以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は実施形態に係るマイクロニードル貼付剤10の斜視図である。マイクロニードル貼付剤10は、パップ剤、テープ剤などとして用いられる製剤である。一例では、マイクロニードル貼付剤10は、支持体12と、支持体12の主面の略全体に形成された粘着剤層14と、粘着剤層14の作用面に剥離可能に貼付された剥離シート16と、粘着剤層14内に埋め込まれたマイクロニードルアレイ20とを備える。粘着剤層14の作用面とは、マイクロニードル貼付剤10の使用時にユーザの皮膚に接する面をいう。
マイクロニードル貼付剤10の寸法は、ユーザの症状、年齢、体重、性別などに応じて設定されてもよい。例えば、マイクロニードル貼付剤10の面積は1~500cm2でもよいし、10~400cm2でもよい。その面積を1cm2以上にすることによって、活性成分の十分な皮膚透過性を維持することが容易になる。その面積を500cm2以下にすることによって、マイクロニードル貼付剤10の取り扱いが容易になる。
支持体12は、シート状の部材である。支持体12は伸縮性を有してもよい。支持体12の材質は、物理的性質(厚さ、伸び、引張り強さ、貼付作業性など)、貼付時の感触、皮膚の密閉性、活性成分の支持体12への移行などを考慮して選択されてもよい。例えば、その材質は、織布、不織布、樹脂フィルム、発泡シート、または紙でもよい。織布の例として編布が挙げられる。支持体12として織布、不織布、または樹脂フィルムを使用する場合、それらの素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、レーヨン、ポリウレタン、および綿が挙げられる。これらの素材は1種単独で用いられてもよいし、2種以上の組合せにより用いられてもよい。支持体12は単層構造を有してもよいし多層構造を有してもよい。支持体12はシート状の多孔質材またはシート状の発泡体であってもよい。
編布の例として、ポリエステル系、ナイロン系、ポリプロピレン系、レーヨン系等の材料を1種または2種以上組み合わせてなる編布が挙げられる。例えば、活性成分との相互作用が少ない、ポリエステル系のポリエチレンテレフタレートからなる編布が用いられてもよい。
支持体12が編布または不織布である場合、水を含有する粘着剤組成物を支持体12に展延すると、支持体12の網目を通して粘着剤組成物が支持体の裏側に染み出してくるおそれがある。この点を考慮して、編布または不織布の目付は50~150g/m2でもよく、75~125g/m2でもよい。目付をこのような範囲にすることで、粘着剤組成物が支持体12の隙間を通して支持体12の裏側に染み出すことなく該粘着剤組成物を展延できる傾向がある。加えて、支持体12と粘着剤層14の間の投錨性を維持できる。
支持体12の伸縮性については、縦方向および横方向の少なくとも一方において50%モジュラス(50%伸長時荷重)が0.5~10N/50mmであってもよい。ここで、「縦方向」とは、編布を製造する工程における流れ方向のことをいい、「横方向」とは、縦方向と直交する方向、すなわち幅方向のことをいう。モジュラスの測定方法はJIS L 1018:1999に基づく。
支持体12の厚さは、例えば5~1000μmの範囲で設定されてもよい。その厚さを5μm以上とするのは、マイクロニードル貼付剤10の取り扱いを容易にするためである。その厚さを1000μm以下とするのは、支持体12の硬さがマイクロニードル貼付剤10の付着性に及ぼす影響を防ぐためである。
粘着剤層14は、ヒトの皮膚に貼り付くことが可能な粘着性を有する層である。一例では、粘着剤層14は、水溶性高分子および水を含有する。粘着剤層14は活性成分(生理活性物質)をさらに含んでもよい。「粘着剤層が活性成分を含む」とは、粘着剤層14がその中に活性成分を含有する態様と、活性成分が粘着剤層14の作用面に付着した態様との双方を含む概念である。
水溶性高分子は、親水性基を有する高分子を意味する。親水性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基等が挙げられる。粘着剤層14が水溶性高分子を含有することにより、マイクロニードル貼付剤10中の水分をより長時間、保持することができる。
水溶性高分子は、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸中和物(これらを「水溶性アクリルポリマー」と呼ぶ場合がある。)であってもよい。粘着剤層14がポリアクリル酸またはその中和物を含むことにより、優れた付着性を有する粘着剤層14を提供できる。
水溶性アクリルポリマーは、水溶性を発揮する官能基(親水性基)を有するアクリロイル基含有化合物を重合して得られるポリマーである。粘着剤層14は、水とともに水溶性アクリルポリマーを含有することにより、付着性を発揮する。水溶性アクリルポリマーは例えば、ポリアクリル酸もしくはその中和物、親水性基を有するアクリル酸エステル、または親水性基を有するアクリル酸アミド等のアクリロイル基を有する化合物を重合して得られるポリマーである。水溶性アクリルポリマーは、1種のアクリロイル基を有する化合物から得られるホモポリマーであっても、2種以上のアクリロイル基を有する化合物から得られるコポリマーであってもよい。
親水性基は、カチオン性親水性基、アニオン性親水性基、および非イオン性親水性基のいずれであってもよい。カチオン性親水性基の例として、4級アンモニウム基が挙げられる。アニオン性親水性基の例として、カルボキシ基、スルホ基、およびリン酸基が挙げられる。非イオン性親水性基の例として、ヒドロキシ基、およびアミノ基が挙げられる。
水溶性高分子としてポリアクリル酸が粘着剤層14に含まれる場合、その含有量は、粘着剤層14の全質量基準で0.1~5質量%となるように調整されてもよく、0.5~4質量%となるように調整されてもよい。ポリアクリル酸の含有量を0.1質量%以上にすることにより、粘着剤層14の成型性および保型性がより向上する傾向がある。ポリアクリル酸の含有量を5質量%以下にすることにより、粘着剤層14の硬度が高くなりにくく、皮膚への密着性がより高くなる傾向がある。粘着剤層14のポリアクリル酸の含有量を増やすと、損失正接は増加する傾向にある。
ポリアクリル酸中和物は、ポリアクリル酸完全中和物であっても、ポリアクリル酸部分中和物であっても、これらの混合物であってもよい。ポリアクリル酸中和物としては、ポリアクリル酸塩が挙げられ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等を用いることができる。
ポリアクリル酸中和物として、初期的な付着力も経時的な付着力も高くなるポリアクリル酸部分中和物が用いられてもよい。ポリアクリル酸部分中和物は、一つのポリマー鎖において、アクリル酸に由来する構造単位とアクリル酸塩に由来する構造単位とが任意の割合で存在している組成物である。ポリアクリル酸部分中和物として、一つのポリマー鎖中のカルボキシ基のうち、20~80モル%が中和されたものが用いられてもよい。
水溶性高分子としてポリアクリル酸中和物が粘着剤層14に含まれる場合、その含有量は、粘着剤層14の全質量基準で1~10質量%となるように調整されてもよく、2~7質量%となるように調整されてもよい。ポリアクリル酸中和物の含有量を1質量%以上にすることにより、ポリアクリル酸中和物の付着力が充分に得られるようになる。ポリアクリル酸中和物の含有量を7質量%以下にすることにより、粘着剤層14の成型性および保型性が向上する。粘着剤層14のポリアクリル酸中和物の含有量を増やすと、損失正接は減少する傾向にある。水溶性高分子として、ポリアクリル酸とポリアクリル酸中和物(好ましくはポリアクリル酸部分中和物)とを併用する場合の、それぞれの好適な含有量についても、上記の通りである。
親水性基を有するアクリル酸エステルにおいて、アクリル酸エステル部分はアクリル酸アルキルエステルであってもよい。このアルキル部分は、炭素数1~10のアルキルであってもよく、炭素数1~8のアルキルであってもよい。親水性基を有するアクリル酸エステルにおいては、親水性基はこのアルキル部分に存在してもよい。
