以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書中において「約」とは、後に続く数値の±10%を意味する。
1.ユーザの健康状態を可視化するためのサービス
本発明の発明者は、ユーザの健康状態を可視化するための新たなサービスを開発した。そのサービスとは、ユーザの健康に関する様々なデータを取得し、取得されたデータに基づいて、そのユーザの健康度が健康度ポジショニングマップ上のどの領域に位置付けられるかの情報をユーザに提供するサービスである。ここで、健康度ポジショニングマップとは、健康に関する情報で特徴付けられた複数の領域を有するマップのことをいう。
健康度ポジショニングマップの各領域は、例えば、健康度の種々の状態として特徴付けられ得る。例えば、健康度ポジショニングマップの或る領域は、若年・メンタルヘルス疾患リスク群として特徴付けられ得、健康度ポジショニングマップの別の或る領域は、中年-老年・生活習慣病リスク群として特徴付けられ得、健康度ポジショニングマップのさらに別の或る領域は、老年・糖尿病リスク群として特徴付けられ得る。例えば、健康度ポジショニングマップの或る領域は、ある健康状態についての未病群として特徴付けられ得、の別の或る領域は、その健康状態についてのハイリスク群として特徴付けられ得る。なお、これらの特徴付けは一例であり、種々の特徴付けがなされ得る。例えば、後述する図1Bに示されるように、身体の健康および精神の健康を軸として、健康度A~Cとして特徴づけられるようにしてもよい。このような特徴付けは、シンプルであり、健康度の状態が直感的に理解され得る。健康度ポジショニングマップの各領域の特徴付けは、例えば、各領域内に属する複数の被験者の傾向を分析することによって決定されるようにすることができる。
この新たなサービスでは、ユーザは、自宅で行うことができる簡易な計測の結果から、自身の健康度が健康度ポジショニングマップ上のどの領域に位置付けられるかの情報を得ることができる。この新たなサービスでは、ユーザは、自身の健康度が健康度ポジショニングマップ上のどの領域に位置付けられるかの情報を可視的にリアルタイムで得ることもできる。
図1Aは、ユーザの健康状態を可視化するための新たなサービスのフローの一例を示す。
ステップS1では、ユーザUは、自宅Hで、いくつかの計測を行う。計測は、例えば、計測機器20を使用した計測と、コンピュータ装置30を使用した計測とを含む。計測機器20は、自宅Hで使用可能な任意の計測機器であり、例えば、体組成計21、血圧計22を含むが、これらに限定されない。コンピュータ装置30は、自宅Hで使用可能な任意のコンピュータ装置であり、例えば、スマートフォン31、パーソナルコンピュータ32を含むが、これらに限定されない。計測機器20を使用した計測は、体組成計21を用いた計測を含み、これにより、体組成に対するデータが取得される。計測機器20を使用した計測は、血圧計22を用いた計測をさらに含んでもよく、これにより、血圧に対するデータも取得される。コンピュータ装置30を使用した計測は、カメラを用いた自律神経機能の計測を含み、これにより、自律神経機能に対するデータが取得される。コンピュータ装置30を使用した計測は、ユーザUに対する質問票を用いた計測を含み、これにより、生活状況および/または主観的評価を含むデータが取得される。
例えば、血圧計は、身体に装着するタイプの血圧計(例えば、上腕式血圧計、腕時計型血圧計、指輪型血圧計)、または、非接触式血圧計(例えば、カメラで撮影された顔または指の画像からから血圧を測定する血圧計)であり得る。例えば、体組成計は、計測時に上に載るタイプの体組成計、または、身体に装着することができるタイプの体組成計(例えば、腕時計型体組成計)であり得る。
図1に示される例では、3つの機器(体組成計、血圧計、コンピュータ装置30)を用いて4つの計測を行うことを説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、4つの機器を用いて4つの計測を行う(例えば、体組成計21を用いた体組成計測、血圧計22を用いた血圧計測、自律神経機能を測定可能な自律神経測定器を用いた自律神経機能計測、質問票からデータを取得可能な質問票処理機器を用いた質問票計測を行う)ようにしてもよいし、2つの機器を用いて4つの計測を行う(例えば、体組成と血圧とを測定可能な機器を用いた体組成計測および血圧計測、コンピュータ装置30を用いた自律神経機能計測および質問票計測を行う)ようにしてもよいし、1つの機器を用いて4つの計測を行う(例えば、体組成と血圧と自律神経機能と質問票によるデータとを測定可能な機器を用いた計測を行う)ようにしてもよい。あるいは、例えば、3つの機器を用いて3つの計測を行う(例えば、体組成計21を用いた体組成計測、自律神経機能を測定可能な自律神経測定器を用いた自律神経機能計測、質問票からデータを取得可能な質問票処理機器を用いた質問票計測を行う)ようにしてもよいし、2つの機器を用いて3つの計測を行う(例えば、体組成を測定可能な機器を用いた体組成計測、コンピュータ装置30を用いた自律神経機能計測および質問票計測を行う)ようにしてもよいし、1つの機器を用いて3つの計測を行う(例えば、体組成と自律神経機能と質問票によるデータとを測定可能な機器を用いた計測を行う)ようにしてもよい。このように、計測に用いられる機器は、複数の別個の機器であってもよいし、単一の機器であってもよい。単一の機器を用いた計測の場合、単一の機器は、コンピュータ装置30(例えば、スマートフォン31、パーソナルコンピュータ32、タブレット等)であってもよい。あるいは、単一の機器は、コンピュータ装置30とは別の機器であってもよい。このとき、コンピュータ装置30は、情報の通信および情報の表示のために使用される。
このような計測機器による計測は、非侵襲的な計測である。このような計測は、例えば、装着するだけ、上に乗るだけ、カメラに写るだけ、質問に答えるだけ等の簡単なアクションで、短時間に行うことができる。さらに、このような少ない計測機器による簡易かつ非侵襲的な計測では、複数のデータをほぼ同時に取得することができるため、各データ間の時差を小さくするまたは無視することができる。例えば、複数の計測をほぼ同時に行うことにより、最も早くデータが取得された計測の完了時刻と、最も遅くデータが取得された計測の完了時刻との差(すなわち、データ間の時差)を1秒以内、2秒以内、5秒以内、10秒以内、15秒以内、20秒以内、30秒以内、1分以内、2分以内、3分以内、5分以内、10分以内、30分以内、1時間以内、2時間以内、または6時間以内にすることができる。例えば、最も早くデータが取得された計測の完了時刻と、最も遅くデータが取得された計測の完了時刻との間を5分以内にすることが好ましい。各データ間の時差が5分以内であれば、各データ間の時差による影響を無視することができるからである。特に、自律神経測定器、血圧計によって計測されるデータは、時々刻々変動し得るため、他のデータとの時差による影響を無視できるようにすることが好ましい。これにより、ある時点の正確な健康度について、健康度ポジショニングマップ上の位置を表すことができるようになる。
計測は、ユーザUが意識的に行うようにしてもよいし、ユーザUが無意識的に行うようにしてもよい。例えば、所定の条件が満たされたときに自動的に計測を行うことにより、ユーザUに意識させることなく計測を行うことができる。計測は、例えば、ユーザUの身体に装着された計測機器を用いて、ユーザUに意識させることなく行うことができる。例えば、ユーザUの身体に装着された計測機器を用いることで、ユーザUが室内にいるか室外にいるかに関係なく(例えば、ユーザUが歩行中であっても、ユーザUが静止中であっても)、計測を行うことができる。あるいは、またはこれに加えて、計測は、例えば、ユーザUの行動範囲内に設置された計測機器を用いて、ユーザUに意識させることなく行うことができる。例えば、ユーザUの行動範囲内に設置された計測機器を用いることで、ユーザUが行動範囲内で何をしていても(例えば、ユーザUが歩行中であっても、ユーザUが静止中であっても)、計測を行うことができる。ユーザUの行動範囲内に設置された計測機器は、例えば、ユーザUが使用する家具(例えば、椅子、ベッド等)に搭載されたセンサ、ユーザUが使用する電子機器(例えば、パーソナルコンピュータ、冷蔵庫、エアコン、スマートスピーカ等)に搭載されたセンサ、ユーザUの自宅等の部屋に設置されたセンサを含むが、これらに限定されない。例えば、血圧は、身体に装着された血圧計により、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、体組成は、身体に装着された体組成計により、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、体組成は、ユーザの椅子の座面に搭載された体組成計により、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、自律神経機能は、コンピュータ装置30のカメラにより、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、自律神経機能は、ユーザUが使用する電子機器に搭載されたカメラにより、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、自律神経機能は、ユーザUの自宅等の部屋に設置されたカメラにより、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、生活状況および/または主観的評価を含むデータは、ユーザUが使用する電子機器(例えば、スマートスピーカ)とのコミュニケーションから自動的に計測されるようにすることができる。所定の条件は、例えば、所定の時間になったとき(時間的条件)、所定の場所に入った/出たとき(地理的条件)、所定の行動を行ったとき(行動的条件)等を含む。所定の時間は、例えば、1日のうちの予め決められた時間(例えば、午前6時から~午前8時の間、午前11時~午後1時の間、午後4時~午後6時の間、午後9時~午前0時の間、または午前6時、午後0時、午後6時、午前0時等)であってもよいし、予め決められた間隔毎の時間(例えば、1時間おき、3時間おき、6時間おき、12時間おき等)であってもよい。所定の場所は、例えば、会社、自宅、リビング、寝室等を含むがこれらに限定されない。所定の行動は、例えば、椅子に座ること、ベッドに寝そべること、ユーザUが使用する電子機器に搭載されたカメラまたはユーザUの自宅等の部屋に設置されたカメラの視野内に一定時間(例えば、10秒間、30秒間、1分間)以上入ること等を含むがこれらに限定されない。
一実施形態において、所定の行動は、例えば、少なくとも1つのデータを取得することであり得る。例えば、4つの計測のうちの少なくとも1つの計測によってデータを取得したことに応答して、4つの計測のうちの他の計測を自動的に行うことにより、ユーザUに意識させることなく、4つの計測のうちの他の計測を行うことができる。例えば、ユーザUが質問票に意識的に回答したことに応答して、体組成、自律神経機能、および/または、血圧を自動的に計測するようにしてもよい。これにより、ユーザUは、質問票に回答するだけの簡単なアクションで、複数の計測を行うことができることになる。
ステップS2では、ステップS1で計測されたデータがコンピュータ装置30に取り込まれる。例えば、体組成計21を用いて計測された体組成に対するデータが、コンピュータ装置30に入力される。これは、例えば、体組成計21とコンピュータ装置30との間の通信を確立することによって行われてもよいし、ユーザUが体組成計21による測定値をコンピュータ装置30に入力することによって行われてもよい。例えば、血圧計22を用いて計測された血圧に対するデータが、コンピュータ装置30に入力される。これは、例えば、血圧計22とコンピュータ装置30との間の通信を確立することによって行われてもよいし、ユーザUが血圧計22による測定値をコンピュータ装置30に入力することによって行われてもよい。ステップS1では、自律神経機能に対するデータおよび質問票に対するデータがコンピュータ装置30を使用して計測されたため、これらのデータは、既にコンピュータ装置30に取り込まれている。
ステップS3では、ステップS2で取り込まれたデータが、コンピュータ装置30からネットワーク40を介してサービスプロバイダのサーバ装置Sに送信される。サーバ装置Sでは、コンピュータ装置30から受信したユーザUの計測結果に基づいて、ユーザUの健康度情報を導出することができる。ユーザUの健康度情報は、ユーザUが健康度ポジショニングマップ上のどの領域に位置付けられたかを示す情報を含む。
ステップS4では、サーバ装置Sで導出された健康度情報が、サーバ装置Sからネットワーク40を介してコンピュータ装置30に送信される。
ステップS5では、コンピュータ装置30が、健康度情報に基づいて、ユーザUの健康度が、健康度ポジショニングマップ上のどの領域に位置付けられるかをユーザUに表示する。ユーザUは、自身の健康度が位置付けられた健康度ポジショニングマップ上の領域に関連付けられた情報を参照することにより、自身の健康状態を認識することができる。例えば、自身の健康度が、図1Bに示されるような健康度ポジショニングマップ上の健康度Bとして特徴づけられた領域に属する場合には、ユーザUは、自身の健康度が悪くはないが良くもないことを認識することができる。これにより、例えば、ユーザUに、自身の健康度が改善されるよう心がけるよう促すことが可能である。例えば、自身の健康度が、健康度ポジショニングマップ上の若年・メンタルヘルス疾患リスク群として特徴付けられた領域に属する場合には、ユーザUは、自身にメンタルヘルス疾患リスクがあるとして、自身の健康状態を認識することができる。これにより、例えば、ユーザUに、メンタルヘルス疾患リスクに備える措置を講じるように促すことが可能である。
ステップS1~ステップS5の計測の実施から健康度ポジショニングマップの表示までは、ユーザの意識的操作によって行ってもよいし、ユーザが無意識のうちに自動的に行ってもよい。すなわち、ユーザUは、各種計測を行うことによって、自身の健康度の健康度ポジショニングマップ上での位置を容易に認識することができる。あるいは、計測の実施までも自動的に行うことにより、ステップS1~ステップS5の全てを自動的に行うようにすることもできる。これにより、ユーザUは、計測の負担なしに、自身の健康度の健康度ポジショニングマップ上での位置を認識することができる。
ステップS1での計測で得られるデータが解析に時間を要しないデータであるため、ステップS2でコンピュータ装置30にデータが取り込まれてからステップS5で健康度ポジショニングマップが表示されるまでの時間を短縮することができる。これにより、ユーザは、自身の健康状態を直ちに知ることができるようになる。特に、例えばステップS1での計測を身体に装着可能な計測機器によって連続的に行うことにより、ユーザは、自身の健康状態の変化をリアルタイムに可視的に認識することができるようになる。ここで、ステップS2でコンピュータ装置30にデータが取り込まれてからステップS5で健康度ポジショニングマップが表示されるまでの時間は、例えば、0.01秒、0.02秒、0.05秒、0.1秒、0.2秒、0.5秒、1秒以内、3秒以内、5秒以内、10秒以内、20秒以内、30秒以内、45秒以内、1分以内、5分以内、10分以内、1時間以内、2時間以内、12時間以内、24時間以内等であり得る。このような応答性の良さにより、ユーザの待ち時間は短縮され、計測に対するユーザの心理的負担を軽減することもでき、ユーザの測定へのモチベーションの低下を防止することができる。
さらに、所定期間経過後に、上述したステップS1~ステップS5を繰り返すことにより、ユーザUは、自身の健康状態の時系列変化を認識することができる。例えば、ユーザUは、健康度ポジショニングマップ上での位置の時系列変化を参照することにより、自身の健康状態が向かう方向を認識することができる。例えば、自身の健康度が、図1Bに示されるような健康度ポジショニングマップ上の健康度Bとして特徴づけられた領域に属していたところ、所定期間経過後に、自身の健康度が、健康度ポジショニングマップ上の健康度Bとして特徴付けられた領域に属してはいるものの、健康度Cとして特徴付けられた領域に近づいていた場合には、ユーザUは、自身の健康状態が健康度Cの方向へ向かっていることを認識し得る。これにより、例えば、ユーザUに、自身の健康度が悪化しないように心がけるよう促すことが可能である。例えば、自身の健康度が健康度ポジショニングマップ上の若年・メンタルヘルス疾患リスク群として特徴付けられた領域に属していたところ、所定期間経過後に、自身の健康度が、健康度ポジショニングマップ上の若年・メンタルヘルス疾患リスク群として特徴付けられた領域に属してはいるものの、中年-老年・生活習慣病リスク群として特徴付けられた領域に近づいていた場合には、ユーザUは、自身の健康状態が中年-老年・生活習慣病リスクの方向へ向かっていることを認識し得る。これにより、例えば、ユーザUに、生活習慣病リスクに備える措置を講じるように促すことが可能である。
例えば、イベントの前に上述したステップS1~ステップS5を行うことにより、ユーザUは、その時点の自身の健康度を認識することができる。次いで、イベントの後に、上述したステップS1~ステップS5を行うことにより、ユーザUは、その時点の自身の健康度を認識することができる。このようにして得られたイベント前の健康度と、イベント後の健康度とを比較することにより、ユーザUは、健康度に対するイベントの影響を認識することができる。イベントは、例えば、感染症の流行(Covid-19等)、自然災害(例えば、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害)、残業、体験(直接的な体験または疑似的な体験(例えば、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)等を介した体験)、他者もしくは動物とのコミュニケーション等を含むが、これらに限定されない。
例えば、1日の始まり(例えば、午前6時~午後0時の間)に、上述したステップS1~ステップS5を行うことにより、ユーザUは、その時点の自身の健康度を認識することができる。次いで、1日の終わり(例えば、午後6時~午前0時の間)に、上述したステップS1~ステップS5を行うことにより、ユーザUは、その時点の自身の健康度を認識することができる。このようにして得られた1日の始まりにおける健康度と、1日の終わりにおける健康度とを比較することにより、ユーザUは、健康度の日内変動を認識することができる。このような健康度は、例えば、主として疲労度を表すようにすると、ユーザUは、1日の活動により、どの程度疲労が溜まったかを客観的に認識することができるようになる。
例えば、1日の終わり(例えば、午後6時~午前0時の間)に、上述したステップS1~ステップS5を行うことにより、ユーザUは、その時点の自身の健康度を認識することができる。次いで、次の日の始まり(例えば、午前6時~午後0時の間)に、上述したステップS1~ステップS5を行うことにより、ユーザUは、その時点の自身の健康度を認識することができる。このようにして得られた1日の終わりにおける健康度と、次の日の始まりにおける健康度とを比較することにより、ユーザUは、健康度の夜間変動を認識することができる。健康度の夜間変動は、身体の回復力または弾性(elasticity)に相当し得、ユーザUは、夜間の睡眠により、どの程度回復したかを客観的に認識することができるようになる。
上述したステップS1~ステップS5は、例えば、1日のうちの所定の時間に行われることができる。所定の時間は、例えば、1日のうちの予め決められた時間(例えば、午前6時から~午前8時の間、午前11時~午後1時の間、午後4時~午後6時の間、午後9時~午前0時の間、または、午前6時、午後0時、午後6時、午前0時等)であってもよいし、予め決められた間隔毎の時間(例えば、1時間おき、3時間おき、6時間おき等)であってもよいし、ユーザが自由に設定した時間であってもよい。例えば、朝(例えば、午前6時から~午前8時の間、または、午前6時等)、昼(例えば、午前11時~午後1時の間、または、午後0時等)、夕(午後4時~午後6時の間、または、午後6時等)、夜(例えば、午後9時~午前0時の間、または、午前0時等)にそれぞれステップS1~ステップS5を行うことにより、1日の活動による健康度の変動を細かく追跡することができる。
このような短期的に健康度を評価して蓄積していくことにより、健康度の細かな変動を捕捉することができ、新たな視点で健康を評価することができるようになる。自宅Hでの簡易な検査で健康度を評価することができるため、このような短期的な健康度の評価を手軽に行うことができるようになる。また、これを用いて、日常生活習慣改善等ソリューション開発を個別化で進めることができる。
上述した例では、自宅Hで行うことができる簡易な4つの非侵襲性検査を例示したが、計測は、非侵襲検査に限定されない。例えば、計測は、侵襲性検査を含んでもよい。本明細書において、「侵襲性検査」とは検査対象の身体を(例えば、注射による血液採取や組織切除によって)傷つける検査をいい、「非侵襲性検査」とは検査対象の身体を何ら傷つけない検査をいう。代表的な侵襲性検査は血液や血漿に含まれる成分量を検出する検査であり、代表的な非侵襲検査は対象の排泄物(尿、呼気、唾液)における成分を検出する検査や、自律神経機能検査、認知機能検査、質問票・VAS(Visual Analogue Scale)などである。本明細書において、「侵襲的パラメータ」とは侵襲性検査によって得られるパラメータをいい、「非侵襲的パラメータ」とは非侵襲性検査によって得られるパラメータをいう。
上述した例では、自宅Hで計測を行うことを説明したが、計測を行う場所は、自宅Hに限定されない。例えば、計測は、検査施設以外の会社、薬局、公民館、カフェ等で行われてもよい。簡易な計測で十分であるからこそ、検査施設以外の場所で計測を行うことができるのである。もちろん、計測は、病院や専門検査施設で行われてもよい。
図1Bは、ユーザの健康状態を示す画面1000の一例を示す。画面1000は、例えば、ユーザUのコンピュータ装置30(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等)の表示画面上に表示されて、ユーザに提供され得る。
画面1000は、健康度ポジショニングマップ表示部1100と、レーダーチャート表示部1200とを含む。
健康度ポジショニングマップ表示部1100には、健康度ポジショニングマップが表示されている。この健康度ポジショニングマップにおいて、横軸は、身体の健康に関連付けられており、横軸の値が大きいほど、身体の健康が悪いことを示している一方で、縦軸は、精神の健康に関連付けられており、縦軸の値が大きいほど、精神の健康が悪いことを示している。
健康度ポジショニングマップ表示部1100に表示された健康度ポジショニングマップは、10個の領域を含んでおり、10個の領域のうち、1つの領域が健康度Aとして特徴付けられており、3つの領域が健康後Bとして特徴付けられており、6個の領域が健康度Cとして特徴づけられている。ここで、健康度Aが、健康度が良好であることを示し、健康度Bが、健康度が普通であることを示し、健康度Cが、健康度が悪く、注意を要することを示している。
