JP7826845B2 - 電動車両の制御方法、及び電動車両の制御装置 - Google Patents

電動車両の制御方法、及び電動車両の制御装置

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Description

本発明は、電動車両の制御方法、及び電動車両の制御装置に関する。
電動車両に搭載されている電動機の惰行時の制御として、巻線界磁型の電動機を用いた場合はインバータを停止させることが一般的である。一方、永久磁石型の電動機を用いた場合はインバータを停止させると誘起電圧が発生しこれは回生ブレーキとして作用するため誘起電圧を抑制するようなゼロトルク制御を行うことが知られている(特許文献1参照)。
特開2007-336647号公報
しかし、電動四輪駆動の車両に第1電動機と巻線界磁型の第2電動機とを適用し、電力消費を抑制するため駆動トルクを第1電動機から出力し第2電動機を惰行させる場合において、第2電動機のインバータを停止させると第2電動機においてフリクショントルクが発生するとともに第2電動機と減速機等との間においてバックラッシュを詰めた状態が解除されてしまい、再加速時にショックや歯打ち音が発生する問題があった。
本発明は、電動四輪駆動の車両に第1電動機と巻線界磁型の第2電動機とを適用し、駆動トルクを第1電動機から出力し、第2電動機を惰行させる場合において、第2電動機を用いた再加速時に発生するショックや歯打ち音の発生を抑制する電動車両の制御方法、及び電動車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明による電動車両の制御方法は、車両の前後方向に並んで配置された第1電動機及び第2電動機を車両の駆動源とし、車両情報に基づいて第1電動機に向けて第1トルク指令値を出力するとともに第2電動機に向けて第2トルク指令値を出力し、第2電動機が巻線界磁型であるとともに駆動力伝達機構を介して駆動輪に接続され、第2電動機に接続されたインバータに第2トルク指令値に対応したPWM信号を出力することで第2電動機を駆動させ、PWM信号が第2電動機の固定子に向けて出力される第1PWM信号と、第2電動機の回転子に向けて出力される第2PWM信号と、を含む電動車両の制御方法である。この制御方法は、第1トルク指令値がゼロでなく、且つ第2トルク指令値がゼロとなった場合において、第2電動機が駆動力伝達機構に対して駆動力を印加したときに第2電動機と駆動力伝達機構との間に形成されたガタ詰めが解除されるか否かを判断し、ガタ詰めが解除されると判断した場合に第2電動機に向けてガタ詰めを保持するための補正トルク指令値を出力し、補正トルク指令値に基づいて第1PWM信号を出力するとともに第2PWM信号の出力を停止する。
本発明によれば、第2電動機は、補正トルク指令値に基づいて駆動力伝達機構に連れまわされることなく駆動力伝達機構の回転に追従して回転するので、フリクショントルクを回避でき、さらにガタ詰めも保持されるので再加速時のショックや歯打ち音を低減できる。また第2電動機で発生する補正トルクは、固定子に向けて出力される第1PWM信号に基づいて生成され、回転子に向けて出力される第2PWM信号はゼロに設定される。よって回転子に流れる界磁電流がゼロとなるので、その分消費電力を削減できる。
図1は、本実施形態の電動車両の制御装置のシステム構成図である。 図2は、本実施形態の電動車両の制御装置における第2モータ側の制御構成図である。 図3は、第2モータトルク要否判定部の判定内容を示す表である。 図4は、電流制御部における実電流収斂フラグの判断基準を示す表である。 図5は、本実施形態の電動車両の制御装置において第2モータの電流制御のフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[電動車両の制御装置のシステム構成]
図1は、第1実施形態の電動車両の制御装置の基本構成の一例を示す図である。本実施形態の適用対象となる電動車両は、車両の前後方向の一方に第1モータ7Aが配置され、他方に第2モータ7Bが配置され、第2モータ7Bが巻線界磁型同期モータとなっている。一方、第1モータ7Aは例えば永久磁石型(界磁巻線型でもよい)同期モータとなっている。
第1モータ7Aは電動車両の前後方向の一方の駆動軸9Aに減速機8Aを介して機械的に結合している。また第2モータ7Bは電動車両の前後方向の他方の駆動軸9B(駆動力伝達機構)に減速機8A(駆動力伝達機構)を介して機械的に結合している。よって、駆動軸9Aの両端部に取り付けられた駆動輪10Aは第1モータ7Aの駆動力により駆動し、駆動軸9Bの両端部に取り付けられた駆動輪10Bは第2モータ7Bの駆動力により駆動する。なお、電動車両は、第1モータ7A及び第2モータ7Bを駆動力とする電気自動車だけでなく、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車も含まれる。
バッテリ1は、第1モータ7A及び第2モータ7Bの駆動電力の放電、回生電力の充電を行う。
駆動力配分コントローラ2は、車速、アクセル開度等の車両情報がデジタル信号として入力され、当該車両情報に基づいて第1モータトルク指令値T 及び第2モータトルク指令値T を生成する。なお、本実施形態では、要求される駆動トルクが小さいときは、第1モータトルク指令値T を当該駆動トルクに基づいて設定し、第2モータトルク指令値T をゼロに設定する。
第1モータコントローラ3Aは、第1モータトルク指令値T 、第1モータ7Aの回転子位相、第1モータ7Aの電流(iu、iv、iw)等の各種車両変数の信号がデジタル信号として入力され、各種車両変数に応じて第1モータ7Aを制御するPWM信号を生成し、このPWM信号に応じてドライブ回路を通じて第1インバータ4Aの駆動信号を生成する。
第2モータコントローラ3Bは、第2モータトルク指令値T 、第2モータ7Bの回転子位相、第2モータ7Bの電流(iu、iv、iw、if)等の各種車両変数の信号がデジタル信号として入力され、各種車両変数に応じて第2モータ7Bを制御するPWM信号を生成し、このPWM信号に応じてドライブ回路を通じて第2インバータ4Bの駆動信号を生成する。なお、第2モータコントローラ3Bには第1モータトルク指令値T も入力され、後述の第2モータ補正トルク指令値Tcomp を出力する際の判断基準に用いる。
