JP7796014B2 - 薄膜形成用原料、薄膜及び薄膜の製造方法 - Google Patents
薄膜形成用原料、薄膜及び薄膜の製造方法Info
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Description
すなわち、本発明は、下記一般式(1)又は(2)で表されるイットリウム化合物を含有する薄膜形成用原料である。
本発明の薄膜形成用原料は、上記一般式(1)又は(2)で表されるイットリウム化合物を含有するものである。
次に、上記の薄膜形成用原料を用いる本発明の薄膜の製造方法について説明する。
ここでは、一実施形態として、ALD法により、イットリウム原子を含有する薄膜(以下、「イットリウム含有薄膜」と記載することもある)を製造する方法について説明する。
原料ガス導入工程は、上記の薄膜形成用原料を気化させて原料ガスとし、該原料ガスを基体が設置された堆積反応部内へ導入する工程である。
薄膜形成用原料の輸送供給方法としては、図1及び図3に示すように、本発明の薄膜形成用原料が貯蔵される容器(以下、「原料容器」と記載することもある)中で加熱及び/又は減圧することにより気化させて原料ガスとし、必要に応じてアルゴン、窒素、ヘリウム等のキャリアガスと共に、該原料ガスを基体が設置された堆積反応部内へと導入する気体輸送法、並びに図2及び図4に示すように、薄膜形成用原料を液体又は溶液の状態で気化室まで輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することにより気化させて原料ガスとし、該原料ガスを基体が設置された堆積反応部内へと導入する液体輸送法がある。気体輸送法の場合、上記一般式(1)又は(2)で表されるイットリウム化合物そのものを薄膜形成用原料とすることができる。液体輸送法の場合、上記一般式(1)又は(2)で表されるイットリウム化合物、又は該イットリウム化合物を有機溶剤に溶解した溶液を薄膜形成用原料とすることができる。これらの薄膜形成用原料は求核性試薬等を更に含んでもよい。
前駆体薄膜形成工程では、基体が設置された堆積反応部内に導入した原料ガス中の、上記一般式(1)又は(2)で表されるイットリウム化合物を基体の表面に堆積させて、基体の表面に前駆体薄膜を形成する。このとき、基体を加熱するか、又は堆積反応部を加熱して熱を加えてもよい。前駆体薄膜を形成するときの製造条件は、特に限定されず、例えば、反応温度(基体温度)、反応圧力、堆積速度等を薄膜形成用原料の種類に応じて適宜決めることができる。反応温度については、本発明の薄膜形成用原料が充分に反応する温度である100℃以上が好ましく、100℃~400℃がより好ましい。反応圧力は1Pa~10,000Paが好ましく、10Pa~1,000Paがより好ましい。
前駆体薄膜を形成後、基体の表面に堆積しなかった原料ガスを堆積反応部から排気する。この際、原料ガスが堆積反応部から完全に排気されるのが理想であるが、必ずしも完全に排気する必要はない。排気方法としては、例えば、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガスにより堆積反応部の系内をパージする方法、系内を減圧することで排気する方法、これらを組み合わせた方法等が挙げられる。減圧する場合の減圧度は、0.01Pa~300Paの範囲が好ましく、0.01Pa~100Paの範囲がより好ましい。
イットリウム含有薄膜形成工程では、排気工程後、堆積反応部内に反応性ガスを導入し、反応性ガスの作用又は反応性ガスの作用と熱の作用とにより、前駆体薄膜、すなわち基体の表面に堆積させた上記一般式(1)又は(2)で表されるイットリウム化合物と反応性ガスとを反応させて、イットリウム含有薄膜が形成される。
上記イットリウム含有薄膜形成後、未反応の反応性ガス及び副生ガスを堆積反応部から排気する。この際、反応性ガス及び副生ガスが堆積反応部から完全に排気されるのが理想であるが、必ずしも完全に排気する必要はない。排気方法及び減圧する場合の減圧度は、上述した前駆体薄膜形成工程後の排気工程と同様である。
