JP7791987B2 - 塗装機洗浄用ホッパー - Google Patents

塗装機洗浄用ホッパー

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Description

本発明は、塗装機の回転霧化頭を洗浄する際に用いられる塗装機洗浄用ホッパーに関するものである。
一般に、自動車ボディなどの被塗装物の塗装には、塗装ロボットが主に使用されている。この塗装ロボットは、塗装ブース内に設置されるものであって、被塗装物を塗装する際に屈伸・回転するアームと、アームの先端部に装備される塗装機とを備えている。塗装機はベル型の回転霧化頭などを備えている。塗装ロボットは、被塗装物を塗装する動作の他に、色替の際に生じる余剰の塗料(廃塗料)を廃塗料回収容器内に吹き捨てるという動作も行うようになっている。
このような廃塗料回収容器としては、例えば図5に示される塗装機洗浄用ホッパー151が従来提案されている。この塗装機洗浄用ホッパー151は、上端部に開口部152を有する筒状体であるホッパー本体153と、開口部152を覆う上蓋154とを備えている。上蓋154には挿入孔155が設けられている。そして、挿入孔155を介して回転霧化頭156をホッパー本体153内に挿入し、この状態で廃塗料を吐出しながら洗浄液を吹き付けて洗浄を行う。これにより、廃塗料及び洗浄液が廃液としてホッパー151内に回収されるようになっている。これと同種の塗装機洗浄用ホッパーは、例えば特許文献1、2にも開示されている。
特開2006-334574号公報 特開2009-34635号公報
上記従来の塗装機洗浄用ホッパー151は、ホッパー本体153の下端部にエア抜き用の開口157が形成された開放型のホッパーである。このため、構造的に廃液が開口157から外部に漏れ出すことになり、廃液回収率が70%程度であった。なお、図5では回収可能な廃液の流れを破線矢印A1で示す一方、回収不能な廃液の流れを破線矢印A2で示している。
ところで、最近の塗装ブースは、水を使用しないドライ化が主流になりつつある。つまり、ホッパー外への廃液漏れをなくして未回収廃液をゼロにすることが要求されている。そこで本願発明者らは、ホッパー本体の下端部に底部を設け、開口をなくした密閉型のホッパー構造を検討している。しかし、単純に下端部の開口を閉じて底部を設けただけでは、廃塗料中のエア分とそれ以外の成分(塗料粒子や液分)が確実に分離されず、外部への廃液漏れをなくせないことがわかっている。また、回転霧化頭156から吐出された廃塗料が挿入孔155側に跳ね返る等の問題が生じることもわかっている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、廃塗料中のエア分とそれ以外の成分とを確実に分離し、外部への廃液漏れをなくしてエア分のみを排出することができる塗装機洗浄用ホッパーを提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、上端部に開口部を有するとともに内側に洗浄空間を有する筒状体と、前記開口部を覆う上蓋とを備え、前記上蓋が、塗装機に回転可能に設けられた回転霧化頭を前記筒状体内に挿入可能な挿入孔を有する塗装機洗浄用ホッパーであって、上部に排気孔が形成された筒状の外壁部と、内面が凹状に湾曲した底部とを有するタンク状部材を前記筒状体の外側にさらに備え、前記外壁部の下部内面に、前記回転霧化頭から吐出された廃塗料の這い上がりを規制するバッフル板が前記内面の全周にわたって突設されていることを特徴とするその要旨とする。
