JP7837101B1 - 樹脂ブロック構造体、建築物、雨水貯留槽、雨水貯留浸透槽、敷地、及び擁壁 - Google Patents

樹脂ブロック構造体、建築物、雨水貯留槽、雨水貯留浸透槽、敷地、及び擁壁

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Abstract

【課題】 中高層のビルにおける地盤改良や大規模な雨水貯留槽、雨水貯留浸透槽等の特に高い強度が要求される用途においても好適に使用できる樹脂ブロック構造体を提供する。
【解決手段】 平板状部11を有する複数の樹脂ブロック1を組み合わせて向かい合う平板状部11の間に空間が形成されるように組み立てられた複数の樹脂ブロック1,2,3から成る建設用又は土木用の樹脂ブロック構造体10において、隣り合う樹脂ブロック1,2,3に跨がるようにして連続繊維シート5又はポリプロピレンテープがエポキシ系着材で貼り付けられて両者を互いに固定している。樹脂ブロック構造体10は、基礎61の下側に地盤置換層として設けられたり、雨水貯留槽7の構成部材として設けられたり、敷地8や擁壁9の構成部材として設けられたりする。
【選択図】 図9

Description

本願の発明は、建設や土木に用いられる樹脂ブロック構造体に関するものである。
近年、樹脂製の安定した形状を有するブロック材(以下、この明細書において樹脂ブロックと総称する。)が建設や土木の分野で用いられることが多くなっている。例えば、軟弱地盤において建築物を建築する際の地盤改良において、樹脂ブロックを用いる地盤置換工法が多く採用されるに至っている。軽量でありつつも十分な強度を有する樹脂ブロックを上下左右に敷き詰めて樹脂ブロック層とし、これにより不同沈下を防止する方策がしばしば採用される。以下、この明細書において、樹脂ブロックを並べて形成された構造体を樹脂ブロック構造体と呼ぶ。樹脂ブロック構造体において、樹脂ブロックを並べる方向は左右方向のみでもよく、上下方向のみでもよい。並べ方は、一列のみでもよく、複数でもよい。
多くの場合、樹脂ブロックは、平板状の部分(平板状部)を有する。樹脂ブロック構造体は、並べた複数の樹脂ブロックを相互に接合して向かい合う平板状部との間に空間が形成されるように組み立てられた構造体である。特許文献1に、その一例が示されている。
このような樹脂ブロック構造体は、地盤改良以外にも種々の目的で敷設されている。例えば、大雨浸水被害を予防する観点から盛んに設けられるようになっている雨水貯留槽や雨水貯留浸透槽においても、樹脂ブロック構造体によって雨水貯留空間を確保する構造が採用されている。特許文献1に示すように、樹脂ブロックは通水用の開口が多く形成されており、内部空間(向かい合う平板状部の間の空間)に雨水が浸入できるようになっている。雨水貯留槽の場合には、全体の底面と側面を遮水面として降水時に水を溜め、その後徐々に放水するようにする。雨水貯留浸透槽の場合には、全体の底面や側面を浸透面とし、雨水を貯留しつつ徐々に地盤に浸透させるようにする。
これら以外にも、種々の目的において樹脂ブロック構造体を採用する提案が多くされている。例えば、特許文献2では、嵩上げ敷地を施工する際に樹脂ブロック構造体を用いることや擁壁の構造において樹脂ブロック構造体を採用することが提案されている。
特許第4210312号公報 特許第6240625号公報 特許第7454897号公報 特許第5938454号公報
上述したような種々の目的で採用され得る樹脂ブロック構造体において、より高い強度を発揮することが求められる事例が生じてきている。
例えば、地盤改良の分野では、樹脂ブロック構造体による地盤置換は主に一戸建て住宅や低層の集合住宅等で主に採用されてきたが、中層のビルでも採用される例が見られるようになっており、高層のビルでも採用が検討されることが多くなってきている。この理由は、打ち込み杭や柱状改良杭といった杭による沈下防止は高コストで環境に対する影響も良くないことに加え、基礎に固定された杭が大地震発生時に震動を伝える経路になってしまう問題が指摘されていることにも起因している(特許文献3参照)。
しかしながら、このような中高層のビルを建築する際の地盤対策において樹脂ブロック構造体の採用が検討される場合、施主や構造担当の建築士によっては、従来の樹脂ブロック構造体の強度を問題視することがある。
また、大規模な雨水貯留槽や雨水貯留深層槽でも、構造材としての強度不足を懸念する施主や設計士に配慮し、鋼材や鋼板等の構造材で樹脂ブロック構造体を補強する提案をせざるを得ない状況が散見される。
このような補強は実際には不要な場合もあるが、万が一を考えて十分な強度を確保したいという施主や設計士の要望から無視できない場合が多い。
とはいえ、樹脂ブロック構造体を鋼材で補強することは、コスト上の問題に加え、鋼材の腐食の問題もある。鋼材の腐食は雨水貯留槽や雨水貯留浸透槽に特に問題となるが、地盤改良においても、地中水に晒されることになるため、問題になり易い。さらに、鋼材による補強は、軽量性という樹脂ブロック構造体の大きな特徴点を減じてしまうことになり、地盤置換の効果が薄れてしまい易い。さらに、施工も複雑になり易い。
本願の発明は、樹脂ブロック構造体についての上記の課題を解決するために為されたものであり、中高層のビルにおける地盤改良や大規模な雨水貯留槽、雨水貯留浸透槽等の特に高い強度が要求される用途においても好適に使用できる樹脂ブロック構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、この明細書において、樹脂ブロック構造体、建築物、雨水貯留槽、雨水貯留浸透槽、敷地、及び擁壁の各発明が開示される。
開示された発明に係る樹脂ブロック構造体は、平板状部を有する複数の樹脂ブロックを組み合わせて向かい合う平板状部との間に空間が形成されるように組み立てられ、建設用又は土木用である樹脂ブロック構造体である。
この樹脂ブロック構造体において、隣り合う樹脂ブロックに跨がるようにして連続繊維シート又はポリプロピレンテープが貼り付けられて両者を互いに固定している。
