JP7841868B2 - 油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents
油中水型乳化油脂組成物Info
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Description
しかし、植物由来蛋白質は乳蛋白質と違って水への溶解度が低く、植物由来たんぱく素材にはザラが生じやすい問題、さらには、乳風味とは異なる風味、とくに大豆由来蛋白質では青臭い風味がするなど、風味面で乳蛋白質に遠く及ぶものではなかった。
また、植物ミルクについても植物由来たんぱく素材と同様の風味面の問題があることに加え、得られる油中水型乳化油脂組成物にコク味が不足するという問題があった。
以上の理由から、植物ミルクや植物由来たんぱく素材を含有する油中水型乳化油脂組成物において、良好な物性及び良好な乳風味を付与するための方法が求められていた。
しかしながら、上記従来技術において、当該課題は検討されていない。
すなわち本発明は、植物ミルク及び/又は植物由来たんぱく素材を含有し、ナトリウムとカリウムを合計して0.05質量%以上含有し、ナトリウムとカリウムとの質量比(Na:K)が1:0.1~10である油中水型乳化油脂組成物を提供するものである。
本発明の油中水型乳化油脂組成物は、植物ミルク及び/又は植物由来たんぱく素材を含有する。
植物ミルク中の油分含量は例えば0.1~10質量%であることが好適であり、1~5質量%であることがより好適である。また植物ミルク中の蛋白質含量は0.1~10質量%であることが好適であり、0.2~5質量%であることがより好適である。
上記と同様の点から、油中水型乳化油脂組成物は、植物ミルクを使用する場合、植物ミルク量が、油中水型乳化油脂組成物中、蛋白質純分にて、0.0002~2質量%であることが好ましく、0.001~1質量%であることがより好ましく、0.001~0.5質量%であることがとくに好ましい。
なお油中水型乳化油脂組成物は、穀類、ナッツ類又は豆類であっても、小麦粉、大豆粉、きな粉、アーモンド粉、ピーナッツ粒等といった穀類、ナッツ類、豆類に由来する、蛋白質含量を20質量%以上とする分離操作が施されていない粉体や粒体を含有していてもよい。このような粉体や粒体の量は、蛋白質純分として、蛋白質含量を30質量%以上とする分離操作を経て得られた分離蛋白質における蛋白質純分の量よりも少ないことが好ましく、上記の分離蛋白質における蛋白質純分の量100質量部に対し30質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが特に好ましい。
なお、植物ミルク及び植物由来たんぱく素材を共に含有する場合、その配合比は質量比で1:99~99:1の範囲内で適宜選択することができる。
なお、本発明では、植物由来蛋白質を使用することが好ましいところ、油中水型乳化油脂組成物における植物由来蛋白質の量(例えば植物由来蛋白質全体の量)が上記の蛋白質の各好ましい(又はより好ましい、更に好ましい、特に好ましい)、下限以上の量、上限以下の量であることも好ましい。
なお、塩味を必要としない油脂組成物とする場合は、さらに、ナトリウム含有量を0.2質量%以下とすることが好ましい。
すなわち、本発明の油中水型乳化油脂組成物のナトリウム含量が0.2質量%以上である場合、上記ナトリウムとカリウムとの質量比は好ましくは1:0.1~2.0、より好ましくは1:0.1~1.0、更に好ましくは1:0.1~0.8である。ナトリウム含量が0.2質量%以上である場合において、ナトリウムとカリウムとの質量比が0.1未満であると本発明の効果、とくに乳風味が得られにくく、2.0超であると苦味が感じられてしまいやすい。なお、ナトリウム含量の上限は、塩味が強くなりすぎない点で油中水型乳化油脂組成物中、2.5質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがさらに好ましく、さらに好ましくは1.2質量%以下である。
上記海洋由来カリウム塩は、海水から食塩製造のためにナトリウムを除去したマグネシウムを主体とする、にがりと呼ばれる粗製塩化マグネシウム溶液から、さらにマグネシウム等の塩類を除去して得られる塩化カリウムを主体とする溶液から得られる塩類である。
なお、本発明の油中水型乳化油脂組成物をビーガン食品として使用する場合は牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の動物油脂を使用しないことが必要となる。
なお上記油脂含量及び水の含量には、下記のその他の成分に含まれる油分や水分を加算して算出するものとする。
該糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ショ糖、液糖、はちみつ、ブドウ糖、果糖、黒糖、麦芽糖、乳糖、シクロデキストリン、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、還元澱粉糖化物、還元水飴、ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、異性化液糖、ショ糖結合水飴、キャラメル、かえで糖、オリゴ糖、キシロース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、アラビノース、パラチノースオリゴ糖、アガロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ヘミセルロース、モラセス、イソマルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、カップリングシュガー、ラフィノース、ラクチュロース、テアンデオリゴ糖及びゲンチオリゴ糖等が挙げられる。
糖類を含有する場合、その使用量は用途によって異なるが一般に、例えば油中水型乳化油脂組成物中、固形分として5~60質量%が好ましく挙げられ、10~50質量%がより好適である。用途によっては糖類は多く使用しない若しくは使用せず、その場合、糖類量は例えば油中水型乳化油脂組成物中、20質量%以下であってもよく、10質量%以下であってもよく、4質量%以下又は1質量%以下であってもよい。
ただし、本発明の油中水型乳化油脂組成物をビーガン食品として使用する場合は乳糖及びその加工糖は含有しないことが必要となる。
上記の油中水型乳化油脂組成物は、上記成分以外のその他の成分を含有する場合がある。該その他の成分としては、例えば、でんぷん類、増粘安定剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β-カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、卵及び各種卵加工品、着香料、乳や乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実又は果汁、コーヒー、香辛料、ココアマス、ココアパウダー、菜類、肉類及び魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
その他の成分は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは、本発明の油中水型乳化油脂組成物中合計で、20質量%以下、より好ましくは10質量%以下となる範囲で使用する。
なお、本発明の油中水型乳化油脂組成物をビーガン食品として使用する場合は乳や乳製品、肉類及び魚介類等の動物由来の食品素材や食品添加物は含有しないことが必要となる。
本発明の油中水型乳化油脂組成物は、その製造方法が特に制限されるものではなく、油相を溶解し、冷却し、結晶化して油脂組成物とする際に、上記植物ミルク及び/又は植物由来たんぱく素材を使用し、ナトリウムとカリウムとの合計量が0.05質量%以上、且つ、ナトリウムとカリウムとの質量比が1:0.1~10とすることによって製造することが可能である。
なお、植物ミルクを含有する場合は、水相に添加してもよく、油相に添加してもよいが、好ましくは水相に添加する。
また、上記植物由来たんぱく素材を含有する場合は、水相に添加してもよく、油相に添加してもよいが、好ましくは水相に添加する。
次に、油相を冷却し、結晶化させる。好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは-0.5℃/分以上、更に好ましくは-5℃/分以上とする。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましい。
また、上記の油中水型乳化油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
なお、表1・表4・表7に記載の原料の詳細は以下のとおりである。
・鉱物由来塩化カリウム(※1):「(シルビン:オルガノフードテック製)(カリウム含量52.4質量%、ナトリウム含量0質量%)」
(オーツミルクの製造)
水90.76質量部を60℃に昇温し、攪拌しながらαアミラーゼ BAN 480L(ノボザイムズ製)0.05質量部、グルコアミラーゼ アミラーゼAG(ノボザイムズ製)0.1質量部、オーツ麦粉末(グランビア製)(油分含量3.0質量%、蛋白質含量11.9質量%)を8.0質量部加えて、3時間保持して酵素反応させた。そして90℃15分で失活処理した後、5℃冷却してオーツ麦糖化物を作製した。これにヒマワリ油1質量部、食塩0.09質量部を混合、乳化して、予備乳化物を調製し、3MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度5MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却し、オーツミルクを得た。
