以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係るシート材貼付け装置1の基本構成を示す図である。なおシート材貼付け装置1を示す各図において、各種構成を支持する支持手段、および各種構成を駆動させる駆動手段などについては適宜図示を省略している。
本実施例に係るシート材貼付け装置1では、本実施例ではシート材PTを貼り付ける対象であるワークとして、図2(a)および図2(b)に示されるような皿状のワークWを用いるものとする。ワークWは、表面W1のうち周縁部Waは平坦となっている一方、回路が形成されている中央部Cpは凹状の曲面Wbを有している。なお、曲面Wbを有するワークWの形状としては皿状に限られることはなく、図2(c)に示されるような瓦状などが他の例として挙げられる。シート材貼付け装置1は、ワークWのうち少なくとも中央部Cpにシート材PTを貼り付けることを目的とする。シート材PTの例として、粘着性を有するフィルムまたは回路保護用の粘着テープなどが挙げられる。
本実施例に用いられるシート材PTは図3に示すように、非粘着性の基材Taと、粘着性を有する粘着材Tbとが積層した長尺状の構造を備えている。粘着材TbにはセパレータSが添設されている。すなわちシート材PTの粘着面にセパレータSが添設されており、セパレータSをシート材PTから剥離することによってシート材PTの粘着面が露出する。
基材Taを構成する材料の例として、ポリオレフィン、ポリエチレン、エチレン-ビニル酢酸共重合体、ポリエステル、ポリイミド、ポリウレタン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンメタアクリル酸共重合体、ポリプロピレン、メタアクリル酸テレフタレート、ポリアミドイミド、ポリウレタンエラストマーなどが挙げられる。なお、上述した材料を複数組み合わせたものを基材Taとして用いてもよい。また、基材Taは単層でもよいし、複数の層を積層させた構成でもよい。
粘着材Tbは、ワークWを保護する機能と、シート材PTがワークWに貼り付く状態を保持できる機能とを担保できる材料で構成されることが好ましい。粘着材Tbを構成する材料の例として、アクリル酸エステル共重合体、シリコーン、オレフィン、天然ゴム、ブタジエンゴム、セルロースなどが挙げられる。また粘着材Tbはエネルギー線照射または熱エネルギーにより硬化する材料を適宜選択することが好ましい。この場合、エネルギー線または熱エネルギーを加えることにより、シート材PTをワークWから剥離させることが容易となる。セパレータSの例として、長尺状の紙材やプラスチックなどが挙げられる。
<全体構成の説明>
シート材貼付け装置1は、シート供給部2と、セパレータ回収部3と、シート貼付けユニット4と、シート回収部5とを備えている。シート供給部2は、供給ボビン6、引張機構7、および剥離ローラ8などを備えている。供給ボビン6にはシート材PTが巻回された原反ロールが装填されている。
供給ボビン6は、電磁ブレーキ9に連動連結されて適度の回転抵抗がかけられている。そのため、供給ボビン6から過剰にシート材PTが繰り出されることを防止できる。引張機構7は、揺動アーム10を揺動させるシリンダ11を備えている。揺動アーム10は、固定端の支軸に遊転ローラ12が軸支されており、自由端側にダンサローラ13を備えている。
従って、シリンダ11の作動に連動して揺動する揺動アーム10の自由端側のダンサローラ13が下降し、シート材PTを下方に押し下げてテンションを付与するように構成されている。原反ロール6から繰り出されたシート材PTは、ガイドローラ14などによって繰り出し方向にテンションが付与されており、皺が発生しないよう調整されている。
剥離ローラ8は、シート材PTからセパレータSを剥離し、セパレータ回収部3へと導くように構成される。セパレータ回収部3は、シート材PTから剥離されたセパレータSを巻き取る回収ボビン15が備えられている。回収ボビン15は、図示しないモータなどによって正逆に回転駆動制御される。
シート貼付けユニット4は、チャンバ17、シート貼付け機構18、ニップローラ19、シート切断機構21を備えている。チャンバ17は、シート材PTの幅より小さい内径を有する上下一対のハウジング、すなわち上ハウジング20と下ハウジング22とによって構成される。本実施例に係るシート材貼付け装置1は、1つの上ハウジング20と2つの下ハウジング22を備えている。2つの下ハウジング22のうち、一方を下ハウジング22A、他方を下ハウジング22Bとして区別する。
