JP7842151B2 - 真空配管中粒子モニタリング装置及び真空配管中粒子モニタリング方法 - Google Patents

真空配管中粒子モニタリング装置及び真空配管中粒子モニタリング方法

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Description

本発明は、真空配管中粒子モニタリング装置及び真空配管中粒子モニタリング方法に関するものである。
現在、世界的な半導体や液晶デバイスの需要の高まりを受けて、我が国においてこれらのデバイスの製造に力を入れているところである。半導体や液晶の製造は従来より行われてきた。これらの製造過程では、製造装置内で突発的に粒子が発生することがあり、稼働していくにしたがって、装置内部の清浄度が低下する。発生した粒子が製品に蓄積すると、製品の歩留まりの低下を招くという問題があった。そのため、製造装置をクリーニング等をしてメンテナンスすることになるのであるが、粒子は、非常に小さく肉眼で観察することができないため、製造装置内で粒子の蓄積による清浄度が低下してきたかどうかを判断する基準は、例えば、作業員の経験や勘、間接的な指標等に基づくものであった。
このような状況において極力、清浄度の維持を図るのであればメンテナンスの回数を増やせばよいように思えるが、メンテナンス中は当然ながら、製造装置が製品の生産に寄与することができず、生産効率が鈍化してしまう。よって、清浄度を維持するためにいたずらにメンテナンスの回数を増やすことは望ましくなく、必要最低限の回数に抑えることが望ましい。
ところで、製造装置の適切なメンテナンス時期は、製造装置内での突発的な粒子の発生や、製造装置内部の粒子による清浄度の度合をリアルタイムにかつ継続的にモニタリングし、清浄度の低下を把握したうえで、設定することが合理的かつ有効である。製造装置がその内部圧力を大気圧のままで稼働するものであれば、一般的なパーティクルカウンタ(例えば、特許文献1に記載されるパーティクルカウンタ)で清浄度の低下をモニタリングすることができるが、内部圧力を真空状態にして行う製造装置の場合、当該パーティクルカウンタを用いることが困難である。
他方、特許文献2は、その請求項2に「前記排気管の横断面中心点と、前期処理チャンバーの中心を上下方向に通る中心軸とを結ぶ線分に沿うように前記排気管内にレーザ光を照射するレーザ光照射部と、・・・」とあるように配管内の流れ方向に平行なある断面における粒子をモニタリングするものである。従って流れ方向から見た場合、配管内断面積に対するレーザー光が占める領域はレーザー光の厚み分だけであり、大部分の粒子はレーザー光に接触することなく素通りしモニタリングされない。
特開2020-165771号公報 特開2001-59808号公報 特表2021-521433号公報
特許文献2や特許文献3のように配管断面積に対するモニタリングされる面積の比率が十分でない場合、粒子がレーザー光に接触せずに流れてしまうと、粒子の発生状況を十分に把握できないおそれがある。特に発生粒子数が少ない場合、粒子発生のイベント自体を見逃してしまうおそれもある。そこで、本発明の解決課題は、真空配管を流れる気体に含まれる粒子を幅広くモニタリングする真空配管中粒子モニタリング装置及び真空配管中粒子モニタリング方法を提供することにある。
前記課題を解決するための態様を次に示す。
<第1の態様>
第1管と、
粒子を含む気体が流れる第2管と、
前記第1管と前記第2管が交差する交差部と、
前記第1管内部に面状の光膜を形成する光膜形成手段と、
前記粒子が発する散乱光を観察する観察手段と、を有し、
前記交差部において、前記光膜の面が前記第2管の断面積の10%以上に亘って形成されるものであり、
前記散乱光は、前記交差部において前記粒子が前記光膜の面に接触して発するものである、
ことを特徴とする真空配管中粒子モニタリング装置。
当該態様であれば、光膜が第2管の断面積の10%以上に亘って形成されているので、管を流れる粒子を、従来の観察手法よりも多く観察することができ、観察ロスを減らすことができる。
<第2の態様>
前記観察手段が前記第2管の軸心上にあり、前記観察手段の観察方向が前記第2管の軸心に一致し、
前記交差部において、前記光膜の面と前記観察手段による観察方向とが直交するものである、
第1の態様の真空配管中粒子モニタリング装置。
当該態様であれば、観察手段が前記第2管の軸心上にあり、前記交差部において、前記光膜の面と前記観察手段による観察方向とが直交するものとなっているので、第2管内を流れる粒子を容易かつ明瞭に観察することができ、粒子が瞬間的に多数、流れてきた場合であっても、散乱光を個別に光パルスとして観察することができる。
