JP7824143B2 - 新規リパーゼ - Google Patents
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Description
1)配列番号14で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも91%の同一性を有するアミノ酸配列からなるリパーゼ。
2)1)に記載のリパーゼをコードするポリヌクレオチド。
3)2)のポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
4)3)のベクター又はDNA断片を含有する形質転換細胞。
5)1)に記載のリパーゼを含有する洗浄剤組成物。
6)5)に記載の洗浄剤組成物を用いる、汚れの洗浄方法。
本発明のリパーゼは、配列番号14で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも91%の同一性を有するアミノ酸配列からなるリパーゼである。本発明のリパーゼは、界面活性剤によるリパーゼ活性阻害に対して顕著に高い耐性を有し、界面活性剤存在下であっても顕著に高い洗浄力を示す。
少なくとも91%の同一性を有するアミノ酸配列には、1又は複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換若しくは付加されたアミノ酸配列が含まれる。「1又は複数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換若しくは付加されたアミノ酸配列」としては、1個以上30個以下、好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは5個以下のアミノ酸が欠失、挿入、置換若しくは付加されたアミノ酸配列が挙げられる。
本発明のリパーゼは、例えば、上記本発明のリパーゼをコードするポリヌクレオチドを発現させることにより生産することができる。好ましくは、本発明のリパーゼは、本発明のリパーゼをコードするポリヌクレオチドを導入した形質転換体から生産することができる。例えば、本発明のリパーゼをコードするポリヌクレオチド、又はそれを含むベクターを宿主に導入して形質転換体を得た後、該形質転換体を適切な培地で培養すれば、該形質転換体に導入した本発明のリパーゼをコードするポリヌクレオチドから本発明のリパーゼが生産される。生産されたリパーゼを該培養物から単離又は精製することにより、本発明のリパーゼを取得することができる。
斯くして得られる本発明のリパーゼは、公知のタンパク質に比して、界面活性剤によるリパーゼ活性阻害に対して顕著に高い耐性を有し、界面活性剤存在下であっても顕著に高い洗浄力を示す。
ここで、「高い耐性」とは、公知のタンパク質、具体的には配列番号2、4、6、8、10もしくは12で示されるアミノ酸配列からなるリパーゼ又はNCBIタンパク質配列データベースでリパーゼと推定されたタンパク質に比して高い耐性を意味する。界面活性剤によるリパーゼ活性阻害に対する耐性は、当該技術分野において周知の方法を用いて評価され得る。例えば、リパーゼ溶液と界面活性剤溶液を混合し、該混合液にリパーゼの基質となるオクタン酸4-ニトロフェニル溶液を添加し、4-ニトロフェノールの遊離に伴う405nmの吸光度変化(OD/min)を測定し、ブランクとの差分ΔOD/minをリパーゼ活性値(界面活性剤溶液中のリパーゼ活性値)として求める。さらに、界面活性剤溶液にかえてバッファーを用いた際のリパーゼ活性値(バッファー中のリパーゼ活性値)を求め、界面活性剤溶液中のリパーゼ活性値をバッファー中のリパーゼ活性値で割って100を掛けた値を相対活性(%)として求める。相対活性(%)が高い程、界面活性剤によるリパーゼ活性阻害に対する耐性が高いと判断できる。
本発明のリパーゼは、後記実施例の(3)の条件下、SDS溶液(0.1%(w/v))中のリパーゼ相対活性(%)が好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上のリパーゼである。
本発明のリパーゼは、後記実施例の(3)の条件下、Triton X-100溶液(0.1%(w/v))中のリパーゼ相対活性(%)が好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上のリパーゼである。
