JP7830181B2 - 電池状態推定装置及び電池状態推定方法 - Google Patents

電池状態推定装置及び電池状態推定方法

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Description

本発明は、二次電池の状態を推定する電池状態推定装置およびその推定方法に関する。
近年、充電が可能なリチウムイオン電池が携帯用通信端末や携帯用電動工具等の比較的小型の機器から、住宅設備用途等の大型の機器まで幅広い分野で使用されている。そして、特に大型の接続機器で使用するリチウムイオン電池では二次電池の状態情報としてのSOC(充電率:State of Charge)を、二次電池の電流値等から推定充電率SOC’として間接的に算出することが行われている。この推定充電率SOC’の算出方法としては、二次電池の電流積算値ΔAhと、二次電池の新品時の電池容量(BOL:Beginning of Life:基準総容量Ah(0))とから、下記(A)式に基づいて充電率の変化量ΔSOCを算出し、この充電率の変化量ΔSOCから下記(A’)式に基づいて推定充電率SOC’を算出することが一般的に用いられている。尚、SOC(0)は基準点となる充電率であり、システムの起動時点の二次電池の電圧を開回路電圧OCVとしてOCV-SOC特性に基づいて取得される。
ΔSOC=ΔAh/Ah(0)・・・(A)
SOC’=SOC(0)+ΔSOC ・・・(A’)
しかしながら、二次電池の電池容量は劣化により減少するため、劣化を考慮していない基準総容量Ah(0)を用いてΔSOCを算出すると、ΔSOCは真の値よりも小さくなる。この場合、推定充電率SOC’は真値よりもSOC(0)からの変化幅が小さな値となり、このような誤った状態情報に基づいて二次電池の充放電の制御を行うと二次電池の劣化を速める他、様々な不具合の原因となる。
この問題点に関し、下記[特許文献1]には2点の開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)に対応した充電率SOCと、この2点間の電流積算値ΔAhとから、劣化により減少した二次電池の電池容量を推定する発明が開示されている。
特開2003-224901号公報
ただし、ΔSOCが変化する要因には電池容量の低下に加え、電流積算値ΔAhの基となる電流取得手段(電流センサ等)の測定誤差(主にゲイン誤差及びオフセット誤差)が考えられる。しかしながら、[特許文献1]に記載の発明のように2点間の開回路電圧OCVに基づいた推定方法では、電池容量の低下及び電流取得手段のゲイン誤差と電流取得手段のオフセット誤差とが判別できず、全て電池容量の低下として算出される。しかしながら、特にオフセット誤差が電池容量の低下として算出された場合、二次電池の充電時と放電時とで補正値が異なることとなり、動作安定性と連続性に問題が生じる可能性が有る。また、正確な推定充電率SOC’を得ることができないという問題点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、二次電池の容量低下及び電流取得手段のゲイン誤差と電流取得手段のオフセット誤差とを区別して補正値を算出し、より正確な推定充電率SOC’を算出することが可能な二次電池の電池状態推定装置及び電池状態推定方法の提供を目的とする。
本発明は、
(1)システムに電力供給を行う充電可能な二次電池10の推定充電率SOC’を算出する電池状態推定装置であって、
前記二次電池10の電流値を取得する電流取得部30と、前記電流取得部30が取得した電流値に基づいて前記二次電池10の電流積算値ΔAhを算出する電流積算値算出部32と、前記二次電池10の電圧値を取得する電圧取得部34と、
前記電圧取得部34が取得した電圧値に基づいて少なくとも1つ以上の基準点の開回路電圧と、少なくとも1つの前記基準点よりも充電方向に位置する充電点の開回路電圧OCV(+)と、少なくとも1つの前記基準点よりも放電方向に位置する放電点の開回路電圧OCV(-)とを取得し、さらに少なくとも1つの前記基準点の開回路電圧、充電点の開回路電圧OCV(+)、放電点の開回路電圧OCV(-)と対応した少なくとも1つの基準点の充電率、充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得するOCV-SOC取得部42と、
前記電流積算値算出部32から入力した電流積算値ΔAhに基づいて、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした充電点の電流積算値ΔAh(+)と、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした放電点の電流積算値ΔAh(-)とをそれぞれ取得するとともに、取得した充電点の電流積算値ΔAh(+)に基づいて第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、取得した放電点の電流積算値ΔAh(-)に基づいて第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、また、前記OCV-SOC取得部42から取得した少なくとも1つの基準点の充電率、充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)に基づいて、第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出するΔSOC算出部52と、
前記ΔSOC算出部52が算出した前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)との比率に基づいて充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)との比率に基づいて放電側補正値K(-)を算出する補正係数算出部54と、
前記補正係数算出部54が算出した充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とがそれぞれ1より大きいか小さいかを判定し、その判定結果に応じて推定充電率SOC’の算出方法を選択する判定部56と、
前記判定部56で、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1未満もしくは、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1より大きいと判定された場合、前記充電側補正値K(+)と前記放電側補正値K(-)とに基いて補正値K’(n)を算出するとともに、前記補正値K’(n)に基づいて容量補正値K(n)を設定する補正係数設定部57と、
前記補正係数設定部57が設定した容量補正値K(n)に基づいて二次電池10の総容量Ah(n-1)を補正して総容量Ah(n)を算出する容量補正部58と、
前記容量補正部58が算出した総容量Ah(n)に基づいて前記推定充電率SOC’を算出する推定充電率算出部60と、を有することを特徴とする電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)ΔSOC算出部52が、二次電池10の総容量Ah(n-1)と充電点の電流積算値ΔAh(+)とに基づいて下記(1)式により第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、前記二次電池10の総容量Ah(n-1)と放電点の電流積算値ΔAh(-)とに基づいて下記(1’)式により第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、
ΔSOC1(+)=ΔAh(+)/Ah(n-1)・・・(1)
ΔSOC1(-)=ΔAh(-)/Ah(n-1)・・・(1’)
また、少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2’’)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、
少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’’’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0)|・・・(2)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0)|・・・(2’)
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0’)|・・・(2’’)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0’)|・・・(2’’’)
補正係数算出部54が、前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)とに基づいて下記(3)式により充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)とに基づいて下記(3’)式により放電側補正値K(-)を算出することを特徴とする上記(1)記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
K(+)=ΔSOC1(+)/ΔSOC2(+)・・・(3)
K(-)=ΔSOC1(-)/ΔSOC2(-)・・・(3’)
(3)複数の充電点もしくは複数の放電点を取得した場合に、
OCV-SOC取得部42はそれぞれの充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得するとともに、
ΔSOC算出部52は、それぞれの充電点もしくは放電点に対して個別にΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を算出し、
補正係数算出部54は、前記(3)式、(3’)式に基づいて、それぞれの充電点もしくは放電点の暫定充電側補正値、暫定放電側補正値を個別に算出した上で、これら暫定充電側補正値、暫定放電側補正値の充電点もしくは放電点ごとの平均値を充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)とすることを特徴とする上記(2)記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(4)システムに電力供給を行う充電可能な二次電池10の推定充電率SOC’を算出する電池状態推定装置であって、
前記二次電池10の電流値を取得する電流取得部30と、前記電流取得部30が取得した電流値に基づいて前記二次電池10の電流積算値ΔAhを算出する電流積算値算出部32と、前記二次電池10の電圧値を取得する電圧取得部34と、
前記電圧取得部34が取得した電圧値に基づいて少なくとも1つ以上の基準点の開回路電圧と、少なくとも1つの前記基準点よりも充電方向に位置する充電点の開回路電圧OCV(+)と、少なくとも1つの前記基準点よりも放電方向に位置する放電点の開回路電圧OCV(-)とを取得し、さらに少なくとも1つの前記基準点の開回路電圧、充電点の開回路電圧OCV(+)、放電点の開回路電圧OCV(-)と対応した少なくとも1つの基準点の充電率、充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得するOCV-SOC取得部42と、
前記電流積算値算出部32から入力した電流積算値ΔAhに基づいて、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした充電点の電流積算値ΔAh(+)と、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした放電点の電流積算値ΔAh(-)とをそれぞれ取得するとともに、取得した充電点の電流積算値ΔAh(+)に基づいて第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、取得した放電点の電流積算値ΔAh(-)に基づいて第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、また、前記OCV-SOC取得部42から取得した少なくとも1つの基準点の充電率、充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)に基づいて、第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出するΔSOC算出部52と、
前記ΔSOC算出部52が算出した前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)との比率に基づいて充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)との比率に基づいて放電側補正値K(-)を算出する補正係数算出部54と、
前記補正係数算出部54が算出した充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とがそれぞれ1より大きいか小さいかを判定し、その判定結果に応じて推定充電率SOC’の算出方法を選択する判定部56と、
前記判定部56で、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の一方が1より小さく、他方が1より大きいと判定された場合、過去の容量補正値K(n-1)を容量補正値K(n)に設定する補正係数設定部57と、
前記補正係数設定部57が設定した容量補正値K(n)に基づいて二次電池の総容量Ah(n-1)を補正して総容量Ah(n)を算出する容量補正部58と、
前記ΔSOC1(+)、SOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)の値に基づいてSOC補正値K(soc)を設定するSOC補正部59と、
前記総容量Ah(n)と前記SOC補正値K(soc)に基づいて前記推定充電率SOC’を算出する推定充電率算出部60と、を有することを特徴とする電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(5)ΔSOC算出部52が、二次電池10の総容量Ah(n-1)と充電点の電流積算値ΔAh(+)とに基づいて下記(1)式により第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、前記二次電池10の総容量Ah(n-1)と放電点の電流積算値ΔAh(-)とに基づいて下記(1’)式により第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、
ΔSOC1(+)=ΔAh(+)/Ah(n-1)・・・(1)
ΔSOC1(-)=ΔAh(-)/Ah(n-1)・・・(1’)
また、少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2’’)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、
少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’’’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0)|・・・(2)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0)|・・・(2’)
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0’)|・・・(2’’)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0’)|・・・(2’’’)
補正係数算出部54が、前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)とに基づいて下記(3)式により充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)とに基づいて下記(3’)式により放電側補正値K(-)を算出することを特徴とする上記(4)記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
K(+)=ΔSOC1(+)/ΔSOC2(+)・・・(3)
K(-)=ΔSOC1(-)/ΔSOC2(-)・・・(3’)
(6)複数の充電点もしくは複数の放電点を取得した場合に、
OCV-SOC取得部42はそれぞれの充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得するとともに、
ΔSOC算出部52は、それぞれの充電点もしくは放電点に対して個別にΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を算出し、
補正係数算出部54は、前記(3)式、(3’)式に基づいて、それぞれの充電点もしくは放電点の暫定充電側補正値、暫定放電側補正値を個別に算出した上で、これら暫定充電側補正値、暫定放電側補正値の充電点もしくは放電点ごとの平均値を充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)とすることを特徴とする上記(5)記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(7)補正係数設定部57が、1よりも小さい補正下限値K(min)を有し、補正値K’(n)が補正下限値K(min)よりも小さい場合には、補正下限値K(min)を容量補正値K(n)として設定することを特徴とする上記(1)乃至上記(3)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(8)補正係数設定部57が軽減係数Aを有し、前記軽減係数Aと1つ前の容量補正値K(n-1)とから下記(4’)式に基づいて容量補正値K(n)を算出することを特徴とする上記(1)乃至上記(3)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
K(n)=(1-A×(1-K’(n)))×K(n-1)・・・(4’)
