JP7807281B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
樹脂組成物の製造方法Info
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Description
(1) 少なくともセルロース繊維と、第一の熱可塑性樹脂と、尿素と、分散媒とを含む原料組成物を第一混練機に投入し、撹拌しながら少なくとも100℃以上、130℃以下の温度範囲で加熱し、前記分散媒を除去して混合物を得る第一の工程と、前記第一の工程で得られた前記混合物を前記第一混練機又は第二混練機で溶融混練してマスターバッチを得る第二の工程と、前記第二の工程で得られた前記マスターバッチと希釈用樹脂とを混練する第三の工程とを有する樹脂組成物の製造方法。
(2) 前記第一の熱可塑性樹脂が、親水性官能基で変性されている熱可塑性樹脂である、(1)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(3) 前記第二の工程の溶融混練温度が、少なくとも135℃以上、220℃以下の温度範囲を含む、(1)又は(2)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(4) 前記第一の工程で、前記第一混練機に投入する前記分散媒の量は、前記セルロース繊維の固形分濃度が10質量%~50質量%となる量である、(1)~(3)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
(5) 前記第一混練機及び前記第二混練機は、いずれもスクリューを構成するパーツを備えるものであって、前記第一の工程における前記第一混練機のスクリュー周速と、前記第二の工程における前記第一混練機又は前記第二混練機のスクリュー周速との関係が、以下の関係を満足する、(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
第一の工程のスクリュー周速≧第二の工程のスクリュー周速
(6) 前記第一の工程において、前記原料組成物には、さらに親水性官能基で変性されていない熱可塑性樹脂である第二の熱可塑性樹脂を含む、(2)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(7) 前記第二の工程において、さらに親水性官能基で変性されていない熱可塑性樹脂である第二の熱可塑性樹脂を前記第一混練機又は前記第二混練機に投入し前記混合物とともに溶融混練する、(2)に記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、少なくともセルロース繊維と、第一の熱可塑性樹脂と、尿素と、分散媒とを含む原料組成物を第一混練機に投入し、撹拌しながら少なくとも100℃以上、130℃以下の温度範囲で加熱し、前記分散媒を除去して混合物を得る第一の工程と、前記第一の工程で得られた前記混合物を前記第一混練機又は第二混練機で溶融混練してマスターバッチを得る第二の工程と、前記第二の工程で得られた前記マスターバッチと希釈用樹脂とを混練する第三の工程とを有する。
第一の工程では、少なくともセルロース繊維と、第一の熱可塑性樹脂と、尿素と、分散媒とを含む原料組成物を第一混練機に投入し、撹拌しながら少なくとも100℃以上、130℃以下の温度範囲で加熱し、前記分散媒を除去して混合物を得る。
本発明で用いるセルロース繊維(A)は、パルプ原料をパルプ化することにより得ることができる。パルプ原料としては、木材及び非木材のいずれであってもよい。木材パルプを製造するために用いられる木材原料としては、針葉樹、広葉樹等が挙げられる。非木材パルプを製造するために用いられる非木材原料としては、綿、ヘンプ、サイザル麻、マニラ麻、亜麻、藁、竹、バガス、ケナフ等が挙げられる。パルプ原料(木材原料、非木材原料)は、未晒(漂白前)の状態であってもよいし、晒(漂白後)の状態であってもよい。
本発明に用いることができるアセチル化変性されたパルプ(単に「アセチル化パルプ」ということがある。)は、パルプ原料のセルロース表面に存在する水酸基の水素原子がアセチル基(CH3-CO-)で置換されているものである。アセチル基で置換されることにより疎水性が高まり、乾燥時の凝集が減少するため作業性が高まり、混練後の樹脂中で分散や解繊しやすくなる。また反応性の高い水酸基がアセチル基で置換されるためセルロースの熱分解が抑制され、混練時の耐熱性が向上する。アセチル化パルプのアセチル基置換度(DS)は、作業性およびセルロース繊維の結晶性維持の観点から、好ましくは0.4~1.3、より好ましくは0.6~1.1となるように調整する。
