JP7796874B2 - 回転電機制御装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されているように、誘起電圧を減少させるために、ロータの磁石磁束を低減させる方向に電流を通電する制御、すなわち、弱め磁束制御が一般的に行われている。
言い換えると、このような回転電機においては、高出力を優先して振動又は騒音の悪化を許容するか、または、高出力が得られないものの振動又は騒音の悪化の抑制を優先するか、を選択する必要がある。
前記スイッチング素子が直列に接続された構造を有する複数のレグと、抵抗とコンデンサとが直列接続されたスナバ回路とを有する。前記複数のレグは、互いに並列に接続されている。前記スナバ回路は、前記複数のレグに対して並列に接続されている。
実施の形態1に係る回転電機制御装置10について図面を参照して説明する。
以下の説明では、回転電機制御装置10を、単に制御装置10と称する場合がある。
回転電機1は、ステータと、ステータの径方向内側に配置されたロータと、を備えている。ステータは、磁気的ギャップとなる空隙を介してロータの外周を囲むように配置されている。
ステータは、ステータコアと、巻線と、を有している。巻線は、複数の相の各々に対応するコイルである。本実施の形態に係る回転電機1は、U相、V相、W相の3相交流によって駆動が制御されている。巻線は、U相、V相、W相の各々に対応する巻線Cu、Cv、Cwで構成されている。図1においては、巻線Cu、Cv、Cwの各々に流れる電流が符号Iu、Iv、Iwで示されている。以下では、U相、V相、W相の3相のうち1つの相のみについて説明し、共通する他の2つの相について説明を省略する場合がある。
ロータは、ロータコアと、回転軸と、複数の磁石とを有する。ロータコアは、例えば、回転軸が延在する方向に積層された複数の電磁鋼板により構成されている。回転軸は、ロータコアの中央部に固定されている。複数の磁石は、ロータコアの外周面に固定されている。複数の磁石とステータとの間に発生する磁界の変化によってロータが回転し、回転軸が回転する。
磁石は、例えば、永久磁石である。これにより、回転電機1は、永久磁石同期電動機を構成する。回転電機1においては、d軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqがLd>Lqの関係を有する。つまり、d軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqより大きい値を有する。言い換えると、回転電機1は、順突極モータである。
電力変換器4は、例えば、インバータである。言い換えると、電力変換器4は、直流電源3の電圧を交流電圧に変換するように構成されている。電力変換器4は、U相、V相、W相の3相交流に対応する3つの直列回路と、平滑コンデンサ5と、電流センサ6とを有する。直列回路は、言い換えると、レグである。
直列回路の各々においては、スイッチング素子SPとスイッチング素子SNとが直列に接続されている。スイッチング素子SPは、直流電源3の正極側に接続される正極側のスイッチング素子である。スイッチング素子SNは、直流電源3の負極側に接続される負極側のスイッチング素子である。
具体的には、U相の直列回路では、U相の正極側のスイッチング素子SPuとU相の負極側のスイッチング素子SNuとが直列接続されている。2つのスイッチング素子SPu、SNuの間の接続点は、U相の巻線Cuに接続されている。
V相の直列回路では、V相の正極側のスイッチング素子SPvとV相の負極側のスイッチング素子SNvとが直列接続されている。2つのスイッチング素子SPv、SNvの間の接続点は、V相の巻線Cvに接続されている。
W相の直列回路では、W相の正極側のスイッチング素子SPwとW相の負極側のスイッチング素子SNwとが直列接続されている。2つのスイッチング素子SPw、SNwの間の接続点は、W相の巻線Cwに接続されている。
平滑コンデンサ5は、直流電源3の正極側と負極側との間に接続されている。
直流電源3は、電力変換器4に直流電圧Vdcを出力する。本実施の形態においては、直流電圧Vdcは、例えば、12Vである。直流電源3は、例えば、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等である。直流電圧Vdcを出力する機器であれば、直流電源3を構成する機器の種類は限定されない。直流電源3には、直流電圧Vdcを検出する電圧センサが設けられてもよい。電圧センサから出力される出力信号が制御装置10に入力されてもよい。制御装置10は、検出した直流電圧Vdcを用いて、制御を行ってもよい。
電流センサ6は、U相、V相、W相の3相の各々の巻線に流れる電流を検出するように構成されている。電流センサ6は、例えば、シャント抵抗又はホール素子等の電流センサである。電流センサ6から出力される出力信号は、制御装置10に入力される。
本実施の形態では、電流センサ6は、U相、V相、W相の3相の各々の直列回路におけるスイッチング素子SPw、SNwに直列に接続されている。
3相の抵抗Ru、Rv、Rwは、アンプ21、22、23に一対一で接続されている。アンプ21、22、23は、3相の抵抗Ru、Rv、Rwの各々の両端の電位差を検出する。検出された電位差は、制御装置10に入力される。
また、電流センサ6は、電力変換器4と直流電源3と接続する電線上に設けられてもよい。この場合、公知の「母線1シャント方式」により、U相、V相、W相の3相の各々における巻線の電流が検出されてもよい。
電動パワーステアリング装置100は、上述した回転電機制御装置10と、上述した電力変換器4と、上述した回転電機1と、駆動力伝達機構101と、操舵装置102と、車輪103と、ハンドル104と、シャフト105と、トルクセンサ106とを備えている。
駆動力伝達機構101は、回転電機1から発生した駆動力を車両の操舵装置102に伝達する機構である。駆動力伝達機構101は、回転電機1の回転軸をシャフト105に連結するウォームギヤ機構等で構成されている。
ハンドル104は、車両を運転する運転者によって操作され、左回転又は右回転が可能である。回転電機1を構成するロータの回転軸は、駆動力伝達機構101を介して車輪103の操舵装置102に連結されている。
シャフト105は、ハンドル104に連結されている。シャフト105は、ハンドル104による操舵トルクを車輪103に連結されている操舵装置102に伝達する。