下記に示す表1の配合となるように、下記の手順に基づき、油中水型乳化油脂組成物A~Jを製造した。
まず、パーム核油及びパーム極度硬化油を75対25の質量比率で混合した油脂配合物のランダムエステル交換油脂A40質量部、ヨウ素価60のパーム分別軟部油40質量部、パームステアリン10質量部、大豆液状油10質量部からなる混合油脂を60℃に加熱して溶解し、ここに表1に記載のその他の油相原料であるレシチンを混合・分散させ、これを油相とした。一方、表1の水相原料を混合・分散させた水相を調製した。調製した油相と水相とを混合・乳化して油中水型乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度-20℃/分)で練り合わせながら冷却し、可塑性油脂組成物である油中水型乳化油脂組成物A~Jを得た。
得られた油中水型乳化油脂組成物A~Jの(1)蛋白質含量、(2)Na含量、(3)NaとKの合計した含有量、(4)ナトリウムとカリウムの質量比については表2に記載した。
得られた油中水型乳化油脂組成物A~Jについて、23人のパネラーにより風味評価試験(乳風味の感じ方・異風味・塩味・苦味)及び食感評価試験を行った。尚、上記評価試験においては、乳風味の感じ方、異風味、塩味、苦味、食感を下記評価基準に従い4段階で評価し、一番多かったものをその評価とし、結果を表3に記載した。
◎ 自然でまろやかなコクのある乳風味が持続して感じられ、大変良好である。
○ 自然でまろやかなコクのある乳風味が感じられ、良好である。
○- ややコク味が弱いが、自然でまろやかな良好な乳風味である。
△ 乳風味にコク味が感じられず、やや不良である。
× 乳風味が弱く、不良である。
◎ 異風味が全く感じられず、大変良好である。
○ 異風味がほとんど感じられず、良好である。
△ 異風味が感じられ、やや不良である。
× 異風味が強く、不良である。
◎ 塩味が全く感じられない。
○ 塩味がわずかに感じられる。
△ 塩味がやや感じられる。
× 塩味がはっきりと感じられる。
◎ 苦味が全く感じられず、大変良好である。
○ 苦味がほとんど感じられず、良好である。
△ 苦味がやや感じられ、やや不良である。
× 苦味がはっきりと感じられ、不良である
◎ ザラが全く感じられず、滑らかな食感で、大変良好である。
○ ザラがほとんど感じられず、滑らかな食感で、良好である。
△ ザラが感じられ、やや不良である。
× ザラが強く、不良である。
下記に示す表4の配合とした以外は上記油中水型乳化油脂組成物の製造1と同様にして、可塑性油脂組成物である油中水型乳化油脂組成物K~Uを製造した。
得られた油中水型乳化油脂組成物K~Uの(1)蛋白質含量、(2)Na含量、(3)NaとKの合計した含有量、(4)ナトリウムとカリウムの質量比について表5に記載した。
得られた油中水型乳化油脂組成物K~Uについて、上記油中水型乳化油脂組成物の製造1と同様に風味評価試験(乳風味の感じ方・異風味・塩味・苦味)及び食感評価試験を行い、結果を表6に記載した。尚、評価基準については、塩味のみは下記の評価基準を用いた以外は、上記油中水型乳化油脂組成物の製造1と同一の評価基準を用いた。
◎ 自然でまろやかな塩味が感じられた。
○ やや鋭い塩味を感じた。
△ 塩味がぼけた感じである。
× 塩味が鋭すぎである
下記に示す表7の配合とした以外は上記油中水型乳化油脂組成物の製造1と同様にして、可塑性油脂組成物である油中水型乳化油脂組成物V~ACを製造した。
なお、表7に記載の原料の詳細は上記のとおりである。
得られた油中水型乳化油脂組成物V~ACについて、上記油中水型乳化油脂組成物の製造2と同様の風味評価試験を行い、結果を表9に記載した。
Claims (4)
- 植物ミルク、及び/又は、植物たんぱく素材を含有し、
前記植物ミルクを油中水型乳化油脂組成物中に0.1~5質量%含有するか、
且つ/又は、前記植物たんぱく素材が分離蛋白質であり、蛋白質純分として当該植物たんぱく素材を0.01~5質量%含有し、
ナトリウムとカリウムを合計して0.05質量%以上含有し、
ナトリウムとカリウムとの質量比(Na:K)が1:0.1~10である、油中水型乳化油脂組成物。 - 下記の(1)又は(2)を満たす請求項1記載の油中水型乳化油脂組成物。
(1)ナトリウムを0.2質量%以上含有し、且つ、ナトリウムとカリウムとの質量比(Na:K)が1:0.1~2.0である。
(2)ナトリウムが0.2質量%未満であり、ナトリウムとカリウムとの質量比(Na:K)が1:0.36~10である。 - 動物由来蛋白質を含有しない請求項1又は2記載の油中水型乳化油脂組成物。
- 海洋由来カリウム塩を含有する請求項1~3のいずれか一項に記載の油中水型乳化油脂組成物。
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