ユーザは、自身の健康度が、健康度ポジショニングマップ上のどの領域に位置付けられるかに応じて、自身の健康状態を認識することができる。図1Bに示される例では、ユーザの健康度が星印でプロットされており、ユーザの健康度は、健康度Bとして特徴付けられた領域内に属していることがわかる。例えば、或る集団に属する複数のユーザの健康度を1つの健康度ポジショニングマップ上にプロットすることにより、特定のユーザが、その集団内ではどの程度の健康度を有しているかを把握することができる。これは、例えば、企業の労務管理において有用である。例えば、企業の労務担当者は、企業の従業員の健康度がプロットされた健康度ポジショニングマップを見て、組織的な介入が必要か、あるいは、組織的な介入ができるか等を検討することができる。例えば、特定の1人の従業員の健康度が他の従業員に比べて悪い位置にプロットされていた場合、その従業員に対して介入すべきか否かを検討することができる。あるいは、例えば、特定の部門の従業員の健康度が他の部門の従業員に比べて悪い位置にプロットされていた場合、その部門に対して介入すべきか否かを検討することができる。
レーダーチャート表示部1200には、レーダーチャートが表示されている。このレーダーチャートでは、健康状態が6つの観点(筋骨格運動器系、代謝・メタボ系、自律神経系、睡眠覚醒リズム、メンタルヘルス、疲労)から0~5の6段階で示されている。筋骨格運動器系の観点は、運動に関わる筋力などの状態を示し、代謝・メタボ系の観点は、体内のエネルギー代謝や肥満などの状態を示し、自律神経系の観点は、集中やリラックスに関する神経の調節力の状態を示し、睡眠覚醒リズムの観点は、睡眠や眠気などの状態の観点を示し、メンタルヘルスの観点は、気分の落ち込みなどの状態を示し、疲労の観点は、心や身体の疲れの状態を示している。ユーザは、自身の健康状態がどの観点に起因しているのかを一目で認識することができる。レーダーチャート表示部1200に表示されるレーダーチャートは、各軸が健康に関する情報で特徴付けられており、軸毎にそのユーザの得点がマッピングされていることから、本願明細書では、このようなレーダーチャートも、健康度ポジショニングマップの一種であると見なされ得る。
画面1000は、健康度ランキング表示部(図示せず)を含むようにしてもよい。健康度ランキング表示部には、そのユーザの健康度が特定の集団内で何位であるかが表示される。特定の集団は、例えば、ユーザと同姓の集団、ユーザと同年代の集団、または、ユーザと同年代同姓の集団等を含む。このようなランキング表示であれば、自身の健康度をより直感的に理解しやすい。さらに、ランキングを上げるためにはどのようにすべきかの方向性も表示することにより、競争原理を用いて、ユーザの行動変容を促すことができる。
上述したサービスは、例えば、以下に説明する、コンピュータシステム10によって実現され得る。
2.コンピュータシステムの構成
図2は、コンピュータシステム10の構成の一例を示す。
コンピュータシステム10は、サーバ装置100と、少なくとも1つの端末装置300とを備える。
サーバ装置100は、データベース部200に接続されている。また、サーバ装置100は、少なくとも1つの端末装置300にネットワーク400を介して接続されている。サーバ装置100は、例えば、ユーザの健康状態を可視化するための新たなサービスを提供するサービスプロバイダに設置されているコンピュータである。
ネットワーク400は、任意の種類のネットワークであり得る。ネットワーク400は、例えば、インターネットであってもよいし、LANであってもよい。ネットワーク400は、有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークであってもよい。
図2には、3つの端末装置300が描写されているが、端末装置300の数はこれに限定されない。端末装置300の数は、1以上の任意の数であり得る。端末装置300の一例は、ユーザが保持するコンピュータであるが、これに限定されない。例えば、病院に設置されているコンピュータ、検査を行うことが可能なオフィスの一室に設置されているコンピュータ等であってもよい。ここで、コンピュータは、任意のタイプのコンピュータであり得る。例えば、端末装置300は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートグラス等の任意のタイプの端末装置であり得る。
サーバ装置100は、インターフェース部110と、プロセッサ部120と、メモリ150部とを備える。
インターフェース部110は、サーバ装置100の外部と情報のやり取りを行う。サーバ装置100のプロセッサ部120は、インターフェース部110を介して、サーバ装置100の外部から情報を受信することが可能であり、サーバ装置100の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部110は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。
インターフェース部110は、例えば、サーバ装置100に情報を入力することを可能にする入力部を備える。入力部が、どのような態様でサーバ装置100に情報を入力することを可能にするかは問わない。インターフェース部110は、例えば、サーバ装置100から情報を出力することを可能にする出力部を備える。出力部が、どのような態様でサーバ装置100から情報を出力することを可能にするかは問わない。
プロセッサ部120は、サーバ装置100の処理を実行し、かつ、サーバ装置100全体の動作を制御する。プロセッサ部120は、メモリ部150に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、サーバ装置100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ部120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
メモリ部150は、サーバ装置100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ部150は、健康度ポジショニングマップを作成するための処理をプロセッサ部120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図5A、図5Bに示される処理を実現するプログラム)、健康関数を作成するための処理をプロセッサ部130に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図6に示される処理を実現するプログラム)、ユーザの健康度を推定するための処理をプロセッサ部140に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図7A、図7Bに示される処理を実現するプログラム)、を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部150に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部150にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部150にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部150は、任意の記憶手段によって実装され得る。
データベース部200には、例えば、複数の被験者から得られたデータが格納され得る。また、データベース部200には、例えば、サーバ装置100によって生成された健康度ポジショニングマップのデータが格納され得る。また、データベース部200には、例えば、サーバ装置100によって生成された健康関数が格納され得る。また、データベース部200には、サーバ装置100によって導出されたユーザの健康度を示す健康度情報が格納され得る。ユーザの健康度を示す健康度情報は、ユーザの同意が得られたときに、データベース部200に格納され、他のユーザによる研究利用に供されることが可能になる。
図3Aは、一実施形態におけるプロセッサ部120の構成の一例を示す。プロセッサ部120は、健康度ポジショニングマップを作成する処理のための構成を有し得る。
プロセッサ部120は、取得手段121と、処理手段122と、マッピング手段123と、クラスタリング手段124と、特徴付け手段125とを備える。
取得手段121は、複数の被験者の各々について、後述する第1パラメータセットに対する第1データセットを取得するように構成されている。例えば、取得手段121は、被験者1人当たりに複数の項目(例えば、或る実施形態では、232項目)のデータセットを取得する。第1パラメータセットは、例えば、初期パラメータセットのデータセットを取得し、初期パラメータセットのデータセットの各データ間の相関を取り、相関係数が所定の閾値以上のパラメータを抽出することによって得られた抽出パラメータセットであってもよい。このとき、抽出パラメータセットには、後述する基本4パラメータを含むように抽出されることができる。第1パラメータセットは、例えば、初期パラメータセットのデータセットを取得し、初期パラメータセットのデータセットから健康度ポジショニングマップに対する影響度が高いパラメータセットを機械学習によって抽出することによって得られた抽出パラメータセットであってもよい。
取得手段121は、例えば、データベース部200に格納された複数の被験者についてのデータを、インターフェース部110を介して受信し、受信されたデータを取得することができる。取得手段121は、例えば、データベース部200に格納された複数の被験者についてのデータを、検査施設(例えば、病院、研究所等)のコンピュータシステムからインターフェース部110を介して受信し、受信されたデータを取得することができる。取得された第1データセットは、後続の処理のために、処理手段122に渡される。
データベース部200には、第1パラメータセットに対する第1データセットが格納され得る。
図4は、データベース部200に格納される第1データセットのデータ構成の一例を示す。
データベース部200には、複数の被験者の各々について、第1パラメータセットに対する第1データセットが格納されている。複数の被験者の各々には、IDが付与されている。例えば、データベース部200には、年齢、筋肉量、BMI、脂肪率、超音波伝導速度、骨粗鬆症指数・・・等の第1パラメータセットの各パラメータの値のセット(第1データセット)が格納されている。
再び図3Aを参照すると、一実施形態において、取得手段121はさらに、作成された健康度ポジショニングマップに含まれる複数の領域のうちの一部の領域に含まれる第1データを、サブ第1データとして取得するように構成されてもよい。あるいは、取得手段121は、後述するクラスタリング手段124によって特定された複数の領域のうちの一部の領域に含まれる第1データを、サブ第1データとして取得するように構成されてもよい。取得手段121は、例えば、健康度ポジショニングマップ作成者によって選択された領域内の第1データを取得することができる。健康度ポジショニングマップ作成者は、領域の選択を、インターフェース部110を介してサーバ装置100に入力することができる。健康度ポジショニングマップ作成者は、例えば、複数の被験者のうちの特定の集団、例えば、男性被験者集団、女性被験者集団、若年層集団(40歳未満の集団)、中年層集団(40歳以上60歳未満の集団)、老年層集団(60歳以上の集団)等にフォーカスした健康度ポジショニングマップを作成するために、それらの集団が属し得る領域を選択することができる。取得されたサブ第1データは、後続の処理のためにクラスタリング手段124に渡され得る。
処理手段122は、取得手段121によって取得された第1データセットを処理するように構成されている。処理手段122は、第1データセットを処理することにより、第1データを出力することができる。
処理手段122による処理は、出力される第1データをマッピングすることができる限り、任意の処理を含み得る。男女混合データに基づいてポジショニングマップを作成する場合には、性差の補正を行うことが好ましい。
処理手段122による処理は、例えば、次元削減処理を含み得る。次元削減処理は、m次元のデータをn次元のデータに変換する処理であり、ここで、m>nである。次元削減処理は、例えば、多次元尺度構成法(MDS:multi-dimensional scaling)、主成分分析、重回帰分析、主成分分析、または機械学習等を用いて行われ得るが、次元削減処理の手段はこれらに限定されない。次元削減処理は、第1データセットを2次元のデータまたは3次元のデータに削減することが好ましい。2次元のデータまたは3次元のデータを、後述するマッピング手段123によってマッピングすると、2次元空間または3次元空間のマップとなり、視覚的に理解しやすいマップを得ることができるからである。次元削減処理は、多次元尺度構成法を用いて行われ得る。多次元尺度構成法によって得られる第1データを、後述するマッピング手段123によってマッピングすると、視覚的に理解しやすいマップを得ることができるからである。
処理手段122による処理は、例えば、標準化処理を含み得る。標準化処理は、第1データセットのパラメータ毎のデータのスケールを揃える処理である。標準化処理は、例えば、Zスコアを算出する処理(平均値が0であり、かつ、標準偏差が1であるようにデータを補正する処理)、Tスコアを算出する処理(平均値が50であり、かつ、標準偏差が10であるようにデータを補正する処理)等であり得る。処理手段122は、第1パラメータセットのうちのすべてのパラメータについて、第1データセットのデータの標準化処理を行うようにしてもよいし、特定のパラメータについて、第1データセットのデータの標準化処理を行うようにしてもよい。
処理手段122は、複数の被験者の全体の第1データセットについて、標準化処理を行うようにしてもよいし、複数の被験者のうちの特定の母集団の第1データセットについて、標準化処理を行うようにしてもよい。複数の被験者のうちの特定の母集団は、例えば、男性被験者集団、女性被験者集団、若年層集団(40歳未満の集団)、中年層集団(40歳以上60歳未満の集団)、老年層集団(60歳以上の集団)等を含むがこれらに限定されない。処理手段122は、複数の被験者から任意の母集団を形成し、その母集団の第1データセットについて、標準化処理を行うことができる。
例えば、処理手段122は、複数の被験者からの第1データセットを、男性被験者のデータセットと、女性被験者のデータセットとに分類し、男性被験者のデータセットを標準化することにより、男性被験者集団についての標準化処理を行うことができ、あるいは、女性被験者のデータセットを標準化することにより、女性被験者集団についての標準化処理を行うことができ、あるいは、これらの両方を行うことができる。このように、男性被験者集団および/または女性被験者集団について標準化処理を行うことは、第1パラメータセットのうち男女差があるパラメータ(例えば、血液中の中性脂肪濃度等)に対して好ましく、第1パラメータセットのうち男女差が顕著なパラメータ(例えば、血液中の赤血球数等)に対してより好ましい。これにより、男女差がなくなり、男女差による偏りのない健康度ポジショニングマップを作成することができるようになるからである。
処理手段122による処理は、例えば、重み付け処理を含み得る。重み付け処理は、第1データセットのうちの少なくとも一部のデータに重みを付ける処理である。例えば、第1データセットのうちの少なくとも一部のデータに所定数を加算して重みを付けるようにしてもよいし、第1データセットのうちの少なくとも一部のデータに所定数を乗算して重みを付けるようにしてもよい。加算または乗算される所定数は、重み付け処理されるデータ毎に一定であってもよいし、異ならせてもよい。例えば、後述する導出手段133によって導出される健康関数に対する影響が大きいデータに対して、大きくまたは小さく重みを付けるように所定数を変動させることができる。あるいは、例えば、後述する導出手段133によって導出される健康関数に対する影響が小さいデータに対して、大きくまたは小さく重みを付けるように所定数を変動させることができる。
処理手段122は、複数の被験者の全体の第1データセットについて、重み付け処理を行うようにしてもよいし、複数の被験者のうちの特定の母集団の第1データセットについて、重み付け処理を行うようにしてもよい。処理手段122は、複数の被験者から任意の母集団を形成し、その母集団の第1データセットについて、重み付け処理を行うことができる。重み付け処理が行われる母集団は、上述した標準化処理が行われる母集団と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
マッピング手段123は、複数の被験者の各々について、処理手段122の出力である第1データをマッピングするように構成されている。マッピング手段123によるマッピングは、n次元の第1データをn次元空間上の位置に関連付ける処理である。マッピング手段123は、第1データをマッピングすることにより、複数の被験者の各々の第1データがマッピングされたマップを出力することができる。例えば、第1データが2次元である場合には、マッピング手段123は、第1データを、2次元空間、すなわち、平面上の位置に関連付けるように、第1データをマッピングすることにより、2次元マップを出力することができる。図9Aは、マッピング手段123によるマッピング結果の一例を示す図である。図9Aに示すように、マッピング手段123は、複数の被験者について、処理手段122によって得られた第1データによって定められる点を、2次元空間(多次元空間)にプロットすることによりマップを出力する。マッピング手段123は、例えば、n次元の第1データをn個の軸を有するレーダーチャート上にマッピングすることにより、複数の被験者の各々の第1データがマッピングされたマップ(レーダーチャート)を出力するようにしてもよい。
クラスタリング手段124は、マッピング手段123によってマッピングされた第1データをクラスタリングするように構成されている。クラスタリング手段124によるクラスタリングは、マッピングされた第1データを複数のクラスターに区分し、複数のクラスターが属するそれぞれの領域を特定する処理である。本明細書において、「領域」は、n次元空間内の或る範囲のことをいい、n次元の広がりを有する。クラスタリング手段124は、マッピングされた第1データを任意の個数のクラスターに区分することができる。例えば、クラスタリング手段124は、マッピングされた第1データを少なくとも3個のクラスターに区分することが好ましい。3個のクラスター(例えば、図1Bに示されるような、健康度良好、健康度普通、健康度悪い等のクラスター)を用いることにより、ユーザが直感的に理解できるような健康度ポジショニングマップを作成することができるからである。マッピングされた第1データが区分されるクラスターの数は、複数の被験者のN数に依存するようにしてもよい。図9Aに示す例では、クラスタリング手段124は、マッピング手段123によってマッピングされた第1データを4つのクラスターに分類している。クラスタリング手段124は、任意の公知の手法を用いて、データをクラスタリングすることができる。例えば、クラスタリング手段124は、非階層クラスタリング法(例えば、k平均法、k平均++法、PAM法等)を用いて、データを複数のクラスターに区分することができる。クラスタリング手段124は、好ましくは、k平均法を用いてデータを複数のクラスターに区分し得る。k平均法を用いたクラスタリングの結果は、他の手法によるクラスタリングの結果に比べて、被験者集団の傾向をよく反映しており、含まれる情報がリッチであったからである。クラスタリング手段124は、例えば、複数のクラスターのそれぞれを区分する境界を画定することによって、複数の領域を特定することができる。境界を画定することは、任意の公知の処理を用いて行われることができる。例えば、上述したレーダーチャートの例では、クラスタリング手段124は、単に、各軸の値を他の軸の値と区分し、複数の軸を複数の領域として特定することができる。
一実施形態において、クラスタリング手段124はさらに、取得手段121によって取得されたサブ第1データをクラスタリングするように構成され得る。クラスタリング手段124は、サブ第1データを複数のクラスターに区分し、複数のクラスターが属するそれぞれの領域を特定することができる。クラスタリング手段124は、サブ第1データを任意の個数のクラスターに区分することができる。
特徴付け手段125は、クラスタリング手段124によって特定された複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付けるように構成されている。特徴付け手段125は、例えば、健康度ポジショニングマップ作成者によってインターフェース部110を介してサーバ装置100に入力された情報に基づいて、複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付けるようにしてもよい。例えば、健康度ポジショニングマップ作成者は、複数の領域のそれぞれに含まれる第1データに対応する被験者の特徴を分析し、分析結果に基づいて、その領域が特徴付けられるべき情報を入力することができる。あるいは、特徴付け手段125は、健康度ポジショニングマップ作成者による入力に依らずに、複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付けるようにしてもよい。例えば、特徴付け手段125は、健康度ポジショニングマップにおける相対位置に基づいて、複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付けてもよいし、機械学習に基づいて、複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付けてもよい。
このようにして、複数の領域のうちの少なくとも一部が特徴付けられた健康度ポジショニングマップが作成される。一実施形態において、サブ第1データをクラスタリングすることによって特定された複数の領域のうちの一部が特徴付けられた場合の健康度ポジショニングマップは、複数の被験者のうちの一部の被験者についての健康度ポジショニングマップとなる。
プロセッサ部120によって作成された健康度ポジショニングマップは、例えば、インターフェース部110を介してサーバ装置100の外部に出力される。健康度ポジショニングマップは、例えば、インターフェース部110を介してデータベース部200に送信され、データベース部200に格納されてもよい。あるいは、健康関数作成のために、後述するプロセッサ部130に送信されてもよい。後述するように、プロセッサ部130は、プロセッサ部120と同じサーバ装置100の構成要素であってもよいし、別のコンピュータシステムの構成要素であってもよい。
図3Bは、別の実施形態におけるプロセッサ部130の構成の一例を示す。プロセッサ部130は、健康度ポジショニングマップ上に被験者の健康度をマッピングするための健康関数を作成する処理のための構成を有し得る。プロセッサ部130は、上述したプロセッサ部120の代替としてサーバ装置100が備えるプロセッサ部であってもよいし、プロセッサ部120に加えてサーバ装置100が備えるプロセッサ部であってもよい。プロセッサ部130がプロセッサ部120に加えてサーバ装置100が備えるプロセッサ部である場合には、プロセッサ部120およびプロセッサ部130は、同一のプロセッサによって実装されてもよいし、異なるプロセッサによって実装されてもよい。
プロセッサ部130は、第1取得手段131と、第2取得手段132と、導出手段133とを備える。
