JP7842471B2 - 遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法 - Google Patents

遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法

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Description

本発明は、遷移金属ホウ化物の急速な製造方法に関するものであり、直流アーク法によるナノ材料分野に属する。
近年、遷移金属ホウ化物(TMBs)は、その独特の機械的及び電気的性能に起因して、極めて大きな関心が寄せられている。この化合物は、大きな体積弾性率、高硬度、超高融点、良好な熱安定性、強い耐酸化性、優れた電気伝送性能等の優れた特性を有することから、超燃焼プレスエンジンやロケット推進、高超音速飛行、大気再入、電気機械系ハードコート、装爪およびカッターツール等の分野で広く用いられている。例えば、二ホウ化チタンは、新興のエンジニアリングセラミック材料の1つとして、硬度が高く、弾性率が高く、製点が高く、耐摩耗性に優れ、熱伝導や導電性に優れている等の特徴を有している。Baharvandiなどの人は、原料としてBCとTiBを用い、2050/2150℃の温度で無圧焼結し、BC-TiB複相セラミックス材料を合成したものであり、TiBの添加は空隙率を低下させ、結晶粒成長を抑制することができ、同じTiB含有量では合成温度が高いほど密度が良い。
一般的な遷移金属ホウ化物の製造方法としては、ハロゲン化硼素と金属ハロゲン化物との混合物を水素ガスで還元すること、三酸化硼素と金属酸化物との混合物を炭素で還元すること、電解溶融塩および単質ホウ素で金属酸化物を還元するなどがある。上記の方法は、金属ホウ化物の製造に広く用いられているが、幾つかの問題がある。例えば、水素ガスでハロゲン化ホウ素と金属ハロゲン化物の混合物を還元し、水素ガス中でハロゲン化ホウ素と揮発性金属ハロゲン化物の混合物をワイヤ上で熱分解反応させ、少量の純粋な金属ホウ化物を製造することができる。三酸化二ホウ素と金属酸化物の混合物を炭素で還元することにより、金属ホウ化物を比較的大量に製造することができる。しかし、高温下では、各種酸化物の揮発度が異なるため、化学組成上の変化を引き起こし、しかも製品は中間に発生したホウ素や炭化ホウ素と炭素により汚染される可能性が高い。電解溶融塩法につき、この方法は多くの金属ホウ化物を製造することができ、一部は既に工業生産レベルに達している。しかし、電流効率が低く、幾つかのホウ化物を生成する可能性のある物相及び製品は溶融塩から純粋に分離することが困難である。しかも、上記の幾つかの方法は製造時間が長く、製造過程で発生した不純物を追加処理する必要がある場合がある。
そのため、先行技術は、依然として改善と発展の余地がある。
上記従来技術の不足に鑑み、本願の目的は、従来の遷移金属ホウ化物の製造プロセスが複雑で、環境への影響が大きいという技術的問題を解決することを目的とする遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法を提供することにある。
本発明の遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法は、以下の技術的解決策を採用している。
タングステンロッド、及びホウ素粉と金属酸化物との塊状混合物を用意して、前記塊状混合物と前記タングステンロッドをそれぞれ陽極と陰極としてアーク炉内に置く。
前記アーク炉を真空引きし、その後、バッファガスを充填して、前記アーク炉を制御してアークを起動させ、前記塊状混合物を点火した後、直ちに前記アーク炉を制御してアークを閉じるようにし、前記塊状混合物に持続的に燃焼反応させて、遷移金属ホウ化物を得る。
上記の実現形態では、前記アーク炉を用いて熱源を提供することにより、陽極の一端を点火すればアークを閉じることができ、反応は陽極全体が完全に反応するまで燃焼波の形で行われる。操作が簡単で、コストが低く、環境に優しく、反応雰囲気が制御可能であるなどの利点を有するアークプラズマ法で、前記遷移金属ホウ化物を迅速に製造するため、製造プロセスが簡単で、且つ環境に影響を与えない。
