JP7797487B2 - コンクリート圧送管 - Google Patents
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Description
〔1〕
金属管を備えないコンクリート圧送管であって、
樹脂からなる円筒体を有し、
該円筒体の内面の動摩擦係数が、0.07~0.30であり、
前記円筒体が25MPa耐水圧試験において破裂や漏れが発生せず、
前記円筒体の2mm厚試験片当たりの全光線透過率が、10%以上である、
コンクリート圧送管。
〔2〕
前記円筒体の内面の接触角が、55°以上である、
〔1〕に記載のコンクリート圧送管。
〔3〕
前記円筒体の内面のサンドスラリー摩耗法による摩耗量が、10mg以下である、
〔1〕又は〔2〕に記載のコンクリート圧送管。
〔4〕
ブラックパネル温度63℃±3℃で1200時間の促進暴露試験を行った後の前記円筒体の引張破断強度が、前記促進暴露試験前の引張破断強度100%に対して、50%以上であり、
前記促進暴露試験を行った後の前記円筒体の引張破断伸度が、前記促進暴露試験前の引張破断伸度100%に対して、50%以上である、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。
〔5〕
樹脂からなる円筒体の両端部の外周面に、螺旋状の雄螺子溝又は円周溝を有する、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項記載のコンクリート圧送管。
〔6〕
前記円筒体の単層管である、
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。
〔7〕
前記円筒体の最大外径Rが100~250mmであり、
前記円筒体の内径rが70~170mmであり、
前記円筒体の厚さ(R-r)/2が、5~20mmである、
〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。
〔8〕
前記円筒体の全長Lwが0.3~4mである、
〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。
〔9〕
前記雄螺子溝のピッチが、3~10mmである、
〔5〕に記載のコンクリート圧送管。
〔10〕
前記円筒体の端面と前記円周溝との間に形成されるフランジの最大外径R’2と、前記内径rの比R’2/rが、1.05~1.4である、
〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。
〔11〕
前記樹脂が、超高分子量ポリエチレンを含む、
〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。
〔12〕
前記樹脂に含まれる超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量が、10×104以上1000×104以下である、
〔11〕に記載のコンクリート圧送管。
〔13〕
前記円筒体が紫外線吸収剤をさらに含み、
該紫外線吸収剤の含有量が、前記円筒体の総量に対して、0.01~10質量%である、
〔1〕~〔12〕のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。
〔14〕
樹脂を中空の円筒形にスクリュー押出成形することにより、〔1〕~〔13〕のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管を製造する成形工程を有する、
コンクリート圧送管の製造方法。
本実施形態のコンクリート圧送管は、金属管を備えないコンクリート圧送管であって、樹脂からなる円筒体を有し、該円筒体の内面の動摩擦係数が、0.07~0.15であり、前記円筒体が25MPa耐水圧試験において破裂や漏れが発生せず、前記円筒体の2mm厚試験片当たりの全光線透過率が、10%以上である。
樹脂からなる円筒体の内面の動摩擦係数は、0.07~0.30であり、好ましくは0.07~0.20であり、より好ましくは0.07~0.15である。内面の動摩擦係数が上記範囲内であることにより、先送り材の使用が不要となり、閉塞が生じにくく、排出されるコンクリート成分の変動をより抑制することができる。特に、後述する超高分子量ポリエチレンからなる円筒体内面において、動摩擦係数を、従来より極めて低い0.15以下の値とするためには、後述するスクリュー押出による成形を行うことが好ましい。
