JP7810034B2 - 平型電線及び端子付き平型電線 - Google Patents

平型電線及び端子付き平型電線

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Description

本発明は、平型電線及び端子付き平型電線に関する。
工場等の設備あるいは電気自動車やハイブリッド自動車等の車両では、制御盤等の装置間に配線される配線材として、従来、配線部分の形状に合わせて成形されたバスバが用いられてきた(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2019-87471号公報 特開2020-177878号公報
近年、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、例えば、産業用ロボットが使用される設備では、省エネルギー設備への更新が進んでいる。このような設備の更新に伴って、制御盤等の装置間に配線される配線材についても更新が必要となる。しかし、更新後の設備に応じたバスバを製造するためには、バスバの形状に応じた成形用の金型が必要になる。そのため、更新後の設備に応じた様々な配線形状に応じて、多種多様な金型が必要になる上、同形状のバスバの生産量は少ない傾向にある。このように、バスバは、汎用性が低く少量多品種となりやすいため、装置間の配線材としてバスバを用いる場合、生産コストが高くなってしまうという課題がある。
そこで、本発明者らは、バスバよりも汎用性が高い装置間の配線材として、導体が編組導体からなる平型電線を用いることを考えた。しかしながら、従来の平型電線は曲げにくいため、特に装置間の狭い場所に配線する場合には、平型電線が蛇行して周囲の装置に干渉してしまう場合があった。
そこで、本発明は、曲げやすく配線しやすい平型電線及び端子付き平型電線を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、帯状の導体と、前記導体の周囲を被覆している絶縁体と、を備え、前記導体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1素線を編み合わせて構成された帯状の第1導体と、少なくとも、前記導体の厚さ方向において前記第1導体を挟み込むように設けられており、銅または銅合金からなる第2素線を編み合わせて構成された第2導体と、を有する、平型電線を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、平型電線と、前記平型電線の少なくとも一方の端部に設けられた端子と、を備えた端子付き平型電線であって、前記平型電線は、帯状の導体と、前記導体の周囲を被覆している絶縁体と、を備え、前記導体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1素線を編み合わせて構成された帯状の第1導体と、少なくとも、前記導体の厚さ方向において前記第1導体を挟み込むように設けられており、銅または銅合金からなる第2素線を編み合わせて構成された第2導体と、を有する、端子付き平型電線を提供する。
本発明によれば、曲げやすく配線しやすい平型電線及び端子付き平型電線を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る平型電線を用いた端子付き平型電線を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の端部拡大図、(c)は(a)のA-A線断面図である。 (a)は、図1の端子付き平型電線の配線例を示す模式図であり、(b)は従来の端子付き平型電線の配線例を示す模式図である。 端子部の変形例を示す斜視図である。 (a),(b)は、平型電線2の一変形例を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る平型電線の長手方向に垂直な断面を示す断面図である。 (a),(b)は、第1平型電線と第2平型電線との接続構造の一例を示す図である。 第1平型電線と第2平型電線との接続構造の一例を示す図である。 (a)は、平型電線の一変形例を示す断面図であり、(b)は、端子付き平型電線の一変形例を示す斜視図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る平型電線2を用いた端子付き平型電線1を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の端部拡大図、(c)は(a)のA-A線断面図である。