下ハウジング22A、22Bは図4に示すように、旋回アーム23の両端にそれぞれ備えられている。旋回アーム23は、回転駆動装置25の回転軸27に連結固定されている。すなわち、例えば一方の下ハウジング22Aが貼付け領域P1へ移動して上ハウジング20とチャンバ17を形成する場合、他方の下ハウジング22Bは退避領域P2に移動するように構成されている。図1および図4などに示すように、貼付け領域P1において、上ハウジング20と下ハウジング22との間にシート材PTが繰り出されるように調整されている。
また、下ハウジング22Aおよび22Bの上面には接合部29が形成されており、上ハウジング20の下面には接合部30が形成されている。接合部29および接合部30を介して上ハウジング20と下ハウジング22とが接合することによって、チャンバ17が形成される。接合部29および接合部30の接合面は、フッ素加工を一例とする離型処理が施されている。
図4ないし図6に示すように、下ハウジング22Aおよび下ハウジング22Bの各々には保持テーブル31が収納されている。保持テーブル31は昇降可能となるように構成されており、ワークWを保持するワーク保持部33を備えている。ワーク保持部33の中央部にはワーク載置面35が形成されている。ワーク載置面35は、ワークWの下面に沿った形状となっている。本実施例において、ワーク載置面35は平面視で円型となっており、断面視で凹型となる形状を有している。ワーク載置面35にワークWを載置させることにより、ワークWをより安定に保持できる。
なお、ワーク載置面35にワークWを載置させた状態において、ワークWの周縁部Waの高さが保持テーブル31の上面の高さより高くなるようにワーク載置面35の形状が予め定められていることが好ましい(図7を参照)。ワークWの周縁部Waの高さを保持テーブル31の上面より高くすることにより、シート材PTを貼り付けた後のワークWを保持テーブル31から離隔させることがより容易となる。
保持テーブル31は、下ハウジング22を貫通するロッド37と連結されている。ロッド37の他端はモータなどを備えるアクチュエータ39に駆動連結されている。そのため、保持テーブル31は下ハウジング22の内部で昇降移動が可能となっている。
保持テーブル31には複数本の支持ピン41が内蔵されている。支持ピン41は上下移動可能となるように構成されており、その先端をワーク保持部33の保持面より高く突き上げることができる。また保持テーブル31にはヒータ43が埋設されている。
上ハウジング20は図6に示すように、駆動機構44に備えられている。駆動機構44は、縦壁45の背部に縦向きに配置されたレール46に沿って昇降可能な可動台47と、可動台47に高さ調節可能となるよう支持されている可動枠48と、可動枠48から前方に向けて延出されたアーム49とを備えている。アーム49の先端部から下方に延出する支軸50に上ハウジング20が装着されている。
可動台47は、ネジ軸51をモータ52によって正逆転することによってねじ送り昇降されるように構成されている。さらに、上ハウジング20は可動台47の回転またはアーム49の伸縮を例とする動作により、適宜のタイミングで貼付け領域P1から退避できるように構成されている。
上ハウジング20および下ハウジング22は、図7に示すように、流路53を介して真空装置55に連通接続されている。真空装置55側の流路53には電磁バルブ56が備えられている。また、上ハウジング20および下ハウジング22には、大気開放用の電磁バルブ57、58を備えた流路59がそれぞれ連通接続されている。さらに、上ハウジング20には、一旦減圧した内圧をリークにより調整する電磁バルブ60を備えた流路61が連通接続されている。
なお、電磁バルブ56、57、58、60の開閉操作および真空装置55の作動は、制御部62によって行われている。制御部62はCPU(中央演算処理装置)などを備えており、シート材貼付け装置1に設けられている構成の各々について、各種動作などを統括制御できるように構成されている。