<第3の態様>
前記光膜の厚みが3mm以下である、
第1の態様の真空配管中粒子モニタリング装置。
当該態様であれば、観察手段の被写界深度が薄くてよく、有効口径が大きくより多くの光を取り込める低Fナンバーの光学系、いわゆる明るい光学系を用いることができる。また、光膜の厚みが3mm以下であるので、粒子の散乱光が重なって撮像される可能性が低減される。
<第4の態様>
遮光板を有し、
前記遮光板が、前記第1管のうちの前記交差部以外で、かつ前記光膜に接触しない位置に設けられているものである、
第1の態様の真空配管中粒子モニタリング装置。
真空配管中に外部から光膜が入射すると、管内部でいくらかの光の拡散が引き起こされる場合がある。その拡散された光は、観察手段からみて背景となる管内面を明るく照らし、粒子からの散乱光と背景のコントラストの悪化を引き起こすことがある。当該態様とすることで、そのような拡散光が遮蔽され、背景を十分に暗くすることが可能となり交差部において微弱な粒子の散乱光をコントラスト良く観察することができる。
<第5の態様>
前記第1管の内面と前記第2管の内面が黒色である、第1の態様の真空配管中粒子モニタリング装置。
管内は、光膜のほか乱反射された光によって、管内面が照らされ明るくなることがあり、当該態様のように反射率の低い管内面とすることで乱反射を抑制し、かつ観察手段からみて背景となる領域からの反射光も低減されることで、交差部において輝度の弱い散乱光であってもコントラストよく観察することができる。
<第6の態様>
第1管と、
粒子を含む気体が流れる第2管と、
前記第1管と前記第2管が交差する交差部と、
前記第1管内部に面状の光膜を形成する光膜形成手段と、
前記第1管内部と前記第2管内部を真空状態にする真空手段と、
前記粒子が発する散乱光を観察する観察手段と、を有し、
前記交差部において、前記光膜の面が前記第2管の断面積の10%以上に亘って形成されるものであり、
前記散乱光が、前記交差部において前記粒子が前記光膜の面に接触して発するものである真空配管中粒子モニタリング装置を用いて、
前記第1管内部に光膜を形成し、
前記第1管内部と前記第2管内部を真空状態にし、
前記第2管に前記気体を流し、
前記交差部において前記粒子から発せられた散乱光を前記観察手段によって観察する、
ことを特徴とする真空配管中粒子モニタリング方法。
当該態様であれば、第1の態様と同様の効果を奏する。
この発明によれば、真空配管を流れる気体に含まれる粒子を幅広くモニタリングすることができる。
本発明に係る真空配管中粒子モニタリング装置の設置例を表した図である。 本発明に係る真空配管中粒子モニタリング装置の斜視図である。 本発明に係る真空配管中粒子モニタリング装置の交差部の説明図である。 図2のA-A矢視図であり、光膜の形成の様子を表した説明図である。 本発明に係る遮光板の形態を示す図である。 本発明に係る遮光板の形態を示す図である。 遮光板14の配置の一例を表した図である。 遮光板14の配置の一例を表した図である。 観察を開始してからの経過時間と粒子(散乱光)の計数の関係を表した図である。 交差部を流れる粒子が発する散乱光を撮像した図である。撮像された実際の図はカラーである。 交差部を流れる粒子が発する散乱光を撮像した図である。撮像された実際の図はカラーである。 交差部を流れる粒子が発する散乱光を撮像した図である。撮像された実際の図はカラーである。 黒色無電解ニッケルメッキ処理したものの方が、黒アルマイト処理やレイデント(登録商標)処理したものよりアウトガスの発生が低いことを表した図である。 交差部の様子を観察方向に観察した図である。 交差部の様子を観察方向に観察した図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳述する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の一実施形態を示したものにすぎない。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置1は、第1管6と、粒子を含む気体が流れる第2管2と、前記第1管6と前記第2管2が交差する交差部5と、前記第1管6内部に面状の光膜13を形成する光膜形成手段11と、前記粒子が発する散乱光を観察する観察手段21と、を有し、前記交差部5において、前記光膜13の面が前記第2管2の断面積の10%以上に亘って形成されるものであり、前記散乱光は、前記交差部5において前記粒子が前記光膜の面に接触して発するものであることを特徴とする。