また、「高い洗浄力」とは、公知のタンパク質、具体的には配列番号2、4、6、8、10若しくは12で示されるアミノ酸配列からなるリパーゼ又はNCBIタンパク質配列データベースでリパーゼと推定されたタンパク質に比して高い洗浄力、例えば、汚れの除去を洗濯又は洗浄工程においてもたらす能力を意味する。洗浄力は、当該技術分野において周知の方法を用いて評価され得る。例えば、所定の指標物質(例えば、スダンIIIなどの脂肪に対する溶解性の高い染色剤)を含むモデル汚れにリパーゼを含む洗浄液を添加して所定の条件で洗浄処理する。洗浄液の一部を分取し、洗浄処理により洗浄液に可溶化したモデル汚れ中の指標物質の濃度を、例えば吸光度測定により測定し、ブランクとの差分を洗浄力として求めることができる。
ここで、「低温」としては、40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下が挙げられ、また5℃以上、10℃以上、15℃以上が挙げられる。また、5~40℃、10~35℃、15~30℃、15~25℃が挙げられる。
Mは、水への分散性の観点から、アルカリ金属イオン、アルカノールアンモニウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンがさらに好ましい。
式1-1中のR1、R2、Mの具体例や好ましい例は式1と同じである。
好ましい一実施形態において、スルホコハク酸エステル又はその塩は、ビス-(2-プロピルヘプチル)スルホコハク酸又はその塩である。
プロテアーゼとしては市販のAlcalase、Esperase、Everlase、Savinase、Kannase、Progress Uno(登録商標;ノボザイムズ社)、PREFERENZ、EFFECTENZ、EXCELLENZ(登録商標;デュポン社)、Lavergy(登録商標;BASF社)、またKAP(花王)、などが挙げられる。
セルラーゼとしてはCelluclean、Carezyme(登録商標;ノボザイムズ社)、またKAC、特開平10-313859号公報記載のバチルス・エスピーKSM-S237株が生産するアルカリセルラーゼ、特開2003-313592の号公報記載の変異アルカリセルラーゼ(以上、花王)などが挙げられる。
アミラーゼとしてはTermamyl、Duramyl、Stainzyme、Stainzyme Plus、Amplify Prime(登録商標;ノボザイムズ社)、PREFERENZ、EFFECTENZ(登録商標;デュポン社)、またKAM(花王)、などが挙げられる。
リパーゼとしてはLipolase、Lipex(登録商標;ノボザイムズ社)などが挙げられる。
界面活性剤は洗浄剤組成物中0.5~60質量%配合され、特に粉末状洗浄剤組成物については10~45質量%、液体洗浄剤組成物については20~90質量%配合することが好ましい。また本発明の洗浄剤組成物がランドリー用衣料洗浄剤、自動食器洗浄機用洗浄剤である場合、界面活性剤は一般に1~10質量%、好ましくは1~5質量%配合される。
二価金属イオン捕捉剤は0.01~50質量%、好ましくは5~40質量%配合される。本発明洗浄剤組成物に用いられる二価金属イオン捕捉剤としては、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、オルソリン酸塩などの縮合リン酸塩、ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩、合成層状結晶性ケイ酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、ポリアセタールカルボン酸塩などが挙げられる。このうち結晶性アルミノケイ酸塩(合成ゼオライト)が特に好ましく、A型、X型、P型ゼオライトのうち、A型が特に好ましい。合成ゼオライトは、平均一次粒径0.1~10μm、特に0.1~5μmのものが好適に使用される。
アルカリ剤は0.01~80質量%、好ましくは1~40質量%配合される。粉末洗剤の場合、デンス灰や軽灰と総称される炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、並びにJIS1号、2号、3号などの非晶質のアルカリ金属珪酸塩が挙げられる。これら無機性のアルカリ剤は洗剤乾燥時に、粒子の骨格形成において効果的であり、比較的硬く、流動性に優れた洗剤を得ることができる。これら以外のアルカリとしてはセスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられ、またトリポリリン酸塩などのリン酸塩もアルカリ剤としての作用を有する。また、液体洗剤に使用されるアルカリ剤としては、上記アルカリ剤の他に水酸化ナトリウム、並びにモノ、ジ又はトリエタノールアミンを使用することができ、活性剤の対イオンとしても使用できる。
