JP7823091B2 - 鋼板切断用レーザーを用いた炭素鋼の発光スペクトルによる炭素鋼の判定方法 - Google Patents

鋼板切断用レーザーを用いた炭素鋼の発光スペクトルによる炭素鋼の判定方法

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特許法第30条第2項適用 株式会社オプトロニクス社 月刊OPTRONICS 2024.1 vol.43 No.505 133-137頁 2024年1月10日発行
本発明は、鋼板切断用レーザーを用いた炭素鋼の発光スペクトルによる炭素鋼の判定方法に関する。特に、小型分光器を用いた発光スペクトル解析とAIのデータ処理による炭素鋼判定方法に関する。
炭素鋼を切断するツールとしてレーザー切断加工装置がある。レーザーで切断できる炭素鋼板の厚さは従来20mm程度であったが、近年、マルチモードファイバーレーザーの高出力化に伴い、厚さ50mm以上の炭素鋼平板を切断できるレーザー切断機が登場している。しかしながら、加工対象鋼板の加工条件を誤って選択し、炭素鋼種別を誤って加工した際、最適でない加工条件により、加工品質の低下だけでなく、スパッタの過度な発生等によりレーザーヘッドを含めた加工設備の一部にダメージを与えることがある。その予防対策として、事前に加工する前に炭素鋼の種類を判別することや元素比率を測定することが有効である。
そのため、分析する試料表面に高エネルギーのパルスレーザー光を照射し、試料の原子やイオンをプラズマ化し、試料由来の原子が励起状態から基底状態に戻るときに生じる元素特有の光を分光測定する分析手段であるlaser induced breakdownspectroscopy(レーザー誘起ブレイクダウン分光法)(以下、LIBS)が注目されている。
LIBS向けのレーザー光源は、ナノ秒パルスレーザー(非特許文献1)、(非特許文献2)が主流であるが、最近では、マイクロ秒とナノ秒のパルスを組み合わせたダブルパルス型(非特許文献3)や、UV波長(380ミリ秒パルスレーザーと人工知能(AI)を用いたアルミニウム合金の鉄元素を測定する報告(非特許文献4)があり、その研究で利用されている分光器は多チャンネルで非常に高スペックな波長分解能である。
しかし、これらの手法はレーザー光源または分光器が高スペックであり、炭素鋼の需要が高いインドや発展途上国向けのレーザー加工機毎にオプションとして提供するにはコストが高い等の難点があった。
Yamamoto, K. Y., et al., Laser-induced breakdown spectroscopyanalysis of solids using a long-pulse (150 ns) Q-switched Nd: YAGlaser. Applied spectroscopy, 2005. 59 (9): p. 1082-1097. Sturm, V., et al., Carbon analysis of steel using compact spectrometerand passively Q-switched laser for laser-induced breakdown spectroscopy. Optics Express, 2019. 27 (25): p. 36855-36863. Cui, M., et al., Improved analysis of manganese in steel samples using collinear long-short double pulse laser-induced breakdown spectroscopy (LIBS). Applied spectroscopy, 2019. 73 (2): p. 152-162. Shuang, Q., et al., The Accuracy Improvement of Fe Element in Aluminum Alloy by Millisecond Laser Induced Breakdown Spectroscopy Under Spatial Confinement Combined With Support Vector Machine. SPECTROSCOPY AND SPECTRAL ANALYSIS, 2022. 42 (2): p. 582-586.
