JP7814324B2 - 歯ブラシ - Google Patents

歯ブラシ

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JP7814324B2
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Description

本発明は、歯ブラシに関する。
本願は、2020年12月24日に、日本に出願された特願2020-214445号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
歯ブラシを長期間使用すると毛先が広がる毛開きが生じ、歯ブラシが本来有する清掃効果が低下することが知られている。
毛開きに対しては、ポリエステル用毛を用いて毛開き耐久性を確保し、ハンドル体における毛折れの起きやすい開口周縁部に軟質樹脂を用いることで毛折れ耐久性を向上させた歯ブラシが開示されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上述の従来技術では、特定の材質の用毛を用いる必要があり、用毛の材質に汎用性が欠けるという問題があった。
また、平線の打ち込み深さを規定することで、毛開きの耐久性を向上させた文献が開示されている(例えば、特許文献2)。
特開2007-6937号公報 特開2018-183275号公報
しかしながら、用毛間に用毛材料の降伏点を超える空間が存在する場合、用毛が動きすぎて毛開きが生じてしまうことがある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、用毛の動きを用毛材料の降伏点以下に抑制できる歯ブラシを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、植毛面を有するヘッド部と、前記ヘッド部に接続するハンドル部とを備え、前記ヘッド部は、前記植毛面と対向する正面側から見た正面視で、前記植毛領域に単一の毛束で独立した面状に設けられた複数の植毛部を備え、複数の前記植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた植毛領域の面積に対する、複数の前記植毛部の総面積の割合は、70%以上、99%以下であり、複数の前記植毛部は、線状に延び幅が1mm以下の隙間を介して互いに対向する対向植毛部を有し、前記対向植毛部の総面積は、複数の前記植毛部の総面積に対する割合が70%以上であり、前記対向植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた領域のうち、最も大きい領域の面積は、50mm以上であり、前記植毛面の単位面積当たりの植毛本数は、20本/mm以上、80本/mm以下であることを特徴とする歯ブラシが提供される。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、複数の前記植毛部は、最小幅が3mm以上で面積が5mm以上の第1植毛部と、最小幅が3mm未満で面積が15mm未満であり、前記正面視で矩形状の第2植毛部と、を有することを特徴とする。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1植毛部は、前記ヘッド部の長軸方向に複数配置されることを特徴とする。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第2植毛部は、長辺が前記第1植毛部と対向していることを特徴とする。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1植毛部と前記第2植毛部とは、前記長軸方向に交互に並ぶことを特徴とする。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、最小幅が3mm未満で面積が5mm以上、30mm以下の第3植毛部を有し、前記第3植毛部は、他の辺よりも長い辺が前記第1植毛部と対向していることを特徴とする。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第3植毛部は、前記長軸方向に沿う方向に延び、前記植毛面と平行で前記長軸方向と直交する幅方向の最も外側に、前記第1植毛部と前記第2植毛部の少なくとも一方と対向して配置されていることを特徴とする。
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1植毛部の少なくとも一つは、少なくとも一辺が前記ヘッド部の外周に向けて凸に湾曲することを特徴とする。
