JP7819782B2 - 体性感覚制御装置、方法およびプログラム - Google Patents

体性感覚制御装置、方法およびプログラム

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Description

この発明の一態様は、例えば仮想現実(Virtual Reality:VR)技術を用いた体性感覚制御装置、方法およびプログラムに関する。
近年、VR技術を活用したサービスが種々提案されている。例えば、非特許文献1には、VR技術を活用してスポーツトレーニングを行うサービスに関する技術が記載されている。このサービスは、スポーツシーンにおいて取得される計測データに基づいて、スポーツの状態を仮想空間に再現し、これをユーザがヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display:HMD)を通じて体験することで、自身のトレーニングに役立てるようにしたものである。また、VR技術を活用した他のサービスとして、メタバース上でアバタを用いたオンライン会議等のコミュニケーションを行うサービスも提案されている。
三上弾ほか、「VR技術を活用したスポーツトレーニングの試み」、日本画像学会誌 第58巻 第3号 p316-323 (2019)
ところで、HMDを装着してVR空間を体験する場合、ユーザは現実空間を視認できないため、現実空間における自身の体性感覚の認識が困難となる。そこで、例えば現実空間におけるユーザの状態をカメラで撮像してその映像データをVR空間に併せて表示したり、ユーザの状況を表すテキストデータをVR空間に表示することで、VR空間に没入しているユーザが現実空間における自身の体性感覚を認識できるようにする手法が考えられている。
しかし、この手法では、HMDを用いたVR空間の体験の特徴である没入感が阻害され、VR技術を活用したトレーニングや会議等に対するユーザの集中力の低下や意欲の低下を招くおそれがある。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、ユーザが仮想現実空間への没入感を損なうことなく現実空間における自身の体性感覚を認識できるようにする技術を提供しようとするものである。
上記課題を解決するためにこの発明に係る体性感覚制御装置又は方法の一態様は、ユーザに装着されるヘッドマウントディスプレイに前記ユーザに対応するアバタを含む仮想現実空間を表す情報を表示する際に、前記ユーザが所定の心身状態と関連性を有する擬似的な行動を行ったときの当該行動の内容を表す情報として、ノンアルコール飲料を飲んだときの飲量を表す情報を取得し、取得された前記飲量を表す情報をもとに、前記ユーザに前記飲量に対応する酒酔い状態を錯覚させるための効果情報を生成する。そして、前記仮想現実空間を表す情報に含まれる前記アバタに対し前記効果情報を反映し、前記効果情報が反映された前記アバタを含む前記仮想現実空間を表す情報を前記ヘッドマウントディスプレイへ出力するようにしたものである。
この発明の一態様によれば、例えば、仮想現実空間を表す情報に含まれる、ユーザに対応するアバタに、ユーザがノンアルコール飲料を飲んだときの飲量に対応する酒酔い状態を錯覚させる効果情報が反映される。このため、ユーザはヘッドマウントディスプレイにおいて仮想現実空間を表す情報を見ながら、自身のアバタの様子からノンアルコール飲料を飲んだときの飲量に対応する酒酔い状態を錯覚することが可能となる。この結果、ユーザは仮想現実空間に対する没入感を損なうことなく自身の体性感覚を認識することが可能となる。
すなわち、この発明の一態様によれば、ユーザが仮想現実空間に対する没入感を損なうことなく現実空間における自身の体性感覚を認識できるようにする技術を提供することができる。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る体性感覚制御装置を備えるオンライン会議システムの一例を示す図である。 図2は、この発明の第1の実施形態に係る体性感覚制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図3は、この発明の第1の実施形態に係る体性感覚制御装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。 図4は、図3に示した体性感覚制御装置の制御部が実行する体性感覚制御処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。 図5は、第1の実施形態の実施例1の説明に使用するVR効果情報の一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態の実施例2の説明に使用するVR効果情報の一例を示す図である。 図7は、第1の実施形態の実施例3の説明に使用するVR効果情報の一例を示す図である。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[原理]
この発明の実施形態は、VR技術を活用したオンライン会議システム等において、ユーザの分身を表すアバタ等のキャラクタの表情や振る舞いが、そのユーザの行動特性や外向性に影響を与える「プロテウス効果」に着目する。
「プロテウス効果」とは、例えばVR技術を用いたオンラインゲームにおいて、アバタとして屈強な肉体を持つキャラクタを操る人に、ゲーム内でより大胆な行動をしたり、強気に交渉するといった変化が発生することを表す。この行動の変化は、オンライン上のみならずユーザの現実の行動にも及ぶ可能性がある。「プロテウス効果」については、例えば以下の参考文献において詳しく報告されている。
参考文献1;Nick Yee, & Jeremy Bailenson, “The Proteus effect: The effect of transformed self-representation on behavior”. Human communication research, 33(3), 271-290. 2019.