水溶性高分子として、水溶性アクリルポリマー以外の成分が粘着剤層14に含まれてもよい。例えば、粘着剤層14は、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(カルメロースナトリウム)、メチルセルロース、カラギーナン、グルコマンナン、寒天、グアーガム、キサンタンガム、ジェランガム、ペクチン、またはローカストビーンガムを含んでもよい。これらは1種単独で用いられてもよく、2種以上の組合せによって用いられてもよい。例えば、カルメロースナトリウム、ゼラチン、またはポリビニルアルコールが用いられてもよい。これらの成分は水溶性アクリルポリマーと組み合わせて用いられてもよい。
粘着剤層14が水溶性アクリルポリマー以外の水溶性高分子を含む場合、その含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、0.1~30質量%となるように調整されてもよく、3~18質量%となるように調整されてもよく、3~10質量%となるように調整されてもよい。水溶性アクリルポリマー以外の水溶性高分子の含有量が3質量%以上であると、粘着剤層14の凝集力が高くなりやすい傾向がある。その含有量が10質量%以下であると、粘着剤層14に含まれる活性成分が均一に分散しやすい傾向がある。粘着剤層14の水溶性アクリルポリマー以外の水溶性高分子の含有量を増やすと、損失正接は減少する傾向にある。
粘着剤層14が水を含有することにより、活性成分の皮膚透過性が向上し、活性成分の作用がより効果的に発揮される。水の含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、10~90質量%であってもよく、15~88質量%であってもよく、18~85質量%であってもよい。
粘着剤層14は、アクリル酸メチル・アクリル酸2-エチルヘキシル共重合体樹脂を含有してもよい。従来の貼付剤は、粘着剤層14の重量が小さいと、水含有量が低下しやすく、付着力が低下しやすい。粘着剤層14がアクリル酸メチル・アクリル酸2-エチルヘキシル共重合体樹脂を含むことにより、粘着剤層14の質量が比較的小さい場合であっても、長時間経過した後でも十分な付着力が維持されやすい傾向にある。
粘着剤層14は、さらにその他の成分として溶解補助剤、架橋剤、保湿剤、清涼化剤、安定化剤、充填剤、防腐剤、キレート剤、無機粉体、着色料、着香料、またはpH調整剤等を含んでもよい。
溶解補助剤は活性成分を溶解するために用いられる。溶解補助剤としては、例えば、クロタミトン;N-メチルピロリドン;ポリエチレングリコール(PEG)、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール;ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジエチル等の脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリソルベート80などの界面活性剤が挙げられる。これらの溶解補助剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上の組合せにより用いられてもよい。溶解補助剤の含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、0.1~10質量%となるように調整されてもよい。
架橋剤は、粘着剤層14を強固にするとともに保水性を持たせるために用いられる。架橋剤の例としては、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機系架橋剤、硫酸カリウムアルミニウム(ミョウバン)、ケイ酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、そして、金属または金属化合物などの無機系架橋剤が挙げられる。架橋剤の含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、0.01~10質量%でもよいし、0.01~6.5質量%でもよいし、0.01~3質量%でもよいし、0.05~2質量%でもよいし、0.1~1質量%でもよい。粘着剤層14の架橋剤の含有量を増やすと、損失正接は減少する傾向にある。
保湿剤は、時間の経過に伴う粘着剤層14からの水分の蒸発を抑制するために用いられる。保湿剤としては、例えば、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、および1,4-ブタンジオールなどの多価アルコールが挙げられ、ヒアルロン酸、コラーゲン、セラミド、尿素、およびヘパリンも挙げられる。これらの保湿剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上の組合せにより用いられてもよい。保湿剤の含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、0.1~70質量%となるように調整されてもよく、3~70質量%となるように調整されてもよい。
粘着剤層14が多価アルコールを含有することにより、粘着剤層14がより軟らかくなり、マイクロニードル貼付剤10の付着性がより向上する傾向がある。粘着剤層14の多価アルコールの含有量を増やすと、損失正接は増加する傾向にある。
多価アルコールとしてグリセリンが粘着剤層14に含まれる場合、グリセリンの含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、5~50質量でもよいし、10~40質量%でもよいし、15~35質量%でもよい。グリセリンの含有量が5質量%以上であると、マイクロニードル貼付剤10の使用中において粘着剤層14の乾燥をより遅らせることができ、マイクロニードル貼付剤10の付着力をより長時間維持しやすくなる。グリセリンの含有量が50質量%以下であると、グリセリンが粘着剤層14から分離しにくく、粘着剤層14の表面がよりべたつきにくくなる。粘着剤層14のグリセリンの含有量を増やすと、損失正接は増加する傾向にある。
清涼化剤としては、例えば、チモール、l-メントール、dl-メントール、l-イソプレゴール、ハッカ油等が挙げられる。清涼化剤としてl-メントールが用いられてもよい。清涼化剤の含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、0.5~3質量%となるように調整されてもよい。
安定化剤としては、例えば、オキシベンゾン、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エデト酸ナトリウム、UV吸収剤(例えば、ジベンゾイルメタン誘導体)などが挙げられる。安定化剤の含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、0.01~3質量%となるように調整されてもよい。
充填剤の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等)、ケイ酸、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜鉛酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどが挙げられる。充填剤の含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、0.01~10質量%でもよいし、3~9質量%でもよい。粘着剤層14の充填剤の含有量を増やすと、損失正接が減少する傾向にある。
防腐剤の例としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、およびパラオキシ安息香酸ブチルなどが挙げられる。
キレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、およびグルコン酸などが挙げられる。キレート剤の含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、0.01~1質量%でもよいし、0.05~0.5質量%でもよいし、0.1~0.3質量%でもよい。粘着剤層14のキレート剤の含有量を増やすと、損失正接は増加する傾向にある。