従って、手段1に記載の発明によると、タンク状部材はその下端部に底部を有しており開口を有していないため、下端部側から廃液が直接外部に漏れ出すことがない。そして、回転霧化頭から廃塗料が吐出されると、その廃塗料が、凹状に湾曲した底部に当たりその内面に沿って底面外周部から外壁部の下部へとスムーズに案内され、さらに外壁部内面に沿って這い上がろうとする。しかし、外壁部の下部内面には廃塗料の這い上がりを規制するバッフル板が突設されており、そのバッフル板によって廃塗料中のエア分とそれ以外の成分とが確実に分離される。その結果、エア分のみがバッフル板を乗り越えて上方に移動し、外壁部上部に形成された排気孔から外部に排出される。一方、廃塗料中のエア分以外の成分(即ち廃液)はバッフル板を乗り越えることができず、底部に留められる。このため、外部への廃液漏れをなくして、エア分のみを排出することができる。つまり、廃液未回収率をゼロにすることができる。
手段2に記載の発明は、手段1において、前記上蓋において前記挿入孔の裏面側開口縁には、前記筒状体側から前記挿入孔側へ向かう前記廃塗料の流れを規制する規制壁が前記底部の方向に向かって突設されていることをその要旨とする。
回転霧化頭から吐出された廃塗料が底部に当たって跳ね返ると、廃塗料が挿入孔側へ戻されて回転霧化頭を汚すおそれがある。その点、手段2に記載の発明によると、筒状体側から挿入孔側へ向かう廃塗料の流れが規制壁によって規制される。そのため、廃塗料中のエア分以外の成分が挿入孔側に到ることができなくなり、回転霧化頭が汚れにくくなる。
手段3に記載の発明は、手段2において、前記筒状体の下端は、前記バッフル板の高さ位置よりも下方に位置しているとともに、前記筒状体と前記バッフル板との間には、隙間が設けられていることをその要旨とする。
従って、手段3に記載の発明によると、筒状体の下端がバッフル板の高さ位置よりも下方に位置しているため、廃塗料が直接外壁部上部に到らなくなり、廃液が排気孔から排出されにくくなる。従って、廃液の回収効率が確実に向上する。またこの構成によると、外壁部と筒状体とがなす空間にバッフル板が位置した状態となり、筒状体とバッフル板との間にその空間よりもさらに狭い隙間が形成される。このため、廃塗料中のエア分以外の成分がバッフル板を乗り越えて上方に移動することがいっそう困難になり、エア分のみが上方に移動することが可能となる。
手段4に記載の発明は、手段2または3において、前記上蓋の裏面を基準とした前記規制壁の下方への突出量は、前記上蓋の裏面を基準とした前記筒状体の下方への突出量よりも小さいことをその要旨とする。
回転霧化頭に近接した位置に下方への突出量が大きい規制壁があると、回転霧化頭から吐出された廃塗料が勢いよく直接当たることで跳ね返り、回転霧化頭が汚れやすくなるおそれがある。その点、手段4に記載の発明によると、規制壁の下方への突出量が筒状体の下方への突出量よりも小さいことから、回転霧化頭から吐出された廃塗料が規制壁に直接当たりにくくなる。その結果、廃塗料の跳ね返りが回避され、回転霧化頭が汚れにくくなる。
手段5に記載の発明は、手段1乃至4のいずれか1項において、前記上蓋を含む第1パーツと、前記筒状体を構成する上側筒状部材を含む第2パーツと、前記筒状体を構成するとともに前記上側筒状部材の下端側に接続される下側筒状部材を含む第3パーツと、前記外壁部、前記底部及び前記バッフル板を有する前記タンク状部材を含む第4パーツとを備え、前記各パーツが分解可能に組み立てられていることをその要旨とする。
手段6に記載の発明は、手段5において、前記底部の中央部に設けられた排液通路に配置されるフィルタ部材を含む第5パーツをさらに備え、前記各パーツが分解可能に組み立てられていることをその要旨とする。
従って、手段5、6に記載の発明によると、塗装機洗浄用ホッパーの構成部材を複数のパーツに分解可能なため、各構成部材を容易に清掃することができ、メンテナンス性が向上する。
手段7に記載の発明は、手段6において、前記第1パーツにおける前記上蓋と、前記第2パーツが有する上部フランジ部とが重ねて配置されかつ互いにねじ止め固定され、前記第2パーツが有する下部フランジ部と、前記第3パーツが有するフランジ部と、前記第4パーツが有するフランジ部とが重ねて配置されかつ互いにねじ止め固定されていることをその要旨とする。