また、本発明の真空配管中粒子モニタリング方法は、前記真空配管中粒子モニタリング装置1を用いて、前記第1管6内部に光膜13を形成し、前記第1管6内部と前記第2管2内部を真空状態にし、前記第2管2に前記気体を流し、前記交差部5において前記粒子から発せられた散乱光を前記観察手段21によって観察するものであることを特徴とする。以下、装置各部位について説明する。なお、説明の都合上、図2に記載した真空配管中粒子モニタリング装置1において、第1管6の軸心方向のうち紙面右方向を+y方向、紙面左方向を-y方向とし、第2管2の軸心方向のうち紙面上方向を+z方向、紙面下方向を-z方向とし、第1管6の軸心方向と、第2管2の軸心方向とに直交する方向のうち紙面手前方向を+x方向、紙面奥方向を-x方向とする。しかしながら、第1管6の軸心方向が必ずしもy方向である必要はなく、z方向又はx方向であってもよく、同様に第2管2の軸心方向がx方向又はy方向であってもよい。すなわち、第1管6を垂直方向としてもよいし、水平方向としてもよい。
本実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置1は、図1を参照しつつ説明すると、真空チャンバー40に取り付けられた排気管39内を流れる気体31に含まれる粒子を観察するのに利用することができる。排気管39は、一端が真空チャンバー40の排気部に取り付けられ、他端を、真空配管中粒子モニタリング装置1における第2管2の上流側に設けられた気体供給部3に取り付けることができる。気体供給部3から第2管2内に流入した気体は、第2管2の上流側から交差部5を経由して第2管2の下流側に流れ、第2管2の下流端に接続する気体排出部4に至り、当該気体排出部4から排気系統に導入される。排気系統には第1管6内部と第2管2内部を真空状態にする真空手段(例えば、真空ポンプ)が設置され、当該真空手段を稼働させることで真空配管中粒子モニタリング装置1及び真空チャンバー40を陰圧に調節することができる。必要に応じ真空配管中粒子モニタリング装置1の上流側、すなわち真空チャンバー40と真空配管中粒子モニタリング装置1の間、もしくは真空配管中粒子モニタリング装置1の下流側、すなわち真空配管中粒子モニタリング装置1と排気系統の間に真空度を増すターボ分子ポンプ等を設置してもよい。ここで、本実施形態に係る真空配管内の真空度は、例えば低真空、中真空、高真空、超高真空、極高真空であってよく、特に中真空より高い真空度であるのが好ましい。真空度が高い場合、真空配管を流れる主なものは、粒子となる。
真空チャンバー40では、例えば、液晶や半導体等の製品が製造され、その製造プロセスに起因して粒子が発生する。当該粒子は、平均径が、例えば、0.05~10μmであり、本実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置1は、当該粒子を観察するものである。
(光膜形成手段)
本実施形態に係る第1管6内に形成される光膜13は、光膜形成手段11からの照射によって形成される。光膜13は、光が光軸方向13aに進むにつれて幅方向に拡がる形態でもよいし、光が光軸方向13aに進むにつれて幅方向に狭まる形態でもよいし、光が幅方向に一定の距離を保ったまま光軸方向13aに進む形態であってもよい。交差部5における光膜13の照射領域15が、例えば、第2管2の断面積の10%以上であればよく、30%以上であれば好ましく、50%以上であればより好ましく、70%以上であればさらに好ましく、90%以上であれば好適である。前記照射領域15が前記範囲であれば、第2管2を流れる気体に含まれる粒子に、管内の位置による密度差があっても、粒子の全体量を把握することが容易である。また、当該光膜13の厚みは、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下であればよい。当該光膜13の厚みの下限は特に限定されないが、例えば10μmである。
本実施形態に係る光膜形成手段11に用いられる光源は、波長が350~1000nmのものとすることができ、例えば、波長約450nmの半導体レーザーを光源として用いることができる。