図1(a)~(c)に示すように、端子付き平型電線1は、平型電線2と、平型電線2の少なくとも一方の端部に設けられた端子3と、熱収縮チューブ4と、を備えている。
(平型電線2)
本実施の形態に係る平型電線2は、帯状の導体21と、導体21の周囲を被覆している絶縁体22と、を有している。
導体21は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1素線を編み合わせて構成された帯状の第1導体21aと、銅または銅合金からなる第2素線を編み合わせて構成された第2導体21bと、を有している。
第1導体21aは、環状の編組導体を潰して平坦にすることで形成される。例えば、同軸線を製造する際には、導体の周囲に絶縁体を被覆したコアの周囲に編組導体を設けるが、本実施の形態ではコアを通さない状態で環状の編組導体を形成し、その後プレス等で編組導体を平坦にすることで、第1導体21aが形成される。第1導体21aは、ケーブル中心に配置される。
第1素線として用いるアルミニウム合金としては、例えば、Al-Zr合金、Al-Ni-Zr合金、Al-Co-Zr合金、Al-Fe-Zr合金などが挙げられる。なお、第1素線は、製造上不可避の不純物を含んでいてもよい。また、第1素線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる素線の表面にZn(例えば、アモルファス構造のZn)やNi、Sn等のめっきが施されためっき線で構成されていてもよい。第1素線の引張強度及び破断伸びは、後述する第2素線よりも小さい。例えば、第1素線は、引張強度が200MPa以下であり、破断伸びが5%以上17%以下である。なお、第1素線及び第2素線の引張強度、破断伸びは、JIS C 3002(1992)に規定される試験方法に則って試験片の引張試験を行うことで得られる引張強さ、伸びである。
ここでは、外径0.16mmのアルミニウムからなる第1素線を用いた。第1素線の外径は、第2素線の外径よりも大きい。より具体的には、第1素線の外径は、第2素線の外径の1.3倍以上であるとよく、第1素線と第2素線の抵抗値が略同等となるように外径を調整することが望ましい。これにより、例えば、ケーブル中心に配置された第1導体21aの抵抗が大きく発熱が大きくなってしまい、ケーブル内部に熱がこもってしまうといった不具合を抑制できる。第1素線の外径は、例えば、0.10mm以上0.50mm以下である。なお、第1素線の表面にめっきが施されている場合、第1素線の外径は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる素線の周囲にめっきが施されている状態(すなわち、めっき線)での外径となる。
導体21の一部を、モジュラスの低いアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1導体21aで構成することで、平型電線2を曲げやすくすることができ、かつ平型電線2を曲げたときに曲げた形状のまま形状保持しやすくなるため、装置間の狭い場所に配線するときの配線作業がより容易になる。また、導体21の一部をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1導体21aで構成することで、導体21の全体を銅または銅合金で構成する場合と比較して、平型電線2を軽量化でき、コストを低減することが可能になる。
第2導体21bは、少なくとも、導体21の厚さ方向において第1導体21aを挟み込むように設けられている。本実施の形態では、第2導体21bは、第1導体21aの周囲全体を覆うように筒状に形成されている。第2導体21bは、第1導体21aを芯材として、その周囲を覆うように環状に第2素線を編み組みすることで形成されている。第2導体21bは、第1導体21aに接触して配置されている。
第2素線は、銅または銅合金からなる素線の表面にZn(例えば、アモルファス構造のZn)やNi、Sn等のめっきが施されためっき線で構成されていてもよい。第2素線の引張強度及び破断伸びは、第1素線よりも大きい。例えば、第2素線は、引張強度が200MPa以上であり、破断伸びが10%以上である。平型電線2を曲げやすくするために、第2素線としては、なるべく細いものを用いることが望ましい。第2素線の外径は、例えば、0.10mm以上0.20mm以下とするとよい。ここでは、第1素線よりも小さい外径である外径0.12mmのSnめっき軟銅線からなる第2素線を用いた。なお、第2素線の表面にめっきが施されている場合、第2素線の外径は、銅または銅合金からなる素線の周囲にめっきが施されている状態(すなわち、めっき線)での外径となる。