従って、手段7に記載の発明によると、上蓋と第2パーツが有する上部フランジ部とを固定しているねじを緩めて取り外すことにより、第1パーツと第2パーツとを容易に分離することができる。また、第2パーツが有する下部フランジ部、第3パーツが有するフランジ部及び第4パーツが有するフランジ部を固定しているねじを緩めて取り外すことにより、第2、第3及び第4パーツを容易に分離することができる。
以上詳述したように、請求項1~7に記載の発明によると、廃塗料中のエア分とそれ以外の成分とを確実に分離し、外部への廃液漏れをなくしてエア分のみを排出することができる塗装機洗浄用ホッパーを提供することができる。
本発明を具体化した第1実施形態の塗装機洗浄用ホッパーの使用状態を説明するための概略図。 第1実施形態の塗装機洗浄用ホッパーを示す概略断面図。 第2実施形態の塗装機洗浄用ホッパーを示す概略断面図。 第2実施形態の塗装機洗浄用ホッパーを分解した状態を示す概略断面図。 従来の塗装機洗浄用ホッパーを示す概略断面図。
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化した一実施形態の密閉型の塗装機洗浄用ホッパー21を図1~図2に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の塗装機洗浄用ホッパー21は、塗装ロボット3に取り付けられた塗装機4を洗浄するための塗装機用洗浄機構の一部を構成する。塗装ロボット3は、自動車ボディなどの被塗装物(図示略)に対して塗装作業を行う際に用いられる多関節ロボットである。塗装ロボット3は、被塗装物を塗装する際に屈伸・回転するアーム2と、アーム2の先端に取り付けられた塗装機4とを備えている。塗装機4は、アーム2の屈伸・回転により、高さ及び塗料噴射方向が変更される。アーム2は、複数の関節を動かすための図示しないモータを複数個備えている。それらのモータは、コントローラ9からの制御信号に基づいて駆動制御される。
塗装機4は、略円筒状の塗装機本体5と、ベル型の回転霧化頭6とを備えている。塗装機本体5は、塗料が充填される塗料容器(図示略)と、塗料容器内の塗料を回転霧化頭6に供給する塗料供給機構(図示略)とを備えている。回転霧化頭6は、塗装機本体5に取り付けられており、塗装機本体5内に設けられた霧化頭回転用モータによって回転するようになっている。そして、回転霧化頭6が回転すると、塗料供給機構によって供給されてきた塗料は、遠心力によって外周側に飛散して霧化されるようになっている。塗料供給機構及び霧化頭回転用モータは、コントローラ9からの制御信号に基づいて駆動制御される。回転霧化頭6の前部7は、前端に行くに従って外径が大きくなるテーパ面を有している。
図1に示されるように、塗装機洗浄用ホッパー21は、塗装ロボット3の近傍において、塗装機4とは別体に設けられている。塗装機洗浄用ホッパー21は、水などの洗浄液を回収する機能と、色替時に塗装機4から吹き捨てられた廃塗料を回収する機能とを有している。図2に示されるように、この塗装機洗浄用ホッパー21は、開口部46cを上端部に有するとともに内側に洗浄空間を有する略円筒状の筒状体46と、上面視略円形状であって開口部46cを覆う上蓋24とを備えている。筒状体46及び上蓋24の形成する材料は限定されないが、本実施形態ではともにステンレス製である。
一方、上蓋24は、開口部46cを覆うように筒状体46に取り付けられている。具体的には、上蓋24の外周部と筒状体46の縁部とに図示しないボルトを挿通し、同ボルトの先端に図示しないナットを締結することにより、上蓋24が筒状体46に取り付けられている。つまり、本実施形態の上蓋24は、筒状体46に対して着脱可能に取り付けられている。また、上蓋24の中央部には、回転霧化頭6を筒状体46内に挿入可能な挿入孔22が設けられている。挿入孔22は円形状をなしており、その内径は、挿入した回転霧化頭6との間に10mm以上50mm以下の隙間が生じる程度の大きさに設定されている。本実施形態では内径が120mmに設定されている。
