JP7794865B2 - 変速機の搭載構造 - Google Patents

変速機の搭載構造

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Description

本発明は、動力源として内燃機関と電動機とを備えた車両における変速機の搭載構造に関する。
従来、電動機(モータ)及び内燃機関(エンジン)が搭載されたハイブリッド車が知られている(例えば、特許文献1)。このようなハイブリッド車においては、電動機及び内燃機関の一方又は双方が駆動源として利用されている。また、ハイブリッド車における電動機は、車両制動時における回生トルクにより発電する発電機としての機能を発揮するものとされている。
特開2010-241331号公報
ところで、上述した特許文献1に係る従来技術のような車両においては、内燃機関側から見た変速機の体格が大きくなり、搭載性が悪くなるといった問題がある。すなわち、内燃機関及び電動機を備えた車両において、変速機に対して車両の前後方向一方側に電動機及び内燃機関を纏めて配置する場合、電動機及び内燃機関を上下方向に並べて配置する搭載構造が考えられる。かかる搭載構造を採用した場合には、上下方向に大きなスペースが必要となり、搭載性が悪くなるといった問題がある。また、フロントエンジン・リアドライブ車両(FR車)では、特許文献1に記載の変速機の構造を採用した場合、フロアトンネルを大きくする必要があり、運転席の足元スペースが車室側に膨らんで運転室を圧迫する懸念がある。また、FR商用車では、特許文献1に記載の変速機の構造を採用した場合、荷室を高く設定する必要があり、商品性の低下に繋がる問題がある。
そこで本発明は、内燃機関及び電動機を備えた車両における変速機の搭載構造について、小型化を図ることを目的とした。
(1)本発明は、内燃機関及び電動機を備えた車両における変速機の搭載構造であって、前記変速機が、前記内燃機関から出力される動力を伝達する入力軸と、前記電動機に接続される電動機接続軸と、前記入力軸及び前記電動機接続軸の間で動力を伝達する切替軸と、前記車両の駆動輪に前記動力を伝達する出力軸と、前記切替軸に設けられ、前記電動機接続軸及び前記入力軸の間での前記動力の伝達を可能にする入力側接続状態と前記電動機接続軸及び前記出力軸の間での前記動力の伝達を可能にする出力側接続状態とを切り替える切替機構と、を備えたものであり、前記電動機及び前記内燃機関が、前記変速機に対して前記車両の前後方向一方側において、前記車両の前後方向に外れた位置に配置されるとともに、上下方向にラップするように配置されることを特徴とするものである。
本発明に係る変速機の搭載構造は、変速機に対して車両の前後方向一方側に電動機及び内燃機関を纏めて配置したレイアウトを採用しつつ、電動機及び内燃機関を車両の前後方向に外れ、かつ、上下方向にラップした配置としたものである。これにより、本発明に係る変速機の搭載構造は、電動機及び内燃機関を上下方向に並べて配置する搭載構造を採用した場合に比べて、コンパクトな構成とすることができる。
(2)本発明の変速機の搭載構造は、前記電動機接続軸、及び前記電動機の回転軸が、偏心回転を許容しつつ動力伝達可能な軸連結構造によって連結されているものであると良い。
本発明に係る変速機の搭載構造は、上記(2)に係る構成を採用することにより、電動機接続軸、及び電動機の回転軸の軸心位置を揃えることなく、変速機に対して電動機を配置できる。これにより、本発明に係る変速機の搭載構造は、変速機に対する電動機のレイアウトの自由度が向上し、より一層コンパクト化を図れる。
(3)本発明の変速機の搭載構造は、前記電動機接続軸、及び前記電動機の回転軸が、フレキシブルカップリングを介して軸連結されているものであると良い。
本発明に係る変速機の搭載構造は、上記(3)のように電動機接続軸、及び電動機の回転軸をフレキシブルカップリングを介して軸連結した構成とすることにより、電動機接続軸及び回転軸の軸心位置を揃えなくても、変速機に対して電動機を接続した配置とすることができる。これにより、本発明に係る変速機の搭載構造は、変速機に対する電動機のレイアウトの自由度が向上し、より一層コンパクト化を図れる。
(4)本発明の変速機の搭載構造は、前記電動機接続軸、及び前記電動機の回転軸を連結する連結軸が、前記内燃機関においてオイルパンが配置されるオイルパン配置領域に対して上方側の領域を通るように配されているものであると良い。