また、上記課題を解決するため、樹脂ブロック構造体は、連続繊維シートは炭素繊維シートであり、ウレタン樹脂系接着材又はエポキシ樹脂系接着材で貼り付けられているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、樹脂ブロック構造体は、各樹脂ブロックが平板状部から立設された脚部を有しており、向かい合う平板状部との間の空間は脚部の回りの空間であるという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、樹脂ブロック構造体は、各樹脂ブロックにおける脚部が先端に嵌合突起及び嵌合孔を有しており、各樹脂ブロックは、互いの脚部の先端を付き合わせて各嵌合突起を各嵌合孔に嵌合させているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る建築物は、基礎と基礎の上に建築された建物とから成る建築物であり、基礎の下側の地盤中には地盤置換層が設けられており、地盤置換層は、開示された発明に係る樹脂ブロック構造体であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る雨水貯留槽は、開示された発明に係る樹脂ブロック構造体を地中に備えており、樹脂ブロック構造体の空間内に雨水が浸入して貯留する構造となっている。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る雨水貯留浸透槽は、開示された発明に係る樹脂ブロック構造体を地中に備えており、各樹脂ブロックにおける平板状部は通水用の開口を有しており、樹脂ブロック構造体の空間内
に雨水が浸入して貯留した後に地中に浸透する構造となっている。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る敷地は、人の用に供される敷地であって、開示された発明に係る樹脂ブロック構造体が埋設されており、樹脂ブロック構造体の上側に表面層が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、敷地は、嵩上げ敷地であって、元の敷地の地表面よりも高い位置に表面層が設けられているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、敷地は、敷地は傾斜地に設けられたものであって、樹脂ブロック構造体は、各樹脂ブロックが傾斜地の斜面に沿って配設された階段状を成す斜面対応部と、上側の面が平坦に連なるように各樹脂ブロックが配設された最上部とを有しており、表面層は最上部の上に設けられているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る擁壁は、高低差のある場所に形成されている崖を保全する擁壁であって、開示された発明に係る樹脂ブロック構造体が崖に沿って設けられており、崖とは反対側の樹脂ブロック構造体の側面を側面層で覆った構造であるという構成を有する。
以下に説明する通り、開示された発明に係る樹脂ブロック構造体によれば、樹脂ブロックに連続繊維シート又はポリプロピレンテープが貼り付けられているので樹脂ブロック単体において強度が増すのに加え、隣接する樹脂ブロックに跨がるように連続繊維シート又はポリプロピレンテープが貼り付けられているので、樹脂ブロック同士の結合強度も高くなっている。このため、より高い強度が要求される用途に好適に使用することができる。
また、開示された発明に係る建築物によれば、樹脂ブロック構造体の強度が全体として高められているので、4階以上の中層又は高層のビルや集合住宅を建築する際の軟弱地盤対策においても好適となる。
また、開示された発明に係る雨水貯留槽又は雨水貯留浸透槽によれば、開示された発明に係る樹脂ブロック構造体により空間を確保して雨水貯留を行うので、コンクリート製の柱を設けて確保する場合に比べると、遙かに低コストで工期も短くて済むというメリットがある。そして、樹脂ブロック構造体の強度が高められているので、より大規模な雨水貯留槽についても安心して使用することができ、スチール製の柱材等の使用を不要にしたり少なくしたりすることができる。
また、開示された発明に係る敷地によれば、強度が高められた樹脂ブロック構造体を使用するので、大規模に造成される敷地の場合に特に好適となる。
また、開示された発明に係る擁壁によれば、強度が高められた樹脂ブロック構造体が側面層の背後に配設されているので、大がかりな基礎を施工する必要がない。このため、低コストで短い工期で施工できる擁壁となる。
実施形態の樹脂ブロック構造体を構成する樹脂ブロックの一例を示した斜視概略図である。 実施形態の樹脂ブロック構造体を構成する樹脂ブロックの一例を示した斜視概略図である。 図1及び図2に示す樹脂ブロックを使用した樹脂ブロック構造体の構成の一例を示した概略図である。 図1及び図2に示す樹脂ブロックを使用した樹脂ブロック構造体の構成の一例を示した概略図である。 水平方向で隣り合う有脚ブロック1の連結構造について示した概略図であり、図4(1)は正面断面概略図、図4(2)は平面概略図である。 平板状ブロックを利用した有脚ブロック同士の連結について示した斜視概略図である。 平板状ブロックを利用した有脚ブロック同士の連結について示した斜視概略図である。 上下方向に有脚ブロックの組を重ねた構造について示した正面断面概略図である。 樹脂ブロック構造体の補強について示した概略図である。 実施形態の樹脂ブロック構造体を軟弱地盤対策としての地盤置換層に応用した構成の正面断面概略図である。 実施形態の樹脂ブロック構造体を雨水貯留槽に応用した構成の正面断面概略図である。 敷地造成に実施形態の樹脂ブロック構造体を応用した構成の正面断面概略図である。 実施形態の樹脂ブロック構造体を擁壁に応用した構成の正面断面概略図である。 脚部を同じ向きに向けて有脚ブロックを積み重ねる構成について示した斜視概略図である。 脚部を同じ向きに向けて有脚ブロックを積み重ねる構成について示した正面概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。図1及び図2は、実施形態の樹脂ブロック構造体を構成する樹脂ブロックの一例を示した斜視概略図である。
実施形態の樹脂ブロック構造体は、三種類の樹脂ブロック1,2,3を組み合わせて構成されるものとなっている。その一つは、図1に示されているように、平板状部11と脚部12とから成るものである。以下、この樹脂ブロック1を有脚ブロックと呼ぶ。図1(1)は、脚部を上側にした際の斜視概略図であり、図1(2)は、脚部をした側にした際の斜視概略図である。