上蓋24の上面には、洗浄液を噴射させるためのノズル11が取付金具12などを介して固定されている。ノズル11は、塗装機洗浄用ホッパー21の外側において挿入孔22の開口端縁近傍に配置されている。図1に示されるように、ノズル11は、洗浄液を供給する洗浄液供給路13の終端に設けられている。また、洗浄液供給路13上には、洗浄液が充填される洗浄液容器14と、洗浄液容器14内の洗浄液をノズル11に圧送するポンプ15とが設けられている。ポンプ15は、コントローラ9からの制御信号に基づいて駆動され、洗浄液をノズル11から噴射させる。このノズル11は、同一方向に延びる2本の洗浄液噴射管16を備えている。各洗浄液噴射管16は、先端を回転霧化頭6の後面に向けた状態で、斜め下向きに配置されている。
図2に示されるように、この塗装機洗浄用ホッパー21を構成するタンク状部材23は、略円筒状の外壁部41と、外壁部41の下端部を閉塞する底部42とを有している。タンク状部材23は筒状体46の外側を包囲するように設けられている。外壁部41の寸法は特に限定されないが、例えば内径が300mm程度、高さ(軸線方向の寸法)が200mm~400mm程度に設定されている。外壁部41の上部の領域における複数の箇所(例えば本実施形態では4箇所)には、外壁部41の内外を連通し、エアを排気するための排気孔43が形成されている。外壁部41の外側における複数箇所には、排気孔43を覆うダクト状のカバー部材40が排気孔43ごとに設けられ、これにより排気ポートが形成されている。
底部42の内面42aの全体は、緩やかに凹状に湾曲している。底部42の内面42aの外周部は、垂直方向に延びる外壁部41の内周面最下部に連続するようにして接続されている。その結果、吐出された廃塗料を底部42から垂直方向に延びる外壁部41へとスムーズに案内するガイド面が形成されている。また、底部42において最も低い位置にある中央部には、塗装機洗浄用ホッパー21内に溜まった廃液を外部に排出するための排液通路49が設けられている。この排液通路49の途上には、ポンプ19が設けられている。
外壁部41の下部内面には、バッフル板44が内面の全周にわたって突設されている。バッフル板44は、回転霧化頭30から吐出された廃塗料の這い上がりを規制するため壁となる部材である。バッフル板44の外壁部41内面からの突出量t3は、廃塗料の這い上がりを規制できるのであれば特に限定されないが、本実施形態では例えば5mm~20mm程度に設定されている。
上蓋24において挿入孔22の裏面側開口縁には、底部42の方向に向かって規制壁45が突設されている。規制壁45は、筒状体46側から挿入孔22側へ向かう廃塗料の流れを規制するための壁である。規制壁45についての上蓋24の裏面側からの下方への突出量t1は特に限定されず任意であるが、本実施形態では例えば10mm~30mm程度に設定されている。なお、規制壁45の突出量t1は、後述する筒状体46の下方への突出量t2よりも小さくなるように設定されている。
筒状体46は、外壁部41と規制壁45との間に配置されている。筒状体46は、底部42のある下方に向かって上蓋24の裏面から突設されていると把握することもできる。外壁部41と筒状体46との間には、廃塗料中のエア分のみを上方へ導くための空間47が形成されている。筒状体46は外壁部41と同程度の長さを有しており、そのため筒状体46の下端46aは底部42の内面42aの近傍にまで到っている。筒状体46の下端46aは外壁部41の最下部の高さ位置とほぼ等しく配置されている。筒状体46の下端46aと底部42の内面42aとの間には、例えば10mm~50mm程度の隙間が形成されていることが好ましく、本実施形態では30mm程度の隙間が形成されている。
