終了されたかどうかを確認する(ステップS207)。運転が終了されていない場合(ステップS207において“N”)には、処理はステップS202に戻る。運転が終了された場合(ステップS207において“Y”)には、この処理は終了する。
ステップS203において、フロントカメラモジュール201に不具合がある場合(ステップS203において“Y”)には、ECU208は、運転支援モードを終了する(ステップS208)。そして、表示操作部207は、運転支援モードが終了した旨を表示する(ステップS209)。
以上で、この処理は終了する。
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびにそれらの具体的な応用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の各実施の形態では、例えば図3に示したような受光部Pを設けたが、受光部Pの回路構成は、これに限定されるものではなく、様々な回路構成を適用することができる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。以下の構成の本技術によれば、自己診断を行うことができる。
受光素子と、オン状態になることにより前記受光素子と第1のノードとを接続する第1のスイッチと、オン状態になることにより前記第1のノードに所定の電圧を印加する第2のスイッチと、前記第1のノードの電圧に基づいてパルス信号を生成する信号生成部とを有する受光部と、
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの動作を制御する制御部と、
前記パルス信号に基づいて、前記パルス信号が変化するタイミングを検出する検出部と、
前記第2のスイッチをオン状態にしたときの前記検出部の検出結果に応じた検出信号を出力する出力部と
を備えた光検出装置。
(2)
前記第2のスイッチをオン状態にしたときの前記検出部の検出結果に基づいて診断処理を行う診断部をさらに備え、
前記検出信号は、前記診断部の診断結果に応じた信号である
前記(1)に記載の光検出装置。
(3)
前記検出信号は、前記受光部に不具合があるか否かを示す信号を含む
前記(2)に記載の光検出装置。
(4)
前記検出信号は、前記受光部の不具合内容を示す信号を含む
前記(2)または(3)に記載の光検出装置。
(5)
複数の第1の期間において、前記制御部は、前記第1のスイッチをオン状態にし、
前記複数の第1の期間のうちの隣り合う2つの前記第1の期間の間の第2の期間において、前記制御部は、前記第1のスイッチをオフ状態にするとともに前記第2のスイッチをオンオフし、
前記診断部は、前記第2の期間における前記検出部の検出結果に基づいて、前記診断処理を行う
前記(2)から(4)のいずれかに記載の光検出装置。
(6)
複数の第1の期間において、前記制御部は、前記第1のスイッチをオン状態にし、
前記複数の第1の期間のうちの隣り合う2つの前記第1の期間の間の第2の期間において、前記制御部は、前記第1のスイッチをオン状態にするとともに前記第2のスイッチをオンオフし、
前記診断部は、前記第2の期間における前記検出部の検出結果に基づいて、前記診断処理を行う
前記(2)から(4)のいずれかに記載の光検出装置。
(7)
前記第2の期間において、前記信号生成部は、前記第2のスイッチのオンオフに応じた前記パルス信号を生成し、
前記検出部は、前記第2の期間において、前記パルス信号が変化するタイミングを検出する
前記(5)または(6)に記載の光検出装置。
(8)
前記診断部は、前記パルス信号が変化するタイミングに基づいて前記診断処理を行う
前記(7)に記載の光検出装置。
(9)
前記診断部は、前記パルス信号の変化の有無に基づいて前記診断処理を行う
前記(7)または(8)に記載の光検出装置。
(10)
前記第1の期間において、前記信号生成部は、前記受光素子の受光結果に応じた前記パルス信号を生成し、
前記検出部は、前記第1の期間において、前記パルス信号が変化するタイミングを検出することにより、前記受光素子の受光タイミングを検出する
前記(5)または(6)に記載の光検出装置。
(11)
複数の前記受光部を備え、
前記制御部は、前記複数の前記受光部のそれぞれの前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの動作を制御し、
前記検出部は、前記複数の前記受光部がそれぞれ生成した複数の前記パルス信号に基づいて合成パルス信号を生成し、前記合成パルス信号が変化するタイミングを検出する
前記(1)から(10)のいずれかに記載の光検出装置。
(12)
複数の前記受光部を備え、
前記制御部は、前記複数の前記受光部のそれぞれの前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの動作を制御し、
前記検出部は、前記複数の前記受光部がそれぞれ生成した複数の前記パルス信号に基づいて加算処理を行うことによりコードを生成し、前記コードが変化するタイミングを検出する
前記(1)から(10)のいずれかに記載の光検出装置。
(13)
前記光検出装置は、車両に搭載された
前記(1)から(12)のいずれかに記載の光検出装置。
(14)
光を射出する発光部と
前記発光部から射出された光のうちの、計測対象により反射された光を検出する光検出部と
を備え、
前記光検出部は、
受光素子と、オン状態になることにより前記受光素子と第1のノードとを接続する第1のスイッチと、オン状態になることにより前記第1のノードに所定の電圧を印加する第2のスイッチと、前記第1のノードの電圧に基づいてパルス信号を生成する信号生成部とを有する受光部と、
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの動作を制御する制御部と、
前記パルス信号に基づいて、前記パルス信号が変化するタイミングを検出する検出部と、
前記第2のスイッチをオン状態にしたときの前記検出部の検出結果に応じた検出信号を出力する出力部と
を有する
光検出システム。
本出願は、日本国特許庁において2021年2月25日に出願された日本特許出願番号2021-029082号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。