JP7794708B2 - 締固め評価システム - Google Patents

締固め評価システム

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Description

本発明は、締固め評価システムに関する。
近年、ダムのコンクリート打設による関する技術開発が盛んであり、特に、締固め管理の技術開発が盛んである。従来では、バイブレータの加振時間を計測し、所定時間に到達したか否かで、予め設定した範囲の締固め完了と判定していた。しかし、このような判定は、施工管理を目的としたものであり、締固め現象をとらえたものではない。このような管理に対して、コンクリート内部の締固め状態を定量的に評価することが望まれており、発明がなされている。例えば、特許文献1には、コンクリートの締め固め管理方法として、複雑な装置を用いることなく、コンクリートの締め固め施工域全体の締め固め程度の評価、締め固め完了の範囲の判定を客観的かつ定量的に行う方法が開示されている。特許文献1の管理方法では、油圧式のバイブレータの油圧の経時変化により、コンクリートの締め固め程度を評価している。
特開2013-159939号公報
しかし、締固めの評価指標にバイブレータの油圧を用いると、コンクリート内部の締固め状態の評価は定量的になるものの、油圧センサ等が必要になるなど、評価を適切に行うシステム構成が煩雑になったり、評価の精度向上が制限されたりする、などの問題があった。
このような観点から、本発明は、簡易な構成でコンクリートの締固めの定量的な評価の精度を向上させる締固め評価システムを提案することを課題とする。
前記課題を解決する本発明は、打設範囲のコンクリート内に挿入される複数のバイブレータと、演算装置と、を備え、前記演算装置は、前記バイブレータの各々の位置を取得する位置取得部と、前記バイブレータの軸心からの距離、及び加振時間に基づいて、前記打設範囲の各部分範囲における締固めエネルギーの積算値を計算する計算部と、前記計算した積算値を用いて締固め評価結果を表示部に表示させる表示制御部と、を備える締固め評価システムである。
本発明によれば、締固めエネルギーの積算値を用いて締固め評価結果を可視化するため、コンクリート内部の締固め現象をとらえることができ、コンクリート内部の締固め状態を定量的に評価できる。本発明は、バイブレータの油圧を用いて評価する従来のシステムと異なり、システム構成が煩雑にならず、評価の精度向上が制限されない。また、従来では、締固め完了を確認するための加振を確認作業として行う必要があったが、本発明は、締固め現象をとらえるため、前記の確認作業は不要であり、作業時間を短縮できる。
また、前記表示制御部は、前記締固め評価結果として、前記コンクリートの締固め完了エネルギーに対する前記積算値の割合を、前記各部分範囲ごとに、前記表示部に表示させることが好ましい。
これにより、締固めの完了範囲を容易に確認することができる。また、締固めが不足している部分範囲を可視化することができるため、追加加振が必要な部分範囲を容易に確認することができる。
また、前記表示制御部は、前記締固め評価結果として、前記積算値が前記締固め完了エネルギーを超えた部分範囲を前記表示部に表示させることが好ましい。
これにより、締固めが過剰な部分範囲を可視化することができるため、加振禁止が必要な部分範囲を容易に確認することができる。
また、複数の位置センサと、建設機械に取り付けられる取付部材を備える締固め装置と、をさらに備え、前記複数のバイブレータ及び前記複数の位置センサが前記取付部材に取り付けられており、前記位置取得部は、前記位置センサの各々からの信号により、前記バイブレータの各々の位置、及び前記締固め装置の向きを取得することが好ましい。
これにより、締固め装置の姿勢を把握することができる。また、位置センサとバイブレータとの位置関係は予め取得できるため、位置センサの各々の位置を用いてバイブレータの各々の位置及び姿勢を把握することができる。その結果、バイブレータによる加振位置を特定する、締固めエネルギーを計算する、などの演算装置による処理の精度を向上させることができる。