そこで、本発明は、高スペックなレーザー光源や分光器を用いることなく、簡単な判定方法で加工する前に確実に、炭素鋼の種類を判別でき、炭素鋼に特有な元素比率を測定することができる炭素鋼の判定方法を提供することを課題とした。
発明者は、鋭意検討の結果、次発明を提供するものである。
[1] 近赤外マルチモードファイバーレーザー光源でレーザーのパルス幅および発振信号をパルスコントローラで制御する炭素鋼のLIBS測定において、切断用レーザーヘッドを用いて、波長範囲が200nm~600nmの波長域で、炭素鋼の元素分析をし、鉄、クロム、マンガンのスペクトルのピークを用いて、前記ピーク高さの相対比から炭素鋼の種類を判定することを特徴とする炭素鋼の判別方法、を提供する。
[2] [1]において、LIBS測定が、レーザーの発振信号からパルスジェネレータへの分光器用トリガー信号を生成し、それを分光器に送信し、レーザー発振と同期したデータを分光器側は、取得、同期して分光することを特徴とする炭素鋼の判別方法、を提供する。
[3] [1]において、炭素鋼の種類の判定に、畳み込みNNを使用したAIを用いて、実際のスペクトル計測データの前記波長領域に含まれるピーク高さを学習データとして訓練し、炭素鋼の種別を判別することを特徴とする炭素鋼の判別方法、を提供する。
本発明の測定器の構成を示す図である。 レーザーのパルス幅を25マイクロ秒に設定し、分光器とトリガー信号を同期させて得られたS15C炭素鋼の発光スペクトル測定結果を示す図である。 各典型サンプルと標準物質のスペクトルデータの一部を示す図である。 本発明に係る処理の読込のフローの模式図である。 本発明に係る処理の学習のフローの模式図である。 本発明に係る処理の判定のフローの模式図である。 本発明で用いたCNNの構造を示す概念図である。 CPUとGPUの連携によりデータベースのモデル生成を常時別処理で動作させるAI判定処理を模式的に示す図である。 各炭素鋼のスペクトルデータから判定した場合の判定精度を時系列(日数)に対する精度推移の結果(個別判定)として示す図である。 各炭素鋼のスペクトルデータから判定した場合の判定精度を炭素鋼の濃度別に低中高(低濃度;S15CとS20C、中濃度;S35C、高濃度;S45CとS55C)に分けたそれぞれの時系列(日数)に対する精度推移の結果(濃度別)を示す図である。 個別判定正解率と精度の相関を示す図である。 濃度別判定正解率と精度の相関を示す図である。
レーザー光源、分光器、同期
図1に、本発明の測定器の構成を示した。1000W、1080nmの近赤外マルチモードファイバーレーザーにHSGLaser製の切断用レーザーヘッドを装着し、レーザーのパルス幅および発振信号をパルスコントローラで制御した。通常、炭素鋼のLIBS測定では一般に、分光器の測定は190nm~195nmの範囲に存在する鉄と炭素の元素比を用いて元素濃度を定量分析しているが、本発明では、波長範囲が約200nm~600nm仕様の小型分光器を用いた。この波長領域を採用したのは、190nm~200nmの波長領域の測定はレーザーのパルス幅を10マイクロ秒に設定してもノイズとの区別が難しいからである。
分光器側は、レーザーの発振信号からパルスジェネレータへの分光器用トリガー信号を生成し、それを分光器に送信してレーザー発振と同期したデータを取得する。このように、発光スペクトルの測定には、レーザー発振と分光器の信号との同期がキーポイントである。パルスジェネレータの設定では、バースト信号で生成されたレーザー発信信号をパルスジェネレータの外部トリガーへ入力し、最初の一発目のレーザー発信信号を分光器により決められた10~300マイクロ秒のパルス幅で分光器に送る。分光器へのトリガー信号は一発から任意指定可能で、Delay機能により0~1000マイクロ秒遅らせる事ができる。
試料 ヘッドとの位置関係
株式会社スタンダードテストピース社から購入し各炭素鋼サンプル(S15C、S20C,S35C,S45CおよびS55C)表面をアルコールで脱脂処理したのち、ステージに固定し、レーザーヘッドとサンプルの中央付近に分光器の入射用ファイバーケーブルを設置した。また、スペクトル測定時にレーザー照射に合わせて適量の圧縮空気をレーザーヘッドから放出することにより、アブレーションによるスパッタなどがレーザーヘッドに入らない仕組みとした。レーザーヘッドの角度はサンプル面に対し30~90度、好ましくは45度~90度、ヘッド位置は、サンプル面から10~15mmとした。また、入射用ファイバーケーブルの角度範囲はサンプル面と45度~90度であり、位置はサンプル面から5~50mmとした。