トルクセンサ106は、シャフト105に取り付けられている。トルクセンサ106は、ハンドル104による操舵トルクTsを検出する。トルクセンサ106から出力される出力信号は、制御装置10に入力される。トルクセンサ106から出力される出力信号は、例えば、後述する入力回路92に入力される。
図2及び図3は、本実施の形態に係る制御装置10を示すブロック図である。
制御装置10は、電力変換器4を介して回転電機1を制御するように構成されている。
図2に示すように、制御装置10は、回転検出部31、制御用角度算出部32、電流検出部33、電圧指令値算出部34、及びスイッチング制御部35等を備えている。
制御装置10の各機能は、制御装置10が備えた処理回路により実現される。
以下の説明では、回転検出部31、制御用角度算出部32、電流検出部33、電圧指令値算出部34、及びスイッチング制御部35を、制御部31~35と称する場合がある。また、制御部31~35を機能部と称してもよい。
CPU90は、演算処理装置の一例である。CPU(Central Processing Unit)等のコンピュータである。
CPU90は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等を備えてもよい。CPU90は、記憶装置91に記憶されたソフトウェアを実行するように構成されている。ここで、ソフトウェアとは、例えば、コンピュータプログラムである。CPU90は、同じ種類の回路又は異なる種類の回路等の複数の回路を備えてもよい。複数の回路の各々は、CPU90において行われる処理の一部を分担するように、CPU90の処理が実行されてもよい。
記憶装置91は、コンピュータプログラム又は各種データ等を記憶する。言い換えると、記憶装置91は、ソフトウェアを記憶することが可能である。
記憶装置91は、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等を備える。
記憶装置91がRAMを備える場合、記憶装置91は、CPU90からデータを読み出し及び書き込みが可能である。記憶装置91がROMを備える場合、記憶装置91は、CPU90からデータを読み出し可能である。
記憶装置91は、CPU90と記憶装置91との間でデータのやり取りを行う。
入力回路92は、制御装置10の外部からの外部信号をCPU90に入力する回路である。入力回路92は、回転センサ2、電流センサ6、トルクセンサ106等の各種のセンサ又はスイッチに接続されている。入力回路92は、A/D変換器等を備えている。これにより、入力回路92は、上述したセンサ又はスイッチから出力される出力信号をCPU90に入力する。
出力回路93は、CPU90から制御装置10の外部に信号を出力する回路である。出力回路93には、電気負荷が接続されている。電気負荷は、例えば、ゲート駆動回路等である。ゲート駆動回路は、スイッチング素子の状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるようにスイッチング素子を駆動させる。出力回路93は、例えば、駆動回路等を備えている。駆動回路は、CPU90から制御信号を電気負荷に出力する。
以下の説明では、スイッチング素子の状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるようにスイッチング素子を駆動させることを、「スイッチング素子のオンオフ駆動」と称する場合がある。
なお、制御部31~35の各々が用いる内分率、制御ゲイン等の設定データは、ソフトウェアの一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。
<回転検出部31>
回転検出部31は、回転センサ2から出力される出力信号に基づいて、ロータの回転角度θdを検出する。具体的には、回転検出部31は、U相の巻線Cvの位置に対する電気角での磁石の磁極(N極)の回転角度(磁極位置)を検出する。検出された回転角度は、ロータの回転角度となる検出値θdである。
電流検出部33は、電流センサ6から出力される出力信号に基づいて、3相の巻線に流れる電流Iud、Ivd、Iwdを検出する。具体的には、電流検出部33は、電流センサ6から出力される出力信号に基づいて、U相の巻線Cuに流れる電流Iudを検出し、V相の巻線Cvに流れる電流Ivdを検出し、W相の巻線Cwに流れる電流Iwdを検出する。
電圧指令値算出部34は、後述する制御用角度算出部32により算出された制御用の回転角度θc及び電流検出値に基づいて、3相の巻線Cu、Cv、Cwに印加する3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する。
具体的には、電圧指令値算出部34は、制御用の回転角度と、電流と、q軸電流の指令値と、d軸電流の指令値に基づいて、複数相の巻線に印加する電圧指令値を算出する。
本実施の形態では、電圧指令値算出部34は、電流座標変換部342、dq軸電圧指令値算出部343、及び電圧座標変換部344を備えている。
本実施の形態では、制御用の回転角度θcに基づいて座標変換される。このため、制御用の回転角度θcの方向がd軸となる。
電流指令値算出部36は、d軸電流指令値生成部361と、q軸電流指令値生成部362とを有する。d軸電流指令値生成部361は、d軸の電流指令値Idoを算出する。言い換えると、d軸電流指令値生成部361は、回転電機に流れるd軸電流の指令値を生成する。q軸電流指令値生成部362は、q軸の電流指令値Iqoを算出する。言い換えると、q軸電流指令値生成部362は、回転電機に流れるq軸電流の指令値を生成する。電流指令値算出部36は、トルクセンサ106から出力される出力信号に基づいて、運転者が操作するハンドル104に生じる操舵トルクTsを検出する。
図5は、制御装置10が埋込磁石型の回転電機に適用される場合において、最大トルク電流制御及び弱め磁束制御が行われる際における各制御の実行領域を示す図である。
図4及び図5において、横軸は回転角速度を示し、縦軸はトルクを示す。
すなわち、d軸の電圧指令値Vdoに、「-ωc×Lq×Iqc」が加算されてもよい。また、q軸の電圧指令値Vqoに、「ωc×(Ld×Idc+ψ)」が加算されてもよい。
ここで、ωcは、後述する制御用の回転角速度である。ωcの代わりに、後述する回転角速度の検出値ωdが用いられてもよい。
スイッチング制御部35は、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoに基づいて、電力変換器4が有する複数のスイッチング素子をオンオフ駆動する。スイッチング制御部35は、公知のキャリア比較PWM又は空間ベクトルPWMを用いる。