アセチル化反応は、セルロース原料を膨潤させることのできる無水非プロトン性極性溶媒、例えばN-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中に原料を懸濁し、無水酢酸、アセチルクロリド等のハロゲン化アセチル等を使用して、塩基の存在下で行うと短時間で反応を行うことが可能となる。このアセチル化反応で用いる塩基としては、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。また、無水酢酸などのアセチル化試薬を過剰に使用することで無水非プロトン性極性溶媒や塩基を使用しない条件で反応を行うことも可能である。
アセチル化反応により得られたアセチル化パルプは、アセチル化処理後に水置換などの洗浄処理を行うことが好ましい。
洗浄処理においては必要に応じて脱水を行ってもよい。脱水法としてはスクリュープレスを用いた加圧脱水法、揮発などによる減圧脱水法などで実施も可能だが、効率の点から遠心脱水法が好ましい。脱水は、溶媒中の固形分が10~60%程度になるまで行うことが好ましい。
本発明に用いることができるアセチル化パルプは、上記脱水工程の後、乾燥処理を施してもよい。乾燥処理は、例えば、マイクロ波乾燥機、送風乾燥機や真空乾燥機を用いて行うことができるが、ドラム乾燥機、パドルドライヤー、ナウターミキサー、攪拌羽根のついた回分乾燥機など、攪拌しながら乾燥することができる乾燥機が好ましい。乾燥する場合は、アセチル化パルプの含水率が1~40%程度になるまで行うことが好ましく、1~10%まで乾燥するがより好ましく、1~5%まで乾燥することがさらに好ましい。
酸化は公知のとおりに実施できる。酸化処理により、機械的処理を行う際のパルプ高濃度化の際のハンドリングが良好となる。例えばN-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物およびこれらの混合物からなる群より選択される物質との存在下で、酸化剤を用いて水中で原料パルプを酸化する方法が挙げられる。この方法によれば、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、アルデヒド基、カルボキシル基、およびカルボキシレート基からなる群より選ばれる基が生じる。あるいは、オゾン酸化方法が挙げられる。この酸化反応によればセルロースを構成するグルコピラノース環の少なくとも2位および6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔mL〕×0.05/酸化セルロース質量〔g〕
エーテル化及びエステル化としては、カルボキシメチル化や、リン酸エステル化、亜リン酸エステル化、硫酸エステル化等、公知の方法で変性を行うことができる。
カルボキシメチル化は公知のとおりに実施できる。カルボキシメチル化処理により、機械的処理を行う際のパルプ高濃度化の際のハンドリングが良好となる。カルボキシメチル化セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度の測定は例えば、次の方法による。すなわち、1)カルボキシメチル化セルロース(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。2)硝酸メタノール(メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液)100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(カルボキシメチル化セルロース)を水素型カルボキシメチル化セルロースにする。3)水素型カルボキシメチル化セルロース(絶乾)を1.5g以上2.0g以下程度精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。4)80%メタノール15mLで水素型カルボキシメチル化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。5)指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定する。6)カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出する:
A=[(100×F’-(0.1NのH2SO4)(mL)×F)×0.1]/(水素型カルボキシメチル化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
A:水素型カルボキシメチル化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F:0.1NのH2SO4のファクター
F’:0.1NのNaOHのファクター
