JP7839617B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents
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Description
[1]原紙の少なくとも片面に顔料塗工層を備え、
最外顔料塗層が0.50μmより大きく0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する炭酸カルシウムを含み、
白紙光沢度(75°)が60%以上である、印刷用塗工紙。
[2]前記最外顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記炭酸カルシウムを40重量部以上含む、[1]に記載の印刷用塗工紙。
[3]前記炭酸カルシウムの平均粒子径(D50)が0.55~0.75μmである、[1]または[2]に記載の印刷用塗工紙。
[4]藍紅印刷部の印刷光沢度が70%以上である[1]~[3]のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
[5]前記最外顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記炭酸カルシウムを75重量部以上含む、[2]に記載の印刷用塗工紙。
[6]複数の顔料塗工層を備え、かつ前記最外顔料塗工層の塗工量が最内顔料塗工層の塗工量より多い、[1]~[5]のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
[7]最外塗工層の塗工量が、7g/m2以上である[1]~[6]のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
印刷用塗工紙とは原紙の上に設けられた顔料塗工層を備える印刷用の紙である。顔料塗工層とは白色顔料を主成分とする層である。本発明の印刷用塗工紙は、最外顔料塗工層が0.50μmより大きく0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する炭酸カルシウムを含有する。本発明の印刷用塗工紙は、用紙表面にオフセット印刷、グラビア印刷、オンデマンド印刷(レーザー方式、インクジェット方式、電子写真方式)、などの商業印刷を施すことができ、用途しては書籍、雑誌、ポスター、封筒、カレンダーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
1)顔料
顔料塗工層は平均粒子径(D50)が0.50μmより大きく0.80μm以下の炭酸カルシウム(以下、「第1の炭酸カルシウム」ともいう)を含む。D50は体積50%平均粒子径である。レーザー回折法による顔料の粒度分布およびD50は、Malvern社製、マスターサイザー3000等により測定可能である。炭酸カルシウムのD50の上限は0.75μm以下であることが好ましく、0.70μm以下であることが好ましい。顔料の比表面積とバインダー要求量の観点から下限は0.55μm以上であることが好ましい。D50上記範囲であれば塗工層が緻密になるため高光沢となり、さらに0.50μm未満の顔料を使用した場合と比較してバインダー要求量が少ないため、優れた強度を備える印刷用塗工紙を得ることができる。
顔料塗工層はマトリックスとして接着剤(バインダー)を含む。接着剤は限定されず、公知の接着剤を使用できる。その例としては、スチレン・ブタジエン系共重合体、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン・メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等のラテックス;完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。これらの複数種を組合せて使用できる。
顔料塗工層は、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、着色用顔料等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を含んでいてもよい。
顔料塗工層の塗工量は、片面あたり固形分で7g/m2以上が好ましく、10g/m2以上がより好ましく、15g/m2以上がさらに好ましい。塗工量が7g/m2未満では、紙基材表面の凹凸を十分に覆うことができないため、印刷インキの受理性が著しく低下することがあり、また十分な白紙光沢度が得られない場合がある。一方、顔料塗工層の塗工量は、50g/m2以下が好ましく、40g/m2以下がより好ましく、35g/m2以下がさらに好ましい。当該塗工量は片面あたりの全顔料塗工層の合計の値であるが、2層以上の顔料塗工層を有する場合、最内顔料塗工層(原紙に隣接する顔料塗工層)の塗工量は2~15g/m2が好ましく、より好ましくは5~12g/m2である。また、最外顔料塗工層の塗工量は7g/m2以上が好ましく、8g/m2以上がより好ましい。その上限は20g/m2以下が好ましく、15g/m2以下がより好ましい。光沢発現性には、最外塗工層の影響が大きいため、最外塗工層の塗工量は最内顔料塗工層の塗工量よりも多いことが好ましい。
1)パルプ
原紙には公知のパルプを使用できる。公知のパルプとしては、化学パルプ、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケモサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、古紙パルプなどが挙げられる。本発明においては、化学パルプを使用することが好ましい。化学パルプには、クラフトパルプ法により製造したものと、亜硫酸パルプ法により製造されたものがあり、本発明においてはその両方を使用することができるが、クラフト法により製造した化学パルプが生産コストの面から好適である。原料パルプに占める化学パルプの含有量は、白色度等の観点から、全パルプ中60重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、95重量%以上が特に好ましい。