本発明では、用毛の動きを用毛材料の降伏点以下に抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る歯ブラシ1の部分正面図である。 本発明の第2実施形態に係る歯ブラシ1の部分正面図である。
以下、本発明の歯ブラシの実施の形態を、図1および図2を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
[歯ブラシの第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る歯ブラシ1の部分正面図である。
歯ブラシ1は、植毛面2を有するヘッド部3と、ヘッド部3に接続されるハンドル部4とを有している。ヘッド部3は、正面側に植毛面2を有する。ヘッド部3は、ハンドル部4の長軸方向(図1中、左右方向)の先端側に位置する。
以下の説明では、植毛面2と平行で長軸方向と直交する方向(図1中、上下方向)を短軸方向として説明する。短軸方向のうち、図1中、上側を幅方向一方側とし、図1中、下側を幅方向他方側とする。また、植毛面2と対向する側を正面側とし、正面側と逆側を背面側として適宜説明する。長軸方向については、ハンドル部4に対してヘッド部3が配置される側を先端側とし、ハンドル部4が配置される側を後端側とする。
ヘッド部3は、正面側から見た正面視で長軸方向に延びる、一例として、長円形状である。ヘッド部3の正面視形状は、長円形状に限定されず、楕円形状や矩形状等、任意の形状を選択可能である。ヘッド部3は、植毛面2に複数の植毛部10を複数有している。植毛部10は、単一の毛束で独立した面状に設けられている。植毛部10は、複数の第1植毛部A1、A2、A3と、複数の第2植毛部B1、B2、B3と、複数の第3植毛部C1、C2とを有している。
第1植毛部A1、A2、A3は、短軸方向の中央位置に、長軸方向に並んで配置されている。第1植毛部A1、A2、A3は、主として、歯面など平滑な部位を清掃対象としている。第1植毛部A1、A2、A3は、刷掃性を維持しつつ、用毛の動きを用毛材料の降伏点以下に抑制して毛開き耐久性を向上させることを目的として設けられている。第1植毛部A1、A2、A3は、それぞれ最小幅が3mm以上で面積が5mm以上で、正面視で短軸方向に延びる矩形状である。第1植毛部A1、A2、A3の面積は、それぞれ20mm以上であることがより好ましい。
第2植毛部B1、B2、B3は、それぞれ最小幅が3mm未満で面積が15mm未満であり、正面視で短軸方向に延びる矩形状である。第2植毛部B1、B2、B3は、主として、歯間を清掃対象としている。第2植毛部B1、B2、B3は、歯間への挿入性に優れ、歯間含めた歯列へのフィット性を向上させつつ、用毛の動きを用毛材料の降伏点以下に抑制して毛開き耐久性を向上させることを目的として設けられている。第2植毛部B1、B2、B3の面積は、それぞれ10mm以下であることが歯列へのフィット性の観点からより好ましい。第2植毛部B1、B2、B3は、それぞれ短軸方向の中央位置に、長軸方向に並んで配置されている。第1植毛部A1、A2、A3と、第2植毛部B1、B2、B3とは、順次長軸方向に交互に並ぶ。
第3植毛部C1、C2は、主として、歯頚部を清掃対象としている。第3植毛部C1、C2は、歯頚部への挿入性に優れ、歯列へのフィット性を向上させつつ、用毛の動きを用毛材料の降伏点以下に抑制して毛開き耐久性を向上させることができる。第3植毛部C1、C2は、それぞれ最小幅が3mm未満で面積が5mm以上、30mm以下である。第3植毛部C1、C2の面積は、それぞれ10mm以上、20mm以下であることがより好ましい。第3植毛部C1、C2は、それぞれヘッド部3の短軸方向の外側に向けて凸に湾曲し長軸方向に沿って延びる二つの曲線が長軸方向につながった形状である。第3植毛部C1、C2は、短軸方向の最も外側に配置されている。
長軸方向で最も先端側に位置する第1植毛部A1は、隙間51を介して第2植毛部B1と対向している。隙間51は、幅が1mm以下で短軸方向に直線状に延びる。第1植毛部A1の四つの隅部は、それぞれR面取りされている。
第1植毛部A2は、第2植毛部B1の長軸方向の後端側に配置されている。第1植毛部A2は、隙間52を介して第2植毛部B1と長軸方向で対向している。すなわち、第2植毛部B1は、長辺が隙間52を介して第1植毛部A2と対向している。隙間52は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で短軸方向に直線状に延びる。
第1植毛部A2の長軸方向の後端側には、第2植毛部B2が配置されている。第1植毛部A2は、隙間53を介して第2植毛部B2と長軸方向で対向している。すなわち、第2植毛部B2は、長辺が隙間53を介して第1植毛部A2と対向している。隙間53は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で短軸方向に直線状に延びる。
