JP7833341B2 - 全固体リチウムイオン電池用正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法及び全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents
全固体リチウムイオン電池用正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法及び全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法Info
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Description
(1)組成式:LiaNi(1-b-c-d)CobMncMdO2
(前記式において、MはAl及びWのいずれか一種以上、0.98≦a≦1.04、0.03≦b≦0.15、0.02≦c≦0.08、0≦d≦0.02である。)
で表され、50%累積体積粒度D50が4.0~7.0μmであり、タップ密度が2.0~2.5g/ccであり、円形度が0.88~0.94であり、硫酸イオン濃度が1600~5000wtppmであり、残留アルカリ量が0.96質量%以下である、全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
(2)BET比表面積が0.3~0.7m2/gである、(1)に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
(3)(1)または(2)に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質を含む、全固体リチウムイオン電池用正極。
(4)(3)に記載の全固体リチウムイオン電池用正極で構成された正極層と、負極層と、固体電解質層と、を含む、全固体リチウムイオン電池。
(5)(a)ニッケル塩、(b)コバルト塩、(c)マンガン塩、(d)アルミニウム塩及びタングステン塩のいずれか一種以上、及び、(e)アンモニア水とアルカリ金属との塩基性水溶液、を含有する水溶液を反応液とし、前記反応液中のpHを11.0~11.4、アンモニウムイオン濃度を7~21g/L、撹拌動力数を3.0~12.0kW/m3、液温を55~65℃に制御しながら晶析反応を行う工程を含む、
組成式:Ni(1-b-c-d)CobMncMd(OH)2
(前記式において、MはAl及びWのいずれか一種以上、0.03≦b≦0.15、0.02≦c≦0.08、0≦d≦0.02である。)
で表され、50%累積体積粒度D50が4.0~6.0μmであり、円形度が0.88~0.94であり、硫酸イオン濃度が1600~5200wtppmである、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
(6)(5)に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法で製造された前駆体と、リチウム源とを、Ni、Co、Mn及び前記Mからなる金属の原子数の和(Men)とリチウムの原子数(Lin)との比(Lin/Men)が1.01~1.03となるように混合して、リチウム混合物を形成する工程と、
前記リチウム混合物を、酸素雰囲気中、450~520℃で2~15時間焼成した後、さらに680~850℃で2~15時間焼成する工程と、
を含む、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用正極活物質は、組成式:LiaNi(1-b-c-d)CobMncMdO2(前記式において、MはAl及びWのいずれか一種以上、0.98≦a≦1.04、0.03≦b≦0.15、0.02≦c≦0.08、0≦d≦0.02である。)で表される。正極活物質は、組成式においてリチウム組成を示すaが0.98≦a≦1.04に制御されている。リチウム組成を示すaが0.98以上であるため、リチウム欠損によるニッケルの還元を抑制することができる。また、リチウム組成を示すaが1.04以下であるため、電池とした際の抵抗成分となり得る、正極活物質粒子表面に存在する、炭酸リチウムや、水酸化リチウム等の残留アルカリ成分を抑制することができる。
(上記式中、Sは粒子の投影面積であり、Lは粒子投影像の周長であり、πは円周率である。)
次に、本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法について詳述する。本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体は、組成式:Ni(1-b-c-d)CobMncMd(OH)2(前記式において、MはAl及びWのいずれか一種以上、0.03≦b≦0.15、0.02≦c≦0.08、0≦d≦0.02である。)で表され、50%累積体積粒度D50が4.0~6.0μmであり、円形度が0.88~0.94であり、硫酸イオン濃度が1600~5200wtppmである。本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法は、まず、(a)ニッケル塩、(b)コバルト塩、(c)マンガン塩、(d)アルミニウム塩及びタングステン塩のいずれか一種以上、及び、(e)アンモニア水とアルカリ金属との塩基性水溶液、を含有する水溶液を準備する。(a)ニッケル塩としては、硫酸ニッケル、硝酸ニッケルまたは塩酸ニッケル等が挙げられる。(b)コバルト塩としては、硫酸コバルト、硝酸コバルトまたは塩酸コバルト等が挙げられる。(c)マンガン塩としては、硫酸マンガン、硝酸マンガンまたは塩酸マンガン等が挙げられる。(d)アルミニウム塩としては、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムまたはアルミン酸ナトリウム等が挙げられる。タングステン塩としては、タングステン酸ナトリウム、塩化タングステンまたはタングステン酸カリウム等が挙げられる。(e)アンモニアを含む塩基性水溶液としては、アンモニア水溶液、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩酸アンモニウム等が挙げられる。アルカリ金属の塩基性水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸塩等の水溶液であってもよい。また、当該炭酸塩の水溶液としては、例えば、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液などの炭酸基の塩を用いた水溶液が挙げられる。