幾つかの態様において、前記バッファガスは、アルゴンガスである。
幾つかの態様において、前記金属酸化物は、四酸化三コバルト、四酸化三鉄、高ニッケル酸化物、二酸化チタン、及び二酸化バナジウムのうちの一種である。
幾つかの態様において、前記塊状混合物と前記タングステンロッドとの前記アーク炉内での間隔は、1~3mmである。
幾つかの態様において、前記アークの放電電流は12~50Aであり、前記アークの放電時間は1~30sである。
幾つかの態様において、前記アーク炉の真空引き後の真空度は、3Pa以下である。
幾つかの態様において、前記バッファガスが充填された後のガス圧は、40~80KPaである。
幾つかの態様において、前記遷移金属ホウ化物は、ホウ化ニッケル、ホウ化コバルト、二ホウ化バナジウム及び二ホウ化チタンのうちの1つを含む。
上記塊状混合物と上記タングステンロッドとの間の間隔範囲及びアーク炉内のガス圧力の範囲は、アークをより安定的にさせることができる。アークの放電電流と放電時間は、上記間隔範囲と圧力範囲に合わせて、金属ホウ化物の製造効果をより良くすることができる。
本発明の遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法のフローチャートである。 本発明の遷移金属ホウ化物の迅速製造方法に用いられるアーク炉の概略図である。 本発明の実施例1で調製されたホウ化ニッケルナノ粒子のX線回折パターンである。 本発明の実施例1で調製されたホウ化ニッケルナノ粒子の透過型電子顕微鏡図である。 本発明の実施例2で調製された二ホウ化バナジウムナノ粒子のX線回折パターンである。 本発明の実施例2で調製された二ホウ化バナジウムナノ粒子の透過型電子顕微鏡図である。 本発明の実施例3で調製された二ホウ化チタンナノ粒子のX線回折パターンである。 本発明の実施例3で調製された二ホウ化チタンナノ粒子の透過型電子顕微鏡図である。 本発明の実施例4で調製されたホウ化コバルトナノ粒子のX線回折パターンである。 本発明の実施例4で調製されたホウ化コバルトナノ粒子の透過型電子顕微鏡図である。
以下、添付図面及び具体的な実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の保護範囲は上記に限定されるものではない。
図1及び図2に示すように、本発明が提供する遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法は、ステップS1及びステップS2を含む。
ステップS1において、タングステンロッドとホウ素粉と金属酸化物との塊状混合物を用意し、且つ前記塊状混合物と前記タングステンロッドをそれぞれ陽極と陰極としてアーク炉内に置く。
ステップS2において、前記アーク炉を真空引きし、その後、バッファガスを充填して前記アーク炉を制御してアークを始動させ、前記塊状混合物を点火した後、前記アーク炉を制御してアークを閉じるようにし、前記塊状混合物に持続的に燃焼反応させて、遷移金属ホウ化物を得る。
上記の実施形態では、前記アーク炉を用いて熱源を提供することにより、陽極の一端を点火すればアークを閉じることができ、反応は陽極全体が完全に反応するまで燃焼波の形で行われ、操作が簡単で、コストが低く、環境に優しく、反応雰囲気が制御可能であるなどの利点を有するアークプラズマ法を用いて、前記遷移金属ホウ化物を迅速に製造し、製造プロセスが簡単で、且つ環境に影響を与えない。
オプションとして、前記バッファガスは、アルゴンガスである。
オプションとして、前記金属酸化物は、四酸化三コバルト、四酸化三鉄、高ニッケル酸化物、二酸化チタン、及び二酸化バナジウムのうちの一種である。
オプションとして、前記塊状混合物と前記タングステンロッドとの前記アーク炉内での間隔は、1~3mmである。
オプションとして、前記アークの放電電流は12~50Aであり、前記アークの放電時間は1~30sである。
オプションとして、前記アーク炉の真空引き後の真空度は、3Pa以下である。
オプションとして、前記バッファガスが充填された後のガス圧は、40~80KPaである。
オプションとして、前記遷移金属ホウ化物は、ホウ化ニッケル、ホウ化コバルト、二ホウ化バナジウム及び二ホウ化チタンのうちの1つを含む。