バッフル板44は、外壁部41の最下部から数十mmほど上方の高さ位置に設けられている。このため、筒状体46の下端46aはバッフル板44の高さ位置よりも下方に位置している。そして、筒状体46とバッフル板44との間には、隙間48が設けられている。
次に、本実施形態の塗装機洗浄用ホッパー21による洗浄動作について説明する。
まず、塗装機4による被塗装物の塗装が終了し、次の被塗装物を塗装するにあたって色替をする必要が生じた場合、コントローラ9は、アーム2を駆動して塗装機4を移動経路に沿って水平方向に移動させる。そして、塗装機4が挿入孔22の上方位置に到達すると、コントローラ9は、アーム2を駆動して塗装機4を下降させる。この動作により、挿入孔22を介して回転霧化頭6を塗装機洗浄用ホッパー21内に挿入させる。その後、コントローラ9が塗装機4を駆動して塗料を噴射させることにより、塗装機4内の余剰の塗料を廃塗料として塗装機洗浄用ホッパー21内に吹き捨てる。
次に、コントローラ9は、霧化頭回転用モータを駆動して回転霧化頭6を例えば15000rpmで回転させる。この状態において、コントローラ9は、ポンプ15を駆動してノズル11に洗浄液を供給し、各洗浄液噴射管16から回転霧化頭6の後面に向けて洗浄液を噴射させる。その結果、回転霧化頭6の後面に残留する塗料が洗浄液によって除去される。例えば、洗浄液の噴射は所定時間(本実施形態では1s弱)のあいだ行われる。
洗浄液の噴射を終了した後、コントローラ9は霧化頭回転用モータの駆動を停止させるが、回転霧化頭6は慣性力によって一定時間回転し続ける。これにより、回転霧化頭6に付着している洗浄液や廃塗料が遠心力によって外周側に飛散し、回転霧化頭6が乾燥する。よって、次の被塗装物を塗装する際に、回転霧化頭6から被塗装物に洗浄液や廃塗料が落下して被塗装物の塗装品質が低下することを防止できる。
洗浄作業が終了すると、塗装機本体5内の塗料容器に次色塗料を充填して色替を行う。その後、コントローラ9は、アーム2を駆動して塗装機4を上昇させることにより、回転霧化頭6を塗装機洗浄用ホッパー21の外部に移動させる。さらに、コントローラ9は、アーム2を駆動して塗装機4を塗装作業開始位置に移動させる。続いて、コントローラ9は、塗装機4を駆動させて次の被塗装物の塗装を開始させる。
従って、上記のように構成された本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の密閉型の塗装機洗浄用ホッパー21では、タンク状部材23がその下端部に底部42を有しており、開口を有していない。そのため、図5に示した従来の開放型の塗装機洗浄用ホッパー151とは異なり、下端部側から廃液が直接外部に漏れ出すことがない。
(2)本実施形態の密閉型の塗装機洗浄用ホッパー21は、上部に排気孔43が形成された筒状の外壁部41と、内面42aが凹状に湾曲した底部42とを有するタンク状部材23を備えている。また、この外壁部41の下部内面には、回転霧化頭6から吐出された廃塗料の這い上がりを規制するバッフル板44が内面の全周にわたって突設されている。回転霧化頭6から廃塗料が吐出されると、その廃塗料が、凹状に湾曲した底部42に当たり、その内面42aに沿って底面外周部から外壁部41の下部へとスムーズに案内され、さらに外壁部41の内面に沿って垂直方向に這い上がろうとする(図2の破線矢印A4を参照)。しかし、外壁部41の下部内面に突設されたバッフル板44の作用により、廃塗料の這い上がりが規制され、廃塗料中のエア分とそれ以外の成分とが確実に分離される。その結果、液体分や塗料粒子を含まないエアのみがバッフル板44を乗り越えて空間47を上方に移動し、外壁部41の上部に形成された排気孔43から外部に排出される(図2の破線矢印A5を参照)。一方、液体分や塗料粒子を含む廃液は、バッフル板44を乗り越えることができず、底部42に留められる。このため、外部への廃液漏れをなくして、エアのみを排出することができる。つまり、廃液未回収率をゼロにすることができる。従って、最近主流となりつつある、水を使用しないドライ化の要求に十分応じることが可能な塗装機洗浄用ホッパー21を提供することができる。
