JP7793264B2 - 測定機器収容用断熱容器 - Google Patents

測定機器収容用断熱容器

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Description

本発明は、測定機器を断熱保護するために測定機器が収容される測定機器収容用断熱容器に関する。
従来、測定機器を断熱保護するために測定機器が収容される断熱容器として特許文献1に開示されている断熱容器がある。この断熱容器は、センサー及びセンサー制御回路が二重壁構造の真空断熱容器に収容され、真空断熱容器が耐圧外囲器に収容されていると共に、真空断熱容器の開口側に耐熱樹脂キャップが設けられ、耐熱樹脂キャップを貫通するようにしてセンサー制御回路の接続ケーブルが外部に引き出される構造になっている(特許文献1の図1参照)。更に、特許文献1には真空断熱容器の開口側に断熱シール材と耐熱樹脂キャップが設けられ、断熱シール材と耐熱樹脂キャップを貫通するようにして接続ケーブルが外部に引き出される変形例が開示されている(特許文献1の図2参照)。
特開2016-42063号公報
ところで、特許文献1に記載の断熱容器は、センサーのような測定機器の接続ケーブルを断熱シール材と耐熱樹脂キャップを貫通させて内外に連通する構造になっており、接続ケーブルの周辺における断熱性は確保されている。しかしながら、接続ケーブルを介した内外の伝熱を抑制することはできないため、容器内外の断熱保護が十分に図られているものとは言い難い。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、接続ケーブルを介した容器内外の伝熱を抑制し、収容される測定機器の断熱保護を確実に図ることができる測定機器収容用断熱容器を提供することを目的とする。
本発明の測定機器収容用断熱容器は、測定機器が収容される有底筒状の真空断熱容器部と、前記真空断熱容器部の開口側に設けられる第1の耐熱樹脂キャップと、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記真空断熱容器の軸方向に離間して配置される第2の耐熱樹脂キャップと、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップとの間の空間に封入される潜熱蓄熱材とを備え、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップと前記潜熱蓄熱材を貫通するように配線される前記測定機器の接続ケーブルの外周に、前記潜熱蓄熱材が接触するように設けられることを特徴とする。
これによれば、潜熱蓄熱材を貫通するように配線される測定機器の接続ケーブルの外周に潜熱蓄熱材を接触させることにより、接続ケーブルを介した容器内外の伝熱を抑制し、収容される測定機器の断熱保護を確実に図ることができる。また、外部と熱の流入・流出量が高くなる断熱容器の開口側に、第1の耐熱樹脂キャップと第2の耐熱樹脂キャップとその間の潜熱蓄熱材による三重構造を設けることにより、断熱容器の断熱性をより高めることができる。
本発明の測定機器収容用断熱容器は、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップとの間に短筒状のスペーサが設けられ、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップと前記スペーサで囲まれる封入空間に前記潜熱蓄熱材が封入されると共に、前記測定機器が収容される有底筒状のインナーケースの開口側の端部が、前記スペーサの外周側に設けられるシール材で前記真空断熱容器部の内周壁に向かって押圧付勢されて前記インナーケースが着脱自在に固定されていることを特徴とする。
これによれば、測定機器が収容される有底筒状のインナーケースの開口側の端部をスペーサの外周側のシール材で真空断熱容器部の内周壁に向かって押圧付勢してインナーケースを固定することにより、真空断熱容器部の内部にインナーケースを簡単に着脱自在に固定することができる。従って、インナーケースやこれに収容される測定機器のメンテナンスや取替を容易に行うことができる。また、インナーケースの開口側の端部をシール材で押圧付勢することにより、測定機器が収容されるインナーケースの内部への水の浸入を確実に防止することができる。
本発明の測定機器収容用断熱容器は、前記第1の耐熱樹脂キャップよりも外側に配置される前記第2の耐熱樹脂キャップの外面に沿うように補強リングが設けられ、前記補強リングと前記第2の耐熱樹脂キャップとが、前記スペーサに対してバネクリップで前記真空断熱容器部の底側に向かって押圧付勢されるようにして取り付けられていることを特徴とする。