次に、本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法について詳述する。本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法は、まず、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体に、リチウム源を、Ni、Co、Mn及び前記Mからなる金属の原子数の和(Men)とリチウムの原子数(Lin)との比(Lin/Men)が1.01~1.03となるように混合して、リチウム混合物を形成する。リチウム源としては、炭酸リチウムまたは水酸化リチウム等が挙げられる。混合方法としては、各原料の混合割合を調整してヘンシェルミキサー、自動乳鉢またはV型混合器等で乾式混合することが好ましい。
本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用正極活物質によって正極を形成し、当該正極を正極層とし、当該正極層と、固体電解質層と、負極層とを含む全固体リチウムイオン電池を作製することができる。本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池を構成する固体電解質層及び負極層は、特に限定されず、公知の材料で形成することができ、図1に示すような公知の構成とすることができる。
正極集電体の材質としては、例えば、ダイス鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン合金、銅、金、ニッケルなどが挙げられる。
正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状などが挙げられる。
正極集電体の平均厚みとしては、例えば、10μm~500μmであってもよく、50μm~100μmであってもよい。
負極集電体の材質としては、例えば、ダイス鋼、金、インジウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼などが挙げられる。
負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状などが挙げられる。
負極集電体の平均厚みとしては、例えば、10μm~500μmであってもよく、50μm~100μmであってもよい。
電池の形状については特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒型、角型、ボタン型、コイン型、扁平型などが挙げられる。
まず、Ni:Co:Mn=82:15:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。
次に、撹拌翼付属の反応槽へ混合金属塩溶液と、アンモニア水と20質量%の水酸化ナトリウム水溶液を反応槽内のpHが11.1、アンモニウムイオン濃度が15.0g/Lになるように反応槽へ送液し、晶析反応させて、ニッケル-コバルト-マンガンの複合水酸化化合物を沈殿させた。このとき、反応槽の撹拌翼の回転数を1000rpm、撹拌動力数を5.5kW/m3に制御し、反応槽の液温が60℃で保持されるように、ウォータージャケットにて保温した。
また、当該晶析反応で生成する共沈物の酸化を防止するために反応槽へ窒素ガスを導入した。反応槽へ導入するガスはヘリウム、ネオン、アルゴン、炭酸ガスなどの酸化を促進しないガスであれば、上記の窒素ガスに限らず使用することができる。
次に、得られた沈殿物を吸引ろ過した後、水洗して、箱型乾燥機を用いて、120℃にて12時間乾燥した。これによって、正極活物質の前駆体を製造した。
次に、正極活物質の前駆体のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム(Li)原子数との比(Li/Me)が1.01となるように水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合して、自動乳鉢で30分間混合し、混合粉を得た。次に、混合粉をアルミナこう鉢に充填し、マッフル炉にて、酸素雰囲気下、500℃で4時間焼成した後、740℃まで加熱し、当該温度で8時間保持することで焼成を行い、正極活物質を得た。
Ni:Co:Mn=86:7:7となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を17.8g/Lとした以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、実施例1と同様にして水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合して焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn:Al=85:7:7:1となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガン及びアルミン酸ナトリウムを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を20g/L、pHを11.0とした以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、実施例1と同様にして水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合して焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn:W=81.4:14.9:3.0:0.7となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガン及びタングステン酸ナトリウムを