スイッチング制御部35は、電圧指令値算出部34によって算出された電圧指令値に基づいて、電力変換器4が有する複数のスイッチング素子SP、SNをオンオフ駆動する。
キャリア波は、例えば、三角波である。ここで、三角波は、PWM周期Tcで0を中心に直流電圧の半分値Vdc/2の振幅で振動する波形を有する。
キャリア波が電圧指令値を下回った場合においては、スイッチング制御部35は、正極側のスイッチング素子SPのスイッチング信号GPをオンして、正極側のスイッチング素子SPをオンにする。
キャリア波が電圧指令値を上回った場合においては、スイッチング制御部35は、正極側のスイッチング素子SPのスイッチング信号GPをオフして、正極側のスイッチング素子SPをオフにする。
キャリア波が電圧指令値を下回った場合においては、スイッチング制御部35は、負極側のスイッチング素子SNのスイッチング信号GNをオフして、負極側のスイッチング素子SNをオフにする。
キャリア波が電圧指令値を上回った場合においては、スイッチング制御部35は、負極側のスイッチング素子SNのスイッチング信号GNをオンして、負極側のスイッチング素子SNをオンする。
制御用角度算出部32は、回転センサ2の出力信号である回転角度、電流、電圧指令値のいずれか一つ以上に基づいて、回転センサ2の検出誤差に起因する角度誤差を低減するように構成されている。具体的な制御用角度算出部32の機能は以下の通りである。
制御用角度算出部32は、ロータの制御用の回転角度θcを算出する。すなわち、制御用角度算出部32は、ロータの制御用の回転角度を算出する回転演算部の一例である。
制御用角度算出部32は、電流検出値の情報及び電圧指令値の情報に基づいて、ロータの回転角度の真値に対する制御用の回転角度θcの偏差である推定実角度偏差Δθeを推定する。制御用角度算出部32は、回転角度の検出値θdに対する制御用の回転角度θcの偏差である検出角度偏差Δθdを算出する。
制御用角度算出部32は、例えば、推定実角度偏差Δθeと検出角度偏差Δθdとを内分した値を、制御角度偏差Δθcとして算出する。
そして、制御用角度算出部32は、制御角度偏差に基づいて前記制御用の回転角度を算出する。具体的には、制御用角度算出部32は、制御角度偏差Δθcが0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、制御用の回転角度θcを算出する。より具体的には、制御用角度算出部32は、このフィードバック制御を行うことにより、ロータの制御用の回転角速度を変化させ、制御用の回転角速度を積分して、制御用の回転角度を算出する。
速度比例物理量が速度閾値Thよりも低い場合において、制御用角度算出部32は、制御角度偏差Δθcにおける推定実角度偏差Δθeの割合Keを、検出角度偏差の割合Kdよりも低くする。
図6は、本実施の形態に係る制御用角度算出部32を示すブロック図である。
制御用角度算出部32は、次式に示すように、回転角度の検出値θdから制御用の回転角度θcを減算して、検出角度偏差Δθdを算出する。
上述したように、制御用角度算出部32は、電流検出値の情報、及び電圧指令値の情報に基づいて、ロータの回転角度の真値に対する制御用の回転角度θcの偏差である推定実角度偏差Δθeを推定する。
ΔVq= Vqo-R×Iqd-ωc×Ld×Idd
Δθe=arctan(ΔVd/ΔVq) ・・・(1-6)
そして、ΔVd/ΔVqの逆正接関数の値を算出することにより、回転角度の真値に対する制御用の回転角度θcの偏差である推定実角度偏差Δθeが算出される。
制御用角度算出部32は、次式を用いて、回転角速度の検出値ωdを算出する。
回転角速度の検出値ωdとして、式(1-7)の算出値に対して、ローパスフィルタ処理をした値が用いられてもよい。
制御用角度算出部32は、次式に示すように、推定実角度偏差Δθeに推定実角度偏差の内分率Keを乗算した値と、検出角度偏差Δθdに検出角度偏差の内分率Kdを乗算した値との合計の値を算出する。この合計の値は、制御角度偏差Δθcである。
ここで、推定実角度偏差の内分率Keは、推定実角度偏差の割合の一例である。検出角度偏差の内分率Kdは、検出角度偏差の割合の一例である。
Ke+Kd=1、0≦Ke≦1、0≦Kd≦1 ・・・(1-8)
図7は、本実施の形態に係る内分率Ke、Kdの設定例を示す。
図7の横軸に示されているように、本実施の形態では、速度比例物理量として、回転角速度の検出値ωdが用いられる。
回転角速度の検出値ωdが速度閾値Thよりも低い場合において、制御用角度算出部32は、推定実角度偏差の内分率Keを、検出角度偏差の内分率Kdよりも低くする。
また、制御用角度算出部32は、回転角速度の検出値ωdが、速度閾値Thよりも低い場合において、推定実角度偏差の内分率Keを0.5よりも低くし、検出角度偏差の内分率Kdを0.5よりも高くする。
なお、回転角速度の検出値ωdの代わりに、制御用の回転角速度ωcが用いられてもよい。
本実施の形態では、「速度閾値Thを含む予め設定された速度比例物理量の範囲」は、回転角速度の範囲に相当する。以下の説明では、この範囲を入替角速度範囲と称する。
図7に示す例では、速度閾値Thが入替角速度範囲の中心になるように、入替角速度範囲が設定される。
なお、速度閾値Thの前後において、すなわち、速度閾値Thよりも低い速度又は高い速度において、内分率Ke、Kdをステップ状に変化させてもよい。
速度閾値Thは、Id=0制御又は最大トルク電流制御の実行領域と弱め磁束制御の実行領域との境界の回転角速度ωbdに対応して設定されている。回転角速度ωbdは、速度比例物理量の一例である。
以下に、この設定の効果を説明する。
角度誤差Δθerrがある場合の、トルク誤差ΔTerrは、次式のように近似できる。
・・・(1-9)
よって、トルク誤差ΔTerrは、d軸電流Idの絶対値が大きくなると、大きくなる。
上述したように、弱め磁束制御においては、Id=0制御又は最大トルク電流制御により算出されるd軸の電流指令値よりも、d軸の電流指令値Idoが負方向に増加される。
このため、弱め磁束制御の実行領域では、d軸電流Idの絶対値が大きくなり、角度誤差Δθerrがあると、トルク誤差ΔTerrが大きくなる。
また、制御装置10が埋込磁石型の回転電機に適用される場合では、最大トルク電流制御においても、d軸電流は0よりも小さい値になる。このため、速度閾値Th及び入替角速度範囲は、最大トルク電流制御の実行領域に設定されてもよい。
例えば、巻線に生じる誘起電圧は、回転角速度に比例し、巻線の印加電圧は、誘起電圧に比例する。
速度比例物理量として、d軸の電圧指令値Vdo及びq軸の電圧指令値Vqoの電圧ベクトルの大きさ、又は、電圧指令値Vdoの2乗と電圧指令値Vqoの2乗との和が用いられてもよい。