シート貼付け機構18は図4などに示すように、上ハウジング20の内部に変形部材63を備えている。変形部材63の上部にはシリンダ65が連結されており、シリンダ65の動作によって変形部材63はチャンバ17の内部で昇降できる。上ハウジング20と下ハウジング22とによってシート材PTを挟み込んだ状態で変形部材63を下降させることにより、変形部材63はシート材PTを変形させる。変形部材63を構成する材料の好ましい例としては弾性体が挙げられ、弾性体の一例としてはゴム、ウレタン、エラストマーなどが挙げられる。変形部材63が弾性体である場合、変形部材63がシート材PTを介してワークWに接触する際に、変形部材63はワークWの曲面Wbの形状に応じて弾性変形する。シート材PTをワークWへ好適に密着できるとともにシート材PTまたはワークWが損傷を受けることを防止できる。
ニップローラ19は、モータによって駆動する送りローラ67と、シリンダによって昇降するピンチローラ68とを備えている。ニップローラ19は、案内レール69に沿って左右に移動可能に構成される。案内レール69は、チャンバ17を挟んで装置基台70に立設された一対の支持フレーム71に架設されている。
シート切断機構21は貼付け領域P1の上方に配設されており、図1に示すように、支持アーム73の先端に設けられているカッタユニット75を備えている。支持アーム73は、可動台77から片持ち支持されたアームの先端下部で径方向に伸びている。可動台77はフレーム79に沿って昇降可能に構成される。
カッタユニット75には、刃先を下向きにしたカッタ81がカッタホルダを介して装着されている。なお、カッタユニット75は、支持アーム73を介して旋回半径を調整可能になっている。シート切断機構21は、ワークWに貼り付けられたシート材PTを、ワークWの周縁部Waと略同じ形状および大きさとなるように切断する。
シート回収部5は図1に示すように、切断後に剥離された不要なシート材PTを巻き取り回収する回収ボビン83を備えている。回収ボビン83は、図示されていないモータによって正逆に回転駆動制御されるように構成されている。
変形部材63は図7および図8などに示すように、基端部91と先端部93とを備えている。実施例1において、基端部91は略円柱状の部材であり、先端部93は下面が球面となった形状の部材が用いられる。言い換えると、先端部93は球体の一部を切り取った形状の部材が用いられる。先端部93は基端部91の下部に接続されており、先端部93の下面側に当接面95が形成されている。当接面95は曲面を有しており、変形部材63が下降することによって当接面95がシート材PTに当接する。実施例1において、当接面95は球面の一部を構成するような曲面を有している。
図8および図9は、変形部材63における当接面95の形状とワークWにおける曲面Wbの形状との関係を示している。図8に示すように、当接面95の縦断面における幅を当接面95の断面幅aとし、ワークWの縦断面における曲面Wbの幅を曲面Wbの断面幅bとする。すなわち本実施例において、当接面95の断面幅aはx方向における当接面95の長さに相当する。また曲面Wbの断面幅bは、x方向における曲面Wbの長さに相当する。実施例1に係るシート材貼付け装置1において、当接面95の断面幅aと曲面Wbの断面幅bとは、以下の(1)に示す条件を満たすように構成される。
a≧0.3×b ……(1)
すなわち当接面95の断面幅aは、曲面Wbの幅bの0.3倍以上となるように構成される。このように、断面幅bに対する断面幅aの比が0.3以上になるように変形部材63の構成を定めることにより、後述するように、変形部材63を用いてシート材PTを変形させる場合において、当接面95が当接して変形された部分におけるシート材PTの延伸率と、当接面95が当接していない部分におけるシート材PTの延伸率の比を低減できる。言い換えると、変形部材63によってシート材PTを変形させた場合において、シート材PTの全体における延伸率のバラツキを抑えることができる。
また実施例1に係るシート材貼付け装置1において、変形部材63における当接面95の曲率は、ワークWにおける曲面Wbの曲率よりも大きくなるように構成される。ここで図9を用いて、当接面95の曲率と曲面Wbの曲率について説明する。図9は図8と同様に、変形部材63およびワークWの縦断面を示している。