第1植毛部A2は、少なくとも一辺がヘッド部3の外周に向けて凸に湾曲している。第1植毛部A2は、短軸方向の両側の辺がヘッド部3の短軸方向の外周に向けて凸に湾曲している。第1植毛部A2は、隙間58を介して第3植毛部C1と短軸方向の一方側で対向している。隙間58は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)でヘッド部3の短軸方向の外側に向けて凸に湾曲する曲線状で長軸方向に沿って延びる。第1植毛部A2は、隙間59を介して第3植毛部C2と短軸方向の他方側で対向している。隙間59は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)でヘッド部3の短軸方向の外側に向けて凸に湾曲する曲線状で長軸方向に沿って延びる。
従って、第1植毛部A2は、隙間52、53を介して第2植毛部B1、B2と長軸方向で対向し、隙間58、59を介して第3植毛部C1、C2と長軸方向で対向している。
第1植毛部A3は、第2植毛部B2の長軸方向の後端側に配置されている。第1植毛部A3は、隙間54を介して第2植毛部B2と長軸方向で対向している。すなわち、第2植毛部B2は、長辺が隙間54を介して第1植毛部A3と対向している。隙間54は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で短軸方向に直線状に延びる。
第1植毛部A3の長軸方向の後端側には、第2植毛部B3が配置されている。第1植毛部A3は、隙間55を介して第2植毛部B3と長軸方向で対向している。すなわち、第2植毛部B3は、長辺が隙間55を介して第1植毛部A3と対向している。隙間55は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で短軸方向に直線状に延びる。
第1植毛部A3は、少なくとも一辺がヘッド部3の外周に向けて凸に湾曲している。第1植毛部A3は、短軸方向の両側の辺がヘッド部3の短軸方向の外周に向けて凸に湾曲している。第1植毛部A3は、隙間62を介して第3植毛部C1と短軸方向の一方側で対向している。隙間62は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)でヘッド部3の短軸方向の外側に向けて凸に湾曲する曲線状で長軸方向に沿って延びる。第1植毛部A3は、隙間63を介して第3植毛部C2と短軸方向の他方側で対向している。隙間63は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)でヘッド部3の短軸方向の外側に向けて凸に湾曲する曲線状で長軸方向に沿って延びる。
従って、第1植毛部A3は、隙間54、55を介して第2植毛部B2、B3と長軸方向で対向し、隙間62、63を介して第3植毛部C1、C2と長軸方向で対向している。
第3植毛部C1は、長軸方向の先端側から順次、第2植毛部B1、第1植毛部A2、第2植毛部B2、第1植毛部A3および第2植毛部B3とそれぞれ短軸方向に対向している。より詳細には、第3植毛部C1は、長軸方向の先端において、隙間56を介して第2植毛部B1と短軸方向で対向している。隙間56は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で長軸方向に直線状に延びる。
第3植毛部C1は、第2植毛部B1より長軸方向の後端側において、隙間58を介して第1植毛部A2と短軸方向で対向している。第3植毛部C1は、第1植毛部A2より長軸方向の後端側において、隙間60を介して第2植毛部B2と短軸方向で対向している。隙間60は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で長軸方向に直線状に延びる。第3植毛部C1は、第2植毛部B2より長軸方向の後端側において、隙間62を介して第1植毛部A3と短軸方向で対向している。第3植毛部C1は、第1植毛部A3より長軸方向の後端側において、隙間64を介して第2植毛部B3と短軸方向で対向している。隙間64は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で長軸方向に直線状に延びる。
第3植毛部C2は、長軸方向の先端側から順次、第2植毛部B1、第1植毛部A2、第2植毛部B2、第1植毛部A3および第2植毛部B3とそれぞれ短軸方向に対向している。より詳細には、第3植毛部C2は、長軸方向の先端において、隙間57を介して第2植毛部B1と短軸方向で対向している。隙間57は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で長軸方向に直線状に延びる。
