JP7830224B2 - トナー - Google Patents
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Description
一方、高生産を実現するためには定着工程において、トナーをより素早く溶融させることが重要である。トナーの結着樹脂の主成分として、シャープメルト性に優れた結晶性樹脂を用いる技術が知られている。
例えば、特許文献1では、スルホン酸基を有する2価以上のカルボン酸を共重合成分として含有してなる結晶性ポリエステルを用いることで低温定着性と耐オフセット性を向上させるトナーが提案されている。
また、特許文献2では、側鎖に結晶性を有するアクリレート系樹脂を用いることで低温定着性と耐熱保存性を両立させるトナーが提案されている。
そのため、結晶性樹脂を主成分として使用し、長時間にわたる画像出力を行った場合であっても低温定着性と転写性が両立できるトナーの開発が必要である。
本発明の目的は、上記の課題を解決したトナーを提供することにある。具体的には、トナーのヤング率に対して、適切な範囲のヤング率を有する外添剤を用いることで、外添剤埋没を抑制し、低温定着性と転写性を両立できるトナーを提供することにある。
該結着樹脂が、結晶性樹脂を含有し、
該トナーをペレット化して得らえる試験片を用いて、25℃において、微小圧縮試験機によって測定したヤング率をTE(MPa)とし、該トナーから分離した該有機ケイ素重合体粒子の1粒子を用いて、25℃において、微小圧縮試験機によって測定したヤング率をSiE(MPa)としたとき、該TEと該SiEとが、
800≦TE≦2500
1.5≦SiE/TE≦10.0
を満たすことを特徴とするトナーに関する。
該結着樹脂が、結晶性樹脂を含有し、
該トナーをペレット化して得られる試験片を用いて、25℃において、微小圧縮試験機によって測定したヤング率をTE(MPa)とし、該トナーから分離した該有機ケイ素重合体粒子の1粒子を用いて、25℃において、微小圧縮試験機によって測定したヤング率をSiE(MPa)としたとき、該TEと該SiEとが、
800≦TE≦2500
1.5≦SiE/TE≦10.0
を満たすことを特徴とするものである。
以下、本発明を実施するために使用可能な材料について詳細に説明する。
本発明の結着樹脂は、結晶性樹脂を有することが必要である。
R3は、
ニトリル基、
-C(=O)NHR10(R10は水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表す。)、
ヒドロキシ基、
-COOR31(R31は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のヒドロキシアルキル基を表す。)、
-NH-C(=O)-N(R33)2(R33はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。)、
-COO(CH2)2NHCOOR34(R34は炭素数1~4のアルキル基を表す。)、又は
-COO(CH2)2-NH-C(=O)-N(R35)2(R35はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。)
を表し、
R4は、水素原子又はメチル基を表す。)
R6は、水素原子又はメチル基を表す。)
該結着樹脂は、非晶性樹脂を含有してもよい。非晶性樹脂を含有することでドメインを形成することができる。該非晶性樹脂は公知の非晶性樹脂を用いることができ、低温定着性、定着分離性の観点からポリエステル、スチレンアクリル樹脂、またはそれらのハイブリッド樹脂であることが好ましい。
結着樹脂は、顔料分散性を向上させるなどの目的により、本発明の効果を損なわない程度に、結晶性樹脂、非晶性樹脂以外の樹脂を含有してもよい。
本発明で使用する有機ケイ素重合体粒子の製造方法は、特に限定されないが、ゾルゲル法によるシランモノマーの加水分解、縮重合反応を経て粒子を形成することが好ましい。具体的には、シロキサン結合を2つ有する2官能モノマー(S2)と、シロキサン結合を3つ有する3官能モノマー(S3)と、シロキサン結合を4つ有する4官能モノマー(S4)の混合体を加水分解、及び縮重合反応によりポリマー化させることによって粒子を形成する。本発明者らは製造方法において、上記モノマーの混合比率、加水分解、及び縮合反応時の溶媒温度、触媒の種類、撹拌時間、及び溶液のpHなどを調整することによって上記の効果が発現する有機ケイ素重合体粒子を作製した。
0.20≦S4/SA≦0.60
0.00≦S3/SA≦0.50
0.20≦S2/SA≦0.70
を満たすことが好ましい。上記範囲内であると、トナーがキャリアなどの部材からストレスを受けた場合に、外添剤粒子のトナー粒子表面への埋没や、外添剤粒子自体の破壊を抑制できる。さらに、
0.30≦S4/SA≦0.50
0.00≦S3/SA≦0.10
0.50≦S2/SA≦0.70
であると、外添剤粒子内部のSi-O-C結合と、シロキサン結合(Si-O-Si)の存在量比が最適となり、トナーの耐久安定性の観点でより好ましい。なお、29Si-NMRによる有機ケイ素重合体粒子の存在量比の測定方法については後述する。