図9において、変形部材63の当接面95における所定の点を符号NPで示しており、点NPにおける当接面95の法線を符号T1で示している。また変形部材63の幅方向(ここではx方向)における当接面95の一端部を符号NLで示しており、当接面95の他端部を符号NRで示している。曲面となっている当接面95の曲率は、円弧状となっている当接面95に沿って点NPが一端部NLから他端部NRまで移動する間における法線T1の傾きの変化量に相当する。
また図9において、ワークWの曲面Wbにおける所定の点を符号WPで示しており、点WPにおける曲面Wbの法線を符号T2で示している。また曲面Wbの幅方向(ここではx方向)における曲面Wbの一端部を符号WLで示しており、曲面Wbの他端部を符号WRで示している。ワークWにおける曲面Wbの曲率は、円弧状となっている曲面Wbに沿って点WPが一端部WLから他端部WRまで移動する間における法線T2の傾きの変化量に相当する。
<動作の概要>
ここで、実施例1に係るシート材貼付け装置1の基本動作を説明する。図10(a)は、シート材貼付け装置1を用いて、ワークWにシート材PTを貼り付ける工程を説明するフローチャートである。なお初期状態において、下ハウジング22のうち、下ハウジング22Aは退避領域P2に配置されており、下ハウジング22Bは上ハウジング20とともに貼付け領域P1に配置されているものとする。
ステップS1(ワークの供給)
貼付け指令が出されると、図示しない搬送装置によって、ワークWが保持テーブル31に搬送される。このとき、退避位置P2に配置されている下ハウジング22(本実施例では下ハウジング22A)の内部にある保持テーブル31へとワークWが搬送される。搬送装置の例としては、真空吸着式のロボットアームなどが挙げられる。
また、適宜のタイミングにおいてヒータ43による加熱を開始する。ヒータ43が保持テーブル31を加熱することによって、後の工程においてワークWとともにシート材PTが加熱される。その結果、シート材PTを構成する材料が柔らかくなるので、シート材PTをより変形しやすくすることができる。
ワークWが搬送されると、保持テーブル31が適宜上昇するとともに、保持テーブル31に内蔵されている支持ピン41がワーク保持部33から突出して受け取り位置へと上昇する。そして図11に示すように、下ハウジング22Aの上面より高い位置に突き上げられた支持ピン41の先端部にワークWが受け渡される。
ワークWが受け渡されると支持ピン41は下降して初期位置へと復帰し、ワーク保持部33のワーク載置面35にワークWが載置される。このとき、ワーク載置面35を介して保持テーブル31に保持されているワークWの周縁部Waの高さは、下ハウジング22Aの上面の高さより低い位置となるように保持テーブル31の高さが調整される。なお、ワークWをより安定に保持すべく、図示しない真空装置などによって保持テーブル31がワーク載置面35を介してワークWの裏面を真空吸着してもよい。ステップS1の工程により、裏面W2が下向きとなっており、曲面Wbを有する表面W1が上向きとなっている状態で、ワークWは保持テーブル31によって保持される。
なおこのとき、ピンチローラ68を上昇させて送りローラ67との協働によりシート材PTをニップするとともに、ダンサローラ13を所定高さまで揺動下降させ、シート材PTの長手方向に予め決められたテンションを付与している。
ステップS2(チャンバの形成)
保持テーブル31によってワークWが保持されると、図12に示すように、回転駆動装置25を作動させて旋回アーム23を旋回させる。旋回アーム23の旋回により、下ハウジング22Aを退避領域P2から貼付け領域P1へと移動させる。下ハウジング22Aの移動に連動して、下ハウジング22Bは貼付け領域P1から退避領域P2へと移動する。下ハウジング22Aが貼付け領域P1へ移動した状態において、保持テーブル31に保持されているワークWは、シート材PTから所定のクリアランスを有している。
下ハウジング22Aを貼付け領域P1へ移動させた後、図13に示すように、上ハウジング20を下降させる。当該下降に伴って、上ハウジング20および下ハウジング22Aはシート材PTを挟み込んでチャンバ17を形成する。
形成されたチャンバ17の内部空間は、シート材PTによって2つの空間に区画されている。すなわち、シート材PTおよび下ハウジング22Aによって囲まれる下空間H1と、シート材PTおよび上ハウジング20によって囲まれる上空間H2とに区画される。ワークWおよび保持テーブル31は下空間H1に配置され、上空間H2はシート材PTを介在して下空間H1に対向している。