pH調整剤の例としては、酢酸、乳酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸;塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;並びに、該有機酸および該無機酸の薬学的に許容される塩が挙げられる。pH調整剤の含有量は、粘着剤層14の全質量基準で、0.01~1質量%でもよいし、0.05~0.5質量%でもよいし、0.1~0.3質量%でもよい。粘着剤層14のpH調整剤の利用により、粘着剤層14のpHが減少すると損失正接は減少し、粘着剤層14のpHが増加すると損失正接は増加する傾向にある。
無機粉体、着色料、および着香料としては、マイクロニードル貼付剤10のために一般に用いられている組成物を用いることができる。
マイクロニードル貼付剤10を構成する粘着剤層14、すなわち、マイクロニードル貼付剤10が製造され、物性変化(例えば架橋反応)が収束した後の粘着剤層14の損失正接(tanδ)は、0.20~0.41であってもよい。物性変化が収束するまでに要する時間は粘着剤層14の組成によって異なり、例えば損失正接またはゲル強度の経時変化の収束によって確認できる。本開示において、損失正接(tanδ)は動的粘弾性測定によって得られる値である。具体的には、水溶性高分子および水を含有する粘着剤層14をマイクロニードル貼付剤10から剥がし、この剥がされた粘着剤層14を二つの板で挟み、片方の板に周期的に振動するひずみを与えたときの応力の変化を測定する。動的粘弾性測定はJIS K7244-10:2005(ISO 6721-10:1999)に基づく。損失正接は下記式(1)により得られる。
損失正接(tanδ)=損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’) …(1)
動的粘弾性測定は、例えば、回転式レオメータを用いて、環境温度25℃および周波数1Hzである測定条件下で実施される。0.20~0.41という損失正接の上記の数値範囲は、その測定条件下での測定値から得られる。この損失正接は、水溶性高分子または水の含有量を変更することにより所望の値に調整され得る。
第1の例では、粘着剤層は、総量が11~20質量%である水溶性高分子と、3.5~7質量%であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、2質量%以上かつ5質量%未満であるポリアクリル酸部分中和物と、0.22~1質量%である架橋剤とを含む。水溶性高分子の総量とは、1種類以上の水溶性高分子の質量%の合計をいう。
第2の例では、粘着剤層は、総量が11.5~18.5質量%である水溶性高分子と、3.5~6質量%であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、3~4.58質量%であるポリアクリル酸部分中和物と、0.24~1質量%である架橋剤とを含む。
第3の例では、粘着剤層は、総量が11~20質量%である水溶性高分子と、0.5質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、1質量%以上かつ5質量%未満であるポリアクリル酸部分中和物と、1~9質量%である架橋剤とを含む。
第4の例では、粘着剤層は、総量が11.5~18.5質量%である水溶性高分子と、1質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、2~4.58質量%であるポリアクリル酸部分中和物と、1~6.24質量%である架橋剤とを含む。
第5の例では、粘着剤層は、総量が11~20質量%である水溶性高分子と、0.5質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、5~10質量%であるポリアクリル酸部分中和物と、0.18~0.7質量%である架橋剤とを含む。
第6の例では、粘着剤層は、総量が11.5~18.5質量%である水溶性高分子と、1質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、5~8質量%であるポリアクリル酸部分中和物と、0.2~0.5質量%である架橋剤とを含む。
第7の例では、粘着剤層は、総量が11~20質量%である水溶性高分子と、3.5~7質量%であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、2質量%以上かつ5質量%未満であるポリアクリル酸部分中和物と、0.22~1質量%である架橋剤と、0.1~5質量%であるポリアクリル酸と、1~6質量%であるポリビニルアルコールと、0.01~1質量%であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムとを含み、かつ、架橋剤に対するエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの割合が0.04~2である。
第8の例では、粘着剤層は、総量が11.5~18.5質量%である水溶性高分子と、3.5~6質量%であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、3~4.58質量%であるポリアクリル酸部分中和物と、0.24~1質量%である架橋剤と、0.1~5質量%であるポリアクリル酸と、1~6質量%であるポリビニルアルコールと、0.01~1質量%であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムとを含み、かつ、架橋剤に対するエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの割合が0.04~1.67である。
第9の例では、粘着剤層は、総量が11~20質量%である水溶性高分子と、0.5質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、1質量%以上かつ5質量%未満であるポリアクリル酸部分中和物と、1~9質量%である架橋剤と、0.1~5質量%であるポリアクリル酸と、1~6質量%であるポリビニルアルコールと、0.01~1質量%であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムとを含み、かつ、架橋剤に対するエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの割合が0.04~2である。
第10の例では、粘着剤層は、総量が11.5~18.5質量%である水溶性高分子と、1質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、2~4.58質量%であるポリアクリル酸部分中和物と、1~6.24質量%である架橋剤と、0.1~5質量%であるポリアクリル酸と、1~6質量%であるポリビニルアルコールと、0.01~1質量%であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムとを含み、かつ、架橋剤に対するエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの割合が0.04~1.67である。
第11の例では、粘着剤層は、総量が11~20質量%である水溶性高分子と、0.5質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、5~10質量%であるポリアクリル酸部分中和物と、0.18~0.7質量%である架橋剤と、0.1~5質量%であるポリアクリル酸と、1~6質量%であるポリビニルアルコールと、0.01~1質量%であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムとを含み、かつ、架橋剤に対するエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの割合が0.04~2である。