第1管6内に形成される光膜13は、交差部5における光膜13の面と観察手段21による観察方向22とが直交するように調節するとよい。粒子が瞬間的に多数、流れてきた場合であっても、粒子の散乱光が重なりにくく、散乱光を個別に光パルスとして観察することができる。また光膜13の面と観察方向22とが直交するものであると、ピントの合う厚みは光膜の厚さと同等であればよく、結果、有効口径が大きくより多くの光を取り込める低Fナンバーの光学系、いわゆる明るい光学系を用いることができる。
第1管6に形成された光膜13は、光軸方向13aに進み、第1管6の他端に設けられたビームトラップ12によって遮蔽される。
(第1管)
本実施形態に係る第1管6内では、光膜形成手段11からの光が管の一端から入射し、他端に向って照射されて、光膜13が形成される。第1管6は、真空状態下において変形しないものがよく、管壁が光を透過しないものが望ましい。第1管6の一端に蓋体9が、他端に蓋体8がそれぞれ設けられている。第1管6の内径は特に限定しないが、例えば、10~55mmである。蓋体8,9は、第1管6内外の気体の流通を防ぎ、第1管6内部を真空に保つために設けられ、光膜形成手段11からの光が透過可能なものとするとよい。よって、蓋体8,9の素材は例えば、光が透過可能なガラス、特に石英ガラスを例示できる。他方、第1管6は、光膜形成手段11から光が入射する一端から交差部5までは直管型であるのが望ましい。
(第2管)
本実施形態に係る第2管2は、例えば、真空チャンバーで発生した粒子を含む気体が流れる管である。本実施形態に係る第2管2は、真空状態下において変形しないものがよく、管壁が光を透過しないものが望ましい。第2管2の上流端には蓋体7が設けられている。第2管2は、第1管6と交差する交差部5を有し、交差部5より上流側に気体供給部3が設けられている。第2管2の内径は特に限定しないが、例えば、10~55mmである。蓋体7は、第2管2内外の気体の流通を防ぎ、第2管2内部を真空に保つために設けられ、交差部5で発生した散乱光をモニタリングするために光が透過可能なものとするとよい。よって、蓋体7の素材は例えば、光が透過可能なガラス、特に石英ガラスを例示できる。交差部5は、第1管6と第2管2で形成され、光や気体が第1管6から第2管2へ、又は第2管2から第1管6へ行き来可能となっている。
本実施形態に係る第1管6と第2管2の交差角は特に限定されないが、略90°が最適である。前記交差角が略90°であれば、観察手段21を第2管2の軸心上に設けたときに、観察手段21による観察方向22を第2管2の軸心方向に一致させることができ、粒子の観察が容易かつ明瞭に行うことができる。
第2管2の下流端には管状の気体排出部4を設けることができ、当該気体排出部4の下流端には、排気された気体を排気系統に導く配管を接続するようにしてもよい。
他方、本実施形態の交差部5の代わりに、十字管(クロス管)を用いてもよい。十字管の4つの管端部を時計回りに管端部A,管端部B,管端部C,管端部Dとすると、十字管を用いる場合は、十字管に備わる4つの管端部にそれぞれ管を合計4本連結させ、先ず軸心方向が一致し、対向する位置関係にある管端部Aと管端部Cを真空チャンバー40から流れる気体が通過する気体管群とし、軸心方向が一致し、対向する位置関係にある残りの2つの管端部B,管端部Dを光膜13が形成される光膜形成管群とすることができる。他方、十字管を、管端部Bが-y方向へ、管端部Dが+y方向へそれぞれ延在する形態とすることもでき、この形態では、管端部Bと管端部Dに管を連結しなくてもよく、管端部Bと管端部Dのそれぞれの端部に蓋体9,8を設けるとよい。この場合、管端部Bから管端部Dへ向けて光膜13を形成するように配し、管端部Aから管端部Cへ向けて粒子を含む気体が流れるようにするとよい。管端部Bの径と管端部Dの径は、管端部Aの径と管端部Cの径よりも大径としてもよいし、管端部Aの径,管端部Bの径,管端部Cの径,管端部Dの径すべてを同径としてもよい。特に管端部Bと管端部Dは、光膜13が形成されるため、管端部Bの径と管端部Dの径を、管端部Aの径と管端部Cの径よりも大径とすると、光膜13を相対的に広く形成して、粒子を含む気体の流れを広い範囲で観察することができ好ましい。同様に、第1管6の径を第2管2の径よりも大径とする形態も好ましい。
(観察手段)
本実施形態に係る観察手段21は、交差部5において光膜13に接触し、通過する粒子が発する散乱光を観察するものである。第2管2の上流端から交差部5までが直管型である場合は、観察手段21は、第2管2の上流端の外方に設けるとよい。しかしながら、観察手段21は第2管2の下流端の外方に設けることも可能である。この場合、第2管2の下流端から交差部5へ向かう方向を観察方向22とするとよい。