参考文献2;Konstantina Kilteni, Ilias Bergstrom and Mel SlaterBergstrom, “Drumming in immersive virtual reality: the body shapes the way we play”. IEEE transactions on visualization and computer graphics, 19(4), 597-605. 2013.
この発明の実施形態は、上記「プロテウス効果」に着目し、ユーザが装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD)に、例えばオンライン会議上の様子をVR空間データとして表示させる際に、ユーザの心身の状態をセンサにより測定する。そして、その測定情報をもとに、ユーザの心身の状態をユーザに知覚または錯覚させるためのVR効果情報を生成し、生成した上記VR効果情報をVR空間データ中のユーザのアバタに反映させる。そして、このVR効果情報が反映されたアバタを含む上記VR空間データを、上記HMDに表示させる。
この発明の実施形態によれば、HMDに表示されるVR空間データに含まれるアバタの様子により、ユーザに自身の現実空間における心身状態を知覚、或いは錯覚させることが可能となる。すなわち、ユーザに対し、VR空間への没入感を損なうことなく現実空間における自身の体性感覚を認識させることが可能となる。
[第1の実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の第1の実施形態に係る体性感覚制御装置を備えるVRオンライン会議システムの一例を示す図である。
第1の実施形態に係るシステムは、ユーザがマイクロフォン2を備えたヘッドセット型のHMD1を使用して、他の参加者の会議端末61~6nとの間で、ネットワーク4上に配置されたオンライン会議サーバ5を介して、VR空間でのオンライン会議を行うもので、HMD1には体性感覚制御装置3が接続されている。
マイクロフォン2には、ユーザの呼気に含まれるアルコール濃度を検出するための呼気センサ7が付設されている。呼気センサは、呼気アルコール濃度の検出信号をHMD1を介して体性感覚制御装置3へ送信する。
なお、呼気アルコール濃度を検出するためのセンサとしては、例えば以下のサイトに記載されたものを使用することができる。
<URL: https://www.switch-science.com/catalog/6652/>。
オンライン会議サーバ5は、ユーザを含む複数の会議参加者の端末間でVR空間を用いたオンライン会議通信を可能にする。なお、会議参加者が使用する端末は、汎用のパーソナルコンピュータが使用される。
ネットワーク4は、例えばインターネットを中核とする広域ネットワークと、この広域ネットワークに対しアクセスするためのアクセスネットワークとを備える。アクセスネットワークとしては、例えば、有線または無線を使用する公衆通信ネットワーク、有線または無線を使用するLAN(Local Area Network)、CATV(Cable Television)ネットワークが使用される。また、ネットワーク4には、地上波または衛星を使用する放送媒体が含まれていてもよい。
(2)体性感覚制御装置3
図2および図3は、それぞれこの発明の第1の実施形態に係る体性感覚制御装置3のハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
体性感覚制御装置3は、例えばパーソナルコンピュータからなり、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを使用した制御部31を備える。そして、この制御部31に対し、バス37を介して、プログラム記憶部32およびデータ記憶部33を有する記憶ユニットと、センサインタフェース(以後インタフェースをI/Fと略称する)部34と、通信I/F部35と、入出力I/F部36とを接続したものとなっている。
なお、体性感覚制御装置3としては、例えばパーソナルコンピュータ以外にスマートフォンやタブレット型端末が用いられてもよい。また体性感覚制御装置3は、ユーザがオンライン会議通信のために使用する端末と兼用されてもよく、さらにはその機能がHMD1に内蔵されてもよい。
センサI/F部34は、呼気センサ7から出力された呼気アルコール濃度の検出信号を受信してデジタルデータに変換する。通信I/F部35は、ネットワーク4を介してオンライン会議サーバ5との間でVR空間データの送受信を行う。入出力I/F部36は、HMD1から出力されるユーザの映像および音声等を含む送信データを受信すると共に、HMD1へ制御部31から出力されるVR空間データを送信する。