第1インバータ4A及び第2インバータ4Bは例えば各相ごとに2個のスイッチング素子(例えばIGBTやMOS-FET等のパワー半導体素子)で構成され、PWM(Pulse Width Modulation)_Duty駆動信号(PWM信号)に応じてスイッチング素子をON/OFFすることにより、バッテリ1から供給される直流の電流を固定子に対しては交流に変換・逆変換し、第1モータ7A、第2モータ7Bに所望の電流を流す。
第1モータ7Aは、第1インバータ4Aより供給される固定子に対する交流電流により駆動力を発生し、減速機8A及び駆動軸9Aを介して駆動輪10Aに駆動力を伝達する。また、車両の走行時に駆動輪10Aに連れ回されて回転するときに、回生駆動力を発生させることで車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
第2モータ7Bは、第2インバータ4Bより供給される固定子に対する交流電流と、回転子に対する直流電流と、により駆動力を発生し、減速機8B及び駆動軸9B(駆動力伝達機構)を介して駆動輪10Bに駆動力を伝達する。また、車両の走行時に駆動輪10Bに連れ回されて回転するときに、回生駆動力を発生させることで車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
その他、第1モータ7Aの各相電流を検出する電流センサ5A、第1モータ7Aの回転子位相を検出する回転センサ6A(レゾルバやエンコーダ)、第2モータ7Bの各相電流を検出する電流センサ5B(及び図2に示す電流センサ106)、第2モータ7Bの回転子位相を検出する回転センサ6B(レゾルバやエンコーダ)を備える。
[電動車両の制御装置の制御構成]
図2は、本実施形態の電動車両の制御装置における第2モータ7B側の制御構成図である。
第2モータ7Bは、巻線界磁型同期モータである。制御装置が電気自動車に適用される場合、第2モータ7Bは車両の駆動源となる。
PWM変換器102は、三相電圧指令値v ,v ,v に基づいて、三相電圧型の第2インバータ4Bのスイッチング素子(IGBTなど)のPWM_Duty駆動信号Duu ,Dul ,Dvu ,Dvl ,Dwu ,Dwl (第1PWM信号)を生成する。そして、界磁電圧指令値v に基づいて、界磁電流出力部105のスイッチング素子(IGBTなど)のPWM_Duty駆動信号Dfu ,Dfl (第2PWM信号)を生成する。
また、PWM変換器102は、後述の回転子ゲートオフフラグ(「1」)と固定子ゲートオフフラグ(「1」)により、それぞれのPWM_Duty駆動信号(第1PWM信号及び第2PWM信号のデューティ比)を0%(ゲートオフ)とする。
さらに、PWM変換器102は、後述の固定子キャリア周波数信号により、固定子用のPWM_Duty駆動信号(第1PWM信号)生成するための固定子キャリア周波数を変化させる。
第2インバータ4Bは、PWM変換器102によって生成される駆動信号に基づいて、バッテリ1から出力される直流電圧Vdcを交流電圧v,v,vに変換し、第2モータ7Bの固定子巻線に供給する。
バッテリ1は、例えば積層型リチウムイオンバッテリである。
界磁電流出力部105(第2インバータ4Bと一体であってもよい)は、PWM変換器102によって生成されるPWM_Duty駆動信号に基づいて、バッテリ1から出力される直流電圧Vdcを界磁電圧vに変換し、第2モータ7Bの回転子巻線に供給する。このように、固定子巻線及び回転子巻線は共通のバッテリ1から電力を供給される。
電流センサ5Bは、第2インバータ4Bから第2モータ7Bの固定子に供給される三相交流電流のうち、少なくとも2相の電流(例えば、u相電流i、v相電流i)を検出する。検出された2相の電流(u相電流i,v相電流i)は、A/D変換器107でデジタル信号(ius,iws)に変換され、三相/d-q交流座標変換器112に入力される。なお、電流センサ5Bを2相のみに取り付ける場合、残り1相のw相電流iwsは、次式(1)により求めることができる。
電流センサ106は、界磁電流出力部105から第2モータ7Bの回転子巻線に供給される界磁電流検出値iを検出する。検出された界磁電流検出値iは、A/D変換器107でデジタル信号(ifs)に変換される。
回転センサ6B(磁極位置検出器)は、第2モータ7Bの回転子位置(角度)に応じたA相B相Z相のパルスを出力する。
パルスカウンタ109は、回転センサ6Bから出力されたパルスに基づいて回転子位置(角度)を示す電気角θreを算出する。
角速度演算器110は、電気角θreを入力して、その時間変化率より、電気角速度ωre、及び電気角速度ωreをモータ極対数pにて除算して回転数N(機械角速度ω)を求める。
先読み補償部111は、電気角θreと電気角速度ωreを入力して、電気角θreに対して、電気角速度ωreと制御系が持つむだ時間tcompとの乗算値を加算することにより、先読み補償後電気角θre’を求める。
三相/d-q交流座標変換器112は、三相交流座標系(uvw軸を有する固定座標系)から直交二軸直流座標系(回転子の回転に同期して回転するd-q軸を有する回転座標系)への変換を行なう。具体的には、u相電流ius、v相電流ivsと、電気角θreを入力し、次式(5)より、d軸電流検出値i、q軸電流検出値iを算出する。
電流制御部113は、一般的なPI制御と非干渉制御により、d軸電流指令値i 、q軸電流指令値i 、界磁電流指令値i に、計測された(実際の)d軸電流検出値i、q軸電流検出値i、界磁電流検出値iを定常偏差なく所望の応答性で追従させる。電流制御部113は、演算結果としてd軸電圧指令値v 、q軸電圧指令値v 、界磁電圧指令値v を出力する。
また、電流制御部113は、電流指令値に対して実電流(電流検出値)がある一定値以内に収斂しているかどうかを図4(詳細は後述する)に示す条件表に従って判定し、後述の実電流収斂フラグを立てる。
d-q/三相交流座標変換器114は、電気角速度ωreで回転する直交二軸直流座標系(d-q軸)から三相交流座標系(uvw軸)への変換を行う。具体的には、d軸電圧指令値v 、q軸電圧指令値v と、先読み補償後電気角θre’を入力し、次式(6)による座標変換処理を行うことによって、三相電圧指令値v ,v ,v を算出し、出力する。