残りの二つの樹脂ブロック2,3は、平板状のもので、サイズが互いに多少異なるものとなっている。いずれも全体としてはほぼ方形の平板状であり、方形の一方の辺の方向の長さは同じであるが、他方の辺の方向の長さが多少異なっている。他方の辺の長さが長い方の平板状の樹脂ブロック2を、以下、ワイド平板状ブロックと呼び、短い方の平板状の樹脂ブロック3をショート平板状ブロックと呼ぶ。図2(a1)は、ワイド平板状ブロック2を表側から見た斜視概略図であり、図2(a2)はワイド平板状ブロック2を裏側から見た斜視概略図である。また、図2(b1)に示されているのが、ショート平板状ブロック3を表側から見た斜視概略図であり、図2(b2)に示されているのが、ショート平板状ブロック3を裏側から見た斜視概略図である。尚、これら平板状ブロック2,3は、平板状部のみから成る樹脂ブロックということもできる。
まず、有脚ブロック1について図1を参照して説明する。図1に示すように、この例の有脚ブロック1は、四本の脚部12を有する構成となっている。四本の脚部12は、平板状部11の中心に対して対称の位置に設けられており、この例では平板状部11の方形の対角線上となっている。この他、方形の各辺の方向において各中央の位置に脚部12が設けられる場合もある。尚、平板状部11は、平面視では正方形である。
図1に示すように、各脚部12は先端にいくに従って細くなる形状を有している。各脚部12の断面形状は完全な方形や円形ではなく、湾曲部を中心対称状に有する。完全な方形又は円形であっても良いが、湾曲部を有する方が強度が増す。尚、中央に一本のみの脚部を有する有脚ブロックが使用されることもある。
図1(1)に示すように、各脚部12の先端には一対の嵌合突起121と一対の嵌合孔122を有している。後述するように、これら嵌合突起121及び嵌合孔122は、一対の有脚ブロック1を各脚部12の先端を突き合わせた状態で組み合わせる際に利用される。方形の平板状部11における一方の対角線上の二つの脚部12に設けられた各嵌合突起121は、当該対角線上に設けられている。他方の対角線上の二つの脚部12に設けられた各嵌合突起121は、当該対角線に対して垂直な方向に当該対角線に対して線対称に設けられている。各嵌合突起121は、それが設けられた脚部12の先端面の中心からの距離が等しい位置に設けられている。
各嵌合孔122は、各嵌合突起121と関係が丁度逆になるように形成されている。即ち、一方の対角線上の二つの脚部12に設けられた各嵌合孔122は、当該対角線に対して垂直な方向に当該対角線に対して線対称に設けられている。他方の対角線上の二つの脚部12に設けられた各嵌合孔122は、当該対角線上に設けられている。各嵌合孔122は、それが設けられた脚部12の先端面の中心からの距離が等しい位置に設けられており、その距離は当該中心から各嵌合突起121までの距離に等しい。
図1(1)に示すように、各脚部12は、平板状部11の板面に対して垂直に延びている。平板状部11は、全体としては正方形の板状であり、軽量化及び通水のための開口を多数有している。また、図1(2)に示すように、平板状部11は、脚部12と反対側から見ると、各脚部12の裏側となる脚部開口120を有している。
一方、図2(a1)(a2)に示すように、ワイド平板状ブロック2は、長い方の辺に沿って小さな突起21が多数形成されている。各突起21の輪郭はコ状であり、以下、コ状突起と呼ぶ。多数のコ状突起21が並んで形成された長辺部分の長さは、有脚ブロック1の平板状部11の一辺の長さと同じである。尚、図2(a1)(a2)に示すように、ワイド平板状ブロック2の短い方の辺には突起は設けられておらず、平坦な端面となっている。
図2(b1)(b2)に示すように、ショート平板状ブロック3も、向かい合う一対の辺においてコ状突起31が複数形成されており、他方の向かい合う一対の辺は平坦端面となっている。ショート平板状部11の平坦端面の長さは、ワイド平板状部11の平坦端面の長さと同じである。以下、説明の都合上、各平板状ブロック2,3において、コ状突起21,31が設けられた端面を非平坦端面と呼び、コ状突起21,31が設けられていない平坦な端面を平坦端面と呼ぶ。
また、図2(b2)に示されているように、各平板状ブロック2,3は、平板状ブロック2,3同士を重ねたときに嵌め合いを達成するための嵌合突起22,32及び嵌合孔23,33を有している。図2(a2)(b2)に示されているように、嵌合突起22,32は各平板状ブロック2,3の裏側に形成されている。嵌合突起22,32は一つの平板状ブロック2,3において中心対称に(即ち、90度間隔で)四つ設けられている。嵌合孔23,33も中心対称に四つ設けられており、嵌合突起22,32の配置とは左右逆にした対称配置となっている。このため、二つの平板状ブロック2,3を裏面を向かい合わせて重ねると、一方の各嵌合突起22,32が他方の各嵌合孔23,33に嵌まり込む状態となり、嵌め合い構造が達成される。
また、図2(a1)(a2)に示されているように、各平板状ブロック2,3の表側にも、四つの嵌合孔24.34が形成されている。表側の各嵌合孔24,34の位置は、表側から裏側を見通した際の各嵌合突起22,32の形成位置と同じである。したがって、一方の平板状ブロック2,3の裏面を他方の平板状ブロック2,3の表面に向かい合わせて重ね合わせると、各嵌合突起22,32は表側の各嵌合孔24,34に嵌まり込むことになり、嵌め合い構造が達成される。いずれにしても、各平板状ブロック2,3同士の嵌め合い構造により、上下に積み重ねた際の左右のずれが抑制され、より安定する。尚、重ね合わせについては、ワイド平板状ブロック2のみを重ね合わせる場合もあるし、ショート平板状ブロック3のみを重ね合わせる場合もあるし、両者を混合して重ね合わせる場合もある。また、平板状ブロック2,3の積み重ね構造については、特許文献3の図5~図9にも開示されており、参照することができる。
次に、このような樹脂ブロックを使用した樹脂ブロック構造体の構成について説明する。図3及び図4は、図1及び図2に示す樹脂ブロックを使用した樹脂ブロック構造体の構成の一例を示した概略図である。