なお、センサI/F部34は入出力I/F部36に統合してもよく、またセンサI/F部34および入出力I/F部36には、例えばBluetooth(登録商標)等の小電力無線データ通信規格を採用した無線インタフェース機能が備えられていてもよい。無線インタフェース機能を用いることで、体性感覚制御装置3とHMD1との間の信号の送受信をコードレスで行うことが可能となる。
プログラム記憶部32は、例えば、記憶媒体としてSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、第1の実施形態に係る各種制御を実行するために必要なアプリケーション・プログラムを格納する。なお、以後OSと各アプリケーション・プログラムとをまとめてプログラムと称する。
データ記憶部33は、例えば記憶媒体として、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと組み合わせたもので、その記憶領域には、この発明の第1の実施形態を実施するために必要な主たる記憶部として、心身情報記憶部331と、VR効果リスト記憶部332と、VR空間データ記憶部333とが設けられている。
心身情報記憶部331は、上記呼気センサ7から受信した呼気アルコール濃度の検出データを一時保存するために使用される。VR効果リスト記憶部332には、呼気アルコール濃度の複数の値に対応付けて、VR空間のアバタを変化させるためのVR効果情報が事前に記憶されている。VR空間データ記憶部333は、オンライン会議サーバ5から送信されたVR空間データを、アバタの制御処理のために一時保存するために使用される。
制御部31は、この発明の第1の実施形態を実施するために必要な処理機能として、心身情報取得処理部311と、VR効果情報生成処理部312と、VR空間データ取得処理部313と、アバタ制御処理部314と、VR空間データ出力処理部315とを備える。これらの処理部311~315は、何れもプログラム記憶部32に格納されたアプリケーション・プログラムを制御部31のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
なお、上記処理部311~315の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
心身情報取得処理部311は、オンライン会議参加中のユーザの呼気アルコール濃度検出データを呼気センサ7から受信し、受信した呼気アルコール濃度検出データをユーザの心身状態を表す情報として心身情報記憶部331に一時保存する。
VR効果情報生成処理部312は、上記心身情報記憶部331に記憶された呼気アルコール濃度の検出データをもとに、VR効果リスト記憶部332から対応するVR効果情報を検索する。
VR空間データ取得処理部313は、オンライン会議サーバ5から送信された、会議スペースを表すVR空間データを通信I/F部35を介して受信し、受信したVR空間データをVR空間データ記憶部333に一時記憶する。
アバタ制御処理部314は、上記VR空間データ記憶部333からVR空間データを読み込み、読み込んだVR空間データに含まれるユーザのアバタに対し、上記VR効果情報生成処理部312により生成されたVR効果情報を反映させる。なお、アバタに対するVR効果情報の反映処理の一例は動作例において述べる。
VR空間データ出力処理部315は、上記アバタ制御処理部314によりVR効果情報が反映されたアバタを含む上記VR空間データを入出力I/F部36からHMD1へ出力し表示させる。
(動作例)
次に、以上のように構成された体性感覚制御装置3の動作例を説明する。
図4は、体性感覚制御装置3の制御部31が実行する体性感覚制御処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
(1)心身情報の取得
体性感覚制御装置3の制御部31は、ステップS10によりユーザがオンライン会議に参加したか否かを監視する。
この状態で、ユーザが会議に参加すると、体性感覚制御装置3の制御部31は、先ずステップS11において、心身情報取得処理部311の制御の下、呼気センサ7により検出されたユーザの呼気アルコール濃度の検出データをセンサI/F部34を介して受信し、受信した検出データをユーザの心身状態を表す情報として心身情報記憶部331に保存する。
なお、上記呼気アルコール濃度の検出データは、常時取得してもよいし、所定の時間間隔で周期的に一定期間分を取得するようにしてもよい。また、取得した検出データを所定のサンプリング間隔でサンプリングして保存するようにしてもよい。
