発明の詳細な説明
節の概略
I.)定義
II.)プロドラッグ
III.)化学化合物
IV.)脂質
V.)連結単位(「LU」)
VI.)ナノキャリア
VII.)リポソーム
VIII.)医薬製剤
IX.)併用療法
X.)プロドラッグを含むリポソームを細胞に送達する方法
XI.)がん(複数可)および他の免疫学的障害(複数可)を処置する方法
XII.)キット/製造品
I.)定義
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての当技術分野の用語、表記法および他の科学用語または専門用語は、文脈によって別段明らかに示されない限り、本発明が関係する分野の当業者によって一般に理解される意味を有することが意図される。ある場合には、一般に理解される意味を有する用語は、本明細書においては、明確にするためおよび/または参照しやすくするために定義され、本明細書にこのような定義を含むことは、必ずしも、当技術分野で一般に理解されているものと実質的な差異を表すと解釈されるべきではない。
本明細書で商標が使用される場合、その商標への言及は、文脈によって別段指定されない限り、製品の製剤、ジェネリック薬物、および商標製品の医薬活性成分(複数可)も指す。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、サイズ(すなわち、直径)、重量、濃度またはパーセンテージの値または量に言及する場合、指定の量から一例では±20%または±10%、別の例では±5%、別の例では±1%、さらに別の例では±0.1%の変動を包含することを意味する。なぜなら、そのような変動は、開示される方法を実施するのに適しているからである。
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、実体の一覧の文脈で使用される場合、単独でまたは組合せで存在している実体を指す。したがって、例えば、「A、B、C、および/またはD」という句は、A、B、C、およびDを個々に含むだけでなく、A、B、C、およびDのありとあらゆる組合せおよび部分的な組合せも含む。
本明細書において、エンドポイントによって示される数値範囲は、その範囲内に包含されるすべての数および分数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.90、4、および5を含むが、それらに限定されない)。
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という句は、特許請求の範囲を、指定の材料またはステップと、加えて、特許請求される主題の基本的かつ新規な特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。
「進行がん」、「局所進行がん」、「進行性疾患」および「局所進行性疾患」という用語は、関連する組織被膜を通って広がったがんを意味し、米国泌尿器科学会(AUA)システムでステージCの疾患、Whitmore-JewettシステムでステージC1~C2の疾患、ならびにTNM(腫瘍、結節、転移)系でステージT3~T4およびN+の疾患を含むことを意味する。一般に、局所進行性疾患を有する患者には、外科手術は推奨されず、これらの患者は、臨床的に局所化した(臓器限局性)がんを有する患者と比較して、好ましい転帰が実質的に少ない。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、ブタジエニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、およびアレニル基を含めた、両端を含むC1~C20の線形(すなわち、「直鎖」)、分岐または環式の、飽和または少なくとも部分的に、および、ある場合には不飽和の(すなわち、アルケニルおよびアルキニル)炭化水素鎖を指すことができる。「分岐」は、低級アルキル基、例えばメチル、エチル、またはプロピルが、線形アルキル鎖に結合しているアルキル基を指す。「低級アルキル」は、1~約8個の炭素原子(すなわち、C1~C8アルキル)、例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、または8個の炭素原子を有するアルキル基を指す。「高級アルキル」は、約10~約20個の炭素原子、例えば、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の炭素原子を有するアルキル基を指す。ある特定の実施形態では、「アルキル」は、特に、C1~C8直鎖アルキルを指す。他の実施形態では、「アルキル」は、特に、Ci~8分岐鎖アルキルを指す。
アルキル基は、同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数のアルキル基置換基で必要に応じて置換されてもよい(「置換アルキル」)。「アルキル基置換基」という用語には、アルキル、置換アルキル、ハロ、アリールアミノ、アシル、ヒドロキシル、アリールオキシル、アルコキシル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルオキシル、アラルキルチオ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、オキソ、およびシクロアルキルが含まれるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、アルキル鎖に沿って、必要に応じて1つまたは複数の酸素原子、硫黄原子、または置換もしくは非置換窒素原子が挿入されてよく、窒素置換基は、水素、低級アルキル(本明細書では、「アルキルアミノアルキル」とも呼ばれる)、またはアリールである。
したがって、本明細書で使用される場合、「置換アルキル」という用語は、アルキル基の1つまたは複数の原子または官能基が、別の原子で、または例えばアルキル、置換アルキル、ハロゲン、アリール、置換アリール、アルコキシル、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、サルフェートおよびメルカプトを含めた官能基で置き換えられている、本明細書で定義される通りのアルキル基を含む。
「アリール」という用語は、本明細書において、単一の芳香族環であってよく、または一緒になって縮合している、共有結合により連結している、もしくはそれに限定されるものではないが、メチレンもしくはエチレン部分などの共通の基に連結している複数の芳香族環であってよい、芳香族置換基を指すために使用される。共通の連結基はまた、ベンゾフェノンにおけるようなカルボニル、またはジフェニルエーテルにおけるような酸素、またはジフェニルアミンにおけるような窒素であってよい。「アリール」という用語は、特に、複素環式芳香族化合物を包含する。芳香族環(複数可)は、とりわけ、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミンおよびベンゾフェノンを含むことができる。特定の実施形態では、「アリール」という用語は、約5~約10個の炭素原子、例えば、5個、6個、7個、8個、9個、または10個の炭素原子を含み、5員および6員の芳香族環およびヘテロ芳香族環を含む環式芳香族を意味する。アリール基は、同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数のアリール基置換基で必要に応じて置換されていてよく(「置換アリール」)、「アリール基置換基」には、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシル、アラルキルオキシル、カルボキシル、アシル、ハロ、ニトロ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アシルオキシル、アシルアミノ、アロイルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールチオ、アルキルチオ、アルキレン、および-NR’R’’が含まれ、ここでR’およびR’’は、それぞれ独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびアラルキルであってよい。アリール基の具体例として、シクロペンタジエニル、フェニル、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、ピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラゾール、ピラジン、トリアジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、インドール、カルバゾールなどが挙げられるが、それらに限定されない。
「ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、環構造の骨格に、1つまたは複数の非炭素原子(例えば、O、N、S、Seなど)を含有するアリール基を指す。窒素含有ヘテロアリール部分には、ピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラゾール、ピラジン、トリアジン、ピリミジンなどが含まれるが、それらに限定されない。
「抗がん薬物」、「化学療法薬」、および「抗がんプロドラッグ」という用語は、がんを処置する(すなわち、がん細胞を死滅させる、がん細胞の増殖を抑止する、またはがんに関係する症状を処置する)ことが公知であるか、または処置することができると思われる薬物(すなわち、化学化合物)またはプロドラッグを指す。一部の実施形態では、「化学療法薬」という用語は、本明細書で使用される場合、がんを処置するために使用される、かつ/または細胞傷害能力を有する、非PS分子を指す。より伝統的なまたは従来の化学療法剤は、作用機序によってまたは化学化合物のクラスによって記載することができ、アルキル化剤(例えば、メルファラン)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン)、細胞骨格破壊薬(disruptor)(例えば、パクリタキセル)、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタット)、トポイソメラーゼIまたはIIの阻害剤(例えば、イリノテカンまたはエトポシド)、キナーゼ阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、ヌクレオチドアナログまたはその前駆体(例えば、メトトレキセート)、ペプチド抗生物質(例えば、ブレオマイシン)、白金系薬剤(例えば、シスプラチンまたはオキサリプラチン)、レチノイド(例えば、トレチノイン)、およびビンカ(vinka)アルカロイド(例えば、ビンブラスチン)を含むことができるが、それらに限定されない。
「アラルキル」は、-アルキル-アリール基を指し、必要に応じて、アルキルおよび/またはアリール部分は置換される。
「アルキレン」は、1~約20個の炭素原子、例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の炭素原子を有する、直鎖または分岐の二価の脂肪族炭化水素基を指す。アルキレン基は、直鎖、分岐、または環式であってよい。アルキレン基はまた、必要に応じて不飽和であってよく、かつ/または1つもしくは複数の「アルキル基置換基」で置換されていてよい。アルキレン基に沿って、必要に応じて1つまたは複数の酸素原子、硫黄原子、または置換もしくは非置換窒素原子(本明細書では、「アルキルアミノアルキル」とも呼ばれる)が挿入されてよく、窒素置換基は、既に記載されている通りのアルキルである。例示的なアルキレン基として、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2-CH2-)、プロピレン(-(CH2)3-)、シクロヘキシレン(-C6H10-)、-CH=CH-CH=CH-、-CH=CH-CH2-、-(CH2)q-N(R)-(CH2)-(ここで、qのぞれぞれは、0~約20の整数、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20であり、Rは、水素または低級アルキルである)、メチレンジオキシル(-O-CH2-O-)、およびエチレンジオキシル(-O-(CH2)2-O-)が挙げられる。アルキレン基は、約2~約3個の炭素原子を有することができ、さらに6~20個の炭素を有することができる。
「アリーレン」という用語は、二価の芳香族基、例えば、二価のフェニルまたはナフチル(napthyl)基を指す。アリーレン基は、必要に応じて、1つもしくは複数のアリール基置換基で置換されてよく、かつ/または1つもしくは複数のヘテロ原子を含むことができる。
「アミノ」という用語は、-N(R)2基を指し、ここで、各Rは、独立に、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、または置換アラルキルである。「アミノアルキル」および「アルキルアミノ」という用語は、-N(R)2基を指すことができ、ここで、各Rは、H、アルキル、または置換アルキルであり、少なくとも1つのRは、アルキルまたは置換アルキルである。「アリールアミン」および「アミノアリール」は、-N(R)2基を指し、ここで、各Rは、H、アリールまたは置換アリールであり、少なくとも1つのRは、アリールまたは置換アリール、例えばアニリン(すなわち、-NHC6H5)である。
「バルク」(別名、薬物物質)は、流通のための最終容器に充填されなかった薬物物質または薬物製品を意味する。最終製剤化バルクは、一般に、製剤化され、充填前に保存または保持されている薬物製品を指す。薬物物質は、薬物製品への製剤化の前に、「バルク」または「濃縮バルク」として保存または保持され得る。
「カルボキシレート」および「カルボン酸」という用語は、それぞれ-C(=O)O-基および-C(=O)OH基を指すことができる。「カルボキシル」という用語はまた、-C(=O)OH基を指すことができる。
「コンジュゲート」および「コンジュゲートされた」という用語は、本明細書で使用される場合、2つまたはそれよりも多い構成成分(例えば、化学化合物、ポリマー、生体分子、粒子など)を、互いに結合(例えば、共有結合)することを指すことができる。一部の実施形態では、コンジュゲートは、二価のリンカー部分(例えば、必要に応じて置換されているアルキレンまたはアリーレン)を介して共有結合により連結した2つの異なる化学化合物に由来する一価の部分を含むことができる。一部の実施形態では、リンカーは、1つまたは複数の生分解性結合を含有することができ、したがって、プロドラッグが特定の生理的環境または酵素(例えば、エステラーゼ)に曝露されると、リンカーの1つまたは複数の結合が破壊され得る。
「化合物」という用語は、化学化合物(例えばプロドラッグ)それ自体、ならびに明確に記述されているかどうかに関わらず、以下のものが除外されることが文脈によって明らかでない限り、それらも指し、包含する:多形形態を含めた化合物の非晶質形態および結晶形態、ここでこれらの形態は、混合物の一部であり得るかまたは単離され得る;化合物の遊離酸および遊離塩基形態、これらは典型的に、本明細書で提供される構造で示される形態である;化合物の異性体、これは、光学異性体および互変異性体を指し、ここで光学異性体には、エナンチオマーおよびジアステレオマー、キラル異性体および非キラル異性体が含まれ、光学異性体には、単離された光学異性体、ならびにラセミ混合物および非ラセミ混合物を含めた光学異性体の混合物が含まれ、異性体は、単離された形態であり得るか、または他の1つもしくは複数の異性体との混合物であり得る;化合物の同位体、これには、重水素含有化合物およびトリチウム含有化合物が含まれ、治療的および診断的に有効な放射性同位体を含めた放射性同位体を含有する化合物が含まれる;化合物の多量体形態、これには二量体、三量体などの形態が含まれる;化合物の塩、好ましくは薬学的に許容される塩、これには酸付加塩および塩基付加塩が含まれ、有機対イオンおよび無機対イオンを有する塩が含まれ、双性イオン形態が含まれ、ここで化合物が2個またはそれよりも多い対イオンと会合する場合、2個またはそれよりも多い対イオンは、同じでも異なっていてもよい;ならびに化合物の溶媒和物、これには、半溶媒和物、一溶媒和物、二溶媒和物などが含まれ、有機溶媒和物および無機溶媒和物が含まれ、前記無機溶媒和物には水和物が含まれ、ここで化合物が2個またはそれよりも多い溶媒分子と会合する場合、2個またはそれよりも多い溶媒分子は、同じでも異なっていてもよい。ある場合には、本明細書における本発明の化合物への言及は、上記の形態、例えば、塩および/または溶媒和物の1つまたはへの明示的な言及(an explicit reference to one or of)を含むが、この言及は、単に強調するためのものであり、上記に特定される上記の形態以外を除外するものとして解釈されるべきではない。
「薬物製品」は、一般に、必ずしも必要ではないが不活性成分と会合した活性薬物成分を含有する最終製剤(すなわち、ALK5阻害剤プロドラッグを含有するリポソーム)を意味する。その用語はまた、活性成分を含有しないが、プラセボとして使用されることが意図される最終剤形を含む。
「ジスルフィド」という用語は、-S-S-基を指すことができる。
「空の小胞」という用語は、無負荷の脂質小胞、それ自体を意味する。
「エステル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの-OHヒドロキシ基が、-O-アルキル(アルコキシ)またはO-アリール(アリールオキシ)基によって置き換えられている、酸(有機または無機)から誘導された化学化合物を意味する。
「エステラーゼ」という用語は、本明細書で使用される場合、エステルを酸およびアルコールに分解する加水分解酵素である。
「賦形剤」は、薬物、例えばワクチンにおける活性成分のためのキャリアとして使用される不活性物質を意味する。賦形剤はまた、時として、非常に強力な活性成分を含む製剤の嵩を増すため、好都合かつ正確な投与量を可能にするために使用される。賦形剤の例として、抗接着剤(anti-adherent)、結合剤、コーティング、崩壊剤、充填剤、希釈剤、フレーバー、着色剤、滑沢剤、および防腐剤が挙げられるが、それらに限定されない。
「ハロ」、「ハロゲン化物」、または「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用される場合、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード基を指す。
「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
「阻害する」または「の阻害」という用語は、本明細書で使用される場合、測定可能な量を低減するか、または完全に防止することを意味する。
「個体」または「患者」という用語は、本開示の文脈で使用される場合、交換可能に使用することができる。
本明細書で使用される場合、「リガンド」という用語は、一般に、いくつかのやり方で別の種と相互作用する、例えば結合する、種、例えば分子またはイオンを指す。その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、MARTELL, A. E., and HANCOCK, R. P., Metal Complexes in Aqueous Solutions, Plenum: New York (1996)を参照されたい。
「脂質」という用語は、本明細書で使用される場合、極性溶媒に不溶性の、あるクラスの天然に存在する(有機)化合物を指す。本開示の文脈において、脂質は、従来の脂質、リン脂質、コレステロール、PEGとリガンドの結合のために化学的に官能化された脂質などを指す。
「脂質二重層」または「LB」という用語は、炭化水素の尾部が内側に向いて、連続的な非極性相を形成する、配向した両親媒性脂質分子の任意の二重層を指す。
「リポソーム」または「脂質小胞」または「小胞」という用語は、従来定義されている通り、脂質二重層によって封入された水性区画を指すために、交換可能に使用される(STRYER (1981) Biochemistry, 2d Edition, W. H. Freeman & Co., p. 213を参照されたい)。
「哺乳動物」という用語は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、およびヒトを含めた哺乳動物として分類される任意の生物を指す。本発明の一実施形態では、哺乳動物は、マウスである。本発明の別の実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
「メルカプト」または「チオール」という用語は、-SH基を指す。
「転移がん」および「転移性疾患」という用語は、局所リンパ節または遠位部位に広がっており、AUAシステムでステージDの疾患およびTNMシステムでステージT×N×M+を含むことを意味する。