本発明のトナーは、必要に応じて無機微粒子を含有してもよい。
トナー粒子は離型剤を含有していてもよく、離型剤は、結晶樹脂との組み合わせで最適なものが選択される。本発明のトナーでは、定着時に離型剤が結晶性樹脂を介してトナー表面に移行すると考えられるので、離型剤の融点は結晶性樹脂の融点Tp以上の融点を有する離型剤が好ましい。離型剤としては以下のものが挙げられる。
トナー粒子は、必要に応じて着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
トナー粒子は、必要に応じて荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性を安定化、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、長期にわたり安定した画像が得られるという点で、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることがより好ましい。
本発明のトナーについては、その製造方法は特に制限されないが、本発明のトナーを製造するのに適した製造方法について詳細に説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、ワックス、着色剤、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級する。
更に、トナー粒子の表面に外添剤が外添処理される。外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナー粒子と有機ケイ素重合体粒子及び公知の各種外添剤を所定量配合し、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
まず、存在量の基準サンプルとなる薄片を作製する。
加速電圧:200kV
電子線照射サイズ:1.5nm
ライブタイムリミット:600sec
デッドタイム:20~30
マッピング分解能:256×256
トナーに含まれる各材料の溶剤への溶解度の差を利用して、トナーから各材料を分離することができる。
第一分離:23℃のメチルエチルケトン(MEK)にトナーを溶解させ、可溶分(非晶性樹脂)と不溶分(結晶性樹脂、ワックス、着色剤、外添剤など)を分離する。
第二分離:100℃のMEKに、第一分離で得られた不溶分(結晶性樹脂、ワックス、着色剤、外添剤など)を溶解させ、可溶分(結晶性樹脂、ワックス)と不溶分(着色剤、外添剤など)を分離する。
第三分離:23℃のクロロホルムに、第二分離で得られた可溶分(結晶性樹脂、ワックス)を溶解させ、可溶分(結晶性樹脂)と不溶分(ワックス)を分離する。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)200gを加え、湯せんをしながら溶解させショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに該ショ糖濃厚液31gと、6mLのコンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を入れ、分散液を作製する。この分散液にトナー1gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
上記分離で得られた各分離工程において、可溶分及び不溶分の質量を測定することで、トナーにおける、結着樹脂中の結晶性樹脂及び非晶性樹脂の含有量を算出する。
第一、第二及び第三の樹脂を構成するモノマーユニットの同定及び含有割合の測定は、1H-NMRにより以下の条件にて行う。
測定装置 :FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
第一のモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S1/n1)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
第二のモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S2/n2)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
第三のモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S3/n3)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
トナー及び樹脂などの融点、並びに、吸熱ピーク及び吸熱量の測定は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
トナー(粒子)の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー(粒子)約10mgを少量ずつ電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー(粒子)を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