図1及び図2に示す樹脂ブロック1~3を使用して樹脂ブロック構造体を構成する場合、幾つかの異なるパターンがある。図3及び図4には、このうちの一つのパターンが示されている。このパターンは、内部空間が最も広くなるようにするパターンである。
具体的には、図3に示すように、二つの有脚ブロック1を互いの脚部12の先端を突き合わせて組み合わせる。この際、一方の有脚ブロック1に対して他方の有脚ブロック1を平板状部11の中心の回りに90度回転させた状態とする。そして、一方の有脚ブロック1の脚部12の嵌合突起121を他方の有脚ブロック1の脚部12の嵌合孔122に嵌め込むようにする。各有脚ブロック1はみな同じ寸法形状であるが、脚部12を互いに向かい合わせて突き合わせると、各嵌合突起121の位置と各嵌合孔122の位置が同じになるため、互いに嵌まり合う形となる。
このようにして互いに脚部12を突き合わせて上下に一対の有脚ブロック1を重ね合わせ際、必要に応じて平板状ブロック2,3が適宜使用される。有脚ブロック1に対する各平板状ブロック2,3の組み込みの際には、コ状突起21,31が利用される。図1(1)に示すように、有脚ブロック1の平板状部11の裏面(脚部12が延びている側の面)は、格子状のリブ13が形成されている。格子状のリブ13が設けられた領域は、平板状部11の外周部を含んでおり、この位置のリブ13で形成された小さな方形の凹部(以下、方形凹部)14に平板状ブロック2,3の各コ状突起21,31が嵌まり込む構造となっている。
平板状ブロック2,3の使用についても幾つかのパターンがあるが、図3にその一例が示されている。この例では、図3に示すように、ワイド平板状ブロック2をその平坦端面が上下方向を向く姿勢とする。この姿勢では、上下の非平坦端面の各コ状突起21は上側及び下側で突出した状態となる。この姿勢で、図3に示すように、脚部12が向かい合う一対の有脚ブロック1の間に介在させる。より具体的には、下側の各コ状突起21を下側の有脚ブロック1の裏面外周部の方形凹部14に差し込み、上側の各コ状突起21を上側の有脚ブロック1の平板状部11の裏面外周部の方形凹部14に差し込む。
また、ショート平板状ブロック3は、板面がワイド平板状ブロック2に対して垂直で且つ上下方向に向いた姿勢とする。そして、ショート平板状ブロック3についても、平坦端面が上下方向に向いた姿勢とし、上下の非平坦端面の各コ状突起31が上側及び下側に突出した姿勢とする。この状態で、向かい合う有脚ブロック1の間に介在させ、裏面外周部の各方形凹部14に各コ状突起31が差し込まれるようにする。図3に示すように、ショート平板状ブロック3は、ワイド平板状ブロック2が介在する設けられた辺(裏面外周部)と垂直に交差する辺(裏面外周部)に対して設けられる形となる。このため、図4に示すように、一対の有脚ブロック1が形成する内側空間に対して側面部分を二つの平板状ブロック2,3が閉鎖した形となる。
図4の状態において、向かい合う他方の側面部分にもワイド平板状ブロック2、ショート平板状ブロック3を設けると、一対の有脚ブロック1、一対のワイド平板状ブロック2、一対のショート平板状ブロック3により1個の樹脂ブロック構造体10が構成された状態となる。この樹脂ブロック構造体10も、本願発明の樹脂ブロック構造体の一実施形態であるが、実際には、図4に二点鎖線で示すように、さらに多くの有脚ブロック1を並べて樹脂ブロック構造体が構成される。
有脚ブロック1を並べる構成では、水平方向で必要な領域を樹脂ブロック構造体10が占めるようにするため、水平方向に有脚ブロック1を並べる構成がしばしば採用される。即ち、図3に破線で示すように、平板状部11の二つの辺の方向に沿って縦横に有脚ブロック1を並べていき、水平方向で必要な領域を占める大きさの樹脂ブロック構造体10を構成する。
上記のように水平方向に有脚ブロック1を並べていく際、隣り合う有脚ブロック1を互いに連結する部材が必要に応じて採用される。この点について、図5を参照して説明する。図5は、水平方向で隣り合う有脚ブロックの連結構造について示した概略図であり、図5(1)は正面断面概略図、図5(2)は平面概略図である。
図1(2)に示すように、有脚ブロック1の平板状部11は、表面の各角部が少し凹んでいて凹部15が形成されている。各凹部の縁はL字状であり、各凹部15の底面には円形の差し込み孔(以下、角部孔という。)16が形成されている。
縦横の有脚ブロック1の連結には、連結具4が使用される。連結具4は、小さな方形のプレート状の部材であり、連結突起41を有している。図5の例では、四つの有脚ブロック1を連結するために四つの連結突起41を有しているが、二つの連結突起41のみを有して二つの有脚ブロック1を連結する連結具が使用されることもある。いずれにしても、各連結突起が各有脚ブロック1の角部孔16に差し込まれ、有脚ブロック1同士を連結する。
水平方向に隣り合う有脚ブロック1の連結には、平板状ブロック2,3が利用されることもある。この点について、図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7は、平板状ブロックを利用した有脚ブロック同士の連結について示した斜視概略図である。
図3及び図4に示す例では、例えばワイド平板状ブロック2は有脚ブロック1の平板状部11の辺(裏面外周部)に長さ方向の両端を合わせた状態で介在させている。ワイド平板状ブロック2を連結のために使用する場合、このようにせず、図6に示すように長さ方向で半分ずらした状態で介在させる。即ち、図7に示すように、ワイド平板状ブロック2のうち左側の半分の各コ状突起21は左側の有脚ブロック1の裏面外周部の各方形凹部14に嵌め込まれ、右側の半分の各コ状突起21は右側の有脚ブロック1の裏面外周部の各方形凹部14に嵌め込まれる。
図7に示すように、上下でこの構造となってワイド平板状ブロック2が介在すると、ワイド平板状ブロック2は、左右の有脚ブロック1を上下で連結した状態となる。ショート平板状ブロック3についても、同様に左右の有脚ブロック1の連結に利用することができる。尚、このような利用の仕方ができるのは、図2に示すように、コ状突起21,31は、平板状ブロック2,3の非平坦端面の長さ方向の中央に対して対称に設けられていることによる。平板状ブロック2,3を左右の有脚ブロック1の連結に使用した場合、図4に示す連結具4は使用されないこともあるし、併用される場合もある。