前記塊状混合物と前記タングステンロッドとの間の間隔範囲、及びアーク炉内のガス圧力範囲は、アークをより安定的にさせることができる。アークの放電電流と放電時間は、上記の間隔範囲と圧力範囲とに合わせて、金属ホウ化物の製造効果をより良好にすることができる。
以下、本発明が提供する遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法について、具体的な実施例1~5を用いて詳細に説明する。
<実施例1>
(1)放電陽極の製造
割合が6:1であるホウ素粉末と高ニッケル酸化物の混合物をすり鉢に入れ、前記2種類の物質を均一に混合して、混合物を得る。次いで、上記混合物をハイドロリックプレスの中に入れて、塊状混合物に圧着する。
(2)タングステンロッドを陰極とし、塊状混合物を陽極とし、タングステンロッドと塊状混合物をアーク炉内に置き、両極の間の間隔を1mmにし、アーク炉は真空度が3Paになるまで吸引された後、直流アーク放電電流を12Aに設定し、70KPaのアルゴンガスを充填した後にアークを起動し、放電時間を1sに設定し、反応チャンバ内壁の反応物をホウ化ニッケル粒子として収集した。
<実施例2>
(1)放電陽極の製造
割合が8:1であるホウ素粉末と二酸化バナジウムとの混合物をすり鉢に入れ、上記2種類の物質を均一に混合して、混合物を得る。次いで、上記混合物をハイドロリックプレスの中に入れて塊状混合物に圧着した。
(2)タングステンロッドを陰極とし、塊状混合物を陽極とし、タングステンロッドと塊状混合物をアーク炉内に置き、両極間の間隔を2mmにし、アーク炉は真空度が2Paになるまで吸引された後、直流アーク放電電流を20Aに設定し、80KPaのアルゴンガスを充填した後にアークを起動し、放電時間を10sに設定し、反応チャンバ内壁の反応物を二ホウ化バナジウム粒子として収集する。
<実施例3>
(1)放電陽極の製造
割合が4:1であるホウ素粉末と二酸化チタンとの混合物をすり鉢に入れて、上記2種類の物質を均一に混合して、混合物を得る。次いで、上記混合物をハイドロリックプレスの中に入れて、塊状混合物に圧着した。
(2)タングステンロッドを陰極とし、塊状混合物を陽極とし、タングステンロッドと塊状混合物をアーク炉内に置き、両極間の間隔を3mmにし、アーク炉は真空度が3Paになるまで吸引された後、直流アーク放電電流を50Aに設定し、40KPaのアルゴンガスを充填した後にアークを起動して、放電時間を5sに設定して、反応チャンバ内壁の反応物をホウ化チタン粒子として収集する。
<実施例4>
(1)放電陽極の製造
割合が10:1であるホウ素粉末と四酸化三コバルトとの混合物をすり鉢に入れて、上記2種類の物質を均一に混合して、混合物を得る。次いで、上記混合物をハイドロリックプレスの中に入れて、塊状混合物に圧着した。
(2)タングステンロッドを陰極とし、塊状混合物を陽極とし、タングステンロッドと塊状混合物をアーク炉内に置き、両極間の間隔を1mmにし、アーク炉は真空度が3Paになるまで吸引され後、直流アーク放電電流を12Aに設定し、70KPaのアルゴンガスを充填した後にアークを起動し、放電時間を30sに設定し、反応チャンバ内壁の反応物をホウ化コバルト粒子として収集する。
<実施例5>
(1)放電陽極の製造
割合が10:1であるホウ素粉末と四酸化三鉄との混合物をすり鉢に入れて、上記2種類の物質を均一に混合して、混合物を得る。次いで、上記混合物をハイドロリックプレスの中に入れて、塊状混合物に圧着した。
(2)タングステンロッドを陰極とし、塊状混合物を陽極とし、タングステンロッドと塊状混合物をアーク炉内に置き、両極間の間隔を1mmにし、アーク炉は真空度が3Paになるまで吸引された後、直流アーク放電電流を12Aに設定し、70KPaのアルゴンガスを充填した後にアークを起動し、放電時間を5sに設定し、反応チャンバ内壁の反応物をホウ化鉄粒子として収集する。
さらに、実施例1で調製された遷移金属ホウ化物に対して分析する。図3は、実施例1で調製したホウ化ニッケル粒子のX線回折パターンである。測定結果に示すように、生成物の回折ピークは下の標準スペクトルとほぼ一致している。つまり、実施例1の直流アーク法により、高純度のホウ化ニッケル粒子が得られた。さらに、図4は、実施例1で調製したホウ化ニッケル粒子の透過型電子顕微鏡図であり、ホウ化ニッケル粒子の平面間隔dが0.28nmであることを測定した。この値は、ホウ化ニッケル構造の(110)結晶面に対応し、ホウ化ニッケルの調製に成功したことを表明している。