また、樹脂からなる円筒体は、25MPa耐水圧試験において破裂や漏れが発生しないものである。耐水圧性性能が上記範囲内であることにより、重いコンクリートを高圧力で圧送する場合であっても、金属管を使用する必要がない。なお、本実施形態において、「25MPa耐水圧試験において破裂や漏れが発生しない」とは、破裂と漏れの両方が生じないことを意味する。また、「25MPa耐水圧試験」とは、室温の水道水を加圧配管から円筒体に投入し、25MPaまで加圧を行い、2分経過後の漏れ、破裂の発生状態を確認する試験をいう。具体的な条件は実施例に記載する。
円筒体の2mm厚試験片当たりの全光線透過率は、10%以上であり、好ましくは20~90%であり、より好ましくは30~80%であり、さらに好ましくは40~70%である。円筒体の2mm厚試験片当たりの全光線透過率が10%以上であることにより、内容物の視認性がより向上する傾向にある。円筒体の2mm厚試験片当たりの全光線透過率が90%以下であることにより、円筒体の機械強度がより向上する傾向にある。
円筒体の内面の接触角は、好ましくは55°以上であり、より好ましくは60°~90°であり、さらに好ましくは65°~85°である。円筒体の内面の接触角が55°以上であることにより、コンクリートに含まれる水成分をはじきやすくなる。金属管では水成分が金属管内面に張り付いて、管内の中心と外側で圧送速度が異なりやすく、排出されるコンクリートの組成に変動が生じる。しかし、本実施形態の円筒体では、このような変動を抑制することができるため、先送り材の使用が不要となり、また閉塞が生じにくく、排出されるコンクリート成分の変動がより抑制される傾向にある。
後述する、円筒体の内面のサンドスラリー摩耗法による摩耗量は、好ましくは10mg以下であり、より好ましくは8.0mg以下であり、さらに好ましくは5.0mg以下であり、最も好ましくは2.0mg以下である。円筒体の内面の摩耗量が10mg以下であることにより、耐摩耗性がより向上する傾向にある。円筒体の内面の摩耗量の下限は特に制限されないが、0mg以上である。
ブラックパネル温度63℃±3℃で1200時間の促進暴露試験を行った後の円筒体の引張破断強度は、促進暴露試験前の引張破断強度100%に対して、好ましくは50%以上であり、より好ましくは75~150%であり、さらに好ましくは80~120%である。促進暴露試験を行った後の円筒体の引張破断強度が50%以上であることにより、直射日光下で、高温化で曝されるコンクリート圧送管の耐候性がより優れる傾向にある。
また、同様の観点から、上記促進暴露試験を行った後の円筒体の引張破断伸度は、促進暴露試験前の引張破断伸度100%に対して、好ましくは50%以上であり、好ましくは50%以上であり、より好ましくは75~150%であり、さらに好ましくは80~120%である。促進暴露試験を行った後の円筒体の引張破断伸度が50%以上であることにより、直射日光下で、高温化で曝されるコンクリート圧送管の耐候性がより優れる傾向にある。
コンクリート圧送管を構成する樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。また、当該樹脂には、紫外線吸収剤などの添加材が添加されていてもよい。
Mv=5.34×104×[η]1.49
本実施形態の円筒体は、必要に応じて、添加剤として紫外線吸収剤をさらに含んでもよい。紫外線吸収剤としては、樹脂に有害な波長領域の紫外線を吸収する物質であれば、特に限定されない。例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が含まれる。
本実施形態の円筒体は、金属管を備えない樹脂製の管からなるものである。円筒体の構成としては、樹脂製の管からなり、多層の樹脂層からなる多層管や、単層の樹脂層からなる管に任意の内層を設けた多層管の他、単層の樹脂層からなる単層管が挙げられる。この中でも単層管であることが好ましい。なお、樹脂製の管からなる円筒体外周の一部に、破裂抑制の目的または移動時の持ち手とするために、金属帯を巻く態様もありえるが、このような態様でも、本発明における、金属管を備えない樹脂製のコンクリート圧送管に該当する。
実施例のコンクリート圧送管および比較例の鋼管の耐水圧を、鋼管の高圧試験に準拠して確認した。具体的には、長さ1000mmの圧送管両端を、加圧配管が内蔵された封止プラグで留め、封止治具に固定した。室温の水道水を加圧配管から圧送管に投入し、装置からの圧力が25MPaになるまで加圧を行い、5分経過後の漏れ、破裂の発生状態を目視および圧力測定により確認した。