また、樹脂ブロック構造体10が上下方向で必要な領域を占めるようにするため、一対の有脚ブロック1の組を上下方向に重ねた構造が採用されることもある。この点について図8を参照して説明する。図8は、上下方向に有脚ブロックの組を重ねた構造について示した正面断面概略図である。
図8に示すように、上下に有脚ブロック1を重ねたものを縦横に並べて形成した層をさらに上下に重ねて二層、三層の樹脂ブロック構造体10を構成することがあり得る。この場合、上下左右の有脚ブロック1の連結に専用の連結具4が採用されることもある。即ち、上下に四つ(計八つ)の連結突起41が形成された連結具4を使用し、上下左右で八つの有脚ブロック1を連結する構造が採用されることがあり得る。最上層や最下層の有脚ブロック1では、左右の有脚ブロック1の連結のみが必要なので、図5に示すような片側に四つの連結突起41のみが形成された連結具が使用される。
また、特許文献3に開示されているように、平板状ブロックのみを上下左右に並べて樹脂ブロック構造体を構築する場合もある。この場合には、上述したように各平板状ブロックの各嵌合突起が相手方の各平板状ブロックの各嵌合孔に入り込んだ状態となる。この際、隣り合う各平板状ブロックの表側の各角部においては、図1に示すのと同様の凹部15と角部孔16が設けられ、図5に示すような連結具が使用されて各平板状ブロック同士が連結される。尚、この場合には、各平板状ブロックは、いずれの端面も平坦な面であるものとされる。
このように種々の形態で樹脂ブロックを組み合わせて構成される樹脂ブロック構造体10において、さらに強度を高める工夫が採用される。以下、この点について説明する。図9は、樹脂ブロック構造体10の補強について示した概略図である。図9(1)は平面概略図、図9(2)は正面概略図である。
上述した樹脂ブロック構造体10は、それ自体で十分な強度を有し、特に補強は必要がない場合が多い。それでも、建築資材としては、施主や設計士が要求する強度を満たすために補強することが必要な場合がある。補強としては、スチール製を支柱や梁を追加して剛性を高めることが考えられるが、コスト上の問題に加え、全体として重量が増すため、地盤置換層として用いられる場合には地盤置換の効果を低下させてしまう問題もある。さらに、特許文献4に教示されているように、この種の樹脂ブロック構造体10は適度な柔軟性を有するために免震作用が発揮される長所がある。剛性をあまり高くしてしまうと、地震発生時に震動を基礎を介して建物にそのまま伝えてしまい、建物の揺れが大きくなり、室内での家具の倒壊等を招き易い。
これらの点を考慮し、実施形態の樹脂ブロック構造体10は、連続繊維シート5を貼り付けることで補強を行う構造を採用している。連続繊維シート5とは、連続繊維をシート状にしたものである。繊維には連続繊維と不連続繊維があり、例えば繊維長が5mm以下の繊維を短繊維というので、繊維長が5mmを超える繊維を連続繊維とすることができ、そのような繊維を使用してシート状にしたものが連続繊維シート5である。連続繊維シート5としては、炭素繊維シート、アラミド繊維シート、ガラス繊維シート、ポリエステン繊維シート等を使用することができる。連続繊維シート5については、各種建築物において柱や梁等の補強(連続繊維シート補強工法)に使用されるものを好適に使用することができる。
連続繊維シート5は、幅が15mm~150mm程度の帯状であり、接着材により樹脂ブロック構造体10に貼り付けられている。連続繊維シート5の厚さは、例えば0.5mm~3mm程度である。接着材としては、ポリウレタン系接着材やエポキシ系接着材を使用することができる。この実施形態では、樹脂ブロック1~3はポリエチレンとポリプロピレンの複合樹脂であるので、それを考慮して連続繊維シート5との接着性が高い接着材を適宜選択して用いる。例えば、ポリエステル繊維シートとウレタン系接着材とをセットにした商品がSRFシリーズとして構造品質保証研究所株式会社から販売されているので、適宜選択して使用することができる(例えば幅50mmのSRF250)。このような連続繊維シート5は、ロール状に巻かれた状態で提供される場合が多く、適宜の長さに挟み等で切断して使用する。
このような連続繊維シート5は、単に樹脂ブロックの表面に貼り付けるだけでも強度が高められるが、実施形態では、特に、隣り合う樹脂ブロックに跨がるようにして連続繊維シート5を貼り付ける構成が採用されている。例えば、図9(1)に示すように、四つの樹脂ブロックの平板状部11の各角が接触する箇所においてX字状に連続繊維シート5が貼り付けられる。また、図9(1)(2)に示すように、ワイド平板状ブロック2と有脚ブロック1の平板状部11との接合箇所において両者に跨がるように連続繊維シート5を貼り付ける場合もある。この場合、図9(1)(2)に示すように、隣り合う平板状部11についても同時に跨がるようにすると、より好適である。
また、図9(2)に示すように、互いの脚部12の先端を突き合わせて組み合わせた有脚ブロック1について、互いの脚部12の先端部分に跨がるようにして連続繊維シート5を接着材で貼り付けることができる。図9(2)の例では包帯のように螺旋状に巻き付けているが、同じ位置で周回させる巻き付け方であっても良い。
上記のほか、図示は省略するが、樹脂ブロック構造体10に対して連続繊維シート5を全体に巻き付けて貼り付けしても良い。
このような実施形態の樹脂ブロック構造体10では、連続繊維シート5が貼り付けられているので樹脂ブロック単体において強度が増すほか、隣接する樹脂ブロック1~3に跨がるように連続繊維シート5が貼り付けられているので、樹脂ブロック1~3同士の結合強度も高くなっている。このため、より高い強度が要求される用途に好適に使用することができる。加えて、連続繊維シート5は、適度な柔軟性と靱性を有するので、免震作用等の樹脂ブロック構造体10の作用を損なわず、さらにそれを高める効果を有する。スチール製の柱や板材で補強をしてしまうと、樹脂ブロック構造体10の剛性は高くなるものの、地震発生時の地盤からの振動を伝えやすくなってしまう。樹脂ブロック構造体10は、適度な柔軟性を有するので、免震ゴムに似た作用や地盤との固有振動数の差異による免震作用を有するが、連続繊維シート5は、これをより高める作用を有する。