電流指令値演算部115は、第2モータトルク指令値T 、回転数N、直流電圧Vdcを入力し、マグネットトルクとリラクタンストルクを考慮の上あらかじめ実験により取得した電流マップを参照し、d軸電流指令値id_mngt 、q軸電流指令値iq_mngt 、界磁電流指令値if_mngt を算出する。これらの電流指令値は第2モータ7Bに対して駆動トルク(正トルク及び負トルク)を要求するためのものである。
第2モータトルク要否判定部116は、第1モータトルク指令値T ,第2モータトルク指令値T 、及び回転数Nを入力し、図3(詳細は後述する)に示すように、固定子ゲートオフフラグ、回転子ゲートオフフラグ、第2モータトルク補正要否フラグ、第2モータ補正トルク係数Kt_comp、固定子キャリア周波数信号を設定する。この判定は後述の実電流収斂フラグが立っているときにのみ行う。
第2モータ補正トルク演算部117は、第2モータ補正トルク係数Kt_comp、回転数Nを入力し、以下の式(7)に基づいて第2モータ補正トルク指令値Tcomp を算出する。ここで、Tfrct(N)は回転数Nに応じた第2モータ7Bのフリクショントルクであり、Tbcklshはあらかじめ実験により設定した、減速機8Bのガタ詰めを保持するためのトルクである。
第2モータ補正電流指令値演算部118は、第2モータ補正トルク演算部117で算出した第2モータ補正トルク指令値Tcomp と回転数N, 直流電圧Vdcを入力し、あらかじめ実験により取得したリラクタンストルクを出力するための電流マップを参照し、d軸補正電流指令値id_rlct 、q軸補正電流指令値iq_rlct 、界磁補正電流指令値if_rlct を算出する。ここで基本的に界磁補正電流指令値if_rlct は0である。
また、基本的に同期電動機の電流指令値は回転子からの誘起電圧を打ち消す弱め界磁領域において力行時にはId<0,Iq>0、回生時にはId<0,Iq<0の電流指令値を用いるのが一般的である。しかし巻線界磁型同期モータはその特性上弱め界磁領域においてはマグネットトルクでリラクタンストルクを相殺するような関係となっているため、リラクタンストルクのみを使いたい領域においては、上記のとおりの電流指令値を用いるとトルクの符号が逆転してしまう。よって、リラクタンストルクのみを使いたい領域においては、第2モータ補正トルク指令値Tcomp が正(第2モータ補正トルク係数Kt_compが「1」(図3))の場合には、id_rlct 、iq_rlct の符号が互いに同一になるように電流指令値を設定する。また、第2モータ補正トルク指令値Tcomp が負(第2モータ補正トルク係数Kt_compが「-1」(図3))の場合には、符号が互いに異なるように電流指令値を設定する。
なお、第2モータ7Bで発生するトルクTは、以下の式(8)ように算出される。
ここで、式(8)の第1項(p×i×φ)はマグネットトルクであり、第2項(p×(L-L)×i×i)はリラクタンストルクである。また、pは固定子の極対数、Lqはq軸リラクタンス、Ldはd軸リラクタンスである。さらに、φは回転子磁束であるが、界磁電流(界磁電流検出値i)ゼロの場合はゼロとなる。よって、例えば式(7)及び式(8)においてTcomp =Tとし、φ=0とし、d軸電流検出値i=d軸電流指令値i とし、q軸電流検出値i=q軸電流指令値i とし、さらにTとd軸電流指令値i 、q軸電流指令値i の大きさとの関係を示すテーブルを用いることで、d軸電流指令値i 、q軸電流指令値i 大きさを算出することができる。
電流指令値切替部119は、第2モータトルク補正要否フラグが「要」(例えば1ビットの信号で「1」)である場合は、第2モータ補正電流指令値演算部118の出力(id_rlct 、iq_rlct 、if_rict )を、それぞれd軸電流指令値i 、q軸電流指令値i 、界磁電流指令値i として電流制御部113に出力する。
また、電流指令値切替部119は、第2モータトルク補正要否フラグが「否」(例えば1ビットの信号で「0」)である場合は、電流指令値演算部115の出力(id_mngt 、iq_mngt 、if_mngt )を、それぞれd軸電流指令値i 、q軸電流指令値i 、界磁電流指令値i として電流制御部113に出力する。
[第2モータトルク要否判定部116]
図3は、第2モータトルク要否判定部116の判定内容を示す表である。
図3に示すように、第2モータトルク指令値T が0以外の値である場合、第2モータトルク要否判定部116は、第2モータ7Bの回転数N及び第1モータトルク指令値T の値に関わらず、固定子ゲートオフフラグ及び回転子ゲートオフフラグを「ゲートオフしない」(1ビットの信号で「0」、以下同様の表記をする)に設定し、第2モータトルク補正要否フラグを「否」(「0」)に設定し、固定子キャリア周波数を10[kHz]に設定する。これにより、第2モータ7Bは、第2モータトルク指令値T に基づいて駆動トルクを出力する。
第2モータトルク指令値T がゼロであって、回転数Nが正(電動車両が前進するときの第2モータ7Bの回転方向(正回転))、且つ第1モータトルク指令値T が正(電動車両が前進する加速度を発生させる正トルク)の場合を考える。
この場合、減速機8Bが第2モータ7B(慣性力により正回転している)を基準として正方向に相対回転するので正方向のガタ詰めが解除される。
ここで、正方向のガタ詰めとは、電動車両が前進し且つ第1モータ7Aにより減速機8Bに対して正トルクが印加されているときに第2モータ7Bに車両加速度と同方向のトルクである正トルクを印加することで第2モータ7Bと減速機8Bとの間の正方向のバックラッシュが詰められた状態をいう。また、このとき第2モータ7Bが減速機8Bに対して正トルクを伝達する限り第2モータ7Bと減速機8Bがリジットに係合している。
そして、減速機8Bがバックラッシュ分だけ第2モータ7Bに対して正方向に相対回転することで再び第2モータ7Bと係合する。この場合、第2モータ7Bが減速機8Bに連れまわされるとともに減速機8B側に対して電動車両が前進する方向の加速を妨げる方向のフリクショントルクを発生させる。
そこで、第2モータトルク要否判定部116は、固定子ゲートオフフラグを「ゲートオフしない」に設定し、回転子ゲートオフフラグを「ゲートオフ」(「1」)に設定し、第2モータトルク補正要否フラグを「要」(「1」)に設定し、第2モータ補正トルク係数Kt_compを「1」に設定し、固定子キャリア周波数を5[kHz]に設定する。