再汚染防止剤は0.001~10質量%、好ましくは1~5質量%配合される。本発明洗浄剤組成物に用いられる再汚染防止剤としてはポリエチレングリコール、カルボン酸系ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。このうちカルボン酸系ポリマーは再汚染防止能の他、金属イオンを捕捉する機能、固体粒子汚れを衣料から洗濯浴中へ分散させる作用がある。カルボン酸系ポリマーはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などのホモポリマーないしコポリマーであり、コポリマーとしては上記モノマーとマレイン酸の共重合したものが好適であり、分子量が数千~10万のものが好ましい。上記カルボン酸系ポリマー以外に、ポリグリシジル酸塩などのポリマー、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、並びにポリアスパラギン酸などのアミノカルボン酸系のポリマーも金属イオン捕捉剤、分散剤及び再汚染防止能を有するので好ましい。
例えば過酸化水素、過炭酸塩などの漂白剤は1~10質量%配合するのが好ましい。漂白剤を使用するときは、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)や特開平6-316700号公報記載などの漂白活性化剤(アクチベーター)を0.01~10質量%配合することができる。
洗浄剤組成物に用いられる蛍光剤としてはビフェニル型蛍光剤(例えばチノパールCBS-Xなど)やスチルベン型蛍光剤(例えばDM型蛍光染料など)が挙げられる。蛍光剤は0.001~2質量%配合するのが好ましい。
洗浄剤組成物には、衣料用洗剤の分野で公知のビルダー、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩など)、抑泡剤(シリコーンなど)、香料、防菌防カビ剤(プロキセル[商品名]、安息香酸など)、その他の添加剤を含有させることができる。
また、当該洗浄剤組成物は、40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下で、且つ5℃以上、10℃以上、15℃以上での使用に適する。また、5~40℃、10~35℃、15~30℃、15~25℃での使用に適する。好ましい使用態様としては、ランドリーでの低温(15~30℃)洗浄における使用、自動食器洗浄機による低温(15~30℃)洗浄における使用が挙げられる。
<1>配列番号14で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも91%の同一性を有するアミノ酸配列からなるリパーゼ。
<2>配列番号14で示されるアミノ酸配列からなる、<1>に記載のリパーゼ。
<3><1>又は<2>に記載のリパーゼをコードするポリヌクレオチド。
<4><3>に記載のポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
<5><4>に記載のベクター又はDNA断片を含有する形質転換細胞。
<6>微生物である、<5>に記載の形質転換細胞。
<7>大腸菌又はバチルス属細菌である、<5>又は<6>に記載の形質転換細胞。
<9>スルホコハク酸エステル又はその塩、好ましくは炭素数9以上12以下の分岐鎖アルキル基を有するスルホコハク酸分岐アルキルエステル又はその塩、より好ましくは炭素数9又は10の分岐鎖アルキル基を有するスルホコハク酸分岐アルキルエステル又はその塩、さらに好ましくは炭素数10の分岐鎖アルキル基を有するスルホコハク酸分岐アルキルエステル又はその塩をさらに含有する、<8>に記載の洗浄剤組成物。
<10>スルホコハク酸ジエステル又はその塩、好ましくは2つの分岐鎖アルキル基がそれぞれ炭素数9以上12以下の分岐鎖アルキル基であるスルホコハク酸ジ分岐アルキルエステル又はその塩、より好ましくは2つの分岐鎖アルキル基がそれぞれ炭素数9又は10の分岐鎖アルキル基であるスルホコハク酸ジ分岐アルキルエステル又はその塩、さらにこのましくは2つの分岐鎖アルキル基がそれぞれ炭素10の分岐鎖アルキル基であるスルホコハク酸ジ分岐アルキルエステル又はその塩、さらに好ましくはビス-(2-プロピルヘプチル)スルホコハク酸又はその塩をさらに含有する、<8>に記載の洗浄剤組成物。
<11>衣料洗浄剤又は食器洗浄剤である、<8>~<10>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<12>粉末又は液体である、<8>~<11>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<13>低温で使用される、<8>~<12>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<14>40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下で、且つ5℃以上、10℃以上、15℃以上で使用されるか、又は5~40℃、10~35℃、15~30℃、15~25℃で使用される、<13>に記載の洗浄剤組成物。