(9)SOC補正部59が、|ΔSOC2(+)-ΔSOC1(+)|の値及び|ΔSOC2(-)-ΔSOC1(-)|の値に基づいてSOC補正値K(soc)を設定することを特徴とする上記(4)乃至上記(6)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(10)SOC補正部59が、|ΔSOC2(+)-ΔSOC1(+)|の値及び|ΔSOC2(-)-ΔSOC1(-)|の値の平均値をSOC補正値K(soc)とすることを特徴とする上記(9)記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(11)基準点の開回路電圧OCV(0)、充電点の開回路電圧OCV(+)、放電点の開回路電圧OCV(-)のうち少なくとも1つに、システム起動時の二次電池10の開回路電圧を用いることを特徴とする上記(1)乃至上記(10)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(12)判定部56が充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1よりも大きいと判定した場合、補正係数設定部57が下記(4’’)式に基づいて、前記充電側補正値K(+)と前記放電側補正値K(-)との平均値に1つ前の容量補正値K(n-1)を乗じた値を容量補正値K(n)として設定することを特徴とする上記(1)乃至上記(11)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
K(n)=((K(+)+K(-))/2)×K(n-1)・・・(4’’)
(13)容量補正部58が、下記(7)式に基づいて総容量Ah(n-1)を補正し総容量Ah(n)を算出することを特徴とする上記(1)乃至上記(12)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
Ah(n)=Ah(n-1)×K(n)・・・(5)
(14)OCV-SOC取得部42が取得した充電点もしくは放電点が、基準点の上下に設定された所定の閾値の範囲を超えた場合に、この点を充電点もしくは放電点として設定することを特徴とする上記(1)乃至上記(13)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(15)電流取得部30からの電流値が予め設定された所定の時間、ゼロ近傍の予め設定された所定の電流ゼロ状態を継続した場合に、OCV-SOC取得部42に対し開回路電圧の取得を許可する緩和状態判定部56をさらに有することを特徴とする上記(1)乃至上記(14)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(16)補正後の総容量Ah(n)を適用した後、再度、容量補正値K(n+1)を算出することを特徴とする上記(1)乃至上記(15)のいずれかに記載の電池状態推定装置80。
(17)1回のシステムの稼働期間における容量補正値K(n)の算出動作の回数に上限を設けることを特徴とする上記(16)記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(18)システムオフ時点に適用されていた容量補正値K(n-1)を少なくとも記録する記録部55をさらに有し、
システムの起動時には、前記記録部55に記録されている前記容量補正値K(n-1)を読み出して、前記容量補正値K(n-1)を容量補正値K(n)とし、下記(5’)式に基づいて初回の総容量Ah(n)を算出することを特徴とする上記(1)乃至上記(17)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
Ah(n)=Ah(0)×K(n)・・・(5’)
(19)システムオフ時点に適用されていた容量補正値K(n-1)とそのときの基準点の充電率SOC(0)’と前回のシステム起動からシステムオフ時点までの全ての期間の電流積算値ΔAh(total)とを少なくとも記録する記録部55をさらに有し、
システムの起動時には、起動時の開回路電圧OCV(0)から充電率SOC(0)を取得するとともに、前記記録部55に記録されている基準点の充電率SOC(0)’と前記電流積算値ΔAh(total)とを読み出して、
前記電流積算値ΔAh(total)がシステムオフ時点の基準点に対して充電側に位置するか放電側に位置するかを判別した上で前記電流積算値ΔAh(total)に基づいてΔSOC1(+)もしくはΔSOC1(-)を算出し、
前記充電率SOC(0)’と充電率SOC(0)とに基づいてΔSOC2(+)もしくはΔSOC2(-)を算出し、充電側補正値K(+)もしくは放電側補正値K(-)のいずれか一方を算出することを特徴とする上記(1)乃至上記(17)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(20)二次電池10の内部抵抗と電池容量の関係を記録したデータマッピングをさらに有し、
電圧取得部34の取得した電圧値と電流取得部30が取得した電流値とから二次電池10の推定内部抵抗値を算出し、前記推定内部抵抗値と対応する電池容量を前記データマッピングから取得して、前記電池容量が容量低下を示し且つ、判定部56が充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1未満と判定した場合に総容量Ah(n)を算出することを特徴とする上記(1)乃至上記(19)のいずれかに記載の電池状態推定装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(21)システムに電力供給を行う充電可能な二次電池10の推定充電率SOC’を算出する電池状態推定方法であって、
前記二次電池10の電流値を取得する電流取得ステップと、
前記電流取得ステップで取得した電流値に基づいて前記二次電池10の電流積算値ΔAhを算出する電流積算値算出ステップと、
前記二次電池10の電圧値を取得する電圧取得ステップと、
前記電圧取得ステップで取得した電圧値に基づいて少なくとも1つ以上の基準点の開回路電圧と、少なくとも1つの前記基準点よりも充電方向に位置する充電点の開回路電圧OCV(+)と、少なくとも1つの前記基準点よりも放電方向に位置する放電点の開回路電圧OCV(-)とを取得する開回路電圧取得ステップと、
前記開回路電圧取得ステップで取得した少なくとも1つの基準点の開回路電圧と、充電点の開回路電圧OCV(+)と、放電点の開回路電圧OCV(-)とにそれぞれ対応した少なくとも1つの基準点の充電率と、充電点の充電率SOC(+)と、放電点の充電率SOC(-)とを取得する充電率取得ステップと、
前記電流積算値算出ステップで取得した電流積算値ΔAhに基づいて、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした充電点の電流積算値ΔAh(+)と、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした放電点の電流積算値ΔAh(-)とをそれぞれ取得する充放電電流積算値取得ステップと、
前記充放電電流積算値取得ステップで得られた充電点の電流積算値ΔAh(+)に基づいて第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、放電点の電流積算値ΔAh(-)に基づいて、第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出する第1の充電率変化量算出ステップと、
前記充電率取得ステップで得られた少なくとも1つの基準点の充電率と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出する第2の充電率変化量算出ステップと、
前記第1の充電率変化量算出ステップと前記第2の充電率変化量算出ステップにより得られた前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)との比率に基づいて充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)との比率に基づいて放電側補正値K(-)を算出する補正係数算出ステップと、
前記補正係数算出ステップで算出した充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とがそれぞれ1より大きいか小さいかを判定し、その判定結果に応じて推定充電率SOC’の算出方法を選択する判定ステップと、
前記判定ステップで充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1未満もしくは、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1より大きいと判定された場合、前記充電側補正値K(+)と前記放電側補正値K(-)とに基いて補正値K’(n)を算出するとともに、前記補正値K’(n)に基づいて容量補正値K(n)を設定する補正係数設定ステップと、
前記補正係数設定ステップで設定された容量補正値K(n)に基づいて二次電池の総容量Ah(n-1)を補正して総容量Ah(n)を算出する容量値補正ステップと、
前記容量値補正ステップで算出された総容量Ah(n)に基づいて前記推定充電率SOC’を算出する推定充電率算出ステップと、を有することを特徴とする電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(22)第1の充電率変化量算出ステップが、二次電池10の総容量Ah(n-1)と充電点の電流積算値ΔAh(+)とに基づいて下記(1)式により第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、前記二次電池10の総容量Ah(n-1)と放電点の電流積算値ΔAh(-)とに基づいて下記(1’)式により第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、
ΔSOC1(+)=ΔAh(+)/Ah(n-1)・・・(1)
ΔSOC1(-)=ΔAh(-)/Ah(n-1)・・・(1’)
第2の充電率変化量算出ステップが、少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2’’)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、
少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’’’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0)|・・・(2)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0)|・・・(2’)
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0’)|・・・(2’’)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0’)|・・・(2’’’)
補正係数算出ステップが、前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)とに基づいて下記(3)式により充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)とに基づいて下記(3’)式により放電側補正値K(-)を算出することを特徴とする上記(21)記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
K(+)=ΔSOC1(+)/ΔSOC2(+)・・・(3)
K(-)=ΔSOC1(-)/ΔSOC2(-)・・・(3’)
(23)開回路電圧取得ステップが、複数の充電点もしくは複数の放電点を取得した場合に、充電率取得ステップはそれぞれの充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得し、
充電率変化量算出ステップは、それぞれの充電点もしくは放電点に対して個別にΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を算出し、
補正係数算出ステップは、前記(3)式、(3’)式に基づいて、それぞれの充電点もしくは放電点の暫定充電側補正値、暫定放電側補正値を個別に算出した上で、これら暫定充電側補正値、暫定放電側補正値の充電点もしくは放電点ごとの平均値を充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)とすることを特徴とする上記(22)記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(24)システムに電力供給を行う充電可能な二次電池10の推定充電率SOC’を算出する電池状態推定方法であって、
前記二次電池10の電流値を取得する電流取得ステップと、
前記電流取得ステップで取得した電流値に基づいて前記二次電池10の電流積算値ΔAhを算出する電流積算値算出ステップと、
前記二次電池10の電圧値を取得する電圧取得ステップと、
前記電圧取得ステップで取得した電圧値に基づいて少なくとも1つ以上の基準点の開回路電圧と、少なくとも1つの前記基準点よりも充電方向に位置する充電点の開回路電圧OCV(+)と、少なくとも1つの前記基準点よりも放電方向に位置する放電点の開回路電圧OCV(-)とを取得する開回路電圧取得ステップと、
前記開回路電圧取得ステップで取得した少なくとも1つの基準点の開回路電圧と、充電点の開回路電圧OCV(+)と、放電点の開回路電圧OCV(-)とにそれぞれ対応した少なくとも1つの基準点の充電率と、充電点の充電率SOC(+)と、放電点の充電率SOC(-)とを取得する充電率取得ステップと、
前記電流積算値算出ステップで取得した電流積算値ΔAhに基づいて、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした充電点の電流積算値ΔAh(+)と、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした放電点の電流積算値ΔAh(-)とをそれぞれ取得する充放電電流積算値取得ステップと、
前記充放電電流積算値取得ステップで得られた充電点の電流積算値ΔAh(+)に基づいて第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、放電点の電流積算値ΔAh(-)に基づいて、第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出する第1の充電率変化量算出ステップと、
前記充電率取得ステップで得られた少なくとも1つの基準点の充電率と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出する第2の充電率変化量算出ステップと、
前記第1の充電率変化量算出ステップと前記第2の充電率変化量算出ステップにより得られた前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)との比率に基づいて充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)との比率に基づいて放電側補正値K(-)を算出する補正係数算出ステップと、
前記補正係数算出ステップで算出した充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とがそれぞれ1より大きいか小さいかを判定し、その判定結果に応じて推定充電率SOC’の算出方法を選択する判定ステップと、
前記判定ステップで、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の一方が1より小さく、他方が1より大きいと判定された場合、
過去の容量補正値K(n-1)に基づいて容量補正値K(n)を設定する補正係数設定ステップと、
前記補正係数設定ステップで設定された容量補正値K(n)に基づいて二次電池10の総容量Ah(n-1)を補正して総容量Ah(n)を算出する容量値補正ステップと、
前記ΔSOC1(+)、SOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)の値に基づいてSOC補正値K(soc)を設定するSOC補正値設定ステップと、
前記容量値補正ステップで算出された総容量Ah(n)と前記SOC補正値設定ステップで設定されたSOC補正値K(soc)に基づいて前記推定充電率SOC’を算出する推定充電率算出ステップと、を有することを特徴とする電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(25)第1の充電率変化量算出ステップが、二次電池10の総容量Ah(n-1)と充電点の電流積算値ΔAh(+)とに基づいて下記(1)式により第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、前記二次電池10の総容量Ah(n-1)と放電点の電流積算値ΔAh(-)とに基づいて下記(1’)式により第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、
ΔSOC1(+)=ΔAh(+)/Ah(n-1)・・・(1)
ΔSOC1(-)=ΔAh(-)/Ah(n-1)・・・(1’)
第2の充電率変化量算出ステップが、少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2’’)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、
少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’’’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0)|・・・(2)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0)|・・・(2’)
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0’)|・・・(2’’)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0’)|・・・(2’’’)