100mLの3つ口フラスコに、イットリウム-トリス-トリメチルシリルアミド 1.78g(3.12mmol)及び脱水トルエン 5.8gを加え、十分に混合させた。この懸濁液に室温にて5-((2-メトキシエチル)アミノ)-4-ヘプテン-3-オン 2.02g(10.92mmol)を滴下した。85℃にて3時間撹拌後、減圧下、オイルバス130℃にて溶媒を除去した。生成したイットリウム錯体(橙色粘性液体)をフラスコに入れクーゲルロール(Kugelrohr)精製装置に接続し、加熱温度230℃、55Paにて蒸留を行い、黄色粘性液体を得た。得られた黄色粘性液体は、1H-NMR及びICP-AESによる分析の結果、イットリウム化合物No.1であることを確認した。得られた黄色粘性液体の分析結果を以下に示す。
0.993-1.031ppm(9H,triplet)、1.204-1.242ppm(9H,triplet)、2.118-2.1754ppm(6H,quartet)、2.183-2.240ppm(6H,quartet)、3.223ppm(9H,singlet)、3.477-3.501ppm(6H,triplet)、3.690-3.721ppm(6H,triplet)、4.953ppm(3H,singlet)
Y:13.9質量%(理論値:13.66質量%)、C:55.4質量%(理論値:55.37質量%)、H:9.8質量%(理論値:9.75質量%)、N:6.4質量%(理論値:6.46質量%)、O:14.5質量%(理論値:14.76質量%)
100mLの3つ口フラスコに、イットリウム-トリス-トリメチルシリルアミド 1.57g(2.76mmol)及び脱水トルエン 5.1gを加え、十分に混合させた。この懸濁液に室温にて5-((2-メトキシエチル)アミノ)-2,6-ジメチル-4-ヘプテン-3-オン 2.06g(9.66mmol)を滴下した。55℃にて5時間撹拌後、減圧下、オイルバス111℃にて溶媒を除去した。生成したイットリウム錯体(橙色粘性液体)をフラスコに入れクーゲルロール精製装置に接続し、加熱温度205℃、21Paにて蒸留を行い、黄色粘性液体を得た。得られた黄色粘性液体は室温まで放冷すると黄色固体となった。得られた黄色粘性液体は、1H-NMR及びICP-AESによる分析の結果、イットリウム化合物No.3であることを確認した。得られた黄色粘性液体の分析結果を以下に示す。
1.061-1.077ppm(18H,doublet)、1.228-1.244ppm(18H,doublet)、2.403-2.505ppm(3H,septet)、2.967-3.064ppm(3H,septet)、3.213ppm(9H,singlet)、3.430-3.462ppm(6H,triplet)、3.802-3.834ppm(6H,triplet)、5.112ppm(3H,singlet)
Y:12.3質量%(理論値:12.09質量%)、C:58.4質量%(理論値:58.84質量%)、H:10.3質量%(理論値:10.29質量%)、N:5.9質量%(理論値:5.71質量%)、O:13.1質量%(理論値:13.07質量%)
100mLの3つ口フラスコに、イットリウム-トリス-トリメチルシリルアミド 1.41g(2.47mmol)及び脱水トルエン 6.8gを加え、十分に混合させた。この懸濁液に室温にて2,2,6-トリメチル-5-((1-メトキシ-2-プロピル)アミノ)-4-ヘプテン-3-オン 2.08g(8.65mmol)を滴下した。53℃にて4時間撹拌後、減圧下、オイルバス115℃にて溶媒を除去した。生成したイットリウム錯体(橙色粘状物)をフラスコに入れクーゲルロール精製装置に接続し、加熱温度214℃、17Paにて蒸留を行い、黄色液体を得た。得られた黄色液体は室温まで放冷すると黄色ガラス状固体となった。ICP発光分光法による元素分析の結果、イットリウム化合物No.6であることを確認した。
Y:10.8質量%(理論値:10.85質量%)、C:61.7質量%(理論値:61.58質量%)、H:10.5質量%(理論値:10.71質量%)、N:5.2質量%(理論値:5.14質量%)、O:11.8質量%(理論値:11.72質量%)
100mLの3つ口フラスコに、イットリウム-トリス-トリメチルシリルアミド 1.65g(2.90mmol)及び脱水トルエン 8.0gを加え、十分に混合させた。この懸濁液に室温にて5-アミノ-1-メトキシ-2,2,6-トリメチル-4-ヘプテン-3-オン 2.02g(10.2mmol)を滴下した。86℃にて5時間撹拌後、減圧下、オイルバス120℃にて溶媒を除去した。生成したイットリウム錯体(赤褐色粘状物)をフラスコに入れクーゲルロール精製装置に接続し、加熱温度210℃、23Paにて蒸留を行い、黄色液体を得た。得られた黄色液体は室温まで放冷して黄色固体を得た。得られた黄色固体は、1H-NMR及びICP-AESによる分析の結果、イットリウム化合物No.15であることを確認した。得られた黄色固体の分析結果を以下に示す。