各元素の測定ピーク
図2はレーザーのパルス幅を10~300マイクロ秒に設定し、分光器とトリガー信号を同期させて得られたS15C炭素鋼の発光スペクトル測定結果の一例を含む。ナノ秒レーザーを用いた場合と比較して、全体のスペクトル強度はパルス幅に比例し非常に低いが、既知文献とNISTデータベースを参照して、鉄元素(Fe)の372nm、373nm、386nmおよび527nmピーク、クロム元素(Cr)の358nmピーク、マンガン元素(Mn)の403nmの、それぞれピークを認めた。また、波長600nmになるにつれてスペクトル強度が増加する傾向を示したが、これは、レーザー照射時の圧縮空気中の元素の発光およびサンプル表面のレーザー加熱による発光が影響していると推測する。さらに、他の炭素鋼(S15C、S20C,S35C,S45CおよびS55C)の発光スペクトルも同様に測定できた。
スペクトルデータとAIを用いた炭素鋼判定
Pythonベースのプログラムで、数値計算のAIとニューラルネットワーク(NN)のAIを作成した。数値計算AIは、使用する炭素鋼のLIBSシミュレーションデータをもとに、実際の計測データの特定の波長領域に含まれるピークの相対比を用いて、数種類の炭素鋼シミュレーションデータのうち、最もピーク形状が近いものを算出した。次に『NIST LIBS Database』の出所のHPを示した。
https://physics.nist.gov/PhysRefData/ASD/LIBS/libs-form.html
数値計算のAIでは、スペクトルデータを前処理し、プログラム入力に用いた。前処理はテキストまたはcsv形式で保存されたスペクトルデータを読み込み、指定した波長範囲(200-600nmで任意に設定)のピークをPythonライブラリの関数によってピーク位置の強度とその波長を抽出する。取得したピーク群から指定した個数のピークを大きい順に抽出し、その中から最も小さいピークで正規化した。
シミュレーションデータも同様に、波長範囲(200-600nmで任意に設定)およびピーク個数で同様の操作を行い、強度の大きい順にシミュレーションデータとスペクトルデータの比較を行った。比較はそれぞれのシミュレーションデータとスペクトルデータの間で正規化したピーク強度の二乗誤差を出すことで、最も二乗誤差が小さくなるシミュレーションデータを判別結果として提示した。
一方で、NN-AIは、NNの一種である畳み込みニューラルネットワーク(以下、CNN)を使用したAIである。本ケースでは、実際の計測データの特定の波長領域に含まれるピークを学習データとして訓練し、材料を判別した。CNNとは、具体的には、人間の脳の神経細胞「ニューロン」を模したディープラーニングアルゴリズムで、データを学習することで可視光スペクトルデータから特徴量を抽出し、それらを区別することができるようになる、ディープラーニングを材料判別に応用した。
ここでは、スペクトルデータ(波長範囲(200-600nmの任意に設定))を前処理し、CNNの入力に用いた。前処理はテキストまたはcsv形式で保存されたスペクトルデータを読み込み、指定した波長レンジのピークをPythonライブラリ由来の関数によってピーク位置の強度とその波長を抽出した。取得したピーク群から指定した個数のピークを大きい順に抽出し、その中から最も小さいピークで正規化した。具体的には、既知金属のスペクトルデータをライブラリに読み込ませることでピークを取得し、比較のための標準とした。このとき、ピークを検出するSciPyのfind_peaksライブラリを用いた。各指定波長領域内から2個ずつピークを探し、指定波長領域が3セットの場合、合計計6個になる。2個以下の場合は、データエラーとした。
CNNはオープンソースのライブラリを用いて構築し、構造は入力層、畳み込み層、プーリング層、出力層からなり、正規化したピーク強度を入力とし、入力層は指定したピークの個数の1次元となる。畳み込み層は32~256(32,64,128,256)の1次元でカーネルサイズは4~25(2*2,3*3,5*5)、活性化関数にはRectified Linear Unit(Relu) Sigmoid、TanhおよびSoftmaxを用いた。出力層は炭素鋼の種類数の1次元となる。