これにより、第2モータ7Bは、補正トルク(正トルク)により減速機8Bに連れまわされることなく減速機8Bの正回転に追従して正回転するので、フリクショントルクを回避でき、さらに正方向のガタ詰めも保持されるので電動車両の前進方向の再加速時のショックや歯打ち音を低減できる。
また補正トルクは、固定子に向けて出力されるd軸電流指令値i 、q軸電流指令値i に基づいて生成され、界磁電流指令値i は実質的にゼロに設定される(PWM変換器102において第2PWM信号はゲートオフされる)。よって界磁電流を用いない分だけ消費電力を削減できる。
さらに、補正トルクを発生させるときのPWM信号の固定子キャリア周波数(5[kHz])を、駆動トルク(正トルク、負トルク)を発生させるときのPWM信号の固定子キャリア周波数(10[kHz])よりも低く設定している。これにより、補正トルクを発生させる際の第2インバータ4Bのスイッチング素子のスイッチング損失を低下させ、消費電力を削減できる。
第2モータトルク指令値T がゼロであって、回転数Nが正(正回転)且つ第1モータトルク指令値T が負トルク(電動車両を後退させる方向の加速度を電動車両に印加する負トルク、回転数Nが正である間に第1モータ7Aから回生電力を取り出し可能な負トルク)の場合、第2モータ7Bが減速機8Bに対して慣性力(正方向に回転しようとする力)を印加するので、正方向のガタ詰めが保持される。よって、第2モータトルク要否判定部116は、補正トルクを発生させる必要はないので、固定子ゲートオフフラグ及び回転子ゲートオフフラグを「ゲートオフしない」(「0」)に設定し、第2モータトルク補正要否フラグを「否」(「0」)に設定し、固定子キャリア周波数を5[kHz](キャリア波を停止してもよい)に設定する。
第2モータトルク指令値T がゼロであって、回転数Nが正(正回転)且つ第1モータトルク指令値T がゼロの場合、第2モータトルク要否判定部116は、各フラグ、及び固定子キャリア周波数につき前回値を維持する。
第2モータトルク指令値T がゼロであって、回転数Nが負(電動車両が後退するときの第2モータ7Bの回転方向(逆回転))、且つ第1モータトルク指令値T が正トルク(回転数Nが負である間に第1モータ7Aから回生電力を取り出し可能な正トルク)の場合を考える。
この場合、初期的には減速機8B及び第2モータ7Bが逆回転しており、第2モータ7Bが減速機8Bを基準として正方向に相対回転するので正方向のガタ詰めの解除は発生していない。よって、第2モータトルク要否判定部116は、補正トルクを発生させる必要はないので、固定子ゲートオフフラグ及び回転子ゲートオフフラグを「ゲートオフしない」(「0」)に設定し、第2モータトルク補正要否フラグを「否」(「0」)に設定し、固定子キャリア周波数を5[kHz](キャリア波を停止してもよい)に設定する。
しかし、その後減速機8Bが正方向に回転し始めると、第2モータ7Bが減速機8Bに対して負方向に相対回転する(減速機8Bが第2モータ7Bに対して正方向に相対回転する)ので正方向のガタ詰めの解除が発生する。そして、第2モータ7Bが減速機8Bに対してバックラッシュ分だけ負方向の相対回転することで再び減速機8Bに係合する。この場合、第2モータ7Bが減速機8Bに連れまわされるとともに減速機8B側に対して電動車両が前進する方向の加速を妨げる方向のフリクショントルクを発生させる。
そこで、第2モータトルク要否判定部116は、上記同様に、固定子ゲートオフフラグを「ゲートオフしない」に設定し、回転子ゲートオフフラグを「ゲートオフ」(「1」)に設定し、第2モータトルク補正要否フラグを「要」(「1」)に設定し、第2モータ補正トルク係数Kt_compを「1」に設定し、固定子キャリア周波数を5[kHz]に設定する。
第2モータトルク指令値T がゼロであって、回転数Nが負且つ第1モータトルク指令値T が負の場合、減速機8Bが第2モータ7B(慣性力により逆回転している)を基準として負方向に相対回転するので、正方向のガタ詰めは維持されているが、負方向のガタ詰めが解除された形となる。
ここで、負方向のガタ詰めとは、電動車両が後退し且つ第1モータ7Aにより減速機8Bに対して負トルクが印加されているときに第2モータ7Bに負トルクを印加することで第2モータ7Bと減速機8Bとの間の負方向のバックラッシュが詰められた状態をいう。
そして、減速機8Bがバックラッシュ分だけ第2モータ7Bに対して負方向に相対回転することで再び第2モータ7Bと係合する。この場合、第2モータ7Bが減速機8Bに連れまわされるとともに減速機8B側に対して電動車両が後退する方向の加速を妨げる方向のフリクショントルクを発生させる。
そこで、第2モータトルク要否判定部116は、固定子ゲートオフフラグを「ゲートオフしない」に設定し、回転子ゲートオフフラグを「ゲートオフ」(「1」)に設定し、第2モータトルク補正要否フラグを「要」(「1」)に設定し、第2モータ補正トルク係数Kt_compを「-1」に設定し、固定子キャリア周波数を5[kHz]に設定する。
これにより、第2モータ7Bは、補正トルク(負トルク)により減速機8Bに連れまわされることなく減速機8Bの逆回転に追従して逆回転するので、フリクショントルクを回避でき、さらに負方向のガタ詰めも保持されるので電動車両の後退方向の再加速時のショックや歯打ち音を低減できる。
第2モータトルク指令値T がゼロであって、回転数Nが負方向且つ第1モータトルク指令値T がゼロの場合、第2モータトルク要否判定部116は、各フラグ、及び固定子キャリア周波数につき前回値を維持する。
第2モータトルク指令値T がゼロであって、回転数Nがゼロの場合は、第2モータ7B及び減速機8Bは回転しないので、ガタ詰めを実施する必要はない。よって、第2モータトルク要否判定部116は、補正トルクを発生させる必要はないので、固定子ゲートオフフラグ及び回転子ゲートオフフラグを「ゲートオフしない」(「0」)に設定し、第2モータトルク補正要否フラグを「否」(「0」)に設定し、固定子キャリア周波数を5[kHz](キャリア波を停止してもよい)に設定する。
[実電流収斂フラグ]