0.908ppm(18H,broad)、1.393ppm(18H,singlet)、2.079ppm(3H,singlet)、3.239ppm(9H,singlet)、3.525ppm(6H,singlet)、5.269ppm(3H,singlet)、7.378ppm(3H,broad)
Y:12.8質量%(理論値:12.83質量%)、C:57.5質量%(理論値:57.21質量%)、H:10.0質量%(理論値:10.03質量%)、N:6.1質量%(理論値:6.07質量%)、O:13.6質量%(理論値:13.86質量%)
100mLの3つ口フラスコに、イットリウム-トリス-トリメチルシリルアミド 2.44g(4.28mmol)及び脱水トルエン 7.9gを加え、十分に混合させた。この懸濁液に室温にて5-アミノ-4-ヘプテン-3-オン1.91g(15.0mmol)を滴下した。87℃にて3時間撹拌後、減圧下、オイルバス111℃にて溶媒を除去した。生成したイットリウム錯体(橙色粘性液体)をフラスコに入れクーゲルロール精製装置に接続し、加熱温度215℃、50Paにて蒸留を行い、黄色粘性液体を得た。得られた黄色粘性液体は室温まで放冷して黄色固体を得た。得られた黄色固体について、1H-NMR及びICP-AESによる分析の結果、下記に示す比較化合物1であることを確認した。得られた黄色固体の分析結果を以下に示す。
0.879-0.916ppm(9H,triplet)、1.232-1.270ppm(9H,triplet)、1.919-1.976ppm(6H,quartet)、2.306-2.363ppm(6H,quartet)、5.025-5.030ppm(3H,doublet)、7.614ppm(3H,singlet)
Y:18.9質量%(理論値:18.66質量%)、C:52.8質量%(理論値:52.93質量%)、H:9.4質量%(理論値:9.51質量%)、N:8.7質量%(理論値:8.82質量%)、O:10.2質量%(理論値:10.08質量%)
目視によって、常圧25℃における化合物の状態を観察し、固体化合物については、示差走査熱量計DSCを用いて、昇温速度10℃/分、走査温度範囲を30℃~600℃として測定し、得られたチャートにおいて、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、吸熱反応を示すピークの低温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線の交点の温度を融点として評価した。結果を表1に示す。
TG-DTAを用いて、10Torr、アルゴン流量50mL/分、昇温速度10℃/分、走査温度範囲を30℃~600℃として測定し、試験化合物の質量が50質量%減少した時の温度(℃)を「減圧TG-DTA50質量%減少時の温度(℃)」として評価した。減圧TG-DTA50質量%減少時の温度(℃)が低いほど、低温で蒸気が得られることを示す。結果を表1に示す。
示差走査熱量計DSCを用いて、昇温速度10℃/分、走査温度範囲を30℃~600℃として測定したDSCチャートにおいて、発熱又は吸熱の開始点を熱分解開始温度(℃)として評価した。結果を表1に示す。
イットリウム化合物No.15を薄膜形成用原料として用い、図1のALD装置を用い、下記の条件で、基体である二酸化ケイ素上に薄膜を製造した。X線光電子分光法を用いて薄膜の組成を分析したところ、薄膜は、イットリウム酸化物を含有する薄膜であり、残留炭素量は、検出限界である0.01atom%よりも少ないことを確認した。また、X線反射率法を用いて薄膜の膜厚を測定したところ、基体上に形成された薄膜は、膜厚20nmの平滑な膜であり、1サイクル当たりに得られる膜厚は、約0.05nmであった。
製造方法:ALD法
反応温度(基体温度):300℃
反応性ガス:オゾン
(工程)
下記(1)~(4)からなる一連の工程を1サイクルとして、400サイクル繰り返した。
(1)原料容器温度200℃、原料容器内圧力100Paの条件で薄膜形成用原料を気化して得られる原料ガスを成膜チャンバー内に導入し、系圧100Paで10秒間、基体表面に原料ガス中のイットリウム化合物を堆積させて前駆体薄膜を形成する。