(2)VR効果情報の生成
体性感覚制御装置3の制御部31は、次にステップS12において、VR効果情報生成処理部312の制御の下、上記心身情報記憶部331から一定期間ごとに呼気アルコール濃度の検出データを読み込む。そして、読み込んだ上記呼気アルコール濃度の検出データに対応するVR効果情報をVR効果リスト記憶部332から検索する。そして、検索したVR効果情報をアバタ制御処理部314に渡す。
なお、ユーザが会議参加前に飲酒をしていた場合には、呼気アルコール濃度がそれ以上増加することはないと推定されるので、上記呼気アルコール濃度の検出データの読み込みは会議への参加開始直後に1回のみ行われるようにしてもよい。但し、ユーザが会議中も飲酒を続ける場合に備え、呼気アルコール濃度の検出データの読み込みはその後も定期的に行い、VR効果情報を更新することが望ましい。
(3)VR空間情報の取得
体性感覚制御装置3の制御部31は、ユーザが会議に参加している期間中に、オンライン会議サーバ5から送信されるVR空間データを、VR空間データ取得処理部313の制御の下、ステップS13により通信I/F部35を介して受信し、受信したVR空間データをVR空間データ記憶部333に一旦保存する。
(4)アバタの制御
体性感覚制御装置3の制御部31は、次にステップS14において、アバタ制御処理部314の制御の下、上記VR空間データ記憶部333からVR空間データを読み込み、読み込んだVR空間データに含まれるユーザのアバタを認識する。そして、アバタ制御処理部314は、認識した上記アバタに対し、上記VR効果情報生成処理部312により生成されたVR効果情報を反映させる処理を行う。
以下に、反映処理の一例を示すいくつかの実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1は、VR効果をアバタの腕の動きに反映させるものである。
図5は、実施例1において使用されるVR効果リストの一例を示すものである。すなわち、VR効果リスト記憶部332には、呼気アルコール濃度の予め設定された複数の値の範囲に対応付けてアバタの腕の制御量C1が記憶されている。この制御量C1は、VR効果としてアバタに対し腕の震えを与えるもので、例えば単位時間ごとの腕の振れ幅を定義する。
アバタ制御処理部314は、上記制御量C1に従いアバタの腕の部位を表す画像を振動させるように映像変換を行う。例えば、呼気アルコール濃度[mg/L]が0.1未満であれば腕に震えを発生させないが、呼気アルコール濃度[mg/L]が0.2以上0.4未満であれば腕を毎秒2cmで振動させる。同様に、呼気アルコール濃度[mg/L]が0.4以上であれば腕を毎秒3cmでさらに大きく振動させる。
そして、アバタ制御処理部314は、上記のように腕に震えが与えられたアバタを含むVR空間データをVR空間データ出力処理部315に渡す。
(実施例2)
実施例2は、VR効果をアバタの声の質に反映させるものである。
図6は、実施例2において使用されるVR効果リストの一例を示すものである。すなわち、VR効果リスト記憶部332には、呼気アルコール濃度の予め設定された複数の値に対応付けてアバタの声の質を変化させるための制御量C2が記憶されている。この制御量C2は、VR効果としてアバタの声に対しぼかしを与えるもので、例えば声の周波数特性を変化させるフィルタ特性の制御情報により表される。
アバタ制御処理部314は、上記制御量C2に従いアバタの声の周波数特性をフィルタ処理により変化させ、これにより声にぼかしを与える。例えば、呼気アルコール濃度[mg/L]が0.1未満であれば声にぼかしを与えないが、呼気アルコール濃度[mg/L]が0.2以上0.4未満であれば声の周波数特性を60%変化させる。同様に、呼気アルコール濃度[mg/L]が0.4以上であれば声の周波数特性を90%変化させる。
そして、アバタ制御処理部314は、上記のように声の質が変換されたアバタを含むVR空間データをVR空間データ出力処理部315に渡す。
(実施例3)
実施例3は、VR効果をアバタの周囲の映像に反映させるものである。
図7は、実施例3において使用されるVR効果リストの一例を示すものである。すなわち、VR効果リスト記憶部332には、呼気アルコール濃度の予め設定された複数の値に対応付けてアバタの周囲映像を変化させるための制御量C3が記憶されている。この制御量C3は、VR効果としてアバタの周囲に存在するオブジェクトに対し揺れまたは回転を与えるもので、例えば周囲映像の表示位置を揺動または回転させるための映像制御情報により表される。