このような効果を得る構成としては、連続繊維シート5のほか、ポリプロピレンテープを貼り付ける構成も採用し得る。ポリプロピレンテープとしては、梱包用に市販されているものを使用でき、またOPPテープのように予め接着材が塗布されているものを使用することもできる。
このように効果的に強度が高められた実施形態の樹脂ブロック構造体10の用途(応用例)について、図10~図13を参照して説明する。
図10は、実施形態の樹脂ブロック構造体10を軟弱地盤対策としての地盤置換層に応用した構成の正面断面概略図である。図10に示すように、実施形態の樹脂ブロック構造体10は、軟弱地盤対策としての地盤置換層に応用することができる。即ち、軟地盤において建築物6を建築する際、基礎61の下側において地盤の土と置換して実施形態の樹脂ブロック構造体10が配設される。基礎61の施工位置よりも深い位置まで掘り下げ、突き固め、砕石地業を行った後、樹脂ブロック構造体10を敷設する。樹脂ブロック構造体10は、全体に透水シートで覆われ、その上に基礎61が施工される。そして、基礎61の上に建物62が建築される。樹脂ブロック構造体10と基礎61との間には、リプラボード等の緩衝板材63が敷設される場合が多い。
樹脂ブロック構造体10が占める水平方向の領域の大きさや高さは、置換すべき量即ち地盤の地耐力に応じて決定される。地盤置換層の詳細については、特許文献1に詳説されているので、さらなる説明は割愛する。尚、樹脂ブロック構造体10は、内部に雨水が浸入する構造であるので、大雨の際には雨水貯留浸透槽的な作用も有する。また、地震発生時には免震作用も発揮する。
樹脂ブロック構造体10における連続繊維シート5の貼り付けについては、予め行われる場合もあるし、設置場所で行われる場合もある。即ち、別の場所で樹脂ブロック構造体10を組み上げて連続繊維シート5の貼り付けを行い、それを施工場所に持っていって設置する場合もあるし、施工場所において1個ずつ樹脂ブロック1~3を上下左右に並べて樹脂ブロック構造体10を組み立てていき、その際に連続繊維シート5の貼り付けを行う場合もある。
実施形態の樹脂ブロック構造体10を地盤置換層として使用する構成では、樹脂ブロック構造体10の強度が全体として高められているので、4階以上の中層又は高層のビルや集合住宅を建築する際の軟弱地盤対策においても好適となる。従来、中高層の建物を軟弱地盤に建築する場合、洪積層のような固い地盤に届く支持杭による場合が多かった。しかしながら、支持杭による地盤対策は非常に高コストであり、施主の負担が大きい。またまた特許文献3で教示されているように、杭頭が基礎に固定されていると、大地震発生時に震動をそのまま建物に伝えてしまい、杭頭の連結部が破損する事故も生じ易い。一方、実施形態の樹脂ブロック構造体10を採用する場合、中層以上の建物であっても杭は不要となり、安価に安全に軟弱地盤対策が行えるようになる。
図11は、実施形態の樹脂ブロック構造体を雨水貯留槽に応用した構成の正面断面概略図である。図11に示すように、実施形態の樹脂ブロック構造体10は、雨水貯留槽7を形成する構造体として使用することができる。実施形態の樹脂ブロック構造体10を使用して雨水貯留槽7を構築する場合、敷地を掘り下げて形成した空洞に実施形態の樹脂ブロック構造体10を配設する。空洞の底面や側面には、コンクリート壁を形成して遮水層71とし、その内側の空間を樹脂ブロック構造体10が占めるようにする。遮水層71の一部には、溜まった雨水を少しずつ放出する放水管72が設けられる。尚、樹脂ブロック構造体10の上側には、リプラボードのような緩衝板材73を介して表面層74が設けられる。表面層は、上側の空間の用途にもよるが、コンクリート層である場合の他、公園等の場合には用土層とされる場合もある。
樹脂ブロック構造体10により空間を確保して雨水貯留槽7とする場合、コンクリート製の柱を設けて確保する場合に比べると、遙かに低コストで工期も短くて済むというメリットがある。この場合、実施形態の樹脂ブロック構造体10は、強度が高められているので、より大規模な雨水貯留槽についても安心して使用することができ、スチール製の柱材等の使用を不要にしたり少なくしたりすることができる。このため、大規模の雨水貯留槽についても低コストで短工期で構築することができるようになる。大規模の雨水貯留槽とは、例えば貯留空間の高さが2m以上、3m以上又は5m以上であるような高い槽を指す。
尚、雨水を浸透させながら貯留する雨水貯留浸透槽についても実施形態の樹脂ブロック構造体10は応用可能である。雨水貯留浸透槽を構築する場合、掘り下げて形成した空洞の底面や側面の全部又は一部は遮水層とはせずに透水シート等を設けて浸透層とする。雨水貯留浸透槽を構築する場合も、実施形態の樹脂ブロック構造体10を応用すると、大規模なものであっても低コスト・短工期で安心して実現することができるようになる。
また、雨水貯留槽の場合、側面をコンクリート層とするのではなく、図2に示すような平板状のブロックを設けてその外側を遮水シートで覆う構成が採用されることもある。この場合も、遮水シートの平板状ブロックへの貼り付けや遮水シート同士の貼り付けに上述した連続繊維シート又はポリプロピレンテープを用いて補強すると好適である。
図12は、敷地造成に実施形態の樹脂ブロック構造体を応用した構成の正面断面概略図である。このうち、図12(1)は、平らな場所に嵩上げして敷地を造成する場合の構成が示されており、図12(2)には、斜面に対して水平な敷地を造成する場合の構成が示されている。
平らな場所に嵩上げして敷地8を造成する場合、元の敷地を少し掘り下げ、底面について突き固めや砕石敷設等の地業を行った後、実施形態の樹脂ブロック構造体10を設置する。樹脂ブロック構造体10の側面(周囲の面)には、擁壁81を施工する。擁壁81の構造は、従来と同様で良いが、内側の荷重による圧力(樹脂ブロック構造体10の荷重による圧力)が土圧の場合に比べて遙かに小さいため、耐圧強度は低くて良い。樹脂ブロック構造体10の側面と擁壁81との間には、リプラボードのような緩衝板材82や砕石層80が適宜介在される。樹脂ブロック構造体10の上面についても緩衝板材82が介在され、その上に表面層83が施工される。表面層83は、コンクリート層の場合もあるし、砕石層の上に土を被せて形成した層の場合もある。前者の例としては、基礎用の捨てコン層の場合が挙げられるし、後者の例としては公園や運動場等に利用する敷地の場合が挙げられる。