図4は、電流制御部113における実電流収斂フラグの判断基準を示す表である。電流制御部113は、第2モータ7Bに流れる実電流が指令値に収斂したか否かを判断することで実電流収斂フラグを出力する。具体的には、電流制御部113は、d軸電流指令値i とd軸電流検出値iとの差分、q軸電流指令値i とq軸電流検出値iとの差分、界磁電流指令値i と界磁電流検出値iとの差分を算出し、それぞれ所定値よりも低くなったことで実電流が指令値に収斂したと判断して実電流収斂フラグを生成している。これにより、通常走行状態から第2モータ7Bが補正トルクを出力する状態に移行する際の急峻なトルク変化を低減し、車両に発生するショックを低減できる。
図4に示すように、電流制御部113は、例えばd軸電流指令値i とd軸電流検出値iとの差分が10[A]未満である条件(D1)、q軸電流指令値i とq軸電流検出値iとの差分が10[A]未満である条件(Q1)、界磁電流指令値i と界磁電流検出値iとの差分が1[A]未満である条件(F1)を考えたとき、すべての条件を同時に満たした場合、すなわち「D1∩Q1∩F1」を満たすときに実電流収斂フラグを「1」に設定する。
一方、上記条件いずれか一つでも満たさない場合は実電流収斂フラグを「0」としている。すなわち、例えばd軸電流指令値i とd軸電流検出値iとの差分が10[A]以上である条件(D2)、q軸電流指令値i とq軸電流検出値iとの差分が10[A]以上である条件(Q2)、界磁電流指令値i と界磁電流検出値iとの差分が1[A]以上である条件(F2)を考えたとき、いずれかの条件を満たした場合、すなわち「D2∪Q2∪F2」を満たすときに実電流収斂フラグを「0」に設定する。
そして第2モータトルク要否判定部116は、実電流収斂フラグが「0」の場合に第2モータトルク補正要否フラグを「否」(「0」)に設定し、実電流収斂フラグが「1」の場合に第2モータトルク補正要否フラグを「要」(「1」)に設定する。
[フローチャート]
図5は、本実施形態の電動車両の制御装置において第2モータ7Bの電流制御のフローチャートである。
ステップS501において、第2モータトルク要否判定部116は、「Start」として第2モータトルク指令値T がゼロになったことを検知する。
ステップS502において、電流制御部113は、実電流が指令値の近傍に収斂するまで待機し、収斂したところで実電流収斂フラグ「1」を出力する。
ステップS503において、第2モータトルク要否判定部116は、補正トルクが必要か否かを判断する。そして、第2モータトルク要否判定部116は、必要(YES)と判断した場合にステップS504に移行し、不要(NO)と判断した場合にステップS505に移行する。
ここで、補正トルクが必要な場合とは、第1モータ7Aが正トルクを出力し且つ第2モータ7B及び減速機8Bが正回転している場合、又は第1モータ7Aが負トルクを出力し且つ第2モータ7B及び減速機8Bが逆回転している場合である(図3)。
ステップS504において、第2モータトルク要否判定部116は、回転子ゲートオフフラグ(「1」)をPWM変換器102に出力する。これによりPWM変換器102は、PWM_Duty駆動信号のうち回転子に出力される成分(第2PWM信号)をゲートオフ(送信停止)する。
ステップS505において、第2モータトルク要否判定部116は、回転子ゲートオフフラグ(「1」)及び固定子ゲートオフフラグ(「1」)をPWM変換器102に出力し「End」に移行する。これによりPWM変換器102は、PWM_Duty駆動信号のすべて(第1PWM信号、第2PWM信号)をゲートオフ(送信停止)する。
ステップS506において、第2モータトルク要否判定部116は、固定子キャリア周波数信号(5[kHz])をPWM変換器102に出力する。これによりPWM変換器は
固定子に向けて出力するPWM_Duty駆動信号(第1PWM信号)を固定子キャリア周波数が5[kHz]のキャリア波を用いて生成する。
ステップS507において、第2モータ補正トルク演算部117は第2モータ7Bの回転数Nに基づいて第2モータ補正トルク指令値Tcomp を算出する(式(7))。このとき、第2モータトルク要否判定部116は、第2モータ7Bの回転数Nの回転方向に基づいて第2モータ補正トルク係数Kt_compを設定し、第2モータ補正トルク演算部117に出力する。ここで第2モータ補正トルク係数Kt_compは回転数Nが正回転の場合に「1」となり、逆回転の場合は「-1」となる。なお、第2モータトルク係数(Kt_comp)は第2モータ補正トルク演算部117が設定してもよい。
ステップS508において、第2モータ補正電流指令値演算部118は、第2モータ補正トルク指令値Tcomp の正負の符号(第2モータ補正トルク係数Kt_comp)を参照して、第2モータ7Bから正トルクを出す必要があるか否かを判断し、必要(YES)と判断した場合にステップS509に移行し、不要(NO)と判断した場合にステップS510に移行する。
ステップS509において、第2モータ補正電流指令値演算部118は、d軸補正電流指令値id_rlct 、q軸補正電流指令値iq_rlct 、界磁補正電流指令値if_rlct を算出する。このとき、d軸補正電流指令値id_rlct とq軸補正電流指令値iq_rlct の積が正となるように、すなわちd軸補正電流指令値id_rlct とq軸補正電流指令値iq_rlct が互いに同一の符号となるように算出する。
ステップS510において、第2モータ補正電流指令値演算部118は、d軸補正電流指令値id_rlct 、q軸補正電流指令値iq_rlct 、界磁補正電流指令値if_rlct を算出する。このとき、d軸補正電流指令値id_rlct とq軸補正電流指令値iq_rlct の積が負となるように、すなわちd軸補正電流指令値id_rlct とq軸補正電流指令値iq_rlct が互いに異なる符号となるように算出する。
ステップS509及びステップS510において、第2モータトルク要否判定部116は、第2補正トルク要否フラグ(「1」)を電流指令値切替部119に出力し、「End」に移行する。これにより、電流指令値切替部119は、電流指令値の入力先を電流指令値演算部115から第2モータ補正電流指令値演算部118に切り替える。
[本実施形態の効果]