アバタ制御処理部314は、上記制御量C3に従い、VR空間データ中のアバタの周囲に存在するオブジェクトに対し揺れまたは歪みを与えるための映像処理を行い、これによりアバタが見ている景色が酒酔いのため揺れているまたは回っている状態を表現する。例えば、呼気アルコール濃度[mg/L]が0.1未満であれば周囲映像を変化させないが、呼気アルコール濃度[mg/L]が0.2以上0.4未満であれば周囲映像の表示位置を60%変化させる。同様に、呼気アルコール濃度[mg/L]が0.4以上であれば周囲映像の表示位置を90%変化させる。
そして、アバタ制御処理部314は、上記のようにアバタの周囲のオブジェクトに揺れまたは回転が加えられたVR空間データを、VR空間データ出力処理部315に渡す。
(5)VR空間データの出力
体性感覚制御装置3の制御部31は、続いてステップS15において、VR空間データ出力処理部315の制御の下、上記アバタ制御処理部314からユーザのアバタが制御されたVR空間データを受け取り、受け取った上記VR空間データを入出力I/F部36からHMD1に向け出力する。
この結果HMD1には、ユーザの呼気アルコール濃度に応じて酒酔い状態を表すVR効果が反映されたアバタを含むVR空間データが表示される。従って、ユーザは、HMD1に表示されるVR空間に没入した状態で、このVR空間データに存在する自身のアバタの様子により現実空間における自身の状態を知覚することが可能となる。
体性感覚制御装置3の制御部31は、最後にステップS16において、ユーザが会議から離脱したか否かを判定する。そして、会議への参加を継続してする場合には、ステップS11に戻って心身情報の取得からアバタに対するVR効果情報の反映、反映後のVR空間データの表示までの一連の処理を繰り返し実行する。これに対し、会議が終了するかまたは会議を中途離脱すると、処理を終了し待機状態に復帰する。
(作用・効果)
以上述べたように第1の実施形態では、VR空間を用いたオンライン会議に参加中のユーザの呼気アルコール濃度の検出データを呼気センサ7から取得し、取得した上記呼気アルコール濃度に対応するVR効果情報をVR効果リスト記憶部332をもとに生成する。そして、上記VR効果情報を、オンライン会議サーバ5から受信されたVR空間データに含まれるユーザのアバタに反映させる処理を行い、この反映処理後のアバタを含むVR空間データをHMD1へ出力して表示させるようにしている。
従って、ユーザは、HMD1に表示されるVR空間に没入した状態でも、このVR空間データ中の自身のアバタの様子により現実空間における自身の酒酔いの状態を知覚することが可能となる。すなわち、ユーザに対し、VR空間への没入感を損なうことなく現実空間における自身の体性感覚を認識させることが可能となる。
なお、上記説明では、酒酔いの症状として「腕の震え」、「声のぼかし」、「周囲オブジェクトの揺動または回転」を選択的に用いているが、ユーザによって酒酔いの症状の種類およびその程度は異なるため、事前にユーザの酒酔いの症状を聴取してその結果を反映させるようにするとよい。また、酒酔いの症状としては、他に「顔の色の変化」や「顔の弛緩」、「眠気の表情」等を用いてもよい。
また、酒酔いの状態としては、他に例えば千鳥足などの歩き方を表すVR効果情報を生成してアバタに反映させることにより、ユーザに酒酔いの状態の程度を知覚させるようにしてもよい。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、ユーザの酒酔いの状態をアバタに反映させる場合を例にとって説明した。これに対し、この発明の第2の実施形態は、ユーザの疲労度または覚醒度をアバタに反映させるようにしたものである。
なお、体性感覚制御装置3が備える各機能およびその処理手順は、図3および図4に示したものと基本的には変わらないので、第2の実施形態でも図3および図4を用いて説明を行う。
ユーザの疲労度または覚醒度は、生体センサにより得られる生体情報から推定することが可能である。例えば疲労度は、心拍数や顔色を心拍センサまたはカメラにより撮影される顔画像から推定可能である。
また、覚醒度は、HMD1に光電容積脈波センサとサーモパイルの2種類のセンサを配置し、これらのセンサにより光電容積脈波と呼吸波形を計測する。呼吸を計測するには、例えばサーモパイルを配置して呼気と吸気の温度差を求める。光電容積脈波は、光電容積脈波センサを用いて計測し、脈波のピーク間隔RRIを計算するこれにより求める。覚醒度は、心拍変動のパターンを評価することにより推定することができる。
なお、上記覚醒度の計測方法については、例えば以下のサイトにより紹介されている。