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1導体21aは、擦れに弱く、例えば絶縁体22の成形時に装置の一部と擦れることで断線が発生してしまいやすい。そこで、本実施の形態では、第1導体21aの周囲を覆うように、擦れに強い銅または銅合金からなる第2導体21bを設けることで、第2導体21bにより第1導体21aを保護して、第1導体21aに断線が発生することを抑制している。また、第1導体21aの周囲を覆うように第2導体21bを設けることで、最外層が銅または銅合金で構成されることになるため、従来銅または銅合金からなる導体の接続に用いていたコネクタや端子3をそのまま利用することが可能であり、例えば加締め固定といった固定方法も使用可能となる。また、導体21の一部を銅または銅合金からなる第2導体21bで構成することで、導体21の導電率、及び耐熱性を向上でき、引張強度等の機械的強度も向上できる。
なお、ここでは第1導体21a及び第2導体21bが編組導体である場合を説明したが、第1導体21a及び第2導体21bは、複数本の金属素線を織機等で織り合わせて帯状としたものであってもよい。つまり、本明細書において、「金属素線を編み合わせて構成された」という表現には、金属素線を織り合わせることも含まれる。
絶縁体22は、導体21を保護するためのものであり、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ふっ素樹脂、ポリウレタン樹脂等から選ばれる少なくとも1つの樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる。絶縁体22の厚さは、0.8mm以上2.0mm以下であるとよい。絶縁体22の厚さを0.8mm以上とすることで、絶縁体22の機械的強度を確保でき、絶縁体22の厚さを2.0mm以下とすることで、平型電線2を曲げやすくすることができる。
絶縁体22は、導体21の周囲に挿入押出により被覆される。これにより、平型電線2を曲げたときに絶縁体22内で導体21が動ける程度に導体21の表面と絶縁体22の内面とを密着させることができるため、平型電線2をより曲げやすくなる。
本実施の形態では、平型電線2の厚さHと幅Wとの比(W/H)が、4以上とされる。これにより、平型電線2がより扁平な形状となるため、平型電線2を曲げやすくなる。ここでは、平型電線2の厚さHを6.1mm、幅Wを30mmとし、これらの比(W/H)を約4.9とした。なお、導体21における厚さ(最大厚さ)Hdと幅(最大幅)Wdとの比(Wd/Hd)についても、4倍以上であることが望ましい。
(端子3)
端子3は、平型電線2の少なくとも一方の端部に設けられる。図1(a)では、平型電線2の両方の端部に端子3を設けた場合を示している。端子3は、絶縁体22の端部から露出された導体21の端部に加締め等の固定方法によって固定される固定部(以下、加締め部)31と、制御盤等の装置11に設けられた電極11a(図2(a)参照)等の被接続部材にボルト等で固定するための平板状の接続部32と、を一体に有する圧着端子である。なお、端子3を導体21に加締め固定以外の方法で固定してもよい。
加締め部31は、筒状に形成されており、その内部に導体21を挿入した状態で加締めることで、導体21に固定されている。接続部32は、加締め部31から、平型電線2の長手方向における外方に向かって延出されている。接続部32は、平板状に形成されており、その中央部には、ボルトを通すための貫通孔32aが形成されている。
本実施の形態に係る端子付き平型電線1では、端子3は、接続部32の法線方向が平型電線2の厚さ方向と交差するように設けられている。より具体的には、端子3は、接続部32の法線方向が平型電線2の厚さ方向と直交するように(幅方向と平行になるように)設けられている。
これにより、図2(a)に示すように、平型電線2を厚さ方向に曲げて配線を行うことが可能になり、制御盤等の装置11間の狭いスペースにも容易に配線できるようになる。なお、接続部32の法線方向の平型電線2の厚さ方向に対する角度は、装置11に設けられた電極11aの形状や向き等に応じて適宜調整可能である。これに対して、例えば、接続部32の法線方向が平型電線2の厚さ方向と平行となるように端子3を設けた従来の端子付き平型電線1の場合、図2(b)に示すように、平型電線2を捩じるように配線しなければならない。そのため、平型電線2が蛇行して装置11に干渉(接触)してしまいやすくなり、平型電線2が損傷を受けてしまうおそれが生じる。本実施の形態によれば、このような不具合を抑制し、装置11間の狭いスペースにも容易に配線することが可能である。