これによれば、第2の耐熱樹脂キャップをバネクリップでスペーサに押圧付勢することにより、第2の耐熱樹脂キャップとスペーサとの当接領域の密着性を高め、断熱容器の断熱性をより高めることができる。また、補強リングを介して第2の耐熱樹脂キャップをバネクリップでスペーサに押圧付勢することにより、第2の耐熱樹脂キャップの変形を防止することができる。
本発明の測定機器収容用断熱容器は、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップとが電磁波透過性材料で形成されていると共に、前記潜熱蓄熱材が相変化の前後で絶縁性を維持する材料で形成されていることを特徴とする。
これによれば、第1の耐熱樹脂キャップと第2の耐熱樹脂キャップとその間の潜熱蓄熱材が設けられる断熱容器の開口側で電波を常時透過させることができ、断熱容器の内部に収容される測定機器を外部から無線通信で制御することが可能となる。
本発明の測定機器収容用断熱容器は、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップとの間に短筒状のスペーサが設けられ、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップと前記スペーサで囲まれる封入空間に前記潜熱蓄熱材が封入され、前記潜熱蓄熱材がゲル状有機系潜熱蓄熱材で構成され、前記ゲル状有機系潜熱蓄熱材に前記接続ケーブルを直接貫通させ、前記ゲル状有機系潜熱蓄熱材が前記接続ケーブルの外周に固体-液体相転移の前後で常時直接接触するように設けられることを特徴とする。
これによれば、ゲル状有機系潜熱蓄熱材と接続ケーブルの外周との接触性を固体-液体相転移の前後で確実に確保することができ、伝熱抑制性をより確実に高めることができる。
本発明の測定機器収容用断熱容器は、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップとの間に短筒状のスペーサが設けられ、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップと前記スペーサで囲まれる封入空間に前記潜熱蓄熱材が封入され、前記潜熱蓄熱材が、有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの集合体で構成され、前記マイクロカプセルの集合体に前記接続ケーブルを貫通させ、前記マイクロカプセルの集合体が前記接続ケーブルの外周に常時接触するように設けられることを特徴とする。
これによれば、潜熱蓄熱材に相当する有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの集合体と接続ケーブルの外周との接触性を固体-液体相転移の前後で確実に確保することができ、伝熱抑制性をより確実に高めることができる。
本発明の測定機器収容用断熱容器によれば、接続ケーブルを介した容器内外の伝熱を抑制し、収容される測定機器の断熱保護を確実に図ることができる。
本発明による実施形態の測定機器収容用断熱容器の斜視図。 実施形態の測定機器収容用断熱容器の正面図。 測定機器が収容された実施形態の測定機器収容用断熱容器における真空断熱容器部の底側の部分拡大断面図。 測定機器が収容された実施形態の測定機器収容用断熱容器における真空断熱容器部の開口側の部分拡大断面図。
〔実施形態の測定機器収容用断熱容器〕
本発明による実施形態の測定機器収容用断熱容器1は、図1~図4に示すように、測定機器10が収容される有底筒状の真空断熱容器部2と、真空断熱容器2の開口側に設けられる第1の耐熱樹脂キャップ3と、第1の耐熱樹脂キャップ3と真空断熱容器2の軸方向に離間して配置される第2の耐熱樹脂キャップ4と、第1の耐熱樹脂キャップ3と第2の耐熱樹脂キャップ4との間の封入空間Sに封入される潜熱蓄熱材5と、第1の耐熱樹脂キャップ3と第2の耐熱樹脂キャップ4との間に設けられる短筒状のスペーサ6と、真空断熱容器部2の内部で測定機器10が収容される有底筒状のインナーケース7を備える。
真空断熱容器部2は、二重壁構造の内部に減圧空間DSが設けられた有底筒容器の形状で形成されており、外側底板21と、外側底板21の周縁から起立するように固定された外周壁22と、内側底板23と、内側底板23の周縁から起立するように固定された内周壁24を有する。外側底板21と内側底板23、外周壁22と内周壁24はそれぞれ離間配置され、外側底板21と内側底板23との間、及び外周壁22と内周壁24との間に減圧空間DSが設けられている。外周壁22の先端部は内方に湾曲形成されて内周壁24の先端部に当接され、外周壁22の先端部と内周壁24の先端部とが溶接等で固定されて、減圧空間DSが閉塞されている。
有底筒状の真空断熱容器部2の内部には、有底筒状のインナーケース7が開口側を揃えるようにして配設されている。インナーケース7の周壁71は真空断熱容器部2の外周壁22及び内周壁24よりも長さが短く形成されており、周壁71の先端部は、真空断熱容器部2の内部に配置されている。
