[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造について図1~図5を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRはシート前方側を示しており、矢印UPはシート上方側を示しており、矢印Wはシート幅方向(シート左右方向)を示している。
(構成)
図1には、第1の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造11を備えた車両用シート10の上部が正面斜め上方側から見た状態で簡略化されて示されている。車両用シート10は、着座乗員の臀部及び大腿部を支持するシートクッション(図示省略)と、着座乗員の背部を支持するシートバック12と、着座乗員の頭部を支持するヘッドレスト20と、を備えている。
シートバック12は、骨格部材であるバックフレーム14に、クッション材であるバックパッド(図示省略)が被せ付けられると共に、当該バックパッドの表面が表皮材であるトリムカバー18によって覆われた構成になっている。バックフレーム14は、シートバック高さ方向に延びる左右一対のサイドフレーム(図示省略)と、当該左右一対のサイドフレームの上端部を連結する長尺パイプ状のアッパフレーム14Aと、を備えている。アッパフレーム14Aはシート正面視で横長の略逆U字形状に形成されている。アッパフレーム14Aにおけるシート幅方向延在部分の前側部分には、ヘッドレスト20を連結するための左右一対の筒状のホルダ16が溶接によって固定されている。ホルダ16の筒内には、樹脂製で筒状のブッシュ26が挿入されている。ブッシュ26の上端部は鍔状になっており、シートバック12の上端部において露出されている。
ヘッドレスト20は、骨格部材であるヘッドレストステー22の上部に、クッション材であるヘッドレストパッド(図示省略)が被せ付けられると共に、当該ヘッドレストパッドの表面が表皮材であるトリムカバー24によって覆われた構成になっている。ヘッドレストパッド(図示省略)がトリムカバー24によって覆われた部分は、ヘッドレスト本体20Aを構成している。ヘッドレストステー22は、例えば金属製のパイプが曲げ加工されることにより、略逆U字状に形成されており、ヘッドレスト本体20Aの内部から下方へ延出される脚部22Aを備えている。ヘッドレストステー22の左右一対の脚部22Aは、左右一対のブッシュ26内に挿入されて左右一対のホルダ16を介してバックフレーム14の上端部に連結されている。
ブッシュ26内には、図2Aに示されるロック用デバイス30が組み込まれている。本実施形態において、ロック用デバイス30は、ブッシュ26の射出成形時にブッシュ26と一体成形されている。図2Aは、ロック用デバイス30の上面32Uに沿った高さ位置でブッシュ26等を切断して示す平断面図であり、図2Bは図2Aの2B-2B線に沿って切断した縦断面図である。なお、図2Bでは、便宜上、ヘッドレストステー22の脚部22Aの上下方向の図示の範囲をブッシュ26の上下方向の図示の範囲よりも広くしている。
図2A及び図2Bに示されるように、ロック用デバイス30は、筒状に形成された筒状部材32を備えている。なお、筒状部材32の上側の端面である上面32Uは、ロック用デバイス30の上面32Uを成す。筒状部材32には、ヘッドレストステー22の脚部22Aが挿通されている。筒状部材32の内周面32Nには、その周方向に沿って環状かつ凹状に形成された凹部32Xが設けられている。図2Bに示されるように、凹部32Xは、その開口端側から凹底側へ向けて徐々に互いの上下対向間隔を狭めるように傾斜した上下一対のテーパ部32Bを備えている。テーパ部32Bは、筒状部材32の内周面32Nにおいて、小径部32Aと、小径部32Aよりも拡径された大径部32Cと、を接続している。本実施形態では、大径部32Cは、筒状部材32の軸方向中間部において筒状部材32の軸方向に沿って延在している。
図2Aに示されるように、筒状部材32の凹部32X内には、筒状部材32の内周面32Nの周方向に並ぶ複数のボール34が配置されている。図2A及び図2Bに示されるように、複数のボール34は、筒状部材32とヘッドレストステー22の脚部22Aとの両方に接触すると共に摩擦力によって脚部22Aを保持し更に図2Bに示される脚部22Aを上下動させた場合に上下一対のテーパ部32Bによって筒状部材32の内周面32Nに対する上下方向の相対変位が規制されつつ回転可能とされている。
図2Aに示されるように、周方向に互いに隣り合うボール34同士は、ボール連結部材36によって連結されている。ボール連結部材36は、筒状部材32内でボール34がばらばらにならないように設けられたものであり、ボール34の回転可能状態が維持されるような取り付け形態でボール34に取り付けられている。
また、図2Bに示されるように、筒状部材32の内周面32Nの周方向に並ぶ複数のボール34は、脚部22Aの軸線方向に複数組並んで設けられている。なお、図2Bでは、便宜上、筒状部材32内の上下方向中間部に配置されるボール34の図示を省略し、省略記号として省略箇所の上部において縦に「・・・」を付しているが、実際には省略箇所に上二組と同様の複数のボール34が脚部22Aの軸線方向に複数組並んで配置されている。複数のボール34の組数は、ヘッドレストステー22の上下動に必要な操作力を調整するのに寄与する要素であり、設計時に設定される。本実施形態では、互いに上下に隣り合うボール34同士の間には、ボール連結部材36の一部が介在されて、互いに上下に隣り合うボール34同士が干渉しないようになっている。複数のボール34のうち最上段及び最下段に配置されるものは、テーパ部32Bに接している。