本発明で用いる第一の熱可塑性樹脂(B1)は、一般的な熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、母材として用いる希釈用樹脂のセルロースとの親和性を考慮して、適宜、用いる熱可塑性樹脂の種類を選択することができる。例えば、希釈用樹脂として疎水性が高いポリオレフィンを使用する場合は、セルロースとの親和性が低いため、親水性官能基で変性、好ましくは酸変性されている熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。ここでいう親水性とは、水やセルロース表面との親和性が良好であることを意味する。親水性官能基としては、水酸基,カルボキシ基,カルボニル基,アミノ基,アミド基,スルホ基等が挙げられる。このような第一の熱可塑性樹脂(B1)として、例えば、塩基変性ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン等が挙げられ、中でも、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAPP)や無水マレイン酸変性ポリエチレン(MAPE)が挙げられる。また、例えば、希釈用樹脂として比較的疎水性が低いポリアミド樹脂を使用する場合は、セルロースとの親和性が高いため、希釈用樹脂と同じポリアミド樹脂を第一の熱可塑性樹脂(B1)として用いてもよい。
本発明においては、得られる樹脂組成物の強度が向上する観点から、一級アミンを付与する低分子量の助剤として、尿素(C)を用いる。
分散媒としては、水、有機溶媒が挙げられ、これらを混合したものであっても良い。パルプとの親和性および安全性の観点から水を用いることが好ましい。分散媒の量は、混練機に投入するセルロース繊維と分散媒の合計に対するセルロース繊維の量(以下セルロース繊維の固形分濃度と記載)が10~50質量%となる量が好ましく、20~40質量%となる量がより好ましい。混練開始時のセルロース繊維の固形分濃度が上記下限値より低すぎると、乾燥負荷が上がり、乾燥が不十分となる結果、第二の工程(マスターバッチ混練工程)で混練する混合物に分散媒が持ち込まれ、最終的に得られる樹脂組成物の強度が低下するおそれがある。混練開始時のセルロース繊維の固形分濃度が上記上限値より高すぎると、尿素を含む水等の分散媒のセルロース繊維への浸透が悪くなり、不均一となる。
スクリュー周速=スクリュー公称径×スクリュー回転数×円周率÷60
第二の熱可塑性樹脂(B2)は、親水性官能基で変性されていないことが必要である。熱可塑性樹脂(B2)の融点は、易分散性の観点から、後述する希釈用樹脂(M)の融点以下であることが好ましい。下限は特に限定されないが、自動車や家電等の部材に使用することを考慮すると、60℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。
第二の工程では、第一の工程で得られた混合物を、第一の工程で使用した混練機と同一又は異なる混練機で溶融混練してマスターバッチを得る。
第一の工程のスクリュー周速≧第二の工程のスクリュー周速
第三の工程では、第二の工程で得られたマスターバッチと希釈用樹脂とを混練する。
本発明に用いる希釈用樹脂(M)としては、溶融温度が250℃以下の、以下の一般的な熱可塑性樹脂を挙げることができる。希釈用樹脂(M)は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上の樹脂を混合して使用してもよい。
本発明の製造方法により製造される樹脂組成物を用いて、成形材料及び成形体(成型材料及び成型体)を製造することができる。成形体の形状としては、フィルム状、シート状、板状、ペレット状、粉末状、立体構造など各種形状等の各種形状の成形体が挙げられる。成形方法として、金型成形、射出成形、押出成形、中空成形、発泡成形等を用いることができる。
実施例および比較例で用いたセルロース繊維のカナダ標準濾水度は、JIS P 8121-2:2012に従い測定した。
実施例および比較例で用いたセルロース繊維のリグニン含有量は、定量法として通常用いられるクラーソン法に基づき測定した(クラーソンリグニン)。
実施例、比較例及び参考例で得られたペレット状の樹脂成型体150gを小型成形機(Xplore Instruments社製「MC15」)に投入し、加熱筒(シリンダー)の温度200℃、金型温度40℃の条件で、ダンベル型試験片(タイプA12、JIS K7139)を成形した。得られた試験片について、精密万能試験機(島津製作所(株)製「オートグラフAG-Xplus」)を用いて、試験速度1mm/分、初期標線間距離30mmで弾性率、最大応力(降伏点強度)及び破断変位(破断までのひずみ、伸び)を測定した。弾性率及び最大応力については、希釈用樹脂の弾性率及び最大応力の値をそれぞれ100としたときの各サンプルの測定値の比率を補強率とし、その結果を表1、表2及び表3に示す。破断変位については、測定値を表1、表2及び表3に示す。