原紙には公知の填料を用いてよい。公知の填料としては、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱酸による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素-ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料が挙げられる。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムが不透明度向上のためにも好ましく使用される。填料として使用する炭酸カルシウムは前述の第1の炭酸カルシウムであってもよいし第2の炭酸カルシウムであってもよいが、軽質炭酸カルシウムが好ましい。紙中填料率は特に制限されないが、1~40重量%が好ましく、10~35重量%がさらに好ましい。原紙の強度等を考慮すると、より好ましくは10~20重量%である。
公知の製紙用添加剤も使用できる。例えば、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、各種紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。乾燥紙力向上剤としてはポリアクリルアミド、カチオン化澱粉などが挙げられ、湿潤紙力向上剤としてはポリアミドアミンエピクロロヒドリンなどが挙げられる。これらの薬品は地合や操業性などの影響の無い範囲で添加される。内添サイズ剤としてはアルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸、ロジンサイズ剤などが挙げられる。更に、染料、顔料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
本発明の印刷用塗工紙の原紙の坪量は40~160g/m2が好ましく、45~150g/m2がより好ましく、50~140g/m2がさらに好ましい。
本発明の印刷用塗工紙は、上述した原紙の片面または両面にクリア(透明)塗工層を有していてもよい。原紙上にクリア塗工を施すことにより、原紙の表面強度や平滑性を向上させることができ、また、顔料塗工をする際の塗工適性を向上させることができる。クリア塗工の量は、片面あたり固形分で0.1~3.0g/m2が好ましく、0.2~2.0g/m2がより好ましく、さらに好ましくは0.5~2.0g/m2である。
本発明の印刷用塗工紙は公知の方法で製造できるが、原紙上に、顔料と接着剤を含む顔料塗工液を塗工することにより製造することが好ましい。
本発明で用いられる原紙に使用される原料についてはすでに述べたとおりである。原紙は公知の抄紙方法で製造される。例えば、トップワイヤー等を含む長網抄紙機、オントップフォーマー、ギャップフォーマ、丸網抄紙機、長網抄紙機と丸網抄紙機を併用した板紙抄紙機、ヤンキードライヤーマシン等を用いて行うことができる。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよいが、中性またはアルカリ性が好ましい。抄紙速度も特に限定されない。本発明で用いられる原紙は、単層でも多層でもよいが、単層の原紙が好適に使用される。
得られた原紙に顔料塗工液を塗工する前に、各種カレンダー装置により原紙に平滑化処理を施すことが好ましい。かかるカレンダー装置としては、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の一般に使用されているカレンダー装置が適宜使用できる。カレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、カレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、カレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。原紙にカレンダー処理を施すことで、原紙の平滑性が向上し、顔料塗工適性が向上する。
顔料塗工液は顔料、接着剤、および必要に応じて添加剤を水に分散または溶解することで調製できる。前述の顔料塗工層を形成できるように各成分の配合は調整される。ブレード塗工を行う場合は、顔料塗工液の固形分濃度は40~70重量%が好ましく、より好ましくは60~70重量%である。顔料塗工液の粘度は室温にて60rpmで測定したB型粘度が500~5000mPa・sの範囲であることが好ましい。また、ロールコーターで塗工を行う場合は、顔料塗工液の固形分は30~60重量%が好ましく、より好ましくは40~60重量%である。固形分重量が低すぎるとブレード塗工ではバックフロー等が起きてしまい、高すぎるとブレード負荷が大きくなりブレードの摩耗が進む、ロールコーターではボイリングが発生するなど、操業性に影響が出る。
塗工方法は限定されず、ロールコーター、ブレードコーター等の公知の塗工方法を用いることができる。塗工速度も特に限定されないが、ブレードコーターの場合は400~1800m/分、ロールコーターの場合は400~2000m/分が好ましい。本発明においては、顔料塗工層を1層ブレードコーターで塗工してもよく、ロールコーターで塗工した後にブレードコーターで塗工してもよいし、ブレードコーターで塗工した後にブレードコーターで塗工してもよいが、表面の平滑性を向上させることができるため、最外塗工層の塗工にブレードコーターを用いることが好ましい。
湿潤状態の塗工層を乾燥させる方法は限定されず、例えば蒸気加熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等を用いることができる。