第12の例では、粘着剤層は、総量が11.5~18.5質量%である水溶性高分子と、1質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、5~8質量%であるポリアクリル酸部分中和物と、0.2~0.5質量%である架橋剤と、0.1~5質量%であるポリアクリル酸と、1~6質量%であるポリビニルアルコールと、0.01~1質量%であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムとを含み、かつ、架橋剤に対するエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの割合が0.04~1.67である。
上記の第1~第12の例のいずれにおいても、粘着剤層の構成成分を上記のように設定することで、粘着剤層の損失正接を0.20~0.41の範囲に設定できる。その結果、皮膚に適用したマイクロニードル貼付剤を、マイクロニードルアレイをその皮膚上に残すことなく剥がすことが可能になる。
本開示において、環境温度とは、測定または試験が行われる作業環境の温度をいう。一例では、環境温度は、作業空間の温度と、測定機器のうち、少なくとも粘着剤層に接する部分の温度との双方をいう。作業空間は室内でも屋外でもよく、したがって、作業空間の温度は室温でも外気温でもあり得る。
活性成分は、例えば、酸化防止剤、フリーラジカル捕捉剤、保湿剤、脱色素剤、脂肪調節剤、紫外線反射剤、湿潤剤、抗菌剤、アレルギー防止薬、抗ニキビ薬、老化防止薬、しわ防止薬、殺菌剤、鎮痛剤、咳止め薬、かゆみ止めの薬、局所麻酔薬、脱毛防止剤、育毛助成剤、育毛抑制剤、ふけ防止剤、抗ヒスタミン剤、角質溶解薬、抗炎症薬、清涼飲料水、治療薬、抗感染薬、炎症防止剤、制吐薬、抗コリン作用薬、血管収縮薬、血管拡張薬、外傷治癒助剤、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、体臭防止剤、制汗剤、皮膚軟化剤、皮膚の保湿液、柔軟剤、ヘアコンディショナー、毛髪軟化剤、毛髪保湿剤、日焼け剤、美白剤、抗真菌剤、脱毛剤、外用鎮痛薬、反対刺激剤、痔疾薬、殺虫剤、ツタウルシ治療薬、有毒ウルシ治療薬、ヤケド治療薬、抗おむつかぶれ薬、あせも薬、化粧水、ビタミン、アミノ酸、アミノ酸誘導体、ハーブエキス、レチノイド、フラボノイド、感覚マーカー、スキンコンディショナー、ヘアライトナー、キレート剤、細胞ターンオーバーエンハンサー、着色剤、日焼け防止剤、麻酔薬、免疫賦活剤、滋養薬、水分吸収剤、皮脂吸収剤、美肌成分、およびこれらの混合物からなる群より選択されてもよい。
活性成分は、局所的な皮膚の病気の治療のために、例えば抽出物またはチンキ剤などのような植物の調合液を含んでもよい。抽出物またはチンキ剤の例として、オークの樹皮の抽出液、クルミの抽出液、アルニカのチンキ剤、マンサクの抽出物、ヘラオオバコの抽出物、パンジーの抽出物、タイムもしくはセージの抽出物;セントジョーンズワートのチンキ剤、オオハンゴンソウの抽出物、カモミールフラワーの抽出物、もしくはキンセンカのチンキ剤;ひどく疲れたおよび傷つけられた皮膚の手入れのための、例えば樺の木の葉の抽出物、イラクサの抽出物、コールズフットの抽出物、ヒレハリソウのチンキ剤、つくしの抽出物、もしくはアロエの抽出物;トチノキおよびナギイカダの抽出物、アルニカ、キンセンカ、およびトウガラシの抽出物が挙げられる。
活性成分として、アミノ酸は、その塩、エステル、またはアシル誘導体のみならず、様々なタンパク質の加水分解から得られるアミノ酸を含んでよい。そのようなアミノ酸薬品の例としては、例えばアルキルアミドアルキルアミン、グルタミン酸ステアリルアセチル、カプリロイルシルクアミノ酸、カプリロイルコラーゲンアミノ酸などの両性アミノ酸;カプリロイルケラチンアミノ酸;カプリロイルエンドウマメアミノ酸;ココジモニウムヒドロキシプロピルアミノ酸シルク;コーングルテンアミノ酸;システイン;グルタミン酸;グリシン;髪ケラチンアミノ酸;例えばアスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、ハーフシスチン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、システイン酸、リシン、ヒスチジン、アルギニン、システイン、トリプトファン、シトルリンなどの髪アミノ酸;リシン;シルクアミノ酸;小麦アミノ酸;およびそれらの混合物が挙げられる。
活性成分として、ペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質は、例えば炭素原子数が少なくとも約10である長い鎖、および例えば少なくとも1000である高い分子量を持つポリマーを含み、それらはアミノ酸の自己縮合によって形成される。そのようなタンパク質の例としては、コラーゲン;デオキシリボヌクレアーゼ;ヨウ素化コーンタンパク質;ケラチン;乳タンパク質;プロテアーゼ;血清タンパク質;シルク;甘扁桃タンパク質;小麦麦芽タンパク質;小麦タンパク質;小麦タンパク質、ケラチンタンパク質のアルファおよびベータへリックス;例えば中間フィラメントタンパク、高硫黄含量のタンパク質、極めて高い硫黄含量のタンパク質、中間フィラメント関連タンパク質、高チロシンタンパク質、高グリシン・チロシンタンパク質、トリコヒアリン、およびそれらの混合物などの髪タンパク質が挙げられる。
抗シワ成分の例としては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール(ビタミンA)、シリビンペプチド類(HTCコラーゲン、パルミトイルペンタ、ペプチド3、アルジルリン)、アミノ酸類、ヒドロキシプロリン、レチノイン酸トコフェリル、ウルソール酸、ビタミンC誘導体、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、フラーレン、ポリフェノール類、αリポ酸、ダイズエキス、プルラン、活性型イソフラボン、糖類、多糖類、グリセリン、グリセリン誘導体などが挙げられる。抗シワ成分はこれらの組成物のうち少なくとも二つの混合でもよい。
ビタミンの例としては、ビタミンB複合体;チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、コリン、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンB12、ピリドキシン、イノシトール、カルニチンを含む、例えばビタミンAパルミテートなどのビタミンA,C、D、E、Kおよびそれらの誘導体;並びに例えばパンテノール(プロビタミンB5)およびパンテノールトリアセテートなどのプロビタミン;並びにこれらの混合物が挙げられる。
抗菌物質の例としては、バシトラシン、エリスロマイシン、ネオマイシン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、塩化ベンゼトニウム、フェノール、およびこれらの混合物が挙げられる。
皮膚軟化剤および肌の保湿剤の例としては、鉱油、ラノリン、植物油、イソステアリル酸イソステアリル、ラウリン酸グリセリル、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、キトサン、およびこれらの混合物が挙げられる。
ヘアコンディショナーの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、水添ポリデセン、およびこれらの混合物のような脂溶性化合物のみならず、ベヘンアミドプロピルPG-ジモニウムクロリド、塩化トリセチルアンモニウム、水添タロウアミドエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、およびこれらの混合物などの4級化合物が挙げられる。