本発明によれば、簡易な構成でコンクリートの締固めの定量的な評価の精度を向上させることができる。実際のコンクリート内部の締固め状況をオペレータが視覚的に逐次確認しながら作業できるので,バイブレータ挿入,引き上げのタイミングや引き上げ後のバイブレータ挿入位置決めを効率的に行うことができる.またタブレットPCの画面をオペレータだけでなく元請管理職員とも共有することにより締固め状況の遠隔施工管理等にも活用できる。
本実施形態の締固め評価システムの機能構成図である。 締固めエネルギーの累積値及び締固め完了エネルギーの説明図である。 締固め評価結果の画面例である。 締固め評価処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施をするための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるもではない。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[構成]
図1は、本実施形態の締固め評価システムの機能構成図である。締固め評価システム100は、例えば、ダム建設の所定の打設範囲に搬送されたコンクリートCの締固めを評価するシステムである。締固め評価システム100は、演算装置1と、締固め装置2とを備える。演算装置1は、所定の情報処理を実行するコンピュータである。締固め装置2は、コンクリートCに振動(締固めエネルギー)を付与する装置であり、ベースマシンである油圧ショベル3のアーム31先端に取り付けられている。演算装置1は、油圧ショベル3が備える機器(後記する受信機33を含む。)と通信可能に接続されている。演算装置1は、入力部、出力部、制御部、および、記憶部といったハードウェアを備えている。例えば、制御部がCPU(Central Processing Unit)から構成される場合、その制御部を含むコンピュータによる情報処理は、CPUによるプログラム実行処理で実現される。また、そのコンピュータに含まれる記憶部は、CPUの指令により、そのコンピュータの機能を実現するためのさまざまなプログラムを記憶する。これによりソフトウェアとハードウェアの協働が実現される。前記プログラムは、記録媒体に記録したり、ネットワークを経由したりすることで提供可能となる。
締固め装置2は、ダム建設に使用するコンクリートを締め固める装置である。締固め装置2は、4本のバイブレータ21と、取付部材22と、2つのGNSS(Global Navigation Satellite System)センサ23とを備えている。バイブレータ21は、コンクリートCを締固める内部振動機である。バイブレータ21は、略円柱状を呈しており、打設範囲のコンクリートC内に挿入可能である。取付部材22は、油圧ショベル3にバイブレータ21を取り付けるための部材であり、取付部材22の底面にバイブレータ21を取り付けることができる。取付部材22には、4本のバイブレータ21が並設されている。また、取付部材22は、取付部材22の天面に油圧ショベル3のアーム31の先端部を取り付けることができる。油圧ショベル3は、アーム31やブーム32を制御してバイブレータ21及び取付部材22の姿勢を設定できる。よって、油圧ショベル3は、コンクリートCに対してバイブレータ21を垂直に又は斜めに挿入できる。
GNSSセンサ23は、衛星測位によりバイブレータ21の各々の位置を検出するセンサである。2つのGNSSセンサ23の各々は、例えば、取付部材22の天面に離間して取り付けることができるが、GNSSセンサ23の取付位置は適宜設計できる。よって、取付部材22の姿勢によらずに、GNSSセンサ23の各々、及びバイブレータ21の各々の位置関係(オフセット距離)を決定することができる。また、GNSSセンサ23は、RTK(Real Time Kinematics)測位を導入することができる。これにより、バイブレータ21の各々の位置をリアルタイムに、かつ高精度に(例えば10cm単位の精度で)検出することができる。GNSSセンサ23の各々は、油圧ショベル3が備える受信機33と通信可能に接続されている。受信機33は、GNSSセンサ23が検出する信号を受信することができる。GNSSセンサ23が検出する信号は、バイブレータ21の各々の位置を示す情報を含む。