本実施形態の電動車両の制御方法によれば、車両の前後方向に並んで配置された第1電動機(第1モータ7A)及び第2電動機(第2モータ7B)を車両の駆動源とし、車両情報(車速、アクセル開度等)に基づいて第1電動機(第1モータ7A)に向けて第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )を出力するとともに第2電動機(第2モータ7B)に向けて第2トルク指令値(第2モータトルク指令値T )を出力し、第2電動機(第2モータ7B)が巻線界磁型であるとともに駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)を介して駆動輪10Bに接続され、第2電動機に接続されたインバータ(第2インバータ4B)に前記第2トルク指令値に対応したPWM信号を出力することで前記第2電動機を駆動させ、PWM信号(PWM_Duty駆動信号)が第2電動機(第2モータ7B)の固定子に向けて出力される第1PWM信号と、第2電動機(第2モータ7B)の回転子に向けて出力される第2PWM信号と、を含む電動車両の制御方法であって、第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )がゼロでなく、且つ第2トルク指令値(第2モータトルク指令値T )がゼロとなった場合において、第2電動機(第2モータ7B)が駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)に対して駆動力(正トルク、負トルク)を印加したときに第2電動機(第2モータ7B)と駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)との間に形成されたガタ詰めが解除されるか否かを判断し、ガタ詰めが解除されると判断した場合に第2電動機(第2モータ7B)に向けてガタ詰めを保持するための補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )を出力し、補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )に基づいて第1PWM信号を出力するとともに第2PWM信号の出力を停止する。
上記方法により、第2電動機(第2モータ7B)は、補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )に基づいて駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)に連れまわされることなく駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)の回転に追従して回転するので、フリクショントルクを回避でき、さらにガタ詰めも保持されるので再加速時のショックや歯打ち音を低減できる。また第2電動機(第2モータ7B)で発生する補正トルクは、固定子に向けて出力される第1PWM信号に基づいて生成され、回転子に向けて出力される第2PWM信号はゼロに設定される。よって回転子に流れる界磁電流がゼロとなるので、その分消費電力を削減できる。
本実施形態において、第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )は、車両を前進させる方向の加速度を発生させる正トルク指令値(正トルクとなる第1モータトルク指令値T )と、車両を後退させる方向の加速度を発生させる負トルク指令値(負トルクとなる第1モータトルク指令値T )と、を含み、補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )は、第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )が正トルク指令値(正トルクとなる第1モータトルク指令値T )に設定され且つ車両が前進している場合に設定される第1補正トルク指令値(正トルクとなる第2モータ補正トルク指令値Tcomp )と、第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )が負トルク指令値(負トルクとなる第1モータトルク指令値T )に設定され且つ車両が後退している場合に設定される第2補正トルク指令値(負トルクとなる第2モータ補正トルク指令値Tcomp )と、を含む。
上記方法により、車両の走行状態に基づいて適切に第2電動機(第2モータ7B)に向けて補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )を出力できる。
本実施形態において、PWM信号(PWM_Duty駆動信号)を補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )に基づいて算出された電流指令値に基づいて算出し、電流指令値は、回転子の回転に同期して回転するdq軸座標により表され第1PWM信号を生成するためのd軸電流指令値i 及びq軸電流指令値i を含み、第1補正トルク指令値(正トルクとなる第2モータ補正トルク指令値Tcomp )に基づいて電流指令値を生成する際に、d軸電流指令値i 及びq軸電流指令値i の正負の符号が互いに同一となるように設定し、第2補正トルク指令値(負トルクとなる第2モータ補正トルク指令値Tcomp )に基づいて電流指令値を生成する際に、d軸電流指令値i 及びq軸電流指令値i の正負の符号が互いに異なるように設定する。
上記方法により、簡易な方法で第1補正トルク指令値(正トルクとなる第2モータ補正トルク指令値Tcomp )及び第2補正トルク指令値(負トルクとなる第2モータ補正トルク指令値Tcomp )を生成できる。
本実施形態において、補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )に基づいて電流指令値を算出する際に、d軸電流指令値i 及びq軸電流指令値i の大きさを第2電動機(第2モータ7B)の回転数Nに基づいてそれぞれ算出する。
これにより、簡易な方法でd軸電流指令値i 及びq軸電流指令値i の大きさを算出することができる。
本実施形態において、PWM信号を所定のキャリア周波数に基づいて生成し、補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )に基づいてPWM信号を生成する場合にキャリア周波数を第2トルク指令値に基づいてPWM信号を生成する場合のキャリア周波数よりも低い周波数に設定する。