本発明に係る変速機の搭載構造は、オイルパンが内燃機関において下方側となる位置に配されることに着目し、上記(4)に係る構成を採用したものである。本発明に係る変速機の搭載構造は、オイルパン配置領域に対して上方側の領域を、電動機接続軸、及び電動機の回転軸を連結する連結軸を配置するために活用したものである。従って、本発明に係る変速機の搭載構造は、上下方向へのコンパクト化を図れる。
(5)本発明の変速機の搭載構造は、前記切替軸が、前記出力軸に前記動力を伝達可能な出力側ギヤと、前記入力軸の動力を伝達可能な入力側ギヤと、を備え、前記切替機構が、前記出力側ギヤ及び前記切替軸ギヤの間であって、前記入力側ギヤ及び前記出力側ギヤの間に配置されているものであると良い。
本発明の変速機の搭載構造は、上記(5)に係る構成とすることにより、切替機構を変速機の内部にスペース効率良く収容できる。また、本発明の変速機の搭載構造は、上述したように切替機構を切替軸ギヤ及び出力側ギヤの間に配置することにより、切替軸ギヤを内燃機関寄りに配置できる。これにより、本発明の変速機の搭載構造は、内燃機関と近接する位置に電動機を配置し、内燃機関側から見た変速機の外形が大型化することを抑制できる。
(6)本発明の変速機の搭載構造は、前記切替軸が、前記出力軸に前記動力を伝達可能な出力側ギヤと、前記入力軸の動力を伝達可能な入力側ギヤと、を備え、前記切替機構が、クラッチを有しており、前記クラッチの接続状態を切り替えることにより、前記切替機構における前記入力側接続状態、及び前記出力側接続状態の切り替えが行われるものであると良い。
本発明の変速機の搭載構造は、上記(6)に係る構成とすることにより、クラッチの接続状態の切り替えにより、変速機において入力側接続状態及び出力側接続状態の切り替えをスムーズに行えるものとすることができる。
本発明によれば、上述した課題を解決した変速機の搭載構造を提供できる。
本発明の一実施形態に係る変速機のカバーを切り欠いた全体正面図である。 図1の変速機を内燃機関方向から見た側面図である。 本発明の一実施形態に係る変速機の概略スケルトン図である。 内燃機関と変速機との位置関係を示した説明図である。 内燃機関と電動機との位置関係を示した説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る変速機10の搭載構造Xについて、図面を参照しつつ詳細を説明する。なお、各図は、理解が容易なように模式的に表したものであり、実際の形状・サイズや構成部品の配置とは異なる場合があることに留意されたい。また、それぞれの軸が、適宜の軸受等により支持され、回動可能であることは省略することがあることに留意されたい。また、以下では、車両の前方側を前方Frと称し、後方側を後方Rrと称することがある。
図1及び図3に示すように、本実施形態に係る搭載構造Xは、変速機10に対し、内燃機関3及び電動機4が接続されたものである。内燃機関3は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジンで構成されている。内燃機関3は、駆動軸(図示せず)が変速機10における入力軸13に接続されている。したがって、内燃機関3によって出力された動力は、入力軸13を通じて変速機10に入力される。
電動機4は、例えば、モータジェネレータで構成されており、駆動力の出力と、発電とを行うことができる。電動機4は、回転軸4A(図3参照)が、軸連結構造80を介して変速機10における電動機接続軸60に接続されている。したがって、電動機4により出力された動力は、電動機接続軸60を介して、変速機10に入力される。詳細は後述するが、駆動輪(図示せず)からの回生動力(回生エネルギー)や内燃機関3からの動力は、電動機接続軸60を介して電動機4に入力され、発電に供することができる。
変速機10は、複数のギヤを有し、内燃機関3及び電動機4が発生する動力を変速したり、回生される回生エネルギーを電動機4に伝達したりするものとされている。変速機10は、トルクコンバータ12、入力軸13、無段変速機20(CVT20)、リバース伝達機構40、前進クラッチ5、1(クラッチ装置50)、後進クラッチ55(クラッチ装置50)を備えている。また、変速機10は、前記の他、切替軸30、電動機接続軸60、及び切替機構70等を備えている。