斜面84に対して水平な敷地を造成する場合は、図12(2)に示すように、擁壁が元の斜面側には設けられない点を除き、基本的に平らな場所に造成するのと同様である。斜面84については、樹脂ブロック1~3の大きさに合わせて段々の形状に整地し、突き固めをしながら樹脂ブロック1~3を並べていく。段々の形状に整地した面に並べていく樹脂ブロック1~3が斜面対応部ということになる。組み上げられた樹脂ブロック構造体10の一番上の層が最上部であり、その上に表面層83が形成される。尚、斜面の場合には、施工現場で各樹脂ブロック1~3を組み合わせていくので、連続繊維シート5の貼り付けも施工現場で行われることが多い。
いずれの敷地造成においても、強度が高められた樹脂ブロック構造体10を使用するので、大規模に敷地を造成する際に特に好適となる。このような敷地造成を行う場合には山を削って土砂を確保して行うが、実施形態の敷地造成によれば、樹脂ブロック構造体によって容積が確保されるので、山を削る必要がなく、環境に配慮した敷地造成が行える。
図13は、実施形態の樹脂ブロック構造体を擁壁に応用した構成の正面断面概略図である。擁壁は、高低差のある場所に形成されている崖を保全するものである。擁壁に対する実施形態の樹脂ブロック構造体10の応用は、背後の土に代えて樹脂ブロック構造体10を配設することで擁壁に対する圧力を軽減することになる。圧力が軽減されるため、擁壁の基礎構造を簡略化できる等の効果が得られる。
具体的には、図13(1)に示された応用例では、擁壁9は、多数の樹脂ブロックを上下左右に組み合わせて構築した実施形態の樹脂ブロック構造体10と、側面に露出した側面層91とから成る。樹脂ブロック構造体10において、隣り合う樹脂ブロックに跨がるようにして連続繊維シート(図13中不図示)が適宜貼り付けられている。
側面層91は、この例では植栽されたものとなっており、植栽用の容器911と、容器911に投入された用土912と、用土912に植え込まれた植栽913等から成っている。容器911については、例えばプレキャストコンクリートを使用することができる。尚、斜面90と樹脂ブロック構造体10との間には、砕石層92が設けられている。砕石層92を設けることは、緩衝の目的の他、階段状を成す樹脂ブロック構造体10の下面及び内側面を安定化させるためである。
図13(2)に示された応用例では、側面層として石垣93を用いた例となっている。石垣93の傾斜に沿って背後に樹脂ブロック構造体10が設けられている。樹脂ブロック構造体10は、石垣93の傾斜に合わせて全体に傾斜して設置されている。即ち、樹脂ブロック構造体10は、図3に示すのと同様に、脚部12の先端を付き合わせて一対の有脚ブロック1を組み合わせたものであるが、向かい合わせの方向(各脚部12の高さ方向)が、石垣93の傾斜と同じ方向となっている。この構造は、石垣93をより安定させるためである。
尚、傾斜させて設置した樹脂ブロック構造体10の背後には、傾斜させていない(各平板状部が水平である)別の樹脂ブロック構造体10が設置されている。これは、傾斜させて配置した樹脂ブロック構造体10に対する荷重を軽くして擁壁全体を安定化させるためである。双方の樹脂ブロック構造体10において、隣り合う樹脂ブロックに跨がるようにして連続繊維シート又はポリプロピレンテープが貼り付けられている。
石垣93については、自然石又は人工石(以下、石材)931を適宜積み上げることで施工される。この際、樹脂ブロック構造体10の外側面には、リプラボードのような緩衝材932を適宜挟み込んだ状態で石材を積み上げ、隙間にモルタルを充填して固化することで石垣93は形成される。同様に、樹脂ブロック構造体10の背後には、砕石層92が設けられて安定化を図っている。
実施形態の擁壁によれば、側面層91の背後に実施形態の樹脂ブロック構造体10を配設しているので、大がかりな基礎(擁壁のための基礎)を施工する必要がない。このため、低コストで短い工期で施工できる擁壁となる。
尚、図13(1)(2)に示された応用例において、擁壁9の背後の斜面(土の部分の斜面)の角度は安息角以下とすることが好ましいが、樹脂ブロック構造体10の強度が高められているため、安息角を超えていても問題がない場合が多い。
上述した応用例以外にも、実施形態の樹脂ブロック構造体10は種々の応用が可能である。例えば、特許文献3では、杭基礎構造において杭頭と基礎との間に複数のブロック材を設けた構造が開示されているが、複数のブロック材として実施形態の樹脂ブロック構造体10を採用することができる。この場合は、多数の平板状ブロック2,3を上下左右に並べた構造が好適に採用できる。
また、実施形態の樹脂ブロック構造体10は、土木の分野でも好適に使用することができる。例えば、高低差のある場所に道路を建設する場合、橋を架けるのではなく、実施形態の樹脂ブロック構造体10で高低差を埋めてしまうという応用例が考えられる。樹脂ブロック構造体10による場合、樹脂ブロック1~3を並べて樹脂ブロック構造体10を形成し、適宜の緩衝層を周囲や上層に設けるだけで良いので、架橋を行う場合に比べて遙かに短工期で完了する。山を削って土砂を確保する必要もないので、環境への配慮の観点でも好適である。
以上説明した実施形態の樹脂ブロック構造体10において、平板状ブロック2,3は、脚部12を向かい合わせて組み合わせた有脚ブロック1の平板状部同士の連結用にも使用されるものであるため、向かい合う一対の辺においてコ状突起21を有しているが、平板状ブロックのみを上下左右に並べて樹脂ブロック構造体10を構築する場合、いずれの辺も平坦な端面である平板状ブロックが用いられることもある。そのような平板状ブロックの例が、特許文献3に開示されている。
また、有脚ブロック1を上下に積み重ねて樹脂ブロック構造体10を形成する場合、脚部12を向かい合わせて組み合わせのではなく、脚部12を同じ向きに向けて積み重ねる構造が採用され得る。この点について、図14及び図15を参照して説明する。図14及び図15は、脚部12を同じ向きに向けて有脚ブロックを積み重ねる構成について示した概略図であり、図14は斜視概略図、図15は正面概略図である。