他方、観察手段21が前記第2管2の軸心上にある場合は、第1管6内に形成される光膜13は、交差部5において光膜の面と観察手段21による観察方向22とが直交するように調節するとよい。光膜13を通過する粒子から発生した散乱光を広い範囲で捉えることができる。
ところで、特許文献3は粒子センサに関する技術を開示するものである。この技術では、光源から出射されたレーザーシートの面に対して平行方向から散乱光を検出するように装置が設計されており、本実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置1と気体の流れ方向、光膜13の面及び観察方向22それぞれの方向の関係性が異なるものである。特許文献3の技術では、粒子が瞬間的に多数、流れてきた際に、粒子の散乱光が重なり合い、まとまった光パルスとして検出されてしまい、検出ロスを招く懸念がある。また、検出器から見て、所定の幅を有するレーザーシートの面に対して平行方向にピントが合うように調節する、すなわち、被写界深度が厚くなるように調節することになるので、F値が大きく相対的に暗い光学系の検出器となり、微小な粒子が発する微弱な散乱光を検出しにくくなる懸念もある。
他方、本実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置1は、交差部5において、光膜13の面が前記第2管2の断面積の10%以上に亘って光膜13が形成されるものである。ここで、光膜13の厚みを3mm以下とし、交差部5において、光膜13の面と観察手段21による観察方向22とが直交するようにすれば、観察手段21の被写界深度が相対的に薄くてよく、明るい光学系を用いることができ、粒子群を幅広い2次元画像として捉えることができるので、粒子が同時に多数、幅広く流れてきたとしても、できるだけ少ないロスで観察できる。また、微小な粒子が発する微弱な散乱光であっても観察可能である。
観察手段21は特に限定されないが、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラ等を適宜用いることができる。
観察手段21によって観察された粒子の抽出、計数及び分級等の処理は、公知のラベリング等の画像処理で行うことができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置1は、基本的構成は第1実施形態のモニタリング装置と同様であるが、第1管6に遮光板14を設けている点で第1実施形態と異なる。当該遮光板14は、第1管6のうちの交差部5以外で、かつ光膜13に接触しない位置に設けるとよい。真空配管中粒子モニタリング装置1は、管内を真空状態に保つため第1管6の両先端に蓋体8,9を設けて、第1管6の両先端から気体の流通を遮る構造としている。第1管6中に外部から光膜を入射させる場合、光が透過可能な蓋体9を透過することになるが、蓋体9の素材によっては、光が蓋体9を透過する際に、ある程度の光の拡散が引き起こされる。その拡散された光は、観察手段21からみて背景となる管内面を明るく照らし、粒子からの散乱光と背景のコントラストの悪化を引き起こすことがある。第2実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置1とすることで、そのような拡散光が遮光板14によって遮蔽され、背景を十分に暗くすることが可能となり交差部において微弱な粒子の散乱光をコントラスト良く観察することができる。図14,図15は第2管2内の交差部5の様子を観察方向22に観察した図であり、図14が遮光板14を設置しない場合であり、図15が遮光板を設置した場合である。
遮光板14としては、遮光性を有するもの、例えばステンレス製の板、好ましくは黒色処理をしたステンレス製の板、より好ましくは黒色無電解ニッケルメッキ処理を施したステンレス製の板であるとよい。
本実施形態の遮光板14は、光膜13の光軸方向13aに対して板面が略垂直になるように設けると、拡散光を遮ることができるのでよい。遮光板14の形態としては、例えば、板に光膜13が通過できるように、光膜13の幅及び厚みよりも僅かに大きい開口部を設けた形態(図5参照)、略半円板の形態であって、第1管6の内周面部に隙間なく接するように形成された弧部分と、弦部分14cとを有する形態(図6参照)等を挙げることができる。遮光板14を第1管6に設ける場合は、略半円板の弦部分14cが、光膜13の面に平行になるようにして、光膜13に接触しないようにするとよい。