補正係数算出ステップが、前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)とに基づいて下記(3)式により充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)とに基づいて下記(3’)式により放電側補正値K(-)を算出することを特徴とする上記(24)記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
K(+)=ΔSOC1(+)/ΔSOC2(+)・・・(3)
K(-)=ΔSOC1(-)/ΔSOC2(-)・・・(3’)
(26)開回路電圧取得ステップが、複数の充電点もしくは複数の放電点を取得した場合に、充電率取得ステップはそれぞれの充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得し、
充電率変化量算出ステップは、それぞれの充電点もしくは放電点に対して個別にΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を算出し、
補正係数算出ステップは、前記(3)式、(3’)式に基づいて、それぞれの充電点もしくは放電点の暫定充電側補正値、暫定放電側補正値を個別に算出した上で、これら暫定充電側補正値、暫定放電側補正値の充電点もしくは放電点ごとの平均値を充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)とすることを特徴とする上記(25)記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(27)補正係数設定ステップが、1よりも小さい補正下限値K(min)よりも補正値K’(n)が小さい場合には、補正下限値K(min)を容量補正値K(n)として設定することを特徴とする上記(21)乃至上記(23)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(28)補正係数設定ステップが、1よりも小さい軽減係数Aと1つ前の容量補正値K(n-1)とから下記(4’)式に基づいて容量補正値K(n)を算出することを特徴とする上記(21)乃至上記(23)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
K(n)=(1-A×(1-K’(n)))×K(n-1)・・・(4’)
(29)SOC補正値設定ステップが、|ΔSOC2(+)-ΔSOC1(+)|の値及び|ΔSOC2(-)-ΔSOC1(-)|の値に基づいてSOC補正値K(soc)を設定することを特徴とする上記(24)乃至上記(26)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(30)SOC補正値設定ステップが、|ΔSOC2(+)-ΔSOC1(+)|の値及び|ΔSOC2(-)-ΔSOC1(-)|の値の平均値をSOC補正値K(soc)とすることを特徴とする上記(29)に記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(31)開回路電圧取得ステップが、基準点の開回路電圧OCV(0)、充電点の開回路電圧OCV(+)、放電点の開回路電圧OCV(-)のうち少なくとも1つに、システム起動時の二次電池10の開回路電圧を用いることを特徴とする上記(21)乃至上記(30)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(32)判定ステップで、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1よりも大きいと判定された場合、補正係数設定ステップが下記(4’’)式に基づいて、前記充電側補正値K(+)と前記放電側補正値K(-)との平均値に1つ前の容量補正値K(n-1)を乗じた値を容量補正値K(n)として設定することを特徴とする上記(21)乃至上記(31)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
K(n)=((K(+)+K(-))/2)×K(n-1)・・・(4’’)
(33)容量値補正ステップが、下記(5)式に基づいて総容量Ah(n-1)を補正し総容量Ah(n)を算出することを特徴とする上記(21)乃至上記(32)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
Ah(n)=Ah(n-1)×K(n)・・・(5)
(34)開回路電圧取得ステップが、取得した充電点もしくは放電点が基準点の上下に設定された所定の閾値の範囲を超えた場合に、この点を充電点もしくは放電点として設定することを特徴とする上記(21)乃至上記(33)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(35)開回路電圧取得ステップが、電流取得部30からの電流値が予め設定された所定の時間、ゼロ近傍の予め設定された所定の電流ゼロ状態を継続した場合に、開回路電圧を取得する緩和状態待機ステップをさらに有することを特徴とする上記(21)乃至上記(34)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(36)補正後の総容量Ah(n)を適用した後、再度、容量補正値K(n+1)を算出することを特徴とする上記(21)乃至上記(35)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(37)1回のシステムの稼働期間における容量補正値K(n)の算出動作の回数に上限を設けることを特徴とする上記(36)記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(38)システムオフ時点で適用中の容量補正値K(n-1)を少なくとも記録する記録ステップと、
システムの起動時に実行される初期補正値算出ステップと、をさらに有し、
前記初期補正値算出ステップは、前記記録ステップで記録された前記容量補正値K(n-1)を読み出して、前記容量補正値K(n-1)を容量補正値K(n)とし、下記(5’)式に基づいて初回の総容量Ah(n)を算出することを特徴とする上記(21)乃至上記(37)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
Ah(n)=Ah(0)×K(n)・・・(5’)
(39)システムオフ時点に適用されていた容量補正値K(n-1)とそのときの基準点の充電率SOC(0)’と前回のシステム起動からシステムオフ時点までの全ての期間の電流積算値ΔAh(total)とを少なくとも記録する記録ステップをさらに有し、
システムの起動時には、起動時の開回路電圧OCV(0)から充電率SOC(0)を取得するとともに、前記記録ステップで記録された基準点の充電率SOC(0)’と前記電流積算値ΔAh(total)とを読み出して、
前記電流積算値ΔAh(total)がシステムオフ時点の基準点に対して充電側に位置するか放電側に位置するかを判別した上で前記電流積算値ΔAh(total)に基づいてΔSOC1(+)もしくはΔSOC1(-)を算出し、
前記充電率SOC(0)’と充電率SOC(0)とに基づいてΔSOC2(+)もしくはΔSOC2(-)を算出し、充電側補正値K(+)もしくは放電側補正値K(-)のいずれか一方を算出することを特徴とする上記(21)乃至上記(37)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(40)二次電池10の内部抵抗と電池容量の関係を記録したデータマッピングを備えるとともに、
電圧取得ステップで取得した電圧値と電流取得ステップで取得した電流値とから二次電池10の推定内部抵抗値を算出する内部抵抗算出ステップと、
前記内部抵抗算出ステップで算出した推定内部抵抗値と対応する電池容量を前記データマッピングから取得する電池容量取得ステップと、
前記電池容量取得ステップが取得した電池容量が容量低下を示すか否かを判定する容量低下判定ステップと、をさらに有し、
前記容量低下判定ステップにて前記電池容量取得ステップで取得した電池容量が容量低下を示し、且つ判定ステップにて充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1未満と判定した場合に総容量Ah(n)を算出することを特徴とする上記(21)乃至上記(39)のいずれかに記載の電池状態推定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係る電池状態推定装置及び電池状態推定方法は、基準点、充電点、放電点の少なくとも3点以上の開回路電圧に基づく充電率SOC(0)、SOC(+)、SOC(-)の変化量と、これら基準点、充電点、放電点に対応した少なくとも2区間以上の電流積算値ΔAh(+)、ΔAh(-)とに基づく充電率の変化量との比率に基づいて充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)を算出する。そして、充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)の双方がともに1未満の場合、ともに1よりも大きい場合、一方のみが1未満の場合、のそれぞれに対応した方法で補正を行う。これにより、二次電池の電池容量の低下及び電流取得手段のゲイン誤差に対する補正と、電流取得手段のオフセット誤差に対する補正とを区別して行うことが可能であり、双方に対応した補正を適切に行うことができる。そして、より正確な推定充電率SOC’を算出することができる。
本発明に係る電池状態推定装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明に係る電池状態推定方法のフローチャートである。 本発明に係る電池状態推定方法のフローチャートである。 本発明に係る電池状態推定方法のフローチャートである。 基準点を複数有する場合の本発明に係る電池状態推定方法を説明する図である。 電流値と電流積算値を説明する図である。 オフセット誤差とΔSOC1、ΔSOC2の関係を説明する図である。
本発明に係る電池状態推定装置80及び電池状態推定方法について図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る電池状態推定装置80の概略構成を示すブロック図である。先ず、本発明に係る電池状態推定装置80は、負荷1の電力源として用いる二次電池10の状態を推定するものであり、この二次電池10の電池電圧Vや電流値I等の情報を取得する電池情報取得部20と、この電池情報取得部20からの情報に基づいて充電率SOCを取得する充電率取得部40と、この充電率取得部40が取得した少なくとも3点の充電率SOC(SOC(0)、SOC(+)、SOC(-))と電池情報取得部20から取得した電流積算値ΔAh(ΔAh(+)、ΔAh(-))とに基づいて容量補正値K(n)もしくはSOC補正値K(soc)を設定するとともに、この容量補正値K(n)に基づいて総容量Ah(n)を算出する補正値設定部50と、この補正値設定部50が算出した総容量Ah(n)とSOC補正値K(soc)とに基づいて推定充電率SOC’を算出する推定充電率算出部60と、を有している。尚、本発明に係る電池状態推定装置80は、上記の構成の他に、SOP(充放電許容電力:State of Power)、SOH(劣化率:State of Health)等の他の電池状態情報を取得もしくは算出する周知の構成を有していても良い。
次に、本発明に係る電池状態推定装置80の各部の詳細な構成と動作及び本発明に係る電池状態推定方法に関して説明を行う。ここで、図2~図4は本発明に係る電池状態推定方法のフローチャートである。尚、ここでは二次電池10を備え太陽光パネルを外部電力源7として有する太陽光発電システムと、二次電池10を備え使用時にのみシステムを起動する電気機械機器を例に説明を行うが、本発明はこれに限定される訳ではなく、二次電池10を有する全ての機械機器、設備等に適用が可能である。
先ず、本発明に係る電池状態推定装置80を備えたシステムは、電池状態推定装置80と、充電可能な二次電池10と、システム全体を制御するシステム制御部5と、例えば太陽光パネルや商用電力等の外部電力源7と、二次電池10もしくは外部電力源7からの電力供給によって動作する接続機器としての負荷1と、二次電池10への充電や負荷1への電力供給を双方に適した電力に変換して行う電力変換器3と、電池状態推定装置80が出力する推定充電率SOC’等の電池状態情報に基づいて所定の動作を行う図示しない動作部と、を有している。
また、電池状態推定装置80の電池情報取得部20は、二次電池10に設置された電流センサ等の周知の電流取得手段30aと、この電流取得手段30aの出力から二次電池10の充放電時の電流値Iを取得する電流取得部30と、この電流取得部30が取得した電流値Iに基づいて二次電池10の電流積算値ΔAhを算出する電流積算値算出部32と、二次電池10に設置された電圧センサ等の周知の電圧取得手段34aと、この電圧取得手段34aの出力から二次電池10の電池電圧Vを取得する電圧取得部34と、を有している。尚、電流取得手段30aとしては、非接触で電流値の測定が可能なホール素子を用いた電流センサの他、周知の電流取得手段を用いることができる。また、電圧取得部34は二次電池10が組電池の場合、電圧取得手段34aを組電池の両端に設置して直接電池電圧Vを取得するようにしても良いし、電圧取得手段34aを組電池を構成する各セルに設置して各セルの電圧値を個別に取得し電圧取得部34がこれらを合算して二次電池10の電池電圧Vとしても良い。また、電池情報取得部20はサーミスタなどの周知の温度取得手段12aを介して二次電池10の電池温度Tを取得する温度取得部12をさらに有していても良い。尚、この温度取得部12は二次電池10の異常な発熱を感知する保護装置のものと兼用するようにしても良い。そして、電池情報取得部20は基本的にシステムの稼働中には常時動作して、二次電池10の電池電圧V、電流積算値ΔAh(電流値I)、電池温度Tを取得し充電率取得部40に出力する。
また、充電率取得部40は、二次電池10の開回路電圧OCVと対応した充電率SOCが例えばテーブルデータとして記録されているSOC記憶部44と、二次電池10の開回路電圧OCVを得るとともにSOC記憶部44を参照してこの開回路電圧OCVと対応した充電率SOCを取得するOCV-SOC取得部42と、を有している。
また、補正値設定部50は、充電率取得部40から入力する少なくとも3点の充電率SOC(SOC(0)、SOC(+)、SOC(-))と2区間の電流積算値ΔAh(+)、ΔAh(-)とから後述のΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)及び、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を算出するΔSOC算出部52と、これらΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)から充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)を算出する補正係数算出部54と、これら充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)に基づいて補正方法を選択する判定部56と、この判定部56の判定結果に応じて容量補正値K(n)を設定する補正係数設定部57と、この補正係数設定部57が設定した容量補正値K(n)に基づいて総容量Ah(n-1)を補正して総容量Ah(n)を算出する容量補正部58と、判定部56の判定結果に応じてSOC補正値K(soc)を設定するSOC補正部59と、を有している。また、推定充電率算出部60は(オフセット誤差が生じていない状態では)、容量補正部58が算出した総容量Ah(n)と、電流積算値算出部32が出力する現在の電流積算値ΔAhと、基準点の充電率SOC(0)とから上記の(A)、(A’)式をまとめた下記(A’’)式に基づいて、推定充電率SOC’を算出する。
SOC’=ΔAh/Ah(n)+SOC(0)・・・(A’’)
尚、補正値設定部50には、システムの電源オフ時の各値を記録する記録部55を設けることが好ましい。この記録部55としては、電源がオフとなっても記録内容が消去しない例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の周知の記録手段を用いることができる。尚、ここでは補正値設定部50が記録部55を有し、システムの起動時には後述の初期補正値算出ステップS120を行う例を用いて説明を行う。また、システムの起動直後には、二次電池10に電流が流れない例を用いて説明を行う。
先ず、システム全体が起動すると(ステップS001)、電池状態推定装置80の図示しない制御部は記録部55から初期の容量補正値K(n)の算出に必要なデータを読み出して取得する(ステップS012)。このとき読み出すデータとしては、前回のシステムのオフ時点で適用されていた容量補正値K(n-1)とそのときの基準点の充電率SOC(0)’及びシステムオフ時点の電流積算値ΔAh’等である。
次に、起動直後に二次電池10に電流が流れていない状態では、電圧取得手段34aが二次電池10の例えば正極、負極の電位をそれぞれ取得して電圧取得部34に出力する。そして、電圧取得部34はこれらの電位の値から二次電池10の電池電圧Vを算出し、充電率取得部40のOCV-SOC取得部42に出力する(ステップS102:電圧取得ステップ)。また、このとき電池状態推定装置80の制御部は、このシステムの起動時を基準点として設定する(ステップS103)。ここで、システムがオフの状態では二次電池10には電流が流れておらず、二次電池10は分極電圧が解消された緩和状態にある。このため、システムの起動直後に二次電池10に電流が流れない構成では、二次電池10の電池電圧Vから直ちに開回路電圧OCVを取得することができる。よって、OCV-SOC取得部42は、このときの電池電圧Vを基準点の開回路電圧OCV(0)とする(ステップS112:開回路電圧取得ステップ)。そして、OCV-SOC取得部42はSOC記憶部44を参照し、この開回路電圧OCV(0)と対応した基準点の充電率SOC(0)を取得する(ステップS114:充電率取得ステップ)。そして、補正値設定部50のΔSOC算出部52に出力する。