(3)本実施形態の密閉型の塗装機洗浄用ホッパー21では、上蓋24において挿入孔22の裏面側開口縁に、規制壁45が底部42のある下方に向かって突設されている。例えば、回転霧化頭6から吐出された廃塗料は、底部42に当たって跳ね返ったり、あるいは筒状体46に当たって跳ね返ったりすることがある(図2の破線矢印A3を参照)。この場合、廃塗料が挿入孔22側へ戻されて回転霧化頭6を汚すおそれがある。その点、本実施形態では筒状体46側から挿入孔22側へ向かう廃塗料の流れが規制壁45によって規制される。そのため、廃塗料中のエア以外の成分が挿入孔22側に到ることができなくなり、回転霧化頭6が汚れにくくなる。よって、回転霧化頭6の清掃の頻度を減らすことができる。
(4)本実施形態の密閉型の塗装機洗浄用ホッパー21では、上蓋24の裏面側において外壁部41と規制壁45との間に、筒状体46が突設して配置されていると把握することができる。このような位置に筒状体46を設けたことにより、回転霧化頭側6から排気孔43側に向かう廃塗料の流れ経路が途中で遮られる。よって、回転霧化頭6から吐出された廃塗料が直接外壁部41の上部に到らなくなり、廃液が排気孔43から排出されにくくなる。従って、廃液の回収効率が確実に向上する。
(5)本実施形態の密閉型の塗装機洗浄用ホッパー21では、筒状体46の下端46aがバッフル板44の高さ位置よりも下方に位置している。このため、廃塗料が直接外壁部41の上部に到らなくなり、廃液が排気孔34から排出されにくくなる。従って、廃液の回収効率が確実に向上する。またこの構成によると、外壁部41と筒状体46とがなす空間47にバッフル板44が位置した状態となり、筒状体46とバッフル板44との間にその空間47よりもさらに狭い隙間48が形成される。このため、廃塗料中のエア分以外の成分がバッフル板44を乗り越えて上方に移動することがいっそう困難になり、エア分のみが上方に移動することが可能となる。つまり、廃塗料中のエア分とそれ以外の成分とをより確実に分離することができる。
(6)本実施形態の密閉型の塗装機洗浄用ホッパー21では、上蓋24の裏面を基準とした規制壁45の突出量t1は、上蓋24の裏面を基準とした筒状体46の下方への突出量t2よりも小さくなっている。仮に、回転霧化頭6に近接した位置に下方への突出量t1が大きい規制壁45があると、回転霧化頭6から吐出された廃塗料が勢いよく直接当たることで跳ね返り、回転霧化頭6が汚れやすくなるおそれがある。その点、本実施形態の構成によると、回転霧化頭6から吐出された廃塗料が規制壁45に直接当たりにくくなる。その結果、廃塗料の跳ね返りが回避され、回転霧化頭6が汚れにくくなる。
[第2実施形態]
次に、本発明を具体化した第2実施形態の密閉型の塗装機洗浄用ホッパー21Aを図3~図4に基づき詳細に説明する。なお、ここでは第1実施形態と相違する構成を中心に説明し、共通する構成については同じ部材番号を付して説明を省略する。
図3に示されるように、本実施形態の塗装機洗浄用ホッパー21Aは、基本的に分解可能な5つのパーツP1、P2、P3、P4、P5を組み立てることによって構成されている。
第1パーツP1は、上蓋24を含んだパーツであり、塗装機洗浄用ホッパー21Aの最上部に位置している。上蓋24は挿入孔22を有しており、上蓋24の裏面側には挿入孔22を包囲するように規制壁45が形成されている。また、上蓋24の裏面側には、空間を隔てて上蓋24と平行に配置された円板状の板材51が支持されている。
第2パーツP2は、筒状体46を構成する円筒状の上側筒状部材61を含んだパーツであり、第1パーツP1の下側に位置している。上側筒状部材61の上端には上部フランジ部62が形成され、下端付近には上部フランジ部62よりも横方向への張り出し度合が大きい下部フランジ部63が形成されている。