演算装置1は、位置取得部11と、計算部12と、表示制御部13とを備えている。位置取得部11は、バイブレータ21の各々の位置を取得する。具体的には、位置取得部11は、GNSSセンサ23が検出する信号を受信した受信機33からバイブレータ21の各々の位置を取得することができる。ここで、締固め装置2がGNSSセンサ23を2つ備えているため、位置取得部11は、GNSSセンサ23の各々からの信号により、バイブレータ21の各々の位置だけでなく、締固め装置2の向きを取得することができる。締固め装置2がGNSSセンサ23を3以上備えた場合も同様である。計算部12は、打設したコンクリートCにバイブレータ21が内部振動を加えたときの締固めエネルギーを計算する。表示制御部13は、計算部12が計算した積算値を用いて締固め評価結果をディスプレイ4に表示させる。締固め評価結果は、コンクリートCの締固め度を所定の評価方式で示した結果であり、打設作業中のリアルタイムの締固め度を示すことができる。ディスプレイ4は、演算装置1による情報処理の結果を表示する表示部である。なお、演算装置1は、油圧ショベル内に設けないで施工管理を行う現場事務所に設けても良い。また、パソコンの他に、タブレットを油圧ショベルの運転席に設けても良い。
[締固めエネルギーの詳細]
例えば、計算部12は、バイブレータ21がコンクリートに内部振動を加えたときの締固めエネルギーを以下の式1で計算できる。
・・・式1
ここで、Eは加振時間t(s)の間にコンクリートが受ける締固めエネルギー(J/L)であり、ρはコンクリートの単位容積質量(kg/L)であり、αsurは振動機表面の見かけ最大加速度(m/s2)であり、Ωは材料減衰係数であり、xは内部振動機の軸心からの距離(m)であり、fは振動数(s-1)である。
αsurは、バイブレータ21の軸心からの距離が0(m)(バイブレータ21の直径を0(m)とみなす)の位置での振動の加速度を表す。なお、αsurは、バイブレータ21をコンクリートに挿入して、バイブレータ21から一定の距離における加速度を複数個所で測定後に、逆算することでバイブレータ21の軸心からの距離0(m)の位置の加速度を算定することができる。Ωは、例えば、コンクリートのコンシステンシーに起因して求めることができる。加振時間(s)は、例えば、バイブレータ21の振動のオンオフに関する電気信号を取得することで求めることができる。油圧ショベル3は、例えば、バイブレータ21と配線で接続されている操作レバーを備えている。操作レバーの操作によって、バイブレータ21の振動のオンオフを設定でき、加振時間(s)を取得できる。
式1に示すように、計算部12は、バイブレータ21の軸心からの距離(x)、及び加振時間(t)に基づいて締固めエネルギー(E)の積算値を計算できる。例えば、演算装置1のプログラムによる1サイクルの処理に要する時間を1秒とする。計算部12は、単位時間当たりの締固めエネルギーを計算する。また、計算部12は、計算した単位時間当たりの締固めエネルギーを、前回サイクルの計算結果に足し合わせる。このような手順を繰り返すことにより、計算部12は、締固めエネルギー(E)の積算値を計算できる。
また、計算部12は、打設範囲を任意のサイズに分割した各部分範囲において、締固めエネルギーの積算値を計算できる。
[締固め完了エネルギー]
締固め完了エネルギーは、締固めエネルギーの目標値であり、コンクリートごとに設定することができる。締固め完了エネルギーは、専用の締固め試験装置を用いた測定方法によって予め求めることができる。測定方法は周知であるため概要を説明する。コンクリートの締固めとは、コンクリートを、締固め前における型枠中のコンクリートが見掛けのかさ密度から、コンクリートの配合の理論密度に至るまで変形させることであると考えることができる。そこで、締固めの程度は、締固め試験装置が備える円筒容器中の試料の最も高い部分を高さとする円筒体積に対するコンクリート試料の真の体積の比として捉え、この比を締固め度γとする。なお、締固め試験装置は、円筒容器中の試料に振動を加えることができる振動機を備える。締固め度γは、配合に基づく理論上の単位容積質量まで締め固められたときの試料の高さに対する、任意の締固め時間における試料の高さの比として求めることができる。そして、例えば、締固め度γが99.5%に到達するのに要した締固めエネルギーを締固め完了エネルギーと設定することができる。