(2)15秒間のアルゴンパージにより、堆積しなかった原料ガスを系内から排気する。
(3)反応性ガスを成膜チャンバー内に導入し、系圧力100Paで10秒間、前駆体薄膜と反応性ガスとを反応させる。
(4)15秒間のアルゴンパージにより、未反応の反応性ガス及び副生ガスを系内から排気する。
イットリウム化合物No.3を薄膜形成用原料として用い、図1のALD装置を用い、下記の条件で、基体である二酸化ケイ素上に薄膜を製造した。X線光電子分光法を用いて薄膜の組成を分析したところ、薄膜は、イットリウム酸化物を含有する薄膜であり、残留炭素量は、検出限界である0.01atom%よりも少ないことを確認した。また、X線反射率法を用いて薄膜の膜厚を測定したところ、基体上に形成された薄膜は、膜厚16nmの平滑な膜であり、1サイクル当たりに得られる膜厚は、約0.04nmであった。
製造方法:ALD法
反応温度(基体温度):300℃
反応性ガス:オゾン
(工程)
下記(1)~(4)からなる一連の工程を1サイクルとして、400サイクル繰り返した。
(1)原料容器温度200℃、原料容器内圧力100Paの条件で薄膜形成用原料を気化して得られる原料ガスを成膜チャンバー内に導入し、系圧100Paで10秒間、基体表面に原料ガス中のイットリウム化合物を堆積させて前駆体薄膜を形成する。
(2)15秒間のアルゴンパージにより、堆積しなかった原料ガスを系内から排気する。
(3)反応性ガスを成膜チャンバー内に導入し、系圧力100Paで10秒間、前駆体薄膜と反応性ガスとを反応させる。
(4)15秒間のアルゴンパージにより、未反応の反応性ガス及び副生ガスを系内から排気する。
比較化合物1を薄膜形成用原料として用いたこと以外は、実施例5と同一条件で、基体である二酸化ケイ素上に薄膜を製造した。X線電子分光法を用いて薄膜の組成を分析したところ、薄膜は、イットリウム酸化物を含有する薄膜であったが、残留炭素が検出された。また、走査型電子顕微鏡法を用いて薄膜の状態を観察したところ、基体上に形成された薄膜は平滑ではなく、膜厚を計測できなかった。
Claims (6)
- 下記一般式(1)又は(2)で表されるイットリウム化合物を含有する薄膜形成用原料。
(式中、R1及びR3は、それぞれ独立して、炭素原子数1~4のアルキル基を表し、R2は、水素原子を表し、R4は、エチレン基又はプロパン-1,2-ジイル基を表し、R5は、メチル基を表し、複数のR1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ同じものであってもよく異なるものであってもよい。)
(式中、R6及びR8は、それぞれ独立して、炭素原子数1~4のアルキル基、メトキシイソプロピル基又はメトキシtert-ブチル基を表し、R7は、水素原子を表し、複数のR6、R7及びR8は、それぞれ同じものであってもよく異なるものであってもよい。ただし、R6及びR8のうち少なくとも一つはメトキシイソプロピル基又はメトキシtert-ブチル基を表す。) - 前記一般式(1)における、R1及びR3がイソプロピル基であり、R2が水素原子であり、R4がエチレン基であり、R5がメチル基であるイットリウム化合物、又は前記一般式(2)における、R6がメトキシtert-ブチル基であり、R7が水素原子であり、R8がイソプロピル基であるイットリウム化合物を含有する請求項1に記載の薄膜形成用原料。
- 請求項1又は2に記載の薄膜形成用原料を気化させた原料ガスを、基体が設置された成膜チャンバー内に導入する工程と、
前記原料ガス中のイットリウム化合物を前記基体の表面に堆積させて前駆体薄膜を形成する工程と、
反応性ガスを前記成膜チャンバー内に導入し、前記前駆体薄膜と前記反応性ガスとを反応させて、前記基体の表面にイットリウム原子を含有する薄膜を形成する工程と
を含む薄膜の製造方法。 - 前記反応性ガスが、酸化性ガスであり、且つ前記イットリウム原子を含有する薄膜が、酸化イットリウムである請求項3に記載の薄膜の製造方法。
- 前記酸化性ガスが、酸素、オゾン又は水蒸気を含有するガスである請求項4に記載の薄膜の製造方法。
- 100℃~400℃の範囲で前記前駆体薄膜と前記反応性ガスとを反応させる請求項3~5の何れか一項に記載の薄膜の製造方法。
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