一方、ヘッドレストステー22の脚部22Aの下端部は、ロック用デバイス30及びブッシュ26の各下端よりも下方側に配置される。ヘッドレストステー22の脚部22Aの下端部には、その周方向の所定部位に他の部位と比べて僅かに半径方向外側に突出した微小突起22A1が形成されている。微小突起22A1は、ヘッドレストステー22の脚部22Aをロック用デバイス30から抜けにくくするための要素である。この微小突起22A1は、ユーザーがある程度の力でヘッドレスト20を引き上げた場合にはヘッドレスト20をロック用デバイス30から抜くことができる程度に設定されている。なお、ヘッドレストステー22をロック用デバイス30及びブッシュ26に組み付ける際は、微小突起22A1がボール34を通過する際にはそれ相応の押し込み力が必要となるが、微小突起22A1がボール34を通過した後は必要な押し込み力(挿入力)が下がることになる。
なお、熱による操作力への影響を抑えるため、ヘッドレストステー22、筒状部材32及びボール34には、一例として鉄鋼材料が用いられている。
(基本原理に関する補足説明)
次に、図3~図5を参照しながら、基本原理に関する補足説明をする。なお、図3~図5は、基本原理を説明するための模式的な図であるが、便宜上、第1の実施形態で説明した構成要素と同様の構成要素については同一符号を付す。また、図3及び図4において一点鎖線CLはヘッドレストステー22の脚部22Aの中心軸線を示す。
まず、ヘッドレスト20が静止状態にあるときの力の釣り合いについて図3を参照しながら説明する。
図3において、ボール34の質量をmbとし、ヘッドレストステー22を含むヘッドレスト20全体の質量をmsとし、重力加速度をgとする。また、ボール34と筒状部材32の大径部32Cとの接触部分における最大静止摩擦力をfwとし、ボール34とヘッドレストステー22の脚部22Aとの接触部分における最大静止摩擦力をfsとする。さらに、筒状部材32の大径部32Cによるボール34に対する垂直抗力をNwとし、ヘッドレストステー22の脚部22Aによるボール34に対する垂直抗力をNsとする。
ボール34の釣り合いの式から、以下の(式1)及び(式2)が成立する。
(mb+ms)g=fw+fs・・・(式1)
Ns=Nw・・・(式2)
また、ボール34と筒状部材32の大径部32Cとの接触部分における静止摩擦係数をμwとし、ボール34とヘッドレストステー22の脚部22Aとの接触部分における静止摩擦係数をμsとすると、摩擦の関係式から、以下の(式3)及び(式4)が成立する。
fs=μsNs・・・(式3)
fw=μwNw・・・(式4)
上記の(式1)~(式4)から、以下の(式5)が成立する。
(mb+ms)g=(μs+μw)Ns・・・(式5)
上記の(式5)よりNsを求めると、以下の(式6)となる。
Ns=((mb+ms)/(μs+μw))g・・・(式6)
上記の(式6)は、ボール34が落ちない条件を示す。
また、ヘッドレストステー22の釣り合いの式から、以下の(式7)が成立する。
fs=msg・・・(式7)
上記の(式3)及び(式7)から、以下の(式8)が成立する。
μsNs=msg・・・(式8)
上記の(式8)よりNsを求めると、以下の(式9)となる。
Ns=(ms/μs)g・・・(式9)
上記の(式9)は、ヘッドレストステー22が落ちない条件を示す。この条件を満たすことで、図1に示されるヘッドレスト20の高さを調節する乗員がヘッドレスト20から離してもヘッドレスト20は落ちずに止まる。
次に、ヘッドレストステー22を上げる場合(通常使用時)について図4を参照しながら説明する。なお、図4では、図を見易くするため、便宜上、テーパ部32Bの傾斜角度を図3とは変えて図示している。
図4において、筒状部材32の上側のテーパ部32Bによるボール34に対する垂直抗力をNTとする。ボール34と筒状部材32の大径部32Cとの接触部分における動摩擦力をf’wとし、ボール34と筒状部材32の上側のテーパ部32Bとの接触部分における動摩擦力をf’Tとする。その他の符号は、図3と同様である。
ここで、図4に示されるボール34と筒状部材32の大径部32Cとの接触部分における動摩擦係数をμ’wとし、ボール34と筒状部材32の上側のテーパ部32Bとの接触部分における動摩擦係数をμ’Tとすると、μs>μ’T+μ’wであるから、ボール34の半径をrとすると、以下の(式10)が成立する。
fsr>(f’T+f’w)r・・・(式10)
すなわち、通常使用時にヘッドレストステー22を上げるための所定以上の力F(乗員による操作力)が作用すると、ボール34は矢印R方向に回転する。
次に、衝突時の力関係等について図5を参照しながら説明する。
図5において、ボール34と筒状部材32の上側のテーパ部32Bとの接触部分における最大静止摩擦力をfTとする。その他の符号は、図4と同様である。
ここで、図5において上側のテーパ部32Bの上下方向に対する傾斜角度をθとすると、以下の(式11)が成立する。
fscosθ+fT>mbgcosθ・・・(式11)
すなわち、衝突時は、ヘッドレストステー22の脚部22Aが短い時間で上昇しようとするので、筒状部材32とボール34との間における摩擦係数が静止摩擦係数のままでボール34は上側のテーパ部32Bを上がろうとし、所謂くさび楔効果で脚部22Aの上昇は止められる。
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図2A及び図2Bに示されるように、筒状部材32にはヘッドレストステー22の脚部22Aが挿通されている。筒状部材32の内周面32Nには、その周方向に沿って環状かつ凹状に形成された凹部32Xが設けられ、凹部32Xは、その開口端側から凹底側へ向けて徐々に互いの上下対向間隔を狭めるように傾斜した上下一対のテーパ部32Bを備えている。凹部32X内に配置された複数のボール34は、筒状部材32の内周面32Nの周方向に並び、筒状部材32とヘッドレストステー22の脚部22Aとの両方に接触すると共に摩擦力によって脚部22Aを保持し更に脚部22Aを上下動させた場合に上下一対のテーパ部32Bによって筒状部材32の内周面32Nに対する上下方向の相対変位が規制されつつ回転可能となっている。このため、図1に示されるヘッドレスト20のシート上下方向の高さを容易に無段階で調節することができる。