図2は、締固めエネルギーの累積値及び締固め完了エネルギーの説明図である。図2は、バイブレータ21が挿入されているコンクリート内部空間に対して2次元座標軸を導入した様子を図示している。座標軸の横軸は、バイブレータ21の軸心からの距離xである。座標軸の縦軸は、締固めエネルギーEである。式1に示すように、加振時間tを固定した場合、締固めエネルギーEは、バイブレータ21の軸心からの距離が大きくなると単調減少する。また、バイブレータ21の軸心からの距離xを固定した場合、締固めエネルギーEは、加振時間tが大きくなると単調増大する。加振時間tがT/4、3T/8、T/2、3T/4、Tであるときの締固めエネルギーEを示す曲線をそれぞれL1~L5とする。加振時間tが増大するにつれて、距離xに対する締固めエネルギーEの分布は、曲線L1→L2→L3→L4→L5のように推移する。図1に示すように、加振時間tが増大するにつれて、締固めエネルギーEが締固め完了エネルギーEthに到達する距離xが増大する。つまり、バイブレータ21を中心にした(打設範囲平面視)略円形の締固め完了範囲R1が決定する。
[締固め評価結果]
打設作業において、油圧ショベル3は、打設範囲の任意の部分範囲のコンクリート内にバイブレータ21を挿入し、所定時間振動を加えて締固めた後、バイブレータ21をコンクリートから抜き出す。油圧ショベル3は、このような動作を、打設範囲の異なる部分範囲に対して複数回行う。その結果、打設範囲の各部分範囲における締固めエネルギーが累積し、計算部12は、打設範囲の各部分範囲における締固めエネルギーの積算値を計算することができる。計算部12は、計算した積算値を用いて締固め評価結果を求めることができる。締固め評価結果は、打設範囲の各部分範囲における締固めエネルギーの積算値を、打設範囲に亘って集めた集合体となり得る。表示制御部13は、所定の表示形式で締固め評価結果をディスプレイ4に表示させる。
図3は、締固め評価結果の画面例である。打設範囲の各部分範囲は、矩形状のメッシュで示される。メッシュの辺寸法は、例えば実寸10cmとすることができるが、これに限定されない。例えば、表示制御部13は、各部分範囲の締固めエネルギーの積算値を所定の色(例えば、緑)による濃淡表示(カラーマップ、ヒートマップ、コンター表示)を行うことができる。図3では、10段階(1~10)の「加振完了内配色」により各部分範囲の締固めエネルギーの積算値が描画されている。
表示制御部13は、締固め評価結果として、コンクリートの締固め完了エネルギーに対する積算値の割合を、各部分範囲ごとにディスプレイ4に表示させることができる。例えば、図3に示すように、表示制御部13は、濃淡表示されている各メッシュに濃淡に対応する数値(1~10)を、締固め完了エネルギーに対する積算値の割合として表示することができる。「加振完了内配色」を示す数値k(=1,・・・,10)は、締固め完了エネルギーに対する積算値の割合が((k-1)×10/100 ~ k×10/100)(%)であることを示す。また、表示制御部13は、締固めエネルギーの積算値を用いて締固め完了範囲を特定し、ディスプレイ4に表示させることができる。例えば、締固め完了エネルギーに対する積算値の割合が90%となったときに締固めが完了したとした場合、表示制御部13は、数値「9」のメッシュが占める範囲を締固め完了範囲R2として特定し、表示することができる。
表示制御部13は、締固め評価結果として、締固めエネルギーの積算値が締固め完了エネルギーを超えた部分範囲をディスプレイ4に表示させることができる。例えば、表示制御部13は、加振過剰である部分範囲に対して過剰度に応じた濃淡表示(カラーマップ、ヒートマップ、コンター表示)を行うことができる。図3では、4段階(1~4)の「加振過剰配色」により、加振過剰である部分範囲及び過剰度が描画されている。過剰度を濃淡表示する色は、締固めエネルギーの積算値を濃淡表示する色と異なる色(例えば、赤)とすることができるが、図3では図示の便宜上、ハッチングの濃淡で過剰度を表示している。例えば、表示制御部13は、加振過剰な部分範囲が広範囲に及ぶ範囲を締固め過剰範囲R3として特定し、表示することができる。
[処理]