これは、直流電圧Vdcが低下するに従って、基底速度が低下し、より低い回転速度から弱め磁束制御を行うことになるが、ロータが低速度で回転しているときには誘起電圧が低いことから、式(1-6)による推定実角度偏差Δθeの推定精度が低下するためである。
上述したように、制御用角度算出部32は、制御角度偏差Δθcが0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、制御用の回転角度θcを算出する。
本実施の形態では、制御用角度算出部32は、制御角度偏差Δθcが0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、制御用の回転角速度ωcを変化させ、制御用の回転角速度ωcを積分して、制御用の回転角度θcを算出する。
なお、PI制御の代わりに、PID制御等の各種のフィードバック制御が用いられてもよい。
制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの伝達関数Gは、次式が得られる。
この回転角速度の振動周波数は、ロータの回転軸に連結された機械的な動力伝達機構の共振周波数に対応している。
図11から明らかなように、ω=Kc[rad/s]において伝達関数Gは0dBになっている。カットオフ周波数は、比例ゲインKc[rad/s]の1次ローパスフィルタの特性となっている。ここで、1次ローパスフィルタとした根拠は、0dB付近で、-20dB/decになっているためである。
その結果、トルク変動を低減でき、回転電機1を静音化することができる。すなわち、回転電機1の振動又は騒音の発生を抑制することができる。
この構成によれば、回転速度が速度閾値Thよりも高く、推定実角度偏差Δθeの内分率Keが、検出角度偏差Δθdの内分率Kdよりも高くなる領域で、電流検出値等に含まれる回転周波数のノイズ成分が、制御用の回転角度θcに反映されることを抑制できる。
特に、制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの応答周波数は、ロータの回転速度に生じる機械的な共振周波数の3倍値から5倍値の間に設定されるとよい。
この構成によれば、制御用の回転角度θcを機械的な回転角速度の変動に追従させることができると共に、高周波のノイズ成分の影響を受け難くすることができる。
したがって、本実施の形態によれば、電流検出値からノイズ成分を分けることが容易であり、CPU90として低級なマイコンを用いることができる。
実施の形態2に係る回転電機制御装置10について図面を参照して説明する。
実施の形態2において、実施の形態1と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置の基本的な構成は、実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置100と同様である。制御装置10における制御用の回転角度θcが上限値及び下限値を有する点で、実施の形態2は、実施の形態1と異なる。
本実施の形態では、制御用角度算出部32は、回転角度の検出値θdに基づいて、制御用の回転角度の上限値θcmax及び下限値θcminを算出する。
制御用の回転角度θcが上限値θcmaxから下限値θcminまでの範囲を逸脱した場合において、制御用角度算出部32は、回転角度の検出値θdに基づいて制御用の回転角度θcを修正する。
θcmin=θd-Δθlmt ・・・(2-1)
θc=θcmax ・・・(2-2)
(CASE 2)θc<θcminの場合
θc=θcmin ・・・(2-3)
(CASE 3)θcmin≦θc≦θcmaxの場合
θc=θc ・・・(2-4)
なお、本実施の形態は、回転センサが多重化されている場合にも用いることができる。
実施の形態3に係る回転電機制御装置10について図面を参照して説明する。
実施の形態3において、上述した実施の形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置の基本的な構成は、実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置100と同様である。回転検出部が回転センサ出力信号補正部及び逆正接関数演算部を有している点で、実施の形態3は、実施の形態1と異なる。
回転センサ2Aは、SIN信号とCOS信号を回転検出部31Aに出力する回転センサである。このような回転センサは、例えば、レゾルバやMRセンサ等である。
特に、弱め磁束制御等によりd軸電流を通電する際に回転角度が誤差を踏んでいる場合、制御用の回転角度のd軸は、回転電機のq軸成分を持つことになるため、q軸電流誤差が発生する。
図11A~図15Bの各々の横軸は、時間の経過を示す。
図11Aの縦軸は、回転センサ2Aから出力されたSIN信号及びCOS信号を示す。
図11Bの縦軸は、SIN信号とCOS信号が理想的な状態で演算された回転角度を示す。
図12Aの縦軸は、回転センサ2Aから出力されたSIN信号に対してCOS信号がオフセットされた場合を示す。
図12Bの縦軸は、図12Aに示すSIN信号とCOS信号が演算された回転角度を示す。
図13Aの縦軸は、回転センサ2Aから出力されたSIN信号の高調波成分とCOS信号の高調波成分とが重畳している場合を示す。
図13Bの縦軸は、図13Aに示すSIN信号とCOS信号が演算された回転角度を示す。
図14Aの縦軸は、回転センサ2Aから出力されたSIN信号の高調波成分とCOS信号において基本波成分の振幅に差がある場合を示す。
図14Bの縦軸は、図14Aに示すSIN信号とCOS信号が演算された回転角度を示す。
図15Aの縦軸は、回転センサ2Aから出力されたSIN信号の高調波成分とCOS信号において基本波成分の位相差が90度からずれている場合を示す。
図15Bの縦軸は、図15Aに示すSIN信号とCOS信号が演算された回転角度を示す。
回転センサ出力信号補正部40では、SIN信号とCOS信号のオフセット値を演算する。SIN信号とCOS信号からそれぞれのオフセット値を減算する。
オフセット値の演算に関し、SIN信号の基本波成分及びCOS信号の基本波成分の周波数よりも十分低いカットオフを持つローパスフィルタを用いて演算してもよいし、フーリエ級数展開により演算してもよいし、他の公知の方法により演算してもよい。