また、本実施形態では、図2Bに示されるように、筒状部材32の内周面32Nの周方向に並ぶ複数のボール34が、脚部22Aの軸線方向に複数組並んで設けられている。ここで、筒状部材32の内周面32Nの周方向に並ぶ複数のボール34について脚部22Aの軸線方向に並べる数を変えることで、ヘッドレストステー22の上下動に必要な操作力を容易に調整することができる。
以上説明したように、本実施形態のヘッドレスト支持部構造11によれば、ヘッドレストのシート上下方向の高さを容易に無段階で調節することができるという優れた効果を有する。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造について図6及び図7を用いて説明する。図6には、第2の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造40が縦断面図で示されており、図7には、ボール46の組み付けについて説明するための縦断面図が示されている。なお、図6では、ヘッドレストステー22の脚部22Aについては便宜上二点鎖線で外形のみを図示している。また、第2の本実施形態のヘッドレストステー22は、第1の実施形態のヘッドレストステー22(図1~図2B参照)と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
図6に示されるように、ヘッドレスト支持部構造40は、筒状に形成された筒状部材としての樹脂製の第一ブッシュ42を備えている。なお、第一ブッシュ42は、本実施形態では一例として樹脂製とされているが、鉄鋼製でもよい。第一ブッシュ42には、ヘッドレストステー22の脚部22Aが挿通されている。第一ブッシュ42の上端部には、半径方向外側に張り出した鍔状のフランジ部42Fが形成されている。また、第一ブッシュ42の下部には係止部42Kが形成されている。第一ブッシュ42の外周側でフランジ部42Fと係止部42Kとの間には、筒状で鉄鋼製の第二ブッシュ44が配置されている。
第一ブッシュ42の内周面42Nには、その周方向に沿って環状かつ凹状に形成された凹部42Xが設けられている。凹部42Xは、その開口端側から凹底側へ向けて徐々に互いの上下対向間隔を狭めるように傾斜した上下一対のテーパ部42Bを備えている。テーパ部42Bは、第一ブッシュ42の内周面42Nにおいて、小径部42Aと、小径部42Aよりも拡径された大径部42Cと、を接続している。本実施形態の大径部42Cは平面視で円形状を構成する線状に形成されており、凹部42Xは、縦断面視で横向きのV字状に形成されている。また、凹部42Xは、第一ブッシュ42の上下方向中間部に互いに間隔をあけて二個形成されている。
第一ブッシュ42の内周面42Nの凹部42X内には、第一ブッシュ42の内周面42Nの周方向に並ぶ複数のボール46が配置されている。なお、図6及び図7では、図を見易くするために、各凹部42Xに便宜上二個のボール46を図示しているが、実際には、多数のボール46が各凹部42Xに周方向に並ぶように配置される。複数のボール46は、第一ブッシュ42とヘッドレストステー22の脚部22Aとの両方に接触すると共に摩擦力によって脚部22Aを保持し更に脚部22Aを上下動させた場合に上下一対のテーパ部42Bによって第一ブッシュ42の内周面42Nに対する上下方向の相対変位が規制されつつ回転可能とされている。
また、本実施形態では、第一ブッシュ42の内周面42Nの周方向に並ぶ複数のボール46の中心を貫通する無端紐状のリング部材48が設けられている。製造時において複数のボール46の中心を貫通した紐状部材の両端が互いに接合されることで環状のリング部材48が形成される。リング部材48は、弾性を有しかつ弾性変形した場合に組付状態の形状に弾性復帰可能になっている。ボール46及びリング部材48は、ブレスレット状のボールモジュール49を構成している。ボール46及びリング部材48で構成されたボールモジュール49を第一ブッシュ42の凹部42Xに配置する際には、図7に示されるボールモジュール49を第一ブッシュ42の外側から内側に挿入させつつリング部材48を変形させ、最終的には図6に示されるように配置する。
また、本実施形態では、第一ブッシュ42の内周面42Nの周方向に並ぶ複数のボール46が、脚部22Aの軸線方向に複数組(一例として二組)並んで設けられている。
以上説明した第2の実施形態の構成によっても、前述した第1の実施形態と実質的に同様の作用及び効果が得られる。また、第2の実施形態では、複数のボール46を凹部42X内に配置させる際に、無端紐状のリング部材48によって複数のボール46を容易に凹部42X内の適正位置に配置させることができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造について図1を援用しつつ図8を用いて説明する。図8には、第3の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造50が縦断面図で示されている。