遮光板14は、板厚が1mm程度であればよく、一方面の弦部分14cが弦に沿って面取りされた面取り部14bを有しているとよい。遮光板14を設けた形態の第1管6に光膜13を形成すると、光の反射により遮光板14の弦部分14cが光ってしまい、粒子の観察がしにくくなることがある。面取り部14bを有する遮光板14であれば、交差部5をより暗くすることができ、粒子の観測に有利である。面取りの角度αは、特に限定されないが、例えば遮光板14の一方面の弦部分14cを厚み方向に対して略45°とするとよい。遮光板14は、面取り部14bを有さない他方面が交差部5に対向するように設けることができる。
遮光板14は、図3,図7,図8を参照しつつ説明すると、複数枚、例えば第1遮光板14,第2遮光板14,第3遮光板14,第4遮光板14を設けることができる。第1管6において、光膜形成手段11からの光膜13が入射する側を光膜の上流側、ビームトラップ12がある側を光膜の下流側とすると、本実施形態の第1遮光板14は、例えば、交差部5における第1管6の上流側の角部6aから、第1管6の上流側に好ましくは0~10mm、より好ましくは0~5mm、さらに好ましくは0mm(すなわち、前記交差部5における第1管6の上流側の角部6a)の距離L1だけ離れた位置に、板面が光膜13の光軸方向13aに略垂直になるように配置するとよい。なお、角部6a,6b,・・・は第1管6と第2管2の接合部である。略半円型の第1遮光板14は、観察手段21から観察方向22(-z方向)に第1管6を見たときに、第1管6内における、形成された光膜13よりも奥側の空間17に設けることができる。また、第1遮光板14から、第1管6の上流側に間隔L2を空けて第2遮光板14を設けることができる。前記間隔L2は、例えば、0mmより長い距離であればよく、10mm以上の距離であればより好ましく、20mm以上の距離であれば好適である。第2遮光板14は、観察手段21から観察方向22(-z方向)に第1管6を見たときに、第1管6内における、形成された光膜13よりも手前側の空間16に設けることができる。このように配置することで、前記第1管6における前記奥側の空間17に拡散された光と前記手前側の空間16に拡散された光を遮ることができるので、粒子がより観察し易くなる。
上記第1遮光板14及び第2遮光板14に加え、第1管6における交差部5から下流側にも第3遮光板14と第4遮光板14を設けることもできる。本実施形態の第3遮光板14は、例えば、交差部5における第1管6の下流側の角部6bから、第1管6の下流側に好ましくは0~10mm、より好ましくは0~5mm、さらに好ましくは0mm(すなわち、前記交差部5における第1管6の下流側の角部6b)の距離L3だけ離れた位置に、板面が光膜13の光軸方向13aに略垂直になるように配置するとよい。略半円型の第3遮光板14は、観察手段21から観察方向22(-z方向)に第1管6を見たときに、第1管6内における、形成された光膜13よりも奥側の空間17に設けることができる。また、第3遮光板14から、第1管6の下流側に間隔L4を空けて第4遮光板14を設けることができる。前記間隔L4は、例えば、0mmより長い距離であればよく、10mm以上の距離であればより好ましく、20mm以上の距離であれば好適である。ここで、第4遮光板14は、観察手段21から観察方向22(-z方向)に第1管6を見たときに、第1管6内における、形成された光膜13よりも手前側の空間16に設けることができる。このように配置することで、前記第1管6における前記奥側の空間17に拡散された光と前記手前側の空間16に拡散された光を遮ることができるので、粒子がより観察し易くなる。
第1遮光板14を設置するときは、第1遮光板14と光膜13とが距離L5だけ離れていればよい。同様に、第2遮光板14,第3遮光板14,及び第4遮光板14を設置するときは、第2遮光板14,第3遮光板14,及び第4遮光板14各々と光膜13とが距離L5だけ離れていればよい。前記距離L5は、例えば2mm以下、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1mm以下、0.5mm以下であれば好適である。
遮光板14は光膜13に接触しないように配置するが、具体的には、第1管6の軸心方向がy方向であり、光膜13の光軸方向13aがy方向であり、光膜13の面がxy面であり、観察方向22が-z方向である場合において、第1遮光板14を前記奥側の空間17に設けるときは第1遮光板14の弦部分14cが光膜13の面と平行になるように配置すればよい。第2遮光板14,第3遮光板14,及び第4遮光板14のそれぞれについても同様に、第2遮光板14,第3遮光板14,及び第4遮光板14のそれぞれの弦部分14cが光膜13の面と平行になるように配置すればよい。