日焼け防止剤の例としては、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸オクチル、オキシベンゾン、オクトクリレン、サリチル酸オクチル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、アミノ安息香酸エチルヒドロキシプロピル、アントラニル酸メンチル、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、アミノ安息香酸グリセリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、パディメートO、赤色ワセリン、およびその混合物が挙げられる。日焼け剤の例としてジヒドロキシアセトンが挙げられる。
皮膚美白剤の例としては、ハイドロキノンおよびその誘導体、カテコールおよびその誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体、エラグ酸およびその誘導体、コウジ酸およびその誘導体、トラネキサム酸およびその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、アルブチン、油溶性甘草エキス、並びにこれらの混合物が挙げられる。
抗炎症鎮痛薬の例としては、アセトアミノフェン、サリチル酸メチル、サリチル酸モノグリコール、アスピリン、メフェナム酸、フルフェナム酸、インドメタシン、ジクロフェナク、アルクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、プラノプロフェン、フェノプロフェン、スリンダク、フェンクロフェナク、クリダナク、フルルビプロフェン、フェンチアザク、ブフェキサマク、ピロキシカム、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、ペンタゾシン、メピリゾール、および塩酸チアラミドが挙げられる。マイクロニードル貼付剤10と共に用いられうるステロイド性抗炎症鎮痛薬の例としては、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸デキサメタゾン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、フルメタゾン、フルオロメトロン、およびジプロピオン酸ベクロメタゾンが挙げられる。
抗ヒスタミン薬の例としては、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、塩酸クロルフェニラミン、マレイン酸クロルフェラミン、塩酸イソチペンジル、塩酸トリペレラミン、塩酸プロメサジン、および塩酸メトジラジンが挙げられる。マイクロニードル貼付剤10と共に用いられうる局所麻酔薬の例としては、塩酸ジブカイン、ジブカイン、塩酸リドカイン、リドカイン、ベンゾカイン、p-ブチルアミノ安息香酸2-(ジエチルアミノ)エチルエステル塩酸塩、塩酸プロカイン、テトラカイン、塩酸テトラカイン、塩酸クロロプロカイン、塩酸オキシプロカイン、メピバカイン、塩酸コカイン、塩酸ピペロカイン、ジクロニン、および塩酸ジクロニンが挙げられる。
殺菌薬および消毒剤の例としては、チメロザール、フェノール、チモール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、ポピドンヨード、塩化セチルピリジニウム、オイゲノール、および臭化トリメチルアンモニウムが挙げられる。マイクロニードル貼付剤10と共に用いられうる血管収縮薬の例としては、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸フェニルエフリン、および塩酸トラマゾリンが挙げられる。マイクロニードル貼付剤10と共に用いられうる止血薬の例としては、トロンビン、フィトナジオン、硫酸プロタミン、アミノカプロン酸、トラネキサム酸、カルバゾクロム、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、ルチン、およびヘスペリジンが挙げられる。
化学療法薬の例としては、スルファミン、スルファチアゾール、スルファジアジン、ホモスルファミン、スルフィソキサザール、スルフィソミジン、スルファメチゾール、およびニトロフラゾンが挙げられる。マイクロニードル貼付剤10と共に用いられうる抗生物質の例としては、ペニシリン、メチシリン、オキサシリン、セファロチン、セファロジン、エリスロマイシン、リンコマイシン、テトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、メタサイクリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、バシトラシン、およびシクロセリンが挙げられる。
抗ウイルス薬の例としては、プロテアーゼ阻害剤、チマジンキナーゼ阻害剤、糖または糖タンパク合成阻害剤、構成タンパク質合成阻害剤、付着および吸着阻害剤、並びに例えばアシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビル、およびガンシクロビルなどのヌクレオシド類似体が挙げられる。
発毛または育毛薬の例としては、ミノキシジル、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、酢酸トコフェロール、ピロクトンオラミン、グリチルリチン酸、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、センブリ抽出液、セラミドおよび前駆体、ニコチン酸アミドおよびトウガラシチンキが挙げられる。
美容活性成分の例としては、D-アルファ-トコフェロール、DL-アルファ-トコフェロール、D-アルファ-酢酸トコフェリル、DL-アルファ-酢酸トコフェリル、パルミチン酸アスコルビル、ビタミンFおよびビタミンFグリセリド、ビタミンD、ビタミンD2、ビタミンD3、レチノール、レチノールエステル、パルミチン酸レチニル、プロピオン酸レチニル、ベータ-カロチン、コエンザイムQ10、D-パンテノール、ファルネソール、酢酸ファルネシル;必須脂肪酸中に多く含まれているホホバ油およびクロフサフグリ油;5-n-オクタノイルサリチル酸およびそのエステル、サリチル酸およびそのエステル;例えばクエン酸、乳酸、グリコール酸などのアルファ-ヒドロキシ酸のアルキルエステル;アシアチン酸、マデカシン酸、アシアチコシド、ツボクサの総抽出物、ベータ-グリシレチン酸、アルファ-ビサボロール、例えば2-オレオイルアミノ-1,3-オクタデカンなどのセラミド;フィタントリオール、ポリ不飽和必須脂肪酸中に多く含まれている海洋起源のリン脂質、エトキシキン;ローズマリーの抽出物、バルムの抽出物、ケルセチン、乾燥微細藻類の抽出物、例えばステロイド系抗炎症薬などの抗炎症薬、並びに例えばホルモンまたは脂肪および/もしくはタンパク質の合成による化合物のような生化学的刺激剤が挙げられる。
ビタミンCは、コラーゲン(結合組織)合成、脂質(脂肪)および炭水化物の代謝、並びに神経伝達物質の合成を促進する。ビタミンCはまた、免疫系の最適な維持に貢献し得る。ビタミンCは、広範囲のガン細胞、特にメラノーマに対して有毒である。メラニンおよび他の色素へ変化するチロシンの好気性の活動を触媒するチロシン酸化酵素も、ビタミンCの存在により活動を妨げられる。ビタミンCは、多くのウイルスおよび細菌の感染に対する免疫反応を触媒することにおいて効果的であることが見出されている。上述した多くの適用に加えて、ビタミンCはコラーゲン合成および外傷治療に必須である。マイクロニードル貼付剤10は、ビタミンC、ビタミンE、並びに例えば保湿剤、コラーゲン合成促進剤、およびスクラブ洗顔料のような他の成分の組合せを含み得る。
皮膚コンディショナー成分は、鉱物油、ワセリン、植物油(例えば大豆油またはマレイン化大豆油など)、ジメチコン、ジメチコンコポリオール、カチオン性モノマーおよびポリマー(例えばグアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびジステアリルジメチルアンモニウムクロリドなど)、並びにその混合物を含んでよい。保湿剤は、例えばソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、キシリトール、フラクトース、およびその混合物などのポリオールであってもよい。