また、電池状態推定装置80の制御部が基準点を設定すると、電流積算値算出部32はこの基準点における電流積算値ΔAh(0)をΔSOC算出部52に出力する(ステップS116)。
そして、電池状態推定装置80は、この基準点(起動時)の充電率SOC(0)と電流積算値ΔAh(0)と、記録部55から読み出したデータとを適宜使用して、初回の補正後総容量Ah(n)を算出する(初期補正値算出ステップS120)。尚、この初期補正値算出ステップS120に関しては後に詳述する。そして、この初期補正値算出ステップS120で算出された総容量Ah(n)に基づいて推定充電率SOC’が導出され、二次電池10の状態判定や電力変換器3の制御等に用いられる。また、補正値設定部50が記録部55を有さない場合には、基準点、充電点、放電点の3点のデータが揃った時点で容量補正値K(n)及び推定充電率SOC’の算出を行う。尚、このようにして得られた推定充電率SOC’は電流積算値ΔAhが時々刻々更新するため、この電流積算値ΔAhの更新に応じて随時更新がなされる。勿論、電流積算値ΔAh以外の総容量Ah(n)やSOC補正値K(soc)が更新されることでも推定充電率SOC’は更新される。
また、起動直後に二次電池10に電流が流れている状態の場合、記録部55にはシステムオフ時点の推定充電率SOC’を記録しておき、システム起動時にはこの推定充電率SOC’を読み出して起動時の充電率SOC(0)とし、初期補正値算出ステップS120を行うようにしても良い。尚、このシステムでは起動時を基準点と出来ないため、例えばOCV-SOC取得部42が最初に開回路電圧OCVを取得した点を基準点とすることが好ましい。
次に、システムが二次電池10の電力を用いて負荷1を動作させる場合、システム制御部5が二次電池10を電源とした電力供給を指示する。これにより、二次電池10は放電し電力供給を開始する。そして、二次電池10が出力した電力は電力変換器3によって負荷1に適した電力に変換されて供給され、負荷1は目的の動作を行う。また、例えば外部電力源7としての太陽光パネルが発電して二次電池10からの電力供給が不要になると、システム制御部5は電力変換器3を制御して二次電池10からの電力供給を停止する。これにより、二次電池10の電流値Iはゼロとなる。さらに、外部電力源7からの電力の供給量が負荷1の使用量を上回ると、システム制御部5は余剰な電力を二次電池10に充電するよう指示する。これにより、電力変換器3は外部電力源7からの電力を適切な電圧に変換して二次電池10に出力する。これにより、二次電池10に充電電流が流れ二次電池10は充電される。
そして、このときの二次電池10に流れる電流値は電流取得手段30aが取得して電流取得部30に出力する。電流取得部30はこの放電時、充電時の電流値Iを例えば正負の符号で区別して電流積算値算出部32に出力する(電流取得ステップS200)。そして、電流積算値算出部32は電流取得部30から入力した電流値Iを現在の電流積算値ΔAhに積算する(電流積算値算出ステップS202)。このとき、放電時の電流値Iを負(-)、充電時の電流値Iを正(+)とした場合、放電時の電流積算値ΔAhは減少し、充電時の電流積算値ΔAhは増加する。
また、電圧取得部34は二次電池10の電池電圧VをOCV-SOC取得部42に出力し続ける(ステップS203:電圧取得ステップ)。ただし、ここで必要となる開回路電圧OCVは、二次電池10に電流が流れていない状態における二次電池10の電圧であるため、二次電池10が充放電動作を行っている間はOCV-SOC取得部42は開回路電圧OCVを取得せず待機状態をとる。またさらに二次電池10の電流値Iがゼロとなった直後には分極電圧が残留しており、正確な開回路電圧OCVを取得することができない。よって、本願発明の充電率取得部40には緩和状態判定部46を設けることが好ましい。尚、ノイズなどの影響がある場合、電流取得手段30aが出力する電流値が完全なゼロとはならない可能性が有る。また、直前まで大きな電流が流れていた場合、完全なゼロ電流ではなく、わずかな電流が流れている場合でも分極電圧は緩和されていく。よって、緩和状態判定部46は、例えば電流取得部30から二次電池10の電流値Iを取得し、この二次電池10の電流値Iがゼロもしくはゼロ近傍の予め設定された規定の値以下、例えばCレートの±0.1C以下、即ち電流値Iが -0.1C相当電流値 ≦ I ≦+0.1C相当電流値の場合に、この状態を電流値Iがゼロの状態(以後、電流ゼロ状態とする)と判断する。そして、緩和状態判定部46は分極電圧が解消する十分な分極緩和時間、電流ゼロ状態を維持したときにOCV-SOC取得部42に対し開回路電圧OCVの取得を許可する。これにより、OCV-SOC取得部42は分極電圧が解消した正確な開回路電圧OCVを取得することができる。尚、電流ゼロ状態の閾値に関しては、システム側が利用を想定する電流値(二次電池10の放電時の電流値)等によって適切に設計、設定される。また、二次電池10の充放電が間断なく繰り返されるシステム等では、例えばシステム制御部5が充放電の切り替え時等に分極電圧が解消する十分な時間、二次電池10の充放電動作を停止させ、OCV-SOC取得部42が開回路電圧OCVを取得可能とするようにしても良い。
また、分極緩和時間は、二次電池10の能力、仕様、システム側の動作、システム側の二次電池10の運用状態等の他、二次電池10の電池温度T、そのときの充電率、二次電池10の劣化状態、直前までの充放電電流の大きさや通電時間等の要因により変化する。ただし、条件変化に対する分極緩和時間の変化量が比較的小さい場合には、分極緩和時間を固定値として良い。また、分極緩和時間が条件によって大きく変化する場合には、変化の大きい主要な条件のいずれか、もしくは変化の大きな複数の条件に対して予め実験を行い、これらの分極緩和時間のテーブルデータを作成して、緩和状態判定部46が二次電池10の状態に応じた分極緩和時間を適宜選択して設定するようにしても良い。
そして、この電流ゼロ状態の電流値Iは電流取得部30が取得して緩和状態判定部46と電流積算値算出部32とに出力される。このとき、電流積算値算出部32は、電流値Iが電流ゼロ状態である場合には、電流積算値ΔAhへの電流値Iの積算を停止するようにしても良い。この構成では、電流ゼロ状態の閾値を最適化することで、電流ゼロ状態時におけるノイズの影響や電流取得手段30aのオフセット誤差等による僅かな検出誤差が電流積算値ΔAhに積算することを防ぐことができる。これにより、電流積算値ΔAhの誤差を低減することが可能となる。また、緩和状態判定部46が電流ゼロ状態を検出し(ステップS204:Yes)、この電流ゼロ状態が所定の分極緩和時間、例えば1分間継続すると(ステップS206:Yes)、緩和状態判定部46はOCV-SOC取得部42に対し開回路電圧OCVの取得を許可する(ステップS207)。
OCV-SOC取得部42が開回路電圧OCVを取得可能な状態になると、電池状態推定装置80の制御部は、電流積算値算出部32の現在の電流積算値ΔAhが電流積算値ΔAh(0)を基準としたときの放電側(負)に位置するか、充電側(正)に位置するかを判別する。そして、電流積算値ΔAhが放電側に位置している、即ち ΔAh<ΔAh(0)の場合には(ステップS208:Yes)、この点を放電点として設定する(ステップS210A)。また、電流積算値ΔAhが電流積算値ΔAh(0)よりも充電側に位置している、即ち ΔAh>ΔAh(0)の場合には(ステップS208:No、ステップS209:Yes)、この点を充電点として設定する(ステップS210B)。また、電流積算値ΔAhと電流積算値ΔAh(0)とが同一の場合には(ステップS208:No、ステップS209:No)、充電点にも放電点にも設定せずに、電流取得ステップS200に帰還する。
尚、図2~図4のフローチャートでは基準点が1つの例を説明しているが、基準点は必ずしも一つでなくとも良く、以下の例に示すように少なくとも1つ以上の基準点が存在していても良い。例えば、電流積算値ΔAh(0)の基準点が設定されて、この基準点の電流積算値ΔAh(0)を基に充電点もしくは放電点のいずれか一方を設定した後に、図5(a)、(b)に示すように、電流積算値ΔAh(0)とは異なる点(値)の電流積算値ΔAh(0’)の新たな基準点が設定され、この新たな基準点を基に残りの放電点もしくは充電点を設定しても良い。この構成の手順としては、例えばステップS207で開回路電圧OCVが取得された際に、予め設定された所定の条件を満たした場合、これを新たな基準点に設定する。そして、この新たな基準点の開回路電圧OCV(0’)、充電率SOC(0’)、電流積算値ΔAh(0’)を取得して、ステップS200へと移行することが挙げられる。
また、電流積算値ΔAh(0)の基準点を基に充電点もしくは放電点のいずれか一方が設定された後に、この設定された充電点もしくは放電点を新たな基準点としても良い。例えば、図5(c)、(d)に示すように、電流積算値ΔAh(0)の基準点を基に放電点の充電率SOC(-)が設定された後に、この放電点の充電率SOC(-)、電流積算値ΔAhを、新たな基準点の充電率SOC(0’)、電流積算値ΔAh(0’)として再設定する。そして、この新たな基準点を基に残りの充電点を設定する。尚、このときの充電点は、図5(c)に示すように、最初の基準点の電流積算値ΔAh(0)よりも充電側(正側)に位置していても良いし、図5(d)に示すように、放電側(負側)に位置していても良い。また、この構成の手順としては、例えば、後述のステップS240でNo判定とされ、且つ予め設定された所定の条件が満たされた場合に、直前に設定された充電点もしくは放電点を新たな基準点とし、ステップS200へと移行することが挙げられる。
そして、これらの1以上の基準点を用いる構成では、例えば基準点が二次電池10の満充電の近くや電池残量無しの近辺に位置するなどして、充電点と放電点の双方が長時間揃わない状態を解消することができる。
また、ステップS210A、S210Bで設定された充電点、放電点がそれぞれの基準点の近傍に位置する場合、後述の(2)、(2’)式、もしくは(2’’)、(2’’’)式で算出されるΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)の値が小さくなり、(3)、(3’)式での充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)が著しく大きな値となる可能性が有る。よって、充電点、放電点がそれぞれの基準点の近傍に位置する場合には充電点、放電点として設定しないことが好ましい。この近傍位置の判定方法としては、例えばOCV-SOC取得部42が基準点の電流積算値ΔAh(0)(ΔAh(0’))を中心とした上下に所定の閾値αの範囲を設け、ステップS208、ステップS209は、電流積算値ΔAhがそれぞれの基準点の閾値αを超えた ΔAh<(ΔAh(0)-α) もしくは ΔAh<(ΔAh(0’)-α)の場合に放電点とし、ΔAh>(ΔAh(0)+α) もしくは ΔAh>(ΔAh(0’)+α)の場合に充電点とし、(ΔAh(0)-α)≦ΔAh≦(ΔAh(0)+α) もしくは (ΔAh(0’)-α)≦ΔAh≦(ΔAh(0’)+α)の場合には充電点、放電点としないことが挙げられる。
そして、上記のステップS210Aにより放電点が設定された場合、OCV-SOC取得部42はこのときの二次電池10の電池電圧Vを放電点の開回路電圧OCV(-)とする(ステップS214A:開回路電圧取得ステップ)。そして、OCV-SOC取得部42はSOC記憶部44を参照し、開回路電圧OCV(-)と対応した放電点の充電率SOC(-)を取得し(ステップS216A:充電率取得ステップ)、ΔSOC算出部52に出力する。またこのとき、電流積算値算出部32は放電点の電流積算値ΔAhをΔSOC算出部52に出力する(ステップS218A)。
また、上記のステップS210Bにより充電点が設定された場合、OCV-SOC取得部42はこのときの二次電池10の電池電圧Vを充電点の開回路電圧OCV(+)とする(ステップS214B:開回路電圧取得ステップ)。そして、OCV-SOC取得部42はSOC記憶部44を参照し、開回路電圧OCV(+)と対応した充電点の充電率SOC(+)を取得し(ステップS216B:充電率取得ステップ)、ΔSOC算出部52に出力する。またこのとき、電流積算値算出部32はこの充電点の電流積算値ΔAhをΔSOC算出部52に出力する(ステップS218B)。
尚、基準点、放電点、充電点の充電率SOCの取得は、上記のように各点の開回路電圧の取得時に随時行っても良いし、基準点、放電点、放電点の開回路電圧が全て揃った時点で行っても良い。また、上記の例では初めに基準点を設定し、次いで放電点、充電点を設定しているが、特にシステムの起動直後に二次電池10に電流が流れ基準点の開回路電圧OCV(0)が取得できない構成では、必ずしも最初に基準点を設定する必要はなく、例えば、開回路電圧OCVを取得した点の電流積算値ΔAhを比較して、その大小によって放電点、基準点、充電点を割り当てるようにしても良い。
また、電池状態推定装置80が温度取得部12を備え、電池温度Tを考慮した充電率SOC(0)、(SOC(0’))、SOC(+)、SOC(-)を取得する場合には、SOC記憶部44は電池温度TごとのOCV-SOCデータテーブルを備え、OCV-SOC取得部42は各開回路電圧取得時の電池温度Tと対応したOCV-SOCのデータテーブルから充電率SOC(0)、(SOC(0’))、SOC(+)、SOC(-)をそれぞれ取得する。この構成によれば、OCV-SOC取得部42は電池温度Tをも考慮した、より正確な充電率を取得することができる。
また、ΔSOC算出部52は電流積算値算出部32から放電点の電流積算値ΔAhが入力すると、これと対応する基準点の電流積算値ΔAh(0)もしくは電流積算値ΔAh(0’)からの差分、即ち、|ΔAh-ΔAh(0)|もしくは|ΔAh-ΔAh(0’)|を算出し、これを放電点の電流積算値ΔAh(-)とする(ステップS220A:充放電電流積算値取得ステップ)。また、充電点の電流積算値ΔAhが入力すると、これと対応する基準点の電流積算値ΔAh(0)もしくは電流積算値ΔAh(0’)からの差分、即ち、|ΔAh-ΔAh(0)|もしくは|ΔAh-ΔAh(0’)|を算出し、これを充電点の電流積算値ΔAh(+)とする(ステップS220B:充放電電流積算値取得ステップ)。
そして、ΔSOC算出部52はこれらの値の入力により、充電点、放電点の開回路電圧OCV(+)、OCV(-)と基準点の開回路電圧OCV(0)、(OCV(0’))及び、これと対応した電流積算値ΔAh(+)、ΔAh(-)が全て揃ったか否かを判別する。そして、これらのデータが未だ揃っていない場合(ステップS240:No)、電流取得ステップS200に帰還する。
また、これらのデータが全て揃った場合(ステップS240:Yes)、充電点の電流積算値ΔAh(+)と後述の二次電池10の総容量Ah(n-1)とから、下記(1)式に基づいて、第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出する。また、放電点の電流積算値ΔAh(-)と二次電池10の総容量Ah(n-1)とから、下記(1’)式に基づいて、第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出する(第1の充電率変化量算出ステップS300)。尚、ここでの総容量Ah(n-1)とは、記録部55を有する場合には、記録部55が記録していた一つ前の容量補正値K(n-1)に基準総容量Ah(0)を乗算したもの、即ち Ah(n-1)=Ah(0)×K(n-1)を用いる。また、一つ前の容量補正値K(n-1)の値が存在しない場合には、基準総容量Ah(0)をそのまま用いる。尚、基準総容量Ah(0)は前述のように新品時の二次電池10の電池容量であり、この値は予め取得され記録部55等に記録されている。
ΔSOC1(+)=ΔAh(+)/Ah(n-1)・・・(1)
ΔSOC1(-)=ΔAh(-)/Ah(n-1)・・・(1’)
ここで、図6に電流取得部30が出力する電流値Iと電流積算値算出部32が出力する電流積算値ΔAhの関係を示す。尚、図6中の横軸が時間で、上段が電流値I、下段が電流積算値ΔAhを示している。ここで、図6中のA点を仮に基準点とすると、このA点での電流積算値ΔAhが基準点の電流積算値ΔAh(0)となる。次に、システムが稼働し、二次電池10は充放電を繰り返す、これにより二次電池10の電流値Iは図6の上段に示すように充電領域と放電領域とを行き来する。このとき、電流積算値ΔAhは図6の下段に示すように電流値Iが積算値されながら充電領域と放電領域とを行き来する。そして、仮に図6中のB点で電流ゼロ状態となり、且つ開回路電圧OCVを取得可能な状態になると、電池状態推定装置80の制御部はこのB点での電流積算値ΔAhが充電側(正)に位置するか放電側(負)に位置するかを判別する。尚、図6ではB点での電流積算値ΔAhは充電側(正)にあるため、電池状態推定装置80の制御部はB点を充電点と設定する。そして、図6中の矢印で表す電流積算値ΔAhと基準点の電流積算値ΔAh(0)との差ΔAh-ΔAh(0)が充電点の電流積算値ΔAh(+)となる。尚、この充電点の電流積算値ΔAh(+)は、上記(1)式に示すようにΔSOC1(+)とは比例関係にある。
尚、ΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)の値が著しく小さい場合、後述の充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)が小さな値となり異常な容量補正値K(n)が算出される可能性が有る。よって、ΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)が所定の値よりも小さい値、例えばΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)が充電率SOC(+)、SOC(-)の10%に満たない場合には、充電点、放電点としての設定を取り消し、電流取得ステップS200に帰還させるようにしても良い。
また、ΔSOC算出部52は、対応する基準点の充電率SOC(0)もしくはSOC(0’)と充電点の充電率SOC(+)とから下記(2)式もしくは(2’’)式に基づいて第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出する。また、対応する基準点の充電率SOC(0)もしくはSOC(0’)と放電点の充電率SOC(-)とから下記(2’)式もしくは(2’’’)式に基づいて第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出する(第2の充電率変化量算出ステップS302)。
