JP7797162B2 - 異常検出システム及び固体燃料粉砕装置並びに異常検出方法 - Google Patents
異常検出システム及び固体燃料粉砕装置並びに異常検出方法Info
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Description
ローラジャーナル軸受は、負荷される荷重及び回転速度に応じて、転動面にピーリングやフレーキングが発生する。このため、使用によって寿命が短くなっていき、ついには損傷し寿命を迎える。このため、ローラジャーナル軸受の寿命を調べる目的で転動面の異常を検出することが知られている(例えば、特許文献1)。
また、センサがミル内の粉砕ローラの内部に設置されているので、センサの設置又は交換を行うには、ミルの運転を停止し、かつ、粉砕ローラを分解しなければセンサの交換ができない。このため、故障やメンテナンスによりセンサを交換する場合や、既設のミルにセンサを追設する場合に、センサの交換又は追設作業が長期間化するという問題があった。交換又は追設作業中は、ミルを稼働することができないので、稼働率が低下するという問題があった。
また、センサの交換及び追設を行い易くすることができる異常検出システム及び固体燃料粉砕装置並びに異常検出方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る異常検出システムは、固体燃料粉砕装置の外殻を為すハウジングの内部に収容されるとともに粉砕テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラを回転自在に支持するローラジャーナル軸受の異常検出システムであって、前記ローラジャーナル軸受を介して前記粉砕ローラを支持するとともに前記ハウジングに取り付けられる支持部の前記ハウジングの外側に位置する設置部に設けられ、前記粉砕ローラの回転によって前記支持部に生じる情報を検知する検知部と、前記検知部が検知した情報に基づいて、前記ローラジャーナル軸受の異常を検出する検出部と、を備える。
また、センサの交換及び追設を行い易くすることができる。
以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る発電プラント1は、固体燃料粉砕装置100とボイラ200とを備えている。
以降の説明では、上方とは鉛直上側の方向を、上部や上面などの“上”とは鉛直上側の部分を示している。また同様に“下”とは鉛直下側の部分を示すものであり、鉛直方向は厳密ではなく誤差を含むものである。
図1に示す固体燃料粉砕装置100とボイラ200とを含む発電プラント1は、1台の固体燃料粉砕装置100を備えるものであるが、1台のボイラ200の複数のバーナ220のそれぞれに対応する複数台の固体燃料粉砕装置100を備えるシステムとしてもよい。
ここで、バイオマス燃料とは、再生可能な生物由来の有機性資源であり、例えば、間伐材、廃木材、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などであり、ここに提示したものに限定されることはない。バイオマス燃料は、バイオマスの成育過程において二酸化炭素を取り込むことから、地球温暖化ガスとなる二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルとされるため、その利用が種々検討されている。
ハウジング11は、鉛直方向に延びる筒状に形成されるとともに、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13と回転式分級機16と、給炭管17とを収容する筐体である。
ハウジング11の天井部42の中央部には、給炭管17が取り付けられている。この給炭管17は、バンカ21から給炭機25を介して導かれた固体燃料をハウジング11内に供給するものであり、ハウジング11の中心位置に上下方向に沿って配置され、下端部がハウジング11内部まで延設されている。
粉砕テーブル12は、平面視円形の部材であり、給炭管17の下端部が対向するように配置されている。粉砕テーブル12の上面は、例えば、中心部が低く、外側に向けて高くなるような傾斜形状をなし、外周部が上方に曲折した形状をなしていてもよい。給炭管17は、固体燃料(本実施形態では例えば石炭やバイオマス燃料)を上方から下方の粉砕テーブル12に向けて供給し、粉砕テーブル12は供給された固体燃料を粉砕ローラ13との間に挟み込んで粉砕する。