第1取得手段131は、健康度ポジショニングマップを取得するように構成されている。取得される健康度ポジショニングマップは、第1パラメータセットを用いて作成されている限り、上述したプロセッサ部120によって作成された健康度ポジショニングマップであってもよいし、別様に作成された健康度ポジショニングマップであってもよい。取得された健康度ポジショニングマップは、後続の処理のために、導出手段133に渡される。
第2取得手段132は、複数の被験者のうちの少なくとも一部について、後述する第2パラメータセットに対する第2データセットを取得するように構成されている。本明細書では、第2パラメータセットは、単に、「パラメータセット」とも呼称する。第2パラメータセットは、第1パラメータセットの一部である。第2パラメータセットには、第1パラメータセットにはないものが含まれていてもよい。第2取得手段132は、例えば、データベース部200に格納された複数の被験者の一部についてのデータを、インターフェース部110を介して取得することができる。取得された第2データセットは、後続の処理のために、導出手段133に渡される。
導出手段133は、第2取得手段132によって取得された第2データセットと、第1取得手段131によって取得された健康度ポジショニングマップ上の位置とを相関させる健康関数を導出するように構成されている。導出手段133は、例えば、機械学習、決定木分析、ランダムフォレスト回帰、重回帰分析、主成分解析等によって健康関数を導出することができる。健康関数は、例えば、n次元の健康度ポジショニングマップの軸毎に導出され得る。例えば、健康度ポジショニングマップが2次元である場合には、第2データセットと、健康度ポジショニングマップ上のX座標とを相関させる健康関数Xと、2データセットと、健康度ポジショニングマップ上のY座標とを相関させる健康関数Yとを導出することができる。導出手段133は、例えば、健康関数の変数の数を任意に増減させ、同定の精度を有する複数の健康関数、すなわち、健康関数群(以降では、複数パターン健康関数群とも呼称する)を作成してもよい。例えば、導出手段133は、互いに、同程度の精度を持つ、(1)血液検査項目のデータと、他の項目のデータとを変数とする健康関数、並びに、(2)血液検査項目のデータのみを変数とする健康関数を作成してもよい。また、導出手段133は、複数パターン健康関数群として、血液検査項目のデータ以外の項目のデータ群から選択されるデータを変数とする健康関数群を作成してもよい。
健康関数は、例えば、回帰モデルであり得る。回帰モデルは、線形回帰モデルであってもよいし、非線形回帰モデルであってもよい。導出手段133は、複数の被験者のうちの少なくとも一部の各被験者について、第2データセットを独立変数とし、その被験者の健康度ポジショニングマップ上の座標を従属変数として機械学習することにより、回帰モデルの各係数を導出することができる。このような機械学習済の回帰モデルの独立変数に被験者から得られた第2データセットを入力すると、その被験者の健康度ポジショニングマップ上の座標が出力される。出力された座標を用いて、その被験者の健康度を健康度ポジショニングマップ上にマッピングすることができる。
健康関数は、例えば、ニューラルネットワークモデルであり得る。ニューラルネットワークモデルは、入力層と、少なくとも1つの隠れ層と、出力層とを有する。ニューラルネットワークモデルの入力層のノード数は、入力されるデータの次元数に対応する。すなわち、入力数のノード数は、第2パラメータセットのパラメータ数に対応している。ニューラルネットワークモデルの隠れ層は、任意の数のノードを含むことができる。ニューラルネットワークモデルの出力層のノード数は、出力されるデータの次元数に対応する。すなわち、ニューラルネットワークモデルから健康度ポジショニングマップ上のX座標を出力する場合には、出力層のノード数は1となる。例えば、ニューラルネットワークモデルからn次元の健康度ポジショニングマップ上のn個の座標を出力する場合には、出力層のノード数はnとなる。導出手段133は、複数の被験者のうちの少なくとも一部の各被験者について、第2データセットを入力用教師データとし、その被験者の健康度ポジショニングマップ上の位置を出力用教師データとして機械学習することにより、各ノードの重み係数を導出することができる。
例えば、機械学習のための(入力用教師データ,出力用教師データ)の組は、(第1の被験者についての第2パラメータセットに対する第2データセット,第1の被験者の健康度ポジショニングマップ上の座標)、(第2の被験者についての第2パラメータセットに対する第2データセット,第2の被験者の健康度ポジショニングマップ上の座標)、・・・(第iの被験者についての第2パラメータセットに対する第2データセット,第iの被験者の健康度ポジショニングマップ上の座標)、・・・等であり得る。このような機械学習済のニューラルネットワークモデルの入力層に被験者から得られた第2データセットを入力すると、その被験者の健康度ポジショニングマップ上の座標が出力層に出力される。出力された座標を用いて、その被験者の健康度を健康度ポジショニングマップ上にマッピングすることができる。
プロセッサ部130によって作成された健康関数は、例えば、インターフェース部110を介してサーバ装置100の外部に出力される。健康関数は、例えば、インターフェース部110を介してデータベース部200に送信され、データベース部200に格納されてもよい。あるいは、ユーザの健康度を推定する処理のために、後述するプロセッサ部140に送信されてもよい。後述するように、プロセッサ部140は、プロセッサ部130と同じサーバ装置100の構成要素であってもよいし、別のコンピュータシステムの構成要素であってもよい。
図3Cは、さらに別の実施形態におけるプロセッサ部140の構成の一例を示す。プロセッサ部140は、ユーザの健康度を推定する処理のための構成を有し得る。プロセッサ部140による処理では、ユーザの健康度が健康度ポジショニングマップ上のどの領域に位置するかを推定することにより、ユーザの健康度を推定することができる。プロセッサ部140は、上述したプロセッサ部120およびプロセッサ部130の代替としてサーバ装置100が備えるプロセッサ部であってもよいし、上述したプロセッサ部120および/またはプロセッサ部130に加えてサーバ装置100が備えるプロセッサ部であってもよい。プロセッサ部140がプロセッサ部120および/またはプロセッサ部130に加えてサーバ装置100が備えるプロセッサ部である場合には、プロセッサ部120、プロセッサ部130、およびプロセッサ部140は、すべてが同一のプロセッサによって実装されてもよいし、すべてが異なるプロセッサによって実装されてもよいし、プロセッサ部120、プロセッサ部130、およびプロセッサ部140のうちの2つが同一のプロセッサによって実装されてもよい。
プロセッサ部140は、第3取得手段141と、第4取得手段142と、出力生成手段143と、出力マッピング手段144とを備える。
第3取得手段141は、健康関数を取得するように構成されている。健康関数は、上述した第2パラメータセットに対するデータセットと、健康度ポジショニングマップ上の位置とを相関させる関数である。取得される健康関数は、ユーザデータセットと健康度ポジショニングマップ上の位置とを相関させることができる限り、上述したプロセッサ部130によって作成された健康関数であってもよいし、別様に作成された健康関数であってもよい。健康度ポジショニングマップは、第1パラメータセットを用いて作成されている限り、上述したプロセッサ部120によって作成された健康度ポジショニングマップであってもよいし、別様に作成された健康度ポジショニングマップであってもよい。取得された健康関数は、後続の処理のために、出力生成手段143に渡される。
第4取得手段142は、ユーザの第2パラメータセットに対するユーザデータセットを取得するように構成されている。第4取得手段142は、例えば、データベース部200に格納されたユーザデータセットを、インターフェース部110を介して取得することができる。あるいは、第4取得手段142は、例えば、ユーザデータセットを、端末装置300からインターフェース部110を介して取得することができる。取得されたユーザデータセットは、後続の処理のために、出力生成手段143に渡される。
出力生成手段143は、健康関数から出力を生成するように構成されている。出力生成手段143は、第4取得手段142によって取得されたユーザデータセットを、第3取得手段141によって取得された健康関数に入力することにより、健康関数から出力を生成する。この出力は、本明細書では、「健康度情報」と呼称する。健康度情報は、健康度ポジショニングマップ上の座標(例えば、X軸の値、Y軸の値)を含む。
例えば、健康関数が上述したような回帰モデルである場合、ユーザデータセットを回帰モデルの独立変数に入力することにより、健康度ポジショニングマップ上の座標が出力される。
例えば、健康関数が上述したようなニューラルネットワークモデルである場合、ユーザデータセットをニューラルネットワークモデルの入力層に入力することにより、健康度ポジショニングマップ上の座標が出力される。
出力マッピング手段144は、出力生成手段143によって生成された出力を健康度ポジショニングマップ上にマッピングするように構成されている。出力生成手段143によって生成された出力が座標であるため、出力マッピング手段144は、健康度ポジショニングマップのn次元空間内にその座標をマッピングすることができる。
プロセッサ部140によって健康度ポジショニングマップ上にマッピングされた出力は、例えば、インターフェース部110を介してサーバ装置100の外部に出力される。出力は、例えば、インターフェース部110を介して端末装置300に送信され得る。
上述した例では、プロセッサ部140が出力マッピング手段144を備えることを説明したが、プロセッサ部140は、出力マッピング手段144を備えなくてもよい。プロセッサ部140が出力マッピング手段144を備える代わりに、端末装置300が、健康度情報を健康度ポジショニングマップ上の位置として表現する機能を有するようにしてもよい。このとき、出力生成手段143による出力、すなわち、健康度情報が、インターフェース部110を介して端末装置300に送信される。
なお、上述したサーバ装置100の各構成要素は、単一のハードウェア部品で構成されていてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されていてもよい。複数のハードウェア部品で構成される場合は、各ハードウェア部品が接続される態様は問わない。各ハードウェア部品は、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。本発明のサーバ装置100は、特定のハードウェア構成には限定されない。プロセッサ部120、130、140をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。本発明のサーバ装置100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
図3Dは、一実施形態におけるサーバ装置100によるデータフロー1の一例を示す図である。図3Dに示すように、データフロー1は、データ取得ステップ10と、データ処理ステップ20と、健康評価マップ作成ステップ30と、クラスタリングマップ作成ステップ40と、健康関数値算出ステップ50と、ポジショニングマップ作成ステップ60と、出力ステップ70とを含む。例えば、データ取得ステップ10、データ処理ステップ20、健康評価マップ作成ステップ30、クラスタリングマップ作成ステップ40は、健康度ポジショニングマップ作成装置としての機能を有し、例えば、上述したプロセッサ部120を備えるサーバ装置100によって実装され得る。また、データ取得ステップ10、および健康関数値算出ステップ50は、健康関数値算出装置としての機能を有し、例えば、上述したプロセッサ部140を備えるサーバ装置100によって実装され得る。出力ステップ70では、データ処理ステップ20、健康評価マップ作成ステップ30、クラスタリングマップ作成ステップ40、健康関数値算出ステップ50、またはポジショニングマップ作成ステップ60において生成されたデータを出力し、例えば、表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)によって出力される。
データ取得ステップ10で取得されたデータセットは、データ処理ステップ20に送られる。
データ処理ステップ20は、例えば、図3Dに示すように、補正21、および次元削減22を行う。データ処理ステップ20は、例えば、上述したプロセッサ部120の処理手段122によって実装され得る。
補正21は、データ取得ステップ10で取得されたデータを補正することである。具体的には、補正21は、例えば、データ取得ステップ10で取得されたデータの値が所定の範囲の値(例えば、平均値が0であり、かつ、標準偏差が1)となるように、データ取得ステップ10で取得された各データを補正する。補正されたデータは、次元削減22に送られる。
次元削減22は、データ取得ステップ10または補正ステップ21から渡された複数のデータの次元を削減する。具体的には、次元削減22は、重回帰分析、多次元尺度法、主成分分析、または機械学習を用いて、データ取得ステップ10または補正ステップ21から渡された複数のデータ(多次元データ)の次元を任意の次元(本実施形態では、2次元)にする。次元削減されたデータは、例えば、関数の形式であってもよい。例えば、この関数は、健康に関する指標を算出するための関数である。関数は、例えば、第1データに含まれる一部またはすべてのデータを変数とする関数であり、様々な病気の因子のうち特に影響が大きいデータに対してより大きな重みづけを行うことにより作成される関数である。本実施形態における関数は、第1データに含まれる一部またはすべてのデータを線形または非線形モデルを用いて作成される。一実施形態において、2次元の関数(本実施形態では、横軸の関数X(以降では、第1関数と呼称する)、および、縦軸の関数Y(以降では、第2関数と呼称する)によって構成される)が作成される。作成された関数は、健康評価マップ作成ステップ30および出力ステップ70に渡される。
本実施形態では、次元削減22は、上述したように、多次元データを2次元まで下げることにより2次元の関数を作成する。第1関数および第2関数は、データ取得ステップ10または補正ステップ21から渡された複数のデータの全部または一部を変数とする関数であり、重回帰分析、多次元尺度法、主成分分析、または機械学習で算出された関数である。本発明では、「機械学習」は、深層学習を含む機械学習、または、深層学習を含まない機械学習のいずれかを意味する。第1関数と第2関数とは、構成する変数が完全に同一または完全に異なっていてもよいし、一部の変数が互いに重複していてもよい。
健康評価マップ作成ステップ30は、例えば、上述したプロセッサ部120のマッピング手段123によって実装され得る。健康評価マップ作成ステップ30では、例えば、データ処理ステップ20によって処理されたデータを用いて、より具体的には、次元削減によって作成された関数を用いて、健康を評価するマップ(以降では、健康評価マップと呼称する)が作成される。本実施形態では、関数が2次元であるため、健康評価マップは、2次元のマップとなる。図9Aは、健康評価マップの一例を示す図である。図9Aに示すように、健康評価マップ作成ステップ30では、複数の被験者について、第1関数および第2関数によって定められる点を、2次元空間(多次元空間)にプロットすることにより健康評価マップが作成される。
クラスタリングマップ作成ステップ40は、例えば、上述したプロセッサ部120のクラスタリング手段124および特徴付け手段125によって実装され得る。クラスタリングマップ作成ステップ40では、例えば、健康評価マップ作成ステップ30で作成された健康評価マップにプロットされた複数の点をいくつかのクラスターにクラスタリングし、複数の領域を特徴付けたマップ(以降では、健康度ポジショニングマップと呼称する)が作成される。本実施形態におけるクラスタリングマップ作成ステップ40では、非階層クラスタリング法(本実施形態では、k平均法)を用いて、プロットされた複数の点を任意の数のクラスターにクラスタリングする。図9Aに示す例では、4つのクラスターに分類している。この4つの領域の少なくとも1つを健康に関する情報で特徴付けることによって、健康度ポジショニングマップが作成される。
作成された健康度ポジショニングマップは、出力ステップ70において出力されてもよいし、健康関数値算出ステップ50に渡されてもよいし、健康予測ポジショニングマップ作成ステップ60に渡されてもよい。
健康関数値算出ステップ50および健康予測ポジショニングマップ作成ステップ60は、例えば、上述したプロセッサ部130およびプロセッサ部140によって実装され得る。健康関数値算出ステップ50では、まず、健康度ポジショニングマップに基づいて、健康関数が作成される。なお、健康関数の変数の数を任意に増減させ、同定の精度を有する複数の健康関数、すなわち、健康関数群を作成してもよい。次いで、健康関数を作成するために第1データセットを取得した被験者とは異なる被験者の健康関数の値を算出する。具体的には、データ取得ステップ10により取得された対象となる被験者のデータ(新規に取得されたデータ)に対して、作成された健康関数を適用することにより、当該被験者の健康関数の値を算出する。なお、健康関数が多次元関数であるので、健康関数値も当然ながら多次元の値である。
健康予測ポジショニングマップ作成ステップ60は、健康関数値算出ステップ50によって算出された被験者の健康関数の値を、健康評価マップ作成ステップ30によって作成された健康評価マップまたは、クラスタリングマップ作成ステップ40によって作成された健康度ポジショニングマップ上にプロットし、健康予測ポジショニングマップを作成する。これにより、新規にデータを測定した被験者の健康状態を予測することができる。
また、健康予測ポジショニングマップ作成ステップ60は、単一の被験者について、時間間隔をおいて取得されたデータを用いて健康関数値算出ステップ50で算出された健康関数の値を、上記健康評価マップまたは上記健康度ポジショニングマップ上にプロットし、健康予測ポジショニングマップを作成してもよい。これにより、当該被験者の健康状態の変化の程度を評価することができる。
また、新規の被験者から取得したデータは、健康関数をアップデート(更新)するためのデータとしても用いることができる。健康関数値算出ステップ50では、新規の被験者から取得したデータ、または、当該データを用いて補正ステップ21から出力されたデータをさらに用いることにより、健康関数のアップデートを行うことが可能である。これにより、より様々な健康リスクの評価を可能としたり、健康リスク評価の精度を高めたりすることができる。
データフロー1の各ステップ(特に、データ処理ステップ20、健康評価マップ作成ステップ30、クラスタリングマップ作成ステップ40、健康関数値算出ステップ50、および健康予測ポジショニングマップ作成ステップ60)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、健康評価装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用い
ることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
上記のデータフローによれば、様々なデータを用いて健康度ポジショニングマップおよび/または健康関数を作成することができる。すなわち、既存の個別の疾患に関する健康指標ではなく、被験者の健康度を総合的に算出することができる健康度ポジショニングマップおよび/または健康関数を作成することができる。したがって、様々な健康リスクを評価することができる(すなわち、被験者の健康総体の健康度を評価できる)健康度ポジショニングマップおよび/または健康関数を作成することができる。
また、データ取得ステップ10で測定した様々なデータを組み合わせることにより健康度ポジショニングマップおよび/または健康関数を柔軟に作製することができる。すなわち、データ取得ステップ10で測定する項目の選定の融通性が非常に高い。
また、一実施形態では、第2データセットを入力データとする機械学習によって、健康関数を作成する。これにより、より正確に被験者の健康状態の指標を作製できる健康関数を作成することができる。
また、一実施形態では、第1データセットで健康度ポジショニングマップを作成する前に、性別間のデータの補正を行う。これにより、いずれの性別にも対応できる健康度ポジショニングマップを作成することができる。
また、本発明の一態様では、第1データが、非侵襲測定によって取得されるデータのみを含む態様であってもよい。上記の構成によれば、血液検査など被験者を傷つけることなく、データを取得することができる。
また、一実施形態では、データ処理ステップ20によって作成された関数を用いて健康を評価するマップを作成することができる。具体的には、関数が多次元ベクトルである場合に、複数の被験者について関数によって定められる点を、多次元空間にプロットすることにより健康を評価するマップを作成する。これにより、被験者がどのような健康状態であるかを視覚的に確認することができる。
また、一実施形態1では、多次元空間にプロットされた点をクラスタリングする。そしてクラスタリングされた各クラスターに属する被験者のデータを参照することにより、それぞれのクラスターがどのような被験者の集団であるかを特定し、それらのクラスターを特徴付けることができる。その結果、新規に測定された被験者のデータを健康度ポジショニングマップ上にプロットすることによって、測定した被験者の健康状態を予測することができるようになる。
図3Eは、端末装置300の構成の一例を示す。
端末装置300は、インターフェース部310と、カメラ320と、表示部330と、メモリ部340と、プロセッサ部350とを備える。
インターフェース部330は、端末装置300の外部との情報のやり取りを行う。端末装置300のプロセッサ部320は、インターフェース部310を介して、端末装置300の外部から情報を受信することが可能であり、端末装置300の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部310は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。
インターフェース部310は、例えば、端末装置300に情報を入力することを可能にする入力部を備える。入力部が、どのような態様で端末装置300に情報を入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部がタッチパネルである場合には、ユーザがタッチパネルにタッチすることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマウスである場合には、ユーザがマウスを操作することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がキーボードである場合には、ユーザがキーボードのキーを押下することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマイクである場合には、ユーザがマイクに音声を入力することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がカメラである場合には、カメラが撮像した情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がデータ読み取り装置である場合には、端末装置300に接続された記憶媒体から情報を読み取ることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部が受信器である場合、受信器がネットワーク400を介して端末装置300の外部から情報を受信することにより入力してもよい。