次に、SIN信号とCOS信号の高調波成分を演算する。SIN信号からSIN信号の高調波成分を減算する。COS信号からCOS信号の高調波成分を減算する。これにより、高調波成分を除去する。高調波成分の演算に関し、フーリエ級数展開により演算してもよいし、他の公知の方法により演算してもよい。また、ローパスフィルタを用いて、高調波成分を除去してもよい。この場合、ローパスフィルタは、SIN信号の基本波成分の周波数及びCOS信号の基本波成分の周波数よりも十分高く、かつ、高調波成分よりも低いカットオフを有する。
次に、SIN信号とCOS信号の基本波成分の振幅を演算する。SIN信号とCOS信号の基本波成分が同じ振幅となるように補正する。基本波成分の振幅の演算に関し、フーリエ級数展開により演算してもよいし、他の公知の方法により演算してもよい。補正に関し、SIN信号とCOS信号の基本波成分の振幅比を演算し、振幅比に応じたゲインをSIN信号とCOS信号のどちらか一方に掛けることで補正を行えばよい。
次に、SIN信号とCOS信号の基本波成分の位相差を演算することによって、位相差が90度となるように補正を行う。位相差の演算に関し、フーリエ級数展開により演算してもよいし、他の公知の方法により演算してもよい。補正に関し、SIN信号とCOS信号のうちどちらか一方を基本波成分の周波数に応じて遅延させることで位相差が90度となるようにしてもよいし、他の公知の方法により位相差が90度となるように補正してもよい。
上述した演算により、補正SIN信号及び補正COS信号が算出される。
また、4つの演算から選択される2つの演算又は3つの演算が行われる場合、演算が行われる順番は、限定されない。例えば、第1演算と第2演算のみが行われる場合、第2演算の後に第1演算を行ってもよい。また、第1演算、第2演算、及び第4演算のみが行われる場合、第4演算の後に第1演算を行い、第1演算の後に第2演算を行ってもよい。
なお、本実施の形態によって演算された回転角度をそのまま制御用の回転角度として用いても、トルク脈動誤差を十分に抑制する効果を得ることができる。
回転検出部31Aは、回転センサ2Aから出力される出力信号であるSIN信号とCOS信号の逆正接関数を演算し、逆正接関数の高調波成分に基づいた補正を行い、回転角度を検出してもよい。この場合においても、トルク脈動誤差を十分に抑制する効果を得ることができる。
実施の形態4に係る回転電機制御装置10について図面を参照して説明する。
実施の形態4において、上述した実施の形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
実施の形態4に係る電動パワーステアリング装置の基本的な構成は、実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置100と同様である。回転検出部が角度算出部及び回転角度信号補正部を有している点で、実施の形態4は、実施の形態1と異なる。
回転センサ2Bは、実施の形態1と同様に、例えば、レゾルバ、エンコーダ、MRセンサ等である。
特に、弱め磁束制御等によりd軸電流を通電する際に回転角度が誤差を踏んでいる場合、制御用の回転角度のd軸は、回転電機のq軸成分を持つことになるため、q軸電流誤差が発生する。
図17A~図18Bの各々の横軸は、時間の経過を示す。
図17Aの縦軸は、回転角度の出力信号を示す。図17Aの実線は、理想的な状態のロータの回転角度を示す。図17Aの点線は、未補正のロータの回転角度θmdを示す。
図17Bの縦軸は、理想的な状態の回転角度から未補正の回転角度θmdを引算することで得られた角度誤差を示す。
図18Aの縦軸は、回転角度信号補正部51による処理が施された後の回転角度θdを示す。
図18Bの縦軸は、回転角度信号補正部51による処理を施すことによって角度誤差がゼロになった状態を示す。
回転角度信号補正部51は、予め理想的な角度とロータの未補正の回転角度θmdとの角度誤差をマップ等により保持しておく。このような理想的な角度及び未補正の回転角度θmdは、記憶装置91に保存されている。なお、このような理想的な角度及び未補正の回転角度θmdは、他の公知の方法により保持されてもよい。
回転角度信号補正部51は、予め理想的な角度とロータの未補正の回転角度θmdとの角度誤差をフーリエ級数展開により演算する。または、回転角度信号補正部51は、他の公知の方法により演算を行ってよい。これにより、回転角度信号補正部51は、各次数成分における角度誤差を抽出する。さらに、回転角度信号補正部51は、ロータの未補正の回転角度θmdに対して、回転角度θmdの各々の次数成分が0となるように補正する。
なお、本実施の形態によって演算された回転角度をそのまま制御用の回転角度として用いても、トルク脈動誤差を十分に抑制する効果を得ることができる。
実施の形態5に係る回転電機制御装置10について図面を参照して説明する。
実施の形態5において、上述した実施の形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
実施の形態5に係る電動パワーステアリング装置の基本的な構成は、実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置100と同様である。回転電機1の点で、実施の形態5は、実施の形態1と異なる。
実施の形態5の説明においては、以下のように方向を定義する。
文言「軸方向」は、回転電機1を構成するロータの軸心に沿う方向である。言い換えると、軸方向は、ロータを構成するシャフトが延在する方向である。
文言「周方向」及び「径方向」は、永久磁石同期電動機を構成するステータ又はロータにおける「周方向」及び「径方向」の各々に対応している。
文言「周方向」は、ロータの回転方向に相当する。言い換えると、軸方向に見た断面図においてロータの回転軸を中心とした円周方向が周方向である。
文言「径方向」は、ロータの半径方向を意味する。例えば、文言「径方向外側」は、径方向におけるロータの中心から外周部分に向かう方向を意味する。文言「径方向内側」は、径方向におけるロータの外周部分から中心に向かう方向を意味する。
ステータ510は、磁気的ギャップとなる空隙515を介してロータ520の外周を囲むように配置されている。ステータ510は、ステータコア511と、コイル514と、を有している。ステータコア511は、周方向において円環状に形成されたコアバック512と、コアバック512から径方向内側に向かって突出した複数のティース513と、を有している。複数のティース513の各々に巻線が巻き付けられることで、コイル514が形成されている。コイル514を構成する巻線は、上述した巻線Cu、Cv、Cwに相当する。図19に示す例では、1つのティース513に1つのコイル514が設けられている。