第3パーツP3は、筒状体46を構成する下側筒状部材71を含んだパーツであり、第2パーツP2の下側に位置している。下側筒状部材71は、上側筒状部材61とほぼ等しい直径を有する円筒状の部材であって、上側筒状部材61の下端側に接続されている。下側筒状部材71の上端側には、フランジ部72が形成されている。
第4パーツP4は、外壁部41、底部42、バッフル板44、カバー部材40、排液通路49を有するタンク状部材23を含んだパーツであり、第3パーツP3を外側から包囲するように配置されている。タンク状部材23の上端にはフランジ部81が形成されており、カバー部材40はこのフランジ部81の下面側に設けられている。
第5パーツP5は、フィルタ部材91及びそれを支持する支持体92を含んで構成されている。フィルタ部材91は、底部42の中央部に設けられた排液通路49内に配置される。支持体92は、底部42の内面42aの中央部に設けられ、その下方に位置するフィルタ部材91を吊り下げて支持している。
第1パーツP1における上蓋24と、第2パーツP2が有する上部フランジ部62とは、重ねて配置されるとともに、図示しないボルト及びナット(好ましくは蝶ボルト及び蝶ナット)を用いて互いにねじ止め固定されている。また、第2パーツP2が有する下部フランジ部63と、第3パーツP3が有するフランジ部72と、第4パーツP4が有するフランジ部81とは、重ねて配置されるとともに、図示しないボルト及びナット(好ましくは蝶ボルト及び蝶ナット)を用いて互いにねじ止め固定されている。
このように構成された本実施形態の塗装機洗浄用ホッパー21Aでは、上蓋24と第2パーツP2が有する上部フランジ部62とを固定しているボルト及びナットを緩めることにより、第1パーツP1と第2パーツP2とを容易に分離することができる。また、第2パーツP2が有する下部フランジ部63、第3パーツP3が有するフランジ部72及び第4パーツP4が有するフランジ部81を固定しているボルト及びナットを緩めることにより、第2、第3及び第4パーツP2~P4を容易に分離することができる。さらに、支持体92を持って排液通路49からフィルタ部材91を引き抜くことにより、第5パーツP5を第4パーツP4から容易に分離することができる。つまり、塗装機洗浄用ホッパー21Aの構成部材を5つのパーツ(第1~第5パーツP1~P5)に分解可能なため、分解不能な構成である場合に比べて各構成部材を容易に清掃することができる。よって、メンテナンス性を向上させることができる。なお、特に本実施形態によると、第3及び第4パーツP3、P4が分離可能であることから、外壁部41と筒状体46とがなす狭い空間47内にあるバッフル板44を露出させることができる。よって、通常であれば清掃しにくい位置にあるバッフル板44の周辺を容易にかつ確実に清掃することができる。また、本実施形態では、第1及び第2パーツP1、P2を固定するボルト及びナットと(便宜上「上部固定用ねじ部材」とする。)、第2~第4パーツP2~P4を固定するボルト及びナット(便宜上「下部固定用ねじ部材」とする。)とを、別に備えている。従って、例えば塗装機洗浄用ホッパー21Aの下部領域のみを清掃したいような場合には、全体を各パーツP1~P5に完全に分解する必要がなく、上部固定用ねじ部材の締結状態はそのままにして、下部固定用ねじ部材のみを緩めて取り外せばよい。これによれば、上部領域を構成するパーツP1~P2から、下部領域を構成するパーツP3~P5を分離して、下部領域だけを清掃することができる。よって、清掃のための分解及び組立作業に要する負担を軽減することができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、外壁部41のさらに外側にカバー部材40を設けたが、カバー部材40は本発明において必須の構成ではなく、不要であれば省略されてもよい。
・上記実施形態では、外壁部41の上部領域における4箇所に排気孔43を形成したが、排気孔43の数を変更しても勿論よい。また、図2に示す位置よりもさらに上方に排気孔43を形成してもよい。