図8に示されるように、ヘッドレスト支持部構造50は、ヘッドレスト本体20A(図1参照)の内部から下方へ延出される脚部52Aを備えるヘッドレストステー52を有している。ヘッドレストステー52の脚部52Aの外周面52Gには、その脚部52Aの外周面52Gの周方向に沿って環状かつ凹状に形成された凹部52Xが設けられている。凹部52Xは、その開口端側から凹底側へ向けて徐々に互いの上下対向間隔を狭めるように傾斜した上下一対のテーパ部52Tを備えている。凹部52Xは、縦断面視で横向きのV字状に形成され、上下方向に互いに間隔をあけて一例として計三個形成されている。
また、ヘッドレスト支持部構造50は、筒状に形成されてヘッドレストステー52の脚部52Aが挿通される筒状部材としての第一ブッシュ54を備えている。第一ブッシュ54の上端部には、半径方向外側に張り出した鍔状のフランジ部54Fが形成されている。また、第一ブッシュ54の下部には係止部54Kが形成されている。第一ブッシュ54の外周側でフランジ部54Fと係止部54Kとの間には、筒状で鉄鋼製の第二ブッシュ55が配置されている。
ヘッドレストステー52の凹部52X内には、ヘッドレストステー52の脚部52Aの外周面52Gの周方向に並ぶ複数のボール56が配置されている。複数のボール56は、第一ブッシュ54とヘッドレストステー52の脚部52Aとの両方に接触すると共に摩擦力によって脚部52Aを保持し更に脚部52Aを上下動させた場合に上下一対のテーパ部52Tによってヘッドレストステー52の外周面52Gに対する上下方向の相対変位が規制されつつ回転可能とされている。
また、本実施形態では、ヘッドレストステー52の脚部52Aの外周面52Gの周方向に並ぶ複数のボール56の中心を貫通する無端紐状のリング部材58が設けられている。リング部材58は、弾性を有しかつ弾性変形した場合に組付状態の形状に弾性復帰可能になっている。
また、本実施形態では、ヘッドレストステー52の脚部52Aの外周面52Gの周方向に並ぶ複数のボール56が、脚部22Aの軸線方向に複数組(一例として三組)並んで設けられている。
以上説明した第3の実施形態の構成によっても、前述した第2の実施形態と実質的に同様の作用及び効果が得られる。なお、複数のボール56が配置された凹部52Xの個数を変更すれば、ヘッドレストステー52の上下動に必要な操作力を調整することができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造について、図9及び図10を用いて説明する。図9には、第4の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造60が縦断面図で示されている。また、図10には、ヘッドレスト支持部構造60の一部が分解断面図で示されている。図9及び図10に示される第4の実施形態の構成は、以下に説明をする点を除いて第1の実施形態と実質的に同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図9に示されるように、ヘッドレストステー62の脚部62Aは、図2B等に示される第1の実施形態におけるヘッドレストステー22の脚部22Aの微小突起22A1に代えて図9に示される切欠部62A1が形成されている点で図1~図2Bに示される第1の実施形態のヘッドレストステー22とは異なるが他の点は第1の実施形態のヘッドレストステー22と同様の構成である。図9に示される切欠部62A1は、衝突時(衝撃時)におけるヘッドレストステー62の脚部62Aの抜け止め防止用とされている。この点については後述する。
ヘッドレスト支持部構造60は、第1の実施形態におけるロック用デバイス30(図2A及び図2B参照)と同様のロック用デバイス30を備えている。ロック用デバイス30の筒状部材32の外周側には、樹脂製の上側ブッシュ64が設けられている。上側ブッシュ64は、略筒状とされると共に、ヘッドレストステー62の脚部62Aが挿通される。上側ブッシュ64の上端部には、厚板円環状のストッパ部64Sが形成されている。
ストッパ部64Sには、ロック部材66が設けられている。ロック部材66は、全体としてプレート状とされ、ストッパ部64Sの上部の一部にプッシュ用ノブ66Aを備えている。プッシュ用ノブ66Aは、リターンスプリング(図示省略)の付勢力に抗して上側ブッシュ64の軸心側へ向かう方向にプッシュ操作可能とされている。また、ロック部材66は、平面視でヘッドレストステー62の脚部62Aが貫通される貫通孔66Hを有すると共に、貫通孔66Hの周縁部の一部を構成してヘッドレストステー62の脚部62Aに接離可能なロック部66Bを備えている。
以上により、ヘッドレストステー62の脚部62Aが上側ブッシュ64に対して上方側に抜けそうになった場合には、ロック部66Bが脚部62Aの下端部側の切欠部62A1に嵌まって抜け止めがなされるようになっている。
また、ストッパ部64Sの内周端と外周端との中間部の下方側には筒状の胴部64Aが連続して形成されている。また、ストッパ部64Sの下面かつ内周端側には、筒状部材32の上面32U側に突出して筒状部材32の上面32Uに接する潰しリブ64Rが形成されている。潰しリブ64Rは、寸法ばらつきの吸収用とされる。さらに、胴部64Aの下端部側には、上側ブッシュ64の軸心側に開口する窪み状の係合凹部68が形成されている。
一方、ロック用デバイス30の筒状部材32の下端部32Zに対して下方側には下側ブッシュ70が隣接して設けられている。下側ブッシュ70は、略筒状とされると共に、ヘッドレストステー62の脚部62Aが挿通される。下側ブッシュ70の下部には係止部70Kが形成されている。下側ブッシュ70の上部には、筒状部材32の下端部32Z側に突出して筒状部材32の下端部32Zに接する潰しリブ70Rが形成されている。潰しリブ70Rは、寸法ばらつきの吸収用とされる。