<URL: https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/24/news030.html>。
体性感覚制御装置3の制御部31は、上記生体センサから出力される生体情報を、ステップS11により心身情報取得処理部311の制御の下で取得する。そして、ステップS12において、VR効果情報生成処理部312の制御の下、取得した上記生体情報から疲労度または覚醒度を推定し、推定した上記疲労度または覚醒度をもとにVR効果リスト記憶部332から対応するVR効果情報を読み出す。
例えば、VR効果リスト記憶部332に、疲労度または覚醒度の推定値%に対応付けて、アバタの顔または身体の映像を変化させる映像制御量、音声の制御量、または視野の変化を表すための周囲オブジェクトの表示範囲やその表示状態の制御量を登録する。そして、上記疲労度または覚醒度の推定値をもとに、VR効果リスト記憶部332から対応する映像制御量、音声の制御量、または周囲オブジェクトの表示範囲やその表示状態の制御量を読み出し、読み出した上記制御量をVR効果情報とする。
体性感覚制御装置3の制御部31は、次にステップS14において、アバタ制御処理部314の制御の下、VR空間データ取得処理部313により取得されたVR空間データに含まれるアバタに対し、上記VR効果情報を反映させるための処理を行う。そして、上記VR効果情報が反映されたVR空間データを、ステップS15において、VR空間データ出力処理部315の制御の下、入出力I/F部36からHMD1に向け出力する。
かくしてHMD1には、アバタにそのユーザの疲労度または覚醒度が反映されたVR空間データが表示され、ユーザはVR空間に没入した状態で、当該VR空間内のアバタにより現実空間における自身の疲労度または覚醒度を知覚することが可能となる。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、ユーザの酒酔いの状態をアバタに反映させる場合について述べた。これに対し、この発明の第3の実施形態は、ユーザがノンアルコール飲料を飲んだ場合にその飲量の計測値を取得し、取得した上記飲量に対応する酒酔いの状態を表すVR効果情報を生成してアバタに反映させることにより、ユーザに酒酔い状態を錯覚させるものである。
なお、第3の実施形態においても、体性感覚制御装置3が備える各機能およびその処理手順は、図3および図4に示したものと基本的には変わらないので、図3および図4を用いて説明を行う。
ユーザがノンアルコール飲料を飲んだ量は、例えばコップ自体またはコースター或いはマットに重量センサを設け、この重量センサから出力される重量の計測値を飲量を表す情報として取得することが可能である。
体性感覚制御装置3の制御部31は、上記重量センサから出力される計測データを、ステップS11により心身情報取得処理部311の制御の下で取得する。そして、ステップS12において、VR効果情報生成処理部312の制御の下、取得した上記計測データからユーザが飲んだノンアルコール飲料の量を算出し、算出した上記ノンアルコール飲料の飲量をもとに、VR効果リスト記憶部332から酒酔い状態を錯覚させるためのVR効果情報を読み出す。
例えば、VR効果リスト記憶部332に、飲量mL(またはmg)に対応付けて、アバタの顔または身体を酒酔い状態に変化させる映像制御量、音声の制御量、または周囲オブジェクトに揺れや回転を与えるための制御量を登録する。そして、VR効果情報生成処理部312は、上記ノンアルコール飲料の計測値をもとに、VR効果リスト記憶部332から対応する映像制御量、音声の制御量、または周囲オブジェクトの表示状態の制御量を読み出し、読み出した上記制御量をVR効果情報とする。
体性感覚制御装置3の制御部31は、次にステップS14において、アバタ制御処理部314の制御の下、VR空間データ取得処理部313により取得されたVR空間データに含まれるアバタに対し、上記VR効果情報を反映させるための処理を行う。そして、上記VR効果情報が反映されたVR空間データを、ステップS15において、VR空間データ出力処理部315の制御の下、入出力I/F部36からHMD1に向け出力する。
かくしてHMD1には、アバタにユーザが飲んだノンアルコール飲料の量に対応する酒酔いの状態が反映されたVR空間データが表示され、これによりユーザに対しVR空間内のアバタを用いて酒酔い状態を錯覚させることが可能となる。
[その他の実施形態]