美肌成分は、茶エキス(例えばからつ茶エキス、うれしの茶エキス、静岡茶エキスなど)、酒粕エキス(例えば純米大吟醸酒粕エキス、大吟醸酒粕エキス、純米吟醸酒粕エキス、吟醸酒粕エキスなど)、柑橘類エキス(例えばゲンコウエキス、スダチエキス、温州みかんエキスなど)、海藻エキス(例えば海苔エキスなど)、および植物エキス(例えばアスパラガスエキスなど)、並びにその混合物を含んでもよい。
これらの活性成分は単独で用いられても2種類以上併用されてもよい。薬学的に許容できる塩であれば、無機塩あるいは有機塩のいずれの形態の活性成分も当然含まれ得る。活性成分を皮膚に直接塗布し、その後に皮膚の同じ部分に、後述するマイクロニードルアレイ20を当ててもよい。この場合には、皮膚を引き伸ばす効果と皮膚上におけるODT(密封包袋療法)効果とにより、活性成分の皮膚への浸透を促進させることが可能となる。
粘着剤層14の質量は、例えば、500g/m2以上でもよいし、700g/m2以上でもよい。粘着剤層14の質量は、例えば、2000g/m2以下でもよいし、1500g/m2以下でもよい。粘着剤層14の質量は700~1500g/m2でもよく、この場合には、フィット感を高めると共に、より長期間にわたって付着性を維持させることができる。粘着剤層14の質量を上記のように設定することで、マイクロニードル貼付剤10全体の厚みを小さくでき、その結果、マイクロニードル貼付剤10は皮膚に追従しやすく且つ剥離しにくくなる。
剥離シート16は、マイクロニードル貼付剤10の使用前において粘着剤層14を保護するシート状の部材である。
剥離シート16には、その全長または全幅にわたって弱化部16aが形成されてもよい。弱化部16aは、剥離シート16を分断しやすくするために設けられる。図1の例では弱化部16aは直線状のミシン目であるが、弱化部16aの態様はこれに限定されない。例えば、弱化部16aは薄肉でもよいし、ハーフカットでもよいし、他の形態でもよい。弱化部16aは波形や鋸歯形などを呈してもよい。
剥離シート16として、ポリプロピレン(例えば、無延伸ポリプロピレンや延伸ポリプロピレンなど)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどのプラスチックフィルムが用いられてもよいし、合成樹脂、合成紙、または合成繊維にシリコン加工して得られるシリコン加工紙が用いられてもよいし、アルミ箔またはクラフト紙にポリエチレンなどをラミネートして得られるラミネート加工紙などが用いられてもよい。剥離シート16は無色でもよいし、少なくとも一部が着色されていてもよい。
マイクロニードルアレイ20は、皮膚を穿刺あるいは押圧するための器具である。図1の例は一つのマイクロニードルアレイ20を示すが、複数のマイクロニードルアレイ20が粘着剤層14に埋め込まれてもよい。複数のマイクロニードルアレイ20を用いる場合には、それらの形状および寸法が統一されていてもよいし、形状および寸法の少なくとも一方が互いに異なってもよい。
一例では、マイクロニードルアレイ20の少なくとも一部は粘着剤層14により埋められる(すなわち、マイクロニードルアレイ20の少なくとも一部が粘着剤層14内に位置する)。例えば、それぞれのマイクロニードル22の少なくとも一部が粘着剤層14内に位置してもよい。マイクロニードルアレイ20の全体が粘着剤層14により埋められてもよい(すなわち、それぞれのマイクロニードル22の全体が粘着剤層14内に位置してもよい)。
図2はマイクロニードルアレイ20の一例を示す拡大斜視図である。一例では、マイクロニードルアレイ20は、基板21と、その基板21上に設けられた少なくとも一つのマイクロニードル22とを備える。
マイクロニードルアレイ20(基板21およびマイクロニードル22)の材料として、例えば、シリコン、二酸化ケイ素、セラミック、金属(ステンレス、チタン、ニッケル、モリブテン、クロム、コバルト等)、合成または天然の樹脂素材などが用いられてもよい。あるいは、マイクロニードル22の抗原性および材料の単価を考慮して、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリ乳酸-co-ポリグリコリド、プルラン、カプロラクトン、ポリウレタン、ポリ無水物などの生分解性ポリマーが用いられてもよいし、非分解性ポリマーであるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィン共重合体、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、硬質塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリオキシメチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などの合成または天然の樹脂素材が用いられてもよい。あるいは、多糖類であるヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、プルラン、デキストラン、デキストリン若しくはコンドロイチン硫酸、セルロース誘導体などが用いられてもよい。マイクロニードル22が皮膚上で折れる可能性を考慮して生分解性樹脂が採用されてもよく、例えばポリ乳酸が用いられてもよい。ポリ乳酸には、ポリL-乳酸、ポリD-乳酸等のポリ乳酸ホモポリマー、ポリL/D-乳酸共重合体、およびこれらの混合体などが存在するが、これらのいずれが用いられてもよい。ポリ乳酸の平均分子量が大きいほどその強度は強くなり、例えば平均分子量が40000~100000のポリ乳酸が用いられてもよい。基板21およびマイクロニードル22は、同じ素材で作製されてもよいし、互いに異なる素材で作製されてもよい。
基板21は、マイクロニードル22を支持するための土台である。本開示では、マイクロニードル22が立ち上がっている方の面を基板21の主面といい、該主面の反対側を基板21の裏面という。図1の例では、基板21の裏面は支持体12の主面に接する。基板21の寸法は粘着剤層14の寸法を考慮して決定されてよい。図1の例では基板21の面積は粘着剤層14の面積よりも小さい。別の例では、基板21と粘着剤層14とで面積が同じでもよい。あるいは、基板21の方が粘着剤層14より面積が大きくてもよく、この場合には、基板21の一部が露出することになる。基板21の面積は0.5cm2~300cm2でもよいし、1cm2~100cm2でもよいし、1cm2~50cm2でもよい。あるいは、基板21の面積は0.5cm2~10cm2、0.5cm2~5cm2、1cm2~5cm2、0.5cm2~3cm2、または1cm2~3cm2であってよい。この基板21を数個つなげることで所望の大きさの基板を形成してもよい。基板21の厚さの下限は5μmでも20μmでもよく、その厚さの上限は1000μmでも300μmでもよい。
マイクロニードル22は、基板21の主面から立ち上がった微小な構造物である。マイクロニードル22は、基板21と接続する底部から先端部に向けて細くなるテーパ状を呈する。本明細書における「マイクロニードル」は、広い意味での針形状の構造物、および針形状を含む構造物だけでなく、先の尖っていない形状も含む概念である。
マイクロニードル22の密度の下限は例えば0.05本/cm2、1本/cm2、100本/cm2、200本/cm2、300本/cm2、または400本/cm2でもよい。一方、その密度の上限は例えば10000本/cm2、5000本/cm2、2000本/cm2、または850本/cm2でもよい。密度の下限は、1mgの活性成分を投与し得る針の本数と必要な面積とから換算した値である。密度の上限は、針の形状を考慮した上での限界値である。
マイクロニードル22の長さの下限は20μmでも50μmでもよく、その上限は1000μmでも600μmでも500μmでもよい。マイクロニードル22の長さとは、基板21と接続する底部から先端までの距離である。マイクロニードル22の長さを20μm以上とするのは、活性成分の経皮吸収を確実にするためである。マイクロニードル22の長さを600μm以下とすることにより、マイクロニードル22が神経に接触するのを回避して、痛みを生じる可能性を減少させるとともに、出血の可能性を回避できる。マイクロニードルの長さが500μm以下であると、皮内に入るべき量の活性成分を効率良く投与でき、例えば基底膜を穿孔させずに活性成分を投与することも可能になる。一例では、マイクロニードル22の長さは、通常使用において皮膚の角質層を貫通しないように選択されるが、一部のマイクロニードル22が角質層を貫通することもあり得る。すなわち、マイクロニードル22により表皮が引き伸ばされて薄くなり、その浸透しやすくなった表皮に活性成分が浸透するが、角質に形成された穴から活性成分の一部が皮膚内に入り込むこともあり得る。