有機ケイ素重合体粒子、トナーのヤング率は、25℃における、ハイジトロンPI 85L ピコインデンター(BRUKER社製)を使用した微小圧縮試験から求められる。測定で得られる変位(nm)と試験力(μN)のプロファイル(応力-ひずみ曲線)の傾きからヤング率(MPa)を算出する。
・機器・治具
ベースシステム:Hysitron PI-85L
測定圧子:先端が直径1μmの円形であるフラットエンド圧子
使用SEM:Thermo Fisher Versa 3D
SEM条件:-10°tilt, 13pA at 10keV
・測定条件
測定モード:変位制御
最大変位:30nm
変位速度:1nm/秒
保持時間:2秒
除荷速度:5nm/秒
・解析方法
得られた荷重変位曲線における0nm~10nm圧縮した際の曲線に対してHertz解析を適用し、各粒子のヤング率を算出する。
・サンプル調整
有機ケイ素重合体粒子:シリコンウエハー上に有機ケイ素重合体粒子を付着させたものを使用する。
トナー:トナーを0.1g秤量し、室温(25℃)の環境下で、錠剤成型器を用いて、直径8.0mm、厚さ1.5±0.3mmの円板状に加圧成型したペレットを試験片として使用する。
XRDは、測定装置「RINT-TTRII」(株式会社リガク社製)と、装置付属の制御ソフト及び解析ソフトを用いる。
X線:Cu/50kV/300mA
ゴニオメータ:ロータ水平ゴニオメータ(TTR-2)
アタッチメント:標準試料ホルダー
発散スリット:解放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
カウンタ:シンチレーションカウンタ
走査モード:連続
スキャンスピード:4.0000°/min.
サンプリング幅:0.0200°
走査軸:2θ/θ
走査範囲:10.0000乃至40.0000°
固体29Si-NMRでは、有機ケイ素重合体粒子の構成化合物のSiに結合する官能基の構造によって、異なるシフト領域にピークが検出される。
固体29Si-NMRの測定条件は、具体的には下記の通りである。
装置:JNM-ECX5002 (JEOL RESONANCE)
温度:室温
測定法:DDMAS法 29Si 45°
試料管:ジルコニア3.2mmφ
試料:試験管に粉末状態で充填
試料回転数:10kHz
relaxation delay :180s
Scan:2000
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)結着樹脂を含有するトナー粒子、及び該トナー粒子の表面に有機ケイ素重合体粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、結晶性樹脂を含有し、
該トナーをペレット化して得られる試験片を用いて、25℃において、微小圧縮試験機によって測定したヤング率をTE(MPa)とし、該トナーから分離した該有機ケイ素重合体粒子の1粒子を用いて、25℃において、微小圧縮試験機によって測定したヤング率をSiE(MPa)としたとき、該TEと該SiEとが、
800≦TE≦2500
1.5≦SiE/TE≦10.0
を満たすことを特徴とするトナー。
(構成2)前記結晶性樹脂の含有量が、前記結着樹脂を基準として、50質量%以上である構成1に記載のトナー。
(構成3)前記有機ケイ素重合体粒子の含有量が、トナー粒子100質量部に対し、0.5質量部以上20.0質量部以下である構成1または2に記載のトナー。
(構成4)前記トナーは、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが20.0°以上22.0°以下の範囲に、回折ピークを有する構成1~3のいずれかに記載のトナー。
(構成5)前記結晶性樹脂が、上記式(1)で表されるモノマーユニットを有し、
該モノマーユニットの割合が、前記結晶性樹脂の質量を基準として、30.0質量%以上である構成1~4のいずれかに記載のトナー。
(構成6)前記トナー粒子が非晶性樹脂を含み、
透過型電子顕微鏡によって前記トナー粒子の断面を観察したとき、該断面には非晶性樹脂のドメインが観察され、
該断面において、前記トナー粒子の表面から800nm以内の領域に存在する該ドメインの個数平均粒径が20nm以上500nm以下である構成1~5のいずれか1に記載のトナー。
(構成7)前記有機ケイ素重合体粒子を試料とする29Si-NMRの測定において、有機ケイ素重合体に由来するピーク面積の総量をSA、Q単位由来のピーク面積をS4、T単位由来のピーク面積をS3、D単位に由来するピーク面積をS2としたとき、
0.20≦S4/SA≦0.60
0.00≦S3/SA≦0.50
0.20≦S2/SA≦0.70
を満たす構成1~6のいずれかに記載のトナー。
(構成8)前記トナーの平均円形度が0.930以上0.980以下である構成1~7のいずれかに記載のトナー。
・溶媒:トルエン 100.0部
