JP7837652B2 - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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Description

本発明は、水素を含む燃料を消費して出力を発生させる原動機または燃料電池に燃料を供給する装置、またはそのような原動機である内燃機関に関する。
温室効果を有する炭酸ガスの排出量の削減が、世界的な課題として認識されている。近時、種々の動力源として利用される内燃機関の燃料に、炭素を含む化石燃料に代えて水素を用いることが試みられている。
水素は、常温常圧下では気体である。よって、水素燃料タンクには、最大で70MPa程度の超高圧の水素が蓄えられる。この燃料タンクから吐出される水素を、圧力レギュレータを介して10MPaないし20MPa程度の所定圧力に減圧、調圧した上で、インジェクタに供給する。そして、インジェクタから噴射した燃料を気筒において燃焼させ、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトを回転駆動する。
常温常圧下で液体であるガソリンや軽油等を燃料ポンプによりタンクからインジェクタに向けて圧送する旧来の内燃機関と異なり、超高圧水素をタンクからインジェクタに向けて吐出する内燃機関では、タンクに蓄えている水素が消費されるにつれて、タンク内の圧力、ひいてはインジェクタに供給される水素の圧力が低下してゆく。水素燃料タンクとインジェクタとの間に介在する圧力レギュレータは、インジェクタに供給される水素の圧力を極力一定に保つ働きをしている(以上、例えば下記特許文献を参照)。
特開2006-105088号公報
タンクに蓄えている超高圧の燃料を圧力レギュレータにより減圧した上で供給するということは、燃料をタンクに充填する際の高圧圧縮に用いたエネルギを無駄に捨てているということでもある。
本発明は、内燃機関に供給される前の超高圧の燃料が持っているエネルギを回収して再利用できるようにすることを所期の目的とする。
本発明に係る、水素を含む燃料を消費して出力を発生させる内燃機関は、燃料を蓄える燃料タンクと、前記燃料タンクから吐出され気筒に向かう燃料を流通させる燃料配管と、前記燃料配管を流れる燃料の圧力を低減しながら減圧前の燃料が持っていたエネルギを取り出す変換機構とを備える燃料供給装置を具備し、前記変換機構は、前記燃料配管を流れる燃料により回転されるタービンと、当該タービンを迂回するバイパス通路の入口を開閉するウェイストゲートバルブまたは当該タービンに付設される可変ノズルと、タービンにより駆動される発電機とを有しており、さらに、前記タービン側から前記発電機側に漏洩する燃料を前記気筒に連なる吸気通路に還流させる還流路を設けたものである。当該内燃機関の吸気通路には。吸気を過給する過給機が付随しており、前記還流路上に吸気通路から前記発電機に向かう過給機の逆流を抑止するためのチェックバルブまたはベンチレーションバルブを設置する。
本発明によれば、燃料タンクに圧縮して蓄えられ、内燃機関に供給される前の超高圧の燃料が持っているエネルギを、内燃機関に供給する際に回収して再利用することが可能となり、効率の一層の向上に資する。
本発明の一実施形態の原動機及び燃料供給装置の構成を示す図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における原動機たる車両用内燃機関(Internal Combustion Engine)100、及びこれに燃料を供給する燃料供給装置6の構成を示している。
本実施形態の内燃機関100は、車両に動力源として搭載される筒内直接噴射式(直噴)の4ストローク火花点火エンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を有している。各気筒1には、当該気筒1の燃焼室内に直接燃料を噴射するためのインジェクタ11を設置している。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を起こすものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、吸気絞り弁である電子制御スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化装置41を配置している。排気浄化装置41は、炭化水素、一酸化炭素及び窒素酸化物の酸化/還元反応を促す三元触媒、尿素水等の還元剤を用いて窒素酸化物を還元する選択触媒還元脱硝(Selective Catalytic Reduction)装置等を含む。加えて、排気タービン52を迂回する排気バイパス通路43及びこのバイパス通路43の入口を開閉するバイパス弁であるウェイストゲートバルブ44を付設してある。
排気ターボ過給機5は、排気タービン52とコンプレッサのインペラ51とをシャフト53を介して同軸で連結し連動するように構成したものである。タービン52及びインペラ51は、排気通路4を流れる排気のエネルギを利用して回転駆動される。その回転力を以てコンプレッサにポンプ作用を営ませることにより、吸気通路3を流れる吸入空気を加圧圧縮(過給)して気筒1に送り込むことができる。