粉砕テーブル12の外周には、一次空気流路110から流入する一次空気を、ハウジング11内の粉砕テーブル12の上方の空間に流出させる吹出口(図示省略)が設けられている。吹出口には旋回羽根(図示省略)が設置されており、吹出口から吹き出した一次空気に旋回力を与える。旋回羽根により旋回力が与えられた一次空気は、旋回する速度成分を有する気流となって、粉砕テーブル12上で粉砕された固体燃料を、ハウジング11内の上方にある回転式分級機16へと搬送する。なお、粉砕された固体燃料のうち、所定粒径より大きいものは回転式分級機16により分級されて、または、回転式分級機16まで到達することなく落下して、粉砕テーブル12上に戻されて、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間で再度粉砕される。
図1では、粉砕ローラ13が代表して1つのみ示されているが、粉砕テーブル12の上面を押圧するように、周方向に一定の間隔を空けて、複数の粉砕ローラ13が配置される。例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つの粉砕ローラ13が周方向に均等な間隔で配置される。この場合、3つの粉砕ローラ13が粉砕テーブル12の上面と接する部分(押圧する部分)は、粉砕テーブル12の回転中心軸からの距離が等距離となる。
なお、粉砕ローラ13の詳細な構造については後述する。
回転式分級機16は、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13により粉砕された固体燃料(以降、粉砕された固体燃料を「粉砕燃料」という。)を、所定粒径(例えば、石炭では70~100μm)より大きいもの(以降、所定粒径を超える粉砕燃料を「粗粉燃料」という。)と、所定粒径以下のもの(以降、所定粒径以下の粉砕燃料を「微粉燃料」という。)に分級する装置である。回転式分級機16は、制御部50によって制御される分級機モータ18により回転駆動力を与えられ、ハウジング11の上下方向に延在する円筒軸(図示省略)を中心に給炭管17の周りを回転する。
なお、分級部としては、固定された中空状の逆円錐形状のケーシングと、そのケーシングの外周位置にブレード16aに替わって複数の固定旋回羽根とを備えた固定式分級機を用いてもよい。
また、一次空気と粉砕燃料がバンカ21側へ逆流し、ミル10内部の圧力が低下すると、ミル10内部での粉砕燃料の搬送性の悪化、給炭機25内部やバンカ21上部での粉塵の発生、給炭機25やバンカ21やダウンスパウト部22の内部の固体燃料への着火、及びバーナ220への微粉燃料の搬送量の低下など、固体燃料粉砕装置100及びボイラ200の安定した運転に種々の問題が生じる可能性がある。
このため、給炭機25とミル10内部を接続する給炭管17の途中にロータリバルブ(図示省略)を設けて、ミル10内部から給炭機25とダウンスパウト部22を経てバンカ21へ向かう一次空気と粉砕燃料の逆流の発生を抑制するようにしてもよい。
送風部30は、ハウジング11の内部へ送風される一次空気の流量と温度を適切に調整するために、本実施形態では、一次空気通風機(PAF:Primary Air Fan)31と、熱ガス流路30aと、冷ガス流路30bと、熱ガスダンパ30cと、冷ガスダンパ30dとを備えている。
また、熱ガス流路30aから供給する熱ガスに、例えば、ガス再循環通風機(図示省略)によってボイラ200から排出された燃焼ガスの一部を導き、混合することで、一次空気流路110からハウジング11の内部へ送風する一次空気中の酸素濃度を調整してもよい。一次空気中の酸素濃度を調整することによって、例えば、着火性の高い(着火しやすい)固体燃料を使用する場合、ミル10からバーナ220に至るまでの経路において、固体燃料が着火することを抑制することができる。
また、本実施形態の状態検出部40は、例えば、温度計測手段であり、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の温度(ミル入口一次空気温度)や、出口ポート19における一次空気と微粉燃料との混合気体の温度(ミル出口一次空気温度)を検出して、それぞれの上限温度を超えないように送風部30を制御する。各上限温度は、固体燃料の性状に応じた着火の可能性等を考慮して決定される。なお、一次空気は、ハウジング11の内部において、粉砕燃料を乾燥しながら搬送することによって冷却されるため、ミル入口の一次空気温度は、例えば常温から約300度程度、ミル出口の一次空気温度は、例えば常温から約90度程度となる。