(1)白紙光沢度
白紙光沢度は白紙での光沢度合いを示す指標であり、本発明においてはJIS-P8142に従い測定される、紙面の法線に対して75°の角度における鏡面光沢度である。本発明の印刷用塗工紙は、白紙光沢度の高い高光沢な印刷用塗工紙である。本発明の印刷用塗工紙の白紙光沢度は60%以上であり、65%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。白紙光沢度の上限は限定されないが、100%以下である。
印刷光沢度は、印刷後の印刷物の光沢度合を示す指標であり、本発明においては後述の方法で測定される。藍紅印刷部の印刷光沢度(CM)は70以上が好ましく、75%以上が好ましい。
(1)坪量
JIS P 8124に準じて測定した。
(2)ISO白色度:JIS P8148に準拠し、村上色彩(株)製色差計CMS-35SPXにて、紫外光を含む条件にて測定した。
(3)白紙光沢度
JIS-P8142に基づいて測定した。
(4)印刷光沢度
ローランド社製オフセット枚葉印刷機(4色)にてオフセット枚葉用インキ(東洋インキ(株)製NEX-M)を用い、印刷速度8000枚/hrでベタ部のインキ着肉濃度が藍1.60、紅1.50となる様に藍紅(CM)の順に印刷した。得られた印刷物の藍紅(CM)ベタ印刷部の光沢度を、JIS P-8142に基づいて測定した。
(5)印刷表面強度
RI-I型印刷機(明製作所製)を用い、印刷用インキ(東洋インキ製NEX-Y)を使用して印刷後、ゴムロールについて印刷跡を転写紙に手動で転写してピッキングの程度を目視で相対評価した。評価基準は以下の通りである。
A=ほとんど発生しない、B=発生する
以下を用いた。
(1)重質炭酸カルシウム
株式会社ファイマテック製、商品名:FMT97、D50=0.88μm
株式会社ファイマテック製、商品名:FMT75、D50=1.65μm
株式会社ファイマテック製、商品名:カービタル90、D50=1.22μm
株式会社ファイマテック製、商品名:FMT100YF、D50=0.59μm
株式会社ファイマテック製、商品名:FMT100、D50=0.65μm
株式会社イメリスミネラルズ・ジャパン製、商品名:カービタル97、D50=0.88μm
(2)クレー
Kamin社製、ハイドラグロス D50=0.22μm
イメリスミネラルズ・ジャパン製、プレミア、D50=2.055μm
(3)接着剤
スチレン・ブタジエン系共重合ラテックス
澱粉:
ダイナコート68NB(ジー・エス・エルジャパン株式会社製)
バイオラテックス(Ecosynthetix社製)
(4)染料
紫染料(御国色素株式会社製)
青染料(御国色素株式会社製)
黒染料(御国色素株式会社製)
蛍光染料:canwhite(カナジアジャパン社製)
[実施例1]
化学パルプ100重量%を用い、填料として軽質炭酸カルシウムを13.5重量%含有する坪量75g/m2の原紙を準備した。
下塗り塗工液のラテックス量を変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
表1に示した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
[実施例3、4]
化学パルプ100重量%を用い、填料として軽質炭酸カルシウムを13.5重量%含有する坪量69g/m2の原紙を準備した。
表1に示す顔料、接着剤を用いて固形分濃度65重量%の下塗り顔料塗工液を得た。表1に示す顔料、接着剤を用いて固形分濃度65重量%の上塗り顔料塗工液を得た。
これらを用いて、実施例1と同様に印刷用塗工紙を製造して評価した。
表1に示すとおりに上塗り塗工液を変更した以外は、実施例3と同様に印刷用塗工紙を製造して評価した。
[実施例5~8]
化学パルプ100重量%を用い、填料として軽質炭酸カルシウムを13.5重量%含有し、澱粉サイズプレスされた坪量75g/m2の原紙を準備した
表1に示す顔料、接着剤を用いて固形分濃度65重量%の顔料塗工液を得た。
これらを用いて、実施例1と同様にして1層の顔料塗工層を備える印刷用塗工紙を製造して評価した。
表1に示すとおりに塗工液を変更した以外は、実施例5と同様に印刷用塗工紙を製造して評価した。
Claims (6)
- 原紙の少なくとも片面に顔料塗工層を備え、白紙光沢度(75°)が60%以上であり、藍紅印刷部の印刷光沢度が70%以上である、印刷用塗工紙の製造方法であって、
第1の炭酸カルシウムとして、0.50μmより大きく0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する重質炭酸カルシウムまたは苛性化軽質炭酸カルシウム、および第2の炭酸カルシウムとして、D50が0.80μmを超える重質炭酸カルシウムまたは苛性化軽質炭酸カルシウムを含む最外塗工層を設ける工程を備える、
製造方法。 - 顔料100重量部中に、前記第1の炭酸カルシウムを40重量部以上含む前記最外顔料塗工層を設ける工程を備える、請求項1に記載の製造方法。
- 前記第1の炭酸カルシウムの平均粒子径(D50)が0.55~0.75μmである、請求項1または2に記載の製造方法。
- 顔料100重量部中に、前記第1の炭酸カルシウムを75重量部以上含む最外塗工層を設ける工程を備える、請求項2に記載の製造方法。
- 複数の顔料塗工層を設ける工程を備え、かつ前記最外顔料塗工層の塗工量が最内顔料塗工層の塗工量より多い、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記最外顔料塗工層の塗工量が、7g/m2以上である請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
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