次に、演算装置1が行う締固め評価処理について説明する。図4は、締固め評価処理のフローチャートである。演算装置1は、プログラムからの指令により、サイクル(例えば、1秒)ごとに締固め評価処理を行う。また、締固め評価処理は、例えば、油圧ショベル3及び締固め装置2が始動することで開始することができる。まず、演算装置1は、打設に用いるコンクリートに対して、締固め試験装置が予め計測した締固め完了エネルギーを取得する(ステップS1)。なお、ステップS1は、最初のサイクルで行えばよく、次回以降のサイクルでは省略可能である。次に、演算装置1の位置取得部11は、GNSSセンサ23及び受信機33を介してバイブレータ21の各々の位置を取得する(ステップS2)。次に、演算装置1は、バイブレータ21が加振中であるか否か判定する(ステップS3)。具体的には、演算装置1は、油圧ショベル3が備える操作レバーのオンオフによって、バイブレータ21の振動のオンオフに関する電気信号を取得して判定できる。
加振中である場合(ステップS3でYes)、演算装置1の計算部12は、コンクリートの締固めエネルギーの積算値を計算する(ステップS4)。計算部12は、式1を用いて1サイクルの加振時間(例えば、1秒)あたりの締固めエネルギーを計算する。また、計算部12は、締固めエネルギーの計算を打設範囲の部分範囲ごとに行う。また、計算部12は、前回のサイクルまでに計算した積算値に、今回のサイクルの締固めエネルギーを積算して積算値を部分範囲ごとに更新する。ステップS4の後、又は加振中でなかった場合(ステップS3でNo)、演算装置1の表示制御部13は、カラーマップの描画処理を行う(ステップS5)。具体的には、表示制御部13は、今回のサイクル完了時点の締固めエネルギーの積算値を部分範囲ごとに示すカラーマップを締固め評価結果としてディスプレイ4に描画させる。表示制御部13は、締固め評価結果として、コンクリートの締固め完了エネルギーに対する積算値の割合を部分範囲ごとにディスプレイ4に表示させることができる。また、表示制御部13は、締固め評価結果として、前記割合に対して締固めが完了した部分範囲(締固め完了範囲R2)をディスプレイ4に表示させることができる。また、表示制御部13は、締固め評価結果として、積算値が締固め完了エネルギーを超えた部分範囲(締固め過剰範囲R3)をディスプレイ4に表示させることができる。ステップS5の終了によりプログラムの1サイクルが完了し、演算装置1は、次のサイクルの締固め評価処理を行う。プログラムの終了コマンドがあると、図4の締固め評価処理が終了する。
本実施形態によれば、締固めエネルギーの積算値を用いて締固め評価結果を可視化するため、コンクリート内部の締固め現象をとらえることができ、コンクリート内部の締固め状態を定量的に評価できる。本実施形態は、バイブレータの油圧を用いて評価する従来のシステムと異なり、システム構成が煩雑にならず、評価の精度向上が制限されない。また、従来では、締固め完了を確認するための加振を確認作業として行う必要があったが、本発明は、締固め現象をとらえるため、前記の確認作業は不要であり、作業時間を短縮できる。
また、確認作業に起因する過振動、つまり過度の締固めを回避できる。さらに、従来の施工管理は、決められた順番、決められた範囲、決められた間隔での締固めを要求するものであり、作業の自由度が著しく制限されていた。これに対し、本実施形態は、コンクリート内部の締固め状態を定量的に評価することで、必要となる作業をリアルタイムで変更できる柔軟性を獲得することができ、作業の自由度を高くすることができる。
また、締固めの完了範囲を容易に確認することができる。また、締固めが不足している部分範囲を可視化することができるため、追加加振が必要な部分範囲を容易に確認することができる。
また、締固めが過剰な部分範囲を可視化することができるため、加振禁止が必要な部分範囲を容易に確認することができる。
また、本実施形態の締固め評価システム100の構成によれば、締固め装置の姿勢を把握することができる。また、位置センサとバイブレータとの位置関係は予め取得できるため、位置センサの各々の位置を用いてバイブレータの各々の位置及び姿勢を把握することができる。その結果、バイブレータによる加振位置を特定する、締固めエネルギーを計算する、などの演算装置による処理の精度を向上させることができる。
[変形例]
(a):本実施形態の演算装置1は、油圧ショベル3と通信可能に外付けで接続されていた。しかし、演算装置1を油圧ショベル3に組み込む構成であってもよい。ディスプレイ4についても同様である。また、油圧ショベル3に限らず、クレーン等の他の種類の建設機械であってもよい。