実施例、比較例及び参考例で得られたペレット状の樹脂成型体150gを小型成形機(Xplore Instruments社製「MC15」)に投入し、加熱筒(シリンダー)の温度250℃、金型温度は40℃の条件で、バー試験片を成形した(厚さ4mm、並行部長さ80mm)。得られた試験片について、精密万能試験機(島津製作所(株)製「オートグラフAG-Xplus」を用いて、試験速度10mm/分、支点間距離は64mmで弾性率、最大応力、及び破断変位を測定した。弾性率及び最大応力については、希釈用樹脂の弾性率及び最大応力の値をそれぞれ100としたときの各サンプルの測定値の比率を補強率とし、その結果を表1、表2及び表3に示す。破断変位については、測定値を表1、表2及び表3に示す。
実施例、比較例及び参考例で得られたペレット状の樹脂成型体の密度は乾式自動密度計アキュピックII 1340-10CC(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
実施例、比較例及び参考例で得られたペレット状の樹脂成型体60mgを株式会社神藤金属工業所製の圧縮成型機を用いて200℃で2.5MPaとなるまでプレスすることにより、およそ直径35mm×厚さ0.1mmのフィルムを作製した。このフィルムを目視で確認し、繊維状の物質の有無、及び繊維状の物質が有る場合には、その状態について、以下の基準で評価した。結果を表2、及び表3に示す。
A:フィルム中に繊維状物質は視認できない(図1)
B:フィルム中に繊維感が残っていて視認可能であるが、樹脂マトリクスとの境界が曖昧(図2)
C:フィルム中に明瞭に繊維束を視認可能であり、樹脂マトリクスとの境界が明瞭(図3)
(A)セルロース繊維(分解温度:299℃)
(B1)第一の熱可塑性樹脂
・無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAPP):(東洋紡(株)製 トーヨータックPMA-H1000P:ジカルボン酸の付加量 57mgKOH/g、融点:150℃)(MAPPは、親水性官能基で変性されている熱可塑性樹脂である。)
・粉状ポリアミド樹脂(PA6):(ユニチカ製 粉状、A1020LP、融点:220℃)
(B2)第二の熱可塑性樹脂:親水性官能基で変性されていない熱可塑性樹脂(「バインダー樹脂」ということがある。)
・高密度ポリエチレン(HDPE):(日本ポリエチレン(株)製 HJ580、融点:134℃)
(C)尿素:(粉末状:三井化学製)
(M)希釈用樹脂
・ホモポリプロピレン(hPP):(日本ポリプロ(株)製PP MA04A、融点:165℃)
・高密度ポリエチレン(HDPE):(日本ポリエチレン(株)製 HJ580、融点:134℃)
・ポリアミド樹脂(PA6):(宇部興産(株)製 1013B、融点:220℃)
(酸化防止剤)
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン(株)製 Irganox1010)
(マスターバッチの製造)
セルロース繊維1として未叩解針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)(カナダ標準濾水度600mL超、リグニン含有量1質量%以上、30質量%以下)を固形分で26.4gと、MAPP7.2gと、尿素7.2gと、分散媒としてNUKPの固形分濃度が50質量%となる量の水を、二軸混練機を用いて100℃以上130℃以下、スクリュー周速212mm/secの条件で乾燥及び撹拌し(乾燥混練)、固形分濃度98.0質量%の混合物を得た。この混合物の全量とバインダー樹脂としてのHDPE7.2gを、二軸混練機を用いて温度180℃以下、スクリュー周速126mm/secの条件で混練し(マスターバッチ混練)、マスターバッチを得た。
得られたマスターバッチ20gと希釈用樹脂(hPP)80gとを混合し、二軸混練機を用いて180℃以下の加熱条件下で混練した。次いで溶融混練物を、ペレタイザーを用いてペレット化し、セルロース繊維1、MAPP、尿素由来化合物、HDPE、希釈用樹脂(hPP)を含むペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
マスターバッチの製造において、分散媒として用いた水の量をNUKPの固形分濃度が40質量%となる量に変更したこと以外は実施例1と同様に乾燥混練を行い、固形分濃度97.6質量%の混合物を得た。得られた混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチおよびペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
マスターバッチの製造において、分散媒として用いた水の量をNUKPの固形分濃度が30質量%となる量に変更したこと以外は実施例1と同様に乾燥混練を行い、固形分濃度98.3質量%の混合物を得た。得られた混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチおよびペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