制御部50は、例えば、ミルモータ15に駆動指示を伝達して粉砕テーブル12の回転速度を制御してもよい。
制御部50は、例えば、分級機モータ18へ駆動指示を伝達して回転式分級機16の回転速度を制御して分級性能を調整し、微粉燃料の粒径をバーナ220における固体燃料の燃焼性に影響しない範囲に維持しつつ、ミル10への固体燃料の供給量に対応した量の微粉燃料を、バーナ220へ安定して供給することができる。
また、制御部50は、例えば給炭機モータ27へ駆動指示を伝達することにより、ミル10へ供給する固体燃料の供給量(給炭量)を調整することができる。
また、制御部50は、送風部30へ開度指示を伝達することにより、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御して一次空気の流量と温度を調整することができる。具体的には、制御部50は、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の流量と、出口ポート19における一次空気の温度(ミル出口一次空気温度)が、固体燃料の種別毎に、給炭量に対応して設定された所定値となるように、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御する。なお、一次空気の温度の制御は、ミル入口における温度(ミル入口一次空気温度)に対して行ってもよい。
なお、制御部50の構成は上記説明の構成に限定されない。例えば、制御部50のハードウェア構成は、図11に示すように構成してもよい。図11に示す構成の詳細については後述する。
ボイラ200の各熱交換器への給水は、節炭器(図示省略)において加熱された後に、蒸発器(図示省略)および過熱器(図示省略)によって更に加熱されて高温高圧の過熱蒸気が生成され、発電部である蒸気タービン(図示省略)へと送られて蒸気タービンを回転駆動し、蒸気タービンに接続した発電機(図示省略)を回転駆動して発電が行われ、発電プラント1を構成する。
まず、粉砕ローラ13の詳細な構成の例を図2から図4を用いて説明する。粉砕ローラ13は、ジャーナルヘッド(支持部)45によってハウジング11に支持されている。ジャーナルヘッド45は、粉砕ローラ13を取り付けるジャーナル軸52と、ジャーナル軸52を保持する本体56と、本体56の側部に固定して取り付けられた偏心軸48と、本体56の上面に上方へ延在するように取り付けられた支持アーム47と、本体56の下面に下方に突出するように設けられた突起部57を備える。
第1センサ80aは、例えば、上下方向(図4のY軸方向)の振動を検知する。第2センサ80bは、例えば、偏心軸48の延在方向(図4のZ軸方向)の振動を検知する。第3センサ80cは、ジャーナル軸52の延在方向(図4のX軸方向)の振動を検知する。
なお、図4では偏心軸48の両端に先端部48aはあるが、第1センサ81a,第2センサ80b及び第3センサ80cは先端部48aのいずれか一端に設ければよい。
本実施形態では、図2および図3に示すように、第1センサ80a,第2センサ80b及び第3センサ80cの全てが偏心軸48の中心軸線上には位置していない。
剛接合の具体的な例としては、焼き嵌めやテーパ圧入による接合等が挙げられる。また、一体物として製造することで剛接合としてもよく、締結具で強固に固定することで剛接合としてもよい。
また、ローラジャーナル軸受59から振動センサ80までの伝達経路となる各部品は、鋳鉄等の振動減衰能が高い材料ではなく、構造用炭素鋼又は鋳鋼等の振動減衰能が低い材料で形成されている。このように構成することで、振動の減衰を抑制することができる。
なお、振動伝達経路となる部品の固有振動数は、計算により求めても良いし、現品のハンマリング試験等を行って実験的に求めても良い。また、振動伝達経路となる部品の固有振動数と、ローラジャーナル軸受59の異常時に発生する振動周波数とが仮に一致してしまった場合は、振動伝達経路となる部品のばね定数や質量を変更し、固有振動数を予想される振動周波数とずらすことが好ましい。また、特定の高調波成分(N次)のみが一致する場合は、その高調波を評価から外す処理を施してもよい。