上記方法により、インバータ(第2インバータ4B)のスイッチング素子で発生するスイッチング損失を低減させることで消費電力を低減できる。
本実施形態において、第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )が負トルク指令値(負トルクとなる第1モータトルク指令値T )に設定され且つ車両が前進している場合、又は第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )が正トルク指令値(正トルクとなる第1モータトルク指令値T )に設定され且つ車両が後退している場合にガタ詰めの解除が発生しないと判断するとともに、第1PWM信号及び第2PWM信号の出力を停止する。
上記方法により、第2トルク指令値がゼロになってもガタ詰めが保持される場合は第1PWM信号及び第2PWM信号の出力を停止(ゲートオフ)することで消費電力を削減できる。
本実施形態において、電流指令値は、第2PWM信号を生成するための界磁電流指令値i をさらに含み、第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )がゼロでなく、且つ第2トルク指令値(第2モータトルク指令値T )がゼロとなった場合において、d軸電流指令値i と固定子に流れる三相交流電流をdq軸座標に変換して得られるd軸電流検出値iとの差分、q軸電流指令値i と三相交流電流をdq軸座標に変換して得られるq軸電流検出値iとの差分、界磁電流指令値i と回転子に流れる界磁電流検出値iとの差分が、いずれも所定値よりも低くなったところで補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )を第2電動機(第2モータ7B)に向けて出力する。
上記方法により、通常走行状態から第2電動機(第2モータ7B)が補正トルクを出力する状態に移行する際の急峻なトルク変化を低減し、車両に発生するショックを低減できる。
本実施形態の電動車両の制御装置によれば、車両の前後方向の一方に配置され、車両情報(車速、アクセル開度等)に基づいて算出された第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )にも基づいて駆動する第1電動機(第1モータ7A)と、車両の前後方向の他方に配置され、車両情報(車速、アクセル開度等)に基づいて算出された第2トルク指令値(第2モータトルク指令値T )に基づいて駆動する第2電動機(第2モータ7B)と、第2電動機(第2モータ7B)の駆動力を駆動輪10Bに伝達する駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)と、第2電動機(第2モータ7B)に接続されたインバータ(第2インバータ4B)と、第2トルク指令値(第2モータトルク指令値T )に基づいてPWM信号(PWM_Duty駆動信号)を生成してインバータ(第2インバータ4B)に出力するPWM変換手段(PWM変換器102)と、を含み、PWM信号(PWM_Duty駆動信号)は、第2電動機(第2モータ7B)の固定子に向けて出力される第1PWM信号と、第2電動機(第2モータ7B)の回転子に向けて出力される第2PWM信号と、を含む電動車両の制御装置であって、第1トルク指令値(第1モータトルク指令値T )がゼロでなく、且つ第2トルク指令値(第2モータトルク指令値T )がゼロとなった場合において、第2電動機(第2モータ7B)が駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)に対して駆動力を印加したときに第2電動機(第2モータ7B)と駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)との間に形成されたガタ詰めが解除されるか否かを判断し、ガタ詰めが解除されると判断した場合に第2電動機(第2モータ7B)に向けてガタ詰めを保持するための補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )の出力を指令する補正トルク要否判定手段(第2モータトルク要否判定部116)と、補正トルク要否判定手段(第2モータトルク要否判定部116)が補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )の出力を指令した場合に第2電動機(第2モータ7B)の回転数Nに基づいて補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )を算出してPWM変換手段(PWM変換器102)に向けて出力する補正トルク演算部(第2モータ補正トルク演算部117)と、を含み、PWM変換手段(PWM変換器102)は、補正トルク要否判定手段(第2モータトルク要否判定部116)が補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )の出力を指令した場合に、補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )に基づいて第1PWM信号を出力するとともに、第2PWM信号の出力を停止する。
上記構成により、第2電動機(第2モータ7B)は、補正トルク指令値(第2モータ補正トルク指令値Tcomp )に基づいて駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)に連れまわされることなく駆動力伝達機構(減速機8B、駆動軸9B)の回転に追従して回転するので、フリクショントルクを回避でき、さらにガタ詰めも保持されるので再加速時のショックや歯打ち音を低減できる。また第2電動機(第2モータ7B)で発生する補正トルクは、固定子に向けて出力される第1PWM信号に基づいて生成され、回転子に向けて出力される第2PWM信号はゼロに設定される。よって回転子に流れる界磁電流がゼロとなるので、その分消費電力を削減できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