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0)|・・・(2)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0)|・・・(2’)
ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0’)|・・・(2’’)
ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0’)|・・・(2’’’)
尚、充電点、放電点の設定時に電流積算値ΔAh(0)に対する閾値αを設けない構成では、充電点、放電点が基準点の近傍に位置した場合、(2)式~(2’’’)式で算出されるΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)の値が小さくなり、以下の(3)、(3’)式での充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)が著しく大きな値となる可能性が有る。よって、ΔSOC算出部52が算出した、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)が所定の値よりも小さい値、例えば充電率SOC(+)、SOC(-)の10%に満たない場合には充電点、放電点としての設定を取り消し、電流取得ステップS200に帰還させるようにしても良い。
そして、ΔSOC算出部52は、これらΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を補正係数算出部54に出力する。また、補正係数算出部54は、入力したΔSOC1(+)とΔSOC2(+)との比率、即ち下記(3)式に基づいて充電側補正値K(+)を算出する。また、入力したΔSOC1(-)とΔSOC2(-)との比率、即ち下記(3’)式に基づいて放電側補正値K(-)を算出する(補正係数算出ステップS304)。そして、これらの充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とを判定部56に出力する。
K(+)=ΔSOC1(+)/ΔSOC2(+)・・・(3)
K(-)=ΔSOC1(-)/ΔSOC2(-)・・・(3’)
尚、基準点、充電点、放電点が複数存在する場合には、対応する基準点を基にそのそれぞれに対して暫定充電側補正値K(+)’もしくは暫定放電側補正値K(-)’を個別に算出し、これら暫定充電側補正値K(+)’、暫定放電側補正値K(-)’の充電側、放電側ごとの平均値を充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)として判定部56に出力することが好ましい。
また、判定部56は、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とがそれぞれ1より大きいか小さいかの判定を行う。そして、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方がともに1未満の場合、即ち、K(+)<1 で且つ K(-)<1 の場合(ステップS306:Yes:判定ステップ)、判定部56はその判定結果とともに充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)を補正係数設定部57に出力する。補正係数設定部57はこの判定結果を受けると、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の平均値を補正値K’(n)とする。
そして、すでに容量補正値の算出された状態で1つ前の容量補正値K(n-1)が存在する場合では、この容量補正値K(n-1)を用いて補正された総容量Ah(n-1)、即ちAh(n-1)=Ah(0)×K(n-1)が(1)式、(1’)式に適用されて、ΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)が算出されている。また、このΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)に基づいて補正値K’(n)が算出されている。この場合、1つ前の容量補正値K(n-1)を考慮して、下記(4)式に基づいて容量補正値K(n)を算出することが好ましい。
K(n)=K’(n)×K(n-1)・・・(4)
また、1つ前の容量補正値K(n-1)が存在せず、(1)式、(1’)式においてAh(n-1)の代わりに基準総容量Ah(0)が用いられてΔSOC1(+)とΔSOC1(-)が算出されている場合には、この補正値K’(n)をそのまま容量補正値K(n)として設定しても良い。
また、例えばノイズ等により電池情報取得部20の測定値に突発的な測定誤差が生じている場合、異常な補正値K’(n)が算出され、システムの動作全体に悪影響を及ぼす虞が有る。よって、本発明に係る電池状態推定装置80では突発的で異常な補正値K’(n)の影響を軽減するために、例えば、頻繁に補正値K’(n)が算出可能なシステムでは、補正値K’(n)の平均値もしくは移動平均値を容量補正値K(n)としても良い。また、予め設定された回数(例えば10回等)補正値K’(n)が算出されるごとにその平均値を容量補正値K(n)としても良い。また、任意の時間間隔(例えば10分間)で区切りを設け、その時間間隔内で最新の補正値K’(n)もしくは、その時間間隔内で得られた補正値K’(n)の平均値を容量補正値K(n)としても良い。そして、これらの構成によって突発的な補正値K’(n)の異常値の影響を軽減することができる。
さらに、補正係数設定部57に1よりも小さい補正下限値K(min)を予め設定し、算出された容量補正値K(n)が補正下限値K(min)よりも小さい場合には、補正下限値K(min)を容量補正値K(n)として設定するようにしても良い。
また、1よりも小さな値の軽減係数Aを設定しておき、下記(4’)式により、容量補正値K(n)を設定するようにしても良い。
K(n)=(1-A×(1-K’(n)))×K(n-1)・・・(4’)
これらの補正下限値K(min)を設定した構成、軽減係数Aを設定した構成でも、異常に小さな補正値K’(n)が算出されたときの影響を軽減することができる。そして、補正係数設定部57はこの算出もしくは設定した容量補正値K(n)を容量補正部58に出力する。以上が充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方がともに1未満の場合の補正係数設定ステップ(ステップS310A)に相当する。
ここで、ΔSOC1(+)、(-)とΔSOC2(+)、(-)との間に差が生じる主な原因としては次の3つが考えられる。1つ目は前述の二次電池10の劣化による電池容量の減少である。2つ目は、電池情報取得部20の測定誤差、即ち、電流取得手段30aのゲイン誤差、オフセット誤差、電圧取得手段34aの測定誤差の影響である。また、3つ目は二次電池10の充放電動作停止直後の分極電圧の開回路電圧OCVへの影響である。このうち、電圧取得手段34aの測定誤差は設置時等の調整により除去することができる。また、充放電動作停止直後の分極電圧に関しては、前述の緩和状態判定部46を設置することで対処が可能である。しかしながら、電流取得手段30aのゲイン誤差、オフセット誤差に関しては経時によって誤差の値が変化する可能性があり恒久的な対応が困難である。よって、対応すべきは電池容量の減少と電流取得手段30aのゲイン誤差、オフセット誤差のこれら3つの要因となる。
そして、電池容量の減少は前述のようにΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)の低下として現れる。また、電流取得手段30aのゲイン誤差により電流値Iの値(絶対値)が真値よりも小さく取得される場合にもΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)の低下が現れる。このため、二次電池10の電池容量が減少している状態、もしくは電流取得手段30aのゲイン誤差により電流値Iの絶対値が真値よりも小さく取得されている状態では、充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)の双方はともに1未満の値をとる。この場合、1未満の充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)に基づいて算出される容量補正値K(n)も基本的に1未満の値を取り、この1未満の容量補正値K(n)によって補正される補正後の総容量Ah(n)は基準総容量Ah(0)から減少した値となる。これにより、二次電池10の電池容量が減少している状態でも適正な推定充電率SOC’の算出が可能となる。尚、ゲイン誤差によって電流値Iの絶対値が真値よりも小さく取得され、総容量Ah(n)が基準総容量Ah(0)から減少する補正処理では、電流値Iの大きさそのものに対する補正は行われない。ただし、ゲイン誤差を含む電流値Iによって得られた電流積算値ΔAhを後述の(6)式に適用する際に、(6)式における総容量Ah(n)が基準総容量Ah(0)から減少するため、ゲイン誤差により電流値Iの絶対値が真値よりも小さく取得され電流積算値ΔAhが小さくなる影響は解消され、適正なΔSOC(=ΔAh/Ah(n))を算出することができる。これにより、(6)式による適正な推定充電率SOC’の算出が可能となる。尚、ゲイン誤差によるΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)の低下と、電池容量の減少によるΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)の低下とは区別することはできないが、補正手法は同じであるため特に区別する必要は無く、上記の手法で一括して補正することができる。
また、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方がともに1よりも大きい場合、即ち、K(+)>1 で且つ K(-)>1 の場合(ステップS306:No、ステップS308:Yes:判定ステップ)、これは1つ前に算出した容量補正値K(n-1)の値が過小で、1つ前に算出した容量補正値K(n-1)による補正が過剰であることを示している。これは、実際の電池容量の減少よりも1つ前に算出した容量補正値K(n-1)が過剰に容量を低減する値となっているか、もしくは電流取得手段30aのゲイン誤差によって電流値Iの絶対値が真値よりも大きな値で取得されていることを意味する。よって、補正係数設定部57はこの判定結果を受けた場合、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の平均値に1つ前の容量補正値K(n-1)を乗じた下記(4’’)式に基づいて容量補正値K(n)を算出する。
K(n)=((K(+)+K(-))/2)×K(n-1)・・・(4’’)
ただし、(4’’)式によって算出されたK(n)が1を超える場合、補正係数設定部57はK(n)を「1」としても良い。
さらに、電流取得手段30aのゲイン誤差によって電流値Iの絶対値が真値よりも大きな値で取得されている場合を考慮して、上記の(4’’)式によって算出された容量補正値K(n)が予め設定した1以上の上限値K(lim)を超える場合、補正係数設定部57は容量補正値K(n)を上限値であるK(lim)としても良い。そして、補正係数設定部57はこの容量補正値K(n)を容量補正部58に出力する。尚、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方がともに1よりも大きい場合においても、この原因が電流取得手段30aのゲイン誤差によって電流値Iの絶対値が真値よりも大きな値で取得されているためなのか、電池容量の補正が過剰であるのかは区別することはできない。しかしながら、補正手法は同じであるため特に区別する必要は無く、上記の手法で一括して補正することができる。以上が充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方がともに1よりも大きい場合の補正係数設定ステップ(ステップS310B)に相当する。
また、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)のいずれか一方が1よりも大きく他方が1未満の場合、即ち、K(+)<1 で且つ K(-)>1 の場合、もしくは、K(+)>1 で且つ K(-)<1 の場合(ステップS306:No、ステップS308:No、ステップS309:Yes:判定ステップ)、判定部56はこの判定結果を補正係数設定部57に出力するとともに、ΔSOC算出部52がΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)をSOC補正部59に出力する。また、補正係数設定部57はこの判定結果を受けた場合、新たな容量補正値K(n)を算出せず、1つ前の容量補正値K(n-1)をそのまま容量補正値K(n)とする(ステップS310C:補正係数設定ステップ)。そして、補正係数設定部57はこの容量補正値K(n)を容量補正部58に出力する。
ここで、K(+)<1 で且つ K(-)>1 の場合とは、図7(a)に示すように、|ΔSOC1(+)|<|ΔSOC2(+)| で且つ |ΔSOC2(-)|<|ΔSOC1(-)|を意味しており、電流積算値ΔAh(+)、ΔAh(-)から算出したΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)が、開回路電圧OCVに基づいて取得したΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)に対して全体的に放電側(マイナス方向)にオフセットしていることを意味している。これは、電流値Iが電流取得手段30aのオフセット誤差により全体的に負の方向(放電方向)にズレているためと考えられる。また、K(+)>1 で且つ K(-)<1 の場合とは、図7(b)に示すように、|ΔSOC1(+)|>|ΔSOC2(+)| で且つ |ΔSOC2(-)|>|ΔSOC1(-)|を意味しており、電流積算値ΔAh(+)、ΔAh(-)から算出したΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)が、開回路電圧OCVに基づいて取得したΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)に対して全体的に充電側(プラス方向)にオフセットしていることを意味している。これは、電流値Iが電流取得手段30aのオフセット誤差により全体的に正の方向(充電方向)にズレているためと考えられる。
よって、判定結果がK(+)<1 で且つ K(-)>1 の場合、SOC補正部59は例えば、|ΔSOC2(+)|-|ΔSOC1(+)|の値、及び、|ΔSOC1(-)|-|ΔSOC2(-)|の値をそれぞれ算出し、双方を比較して小さい方の値、もしくは双方の値の平均値を「正」(充電方向)のSOC補正値K(soc)とする。また、判定結果がK(+)>1 で且つ K(-)<1 の場合、SOC補正部59は例えば、|ΔSOC1(+)|-|ΔSOC2(+)|の値、及び、|ΔSOC2(-)|-|ΔSOC1(-)|の値をそれぞれ算出し、双方を比較して小さい方の値、もしくは双方の値の平均値を「負」(放電方向)のSOC補正値K(soc)とする。
尚、電流取得部30が取得した電流値Iにオフセット誤差がある場合、電流積算値ΔAhの誤差が時間経過とともに蓄積していく。このため、算出したSOC補正値K(soc)が適正値よりも過大となる可能性がある。よって、SOC補正部59は算出されたSOC補正値K(soc)をそのまま推定充電率算出部60に出力しても良いが、算出されたSOC補正値K(soc)を低減して推定充電率算出部60に出力することが好ましい。このSOC補正値K(soc)の低減は、例えば予め設定した1未満の任意の低減係数A’(固定値)を乗算することで行っても良いが、電流積算値ΔAh(+)、ΔAh(-)に基づいて下記(B)式および(B’)式にて低減係数A’(+)、低減係数A’(-)を算出し、これらの双方を比較して小さい方の値、もしくは双方の値の平均値を上記のSOC補正値K(soc)に乗算して行うことが好ましい。
A’(+)=電流積算値ΔAh(+)/(区間電流積算絶対値(+))・・・(B)
A’(-)=電流積算値ΔAh(-)/(区間電流積算絶対値(-))・・・(B’)
ここで、区間電流積算絶対値(+)とは充電点の電流積算値ΔAh(+)を測定する際の測定開始点から測定完了点までのすべての充電区間と放電区間の各電流積算値の絶対値の合計である。また、区間電流積算絶対値(-)とは放電点の電流積算値ΔAh(-)を測定する際の測定開始点から測定完了点までのすべての充電区間と放電区間の各電流積算値の絶対値の合計である。
また、低減係数A’(+)、低減係数A’(-)はSOC補正値K(soc)の算出の前に乗算しても良い。即ち、低減係数A’(+)を、|ΔSOC2(+)|-|ΔSOC1(+)|の値、または、|ΔSOC1(+)|-|ΔSOC2(+)|の値に乗算した後、SOC補正値K(soc)を算出しても良い。また、低減係数A’(-)を、|ΔSOC1(-)|-|ΔSOC2(-)|の値、または、|ΔSOC2(-)|-|ΔSOC1(-)|の値に乗算した後、SOC補正値K(soc)を算出しても良い。
そして、SOC補正部59は低減係数A’(+)、低減係数A’(-)を適用して算出されたSOC補正値K(soc)を最終的なSOC補正値K(soc)とする。そして、算出されたSOC補正値K(soc)を推定充電率算出部60に出力する。以上がSOC補正値設定ステップS320に相当する。
尚、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とが双方とも1の場合には(ステップS306:No、ステップS308:No、ステップS309:No:判定ステップ)、二次電池10に容量低下が生じていないか、現在適用されている容量補正値K(n-1)が適正であるとして、新たな容量補正値K(n)の算出は行わず、電流取得ステップS200に帰還する。