本実施形態の制御部50は、信号増幅器91、信号処理装置92、信号計算装置93及びプラント制御装置94等を有している。また、本実施形態の固体燃料粉砕装置100では、振動センサ80が検知した振動の信号を信号増幅器91(例えば、アンプ)で増幅する。そして、増幅した信号を信号処理装置92で処理し外乱を除去する。そして、処理した信号を信号計算装置93で計算し、ローラジャーナル軸受59の異常を検出する。また、信号計算装置93によって、ローラジャーナル軸受59の異常度合(損傷度合)や、ローラジャーナル軸受59の交換時期等を導出してもよい。また、信号計算装置93等で導出した情報を表示装置95に表示してもよい。
信号計算装置93は、導出した情報をプラント制御装置94に送信し、プラント制御装置94は、受信した情報に基づいて、ミル10等の発電プラント1を構成する各種装置を制御する。また、制御内容を表示装置96に表示してもよい。
なお、フィルタ処理で、固体燃料の粉砕による振動の周波数の信号を除去してもよい。
このようにして、制御部50(信号処理装置92及び信号計算装置93)は、信号処理及び計算を行う。なお、信号処理及び計算の方法は一例であり、上記説明の方法に限定されない。例えば、振動センサ80が検出した振動情報に含まれるノイズが十分に小さいと判断される場合には、フィルタ処理やエンベローブ処理を省略してもよい。
基本的に、ローラジャーナル軸受59の寿命消費が進むほど(すなわち、異常度合が進行するほど)、特定周波数(ローラジャーナル軸受59の異常時に発生する振動の周波数)とその整数倍となる高調波成分の振動が増加する。その閾値(どこまで振動が大きくなったら壊れるか)は下記の要領で評価する。
なお、振動が増加したと判定する閾値として、振動加速度の場合は0.1~10Gの間で、機器の仕様に基づいて設定されることが好ましいが、一般的な構造であればISO-10816やJIS-B-0906に示されている値としても良い。
本実施形態では、振動センサ80がジャーナルヘッド45に設けられている。これにより、例えば、粉砕ローラ13の内部に振動センサ80を設ける場合と比較して、粉砕ローラ13で生じる振動が振動センサ80へ伝達され難くすることができる。したがって、粉砕ローラ13の振動に起因する振動センサ80の故障の発生を抑制することができる。また、振動センサ80がジャーナルヘッド45のハウジング11の外側に位置する偏心軸48の先端部48aに設けられている。これにより、振動センサ80がミル10のハウジング11内の粉砕された固体燃料や高温のガス(空気等)の影響を受け難いので、振動センサ80の故障の発生を抑制することができる。このように、振動センサ80を故障し難くすることができるので、振動センサ80の信頼性を向上させることができる。
また、振動センサ80がハウジング11の外側に位置する偏心軸48の先端部48aに設けられている。これにより、ミル10の運転を停止したりハウジング11や粉砕ローラ13の分解をしたりすることなく、振動センサ80にアクセスすることができる。このため、故障やメンテナンスにより振動センサ80を交換する場合や、既設のミルに振動センサ80を追設する場合等に、振動センサ80の交換又は追設作業を簡易化することができる。また、交換又は追設作業中であっても、ミル10を稼働することができるので、稼働率を向上することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
振動センサ80の設置場所は、偏心軸48の先端部48aに限らず、ローラジャーナル軸受59の近傍であって、ミル10のハウジング11の外側であって、かつ、振動伝達時の減衰が小さい箇所であればいずれでも構わない。例えば、図2の破線で示すように、ジャーナル軸52の基端部(粉砕ローラ13が設けられている端部とは反対側の端部)がミル10のハウジング11の外側に位置している構造の場合は、ジャーナル軸52の基端部に振動センサ80を設けてもよい。
また、ローラジャーナル軸受59は、通常ローラジャーナル軸受59の下部側、すなわち粉砕部側にて荷重を負担する際に、転動面の傷が振動として伝達される。例えば、振動センサ80を用いた場合、軸受の損傷による振動は上下方向の変位として発生するため、ジャーナル軸52を上下方向の振動として伝達し、ジャーナルヘッド45で90°向きを変えて、偏心軸48の先端部48aの振動センサ80へは、ねじり振動(X、Y軸方向に変位する振動)として伝達され、検知される。したがって、Z軸方向の振動を検知するセンサ(第2センサ80b)については、X、Y軸方向の振動を検知するセンサ(第1センサ80a及び第3センサ80c)に比較して重要度は小さい。このため、振動センサ80を省略する場合は、まず第2センサ80bから省略してもよい。なお、各センサからの出力については、別々に計算しても良く、途中で値を合算しても良い。