また、下側ブッシュ70の上部で潰しリブ70Rよりも半径方向外側には、上側ブッシュ64の係合凹部68に係合及び係合解除可能な突起状の係合爪72Aを備えたロック部材72が設けられている。ロック部材72は、全体としてL字状に形成され、係合爪72Aが形成された上部から下方側に延出された第一片部72Bと、第一片部72Bの下端部から下側ブッシュ70の半径方向外側に延出された第二片部72Cと、を備えている。ロック部材72は、リターンスプリング(図示省略)によって下側ブッシュ70の半径方向外側に付勢されている。第二片部72Cの端末部72C1は、通常状態では下側ブッシュ70の外周面から突出しており、リターンスプリング(図示省略)の付勢力に抗して下側ブッシュ70の軸心側へ向けて(矢印72P参照)押圧操作可能とされている。
ロック部材72は、第二片部72Cの端末部72C1が押圧操作されていない状態では係合爪72Aが上側ブッシュ64の係合凹部68に係合される。また、ロック部材72は、第二片部72Cの端末部72C1が押圧操作された状態では係合爪72Aと上側ブッシュ64の係合凹部68との係合が解除される。これらによって、下側ブッシュ70は、上側ブッシュ64の下端部側に係合及び係合解除可能に設けられている。
ここで、図9に示されるヘッドレスト支持部構造60の組み付けについて説明する。まず、図10に示される上側ブッシュ64に対してロック用デバイス30を下から挿入する(矢印S1参照)。次に、上側ブッシュ64及びロック用デバイス30に対して、下側ブッシュ70を下方側から接近させて(矢印S2参照)下側ブッシュ70の係合爪72Aを上側ブッシュ64の係合凹部68に係合させる。最後に、図9に示されるように、上側ブッシュ64、ロック用デバイス30及び下側ブッシュ70の軸心を通るようにヘッドレストステー62の脚部62Aを上から挿入することで、図11に示されるヘッドレスト支持部構造60が得られる。
以上説明した第4の実施形態の構成によっても、前述した第1の実施形態と同様の作用及び効果が得られる。また、第4の本実施形態では、下側ブッシュ70に設けられたロック部材72が押されると、ロック部材72の係合爪72Aと上側ブッシュ64の係合凹部68との係合(ロック)が解除されるので、ロック用デバイス30、上側ブッシュ64及び下側ブッシュ70を容易に解体することができる。
[第4の実施形態の変形例]
次に、図11を参照しながら第4の実施形態の変形例について説明する。図11には、第4の実施形態の変形例におけるヘッドレストステー74の脚部74Aの下端部側を下方側から見た状態の底面図が示されている。なお、ヘッドレストステー74は、以下に説明する点を除いて、図9に示されるヘッドレストステー62と同様の構成とされる。
上記第4の実施形態の構成では、ヘッドレストステー62の脚部62Aの下端部側に切欠部62A1が形成されて衝突時(衝撃時)における脚部62Aの抜け止め防止用とされているが、このような切欠部62A1に代えて、図11に示されるピン取付部74A1が設けられると共にこのピン取付部74A1にピン75が組み付けられてもよい。ピン75は、一例として、図11の底面視で略ハット型に曲げられている。この第4の実施形態の変形例では、衝突時等にヘッドレストステー74が所定量以上引き上げられると、ピン75が下側ブッシュ70(図9参照)の底側に当たって脚部74Aの上昇が止まるので、ヘッドレストステー74の脚部74Aが抜けてしまうのを防止することができる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造について、図12を用いて説明する。図12には、第5の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造76が斜視図で示されている。なお、図12において、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付している。
図12に示されるように、第5の実施形態では、ロック用デバイス30が第1の実施形態におけるホルダ16(図1参照)とほぼ同様の位置に配置されてバックフレーム14のアッパフレーム14Aに直接接合されており、そのようなロック用デバイス30にヘッドレストステー22の脚部22Aが挿入されている。このような第5の実施形態によっても、前述した第1の実施形態と実質的に同様の作用及び効果が得られる。
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造について、図1を援用しながら図13及び図14を用いて説明する。なお、第6の実施形態は、本発明の実施形態ではなく参考例である。図13には、第6の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造80が縦断面図で示されている。
図13に示されるヘッドレストステー62は、第4の実施形態におけるヘッドレストステー62(図9参照)と同様の構成である。脚部62Aは、樹脂製で筒状のブッシュ82内に挿入されて図1に示される左右一対のホルダ16を介してバックフレーム14の上端部に連結されている。
図13に示されるブッシュ82の上端部には、厚板円環状のストッパ部82Sが形成されている。また、ストッパ部82Sには、第4の実施形態におけるロック部材66(図9参照)と同様のロック部材66が設けられている。ストッパ部82Sの内周端と外周端との中間部の下方側には筒状の第一胴部82Aが連続して形成され、第一胴部82Aの下方側には、第一胴部82Aよりも縮径された筒状の第二胴部82Cが形成されている。第一胴部82Aの下端側と第二胴部82Cの上端側とは接続部82Bによって繋がれている。また、第二胴部82Cの下端部には係止部82Kが形成されている。