実施例のコンクリート圧送管および比較例の鋼管それぞれを切削し、外径25.6×内径20mm×長さ15mmの試験片を作製した。得られた試験片の動摩擦係数をJIS7218に準拠して確認した。具体的には、スラスト摩耗法により、面圧0.83kg/cm2、線速度6.2cm/secの条件で、鋼(S45C)と摩擦させて測定した。
実施例のコンクリート圧送管および比較例の鋼管それぞれを切削し、大きさ50×50mmの平板を作成した。静的液滴法にて、水に対する接触角を測定した。具体的には、平板に水を20μl滴下した時の接触角を顕微鏡で観察し、その接触角を計測した。
実施例及び比較例のコンクリート圧送管および鋼管を切削し、厚み4mm、65mm×30mmの直方体試験片を作製した。その後、サンドスラリー摩耗法により、摩耗量を測定した。より具体的には、使用する研削材(昭和電工製ホワイトモランダム♯20)と水を1:1の割合で混合して作成したサンドスラリーを容器に入れ、シャフトに垂直に固定された試験片2枚をサンドスラリー面から10mm以上埋まるようにして、拡販羽根のように回転させた。回転速度は250rpmとした。6×104回回転後、18×104回回転後それぞれの試験片重量を測定し、6×104回回転後の試験片の重量から、18×104回回転後の重量を引いた値を摩耗量とした。3試験片について測定した平均値を当該材料の摩耗量とした。
参考に、一般的な材料の摩耗量を以下に示す。
キャストナイロン: 5.6mg
高密度ポリエチレン: 7.7mg
ナイロン66: 8.3mg
ポリウレタン: 8.4mg
フッ素樹脂: 9.0mg
SUS: 9.8mg
ポリプロピレン: 20.4mg
ポリアセタール: 24.0mg
ベークライト: 27.8mg
黄銅: 45.0mg
低密度ポリエチレン: 48.2mg
実施例及び比較例のコンクリート圧送管を切削し、厚み2mmの試験片を作製した。その後、JIS-K-7361(全光線透過率測定規格)及びJIS-K-7136(ヘイズ測定規格)に従い、試験片の全光線透過率を評価した。具体的には、村上色彩技術研究所製 HAZEMATER HM-150を用い、外部ヘイズと内部ヘイズ(石英セルに加え純水で凹凸を防止)、両方の全光線透過率(%)を測定した。
実施例及び比較例のコンクリート圧送管を切削し、試験片を作製した。得られた試験片に対して、サンシャインカーボンアーク式促進試験を行い、試験前後の引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。具体的には、スガ試験機製 サンシャインウェザーメーター(ウェザオメーターという場合もあるようです)を用い、JIS-B-7753に従い、ブラックパネル温度63℃(±3℃)、湿度50%(±5%)、降雨有(120分サイクル;102分ドライ+18分降雨)条件で1200時間暴露試験を行った。
コンクリートポンプ車に、実施例又は比較例のコンクリート圧送管をそれぞれジョイントで3本ずつ接続して、表2に記載の条件下でコンクリートの圧送試験を行った。なお、圧送したコンクリートとしては、普通コンクリートを用いた。また、先送り材を使用する場合、その先送り材としては、モルタルを用いた。先送り材は、コンクリート圧送に先立ってコンクリート圧送管に1000kg導入し、コンクリート圧送管の他端から先送り材を排出することで、コンクリート圧送管の内面に付着させた。ポンプ車からコンクリートを圧送管に供給し、初期圧1.5MPa、速度10m3/hで2m3圧送したときの圧送状態を観察した。
表2に記載の条件で、2m3圧送するまでに圧送管内に閉塞が発生するかを確認し圧送状態を評価した。閉塞が発生しなければ「良好」、閉塞により圧送完了できなければ「閉塞」とした。
圧送試験において、晴天下、コンクリート圧送管の外から目視にて内部のコンクリートの位置確認を行い、視認性を評価した。
初期圧送試験に引き続き、同条件でコンクリートを計5000m3まで圧送して、以下の評価を行った。なお、長期間の圧送により閉塞が発生しかかった時には、圧力を25MPaまで一旦上昇させ、閉塞が解消されれば元条件に戻して圧送を継続した。閉塞が解消されない場合はその時点で試験終了した。
表2に記載の条件で、5000m3圧送するまでに、コンクリート圧送管の接続部であるジョイントからのコンクリートの液漏れが生じているかについて確認し、液漏れしているか否かを評価した。