また、振動センサ80から制御部50までは、外部ノイズの影響を受けにくいシールドケーブル、光ケーブルなどで配線してもよい。
次に、本開示の第2実施形態について説明する。本実施形態では、制御部50が余寿命推定システムを備える点で第1実施形態と異なっている。その他の点は、第1実施形態と同様であるので、同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る余寿命推定システムは、例えば、以下のように構成される。
図10に示すように、制御部50は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU111と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)121と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)130と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)140と、ネットワーク等に接続するための通信部150とを備えている。これら各部は、バス180を介して接続されている。
次に、本開示の第2実施形態の変形例に係る余寿命推定システム及び固体燃料粉砕装置、並びに余寿命推定方法、並びに余寿命推定プログラムについて説明する。
本変形例では、将来の余寿命の変化推移を推定する。以下、本変形例に係る余寿命推定システム及び固体燃料粉砕装置、並びに余寿命推定方法、並びに余寿命推定プログラムについて、第2実施形態と異なる点について主に説明する。
予測部64は、ミル10の運転状態と、運転状態に対応した余寿命推移特性とが予め蓄積されたデータベースに基づいて、推定部63において推定した余寿命の推移より将来の余寿命の推移を予測する。余寿命推定特性とは、運転状態によって推移する余寿命の特性を示した情報であり、具体的には図19のA、B、Cに示すような曲線特性(直線でもよい)である。すなわち、データベースには、ミル10の過去または現在まで運転情報が格納されている。データベースには、寿命推定対象のミル10の過去または現在までの運転データを格納することとしてもよいし、構成が類似する他のミル10の過去運転データを格納することとしてもよい。また、実運転データだけでなく、仮想的にシミュレーションしたデータをデータベースに格納することとしてもよい。データベースは制御部50に設けられてもよい(記憶部)し、別装置に設けられることとしてもよい。運転状態は、固体燃料の種類(炭種情報)、固体燃料の供給量(給炭量)、粉砕ローラ13に掛かる荷重に関する情報(油圧荷重)、ミル10に設けられた分級機(回転式分級機16)の回転数(分級機回転数)、及びミル10内へ流入するガスとミル10から排出されるガスとの差圧(ミル10内の差圧であり、ミル10の負荷状況を示す指標となる。例えば、粉砕テーブル12の上側雰囲気と下側雰囲気との間で発生する。)の少なくともいずれか1つを含む。なお、運転状態としては、ローラジャーナル軸受59の寿命に影響を与えるパラメータであれば上記に限定されず含むことができる。また、類似する運転状態どうしで運転時間に対する余寿命の変化が、例えば、明らかに突飛と判断される運転情報(推定する余寿命)を除いて±10%以内での一致あり、さらに好ましくは±5%以内での一致あれば、類似した運転状態のデータのなかでも優先順位を上げて類似していると判断してもよい。
次に、本開示の第2実施形態の変形例に係る余寿命推定システム及び固体燃料粉砕装置、並びに余寿命推定方法、並びに余寿命推定プログラムについて説明する。
本変形例では、推定された余寿命に基づいてメンテナンス計画を作成する。以下、本変形例に係る余寿命推定システム及び固体燃料粉砕装置、並びに余寿命推定方法、並びに余寿命推定プログラムについて、第2実施形態及び第2実施形態の変形例1と異なる点について主に説明する。
計画部65は、推定された余寿命に基づいて、メンテナンス計画を行う。具体的には、推定部63において推定した余寿命や、予測部64において推定した余寿命から、将来のどの時期に寿命を完全に消費してしまうかを判断して、計画部65でメンテナンス計画を行う。なお、上述のようにより正確に余寿命を推定することができるため、寿命を完全に消費する前に適正な余裕をもって計画を立てることが可能となる。