本実施形態の内燃機関100は、水素を含有する燃料(極めて高純度の水素であることがある)を使用する。燃料タンク61は、その充填時に圧縮されて超高圧状態となった水素燃料を蓄えている。この燃料タンク61から吐出される燃料は、燃料配管62を介してインジェクタ11まで送出され、インジェクタ11が開弁したときに気筒1の燃焼室内に噴射される。
燃料タンク61からインジェクタ11までの燃料配管62上には、タービン63を配設している。タービン63には、発電機64を同軸に連結している。これらタービン63及び発電機64は、燃料配管62を流通する超高圧の燃料を利用して回転駆動される。回転する発電機64は、発電して電力を発生させる。その電力を、車載の蓄電装置(鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリといった二次電池やコンデンサ等)に充電したり、車両の走行駆動用の電動機や車体の電装系の電気負荷に供給したりすることができる。
タンク61から吐出され燃料配管62を流れる燃料がタービン63を通過する過程では、燃料の圧力が低減する。タービン63の下流の燃料の圧力は、タービン63の上流及びタンク61内の燃料の圧力よりも低圧である。タービン63及び発電機64は、タンク61に蓄えていた高圧燃料を減圧して内燃機関100の気筒1に供給する際に、その減圧前の高圧燃料が持っていたエネルギの少なくとも一部を回収して再利用可能とする変換機構として働く。
燃料配管62におけるタービン63の下流かつインジェクタ11の上流の箇所には、燃料の圧力を所定の大きさに調圧する機能を有する圧力レギュレータ(図示せず)を設置することができる。尤も、水素燃料用の圧力レギュレータは高価であり、でき得るならば圧力レギュレータを廃したい。圧力レギュレータを廃する場合、タービン63を通過してインジェクタ11に至る燃料の圧力をできるだけ一定に保つよう、タービン63の回転数や発電機64の出力等を制御する必要がある。タービン63に、当該タービン63を迂回するバイパス通路の入口を開閉するウェイストゲートバルブ(図示せず)や、可変ノズル(図示せず)を付設し、それらウェイストゲート及び/または可変ノズルを開閉操作することにより、タービン63の下流かつインジェクタ11の上流における燃料の圧力を増減調整することが可能となる。
圧力レギュレータの代わりに、または圧力レギュレータとともに、燃料配管62上に制御バルブ65を設置することも考えられる。制御バルブ65は、燃料配管62を開閉し、または燃料配管62を流れる燃料の流量を増減調整できる流量制御弁である。制御バルブ65は、安全弁としての役割を担い得る。
タービン63と発電機64とを連結する回転軸を支える軸受の部分にはシールを施しているが、タービン63を通過する燃料の一部が僅かながらタービン63側から発電機64側に漏出する可能性は否定できない。そこで、本実施形態では、発電機64側に漏出した燃料を内燃機関100の吸気通路3に還流させるための還流路66を設けている。還流路66は、発電機64の内部と、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流(特に、サージタンク33または吸気マニホルド34)とを連通せしめる。発電機64側に漏洩した燃料は、還流路66を通じて吸気通路3に吸い出され、気筒1にて燃焼される。
但し、本実施形態100の内燃機関には過給機5が付随しており、吸気通路3を流通する過給気が顕著に高圧化することもあり得る。吸気通路3から発電機4に向かう過給気の逆流を抑止するべく、還流路66上にはチェックバルブやベンチレーションバルブ等67を設置することが好ましい。
本実施形態の内燃機関100の運転を制御する電子制御装置(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECUまたはコントローラが、CAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものであることがある。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関100の出力軸であるクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、車両の運転者によるアクセルペダルの踏込量をアクセル開度(いわば、内燃機関100に対して要求されるエンジン負荷率またはエンジントルク)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、気筒1に連なる吸気通路3(特に、サージタンク33または吸気マニホルド34)内の吸気の温度及び圧力を検出する吸気温・吸気圧センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関100の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、インジェクタ11に連なる燃料配管62(特に、制御バルブ65の下流、インジェクタ11の直上流)内の水素燃料の温度及び圧力を検出する燃料温・燃料圧センサから出力される燃料温・燃料圧信号f、排気通路4における排気浄化装置41を流れるガスの性状を検出するセンサ(ガスに含まれる酸素濃度、換言すれば空燃比を計測するO2センサやリニアA/Fセンサ、ガスに含まれる水素濃度を計測する水素センサ等を含む)から出力されるガス性状信号g、車載の蓄電装置に蓄えている電荷量を検出するセンサ(特に、バッテリ電流及び/またはバッテリ電圧センサ)から出力されるバッテリSOC(State