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は、以下のアクリル酸ベヘニル、アクリロニトリル及びスチレンを以下に示す割合で混合したものである。
・アクリル酸ベヘニル 60.0部
・アクリロニトリル 10.0部
・スチレン 30.0部)
・重合開始剤 0.5部
[t-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV)]
還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、上記材料を投入した。反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。
結晶性樹脂1の製造例において、それぞれの単量体及び質量部数を表1に変更した以外は同様にして反応を行い、結晶性樹脂2~10を得た。
BEA:アクリル酸ベヘニル
STA:アクリル酸ステアリル
MYA:アクリル酸ミリシル
HA:アクリル酸ヘキサデシル
AN:アクリロニトリル
St:スチレン
・1,12-ドデカンジオール:46.5部
・ドデカン二酸:53.3部
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。
フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
オートクレーブにキシレン50.0部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下、密閉状態で185℃まで昇温した。
(ポリエステル樹脂成分の処方)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2mol付加物) 50.0mol部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2.2mol付加物) 50.0mol部
・テレフタル酸 65.0mol部
・無水トリメリット酸 25.0mol部
・アクリル酸 10.0mol部
上記ポリエステル樹脂成分を生成するモノマーの混合物90部を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で撹拌した。
本製造例では、乳化重合法を用いてトナー粒子を製造した。まず、下記に記す方法で各分散液を製造した。
・トルエン(和光純薬製) 300部
・結晶性樹脂1 100部
上記材料を秤量及び混合し、100℃で溶解させた。
・テトラヒドロフラン(和光純薬製) 300部
・非晶性樹脂1 100部
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製) 0.5部
上記材料を秤量及び混合し、溶解させた。
・ワックス1 100.0部
(フィッシャートロプシュワックス;最大吸熱ピークのピーク温度90℃)
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製) 5部
・イオン交換水 395部
上記材料を秤量し、撹拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径 :3cm
・クリアランス :0.3mm
・ローター回転数 :19000r/min
・スクリーン回転数:19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、ワックス微粒子の濃度20質量%の水系分散液(ワックス微粒子分散液)を得た。
・着色剤1 50.0部
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製) 7.5部
・イオン交換水 442.5部
上記材料を秤量及び混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10質量%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を得た。
・結晶性樹脂1微粒子分散液 60.0部
・非晶性樹脂1微粒子分散液 40.0部
・ワックス微粒子分散液 5.0部
・着色剤微粒子分散液 9.0部
・イオン交換水 20.0部
・後処理用結晶性樹脂1微粒子分散液 3.0部
前記の後処理用結晶性樹脂1微粒子分散液以外の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した。続いてホモジナイザー ウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて5000r/minで10分間分散した。1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで58℃まで加熱した。形成された凝集粒子を、コールターマルチサイザーIIIを用い、適宜確認し、重量平均粒径(D4)が約6.4μmになるまで保持した。その後、後処理用結晶性樹脂1微粒子分散液を追加し、さらに30分保持した後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。