短筒状のスペーサ6の外周面は、真空断熱容器2の底側の部分がインナーケース7の周壁71の内側に挿入され、外側に突出した段差面で形成された真空断熱容器部2の開口側の部分が真空断熱容器部2の内周壁24の内周面に接触するように配置されている。スペーサ6におけるインナーケース7の周壁71の内側に挿入される部分の外周面にはリング状の凹溝61が形成されており、凹溝61にリング状のシール材62が嵌め込まれている。図示例では、真空断熱容器部2の軸方向に離間した複数箇所の2か所に凹溝61が形成され、それぞれの凹溝61にシール材62が嵌め込まれている。
インナーケース7の開口側の端部、即ち周壁71の先端部は、スペーサ6の外周側に設けられたシール材62で真空断熱容器部2の内周壁24に向かって押圧付勢されており、この押圧付勢によってインナーケース7が真空断熱容器部2の内部に着脱自在に固定されている。また、インナーケース7の周壁71の先端が段差に当接して位置決めされたスペーサ6は、この押圧付勢により、真空断熱容器部2に対して位置決めされて固定される。
スペーサ6の内端側には、断面視L字状の周溝63がスペーサ6の内周寄りに形成されており、図示例で略平板蓋状に形成された第1の耐熱樹脂キャップ3が周溝63に嵌着するようにして設けられている。これにより、第1の耐熱樹脂キャップ3は、インナーケース7の内部に配置されて、真空断熱容器2の開口側で真空断熱容器部2の内部に配設される。また、スペーサ6の外端近傍の外周には切欠が形成され、この切欠に嵌合されるようにしてシール材64が設けられている。シール材64は、真空断熱容器部2の先端とスペーサ6に密接するように配置され、真空断熱容器部2とスペーサ6との間の隙間から真空断熱容器部2の内側に水が浸入することをより確実に防止している。
スペーサ6の外端面には、図示例で略平板蓋状に形成され且つ第1の耐熱樹脂キャップ3よりも面積を大きく形成された第2の耐熱樹脂キャップ4が当接されている。第2の耐熱樹脂キャップ4は、第1の耐熱樹脂キャップ3よりも外側に配置され、その内側の面がスペーサ6の外端面に当接するようして固定されている。この当接により、測定機器収容用断熱容器1の内外の断熱性と防水性が高められている。
本例では、第2の耐熱樹脂キャップの外面に沿うように補強リング8が設けられていると共に、真空断熱容器部2の外周壁22の周方向の複数箇所にバネクリップ91と、バネクリップ91で容器内方に押圧付勢されている断面視略Z字形状の取付部材92が設けられている。そして、補強リング8と第2の耐熱樹脂キャップ4は、スペーサ6に対し、取付部材92を介してバネクリップ91で真空断熱容器部2の底側に向かって押圧付勢され、この押圧付勢により、真空断熱容器部2やスペーサ6に対して一体化されて取り付けられる。
潜熱蓄熱材5は、第1の耐熱樹脂キャップ3と第2の耐熱樹脂キャップ4とスペーサ6で囲まれる封入空間Sに封入される。潜熱蓄熱材5には、例えばゲル状のパラフィン系潜熱蓄熱材のようなゲル状有機系潜熱蓄熱材、二酸化バナジウム焼結体等の非流動性潜熱蓄熱材を用い、非流動性潜熱蓄熱材を封入空間Sに封入する構成とすると好適であるが、潜熱蓄熱材5の封入空間Sの防水性、防液性を確保できる場合には、流動性潜熱蓄熱材を用い、流動性潜熱蓄熱材を封入空間Sに封入する構成とすることも可能である。また、潜熱蓄熱材5として、パラフィン系潜熱蓄熱材のような有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルを複数個用い、有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの多数個を封入空間Sに封入する構成としても好適である。また、潜熱蓄熱材5には、固体-液体相転移による潜熱蓄熱材を用いると好適であるが、例えば電子相転移による潜熱蓄熱材を用いることも可能である。
また、測定機器収容用断熱容器1の内部と外部の電波による無線通信を確保する観点からは、第1の耐熱樹脂キャップ3と第2の耐熱樹脂キャップ4とを電磁波透過性材料で形成すると共に、潜熱蓄熱材5が相変化の前後で絶縁性を維持する材料で形成することが好ましい。この場合における第1の耐熱樹脂キャップ3と第2の耐熱樹脂キャップ4に用いる材料としては、例えばポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK樹脂)、ポリフェニレンサルファイド(PPS樹脂)、PBT-GF30のようなガラス繊維入りのポリブチレンテレフタレート等とすると、200℃以上の耐熱性を確保できて好適である。また、潜熱蓄熱材5に用いる材料としては、例えば相変化温度が40℃のパラフィン系潜熱蓄熱材等を用いると測定機器収容用断熱容器1の内部の温度を50℃以下に保つことができて好適である。