図22は、時間経過に伴うローラジャーナル軸受59の推定余寿命及び異常度(損傷の進行度合い)を示している。また、一点鎖線が設定負荷にて求めたローラジャーナル軸受59の余寿命の推移を示している。また、実線が余寿命推定システムで実負荷から求めた余寿命の推移を示している。また、破線が異常検知システムで検出した異常信号(所定の周波数領域における軸受異常周波数の信号)の大きさを示している。t1は、設定負荷にて求めた余寿命がゼロ(すなわち、設計上の寿命)を示している。t1における余寿命推定システムで実負荷から求めた余寿命との差分(余寿命の差分D)が設計寿命で軸受を交換していた場合に対する余裕分を示している。また、t3は、ローラジャーナル軸受59の損傷により使用不能となるタイミングである。すなわち、実際の寿命を示している。t2は、異常検出システムの検出結果を用いて導出した交換タイミングである。
このように、異常検知システムと、余寿命推定システムとを併用することで、余寿命推定システムのみを用いる場合と比較して、余裕の少ない領域でもローラジャーナル軸受59の使用を継続することができる。
一般的に、異常検出システムでは、ローラジャーナル軸受59の振動の増大は把握できるものの、どこまで増大したらローラジャーナル軸受59が使用不能となるのか、その明確な閾値は基本的には実機で一度ローラジャーナル軸受59が使用不能となるまで使用して、使用不能となるまでの信号の推移を確認してみないと判らないという可能性があった。しかしながら、実機で軸受が損傷するまでの試験を実施するには長期間を要するため、異常検出システムだけでは、ローラジャーナル軸受59の寿命の延長には結びつけにくいという課題が有った。
一方、本実施形態のように、ローラジャーナル軸受59の異常検知システムと、余寿命推定システムとを併用することで、定常的な寿命消費は余寿命推定システムで、異常検知は異常検知システムでローラジャーナル軸受59の監視を行うことができる。これにより、ローラジャーナル軸受59の信頼性を確保しつつ、寿命を延長することができる。
しかしながら、実際のローラジャーナル軸受59の寿命は、疲れ寿命のみではなく、その他多くの要素が絡んでいる。例えば、潤滑油中の混入物によって転動面に傷が付き、ローラジャーナル軸受59の寿命を促進させることが考えられる。
一方、異常検知システムは、ローラジャーナル軸受59の経時的な使用に伴って生じた転動面の損傷を、例えば振動などによって間接的に検知するものである。すなわち、余寿命推定システムがローラジャーナル軸受59の計算上の寿命を評価するのに対し、異常検知システムはローラジャーナル軸受59の実寿命を評価する。
このような両者を併用することで、計算上の「疲れ寿命」の他、例えば潤滑油中の混入物等による「疲れ寿命以外の影響」も加味したローラジャーナル軸受59の寿命の評価が可能となる。また、疲れ寿命については両者で評価することができ、より高精度なローラジャーナル軸受59のメンテナンスが可能となる。
なお、両者で評価を行うことで、寿命監視による計算寿命と、異常検知による実寿命に食い違いが出る可能性がある。このような場合には、例えば、計算寿命よりも実寿命が先行した場合や、疲れ寿命以外の要素が支配的となっていることが考えられ、例えば、潤滑油交換頻度の増加や、油粘度の変更等で混入物を減らすなど、その結果をメンテナンス方針へ反映しても良い。
使用する固体燃料は、本開示に限定されず、石炭、バイオマス燃料、石油コークス(PC:Petroleum Coke)などを用いることができる。さらに、それらの固体燃料を組み合わせて使用してもよい。
本開示の一態様に係る異常検出システムは、固体燃料粉砕装置(100)の外殻を為すハウジング(11)の内部に収容されるとともに粉砕テーブル(12)との間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラ(13)を回転自在に支持するローラジャーナル軸受(59)の異常検出システムであって、前記ローラジャーナル軸受(59)を介して前記粉砕ローラ(13)を支持するとともに前記ハウジング(11)に取り付けられる支持部(45)の前記ハウジング(11)の外側に位置する設置部(48a)に設けられ、前記粉砕ローラ(13)の回転によって前記支持部(45)に生じる情報を検知する検知部(80)と、前記検知部(80)が検知した情報に基づいて、前記ローラジャーナル軸受(59)の異常を検出する検出部(50)と、を備える。