「ナノキャリア」、「ナノ粒子」、および「ナノ粒子薬物キャリア」という用語は、交換可能に使用され、水性、固体、またはポリマー性の内部コアを有するナノ構造を指す。ある特定の実施形態では、ナノキャリアは、多孔質粒子コアを包む(または取り囲むまたは覆う)脂質二重層を含む。ある特定の実施形態では、ナノキャリアは、リポソーム、脂質ナノ粒子(「LNP」)または固体脂質ナノ粒子(「SLNP」)である。
「ナノスケール粒子」、「ナノ材料」、「ナノキャリア」、および「ナノ粒子」という用語は、約1,000nm未満の寸法(例えば、長さ、幅、直径など)を有する少なくとも1つの領域を有する構造を指す。一部の実施形態では、寸法は、より小さい(例えば、約500nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約125nm未満、約100nm未満、約80nm未満、約70nm未満、約60nm未満、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満またはさらには約20nm未満)。一部の実施形態では、寸法は、約20nm~約250nmの間(例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、または250nm)である。
「ナノ小胞」という用語は、約20nmから、または約30nmから、または約40nmから、または約50nmから、約500nmまで、または約400nmまで、または約300nmまで、または約200nmまで、または約150nmまで、または約100nmまで、または約80nmまでの範囲の直径を有する「脂質小胞」(または平均直径を有する小胞の集団)を指す。ある特定の実施形態では、ナノ小胞は、約40nmから約80nmまで、または約50nmから約70nmまでの範囲の直径を有する。
「薬学的に許容される」は、非毒性の、不活性な、かつ/またはヒトもしくは他の哺乳動物と生理的に適合性がある組成物を指す。
「医薬製剤化」は、様々な化学物質を純粋な薬物物質と組み合わせて、最終薬物製品を生成するプロセスを意味する。
「ホスホネート」という用語は、-P(=O)(OR)2基を指し、ここで、各Rは、独立に、H、アルキル、アラルキル、アリール、または負電荷(すなわち、酸素原子に結合するR基が実質的に存在せず、酸素原子上に非共有電子対の存在をもたらすもの)であってよい。したがって、換言すると、各Rは、存在してもしなくてもよく、存在する場合は、H、アルキル、アラルキル、またはアリールから選択される。
「ホスフェート」という用語は、-OP(=O)(OR’)2基を指し、ここで、R’は、Hまたは負電荷である。
「プロドラッグ」という用語は、投与後に薬理活性薬物に代謝される医薬品または化合物を意味する。本開示の目的では、本発明のプロドラッグは、(i)薬物部分、(ii)脂質部分、および(iii)連結単位(「LU」)の3つの構成成分を含む。
「TBプロドラッグ」という用語は、本発明のプロドラッグを意味し、ここで、薬物部分は、ALK5阻害剤を含む。
「ピロ脂質(pyrolipid)」という用語は、脂質と、ポルフィリン、ポルフィリン誘導体またはポルフィリンアナログとのコンジュゲートを指す。一部の実施形態では、ピロ脂質は、ポルフィリンまたはその誘導体もしくはアナログが脂質側鎖に共有結合している、脂質コンジュゲートを含むことができる。例えば、米国特許出願公開第2014/0127763号を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「特異的」、「特異的に結合する」および「に特異的に結合する」という用語は、本発明のナノキャリアの標的TGFβ1または関連するファミリーメンバーへの選択的結合を指す。
「担持脂質二重層(supported lipid bilayer)」という用語は、多孔質粒子コアを封入する脂質二重層を意味する。この定義は、本開示に記載される通り、脂質二重層が表面上に位置し、多孔質粒子コアによって担持されるので、そのように示される。ある特定の実施形態では、脂質二重層は、3~4nmの厚さの疎水性コアと、加えて、水和した親水性頭部基の層(それぞれ約0.9nm)と、加えて、2つの部分的に水和したそれぞれ約0.3nmの領域を含む、約6nm~約7nmの範囲の厚さを有することができる。様々な実施形態では、リポソームを取り囲む脂質二重層は、連続二重層または実質的に連続的な二重層を含み、それらはALK5阻害剤を有効に覆い、密封する。
「チオアルキル」という用語は、-SR基を指すことができ、ここで、Rは、H、アルキル、置換アルキル、アラルキル、置換アラルキル、アリール、および置換アリールから選択される。同様に、「チオアラルキル」および「チオアリール」という用語は、-SR基を指し、ここで、Rは、それぞれアラルキルおよびアリールである。
本明細書で使用される場合、「処置すること」または「治療(therapeutic)」および文法的に関連する用語は、疾患の任意の結果の任意の改善、例えば生存期間の延長、罹患率の低下、および/または代替治療様式の副産物である副作用の軽減を指し、当技術分野において容易に認識される通り、疾患の完全な根絶が好ましいとはいえ、これは処置行為の要件ではない。
「治療有効量」という用語は、組織、系、動物、個体またはヒトにおいて生物学的または医学的な応答を引き出す、活性なプロドラッグ、ナノカプセル化プロドラッグ、または医薬品の量を指す。
「非担持脂質二重層(unsupported lipid bilayer)」という用語は、脂質小胞またはリポソームにおける、コーティングされていない脂質二重層を意味する。
II.)プロドラッグ
本開示に示される通り、かつ本発明の目的のために、適切なプロドラッグは、本発明の薬物部分(薬物部分というタイトルの節を参照されたい)を、本開示のLU(連結単位というタイトルの節を参照されたい)を介して、本発明の脂質部分(脂質というタイトルの節を参照されたい)にコンジュゲートすることによって形成される。本開示の目的では、TBプロドラッグの形成は、いくつかの戦略を利用することができる。(例えば、図4、図5、および図6を参照されたい)。
したがって、一部の実施形態では、プロドラッグは、本開示のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分である。
一実施形態では、プロドラッグは、式Iで示される以下の化学構造を含む
[式中、式Iの例示的な実施形態では、
R1=C11~C21飽和アルキルであり、
R2=H、CH3である]。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、式IIで示される以下の化学構造を含む
[式中、式IIの例示的な実施形態では、
A=
であり、
R1=C11~C21飽和アルキルであり、
R2=H、CH3である]。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、式IIIで示される以下の化学構造を含む
[式中、式IIIの例示的な実施形態では、
A=
であり、
R1=C11~C21飽和アルキルであり、
R2=H、CH3である]。
したがって、一実施形態では、プロドラッグは、式IのALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分である。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、式IIのALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分である。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、式IIIのALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分である。
一実施形態では、プロドラッグは、図4に記載されているALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分である。
一実施形態では、プロドラッグは、図5に記載されているALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分である。
一実施形態では、プロドラッグは、図6に記載されているALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分である。
さらなる実施形態では、TBプロドラッグは、本開示の脂質を含む薬物-脂質部分である。
さらなる実施形態では、TBプロドラッグは、薬物-脂質部分であり、ここで、脂質は、CHEMSである。
さらなる実施形態では、TBプロドラッグは、薬物-脂質部分であり、ここで、脂質は、ステアリン酸である。
さらなる実施形態では、TBプロドラッグは、本開示のLUを含む薬物-脂質部分である。
さらなる実施形態では、TBプロドラッグは、薬物-脂質部分であり、ここで、LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーである。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、本発明のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分であり、ここで、ALK5阻害剤は、TB4と示される化学組成物(複数可)を含む。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、本発明のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分であり、ここで、ALK5阻害剤は、TB4を含み、以下の化学構造を有する。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、本発明のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分であり、ここで、ALK5阻害剤は、TB4を含み、以下の化学式を有する本開示の脂質をさらに含む。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、本発明のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分であり、ここで、ALK5阻害剤は、TB4を含み、CHEMSをさらに含む。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、本発明のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分であり、ここで、ALK5阻害剤は、TB4を含み、ステアリン酸をさらに含む。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、本発明のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分であり、ここで、ALK5阻害剤は、TB4を含み、CHEMSをさらに含み、LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーである。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、本発明のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分であり、ここで、ALK5阻害剤は、TB4を含み、ステアリン酸をさらに含み、LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーである。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、本発明のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分であり、ここで、ALK5阻害剤は、TB4を含み、以下の構造を有するステアリン酸をさらに含む。
さらなる実施形態では、プロドラッグは、本発明のALK5阻害剤を含む薬物-脂質部分であり、ここで、ALK5阻害剤は、TB4を含み、以下の構造を有するステアリン酸をさらに含む。
本開示の追加の実施形態では、本主題は、脂質にコンジュゲートした治療剤の親薬物を含むALK5阻害剤プロドラッグを提供する。一部の実施形態では、プロドラッグは、(a)一価の薬物部分、(b)一価の脂質部分、および(c)in vivoで分解する連結単位、例えばジスルフィド結合を含む二価のリンカー部分を含み、ここで、一価の薬物部分および一価の脂質部分は、リンカーを介して連結している(例えば、共有結合により連結している)。一価の薬物部分および一価の脂質部分は、それぞれ化学化合物および脂質の一価の誘導体であってよい。例えば、一価の誘導体は、ヒドロキシル、チオール、アミノ、またはカルボン酸基を含む化学化合物または脂質の、脱プロトン化誘導体であってよい。
本開示のさらなる実施形態では、本主題は、脂質にコンジュゲートした治療剤の親薬物を含むALK5阻害剤プロドラッグを提供する。一部の実施形態では、プロドラッグは、(a)二価の薬物部分、(b)二価の脂質部分、および(c)in vivoで分解する連結を含む二価のリンカー部分を含み、ここで、二価の薬物部分および二価の脂質部分は、リンカーを介して連結している(例えば、共有結合により連結している)。二価の薬物部分および二価の脂質部分は、それぞれ化学化合物および脂質の二価の誘導体であってよい。例えば、二価の誘導体は、ヒドロキシル、チオール、アミノ、またはカルボン酸基を含む化学化合物または脂質の、脱プロトン化誘導体であってよい。
当業者は、本明細書で開示される本発明の機能および目的を変えることなく、開示されている実施形態に変更および修正を行うことを認識し、かつ行うことができる。このような変更および修正は、本開示の範囲内にあることが意図される。
III.)薬物部分
本発明の別の態様は、次のTB4と示される式を有する、ALK5阻害剤を含む新規なTBプロドラッグ化合物(複数可)を提供する。
当業者は、化合物が、ALK5シグナル伝達阻害剤(例えば、ALK5および他のファミリーメンバーを阻害する)として有用であることを十分に理解する。簡単な背景として、ALK5は、TGFβ受容体I(TGFβRI)としても公知であり、細胞成長および死、分化、免疫応答、血管新生、および炎症を調節する生物学的シグナルの過剰を誘導する、原形質膜においてタンパク質キナーゼ受容体に対して作用するサイトカインのスーパーファミリーに属する膜結合受容体である。その経路の調節不全は、がんを含めた幅広い病理に寄与する。TGFβは、上皮細胞における重要な腫瘍調節抑制因子であり、上皮細胞において、初期の増殖を阻害し、アポトーシスを誘導する。FABREGAT, et. al., TGF-beta Signaling in Cancer Treatment, Curr. Pharm. Des. 20(17): pp. 2934-2947 (2014)を参照されたい。研究により、TGFβ生成を標的にし、またはその作用を遮断する治療用化合物の開発は、がんの処置において有用であり得ることが示された。HAQUE, et. al., Transforming growth factor-β: A Therapeutic Target for Cancer, Hum. Vaccin. Immunother., 13(8): pp. 1741-1750 (2017)を参照されたい。
上記に基づいて、本開示は、あるクラスのTGFβ阻害剤を記載する。
一実施形態では、本開示の薬物部分は、以下の化学構造(TB4と示される)を有する化合物を含む。
一実施形態では、本開示の薬物部分は、図2に記載されている最終TB4プロドラッグに至る途中の保護基中間体を含む。
さらなる実施形態では、本開示の薬物部分は、図3に記載されている最終TB4プロドラッグに至る途中の保護基中間体を含む。
当業者は、本明細書で開示される本発明の機能および目的を変えることなく、開示されている実施形態に変更および修正を行うことを認識し、かつ行うことができる。このような変更および修正は、本開示の範囲内にあることが意図される。
IV.)脂質
一般的に言えば、かつ、本開示の目的では、「脂質」という用語は、その最も広範な意味で使用され、それに限定されるものではないが、リン脂質/脂肪酸を含めた、いくつかの下位のカテゴリーの脂質を含む。当業者によって認識される通り、リン脂質とは、すべての細胞膜の主な構成成分である、あるクラスの脂質を表す。リン脂質は、それらの両親媒性の特徴により、脂質二重層を形成することができる。リン脂質分子の構造は、一般に、2つの疎水性脂肪酸「尾部」と、簡単な有機分子、例えばコリン、エタノールアミン、またはセリンで修飾することができるリン酸基からなる親水性「頭部」とからなる。これらの2つの構成成分は、通常、グリセロール分子によって一緒に結合している。本発明のリン脂質/脂肪酸(複数可)の代表的な一覧は、表IIIに記載されている。
簡単な背景として、最も基本的なレベルでは、リポソームの特性は、その組成の様々な脂質種の中でも、わずかな物理化学的相互作用に応じて決まる。個々の脂質を組み合わせて、二重層を含めた多種多様な超構造を形成することができ、二重層の特性は、薬物放出および膜安定性をモジュレートするために調整することができる。簡易二重層モデルにおいて、アシル鎖長は、二重層の厚さおよび相転移温度(Tm)を規定し、アシル鎖飽和は、二重層の流動性を制御し、頭部基の相互作用は、脂質分子間および脂質分子内の力に影響を及ぼす。リポソーム挙動は、合成脂質、例えば脂質プロドラッグ、融合性脂質および官能化可能な(functionalizable)脂質を、二重層に組み込むことによって調整することができる。KOHLI, et. al., J. Control Release, 0: pp. 274-287 (Sept. 28, 2014)を参照されたい。
本開示の一実施形態では、TBプロドラッグは、一価の脂質部分を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、二価の脂質部分を含む。
一実施形態では、脂質は、以下の化学構造を有するコレステロールを含む。
一実施形態では、脂質は、以下の化学構造を有するDPPGを含む。
一実施形態では、脂質は、以下の化学構造を有するDMPGを含む。
一実施形態では、脂質は、以下の化学構造を有するLyso PCを含む。
一実施形態では、脂質は、以下の化学構造を有する(Δ9-Cis)PGを含む。
一実施形態では、脂質は、以下の化学構造を有するSoy Lyso PCを含む。
一実施形態では、脂質は、以下の化学構造を有するPGを含む。
一実施形態では、脂質は、以下の化学構造を有するC16 PEG2000セラミド(Ceramde)を含む。
一実施形態では、脂質は、以下の化学構造を有するヘミコハク酸コレステロール(「CHEMS」)を含む。
参照のために、本明細書で開示される脂質の化学式および略語(複数可)の完全な一覧は、表Iに記載されている。
追加の実施形態では、脂質は、本明細書で開示され、表IIIに記載されているリン脂質/脂肪酸を含む。
さらなる実施形態では、脂質は、ステアリン酸を含む。
加えて、本開示のTBプロドラッグおよび/またはリポソーム(複数可)は、本明細書で「ヘルパー脂質構成成分」とも呼ばれる、1つまたは複数のヘルパー脂質を含み得る。ヘルパー脂質構成成分は、好ましくは、リン脂質およびステロイドを含む群から選択される。リン脂質は、好ましくは、リン酸のジエステルおよびモノエステルである。リン脂質の好ましいメンバーは、ホスホグリセリドおよびスフィンゴ脂質である。ステロイドは、本明細書で使用される場合、部分的に水素化されたシクロペンタ[a]フェナントレンに基づく、天然に存在する化合物および合成化合物である。好ましくは、ステロイドは、21~30個のC原子を含有する。特に好ましいステロイドは、コレステロールである。
いかなる理論にも拘泥するものではないが、本発明による脂質組成物に含有されている、PEGを含まないヘルパー脂質または特にPEGを含有するヘルパー脂質のいずれかであってよいヘルパー脂質(複数可)の特定のモルパーセンテージに起因して、さらに特に、この種類のヘルパー脂質のいずれかの含量が、本明細書で特定された濃度範囲内に包含されている場合には、驚くべき効果が実現される場合があることに留意すべきである。