図2の例では、マイクロニードル22は立体形状である。例えば、マイクロニードル22は円錐でもよいし、四角錐などの任意の角錐でもよい。マイクロニードル22は錐体でなくてもよく、例えば先端部が平坦であったり丸みを帯びたりしていてもよい。平坦なまたは丸みを帯びた先端部は、意図的に加工することで得られる場合もあれば、そのような加工をしなくても結果的に得られる場合もある。先端部が平坦である場合には、その平坦部の面積は20~600μm2であってもよいし、50~250μm2であってもよい。先端部が丸みを帯びている場合には、先端部の曲率半径が2~100μmであってもよいし、5~30μmであってもよい。
立体形状のマイクロニードル22を有するマイクロニードルアレイ20の製法として、シリコン基板を用いたウエットエッチング加工またはドライエッチング加工、金属または樹脂を用いた精密機械加工(放電加工、レーザ加工、ダイシング加工、ホットエンボス加工、射出成型加工など)、および機械切削加工が挙げられる。これらの加工法により、基板21とマイクロニードル22とが一体に成型される。マイクロニードル22を中空にする手法として、マイクロニードル22を作製した後にレーザ加工などで二次加工する方法が挙げられる。
マイクロニードル22に活性成分が含まれていてもよいし、活性成分を含むコーティングがマイクロニードル22の表面上に形成されてもよい。
マイクロニードル22は平面形状であってもよい。例えば、マイクロニードル22は三角形でもよいし、菱形などの他の形状でもよい。平面形状のマイクロニードル22は、基板21を打ち抜いてマイクロニードル22を形作り、そのマイクロニードル22を基板21から立ち上げることで出来上がる。したがって、基板21とマイクロニードル22とで厚さが同じである。基板21が金属であれば、薬液でそのシートを打ち抜くことで多数のマイクロニードル22を形成し、そのマイクロニードル22を起こすことでマイクロニードルアレイ20を形成することができる。基板21が非金属であれば、レーザでその基板21を打ち抜くことで多数のマイクロニードル22を形成し、金属シートの場合と同様にそのマイクロニードル22を起こせばよい。これらのようにエッチングを用いる場合には、各マイクロニードル22の周囲に空隙が生ずる。
マイクロニードル22が立体形状であるか平面形状であるかに関わらず、マイクロニードル22の先端が向く方向(マイクロニードル22の先端方向)は、基板21の面に対して垂直でもよいし、その面に対して鋭角の方向(すなわち、マイクロニードル22の傾斜角度が0度より大きくかつ90度未満)でもよい。
次に、マイクロニードル貼付剤10の製造方法の一例を説明する。まず、剥離シート16上に粘着剤組成物を展延させることで粘着剤層14を形成する。続いて、個々のマイクロニードル22の少なくとも一部が粘着剤層14内に埋まるようにマイクロニードルアレイ20を粘着剤層14上に配置する。続いて、支持体12の主面と基板21の裏面とが接するように支持体12を粘着剤層14およびマイクロニードルアレイ20の上に載せる。この結果、粘着剤層14およびマイクロニードル22は、支持体12と剥離シート16とによって挟み込まれる。
マイクロニードル貼付剤10は包装袋の内部で保管されてもよい。このような保管方法によって、粘着剤層14の水含有量の低下を抑制するとともに、粘着剤層14へのゴミ等の付着を低減することができる。マイクロニードル貼付剤10は複数回折り畳まれた状態で包装袋に保管されてもよい。この場合には、マイクロニードル貼付剤10の保管に必要なスペースが節約されるので、包装袋に使用する資材を少なくできる。
以上、本開示の実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記の例に限定されるものではない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
上記の例ではマイクロニードル貼付剤10は略矩形を呈するが、マイクロニードル貼付剤は他の形状を有してもよい。例えばマイクロニードル貼付剤は正方形、円、楕円、三日月形、勾玉形、他の多角形などの任意の形状であってよい。上記の例ではマイクロニードルアレイ20の形状は略矩形であるが、マイクロニードルアレイは他の形状を有してもよい。例えばマイクロニードルアレイは正方形、円、楕円、三日月形、他の多角形などの任意の形状であってよい。マイクロニードルアレイの形状は、マイクロニードル貼付剤の形状と同じでもよいし異なってもよい。
[付記]
本開示は以下に示す態様を含む。
(付記1)
支持体と、
前記支持体の主面に設けられた粘着剤層と、
少なくとも一部が前記粘着剤層内に位置するマイクロニードルアレイと、
を備え、
前記粘着剤層が、総量が11~20質量%である水溶性高分子と、3.5~7質量%であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、2質量%以上かつ5質量%未満であるポリアクリル酸部分中和物と、0.22~1質量%である架橋剤とを含む、
マイクロニードル貼付剤。
(付記2)
支持体と、
前記支持体の主面に設けられた粘着剤層と、
少なくとも一部が前記粘着剤層内に位置するマイクロニードルアレイと、
を備え、
前記粘着剤層が、総量が11~20質量%である水溶性高分子と、0.5質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、1質量%以上かつ5質量%未満であるポリアクリル酸部分中和物と、1~9質量%である架橋剤とを含む、
マイクロニードル貼付剤。
(付記3)
支持体と、
前記支持体の主面に設けられた粘着剤層と、
少なくとも一部が前記粘着剤層内に位置するマイクロニードルアレイと、
を備え、
前記粘着剤層が、総量が11~20質量%である水溶性高分子と、0.5質量%以上かつ3.5質量%未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、5~10質量%であるポリアクリル酸部分中和物と、0.18~0.7質量%である架橋剤とを含む、
マイクロニードル貼付剤。
本発明者は、付記1~3のそれぞれについて、マイクロニードルの少なくとも一部を覆う粘着剤層の構成成分を該付記に示すように設定することで、皮膚に適用したマイクロニードル貼付剤を、マイクロニードルアレイをその皮膚上に残すことなく剥がすことができることを見出した。
以下、実施例を具体的に説明するが、本開示はそれらに限定されるものではない。
下記の表1に示す組成(単位:質量%)に従って6種類の粘着剤組成物を調製した。6種類の粘着剤組成物のそれぞれを用いて、上記に例示した製造方法によってマイクロニードル貼付剤を作製した。マイクロニードル貼付剤は、面積が15cm2である略矩形とした。粘着剤層の質量は1000g/m2であった。マイクロニードルアレイについては、厚さが700μmであり面積が1.4cm2である円形の基板上に、長さが500μmのマイクロニードルを640本/cm2の密度で設けた。支持体として、目付が100g/m2であるPET製不織布を用いた。マイクロニードルの全体が埋まるように粘着剤層を形成した。以下では、6種類のマイクロニードル貼付剤を実施例1,2および比較例1~4として区別する。
製造から14日間、環境温度25℃および相対湿度50%の条件下でマイクロニードル貼付剤を包材中で保管することで、6種類のマイクロニードル貼付剤のそれぞれの架橋反応を十分に収束させた。そして、それぞれのマイクロニードル貼付剤から粘着剤層を剥がし、レオメータ「HAAKE MARS」(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いて以下の測定条件下で該粘着剤層の動的粘弾性測定を行った。そして、測定された貯蔵弾性率(G’)および損失弾性率(G”)から上記(1)により損失正接(tanδ)を算出した。