インターフェース部310は、例えば、端末装置300から情報を出力することを可能にする出力部を備える。出力部が、どのような態様で端末装置300から情報を出力することを可能にするかは問わない。例えば、出力部がスピーカである場合には、スピーカからの音声によって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部がデータ書き込み装置である場合、端末装置300に接続された記憶媒体に情報を書き込むことによって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部が送信器である場合、送信器がネットワーク400を介して端末装置300の外部に情報を送信することにより出力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、送信器は、インターネットを介して情報を送信してもよいし、LANを介して情報を送信してもよい。
端末装置300は、任意の計測機器とインターフェース部310を介して通信することにより、当該計測機器から計測データを受信することができる。
端末装置300は、例えば、体組成計とインターフェース部310を介して通信することにより、体組成計から体組成パラメータに対するデータを受信することができる。
体組成計は、被験者の体組成を計測することが可能な任意の機器である。体組成計は、例えば、計測時に上に載るタイプの体組成計、または、身体に装着することができるタイプの体組成計(例えば、腕時計型体組成計)であり得る。体組成計は、例えば体組成を計測するためのアプリケーションをインストールすることによって、端末装置300によって実装されてもよい。
端末装置300は、例えば、血圧計とインターフェース部310を介して通信することにより、血圧計から血圧パラメータに対するデータを受信することができる。
血圧計は、被験者の血圧を計測することが可能な任意の機器である。血圧計は、例えば、血圧計は、身体に装着するタイプの血圧計(例えば、上腕式血圧計、腕時計型血圧計、指輪型血圧計)、または、非接触式血圧計(例えば、カメラで撮影された顔または指の画像から血圧を測定する血圧計)であり得る。血圧計は、例えば血圧を計測するためのアプリケーションをインストールすることによって、端末装置300によって実装されてもよい。血圧計は、例えば、被験者の体温も計測するようにしてもよい。この場合、例えば、非接触式に(例えば、カメラで撮影された画像から)体温を計測してもよいし、接触式に体温を測定してもよい。
端末装置300は、例えば、自律神経測定器とインターフェース部310を介して通信することにより、自律神経測定器から自律神経パラメータに対するデータを受信することができる。
自律神経測定器は、被験者の自律神経機能を計測することが可能な任意の機器である。自律神経測定器は、例えば、心拍変動を検出可能な装置であり得る。自律神経測定器は、例えば自律神経機能を計測するためのアプリケーションをインストールすることによって、端末装置300によって実装されてもよい。自律神経測定器は、例えば、自律神経パラメータに対するデータとして、脈波に関するデータを計測することができる。自律神経測定器は、例えば、カメラによって撮影された被験者の画像から、被験者の脈波に関するデータを取得し、脈波に関するデータから自律神経パラメータに対するデータを導出することができる。
端末装置300は、例えば、質問票処理機器とインターフェース部310を介して通信することにより、質問票パラメータに対するデータを受信することができる。
質問票処理機器は、被験者に質問票に回答させ、被験者による質問票の回答結果を処理することにより、質問票の回答結果からデータを取得することが可能な任意の機器であり得る。質問票処理機器は、例えば、被験者による質問票の回答結果を処理することが可能な電子機器(例えば、ゲーム機器)であってもよい。質問票処理機器は、例えば被験者に質問票に回答させるためのアプリケーションをインストールすることによって、端末装置300によって実装されてもよい。質問票処理機器は、例えば、質問票の回答用紙を光学的に読み取ることが可能な装置であってもよい。一実施形態において、質問票処理機器は、例えば、質問票パラメータに対するデータとして、年齢、主観的評価パラメータに対するデータ、および/または、生活状況パラメータに対するデータを計測することができる。別の実施形態において、質問票処理機器は、例えば、質問票パラメータに対するデータとして、年齢、QOL(Quality of Life)に関する主観的評価、疲労に関する主観的評価、心理に関する主観的評価、生活状況等を計測することができる。
質問票処理機器は、例えば、被験者から取得されたデータから質問票パラメータを導出することが可能な機器であってもよい。このような質問票処理機器は、例えば、活動量計から取得されたデータ(例えば、睡眠時間、運動時間等)から、生活状況を示すデータを取得することができる。あるいは、このような質問票処理機器は、活動量計の機能を有しており、被験者から取得されたデータから自動的に質問票パラメータを取得するようにしてもよい。あるいは、このような質問票処理機器は、撮像機能を有しており、被験者を撮影した画像(例えば、被験者の顔の表情)から自動的に質問票パラメータを取得するようにしてもよい。
質問票処理機器は、例えば、質問票パラメータを導出することが可能な複数の計測機器から構成された質問票処理機器群であってもよい。例えば、1つの計測機器から少なくとも1つの質問票パラメータを取得し、別の計測機器から少なくとも1つの質問票パラメータを取得することができる。
端末装置300は、例えば、温度計とインターフェース部310を介して通信することにより、温度に対するデータを受信することができる。温度に対するデータは、例えば、気温、体温を含む。
体温計は、例えば、非接触式に(例えば、カメラで撮影された顔または指の画像から、または、検温部を検温対象に近づけることによって)温度を計測してもよいし、接触式(例えば、検温部を検温対象に接触させることによって)に温度を測定してもよい。非接触式の温度計は、例えば、電子機器のイヤホンジャックに検温部を接続することにより、電子機器(例えば、端末装置300)を用いて実装されるようにしてもよい。接触式の温度計は、例えば、わき、口中、耳内等で体温を測定することができる。耳内で体温を測定する温度計は、例えば、イヤホン型(有線イヤホン、ワイヤレスイヤホン等)であってもよい。このような接触式の温度計もまた、電子機器のイヤホンジャックに検温部を接続することにより、または、電子機器と無線接続することにより、電子機器(例えば、端末装置300)を用いて実装されるようにしてもよい。
上述した計測機器は、可搬型または携帯型であり得る。本明細書における「可搬型」の計測機器とは、人力で運搬することが可能な機器をいう。本明細書における「携帯型」の計測機器とは、日常生活において持ち運ばれることを意図した機器をいう。可搬型または携帯型の計測機器は、使用場所が制限されないため、これらの機器を利用することにより、任意の場所および任意の時間での簡易な計測が促進される。本発明は、少ない数(例えば、10個以下、5個以下、4個以下、好ましくは3個以下)の可搬型または携帯型の機器を使用して計測され得るパラメータを用いることによって、簡易にユーザの健康総体の健康度を評価することができるのが利点である。
上述した計測機器は、骨密度パラメータ、特に、超音波伝導速度(SOS=Speed of Sound)を計測する機能を含まないことが好ましい。典型的な実施形態では、上述した計測機器は、骨密度パラメータ、特に、超音波伝導速度(SOS=Speed of Sound)を計測する機能を要しない。骨密度パラメータを測定するためには、専用の機器構成および熟練の計測者が必要である。骨密度パラメータを計測する機能を含まないまたは要しないことで、上述したように計測機器を可搬型または携帯型にすることができ、または、上述した計測機器と同様の機能を端末装置300上で実装することができるようになる。これにより、任意の場所および任意の時間での簡易な計測が促進される。
上述した計測機器は、サーバ連動型であり得る。サーバ連動型の計測機器は、サーバと通信する機能を有する機器であり、計測されたデータをサーバに直接送信することができる。この場合、上述した計測機器は、端末装置300と通信する必要がなくなる。
上述した計測機器は、別個の機器によって実装されてもよいし、複数の機能を有する単一の機器によって実装されてもよい。例えば、上述した計測機器のうちの少なくとも1つは、端末装置300によって実装されてもよい。これにより、計測機器の数を減らすことができ、計測に対するユーザの負担を軽減することができる。例えば、上述した計測機器のうちのすべてを端末装置300によって実装することにより、ユーザは、端末装置300のみで計測を行うことができるようになる。
上述した計測機器によるデータの取得は、被験者が意識的に計測を行うことによってなされるようにしてもよいし、被験者が無意識的に計測を行うことによってなされるようにしてもよい。上述した計測機器によるデータの取得は、例えば、所定の条件が満たされたときに、自動的に計測を行うことによって、被験者に意識させることなく行うことができる。計測は、例えば、被験者の身体に装着された計測機器を用いて、被験者に意識させることなく行うことができる。例えば、被験者の身体に装着された計測機器を用いることで、被験者が室内にいるか室外にいるかに関係なく(例えば、被験者が歩行中であっても、被験者が静止中であっても)、計測を行うことができる。あるいは、またはこれに加えて、計測は、例えば、被験者の行動範囲内に設置された計測機器を用いて、被験者に意識させることなく行うことができる。例えば、被験者の行動範囲内に設置された計測機器を用いることで、被験者が行動範囲内で何をしていても(例えば、被験者が歩行中であっても、被験者が静止中であっても)、計測を行うことができる。被験者の行動範囲内に設置された計測機器は、例えば、被験者が使用する家具(例えば、椅子、ベッド等)に搭載されたセンサ、被験者が使用する電子機器(例えば、パーソナルコンピュータ、冷蔵庫、エアコン、スマートスピーカ等)に搭載されたセンサ、被験者の自宅等の部屋に設置されたセンサを含むが、これらに限定されない。例えば、血圧パラメータに対するデータは、身体に装着された血圧計により、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、体組成パラメータに対するデータは、身体に装着された体組成計により、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、体組成パラメータに対するデータは、ユーザの椅子の座面に搭載された体組成計により、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、自律神経パラメータに対するデータは、自律神経測定器が備えるカメラにより、所定の条件が満たされたときに自動的に計測されるようにすることができる。例えば、自律神経パラメータに対するデータは、被験者が使用する電子機器または端末装置300に搭載されたカメラによって、所定の条件が満たされたときに自動的に撮影された被験者の画像から、自動的に導出されるようにすることができる。例えば、自律神経パラメータに対するデータは、被験者の自宅等の部屋に設置されたカメラによって、所定の条件が満たされたときに自動的に撮影された被験者の画像から、自動的に導出されるようにすることができる。例えば、質問票パラメータに対するデータは、被験者が使用する電子機器(例えば、スマートスピーカ)とのコミュニケーションから自動的に取得されるようにすることができる。所定の条件は、例えば、所定の時間になったとき(時間的条件)、所定の場所に入った/出たとき(地理的条件)、所定の行動を行ったとき(行動的条件)等を含む。所定の時間は、例えば、1日のうちの予め決められた時間(例えば、午前6時から~午前8時の間、午前11時~午後1時の間、午後4時~午後6時の間、午後9時~午前0時の間、または午前6時、午後0時、午後6時、午前0時等)であってもよいし、予め決められた間隔毎の時間(例えば、1時間おき、3時間おき、6時間おき、12時間おき等)であってもよい。所定の場所は、例えば、会社、自宅、リビング、寝室等を含むがこれらに限定されない。所定の行動は、例えば、椅子に座ること、ベッドに寝そべること、一定時間(例えば、10秒間、30秒間、1分間)以上カメラの視野内に入ること等を含むがこれらに限定されない。
一実施形態において、所定の行動は、例えば、少なくとも1つのデータを取得することであり得る。例えば、血圧パラメータに対するデータ、体組成パラメータに対するデータ、自律神経パラメータに対するデータ、質問票パラメータに対するデータのうちの少なくとも1つのデータを取得したことに応答して、血圧パラメータに対するデータ、体組成パラメータに対するデータ、自律神経パラメータに対するデータ、質問票パラメータに対するデータのうちの他のデータを自動的に取得するようにすることができる。例えば、質問票処理機器が、被験者が意識的に質問票に回答した結果から質問票パラメータに対するデータを取得したことに応答して、血圧パラメータに対するデータ、体組成パラメータに対するデータ、自律神経パラメータに対するデータを自動的に計測するようにしてもよい。これにより、質問票に回答するだけの簡単なアクションを被験者に意識的に行わせるだけで、複数のデータを自動的に取得することができる。
一実施形態において、端末装置300は、少ない数(例えば、10個以下、5個以下、4個以下、好ましくは3個以下)の計測機器から受信されたデータに対して、特定の前処理を行ったうえで、データを後続の処理のためにサーバ装置100に送信するようにしてもよい。特定の前処理により、例えば、少ない数の計測機器から受信されたデータの後続の処理が効率化され得る。
例えば、端末装置300は、少ない数の計測機器から受信されたデータのうちの一部に特定の前処理を行うようにしてもよいし、少ない数の計測機器から受信されたデータのうちの全部に特定の前処理を行うようにしてもよい。例えば、端末装置300は、少ない数の計測機器から受信されたデータのうちの第1のサブセットに対して第1の前処理を行うとともに、少ない数の計測機器から受信されたデータのうちの第2のサブセットに対して、第1の前処理とは異なる第2の前処理を行うようにしてもよい。例えば、端末装置300は、被験者が意識的に行った計測によって取得されたデータに対して第1の前処理を行い、被験者が無意識的に行った計測によって取得されたデータに対して第2の前処理を行うことができる。
一実施形態において、端末装置300は、少ない数の計測機器から受信されたデータを特定の形式のデータ構造に編成したうえで、サーバ装置100に送信するようにしてもよい。特定の形式のデータ構造にすることにより、例えば、少ない数の計測機器から受信されたデータの後続の処理が効率化され得る。
例えば、端末装置300は、少ない数の計測機器から受信されたデータのうちの一部を特定の形式のデータ構造に編成するようにしてもよいし、少ない数の計測機器から受信されたデータのうちの全部を特定の形式のデータ構造に編成するようにしてもよい。例えば、端末装置300は、少ない数の計測機器から受信されたデータのうちの第1のサブセットを第1の形式のデータ構造に編成するとともに、少ない数の計測機器から受信されたデータのうちの第2のサブセットを、第1の形式とは異なる第2の形式のデータ構造に編成するようにしてもよい。例えば、端末装置300は、被験者が意識的に行った計測によって取得されたデータを第1の形式のデータ構造に編成し、被験者が無意識的に行った計測によって取得されたデータを第2の形式のデータ構造に編成することができる
端末装置300は、例えば、ネットワークに接続可能な機器、例えば、ネットワークに接続可能な電気製品(いわゆる「IoT機器」)とインターフェース部310を介して通信するようにしてもよい。これにより、端末装置300は、例えば、健康度(例えば、健康度ポジショニングマップ上の位置)に応じて、機器を制御することができるようになる。このとき、例えば、周囲環境のデータ(例えば、気温、気候、天気、明るさ等)と健康度(例えば、健康度ポジショニングマップ上の位置)とを組みわせて、機器を制御するようにしてもよい。
機器は、例えば、エアコンである。端末装置300は、健康度に応じて、適切な室内温度および/または湿度を維持するように、エアコンを制御することができる。機器は、例えば、照明である。端末装置300は、健康度に応じて、適切な明るさを維持するように、照明を制御することができる。機器は、例えば、音楽プレーヤーである。端末装置300は、健康度に応じて、適切な音楽(例えば、心身をリラックスさせる音楽、モチベーションを高める音楽、ヨガ、ストレッチ、もしくは有酸素運動等をガイドする音声等)を再生するように、音楽プレーヤーを制御することができる。機器は、例えば、映像プレーヤーである。端末装置300は、健康度に応じて、適切な動画(例えば、心身をリラックスさせる映像、モチベーションを高める映像、ヨガ、ストレッチ、もしくは有酸素運動等の映像等)を再生するように、映像プレーヤーを制御することができる。
機器は、例えば、放香器である。端末装置300は、健康度に応じて、適切な香り(例えば、心身をリラックスさせる香り、モチベーションを高める香り等)を放出するように、放香器を制御することができる。機器は、例えば、スマートスピーカである。端末装置300は、健康度に応じて、適切な人物(例えば、リラックスするために、気の置けない人物(例えば、家族、友人等))または適切なアバターと会話または談笑できるように、スマートスピーカを制御することができる。機器は、例えば、運動機器である。端末装置300は、健康度に応じて、適切な運動メニューを提供するように、運動機器を制御することができる。機器は、例えば、情報端末機である。端末装置300は、健康度に応じて、任意の情報(例えば、食事、飲料、または間食のメニュー、運動のメニュー等)を呈示するように、情報端末機を制御することができ、端末装置300は、健康度に応じて、任意のサービス(例えば、家族または所属機関(例えば、会社等)による健康見守りサービス、健康ポイントサービス等)を提供するように、情報端末機を制御することができる。なお、情報端末機は、端末装置300自体であってもよいし、端末装置300とは別の機器であってもよい。
カメラ320は、静止画または動画を撮影可能である任意のカメラである。端末装置300に内蔵のカメラであってもよいし、端末装置300に取り付けられる外部カメラであってもよい。例えば、自律神経測定器が端末装置300によって実装される場合には、カメラ320によって撮影された画像を自律神経パラメータに対するデータの導出に利用することができる。
カメラ320は、例えば、体組成パラメータに対するデータ、血圧パラメータに対するデータ、自律神経パラメータに対するデータ、および、質問票パラメータに対するデータのうちの少なくとも1つ、例えば、これらのデータの全てを取得可能なカメラであり得る。これにより、体組成計、血圧計、自律神経測定器、質問票処理機器のうちの少なくとも1つ、例えば、これらの機器の全てをカメラ320で代替することが可能である。
表示部330は、画面を表示する任意のディスプレイである。
メモリ部340には、端末装置300の処理の実行に必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等が格納されている。メモリ部340には、被験者の健康度を計測するための処理をプロセッサ部350に行わせるプログラム(例えば、後述する図8に示される処理を実現するプログラム)が格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部340に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部340にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワーク350を経由してダウンロードされることによってメモリ部340にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部340は、任意の記憶手段によって実装され得る。
プロセッサ部350は、端末装置300全体の動作を制御する。プロセッサ部350は、メモリ部340に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、端末装置300を所望のステップを実行する装置として機能させることが可能である。
血圧計が端末装置300によって実装される実施形態では、プロセッサ部350は、例えば、カメラ320によって取得された画像を分析することにより、血圧に対するデータを取得するように構成され得る。プロセッサ部350は、例えば、公知のアプリケーションを利用し、カメラ320によって取得された顔の動画を分析することにより、血圧に対するデータを取得することができる。プロセッサ部350は、例えば、公知のアプリケーションを利用し、カメラによって取得された指先の動画を分析することにより、血圧に対するデータを取得することができる。
自律神経測定器が端末装置300によって実装される実施形態では、プロセッサ部350は、例えば、カメラ320によって取得された画像を分析することにより、自律神経機能に対するデータを取得するように構成され得る。プロセッサ部350は、当該技術分野で公知の手法を利用して、画像から自律神経機能に対するデータを取得することができる。
自律神経測定器が端末装置300によって実装される別の実施形態では、プロセッサ部350は、例えば、自律神経パラメータに対するデータを導出することが可能な画像をカメラ320によって取得し、取得された画像を、分析のために、インターフェース部310を介してサーバ装置100に送信するようにしてもよい。この実施形態では、プロセッサ部350は、自律神経パラメータに対するデータを導出する機能を有さず、代わりに、サーバ装置100がその機能を有することになる。これにより、端末装置300の処理負荷を軽減することができる。
質問票処理機器が端末装置300によって実装される実施形態では、プロセッサ部350は、例えば、表示部330を介して質問票をユーザに提示し、インターフェース部310を介して入力された質問票に対する回答を処理することにより、質問票パラメータに対するデータを取得するように構成され得る。プロセッサ部350は、当該技術分野で公知の手法を利用して、質問票に対する回答から質問票パラメータに対するデータを取得することができる。
質問票処理機器が端末装置300によって実装される別の実施形態では、プロセッサ部350は、例えば、質問票に対する回答を受信し、受信された回答を、分析のために、インターフェース部310を介してサーバ装置100に送信するようにしてもよい。この実施形態では、プロセッサ部350は、質問票パラメータに対するデータを導出する機能を有さず、代わりに、サーバ装置100がその機能を有することになる。これにより、端末装置300の処理負荷を軽減することができる。