本発明のさらなる態様では、好ましくはリポプレックスまたはリポソームとして存在する脂質組成物は、好ましくは、中性または全体的にアニオン性の電荷を示す。アニオン性脂質は、好ましくは、本明細書に記載される任意の中性またはアニオン性脂質である。脂質組成物は、好ましい実施形態では、任意のヘルパー脂質またはヘルパー脂質の組合せ、および本明細書に記載される任意のALK5阻害剤(例えば、TB4)を含む。さらなる実施形態では、核酸(複数可)を含有する本発明による組成物は、リポプレックスを形成する。好ましい実施形態では、リポプレックスという用語は、本明細書で使用される場合、中性またはアニオン性脂質、中性ヘルパー脂質および本発明のALK5阻害剤から構成された組成物を指す。当技術分野におけるヘルパー脂質の使用への参照については、例として、米国特許出願公開第2011/0178164号、OJEDA, et. al., Int. J. of Pharmaceutics (March 2016)、DABKOWSKA, et. al., J. R. Soc. Interface 9, pp. 548-561 (2012)、およびMOCHIZUKI, et. al., Biochimica et. Biophysica Acta, 1828, pp. 412-418 (2013)を参照されたい。
好ましい実施形態では、本発明のヘルパー脂質は、表IIに記載されているヘルパー脂質を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、本発明の脂質を含み、ここで、脂質は、CHEMSであり、薬物部分は、TB4である。
一実施形態では、TBプロドラッグは、本発明の脂質を含み、ここで、脂質は、CHEMSであり、薬物部分は、TB4であり、LUをさらに含み、LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーである。
一実施形態では、TBプロドラッグは、本発明の脂質を含み、ここで、脂質は、CHEMSであり、薬物部分は、TB4であり、LUをさらに含み、LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーであり、ヘルパー脂質構成成分をさらに含み、ヘルパー脂質構成成分は、表IIのヘルパー脂質を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、本発明の脂質を含み、ここで、脂質は、CHEMSであり、薬物部分は、TB4であり、CHEMSは、一価である。
一実施形態では、TBプロドラッグは、本発明の脂質を含み、ここで、脂質は、ステアリン酸であり、薬物部分は、TB4である。
一実施形態では、TBプロドラッグは、本発明の脂質を含み、ここで、脂質は、ステアリン酸であり、薬物部分は、TB4であり、ステアリン酸は、一価である。
一実施形態では、TBプロドラッグは、本発明の脂質を含み、ここで、脂質は、ステアリン酸であり、薬物部分は、TB4であり、LUをさらに含み、LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーである。
一実施形態では、TBプロドラッグは、本発明の脂質を含み、ここで、脂質は、ステアリン酸であり、化学組成物は、TB4であり、LUをさらに含み、LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーであり、ヘルパー脂質構成成分をさらに含み、ヘルパー脂質構成成分は、表IIのヘルパー脂質を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、本発明の脂質を含み、ここで、脂質は、ステアリン酸であり、薬物部分は、TB4であり、TBプロドラッグは、以下の化学構造を有する。
当業者は、本明細書で開示される本発明の機能および目的を変えることなく、開示されている実施形態に変更および修正を行うことを認識し、かつ行うことができる。このような変更および修正は、本開示の範囲内にあることが意図される。
V.)連結単位(「LU」)
一部の実施形態では、本開示の主題は、生分解性連結、例えばエステル、チオエステル、および当技術分野で公知の他のリンカーを含む薬物-脂質コンジュゲートを含む、プロドラッグを提供する。
エステル化学の例示的な実施形態が、本明細書に記載される。
一部の実施形態では、プロドラッグは、薬物-脂質コンジュゲートであり、ここで、薬物-脂質コンジュゲートは、エステラーゼによって切断される。
一実施形態では、本発明のプロドラッグは、以下のスキームを使用して、第二級アミン、アミド、またはアニリンを介してLUを含む。
例示的な合成は、以下の通りである。
第二級アミン、アミド、またはアニリンを含むプロドラッグ構造の切断は、以下の例示的な合成の下で、第二級アミン、アミド、またはアニリンプロドラッグのエステラーゼ加水分解を介して得られる:
[式中、
R1-NH-R2は、第二級アミン、アミド、またはアニリンを有する任意の分子であってよい]。
一実施形態では、TB4薬物部分の第二級アミド窒素は、ヒドロメチルカルバメートリンカーを介して、CHEMSにコンジュゲートする。
当業者は、本明細書で開示される本発明の機能および目的を変えることなく、開示されている実施形態に変更および修正を行うことを認識し、かつ行うことができる。このような変更および修正は、本開示の範囲内にあることが意図される。
VI.)ナノキャリア
一般的に言えば、かつ本開示の目的では、ナノキャリア(複数可)は、本発明の範囲内にある。ナノキャリアは、薬物などの別の物質のための輸送モジュールとして使用されているナノ材料である。一般に使用されるナノキャリアには、ミセル、ポリマー、炭素ベースの材料、リポソーム、および他の物質が含まれる。ナノキャリアは、それらのサイズが小さいので、そうでなければ体中の到達できない部位に、薬物を送達することができる。ナノキャリアには、ポリマーコンジュゲート、ポリマーナノ粒子、脂質ベースのキャリア、デンドリマー、カーボンナノチューブ、および金のナノ粒子が含まれてよい。脂質ベースのキャリアには、リポソーム、固体脂質ナノ粒子、およびミセルの両方が含まれる。ある特定の実施形態では、ナノキャリアは、リポソーム、脂質ナノ粒子(「LNP」)または固体脂質ナノ粒子(「SLNP」)である。
加えて、ナノキャリアは、薬物を部位特異的な標的に送達し、薬物を、他所ではなく、ある特定の臓器または細胞に送達することができるので、薬物送達プロセスにおいて有用である。部位特異性は、送達されつつある薬物が誤った場所に送達されないようにするので、大きな治療利益を有する。加えて、ナノキャリアは、体中の急速に成長する健康な細胞に対する、化学療法の有害な、より広範なスケールの毒性を低減するのを助けることができるので、化学療法における使用について有望である。化学療法薬物は、ヒト細胞に対して極めて毒性が高い場合があるので、化学療法薬物が身体の他の部分に放出されることなく、腫瘍に送達されることが重要である。
一般的に言えば、ナノキャリアが薬物を送達することができる4つの方法があり、それらの方法は、受動的標的化、能動的標的化、pH特異性、および温度特異性を含む。
受動的標的化は、腫瘍の血管系に巡り、捕捉され、腫瘍に蓄積する、ナノキャリアの能力を指す。この蓄積は、透過性および保持効果の増強によって引き起こされる。腫瘍の漏出性脈管構造は、腫瘍に形成される血管網であり、この血管網は、多くの小さい孔を含有する。これらの孔は、ナノキャリアを入れることができるだけでなく、ナノキャリアを捕捉できる多くの屈曲部(bend)を含有する。より多くのナノキャリアが捕捉されるにつれ、薬物が腫瘍部位に蓄積する。この蓄積により、多用量の薬物が、腫瘍部位に直接送達される。
能動的標的化は、ナノキャリアの表面上に、体中のある特定のタイプの細胞に特異的な標的化モジュール、例えばリガンドまたは抗体を組み込むことを含む。一般に、ナノキャリアは、体積に対して高い表面積比を有し、それらの表面上に複数のリガンドを組み込める。
加えて、ある特定のナノキャリアは、それらが含有する薬物を、特異的pH範囲だけで放出する。pH特異性もまた、ナノキャリアが、薬物を腫瘍部位に直接送達できるようにする。このことは、腫瘍が、一般に、正常ヒト細胞よりも酸性であり、pH約6.8を有することに起因する。正常組織は、pH約7.4を有する。したがって、ある特定のpH範囲だけで薬物を放出するナノキャリアは、それ故に酸性の腫瘍環境内だけで薬物を放出するために使用することができる。高酸性環境は、酸性環境がナノキャリアの構造を分解することにより、薬物を放出させる。一般に、これらのナノキャリアは、薬物を中性または塩基性環境では放出せず、正常な体細胞をそのままにしておく一方、腫瘍の酸性環境を有効に標的化する。このpH感受性は、pHに独立に作用することが決定付けられているミセルにコポリマー鎖を付加することによって、ミセル系においてもたらすこともできる。WU, et. al., Biomaterials, 34(4): 1213-1222 (2012)を参照されたい。これらのミセル-ポリマー複合体はまた、がん細胞が多剤耐性を生じないようにする助けになる。低pH環境は、他の薬物処置のように徐々にではなく、ミセルポリマーの急速な放出を引き起こし、薬物の大部分を1回で放出させる。
加えて、一部のナノキャリアは、薬物を、ある特定の温度でより有効に送達することも示されている。腫瘍温度は、一般に体の残りの部分全体の温度よりも高い約40℃なので、この温度勾配は、腫瘍特異的部位への送達のためのセーフガードとして作用する助けになる。REZAEI, et. al., Polymer, 53(16): 3485-3497 (2012)を参照されたい。
本明細書で開示される通り、脂質ベースのナノキャリア、例えばリポソームは、本発明の範囲内にある。脂質ベースのナノ粒子(LBNPまたはLNP)、例えばリポソーム、固体脂質ナノ粒子(SLN)およびナノ構造の脂質キャリア(NLC)は、疎水性および親水性分子を輸送し、最小限の毒性を示すか毒性を全く示さず、薬物の半減期の延長および制御放出を用いることによって薬物作用時間を増加させることができる。脂質ナノ粒子は、免疫系による検出を回避するため(ガングリオシドまたはポリエチレングリコール(PEG))、または薬物の溶解度を改善するために、化学修飾を含むことができる。加えて、脂質ナノ粒子は、酸性環境における薬物放出を促進するために、pHに対して感受性の製剤に調製することができ、腫瘍細胞またはそれらの受容体(例えば葉酸(FoA))を認識する小分子もしくは抗体と会合することもできる。ナノ薬物はまた、患者の応答を改善するために、他の治療戦略と組み合わせて使用することができる。GARCIA-PINEL, et. al., Nanomaterials 9(639) (2019)を参照されたい。
様々な実施形態では、本明細書に記載されるシリカソーム(silicasome)薬物キャリアは、脂質二重層でコーティングされた、多孔質シリカ(または他の材料の)ナノ粒子(例えば、表面を有し、内部に分子を受けるのに適した複数の孔を画定するシリカ体)を含む。ナノ粒子がシリカナノ粒子と呼ばれるということは、シリカ以外の材料もまたシリカナノ粒子内に組み込まれることを排除するものではない。一部の実施形態では、シリカナノ粒子は、実質的に球形であり得、表面に、孔へのアクセスを提供する複数の孔開口部を有する。しかし、様々な実施形態では、シリカナノ粒子は、実質的に球形以外の形状を有することができる。したがって、例えば、ある特定の実施形態では、シリカナノ粒子は、実質的に卵形、ロッド形状、実質的に規則的な多角形、不規則な多角形などであってよい。
一般に、シリカナノ粒子は、孔開口部の間の外表面および孔内の側壁を画定するシリカ体を含む。孔は、シリカ体全体にわたって別の孔開口部に延びることができ、または孔は、シリカ体によって画定された底面を有するように、シリカ体全体にわたって部分的にだけ延びることができる。
一部の実施形態では、シリカ体は、メソ多孔性である。他の実施形態では、シリカ体は、微孔性である。本明細書で使用される場合、「メソ多孔性」は、約2nm~約50nmの間の直径を有する孔を有することを意味し、一方「微孔性」は、約2nmよりも小さい直径を有する孔を有することを意味する。一般に、孔は、いかなるサイズであってもよいが、典型的な実施形態では、内部に1種または複数の治療用化合物を含有するのに十分に大きい。このような実施形態では、孔は、小分子、例えば治療用化合物、例えば抗がん化合物を、孔の内面に付着または結合させ、治療目的で使用される場合には、シリカ体から放出させる。一部の実施形態では、孔は、実質的に円筒形である。
ある特定の実施形態では、ナノ粒子は、直径が約1nm~約10nmの間または約2nm~約8nmの間の孔径を有する複数の孔を含む。ある特定の実施形態では、ナノ粒子は、約1nm~約6nmの間または約2nm~約5nmの間の孔径を有する複数の孔を含む。他の実施形態は、2.5nm未満の孔径を有する粒子を含む。
他の実施形態では、孔径は、1.5~2.5nmの間である。例えば、シリカナノ粒子の調製中に様々な界面活性剤または膨潤剤を使用することによって、他の孔サイズを有するシリカナノ粒子が調製され得る。様々な実施形態では、ナノ粒子は、約1000nmもの大きさ(例えば、平均、またはメジアン直径(または別の特徴的な寸法)の粒子を含むことができる。しかし様々な実施形態では、一般に、300nmよりも大きい粒子は、生細胞または血管の開窓に入るのに有効でない場合があるので、ナノ粒子は、典型的に500nm未満または約300nm未満である。ある特定の実施形態では、ナノ粒子は、サイズが約40nmから、または約50nmから、または約60nmから約100nmまで、または約90nmまで、または約80nmまで、または約70nmまでの範囲である。ある特定の実施形態では、ナノ粒子は、サイズが約60nm~約70nmの範囲である。一部の実施形態は、約50nm~約1000nmの間の平均最大寸法を有するナノ粒子を含む。他の実施形態は、約50nm~約500nmの間の平均最大寸法を有するナノ粒子を含む。他の実施形態は、約50nm~約200nmの間の平均最大寸法を有するナノ粒子を含む。
一部の実施形態では、平均最大寸法は、約20nm超、約30nm超、約40nm超、または約50nm超である。他の実施形態は、約500nm未満、約300nm未満、約200nm未満、約100nm未満または約75nm未満の平均最大寸法を有するナノ粒子を含む。本明細書で使用される場合、ナノ粒子のサイズは、透過型電子顕微鏡法(TEM)または当技術分野で公知の類似の可視化技術によって測定される場合、一次粒子の平均またはメジアンサイズを指す。メソ多孔性シリカナノ粒子のさらなる例として、MCM-41、MCM-48、およびSBA-15が挙げられるが、それらに限定されない。KATIYARE, et. al., J. Chromotog. 1122(1-2): 13-20 (2006)を参照されたい。
多孔質シリカナノ粒子を作製する方法は、当業者に周知である。ある特定の実施形態では、メソ多孔性シリカナノ粒子は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を、ミセルロッドから作製されたテンプレートと反応させることによって合成される。結果は、規則的な配置の孔で満たされた、ナノサイズの球またはロッドの集合体である。次に、テンプレートは、適切なpHに調整された溶媒で洗浄することによって除去することができる(例えば、TREWYN et al. (2007) Chem. Eng. J. 137(1): 23-29を参照されたい)。
ある特定の実施形態では、メソ多孔性粒子はまた、簡単なソル-ゲル法を使用して合成することができる(例えば、NANDIYANTO, et al. (2009) Microporous and Mesoporous Mat. 120(3): 447-453を参照されたい)。ある特定の実施形態では、オルトケイ酸テトラエチルは、テンプレートとしての追加のポリマー単量体と共に使用することもできる。ある特定の実施形態では、3-メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(MPTMS)が、TEOSの代わりに使用される。
ある特定の実施形態では、メソ多孔性シリカナノ粒子は、MENG et. al. (2015) ACS Nemo, 9(4): 3540-3557によって記載されるソル/ゲル手順の改変によって合成されるコアである(are cores are synthesized by)。
本明細書に記載される方法は、多孔質シリカナノ粒子(例えば、メソ多孔性シリカ)に関して実証されているが、類似の方法を、他の多孔質ナノ粒子と共に使用できることを当業者は認識する。薬物送達ナノ粒子において使用することができる他の多数のメソ多孔性材料が、当業者に公知である。例えば、ある特定の実施形態では、メソ多孔性炭素ナノ粒子を利用することができた。
メソ多孔性炭素ナノ粒子は、当業者に周知である(例えば、HUANG et. al. (2016) Carbon, 101: 135-142、ZHU et. al. (2014) Asian J. Pharm. Sci., 9(2): 82-91などを参照されたい)。
同様に、ある特定の実施形態では、メソ多孔性ポリマー粒子を利用することができる。蒸発によって誘導される自己集合戦略による、トリブロックコポリマーと可溶性の低分子量フェノール樹脂前駆体(レゾール)の有機-有機集合体からの、高秩序メソ多孔性ポリマーおよび炭素フレームワークの合成が、MENG, et. al. (2006) Chem. Mat. 6(18): 4447-4464によって報告された。
本明細書に記載されるナノ粒子は、例示的かつ非限定的である。本明細書で提供される教示を使用すると、他の数々の脂質二重層コーティングされたナノ粒子が、当業者に入手可能になる。
一実施形態では、本発明は、TBプロドラッグを含むナノキャリアを教示する。
一実施形態では、本発明は、リポソームを含むナノキャリアを教示し、脂質は、CHEMSを含む。
一実施形態では、本発明は、リポソームを含むナノキャリアを教示し、脂質は、ステアリン酸を含む。
一実施形態では、本発明は、リポソームを含むナノキャリアを教示し、脂質は、CHEMSを含み、リポソームは、TBプロドラッグをさらに含む。
一実施形態では、本発明は、リポソームを含むナノキャリアを教示し、脂質は、CHEMSを含み、リポソームは、TB4をさらに含む。
一実施形態では、本発明は、リポソームを含むナノキャリアを教示し、脂質は、ステアリン酸を含み、リポソームは、ALK5阻害剤をさらに含む。
一実施形態では、本発明は、リポソームを含むナノキャリアを教示し、脂質は、ステアリン酸を含み、リポソームは、TB4をさらに含む。
一実施形態では、本発明は、リポソームを含むナノキャリアを教示し、脂質は、ステアリン酸を含み、リポソームは、TB4をさらに含む(LNP-TB4と示される)。
さらなる実施形態では、本発明は、リポソームを含むナノキャリアを教示し、脂質は、ステアリン酸を含み、リポソームは、TB4をさらに含み、リポソームは、ID3と共製剤化される(LNP-TB4-ID3と示される)。
好ましい実施形態では、脂質粒子は、TB4プロドラッグを含むリポソームを含む固体脂質ナノ粒子(SLNP)を含む。
一実施形態では、本発明は、固体脂質ナノ粒子(「SLNP」)を含むナノキャリアを教示し、固体脂質ナノ粒子は、ステアリン酸を含み、固体脂質ナノ粒子は、TB4をさらに含む(SLNP-TB4と示される)。
さらなる実施形態では、本発明は、固体脂質ナノ粒子(「SLNP」)を含むナノキャリアを教示し、固体脂質ナノ粒子は、ステアリン酸を含み、固体脂質ナノ粒子は、TB4をさらに含み、SLNPは、ID3と共製剤化される(SLNP-TB4-ID3と示される)。
さらに好ましい実施形態では、本発明の固体脂質ナノ粒子は、以下の比を有する組成物を含む。
ここで、脂質1は、TB4プロドラッグを含み、脂質部分は、ステアリン酸を含み、ヘルパー脂質は、表IIに記載されているヘルパー脂質であり、安定剤は、ポリビニルアルコール(例えば、Moliwol 488)、ポロキサマー(例えば、Pluronic F127)、Tween(登録商標) 80、PEG400、およびKolliphor RH 40からなる群から選択され、脂質2(脂質プロドラッグ)は、本開示の脂質プロドラッグまたはID3、AR5、TR3、ID1阻害剤(例えば、ID3-STEA、ID3-CHEM、AR5-STEA、TR3-STEA、ID1-CHOLなど)、MPLA、およびテルラトリモド(Telratolimod)からなる群から選択される脂質プロドラッグを含む。
当業者は、本明細書で開示される本発明の機能および目的を変えることなく、開示されている実施形態に変更および修正を行うことを認識し、かつ行うことができる。このような変更および修正は、本開示の範囲内にあることが意図される。
加えて、本開示の範囲は、本発明の製剤化プロドラッグを使用する、3つの可能な処置様式を教示する。PCT特許出願公開WO2018/213631を参照されたい。
第1の処置様式は、TBプロドラッグを、別の治療(例えば、ALK5および他のファミリーメンバーを阻害する別の製剤化プロドラッグ、化学療法剤(例えば、ICD誘導化学療法薬)など)と組み合わせて、全身(または局所)生体内分布および腫瘍部位への薬物送達を可能にする単一のリポソームに組み合わせることを含む。二重送達手法は、適応免疫および自然免疫の相乗的な増強を達成して、動物生存期間を有意に改善した。ある特定の実施形態では、ナノキャリアは、小胞(すなわち、流体を封入する脂質二重層)を含む。