脚部12を同じ向きに向けて積み重ねる構造とする場合、上述した平板状ブロック2,3が使用される。有脚ブロック1の平板状部11は、図1に示すように、表側に、平板状ブロック用嵌合孔13を有する。平板状ブロック用嵌合孔13の位置は、平板状ブロック2,3における各嵌合突起22,32の位置と同じである。また、図2に示すように、各平板状ブロック2,3は、脚部用嵌合孔25,35を有している。各脚部用嵌合孔25,35の位置は、有脚ブロック1の各脚部12の先端の嵌合突起121と同じである。
ワイド平板状ブロック2を使用し、各脚部12が上側の突出した状態で各有脚ブロック1を積み重ねる場合を例にすると、図14に示すように、有脚ブロック1の上側に向けた各脚部12に対して、表側の面を下にしてワイド平板状ブロック2を被せる。この際、各平板状ブロック用嵌合孔13に各脚部12の各嵌合突起121を嵌め合わせる。そして、別の有脚ブロック1を同様に脚部12を上側にしてワイド平板状ブロック2の上に被せる。この際、ワイド平板状ブロック2の各嵌合突起22が、別の有脚ブロック1の平板状部11の平板状ブロック用嵌合孔13に嵌め込まれた状態とする。これにより、ワイド平板状ブロック2を介在させた状態で有脚ブロック1が上下に積み重ねられた状態となる。ショート平板状ブロック3を使用する場合も同じである。
上記のほか、平板状ブロック2,3における脚部用嵌合孔25,35と同様の嵌合孔を有脚ブロック1の平板状部11の表側に設けるようにすると、平板状ブロック2,3を介在させることなく有脚ブロック1の積み重ねが可能となる。ただ、この場合は、脚部開口120が設けられずに閉鎖した形状となる。脚部120は、有脚ブロック1を脚部12を同じ方向に向けて積み重ねるための開口であり、有脚ブロック1の保管や輸送の際の利便性を向上させる構造である。これらの長所より平板状ブロック2,3を介在させない構造を優先するのであれば、上記のようにしても良い。
いずれにしても、各脚部12を同じ方向に向けて有脚ブロック1を積み重ねると、形成される空間の容積は小さくなるが、その分、樹脂ブロック構造体10としては全体の強度が高くなる。尚、上記の例では各脚部12を上に向けたが、各脚部12を下に向けて有脚ブロック1を積み重ねる構造が採用されることもある。各脚部12を下に向けて有脚ブロック1を積み重ねる場合も、上下に逆になるだけで、基本的に同様である。
1 有脚ブロック
11 平板状部
12 脚部
2 平板状ブロック
3 平板状ブロック
4 連結具
5 連続繊維シート
6 建築物
61 基礎
62 建物
7 雨水貯留槽
71 遮水層
8 敷地
83 表面層
84 斜面
9 擁壁

Claims (12)

  1. 平板状部を有する複数の樹脂ブロックを組み合わせて向かい合う平板状部との間に空間が形成されるように組み立てられ、建設用又は土木用である樹脂ブロック構造体であって、
    隣り合う樹脂ブロックに跨がるようにして厚さ0.5mm以上3mm以下の連続繊維シートが貼り付けられて両者を互いに固定して補強していることを特徴とする樹脂ブロック構造体。
  2. 平板状部を有する複数の樹脂ブロックを組み合わせて向かい合う平板状部との間に空間が形成されるように組み立てられ、建設用又は土木用である樹脂ブロック構造体であって、
    隣り合う樹脂ブロックに跨がるようにして連続繊維シート補強工法用の連続繊維シートが貼り付けられて両者を互いに固定して補強していることを特徴とする樹脂ブロック構造体。
  3. 前記連続繊維シートはポリエステル繊維シートであり、エポキシ樹脂系接着材で貼り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂ブロック構造体。
  4. 平板状部を有する複数の樹脂ブロックを組み合わせて向かい合う平板状部との間に空間が形成されるように組み立てられ、建設用又は土木用である樹脂ブロック構造体であって、
    各樹脂ブロックは、平板状部から立設された脚部を有しており、前記空間は脚部の回りの空間であり、
    上下で隣り合う二つの樹脂ブロックにおいて、互いの脚部同士又は一方の平板状部と脚部とが付き合わされており、付き合わされた箇所において二つの樹脂ブロックに跨がるようにして連続繊維シート又はポリプロピレンテープが貼り付けられて両者を互いに固定して補強していることを特徴とする樹脂ブロック構造体。
  5. 前記各樹脂ブロックにおける脚部は、先端に嵌合突起及び嵌合孔を有しており、前記各樹脂ブロックは、互いの脚部の先端を付き合わせて各嵌合突起を各嵌合孔に嵌合させていることを特徴とする請求項記載の樹脂ブロック構造体。
  6. 基礎と基礎の上に建築された建物とから成る建築物であって、基礎の下側の地盤中には地盤置換層が設けられており、地盤置換層は、請求項1、2又は4に記載の樹脂ブロック構造体であることを特徴とする建築物。
  7. 請求項1、2又は4に記載の樹脂ブロック構造体を地中に備えており、樹脂ブロック構造体の前記空間に雨水が浸入する貯留する構造であることを特徴とする雨水貯留槽。
  8. 請求項1、2又は4に記載の樹脂ブロック構造体を地中に備えており、前記各樹脂ブロックにおける前記平板状部は通水用の開口を有しており、前記空間に雨水が浸入して貯留した後に地中に浸透する構造であることを特徴とする雨水貯留浸透槽。
  9. 人の用に供される敷地であって、請求項1、2又は4に記載の樹脂ブロック構造体が埋設されており、
    樹脂ブロック構造体の上側に表面層が設けられていることを特徴とする敷地。
  10. 前記敷地は嵩上げ敷地であって、元の敷地の地表面よりも高い位置に前記表面層が設けられていることを特徴とする請求項記載の敷地。
  11. 前記敷地は傾斜地に設けられたものであって、前記樹脂ブロック構造体は、各樹脂ブロックが傾斜地の斜面に沿って配設された階段状を成す斜面対応部と、上側の面が平坦に連なるように各樹脂ブロックが配設された最上部とを有しており、
    前記表面層は最上部の上に設けられていることを特徴とする請求項記載の敷地。
  12. 高低差のある場所に形成されている崖を保全する擁壁であって、請求項1、2又は4に記載の樹脂ブロック構造体が崖に沿って設けられており、崖とは反対側の樹脂ブロック構造体の側面を側面層で覆った構造であることを特徴とする擁壁。
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