ブッシュ82の上部内側には、第一胴部82Aの内周側にロック機構としてのロック用デバイス84が組み込まれている。本実施形態において、ロック用デバイス84は、一例として、ブッシュ82の射出成形時にブッシュ82と一体成形されている。ロック用デバイス84は、筒状に形成された鉄鋼製の筒状部材86を備えている。筒状部材86には、ヘッドレストステー62の脚部62Aが挿通されている。筒状部材86の上端部には、一例として全周に亘って半径方向内側に突出した規制部としての規制凸部86Aが形成されている。
筒状部材86の中には、鉄鋼製の締付部材88が収容されている。図14には、締付部材88単品の平面図が示されている。図13及び図14に示されるように、締付部材88は、ヘッドレストステー62の脚部62Aの外周に沿って平面視でC字状とされると共に復元力で脚部62Aを外周側から締め付ける。
補足説明すると、図14に示される締付部材88は、組付前状態での内径が図13に示されるヘッドレストステー62の脚部62Aの外周径よりも小さく設定されている。ヘッドレストステー62の脚部62Aが締付部材88の内側に挿通されると、締付部材88は弾性域内で変形してヘッドレストステー62の脚部62Aを締め付けるようになっている。
図13に示されるように、締付部材88は、脚部62Aの軸線方向に並ぶように複数設けられている。一番下の締付部材88に対して下方側には規制部としてのストッパ89が隣接配置されている。ストッパ89は、締付部材88に固定されており、前述した規制凸部86Aと共に、締付部材88の上下動を規制する。そして、筒状部材86と締付部材88とストッパ89とを含んで構成されたロック用デバイス84は、締付部材88の形状を維持したまま脚部62Aの上下動を許容するように構成されている。
以上説明した本実施形態によれば、締付部材88は、規制凸部86A及びストッパ89によって上下動を規制されつつ、復元力で脚部62Aを外周側から締め付ける。これにより、脚部62Aと締付部材88との間に摩擦力が発生し、脚部62Aは保持される。また、ヘッドレスト20(図1参照)の高さを調整するためにヘッドレストステー62の脚部62Aを上下動させる力が加わった場合、ロック用デバイス84は、規制凸部86A及びストッパ89によって締付部材88の上下動を規制しつつ締付部材88の形状を維持したまま脚部62Aの上下動を許容する。よって、簡素な構成で、ヘッドレスト20(図1参照)のシート上下方向の高さの無段階調節を可能にすることができる。
また、本実施形態によれば、締付部材88がヘッドレストステー62の脚部62Aの軸線方向に並ぶように複数設けられている。ここで、締付部材88の数を変えることで、ヘッドレストステー62の脚部62Aとロック用デバイス84側との間の摩擦荷重を変えることができるので、ヘッドレストステー62の上下動に必要な操作力を容易に調整することができる。
[第6の実施形態の変形例]
次に、図15を参照しながら第6の実施形態の変形例について説明する。なお、第6の実施形態の変形例は、本発明の実施形態ではなく参考例である。図15には、第6の実施形態の変形例に係るヘッドレスト支持部構造80Aが縦断面図で示されている。図15に示す変形例に係るヘッドレスト支持部構造80Aは、以下に説明する点を除いて、第6の実施形態と同様の構成になっている。
図15に示されるように、ヘッドレスト支持部構造80Aは、上記第6の実施形態のブッシュ82(図13参照)に代えてブッシュ83を備えている。ブッシュ83は、上記第6の実施形態のブッシュ82のストッパ部82S(いずれも図13参照)に代えてストッパ部83Sが設けられている点を除いて、上記第6の実施形態のブッシュ82と同様の構成となっている。よって、ブッシュ83において上記第6の実施形態のブッシュ82と同様の構成部については、便宜上、同一符号を付して説明を省略する。ストッパ部83Sは、厚板円環状に形成されており、その外径及び内径は、上記第6の実施形態のストッパ部82S(図13参照)の外径及び内径と同様とされているが、上記第6の実施形態のロック部材66(図13参照)に相当する部材は設けられていない。なお、ストッパ部83Sに対する第一胴部82Aの接続位置は、上記第6の実施形態のストッパ部82Sに対する第一胴部82A(いずれも図13参照)の接続位置と同様である。
また、上記第6の実施形態の構成では、図13に示されるように、ヘッドレストステー62の脚部62Aの下端部側に切欠部62A1が形成されて衝突時(衝撃時)における脚部62Aの抜け止め防止用とされているが、第6の実施形態の変形例では、切欠部62A1に代えて、図15に示されるストッパ63Xが設けられている。ストッパ63Xは、例えばヘッドレストステー63の組付後に脚部63Aの下端部側にボルト締結や溶接等で接合することが可能である。ストッパ63Xは、脚部63Aの一般部63A1より径が大きい大径部63X1と、大径部63X1の上端から脚部63Aの一般部63A1と同径になるまで徐々に縮径された傾斜段差部63X2と、を備えている。第6の実施形態の変形例では、衝突時等にヘッドレストステー63が所定量以上引き上げられると、ストッパ63Xがブッシュ82の底側に当たって脚部63Aの上昇が止まるので、ヘッドレストステー63の脚部63Aが抜けてしまうのを防止することができる。
[第7の実施形態]
次に、第7の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造について、図16及び図17を用いて説明する。なお、第7の実施形態は、本発明の実施形態ではなく参考例である。図16には、第7の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造90が縦断面図で示されており、図17には、ヘッドレスト支持部構造90の一部が分解断面図で示されている。