トルクコンバータ12は、ポンプインペラ12A、タービンランナ12B及びロックアップ機構12C等を備えている。ポンプインペラ12Aには、入力軸13が連結されており、入力軸13と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能となっている。タービンランナ12Bは、ポンプインペラ12Aと同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップ機構12Cは、ポンプインペラ12Aとタービンランナ12Bとを直結/分離するために設けられている。ロックアップ機構12Cが係合(ロックアップオン)されると、ポンプインペラ12Aとタービンランナ12Bとが直結され、ロックアップ機構12Cが解放(ロックアップオフ)されると、ポンプインペラ12Aとタービンランナ12Bとが分離される。
入力軸13は、軸線がトルクコンバータ12の回転軸線と一致するように配置されている。入力軸13は、内燃機関3から出力される動力を伝達することができる。また、入力軸13には、入力軸ギヤ14が一体に形成されている。入力軸13の前方Frの端部は、トルクコンバータ12内に挿入されている。
出力軸15は、入力軸13に対して後方Rrに間隔を空けて配置されている。出力軸15は、軸線が入力軸13の軸線と沿うように配置されている。出力軸15は、図示を省略するが、車両の駆動輪にドライブシャフト等を通じて動力を伝達することができる。出力軸15には、出力軸ギヤ16が一体に形成されている。出力軸ギヤ16は、後述するセカンダリ出力ギヤ25と噛み合っている。
無段変速機20には、プライマリ軸21、セカンダリ軸23、プライマリプーリ26、セカンダリプーリ27、及びベルト28が設けられている。
プライマリ軸21には、プライマリ入力ギヤ22が相対回転可能に取り付けられている。プライマリ入力ギヤ22は、入力軸ギヤ14と噛み合っている。セカンダリ軸23には、セカンダリ入力ギヤ24、及びセカンダリ出力ギヤ25が取り付けられている。セカンダリ入力ギヤ24は、セカンダリ軸23に対して相対回転可能とされている。セカンダリ出力ギヤ25は、セカンダリ軸23に対して相対回転不能に取り付けられている。セカンダリ出力ギヤ25は、出力軸15に設けられた出力軸ギヤ16と噛み合っている。
無段変速機20は、プライマリプーリ26とセカンダリプーリ27との間に、ベルト28が掛け渡されている。無段変速機20では、プライマリプーリ26及びセカンダリプーリ27の各油圧室(図示せず)に供給される油圧が制御されて、プライマリプーリ26及びセカンダリプーリ27の各溝幅が変更されることにより、ベルト変速比(プライマリプーリ26とセカンダリプーリ27とのプーリ比)が一定の変速比範囲内で、連続的に無段階で変更される。変速されたセカンダリ軸23の回転力(動力)は、セカンダリ出力ギヤ25及び出力軸ギヤ16を介して出力軸15に伝達され、駆動輪(図示せず)が駆動される。
リバース伝達機構40は、入力軸13の動力(回転)をセカンダリ入力ギヤ24に伝達する機構である。リバース伝達機構40には、中間軸41、第一リバースアイドラギヤ42(中間軸ギヤ)、及び第二リバースアイドラギヤ43が設けられている。
中間軸41は、切替軸30、及び入力軸13の中間に設けられた軸である。中間軸41は、切替軸30及び入力軸13に対して略並行に設けられている。中間軸41は、後述する第一リバースアイドラギヤ42、及び第二リバースアイドラギヤ43を介して、切替軸30及び入力軸13の間において動力伝達可能とされている。
第一リバースアイドラギヤ42は、中間軸41と一体に形成されて、入力軸ギヤ14と噛み合っている。すなわち、第一リバースアイドラギヤ42は、入力軸ギヤ14(入力軸13)の回転方向を反転させることができる。また、第一リバースアイドラギヤ42は、切替軸30に設けられた入力側ギヤ31と噛み合っており、入力側ギヤ31(切替軸30)の回転方向を反転させることができる。
第二リバースアイドラギヤ43は、第一リバースアイドラギヤ42の後方Rrにおいて、中間軸41と一体に形成され、セカンダリ入力ギヤ24と噛み合っている。
前進クラッチ51(クラッチ装置50)は、プライマリ軸21に対するプライマリ入力ギヤ22の回転を許容/禁止するために設けられている。前進クラッチ51は、図示を省略するが、クラッチドラム、クラッチピストン、摩擦材、及び油圧室等を備えたクラッチ装置50を形成している。前進クラッチ51は、ソレノイド(図示せず)の出力値に応じて、油圧室内へのオイルの供給を制御することで、クラッチの係合制御を行うものとされている。