第3植毛部C2は、第2植毛部B1より長軸方向の後端側において、隙間59を介して第1植毛部A2と短軸方向で対向している。第3植毛部C2は、第1植毛部A2より長軸方向の後端側において、隙間61を介して第2植毛部B2と短軸方向で対向している。隙間61は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で長軸方向に直線状に延びる。第3植毛部C2は、第2植毛部B2より長軸方向の後端側において、隙間63を介して第1植毛部A3と短軸方向で対向している。第3植毛部C2は、第1植毛部A3より長軸方向の後端側において、隙間65を介して第2植毛部B3と短軸方向で対向している。隙間65は、幅が1mm以下(一例として、0.4mm)で長軸方向に直線状に延びる。
従って、第3植毛部C1および第3植毛部C2は、第2植毛部B1、第2植毛部B2および第2植毛部B3と対向する辺よりも長い辺(曲線)が第1植毛部A2および第1植毛部A3とそれぞれ対向している。
上述のように、植毛部10を構成する第1植毛部A1、A2、A3と、第2植毛部B1、B2、B3と第3植毛部C1、C2とは、全てが幅1mm以下の隙間51~65の少なくとも一つを介して他の植毛部10の少なくとも一つと対向する対向植毛部を構成している。すなわち、本実施形態においては、対向植毛部の総面積は、植毛部10の総面積である。従って、本実施形態においては、対向植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた隙間51~65を含む植毛面2の対向植毛領域の総面積は、対向植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた領域のうち、最も大きい領域の面積となる。なお、第1植毛部A1、A2、A3、第2植毛部B1、B2、B3、第3植毛部C1、C2のそれぞれの植毛部間に1mm以下の隙間を設けることで、各植毛部の毛束を独立させて上記役割を明確にさせるとともに、(隙間幅が狭いことにより)植毛部全体の刷掃性を維持しつつ、用毛の動きを用毛材料の降伏点以下に抑制して毛開き耐久性を向上させることができる。
対向植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた領域のうち、最も大きい領域の面積としては、毛開き耐久性の向上および歯列へのフィット性の向上の観点から50mm以上であることが好ましく、100mm以上であることがより好ましく、150mm以上であることがさらに好ましい。
対向植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた領域のうち、最も大きい領域の面積が50mm未満の場合、用毛材料の降伏点を超えて移動する用毛の割合が大きくなり、毛開き耐久性が低下する可能性がある。
対向植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた領域のうち、最も大きい領域の面積を50mm以上とすることにより、毛開き耐久性を向上させることができる。
植毛領域10Aの総面積に対する、植毛部10の毛束面積の総和の割合(植毛密度)は、70%以上、99%以下が好ましく、80%以上、99%以下がより好ましい。植毛部10の総面積の割合が70%未満の場合、隙間が占める面積が大きくなり、用毛材料の降伏点を超える空間が用毛間に存在する可能性が増加して毛開き耐久性が低下するとともに、歯列へのフィット性が低下する可能性がある。植毛部10の総面積の割合が99%を超えると、用毛が移動する空間が少なすぎて刷掃性が低下する可能性がある。植毛部10の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた隙間51~65を含む面積に対する、植毛部10の総面積の割合を70%以上、99%以下とすることにより、刷掃性を維持しつつ、用毛の動きを用毛材料の降伏点以下に抑制して毛開き耐久性を向上させるとともに、歯列のフィット性を向上させることができる。
対向植毛部の総面積は、毛開き耐久性の向上の観点から植毛部10の総面積に対する割合が70%以上(本実施形態では100%)であることが好ましい。
植毛部10の総面積に対する対向植毛部の総面積の割合が70%未満の場合には、用毛材料の降伏点を超えて移動する用毛の割合が大きくなり、毛開き耐久性が低下する可能性がある。
植毛部10の総面積に対する対向植毛部の総面積の割合を70%以上とすることにより、用毛材料の降伏点を超えて移動する用毛の割合を抑制でき毛開き耐久性向上を図ることができる。