マスターバッチの製造において、分散媒として用いた水の量をNUKPの固形分濃度が20質量%となる量に変更したこと以外は実施例1と同様に乾燥混練を行い、固形分濃度97.8質量%の混合物を得た。得られた混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチおよびペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
マスターバッチの製造において、分散媒として用いた水の量をNUKPの固形分濃度が10質量%となる量に変更したこと以外は実施例1と同様に乾燥混練を行い、固形分濃度96.8質量%の混合物を得た。得られた混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチおよびペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
実施例1と同様に乾燥混練を行い、固形分濃度99.0質量%の混合物を得た。得られた混合物を用い、スクリュー周速157mm/secに変更したこと以外は実施例1と同様にマスターバッチ混練を行った。得られたマスターバッチを用いたこと以外は実施例1と同様にしてペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
実施例2と同様に乾燥混練を行い、固形分濃度98.3質量%の混合物を得た。得られた混合物を用い、スクリュー周速157mm/secに変更したこと以外は実施例1と同様にマスターバッチ混練を行った。得られたマスターバッチを用いたこと以外は実施例1と同様にしてペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
実施例3と同様に乾燥混練を行い、固形分濃度98.7質量%の混合物を得た。得られた混合物を用い、スクリュー周速157mm/secに変更したこと以外は実施例1と同様にマスターバッチ混練を行った。得られたマスターバッチを用いたこと以外は実施例1と同様にしてペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
実施例4と同様に乾燥混練を行い、固形分濃度98.7質量%の混合物を得た。得られた混合物を用い、スクリュー周速157mm/secに変更したこと以外は実施例1と同様にマスターバッチ混練を行った。得られたマスターバッチを用いたこと以外は実施例1と同様にしてペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
(セルロース繊維2の製造)
固形分濃度18質量%の針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)をカナダ標準濾水度が233mLになるまでシングルディスクリファイナー(熊谷理機工業社製、プレートの刃幅:4mm、溝幅:5mm)を用い、クリアランス:0.25mmの条件で3回叩解処理を行い、含水率20%のセルロース繊維2を得た。セルロース繊維2のリグニン含有量は、7.9質量%であった。
含水率20%のセルロース繊維2を固形分で26.1gと、MAPP7.2gと、尿素7.2gとを、二軸混練機を用いて100℃以上130℃以下、スクリュー周速212mm/secの条件で乾燥及び撹拌し(乾燥混練)、固形分濃度98.5質量%の混合物を得た。この混合物の全量とHDPE7.2gを、二軸混練機を用いて温度180℃以下、スクリュー周速126mm/secの条件で混練し(マスターバッチ混練)、マスターバッチを得た。
得られたマスターバッチ20gと希釈用樹脂(hPP)80gとを混合し、二軸混練機を用いて180℃以下の加熱条件下で混練した。次いで溶融混練物を、ペレタイザーを用いてペレット化し、セルロース繊維2、MAPP、尿素由来化合物、HDPE、希釈用樹脂(hPP)を含むペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
実施例10と同様に乾燥混練を行い、固形分濃度98.4質量%の混合物を得た。得られた混合物を用い、スクリュー周速157mm/secに変更したこと以外は実施例10と同様にマスターバッチ混練を行った。得られたマスターバッチを用いたこと以外は実施例10と同様にしてペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
(マスターバッチの製造)