前進クラッチ51が係合した状態(係合状態)では、プライマリ軸21に対するプライマリ入力ギヤ22の相対回転が禁止される。言い方を換えれば、前進クラッチ51の係合により、プライマリ軸21とプライマリ入力ギヤ22とが、一体的に回転する。これにより、無段変速機20を介して、出力軸15に前進方向の駆動力が伝達され、駆動輪(図示せず)が前進方向に駆動される。一方、前進クラッチ51が解放された状態(解放状態)では、プライマリ軸21に対するプライマリ入力ギヤ22の相対回転が許容される。そのため、プライマリ入力ギヤ22が回転しても、その回転がプライマリ軸21に伝達されない。
後進クラッチ55(クラッチ装置50)は、セカンダリ軸23に対するセカンダリ入力ギヤ24の回転を許容/禁止するために設けられている。後進クラッチ55は、前進クラッチ51と同様の構成を有しているため、詳細な説明を省略する。
後進クラッチ55が係合した状態(係合状態)では、セカンダリ軸23に対するセカンダリ入力ギヤ24の相対回転が禁止される。言い方を換えれば、後進クラッチ55の係合により、セカンダリ軸23とセカンダリ入力ギヤ24とが、一体的に回転する。これにより、出力軸15に後退方向の駆動力が伝達され、駆動輪(図示せず)が後進方向に駆動される。一方、後進クラッチ55が解放された状態(解放状態)では、セカンダリ軸23に対するセカンダリ入力ギヤ24の相対回転が許容される。そのため、セカンダリ入力ギヤ24が回転しても、その回転がセカンダリ軸23に伝達されない。
切替軸30は、入力軸13及び電動機接続軸60の間で動力を伝達する軸である。具体的に説明すると、切替軸30には、第一リバースアイドラギヤ42(中間軸ギヤ)と噛み合う入力側ギヤ31が軸止されている。また、第一リバースアイドラギヤ42は、入力軸13に軸止された入力軸ギヤ14と噛み合わされている。そのため、入力軸13から出力された動力が、切替軸30に伝達される。また、切替軸30には、切替軸ギヤ32が設けられている。切替軸ギヤ32は、切替軸30における前端側(内燃機関3側、前方Fr側)に軸止されている。言い換えると、切替軸ギヤ32は、切替軸30の軸線方向における内燃機関3側に軸止されている。切替軸ギヤ32は、後述する電動機接続軸ギヤ61と噛み合っており、切替軸30における動力を電動機接続軸60に伝達することができる。
詳細は後述するが、切替軸30には、前述した入力側ギヤ31、及び切替軸ギヤ32に加えて、出力側ギヤ33、及び切替機構70が設けられている。また、切替軸30と間隔を空けて平行に出力伝達軸17が設けられている。
出力側ギヤ33は、切替軸30における後端側(後方Rr側)に軸止されている。出力側ギヤ33は、後述する出力伝達軸17に軸止された出力伝達軸ギヤ18に噛み合わされている。
出力伝達軸17には、出力伝達軸ギヤ18が軸止されている。出力伝達軸ギヤ18は、出力軸15における出力軸ギヤ16に噛み合わされている。また、出力伝達軸ギヤ18は、切替軸30における出力側ギヤ33に噛み合わされている。また、出力伝達軸ギヤ18は、出力軸15における出力軸ギヤ16に噛み合わされている。したがって、出力伝達軸17は、切替軸30の回転に伴って、切替軸30の動力を出力軸15に伝達することができる。
電動機接続軸60は、図2に示すように、切替軸30の側方に間隔を空けて平行に配置されている。図1及び図3に示すように、電動機接続軸60の前端(前方Fr側)には、ユニバーサルジョイント5が接続されている。ユニバーサルジョイント5における前端側(Fr側)には、電動機4(例えば、モータジェネレータ)の回転軸4A(図3参照)が接続されている。また、電動機接続軸60には、電動機接続軸ギヤ61が軸止されている。
電動機接続軸ギヤ61は、切替軸30における切替軸ギヤ32と噛み合っている。したがって、電動機4が駆動された場合は、電動機4から出力された動力が、切替軸30に伝達される。詳細は後述するが、切替軸30が、内燃機関3により駆動された場合は、内燃機関3から出力された動力が、切替軸30に伝達された後、電動機接続軸ギヤ61及び電動機接続軸60を介して電動機4の発電に供される。
切替機構70は、切替軸30の中間部分に設けられている。具体的には、切替機構70は、出力側ギヤ33及び切替軸ギヤ32の間であって、入力側ギヤ31及び出力側ギヤ33の間に配置されている。切替機構70は、クラッチ71等を備えている。
切替機構70は、クラッチ71の接続状態を油圧等によって切り替えることにより、電動機接続軸60及び入力軸13の間での動力の伝達を可能にする「入力側接続状態」と、電動機接続軸60及び出力軸15の間での動力の伝達を可能にする「出力側接続状態」とを切り替えることができる。具体的には、切替軸30は、切替機構70のクラッチ71を介して、前方Fr側と後方Rr側とに二分されており、切替軸30の前方Fr側には、切替軸ギヤ32及び入力側ギヤ31が配置されており、切替軸30の後方Rr側には出力側ギヤ33が設けられている。