図16に示されるように、第7の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造90は、図9に示される第4の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造60におけるロック用デバイス30に代えて、図13に示される第6の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造80におけるロック用デバイス84が配置された構成である。よって、第7の実施形態において、第4の実施形態と実質的に同様の構成部及び第6の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。なお、第7の実施形態において、ロック用デバイス84は、図9に示される第4の実施形態のロック用デバイス30と同じサイズとされて同じ位置に配置されている。
ここで、図16に示されるヘッドレスト支持部構造90の組み付けについて説明する。まず、図17に示される上側ブッシュ64に対してロック用デバイス84を下から挿入する(矢印S3参照)。次に、上側ブッシュ64及びロック用デバイス84に対して、下側ブッシュ70を下方側から接近させて(矢印S4参照)下側ブッシュ70の係合爪72Aを上側ブッシュ64の係合凹部68に係合させる。最後に、図16に示されるように、上側ブッシュ64、ロック用デバイス84及び下側ブッシュ70の軸心を通るようにヘッドレストステー62の脚部62Aを上から挿入することで、図16に示されるヘッドレスト支持部構造60が得られる。
以上説明した第7の実施形態の構成によれば、第6の実施形態と同様の作用及び効果が得られるうえ、ロック用デバイス84、上側ブッシュ64及び下側ブッシュ70を容易に解体することができる。
[第8の実施形態]
図示を省略するが、第8の実施形態として、図12に示される第5の実施形態におけるロック用デバイス30に代えて、図13に示される第6の実施形態におけるロック用デバイス84がアッパフレーム14A(図12参照)に直接接合されている、という構成も採り得る。なお、第8の実施形態は、本発明の実施形態ではなく参考例である。
[第9の実施形態]
次に、第9の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造について、図18~図20Dを用いて説明する。なお、第9の実施形態は、本発明の実施形態ではなく参考例である。また、第9の実施形態において、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図18には、第9の実施形態に係るヘッドレスト支持部構造100を備えた車両用シート98の上部が正面斜め上方側から見た状態で簡略化されて示されている。図18に示されるヘッドレストステー22の一対の脚部22Aのうち、一方の脚部22A(22AL)はロック及びロック解除可能とされ、他方の脚部22A(22AR)は自由に上下動できるようになっている。以下、便宜上、一方の脚部22A(22AL)を単に脚部22ALと略し、他方の脚部22A(22AR)を単に脚部22ARと略す。
ロック不能な脚部22ARに対応して、アッパフレーム14Aのシート幅方向延在部分14A1の前側部分には、金属製で筒状のホルダ102が溶接によって固定されている。ホルダ102の筒内には、樹脂製で筒状のブッシュ104が挿入されている。そして、ブッシュ104に脚部22ARが挿入されている。
一方、ロック可能な脚部22ALに対応して、アッパフレーム14Aのシート幅方向延在部分14A1の前側部分には、前述したホルダ102よりも上端位置が低く設定された金属製で筒状のホルダ106が溶接によって固定されている。ホルダ106の筒内には、樹脂製で筒状のブッシュ108が挿入されている。ホルダ106及びブッシュ108の上にはロック機構としてのロック用デバイス110が設けられている。なお、図18では、ロック用デバイス110の構成部を適宜省略している。
ロック用デバイス110は、脚部22ALが貫通して脚部22ALの軸線回りに回転可能とされた操作部材としての操作レバー112を備えている。ロック用デバイス110は、操作レバー112が一方向(矢印R1参照)に回転操作されると脚部22ALのロックを解除し、操作レバー112が他方向(矢印R2参照)に回転操作されると脚部22ALをロックするように構成されている。
次に、ロック用デバイス110の具体的な構成について図19A~図19Eを参照しながら説明する。
図19Aには、ロック用デバイス110が脚部22ALをロックしている状態の模式的な水平断面図が示されている。なお、脚部22ALは、実際には中空の円筒状に形成されたものであるが、図19Aでは図を見易くするために、便宜上、中実の円柱体であるものとしてハッチングを付している(図19B~図19Eも同様)。
図19Aに示されるように、ロック用デバイス110は、脚部22ALの外周に沿って平面視で環状とされた部分114Bを有する締付部材としてのばね部材114を備えている。ばね部材114は、脚部22ALの外周側に巻回され、一端が操作レバー112の係止部112Bに対して係止されて固定された固定端114Aとされると共に他端が自由端114Cとされ、復元力で脚部22ALを外周側から締め付けるロック状態となるように付勢する。なお、係止部112Bは、一例として操作レバー112に一体に形成された部位であり、操作レバー112が回転すると操作レバー112と一体に回転する。
また、ロック用デバイス110は、切替機構116を備えており、切替機構116は、解除ブロック(「コマ」としても把握される要素である。)117と、カム部材118と、を有している。