図3に示した各典型サンプルのスペクトルデータを基に、前述のデータ読み込みと前処理、データベース構築演算をして、データベースを構築しながら、判定すべき試料のスペクトルデータを照合する判定演算処理によって、決定する仕組みである。図4から図6に、本発明に係る処理の読込、学習、判定のフローの模式図を示した。具体的には、画像認識の分野で用いられるディープラーニングアルゴリズムで、データを学習することで入力画像から特徴量を抽出しそれらを区別することができるようになるため、ディープラーニングを画像認識の分野に応用した。ここでは、スペクトル画像を画像認識し、CNNの構造は入力層、畳み込み層、プーリング層から、活性化層、全結合層、そして出力層に至るまでの一連のプロセスを経て、各層は入力された画像データからより抽象的な特徴を段階的に抽出していく。このプロセスにより、ディープラーニングモデルは複雑な画像中のパターンを学習し、分類や認識のための重要な情報を抽出することができた。図7に、本発明で用いたCNNの構造を示す概念図を示した。左から、入力層(InputLayer∈R^16)、二つの中間層(HiddenLayer∈R^12、HiddenLayer∈R^10)、出力層(OutputLayer∈R^1)を示した。画像認識、判定の仕組みは、まず初めに画像データが入力層に供給され、畳み込み層とプーリング層を通じて特徴量が抽出される。次に、活性化層により非線形の変換が施され、全結合層を通じてこれらの特徴が統合される。最終的に、出力層において、分類や認識のための予測が行われる。この一連のプロセスを通じて、ディープラーニングモデルは特定のタスクにおいて高い精度で画像を認識・判定する能力を持つようになった。
表1は各炭素鋼のスペクトルデータ用いて、数値計算AIとNN-AIの精度を比較した結果である。数値計算AIの精度は約20%、一方でNN-AIは約4倍の84%であった。仮に、単純に精度≒正解率と見立てると、5種の炭素鋼を一般人が当てる確率は20%のため、数値計算AIは一般人をモデルにしたAIに近いと考えられる。その一方で、NN-AIはレーザー加工を経験している玄人または専門家のレベルのAIとなる可能性が高いことを示唆した。そこで、NN-AIの改良および精度の変化・推移を検証し本発明に至った。
ここで、判定は、濃度種別の正確さの判定と、個別種の正確さを判定した。正解率とは、判別AIが出した答えのうち、「使用者が合っていると判断した個数/判別AIに入力したデータの個数」、であり、精度とは、「正解数/テストに使用したデータ」、であらわせる。学習AIに入力するデータ=n、学習に使用するデータ=0.8*n、テストに使用するデータ=0.2*nとし、各学習のモデルは学習に使用するデータ(学習に使用するデータ=0.8*n、)で算出した。その後、上述で算出した各学習により生成されたモデルに対する精度は、テストに使用するデータ(テストに使用するデータ=0.2*n)で算出した値を用いて、テストした際の正解数/テストに使用するデータから算出した。この時のモデルは学習AIが学習によって生成したニューラルネットワークモデルである。また、係数nの0.8と0.2は、この分野の経験則から定めた。モデルの精度を検証するために、データを学習に使用するデータ(学習データ、Training Data)と、使用しないデータ(検証データ、Validation Data)に分割する経験則の分割割合は7:3や8:2が一般的である。例えば、SONY(登録商標)の「人口知能の歴史とディープーニング」を参考にした。HPは、https://www.comm.tcu.ac.jp/mds-center/Resources/SNCs/PDFs/07-0_WhatIsDeepLearning%C2%A9SNC.pdfである。
当初のNN-AIは、判定した各スペクトルデータをデータベースに保存していき、そのデータベースをモデル化して、次のスペクトルデータから炭素鋼を判定する仕組みを採用していた。そのため、AIはデータベースからのモデル構築後にその都度判定をするケースでは、20点以上のデータを判定するのに1分以上を要した。そこで、図8に示すように、CPUとGPUの連携によりデータベースのモデル生成を常時別処理で動作させることで、AI判定処理を10秒以内まで早くすることができた。