したがって、「入力側接続状態」では、切替軸30の後方Rr側が接続されていない状態(クラッチ71の後方Rr側が非係合な状態)とされ、切替軸30の前方Fr側のみが回転する。すなわち、切替軸30の前方Fr側の回転に伴って、切替軸ギヤ32及び入力側ギヤ31が回転する。したがって、「入力側接続状態」で内燃機関3が駆動している状態においては、内燃機関3から出力される動力が、切替軸30及び電動機接続軸60を介して電動機4の発電に供される。一方、「入力側接続状態」で内燃機関3が停止している状態においては、電動機4から出力される動力が、電動機接続軸60及び切替軸30を介して内燃機関3の始動に供される。
また、「出力側接続状態」では、クラッチ71の係合により、切替軸30の後方Rr側が接続され、切替軸30の前方Fr側及び後方Rr側が一体的に回転する。したがって、「出力側接続状態」で電動機4が駆動している状態においては、電動機4から出力される動力が、電動機接続軸60及び切替軸30を介して駆動輪(図示せず)の駆動に供される(EV走行状態又はアシスト走行(HEV走行)状態)。一方、「出力側接続状態」で駆動輪が制動(減速)されている状態においては、出力軸15に作用する制動力が、切替軸30及び電動機接続軸60を介して電動機4の回生(発電)に供される。なお、切替機構70は、クラッチ71を切った状態(非係合状態とも称する)において、電動機接続軸60及び入力軸13の間の動力、並びに電動機接続軸60及び出力軸15の間の動力の伝達を遮断することもできる。
本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、上述したような変速機10に対して内燃機関3、及び電動機4を動力伝達可能に接続した状態で車両に搭載したものである。図1、図3等に示すように、搭載構造Xにおいては、内燃機関3及び電動機4が、変速機10に対して車両の前後方向一方側(本実施形態においては前方Fr側)において、車両の前後方向に外れた位置に配置されている。さらに、図1、図3、図5等に示すように、内燃機関3及び電動機4は、互いに上下方向にラップするように配置されている。具体的には、本実施形態では、内燃機関3に対して車両の前方側であって、内燃機関3よりも電動機4が上方側に位置している。また、車両前後方向から見た状態において、内燃機関3及び電動機4が、上下方向において重複した状態(ラップした状態)で配置されている。
また、図1及び図3に示すように、搭載構造Xでは、電動機4の回転軸4A、及び変速機10の電動機接続軸60が、軸連結構造80によって連結されている。軸連結構造80は、回転軸4A及び電動機接続軸60が互いに偏心回転するのを許容しつつ、回転軸4A及び電動機接続軸60の間で動力伝達可能とするものである。軸連結構造80は、例えば、フレキシブルシャフトを介して回転軸4A及び電動機接続軸60を連結するもの、回転軸4A及び電動機接続軸60の間に配した軸体に対してユニバーサルジョイント、カルダンジョイント、ベローズカップリング、オールドハムカップリング等のフレキシブルカップリングを介して軸連結したもの等とすると良い。本実施形態では、回転軸4A及び電動機接続軸60の間に連結軸82を配しつつ、連結軸82の一端に対して第一ユニバーサルジョイント84を介して回転軸4Aを連結し、連結軸82の他端に対して第二ユニバーサルジョイント86を介して電動機接続軸60を連結している。
搭載構造Xにおいて、上述した連結軸82は、例えば、内燃機関3の上方を通るように配すれば良く、内燃機関3、電動機4、変速機10、あるいはこれら以外の他部材との相対位置を考慮して適宜設定すると良い。本実施形態では、図4や図5に示すように、オイルパンが内燃機関3において下方側となる位置に配され、オイルパンが配されるオイルパン配置領域3Aの上方において周囲よりも低い位置に空隙が形成されることに着目し、当該空隙を連結軸82を配置するための領域として活用している。
以上が、本発明の変速機10の搭載構造Xに係る一実施形態である。次に、本発明に係る変速機10の搭載構造Xに係るにより実現される作用効果について、以下に説明する。
≪作用効果≫
上述した変速機10は、以下の(a)~(f)のような特徴的構成を備えている。そのため、本発明に係る変速機10の搭載構造Xは、従来技術では達し得ない、以下のような特有の効果を奏することができる。