真空断熱容器部2の内部のインナーケース7に収容される測定機器10は、測定機器収容用断熱容器1の外部に設けられるセンサーの測定値を取得して処理すると共に、測定機器収容用断熱容器1の内外に接続ケーブルが設けられる適宜の測定機器とすることが可能であり、例えば測定機器収容用断熱容器1の内外にセンサーとの接続ケーブルが設けられ、接続ケーブルを介してセンサーの測定値を取得して処理する測定機器とすると好適である。
図示例の測定機器10は、CPU、メモリ、制御プログラムを格納したROM等で構成され、測定機器収容用断熱容器1の外部に設けられるセンサー(図示省略)から接続ケーブル11を介して取得する測定値の処理を担う処理する制御処理ユニット12と、ハードディスク等で構成され、センサーの測定値を時系列順等で格納する記憶部13と、バッテリー14を備える。制御処理ユニット12と記憶部13、制御処理ユニット12とバッテリー14は、それぞれ図示省略する接続線で電気的に接続されている。測定機器10は、保持部材151、152、153で保持されてインナーケース7の内部の所定位置に設置されている。
測定機器10の制御処理ユニット12に接続されている接続ケーブル11は、第1の耐熱樹脂キャップ3と、潜熱蓄熱材5と、第2の耐熱樹脂キャップ4を貫通するように配線されて、測定機器収容用断熱容器1の外部に引き出され、測定機器収容用断熱容器1の外部に設けられるセンサー(図示省略)に接続されている。尚、本例の接続ケーブル11は、導線に絶縁被覆が施された一般的な接続ケーブルになっている。
第1の耐熱樹脂キャップ3と第2の耐熱樹脂キャップ4に形成されている接続ケーブル11の貫通穴は、その周面の全体が接続ケーブル11の外周に接触するように形成されており、測定機器収容用断熱容器1の内外の断熱性が高められている。また、潜熱蓄熱材5に設けられている接続ケーブル11の貫通穴は、その周面の全体が接続ケーブル11の外周に接触するように設けられており、接続ケーブル11の外周に潜熱蓄熱材5を接触させることで、接続ケーブル11の熱を潜熱蓄熱材5に伝導させ、潜熱蓄熱材5に蓄熱することができるようになっている。
潜熱蓄熱材5としてゲル状パラフィン系潜熱蓄熱材のようなゲル状有機系潜熱蓄熱材を用い、ゲル状有機系潜熱蓄熱材を封入空間Sに封入する場合、ゲル状有機系潜熱蓄熱材に接続ケーブル11を直接貫通させ、ゲル状有機系潜熱蓄熱材が接続ケーブル11の外周に固体-液体相転移の前後で常時、直接接触するように設けると、ゲル状有機系潜熱蓄熱材と接続ケーブル11の外周との接触性を固体-液体相転移の前後で確実に確保することができて好適である。特に、相転移温度を超えると流動性が高くなるゲル状パラフィン系潜熱蓄熱材を用いると、高温化したゲル状パラフィン系潜熱蓄熱材と接続ケーブル11の外周と間の隙間を確実に埋め、接触性、伝熱抑制性をより高めることができる。
ゲル状パラフィン系潜熱蓄熱材のようなゲル状有機系潜熱蓄熱材を封入空間Sに封入する場合、封入空間Sのほぼ全体に亘ってゲル状有機系潜熱蓄熱材を充填すると、測定機器収容用断熱容器1の使用方向の規制を無くすことができると共に、封入空間S内における接続ケーブル11の長さ全体に亘ってゲル状有機系潜熱蓄熱材を接触させ、伝熱抑制性を高めることができて好適である。また、測定機器収容用断熱容器1の使用方向が第2の耐熱樹脂キャップ4を下側又は上側に規制される場合には、ゲル状パラフィン系潜熱蓄熱材のようなゲル状有機系潜熱蓄熱材が封入空間Sの下半分以上の高さを埋めるようにして、ゲル状有機系潜熱蓄熱材を封入空間Sに封入すると、封入空間S内における接続ケーブル11の長さの半分以上に亘ってゲル状有機系潜熱蓄熱材を接触させ、必要な伝熱抑制性を確保することができると共に、ゲル状有機系潜熱蓄熱材の使用量を減らし製造コストを低減することができて好適である。
また、パラフィン系潜熱蓄熱材のような有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの複数個を封入空間Sに封入する場合、多数のマイクロカプセルの集合体を貫通するように接続ケーブル11を設け、マイクロカプセルの集合体が接続ケーブル11の外周に固体-液体相転移の前後で常時接触するようにすると、潜熱蓄熱材5に相当する有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの集合体と接続ケーブル11の外周との接触性を固体-液体相転移の前後で確実に確保することができて好適である。