酸化防止剤を添加したこと以外は,実施例3と同様にしてマスターバッチを得た。具体的には、セルロース繊維1として未叩解針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)(カナダ標準濾水度600mL超、リグニン含有量1質量%以上、30質量%以下)を固形分で26.4gと、MAPP7.2gと、尿素7.2gと、酸化防止剤を1.2g分散媒としてNUKPの固形分濃度が30質量%となる量の水を、二軸混練機を用いて100℃以上130℃以下、スクリュー周速212mm/secの条件で乾燥及び撹拌し(乾燥混練)、固形分濃度98.3質量%の混合物を得た。この混合物の全量とバインダー樹脂としてのHDPE7.2gを、二軸混練機を用いて温度180℃以下、スクリュー周速126mm/secの条件で混練し(マスターバッチ混練)、マスターバッチを得た。
得られたマスターバッチ20.5gと希釈用樹脂(hPP)79.5gとを混合し、二軸混練機を用いて180℃以下の加熱条件下で混練した。次いで溶融混練物を、ペレタイザーを用いてペレット化し、セルロース繊維1、MAPP、尿素由来化合物、HDPE、希釈用樹脂(hPP)を含むペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
バインダー樹脂としてのHDPEの添加タイミングを、マスターバッチ混練時から乾燥混練時に変更したこと以外は実施例12と同様にして、マスターバッチを得た。具体的には、乾燥混練時にセルロース繊維1と、MAPPと、尿素と、分散媒としての水に加えて、HDPEも合わせて二軸混練機を用いて実施例12と同様の条件で乾燥混練を行い、固形分濃度98.6質量%の混合物を得た。この混合物を、二軸混練機を用いて実施例12の条件と同様の条件でマスターバッチ混練を行い、マスターバッチを得た。得られたマスターバッチを用いたこと以外は実施例12と同様にしてペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
樹脂組成物の製造において、希釈用樹脂としてhPPに代えてHDPEを用いたこと以外は実施例12と同様にして、セルロース繊維1、MAPP、尿素由来化合物、HDPE、希釈用樹脂(HDPE)を含むペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
樹脂組成物の製造において、希釈用樹脂としてhPPに代えてHDPEを用いたこと以外は実施例13と同様にして、セルロース繊維1、MAPP、尿素由来化合物、HDPE、希釈用樹脂(HDPE)を含むペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
(マスターバッチの製造)
バインダー樹脂としてのHDPEを添加せず、乾燥混練工程とマスターバッチ混練工程とを分けず、150℃で乾燥とマスターバッチ混練を同時に行ったこと以外は、実施例12と同様にしてマスターバッチを得た。なお、乾燥混練工程を行わなかったことにより、水が存在している状態でマスターバッチ混練が行われた結果、水と尿素が反応し、悪臭(アンモニア臭)が生じ、作業性に劣るものであった。
得られたマスターバッチ20.5gと希釈用樹脂(hPP)79.5gとを混合し、二軸混練機を用いて180℃以下の加熱条件下で混練した。次いで溶融混練物を、ペレタイザーを用いてペレット化し、セルロース繊維1、MAPP、尿素由来化合物、希釈用樹脂(hPP)を含むペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
バインダー樹脂としてのHDPE7.2gを加えて混練を行ったこと以外は、比較例1と同様にして、固形分濃度99.1質量%のマスターバッチを得た。なお、乾燥混練工程を行わなかったことにより、水が存在している状態でマスターバッチ混練が行われた結果、水と尿素が反応し、悪臭(アンモニア臭)が生じ、作業性に劣るものであった。得られたマスターバッチを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
(乾燥混合物の製造)
セルロース繊維1として未叩解針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)(カナダ標準濾水度600mL超、リグニン含有量1質量%以上、30質量%以下)を固形分で26.4gと、MAPP7.2gと、尿素7.2gと、バインダー樹脂としてのHDPE7.2gと、酸化防止剤1.2gと,分散媒としてNUKPの固形分濃度が30質量%となる量の水を、二軸混練機を用いて温度105℃、スクリュー周速212mm/secの条件で乾燥及び撹拌し(乾燥混練)、固形分濃度98.5質量%の乾燥混合物を得た。得られた乾燥混合物は、マスターバッチ混練工程を行わず、次の工程に用いた。
得られた乾燥混合物20.5gと希釈用樹脂(hPP)79.5gとを混合し、二軸混練機を用いて180℃以下の加熱条件下で混練した。次いで溶融混練物を、ペレタイザーを用いてペレット化し、セルロース繊維1、MAPP、尿素由来化合物、HDPE、希釈用樹脂(hPP)を含むペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