図3Eに示される例では、端末装置300の各構成要素が端末装置300内に設けられているが、本発明はこれに限定されない。端末装置300の各構成要素のいずれかが端末装置300の外部に設けられることも可能である。例えば、カメラ320と、表示部330と、メモリ部340と、プロセッサ部350とがそれぞれ別のハードウェア部品で構成されて、各ハードウェア部品が任意のネットワークを介して接続されてもよい。このとき、ネットワークの種類は問わない。各ハードウェア部品は、例えば、インターネットを介して接続されてもよいし、LANを介して接続されてもよいし、無線接続されてもよいし、有線接続されてもよい。
図2に示される例では、データベース部200は、サーバ装置100の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部200の少なくとも一部をサーバ装置100の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部200の少なくとも一部は、メモリ部150を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ部150を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部200の少なくとも一部は、サーバ装置100のための格納部として構成される。データベース部200の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部200は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部200は、サーバ装置100の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワーク400を介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
3.第1パラメータセット
本発明者らは、対象者の総合的な健康度を評価するために、健康脆弱化および慢性疲労に共通する生理学的または生化学的メカニズムに着目した。理論に拘束されることを意図しないが、これまでの疲労医学研究および健康脆弱化追跡研究に基づくと、疲労~慢性疲労、健康脆弱化、老化、および疾患発症には共通のメカニズムが存在し得る。それは、
(1)生体酸化の進行と抗酸化能の低下を示す「生体酸化(さび付き)」、
(2)上記の生体酸化の解除が遅延することを示す「修復エネルギー低下」、
(3)酸化(さび付き)細胞が検知されていることを示す「炎症」、および
(4)上記の(1)~(3)を感知し、調整する機能を示す「自律神経機能」
である。この(1)~(4)のパラメータを総合的に評価することにより、疾患に至っていない健康脆弱化状態(すなわち、「未病」)を判定することが可能になる。
上記の理論に基づき、代表的な実施形態においては、本発明における第1データセットを得るための第1パラメータセットは、「生体酸化パラメータ」、「修復エネルギー低下パラメータ」、「炎症パラメータ」および「自律神経機能パラメータ」を含み得る。本明細書中では以下、(1)「生体酸化パラメータ」、(2)「修復エネルギー低下パラメータ」、(3)「炎症パラメータ」、および(4)「自律神経機能パラメータ」の4つのパラメータを合わせて、基本4パラメータと称することがある。
第1パラメータセットは、健康度ポジショニングマップを作成するために用いられるパラメータのセットである。第1パラメータセットについて、本明細書および特許請求の範囲では、「健康度ポジショニングマップ作成用パラメータセット」とも呼称する。
(生体酸化パラメータ)
活性酸素種(Reactive Oxygen Species:ROS)は、生体内においてDNA、脂質、蛋白質、酵素などの細胞を構成する多くの生体高分子を酸化変性し、細胞機能に障害を与える。活性酸素種による酸化変性は、様々な疾患や老化につながると考えられている。
他方、生体内には、活性酸素種による細胞機能障害を防ぐために、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やカタラーゼなどの抗酸化酵素や、コエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化物質が存在している。
したがって、本発明における「生体酸化パラメータ」の測定は、活性酸素種による酸化損傷の測定、抗酸化能の測定、または酸化損傷と抗酸化能のバランスの測定を含み得る。活性酸素種による酸化損傷の測定は、活性酸素種の量を直接測定することによって行われてもよいし、タンパク質、脂質または核酸の酸化損傷を測定することによって行われてもよい。
酸化損傷の測定方法は当該分野では周知であり、当業者は適宜測定対象を選択し、測定することが可能である。本発明において、活性酸素種による酸化損傷の指標とする具体的なマーカーは、例えば、血液中の活性酸素種量を直接測定するd-ROMs(Derivatives of Reactive Oxygen Metabolites)、タンパク質の酸化損傷の指標であるカルボニル化タンパク質量(PCC;Protein Carbonyl Content)、脂質の酸化損傷の指標である4-ヒドロキシノネナールやイソプラスタン、核酸の酸化損傷の指標である8-OHdG(8-ヒドロキシーデオキシグアノシン)などが挙げられるが、これらに限定されない。
抗酸化能の測定方法は当該分野では周知であり、当業者は適宜測定対象を選択し、測定することが可能である。本発明において、抗酸化能の指標とする具体的なマーカーは、鉄への還元力を数値化したBAP(Biological Antioxidant Potential)、血清チオールステータス、グルタチオン測定、ビタミンC量測定、コエンザイムQ10総量、コエンザイムQ10還元型比率などが挙げられるが、これらに限定されない。コエンザイムQ10総量やコエンザイムQ10還元型比率は、例えば、LC-MS/MSを用いて測定することができる(具体的には、例えば、多重反応モニタリングにより検出する還元型および酸化型コエンザイムQ10の濃度から算出し得る。)。
本発明において、酸化損傷と抗酸化能のバランスの指標となるマーカーは、OSI(酸化ストレス指標;Oxidation Stress Index)であるが、これに限定されない。なお、本発明におけるOSIは、d-ROMs/BAPである。
本発明における好ましい生体酸化パラメータは、BAP、コエンザイムQ10総量、コエンザイムQ10還元型比率、OSIを含む。
典型的には、生体酸化パラメータは、非侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
(修復エネルギー低下パラメータ)
生体組織が酸化による損傷を受けたとしても、生体はその損傷した組織を修復する機構を備えている。生体における組織損傷には、ATPが必要である。しかしながら、ATP産生が低下すると、損傷した組織の修復が遅延することになる。ATP産生の低下は、疲労回復遅延にもつながる。本発明における「修復エネルギー低下パラメータ」は、ATP産生が低下していることを示す任意のパラメータである。
ATPは、解糖系、TCA回路および電子伝達系を経て産生されるが、最後の電子伝達系において最も多くのATPが産生される。コエンザイムQ10は電子伝達系を担う重要な補酵素である。したがって、本発明における「修復エネルギー低下パラメータ」は、コエンザイムQ10総量、コエンザイムQ10還元型比率や、解糖系・TCA回路の代謝物(例えば、ピルビン酸、乳酸、クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、フマル酸,リンゴ酸など)が挙げられるが、これらに限定されない。コエンザイムQ10総量、およびコエンザイムQ10還元型比率は、抗酸化能を有するために「生体酸化パラメータ」であると同時に、ATP産生に寄与するため「修復エネルギー低下パラメータ」でもある点に留意されたい。本発明における好ましい本発明における「修復エネルギー低下パラメータ」は、コエンザイムQ10総量およびコエンザイムQ10還元型比率を含み得る。
コエンザイムQ10総量やコエンザイムQ10還元型比率の測定方法は上記のとおりである。解糖系やクエン酸回路の代謝物は、メタボローム解析から、解糖系やクエン酸回路を反映する化合物を抽出することによって測定することができる。
典型的には、修復エネルギー低下パラメータは、非侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
(炎症パラメータ)
生体において酸化により損傷を受けた組織が多く発生すると、免疫応答によって多量の局所炎症が発生する。炎症パラメータの種類および測定方法は当該分野で周知であり、当業者は適切に炎症パラメータを選択し、測定することができる。
本発明における炎症パラメータは、CRP(C-Reactive Protein)、WBC(白血球数)、アルブミン、赤血球数、インターロイキン-1β、インターロイキン-6などが挙げられるが、これらに限定されない。
典型的には、炎症パラメータは、非侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
(自律神経機能パラメータ)
健康脆弱化を時系列的に精査すると、まず最初に自律神経機能(特に副交感神経機能)の低下が起こり、次いで、睡眠の質が低下し、次いで疲労が蓄積し、そして意欲低下、抑うつ傾向、アレルギー等の免疫系不調、月経不全などの内分泌系異常、消化器系の異常などが観察される。したがって、自律神経機能の異常は、健康脆弱化の初期段階を把握するための重要なパラメータである。
本発明においては、自律神経機能を、心拍パラメータから評価する。具体的には、本発明において使用される心拍パラメータは以下を含むが、これらに限定されない。
・平均HR
5分間の全心拍数の平均値をいう。
・自律神経系全体の活動;TP(Total Power=ms2)
5分間測定における周波数0~0.4Hz(VLF、LF、HF)のパワースペクトルのトータルパワーの計算値。この値は交感神経活動が主に占める自律神経系の活動を総体的に反映し、疲労に関係した数値と言われている。
・交感神経機能の全体的活動;VLF(超低周波 ms2)
約0.0033~0.04Hzの周波数帯のパワースペクトルである。一般的に、このパラメータは交感神経機能の非常にゆっくりとしたメカニズムの全体的活動を示すものと言われている。
・交感神経の活動;LF(低周波 ms2)
約0.004~0.15Hzの周波数帯のパワースペクトルであり、この値は主に(血管運動性)交感神経の活動を反映している。
・副交感神経の活動;HF(高周波 ms2)
約0.15~0.4Hzの周波帯のパワースペクトルであり、この値は副交感神経(迷走神経)の活動を反映している。
・交感神経と副交感神経のバランス;LF/HF比
LF(低周波)とHF(高周波)のパワーの比率であり、この値は、交感神経と副交感神経の全体のバランスを表している。一般的に、数値が高いと交感神経優位を、低い場合は副交感神経優位を示している。
自律神経機能を現す上記心拍パラメータは、当該分野で公知の方法で測定し得るが、心電波と指尖脈波とを同時に計測し心拍変動解析を行う正確な方法論によって測定することもできる(特許第5455071号公報、特許第5491749号公報を参照のこと。これらの文献は、参照により本明細書に援用される。)。例えば、心電図と脈波が同時に計測できる簡易型自律神経系計測装置FMCC-VSM301(株式会社疲労科学研究所、大阪、日本)を用いて、本発明の自律神経機能パラメータを測定してもよい。
本発明における好ましい「自律神経機能パラメータ」は、平均HR、TP、LF、HF、LF/HFなどであり得るが、これらに限定されない。なお、HFおよびLFの値は分散が大きく、正規分布にならないため、上記パラメータのうちHFやLFが関係するTP、LF、HFおよびLF/HFについては、対数変換をして評価することが好ましい。したがって、本発明におけるより好ましい「自律神経機能パラメータ」は、平均HR、ln(TP)、ln(LF)、ln(HF)、およびln(LF/HF)を含む。
典型的には、自律神経機能パラメータは、非侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
(さらなる第1パラメータセット)
本発明の第1パラメータセットは、より適切に対象者の総合的な健康度を評価するポジショニングマップを作成するために、以下のパラメータの1または複数を含み得る。
・基礎的パラメータ
基礎的パラメータとしては、対象者の身体の状態や健康状態を現す公知のパラメータを含む。本発明の基礎的パラメータは、年齢、身長、体重、腹囲、体組成、骨密度、血圧、筋力、体温、WH比などを含むが、これらに限定されない。
体組成としては、筋肉量、BMI(体重/身長=Body Mass Index)、脂肪率などを含むが、これらに限定されない。体組成は、例えば、生体電気インピーダンス分析法(BIA)を用いて測定されるパラメータであり得る。BIAは、人体に電流を流した際に発生するインピーダンスから人体を構成する成分を定量的に測定する技術である。例えば、株式会社インボディ・ジャパン製体組成計は、BIAを用いて体組成を測定することができる。
骨密度は、手の骨をX線で撮影して写真から測定するMD法、超音波を使って踵の骨を測定する超音波法、CTスキャンを用いたQCT法、X線およびコンピュータを使ったDEXA法(Dual energy X-ray absorptiometry)などの測定方法が知られており、本発明ではそれらのいずれの測定方法で得られたパラメータも使用され得る。
本発明における骨密度パラメータは、超音波伝導速度(SOS=Speed of Sound)、骨粗鬆症評価(Osteoporosis Index;例えば、OSIRIS(Osteoporosis Index of Risk))、若年成人比較%(YAM=Young Adult Mean;若年齢の平均BMD(Bone Mineral Density);骨密度=骨量÷面積(単位g/cm2))値(基準値)を100%として、被験者BMD値と比べた%)、Tスコア(若年齢の平均BMD値(基準値)を0として、標準偏差を1SDとして指標を規定した値)などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの基礎的パラメータの測定方法は、当該分野で周知である。
血圧は、当該分野では慣習的に測定されており、本発明の基礎的パラメータとしては収縮期血圧を使用し得る。
筋力は、当該分野では慣習的に測定されており、本発明の基礎的パラメータとしては、筋肉量および握力左右平均を使用し得る。
WH比(ウエストヒップ比)は、ウエスト周囲径をヒップ周囲径で割った値であり、肥満の体型指標として用いられている。肥満者の体型を表す「洋なし型肥満」および「リンゴ型肥満」のどちらのタイプの肥満であるかは、WH比によって判断されることができる。
本発明の基礎的パラメータは、好ましくは、年齢、筋肉量、BMI、脂肪率、SOS、OI、収縮期血圧、および握力左右平均を含み得る。
基礎的パラメータは、非侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
・血液パラメータ
上記の生体酸化パラメータ以外に、対象の腎排泄・肝胆膵・解毒機能系を評価するために、一般的に使用されている血液パラメータが、さらに第1パラメータセットに含まれることが好ましい。
この血液パラメータとしては、HbA1c(ヘモグロビンA1c;ヘモグロビンにグルコースが結合した糖化タンパク質)、ALP(アルカリホスファターゼ)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、BS(血糖値)、BUN(血中尿素窒素)、CK(クレアチンキナーゼ;運動・骨格・筋肉機能系評価に使用し得る血漿中筋肉細胞酵素)、G-GT(ガンマ・グルタミール・トランスペプチターゼ)、HDL-C(HDL-コレステロール)、HGB(ヘモグロビン)、LD(乳酸脱水素酵素)、LDL-C(LDLコレステロール)、TG(トリグリセリド;中性脂肪)、T-P(総タンパク質)、UA(尿酸)、アミラーゼ、アルブミン、カリウム、クレアチニン、クロール、コルチゾル、ナトリウム、eGFR、ビタミン類(例えば、ビタミンB1)、ミネラル(鉄、銅、カルシウムなど)量などが挙げられるが、これらに限定されない。
典型的には、血液パラメータは、侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
・認知機能パラメータ
本発明者らの研究によると、疲労が蓄積すると、認知機能が低下する。したがって、本発明の第1パラメータは、認知機能パラメータをさらに含み得る。
本発明の認知機能パラメータは、1枚の紙に書かれた1から25までの数字などの指標を順に鉛筆でなぞるという簡易な認知機能検査であるTMT(Trail Making
Test)、タッチパネルにおいてTMTを行うATMT(Advanced Trail Making Test)、本発明者らが開発したmodified ATMT(K.Mizuno e al.Brain & Development 33 (2011) 412-420)などによって得ることができる。TMT、ATMT、modified ATMTは方法論に差異はあるものの、測定する対象は共通しており、それらは全て、本発明の認知機能パラメータである。
本発明者らは、modified ATMTとして、例えば、認知機能の種々の要素を評価するための5つの課題を用意しており、これらを単独または組み合わせて使用することができる。また、これらの各認知課題の評価は、総反応時間によって行ってもよいし、総正答数によって行ってもよい。
認知機能パラメータは、非侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
・血管および皮膚パラメータ
本発明者らの研究によると、疲労が蓄積すると、血管および皮膚に影響が出ることがある。したがって、好ましくは、本発明の第1パラメータセットは、血管および皮膚パラメータも含み得る。
血管パラメータは、例えば、血管年齢、毛細血管長平均値、血管濁り、血管本数などが挙げられるがこれらに限定されない。毛細血管長平均値、血管濁り、および血管本数は、好ましくは、手指爪床の毛細血管走行を画像処理することによって簡便に測定することができる。毛細血管走行の画像処理およびこれらのパラメータの測定は、例えば、あっと株式会社(大阪、日本)製の毛細血管スコープによって測定し得る。
皮膚パラメータは、例えば、腕の肌の水分量、水分蒸散量、光沢などが挙げられるが、これらに限定されない。腕の肌の水分量、水分蒸散量、および光沢の測定方法は、当該分野では周知である。
血管および皮膚パラメータは、非侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
・主観的評価パラメータ
本発明の第1パラメータセットは、上記のような測定によって得られる客観的パラメータに加えて、対象の主観的評価パラメータも含み得る。各種測定値による客観的パラメータに加えて主観的評価を第1パラメータセットに加えることにより、各種成分の測定からは把握し切れない対象の身体、疲労および精神状態などの状況を健康度ポジショニングマップに反映することができる。
1つの実施形態においては、本発明における主観的評価パラメータは、疲労、睡眠、精神状態などの主観的評価を含み得る。本発明における主観的評価パラメータは、性格や気質に関連する主観的評価も含み得る。
疲労の主観的評価は、疲労持続期間の主観的評価、疲労による障害に関する質問、疲労VAS(Visual Analogue Scale)、チャルダー疲労指標(Chalder Farigue Scale;CFQ)、CFQのうち11項目を用いて算出する疲労症状スコア(CFQ11)(Tanaka M et al.,Psychol Rep_2010,106,2、567-575)、プレゼンティズムに関する質問票またはVAS、および疲労に関する質問票の1または複数を含み得る。「疲労による障害に関する質問」とは、疲労と何らかの障害との因果関係の有無について対象者の主観的評価を確認するものをいう。「疲労による障害に関する質問」とは、例えば、疲労によって仕事、家事または学業に支障があると感じているかどうか、疲労の原因と考えられる疾病の質問などであり得る。「疲労に関する質問票」とは、疲労の任意の症状について自覚があるかどうかを質問するものであり、例えば、倦怠感を感じるかどうか、一晩寝ても疲れが取れないと感じるかどうかなどであり得る。プレゼンティズムの質問票としては、例えばWHOのHealth and Work Performance Questionnaire(HPQ)や、Work Limitations Questionnaire(WLQ)などを使用してもよい。
睡眠の主観的評価は、睡眠(入眠および起床)の時刻、平均睡眠時間、眠気に関するVAS、および睡眠の質に関する質問票の1または複数を含み得る。
精神状態の主観的評価は、うつに関するVASおよび質問票、意欲に関するVASおよび質問票のうちの1または複数を含み得る。「うつに関する質問票」とは、うつの任意の症状に関する質問をいい、ゆううつだと感じているかどうか、他者との付き合いが億劫に感じているかどうかなどを含み得、例えばK6合計(Kesslerらによって開発された精神的な問題を現すものとして一般的に使用されている指標)が1つの例である。
上記において「質問票」は、特定の質問に対する回答で評価してもよいし、多数の質問に対する回答をスコアにして評価してもよい。
主観的パラメータは、非侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
・生活状況パラメータ
本発明の第1パラメータセットは、客観的パラメータおよび主観的評価パラメータに加えて、生活状況パラメータを含んでもよい。本発明における生活状況パラメータは、対象の生活状況についての事実であり、例えば、教育年数、婚姻期間、同居の有無、喫煙状況(有無、頻度および/または量)、飲酒状況(有無、頻度および/または量)、労働時間、運動(有無、頻度および/または量)、食事状況(食べる頻度が早いと感じるかどうか、夕食後の間食頻度、朝食を取らない頻度、等)、既往歴、服薬状況、サプリメント摂取状況などを含み得る。
生活状況パラメータは、非侵襲性検査によって測定され得るパラメータである。
・さらなるパラメータ
本発明の第1パラメータセットは、脳機能・精神神経系評価、循環器・呼吸器機能系評価、腎排泄・肝胆膵・解毒機能系評価に関するデータに基づくパラメータを含んでもよい。
例えば、脳機能・精神神経系評価に関するデータは、上述したものの他に、コミュニケーション機能、活動量(日中、睡眠中)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)による脳形態計測(脳組織の収縮した部位に応じた機能の低下を計測することができる)、安静時fMRI、および、神経線維束走行異方性(神経線維束のサイズや頑強さ)などのデータを含み得る。
循環器・呼吸器機能系評価に関するデータは、上述したものの他に、血流量(例えば、ドップラー血流計により測定し得る)、呼気ガス成分分析(NO(ぜんそく)、アセトン(糖尿病)など)などを含み得る。呼気ガス成分分析に関するデータは、質量分析やイオン移動度分析装置で分析することによって測定することができる。
腎排泄・肝胆膵・解毒機能系評価に関するデータは、上述したものの他に、皮膚ガス成分分析などのデータを含み得る。皮膚ガス成分分析に関するデータは、質量分析や高感度可変レーザー検出装置によって測定することができる。
(好ましい第1パラメータセット)