解除ブロック117は、ばね部材114の自由端114Cの近傍に配置され、脚部22ALと平行な軸112Cに回転自在に支持されている。軸112Cは一例として操作レバー112に一体に形成されている。解除ブロック117と軸112Cとの間には所定の摩擦抵抗が存在しており、解除ブロック117が不用意に回転しないようになっている。解除ブロック117は、平面視で長手方向を有する形状となっており、その中央領域を軸112Cが貫通している。また、解除ブロック117は、図19Aの状態でばね部材114の自由端114Cと対向する側の下部、及びその対角側(図中の右上側)の部分が円弧状になっている。
カム部材118は、図18に示されるプレート119を介してブッシュ108に固定されている。これにより、図19Aに示されるカム部材118は、操作レバー112が回転しても回転しないように構成されている。カム部材118は、平面視で円状の円板部118Aと、平面視で円板部118Aの外周部から張り出したロック解除カム部118B及び再ロックカム部118Cと、を備えている。ロック解除カム部118Bは、略扇状に形成され、解除ブロック117を介してばね部材114を変形させてロック解除を行う構成部である。また、再ロックカム部118Cは、略扇状に形成され、解除ブロック117を介してばね部材114による再ロックを実行させるための構成部である。ロック解除カム部118Bの平面視における外周側円弧部118B1及び再ロックカム部118Cの平面視における外周側円弧部118C1は、軸112Cよりも、脚部22ALの軸心からの距離が短い位置に設定されている。
ここで、ロック用デバイス110によるロック解除及び再ロックについて説明する。
図19Bには、図19Aの状態から操作レバー112がロック解除方向(一方向(矢印R1参照))に操作された状態が模式的な水平断面図で示されている。この状態では、解除ブロック117がロック解除カム部118Bのサイド壁面118B2に当たって図中で時計回りに回転しようとしている。図19Bの状態から更に操作レバー112がロック解除方向に操作されると図19Cに示されるように解除ブロック117が約90°回転することでばね部材114の自由端114Cを押し、ばね部材114が若干拡径することでロック解除された状態になる。このとき、乗員はヘッドレストステー22を上下動させることができる。
次に、図19Cの状態から操作レバー112がロック解除方向とは反対方向(他方向(矢印R2参照))に操作されると、図19Dに示される状態になる。この状態では、解除ブロック117は脚部22ALの周方向に沿う方向を長手方向とする状態が維持され、ロック解除状態が維持される。図19Dの状態から更に操作レバー112がロック解除方向とは反対方向に操作されると、図19Eに示される状態となる。この状態では、解除ブロック117が再ロックカム部118Cのサイド壁面118C2に当たって図中で反時計回りに回転しようとしている。図19Eの状態から更に操作レバー112がロック解除方向とは反対方向に操作されると、図19Aに示される状態となる。この状態では、解除ブロック117がばね部材114の自由端114Cを押さないので、ばね部材114は脚部22ALを外周側から締め付け、再びロック状態になる。ちなみに、この状態においてヘッドレスト法規である高さ保持試験で500Nを負荷しても、ばね部材114の摩擦力によってヘッドレスト20は上下に動かない。
以上により、切替機構116は、操作レバー112の一方向(矢印R1参照)への回転操作に応じて図19Cに示されるようにばね部材114の自由端114Cを押圧することでばね部材114を拡径させてロック状態を解除し、操作レバー112の他方向(矢印R2参照)への回転操作に応じて図19Aに示されるようにばね部材114の自由端114Cの押圧を解除することでばね部材114を弾性復帰させてロック状態にするようになっている。そして、ロック用デバイス110は、ばね部材114の形状を変えることでヘッドレストステー22の脚部22ALの上下動を許容するように構成されている。
次に、ロック用デバイス110の組み付けの一例について図20A~図20Dを用いて概説する。なお、図20Aに示されるように、アッパフレーム14Aのシート幅方向延在部分14A1には、ホルダ106(図20B参照)の取り付け用として潰し加工を施した部分14Xが設けられている。
まず、図20Aに示されるアッパフレーム14Aの潰し加工を施した部分14Xに、図20Bに示されるホルダ106を溶接する。次に、図20Cに示されるように、ホルダ106にブッシュ108を挿入し、ホルダ106の上方側にブッシュ108の複数の係合爪部108Aを突出させる。次に、ブッシュ108の上部に設けられた係合爪部108Aに、図20Dに示されるようにロック用デバイス110の下部のプレート119の所定部位(孔が形成された被係合部)を係合させる。なお、図20Dでは、図を見易くするために、ロック用デバイス110の内部の構成部の図示を省略する。プレート119にはヘッドレストステー22の脚部22AL(図18参照)が挿通される孔119Hが形成されている。図20Dに示される工程の後、バックパッド(図示省略)、図18に示されるトリムカバー18、操作レバー112を取り付け、ロック用デバイス110の組み付けが完了する。
以上説明した第9の実施形態によっても、ヘッドレスト20のシート上下方向の高さを容易に無段階で調節することができる。
[実施形態の補足説明]
なお、図1~図10に示される第1~第4の実施形態では、周方向に並ぶ複数のボール34、46、56が、ヘッドレストステー22、52の脚部22A、52Aの軸線方向に複数組並んで設けられているが、周方向に並ぶ複数のボールを一組だけ設ける構成も採り得る。また、図13~図17に示される第6、第7の実施形態では、締付部材88がヘッドレストステー62の脚部62Aの軸線方向に並ぶように複数設けられているが、締付部材を一個設ける構成も採り得る。
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。