植毛部10に対向植毛部に該当しない非対向植毛部が存在する場合は、植毛部10の総面積に対する、非対向植毛部の総面積の割合を10%以下とすることが好ましい。非対向植毛部が複数存在する場合は、各々分散して配置して集合させないことが、用毛材料の降伏点を超えて移動する用毛の割合を低減させる観点から好ましい。
ヘッド縁部を含む植毛面2の単位面積当たりの植毛本数としては、20本/mm以上、80本/mm以下であることが好ましく、25本/mm以上、70本/mm以下であることがより好ましく、30本/mm以上、70本/mm以下であることがさらに好ましい。
ヘッド縁部を含む植毛面2の単位面積当たりの植毛本数が20本/mm未満の場合、用毛材料の降伏点を超えて移動する用毛の割合が大きくなり、毛開き耐久性が低下する可能性がある。ヘッド縁部を含む植毛面2の単位面積当たりの植毛本数が80本/mm以を超えると、用毛材料の移動する空間が少なくなり、歯列へのフィット性が低下する可能性がある。
隙間51~65の幅としては、上述したように、1mm以下であることが好ましく、0.8mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。
隙間51~65の幅を1mm以下とすることにより、用毛材料の降伏点を超える空間を低減して毛開き耐久性を向上させることができる。
第1植毛部A1、A2、A3、第2植毛部B1、B2、B3および第3植毛部C1、C2の毛束を構成する用毛としては、ストレート毛や毛先に向かって漸次その径が小さくなる用毛(テーパー毛)、先端分岐毛、スパイラル毛、異形断面用毛などが挙げられる。矯正装置周辺や歯頸部の清掃効果の点から、毛束を構成する用毛は、テーパー毛であることが好ましい。用毛をテーパー毛とすることにより、掻き取り力を確保しつつ細かな部分にも毛先を届かせて清掃効果を向上させることができる。毛束の先端形状は、平切り、山切り、凸状、凹状などが挙げられる。毛束の先端形状を山切りもしくは丘状とすることにより、細かな部分に毛先を届かせて清掃効果を向上させることができる。
上記毛束は、その刷毛の材質について特に限定されないものの、例えば、ポリアミド(例:6-12ナイロン、6-10ナイロン)、ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(例:ポリプロピレン)、エラストマー(例:オレフィン系、スチレン系)などの合成樹脂材料を挙げることができる。また、これらの樹脂材料を複数組み合わせて用いてもよく、例えば芯鞘構造などのように、芯部と鞘部で異なる樹脂材料を用いることもできる。
上記毛束を構成する用毛の用毛径としては、例えば、4~7mil(1mil=1/1000inch=0.025mm)とされる。4mil以上であれば、歯頸部を良好に清掃できる毛腰が確保され、7mil以下であれば、歯茎等への刺激を緩和できる柔軟性が確保される。なお、テーパー毛における用毛径は、基部における直径である。
ハンドル部4の材質は、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂や、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂などを用いることが好ましい。
第1植毛部A1、A2、A3、第2植毛部B1、B2、B3および第3植毛部C1、C2の毛束を植毛面2に固定する方法としては、毛束下端の溶融部をヘッド部3となる溶融樹脂中へ圧入して固定する熱融着法(圧力-温度-時間(PTt)法)、毛束の下端を加熱して溶融塊を形成した後、溶融樹脂を金型内に注入してヘッド部を成形するインモールド法などを利用することができる。
以上のように、本実施形態の歯ブラシ1では、用毛の動きを用毛材料の降伏点以下に抑制して毛開き耐久性を向上させることができるとともに、歯列へのフィット性を向上させることができる。
[歯ブラシの第2実施形態]
続いて、歯ブラシ1の第2実施形態について、図2を参照して説明する。
この図において、図1に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図2は、第2実施形態に係る歯ブラシ1の部分正面図である。
本実施形態の植毛部10は、第1植毛部A2、A3と、第2植毛部B1、B3と第3植毛部C11、C12、C21、C22と、複数の第4植毛部Dとを有している。
すなわち、本実施形態の植毛部10は、第1植毛部A1、第2植毛部B2が設けられず、長軸方向に分離された第3植毛部C11、C12、C21、C22と、複数の第4植毛部Dとが設けられる点が第1実施形態と異なっている。