1つの実施形態において、本発明の第1パラメータセットは、生体酸化パラメータ、修復エネルギー低下パラメータ、炎症パラメータ、および自律神経機能パラメータ(基本4パラメータ)を含み得る。この基本4パラメータを含む第1パラメータセットについてのデータに基づいて健康度ポジショニングマップを作成することにより、当該健康度ポジショニングマップによって、疾患に至っていない健康脆弱化状態(すなわち、「未病」)を判定することが可能になる。
別の実施形態において、本発明の第1パラメータセットは、基本4パラメータ、基礎的パラメータ、認知機能パラメータ、および主観的パラメータを含み得る。理論に束縛されることを意図しないが、基本4パラメータに加えて、基礎的パラメータ、認知機能パラメータおよび主観的パラメータを追加することによって、疲労や精神状態について広範に評価することができると考えられる。好ましくは、主観的パラメータは、疲労、睡眠、および精神状態の1または複数についての評価を含み、より好ましくは、疲労についての評価を少なくとも含む。
さらに別の実施形態において、本発明の第1パラメータセットは、基本4パラメータ、基礎的パラメータ、認知機能パラメータ、主観的パラメータ、および血液パラメータを含み得る。理論に束縛されることを意図しないが、基本4パラメータと、疲労や精神状態を評価するための基礎的パラメータ、認知機能パラメータ、主観的パラメータとに加えてさらに、内分泌系の機能を正確に評価できる血液パラメータを第1パラメータセットに追加することによって、さらに異なる観点を含む広範な健康度の評価が可能になる。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明の第1パラメータセットは、基本4パラメータ、基礎的パラメータ、認知機能パラメータ、主観的パラメータ、血液パラメータ、血管および皮膚パラメータ、および生活状況パラメータを含み得る。
本発明の第1パラメータセットは、典型的には、侵襲的パラメータと非侵襲的パラメータとの双方を含む。これによって、後述する第2パラメータセットを非侵襲的パラメータのみで構成する場合にも、評価のベースとなるポジショニングマップには侵襲的パラメータの情報が反映されていることになる。その結果、非侵襲的パラメータのみの検査によって、侵襲性検査によってしか得られないパラメータの影響も含んだ評価を行うことができる。これは、本願発明の1つの顕著な効果である。
第1パラメータセットは、例えば、初期パラメータセットのデータセットを取得し、初期パラメータセットのデータセットの各データ間の相関を取り、相関係数が所定の閾値以上のパラメータを抽出することによって得られた抽出パラメータセットであってもよいし、初期パラメータセットのデータセットから健康度ポジショニングマップに対する影響度が高いパラメータセットを機械学習によって抽出することによって得られた抽出パラメータセットであってもよい。
4.第2パラメータセット
第2パラメータセットは、第1パラメータセットの一部であって、健康関数を導出するために用いられるパラメータのセットである。第2パラメータセットを利用することにより、第1パラメータセットよりも少ない数のパラメータセットを用いて、健康度ポジショニングマップ上で被験者の状態を適切に示すことができる。本明細書および特許請求の範囲では、第2パラメータセットは、単に、「パラメータセット」とも呼称する。第2パラメータセットには、第1パラメータセットにはないものが含まれていてもよい。
本発明の好ましい実施形態において、第2パラメータセットは、非侵襲的パラメータのみから構成され得る。しかしながら、この第2パラメータセットを評価するためのポジショニングマップは侵襲的パラメータも含んで作成されたものであり得るため、非侵襲的パラメータのみから構成される第2パラメータセットを用いて対象の総合的な健康を評価することによって、侵襲的パラメータの影響をも本質的に含んだ評価を行うことができる。これは本発明の顕著な効果の1つである。また、このような侵襲検査結果を含まないパラメータセットからユーザの健康度を推定することは、ユーザが、検査の場所を問わずに、手軽に自身の健康度を知ることを可能にする。ユーザは、例えば、病院以外にも、会社、薬局、公民館、カフェ、自宅等で簡易な検査から自身の健康度を知ることができるようになる。
1つの実施形態において、非侵襲的パラメータのみから構成される第2パラメータセットは、以下のパラメータを含み得る。
(1)体組成パラメータ
(2)自律神経パラメータ
(3)質問票パラメータ
ここで、(2)自律神経パラメータは、脈波に関するデータを含み得る。(3)質問票パラメータは、例えば、年齢、生活状況パラメータ、および/または、主観的評価パラメータを含み得る。質問票パラメータに含まれる主観的評価パラメータは、QOL(Quality of Life)に関する主観的評価、疲労に関する主観的評価、心理に関する主観的評価を含み得る。
(1)体組成パラメータは、上述した第1パラメータセットの基礎的パラメータの少なくとも一部であり得る。好ましくは、体組成パラメータは、BMIおよびWH比のうちの少なくとも一方、より好ましくは、BMIおよびWH比の両方を含み得る。これにより、体型という見た目に分かりやすい指標と、健康度ポジショニングマップ上での被験者の状態とを関連付けることができるようになるからである。このとき、BMIおよびWH比は、第1パラメータセットに含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。一例では、BMIが第1パラメータセットに含まれ、WH比が第1のパラメータセットに含まれないことがある。(2)自律神経パラメータは、上述した第1パラメータセットの自律神経機能パラメータの少なくとも一部であり得る。(3)質問表パラメータは、上述した第1パラメータセットの基礎的パラメータ、生活状況パラメータ、および/または、主観的評価パラメータの少なくとも一部であり得る。
(1)体組成パラメータに対するデータは、体組成計によって計測され、(2)自律神経パラメータに対するデータは、自律神経測定器によって、計測され、(3)質問票パラメータに対するデータは、質問票処理機器によって計測され得る。このように、(1)~(3)のパラメータは、多くとも3つの計測機器によって計測することができるパラメータである。これにより、計測に対するユーザの負担が軽減され、自宅等の検査施設以外の場所での計測が容易になる。好ましい実施形態において、体組成パラメータおよび自律神経パラメータのうちのいずれか一方または両方がユーザが意識することなく無意識的に自動で測定され、それらのパラメータと最新の質問票パラメータとが組み合わされて、ユーザの健康度ポジショニングマップ上での健康総体の評価がなされ得る。
この実施形態における第2パラメータセットは、
(4)血圧パラメータ
をさらに含み得る。(4)血圧を含めることで、(1)~(3)のパラメータのみの場合に比べて、健康度の予測精度が向上する。好ましい実施形態において、体組成パラメータ、自律神経パラメータおよび血圧パラメータのうちの任意のいずれか1つ、任意のいずれか2つ、または3つ全てがユーザが意識することなく無意識的に自動で測定され、それらのパラメータと最新の質問票パラメータとが組み合わされて、ユーザの健康度ポジショニングマップ上での健康総体の評価がなされ得る。
(4)血圧パラメータに対するデータは、血圧計によって計測され得る。このように、(1)~(4)のパラメータは、多くとも4つの計測機器によって計測することができるパラメータである。これにより、予測の精度を向上させつつも、計測に対するユーザの負担は依然として軽減され、自宅等の任意の場所および任意の時間での計測が容易になる。
これらの実施形態では、第2パラメータセットは、非侵襲的パラメータの中でも、計測が複雑なパラメータまたは計測に時間を要するパラメータを含まない。例えば、第2パラメータセットは、認知機能パラメータおよび骨密度パラメータを含まない。むしろ、第2パラメータセットは、簡易な計測機器を用いて簡易に計測することが可能なパラメータから成り、一実施形態においては、多くとも4つの計測機器を用いて計測可能なパラメータから成り、別の実施形態においては、多くとも3つの計測機器を用いて計測可能なパラメータから成り、さらに別の実施形態においては、1つの計測機器を用いて計測可能なパラメータから成る。これにより、計測に対するユーザの負担が軽減され、自宅等の検査施設以外の場所での容易な計測を達成している。
好ましい実施形態において、上記の自動で測定され得るパラメータは、ユーザが設定した時間の範囲内において、各パラメータ測定機器との所定の条件(例えば、各種機器との接触、または各種機器とユーザとの距離が一定範囲内に入ることなど)をトリガーとして、ユーザが意識することなく自動で測定され得る。
5.コンピュータシステムによる処理
図5Aは、サーバ装置100における処理の一例を示す。処理500は、健康度ポジショニングマップを作成する処理である。処理500は、サーバ装置100のプロセッサ部120において実行される。
ステップS501では、プロセッサ部120の取得手段121が、複数の被験者の各々について、第1パラメータセットに対する第1データセットを取得する。取得手段121は、例えば、データベース部200に格納された複数の被験者についてのデータを、インターフェース部110を介して受信し、受信されたデータを取得することができる。取得手段121は、例えば、データベース部200に格納された複数の被験者についてのデータを、検査施設(例えば、病院、研究所等)のコンピュータシステムからインターフェース部110を介して受信し、受信されたデータを取得することができる。
ステップS502では、プロセッサ部120の処理手段122が、ステップS501で取得された第1データセットを処理して、第1データを得る。処理手段122による処理は、例えば、第1データセットに対する次元削減処理、標準化処理、および重み付け処理のうちの少なくとも1つを含み得る。
好ましくは、処理手段122による処理は、第1データセットに対する次元削減処理を含む。これにより、多次元で複雑な第1データセットの次元を削減し、より理解しやすいデータ、ひいては健康度ポジショニングマップを作成することができるからである。このとき、次元削減処理は、第1データセットを2次元のデータまたは3次元のデータに削減することが好ましい。2次元のデータまたは3次元のデータから作成された健康度ポジショニングマップは、2次元空間または3次元空間のマップとなり、視覚的に理解しやすいからである。次元削減処理により、(1)健康度ポジショニングマップの各軸の値への各測定項目の寄与を求めることができ、さらには(2)健康度ポジショニングマップの各軸の値には大きく関わらない測定項目のデータを除いて、健康度ポジショニングマップ上のデータをより明確に理解できるようになる。
より好ましくは、処理手段122による処理は、第1データセットに対する標準化処理と、標準化されたデータセットに対する次元削減処理とを含む。これにより、第1データセットのパラメータ間のスケール差がなくなり、第1データセットの各パラメータの健康度ポジショニングマップに対する影響が均等に考慮されることになり、精度が高くかつ理解しやすい健康度ポジショニングマップを作成することができるからである。特に、例えば、男女の性差に起因するパラメータに対して標準化処理を行うことで、男性被験者から得られたデータおよび女性被験者から得られたデータの両方を同じ健康度ポジショニングマップ上で評価できるようになる。
さらに好ましくは、処理手段122による処理は、第1データセットに対する重み付け処理と、重みが付けられたデータセットに対する標準化処理と、標準化されたデータセットに対する次元削減処理とを含む。これにより、第1データセットの各パラメータの健康度ポジショニングマップに対する影響の大小を強調し、精度がさらに高くかつ理解しやすい健康度ポジショニングマップを作成することができるからである。
処理手段122による標準化処理は、例えば、第1パラメータセットのうちのすべてのパラメータについて行われるようにしてもよいし、特定のパラメータについて行われるようにしてもよい。処理手段122による重み付け処理は、例えば、複数の被験者の全体の第1データセットについて行われるようにしてもよいし、複数の被験者の特定の母集団の第1データセットについて行われるようにしてもよい。
ステップS503では、プロセッサ部120のマッピング手段123が、複数の被験者の各々について、ステップS502で得られた第1データをマッピングする。マッピング手段123は、n次元の第1データをn次元空間上にマッピングする。マッピング手段123は、複数の被験者の各々について第1データをマッピングすることにより、複数の被験者の各々の第1データがマッピングされたマップを出力することができる。例えば、第1データが2次元である場合には、マッピング手段123は、第1データを、2次元空間、すなわち、平面上の位置にマッピングすることにより、2次元マップを出力することができる。
ステップS504では、プロセッサ部120のクラスタリング手段124が、ステップS503でマッピングされた第1データをクラスタリングすることにより、複数の領域を特定する。クラスタリング手段124は、マッピングされた第1データを任意の個数のクラスターに区分することにより、任意の個数の領域を特定することができる。
ステップS505では、プロセッサ部120の特徴付け手段125が、ステップS504で特定された複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付ける。特徴付け手段125は、例えば、サーバ装置100に入力された情報に基づいて、複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付けるようにしてもよいし、入力に依らずに、複数の領域のうちの少なくとも一部を自動的に特徴付けるようにしてもよい。例えば、特徴付け手段125は、健康度ポジショニングマップにおける相対位置に基づいて、複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付けてもよいし、機械学習に基づいて、複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付けてもよい。
上述した処理500によって、複数の領域のうちの少なくとも一部が特徴付けられた健康度ポジショニングマップが作成される。作成された健康度ポジショニングマップは、後述する処理510、処理600、処理700において利用され得る。
図5Bは、サーバ装置100における処理の別の一例を示す。処理510は、処理500で作成された健康度ポジショニングマップのうちの一部の領域に含まれるデータについて健康度ポジショニングマップを作成する処理である。処理510は、サーバ装置100のプロセッサ部120において実行される。
ステップS511では、プロセッサ部120が、処理500で作成された健康度ポジショニングマップの複数の領域のうちの一部を選択する入力を受信する。複数の領域のうちの一部を選択する入力は、例えば、サーバ装置100の外部からインターフェース部110を介して入力される。
ステップS512では、プロセッサ部120の取得手段121が、選択された領域にマッピングされた第1データを取得する。取得された第1データは、サブ第1データと呼ばれ得る。
ステップS513では、プロセッサ部120のクラスタリング手段124が、ステップS512で取得されたサブ第1データをクラスタリングすることにより、複数の領域を特定する。ステップS513における処理は、ステップS504における処理と同様の処理であり得る。
ステップS514では、プロセッサ部120の特徴付け手段125が、ステップS513で特定された複数の領域のうちの少なくとも一部を特徴付ける。ステップS514における処理は、ステップS505における処理と同様の処理であり得る。
上述した処理510によって、複数の被験者のうちの一部の被験者についての健康度ポジショニングマップが作成される。複数の被験者のうちの一部の被験者についての健康度ポジショニングマップは、例えば、複数の被験者のうちの特定の集団、例えば、男性被験者集団、女性被験者集団、若年層集団(40歳未満の集団)、中年層集団(40歳以上60歳未満の集団)、老年層集団(60歳以上の集団)等にフォーカスした健康度ポジショニングマップであり得る。特定の集団にフォーカスした健康度ポジショニングマップの複数の領域は、複数の被験者の全体の健康度ポジショニングマップの複数の領域とは異なる特徴付けを有することができ、異なる観点での健康状態の分析を行うために利用されることができる。
図6は、サーバ装置100における処理の別の一例を示す。処理600は、健康関数を作成する処理である。処理600は、サーバ装置100のプロセッサ部130において実行される。
ステップS601では、プロセッサ部130が、健康度ポジショニングマップを用意する。例えば、プロセッサ部130は、プロセッサ部130の第1取得手段によって健康度ポジショニングマップを取得することによって、健康度ポジショニングマップを用意することができる。健康度ポジショニングマップは、複数の被験者についての上述した第1パラメータセットに対する第1データセットに基づいて作成されている。用意される健康度ポジショニングマップは、第1パラメータセットを用いて作成されている限り、処理500または処理510によって作成された健康度ポジショニングマップであってもよいし、別様に作成された健康度ポジショニングマップであってもよい。
ステップS602では、プロセッサ部130の第2取得手段132が、複数の被験者のうちの少なくとも一部について、第2パラメータセットに対する第2データセットを取得する。第2パラメータセットは、第1パラメータセットの一部である。第2取得手段132は、例えば、データベース部200に格納された複数の被験者の一部についてのデータを、インターフェース部110を介して取得することができる。
ステップS603では、プロセッサ部130の導出手段133が、ステップS602で取得された複数の被験者のうちの少なくとも一部の被験者の第2データセットと、複数の被験者のうちの少なくとも一部の被験者の健康度ポジショニングマップ上の位置とを相関させる健康関数を導出する。導出手段133は、例えば、機械学習によって健康関数を導出することができる。健康関数は、例えば、n次元の健康度ポジショニングマップの軸毎に導出され得る。
健康関数は、例えば、回帰モデルであってもよいし、ニューラルネットワークモデルであってもよい。健康関数が回帰モデルである場合、導出手段133は、複数の被験者のうちの少なくとも一部の各被験者について、第2データセットを独立変数とし、その被験者の健康度ポジショニングマップ上の座標を従属変数として機械学習することにより、回帰モデルの各係数を導出することができる。健康関数がニューラルネットワークモデルである場合、導出手段133は、複数の被験者のうちの少なくとも一部の各被験者について、第2データセットを入力用教師データとし、その被験者の健康度ポジショニングマップ上の位置を出力用教師データとして機械学習することにより、各ノードの重み係数を導出することができる。
上述した処理600によって、健康度ポジショニングマップ上に被験者の健康度をマッピングするための健康関数が作成される。作成された健康関数は、後述する処理700において利用され得る。健康関数を作成する際に、第2パラメータセットに侵襲検査結果を含めないようにすることで、結果として得られる健康関数は、侵襲検査結果を含まないパラメータセットのデータから健康度ポジショニングマップ上の位置を特定し、ユーザの健康度を推定することができるようになる。このような侵襲検査結果を含まないパラメータセットからユーザの健康度を推定することは、ユーザが、検査の場所を問わずに、自身の健康度を知ることを可能にする。ユーザは、例えば、病院以外にも、会社、薬局、公民館、カフェ、自宅等で簡易な検査から自身の健康度を知ることができるようになる。
図7Aは、サーバ装置100における処理の別の一例を示す。処理700は、ユーザの健康度を推定する処理である。処理700は、サーバ装置100のプロセッサ部140において実行される。
ステップS701では、プロセッサ部140が、健康関数を用意する。例えば、プロセッサ部140は、プロセッサ部140の第3取得手段141によって健康関数を取得することによって、健康関数を用意することができる。健康関数は、第2パラメータセットに対するデータセットと、健康度ポジショニングマップ上の位置とを相関させる関数である。取得される健康関数は、ユーザデータセットと健康度ポジショニングマップ上の位置とを相関させることができるである限り、処理600によって作成された健康関数であってもよいし、別様に作成された健康関数であってもよい。健康度ポジショニングマップは、第1パラメータセットを用いて作成されているものである限り、処理500または処理510によって作成された健康度ポジショニングマップであってもよいし、別様に作成された健康度ポジショニングマップであってもよい。
ステップS702では、プロセッサ部140の第4取得手段142が、ユーザの第2パラメータセットに対する第1ユーザデータセットを取得する。第4取得手段142は、例えば、データベース部200に格納された第1ユーザデータセットを、インターフェース部110を介して取得することができる。あるいは、第4取得手段142は、例えば、第1ユーザデータセットを、ユーザの端末装置からインターフェース部110を介して取得することができる。
ステップS703では、プロセッサ部140の出力生成手段143が、第1ユーザデータセットを健康関数に入力することにより、第1出力を得る。例えば、健康関数が回帰モデルである場合、第1ユーザデータセットを回帰モデルの独立変数に入力することにより、健康度ポジショニングマップ上の座標が第1出力として出力される。例えば、健康関数がニューラルネットワークモデルである場合、第1ユーザデータセットをニューラルネットワークモデルの入力層に入力することにより、健康度ポジショニングマップ上の座標が第1出力として出力される。
ステップS704では、プロセッサ部140の出力マッピング手段144が、第1出力を健康度ポジショニングマップ上にマッピングする。ステップS703で得られた出力が健康度ポジショニングマップ上の座標であるため、出力マッピング手段144は、健康度ポジショニングマップのn次元空間内にその座標をマッピングすることができる。
上述した処理700によって、ユーザの健康度を健康度ポジショニングマップ上にマッピングすることにより、ユーザの健康度がマッピングされた領域の特徴付けから、ユーザの健康状態がどのようであるかを推定することができる。例えば、第2パラメータセットに侵襲検査結果を含まない健康関数を用いることで、侵襲検査結果を含まないパラメータセットのデータから健康度ポジショニングマップ上の位置を特定し、ユーザの健康度を推定することができる。このような侵襲検査結果を含まないパラメータセットからユーザの健康度を推定することは、ユーザが、検査の場所を問わずに、自身の健康度を知ることを可能にする。ユーザは、例えば、病院以外にも、会社、薬局、公民館、カフェ、自宅等で簡易な検査から自身の健康度を知ることができるようになる。
例えば、推定された健康状態は、他のデータの補正のために利用されることができる。他のデータは、例えば、健康状態によって変動し得るデータであり得る。例えば、他のデータは、認知力テスト、体力テスト、学力テスト等を含むテストの結果を含むがこれに限定されない。例えば、健康状態が通常よりも悪いことが理由でテストの結果が悪くなったユーザに対して、テストの結果に加点するよう補正することができる。例えば、ユーザの健康状態による影響を最小限にするために、複数のユーザのうち健康度が相対的に悪いユーザに対して、テストの結果に加点するように補正することができる。