第2の処置様式は、ALK5および他のファミリーメンバーを阻害する薬物を、ALK5シグナル伝達の阻害剤を含む脂質(例えば、リポソーム)と組み合わせて、腫瘍または腫瘍周囲の領域に局所送達することを含む。
第3の処置様式は、死にかけているがん細胞(例えば、KPC細胞)を利用するワクチン接種を含み、ここで、ALK5の阻害はex vivoで誘導される。このようなワクチン接種は、遠隔部位における腫瘍成長を妨害することができる全身免疫応答を生じさせることができ、非免疫動物への養子移入を可能にすることが発見されている。当業者は、本明細書で提供される方法処置様式(methods the treatment modalities)を認識し、実施することができる。
VII.)リポソーム
一態様では、本開示の主題は、脂質コーティング層を含むナノキャリアに組み込んで、対応するプロドラッグの送達を増強し、プロドラッグを含む併用療法を提供するのに適した、本開示のTBプロドラッグ(プロドラッグというタイトルの節を参照されたい)を提供するための手法に基づく。本発明のプロドラッグを使用する利点には、本開示のLNP(例えば、リポソーム)への制御製剤化の促進が含まれる。これにより、プロドラッグは、全身循環中に不活性形態に維持され、それによって、例えば腫瘍内の細胞による貪食の後、リポソームが活性剤を放出することができる。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のTBプロドラッグ(例えば、式I、式II、式III、および/またはTB4プロドラッグで教示されたTBプロドラッグ阻害剤の任意の1つまたは複数)(「プロドラッグ」というタイトルの節を参照されたい)は、水溶液中で小胞(例えば、リポソーム)構造を形成するか、またはリポソームを含む脂質二重層の構成成分を形成することができる脂質部分と製剤化される。リポソームは、組み合わされた製剤(例えば、本明細書で開示される別の薬物部分または治療様式との組合せ)における構成成分として直接使用し、提供することができる。
ある特定の実施形態では、TBプロドラッグと製剤化されるリポソームは、脂質、PHGP、ビタミンE、コレステロール、および/または脂肪酸を含む。
一実施形態では、リポソームは、コレステロールを含む。
一実施形態では、リポソームは、DSPCを含む。
一実施形態では、リポソームは、HSPCを含む。
一実施形態では、リポソームは、DSPE-PEG2000を含む。
一実施形態では、リポソームは、DPPGを含む。
一実施形態では、リポソームは、DMPGを含む。
一実施形態では、リポソームは、Lyso PC。
一実施形態では、リポソームは、(Δ9-Cis)PG。
一実施形態では、リポソームは、Soy Lyso PCを含む。
一実施形態では、リポソームは、PGを含む。
一実施形態では、リポソームは、PA-PEG3-マンノースを含む。
一実施形態では、リポソームは、C16 PEG2000セラミドを含む。
一実施形態では、リポソームは、MPLAを含む。
一実施形態では、リポソームは、CHEMSを含む。
一実施形態では、リポソームは、ステアリン酸を含む。
一実施形態では、リポソームは、表IIIに記載されているリン脂質を含む。
一実施形態では、リポソームは、TB4を含み、CHEMSをさらに含み、LUをさらに含み、ここで、前記LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーである。
一実施形態では、リポソームは、TB4を含み、ステアリン酸をさらに含み、LUをさらに含み、ここで、前記LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーである。
一実施形態では、リポソームは、TB4を含み、CHEMSをさらに含み、LUをさらに含み、ここで、前記LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーであり、表IIに記載されているヘルパー脂質をさらに含む。
一実施形態では、リポソームは、TB4を含み、ステアリン酸をさらに含み、LUをさらに含み、ここで、前記LUは、ヒドロメチルカルバメートリンカーであり、表IIに記載されているヘルパー脂質をさらに含む。
一実施形態では、本開示のリポソームは、1種または複数の追加の免疫調節剤と共製剤化されたTBプロドラッグを含み、ここで、免疫調節剤には、免疫原性細胞死誘導化学療法薬、toll受容体アゴニスト、stingアゴニスト、IDO阻害剤、CTLA4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはそのプロドラッグが含まれるが、それらに限定されない。
好ましい実施形態では、リポソームは、ICD誘導化学療法薬と共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ドキソルビシン(DOX)、ミトキサントロン(MTO)、オキサリプラチン(OXA)、シクロホスファミド(CP)、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ(Carfilzimib)、またはパクリタキセルの一覧から選択されるICD誘導化学療法薬と共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、Toll受容体TLRアゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
さらに好ましい実施形態では、Toll受容体TLRアゴニスト/プロドラッグは、TR3、TR4、TR5、およびTR6からなる群から選択される。
好ましい実施形態では、リポソームは、レシキモド(R848)、ガーディキモド、852A、DSR6434、テルラトリモド、CU-T12-9、モノホスホリル脂質A(MPLA)、3D(6-アシル)-PHAD(登録商標)、SMU127、Pam3CSK4、または3D-PHAD(登録商標)またはそのプロドラッグの一覧から選択されるToll受容体(TLR)アゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、PD-1阻害剤/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、AUNP12、CA-170、またはBMS-986189またはそのプロドラッグの一覧から選択されるPD-1阻害剤/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、IDO-1阻害剤/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、エパカドスタット、L-1-メチルトリプトファン(インドキシモド)、D-1-メチルトリプトファン、リンロドスタットメシル酸塩(BMS986205)、MK-7162、LY-3381916、KHK-2455、HTI-1090、DN-1406131、またはBGB-5777の一覧から選択されるIDO-1阻害剤/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ドキソルビシン(DOX)と共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ミトキサントロン(MTO)と共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ドキソルビシン(DOX)およびPD-1プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ミトキサントロン(MTO)およびPD-1プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ドキソルビシン(DOX)およびIDO-1プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ミトキサントロン(MTO)およびIDO-1プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ドキソルビシン(DOX)およびTLRアゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ミトキサントロン(MTO)およびTLRアゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ドキソルビシン(DOX)およびPD-1プロドラッグおよびTLRアゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ミトキサントロン(MTO)およびPD-1プロドラッグおよびTLRアゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、TLRアゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、IDOアンタゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、CD1Dアゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、TLRアゴニスト/プロドラッグおよびPD-1プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、TLRアゴニスト/プロドラッグおよびIDO-1プロドラッグと共製剤化されたTBプロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ドキソルビシン(DOX)と共製剤化されたTB4プロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ミトキサントロン(MTO)と共製剤化されたTB4プロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ドキソルビシン(DOX)および/またはおよびIDOプロドラッグおよび/またはTLRアゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTB4プロドラッグを含む。
好ましい実施形態では、リポソームは、ミトキサントロン(MTO)および/またはおよびIDOプロドラッグおよび/またはTLRアゴニスト/プロドラッグと共製剤化されたTB4プロドラッグを含む。
当業者は、溶解度が、薬物開発プロセスにおいて当業者が直面する最も一般的な問題の1つであることを認識し、理解する。脂質分子を介する薬物/抗がん剤の化学コンジュゲーション(すなわち、脂質ベースのプロドラッグ)は、薬物を水性懸濁剤に製剤化する上での問題を解決するためのプラットフォームを提供する。脂質コンジュゲーション(脂質ベースのプロドラッグ)を用いて薬物(複数可)を送達することの主な利点は、薬物動態/半減期および標的化送達を改善するその能力にある。
脂質ベースのプロドラッグ(複数可)は、脂質分子を適切に選択することにより、当技術分野で公知の技術を使用して、従来の薬物送達系を上回るより多くの利点を有するリポソーム製剤に統合/製剤化することができる。(KOHLI, et. al., J. Control Release, 0: pp 274-287 (Sept. 28, 2014)およびGARCIA-PINEL, et. al., Nanomaterials 9:638 (2019)。脂質-プロドラッグをリポソームと組み合わせることの利点は二倍になる:(i)脂質-プロドラッグを含有するリポソームが、薬物/プロドラッグそれ自体の溶解度を増加させるだけでなく、(ii)複数の薬物(親水性および親油性の両方)を封入する能力も有する(ナノキャリアというタイトルの節を参照されたい)。
本開示の目的では、リポソーム製剤の主要な利点は、以下の通りである。
i)リポソームの製剤に生体適合性/生分解性があり、一般毒性がないこと、
ii)サイズおよび表面電荷の柔軟性および操作が、求められる目的に応じて変わること。リポソーム製剤(複数可)は、本開示の目的では、直径40~150nmのサイズ範囲および-40~+40mVの範囲の表面電荷を有することができる、
ならびに
iii)本発明のリポソームは、リポソーム(複数可)の構成物の脂質部分として、単一のまたは複数の脂質-プロドラッグのいずれかを有する。加えて、異なる溶解度プロファイル(親水性または親油性)を有する複数の薬物(例えば、異なる作用機序で働く)は、これらのリポソームに(脂質二重層または親水性コアのいずれかに)製剤化することができる。
当業者に認識される通り、リポソームを作製するすべての方法は、以下の4つの基本的段階を含む。
(i)脂質を有機溶媒から乾燥させる段階、
(ii)脂質を水溶液に分散させる段階、
(iii)得られたリポソームを精製する段階、および
(iv)最終生成物を分析する段階。
AKBARZADEH, et. al., Nanoscale Research Letters, 8:102 (2013)を参照されたい。
本発明の別の態様は、リポソーム封入技術(LET)を開示し、これは、薬物を透過させるために使用される送達技術である。LETは、多数の材料を封入する、リポソームと呼ばれる亜顕微鏡的泡状物(sub-microscopic foam)を生成する方法である。これらの「リポソーム」は、それらの内容物の周りにバリアを形成し、そのバリアは、ヒトの体内で生成される口内および胃内酵素、アルカリ溶液、消化液、胆汁酸塩、ならびに腸管細菌叢、ならびにフリーラジカルに対して耐性がある。したがって、リポソームの内容物は、酸化および分解から保護される。この保護的なリン脂質シールドまたはバリアは、リポソームの内容物が、正確な標的腺、臓器、または系に送達され、そこで内容物が利用されるまで、無傷のままである(ナノキャリアというタイトルの節を参照されたい)。
一実施形態では、本開示のリポソーム(複数可)は、複数の異なる比のTBプロドラッグ、脂質、および/または脂質-プロドラッグを使用して合成される。本明細書で開示される通り、TBプロドラッグは、本明細書で開示されるヘルパー脂質(例えば、表IIを参照されたい)を含み得る。
一実施形態では、本開示のリポソーム(複数可)は、複数の異なる比のTBプロドラッグ、脂質、および/または脂質-プロドラッグを使用して合成される。本明細書で開示される通り、TBプロドラッグは、DSPE-PEGをさらに含み得る。
好ましい実施形態では、本発明のリポソームは、以下の比を有する組成物を含む。
さらに好ましい実施形態では、本発明のリポソームは、以下の比を有する組成物を含む。
さらに好ましい実施形態では、本発明のリポソームは、以下の比を有する組成物を含む。
ここで、脂質1は、TB4プロドラッグを含み、脂質部分は、CHEMSを含む。
さらに好ましい実施形態では、本発明のリポソームは、以下の比を有する組成物を含む。
ここで、脂質1は、TB4プロドラッグを含み、脂質部分は、ステアリン酸を含む。
当業者は、本明細書で開示される本発明の機能および目的を変えることなく、開示されている実施形態に変更および修正を行うことを認識し、かつ行うことができる。このような変更および修正は、本開示の範囲内にあることが意図される。
VIII.)医薬製剤
本明細書で使用される場合、「薬物」という用語は、「医薬品」と同義である。ある特定の実施形態では、本開示のリポソームは、封入剤形に加工され、疾患の処置のために患者に与えられる。
一般的に言えば、医薬製剤化は、様々な化学物質を純粋な原薬へと組み合わせて、最終薬物製品を生成するプロセスである。製剤化研究は、患者にとって安定かつ許容される薬物の調製物を開発することを含む。経口摂取される薬物については、これは通常、薬物を錠剤またはカプセル剤へと組み込むことを含む。剤形は、薬物それ自体とは別の様々な他の物質を含有すると十分に理解することが重要であり、研究は、薬物がこれらの他の物質と適合性があることを確実にするように行われなければならない。
賦形剤は、薬物生成物の活性成分のためのキャリア、この場合、TBプロドラッグを含むリポソームとして使用される不活性物質である。加えて、賦形剤は、薬物生成物が製造されるプロセスを助けるために使用することができる。次に、活性物質は、溶解されるか、または賦形剤と混合される。賦形剤はまた、時として、非常に強力な活性成分を含む製剤の嵩を増すため、好都合かつ正確な投与量を可能にするために使用される。活性成分が一旦精製されたら、その活性成分は、長時間にわたって精製形態に留まることができない。多くの場合、活性成分は変性し、溶液から分離し、または容器の側面に固着する。
活性成分を安定化するために賦形剤を添加して、生成物の有効期間により、その生成物が他の生成物に対して競争力があるようにし、最終使用者にとって安全になるよう、十分長い期間にわたって活性成分が活性なままであり、安定であることを確実にする。賦形剤の例として、抗接着剤、結合剤、コーティング、崩壊剤、充填剤、希釈剤、フレーバー、着色剤、滑沢剤、および防腐剤が挙げられるが、それらに限定されない。最終製剤は、活性成分および賦形剤を含み、それらは次に、医薬剤形に封入される。
予備製剤化(pre-formulation)は、調製物に他のどの成分が使用されるべきかを選択するために、薬物の物理的、化学的、および機械的特性を特徴付けることを含む。次に、製剤化研究では、安定性、粒径、多型、pH、および溶解度などの因子のすべてが、バイオアベイラビリティに影響を及ぼし、したがって薬物の活性に影響を及ぼすことができるので、これらを考慮する。薬物は、存在する薬物の量が、各投与量単位(例えば各バイアル)で一貫していることを確実する方法によって、不活性な添加物質と合わされなければならない。投与量は、均一な外観を有しているべきである。
これらの研究が、臨床試験開始時点までに完了する可能性は低い。このことは、第I相臨床試験で使用するために、簡単な調製物が初期に開発されることを意味する。これらは、典型的に、少量の薬物および希釈剤を含有する、バイアル、手で充填されたカプセルからなる。これらの製剤の長期間安定性の証拠は、これらの製剤がわずか数日で使用される(試験される)ので、必要ない。しかし、最終製剤がパッケージされた時点から、それが患者に届くまでの時間は、数カ月または数年になる場合があるので、長期間安定性は、サプライチェーンの管理において非常に重要である。薬物負荷(すなわち、用量の全含量に対する活性薬物の比)と呼ばれるものを考慮しなければならない。低い薬物負荷は、均質性の問題を引き起こし得る。高い薬物負荷は、フロー問題をもたらし得るか、または化合物の嵩密度が低い場合には大きいカプセルを必要とし得る。第III相臨床試験に達するまでには、薬物の製剤は、最終的に市場で使用される調製物に近いものに開発されているべきである。
安定性の知識は、この段階まで必須であり、薬物が調製物において安定であることを確実にするための条件が、開発されていなければならない。薬物が不安定であると判明する場合には、投与用量が実際どれ程であったかを知ることは不可能と思われるので、臨床試験の結果は無効になろう。安定性研究は、温度、湿度、酸化、または光分解(紫外光または可視光)が任意の効果を有しているかどうかを試験するために行われ、調製物を分析して、任意の分解生成物が形成されたかどうかを調べる。調製物と容器との間に任意の望ましくない相互作用があるかどうかをチェックすることも重要である。プラスチック容器が使用される場合、成分のいずれかがプラスチック上に吸着しているかどうか、および任意の可塑剤、滑沢剤、顔料、または安定剤がプラスチックから調製物に浸出しているかどうかを調べるために、試験が行われる。容器ラベルのための接着剤が、プラスチック容器から調製物に浸出しないことを確実にするために、その接着剤も試験する必要がある。薬物を製剤化するやり方は、経口投与と関連する問題のいくつかを回避することができる。薬物は、普通は、錠剤またはカプセル剤として経口摂取される。薬物(活性物質)それ自体は、制御速度で水溶液に溶解する必要がある。粒径および結晶形態などの因子は、溶解に著しく影響を及ぼす場合がある。急速溶解は、常に理想的であるというわけではない。例えば、緩慢な溶解速度は、作用期間を延長することができ、または初期の高血漿レベルを回避することができる。
一部の実施形態では、TBプロドラッグを含み、免疫調節剤と共製剤化されたナノキャリア(例えば、TBプロドラッグを含むリポソーム)および/またはリポソームは、単独で、または投与経路および標準医薬実務に従って選択された生理的に許容されるキャリア(例えば、生理食塩水またはリン酸緩衝液)との混合物で投与される。例えばナノキャリアは、注射剤として使用される場合、薬学的に許容されるキャリアを用いて、滅菌懸濁剤、分散液剤、または乳剤として製剤化することができる。ある特定の実施形態では、薬学的に許容されるキャリアとして、ノーマルセーラインを用いることができる。他の適切なキャリアには、例えば、安定性を増強するための糖タンパク質、例えばアルブミン、リポタンパク質、グロブリンなどを含む、水、緩衝水、0.4%食塩水、0.3%グリシン、5%グルコースなどが含まれる。食塩水または他の塩を含有するキャリアを含む組成物において、キャリアは、好ましくは、ナノキャリア形成後に添加される。したがって、ナノキャリアが形成され、適切な薬物(複数可)が負荷された後、ナノキャリアは、薬学的に許容されるキャリア、例えばノーマルセーラインに希釈することができる。同様に、TBプロドラッグリポソームは、ナノ材料の懸濁(例えば、乳化、希釈など)を促進するキャリアに導入することができる。