また、容量補正部58は上記の補正係数設定ステップで設定された新たな容量補正値K(n)が入力すると、この新たな容量補正値K(n)を用いて下記(5)式に基づいて補正後の総容量Ah(n)を算出する(容量値補正ステップS312)。
Ah(n)=Ah(0)×K(n)・・・(5)
そして、この補正後の総容量Ah(n)を推定充電率算出部60に出力する。
また、推定充電率算出部60は、容量補正部58が算出した補正後の総容量Ah(n)と、電流積算値算出部32が出力する現在の電流積算値ΔAhと、基準点の充電率SOC(0)と、SOC補正部59が算出したSOC補正値K(soc)とから下記(6)式に基づいて推定充電率SOC’を算出する(推定充電率算出ステップS330)。
SOC’=ΔAh/Ah(n)+SOC(0)+K(soc)・・・(6)
尚、SOC補正値K(soc)が存在しない場合にはK(soc)=0となる。また、新たなSOC補正値K(soc)が算出されなかった場合、SOC補正値K(soc)は過去の値が維持される。尚、記録部55にSOC補正値K(soc)を記録させておき、システムの再起動時にはこの過去のSOC補正値K(soc)を読み出して使用しても良い。この構成によれば、起動時に二次電池10に電流が流れ開回路電圧OCV(0)が取得できず、システムオフ時点の推定充電率SOC’を基準点の充電率SOC(0)とする場合に、SOC補正値K(soc)を読み出して適用できるため、起動時の推定充電率SOC’をより正確に算出することができる。
そして、上記の(6)式で算出された推定充電率SOC’はシステム内の各部に出力され、二次電池10の状態判定や電力変換器3の制御等に用いられる。尚、推定充電率算出部60から出力する推定充電率SOC’にはローパスフィルタ等によるなまし処理を行い、推定充電率SOC’の急変を防止することが好ましい(なましステップS332)。
尚、二次電池10の容量低下と電流取得手段30aのオフセット誤差とが混在している場合や、電流取得手段30aのゲイン誤差と電流取得手段30aのオフセット誤差とが混在している場合、さらには二次電池10の容量低下と電流取得手段30aのゲイン誤差及びオフセット誤差が混在している場合でも、上記の補正処理を複数回行うことで、それぞれに対応した補正が行われ、最終的に適切な推定充電率SOC’の算出が可能となる。
そして、推定充電率SOC’が算出されると、放電点及び充電点はリセットされ、電流取得ステップS200に帰還する。このとき、基準点もリセットして分極緩和時間経過後の点を新たな基準点として設定しても良いし、最後に取得した放電点または充電点を新たな基準点としても良い。さらに、システム起動時の基準点をシステムオフ時まで維持しても良い。
尚、頻繁に補正値K’(n)が算出可能なシステムでは、1度のシステムの稼働期間(1回のシステム起動から電源オフまでの期間)における容量補正値K(n)の算出回数に上限を設けても良い。また、予め設定された時間間隔内における容量補正値K(n)の算出回数に上限を設けても良い。これらの構成では頻繁な補正動作の実施を抑制し、処理能力の負荷を軽減することができる。
次に、システムのオフが指示されると(ステップS400:Yes)、電池状態推定装置80が記録部55を有する場合には、記録部55がシステムオフ時点に適用されていた容量補正値K(n-1)と、その容量補正値K(n-1)の算出時の基準点の充電率SOC(0)’と、システムオフ時点の電流積算値ΔAh’と、SOC補正値K(soc)とを記録する(記録ステップS402)。そして、電池状態推定装置80の終了処理が完了したことをシステム制御部5等に伝達する。そして、システムがオフする(ステップS404)。
次に、初期補正値算出ステップS120の好ましい一例に関して説明を行う。先ず、記録部55にシステムオフ時点のデータが記録された状態で再度システムを起動し、且つ起動直後に二次電池10に電流が流れない場合、ステップS012を行ってシステムオフ時点に適用されていた一つ前の容量補正値K(n-1)を記録部55から読み出す。また、充電率取得部40が前述のようにステップS102、基準点設定(ステップS103)、開回路電圧取得ステップ(ステップS112)、充電率取得ステップ(ステップS114)、基準点における電流積算値ΔAh(0)の取得(ステップS116)を行って、基準点の充電率SOC(0)と、電流積算値ΔAh(0)とを取得する。そして、記録部55から読み出された容量補正値K(n-1)は補正係数設定部57にて容量補正値K(n)とされ、容量補正部58はこの容量補正値K(n)と基準総容量Ah(0)とに基づいて下記(5’)式により、初回の補正後総容量Ah(n)を算出し、推定充電率算出部60に出力する。
Ah(n)=Ah(0)×K(n)・・・(5’)
また、推定充電率算出部60は、この補正後総容量Ah(n)と、上記のステップS114、ステップS116で取得された起動時の充電率SOC(0)とそのときの電流積算値ΔAh(0)(=ΔAh)とに基づいて上記(6)式により推定充電率SOC’を算出する。以上が初期補正値算出ステップS120に相当する。
また、本発明に係る電池状態推定方法では初期補正値算出ステップS120に加えて、以下のような構成を備えていても良い。先ず、記録部55は、システムのオフ時点で適用されていた容量補正値K(n-1)とそのときの基準点の充電率SOC(0)’と電流積算値ΔAh(total)とを記録する。尚、電流積算値ΔAh(total)とは、直近のシステム起動時点からシステムオフ時点までの全ての期間の電流値Iの積算値である。そして、システムの再起動時には、OCV-SOC取得部42が起動時の電池電圧Vを基準点の開回路電圧OCV(0)とし、この開回路電圧OCV(0)と対応した基準点の充電率SOC(0)を取得する。また、記録部55に記録されている容量補正値K(n-1)、充電率SOC(0)’、電流積算値ΔAh(total)を読み出して、先ず、電流積算値ΔAh(total)が前回の基準点に対して充電側にあるか放電側にあるかを確認する。尚、電流積算値ΔAh(total)はシステムオフ時点の前回の基準点からの電流積算値であり起動時の充電率SOC(0)と対応しているから、記録部55から読み出した充電率SOC(0)’と充電率SOC(0)との位置関係を比較し、充電率SOC(0)がシステムのオフ時点の基準点の充電率SOC(0)’よりも充電側にあれば電流積算値ΔAh(total)も充電側に位置し、放電側にあれば電流積算値ΔAh(total)も放電側に位置する。そして、電流積算値ΔAh(total)が充電側にあった場合、SOC算出部52は電流積算値ΔAh(total)を充電点の電流積算値ΔAh(+)とし、記録部55から読み出した容量補正値K(n-1)と上記(1)式に基づいてΔSOC1(+)を算出する。また、放電側にあれば電流積算値ΔAh(total)を放電点の電流積算値ΔAh(-)とし、容量補正値K(n-1)と上記(1’)式に基づいてΔSOC1(-)を算出する。そして、補正係数算出部54に出力する。
また、充電率SOC(0)が充電率SOC(0)’に対して充電側にあるか放電側にあるかを確認し、充電側にあればΔSOC算出部52が充電率SOC(0)を充電点の充電率SOC(+)とみなして、上記(2)式に基づいてΔSOC2(+)を算出する。また、放電側にあれば充電率SOC(0)を放電点の充電率SOC(-)とみなして上記(2’)式に基づいてΔSOC2(-)を算出する。
次に、補正係数算出部54はΔSOC1(+)、ΔSOC2(+)が取得された場合には、上記(3)式に基づいて充電側補正値K(+)を算出する。また、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(-)が取得された場合には、上記(3’)式に基づいて放電側補正値K(-)を算出する。
そして、一方の充電側補正値K(+)もしくは放電側補正値K(-)が算出された状態で、ステップS200~ステップS240が行われ、もう一方の放電側補正値K(-)もしくは充電側補正値K(+)が取得される。そして、これらの充電側補正値K(+)及び放電側補正値K(-)は初回のみ補正係数設定部57に出力される。補正係数設定部57は入力した充電側補正値K(+)及び放電側補正値K(-)に基づいて、例えば両者の平均値をとるなどして容量補正値K(n)を設定する。そして、容量補正部58はこの容量補正値K(n)を用いた上記(5’)式により、初回の補正後総容量Ah(n)を算出する。そして、推定充電率算出部60はこの補正後総容量Ah(n)を用いて上記(6)式により推定充電率SOC’を算出する。
また、初期補正値算出ステップS120は以下のようにしても良い。先ず、ステップS012を行ってシステムオフ時点に適用されていた一つ前の容量補正値K(n-1)と、そのときの基準点の充電率SOC(0)’と、システムオフ時点の電流積算値ΔAh’とを記録部55から読み出す。また、充電率取得部40がステップS102~ステップS116を行って、基準点の充電率SOC(0)と、電流積算値ΔAh(0)とを取得する。
また、補正係数設定部57は、充電率SOC(0)’と充電率SOC(0)との差が十分に大きく、且つ、電流積算値ΔAh’が所定の値よりも大きい場合、下記(7)、(8)式に基づいて、初回のみΔSOC1’、ΔSOC2’を算出する。
ΔSOC1’=ΔAh’/(Ah(0)×K(n-1))・・・(7)
ΔSOC2’=|SOC(0)-SOC(0)’|・・・(8)
そして、下記(9)式に基づいて、容量補正値K(n)を算出する。
K(n)=ΔSOC1’/ΔSOC2’・・・(9)
そして、補正係数設定部57はこの容量補正値K(n)を容量補正部58に出力する。また、容量補正部58はこの容量補正値K(n)に基づいて上記(5’)式により、初回の補正後総容量Ah(n)を算出し、推定充電率算出部60に出力する。そして、推定充電率算出部60はこの補正後総容量Ah(n)を用いて上記(6)式により推定充電率SOC’を算出する。
尚、上記の(7)、(8)、(9)式を用いる構成では、充電率SOC(0)’と充電率SOC(0)との差が小さい場合、または電流積算値ΔAh’の値が所定の値より小さい場合に(9)式で算出される容量補正値K(n)が著しく大きな値もしくは小さな値をとる可能性がある。よって、このような場合、補正係数設定部57は上記の(7)(8)(9)式による演算を行わず、記録部55に記録されている容量補正値K(n-1)を容量補正値K(n)として、上記(5’)式により初回の補正後総容量Ah(n)を算出し推定充電率SOC’を取得するようにしても良い。
これらの初期補正値算出ステップS120を備えた構成では、前回のシステムオフ時点の補正後総容量Ah(n-1)の値を引き継いで、二次電池10の総容量(基準総容量Ah(0))を補正するため、起動時から適切な推定充電率SOC’を算出することができる。
さらに、本発明に係る電池状態推定装置80及び電池状態推定方法では、以下に示す推定内部抵抗値による電池容量の低下の検出手法を併用しても良い。先ず、この構成の電池状態推定装置80では、二次電池10の劣化による内部抵抗の増加量と電池容量の低下量との関係を予め測定等で取得してデータマッピングして記録しておく。そして、前述の補正値設定部50の動作において、補正係数算出部54の算出した充電側補正値K(+)及び放電側補正値K(-)の双方がともに1未満の場合、判定部56はこの判定結果の出力を一旦保留する。
そして、図示しない内部抵抗取得部が電圧取得部34の取得した電池電圧Vと電流取得部30が取得した電流値Iとの変化の比率から二次電池10の推定内部抵抗値Rを算出する(内部抵抗算出ステップ)。次に、算出された推定内部抵抗値Rから上記のデータマップを参照し、算出された推定内部抵抗値Rと対応した電池容量を取得する(電池容量取得ステップ)。次に、この電池容量が二次電池10の容量低下を示すか否かを判定する(容量低下判定ステップ)。そして、この内部抵抗値に基づく判定結果が二次電池10の容量低下を示した場合、判定部56は保留していた「充電側補正値K(+)及び放電側補正値K(-)の双方がともに1未満」という判定結果を補正係数設定部57に出力し前述のステップに則って容量補正値K(n)と推定充電率SOC’との算出を行う。また、推定内部抵抗値Rに基づく判定結果では二次電池10の容量低下が認められない場合、判定部56は保留していた判定結果をクリアし電流取得ステップS200に帰還する。この構成では二次電池10の容量低下の判定に、推定内部抵抗値Rに基づく判定を加えた二段で行う。このため、測定誤差による誤った補正の発生をより一層防止することができる。
以上のように、本発明に係る電池状態推定装置80及び電池状態推定方法は、基準点、充電点、放電点の少なくとも3点以上の充電率SOC(0)、SOC(+)、SOC(-)と、これらに対応した少なくとも2区間以上の電流積算値ΔAh(+)、ΔAh(-)とから充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)を算出する。そして、充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)の双方がともに1未満の場合、ともに1よりも大きい場合、一方のみが1未満の場合、のそれぞれに対応した方法で補正を行う。これにより、電流取得手段30aのオフセット誤差に対する補正と、二次電池10の電池容量の低下、電流取得手段30aのゲイン誤差、及び両者が混在する状態に対する補正とを区別して行うことができる。これにより、これら双方の要因に対応した補正を適切に行うことが可能となり、より正確な推定充電率SOC’を算出することができる。
尚、本例で示した電池状態推定装置80及び電池状態推定方法の各部の構成、動作、機構、計算式等は一例であるから、特に本例に限定される訳ではなく、例えば、電池状態推定装置80を適用するシステム側、即ち、負荷1、電力変換器3、システム制御部5、外部電力源7側の構成はこれに限定しない。また、外部電力源7は、太陽光パネルの他、商用電源等が挙げられる。さらに、負荷1がモータの場合、減速時に発電される電力は、商用電源に戻す、もしくは、二次電池10に充電する、もしくは図示しない負荷抵抗にて熱として散逸されることで消費される。さらに、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
10 二次電池
30 電流取得部
32 電流積算値算出部
34 電圧取得部
42 OCV-SOC取得部
46 緩和状態判定部
52 ΔSOC算出部
54 補正係数算出部
55 記録部
56 判定部
57 補正係数設定部
58 容量補正部
59 SOC補正部
60 推定充電率算出部
80 電池状態推定装置

Claims (40)

  1. システムに電力供給を行う充電可能な二次電池の推定充電率SOC’を算出する電池状態推定装置であって、
    前記二次電池の電流値を取得する電流取得部と、
    前記電流取得部が取得した電流値に基づいて前記二次電池の電流積算値ΔAhを算出する電流積算値算出部と、
    前記二次電池の電圧値を取得する電圧取得部と、
    前記電圧取得部が取得した電圧値に基づいて少なくとも1つ以上の基準点の開回路電圧と、少なくとも1つの前記基準点よりも充電方向に位置する充電点の開回路電圧OCV(+)と、少なくとも1つの前記基準点よりも放電方向に位置する放電点の開回路電圧OCV(-)とを取得し、さらに少なくとも1つの前記基準点の開回路電圧、充電点の開回路電圧OCV(+)、放電点の開回路電圧OCV(-)と対応した少なくとも1つの基準点の充電率、充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得するOCV-SOC取得部と、
    前記電流積算値算出部から入力した電流積算値ΔAhに基づいて、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした充電点の電流積算値ΔAh(+)と、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした放電点の電流積算値ΔAh(-)とをそれぞれ取得するとともに、取得した充電点の電流積算値ΔAh(+)に基づいて第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、取得した放電点の電流積算値ΔAh(-)に基づいて第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、また、前記OCV-SOC取得部から取得した少なくとも1つの基準点の充電率、充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)に基づいて、第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出するΔSOC算出部と、
    前記ΔSOC算出部が算出した前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)との比率に基づいて充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)との比率に基づいて放電側補正値K(-)を算出する補正係数算出部と、
    前記補正係数算出部が算出した充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とがそれぞれ1より大きいか小さいかを判定し、その判定結果に応じて推定充電率SOC’の算出方法を選択する判定部と、
    前記判定部で、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1未満もしくは、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1より大きいと判定された場合、前記充電側補正値K(+)と前記放電側補正値K(-)とに基いて補正値K’(n)を算出するとともに、前記補正値K’(n)に基づいて容量補正値K(n)を設定する補正係数設定部と、
    前記補正係数設定部が設定した容量補正値K(n)に基づいて二次電池の総容量Ah(n-1)を補正して総容量Ah(n)を算出する容量補正部と、
    前記容量補正部が算出した総容量Ah(n)に基づいて前記推定充電率SOC’を算出する推定充電率算出部と、を有することを特徴とする電池状態推定装置。