図7Bは、図7Aに示される処理700の続きの処理の一例を示す。図7Bに示される処理は、所定期間経過後のユーザの健康度を推定するための処理である。
ステップS705では、プロセッサ部140の第4取得手段142が、ユーザの第2パラメータセットに対する第2ユーザデータセットを取得する。ステップS705は、少なくとも、ステップS702から所定期間経過した後に行われる。第4取得手段142は、例えば、データベース部200に格納された第2ユーザデータセットを、インターフェース部110を介して取得することができる。あるいは、第4取得手段142は、例えば、第2ユーザデータセットを、ユーザの端末装置からインターフェース部110を介して取得することができる。
ステップS706では、プロセッサ部140の出力生成手段143が、第2ユーザデータセットを健康関数に入力することにより、第2出力を得る。例えば、健康関数が回帰モデルである場合、第2ユーザデータセットを回帰モデルの独立変数に入力することにより、健康度ポジショニングマップ上の座標が第2出力として出力される。例えば、健康関数がニューラルネットワークモデルである場合、第2ユーザデータセットをニューラルネットワークモデルの入力層に入力することにより、健康度ポジショニングマップ上の座標が第2出力として出力される。
ステップS707では、プロセッサ部140の出力マッピング手段144が、第2出力を健康度ポジショニングマップ上にマッピングする。ステップS706で得られた出力が健康度ポジショニングマップ上の座標であるため、出力マッピング手段144は、健康度ポジショニングマップのn次元空間内にその座標をマッピングすることができる。
ステップS705~S707によって、所定期間後のユーザの健康状態がどのようであるかを推定することができる。例えば、ステップS701~ステップS704で推定された健康状態と、ステップS705~ステップS707によって推定された健康状態とを比較することにより、健康状態の時系列変化を特定することができる。
さらには、健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の方向に基づいて、将来の健康状態を予測することも可能である。例えば、第1出力をマッピングした結果、健康度が健康度ポジショニングマップ上の健康体として特徴付けられた領域に属し、所定期間経過後の第2出力をマッピングした結果、健康度が、健康体として特徴付けられた領域に属するものの、生活習慣病リスク群として特徴付けられた領域に近づいていた場合には、健康状態が生活習慣病リスクの方向へ向かっていることを予測することができる。
一実施形態において、処理700は、健康状態を向上させるためのアイテム(例えば、医薬品、飲食品、健康器具等)を評価するために利用され得る。例えば、所定期間の間、ユーザに健康状態を向上させるためのアイテムを使用させ、所定期間前の第1出力と、所定期間経過後の第2出力とを比較することにより、健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を特定することができる。健康状態を向上させるためのアイテムの使用による健康度ポジショニングマップ上での時系列変化は、健康状態を向上させるためのアイテムの効果が反映されており、健康状態を向上させるためのアイテムを使用しなかった場合の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化と対照することにより、健康状態を向上させるためのアイテムの効果の優劣を評価することができる。
さらには、健康状態を向上させるためのアイテムの使用による健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の方向に基づいて、ユーザに、健康状態を向上させるためのアイテムをリコメンドすることもできる。例えば、健康状態を向上させるためのアイテムは、概して、健康状態を向上させるためのアイテムの使用による健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の方向とは逆方向の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を有するユーザに効果的である。従って、ステップS701~ステップS707の処理によって特定されたユーザの健康度ポジショニングマップ上での時系列変化とは反対方向の時系列変化を有するアイテムをユーザにリコメンドすることができる。
さらには、健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の軌跡に基づいて、将来の健康状態を予測することも可能である。例えば、第1出力をマッピングした結果の第1の位置と、所定期間経過後の第2出力をマッピングした結果の第2の位置とを含む軌跡をパターンマッチングすることにより、被験者の健康度を評価することができる。これは、例えば、健常者の軌跡パターンと、特定の疾患リスクを有している被験者の軌跡パターンとを学習しておくことにより、実現することができる。
一実施形態において、処理700は、刺激が健康状態に与える影響を評価するために利用され得る。例えば、所定期間の間、ユーザに刺激を与え、所定期間前の第1出力と、所定期間経過後の第2出力とを比較することにより、健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を特定することができる。刺激を与えたことによる健康度ポジショニングマップ上での時系列変化は、刺激が健康状態に与える影響が反映されており、刺激を与えなかった場合の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化と対照することにより、刺激が健康状態に与える影響を評価することができる。
ここで、刺激は、例えば、触覚に対する刺激、嗅覚に対する刺激、視覚に対する刺激、味覚に対する刺激、聴覚に対する刺激、外的環境による刺激を含むがこれらに限定されない。触覚に対する刺激は、例えば、マッサージ、ツボ押し、振動等を含み得る。嗅覚に対する刺激は、例えば、特定のにおいを嗅ぐこと等を含み得る。味覚に対する刺激は、例えば、甘味の食品を食べること、酸味の食品を食べること、塩味の食品を食べること、苦味の食品を食べること、うま味の食品を食べること等を含み得る。視覚に対する刺激は、例えば、特定の静止画を見ること、特定の動画を見ること、特定の色を見ること、特定の明るさの照明下で物を見ること等を含み得る。聴覚に対する刺激は、例えば、特定の音楽を聞くこと、騒音を聞くこと、高音(例えば、約1000Hz以上の音)を聞くこと、低音(例えば、約100Hz以下の音)を聞くこと等を含み得る。外的環境による刺激は、例えば、外的環境の変化、外的環境内の物質(例えば、ウイルス、アレルギー源、NOx等)の存在等を含み得る。
さらには、刺激を与えたことによる健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の方向に基づいて、ユーザに、健康状態を向上させるための刺激をリコメンドすることもできる。例えば、健康状態を向上させるための刺激は、概して、刺激を与えたことによる健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の方向とは逆方向の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を有するユーザに効果的である。従って、ステップS701~ステップS707の処理によって特定されたユーザの健康度ポジショニングマップ上での時系列変化とは反対方向の時系列変化を有する刺激をユーザにリコメンドすることができる。
一実施形態において、処理700は、イベントが健康状態に与える影響を評価するために利用され得る。例えば、イベント前の第1出力と、イベント後の第2出力とを比較することにより、健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を特定することができる。イベントを経験したことによる健康度ポジショニングマップ上での時系列変化は、イベントが健康状態に与える影響が反映されており、イベントを経験しなかった場合の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化と対照することにより、イベントが健康状態に与える影響を評価することができる。ここで、イベントは、例えば、感染症の流行(Covid-19等)、自然災害(例えば、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害)、残業、体験(直接的な体験または疑似的な体験(例えば、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)等を介した体験)、他者もしくは動物とのコミュニケーション等を含むが、これらに限定されない。
図8は、本発明のコンピュータシステム10において実施される方法におけるデータフローの一例を示す。図8では、被験者の健康度を計測するための方法における、計測機器と、端末装置300と、サーバ装置100との間のデータの流れが示されている。
ステップS801では、計測機器が、パラメータセットに対するデータセットを取得する。ここで、パラメータセットは、上述した第2パラメータセットに対応している。パラメータセットは、自律神経パラメータと、体組成パラメータと、質問票パラメータとを含むことができる。
一実施形態では、ステップS801は、
I.自律神経測定器を用いて自律神経パラメータに対するデータを取得することと、
II.体組成計を用いて体組成パラメータに対するデータを取得することと
III.質問票処理機器を用いて質問票パラメータに対するデータを取得することと
を含むことができる。
このとき、自律神経測定器、体組成計、質問票処理機器は、それぞれ別個の機器であってもよいし、それぞれが同一の機器によって実装されてもよいし、少なくとも2つが同一の機器によって実装されてもよい。あるいは、自律神経測定器、体組成計、質問票処理機器のうちの少なくとも2つが端末装置300によって実装されてもよい。本実施形態では、ステップS801では、多くとも3つの計測機器を用いてデータセットが取得され、例えば、2つの計測機器を用いてデータセットが取得され、例えば、1つの計測機器を用いてデータセットが取得される。用いられる計測機器が少ないほど、計測に対するユーザの負担は軽減される。
別の実施形態では、ステップS801は、
I.自律神経測定器を用いて自律神経パラメータに対するデータを取得することと、
II.体組成計を用いて体組成パラメータに対するデータを取得することと
III.質問票処理機器を用いて質問票パラメータに対するデータを取得することと、
IV.血圧計を用いて血圧パラメータに対するデータを取得することと
を含むことができる。
このとき、自律神経測定器、体組成計、質問票処理機器、血圧計は、それぞれ別個の機器であってもよいし、それぞれが同一の機器によって実装されてもよいし、少なくとも2つが同一の機器によって実装されてもよい。あるいは、自律神経測定器、体組成計、質問票処理機器、血圧計のうちの少なくとも2つが端末装置300によって実装されてもよい。本実施形態では、ステップS801では、多くとも4つの計測機器を用いてデータセットが取得され、例えば、3つの計測機器を用いてデータセットが取得され、例えば、2つの計測機器を用いてデータセットが取得され、例えば、1つの計測機器を用いてデータセットが取得される。用いられる計測機器が少ないほど、計測に対するユーザの負担は軽減される。
パラメータセットに対するデータセットを取得することは、被験者が意識的に行うようにしてもよいし、被験者が無意識的に行うようにしてもよい。パラメータセットに対するデータセットを取得することは、例えば、所定の条件が満たされたときに、自動的に計測を行うことによって、被験者に意識させることなく行うことができる。所定の条件は、例えば、時間的条件(例えば、午前6時から~午前8時の間、午前11時~午後1時の間、午後4時~午後6時の間、午後9時~午前0時の間、または午前6時になったとき、午後0時になったとき、午後6時になったとき、午前0時になったとき、または、1時間おき、3時間おき、6時間おき、12時間おき等)、地理的条件(例えば、会社を出たとき、自宅に入ったとき)、行動的条件(例えば、椅子に座ること、ベッドに寝そべること、一定時間以上カメラの視野内に入ること)等を含む。
ステップS802では、計測機器が、ステップS801で取得されたデータセットを端末装置300に送信し、端末装置300は、データセットを受信する。端末装置300のプロセッサ部350は、インターフェース部310を介してデータセットを取得することになる。
一実施形態において、プロセッサ部350は、
I.自律神経測定器から自律神経パラメータに対するデータを取得することと、
II.体組成計から体組成パラメータに対するデータを取得することと、
III.質問票処理機器から質問票パラメータに対するデータを取得することと
によってデータセットを取得することができる。
別の実施形態において、プロセッサ部350は、
I.自律神経測定器から自律神経パラメータに対するデータを取得することと、
II.体組成計から体組成パラメータに対するデータを取得することと、
III.質問票処理機器から質問票パラメータに対するデータを取得することと、
IV.血圧計から血圧パラメータに対するデータを取得することと
によってデータセットを取得することができる。
ステップS801の後にステップS802が行われるタイミングは問わない。例えば、ステップS801でパラメータセットのうちの1つのパラメータのデータセットが取得される度に、ステップS802で、端末装置300のプロセッサ部350がデータセットを取得するようにしてもよいし、ステップS801でパラメータセットの全パラメータのデータセットが取得された後に、ステップS802で、端末装置300のプロセッサ部350がデータセットを取得するようにしてもよい。
計測機器が端末装置300によって実装される実施形態では、ステップS802は省略され得る。
ステップS803では、端末装置300のプロセッサ部350が、インターフェース部310を介して、サーバ装置100にデータセットを送信し、サーバ装置100がデータセットを受信する。サーバ装置100のプロセッサ部140は、インターフェース部100を介してデータセットを取得することになる。
ステップS802の後にステップS803が行われるタイミングは問わない。例えば、ステップS802でパラメータセットのうちの1つのパラメータのデータセットが取得される度に、ステップS803で、端末装置300のプロセッサ部350がデータセットを送信するようにしてもよいし、ステップS802でパラメータセットの全パラメータのデータセットが取得された後に、ステップS803で、端末装置300のプロセッサ部350がデータセットを送信するようにしてもよい。
例えば、自律神経パラメータを導出するための分析のために取得された画像をサーバ装置100に送信する場合には、画像が取得される度に、または他のパラメータのデータセットとは分けて、サーバ装置100に送信することが好ましい。画像は、データ容量が大きいため、通信の遅延につながり得るからである。
ステップS804では、サーバ装置100のプロセッサ部140が、データセットと被験者の健康度ポジショニングマップ上の位置とを相関させる健康関数を用いて、健康度情報を導出する。健康度情報は、健康度ポジショニングマップ上の座標(例えば、X軸の値、Y軸の値)を含む。プロセッサ部140は、例えば、処理700のステップS701~ステップS703の処理によって健康度情報を導出することができる。
ステップS805では、サーバ装置100のプロセッサ部140が、インターフェース部110を介して、端末装置300に健康度情報を送信し、端末装置300が健康度情報を受信する。端末装置300のプロセッサ部350は、インターフェース部310を介して健康度情報を受信することになる。上述した計測機器が端末装置300によって実装される実施形態では、サーバ装置100のプロセッサ部140が、インターフェース部110を介して、ステップS801で計測を行った計測機器に健康度情報を送信し、当該計測機器が、健康度情報(例えば、健康度ポジショニングマップ上の座標(例えば、X軸の値、Y軸の値))を受信することになる。
ステップS806では、端末装置300のプロセッサ部350が、被験者の健康度を、健康度情報の健康度ポジショニングマップ上の位置として表現する。健康度情報に含まれるX軸の値とY軸の値とに基づいて、健康度情報を健康度ポジショニングマップ上に示すことができる。プロセッサ部350は、例えば、表示部330に健康度ポジショニングマップを表示し、表示された健康度ポジショニングマップ上に健康度情報が示す座標をプロットすることができる。上述した計測機器が端末装置300によって実装される実施形態では、ステップS801で計測を行った計測機器が、健康度情報に含まれるX軸の値とY軸の値とに基づいて、健康度情報を健康度ポジショニングマップ上に示すことになる。
ステップS801での計測によって得られるデータが解析に時間を要しないデータであるため、端末装置300がデータセットを受信してから(または、ステップS803で端末装置300がデータセットをサーバ装置100に送信してから)ステップS806で被験者の健康度が健康度情報の健康度ポジショニングマップ上の位置として表現されるまでを所定時間内に行うことができる。所定時間は、例えば、0.01秒、0.02秒、0.05秒、0.1秒、0.2秒、0.5秒、1秒以内、3秒以内、5秒以内、10秒以内、20秒以内、30秒以内、45秒以内、1分以内、5分以内、10分以内、1時間以内、2時間以内、12時間以内、24時間以内等であり得る。これにより、ユーザは、自身の健康状態を直ちに知ることができるようになる。このような応答性の良さにより、計測に対するユーザの心理的負担を軽減することができ、ユーザの測定へのモチベーションの低下を防止することができる。
さらには、ステップS805およびステップS806では、サーバ装置100から送信される健康度情報が、少なくとも健康度ポジショニングマップ上の座標(例えば、X軸の値、Y軸の値)を含むようにすることで、所定時間をさらに短くすることができる。例えば、健康度情報を受信した端末装置300のプロセッサ部350は、その座標をポジショニングマップ上にプロットするだけで健康度情報を健康度ポジショニングマップ上に表示することができるため、端末装置300での処理が簡略化され、健康度情報の受信から表示までの時間を短縮することができる。例えば、送信される健康度情報のデータ転送量を削減することができるため、通信速度の低下を防止することができる。これにより、健康度情報を高速で送信することができるため、データ転送時間を削減することができ、健康度情報の送信にかかる時間を短縮することができる。
ステップS805で受信された健康度情報および/またはステップS806で表現された健康度ポジショニングマップ上の位置は、端末装置300のメモリ部340に記憶されることができる。
一実施形態において、ステップS805で受信された健康度情報および/またはステップS806で表現された健康度ポジショニングマップ上の位置は、例えば、他のデータの補正のために利用されることができる。他のデータは、例えば、健康状態によって変動し得るデータであり得る。例えば、他のデータは、認知力テスト、体力テスト、学力テスト等を含むテストの結果を含むがこれに限定されない。例えば、健康状態が通常よりも悪いことが理由でテストの結果が悪くなった被験者に対して、テストの結果に加点するよう補正することができる。例えば、被験者の健康状態による影響を最小限にするために、複数の被験者のうち健康度が相対的に悪い被験者に対して、テストの結果に加点するように補正することができる。
一実施形態において、ステップS806で表現された健康度ポジショニングマップ上の位置は、例えば、ネットワークに接続可能な他の機器を制御するために利用されることができる。ここで、他の機器は、ネットワークに接続可能な電気製品(いわゆる「IoT機器」)であり得る。
例えば、端末装置300のプロセッサ部350は、健康度ポジショニングマップ上の位置に基づいて、機器を制御するための命令を生成することができる。次いで、端末装置300のプロセッサ部350は、その命令をネットワークを介して機器に送信することにより、その命令に従って、機器を制御することができる。
あるいは、端末装置300のプロセッサ部350は、健康度ポジショニングマップ上の位置をネットワークを介して機器に送信する。次いで、機器は、健康度ポジショニングマップ上の位置に基づいて、機器を制御するための命令を生成することにより、その命令に従って、機器の動作を制御することができる。
ここで、機器は、例えば、エアコンである。エアコンは、健康度ポジショニングマップ上の位置に応じて、適切な室内温度および/または湿度を維持するように制御されることができる。機器は、例えば、照明である。照明は、健康度ポジショニングマップ上の位置に応じて、適切な明るさを維持するように制御されることができる。機器は、例えば、音楽プレーヤーである。音楽プレーヤーは、健康度ポジショニングマップ上の位置に応じて、適切な音楽(例えば、心身をリラックスさせる音楽、モチベーションを高める音楽等)を再生するように制御されることができる。機器は、例えば、映像プレーヤーである。映像プレーヤーは、健康度ポジショニングマップ上の位置に応じて、適切な動画(例えば、心身をリラックスさせる映像、モチベーションを高める映像等)を再生するように制御されることができる。
このような他の機器の制御は、上述したように、端末装置300がデータセットを受信してから(または、ステップS803で端末装置300がデータセットをサーバ装置100に送信してから)ステップS806で被験者の健康度が健康度情報の健康度ポジショニングマップ上の位置として表現されるまでを所定時間内に行うようにすることで、さらに有用となる。すなわち、制御に用いられる健康度ポジショニングマップ上の位置を所定時間内、特に、略リアルタイムに取得することで、被験者の現在の健康に応じたリアルタイムな制御を達成することができるようになる。
一実施形態において、端末装置300のユーザが同意をした場合には、ステップS804で導出された健康度情報は、データベース部200に格納されて、他のユーザによる研究利用に供されることができるようになる。
ステップS801~ステップSS805を少なくとも2回繰り返すことにより、少なくとも2つの健康度ポジショニングマップ上の位置を得ることができる。
ステップS806では、得られた少なくとも2つの位置を含む軌跡に基づいて、被験者の健康度を評価することができる。例えば、1回目のステップS801~ステップS805で得られた第1の位置と、所定期間経過後に、2回目のステップS801~ステップS805で得られた第2の位置とを含む軌跡をパターンマッチングすることにより、被験者の健康度を評価することができる。これは、例えば、健常者の軌跡パターンと、特定の疾患リスクを有している被験者の軌跡パターンとを学習しておくことにより、実現することができる。
ここで、所定期間は、任意の期間である。所定期間は、例えば、半日、1日、1週間、2週間、1月、3月、6か月、1年等である。例えば、所定期間を半日とすると、被験者の健康度の日内変動から、健康度を評価することになる。これは、例えば、1日の活動により、どの程度疲労が溜まったかの指標を提供することができる。例えば、所定期間を睡眠時間とすると、被験者の健康度の夜間変動から、健康度を評価することになる。これは、例えば、夜間の睡眠により、どの程度回復したかの指標を提供することができる。