本実施形態における植毛部10は、第1植毛部A2が隙間66で短軸方向に二分割され、第1植毛部A3が隙間67で短軸方向に二分割されている。隙間66は、幅が1mm以下で短軸方向の中央に位置し、長軸方向に直線状に延びて第1植毛部A2を二分割する。隙間67は、幅が1mm以下で短軸方向の中央に位置し、長軸方向に直線状に延びて第1植毛部A3を二分割する。
本実施形態における植毛部10は、第1植毛部A2の短軸方向の一方側に隙間58を介して対向する第3植毛部C11と、第1植毛部A2の短軸方向の他方側に隙間59を介して対向する第3植毛部C21と、第1植毛部A3の短軸方向の一方側に隙間62を介して対向する第3植毛部C12と、第1植毛部A3の短軸方向の他方側に隙間63を介して対向する第3植毛部C2とを有する。
第4植毛部Dは、正面視円形である。第4植毛部Dは、長軸方向で第1植毛部A2と第1植毛部A3との間に間隔をあけて配置されている。第4植毛部Dは、短軸方向に間隔をあけて複数(図2では7つ)配置されている。
他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、第1植毛部A2、A3と第4植毛部Dとの間、および第3植毛部C11、C12、C21、C22と、第4植毛部Dとの間で線状に延び幅が1mm以下の隙間が設けられていない。そのため、複数の第4植毛部Dは、対向植毛部を構成しない。従って、本実施形態においては、対向植毛部を構成する第1植毛部A2、第2植毛部B1および第3植毛部C11、C21の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた対向植毛領域10Bの面積と、対向植毛部を構成する第1植毛部A3、第2植毛部B3および第3植毛部C12、C22の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた対向植毛領域10Cの面積のうち、面積が大きい方の面積が50mm以上である。
本実施形態の歯ブラシ1においては、対向植毛領域10Bの面積と対向植毛領域10Cの面積のうち、大きい方の面積を対向植毛領域の面積として用い、第1実施形態で説明した関係を満足することにより、用毛材料の降伏点を超える空間を低減して毛開き耐久性を向上させることができるとおもに、歯列のフィット性を向上させることができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1~8、比較例1)
本実施例では、下記[表1]、[表2]、[表3]に示す仕様に従って、実施例1~8、比較例1の歯ブラシのサンプルを作製した。
各例の歯ブラシの各部位は表1、表2に示す寸法とした。用毛は径6mil、PF80%で調整し、ハンドル部の樹脂は、PP樹脂を用いた。
実施例1のサンプルは、上記第1実施形態で説明した植毛部を有する歯ブラシのサンプルとした。実施例2~4のサンプルは、実施例1のサンプルに対して、隙間の幅を変更した植毛部を有する歯ブラシのサンプルとした。実施例5のサンプルは、実施例3のサンプルに対して、第1植毛部A2、A3の短軸方向の中央に長軸方向に延びる隙間を加え、第1植毛部A2、A3をそれぞれ短軸方向に二分割した植毛部を有する歯ブラシのサンプルとした。実施例6のサンプルは、実施例5のサンプルに対して、第1植毛部A1を設けない植毛部を有する歯ブラシのサンプルとした。実施例7のサンプルは、上記第2実施形態で説明した植毛部を有する歯ブラシをサンプルとした。実施例8のサンプルは、実施例3のサンプルに対して、第1植毛部A3、第2植毛部B2、B3および第2実施形態で説明した第3植毛部C12、C22が設けられた植毛部を有する歯ブラシのサンプルとした。比較例1のサンプルは、実施例1のサンプルに対して、隙間の幅を変更した植毛部を有する歯ブラシのサンプルとした。
[評価方法]
(1)歯ブラシの毛開き耐久性
[試験方法]
専門家パネル10名で歯ブラシを長期(3ヶ月)使用した後、使用前の毛束における短軸方向の毛先幅L1と、使用後の毛束における短軸方向の毛先幅L2とを測定し、毛開き率を下式で算出した。
毛開き率(%)=(L2-L1)×100/L1
<評価基準>
◎(double circle mark):毛開き率の平均値が5%未満
〇(circle mark):毛開き率の平均値が6~10%
×(cross mark):毛開き率の平均値が10%を上回る
(2)歯列へのフィット性
[試験方法]
専門家パネル10人を用いた官能試験により評価した。市販の歯磨剤1gを各実施例、比較例に示す歯ブラシ上にのせて3分間ブラッシングを行ったときの歯ブラシの歯列へのフィット性を下記評価基準にて評価した。
専門家パネル10人の平均点が4.0点を上回る「◎」、平均点が3.0点以上、4.0点未満を「〇」、平均点が3.0未満を「×」とし、◎又は○の歯ブラシの歯列へのフィット性とされるものを、歯磨き時に良好な歯列へのフィット性が得られる歯ブラシであると判断した。