さらに、実施例2で調製した二ホウ化バナジウム粒子に対して分析する。図5は、実施例2で調製した二ホウ化バナジウム粒子のX線回折パターンである。測定結果に示すように、生成物の回折ピークは下方の標準スペクトルとほぼ一致している。つまり、実施例2の直流アーク法により、高純度の二ホウ化バナジウム粒子が得られた。さらに、図6は、実施例2で調製した二ホウ化バナジウム粒子の透過型電子顕微鏡図であり、ホウ化ニッケル粒子の平面間隔dが0.12nmであることを測定した。この値は、二ホウ化バナジウム構造の(201)結晶面に対応し、二ホウ化バナジウムの調製に成功したことを表明している。
さらに、実施例3で調製した二ホウ化チタン粒子に対して分析する。図7は、実施例3で調製した二ホウ化チタン粒子のX線回折パターンである。測定結果に示すように、生成物の回折ピークは下方の標準スペクトルと基本的に一致している。つまり、実施例3の直流アーク法により、高純度の二ホウ化チタン粒子が得られた。さらに、図8は、実施例3で調製した二ホウ化チタン粒子の透過型電子顕微鏡図であり、ホウ化ニッケル粒子の平面間隔dが0.12nmであることを測定した。この値は、ホウ化ニッケル構造の(201)結晶面に対応し、二ホウ化チタンの製造に成功したことを表明している。
さらに、実施例4で調製した二ホウ化チタン粒子に対して分析する。ここで、図9は、実施例4で調製したホウ化コバルト粒子のX線回折パターンである。検出結果に示すように、生成物の回折ピークは下方の標準スペクトルと基本的に一致している。つまり、実施例4の直流アーク法により、高純度のホウ化コバルト粒子が得られた。さらに、図10は、実施例4で調製したホウ化コバルト粒子の透過型電子顕微鏡図であり、ホウ化ニッケル粒子の平面間隔dが0.12nmであることを測定した。この値は、ホウ化ニッケル構造の(111)結晶面に対応し、ホウ化コバルトの調製に成功したことを表明している。
上記実施例は、本発明の好ましい実施形態であるが、本発明の実施形態は上記実施例に限定されるものではなく、他のいかなる本発明の精神と原理から逸脱せずに行われた変更、修飾、置換、組み合わせや簡略化は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。

Claims (4)

  1. タングステンロッド、及びホウ素粉と金属酸化物との塊状混合物を用意して、前記塊状混合物と前記タングステンロッドをそれぞれ陽極と陰極として、アーク炉内に置くステップと、
    前記アーク炉を、3Pa以下に真空引きし、その後、アルゴンガスをバッファガスとして充填し、前記アルゴンガスの圧力を40~80Kpaに調整するとともに、前記アーク炉を制御してアークを起動させ、前記塊状混合物を点火した後、直ちに前記アーク炉を制御してアークを閉じるようにし、前記塊状混合物に持続的に燃焼反応させて、遷移金属ホウ化物を得るステップと、を備え、前記金属酸化物は、四酸化三コバルト、四酸化三鉄、二酸化チタン、及び二酸化バナジウムのうちの一種であることを特徴とする遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法。
  2. 前記塊状混合物と前記タングステンロッドとの前記アーク炉内での間隔は、1~3mmであることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法。
  3. 前記アークの放電電流は12~50Aであり、前記アークの放電時間は1~30sであることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法。
  4. 前記遷移金属ホウ化物は、ホウ化コバルト、二ホウ化バナジウム及び二ホウ化チタンのうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の遷移金属ホウ化物の迅速な製造方法。
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