すなわち、接続部32の法線方向の平型電線2の厚さ方向に対する角度(=接続部32の法線方向と平型電線2の厚さ方向とのなす角度)が、接続部32の法線方向と平型電線2の厚さ方向とが直交する場合を90度とし、接続部32の法線方向と平型電線2の厚さ方向とが平行となる場合を0度とすると、端子3は、上記角度が0度よりも大きく90度以下の範囲となるように接続部32の向きを調整することが可能である。これにより、端子付き平型電線1は、図2(a)に示すように、配線時に蛇行や捩れが生じにくくなり、装置11に設けられた電極11aの形状や向き等に応じた配線が可能となる。
なお、ここでは、端子3が、接続部32の法線方向が平型電線2の厚さ方向と交差するように設けられている場合について説明したが、これに限らず、図3に示すように、接続部32の法線方向が平型電線2の厚さ方向と平行になっていてもよい。接続部32の向きは、接続対象となる電極11aの配置等に応じて、幅方向と厚さ方向とのなす角の範囲内で接続部32の法線方向の向きを調整することにより、適宜選択可能である。
(熱収縮チューブ4、平型電線2の端部の形状)
被覆部材としての熱収縮チューブ4は、平型電線2の端部において、絶縁体22から端子3の加締め部31にかけて、その周囲を一括して覆うように設けられている。より詳細には、熱収縮チューブ4は、絶縁体22と端子3との間で露出された導体21、端子3の加締め部31の少なくとも一部、及び絶縁体22の先端部を一括して覆うように設けられている。熱収縮チューブ4は、露出した導体21の周囲を覆って絶縁する役割と、水分や埃等が平型電線2内に侵入するのを抑制する役割とを果たしている。
本実施の形態では、平型電線2の絶縁体22から露出させた導体21を束ねて加締め部31で固定しており、平型電線2における導体21の幅Wdよりも、加締め部31における導体21の幅が小さくなっている。そして、熱収縮チューブ4は、露出された導体21の周囲にできるだけ隙間なく密着するように設けられている。そのため、絶縁体22と端子3との間において、熱収縮チューブ4の外形は、端子3に近づくほど幅が小さくなるテーパ形状となる。以下、絶縁体22の先端部と端子3の先端部との間に露出させた導体21であって、端子3が固定されていない導体21の部分を非圧着部(または非固定部)5と呼称する。非圧着部5を覆う熱収縮チューブ4の外形をテーパ形状に構成することで、非圧着部5にて平型電線2の幅方向にも曲げることが可能になるため、配線時に平型電線2の蛇行や捩れを発生しにくくすることが可能になり、より配線作業が容易になる。また、露出された導体21の周囲に密着するように十分に熱収縮チューブ4を収縮させることで、曲げた際等に熱収縮チューブ4が絶縁体22の表面から浮いてしまうことが生じてしまったり、熱収縮チューブ4に位置ずれが生じてしまったりすることを抑制できる。なお、本実施の形態では、熱収縮チューブ4内に接着剤は充填されない。
非圧着部5を曲げやすくし配線作業をより容易にするために、非圧着部5の長さ(すなわち、絶縁体22の先端部から加締め部31の先端部までの平型電線2の長手方向に沿った長さ)Lは、なるべく長くすることが望ましい。また、非圧着部5の長さLが短すぎると、導体21を束ねる際に平型電線2が長手方向からみて弓なりに湾曲するように撓んでしまいやすくなる。その結果、熱収縮チューブ4を設けた際に熱収縮チューブ4と絶縁体22との間に隙間が生じてしまい、当該隙間から水分や埃が侵入しやすくなり接続信頼性が低下するおそれもある。そのため、非圧着部5の長さLは、少なくとも、平型電線2の幅W以上であるとよい。
(変形例)
図4(a),(b)は、平型電線2の一変形例を示す断面図である。図4(a),(b)に示すように、平型電線2は、導体21の周囲に設けられた形状保持用の帯状あるいは線状の形状保持部材23をさらに有してもよい。
図4(a)では、線状の形状保持部材23aを用いた場合を示しており、幅方向において導体21を挟み込むように一対の形状保持部材23aが配置されている。線状の形状保持部材23aとしては、例えば、軟銅線やアルミニウム線等を用いることができる。なお、使用する形状保持部材23aの本数や配置位置は図示のものに限定されない。
図4(b)では、帯状の形状保持部材23bを用いた場合を示しており、厚さ方向において導体21と隣り合うように(第2導体21bと隣り合うように)形状保持部材23bが配置されている。帯状の形状保持部材23bとしては、例えば銅板を用いることができる。