(a)本実施形態において例示した変速機10の搭載構造Xは、内燃機関3及び電動機4を備えた車両において変速機10を搭載するためのものであって、変速機10が、内燃機関3から出力される動力を伝達する入力軸13と、電動機4に接続される電動機接続軸60と、入力軸13及び電動機接続軸60の間で動力を伝達する切替軸30と、車両の駆動輪に動力を伝達する出力軸15と、切替軸30に設けられ、電動機接続軸60及び入力軸13の間での動力の伝達を可能にする入力側接続状態と電動機接続軸60及び出力軸15の間での動力の伝達を可能にする出力側接続状態とを切り替える切替機構70と、を備えたものであり、電動機4及び内燃機関3が、変速機10に対して車両の前後方向一方側において、車両の前後方向に外れた位置に配置されるとともに、上下方向にラップするように配置されることを特徴とするものである。
本実施形態に係る変速機10の搭載構造Xは、変速機10に対して車両の前後方向一方側に電動機4及び内燃機関3を纏めて配置したレイアウトを採用しつつ、電動機4及び内燃機関3を車両の前後方向に外れ、かつ、上下方向にラップした配置としたものである。これにより、本実施形態に係る変速機10の搭載構造Xは、電動機4及び内燃機関3を上下方向に並べて配置する搭載構造Xを採用した場合に比べて、コンパクトな構成とすることができる。
(b)本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、電動機接続軸60、及び電動機4の回転軸4Aが、偏心回転を許容しつつ動力伝達可能な軸連結構造80によって連結されているものである。
本実施形態に係る変速機10の搭載構造Xは、上記(b)に係る構成を採用することにより、電動機接続軸60、及び電動機4の回転軸4Aの軸心位置を揃えることなく、変速機10に対して電動機4を配置できる。これにより、本実施形態に係る変速機10の搭載構造Xは、変速機10に対する電動機4のレイアウトの自由度が向上し、より一層コンパクト化を図れる。
(c)本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、電動機接続軸60、及び電動機4の回転軸4Aが、フレキシブルカップリング(本実施形態では第一ユニバーサルジョイント84、第二ユニバーサルジョイント86)を介して軸連結されているものである。
本実施形態に係る変速機10の搭載構造Xは、上記(c)のように電動機接続軸60、及び電動機4の回転軸4Aをフレキシブルカップリングを介して軸連結した構成とすることにより、電動機接続軸60及び回転軸4Aの軸心位置を揃えなくても、変速機10に対して電動機4を接続した配置とすることができる。これにより、本実施形態に係る変速機10の搭載構造Xは、変速機10に対する電動機4のレイアウトの自由度が向上し、より一層コンパクト化を図れる。
(d)本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、電動機接続軸60、及び電動機4の回転軸4Aを連結する連結軸82が、内燃機関3においてオイルパンが配置されるオイルパン配置領域3Aに対して上方側の領域を通るように配されているものである。
本実施形態に係る変速機10の搭載構造Xは、オイルパンが内燃機関3において下方側となる位置に配されることに着目し、上記(d)に係る構成を採用したものである。本実施形態に係る変速機10の搭載構造Xは、オイルパン配置領域3Aに対して上方側の領域を、電動機接続軸60、及び電動機4の回転軸4Aを連結する連結軸82を配置するために活用したものである。従って、本実施形態に係る変速機10の搭載構造Xは、上下方向へのコンパクト化を図れる。
(e)本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、切替軸30が、出力軸15に動力を伝達可能な出力側ギヤ33と、入力軸13の動力を伝達可能な入力側ギヤ31と、を備え、切替機構70が、出力側ギヤ33及び切替軸ギヤ32の間であって、入力側ギヤ31及び出力側ギヤ33の間に配置されているものである。