また、検知部が支持部のハウジングの外側に位置する設置部に設けられている。これにより、固体燃料粉砕装置の運転を停止したりハウジングや粉砕ローラの分解をしたりすることなく、検知部にアクセスすることができる。このため、故障やメンテナンスにより検知部を交換する場合や、既設の固体燃料粉砕装置にセンサを追設する場合等に、検知部の交換又は追設作業を簡易化することができる。また、交換又は追設作業中であっても、固体燃料粉砕装置を稼働することができるので、稼働効率を向上することができる。
なお、支持部とローラジャーナル軸受とは、例えば、焼嵌めや圧入によって、相対移動しないように接合されていてもよい。また、支持部と検知部とは、例えば、ボルト等によって相対移動しないように接合されていてもよい。また、「相対移動しないように接合されている」とは、ローラジャーナル軸受の振動を支持部に設けられた検知部で適切に検知できる程度に接合していればよく、多少の相対移動が許容されることはもちろんである。
10 ミル(粉砕部)
11 ハウジング
12 粉砕テーブル
13 粉砕ローラ
14 減速機(駆動伝達部)
15 ミルモータ(駆動部)
16 回転式分級機(分級部)
16a ブレード
17 給炭管(燃料供給部)
18 分級機モータ
19 出口ポート
21 バンカ(貯蔵部)
22 ダウンスパウト部
25 給炭機(燃料供給機)
26 搬送部
27 給炭機モータ
30 送風部(搬送用ガス供給部)
30a 熱ガス流路
30b 冷ガス流路
30c 熱ガスダンパ
30d 冷ガスダンパ
31 一次空気通風機(PAF)
32 押込通風機(FDF)
33 誘引通風機(IDF)
34 空気予熱器(熱交換器)
40 状態検出部(温度検出手段、差圧検出手段)
41 底面部
42 天井部
45 ジャーナルヘッド(支持部)
46 押圧装置(粉砕荷重付与部)
47 支持アーム
48 偏心軸
48a 先端部(設置部)
50 制御部(検出部)
51 ハブ
52 ジャーナル軸
53 中間ピストン
54 油圧荷重部
56 本体
57 突起部
58 ストッパ
59 ジャーナル軸受(ローラジャーナル軸受)
62 取得部
63 推定部
64 予測部
65 計画部
71 計測バー
72 ギャップセンサ
80 振動センサ(検知部)
80a 第1センサ
80b 第2センサ
80c 第3センサ
81 台座
91 信号増幅器
92 信号処理装置
93 信号計算装置
94 プラント制御装置
95 表示装置
96 表示装置
100 固体燃料粉砕装置
101 情報集約システム
102 サーバ
103 計画システム
110 一次空気流路(搬送用ガス流路)
111 CPU
120 微粉燃料供給流路(微粉燃料供給管)
121 ROM
130 RAM
140 HDD
150 通信部
180 バス
200 ボイラ
210 火炉
220 バーナ(燃焼装置)
Claims (12)
- 固体燃料粉砕装置の外殻を為すハウジングの内部に収容されるとともに粉砕テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラを回転自在に支持するローラジャーナル軸受の異常検出システムであって、
前記ローラジャーナル軸受を介して前記粉砕ローラを支持するとともに前記ハウジングに取り付けられる支持部の前記ハウジングの外側に位置する設置部に設けられ、前記粉砕ローラの回転によって前記支持部に生じる情報を検知する検知部と、
前記検知部が検知した情報に基づいて、前記ローラジャーナル軸受の異常を検出する検出部と、を備え、
前記検知部は、前記支持部の振動の情報を検知し、
前記検出部は、前記検知部が検知した振動の情報に基づいて、前記ローラジャーナル軸受の異常を検出し、
前記検出部は、前記検知部が検知した振動の情報に対して、前記粉砕ローラが前記固体燃料を粉砕する際に発生する振動の周波数を有する成分及び/又は前記ローラジャーナル軸受から前記検知部までの伝達経路の固有振動数を有する成分を除去する処理を行う異常検出システム。 - 前記検知部は、複数の方向の振動の情報を検知する請求項1に記載の異常検出システム。
- 前記検出部は、前記検知部が検知した振動の情報に対して周波数ごとに信号の大きさを求める処理を行う請求項1または請求項2に記載の異常検出システム。
- 前記検出部は、前記検知部が検知した振動の情報に基づいて、前記ローラジャーナル軸受の異常の進行度合いを検出する請求項1から請求項3のいずれかに記載の異常検出システム。
- 前記検知部は、前記ハウジングに取り付けられる前記支持部のうち中心軸線を中心に回転することで前記粉砕テーブルに対する前記粉砕ローラの距離を変化させる偏心軸の前記ハウジングの外側に位置する前記設置部に設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の異常検出システム。