ステップS3(シート材の変形)
チャンバ17を形成させた後、リーク用の電磁バルブ60を閉じるとともに、電磁バルブ56、57、58を開いて真空装置53を作動させ、下空間H1および上空間H2の減圧を行う。このとき、下空間H1および上空間H2が同じ速度で減圧するように、電磁バルブ57および58の開度を調整する。下空間H1および上空間H2の気圧が、所定の気圧(一例として真空状態)に減圧されると、制御部62は電磁バルブ56-58を閉じるとともに真空装置53の作動を停止させる。
下空間H1および上空間H2を所定の気圧にまで減圧させた後、制御部62はシート貼付機構18を作動させる。すなわち、制御部62は変形部材63を下降させる。変形部材63が下降することにより、図14に示すように、変形部材63の先端部93がシート材PTに接触して押圧していく。当該押圧によりシート材PTの一部は先端部93に設けられている当接面95の形状に応じて変形され、ワークWに向かう形状を有する突出部Vがシート材PTに形成される。本実施例ではワークWが下空間H1に収納されているので、突出部Vは下空間H1へ向かう形状となる。
制御部62はさらに変形部材63を下降させる。変形部材63の下降を続けることによってシート材PTは先端部93によって押し下げられる。その結果、図15に示すように、シート材PTのうち突出部Vとして変形されている部分が、ワークWの曲面Wbの一部に接触する。図15などでは、曲面Wbのうち突出部Vが接触する領域を接触領域M1として示している。本実施例において、接触領域M1は曲面Wbの最深部Wcを含む領域となるように変形部材63の配設位置が調整されている。変形部材63が突出部Vを介して曲面Wbに接触することにより、制御部62は変形部材63の下降を停止させる。
ステップS4(シート材の貼付け)
突出部VをワークWの曲面Wbの一部に接触させた後、シート材をワークに貼り付ける工程を開始する。すなわち突出部Vが曲面Wbに接触している状態で、制御部62は電磁バルブ60の開度を調整してリークさせながら、予め設定された目標値となるように上空間H2の気圧を徐々に高める。
電磁バルブ60の調整により、上空間H2の気圧は下空間H1の気圧より高くなり、両空間の間に差圧Fが形成される。そして上空間H2と下空間H1との差圧Fによって、シート材PTが下ハウジング22Aへと徐々に引き込まれる。
差圧Fが形成される時点において、シート材PTの一部である突出部Vは既に曲面Wbのうち接触領域M1に接触している。そのため図16に示すように、シート材PTはワークWの曲面Wbに、接触領域M1から外周に向けて放射状に貼り付けられていく。そして図17に示すように、シート材PTは曲面Wbの全面にわたって貼り付けられて密着する。すなわち、ワークWのうち表面W1の中央部Cpの全面にわたってシート材PTが貼り付けられる。本実施例では、中央部Cpにシート材PTが貼り付けられた後、さらに差圧Fを維持し、表面W1の周縁部Waにもシート材PTが貼り付けられる。
制御部62は、所定時間経過後に電磁バルブ57、58を開き、下空間H1の気圧と上空間H2の気圧とが同じとなるように調整する。下空間H1および上空間H2の気圧が等しくなると、制御部62は電磁バルブ60の開度を調整しながら下空間H1の気圧と上空間H2の気圧とを大気圧にまで戻す。その後、上ハウジング20を上昇させて大気開放する。
なお、チャンバ17内でシート材PTをワークWに貼り付けている間に、退避領域P2へ移動していた下ハウジング22BにおいてステップS1の工程を行うことができる。下ハウジング22を複数設けて交互にシート材PTをワークWに貼り付ける工程を行うことにより、ワークWに対するシート材PTの貼付け効率を向上できる。
ステップS5(シート材の切断)
シート材PTがワークWに貼り付けられると、シート材PTの切断工程を開始する。すなわち、上ハウジング20を貼付け領域P1から適切な位置へと退避させる。このとき、保持テーブル31を適宜上昇させてもよい。本実施例では、ワークWの周縁部Waの表面と下ハウジング22Aの上面とが面一となる高さまで保持テーブル31を上昇させるものとする。
さらにシート切断機構21のカッタユニット75を、所定の高さまで下降させる。保持テーブル31およびシート切断機構21の昇降移動により、図18に示すように、ワークWの周縁部Waから外側へわずかに離れた部分において、カッタ81がシート材PTに突き刺される。