(1)第2の実施形態では、疲労度または覚醒度をアバタを用いてユーザに知覚させる場合を例にとって説明した。しかし、疲労度または覚醒度が予め設定されたしきい値未満の場合には、ユーザを活気づけるためのVR効果情報を生成してアバタに反映し、このアバタを含むVR空間データをHMD1に表示させるようにしてもよい。このようにすると、ユーザに対しアバタを用いたプロテウス効果により、活気ややる気を与えることが可能となる。
(2)VR空間に没入しているユーザの体温を例えばHMD1に設けた温度センサにより計測し、その計測値をもとにユーザの発熱の程度をアバタを用いてユーザに知覚させるようにしてもよい。その他、取得対象となるユーザの心身状態の種類や、アバタにVR効果を反映させるための制御内容については、どのようなものであってもよい。
(3)その他、体性感覚制御装置の機能構成やその処理手順と処理内容、VR効果情報の種類や内容等については、この発明の要旨を何時堕しない範囲で種々変形して実施可能である。
以上、この発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点においてこの発明の例示に過ぎない。この発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、この発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
2…マイクロフォン
3…体性感覚制御装置
4…ネットワーク
5…オンライン会議サーバ
61~6n…参加者の会議端末
7…呼気センサ
31…制御部
32…プログラム記憶部
33…データ記憶部
34…センサI/F部
35…通信I/F部
36…入出力I/F部
37…バス
311…心身情報取得処理部
312…VR効果情報生成処理部
313…VR空間データ取得処理部
314…アバタ制御処理部
315…VR空間データ出力処理部
331…心身情報記憶部
332…VR効果リスト記憶部
333…VR空間データ記憶部

Claims (4)

  1. ユーザに装着され当該ユーザに対応するアバタを含む仮想現実空間を表す情報を表示するヘッドマウントディスプレイに接続される体性感覚制御装置であって、
    前記ユーザが所定の心身状態と関連性を有する擬似的な行動を行ったときの当該行動の内容を表す情報として、ノンアルコール飲料を飲んだときの飲量を表す情報を取得する第1の処理部と、
    取得された前記飲量を表す情報をもとに、前記ユーザに前記飲量に対応する酒酔い状態を錯覚させるための効果情報を生成する第2の処理部と、
    前記仮想現実空間を表す情報に含まれる前記アバタに対し前記効果情報を反映する第3の処理部と、
    前記効果情報が反映された前記アバタを含む前記仮想現実空間を表す情報を前記ヘッドマウントディスプレイへ出力する第4の処理部と
    を具備する体性感覚制御装置。
  2. 前記第2の処理部は、前記ユーザに前記飲量に対応する酒酔い状態を錯覚させるための前記効果情報として、前記アバタの体の動きを変化させる映像制御情報、前記アバタが発する声を変化させる音声制御情報、および前記アバタとその周囲映像の表示状態を変化させる表示制御情報のうちの少なくとも1つを生成し、
    前記第3の処理部は、前記映像制御情報、前記音声制御情報および前記表示制御情報の少なくとも1つに基づいて、前記仮想現実空間を表す情報に含まれる前記アバタの体の動き、声および周囲映像の少なくとも1つを変化させる
    請求項1に記載の体性感覚制御装置。
  3. ユーザに装着され当該ユーザに対応するアバタを含む仮想現実空間を表す情報を表示するヘッドマウントディスプレイに接続される情報処理装置が実行する体性感覚制御方法であって、
    前記ユーザが所定の心身状態と関連性を有する擬似的な行動を行ったときの当該行動の内容を表す情報として、ノンアルコール飲料を飲んだときの飲量を表す情報を取得する第1の過程と、
    取得された前記飲量を表す情報をもとに、前記ユーザに前記飲量に対応する酒酔い状態を錯覚させるための効果情報を生成する第2の過程と、
    前記仮想現実空間を表す情報に含まれる前記アバタに対し前記効果情報を反映する第3の過程と、
    前記効果情報が反映された前記アバタを含む前記仮想現実空間を表す情報を前記ヘッドマウントディスプレイへ出力する第4の過程と
    を具備する体性感覚制御方法。
  4. 請求項1又は2に記載の体性感覚制御装置が具備する第1乃至第4の処理部が実行する処理を、前記体性感覚制御装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
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