・上記実施形態では、筒状体46の下端46aをバッフル板44の高さ位置よりも下方に位置させるようにしたが、これに限定されない。例えば、筒状体46の下端46aをバッフル板44の高さと同等あるいはそれよりも上方に位置させるようしてもよい。
・上記実施形態では、上蓋24において挿入孔22の裏面側開口縁に1つの規制壁45を突設したが、これに限定されることはなく、例えば当該規制壁45を包囲する別の規制壁45をさらに突設してもよい。つまり、規制壁45を一重ではなく二重に形成してもよい。
4:塗装機
6:回転霧化頭
21、21A:塗装機洗浄用ホッパー
22:挿入孔
23:タンク状部材
24:上蓋
41:外壁部
42:底部
42a:内面
43:排気孔
44:バッフル板
45:規制壁
46:筒状体
46a:内壁部の下端
46c:開口部
48:隙間
61:上側筒状部材
62:上部フランジ部
63:下部フランジ部
71:下側筒状部材
72:フランジ部
81:フランジ部
91:フィルタ部材
t1:規制壁の突出量
t2:内壁部の突出量
P1~P5:第1~第5パーツ

Claims (7)

  1. 上端部に開口部を有するとともに内側に洗浄空間を有する筒状体と、前記開口部を覆う上蓋とを備え、前記上蓋が、塗装機に回転可能に設けられた回転霧化頭を前記筒状体内に挿入可能な挿入孔を有する塗装機洗浄用ホッパーであって、
    上部に排気孔が形成された筒状の外壁部と、内面が凹状に湾曲した底部とを有するタンク状部材を前記筒状体の外側にさらに備え、
    前記外壁部の下部内面に、前記回転霧化頭から吐出された廃塗料の這い上がりを規制するバッフル板が前記内面の全周にわたって突設されている
    ことを特徴とする塗装機洗浄用ホッパー。
  2. 前記上蓋において前記挿入孔の裏面側開口縁には、前記筒状体側から前記挿入孔側へ向かう前記廃塗料の流れを規制する規制壁が前記底部の方向に向かって突設されていることを特徴とする請求項1に記載の塗装機洗浄用ホッパー。
  3. 前記筒状体の下端は、前記バッフル板の高さ位置よりも下方に位置しているとともに、前記筒状体と前記バッフル板との間には、隙間が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の塗装機洗浄用ホッパー。
  4. 前記上蓋の裏面を基準とした前記規制壁の下方への突出量は、前記上蓋の裏面を基準とした前記筒状体の下方への突出量よりも小さいことを特徴とする請求項2または3に記載の塗装機洗浄用ホッパー。
  5. 前記上蓋を含む第1パーツと、
    前記筒状体を構成する上側筒状部材を含む第2パーツと、
    前記筒状体を構成するとともに前記上側筒状部材の下端側に接続される下側筒状部材を含む第3パーツと、
    前記外壁部、前記底部及び前記バッフル板を有する前記タンク状部材を含む第4パーツと
    を備え、前記各パーツが分解可能に組み立てられていること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗装機洗浄用ホッパー。
  6. 前記底部の中央部に設けられた排液通路に配置されるフィルタ部材を含む第5パーツをさらに備え、前記各パーツが分解可能に組み立てられていることを特徴とする請求項5に記載の塗装機洗浄用ホッパー。
  7. 前記第1パーツにおける前記上蓋と、前記第2パーツが有する上部フランジ部とが重ねて配置されかつ互いにねじ止め固定され、
    前記第2パーツが有する下部フランジ部と、前記第3パーツが有するフランジ部と、前記第4パーツが有するフランジ部とが重ねて配置されかつ互いにねじ止め固定されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の塗装機洗浄用ホッパー。
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