形状保持部材23を有することにより、所望の形状に平型電線2を折り曲げた状態で形状保持することが可能となり、所望の配線レイアウトに沿った配線がより容易になる。なお、図示の例では、形状保持部材23は、導体21と絶縁体22との間に設けられており形状保持部材23と導体21とが接触しているが、これに限らず、導体21と形状保持部材23とが離間していてもよい。すなわち、導体21と形状保持部材23との間に絶縁体22が存在してもよい。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る平型電線2では、導体21は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1素線を編み合わせて構成された帯状の第1導体21aと、少なくとも、導体21の厚さ方向において第1導体21aを挟み込むように設けられており、銅または銅合金からなる第2素線を編み合わせて構成された第2導体21bと、を有している。
導体21がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1導体21aを有することにより、コストの高い銅の使用量を低減し、低コストで軽量、かつ曲げやすく、曲げた形状のまま形状保持しやすい平型電線2を実現できる。また、厚さ方向において第1導体21aを挟み込むように銅または銅合金からなる第2導体21bを設けることで、第1導体21aを第2導体21bにより保護できると共に、例えば加締め等によりコネクタや端子3に容易に接続可能になり、導体21の導電率及び耐熱性、及び機械的強度の向上を図ることができる。
導体21がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1導体21aを有することで、平型電線2を厚さ方向に曲げやすくなるため、制御盤等の装置11間の狭い隙間にも平型電線2の蛇行や捩れが生じることなく配線でき、配線作業が容易になる。つまり、本実施の形態によれば、曲げやすく配線しやすい平型電線2を実現できる。また、装置11間の電源供給用の配線材に用いられてきた従来のバスバと比較して、端子付き平型電線1は、様々な配線レイアウトに配線することが可能で、且つ汎用性も高いため、設備の更新等の際に低コストの配線材を提供することが可能である。
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、第1導体21aの周囲全体を覆うように第2導体21bを設ける場合について説明したが、これに限らず、図5に示すように、帯状に形成された一対の第2導体21bを用い、導体21の厚さ方向において、第1導体21aを一対の第2導体21bで挟み込むように導体21を構成してもよい。このように構成することで、図1(c)の場合と比較して、厚さは大きくなるものの幅を小さくすることが可能になる。配線スペースの形状等に応じて、平型電線2を図1(c)の構造とするか、図5の構造とするかを適宜選択可能である。以下、区別のため、図1(c)の平型電線2を第1平型電線2aと呼称し、図5の平型電線2を第2平型電線2bと呼称する。
また、2本以上の平型電線2を連結して用いてもよい。この場合、第1平型電線2aと第2平型電線2bとを連結することも当然に可能である。例えば、図6(a)に示すように、第1平型電線2aの端部に設けた端子3と、第2平型電線2bの端部に設けた端子3とを、ボルト等により互いに固定することで、両平型電線2a,2bを連結した接続構造としてもよい。また、図6(b)に示すように、筒状の加締め金具6を用い、両平型電線2a,2bの導体21の先端部を突き合せた状態または重ね合わせた状態で加締め金具6の内部に配置し、両者の導体21を加締め固定することで、両平型電線2a,2bを連結した接続構造としてもよい。そして、加締め金具6で連結した連結部分の周囲を覆うように、第1平型電線2aの絶縁体22から加締め金具6を経て第2平型電線2bの絶縁体22に至るまでの範囲に熱収縮チューブ4が設けられているとよい。
さらには、両平型電線2a,2bの連結をより強固とするため、図7に示すように、第2平型電線2bの端部において第1導体21aのみを所定長さ切除することで、その切除した部分に第2導体21bで囲まれる空間を形成し、当該空間に第1平型電線2aの導体21を挿入して、当該導体21を、第2平型電線2bの一対の第2導体21bで厚さ方向に挟み込んだ状態とし、両導体21の第2導体21同士が接触した状態で両導体21が重なった部分を加締め固定するようにした接続構造としてもよい。そして、図示していないが、加締め固定で連結した連結部分の周囲を覆うように、図6(b)に示すような熱収縮チューブ4が設けられているとよい。なお、図7とは逆に、第1平型電線2aの第1導体21aを所定長さ切除することで、その切除した部分に第2導体21bで囲まれる空間を形成し、その空間に、第2平型電線2bの導体21を挿入して加締め固定した接続構造にしてもよい。