医薬組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌され得る。得られた水性液剤、懸濁剤、分散液剤、乳剤などは、使用のためにパッケージされ得るか、または無菌条件下で濾過され得る。ある特定の実施形態では、薬物送達ナノキャリア(例えば、LBでコーティングされたナノ粒子)を、凍結乾燥し、凍結乾燥した調製物を、投与前に滅菌水溶液と混ぜ合わせる。組成物はまた、生理的条件に近づけるために必要な薬学的に許容される補助物質、例えばpH調整剤および緩衝剤、浸透圧調整剤など、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどを含有し得る。
加えて、ある特定の実施形態では、医薬製剤は、保存におけるフリーラジカルおよび脂質過酸化損傷に対して脂質を保護する脂質保護剤を含み得る。親油性フリーラジカルクエンチャー、例えばアルファ-トコフェロールおよび水溶性の鉄に特異的なキレート剤、例えばフェリオキサミンが適しており、本明細書において企図される。医薬製剤におけるナノキャリア(例えば、TBプロドラッグを含むリポソーム)の濃度は、例えばおよそ0.05%未満、通常少なくともおよそ2~5%から10~50%ほどまで、または40%まで、または30重量%まで、広く変動し得、選択された特定の投与方法に従って、主に流体体積、粘度などによって選択される。例えば、処置と関連する流体負荷を低下させるために、濃度を増加させ得る。このことは、アテローム性動脈硬化症関連のうっ血性心不全または重症高血圧を有する患者において、特に望ましい場合がある。あるいは、投与部位における炎症を低減するために、刺激性脂質から構成されたナノキャリアは、低濃度に希釈され得る。投与されるナノキャリアの量は、使用される特定の薬物、処置される病状および臨床医の判断に応じて決まるが、一般に、体重1キログラム当たりおよそ0.01mg~およそ50mgの間、好ましくは体重1kg当たりおよそ0.1mg~およそ5mgの間である。
当業者は、正確な投与量が、特定のTBプロドラッグおよび任意の共製剤化された免疫調節剤、ならびに望ましい医学的効果、ならびに患者の因子、例えば年齢、性別、全体的な状態などの因子に応じて変わることを認識する。当業者は、これらの因子を考慮に入れ、それらを使用して、過度の実験を用いることなく有効な治療濃度を容易に確立することができる。
本明細書に記載される疾患の治癒的、寛解的、遅延的(retardive)、または予防的な処置におけるヒト(または非ヒト哺乳動物)への投与について、処方医は、最終的に、所与のヒト(または非ヒト)対象に適した薬物の投与量を決定し、これは、個体の年齢、体重および応答、ならびに患者の疾患の性質および重症度に従って変わると予期することができる。ある特定の実施形態では、ナノキャリアによって提供された薬物の投与量は、遊離薬物について用いられるものとほぼ同じであってよい。しかし上記の通り、本明細書に記載されるナノキャリアは、それによって投与された薬物(複数可)の毒性を有意に低減し、治療域を有意に増大することができる。したがってある場合には、遊離薬物(複数可)について処方された投与量を超える投与量が利用される。
当業者は、本明細書で開示される本発明の機能および目的を変えることなく、開示されている実施形態に変更および修正を行うことを認識し、かつ行うことができる。このような変更および修正は、本開示の範囲内にあることが意図される。
IX.)併用療法
当業者に認識され、理解される通り、がん細胞の成長および生存は、複数のシグナル伝達経路によって影響を受け得る。したがって、そのような状態を処置するために、標的に様々な優先度を示し、標的の活性をモジュレートする、様々な酵素/タンパク質/受容体阻害剤を組み合わせることが有用である。1つまたはそれより多くのシグナル伝達経路(または所与のシグナル伝達経路に関与する1つまたはそれより多くの生物学的分子)を標的にすることにより、細胞集団に生じる薬物耐性の尤度を低減し得、かつ/または処置の毒性を低減し得る。
したがって、本開示のTBプロドラッグを含むリポソームは、疾患、例えばがんまたは感染症の処置のための他の1種もしくは複数の酵素/タンパク質/受容体阻害剤または1つもしくは複数の治療と組み合わせて使用することができる。併用療法を用いて処置可能な疾患および適応症の例として、本開示に記載されるものが挙げられる。がんの例として、固形腫瘍および液性腫瘍、例えば血液がんが挙げられるが、それらに限定されない。感染症の例として、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症または寄生虫感染症が挙げられる。
例えば、本開示のTBプロドラッグを含むリポソームは、がんの処置のための以下のキナーゼの1種または複数の阻害剤と組み合わせることができる。Akt1、Akt2、Akt3、TGF-βR、PKA、PKG、PKC、CaM-キナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、MEKK、ERK、MAPK、mTOR、EGFR、HER2、HER3、HER4、INS-R、IGF-1R、IR-R、PDGFαR、PDGFβR、PI3K(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ)、CSFIR、KIT、FLK-II、KDR/FLK-1、FLK-4、flt-1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、Ron、Sea、TRKA、TRKB、TRKC、TAMキナーゼ(Axl、Mer、Tyro3)、FLT3、VEGFR/Flt2、Flt4、EphA1、EphA2、EphA3、EphB2、EphB4、Tie2、Src、Fyn、Lck、Fgr、Btk、Fak、SYK、FRK、JAK、ABL、ALKおよびB-Raf。
さらなる実施形態では、本開示のTBプロドラッグを含むリポソームは、がんまたは感染症の処置ための以下の阻害剤の1種または複数と組み合わせることができる。がんおよび感染症の処置のために、本開示の化合物と組み合わせることができる阻害剤の非限定的な例として、FGFR阻害剤(FGFR1、FGFR2、FGFR3またはFGFR4、例えばINCB54828、INCB62079およびINCB63904)、JAK阻害剤(JAK1および/またはJAK2、例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブまたはINCB39110)、IDO阻害剤(例えば、エパカドスタット、NLG919、またはBMS-986205)、LSD1阻害剤(例えば、INCB59872およびINCB60003)、TDO阻害剤、PI3K-デルタ阻害剤(例えば、INCB50797およびINCB50465)、PI3K-ガンマ阻害剤、例えばPI3K-ガンマ選択的阻害剤、Pim阻害剤(例えば、INCB53914)、CSF1R阻害剤、TAM受容体チロシンキナーゼ(Tyro-3、Axl、およびMer)、アデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、A2a/A2b受容体アンタゴニスト)、HPK1阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC)、例えばHDAC8阻害剤、血管新生阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ブロモおよび末端外ファミリーメンバー阻害剤(例えば、ブロモドメイン阻害剤またはBET阻害剤、例えばINCB54329およびINCB57643)、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤、例えばルカパリブ、オラパリブ、ニラパリブ、ベリパリブもしくはタラゾパリブ、アルギナーゼ阻害剤(INCB01158)、PD-1阻害剤、PD-1/L-1阻害剤、PD-1/L-2阻害剤、CTLA-4アンタゴニストおよびアデノシン受容体アンタゴニスト、またはそれらの組合せが挙げられる。
加えて、本開示のTBプロドラッグを含むリポソームはさらに、例えば化学療法、放射線治療、腫瘍標的化治療、アジュバント治療、免疫療法または外科手術による、がんを処置する他の方法と組み合わせて使用することができる。
免疫療法の例として、サイトカイン処置(例えば、インターフェロン、GM-CSF、G-CSF、IL-2)、CRS-207免疫療法、がんワクチン、モノクローナル抗体、養子T細胞移入、Toll受容体アゴニスト、STINGアゴニスト、腫瘍溶解性ウイルス療法、ならびにサリドマイドまたはJAK1/2阻害剤を含めた免疫調節小分子などが挙げられる。
TBプロドラッグを含むリポソームは、1種または複数の抗がん薬物、例えば化学療法薬と組み合わせて使用することができる。化学療法薬の例として、アバレリックス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、バリシチニブ、ブレオマイシン、ボルテゾムビ(bortezombi)、ボルテゾミブ、静脈内ブスルファン、経口ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エピルビシン、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、フェンタニルクエン酸塩、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブメシル酸塩、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、ラパチニブジトシレート、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン(meclorethamine)、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、フェニルプロピオン酸ナンドロロン(nandrolone phenpropionate)、ネララビン、ノフェツモマブ、オラパリブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、ルキソリチニブ、ルカパリブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、ニラパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブおよびゾレドロネートのいずれかが挙げられる。
他の抗がん剤(複数可)には、抗体治療薬、例えばトラスツズマブ(ハーセプチン)、共刺激分子、例えばCTLA-4に対する抗体(例えば、イピリムマブ)、4-1BBに対する抗体(例えば、ウレルマブ、ウトミルマブ)、PD-1およびPD-L1/L2に対する抗体、またはサイトカイン(IL-10、TGF-ベータなど)に対する抗体が含まれる。
がんまたは感染症、例えばウイルス、細菌、真菌および寄生虫感染症の処置のための、本開示の化合物と組み合わせることができるPD-1および/またはPD-L1/L2に対する抗体の例として、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、MPDL3280A、MEDI-4736およびSHR-1210が挙げられるが、それらに限定されない。
加えて、本開示のTBプロドラッグを含むリポソームは、疾患、例えばがんまたは感染症の処置のための1種または複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用することができる。例示的な免疫チェックポイント阻害剤として、免疫チェックポイント分子、例えばCD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137(4-1BBとしても公知)、ICOS、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG3、TIM3、VISTA、PD-1、PD-L1およびPD-L2に対する阻害剤が挙げられる。
一部の実施形態では、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、OX40、GITRおよびCD137から選択される刺激性チェックポイント分子である。さらなる実施形態では、免疫チェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、KIR、LAG3、PD-1、TIM3、およびVISTAから選択される阻害性チェックポイント分子である。さらなる実施形態では、本明細書で提供されるTBプロドラッグを含むリポソームは、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤およびTGFベータ阻害剤から選択される1種または複数の薬剤と組み合わせて使用することができる。
X.)TBプロドラッグを含むナノキャリアをALK5発現細胞に送達する方法
当技術分野で公知の通り、腫瘍細胞を死滅させるためにプロドラッグおよび/またはナノキャリアを使用するための多種多様な組成物および方法が、当技術分野で公知である。がんの文脈では、典型的な方法は、腫瘍を有する哺乳動物に、生物学的有効量の本開示のTBプロドラッグ、および/またはTBプロドラッグを含む本開示のナノキャリアを投与することを伴う。
典型的な実施形態は、ALK5を発現する細胞に治療剤を送達する方法であって、本開示の薬物部分を、連結単位を介して本開示の脂質にコンジュゲートすることによってTBプロドラッグを形成し、細胞をTBプロドラッグに曝露することを含む方法である。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式Iの薬物部分およびCHEMSを含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式Iの薬物部分およびステアリン酸を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式IIの薬物部分およびCHEMSを含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式IIの薬物部分およびステアリン酸を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式IIIの薬物部分およびCHEMSを含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式IIIの薬物部分およびステアリン酸を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、TB4プロドラッグを含み、脂質部分は、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートしたCHEMSを含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、TB4プロドラッグを含み、脂質部分は、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートしたステアリン酸を含む。
別の例示的な実施形態は、転移がんに罹患していると疑われる個体を処置する方法であって、薬物部分を、連結単位を介して本開示の脂質とコンジュゲートすることによって生成された、治療有効量のTBプロドラッグを含む医薬組成物を前記個体に非経口投与し、細胞をTBプロドラッグに曝露するステップを含む、方法である。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式Iの薬物部分およびCHEMSを含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式Iの薬物部分およびステアリン酸を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式IIの薬物部分およびCHEMSを含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式IIの薬物部分およびステアリン酸を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式IIIの薬物部分およびCHEMSを含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートした、式IIIの薬物部分およびステアリン酸を含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、TB4プロドラッグを含み、脂質部分は、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートしたCHEMSを含む。
一実施形態では、TBプロドラッグは、TB4プロドラッグを含み、脂質部分は、ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLUを介してコンジュゲートしたステアリン酸を含む。
本開示のTBプロドラッグ、リポソーム、および共製剤化されたリポソームは、TGFβタンパク質の活性/タンパク質相互作用を阻害し、したがって、TGFβの活性と関連する疾患および障害ならびにキナーゼ阻害と関連する疾患および障害を処置するのに有用である。本開示のさらなる実施形態では、TBプロドラッグ、リポソーム、または薬学的に許容されるその塩もしくは立体異性体は、ワクチン接種に対する応答の増強を含めて、がん、慢性感染、または敗血症における免疫を増強し、刺激し、かつ/または増加させるための治療的投与のために有用である。
さらなる実施形態では、本開示は、ALK5のT細胞機能を阻害するための方法を提供する。該方法は、個体または患者に、本明細書に記載されるTBプロドラッグ、リポソーム、SLNP、および/もしくは前記式のいずれか(例えば、TB4および/またはTB4プロドラッグ)、または特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載されるTBプロドラッグ、リポソーム、SLNP、およびナノカプセル化ALK5阻害剤プロドラッグ、または薬学的に許容されるその塩もしくは立体異性体を投与することを含む。本開示のTBプロドラッグ、リポソーム、SLNP、およびナノカプセル化ALK5阻害剤プロドラッグは、がんおよび他の疾患を含めた疾患または障害を処置するため、単独で使用するか、他の薬剤または治療と組み合わせて、またはアジュバントもしくはネオアジュバントとして使用することができる。本明細書に記載される使用および方法について、その実施形態のいずれかを含めた、本開示のTBプロドラッグ、リポソーム、およびナノカプセル化TBプロドラッグのいずれかが使用され得る。
加えて、本開示のTBプロドラッグ、リポソーム、SLNP、およびナノカプセル化TBプロドラッグは、ALK5および/またはT細胞機能を阻害し、その結果、TGFβ経路を遮断する。
さらなる実施形態では、本開示は、がん性腫瘍の成長が阻害されるように、TBプロドラッグ、リポソーム、およびナノカプセル化TBプロドラッグまたはその塩もしくは立体異性体を使用する、個体または患者のin vivoでの処置を提供する。
TBプロドラッグ、リポソーム、およびナノカプセル化TBプロドラッグ、または本明細書に記載される式(例えば、TB4プロドラッグ)のいずれか、または特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載されるTBプロドラッグ、リポソーム、SLNP、およびナノカプセル化TBプロドラッグ、またはその塩もしくは立体異性体は、がん性腫瘍の成長を阻害するために使用することができる。
代替として、本開示のTBプロドラッグ、リポソーム、SLNP、およびナノカプセル化TBプロドラッグ、または本明細書に記載される式のいずれか、または特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される化合物(例えば、TB4プロドラッグ)、またはその塩もしくは立体異性体は、本開示に記載される通り、他の薬剤または標準がん処置と共に使用することができる。
さらなる実施形態では、本開示は、腫瘍細胞の成長をin vitroで阻害するための方法を提供する。該方法は、腫瘍細胞を、本開示のTBプロドラッグ、リポソーム、およびナノカプセル化TBプロドラッグ、または本明細書に記載される式(例えば、TB4プロドラッグ)のいずれか、または特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載されるTBプロドラッグ、リポソーム、SLNP、およびナノカプセル化TBプロドラッグ、またはその塩もしくは立体異性体と、in vitroで接触させることを含む。