本製造例では、溶融混練粉砕法を用いてトナー粒子を製造した。
・結晶性樹脂1 60.0部
・非晶性樹脂1 40.0部
・ワックス1 5.0部
(フィッシャートロプシュワックス;融点90℃)
・着色剤1 9.0部
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、日本コークス工業株式会社製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にてスクリュー回転数250rpm、吐出温度130℃にて混練した。得られた混練物をドラムフレーカー(MBD30-30、日本コークス社製)によって圧延・冷却した。冷却水の温度は15℃に設定し、圧延・冷却後の樹脂組成物の厚さが1.0mmになるように条件を設定した。溶融後から結晶性樹脂の融点Tp以下になるまでの温度は(10秒)であり、圧延後から結晶性樹脂の融点Tp以下になるまでの冷却速度は(7℃/秒)であった。ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、フロイントターボ(株)製)にて微粉砕した。
トナー粒子2の製造例において、結晶性樹脂の種類・添加部数、非晶性樹脂の種類・添
加部数、混練条件を表2に記載したように変更した以外は同様にして製造を行い、トナー
粒子3~24を得た。
1.加水分解工程:
200mlビーカーに、RO水43.2部、触媒として酢酸0.008部を仕込み、45℃で撹拌した。ここにテトラエトキシシラン27.2g、及びジメチルジメトキシシラン27.2部を加えて1.5時間撹拌し、原料溶液を得た。
1000mlビーカーに、RO水68.8部、メタノール340.0部、25%アンモニア水2.0部を投入して30℃で撹拌し、アルカリ性水系媒体を調製した。このアルカリ性水系媒体に、上記加水分解工程で得た原料溶液を1分間かけて滴下した。この原料溶液を滴下後の混合液をそのまま30℃に保ったまま1.5時間撹拌して、重縮合反応を進行させ重縮合反応液を得た。
2000mlビーカーにRO水1000部を投入し、これを25℃で撹拌しながら上記縮重合工程で得た重縮合反応液を10分間かけて滴下した。重縮合反応液が水に混ざるとすぐに白濁し、シロキサン結合を有するケイ素重合体粒子を含む分散液を得た。
上記粒子化工程で得たシロキサン結合を有するケイ素重合体粒子を含む分散液に、疎水化剤としてヘキサメチルジシラザン27.1部を添加して、60℃で2.5時間撹拌した。5分静置して溶液下部に沈殿した粉体を吸引濾過で回収し、120℃で24時間減圧乾燥して有機ケイ素重合体粒子1を得た。得られた有機ケイ素重合体1粒子の一次粒径のヤング率は6200MPaであった。トナー用外添剤である有機ケイ素重合体粒子1の物性を表3に示す。
有機ケイ素重合体粒子1の製造例において、加水分解工程の添加モノマー構成を表3に記載したように変更した以外は同様にして製造を行い、有機ケイ素重合体粒子2~11を得た。
・トナー粒子1 100部
・有機ケイ素重合体粒子1 5.0部
上記の材料をヘンシェルミキサーFM-10C型(三井三池化工機製)で回転数30s-1、回転時間10minで混合して、トナー1を得た。得られたトナーをペレット化して測定したヤング率は1700MPaであった。
トナー1の製造例において、トナー粒子及び有機ケイ素重合体粒子の種類と部数を表4に記載のものに変更したこと以外は同様にして製造を行い、トナー2~35を得た。なお、トナー35は、有機ケイ素重合体粒子に代えてシリカ微粒子(個数平均粒径120nm、ヤング率71000MPa)を5.0部用いた。
・個数平均粒径0.30μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am2/kg)のマグネタイト1
・個数平均粒径0.50μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am2/kg)のマグネタイト2
上記の材料それぞれ100部に対し、4.0部のシラン化合物(3-(2-アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
・フェノール:10質量%
・ホルムアルデヒド溶液:6質量%(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト1:58質量%
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト2:26質量%
上記材料100部と、28質量%アンモニア水溶液5部、水20部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温及び保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。
92.0部の磁性キャリア1に対して、8.0部のトナー1を加え、V型混合機(V-20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