なお、図6~図7に示す接続構造では、図1(c)に示す平型電線2(第1平型電線2a)と図5に示す平型電線2(第2平型電線2b)とを接続させた接続構造で説明したが、これに限らず、図1(c)に示す平型電線2(第1平型電線2a)同士を接続させた接続構造や、あるいは図5に示す平型電線2(第2平型電線2b)同士を接続させた接続構造にしてもよい。
図8(a)は、平型電線2の一変形例を示す断面図であり、図8(b)は、端子付き平型電線1の一変形例を示す斜視図である。図8(a)に示すように、平型電線2は、導線24aの周囲に絶縁被覆部24bが設けられた線状の絶縁被覆線24をさらに有してもよい。絶縁被覆線24は、絶縁体22の内部に、導体21の長手方向に沿うように導体21と並列配置されている。絶縁被覆線2は、幅方向において導体21と並ぶように配置されている。
導線24aは、例えば、銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる金属線で構成される。絶縁被覆部24bは、例えば、絶縁体22と同様に、ポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂を主成分とする樹脂組成物で構成される。
絶縁被覆線24は、図8(b)に示すように、端子付き平型電線1の端部において、熱収縮チューブ4の先端部から突出するように配置される。このとき、絶縁被覆線24は、端子3の固定部(加締め部)31に沿うように配置され、加締め部31とともに熱収縮チューブ4で覆われている。絶縁被覆線24の先端部には、接続端子6が接続されており、絶縁被覆線24は、接続端子6を介して装置11の制御用電極や接地用電極、あるいは装置11以外の機器等に接続される。
平型電線2は、絶縁被覆線24を有することにより、図2(a)に示す装置11同士の間などに絶縁被覆線24と平型電線2とを配線する際、絶縁被覆線24と平型電線2とが別々に配線されている場合と比較して、配線スペースを小さくでき、配線作業性も向上し、また、配線レイアウトの自由度も向上する。なお、図8(a),(b)では1本の絶縁被覆線24を備える場合について説明したが、これに限らず、複数本の絶縁被覆線24を備えてもよい。例えば、幅方向において導体21を挟み込むように一対の絶縁被覆線24が設けられていてもよい。さらに、端子3,6を別体とすることも必須ではなく、両端子3,6を一体としたコネクタを平型電線2の端部に設けてもよい。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]帯状の導体(21)と、前記導体(21)の周囲を被覆している絶縁体(22)と、を備え、前記導体(21)は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1素線を編み合わせて構成された帯状の第1導体(21a)と、少なくとも、前記導体(21)の厚さ方向において前記第1導体(21a)を挟み込むように設けられており、銅または銅合金からなる第2素線を編み合わせて構成された第2導体(21b)と、を有する、平型電線(2)。
[2]前記第2導体(21b)は、前記第1導体(21a)の周囲全体を覆うように筒状に形成されている、[1]に記載の平型電線(2)。
[3]前記導体(21)は、帯状に形成された一対の前記第2導体(21b)を有し、前記導体(21)の厚さ方向において、前記第1導体(21a)を一対の前記第2導体(21b)で挟み込んで構成されている、[1]に記載の平型電線(2)。
[4]厚さHと幅Wとの比(W/H)が4以上である、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の平型電線(2)。
[5]前記導体(21)の周囲に設けられた形状保持用の帯状あるいは線状の形状保持部材(23)をさらに備えた、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の平型電線(2)。
[6]前記導体(21)は、前記第1素線(21a)の外径が前記第2素線(21b)の外径よりも大きい、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の平型電線(2)。
[7]平型電線(2)と、前記平型電線(2)の少なくとも一方の端部に設けられた端子(3)と、を備えた端子付き平型電線(1)であって、前記平型電線(2)は、帯状の導体(21)と、前記導体(21)の周囲を被覆している絶縁体(22)と、を備え、前記導体(21)は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1素線を編み合わせて構成された帯状の第1導体(21a)と、少なくとも、前記導体(21)の厚さ方向において前記第1導体(21a)を挟み込むように設けられており、銅または銅合金からなる第2素線を編み合わせて構成された第2導体(21b)と、を有する、端子付き平型電線(1)。