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を21g/L、pHを11.0とした以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、リチウム(Li)原子数との比(Li/Me)が1.03となるように水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合した以外は実施例1と同様にして焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn:W=81.4:14.9:3.0:0.7となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガン及びタングステン酸ナトリウムを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を21g/L、pHを11.0とした以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、実施例1と同様にして水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合して焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn=82:15:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を13.5g/L、pHを11.2とした以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、実施例1と同様にして水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合して焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn=90:7:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を7.2g/L、pHを11.0、反応槽の撹拌翼の回転数を820rpm、撹拌動力数を3.0kW/m3に制御した以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、焼成温度として720℃まで加熱した以外は実施例1と同様にして水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合して焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn=90:7:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を10g/L、pHを11.0、反応槽の撹拌翼の回転数を820rpm、撹拌動力数を3.0kW/m3に制御した以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、リチウム(Li)原子数との比(Li/Me)が0.98となるように水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合し、焼成温度として720℃まで加熱した以外は実施例1と同様にして焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn=90:7:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を17.4g/L、pHを11.2、反応槽の撹拌翼の回転数を1300rpm、撹拌動力数を12.0kW/m3に制御した以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、リチウム(Li)原子数との比(Li/Me)が1.03となるように水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合し、焼成温度として720℃まで加熱した以外は実施例1と同様にして焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn=90:7:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、反応槽の液温を55℃で保持し、アンモニウムイオン濃度を14.6g/L、pHを11.4、反応槽の撹拌翼の回転数を1300rpm、撹拌動力数を12.0kW/m3に制御した以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、リチウム(Li)原子数との比(Li/Me)が1.03となるように水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合し、焼成温度として720℃まで加熱した以外は実施例1と同様にして焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn=90:7:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、反応槽の液温を50℃で保持し、アンモニウムイオン濃度を4.1g/L、pHを11.3、反応槽の撹拌翼の回転数を820rpm、撹拌動力数を3.0kW/m3に制御した以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、焼成温度として720℃まで加熱した以外は実施例1と同様にして水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合して焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn=90:7:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を4.6g/L、pHを11.0、反応槽の撹拌翼の回転数を820rpm、撹拌動力数を3.0kW/m3に制御した以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、実施例1と同様にして水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合して焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn=90:7:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を8.0g/L、pHを10.9、反応槽の撹拌翼の回転数を820rpm、撹拌動力数を3.0kW/m3に制御した以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、焼成温度として720℃まで加熱した以外は実施例1と同様にして水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合して焼成することで、正極活物質を作製した。