  2. ΔSOC算出部が、二次電池の総容量Ah(n-1)と充電点の電流積算値ΔAh(+)とに基づいて下記(1)式により第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、前記二次電池の総容量Ah(n-1)と放電点の電流積算値ΔAh(-)とに基づいて下記(1’)式により第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、
    ΔSOC1(+)=ΔAh(+)/Ah(n-1)・・・(1)
    ΔSOC1(-)=ΔAh(-)/Ah(n-1)・・・(1’)
    また、少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2’’)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、
    少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’’’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、
    ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0)|・・・(2)
    ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0)|・・・(2’)
    ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0’)|・・・(2’’)
    ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0’)|・・・(2’’’)
    補正係数算出部が、前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)とに基づいて下記(3)式により充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)とに基づいて下記(3’)式により放電側補正値K(-)を算出することを特徴とする請求項1記載の電池状態推定装置。
    K(+)=ΔSOC1(+)/ΔSOC2(+)・・・(3)
    K(-)=ΔSOC1(-)/ΔSOC2(-)・・・(3’)
  3. 複数の充電点もしくは複数の放電点を取得した場合に、
    OCV-SOC取得部はそれぞれの充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得するとともに、
    ΔSOC算出部は、それぞれの充電点もしくは放電点に対して個別にΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を算出し、
    補正係数算出部は、前記(3)式、(3’)式に基づいて、それぞれの充電点もしくは放電点の暫定充電側補正値、暫定放電側補正値を個別に算出した上で、これら暫定充電側補正値、暫定放電側補正値の充電点もしくは放電点ごとの平均値を充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)とすることを特徴とする請求項2記載の電池状態推定装置。
  4. システムに電力供給を行う充電可能な二次電池の推定充電率SOC’を算出する電池状態推定装置であって、
    前記二次電池の電流値を取得する電流取得部と、
    前記電流取得部が取得した電流値に基づいて前記二次電池の電流積算値ΔAhを算出する電流積算値算出部と、
    前記二次電池の電圧値を取得する電圧取得部と、
    前記電圧取得部が取得した電圧値に基づいて少なくとも1つ以上の基準点の開回路電圧と、少なくとも1つの前記基準点よりも充電方向に位置する充電点の開回路電圧OCV(+)と、少なくとも1つの前記基準点よりも放電方向に位置する放電点の開回路電圧OCV(-)とを取得し、さらに少なくとも1つの前記基準点の開回路電圧、充電点の開回路電圧OCV(+)、放電点の開回路電圧OCV(-)と対応した少なくとも1つの基準点の充電率、充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得するOCV-SOC取得部と、
    前記電流積算値算出部から入力した電流積算値ΔAhに基づいて、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした充電点の電流積算値ΔAh(+)と、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした放電点の電流積算値ΔAh(-)とをそれぞれ取得するとともに、取得した充電点の電流積算値ΔAh(+)に基づいて第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、取得した放電点の電流積算値ΔAh(-)に基づいて第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、また、前記OCV-SOC取得部から取得した少なくとも1つの基準点の充電率、充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)に基づいて、第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出するΔSOC算出部と、
    前記ΔSOC算出部が算出した前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)との比率に基づいて充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)との比率に基づいて放電側補正値K(-)を算出する補正係数算出部と、
    前記補正係数算出部が算出した充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とがそれぞれ1より大きいか小さいかを判定し、その判定結果に応じて推定充電率SOC’の算出方法を選択する判定部と、
    前記判定部で、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の一方が1より小さく、他方が1より大きいと判定された場合、過去の容量補正値K(n-1)を容量補正値K(n)に設定する補正係数設定部と、
    前記補正係数設定部が設定した容量補正値K(n)に基づいて二次電池の総容量Ah(n-1)を補正して総容量Ah(n)を算出する容量補正部と、
    前記ΔSOC1(+)、SOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)の値に基づいてSOC補正値K(soc)を設定するSOC補正部と、
    前記総容量Ah(n)と前記SOC補正値K(soc)に基づいて前記推定充電率SOC’を算出する推定充電率算出部と、を有することを特徴とする電池状態推定装置。
  5. ΔSOC算出部が、二次電池の総容量Ah(n-1)と充電点の電流積算値ΔAh(+)とに基づいて下記(1)式により第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、前記二次電池の総容量Ah(n-1)と放電点の電流積算値ΔAh(-)とに基づいて下記(1’)式により第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、
    ΔSOC1(+)=ΔAh(+)/Ah(n-1)・・・(1)
    ΔSOC1(-)=ΔAh(-)/Ah(n-1)・・・(1’)
    また、少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2’’)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、
    少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’’’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、
    ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0)|・・・(2)
    ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0)|・・・(2’)
    ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0’)|・・・(2’’)
    ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0’)|・・・(2’’’)
    補正係数算出部が、前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)とに基づいて下記(3)式により充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)とに基づいて下記(3’)式により放電側補正値K(-)を算出することを特徴とする請求項4記載の電池状態推定装置。
    K(+)=ΔSOC1(+)/ΔSOC2(+)・・・(3)
    K(-)=ΔSOC1(-)/ΔSOC2(-)・・・(3’)
  6. 複数の充電点もしくは複数の放電点を取得した場合に、
    OCV-SOC取得部はそれぞれの充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得するとともに、
    ΔSOC算出部は、それぞれの充電点もしくは放電点に対して個別にΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を算出し、
    補正係数算出部は、前記(3)式、(3’)式に基づいて、それぞれの充電点もしくは放電点の暫定充電側補正値、暫定放電側補正値を個別に算出した上で、これら暫定充電側補正値、暫定放電側補正値の充電点もしくは放電点ごとの平均値を充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)とすることを特徴とする請求項5記載の電池状態推定装置。
  7. 補正係数設定部が、1よりも小さい補正下限値K(min)を有し、補正値K’(n)が補正下限値K(min)よりも小さい場合には、補正下限値K(min)を容量補正値K(n)として設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電池状態推定装置。
  8. 補正係数設定部が軽減係数Aを有し、前記軽減係数Aと1つ前の容量補正値K(n-1)とから下記(4’)式に基づいて容量補正値K(n)を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電池状態推定装置。
    K(n)=(1-A×(1-K’(n)))×K(n-1)・・・(4’)
  9. SOC補正部が、|ΔSOC2(+)-ΔSOC1(+)|の値及び|ΔSOC2(-)-ΔSOC1(-)|の値に基づいてSOC補正値K(soc)を設定することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか記載の電池状態推定装置。
  10. SOC補正部が、|ΔSOC2(+)-ΔSOC1(+)|の値及び|ΔSOC2(-)-ΔSOC1(-)|の値の平均値をSOC補正値K(soc)とすることを特徴とする請求項9記載の電池状態推定装置。
  11. 基準点の開回路電圧OCV(0)、充電点の開回路電圧OCV(+)、放電点の開回路電圧OCV(-)のうち少なくとも1つに、システム起動時の二次電池の開回路電圧を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の電池状態推定装置。
  12. 判定部が充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1よりも大きいと判定した場合、補正係数設定部が下記(4’’)式に基づいて、前記充電側補正値K(+)と前記放電側補正値K(-)との平均値に1つ前の容量補正値K(n-1)を乗じた値を容量補正値K(n)として設定することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の電池状態推定装置。
    K(n)=((K(+)+K(-))/2)×K(n-1)・・・(4’’)
  13. 容量補正部が、下記(5)式に基づいて総容量Ah(n-1)を補正し総容量Ah(n)を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の電池状態推定装置。
    Ah(n)=Ah(n-1)×K(n)・・・(5)
  14. OCV-SOC取得部が取得した充電点もしくは放電点が、基準点の上下に設定された所定の閾値の範囲を超えた場合に、この点を充電点もしくは放電点として設定することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の電池状態推定装置。
  15. 電流取得部からの電流値が予め設定された所定の時間、ゼロ近傍の予め設定された所定の電流ゼロ状態を継続した場合に、OCV-SOC取得部に対し開回路電圧の取得を許可する緩和状態判定部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の電池状態推定装置。
  16. 補正後の総容量Ah(n)を適用した後、再度、容量補正値K(n+1)を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の電池状態推定装置。
  17. 1回のシステムの稼働期間における容量補正値K(n)の算出動作の回数に上限を設けることを特徴とする請求項16記載の電池状態推定装置。
  18. システムオフ時点に適用されていた容量補正値K(n-1)を少なくとも記録する記録部をさらに有し、
    システムの起動時には、前記記録部に記録されている前記容量補正値K(n-1)を読み出して、前記容量補正値K(n-1)を容量補正値K(n)とし、下記(5’)式に基づいて初回の総容量Ah(n)を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の電池状態推定装置。
    Ah(n)=Ah(0)×K(n)・・・(5’)
  19. システムオフ時点に適用されていた容量補正値K(n-1)とそのときの基準点の充電率SOC(0)’と前回のシステム起動からシステムオフ時点までの全ての期間の電流積算値ΔAh(total)とを少なくとも記録する記録部をさらに有し、
    システムの起動時には、起動時の開回路電圧OCV(0)から充電率SOC(0)を取得するとともに、前記記録部に記録されている基準点の充電率SOC(0)’と前記電流積算値ΔAh(total)とを読み出して、
    前記電流積算値ΔAh(total)がシステムオフ時点の基準点に対して充電側に位置するか放電側に位置するかを判別した上で前記電流積算値ΔAh(total)に基づいてΔSOC1(+)もしくはΔSOC1(-)を算出し、
    前記充電率SOC(0)’と充電率SOC(0)とに基づいてΔSOC2(+)もしくはΔSOC2(-)を算出し、充電側補正値K(+)もしくは放電側補正値K(-)のいずれか一方を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の電池状態推定装置。
  20. 二次電池の内部抵抗と電池容量の関係を記録したデータマッピングをさらに有し、
    電圧取得部の取得した電圧値と電流取得部が取得した電流値とから二次電池の推定内部抵抗値を算出し、前記推定内部抵抗値と対応する電池容量を前記データマッピングから取得して、前記電池容量が容量低下を示し且つ、判定部が充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1未満と判定した場合に総容量Ah(n)を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項19のいずれかに記載の電池状態推定装置。
  21. システムに電力供給を行う充電可能な二次電池の推定充電率SOC’を算出する電池状態推定方法であって、
    前記二次電池の電流値を取得する電流取得ステップと、
    前記電流取得ステップで取得した電流値に基づいて前記二次電池の電流積算値ΔAhを算出する電流積算値算出ステップと、
    前記二次電池の電圧値を取得する電圧取得ステップと、
    前記電圧取得ステップで取得した電圧値に基づいて少なくとも1つ以上の基準点の開回路電圧と、少なくとも1つの前記基準点よりも充電方向に位置する充電点の開回路電圧OCV(+)と、少なくとも1つの前記基準点よりも放電方向に位置する放電点の開回路電圧OCV(-)とを取得する開回路電圧取得ステップと、
    前記開回路電圧取得ステップで取得した少なくとも1つの基準点の開回路電圧と、充電点の開回路電圧OCV(+)と、放電点の開回路電圧OCV(-)とにそれぞれ対応した少なくとも1つの基準点の充電率と、充電点の充電率SOC(+)と、放電点の充電率SOC(-)とを取得する充電率取得ステップと、
    前記電流積算値算出ステップで取得した電流積算値ΔAhに基づいて、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした充電点の電流積算値ΔAh(+)と、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした放電点の電流積算値ΔAh(-)とをそれぞれ取得する充放電電流積算値取得ステップと、
    前記充放電電流積算値取得ステップで得られた充電点の電流積算値ΔAh(+)に基づいて第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、放電点の電流積算値ΔAh(-)に基づいて、第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出する第1の充電率変化量算出ステップと、
    前記充電率取得ステップで得られた少なくとも1つの基準点の充電率と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出する第2の充電率変化量算出ステップと、