実施の形態5においては、各々が円弧状に形成された複数のコアブロックが円環状に
連結されることにより、コアバック512が構成されている。コアバック512の構造は、図19に示す構造に限定されない。複数のコアブロックが一体的に形成されることで、コアバック512が構成されてもよい。また、コアバック512とティース513とが分離されてもよい。
ロータ520は、ロータコア521と、シャフト523と、複数の永久磁石522とを有する。
ロータコア521は、磁性体によって構成されている。ロータコア521は、例えば、複数の電磁鋼板が軸方向に積層することにより構成されている。電磁鋼板は、例えば、コア板と称することもできる。シャフト523は、ロータコア521を軸方向に貫通するようにロータコア521に固定されている。このようなロータ520は、回転電機1の内部において、ステータ510に対して回転自在に配置されている。
複数の永久磁石522は、周方向においてロータコア521の外周面に配置されている。このような複数の永久磁石522を備える回転電機1は、表面磁石型モータ(SPM)の一例である。複数の永久磁石522の各々は、ステータ対向面527と凹部525とを有する。ステータ対向面527は、円弧状に形成されている。ステータ対向面527は、空隙515を介してティース513に対向する面である。言い換えると、ステータ対向面527は、ステータ510の内側面に対向する。凹部525は、ロータコア521の突起524と嵌合する。
実施の形態6に係る回転電機制御装置10について図面を参照して説明する。
実施の形態6において、上述した実施の形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
実施の形態6に係る電動パワーステアリング装置の基本的な構成は、実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置100と同様である。電動パワーステアリング装置がDC-DCコンバータを備える点で、実施の形態6は、実施の形態1と異なる。
制御装置10は、DC-DCコンバータ601によって昇圧された出力直流電圧に基づいて、回転電機1に交流電圧を印加する。スイッチング制御部35は、電圧指令値及び前記出力直流電圧に基づいて、複数のスイッチング素子をオンオフ駆動する。
なお、スイッチング素子Sa~Sdの上アーム及び下アームが短絡しないよう、デッドタイムを設け、スイッチング素子のオンオフ駆動を相補的に行う。
式(6-1)を電流i1、i2の微分の形に改めると、以下の式が得らえる。
di2/dt=(L・(Vdc-V2)+M・(Vdc-V1))/(L・L-M・M) ・・・式(6-4)
また、スイッチング素子ScがONの場合、V2はでVdc2と一致する。スイッチング素子SdがONの場合、V2は0と一致する。
以下の説明では、符号Sa、Sb、Sc、Sdの「ON」及び「OFF」は、スイッチング素子Sa~Sdのオンオフ駆動における「ON」及び「OFF」の各々に対応する。
V1=Vdc2、V2=Vdc2が得られる。このため、上述した式(6-3)、(6-4)から以下の式(6-5)、(6-6)が得られる。
di1/dt=(L+M)・(Vdc-Vdc2)/(L・L-M・M)
・・・式(6-5)
di2/dt=(L+M)・(Vdc-Vdc2)/(L・L-M・M)
・・・式(6-6)
V1=Vdc2、V2=0が得られる。このため、上述した式(6-3)、(6-4)から以下の式(6-7)、(6-8)が得られる。
di1/dt=((L+M)・Vdc-L・Vdc2)/(L・L-M・M)
・・・式(6-7)
di2/dt=((L+M)・Vdc -M・Vdc2)/(L・L-M・M)
・・・式(6-8)
V1=0、V2=Vdcが得られる。このため、上述した式(6-3)、(6-4)から以下の式(6-10)、(6-11)が得られる。
di1/dt=((L+M)・Vdc-M・Vdc2)/(L・L-M・M)
・・・式(6-10)
di2/dt=((L+M)・Vdc-L・Vdc2)/(L・L-M・M)
・・・式(6-11)
上述した式を足し合わせると、以下の式が得られる。
・・・式(6-12)
V1=0、V2=0が得られる。このため、上述した式(6-3)、(6-4)から以下の式(6-13)、(6-14)が得られる。
di1/dt=(L+M)・Vdc /(L・L-M・M)
・・・式(6-13)
di2/dt=(L+M)・Vdc/(L・L-M・M)
・・・式(6-14)
図23は、実施の形態6の変形例に係るDC-DCコンバータの一部を示す回路図である。図23においては、DC-DCコンバータ601の全体構造が省略されており、スイッチング素子Sc、Sdが示されている。以下、図20とは異なる点のみを説明する。
ダイオードD1は、上アームを構成するスイッチング素子のドレイン側端子に接続されたアノードD1Aと、抵抗RとコンデンサCとの間の中間点M2に接続されたカソードD1Cを有する。
ダイオードD2は、上アームと下アームとの間の中間点M1に接続されたアノードD2Aと、抵抗RとコンデンサCとの間の中間点M2に接続されたカソードD2Cを有する。言い換えると、ダイオードD2のアノードD2Aは、下アームを構成するスイッチング素子のドレイン側端子に接続され、かつ、上アームを構成するスイッチング素子のソース側端子に接続されている。
上述した回路構成は、スイッチング素子がMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である場合に適用される。
上述した回路構成は、スイッチング素子がバイポーラパワートランジスタである場合においても適用される。この場合、ドレインがコレクタ、ソースがエミッタ、ゲートがベースに言い換えられる。また、上述した回路構成は、スイッチング素子がIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)の場合においても適用される。この場合、ドレインがコレクタ、ソースがエミッタに言い換えられる。
このようにダイオードD1のカソードD1C及びダイオードD2のカソードD2Cは、抵抗RとコンデンサCとの間の中間点M2に接続されている。この構成によれば、より効果的にサージを抑制することができる。
従って、例示されていない実施の形態が、明細書に開示される技術の範囲内において想定される。
例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれてもよい。
Claims (15)
- 回転電機制御装置であって、