本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、上記(e)に係る構成とすることにより、切替機構70を変速機10の内部にスペース効率良く収容できる。また、本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、上述したように切替機構70を切替軸ギヤ32及び出力側ギヤ33の間に配置することにより、切替軸ギヤ32を内燃機関寄りに配置できる。これにより、本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、内燃機関3と近接する位置に電動機4を配置し、内燃機関側から見た変速機10の外形が大型化することを抑制できる。
(f)本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、切替軸30が、出力軸15に動力を伝達可能な出力側ギヤ33と、入力軸13の動力を伝達可能な入力側ギヤ31と、を備え、切替機構70が、クラッチを有しており、クラッチの接続状態を切り替えることにより、切替機構70における入力側接続状態、及び出力側接続状態の切り替えが行われるものである。
本実施形態の変速機10の搭載構造Xは、上記(f)に係る構成とすることにより、クラッチの接続状態の切り替えにより、変速機10において入力側接続状態及び出力側接続状態の切り替えをスムーズに行えるものとすることができる。
≪変形例≫
以上が、本発明の一実施形態に係る変速機10の搭載構造Xにより得られる作用効果であるが、変速機10の搭載構造Xは上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で各種の変形を行うことができる。例えば、変速機10の搭載構造Xは、上記(a)のようなものであればよく、各種の形状・大きさに形成することができる。また、変速機10に接続される内燃機関3は、各種の態様・形状・大きさのものが利用できる。例えば、内燃機関3には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの各種のものが利用できる。また、本実施形態では、電動機4にモータジェネレータが利用される場合を例示したが、電動機4はモータジェネレータだけではなく、各種のモータや発電機が利用できる。また、電動機4には各種の態様・形状・大きさのものが利用できる。また、本発明の変速機10は、発明の範囲内で、適宜、回転軸を増やしたり、減じたりすることができる。例えば、変速機10は、上記(b)~(f)に係る構成の一部又は全部を備えていないものとしたり、上記(b)~(f)の一部又は全部と、他の構成とを備えたもの等とすることができる。
具体的には、上述した変速機10の搭載構造Xは、上記(b)のように、変速機10の電動機接続軸60と、電動機4の回転軸4Aとを軸連結構造80によって連結した構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、搭載構造Xは、電動機接続軸60、及び電動機4の回転軸4Aの軸心位置を揃えた配置とすることにより、偏心回転を許容しない軸体によって電動機接続軸60及び回転軸4Aを接続したものとすることも可能である。
上述した変速機10の搭載構造Xは、上記(c)のように、電動機接続軸60及び回転軸4Aをフレキシブルカップリングを介して軸連結したものを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上述したように、搭載構造Xは、フレキシブルシャフトを介して回転軸4A及び電動機接続軸60を連結するものや、カルダンジョイント、ベローズカップリング、及びオールドハムカップリング等からなるユニバーサルジョイント以外のフレキシブルカップリングを介して軸連結したもの等とすることも可能である。
上述した変速機10の搭載構造Xは、上記(d)のように、連結軸82をオイルパン配置領域3Aに対して上方側の領域を通るように配したものを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、搭載構造Xは、オイルパン配置領域3A以外の箇所において、内燃機関3の上方側の領域を通るよう連結軸82を配したものとすることができる。
上述した変速機10の搭載構造Xは、上記(e)のように、切替機構70が、出力側ギヤ33及び切替軸ギヤ32の間であって、入力側ギヤ31及び出力側ギヤ33の間に配置されているものであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、搭載構造Xは、切替機構70を構成する切替軸ギヤ32、入力側ギヤ31、及び出力側ギヤ33の配置を変更したもの等とすることができる。