Ni:Co:Mn=90:7:3となるように硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンを所定量秤量して1.5mol/Lの混合金属塩溶液を調製した。晶析反応条件において、アンモニウムイオン濃度を8.2g/L、pHを11.2、反応槽の撹拌翼の回転数を500rpm、撹拌動力数を1.9kW/m3に制御した以外は、実施例1と同様にして正極活物質の前駆体を作製した。
続いて、リチウム(Li)原子数との比(Li/Me)が1.03となるように水酸化リチウムと正極活物質の前駆体とを混合し、焼成温度として720℃まで加熱した以外は実施例1と同様にして焼成することで、正極活物質を作製した。
(組成)
得られた各前駆体、及び、各正極活物質のサンプル(粉末)を規定量はかり取り、アルカリ溶融法で分解後、日立ハイテク社製の誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES)「PS7800」を用いて、組成分析を行った。
得られた各前駆体、及び、各正極活物質のサンプル(粉末)100mgを、Microtrac社製レーザー回折型粒度分布測定装置「MT3300EXII」を用いて、50%流速中、40Wの超音波を60秒間照射して分散後、粒度分布を測定し、体積基準の累積粒度分布曲線を得た。得られた累積粒度分布曲線において、50%累積時の体積粒度を、正極活物質の粉末の50%累積体積粒度D50とした。なお、測定の際の水溶性溶媒は0.02μmのフィルタを通し、溶媒屈折率を1.333、粒子透過性条件を透過、粒子屈折率を1.81、形状を非球形とし、測定レンジを0.021~2000μm、測定時間を30秒とした。
得られた各前駆体、及び、各正極活物質のサンプル(粉末)5gを、10ccのメスシリンダーに投入し、株式会社セイシン企業製の粉体密度測定器「KYT-4000K」に設置し、ストローク長55mmのタップを1500回行った後、メスシリンダーの目盛を読み取った。次に、「サンプル投入量(5g)/メスシリンダーの目盛り読み値(cc)」を算出し、これをタップ密度(g/cc)とした。
得られた各前駆体、及び、各正極活物質のサンプル(粉末)について、Malvern社製の粒子画像分析装置「Morphologi G3」にて測定した。具体的には、当該粒子画像分析装置にて、取得した2万個以上の粒子の光学画像から、「solidity=0.93」のパラメータを用いてフィルタ処理を行い、円形度を測定した。
当該粒子画像分析装置は、まず、試料(前駆体、正極活物質)をサンプルカートリッジに投入した後に分散ユニットにセットした。次に、分散ユニットに窒素ガス導入ラインを接続し、窒素ガスを吹き付けることで、試料をガラスプレート上に分散させた。ガラスプレート上の分散された試料の粒子画像の撮影と画像解析とを連続的に行った後、撮影した個々の粒子(18000個以上)の投影面積と周長から、下記の式を用いて、円形度を算出した。なお、円形度の平均値は、測定したすべての正極活物質の粒子の円形度の平均をいう。
(上記式中、Sは粒子の投影面積であり、Lは粒子投影像の周長であり、πは円周率である。)
得られた各前駆体、及び、各正極活物質のサンプル(粉末)1.0gをガラスセルに秤量し、脱気装置にセットし、窒素ガスでガラスセル内を充填した後、窒素ガス雰囲気中、40℃で20分間熱処理し、脱気した。その後、脱気後のサンプル(粉末)が入ったガラスセルをQuantachrome社製比表面積測定装置「Monosorb Model MS-21」へセットし、吸着ガスとしてHe:70at%-N2:30at%混合ガスを流しながら、BET法(1点法)によって、比表面積Xを測定した。
得られた各前駆体、及び、各正極活物質のサンプル(粉末)について、株式会社日立ハイテク製の誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES)により硫黄を定量分析し、硫黄は全て酸化して硫酸イオン(SO4 2-)になるものとして係数を乗じることによって求めた。
得られた各正極活物質のサンプル(粉末)1gを純水50mL中に分散し、10分間撹拌してろ過した後、ろ液10mLと純水15mLとの混合液を0.1NのHClで電位差測定して求めた。
以下、全固体電池セルの作製はアルゴン雰囲気下のグローブボックス内にて行った。
まず、各サンプルをそれぞれLiOC2H5とNb(OC2H5)5にて被覆した後に、酸素雰囲気にて400℃で1時間焼成し、ニオブ酸リチウムのアモルファス層にて表面を被覆した正極活物質を作製した。
次に、当該正極活物質75mgと硫化物系固体電解質材料Li3PS425mgとを混合し、正極合材を得た。
また、硫化物系固体電解質材料Li3PS480mgを、ペレット成形機を用いて5MPaの圧力でプレスし、固体電解質層を形成した。当該固体電解質層の上に正極合材10mgを投入し、30MPaの圧力でプレスして合材層を作製した。
次に、得られた固体電解質層と正極活物質層との合材層の上下を裏返し、固体電解質層側に、SUS板にLi箔(5mm径×厚み0.1mm)を貼り合わせたものを設け、20MPaの圧力でプレスしてLi負極層とした。これによって、正極活物質層、固体電解質層及びLi負極層がこの順で積層された積層体を作製した。