カッタ81がシート材PTに突き刺されると、支持アーム73が縦軸心Pを旋回中心として旋回する。本実施例において、縦軸心Pは保持テーブル31の中心およびワークWの中心を通る軸であるものとする。支持アーム73の旋回に伴ってカッタ81がワークWの周縁部Waの外周に沿って旋回移動し、シート材PTは周縁部Waと略同じ形状および大きさに切断される。シート材PTの切断が完了すると、カッタユニット75は上昇して待機位置に戻る。
さらに、ニップローラ19に設けられているピンチローラ68を下降させてシート材PTのニップを解除する。そして図19に示すように、テープ供給部2に向けてニップローラ19を案内レール69に沿って移動させることにより、シート材PTのうち、周縁部Waの外形に沿って切り抜かれた部分のシート材PTwと、シート材PTw以外の部分のシート材PTaとを分離させる。
ステップS6(ワークの回収)
シート材PTの切断および分離が完了すると、回転駆動装置25を作動させて旋回アーム23を旋回させる。旋回アーム23の旋回により、下ハウジング22Aを貼付け領域P1から退避領域P2へと移動させる。下ハウジング22Aの移動に連動して、下ハウジング22Bは貼付け領域P1へと移動する。そしてシート材PTwが曲面Wbに貼り付けられたワークWは図示しない搬送機構によって搬出され、図示しないワーク収納部へと回収される。
シート材PTwから分離されたシート材PTaは、シート回収部5の回収ボビン83によって巻き取り回収される。シート材PTaが回収されるとともに、シート供給部2から所定量のシート材PTが繰り出される。
以上で一巡の動作が終了し、以後、ステップS1からステップS6までの動作を順次繰返してゆく。
<実施例1の構成による効果>
上記実施例1に係る装置によれば、曲面Wbを有するワークWに対してシート材PTを精度良く貼り付けることができる。ここで実施例1の構成による効果について、従来の構成と比較しつつ説明する。
特許文献1または特許文献2に開示されるような従来の貼付け装置では、平坦な形状のワークに対してシート材PTを貼り付ける工程を想定している。そのため、ワークが曲面を有する場合、従来の貼付け装置では、当該ワークにシート材PTを精度良く貼り付けることが困難となるという知見が新たに得られた。
精度良く貼り付けることが困難となる原因について、次のようなものが考えられる。すなわち差圧を用いてシート材をワークに貼り付ける一般的な従来の構成では図20(a)に示すように、シート材PTが平坦な状態でチャンバTyの内部に差圧Fを発生させ、当該差圧Fを用いてシート材PTをワークWに貼り付ける。このような一般的な従来の構成では、チャンバTy内部のシート材PT全体が一様に差圧Fによって変形していく。よって、ワークWのうちシート材PTとの距離が遠い部分と比べて、シート材PTとの距離が近い部分の方が先にシート材PTと接触することとなる。
そのため曲面Wbを有するワークWをワークとして用いる場合、図20(b)に示すように、シート材PTは凹状となっておりz方向に低い位置にあるワークWの曲面Wbより先に、平坦かつz方向に高い位置にあるワークWの周縁部Waへ接触する。このようにシート材PTが周縁部Waに接触することによって、シート材PTにテンションTxが発生する。
この場合、シート材PTが周縁部Waに接触した状態からさらにシート材PTの中央部が曲面Wbに追従しようと変形していく。しかし、シート材PTにテンションTxが発生しており、当該テンションTxは追従変形するにつれて徐々に大きくなるので、シート材PTがこれ以上変形しきれず、シート材PTの一部が曲面Wbに追従できない事態が発生する。
このような事態が発生した場合、曲面Wbに追従した変形ができない部分のシート材PTは曲面Wbに密着できないので、図20(c)に示すように、シート材PTとワークWの曲面Wbとの間に気泡Voが発生する。特に曲面Wbのうち最も深い部分である最深部Wcは、差圧によって変形するシート材PTが最後に接触する部分であるので気泡Voが高頻度で発生する。そのため、曲面Wbのうち特に深い部分においてシート材PTの密着精度が低くなる。