さらなる実施形態では、本開示は、患者の腫瘍細胞の成長を阻害するための方法を提供する。該方法は、腫瘍細胞を、本開示のTBプロドラッグ、リポソーム、およびナノカプセル化TBプロドラッグ、または本明細書に記載される式(例えば、TB4プロドラッグ)のいずれか、または特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載されるTBプロドラッグ、リポソーム、SLNP、およびナノカプセル化TBプロドラッグ、またはその塩もしくは立体異性体と接触させることを含む。
XI.)がんおよび他の免疫学的障害を処置する方法
本開示の別の実施形態は、がんを処置するための方法である。該方法は、患者に、治療有効量の本明細書のTBプロドラッグ(すなわち、TB4プロドラッグ)を含むリポソーム、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される化合物、またはその塩を投与することを含む。がんの例として、その成長が、本開示のALK5阻害剤および本開示のTBプロドラッグを使用して阻害され得るがん、ならびに免疫療法に対して典型的に応答性のがんが挙げられる。
一部の実施形態では、本開示は、患者の免疫応答を増強し、刺激し、かつ/または増加させる方法を提供する。該方法は、患者に、治療有効量のTBプロドラッグおよび/またはそのTBプロドラッグ(すなわち、TB4プロドラッグ)を含むナノキャリア、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される化合物もしくは組成物、またはその塩を投与することを含む。
一実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
さらなる実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のSLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
本開示のTBプロドラッグを含むリポソーム、TBプロドラッグおよび共製剤化されたリポソームを使用して処置可能ながんの非限定的な例として、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部または頸部のがん、皮膚または眼内悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、精巣がん、子宮がん、卵管癌、子宮内膜癌、子宮内膜がん、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含めた慢性または急性白血病、小児期の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓または尿道のがん、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮細胞がん、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発されたがんを含めた環境誘発性がん、ならびに前記がんの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。本開示の化合物はまた、転移がん、特にALK5を発現する転移がんの処置に有用である。
一部の実施形態では、本開示のリポソームまたはTBプロドラッグを用いて処置可能ながんには、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫)、腎臓がん(例えば、明細胞癌)、前立腺がん(例えば、ホルモン不応性前立腺腺癌)、乳がん、結腸がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がんおよび小細胞肺がん)、頭頸部扁平上皮細胞がん、尿路上皮がん(例えば、膀胱)および高頻度マイクロサテライト不安定性(MSIhigh)がんが含まれる。加えて、本開示には、本開示のリポソームまたはTBプロドラッグまたは共製剤化リポソームを使用して成長が阻害され得る、難治性または再発性悪性腫瘍が含まれる。
追加の実施形態では、本開示の製剤化および/もしくは共製剤化リポソームまたはTBプロドラッグを使用して処置可能ながんには、固形腫瘍(例えば、前立腺がん、結腸がん、食道がん、子宮内膜がん、卵巣がん、子宮がん、腎臓がん、肝臓がん、膵臓がん、胃がん、乳がん、肺がん、頭頸部がん、甲状腺がん、神経膠芽腫、肉腫、膀胱がんなど)、血液がん(例えば、リンパ腫、白血病、例えば急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、DLBCL、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性または難治性NHLおよび再発性濾胞性NHLを含む)、ホジキンリンパ腫または多発性骨髄腫)および前記がんの組合せが含まれるが、それらに限定されない。
さらなる実施形態では、本開示の製剤化および/もしくは共製剤化リポソームまたはTBプロドラッグを使用して処置可能ながんには、胆管癌、胆管がん、トリプルネガティブ乳がん、横紋筋肉腫、小細胞肺がん、平滑筋肉腫、肝細胞癌、ユーイング肉腫、脳がん、脳腫瘍、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経線維腫、基底細胞癌、軟骨肉腫、類上皮肉腫、眼がん、卵管がん、消化管がん、消化管間質性腫瘍、有毛細胞白血病、腸管がん、島細胞がん、口腔がん、口のがん、咽喉がん、喉頭がん、口唇がん、中皮腫、頸部がん、鼻腔がん、眼のがん、眼内黒色腫、骨盤がん、直腸がん、腎細胞癌、唾液腺がん、副鼻腔がん、脊髄がん、舌がん、管状癌、尿道がん、および尿管がんが含まれるが、それらに限定されない。
加えて、一部の実施形態では、本開示の製剤化および/もしくは共製剤化リポソーム、またはTBプロドラッグは、鎌状赤血球症および鎌状赤血球貧血を処置するために使用することができる。
さらに、一部の実施形態では、本開示の製剤化および/もしくは共製剤化リポソーム、またはTBプロドラッグを使用して処置可能な疾患および適応症には、血液がん、肉腫、肺がん、消化管がん、泌尿生殖器がん、肝臓がん、骨がん、神経系がん、婦人科がん、および皮膚がんが含まれるが、それらに限定されない。
例示的な血液がんとして、リンパ腫および白血病、例えば急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性または難治性NHLおよび再発性濾胞性を含む)、ホジキンリンパ腫、骨髄増殖性疾患(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症(PV)、および本態性血小板増加症(ET))、骨髄異形成症候群(MDS)、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫(T-ALL)ならびに多発性骨髄腫(MM)が挙げられる。
例示的な肉腫として、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫(rhabdomyosarcoma)、血管肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋肉腫(rhabdosarcoma)、線維腫、脂肪腫、過誤腫(harmatoma)、および奇形腫が挙げられる。
例示的な肺がんとして、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん、気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、軟骨腫様過誤腫、および中皮腫が挙げられる。
例示的な消化管がんとして、食道がん(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃がん(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓がん(腺管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸がん(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫(hemangioma)、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸がん(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、および結腸直腸がんが挙げられる。
例示的な泌尿生殖器がんとして、腎臓がん(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽腫])、膀胱および尿道のがん(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺がん(腺癌、肉腫)、および精巣がん(精上皮腫、奇形腫、胚性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)が挙げられる。
例示的な肝臓がんとして、ヘパトーマ(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、および血管腫が挙げられる。
例示的な骨がんとして、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍 脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫症(osteocartilaginous exostoses))、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxofibroma)、類骨骨腫、および巨細胞腫瘍が挙げられる。
例示的な神経系がんとして、頭蓋がん(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜がん(髄膜腫、髄膜肉腫(meningiosarcoma)、神経膠腫症)、脳がん(星状細胞腫、髄芽腫(meduoblastoma)、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫(glioblastoma multiform)、乏突起神経膠腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、および脊髄がん(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、ならびに神経芽細胞腫およびレルミット-デュクロ病が挙げられる。
例示的な婦人科がんとして、子宮がん(子宮内膜癌)、頸部がん(子宮頸癌、前腫瘍(pre-tumor)子宮頸部異形成)、卵巣がん(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌)、顆粒膜-莢膜細胞腫瘍、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部がん(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣がん(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、および卵管がん(癌)が挙げられる。
例示的な皮膚がんとして、黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、奇胎異形成母斑、脂肪腫、血管腫(angioma)、皮膚線維腫、およびケロイドが挙げられる。一部の実施形態では、本開示の化合物を使用して処置可能な疾患および適応症には、鎌状赤血球症(例えば、鎌状赤血球貧血)、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、骨髄異形成症候群、精巣がん、胆管がん、食道がん、および尿路上皮癌が含まれるが、それらに限定されない。
加えて、本開示の製剤化および/または共製剤化リポソーム、またはTBプロドラッグを用いるTGFβ、ALK5、および/またはキナーゼ経路遮断は、感染症、例えばウイルス、細菌、真菌、および寄生虫感染症を処置するために使用することもできる。
本開示は、感染症、例えばウイルス感染症を処置するための方法を提供する。該方法は、患者に、治療有効量の、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される製剤化および/もしくは共製剤化リポソームまたはTBプロドラッグまたは本明細書に記載される式(すなわち、TB4プロドラッグ)のいずれか、その塩を投与することを含む。
一実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
さらなる実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のSLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
本開示の方法によって処置可能な感染症を引き起こすウイルスの例として、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、A型、B型、C型またはD型肝炎ウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、エボラウイルス、および麻疹ウイルスが挙げられるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、本開示の方法によって処置可能な感染症を引き起こすウイルスには、肝炎(A型、B型またはC型)、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6、HSV-II、およびCMV、エプスタイン・バーウイルス)、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コロナウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクチニアウイルス、HTLVウイルス、デングウイルス、パピローマウイルス、軟属腫ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルスおよびアルボウイルス脳炎ウイルスが含まれるが、それらに限定されない。
加えて、本開示は、細菌感染症を処置するための方法を提供する。該方法は、患者に、治療有効量の、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される製剤化および/もしくは共製剤化リポソームまたはTBプロドラッグまたは本明細書に記載される式(すなわち、TB4プロドラッグ)のいずれか、またはその塩を投与することを含む。
本開示の方法によって処置可能な感染症を引き起こす病原菌の例として、クラミジア、リケッチア細菌、マイコバクテリア、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌(pneumonococci)、髄膜炎菌および淋菌(conococci)、クレブシエラ、プロテウス、セラチア、シュードモナス、レジオネラ、ジフテリア、サルモネラ、バチルス、コレラ、破傷風、ボツリヌス中毒、炭疽、ペスト、レプトスピラ症、およびライム病細菌が挙げられるが、それらに限定されない。
加えて、本開示は、真菌感染症を処置するための方法を提供する。該方法は、患者に、治療有効量の、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される製剤化および/もしくは共製剤化リポソームまたはTBプロドラッグまたは本明細書に記載される式(すなわち、TB4プロドラッグ)のいずれか、またはその塩を投与することを含む。
一実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
さらなる実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のSLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
本開示の方法によって処置可能な感染症を引き起こす病原性真菌の例として、Candida(albicans、krusei、glabrata、tropicalisなど)、Cryptococcus neoformans、Aspergillus(fumigatus、Nigerなど)、Mucorales属(Mucor、absidia、rhizophus)、Sporothrix schenckii、Blastomyces dermatitidis、Paracoccidioides brasiliensis、Coccidioides immitisおよびHistoplasma capsulatumが挙げられるが、それらに限定されない。
加えて、本開示は、寄生虫感染症を処置するための方法を提供する。該方法は、患者に、治療有効量の、特許請求の範囲のいずれかに列挙され、本明細書に記載される製剤化および/もしくは共製剤化リポソームまたはTBプロドラッグまたは本明細書に記載される式(すなわち、TB4プロドラッグ)のいずれか、またはその塩を投与することを含む。
一実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
さらなる実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のSLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
本開示の方法によって処置可能な感染症を引き起こす病原性寄生虫の例として、Entamoeba histolytica、Balantidium coli、Naegleriafowleri、Acanthamoeba sp.、Giardia lambia、Cryptosporidium sp.、Pneumocystis carinii、Plasmodium vivax、Babesia microti、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania donovani、Toxoplasma gondi、およびNippostrongylus brasiliensisが挙げられるが、それらに限定されない。
本開示の範囲内にある実施形態のさらなる組では、製剤化および/もしくは共製剤化ナノキャリア、リポソーム、SLNPまたはTBプロドラッグ、または本明細書に記載される式(すなわち、TB4プロドラッグ)のいずれかは、本開示において言及される疾患のいずれかを発生するリスクを防止または低減するのに有用であり、例えば疾患、状態または障害の素因があり得るが、まだ疾患の病理または総体的徴候を経験も示してもいない個体において、疾患、状態または障害が発生するリスクを防止または低減するのに有用である。
一実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
さらなる実施形態では、該方法(複数可)は、患者に、治療有効量のSLNP-TB4またはその塩を投与することを含む。
XII.)キット/製造品
本明細書に記載される検査室、予後、予防、診断、および治療への適用において使用するためのキットは、本発明の範囲内にある。このようなキットは、1つまたは複数の容器、例えばバイアル、管などを受け入れるように区角化されている、搬送容器、パッケージ、または容器を含むことができ、容器のそれぞれは、使用のため、例えば本明細書に記載される使用のための指示を含むラベルまたは挿入物と共に、本方法において使用される別々の要素の1つを含む。例えば、容器(複数可)は、検出可能に標識されているもしくは検出可能に標識することができ、かつ/または本開示のTBプロドラッグが負荷される、製剤化および/または共製剤化ナノキャリアを含むことができる。キットは、薬物単位を含む容器を含むことができる。キットは、製剤化および/もしくは共製剤化ナノキャリア、ならびに/またはTBプロドラッグのすべてまたは一部を含むことができる。
本発明のキットは、典型的に、上記の容器と、バッファー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、搬送容器、パッケージ、容器、バイアル、ならびに/または内容物を列挙した管ラベルおよび/もしくは使用のための指示、ならびに使用のための指示を含む添付文書を含めた、商業的観点および使用者の観点から望ましい材料を含む、それと関連する他の1つまたは複数の容器とを含む。