次に、当該積層体をSUS304製の電池試験セルに入れて拘束圧をかけて全固体二次電池とし、25℃電池初期特性(放電容量)を測定した。また、エネルギー体積密度(放電容量×タップ密度)を算出した。なお、充放電条件は、充電条件:CC/CV 4.2V、0.1C、放電条件:CC 0.05C、3.0Vまでとした。
上記製造条件及び試験結果を表1及び2に示す。
実施例1~10に係る正極活物質は、いずれも、組成式:LiaNi(1-b-c-d)CobMncMdO2(前記式において、MはAl及びWのいずれか一種以上、0.98≦a≦1.04、0.03≦b≦0.15、0.02≦c≦0.08、0≦d≦0.02である。)で表され、50%累積体積粒度D50が4.0~7.0μmであり、タップ密度が2.0~2.5g/ccであり、円形度が0.88~0.94であり、硫酸イオン濃度が1600~5000wtppmであり、残留アルカリ量が0.96質量%以下であったため、放電容量及びエネルギー体積密度が良好であった。
比較例1は、残留アルカリ量が0.96質量%以下の範囲外、硫酸イオン濃度が1600~5000wtppmの範囲外であったため、Niの組成比が約90mol%と同程度である実施例7~8と比較して、放電容量が劣っていた。
比較例2は、タップ密度が2.0~2.5g/ccの範囲外、円形度が0.88~0.94の範囲外、残留アルカリ量が0.96質量%以下の範囲外、硫酸イオン濃度が1600~5000wtppmの範囲外であったため、エネルギー体積密度が不良であった。
比較例3は、タップ密度が2.0~2.5g/ccの範囲外、円形度が0.88~0.94の範囲外であったため、エネルギー体積密度が不良であった。
比較例4は、タップ密度が2.0~2.5g/ccの範囲外、円形度が0.88~0.94の範囲外、硫酸イオン濃度が1600~5000wtppmの範囲外であったため、エネルギー体積密度が不良であった。
Claims (8)
- 組成式:LiaNi(1-b-c-d)CobMncMdO2
(前記式において、MはAl及びWのいずれか一種以上、0.98≦a≦1.04、0.03≦b≦0.15、0.02≦c≦0.08、0≦d≦0.02である。)
で表され、50%累積体積粒度D50が4.0~7.0μmであり、タップ密度が2.0~2.5g/ccであり、円形度が0.88~0.94であり、硫酸イオン濃度が1600~5000wtppmであり、残留アルカリ量が0.96質量%以下である、全固体リチウムイオン電池用正極活物質。 - BET比表面積が0.3~0.7m2/gである、請求項1に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
- 請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質を含む、全固体リチウムイオン電池用正極。
- 請求項3に記載の全固体リチウムイオン電池用正極で構成された正極層と、負極層と、固体電解質層と、を含む、全固体リチウムイオン電池。
- (a)ニッケル塩、(b)コバルト塩、(c)マンガン塩、及び、(e)アンモニア水とアルカリ金属との塩基性水溶液、を含有する水溶液を反応液とし、前記反応液中のpHを11.0~11.4、アンモニウムイオン濃度を7~21g/L、撹拌動力数を3.0~12.0kW/m3、液温を55~65℃に制御しながら晶析反応を行う工程を含む、
組成式:Ni (1-b-c) Co b Mn c (OH) 2
(前記式において、0.03≦b≦0.15、0.02≦c≦0.08である。)
で表され、50%累積体積粒度D50が4.0~6.0μmであり、円形度が0.88~0.94であり、硫酸イオン濃度が1600~5200wtppmである、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法。 - 請求項5に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法で製造された前駆体と、リチウム源とを、Ni、Co及びMnからなる金属の原子数の和(Men)とリチウムの原子数(Lin)との比(Lin/Men)が1.01~1.03となるように混合して、リチウム混合物を形成する工程と、
前記リチウム混合物を、酸素雰囲気中、450~520℃で2~15時間焼成した後、さらに680~850℃で2~15時間焼成する工程と、
を含む、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。 - (a)ニッケル塩、(b)コバルト塩、(c)マンガン塩、(d)アルミニウム塩及びタングステン塩のいずれか一種以上、及び、(e)アンモニア水とアルカリ金属との塩基性水溶液、を含有する水溶液を反応液とし、前記反応液中のpHを11.0~11.4、アンモニウムイオン濃度を7~21g/L、撹拌動力数を3.0~12.0kW/m 3 、液温を55~65℃に制御しながら晶析反応を行う工程を含む、
組成式:Ni (1-b-c-d) Co b Mn c M d (OH) 2
(前記式において、MはAl及びWのいずれか一種以上、0.03≦b≦0.15、0.02≦c≦0.08、0<d≦0.02である。)
で表され、50%累積体積粒度D50が4.0~6.0μmであり、円形度が0.88~0.94であり、硫酸イオン濃度が1600~5200wtppmである、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法。 - 請求項7に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体の製造方法で製造された前駆体と、リチウム源とを、Ni、Co、Mn及び前記Mからなる金属の原子数の和(Me n )とリチウムの原子数(Li n )との比(Li n /Me n )が1.01~1.03となるように混合して、リチウム混合物を形成する工程と、
前記リチウム混合物を、酸素雰囲気中、450~520℃で2~15時間焼成した後、さらに680~850℃で2~15時間焼成する工程と、
を含む、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
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