シート材PTが先に周縁部Waへ接触することによって発生するテンションTxは、別の問題も引き起こすと考えられる。すなわち、テンションTxが発生している状態で曲面Wbに追従変形すると、シート材PTが不均一に変形してしまい、結果として図20(d)に示すように、曲面Wbのうち予期していない領域Wbxにシート材PTの一部が先に貼り付いてしまう事態が発生する。このような事態が発生すると、シート材PTは密着するように曲面Wbへ貼り付くことができず、図20(e)に示すように、領域Wbxに接触したシート材PTの部分が皺Swとなる。
また、テンションTxが発生している状態でシート材PTが曲面Wbに貼り付けたとしても、テンションTxに起因して強い引張応力がシート材PTに蓄積する。そのため、時間経過とともにシート材PTは引張応力によって曲面Wbから剥がれてしまい、気泡Voや皺Swが発生することも考えられる。
ワークWの曲面Wbにシート材PTを貼り付ける際に、曲面Wbより先に周縁部Waへシート材PTが接触する事態を回避する構成として、特許文献1の構成では図21(a)に示すように、チャンバTyの内部に細い棒状の突起部材101を配設させる。そして図21(b)に示すように突起部材101を下降させ、シート材PTの中央部分Q1を押圧部材Kで押圧してワークWに貼り付けた後に、差圧を発生させてシート材PTを中央部分から放射状に拡がるようにワークWの全面に密着させる。
しかしながら特許文献1の構成では新たに以下のような問題が発生することが分かった。すなわち図21(b)に示すように、突起部材101は細い棒状部材であるので、シート材PTのうち非常に狭い領域Q1に当接して押圧する。そのため、狭い領域Q1に対して非常に大きい押圧力が作用するので、シート材PTのうち領域Q1の部分は当該押圧力によって大きく延伸する。すなわち領域Q1におけるシート材PTの延伸率が非常に高くなる。またシート材PTは延伸すると薄くなる。すなわちシート材PTのうち領域Q1の部分は厚みが薄くなる。
一方、シート材PTのうち突起部材101が当接しない領域Q2では突起部材101によって作用する押圧力が非常に弱いので、領域Q2におけるシート材PTの延伸率は低くなる。また領域Q2におけるシート材PTは領域Q1におけるシート材PTと比べて厚みが大きい。すなわち特許文献1の構成では突起部材101に起因して、シート材PTの位置に応じて延伸率のバラツキおよび厚みのバラツキが発生する。
このような延伸率のバラツキおよび厚みのバラツキが発生した状態でシート材PTがワークWの曲面Wbに貼り付けられると、曲面Wbに貼り付けられたシート材PTは図21(c)に示すような状態となる。すなわち曲面Wbの中央部にはシート材PTのうち領域Q1の部分が貼り付けられ、曲面Wbの周縁部にはシート材PTのうち領域Q2の部分が貼り付けられる。そのため、曲面Wbのうち中央部では貼り付けられているシート材PTの厚みが比較的薄く、曲面Wbのうち周縁部では貼り付けられているシート材PTの厚みが比較的厚くなる。
光透過性を例とするシート材PTの特性は、シート材PTの厚みに応じて大きく異なる。その結果、曲面Wbの中央部に貼り付けられたシート材PTの特性と曲面Wbの周縁部に貼り付けられたシート材PTの特性とが大きく異なることとなる。従って、特許文献1に係る従来のシート材貼付け装置では曲面Wbの全体においてシート材PTの特性を均一に発揮させることが困難となると考えられる。
一方、実施例1に係るシート材貼付け装置1では、変形部材63の当接面95を用いてシート材PTを変形させ、当該変形した部分のシート材PTをワークWの曲面Wbに当接させる。そして変形した部分のシート材PTをワークWの曲面Wbに当接させた状態で、差圧Fを発生させてシート材PTを曲面Wbの全体へ貼り付けていく。変形部材63の当接面95は、その曲率がワークWの曲面Wbの曲率より大きくなるように構成される。また当接面95の断面幅aと曲面Wbの断面幅bとがa≧0.3×bの条件を満たすように、ワークWの曲面Wbに対する当接面95の構成が定められる。