遮光板14の弧部分の端縁の形状は、第1管6を周方向に切断したときの断面の形状に合わせるとよい。このようにすることで、遮光板14の弧部分の端縁を第1管6の内周面に合せ、当該弧部分と内周面とに隙間がないように閉じて、遮光板14を第1管6に固定することができる。
(第3実施形態)
真空状態で粒子を観察する際、管内部で光が乱反射、拡散する等して背景が明るくなり、コントラストよく観察しにくくなる場合がある。そこで、本発明の第3実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置1は、基本的構成は第1実施形態のモニタリング装置と同様であるが、第1管6の内面と第2管2の内面の一方又は両方を黒色とするものである。管内面を黒色とすることで、管内部の光の反射、拡散を抑制でき、第2管2を流れる気体に含まれる粒子の散乱光像と周囲の背景のコントラストが改善される。黒色とするには、例えば、黒アルマイト処理やレイデント(登録商標)処理を行えばよい。しかしながら、管内面を黒色としたとしても、アウトガス、粒子等が発生することがある。これらが発生すると管内を逆流して、製造装置内での成膜等の処理中もしくは処理前後に製造製品を汚染する可能性がある。そこで、管内面を黒色無電解ニッケルメッキ処理すると、より好ましい。黒色無電解ニッケルメッキ処理することで、コントラストよく観察できるのはもちろんのこと、真空状態にしたときに発生しやすいアウトガスや粒子の発生も抑制することができる。
図13は、管内面に対して各種の処理を施した管における、排気時間に対するアウトガスの放出速度をプロットしたグラフである。符号61が黒アルマイト処理した管、符号62がレイデント(登録商標)処理した管(1回目)、符号63がレイデント(登録商標)処理した管(2回目)、符号64が黒色無電解ニッケルメッキ処理した管、符号65が素材をSUS304Lとしグラスビーズブラスト(GBB)処理した管、符号66が素材をSUS304Lとし電解研磨処理した管である。図13から、黒アルマイト処理やレイデント(登録商標)処理よりも黒色無電解ニッケルメッキ処理の方が、アウトガスの発生が抑制されることが分かる。
第1管6の内面と第2管2の内面の一方又は両方を黒色とする手法としては、メッキ(溶融メッキ、真空メッキ、無電解メッキ、電解メッキ等)をすることによって行うことができる。電解を用いた方法として、黒色電解クロムメッキ、黒色電解ニッケルメッキ、黒色電解スズ合金メッキ、黒色電着塗装等を例示でき、他方、無電解ニッケルメッキによって黒色皮膜を得る方法として、黒色無電解ニッケル・リン・亜鉛の合金メッキ、黒色無電解純ニッケルメッキ、黒色無電解ニッケル・スズメッキ等を例示できる。特に黒色無電解ニッケルメッキされた管は、上述したように光の反射や拡散、アウトガスや粒子の発生を抑制できるため好ましい。
なお、遮光板14を第1管6に設置し、かつ第1管6の内面と第2管2の内面の一方又は両方を黒色とする形態も望ましい。
第3実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置1であっても、第2実施形態と組み合わせて、遮光板14が第1管6に設けられた形態としてもよい。
(その他)
図面について、図2に記載の光膜13は第1管6の内部に形成され外部から見えないものであるが、説明のために表示している。図3の第1管6と第2管2は円筒形状であるが、説明のため断面で表している。
本実施形態を用いて、粒子の観察試験を行った。手順は次のとおりである。本実施形態に係る真空配管中粒子モニタリング装置について、真空チャンバーにターボ分子ポンプを接続し、その排気を真空配管中粒子モニタリング装置の気体供給部に接続し、気体排出部をドライポンプに接続して、ポンプを起動させ、真空配管中粒子モニタリング装置の管内の気圧を1Pa以下とした。光膜形成手段に波長450nmのレーザーシート光源を用いた。観察手段は、CMOSカメラを用い、フレームレート60FPS(コマ/秒)に設定した。真空配管中粒子モニタリング装置の光膜が形成される第1管及び気体が流れる第2管には、径が23mmであるNW25規格の管を用い、交差部の径を23mmとした。気体が流れる第2管の(交差部の)断面積を415mmとし、前記交差部における光膜の面積を313mmし、交差部において、光膜の面が交差部の断面積の75.4%になるように光膜を形成した。