(アセチル化セルロース繊維3の製造)
(叩解処理)
固形分濃度18質量%の針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)をカナダ標準濾水度が200mLになるまでシングルディスクリファイナー(熊谷理機工業社製、プレートの刃幅:4mm、溝幅:5mm)を用い、クリアランス:0.25mmの条件で3回叩解処理を行い、固形分濃度20%のセルロース繊維を得た。得られたセルロース繊維のリグニン含有量は、9質量%であった。
叩解処理を行った上記のセルロース繊維 150kg(固形分30kg)を、撹拌機(日本コークス工業(株)製「FM150L」)に投入した後、撹拌を開始し、80℃で減圧脱水した。次いで、無水酢酸20kgを加え、80℃で1時間反応させた。反応後、80℃で減圧乾燥したのち、水で洗浄しアセチル化セルロース繊維(アセチル化修飾NUKP)3を得た。次いでアセチル化セルロース繊維3を乾燥機に投入し、60~70℃で減圧乾燥した。得られたアセチル化セルロース繊維3の含水率を、赤外水分計で測定した。含水率は、2.3質量%であった。アセチル化セルロース繊維3のアセチル基置換度(DS)は0.7であった。
アセチル化セルロース繊維3を固形分で25gと、粉状ポリアミド樹脂7gと、尿素6gと、酸化防止剤を2gと、分散媒としてアセチル化セルロース繊維3の固形分濃度が30質量%となる量の水を、二軸混練機を用いて100℃以上130℃以下、スクリュー周速212mm/secの条件で乾燥及び撹拌し(乾燥混練)、固形分濃度98.5質量%の混合物を得た。この混合物の全量と希釈用のポリアミド樹脂と同じポリアミド樹脂を3:2の質量比で混合して、二軸混練機を用いて190℃以上220℃以下、スクリュー周速126mm/secの条件で混練し(マスターバッチ混練)、マスターバッチを得た。
得られたマスターバッチ30gと希釈用樹脂(ポリアミド樹脂:PA6)60gとを混合し、二軸混練機を用いて220℃以下の加熱条件下で混練した。次いで溶融混練物を、ペレタイザーを用いてペレット化し、アセチル化セルロース繊維3、粉状ポリアミド樹脂、尿素由来化合物、希釈用樹脂(ポリアミド樹脂:PA6)を含むペレット状の樹脂組成物(成形体)を得た。
(マスターバッチの製造)
アセチル化セルロース繊維3を固形分で25gと、粉状ポリアミド樹脂39.6gと、酸化防止剤2gとを混合し、乾燥混練工程を行わず、二軸混練機を用いて220℃以下の温度でスクリュー周速126mm/secの条件で混練し(マスターバッチ混練)、固形分濃度99.1質量%のマスターバッチを得た。
Claims (6)
- 少なくともセルロース繊維と、第一の熱可塑性樹脂と、尿素と、分散媒とを含む原料組成物を第一混練機に投入し、撹拌しながら少なくとも100℃以上、130℃以下の温度範囲で加熱し、前記分散媒を除去して混合物を得る第一の工程と、
前記第一の工程で得られた前記混合物を前記第一混練機又は第二混練機で溶融混練してマスターバッチを得る第二の工程と、
前記第二の工程で得られた前記マスターバッチと希釈用樹脂とを混練する第三の工程とを有し、
前記第二の工程の溶融混練温度が、少なくとも135℃以上、220℃以下の温度範囲を含む樹脂組成物の製造方法。 - 前記第一の熱可塑性樹脂が、親水性官能基で変性されている熱可塑性樹脂である、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記第一の工程で、前記第一混練機に投入する前記分散媒の量は、前記セルロース繊維の固形分濃度が10質量%~50質量%となる量である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記第一混練機及び前記第二混練機は、いずれもスクリューを構成するパーツを備えるものであって、
前記第一の工程における前記第一混練機のスクリュー周速と、前記第二の工程における前記第一混練機又は前記第二混練機のスクリュー周速との関係が、以下の関係を満足する、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
第一の工程のスクリュー周速≧第二の工程のスクリュー周速 - 前記第一の工程において、前記原料組成物には、さらに親水性官能基で変性されていない熱可塑性樹脂である第二の熱可塑性樹脂を含む、請求項2に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記第二の工程において、さらに親水性官能基で変性されていない熱可塑性樹脂である第二の熱可塑性樹脂を前記第一混練機又は前記第二混練機に投入し前記混合物とともに溶融混練する、請求項2に記載の樹脂組成物の製造方法。
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