- 固体燃料粉砕装置の外殻を為すハウジングの内部に収容されるとともに粉砕テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラを回転自在に支持するローラジャーナル軸受の異常検出システムであって、
前記ローラジャーナル軸受を介して前記粉砕ローラを支持するとともに前記ハウジングに取り付けられる支持部の前記ハウジングの外側に位置する設置部に設けられ、前記粉砕ローラの回転によって前記支持部に生じる情報を検知する検知部と、
前記検知部が検知した情報に基づいて、前記ローラジャーナル軸受の異常を検出する検出部と、を備え、
前記検知部は、前記ハウジングに取り付けられる前記支持部のうち中心軸線を中心に回転することで前記粉砕テーブルに対する前記粉砕ローラの距離を変化させる偏心軸の前記ハウジングの外側に位置する前記設置部に設けられている異常検出システム。 - 前記検知部は、前記偏心軸の中心軸線上に位置しないように設けられている請求項5または請求項6に記載の異常検出システム。
- 外殻を為すハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容される粉砕テーブルと、
前記ハウジングの内部に収容され、前記粉砕テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、
前記ハウジングに取り付けられ、前記粉砕ローラを支持する支持部と、
前記粉砕ローラを前記支持部に対して回転自在に支持するローラジャーナル軸受と、
請求項1から請求項7のいずれかに記載の異常検出システムと、を備える固体燃料粉砕装置。 - 前記支持部と前記ローラジャーナル軸受とは、相対移動しないように結合されていて、
前記支持部と前記検知部とは、相対移動しないように結合されている請求項8に記載の固体燃料粉砕装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の異常検出システムと、
前記粉砕ローラの稼動情報に基づいて前記ローラジャーナル軸受の余寿命を推定する余寿命推定システムと、を備え、
前記異常検出システムが導出した情報と、前記余寿命推定システムが導出した情報とに基づいて、前記ローラジャーナル軸受の余寿命を推定する固体燃料粉砕装置。 - 外殻を為すハウジングの内部に収容されるとともに粉砕テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラを回転自在に支持するローラジャーナル軸受の異常検出方法であって、
前記ローラジャーナル軸受を介して前記粉砕ローラを支持するとともに前記ハウジングに取り付けられる支持部の前記ハウジングの外側に位置する設置部に設けられる検知部によって、前記粉砕ローラの回転によって前記支持部に生じる情報を検知する検知工程と、
前記検知部が検知した情報に基づいて、前記ローラジャーナル軸受の異常を検出する検出工程と、を備え、
前記検知部は、前記支持部の振動の情報を検知し、
前記検出工程は、前記検知部が検知した振動の情報に基づいて、前記ローラジャーナル軸受の異常を検出し、
前記検出工程は、前記検知部が検知した振動の情報に対して、前記粉砕ローラが前記固体燃料を粉砕する際に発生する振動の周波数を有する成分及び/又は前記ローラジャーナル軸受から前記検知部までの伝達経路の固有振動数を有する成分を除去する処理を行う異常検出方法。 - 外殻を為すハウジングの内部に収容されるとともに粉砕テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラを回転自在に支持するローラジャーナル軸受の異常検出方法であって、
前記ローラジャーナル軸受を介して前記粉砕ローラを支持するとともに前記ハウジングに取り付けられる支持部の前記ハウジングの外側に位置する設置部に設けられる検知部によって、前記粉砕ローラの回転によって前記支持部に生じる情報を検知する検知工程と、
前記検知部が検知した情報に基づいて、前記ローラジャーナル軸受の異常を検出する検出工程と、を備え、
前記検知部は、前記ハウジングに取り付けられる前記支持部のうち中心軸線を中心に回転することで前記粉砕テーブルに対する前記粉砕ローラの距離を変化させる偏心軸の前記ハウジングの外側に位置する前記設置部に設けられている異常検出方法。
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