各炭素鋼をスペクトルデータから判定した場合の判定精度(個別判定)と、炭素鋼の濃度別に低中高(低濃度;S15CとS20C、中濃度;S35C、高濃度;S45CとS55C)に分けた判定(濃度判定)を、それぞれの時系列(日数)に対する精度推移とした結果を図9に示す。当初、各判定は80%以上の精度を示していたが、個別判定(図9)では、8日目に精度は急激に60%以下までに低下し、低中高濃度別判定(図10)の方も4日目に僅かに低下を示した。この変化は、分光器の入射ファイバーの固定位置を大きく変更したためスペクトルデータに変化が生じ、NN-AIがこれまでのデータとは違うデータと認識したためである。そこで、入射ファイバーの角度を、固定した条件で、追加データ取得とデータベースの再構築を実施したところ、個別判定の精度は80%台まで回復した。測定条件(サンプル位置、レーザーの位置と装置設定)固定ならば、例えば、約6時間以上データ測定し、得られた大量データでAI学習させても精度が良い場合は、正解率は80%以上となる。このとき、長時間測定で、レーザー内部の摩耗防止等で安定性を確保する必要があった。また、レーザーヘッドとサンプルの位置関係や入射ファイバーとの位置関係等の変動の影響で、精度が一定期間下がり、正解率が下がっても、経験上、最短で50データ、平均100データ程度で精度が回復する傾向を示し、正解率も回復した。
判定正解率と精度の相関を図11,図12に示す。判定サイクル数毎に示した。ここで、判定サイクル数とは、「予測誤差が最小になる」ように、繰り返し計算を行ってチューニングした回数である。X軸は判定サイクル数、Y1軸が正解率、Y2軸が精度である。個別判定では、精度は86~88%で安定している反面、正解率は初め50%以下から4サイクル目には80%と増加傾向を示した。すなわち、正解率80%ならば、市販の携帯型LIBSのように測定時に6~9点のスペクトルデータを取得し、多数決で判定すれば判定ミスはほぼないと推測する。一方で、濃度別判定では、精度が90%超えていても正解率が67~85%と不規則な推移である。これはS15CとS35Cの判定が入れ違う頻度が多いことが寄与しているためである。最終的には「教師あり学習機能」により正解率が86%と安定していることから、濃度別判別は個別判定よりもミスが少ないAIであると評価できた。解析する波長範囲で、好ましい条件は、350~550nmで、特に、400~410nmをAIに判定基準として設定することが好ましく、判定正解率を上げることができる。
鋼板切断用のレーザーと小型分光器を用いて、各炭素鋼の発光スペクトルの測定とNN-AIによる炭素鋼の判定が可能となった。発光スペクトルは既存のナノ秒レーザーでの測定に比べて強度は小さいが、真空分光器、アルゴンガスや窒素ガスを利用せずに炭素鋼中の鉄、クロムおよびマンガンの元素ピークを示すスペクトルが得られた。開発したNN-AIは、ハードウェア環境で精度が変化する傾向を示したが、AIプログラムとデータ取得を改善すると、AI判定を10秒以内で処理し判定正解率は80%以上を達成した。

Claims (2)

  1. 切断用レーザーヘッドに装着した近赤外マルチモードファイバーレーザー光源でレーザーのパルス幅および発振信号をパルスコントローラで制御する炭素鋼のLIBS測定において、真空分光器、アルゴンガスや窒素ガスを利用せずに、波長範囲が200nm~600nmの波長域で、レーザーのパルス幅を10~300マイクロ秒に設定して、炭素鋼の元素分析をするにあたり炭素元素の発光スペクトルを用いずに、鉄、クロム、マンガンの各元素の発光スペクトルのピークを用いて、判定演算処理や炭素鋼の種別の判別をすべく、
    レーザーの発振信号からパルスジェネレータへの分光器用トリガー信号を生成し、それを分光器に送信し、レーザー発振と同期したデータを分光器側は、取得、同期して分光し、典型サンプルのスペクトルデータを基に、データ読み込みとデータ転送炭素鋼の元素分析の結果を用いて、炭素鋼の元素に関する学習用のデータベースを再構築する演算をして、データベースを構築しながら、判定すべき試料のスペクトルデータを照合する判定演算処理し、炭素鋼の種類の判定に、畳み込みNNを使用したAIを用いて、実際のスペクトル計測データの前記波長領域に含まれるピーク高さを学習データとして訓練し、S15C乃至S55Cの炭素鋼の種別を判別することを特徴とする炭素鋼の判別方法。
  2. 前記判定すべき試料のスペクトルデータを照合する判定演算処理が、スペクトルデータ取得、データベース構築演算、材料判定演算の三処理間のデータ送信・統合をCPUが処理し、データベース構築・材料判定の演算をGPUが処理して、並行して行うように、CPUとGPUの連携によりデータベースのモデル生成を常時別処理で動作させ、炭素鋼の種類の判定に、畳み込みNNを使用したAIを用いて、実際のスペクトル計測データの前記波長領域に含まれるピーク高さを学習データとして訓練し、S15C乃至S55Cの炭素鋼の種別を判別することを特徴とする請求項1記載の炭素鋼の判別方法。
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