パラフィン系潜熱蓄熱材のような有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの多数個或いは集合体を封入空間Sに封入する場合、封入空間Sのほぼ全体に亘って有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルを充填すると、測定機器収容用断熱容器1の使用方向の規制を無くすことができると共に、封入空間S内における接続ケーブル11の長さ全体に亘って有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの集合体を接触させ、伝熱抑制性を高めることができて好適である。また、測定機器収容用断熱容器1の使用方向が第2の耐熱樹脂キャップ4を下側又は上側に規制される場合には、有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの集合体が封入空間Sの下半分以上の高さを埋めるようにして封入空間Sに封入すると、封入空間S内における接続ケーブル11の長さの半分以上に亘って有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルを接触させ、必要な伝熱抑制性を確保することができると共に、有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの使用量を減らし製造コストを低減することができて好適である。
本実施形態の測定機器収容用断熱容器1は、例えば接続ケーブル11の先端に変位センサーが設けられ、変位の測定値を取り込んで格納する変位測定機器の測定機器10を内装するようにして使用される。そして、例えば変位測定機器の測定機器10が内装された測定機器収容用断熱容器1が自動車の車体に取付部材92を介して取り付けられると共に変位センサーが車体の所要位置に設置され、車体製造工程における車体の塗装槽への浸漬、車体の乾燥炉での加熱乾燥の工程を通じて、測定機器収容用断熱容器1の車体への取付状態が維持され、塗装槽の水圧による変形や加熱乾燥の熱による変形で生ずる車体の変形変位が測定機器10の記憶部13に格納される。
本実施形態の測定機器収容用断熱容器1によれば、潜熱蓄熱材5を貫通するように配線される測定機器10の接続ケーブル11の外周に潜熱蓄熱材5を接触させることにより、接続ケーブル11を介した容器内外の伝熱を抑制し、収容される測定機器10の断熱保護を確実に図ることができる。また、外部と熱の流入・流出量が高くなる測定機器収容用断熱容器1の開口側に、第1の耐熱樹脂キャップ3と第2の耐熱樹脂キャップ4とその間の潜熱蓄熱材5による三重構造を設けることにより、測定機器収容用断熱容器1の断熱性をより高めることができる。
また、測定機器10が収容される有底筒状のインナーケース7の開口側の端部をスペーサ6の外周側のシール材62で真空断熱容器部2の内周壁24に向かって押圧付勢してインナーケース7を固定することにより、真空断熱容器部2の内部にインナーケース7を簡単に着脱自在に固定することができる。従って、インナーケース7やこれに収容される測定機器10のメンテナンスや取替を容易に行うことができる。また、インナーケース7の開口側の端部をシール材62で押圧付勢することにより、測定機器10が収容されるインナーケース7の内部への水の浸入をより確実に防止することができる。
また、第2の耐熱樹脂キャップ4をバネクリップ91でスペーサ6に押圧付勢することにより、第2の耐熱樹脂キャップ4とスペーサ6との当接領域の密着性を高め、測定機器収容用断熱容器1の断熱性をより高めることができる。また、補強リング8を介して第2の耐熱樹脂キャップ4をバネクリップ91でスペーサ6に押圧付勢することにより、第2の耐熱樹脂キャップ4の変形を防止することができる。
また、第1の耐熱樹脂キャップ3と第2の耐熱樹脂キャップ4とを電磁波透過性材料で形成すると共に、潜熱蓄熱材5を相変化の前後で絶縁性を維持する材料で形成する場合には、第1の耐熱樹脂キャップ3と第2の耐熱樹脂キャップ4とその間の潜熱蓄熱材5が設けられる測定機器収容用断熱容器1の開口側で電波を常時透過させることができ、測定機器収容用断熱容器1の内部に収容される測定機器10を外部から無線通信で制御することが可能となる。
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
例えば本発明の測定機器収容用断熱容器に収容される測定機器は本発明の趣旨の範囲内で適宜であり、変位測定機器以外の各種の測定機器とすることが可能である。更に、測定機器の接続ケーブルの先端にセンサーを設ける場合のセンサーも、測定機器収容用断熱容器に収容される測定機器の種類に応じて適宜である。
また、本発明の測定機器収容用断熱容器に収容される測定機器と、測定機器収容用断熱容器の外部のセンサーとが、測定機器収容用断熱容器の第2の耐熱樹脂キャップ側から無線通信を行って、測定機器がセンサーの測定値を取り込み、測定機器の接続ケーブルが各々の測定機器の測定値を管理する管理サーバのような管理装置等に接続される構成も本発明に含まれる。