真空チャンバー内の液晶成膜装置を起動及び停止させて粒子を発生させ、発生した粒子が交差部を通過する様子を経時的に観察手段により撮像し、計数した。結果を図9~図12に示した。観測開始後120秒に粒子の特徴的なピーク41が観察された。観察された粒子(観察粒子54)のピーク41の様子が図10である。また、観測開始後300秒に粒子の特徴的なピーク42が観察された。観察粒子54のピーク42の様子が図11である。さらに、観測開始後1350秒に粒子の特徴的なピーク43が観察された。観察粒子54のピーク43の様子が図12である。
観察粒子54はサイズにばらつきがあり、ピーク41では、主に径が0.5μm以上かつ1μm未満の小サイズ粒子と、径が1μm以上かつ5μm未満の中サイズ粒子が観察された。ピーク42では、小サイズ粒子及び中サイズ粒子に加えて、径が5μm以上の大サイズ粒子が観察された。特に図11では、粒子の密度が、観察した範囲のうち紙面左側が密となっており、紙面右側が疎となっており、密度差が見られた。
本発明は、気体の流れの可視化及び粒子画像流速測定法等に適用可能なものである。半導体、液晶、医薬品、食品、医療、自動車、フィルム、金属加工等の、粒子の流れが関心の対象となる全ての分野に適用可能なものである。
1 真空配管中粒子モニタリング装置
2 第2管
3 気体供給部
4 気体排出部
5 交差部
6 第1管
7 蓋体
8 蓋体
9 蓋体
11 光膜形成手段
13 光膜
13a 光軸方向
14 遮光板
14a 開口部
14b 面取り部
15 照射領域
21 観察手段
22 観察方向
31 気体
40 真空チャンバー
41 ピーク
42 ピーク
43 ピーク
51 小サイズ粒子の数
52 中サイズ粒子の数
53 大サイズ粒子の数
54 観察粒子

Claims (5)

  1. 一端を有する第1管と、
    粒子を含む気体が流れる第2管と、
    前記第1管と前記第2管が交差する交差部と、
    光を前記第1管の一端から内部に入射させ、前記交差部を越えて、厚みが3mm以下で面状の光膜を形成する光膜形成手段と、
    前記第1管内部と前記第2管内部を真空状態にする真空手段と、
    前記粒子が発する散乱光を観察する2次元画像センサと、を有し、
    前記2次元画像センサによる観察方向が、前記第2管の軸心に沿っており、かつ前記光膜の面に交差しており、
    前記交差部において、前記光膜の面が前記第2管の断面積の10%以上に亘って形成され、
    前記散乱光は、前記第2管を流れる前記粒子が、前記交差部において記光膜の面に接触して発するものである、
    ことを特徴とする真空配管中粒子モニタリング装置。
  2. 記交差部において、前記光膜の面と前記2次元画像センサによる観察方向とが直交するものである、
    請求項1に記載の真空配管中粒子モニタリング装置。
  3. 遮光板を有し、
    前記遮光板が、前記第1管のうちの前記交差部以外で、かつ前記光膜に接触しない位置に設けられているものである、
    請求項1に記載の真空配管中粒子モニタリング装置。
  4. 前記第1管の内面と前記第2管の内面の一方又は両方が黒色無電解ニッケルメッキ処理されたものである
    請求項1に記載の真空配管中粒子モニタリング装置。
  5. 一端を有する第1管と、
    粒子を含む気体が流れる第2管と、
    前記第1管と前記第2管が交差する交差部と、
    光を前記第1管の一端から内部に入射させ、前記交差部を越えて、厚みが3mm以下で面状の光膜を形成する光膜形成手段と、
    前記第1管内部と前記第2管内部を真空状態にする真空手段と、
    前記粒子が発する散乱光を観察する2次元画像センサと、を有し、
    前記2次元画像センサによる観察方向が、前記第2管の軸心に沿っており、かつ前記光膜の面に交差しており、
    前記交差部において、前記光膜の面が前記第2管の断面積の10%以上に亘って形成されるものであり、
    前記散乱光は、前記第2管を流れる前記粒子が、前記交差部において記光膜の面に接触して発するものである真空配管中粒子モニタリング装置を用いて、
    前記第1管内部に光膜を形成し、
    前記第1管内部と前記第2管内部を真空状態にし、
    前記第2管に前記気体を流し、
    前記交差部において前記粒子から発せられた散乱光を前記2次元画像センサによって観察する、
    ことを特徴とする真空配管中粒子モニタリング方法。
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