上述した変速機10は、上記(f)のように、クラッチ71の接続状態を切り替えることにより、切替機構70における入力側接続状態、及び出力側接続状態の切り替えが行われるものであるが、本発明はこれに限定されない。搭載構造Xは、切替機構70の状態切り替えを行うためのものとして、クラッチ71とは異なる各種の切り替え装置や機構を採用したものとすることが可能である。また、クラッチ71の切り替えも油圧によるものだけではなく、電気的に行われるものなど各種のものが利用できる。
本実施形態では、入力側接続状態で内燃機関3が駆動している状態において、内燃機関3から出力される動力が、切替軸30及び電動機接続軸60を介して電動機4の発電に供されるものとしたが、本発明の変速機10は、これには限定されない。内燃機関3から出力される動力は、必要に応じて電動機4の発電に供すればよく、例えば、クラッチ71を非係合状態として、内燃機関3から出力される動力を駆動輪の駆動にだけ供することも可能である。
また、本実施形態では、出力側接続状態で電動機4が駆動している状態において、電動機4から出力される動力が、電動機接続軸60及び切替軸30を介して駆動輪の駆動に供されるものとしたが、本発明の変速機10は、これには限定されない。電動機4から出力される動力は、必要に応じて駆動輪の駆動に供すればよく、例えば、クラッチ71を非係合状態として、電動機4から出力される動力を駆動輪以外の駆動に利用してもよい。また、本実施形態では、出力側接続状態で駆動輪が制動されている状態において、制動力が電動機4に回生に供されるものとしたが、回生は必要に応じて行えばよく、例えば、充電量が豊富なときは、回生を行わないものとすることも可能である。
本実施形態では、中間軸41及び第一リバースアイドラギヤ42(中間軸ギヤ)が、入力軸13の動力を切替軸30に伝達するものとして共用されているが、本発明の変速機10は、これには限定されない。例えば、中間軸41及びリバースアイドラギヤ42は、切替軸30を介さずに、出力軸15に動力を伝達するものでもよい。
以上が、本発明に係る変速機の各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
本発明は、電動機及び内燃機関を備えるハイブリッド車両の変速機として好適に利用できる。
3 :内燃機関
3A :オイルパン配置領域
4 :電動機
4A :回転軸
10 :変速機
13 :入力軸
15 :出力軸
30 :切替軸
31 :入力側ギヤ
32 :切替軸ギヤ
33 :出力側ギヤ
60 :電動機接続軸
70 :切替機構
80 :軸連結構造
82 :連結軸
84 :第一ユニバーサルジョイント
86 :第二ユニバーサルジョイント
X :搭載構造

Claims (4)

  1. 内燃機関及び電動機を備えた車両における変速機の搭載構造であって、
    前記変速機が、
    前記内燃機関から出力される動力を伝達する入力軸と、
    前記電動機に接続される電動機接続軸と、
    前記入力軸及び前記電動機接続軸の間で動力を伝達する切替軸と、
    前記車両の駆動輪に前記動力を伝達する出力軸と、
    前記切替軸に設けられ、前記電動機接続軸及び前記入力軸の間での前記動力の伝達を可能にする入力側接続状態と前記電動機接続軸及び前記出力軸の間での前記動力の伝達を可能にする出力側接続状態とを切り替える切替機構と、
    を備えたものであり、
    前記電動機及び前記内燃機関が、前記変速機に対して前記車両の前後方向一方側において、前記車両の前後方向に外れた位置に配置されるとともに、上下方向にラップするように配置されること、を特徴とする変速機の搭載構造。
  2. 前記電動機接続軸、及び前記電動機の回転軸が、偏心回転を許容しつつ動力伝達可能な軸連結構造によって連結されていること、を特徴とする請求項1に記載の変速機の搭載構造。
  3. 前記電動機接続軸、及び前記電動機の回転軸が、フレキシブルカップリングを介して軸連結されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の変速機の搭載構造。
  4. 前記電動機接続軸、及び前記電動機の回転軸を連結する連結軸が、前記内燃機関においてオイルパンが配置されるオイルパン配置領域に対して上方側の領域を通るように配されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の変速機の搭載構造。
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