また、上記実施形態のように、測定機器収容用断熱容器1の最外側が真空断熱容器部2の外側底板21と外周壁22と第2の耐熱樹脂キャップ4となるようにすると、測定機器収容用断熱容器の軽量化を図ることができて好適であるが、例えば真空断熱容器部2の外側底板21と外周壁22の外側を有底筒状の耐圧容器で囲む構成等とすることも可能である。また、本発明の測定機器収容用断熱容器は、測定機器の外部環境が高温になる場合の他、測定機器の外部環境が低温になる場合に用いても好適である。
本発明は、例えば加熱乾燥炉内など測定機器の外部環境が高温になる際に利用することができる。
1…測定機器収容用断熱容器 2…真空断熱容器部 21…外側底板 22…外周壁 23…内側底板 24…内周壁 3…第1の耐熱樹脂キャップ 4…第2の耐熱樹脂キャップ 5…潜熱蓄熱材 6…スペーサ 61…凹溝 62…シール材 63…周溝 64…シール材 7…インナーケース 71…周壁 8…補強リング 91…バネクリップ 92…取付部材 10…測定機器 11…接続ケーブル 12…制御処理ユニット 13…記憶部 14…バッテリー 151、152、153…保持部材 S…封入空間 DS…減圧空間

Claims (5)

  1. 測定機器が収容される有底筒状の真空断熱容器部と、
    前記真空断熱容器部の開口側に設けられる第1の耐熱樹脂キャップと、
    前記第1の耐熱樹脂キャップと前記真空断熱容器の軸方向に離間して配置される第2の耐熱樹脂キャップと、
    前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップとの間の空間に封入される潜熱蓄熱材とを備え、
    前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップと前記潜熱蓄熱材を貫通するように配線される前記測定機器の接続ケーブルの外周に、前記潜熱蓄熱材が接触するように設けられることを特徴とする測定機器収容用断熱容器。
  2. 前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップとの間に短筒状のスペーサが設けられ、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップと前記スペーサで囲まれる封入空間に前記潜熱蓄熱材が封入されると共に、
    前記測定機器が収容される有底筒状のインナーケースの開口側の端部が、前記スペーサの外周側に設けられるシール材で前記真空断熱容器部の内周壁に向かって押圧付勢されて前記インナーケースが着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項1記載の測定機器収容用断熱容器。
  3. 前記第1の耐熱樹脂キャップよりも外側に配置される前記第2の耐熱樹脂キャップの外面に沿うように補強リングが設けられ、
    前記補強リングと前記第2の耐熱樹脂キャップとが、前記スペーサに対してバネクリップで前記真空断熱容器部の底側に向かって押圧付勢されるようにして取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の測定機器収容用断熱容器。
  4. 前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップとの間に短筒状のスペーサが設けられ、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップと前記スペーサで囲まれる封入空間に前記潜熱蓄熱材が封入され、
    前記潜熱蓄熱材がゲル状有機系潜熱蓄熱材で構成され、
    前記ゲル状有機系潜熱蓄熱材に前記接続ケーブルを直接貫通させ、前記ゲル状有機系潜熱蓄熱材が前記接続ケーブルの外周に固体-液体相転移の前後で常時直接接触するように設けられることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の測定機器収容用断熱容器。
  5. 前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップとの間に短筒状のスペーサが設けられ、前記第1の耐熱樹脂キャップと前記第2の耐熱樹脂キャップと前記スペーサで囲まれる封入空間に前記潜熱蓄熱材が封入され、
    前記潜熱蓄熱材が、有機系潜熱蓄熱材が封入されたマイクロカプセルの集合体で構成され、
    前記マイクロカプセルの集合体に前記接続ケーブルを貫通させ、前記マイクロカプセルの集合体が前記接続ケーブルの外周に常時接触するように設けられることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の測定機器収容用断熱容器。
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