Of Charge)信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11のソレノイドに対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、制御バルブ65に対して開度操作信号l、タービン63に付設したウェイストゲートバルブまたは可変ノズルに対して開度操作信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納しているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関100の運転を制御する。ECU0は、内燃機関100の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、それらに基づき、要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(気筒1の一サイクル(4ストロークエンジンでは、吸気行程-圧縮工程-膨脹行程-排気行程の一連を一サイクルとする)中における燃料噴射回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング(気筒1の一サイクル中における火花点火回数を含む)、発電機64による発電電力(または、出力電圧若しくは出力電流)等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、mを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態では、水素を含む燃料を消費して出力を発生させる原動機たる内燃機関100に燃料を供給する装置6であって、燃料を蓄える燃料タンク61と、前記燃料タンク61から吐出され内燃機関100の気筒1に向かう燃料を流通させる燃料配管62と、前記燃料配管62を流れる燃料の圧力を低減しながら減圧前の燃料が持っていたエネルギを取り出す変換機構たるタービン63及び発電機64とを備える燃料供給装置6を構成した。本実施形態によれば、燃料タンク61から吐出される超高圧の燃料を適正な圧力まで減圧して内燃機関100に供給しつつ、その減圧前の燃料が持っていたエネルギを電力の形で回収し再利用することができ、効率の一層の向上に資する。
燃料タンク61に蓄えている燃料の量が増減し、燃料タンク61から吐出される燃料の圧力が変動しても、インジェクタ11に供給される燃料の圧力を安定化して、インジェクタ11から所望の量の燃料を精確に噴射することができる。従って、内燃機関100を安定的に運転できる。燃料タンク61とインジェクタ11との間の燃料配管62上から、圧力レギュレータを廃することも可能である。
また、前記タービン63側から前記発電機64側に漏洩する燃料を前記気筒1に連なる吸気通路3に還流させる還流路66を設けており、漏洩した燃料を気筒1において燃焼させることができ、無駄が生じない。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態の内燃機関100は筒内直接噴射式であったが、各気筒の吸気ポートに向けてインジェクタから燃料を噴射するポート噴射式の内燃機関に本発明を適用することもあり得る。
また、動力源として燃料電池を搭載した車両(Fuel Cell Vehicle)において、その燃料電池に燃料を供給するものとして、本発明に係る燃料噴射装置6を用いることもできる。
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
100…原動機(内燃機関)
1…気筒
11…インジェクタ
3…吸気通路
6…燃料供給装置
61…燃料タンク
62…燃料配管
63、64…変換機構(タービン、発電機)

Claims (1)

  1. 水素を含む燃料を消費して出力を発生させる内燃機関であって、
    燃料を蓄える燃料タンクと、前記燃料タンクから吐出され気筒に向かう燃料を流通させる燃料配管と、前記燃料配管を流れる燃料の圧力を低減しながら減圧前の燃料が持っていたエネルギを取り出す変換機構とを備える燃料供給装置を具備し、
    前記変換機構は、前記燃料配管を流れる燃料により回転されるタービンと、当該タービンを迂回するバイパス通路の入口を開閉するウェイストゲートバルブまたは当該タービンに付設される可変ノズルと、タービンにより駆動される発電機とを有しており、
    さらに、前記タービン側から前記発電機側に漏洩する燃料を前記気筒に連なる吸気通路に還流させる還流路を設けており、
    前記吸気通路に吸気を過給する過給機が付随しており、前記還流路上に吸気通路から前記発電機に向かう過給機の逆流を抑止するためのチェックバルブまたはベンチレーションバルブを設置している内燃機関。
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