<16>被洗浄物と<8>~<14>のいずれかに記載の洗浄剤組成物とを接触させることを含む、<15>に記載の方法。
<17>汚れが皮脂汚れ又は食品由来の油脂を含有する汚れである、<15>又は<16>に記載の方法。
<19>リパーゼが配列番号14で示されるアミノ酸配列からなるリパーゼである、<18>に記載の使用。
<20>洗浄剤組成物が衣料洗浄剤又は食器洗浄剤である、<18>又は<19>に記載の使用。
<21>洗浄剤組成物が粉末又は液体である、<18>~<20>のいずれかに記載の使用。
<22>洗浄剤組成物が低温で使用されるものである、<18>~<21>のいずれかに記載の使用。
<23>洗浄剤組成物が40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下で、且つ5℃以上、10℃以上、15℃以上で使用されるか、又は5~40℃、10~35℃、15~30℃、15~25℃で使用されるものである、<22>に記載の使用。
<25>リパーゼが配列番号14で示されるアミノ酸配列からなるリパーゼである、<24>に記載の使用。
<26>汚れが皮脂汚れ又は食品由来の油脂を含有する汚れである、<24>又は<25>に記載の使用。
<27>洗浄が低温での洗浄である、<24>~<26>のいずれかに記載の使用。
<28>洗浄が40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下で、且つ5℃以上、10℃以上、15℃以上での洗浄であるか、又は5~40℃、10~35℃、15~30℃、15~25℃での洗浄である、<27>に記載の使用。
リパーゼ発現プラスミドは、WO2021/153129に記載の枯草菌spoVG遺伝子由来プロモーターを含む配列番号26のVHHの発現用プラスミドを鋳型として構築した。上記プラスミドのVHH遺伝子を含むORF全長に、In-Fusion反応によって各リパーゼ遺伝子を載せ替えることで構築した。人工遺伝子合成したリパーゼ遺伝子Lipr139、PvLip、PfLip、EtLip、EspLip、YeLip、KAL-A8、Lipr138(それぞれ配列番号1、3、5、7、9、11、13及び15のポリヌクレオチド、それぞれ配列番号2、4、6、8、10、12、14及び16のアミノ酸配列をコードする)から、それぞれプラスミドpHY-Lipr139、pHY-PvLip、pHY-PfLip、pHY-EtLip、pHY-EspLip、pHY-YeLip、pHY-KAL-A8、pHY-Lipr138を構築した。プラスミドpHY-Lipr139のLipr139遺伝子を含むORF全長に、N末端側に枯草菌amyE由来シグナル配列(配列番号19のポリヌクレオチド、配列番号20のアミノ酸配列をコードする)が連結されたリパーゼTLL遺伝子(配列番号17のポリヌクレオチド、配列番号18のアミノ酸配列をコードする)の人工合成遺伝子をIn-Fusion反応によって載せ替えることでpHY-amyEsig-TLLを構築した。
リパーゼ発現プラスミドを枯草菌株にプロトプラスト法によって導入し、2×L-マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン五水和物、0.04%塩化カルシウム二水和物、15ppmテトラサイクリン;%は(w/v)%)で、30℃、2日間培養した後、リパーゼを含む培養上清を遠心分離により回収した。透析によって培養上清を10mM Tris-HCl+0.01% Triton-X100(pH7.0)にバッファー交換し、SDS-PAGEのバンド強度からリパーゼ濃度を定量した。
オクタン酸4-ニトロフェニル(SIGMA)を基質として用いた。リパーゼの作用による4-ニトロフェノールの遊離に伴う吸光度の増加速度を測定することでリパーゼの活性を求めることができる。20mM Tris-HCl(pH7.0)中の20mM オクタン酸4-ニトロフェニルを基質溶液として用いた。20mM Tris-HCl(pH7.0)にSDS又はTriton X-100を0.1%(w/v)添加したものを界面活性剤溶液として用いた。2ppmに調整したリパーゼ溶液5μLと界面活性剤溶液100μLを96穴アッセイプレートの各ウェルで混合し、基質溶液10μLを添加して、30℃で405nmの吸光度変化(OD/min)を測定した。ブランク(酵素添加無しサンプル)との差分ΔOD/minを活性値とした。各リパーゼについて、界面活性剤溶液の代わりに20mM Tris-HCl(pH7.0)を用いた際の活性値(バッファー中での活性)で界面活性剤溶液中での活性値を割って100をかけた値を、相対活性(%)として求めた(図1)。