複数相の巻線を有するステータと、前記ステータの径方向内側に配置されているとともに磁石を有するロータと、を有する回転電機と、
直流電源の電圧を昇圧する昇圧器を含み、前記直流電源の電圧を交流電圧に変換する電力変換器と、
電流センサから出力される出力信号に基づいて前記複数相の巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記ロータの回転角度に応じた出力信号を出力する回転センサと、
前記ロータの制御用の回転角度を算出する回転演算部と、
前記磁石の磁束の方向をd軸とし、前記d軸よりも電気角で90度進んだ方向をq軸とし、
前記回転電機に流れるd軸電流の指令値を生成するd軸電流指令値生成部と、
前記回転電機に流れるq軸電流の指令値を生成するq軸電流指令値生成部と、
前記制御用の回転角度と、前記電流と、前記q軸電流の指令値と、前記d軸電流の指令値に基づいて、前記複数相の巻線に印加する電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
前記電圧指令値に基づいて前記電力変換器が有する複数のスイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング制御部と、
を有し、
前記回転電機は、d軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqより大きい値を持ち、
前記回転演算部は、
前記回転センサから出力される出力信号に基づいて、前記ロータの回転角度を検出する回転検出部と、
前記ロータの回転角度、前記電流、前記電圧指令値のいずれか一つ以上に基づいて、前記制御用の回転角度を演算する制御用角度算出部と、
を有し、
前記制御用角度算出部は、
前記ロータの回転角度に対する前記制御用の回転角度の偏差である検出角度偏差を算出し、
電流検出値の情報、及び前記電圧指令値の情報に基づいて、前記ロータの回転角度の真値に対する前記制御用の回転角度の偏差である推定実角度偏差を推定し、前記推定実角度偏差と前記検出角度偏差とを内分した値を制御角度偏差として算出し、
前記ロータの回転角速度に比例する物理量である速度比例物理量が予め設定された速度閾値よりも高い場合において、前記制御角度偏差における前記推定実角度偏差の割合を、前記検出角度偏差の割合よりも高くし、
前記速度比例物理量が、前記速度閾値よりも低い場合において、前記制御角度偏差における前記推定実角度偏差の割合を、前記検出角度偏差の割合よりも低くし、
前記回転演算部は、前記回転センサの前記出力信号、前記電流、前記電圧指令値のいずれか一つ以上に基づいて、前記回転センサの検出誤差に起因する角度誤差を低減し、
前記回転電機制御装置は、前記昇圧器によって昇圧された出力直流電圧に基づいて、前記回転電機に交流電圧を印加し、
前記スイッチング制御部は、前記電圧指令値及び前記出力直流電圧に基づいて、前記複数のスイッチング素子をオンオフ駆動し、
前記昇圧器は、
前記スイッチング素子を有する上アーム及び下アームと、
前記スイッチング素子が直列に接続された構造を有する複数のレグと、
抵抗とコンデンサとが直列接続されたスナバ回路と、
を有し、
前記複数のレグは、互いに並列に接続されており、
前記スナバ回路は、前記複数のレグに対して並列に接続されている、
回転電機制御装置。 - 前記制御用角度算出部は、前記速度閾値を含む予め設定された前記速度比例物理量の範囲において、前記速度比例物理量が増加するに従って、前記推定実角度偏差の割合を連続的に増加させると共に、前記検出角度偏差の割合を連続的に減少させる、
請求項1に記載の回転電機制御装置。 - 前記制御用角度算出部は、前記速度閾値を含む予め設定された前記速度比例物理量の範囲において、前記速度比例物理量が増加するに従って、前記推定実角度偏差の割合を0から1まで連続的に増加させると共に、前記検出角度偏差の割合を1から0まで連続的に減少させ、
前記速度比例物理量が前記速度比例物理量の範囲よりも低い場合は、前記推定実角度偏差の割合を0に設定すると共に、前記検出角度偏差の割合を1に設定し、
前記速度比例物理量が前記速度比例物理量の範囲よりも高い場合は、前記推定実角度偏差の割合を1に設定すると共に、前記検出角度偏差の割合を0に設定する、
請求項1に記載の回転電機制御装置。 - 前記速度閾値は、d軸電流ゼロ制御又は最大トルク電流制御の実行領域と弱め磁束制御の実行領域との境界の前記速度比例物理量に対応して設定されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。 - 前記制御用角度算出部は、前記制御角度偏差が0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、前記ロータの制御用の回転角速度を変化させ、前記制御用の回転角速度を積分して、前記制御用の回転角度を算出する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。 - 前記電圧指令値算出部は、
前記複数相の巻線の電流検出値を、前記制御用の回転角度に基づいてd軸電流及びq軸電流に変換し、
前記d軸電流がd軸電流指令値に近づくように、かつ、前記q軸電流がq軸電流指令値に近づくように、d軸の電圧指令値及びq軸の電圧指令値を変化させ、
前記d軸の電圧指令値及び前記q軸の電圧指令値を、前記制御用の回転角度に基づいて複数相の電圧指令値に変換し、
前記制御用角度算出部は、
前記d軸及びq軸の電流検出値、前記d軸の電圧指令値及び前記q軸の電圧指令値、及び前記制御用の回転角速度に基づいて、前記ロータの回転角度の真値に対する前記制御用の回転角度の偏差である前記推定実角度偏差を推定する、
請求項5に記載の回転電機制御装置。 - 前記制御用角度算出部は、
前記ロータの回転角度の検出値に基づいて、前記制御用の回転角度の上限値及び下限値を算出し、
前記制御用の回転角度が前記上限値から前記下限値までの範囲を逸脱した場合において、前記ロータの回転角度の検出値に基づいて前記制御用の回転角度を修正する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。 - 前記制御角度偏差から前記制御用の回転角度までの応答周波数は、前記速度閾値に対応する回転周波数よりも低く設定されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。 - 前記制御角度偏差から前記制御用の回転角度までの応答周波数は、前記ロータの回転角