(b):本実施形態では、バイブレータ21がコンクリート内に垂直に挿入された場合(図2参照)における締固めエネルギーの計算について説明した。しかし、バイブレータ21がコンクリート内に斜めに挿入された場合であっても、周知の幾何学的なオフセット補正をすることで、締固めエネルギーの計算は可能である。
(c):本実施形態では、GNSSセンサ23を用いてバイブレータ21の位置を検出するようにした。しかし、例えば、トータルステーションによってバイブレータ21の位置を自動追尾してもよい。
(d):本実施形態では、油圧ショベル3が備える操作レバーの操作によって、バイブレータ21の振動のオンオフに関する電気信号を取得することで、バイブレータ21の加振時間を取得した。このように取得された加振時間は、バイブレータ21の挿入及び抜き出しのタイミングと、バイブレータ21の振動のオンオフのタイミングが一致するときは正確であり、両タイミングの差分が極めて小さいときは十分に正確な加振時間が得られる。ここで、バイブレータ21の振動加速度を検出する加速度センサを、バイブレータ21、取付部材22などに設け、コンクリートのコンシステンシーに依存する振動加速度をモニタリングするとよい。これにより、振動加速度の増減のタイミングを追跡することで、バイブレータ21の挿入及び抜き出しのタイミングと、バイブレータ21の振動のオンオフのタイミングとを確実に求めることができ、コンクリートに挿入している間のバイブレータ21の振動の時間として正確な加振時間を取得することができる。つまり、未挿入時でのバイブレータ21の空振動の時間を計測せずに済ませることができる。よって、計算部12は、式1等を用いて正確な締固めエネルギーを計算できる。
(e):本実施形態の演算装置1として機能させるプログラムを、打設を行うロボットにインストールし打設作業を行うことで、無人化した自動打設を実現できる。
(f):本実施形態で説明した種々の技術を適宜組み合わせた技術を実現することもできる。
(g):本実施形態で説明したソフトウェアをハードウェアとして実現することもでき、ハードウェアをソフトウェアとして実現することもできる。
(h):その他、本発明の構成要素について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
100 締固め評価システム
1 演算装置
11 位置取得部
12 計算部
13 表示制御部
2 締固め装置
21 バイブレータ
22 取付部材
23 GNSSセンサ
3 油圧ショベル
31 アーム
32 ブーム
33 受信機
4 ディスプレイ(表示部)
C コンクリート
R1,R2 締固め完了範囲
R3 締固め過剰範囲

Claims (4)

  1. 打設範囲のコンクリート内に挿入される複数のバイブレータと、
    演算装置と、を備え、
    前記演算装置は、
    前記バイブレータの各々の位置を取得する位置取得部と、
    前記バイブレータの軸心からの距離、及び加振時間に基づいて、前記打設範囲の各部分範囲における締固めエネルギーの積算値を計算する計算部と、
    前記計算した積算値を用いて締固め評価結果を表示部に表示させる表示制御部と、を備える締固め評価システム。
  2. 前記表示制御部は、前記締固め評価結果として、前記コンクリートの締固め完了エネルギーに対する前記積算値の割合を、前記各部分範囲ごとに、前記表示部に表示させる請求項1に記載の締固め評価システム。
  3. 前記表示制御部は、前記締固め評価結果として、前記積算値が前記締固め完了エネルギーを超えた部分範囲を前記表示部に表示させる請求項2に記載の締固め評価システム。
  4. 複数の位置センサと、建設機械に取り付けられる取付部材を備える締固め装置と、をさらに備え、
    前記複数のバイブレータ及び前記複数の位置センサが前記取付部材に取り付けられており、
    前記位置取得部は、前記位置センサの各々からの信号により、前記バイブレータの各々の位置、及び前記締固め装置の向きを取得する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の締固め評価システム。
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