[8]前記絶縁体(22)の先端部と前記端子(3)の先端部との間に露出させた前記導体(21)であって、かつ、前記端子(3)が固定されていない部分の前記導体(21)である非圧着部(5)の長さが、前記平型電線(2)の幅以上である、[7]に記載の端子付き平型電線(1)。
[9]前記非圧着部(5)、前記端子(3)の少なくとも一部、及び前記絶縁体(22)の端部の周囲を一括して覆うように設けられた被覆部材(4)を備え、前記非圧着部(5)を覆う被覆部材(4)の外形がテーパ形状である、[8]に記載の端子付き平型電線(1)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…端子付き平型電線
2…平型電線
21…導体
21a…第1導体
21b…第2導体
22…絶縁体
23…形状保持部材
3…端子
4…熱収縮チューブ(被覆部材)

Claims (10)

  1. 帯状の導体と、
    前記導体の周囲を被覆している絶縁体と、を備え、
    前記導体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1素線を編み合わせて構成された帯状の第1導体と、少なくとも、前記導体の厚さ方向において前記第1導体を挟み込むように設けられており、銅または銅合金からなる第2素線を編み合わせて構成された第2導体と、を有し、
    厚さHと幅Wとの比(W/H)が4以上であり、
    前記厚さ方向に曲げて使用される、
    平型電線。
  2. 前記第2導体は、前記第1導体の周囲全体を覆うように筒状に形成されている、
    請求項1に記載の平型電線。
  3. 前記導体は、
    帯状に形成された一対の前記第2導体を有し、
    前記導体の厚さ方向において、前記第1導体を一対の前記第2導体で挟み込んで構成されている、
    請求項1に記載の平型電線。
  4. 前記絶縁体は、前記導体の周囲に挿入押出により被覆されている
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の平型電線。
  5. 幅方向において前記導体を挟み込むように設けられた一対の線状の形状保持部材をさらに備えた、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の平型電線。
  6. 前記導体は、前記第1素線の外径が前記第2素線の外径よりも大きい、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の平型電線。
  7. 平型電線と、前記平型電線の少なくとも一方の端部に設けられた端子と、を備えた端子付き平型電線であって、
    前記平型電線は、帯状の導体と、前記導体の周囲を被覆している絶縁体と、を備え、
    前記導体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1素線を編み合わせて構成された帯状の第1導体と、少なくとも、前記導体の厚さ方向において前記第1導体を挟み込むように設けられており、銅または銅合金からなる第2素線を編み合わせて構成された第2導体と、を有し、
    前記平型電線は、厚さHと幅Wとの比(W/H)が4以上であり、前記厚さ方向に曲げて使用される、
    端子付き平型電線。
  8. 前記絶縁体の先端部と前記端子の先端部との間に露出させた前記導体であって、かつ、前記端子が固定されていない部分の前記導体である非圧着部の長さが、前記平型電線の幅以上である、
    請求項7に記載の端子付き平型電線。
  9. 前記非圧着部、前記端子の少なくとも一部、及び前記絶縁体の先端部の周囲を一括して覆うように設けられた被覆部材を備え、
    前記非圧着部を覆う被覆部材の外形がテーパ形状である、
    請求項8に記載の端子付き平型電線。
  10. 前記端子は、前記絶縁体の端部から露出させた前記導体の端部に固定される固定部、及び被接続部材との固定用の平板状の接続部を一体に有し、前記固定部から前記平型電線の長手方向の外方に前記接続部が延出した形状からなり、前記接続部の法線方向と前記平型電線の厚さ方向とのなす角度を0度よりも大きく90度以下とするように前記固定部と前記導体の端部とが固定されている、
    請求項7乃至9の何れか1項に記載の端子付き平型電線。
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