ラベルは、組成物が、特定の治療または非治療的適用、例えば予後、予防、診断、または検査室への適用のために使用されることを示すために、容器上または容器と共に存在することができ、また、in vivoまたはin vitro使用のいずれかでの使用法(directions)、例えば本明細書に記載される使用法を示すことができる。また、使用法およびまたは他の情報が、キットと共にまたはキット上に含まれる挿入物(複数可)またはラベル(複数可)上に含まれてもよい。ラベルは、容器上にあってよく、または容器と関連するものであってよい。ラベルは、ラベルを形成する文字、数字または他の符号が、容器それ自体に成型またはエッチングされる場合には、容器上にあってよい。ラベルは、やはり容器を保持する入れ物または搬送容器内に存在する場合には、例えば添付文書として、容器と関連するものであってよい。ラベルは、組成物が、状態、例えばがんまたは他の免疫学的障害の診断、処置、予防または予後のために使用されることを示すことができる。
「キット」および「製造品」という用語は、同義語として使用することができる。
本発明の別の実施形態では、組成物、例えば製剤化および/もしくは共製剤化ナノキャリア、ならびに/またはTBプロドラッグを含有する製造品(複数可)は、本開示の範囲内にある。製造品は、典型的に、少なくとも1つの容器および少なくとも1つのラベルを含む。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が含まれる。容器は、様々な材料、例えばガラス、金属、またはプラスチックから形成することができる。容器は、TBプロドラッグを負荷した製剤化および/または共製剤化ナノキャリアを保持することができる。
容器は、代替として、状態の処置、診断、予後または予防のために有効な組成物を保持することができ、滅菌アクセスポートを有することができる(例えば、容器は、皮下注射針によって穿孔可能なストッパーを有する点滴静注液バッグまたはバイアルであってよい)。組成物における活性剤は、TBプロドラッグおよび/または本明細書で開示されるTBプロドラッグを負荷した製剤化および/または共製剤化ナノキャリアであってよい。
製造品はさらに、薬学的に許容される緩衝液、例えばリン酸緩衝食塩水、リンガー溶液および/またはデキストロース溶液を含む第2の容器を含むことができる。製造品はさらに、他のバッファー、希釈剤、フィルター、スターラー、針、シリンジ、ならびに/または適応症および/もしくは使用のための指示を含む添付文書を含めた、商業的観点および使用者の観点から望ましい他の材料を含むことができる。
一実施形態では、キットまたは製造品は、LNP-TB4および/または治療有効量のLNP-TB4を含む。
一実施形態では、キットまたは製造品は、SLNP-TB4および/または治療有効量のSLNP-TB4を含む。
例示的な実施形態
提供される実施形態には、以下が含まれる。
1)(i)薬物部分、
(ii)脂質部分、および
(iii)連結単位(「LU」)
を含み、薬物部分が、TGFβアンタゴニストを含み、LUが、薬物部分を脂質部分とコンジュゲートする、TBプロドラッグ組成物。
2)式Iに記載されている化学構造をさらに含む、請求項1のTBプロドラッグ。
3)式IIに記載されている化学構造をさらに含む、請求項1のTBプロドラッグ。
4)式IIIに記載されている化学構造をさらに含む、請求項1のTBプロドラッグ。
5)薬物部分が、TB4として記載される化学構造を含む、請求項1のTBプロドラッグ。
6)LUが、ヒドロメチルカルバメートリンカーである、請求項1のTBプロドラッグ。
7)脂質部分が、表Iに記載されている脂質を含む、請求項1のTBプロドラッグ。
8)脂質部分が、表IIIに記載されている脂質を含む、請求項1のTBプロドラッグ。
9)脂質部分が、CHEMSを含む、請求項1のTBプロドラッグ。
10)脂質部分が、ステアリン酸を含む、請求項1のTBプロドラッグ。
11)薬物部分が、TB4として記載される化学構造を含み、脂質部分が、ステアリン酸を含み、化合物が、以下の化学構造を有する、請求項1のTBプロドラッグ。
12)(i)TB4を含む薬物部分
(ii)CHEMSを含む脂質部分、および
(iii)ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLU
を含む、TBプロドラッグ組成物。
13)(i)TB4を含む薬物部分
(ii)ステアリン酸を含む脂質部分、および
(iii)ヒドロメチルカルバメートリンカーを含むLU
を含む、TBプロドラッグ組成物。
14)以下の化学構造を有する、請求項13のTBプロドラッグ組成物。
15)TBプロドラッグを含むナノキャリアであって、LUの切断後に活性ALK5阻害剤を放出する、ナノキャリア。
16)前記LUが、ヒドロメチルカルバメートリンカーである、請求項15のナノキャリア。
17)ヘルパー脂質をさらに含み、ヘルパー脂質が、表IIに記載されている、請求項15のナノキャリア。
18)前記TBプロドラッグが、TB4を含む、請求項15のナノキャリア。
19)リポソームである、請求項15のナノキャリア。
20)前記TBプロドラッグが、TB4を含み、LNP-TB4と示される、請求項19のリポソーム。
21)1つまたは複数の免疫調節剤またはその脂質-プロドラッグとさらに共製剤化され、前記免疫調節剤が、免疫原性細胞死誘導化学療法薬、toll受容体アゴニスト、STINGアゴニスト、CTLA-4阻害剤、IDO阻害剤、PD-1/PD-L1阻害剤、CD1Dアゴニストおよび/またはそのプロドラッグからなる群から選択される、請求項19のリポソーム。
22)ICD誘導化学療法薬とさらに共製剤化され、前記ICD誘導化学療法薬が、DOX、MTO、OXA、CP、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、またはパクリタキセルからなる群から選択される、請求項19のリポソーム。
23)DOXをさらに含む、請求項19のリポソーム。
24)MTOをさらに含む、請求項19のリポソーム。
25)DOXをさらに含む、請求項22のリポソーム。
26)MTOをさらに含む、請求項22のリポソーム。
27)toll受容体アゴニストまたはその脂質-プロドラッグとさらに共製剤化され、前記toll受容体アゴニストが、レシキモド(R848)、ガーディキモド、852A、DSR6434、テルラトリモド、CU-T12-9、モノホスホリル脂質A(MPLA)、3D(6-アシル)-PHAD(登録商標)、SMU127、Pam3CSK4、または3D-PHAD(登録商標)からなる群から選択される、請求項19のリポソーム。
28)PD-1/PD-L1アンタゴニストまたはその脂質-プロドラッグとさらに共製剤化され、前記PD-1/PD-L1アンタゴニストが、AUNP12、CA-170、またはBMS-986189からなる群から選択される、請求項19のリポソーム。
29)請求項15~28のいずれか一項のリポソームを含む、キット。
30)固体脂質ナノ粒子(SLNP)である、請求項15のナノキャリア。
31)前記TBプロドラッグが、TB4を含み、SLNP-TB4と示される、請求項30のSLNP。
32)1つまたは複数の免疫調節剤またはその脂質-プロドラッグとさらに共製剤化され、前記免疫調節剤が、免疫原性細胞死誘導化学療法薬、toll受容体アゴニスト、STINGアゴニスト、CTLA-4阻害剤、IDO阻害剤、PD-1/PD-L1阻害剤、CD1Dアゴニストおよび/またはそのプロドラッグからなる群から選択される、請求項30のSLNP。
33)ICD誘導化学療法薬とさらに共製剤化され、前記ICD誘導化学療法薬が、DOX、MTO、OXA、CP、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、またはパクリタキセルからなる群から選択される、請求項30のSLNP。
34)DOXをさらに含む、請求項30のSLNP。
35)MTOをさらに含む、請求項30のSLNP。
36)DOXをさらに含む、請求項33のSLNP。
37)MTOをさらに含む、請求項33のSLNP。
38)前記リポソームが、toll受容体アゴニストまたはその脂質-プロドラッグとさらに共製剤化され、前記toll受容体アゴニストが、レシキモド(R848)、ガーディキモド、852A、DSR6434、テルラトリモド、CU-T12-9、モノホスホリル脂質A(MPLA)、3D(6-アシル)-PHAD(登録商標)、SMU127、Pam3CSK4、または3D-PHAD(登録商標)からなる群から選択される、請求項30のSLNP。
39)前記リポソームが、PD-1/PD-L1アンタゴニストまたはその脂質-プロドラッグとさらに共製剤化され、前記PD-1/PD-L1アンタゴニストが、AUNP12、CA-170、またはBMS-986189からなる群から選択される、請求項30のSLNP。
40)請求項30~39のいずれか一項のSLNPを含む、キット。
41)がんに罹患しているかまたはがんと診断された対象を処置する方法であって、
(i)このような処置を必要とする対象に、有効量のナノキャリアを投与することであって、前記ナノキャリアがTBプロドラッグを含む、投与することと、
(ii)薬学的に許容されるその塩と
を含む、方法。
42)前記TBプロドラッグが、TB4プロドラッグを含む、請求項41の方法。
43)前記ナノキャリアが、ICD誘導化学療法薬とさらに共製剤化されたTB4プロドラッグを含む、請求項41の方法。
44)前記ナノキャリアが、免疫調節剤とさらに共製剤化されたTB4プロドラッグを含む、請求項41の方法。
45)前記ナノキャリアが、リポソームである、請求項41の方法。
46)前記リポソームが、LNP-TB4である、請求項45の方法。
47)前記ナノキャリアが、固体脂質ナノ粒子である、請求項41の方法。
48)前記リポソームが、SLNP-TB4である、請求項47の方法。
49)がんに罹患しているかまたはがんと診断された対象を処置する方法であって、
(iii)このような処置を必要とする対象に、有効量のナノキャリアを投与することであって、前記ナノキャリアがTBプロドラッグを含む、投与することと、
(iv)薬学的に許容されるその塩と
を含む、方法。
50)前記TBプロドラッグが、TB4プロドラッグを含む、請求項49の方法。
51)前記ナノキャリアが、ICD誘導化学療法薬とさらに共製剤化されたTB4プロドラッグを含む、請求項49の方法。
52)前記ナノキャリアが、免疫調節剤とさらに共製剤化されたTB4プロドラッグを含む、請求項49の方法。
53)前記ナノキャリアが、固体脂質ナノ粒子(「SLNP」)である、請求項49の方法。
54)前記SLNPが、SLNP-TB4である、請求項53の方法。
55)前記ナノキャリアが、リポソームである、請求項49の方法。
56)前記リポソームが、LNP-TB4である、請求項55の方法。
57)以下の化学構造を有する、TB4プロドラッグ。
58)請求項57のTB4プロドラッグを含む、リポソーム。
59)請求項57のTB4プロドラッグを含み、ヘルパー脂質をさらに含む、リポソーム。
60)前記ヘルパー脂質が、表IIに記載されている、請求項59のリポソーム。
61)請求項57のTB4プロドラッグを含む、固体脂質ナノ粒子(SLNP)。
62)以下の化学構造を有する、TB4プロドラッグ。
63)請求項62のTB4プロドラッグを含む、リポソーム。
64)請求項62のTB4プロドラッグを含み、ヘルパー脂質をさらに含む、リポソーム。
65)前記ヘルパー脂質が、表IIに記載されている、請求項64のリポソーム。
66)LNP-TB4と示される、請求項62のリポソーム。
67)請求項62のTB4プロドラッグを含む、固体脂質ナノ粒子(SLNP)。
68)SLNP-TB4と示される、請求項67のSLNP。
69)AR5と共製剤化された、請求項63のリポソーム。
70)TR6と共製剤化された、請求項63のリポソーム。
71)ID3と共製剤化された、請求項63のリポソーム。
72)PD3と共製剤化された、請求項63のリポソーム。
73)MTOと共製剤化された、請求項63のリポソーム。
74)MTOおよびID3と共製剤化された、請求項63のリポソーム。
75)MTOおよびAR5と共製剤化された、請求項63のリポソーム。
76)MTOと共製剤化された、請求項68のSLNP。
77)AR5と共製剤化された、請求項68のSLNP。
78)ID3と共製剤化された、請求項68のSLNP。
79)PD3と共製剤化された、請求項68のSLNP。
80)MTOおよびID3と共製剤化された、請求項68のSLNP。
81)MTOおよびAR5と共製剤化された、請求項68のSLNP。
本発明の様々な態様を、以下のいくつかの実施例によってさらに記載し例示するが、それらはいずれも、本発明の範囲を制限することを意図されない。
(実施例1)
ステアリン酸を含むTB4プロドラッグの化学合成
ステアリン酸を含むTB4プロドラッグの化学合成を、以下のプロトコールを使用して合成する。最初に、化合物(1)を化合物(2)およびKHMDSで処理して、中間体3を得る。次に、中間体3を、DMFジメチルアセタール、次にヒドラジン水和物で連続して処理して、中間体4を得る。次に、中間体4を、トリチルクロリドで処理して、中間体5を得る。次に、中間体5を、試薬(6)およびパラジウムトリフェニルホスフィン(palladiumtriphenylphosphine)で処理し、続いて、水酸化ナトリウムで加水分解して、中間体7を得る。次に、中間体7を、試薬(8)およびEDCI/HOBtで処理して、中間体9を得る。次に、中間体9を、リチウムヘキサメチルジシラジドで処理し、続いて、クロロギ酸クロロメチル(10)で処理して、中間体11を得る。最後に、DMF中、中間体11を、ステアリン酸、次に炭酸銀、次にヨウ化ナトリウムで、80℃で連続して処理し、次にメタノール中HClで処理して、ステアリン酸を含む最終プロドラッグTB4(12)を得る。(図1)。この実施例に記載される合成により、以下の化学構造を有するTB4プロドラッグが得られる。
(実施例2)
TB4プロドラッグに至る途中の保護基中間体のための化学合成
保護基中間体を合成するために、以下のプロトコールを使用した。簡潔には、TB4(13.0g、30.5mmol、1.00当量)のDCM(1.50L)溶液に、Boc2O(8.00g、36.7mmol、8.42mL、1.20当量)およびDMAP(746mg、6.11mmol、0.20当量)を15℃で添加した。添加後、反応混合物を、30℃で12時間撹拌した。TLC(ジクロロメタン:メタノール=10:1)は、TB4(Rf=0.2)が消費され、1つの大きい新しいスポット(Rf=0.5)が形成されたことを示した。LCMSにより、所望の質量(RT=0.850分)が検出されたことが確認された。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物を、カラムクロマトグラフィーによって精製して(SiO2、ジクロロメタン:メタノール=50:1~30:1、Rf=0.5)、化合物2(13.0g、24.7mmol、収率80.9%)を白色の固体として得た。得られた化合物は、図2に記載されている。
(実施例3)
TB4プロドラッグに至る途中の保護基中間体のための化学合成
別の実施形態では、さらなる保護基中間体を、以下の方式で合成した。簡潔には、化合物3(4.50g、7.28mmol、1.00当量)のDCM(225mL)溶液に、TFA(16.6g、145mmol、10.8mL、20.0当量)を25℃で添加した。添加後、反応混合物を、25℃でさらに4時間撹拌した。LCMSにより、反応が完了し、所望の質量(RT=0.874分)が検出されたことが確認された。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液でpH=7~8に調整し、DCM(150mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(150mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、化合物4(3.50g、6.76mmol、収率92.81%)を黄色の固体として得た。得られた化合物は、図3に記載されている。
(実施例4)
ステアリン酸を含むTB4プロドラッグの化学合成
ステアリン酸を含むTB4プロドラッグの化学合成を、以下のプロトコールを使用して合成する。最初に、TB4(13.0g、30.5mmol、1.00当量)のDCM(1.50L)溶液に、Boc2O(8.00g、36.7mmol、8.42mL、1.20当量)およびDMAP(746mg、6.11mmol、0.20当量)を15℃で添加した。添加後、反応混合物を、30℃で12時間撹拌した。TLC(ジクロロメタン:メタノール=10:1)は、TB4(Rf=0.2)が消費され、1つの大きい新しいスポット(Rf=0.5)が形成されたことを示した。LCMSにより、所望の質量(RT=0.850分)が検出されたことが示された。反応混合物を、減圧下で濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物を、カラムクロマトグラフィーによって精製して(SiO2、ジクロロメタン:メタノール=50:1~30:1、Rf=0.5)、化合物2(13.0g、24.7mmol、収率80.9%)を白色の固体として得た。次に、化合物2(9.00g、17.1mmol、1.00当量)のDCM(1000mL)溶液に、LiHMDS(1M、37.6mL、2.20当量)を-70℃で、N2下で1時間添加した。混合物に、DCM(50mL)中、化合物2a(9.36g、72.5mmol、6.45mL、4.24当量)を-70℃で添加した。混合物を-70℃で6時間撹拌した。次に、混合物を、15℃でさらに6時間撹拌した。LCMSは、化合物2の18.4%(RT=1.038分)が残存し、33.1%の所望の質量(RT=1.195分)が検出されたことを示した。混合物を、飽和NH4Cl溶液(500mL)に注ぎ、DCM(200mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(500mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、LCMSによって確認した。粗製生成物を、逆相MPLC(ACN/H2O、TFA条件)によって精製し、ACNを除去した後に、水相を、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、化合物3(6.20g、10.0mmol、収率29.2%)を黄色の固体として得、それをLCMSによって確認した。次に、化合物3(4.50g、7.28mmol、1.00当量)のDCM(225mL)溶液に、TFA(16.6g、145mmol、10.8mL、20.0当量)を25℃で添加した。添加後、反応混合物を、25℃でさらに4時間撹拌した。LCMSは、反応が完了し、所望の質量(RT=0.874分)が検出されたことを示した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液でpH=7~8に調整し、DCM(150mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(150mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、化合物4(3.50g、6.76mmol、収率92.81%)を黄色の固体として得、それを次のステップのためにさらなる精製なしに直接使用した。最後に、化合物4(3.50g、6.76mmol、1.00当量)およびステアリン酸(2.88g、10.1mmol、3.41mL、1.50当量)のACN(175mL)溶液に、DIEA(2.62g、20.3mmol、3.53mL、3.00当量)を添加した。添加後、反応混合物を、80℃でさらに36時間撹拌した。LCMSは、化合物4が完全には完了されず、所望の質量(RT=1.383分)が検出されたことを示した。混合物を、減圧下で45℃で濃縮して、粗製生成物を得、それをLCMSによって確認した。粗製生成物を、ET34822-17と合わせて、逆相MPLC(MeOH/H2O/TFA条件)によって精製し、次に濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物を、カラムクロマトグラフィーによって精製し(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1~酢酸エチル:メタノール=10:1)、それをTLC(酢酸エチル:メタノール=10:1、Rf=0.3)によって検出した。ステアリン酸を含むTB4(1.3g、1.59mmol、収率21.2%、93.9%純度)を、黄色のガム状物として得、それを1H NMR、FNMR、LCMS、およびHPLCによって確認した。得られた化合物および合成は、図7に記載されている。この実施例に記載される合成により、以下の化学構造を有するTB4プロドラッグが得られる。
(実施例5)