    前記第1の充電率変化量算出ステップと前記第2の充電率変化量算出ステップにより得られた前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)との比率に基づいて充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)との比率に基づいて放電側補正値K(-)を算出する補正係数算出ステップと、
    前記補正係数算出ステップで算出した充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とがそれぞれ1より大きいか小さいかを判定し、その判定結果に応じて推定充電率SOC’の算出方法を選択する判定ステップと、
    前記判定ステップで充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1未満もしくは、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1より大きいと判定された場合、前記充電側補正値K(+)と前記放電側補正値K(-)とに基いて補正値K’(n)を算出するとともに、前記補正値K’(n)に基づいて容量補正値K(n)を設定する補正係数設定ステップと、
    前記補正係数設定ステップで設定された容量補正値K(n)に基づいて二次電池の総容量Ah(n-1)を補正して総容量Ah(n)を算出する容量値補正ステップと、
    前記容量値補正ステップで算出された総容量Ah(n)に基づいて前記推定充電率SOC’を算出する推定充電率算出ステップと、を有することを特徴とする電池状態推定方法。
  22. 第1の充電率変化量算出ステップが、二次電池の総容量Ah(n-1)と充電点の電流積算値ΔAh(+)とに基づいて下記(1)式により第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、前記二次電池の総容量Ah(n-1)と放電点の電流積算値ΔAh(-)とに基づいて下記(1’)式により第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、
    ΔSOC1(+)=ΔAh(+)/Ah(n-1)・・・(1)
    ΔSOC1(-)=ΔAh(-)/Ah(n-1)・・・(1’)
    第2の充電率変化量算出ステップが、少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2’’)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、
    少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’’’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、
    ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0)|・・・(2)
    ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0)|・・・(2’)
    ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0’)|・・・(2’’)
    ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0’)|・・・(2’’’)
    補正係数算出ステップが、前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)とに基づいて下記(3)式により充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)とに基づいて下記(3’)式により放電側補正値K(-)を算出することを特徴とする請求項21記載の電池状態推定方法。
    K(+)=ΔSOC1(+)/ΔSOC2(+)・・・(3)
    K(-)=ΔSOC1(-)/ΔSOC2(-)・・・(3’)
  23. 開回路電圧取得ステップが、複数の充電点もしくは複数の放電点を取得した場合に、
    充電率取得ステップはそれぞれの充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得し、
    充電率変化量算出ステップは、それぞれの充電点もしくは放電点に対して個別にΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を算出し、
    補正係数算出ステップは、前記(3)式、(3’)式に基づいて、それぞれの充電点もしくは放電点の暫定充電側補正値、暫定放電側補正値を個別に算出した上で、これら暫定充電側補正値、暫定放電側補正値の充電点もしくは放電点ごとの平均値を充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)とすることを特徴とする請求項22に記載の電池状態推定方法。
  24. システムに電力供給を行う充電可能な二次電池の推定充電率SOC’を算出する電池状態推定方法であって、
    前記二次電池の電流値を取得する電流取得ステップと、
    前記電流取得ステップで取得した電流値に基づいて前記二次電池の電流積算値ΔAhを算出する電流積算値算出ステップと、
    前記二次電池の電圧値を取得する電圧取得ステップと、
    前記電圧取得ステップで取得した電圧値に基づいて少なくとも1つ以上の基準点の開回路電圧と、少なくとも1つの前記基準点よりも充電方向に位置する充電点の開回路電圧OCV(+)と、少なくとも1つの前記基準点よりも放電方向に位置する放電点の開回路電圧OCV(-)とを取得する開回路電圧取得ステップと、
    前記開回路電圧取得ステップで取得した少なくとも1つの基準点の開回路電圧と、充電点の開回路電圧OCV(+)と、放電点の開回路電圧OCV(-)とにそれぞれ対応した少なくとも1つの基準点の充電率と、充電点の充電率SOC(+)と、放電点の充電率SOC(-)とを取得する充電率取得ステップと、
    前記電流積算値算出ステップで取得した電流積算値ΔAhに基づいて、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした充電点の電流積算値ΔAh(+)と、少なくとも1つの前記基準点の電流積算値を基準とした放電点の電流積算値ΔAh(-)とをそれぞれ取得する充放電電流積算値取得ステップと、
    前記充放電電流積算値取得ステップで得られた充電点の電流積算値ΔAh(+)に基づいて第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、放電点の電流積算値ΔAh(-)に基づいて、第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出する第1の充電率変化量算出ステップと、
    前記充電率取得ステップで得られた少なくとも1つの基準点の充電率と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出する第2の充電率変化量算出ステップと、
    前記第1の充電率変化量算出ステップと前記第2の充電率変化量算出ステップにより得られた前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)との比率に基づいて充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)との比率に基づいて放電側補正値K(-)を算出する補正係数算出ステップと、
    前記補正係数算出ステップで算出した充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)とがそれぞれ1より大きいか小さいかを判定し、その判定結果に応じて推定充電率SOC’の算出方法を選択する判定ステップと、
    前記判定ステップで、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の一方が1より小さく、他方が1より大きいと判定された場合、
    過去の容量補正値K(n-1)に基づいて容量補正値K(n)を設定する補正係数設定ステップと、
    前記補正係数設定ステップで設定された容量補正値K(n)に基づいて二次電池の総容量Ah(n-1)を補正して総容量Ah(n)を算出する容量値補正ステップと、
    前記ΔSOC1(+)、SOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)の値に基づいてSOC補正値K(soc)を設定するSOC補正値設定ステップと、
    前記容量値補正ステップで算出された総容量Ah(n)と前記SOC補正値設定ステップで設定されたSOC補正値K(soc)に基づいて前記推定充電率SOC’を算出する推定充電率算出ステップと、を有することを特徴とする電池状態推定方法。
  25. 第1の充電率変化量算出ステップが、二次電池の総容量Ah(n-1)と充電点の電流積算値ΔAh(+)とに基づいて下記(1)式により第1の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(+)を算出し、前記二次電池の総容量Ah(n-1)と放電点の電流積算値ΔAh(-)とに基づいて下記(1’)式により第1の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC1(-)を算出し、
    ΔSOC1(+)=ΔAh(+)/Ah(n-1)・・・(1)
    ΔSOC1(-)=ΔAh(-)/Ah(n-1)・・・(1’)
    第2の充電率変化量算出ステップが、少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と充電点の充電率SOC(+)とに基づいて下記(2’’)式により第2の充電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(+)を算出し、
    少なくとも1つの基準点の充電率SOC(0)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、もしくは、前記充電率SOC(0)とは異なる別の基準点の充電率SOC(0’)と放電点の充電率SOC(-)とに基づいて下記(2’’’)式により第2の放電側の充電率の変化量としてのΔSOC2(-)を算出し、
    ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0)|・・・(2)
    ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0)|・・・(2’)
    ΔSOC2(+)=|SOC(+)-SOC(0’)|・・・(2’’)
    ΔSOC2(-)=|SOC(-)-SOC(0’)|・・・(2’’’)
    補正係数算出ステップが、前記ΔSOC1(+)とΔSOC2(+)とに基づいて下記(3)式により充電側補正値K(+)を算出し、前記ΔSOC1(-)とΔSOC2(-)とに基づいて下記(3’)式により放電側補正値K(-)を算出することを特徴とする請求項24記載の電池状態推定方法。
    K(+)=ΔSOC1(+)/ΔSOC2(+)・・・(3)
    K(-)=ΔSOC1(-)/ΔSOC2(-)・・・(3’)
  26. 開回路電圧取得ステップが、複数の充電点もしくは複数の放電点を取得した場合に、
    充電率取得ステップはそれぞれの充電点の充電率SOC(+)、放電点の充電率SOC(-)を取得し、
    充電率変化量算出ステップは、それぞれの充電点もしくは放電点に対して個別にΔSOC1(+)、ΔSOC1(-)、ΔSOC2(+)、ΔSOC2(-)を算出し、
    補正係数算出ステップは、前記(3)式、(3’)式に基づいて、それぞれの充電点もしくは放電点の暫定充電側補正値、暫定放電側補正値を個別に算出した上で、これら暫定充電側補正値、暫定放電側補正値の充電点もしくは放電点ごとの平均値を充電側補正値K(+)、放電側補正値K(-)とすることを特徴とする請求項25記載の電池状態推定方法。
  27. 補正係数設定ステップが、1よりも小さい補正下限値K(min)よりも補正値K’(n)が小さい場合には、補正下限値K(min)を容量補正値K(n)として設定することを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれかに記載の電池状態推定方法。
  28. 補正係数設定ステップが、1よりも小さい軽減係数Aと1つ前の容量補正値K(n-1)とから下記(4’)式に基づいて容量補正値K(n)を算出することを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれかに記載の電池状態推定方法。
    K(n)=(1-A×(1-K’(n)))×K(n-1)・・・(4’)
  29. SOC補正値設定ステップが、|ΔSOC2(+)-ΔSOC1(+)|の値及び|ΔSOC2(-)-ΔSOC1(-)|の値に基づいてSOC補正値K(soc)を設定することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれかに記載の電池状態推定方法。
  30. SOC補正値設定ステップが、|ΔSOC2(+)-ΔSOC1(+)|の値及び|ΔSOC2(-)-ΔSOC1(-)|の値の平均値をSOC補正値K(soc)とすることを特徴とする請求項29に記載の電池状態推定方法。
  31. 開回路電圧取得ステップが、基準点の開回路電圧OCV(0)、充電点の開回路電圧OCV(+)、放電点の開回路電圧OCV(-)のうち少なくとも1つに、システム起動時の二次電池の開回路電圧を用いることを特徴とする請求項21乃至請求項30のいずれかに記載の電池状態推定方法。
  32. 判定ステップで、充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1よりも大きいと判定された場合、補正係数設定ステップが下記(4’’)式に基づいて、前記充電側補正値K(+)と前記放電側補正値K(-)との平均値に1つ前の容量補正値K(n-1)を乗じた値を容量補正値K(n)として設定することを特徴とする請求項21乃至請求項31のいずれかに記載の電池状態推定方法。
    K(n)=((K(+)+K(-))/2)×K(n-1)・・・(4’’)
  33. 容量値補正ステップが、下記(5)式に基づいて総容量Ah(n-1)を補正し総容量Ah(n)を算出することを特徴とする請求項21乃至請求項32のいずれかに記載の電池状態推定方法。
    Ah(n)=Ah(n-1)×K(n)・・・(5)
  34. 開回路電圧取得ステップが、取得した充電点もしくは放電点が基準点の上下に設定された所定の閾値の範囲を超えた場合に、この点を充電点もしくは放電点として設定することを特徴とする請求項21乃至請求項33のいずれかに記載の電池状態推定方法。
  35. 開回路電圧取得ステップが、電流取得部からの電流値が予め設定された所定の時間、ゼロ近傍の予め設定された所定の電流ゼロ状態を継続した場合に、開回路電圧を取得する緩和状態待機ステップをさらに有することを特徴とする請求項21乃至請求項34のいずれかに記載の電池状態推定方法。
  36. 補正後の総容量Ah(n)を適用した後、再度、容量補正値K(n+1)を算出することを特徴とする請求項21乃至請求項35のいずれかに記載の電池状態推定方法。
  37. 1回のシステムの稼働期間における容量補正値K(n)の算出動作の回数に上限を設けることを特徴とする請求項36記載の電池状態推定方法。
  38. システムオフ時点で適用中の容量補正値K(n-1)を少なくとも記録する記録ステップと、
    システムの起動時に実行される初期補正値算出ステップと、をさらに有し、
    前記初期補正値算出ステップは、前記記録ステップで記録された前記容量補正値K(n-1)を読み出して、前記容量補正値K(n-1)を容量補正値K(n)とし、下記(5’)式に基づいて初回の総容量Ah(n)を算出することを特徴とする請求項21乃至請求項37のいずれかに記載の電池状態推定方法。
    Ah(n)=Ah(0)×K(n)・・・(5’)
  39. システムオフ時点に適用されていた容量補正値K(n-1)とそのときの基準点の充電率SOC(0)’と前回のシステム起動からシステムオフ時点までの全ての期間の電流積算値ΔAh(total)とを少なくとも記録する記録ステップをさらに有し、
    システムの起動時には、起動時の開回路電圧OCV(0)から充電率SOC(0)を取得するとともに、前記記録ステップで記録された基準点の充電率SOC(0)’と前記電流積算値ΔAh(total)とを読み出して、
    前記電流積算値ΔAh(total)がシステムオフ時点の基準点に対して充電側に位置するか放電側に位置するかを判別した上で前記電流積算値ΔAh(total)に基づいてΔSOC1(+)もしくはΔSOC1(-)を算出し、
    前記充電率SOC(0)’と充電率SOC(0)とに基づいてΔSOC2(+)もしくはΔSOC2(-)を算出し、充電側補正値K(+)もしくは放電側補正値K(-)のいずれか一方を算出することを特徴とする請求項21乃至請求項37のいずれかに記載の電池状態推定方法。
  40. 二次電池の内部抵抗と電池容量の関係を記録したデータマッピングを備えるとともに、
    電圧取得ステップで取得した電圧値と電流取得ステップで取得した電流値とから二次電池の推定内部抵抗値を算出する内部抵抗算出ステップと、
    前記内部抵抗算出ステップで算出した推定内部抵抗値と対応する電池容量を前記データマッピングから取得する電池容量取得ステップと、
    前記電池容量取得ステップが取得した電池容量が容量低下を示すか否かを判定する容量低下判定ステップと、をさらに有し、
    前記容量低下判定ステップにて前記電池容量取得ステップで取得した電池容量が容量低下を示し、且つ判定ステップにて充電側補正値K(+)と放電側補正値K(-)の双方が1未満と判定した場合に総容量Ah(n)を算出することを特徴とする請求項21乃至請求項39のいずれかに記載の電池状態推定方法。
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