表2に記載の条件で、5000m3圧送するまでに、排出されるコンクリートの組成に変動があるか否かを確認し、排出されるコンクリートの性状について評価した。
表2に記載の条件で、5000m3圧送するまでに、コンクリート圧送管の胴部に膨らみが発生しているかについて確認した。膨らみの発生を目視できたときは、圧送を継続して当該箇所が破裂するまでの圧送量を測定し、「胴膨れ後の圧送可能量」とした。
超高分子量ポリエチレンパウダー(旭化成株式会社製、サンファインUH910)を用いて、中空の円筒状にスクリュー押出成形することにより、長さ3mの円筒体を成型した。この際、紫外線吸収剤、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールをポリエチレンに対して3000ppm(0.3質量%)添加した。得られた円筒体の両端部外周には、金属製カップリングを接合させるために、図3に示す螺旋状の雄螺子溝を設けた。雄螺子溝のピッチは5mmであった。得られた円筒体を、コンクリート圧送管として用いた。
紫外線吸収剤を含有させない以外は実施例1と同様にして、円筒体を成型し、コンクリート圧送管として用いた。
得られた円筒体の両端部に、ジョイントを結合させるためのフランジを形成するために、図4に示す円周溝を形成させた以外は、実施例1と同様にして円筒体を成型し、コンクリート圧送管として用いた。溝部の外径は144mm、端部の外径R’2は148mmであり、R’2/rは1.113であった。
市販の鋼管(ライネックス(株)社製、製品名グリーンライン)を比較例のコンクリート圧送管として用いた。
※2:破裂する危険性が極めて高く評価不可能
※4:「あり」の場合には、破裂が事前に予測でき、作業者が現場から退避することができる。一方で、「なし」の場合には、破裂予測できず、作業者が危険にさらされる。
Claims (10)
- 金属管を備えないコンクリート圧送管であって、
樹脂からなる円筒体を有し、
前記樹脂が、粘度平均分子量が10×104以上1000×104以下である超高分子量ポリエチレンを含み、
該円筒体の内面の動摩擦係数が、0.07~0.15であり、
前記円筒体が25MPa耐水圧試験において破裂や漏れが発生せず、
前記円筒体の2mm厚試験片当たりの全光線透過率が、10%以上であり、
前記円筒体の内面の接触角が、55°以上である、
コンクリート圧送管。 - 前記円筒体の内面のサンドスラリー摩耗法による摩耗量が、10mg以下である、
請求項1に記載のコンクリート圧送管。 - ブラックパネル温度63℃±3℃で1200時間の促進暴露試験を行った後の前記円筒体の引張破断強度が、前記促進暴露試験前の引張破断強度100%に対して、50%以上であり、
前記促進暴露試験を行った後の前記円筒体の引張破断伸度が、前記促進暴露試験前の引張破断伸度100%に対して、50%以上である、
請求項1又は2に記載のコンクリート圧送管。 - 少なくとも最内層および最外層が樹脂からなる円筒体の両端部の外周面に、螺旋状の雄螺子溝又は円周溝を有する、請求項1~3のいずれか一項記載のコンクリート圧送管。
- 前記円筒体の単層管である、
請求項1~4のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。 - 前記円筒体の全長Lwが0.3~4mである、
請求項1~5のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。 - 前記雄螺子溝のピッチが、3~10mmである、
請求項4に記載のコンクリート圧送管。 - 前記円筒体の端面と前記円周溝との間に形成されるフランジの最大外径R'2と、前記円筒体の内径rの比R'2/rが、1.05~1.4である、
請求項4に記載のコンクリート圧送管。 - 前記円筒体が紫外線吸収剤をさらに含み、
該紫外線吸収剤の含有量が、前記円筒体の総量に対して、0.01~10質量%である、
請求項1~8のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管。 - 粘度平均分子量が10×104以上1000×104以下である超高分子量ポリエチレンを中空の円筒形にスクリュー押出成形することにより、請求項1~9のいずれか一項に記載のコンクリート圧送管を製造する成形工程を有する、
コンクリート圧送管の製造方法。
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