4B 第2インバータ,7A 第1モータ,7B 第2モータ,8B 減速機,9B 駆動軸,10B 駆動輪,102 PWM変換器,116 第2モータトルク要否判定部,117 第2モータ補正トルク演算部

Claims (8)

  1. 車両の前後方向に並んで配置された第1電動機及び第2電動機を車両の駆動源とし、車両情報に基づいて前記第1電動機に向けて第1トルク指令値を出力するとともに前記第2電動機に向けて第2トルク指令値を出力し、前記第2電動機が巻線界磁型であるとともに駆動力伝達機構を介して駆動輪に接続され、前記第2電動機に接続されたインバータに前記第2トルク指令値に対応したPWM信号を出力することで前記第2電動機を駆動させ、前記PWM信号が前記第2電動機の固定子に向けて出力される第1PWM信号と、前記第2電動機の回転子に向けて出力される第2PWM信号と、を含む電動車両の制御方法であって、
    前記第1トルク指令値がゼロでなく、且つ前記第2トルク指令値がゼロとなった場合において、前記第2電動機が前記駆動力伝達機構に対して駆動力を印加したときに前記第2電動機と前記駆動力伝達機構との間に形成されたガタ詰めが解除されるか否かを判断し、前記ガタ詰めが解除されると判断した場合に前記第2電動機に向けて前記ガタ詰めを保持するための補正トルク指令値を出力し、
    前記補正トルク指令値に基づいて前記第1PWM信号を出力するとともに前記第2PWM信号の出力を停止する電動車両の制御方法。
  2. 前記第1トルク指令値は、車両を前進させる方向の加速度を発生させる正トルク指令値と、車両を後退させる方向の加速度を発生させる負トルク指令値と、を含み、
    前記補正トルク指令値は、前記第1トルク指令値が前記正トルク指令値に設定され且つ車両が前進している場合に設定される第1補正トルク指令値と、前記第1トルク指令値が前記負トルク指令値に設定され且つ車両が後退している場合に設定される第2補正トルク指令値と、を含む請求項1に記載の電動車両の制御方法。
  3. 前記PWM信号を前記補正トルク指令値に基づいて算出された電流指令値に基づいて算出し、
    前記電流指令値は、前記回転子の回転に同期して回転するdq軸座標により表され前記第1PWM信号を生成するためのd軸電流指令値及びq軸電流指令値を含み、
    前記第1補正トルク指令値に基づいて前記電流指令値を生成する際に、前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値の正負の符号が互いに同一となるように設定し、
    前記第2補正トルク指令値に基づいて前記電流指令値を生成する際に、前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値の正負の符号が互いに異なるように設定する請求項2に記載の電動車両の制御方法。
  4. 前記補正トルク指令値に基づいて前記電流指令値を算出する際に、前記d軸電流指令値及び前記q軸電流指令値の大きさを前記第2電動機の回転数に基づいてそれぞれ算出する請求項3に記載の電動車両の制御方法。
  5. 前記PWM信号を所定のキャリア周波数に基づいて生成し、
    前記補正トルク指令値に基づいて前記PWM信号を生成する場合に前記キャリア周波数を前記第2トルク指令値に基づいて前記PWM信号を生成する場合の前記キャリア周波数よりも低い周波数に設定する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動車両の制御方法。
  6. 前記第1トルク指令値が前記負トルク指令値に設定され且つ車両が前進している場合、又は前記第1トルク指令値が前記正トルク指令値に設定され且つ車両が後退している場合に前記ガタ詰めの解除が発生しないと判断するとともに、前記第1PWM信号及び前記第2PWM信号の出力を停止する請求項2に記載の電動車両の制御方法。
  7. 前記電流指令値は、前記第2PWM信号を生成するための界磁電流指令値をさらに含み、
    前記第1トルク指令値がゼロでなく、且つ前記第2トルク指令値がゼロとなった場合において、
    前記d軸電流指令値と前記固定子に流れる三相交流電流を前記dq軸座標に変換して得られるd軸電流検出値との差分、前記q軸電流指令値と前記三相交流電流を前記dq軸座標に変換して得られるq軸電流検出値との差分、前記界磁電流指令値と前記回転子に流れる界磁電流検出値との差分が、いずれも所定値よりも低くなったところで前記補正トルク指令値を前記第2電動機に向けて出力する請求項3又は請求項4に記載の電動車両の制御方法。
  8. 車両の前後方向の一方に配置され、車両情報に基づいて算出された第1トルク指令値にも基づいて駆動する第1電動機と、
    車両の前後方向の他方に配置され、前記車両情報に基づいて算出された第2トルク指令値に基づいて駆動する第2電動機と、
    前記第2電動機の駆動力を駆動輪に伝達する駆動力伝達機構と、
    前記第2電動機に接続されたインバータと、
    前記第2トルク指令値に基づいてPWM信号を生成して前記インバータに出力するPWM変換手段と、を含み、
    前記PWM信号は、前記第2電動機の固定子に向けて出力される第1PWM信号と、前記第2電動機の回転子に向けて出力される第2PWM信号と、を含む電動車両の制御装置であって、
    前記第1トルク指令値がゼロでなく、且つ前記第2トルク指令値がゼロとなった場合において、前記第2電動機が前記駆動力伝達機構に対して駆動力を印加したときに前記第2電動機と前記駆動力伝達機構との間に形成されたガタ詰めが解除されるか否かを判断し、前記ガタ詰めが解除されると判断した場合に前記第2電動機に向けて前記ガタ詰めを保持するための補正トルク指令値の出力を指令する補正トルク要否判定手段と、
    前記補正トルク要否判定手段が前記補正トルク指令値の出力を指令した場合に前記第2電動機の回転数に基づいて前記補正トルク指令値を算出して前記PWM変換手段に向けて出力する補正トルク演算部と、を含み、
    前記PWM変換手段は、
    前記補正トルク要否判定手段が前記補正トルク指令値の出力を指令した場合に、前記補正トルク指令値に基づいて前記第1PWM信号を出力するとともに、前記第2PWM信号の出力を停止する電動車両の制御装置。
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