<評価基準>
5点:「歯列へのフィット性」が非常に感じられる。
4点:「歯列へのフィット性」がかなり感じられる。
3点:「歯列へのフィット性」が感じられる。
2点:「歯列へのフィット性」がやや感じられる
1点:「歯列へのフィット性」が全く感じられない。
[表1]、[表2]、[表3]に示されるように、複数の植毛部の総面積の割合が70%以上、99%以下であり、線状に延びる隙間の幅が1mm以下であり、対向植毛部の総面積が複数の植毛部の総面積に対する割合が70%以上であり、対向植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた面積が50mm以上であり、植毛面の単位面積当たりの植毛本数が20本/mm以上、80本/mm以下である実施例1~8のサンプルでは、「歯ブラシの毛開き耐久性」、「歯列へのフィット性」の両方で良好な評価が得られた。
一方、複数の植毛部の総面積の割合が70%以上、99%以下、および線状に延びる隙間の幅が1mm以下の条件を満たさない比較例1のサンプルでは、「歯ブラシの毛開き耐久性」、「歯列へのフィット性」の両方で良好な評価が得られなかった。
また、実施例2のサンプルに対して、隙間の幅が小さい実施例1のサンプルでは、「歯列へのフィット性」の評価が向上した。さらに、実施例3~4のサンプルに対して、隙間の幅が小さい実施例1~2のサンプルでは、「歯ブラシの毛開き耐久性」の評価が向上した。
対向植毛部である第2植毛部B2の代わりに、非対向植毛部である正面視円形の第4植毛部Dが設けられた実施例7のサンプルに対して、第2植毛部B2を有する実施例6のサンプルでは、「歯列へのフィット性」の評価が向上した。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明は、歯ブラシに適用できる。
1…歯ブラシ、 2…植毛面、 3…ヘッド部、 4…ハンドル部、 10…植毛部、 10A…植毛領域、 10B、10C…対向植毛領域、 51~67…隙間、 A1、A2、A3…第1植毛部、 B1、B2、B3…第2植毛部、 C1、C2…第3植毛部

Claims (4)

  1. 植毛面を有するヘッド部と、前記ヘッド部に接続するハンドル部とを備え、
    前記ヘッド部は、
    前記植毛面と対向する正面側から見た正面視で、前記植毛面に単一の毛束で独立した面状に設けられた複数の植毛部を備え、
    複数の前記植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた植毛面の面積に対する、複数の前記植毛部の総面積の割合は、70%以上、99%以下であり、
    複数の前記植毛部は、線状に延び幅が1mm以下の隙間を介して互いに対向する対向植毛部を有し、
    前記対向植毛部の総面積は、複数の前記植毛部の総面積に対する割合が70%以上であり、
    前記対向植毛部の最外郭をつなげた輪郭で囲まれた領域のうち、最も大きい領域の面積は、50mm以上であり、
    前記植毛面の単位面積当たりの植毛本数は、20本/mm以上、80本/mm以下であり、
    複数の前記植毛部は、
    最小幅が3mm以上で面積が5mm 以上の第1植毛部と、
    最小幅が3mm未満で面積が15mm 未満であり、前記正面視で矩形状の第2植毛部と、
    を有し、
    前記第1植毛部は、前記ヘッド部の長軸方向に複数配置され、
    前記第2植毛部は、長辺が前記第1植毛部と対向し、
    前記第1植毛部と前記第2植毛部とは、前記長軸方向に交互に並び、
    前記第1植毛部と前記第2植毛部との隙間の前記長軸方向の幅が、前記植毛面と平行で前記長軸方向と直交する短軸方向に亘って一定であることを特徴とする歯ブラシ。
  2. 最小幅が3mm未満で面積が5mm以上、30mm以下の第3植毛部を有し、
    前記第3植毛部は、他の辺よりも長い辺が前記第1植毛部と対向している、
    請求項に記載の歯ブラシ。
  3. 前記第3植毛部は、前記長軸方向に沿う方向に延び、前記植毛面と平行で前記長軸方向と直交する短軸方向の最も外側に、前記第1植毛部と前記第2植毛部の少なくとも一方と対向して配置されている、
    請求項に記載の歯ブラシ。
  4. 前記第1植毛部の少なくとも一つは、少なくとも一辺が前記ヘッド部の外周に向けて凸に湾曲する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
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