[測定条件]
・試料部:直径20mmの平板
・ギャップ間隔:1mm
・試料量:0.8~1.2g
・環境温度:25℃(この環境温度は、作業空間の温度と、レオメータのうち、粘着剤層に接する部分の温度との双方に対応する。)
・周波数:1Hz
・歪:1%
比較例1を除く5種類のマイクロニードル貼付剤のそれぞれについて90°剥離試験を行った。比較例1では粘着剤層の付着性が低く、マイクロニードル貼付剤が貼付対象から容易に脱落するものであったため、この比較例1は評価から除外した。マイクロニードル貼付剤をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)板に貼り付け、その15分後に、オートグラフを用いて環境温度25℃および剥離速度50mm/minの条件で90°剥離試験を行った。比較例1を除く5種類のマイクロニードル貼付剤のそれぞれについて、この試験を3回行った。試験時にマイクロニードルアレイがマイクロニードル貼付剤から脱落しなかった場合のスコアを「1」とし、脱落した場合のスコアを「0」として、3回のスコアの平均値を最終的なスコアとして得た。
比較例1を除く5種類のマイクロニードル貼付剤のそれぞれについて剥離官能試験を行った。5人の被験者の上腕部にマイクロニードル貼付剤を貼り付け、その15分後にマイクロニードル貼付剤を皮膚から剥がした。この剥離の際に、マイクロニードルアレイがマイクロニードル貼付剤から脱落したか否かを目視で確認した。試験時にマイクロニードルアレイがマイクロニードル貼付剤から脱落しなかった場合のスコアを「1」とし、脱落した場合のスコアを「0」として、5人のスコアの平均値を最終的なスコアとして得た。
上記の表1は、算出された損失正接と、2種類の試験の結果とについても示す。実施例1,2の90°剥離試験スコアおよび剥離官能試験スコアがいずれも1であることは、マイクロニードルアレイがマイクロニードル貼付剤から一度も脱落しなかったことを示す。比較例2の90°剥離試験スコアおよび剥離官能試験スコアがいずれも0であることは、すべてのマイクロニードル貼付剤でマイクロニードルアレイが脱落したことを示す。比較例3,4での剥離官能試験スコアが0.4であることは、5人中3人でマイクロニードルアレイがマイクロニードル貼付剤から脱落したことを示す。
上述した6種類の粘着剤組成物と同様の手法により、下記の表2~表6に示す組成(単位:質量%)に従って更に38種類の粘着剤組成物を調製し、それぞれの粘着剤組成物を用いてマイクロニードル貼付剤を作製した。以下では、38種類のマイクロニードル貼付剤を実施例3~18および比較例5~26として区別する。追加した38種類のマイクロニードル貼付剤のそれぞれについても、上記6種類のマイクロニードル貼付剤と同様に、粘着剤層の損失正接を算出し、90°剥離試験および剥離官能試験を実施した。ただし、マイクロニードル貼付剤を作製できなかった比較例と、粘着剤層の付着性が低く、マイクロニードル貼付剤が貼付対象から容易に脱落した比較例とについては、評価から除外した。比較例12については、90°剥離試験のスコアが「0」であったことを受けて、剥離官能試験を省略した。
表2~表5は、「水溶性高分子」、「架橋剤」、および「EDTA/架橋剤」という3行を更に含む点で表1と異なる。「水溶性高分子」行は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびポリビニルアルコールの質量%の合計を示す。すなわち、「水溶性高分子」行は水溶性高分子の総量を示す。「架橋剤」行は、ミョウバンおよびケイ酸アルミニウムの質量%の合計を示す。「EDTA/架橋剤」行は、架橋剤に対するエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの割合を示す。表1に示す実施例1,2および比較例1~4は、必要に応じて表2~表5でも改めて示される。
表2は上記の第1~第12の例に関連する。表2は、水溶性高分子の総量が11~20質量%の範囲から外れると、損失正接が0.20~0.41の範囲から外れ、90°剥離試験スコアおよび剥離官能試験スコアの少なくとも一方が「1」ではなくなることを示す。すなわち、水溶性高分子の総量がその所定の範囲から外れると、試験時あるいは剥離時にマイクロニードルアレイがマイクロニードル貼付剤から脱落したか、マイクロニードル貼付剤を作製できなかったか、あるいは、粘着剤層の付着性が低いためにマイクロニードル貼付剤が貼付対象から容易に脱落した。
表3は上記の第1、第2、第7、および第8の例に関連する。表3は、カルボキシメチルセルロースナトリウムの量が3.5~7質量%の範囲から外れるか、ポリアクリル酸部分中和物の量が2質量%以上かつ5質量%未満の範囲から外れるか、または架橋剤の量が0.22~1質量%の範囲から外れると、損失正接が0.20~0.41の範囲から外れ、90°剥離試験スコアおよび剥離官能試験スコアの少なくとも一方が「1」ではなくなることを示す。すなわち、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、または架橋剤の量が、対応するその所定の範囲から外れると、試験時あるいは剥離時にマイクロニードルアレイがマイクロニードル貼付剤から脱落したか、マイクロニードル貼付剤を作製できなかったか、あるいは、粘着剤層の付着性が低いためにマイクロニードル貼付剤が貼付対象から容易に脱落した。
表4は上記の第3、第4、第9、および第10の例に関連する。表4は、カルボキシメチルセルロースナトリウムの量が0.5質量%以上かつ3.5質量%未満の範囲から外れるか、ポリアクリル酸部分中和物の量が1質量%以上かつ5質量%未満の範囲から外れるか、または架橋剤の量が1~9質量%の範囲から外れると、損失正接が0.20~0.41の範囲から外れ、90°剥離試験スコアおよび剥離官能試験スコアの少なくとも一方が「1」ではなくなることを示す。すなわち、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、または架橋剤の量が、対応するその所定の範囲から外れると、試験時あるいは剥離時にマイクロニードルアレイがマイクロニードル貼付剤から脱落したか、マイクロニードル貼付剤を作製できなかったか、あるいは、粘着剤層の付着性が低いためにマイクロニードル貼付剤が貼付対象から容易に脱落した。
表5は上記の第5、第6、第11、および第12の例に関連する。表5は、カルボキシメチルセルロースナトリウムの量が0.5質量%以上かつ3.5質量%未満の範囲から外れるか、ポリアクリル酸部分中和物の量が5~10質量%の範囲から外れるか、または架橋剤の量が0.18~0.7質量%の範囲から外れると、損失正接が0.20~0.41の範囲から外れ、90°剥離試験スコアおよび剥離官能試験スコアの少なくとも一方が「1」ではなくなることを示す。すなわち、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、または架橋剤の量が、対応するその所定の範囲から外れると、試験時あるいは剥離時にマイクロニードルアレイがマイクロニードル貼付剤から脱落したか、マイクロニードル貼付剤を作製できなかったか、あるいは、粘着剤層の付着性が低いためにマイクロニードル貼付剤が貼付対象から容易に脱落した。
表6は、表2~表5と同様に、「水溶性高分子」、「架橋剤」、および「EDTA/架橋剤」という3行を含む。ただし、表6での「架橋剤」行は、ミョウバン、ケイ酸アルミニウム、およびメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの質量%の合計を示す。実施例15は、ミョウバンを用いなくても損失正接を0.20~0.41の範囲に設定できることを示す。実施例16,17は、グリセリンを用いなくても損失正接を0.20~0.41の範囲に設定できることを示す。実施例18は、酒石酸を用いなくても損失正接を0.20~0.41の範囲に設定できることを示す。実施例15~18のいずれにおいても、その損失正接の結果に対応して、90°剥離試験スコアおよび剥離官能試験スコアの双方が「1」であった。