二成分系現像剤1の製造例において、トナーを表5のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤2~35を得た。
上記二成分系現像剤1を用いて、評価を行った。
画像形成装置として、中間転写体を有するキヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C5560改造機を用い、シアン用現像器に二成分系現像剤1を入れた。装置の改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及び、レーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力し、紙上におけるFFh画像上のトナーの載り量が所望になるようにVDC、VD、及びレーザーパワーを調整して、低温定着性の評価を行った。
・紙:GFC-081(81.0g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
・紙上のトナーの載り量:0.70mg/cm2
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
・評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
・試験環境:低温低湿環境:温度15℃/湿度10%RH(以下「L/L」)
・定着温度:140℃
・プロセススピード:400mm/sec
上記評価画像を出力し、低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。
画像濃度の低下率=(摩擦前の画像濃度-摩擦後の画像濃度)/(摩擦前の画像濃度)×100
AA:画像濃度の低下率1.0%未満
A:画像濃度の低下率3.0%未満
B:画像濃度の低下率3.0%以上5.0%未満
C:画像濃度の低下率5.0%以上8.0%未満
D:画像濃度の低下率8.0%以上
画像形成装置として、中間転写体を有するキヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5255改造機を用いた。常温常湿環境下(温度23℃、相対湿度50%)でベタ画像を出力した。
A:濃度差0.05未満
B:濃度差0.05以上0.10未満
C:濃度差0.10以上0.20未満
D:濃度差0.20以上
二成分系現像剤1の代わりに二成分系現像剤2~35を用いた以外は、実施例1と同様にして低温定着性・転写性の評価を行った。評価結果を表5に示す。
Claims (8)
- 結着樹脂を含有するトナー粒子、及び該トナー粒子の表面に有機ケイ素重合体粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、結晶性樹脂を含有し、
該トナーをペレット化して得られる試験片を用いて、25℃において、微小圧縮試験機によって測定したヤング率をTE(MPa)とし、該トナーから分離した該有機ケイ素重合体粒子の1粒子を用いて、25℃において、微小圧縮試験機によって測定したヤング率をSiE(MPa)としたとき、該TEと該SiEとが、
800≦TE≦2500
1.5≦SiE/TE≦10.0
を満たすことを特徴とするトナー。 - 前記結晶性樹脂の含有量が、前記結着樹脂を基準として、50質量%以上である請求項1に記載のトナー。
- 前記有機ケイ素重合体粒子の含有量が、トナー粒子100質量部に対し、0.5質量部以上20.0質量部以下である請求項1または2に記載のトナー。
- 前記トナーは、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが20.0°以上22.0°以下の範囲に、回折ピークを有する請求項1または2に記載のトナー。
- 前記結晶性樹脂が、下記式(1)で表されるモノマーユニットを有し、
該モノマーユニットの割合が、前記結晶性樹脂の質量を基準として、30.0質量%以上である請求項1または2に記載のトナー。
(式(1)中、RZ1は、水素原子又はメチル基を表し、R1は、炭素数18~36のアルキル基を表す。) - 前記トナー粒子が非晶性樹脂を含み、
透過型電子顕微鏡によって前記トナー粒子の断面を観察したとき、該断面には非晶性樹脂のドメインが観察され、
該断面において、前記トナー粒子の表面から800nm以内の領域に存在する該ドメインの個数平均粒径が20nm以上500nm以下である請求項1または2に記載のトナー。 - 前記有機ケイ素重合体粒子を試料とする29Si-NMRの測定において、有機ケイ素重合体に由来するピーク面積の総量をSA、Q単位由来のピーク面積をS4、T単位由来のピーク面積をS3、D単位に由来するピーク面積をS2としたとき、
0.20≦S4/SA≦0.60
0.00≦S3/SA≦0.50
0.20≦S2/SA≦0.70
を満たす請求項1または2に記載のトナー。 - 前記トナーの平均円形度が0.930以上0.980以下である請求項1または2に記載のトナー。
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