LNP-TB4リポソームの合成および特徴付け
別の実験では、TB4プロドラッグを含むリポソーム(LNP-TB4と示される)を、以下の方式で合成した。簡潔には、最初のステップにおいて、POPC(1-パルミトイル-2-オレオイル-グリセロ-3-ホスホコリン)、CHOL、およびDSPE-PEGの脂質原液を、エタノール(20mg/ml)中で別個に調製した。TB4プロドラッグ(TB4+ステアリン酸)は、エタノールには可溶性でなかったので、その原液をアセトニトリル(20mg/ml)中で調製した。POPC、CHOL、TB4+ステアリン酸およびDSPE-PEGの脂質混合物を、51:29:16.5:3.5のモル比で一緒に混合し、その後エタノールで希釈して、10mg/mlの全脂質濃度を得た。この脂質混合物を、マイクロフルイダイザー中の加熱ブロックアタッチメントを使用して、摂氏55~60度で加熱した。また同様に、1mMのPBS緩衝液を含有する水相を、摂氏55~60度で予熱した後、5:1の流速(水相:有機相、脂質混合物)でマイクロ流体カートリッジを通過させた。DI水に対してカットオフ12KDaサイズの透析膜(Sigma Aldrich)を少なくとも24時間使用して、溶媒を除去した。24時間の間に、透析水を少なくとも5回交換して、溶媒を最大限に除去した。溶媒の除去後、LNP-TB4を、必要に応じてAmicon遠心濾過デバイス(カットオフサイズ10KDa、3000gにおいて)を使用して濃縮した。
LNP-TB4リポソームの特徴を、Malvernゼータサイザー(Malvern Instrumentation Co.、Westborough、MA、USA)を使用して決定した。簡潔には、LNP-TB4リポソーム2ml(リポソーム濃度は0.5~1mg/mlであった)を、透明な4面プラスチックキュベットに入れ、25℃で直接分析した。図8に示されている結果は、ナノ粒子のZ平均サイズがおよそ87nmであり、PDIがおよそ0.265であったことを示している。
加えて、水性分散液中のLNP-TB4リポソームのゼータ電位を、Malvernゼータサイザー機器(Malvern Instrumentation Co、Westborough、MA、USA)を使用して決定した。簡潔には、リポソームおよそ1ml(濃度は20mMのNaCl中およそ2mg/ml)を、ゼータサイザーで利用可能な、使い捨てのキャピラリーゼータ電位セルに入れた。測定は25℃で行った。結果は、LNP-TB4のゼータ電位測定がおよそ-15.1mVであったことを示している(図9)。
(実施例6)
LNP-TB4-ID3リポソームの合成および特徴付け
別の実験では、TB4プロドラッグを含むリポソーム(LNP-TB4と示される)を、ID3と共製剤化し、以下の方式で合成した。簡潔には、最初のステップにおいて、POPC(1-パルミトイル-2-オレオイル-グリセロ-3-ホスホコリン)、CHOL、およびDSPE-PEGの脂質原液を、エタノール(20mg/ml)中で別個に調製した。次に、TB4プロドラッグ(TB4+ステアリン酸)およびID3プロドラッグは、エタノールには可溶性でなかったので、その原液をアセトニトリル(20mg/ml)中で調製した。次に、POPC、CHOL、TB4+ステアリン酸、ID3、およびDSPE-PEGの脂質混合物を、53:31:6:6:4のモル比で一緒に混合し、その後エタノールで希釈して、10mg/mlの全脂質濃度を得た。この脂質混合物を、マイクロフルイダイザー中の加熱ブロックアタッチメントを使用して、摂氏50度で加熱した。また同様に、1mMのPBS緩衝液を含有する水相を、摂氏50度で予熱した後、4.5:1の流速(水相:有機相、脂質混合物)でマイクロ流体カートリッジを通過させた。DI水に対してカットオフ12KDaサイズの透析膜(Sigma Aldrich)を少なくとも24時間使用して、溶媒を除去した。24時間の間に、透析水を少なくとも5回交換して、溶媒を最大限に除去した。溶媒の除去後、LNP-TB4-ID3を、必要に応じてAmicon遠心濾過デバイス(カットオフサイズ10KDa、3000gにおいて)を使用して濃縮した。
LNP-TB4-ID3リポソームの特徴を、Malvernゼータサイザー(Malvern Instrumentation Co.、Westborough、MA、USA)を使用して決定した。簡潔には、LNP-TB4-ID3リポソーム2ml(リポソーム濃度は0.5~1mg/mlであった)を、透明な4面プラスチックキュベットに入れ、25℃で直接分析した。図10に示されている結果は、ナノ粒子のZ平均サイズがおよそ87nmであり、PDIがおよそ0.075であったことを示している。
加えて、水性分散液中のLNP-TB4-ID3リポソームのゼータ電位を、Malvernゼータサイザー機器(Malvern Instrumentation Co、Westborough、MA、USA)を使用して決定した。簡潔には、リポソームおよそ1ml(濃度は20mMのNaCl中およそ2mg/ml)を、ゼータサイザーで利用可能な、使い捨てのキャピラリーゼータ電位セルに入れた。測定は25℃で行った。結果は、LNP-TB4-ID3のゼータ電位測定がおよそ-11.5mVであったことを示している(図11)。
加えて、追加の共製剤化されたLNP-TB4のまとめの表は、表IVに記載されている。
(実施例7)
SLNP-TB4固体脂質ナノ粒子の合成および特徴付け
別の実験では、TB4プロドラッグを含む固体脂質ナノ粒子(SLNP)(SLNP-TB4と示される)を、以下の方式で合成した。簡潔には、TB4プロドラッグを含むSLNPを、様々な種類の乳化剤(複数可)、例えばMoliwol 488(ポリビニルアルコール)、Pluronic F127、およびKolliphor RH 40を使用して調製した。最初のステップにおいて、POPC、CHOL、DSPE-PEGの脂質原液を、エタノール(20mg/ml)中で調製した。次に、TB4プロドラッグの原液を、アセトニトリル(20mg/ml)中で調製した。51:29:15:5のモル比のPOPC、CHOL、TB4およびDSPE-PEGの脂質混合物を、一緒に混合し、次にエタノールで希釈して、10mg/mlの脂質濃度を得た。この脂質混合物を、マイクロフルイダイザー中の加熱ブロックアタッチメントを使用して、摂氏55度で加熱した。また同様に、2%w/vのMoliwol 488(または2%w/vのPluronic F127/Kolliphor RH 40)溶液を含有する水相を、摂氏55度で予熱した後、5:1の流速(水相:有機相、脂質混合物)でマイクロ流体カートリッジを通過させた。DI水に対してカットオフ12KDaサイズの透析膜(Sigma Aldrich)を少なくとも24時間使用して、溶媒を除去した。24時間の間に、透析水を少なくとも5回交換して、溶媒を最大限に除去した。溶媒の除去後、SLNPを、0.2ミクロンフィルター膜(酢酸セルロース)を通過させた。SLNP-TB4を、必要に応じてAmicon遠心濾過デバイス(カットオフサイズ10KDa、3000gにおいて)を使用して濃縮した。
SLNP-TB4の特徴を、Malvernゼータサイザー(Malvern Instrumentation Co.、Westborough、MA、USA)を使用して決定した。簡潔には、SLNP-TB4 2ml(SLNP濃度は0.5~1mg/mlであった)を、透明な4面プラスチックキュベットに入れ、25℃で直接分析した。図12に示されている結果は、ナノ粒子のZ平均サイズがおよそ90nmであり、PDIがおよそ0.074であったことを示している。
加えて、水性分散液中のSLNP-TB4固体脂質ナノ粒子のゼータ電位を、Malvernゼータサイザー機器(Malvern Instrumentation Co、Westborough、MA、USA)を使用して決定した。簡潔には、SLNPおよそ1ml(濃度は20mMのNaCl中およそ2mg/ml)を、ゼータサイザーで利用可能な、使い捨てのキャピラリーゼータ電位セルに入れた。測定は25℃で行った。結果は、SLNP-TB4のゼータ電位測定がおよそ-11.9mVであったことを示している(図13)。
(実施例8)
SLNP-TB4-ID3固体脂質ナノ粒子の合成および特徴付け
別の実験では、ID3と共製剤化されたTB4プロドラッグを含む固体脂質ナノ粒子(SLNP)(SLNP-TB4-ID3と示される)を、以下の方式で合成した。簡潔には、TB4プロドラッグを含むSLNPを、様々な種類の乳化剤(複数可)、例えばMoliwol 488(ポリビニルアルコール)、Pluronic F127、およびKolliphor RH 40を使用して調製した。最初のステップにおいて、POPC、CHOL、DSPE-PEGの脂質原液を、エタノール(20mg/ml)中で調製した。次に、TB4およびID3プロドラッグの原液を、アセトニトリル(20mg/ml)中で調製した。52:29:7:7:5のモル比のPOPC、CHOL、TB4、ID3、およびDSPE-PEGの脂質混合物を、一緒に混合し、次にエタノールで希釈して、10mg/mlの脂質濃度を得た。この脂質混合物を、マイクロフルイダイザー中の加熱ブロックアタッチメントを使用して、摂氏55度で加熱した。また同様に、2%w/vのMoliwol 488(または2%w/vのPluronic F127/Kolliphor RH 40)溶液を含有する水相を、摂氏55度で予熱した後、5:1の流速(水相:有機相、脂質混合物)でマイクロ流体カートリッジを通過させた。DI水に対してカットオフ12KDaサイズの透析膜(Sigma Aldrich)を少なくとも24時間使用して、溶媒を除去した。24時間の間に、透析水を少なくとも5回交換して、溶媒を最大限に除去した。溶媒の除去後、SLNPを、0.2ミクロンフィルター膜(酢酸セルロース)を通過させた。SLNP-TB4-ID3を、必要に応じてAmicon遠心濾過デバイス(カットオフサイズ10KDa、3000gにおいて)を使用して濃縮した。
SLNP-TB4-ID3の特徴を、Malvernゼータサイザー(Malvern Instrumentation Co.、Westborough、MA、USA)を使用して決定した。簡潔には、SLNP-TB4-ID3 2ml(SLNP濃度は0.5~1mg/mlであった)を、透明な4面プラスチックキュベットに入れ、25℃で直接分析した。図14に示されている結果は、ナノ粒子のZ平均サイズがおよそ104.3nmであり、PDIがおよそ0.119であったことを示している。
加えて、水性分散液中のSLNP-TB4-ID3固体脂質ナノ粒子のゼータ電位を、Malvernゼータサイザー機器(Malvern Instrumentation Co、Westborough、MA、USA)を使用して決定した。簡潔には、SLNPおよそ1ml(濃度は20mMのNaCl中およそ2mg/ml)を、ゼータサイザーで利用可能な、使い捨てのキャピラリーゼータ電位セルに入れた。測定は25℃で行った。結果は、SLNP-TB4-ID3のゼータ電位測定がおよそ-10.3mVであったことを示している(図15)。
加えて、追加の共製剤化されたSLNP-TB4のまとめの表は、表Vに記載されている。
(実施例9)
SLNP-TB4の、B16F10細胞を使用するin vivoでの腫瘍阻害
この実験では、SLNP-TB4の評価を、以下のプロトコールを使用して実施した。マウス黒色腫がんB16F10細胞(細胞(0.2×106))を、C57BL/6マウスの右後側腹部領域に皮下接種した。動物を、ビヒクル対照、3mg/kgのLNP-MTO(リポソーム形態のミトキサントロン二塩酸塩)、3mg/kgのLNP-AR5(リポソーム形態のAR5-ステアリン酸)、3mg/kgのLNP-AR5とLNP-TB4(リポソーム形態のTB4-ステアリン酸)の組合せ、および3mg/kgのLNP-MTOとSLNP-TB4(固体脂質ナノ粒子のTB4-ステアリン酸)の組合せで、iv注射により毎週2回処置した。腫瘍体積を、ノギスを使用して3回、二次元測定し、その体積は、式:V=(L×W×W)×0.5(ここで、Vは、腫瘍の体積であり、Lは、腫瘍の長さ(最長腫瘍寸法)であり、Wは、腫瘍の幅(Lに対して垂直な最長腫瘍寸法)である)を使用して計算した。腫瘍成長阻害(TGI)を、15日目の腫瘍サイズデータに基づいて計算した。
結果は、SLNP-TB4とLNP-MTOの組合せが、有意な抗腫瘍活性をもたらしたことを示している。TGIは、44.12%と計算された(すべてp<0.05)。(図16)。
(実施例10)
複数の組合せにおけるLNP-TB4の、B16F10細胞を使用するin vivoでの腫瘍阻害
この実験では、LNP-TB4の評価を、以下のプロトコールを使用して実施した。マウス黒色腫がんB16F10細胞(細胞(0.2×106))を、C57BL/6マウスの右後側腹部領域に皮下接種した。動物を、ビヒクル対照、3mg/kgのLNP-MTO(リポソーム形態のミトキサントロン二塩酸塩)、3mg/kgのLNP-TB4(リポソーム形態のTB4-ステアリン酸)とLNP-TR6(リポソーム形態のTR6-Chemes)の組合せ、3mg/kgのLNP-TB4とLNP-AR5(リポソーム形態のAR5-ステアリン酸)のさらなる組合せ、および3mg/kgのLNP-TB4とLNP-ID3(リポソーム形態のID3-ステアリン酸)のさらなる組合せ、および3mg/kgのLNP-TB4とLNP-PD3(PD3-コレステロール)のさらなる組合せ、3mg/kgのLNP-TB4とLNP-MTOとLNP-ID3のさらなる組合せ、および3mg/kgのLNP-TB4とLNP-MTOとLNP-AR5のさらなる組合せで、iv注射により毎週2回処置した。腫瘍体積を、ノギスを使用して3回、二次元測定し、その体積は、式:V=(L×W×W)×0.5(ここで、Vは、腫瘍の体積であり、Lは、腫瘍の長さ(最長腫瘍寸法)であり、Wは、腫瘍の幅(Lに対して垂直な最長腫瘍寸法)である)を使用して計算した。腫瘍成長阻害(TGI)を、16日目の腫瘍サイズデータに基づいて計算した。
結果は、3mg/kgの単剤としてのLNP-MTOの処置が、抗腫瘍活性を生じたことを示している。TGIは、32.6%と計算された(p<0.05)。加えて、LNP-TB4+LNP-MTO+LNP-ID3およびLNP-AR5+LNP-MTO+LNP-TB4の組合せは、抗腫瘍活性を生じた。TGIは、それぞれ32.86%(p<0.05)および37.86%(p<0.05)と計算された。(図17)。
(実施例11)
LNP-TB4およびSLNP-TB4の作用機序のin vitro検証
この実験では、LNP-TB4およびSLNP-TB4の作用機序の評価を、以下のプロトコールを使用してin vitroで実施した。リポソーム形態(LNP)のTB4および固体脂質ナノ粒子形態(SLNP)のTB4が、in vitroで生物学的作用を有することができることを確認するために、以下のアッセイを実施した。簡潔には、HEK-Blue(商標)TGF-β細胞およびQUANTI-Blue(商標)(InvivoGen、San Diego、CA)アッセイを、標準の方法を使用して使用した。TGF-βを用いるHEK-Blue(商標)TGF-β細胞の刺激は、TGF-β/Smadシグナル伝達経路の活性化を誘導して、Smad3/Smad4複合体を形成する。ヘテロ複合体は、核に入り、SBE部位に結合してSEAPの生成を誘導する。上清中に分泌されたSEAPの量は、QUANTI-Blueを使用して容易に評価することができる。細胞を、10ng/mlのTGF-βの存在下で、様々な濃度のTB4、LNP-TB4およびSLNP-TB4と共にインキュベートした。それぞれの化合物と共に24時間インキュベートした後、TGF-β阻害パーセント(%)を、QUANTI-Blue(商標)アッセイを使用してSEAP最適密度(OD)のレベルを測定し、データを対照群(TGF-βだけで処置した細胞)に対して正規化することによって評価した。
結果は、LNP-TB4およびSLNP-TB4での細胞の処置により、TGF-βの阻害が引き起こされることを示した。(図18を参照されたい)。
(実施例12)
TBプロドラッグを含む製剤化および/または共製剤化リポソームの使用によるヒト癌の処置のためのヒト臨床試験
特に腫瘍細胞に蓄積し、ある特定の腫瘍ならびに他の免疫学的障害および/または他の疾患の処置において使用される、TBプロドラッグを含有する製剤化および/または共製剤化リポソームを、本発明に従って使用する。これらの適応症のそれぞれに関して、2つの臨床的手法が首尾よく探求される。
I.)補助的治療:補助的治療では、TBプロドラッグを含有する製剤化および/または共製剤化リポソームを、化学療法薬または医薬品またはバイオ医薬品またはそれらの組合せと組み合わせて用いて、患者を処置する。原発性がん標的を、標準プロトコール下で、TBプロドラッグを含有する製剤化および/または共製剤化リポソームの添加によって処置する。プロトコール設計では、それに限定されるものではないが、以下の、原発性または転移性病変の腫瘍量の低減、無増悪生存期間の延長、全生存期間、患者の健康状態の改善、疾患の安定化、ならびに標準化学療法および他の生物学的薬剤(biologic agent)の通常の用量を低減できることを含めた例によって評価される有効性に取り組む。これらの投与量の低減により、化学療法剤または生物学的薬剤の用量関連毒性を低減することによって追加の治療および/または治療の延長が可能になる。
II.)単剤療法:腫瘍の単剤療法における、TBプロドラッグを含有する製剤化および/または共製剤化リポソームの使用と関連して、TBプロドラッグを含有する製剤化および/または共製剤化リポソームを、化学療法剤または医薬品または生物学的薬剤(biological agent)なしに患者に投与する。一実施形態では、単剤療法を、広範な転移性疾患を有する末期がん患者において臨床的に実施する。プロトコール設計では、それに限定されるものではないが、以下の、原発性または転移性病変の腫瘍量の低減、無増悪生存期間の延長、全生存期間、患者の健康状態の改善、疾患の安定化、ならびに標準化学療法および他の生物学的薬剤の通常の用量を低減できることを含めた例によって評価される有効性に取り組む。
投与量
投与量レジメンは、最適な所望の応答を提供するために調整され得る。例えば、TBプロドラッグを含有する単一の製剤化および/または共製剤化リポソームを投与し得るか、いくつかの分割用量を経時的に投与し得るか、または治療状況の緊急性によって示される通りに用量を比例的に低減もしくは増加させ得る。「単位剤形」は、本明細書で使用される場合、処置される哺乳動物対象に対する単位投与量として適した、物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要な薬学的キャリアと関連して、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する。本発明の単位剤形の仕様は、(a)TBプロドラッグを含有する製剤化および/または共製剤化リポソームのユニークな特徴、(b)もしあれば、組合せ化合物の個々のメカニズム、(c)達成されるべき特定の治療効果または予防効果、ならびに(d)個体の感受性を処置するためのこのような化合物の配合技術において固有の制限によって規定され、かつそれらに直接依存する。
臨床開発計画(CDP)
CDPは、補助的治療または単剤療法に関連して、TBプロドラッグを含有する製剤化および/または共製剤化リポソームを使用する処置に従い、それを開発するものである。試験では、初めに安全性を実証し、その後、反復投与の有効性を確認する。試験は、標準化学療法および/または現在の治療標準と、加えて、TBプロドラッグを含有する製剤化および/または共製剤化リポソームを比較するオープンラベルである。理解される通り、患者の登録に関連して利用することができる非限定的な一基準は、当技術分野で公知の標準検出方法によって決定される通り、腫瘍におけるTGFβの発現である。
製剤化および/もしくは共製剤化リポソーム、または本明細書で開示される実施形態のいずれも、満足な薬理学的プロファイルおよび有望な生物薬剤学的特性、例えば中毒学的プロファイル、代謝および薬物動態特性、溶解度、ならびに透過性を有し得ると考えられる。適切な生物薬剤学的特性の決定は、当業者の知識内、例えば細胞における細胞傷害性の決定、または潜在毒性を決定するためのある特定の標的もしくはチャネルの阻害であることを理解されよう。
本発明は、本明細書で開示される実施形態によって範囲が制限されるものではなく、それらの実施形態は、本発明の個々の態様の単一の例示として意図され、機能的に等価なものはいずれも、本発明の範囲内にある。本明細書に記載されるものに加えて、本発明のモデル、方法、およびライフサイクル方法論の様々な変形が、上記の説明および教示から当業者に明らかになり、それらも同様に本発明の範囲に含まれることが意図される。このような変形または他の実施形態は、本発明の真の範囲および精神から逸脱することなく実施することができる。
表I. 脂質の例
表II. ヘルパー脂質の例
表III. リン脂質/脂肪酸の例
表IV. LNP-TB4共製剤の概要
表V.SLNP-TB4製剤および共製剤の概要