上述した例では、ステップS802で、計測機器が、ステップS801で取得されたデータセットを端末装置300に送信し、ステップS803で、端末装置300のプロセッサ部350が、インターフェース部310を介して、サーバ装置100にデータセットを送信することを説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、計測機器がサーバ連動型である場合には、計測機器が、直接、サーバ装置100にデータセットを送信することができる。従って、ステップS802を省略することができる。
一実施形態において、ステップS806では、得られた少なくとも2つの位置を含む軌跡に基づいて、健康状態を向上させるためのアイテム(例えば、医薬品、飲食品、健康器具等)を評価することができる。例えば、1回目のステップS801~ステップS805で得られた第1の位置と、所定期間の間、ユーザに健康状態を向上させるためのアイテムを使用させた後に、2回目のステップS801~ステップS805で得られた第2の位置とを比較することにより、健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を特定することができる。健康状態を向上させるためのアイテムの使用による健康度ポジショニングマップ上での時系列変化は、健康状態を向上させるためのアイテムの効果が反映されており、健康状態を向上させるためのアイテムを使用しなかった場合の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化と対照することにより、健康状態を向上させるためのアイテムの効果の優劣を評価することができる。
さらには、健康状態を向上させるためのアイテムの使用による健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の方向に基づいて、ユーザに、健康状態を向上させるためのアイテムをリコメンドすることもできる。例えば、健康状態を向上させるためのアイテムは、概して、健康状態を向上させるためのアイテムの使用による健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の方向とは逆方向の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を有するユーザに効果的である。従って、ステップS806の処理によって特定されたユーザの健康度ポジショニングマップ上での時系列変化とは反対方向の時系列変化を有するアイテムをユーザにリコメンドすることができる。
一実施形態において、ステップS806は、刺激が健康状態に与える影響を評価するために利用され得る。例えば、1回目のステップS801~ステップS805で得られた第1の位置と、所定期間の間、ユーザに刺激を与えた後に、2回目のステップS801~ステップS805で得られた第2の位置とを比較することにより、健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を特定することができる。刺激を与えたことによる健康度ポジショニングマップ上での時系列変化は、刺激が健康状態に与える影響が反映されており、刺激を与えなかった場合の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化と対照することにより、刺激が健康状態に与える影響を評価することができる。
ここで、刺激は、例えば、触覚に対する刺激、嗅覚に対する刺激、視覚に対する刺激、味覚に対する刺激、聴覚に対する刺激を含むがこれらに限定されない。触覚に対する刺激は、例えば、マッサージ、ツボ押し、振動等を含み得る。嗅覚に対する刺激は、例えば、特定のにおいを嗅ぐこと等を含み得る。味覚に対する刺激は、例えば、甘味の食品を食べること、酸味の食品を食べること、塩味の食品を食べること、苦味の食品を食べること、うま味の食品を食べること等を含み得る。視覚に対する刺激は、例えば、特定の静止画を見ること、特定の動画を見ること、特定の色を見ること、特定の明るさの照明下で物を見ること等を含み得る。聴覚に対する刺激は、例えば、特定の音楽を聞くこと、騒音を聞くこと、高音(例えば、約1000Hz以上の音)を聞くこと、低音(例えば、約100Hz以下の音)を聞くこと等を含み得る。
さらには、刺激を与えたことによる健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の方向に基づいて、ユーザに、健康状態を向上させるための刺激をリコメンドすることもできる。例えば、健康状態を向上させるための刺激は、概して、刺激を与えたことによる健康度ポジショニングマップ上での時系列変化の方向とは逆方向の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を有するユーザに効果的である。従って、ステップS701~ステップS707の処理によって特定されたユーザの健康度ポジショニングマップ上での時系列変化とは反対方向の時系列変化を有する刺激をユーザにリコメンドすることができる。
一実施形態において、ステップS806は、イベントが健康状態に与える影響を評価するために利用され得る。例えば、イベント前の1回目のステップS801~ステップS805で得られた第1の位置と、イベント後に、2回目のステップS801~ステップS805で得られた第2の位置とを比較することにより、健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を特定することができる。イベントを経験したことによる健康度ポジショニングマップ上での時系列変化は、イベントが健康状態に与える影響が反映されており、イベントを経験しなかった場合の健康度ポジショニングマップ上での時系列変化と対照することにより、イベントが健康状態に与える影響を評価することができる。ここで、イベントは、例えば、感染症の流行(Covid-19等)、自然災害(例えば、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害)、残業、体験(直接的な体験または疑似的な体験(例えば、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)等を介した体験)、他者もしくは動物とのコミュニケーション等を含むが、これらに限定されない。
上述した機器を制御する実施形態では、ステップS806は、機器の制御が健康状態に与える影響を評価し、その評価を考慮して機器をさらに制御するために利用され得る。例えば、1回目のステップS801~ステップS805で得られた第1の位置と、第1の位置に応じて機器が制御された後に、2回目のステップS801~ステップS805で得られた第2の位置とに基づいて、機器を制御するための第2の命令を生成することができる。例えば、第1の位置と第2の位置とを比較することにより、健康度ポジショニングマップ上での時系列変化を特定することができる。機器を制御したことによる健康度ポジショニングマップ上での時系列変化は、機器の制御が健康状態に与える影響が反映されている。例えば、機器の制御が健康状態に与える影響が正の影響であれば、継続して機器を制御するように、第2の命令を生成し、第2の命令に従って、機器を制御することができる。例えば、機器の制御が健康状態に与える影響が負の影響であれば、機器を制御することを停止し、あるいは、逆方向の制御をするように、第2の命令を生成し、第2の命令に従って、機器を制御することができる。
例えば、機器がエアコンである場合、1回目のステップS801~ステップS805で得られた第1の位置に応じて、エアコンが、適切な室内温度を維持するように制御された後、2回目のステップS801~ステップS805で得られた第2の位置が、(1)第1の位置よりも悪い健康状態の位置に移動している場合、エアコンは、室内温度を高くするまたは低くするように制御されることができ、(2)第1の位置よりも良い健康状態の位置に移動している場合、エアコンは、室内温度を維持するように制御されることができる。
例えば、機器が照明である場合、1回目のステップS801~ステップS805で得られた第1の位置に応じて、照明が、適切な明るさを維持するように制御された後、2回目のステップS801~ステップS805で得られた第2の位置が、(1)第1の位置よりも悪い健康状態の位置に移動している場合、照明は、明るさを明るくするまたは暗くするように制御されることができ、(2)第1の位置よりも良い健康状態の位置に移動している場合、照明は、明るさを維持するように制御されることができる。
図5A、図5B、図6、図7A、図7B、図8を参照して上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われ得る。
図5A、図5B、図6、図7A、図7Bを参照して上述した例では、図5A、図5B、図6、図7A、図7Bに示される各ステップの処理は、プロセッサ部120、プロセッサ部130、またはプロセッサ部140とメモリ部150に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。図5A、図5B、図6、図7A、図7Bに示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。あるいは、図5A、図5B、図6、図7A、図7Bに示される各ステップのうちの少なくとも1つは、人がコンピュータシステムまたは計測機器を用いて行うようにしてもよい。
図8を参照して上述した例では、図8に示される各ステップの処理の一部が、端末装置300のプロセッサ部350とメモリ部340に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。図8に示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(実施例1.健康度ポジショニングマップの作成)
本実施例では、まず、720名の被験者について、健康に関する232項目の初期データを取得した。この初期データの取得は、神戸理研IIB棟において実施された。この232項目は、侵襲性検査および非侵襲性検査の両方を含んだ。次に、平均値が0であり、かつ、標準偏差が1となるように、取得した初期データの値を補正した。次に、補正したデータのうち、データ間の相関度が所定の値(具体的には、相関係数が0.9)よりも高いデータが存在する場合に当該データの1つのみを抽出する方法用いて一部のデータを抽出した。この一部のデータは、基本4パラメータについてのデータを含んでいた。なお、本実施例では、相関係数が0.9よりも高いデータが存在する場合に1つのデータを抽出していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、相関係数の値は適宜変更することができる。なお、相関係数が0.9以上とすることにより、より総合的に被験者の健康度を算出することができる健康関数を作成することができる。
抽出の結果、81項目が抽出された。この81項目が、本発明における「第1パラメータセット」に該当する。この81項目は、基本4パラメータ、基礎的パラメータ、認知機能パラメータ、主観的パラメータ、血液パラメータ、血管および皮膚パラメータ、および生活状況パラメータを含んでいた。
次に、多次元尺度法により、多次元データ(すなわち、81次元のデータ)を2次元まで下げ、2次元上に、720名のうちデータが完全にそろっていた692名分のデータをプロットした。2次元上にプロットされた692個のプロットのプロット分布パターンについて、k平均法によるクラスタリングを行い、10個のクラスターにクラスタリングした(図9B)。各クラスターに、健康に関する情報を特徴づけ、本発明の健康度ポジショニングマップを作成した。図10は、本実施例において作成した健康度ポジショニングマップを示す図である。なお、図10は実際のプロットも表示しているが、本発明の健康度ポジショニングマップは、その基となったプロットを含んでいる必要はなく、プロットのクラスタリングによって特定される領域と、その領域に関連付けられる健康に関する情報とを含んでいればよい点に留意されたい。
(実施例2.別の健康度ポジショニングマップの作成)
本実施例では、まず、1000名の被験者について、健康に関する242項目の初期データを取得した。この242項目は、侵襲性検査および非侵襲性検査の両方を含んだ。次に、242項目のデータの健康度ポジショニングマップに対する影響度を学習した学習済モデルを利用した機械学習によって、健康度ポジショニングマップに対する影響度が相対的に高い項目を抽出した。
抽出の結果、69項目が抽出された。この69項目が、本発明における「第1パラメータセット」に該当する。この69項目は、30項目の血液パラメータ、およびSOSを含んでいた。この69項目は、7の計測を通じて計測することができる項目であった。次に、抽出された69項目を用いて実施例1と同様の手法により、本発明の健康度ポジショニングマップを作成した。
(実施例3.健康関数の作成)
第1パラメータセットよりも少ない数の検査項目(第2パラメータセット)によって、実施例1において作成した健康度ポジショニングマップに適切な配置ができるような関数(健康関数)を、機械学習によって特定した。
上記のとおり図10は、本実施例における健康度ポジショニングマップである。各プロットに対応する被験者を分析したところ、図10に示すように、図10の図において左側(すなわち、-X軸側)のプロットは、相対的に年齢が若い被験者のプロットであり、右側(すなわち、+X軸側)のプロットは、相対的に年齢が高い被験者のプロットであった。図10のグループG1に含まれる被験者群は、年齢が若く、うつや不安の程度が高く、自律神経調整力が低く、また、認知課題においてエラー数が高い被験者群であった。したがって、新規にデータを測定された被験者がグループG1に属する場合、当該被験者は、メンタルヘルス疾患の未病である可能性が高い被験者であることがわかる。
また、グループG2に含まれる被験者群は、年齢が高く、血中γ-GTP・血中ALT・血中中性脂肪・血中HbA1c・血中高感度CRP値が高い被験者群であった。したがって、新規にデータを測定された被験者がグループG2に属する場合、当該被験者は、生活習慣病の未病である可能性が高い被験者であることがわかる。
また、グループG3に含まれる被験者群は、年齢が高く、血糖値が高い被験者群であった。したがって、新規にデータを測定された被験者がグループG3に属する場合、当該被験者は、糖尿病の未病である可能性が高い被験者であることがわかる。
第1関数X≦約4かつ第2関数Y≦約2の領域は概ね健康状態に問題がない健康群を示している。
以上のグループG1~G3は、本発明の健康評価装置によって評価できる数例であって、その他にもさまざまな健康リスクを評価することができる。
(実施例4.健康度ポジショニングマップを用いた健康状態の変化の観察)
実施例1で作成した健康度ポジショニングマップを用いて、被験者の健康状態の変化を観察できるかどうか検討した。還元型CoQ10を摂取する前と、3か月間摂取した後で、健康度ポジショニングマップ上でのマッピング位置を比較した。結果を図11に示す。
図11から明らかなように、比較を行った被験者において、メンタルヘルスリスク群であるグループG1から健康群へ変化している様子が観察できた。この被験者の各検査項目を精査したところ、血中CoQ10総量は増加し、疲労やうつに関するパラメータ疲労VAS、うつVAS、ChaTF11G、PSが減少していることが分かった(図12)。この結果から、還元型CoQ10が疲労解消やメンタルヘルス状態の改善に効果があり得ることが示唆されるとともに、本発明の健康度ポジショニングマップおよびそれを用いた健康評価方法によって、被験者の健康状態を追跡することができることが確認された。
(実施例5.簡易計測のための第2パラメータセットの検討)
自宅で利用可能な計測機器によって計測される別の第2パラメータセットによって、健康度ポジショニングマップに適切な配置ができるような関数を、機械学習によって特定することを試みた。
965名の被験者のデータから、76項目の第1パラメータセットを用いて健康度ポジショニングマップを作成した。半数の被験者のデータを教師データに、残りの半数の被験者のデータを得られた関数の評価用に用いた。4つの計測(体組成計測、血圧計測、自律神経機能計測、質問票計測)による19項目の第2パラメータセットによる健康関数と、3つの計測(体組成計測、自律神経機能計測、質問票計測)による18項目の第2パラメータセットによる健康関数とを作成し、予測精度の検証を行った。
4つの計測による19項目の第2パラメータセットは、2つの体組成パラメータ、1つの血圧パラメータ、5つの自律神経パラメータ、11個の質問票パラメータであった。
3つの計測による18項目の第2パラメータセットは、2つの体組成パラメータ、5つの自律神経パラメータ、11個の質問票パラメータであった。
その結果、4つの計測による19項目の第2パラメータセットによる健康関数では、X軸のR=0.9778、Y軸のR=0.9556という予測精度が得られた(図13)。また、3つの計測による18項目の第2パラメータセットによる健康関数では、X軸のR=0.9774、Y軸のR=0.9532という予測精度が得られた(図13)。簡易な計測機器による計測項目であっても、高精度に健康状態を評価することができるのは、予想外であった。
また、これらの計測項目は、骨密度パラメータおよび認知機能パラメータを含んでおらず、多くとも4つの計測機器、好ましくは、多くとも3つの計測機器、さらに好ましくは、1つの計測機器(例えば、スマートフォン)で計測可能な項目である。すなわち、これらの計測項目を用いることにより、被験者の計測負担を軽減することができ、自宅等の検査施設以外の場所を含む任意の場所で任意の時間での容易な計測を可能にする。
(実施例6.WH比を用いた解析)
実施例5と同様に、965名の被験者のデータから、76項目の第1パラメータセットを用いて健康度ポジショニングマップを作成した。実施例5と同様の条件で、2次元上にプロットされた965個のプロットのプロット分布パターンについて、k平均法によるクラスタリングを行い、10個のクラスターにクラスタリングした。
図14(a)は、健康度ポジショニングマップ上にプロットされクラスタリングされた965名のデータを示している。横軸は、身体の健康(フィジカルヘルス)に関連付けられており、横軸の値が大きいほど、身体の健康が悪いことを示している一方で、縦軸は、精神の健康(メンタルヘルス)に関連付けられており、縦軸の値が大きいほど、精神の健康が悪いことを示している。10個のクラスターのうち、第3のクラスターは、メンタルヘルス疾患リスク群として評価され、第10のクラスターは、生活習慣病リスク群として評価され、第6のクラスターおよび第9のクラスターは、生活習慣病リスクおよびメンタルヘルス疾患リスク群として評価された。
965名の被験者のデータには、WH比およびBMIが含まれていた。特に、体組成計(株式会社インボディ・ジャパン)から取得されたデータからWH比およびBMIを算出した。これらのWH比およびBMIを利用して、965名の被験者データから、BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)である被験者を特定した。BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)の肥満者は、リンゴ型肥満(腹部肥満)と呼ばれ、種々の合併症をきたしやすい肥満体型であることが知られている。図14(b)は、BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)である被験者のデータを健康度ポジショニングマップ上で強調して表している。図14(b)において、BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)である被験者のデータが黒塗り四角で表されており、それ以外の被験者のデータが白抜き円で表されている。なお、本例における健康度ポジショニングマップを作成するための第1パラメータセットには、BMIが含まれていたがWH比は含まれていなかった。
図14(c)は、BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)である被験者のそれぞれが、図14(a)に示される第1のクラスター~第10のクラスターのいずれに属するかを分析した結果を示す。BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)である被験者の割合が黒塗りで表されており、その他の被験者の割合が斜線で表されている。BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)である被験者は、第9のクラスターに最も多く分類されており、40%近くの被験者が、BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)であった。第9のクラスターは上述したとおり、生活習慣病リスクおよびメンタルヘルス疾患リスク群として評価されたクラスターである。次いで、クラスター10およびクラスター8にBMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)は多く属しており、その次がクラスター6であった。
リンゴ型肥満(腹部肥満)の肥満者(すなわち、BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)である被験者)であるほど、フィジカルヘルスが悪いという知見が既知である。図14(c)に示される結果はこの知見と整合するものであった。BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)である被験者は、フィジカルヘルスが良好な被験者が分類されているクラスター(例えば、クラスター1~5)よりも、フィジカルヘルスが悪い被験者が分類されているクラスター(例えば、クラスター6~10)の方に多く分布したからである。このように、本実施例において作成された健康度ポジショニングマップによる結果が、リンゴ型肥満(腹部肥満)の肥満者に関する事実と一致していることから、本実施例において作成された健康度ポジショニングマップは、被験者の健康度を適切に表現できるものであると考えられる。
さらに、本実施例において作成された健康度ポジショニングマップは、健康度ポジショニングマップを作成するための第1パラメータセットとして用いられていなかったパラメータ(WH比)を用いた解析に利用することができた。これは、簡易計測のための第2パラメータが必ずしも第1パラメータの一部である必要がなく、簡易計測のための第2パラメータが第1パラメータの一部でなくとも解析が可能であることを示唆している。
さらに、図14(c)に示されるように、フィジカルヘルスとメンタルヘルスの双方が悪い被験者のクラスターに、BMIが25以上であり、かつ、WH比が1.0以上(男性)または0.9以上(女性)である被験者が多い傾向が観察された。リンゴ型肥満(腹部肥満)がフィジカルヘルスのみならず、メンタルヘルスにも関連し得ることは新たな知見であって、予想外の知見であった。この新たな知見に基づいて、例えば、体型の見た目のみから、あるいは、体組成計測の結果のみから、リンゴ型肥満(腹部肥満)の被験者に、フィジカルヘルスのみならず、メンタルヘルスも悪い可能性があることを認識させ、メンタルヘルスも改善するように促すことができる。