速度に生じる機械的な共振周波数よりも高く設定されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。 - 前記制御角度偏差から前記制御用の回転角度までの応答周波数は、前記ロータの回転角
速度に生じる機械的な共振周波数の3倍値から5倍値の間に設定されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。 - 複数相の巻線を有するステータと、前記ステータの径方向内側に配置されているとともに磁石を有するロータと、を有する回転電機と、
直流電源の電圧を交流電圧に変換する電力変換器と、
電流センサから出力される出力信号に基づいて前記複数相の巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記ロータの回転角度に応じた出力信号を出力する回転センサと、
前記ロータの制御用の回転角度を算出する回転演算部と、
前記磁石の磁束の方向をd軸とし、前記d軸よりも電気角で90度進んだ方向をq軸とし、
前記回転電機に流れるd軸電流の指令値を生成するd軸電流指令値生成部と、
前記回転電機に流れるq軸電流の指令値を生成するq軸電流指令値生成部と、
前記制御用の回転角度と、前記電流と、前記q軸電流の指令値と、前記d軸電流の指令値に基づいて、前記複数相の巻線に印加する電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
前記電圧指令値に基づいて前記電力変換器が有する複数のスイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング制御部と、
を有し、
前記回転電機は、d軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqより大きい値を持ち、
前記回転演算部は、前記回転センサの前記出力信号、前記電流、前記電圧指令値のいずれか一つ以上に基づいて、前記回転センサの検出誤差に起因する角度誤差を低減し、
前記回転演算部は、
前記回転センサから出力される出力信号に基づいて、前記ロータの回転角度を検出する回転検出部と、
前記ロータの回転角度、前記電流、前記電圧指令値のいずれか一つ以上に基づいて、前記制御用の回転角度を演算する制御用角度算出部と、
を有し、
前記回転検出部は、
前記回転センサから出力される前記出力信号であるSIN信号とCOS信号のオフセット値を演算する第1演算、
前記SIN信号と前記COS信号の高調波成分を演算する第2演算、
前記SIN信号と前記COS信号の基本波成分の振幅比を演算する第3演算、及び
前記SIN信号と前記COS信号の位相差情報を演算する第4演算、
のうち少なくとも1つの演算によって、補正SIN信号及び補正COS信号を算出し、
前記補正SIN信号及び前記補正COS信号に基づき、前記ロータの回転角度を検出する、
回転電機制御装置。 - 複数相の巻線を有するステータと、前記ステータの径方向内側に配置されているとともに磁石を有するロータと、を有する回転電機と、
直流電源の電圧を交流電圧に変換する電力変換器と、
電流センサから出力される出力信号に基づいて前記複数相の巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記ロータの回転角度に応じた出力信号を出力する回転センサと、
前記ロータの制御用の回転角度を算出する回転演算部と、
前記磁石の磁束の方向をd軸とし、前記d軸よりも電気角で90度進んだ方向をq軸とし、
前記回転電機に流れるd軸電流の指令値を生成するd軸電流指令値生成部と、
前記回転電機に流れるq軸電流の指令値を生成するq軸電流指令値生成部と、
前記制御用の回転角度と、前記電流と、前記q軸電流の指令値と、前記d軸電流の指令値に基づいて、前記複数相の巻線に印加する電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
前記電圧指令値に基づいて前記電力変換器が有する複数のスイッチング素子をオンオフ駆動するスイッチング制御部と、
を有し、
前記回転電機は、d軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqより大きい値を持ち、
前記回転演算部は、前記回転センサの前記出力信号、前記電流、前記電圧指令値のいずれか一つ以上に基づいて、前記回転センサの検出誤差に起因する角度誤差を低減し、
前記回転演算部は、
前記回転センサから出力される出力信号に基づいて、前記ロータの回転角度を検出する回転検出部と、
前記ロータの回転角度、前記電流、前記電圧指令値のいずれか一つ以上に基づいて、前記制御用の回転角度を演算する制御用角度算出部と、
を有し、
前記回転検出部は、
前記回転センサから出力される前記出力信号であるSIN信号とCOS信号の逆正接関数を演算し、前記逆正接関数の高調波成分に基づいた補正を行った上で前記ロータの回転角度を検出する、
回転電機制御装置。 - 前記ロータは、
磁性体によって構成されたロータコアと、
周方向において前記ロータコアの外周面に配置されている複数の永久磁石と、
を備え、
前記永久磁石が配置される前記ロータコアの前記外周面には、前記ロータコアの径方向に突出して形成された突起が設けられており、
前記永久磁石は、前記ステータの内側面と対向する円弧状のステータ対向面と、前記突起と嵌合する凹部とを有し、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。 - 前記昇圧器は、
前記スイッチング素子を有する上アーム及び下アームと、
前記スイッチング素子が直列に接続された構造を有する複数のレグと、
を備え、
前記昇圧器は、前記複数のレグが互いに並列に接続されたブリッジ型のスイッチング素子であり、
前記スイッチング素子の回路動作において、前記複数のレグの各々を構成する前記スイッチング素子を互いに位相を180度ずらして駆動するインターリーブ駆動を行う、
請求項1に記載の回転電機制御装置。 - 前記スナバ回路は、第1ダイオードと第2ダイオードとを備え、
前記第1ダイオードは、前記上アームを構成する前記スイッチング素子のコレクタ又はドレイン側端子に接続されたアノードと、前記抵抗と前記コンデンサとの間の中間点に接続されたカソードとを有し、
前記第2ダイオードは、前記上アームと前記下アームとの間の中間点に接続されたアノードと、前記抵抗と前記コンデンサとの間の中間点に接続されたカソードとを有する、
請求項1に記載の回転電機制御装置。
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