TLL、特許文献1、2及び3において洗浄への適性が開示されているLipr139、PvLip及びLipr138、及び自然界に現存するリパーゼ配列であるPfLip、EtLip、EspLip及びYeLipは、SDS及びTriton X-100の存在下で著しく活性が阻害された。これらと比較して、新規リパーゼKAL-A8はSDS及びTriton X-100による活性阻害に対して高い耐性を示した。
20 mM Tris-HCl(pH7.0)中の20mM オクタン酸4-ニトロフェニルを基質溶液として用いた。モデル洗浄液として、表1の水性媒体を用いた。4ppmに調整したリパーゼ溶液2μLと試験液(モデル洗浄液又は20mM Tris-HCl(pH7.0))100μLを96穴アッセイプレートの各ウェルで混合し、基質溶液10μLを添加して、30℃で405nmの吸光度変化(OD/min)を測定した。ブランク(酵素添加無しサンプル)との差分ΔOD/minを求めた。31~500μMの4-ニトロフェノールを含む20mM Tris-HCl(pH7.0)10μLを各試験液100μLと混合し、405nmの吸光度を測定し検量線を作成した。各試験液の検量線とΔOD/minの値から、一分間あたりの4-ニトロフェノールの遊離速度(μM/min)を活性値として算出した。
各リパーゼについて、20mM Tris-HCl(pH7.0)を試験液とした際の活性値(バッファー中での活性)で、モデル洗浄液を試験液とした際の活性値を割って100をかけた値を、相対活性(%)として求めた(図2)。
TLL、特許文献1、2及び3において洗浄への適性が開示されているLipr139、PvLip及びLipr138、及び自然界に現存するリパーゼ配列であるPfLip、EtLip、EspLip及びYeLipは、モデル洗浄液中で著しく活性が阻害された。一方、新規リパーゼKAL-A8はモデル洗浄液中での活性阻害に対して高い耐性を示した。
牛脂(SIGMA,03-0660)とナタネ油(SIGMA,23-0450)を重量比9:1で混合し、3倍量のクロロホルムに溶解した後に0.2wt%のスダンIIIで着色したものをモデル汚れとした。ポリプロピレン製の96穴ディープウェルプレートのウェル底にモデル汚れを10μLずつ滴下し、クロロホルムを蒸発・乾燥させ、汚れプレートとした。
表1記載のモデル洗浄液に、1/100容量の240ppmのリパーゼ溶液を添加したものを洗浄液とした。汚れプレートに洗浄液を300μLずつ緩やかに添加し、室温(約22℃)で15分間静置して浸漬洗浄を行った。底部の汚れに触れないように洗浄液を100μLずつ分取し、新しい96穴プレートに移した。浸漬洗浄によって洗浄液に可溶化したモデル汚れ中のスダンIIIを定量するため、500nmの吸光度(A500)を測定した。洗浄後のA500から洗浄前のA500を差し引いた値ΔA500は洗浄液中への油の遊離量に対応し、洗浄力の指標として用いることができる。各リパーゼの洗浄力ΔA500を図3に示した。
特許文献1において洗浄への適性が開示されているLipr139は、TLL、Lipr138、PvLip、PfLip、EtLip、EspLip及びYeLipと比較して、モデル洗浄液中で高い洗浄力を示した。一方、新規リパーゼKAL-A8はモデル洗浄液中でLipr139を含む他のリパーゼと比較して顕著に高い洗浄力を示した。
Claims (11)
- 配列番号14で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも91%の同一性を有するアミノ酸配列からなるリパーゼ。
- 請求項1に記載のリパーゼをコードするポリヌクレオチド。
- 請求項2に記載のポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
- 請求項3に記載のベクター又はDNA断片を含有する形質転換細胞。
- 微生物である、請求項4に記載の形質転換細胞。
- 請求項1に記載のリパーゼを含有する洗浄剤組成物。
- 衣料洗浄剤又は食器洗浄剤である、請求項6に記載の洗浄剤組成物。
- 粉末又は液体である、請求項7に記載の洗浄剤組成物。
- 低温で使用される、請求項7又は8に記載の洗浄剤組成物。
- 5~40℃の温度で使用される、請求項9に記載の洗浄剤組成物。
- 請求項6に記載の洗浄剤組成物を用いる、汚れの洗浄方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2022066572A JP7824143B2 (ja) | 2022-04-13 | 2022-04-13 | 新規リパーゼ |
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