変形部材63において当接面95の断面幅または曲率が当該条件を満たすように構成されることで、変形部材63をシート材PTに当接させた場合において当接面95が当接するシート材PTの範囲をより大きくできる。その結果、変形部材63がシート材PTを変形させる工程において、シート材PTの単位面積あたりに作用する押圧力を低減できるので、当接面95が当接する領域においてシート材PTの延伸率が過度に増大することを抑制できる。従って、シート材PTのうち当接面95が当接する領域と当接面95が当接しない領域とにおける延伸率の差が小さくなるので、ワークWの曲面Wbに貼り付けられたシート材PTの全体における延伸率のバラツキを低減できる。すなわち曲面Wb上においてシート材PTの厚みのバラツキを低減できるので、曲面Wbに貼り付けられたシート材PTの全体において、より均一にシート材の特性を発揮させることができる。
なお本実施例において、シート材PTの延伸率は一例として以下の方法で算出される。図22(a)は延伸率を算出する第1の例を示している。図22(a)の左図は、変形部材63の当接面95がシート材PTに当接していない状態における、変形部材63およびシート材PTを示している。この状態において、シート材PTのうち当接面95に対向する部分Jの長さをF1とする。図22(a)の左図では当接面95がシート材PTに当接していないので、長さF1は当接面95の断面幅aに等しい。
次に、図22(a)の右図は、変形部材63の当接面95がシート材PTに当接している状態における、変形部材63およびシート材PTを示している。この状態において、シート材PTのうち当接面95に対向する部分(当接面95が当接している部分)の長さをF2とする。図22(a)の右図では当接面95に沿ってシート材PTが変形しているので、長さF2は当接面95の表面に沿った長さである。当該第1の例において、変形部材63を当接させることによるシート材PTの延伸率Exは、シート材PTの変形前における長さF1とシート材PTの変形後における長さF2とを用いて以下の(3)に示す数式によって算出される。
Ex=(F2-F1)/F1 ……(3)
上述した(3)の式において、F1は当初における対向部分Jの長さに相当し、(F2-F1)は対向部分Jにおいて変形部材63によって延伸した分の長さに相当する。そのため(3)の数式によってシート材PTの延伸率Exを算出することができる。
次に、図22(b)は延伸率を算出する第2の例を示している。図22(b)の左図は、変形部材63を当接させる前におけるシート材PTの平面図を示している。また図22(b)の右図は、変形部材63を当接させた後におけるシート材PTの平面図を示している。すなわち変形部材63の当接面95をシート材PTに当接させることにより、x方向におけるシート材PTの長さはX1からX2へと変化しており、y方向におけるシート材PTの長さはY1からY2へと変化しているものとする。当該第2の例において、変形部材63を当接させることによるシート材PTの延伸率Exは、長さX1と長さX2と長さY1と長さY2とを用いて、以下の(4)に示す数式によって算出されることも可能である。なお(X1・Y1)の項は、長さX1と長さY1との積に相当する。
また実施例1に係る構成において、変形部材63における当接面95の曲率はワークWにおける曲面Wbの曲率よりも大きくなるように構成されている。そのため当接面95によって変形させたシート材PTを変形部材63とともにワークWの曲面Wbへ近接させることにより、曲面Wbのうち最も深い部分である最深部Wcに対して、最初にシート材PTを接触させることが容易となる。そのため差圧によってシート材PTを曲面Wbに貼りつける工程において、シート材PTは最深部Wcから外側へ向けて放射状に貼りつけられていくこととなる。よって、従来では気泡が特に発生し易い部分と考えられる最深部Wcにおいて気泡が巻き込まれることを確実に回避できるので、曲面Wbに対するシート材PTの密着性を更に向上させることができる。
また当接面95の曲率をワークWにおける曲面Wbの曲率よりも大きくすることにより、変形部材63の位置とワークWの位置との間にズレが発生した場合であってもシート材PTを精度良く貼り付けられるという新たな効果が得られることが分かった。図23の各図を用いて当該効果について説明する。
図23(a)は、当接面95の形状がワークWの曲面Wbの形状と一致している構成を示している。この場合、当接面95の曲率および断面幅は、ワークWにおける曲面Wbの曲率および断面幅と等しい。このような、当接面95の形状がワークWの曲面Wbの形状と一致している構成では、x方向およびy方向における変形部材63の位置とワークWの位置とが精度良く一致している場合はシート材PTを精度良く曲面Wbの全体に貼り付けることができる。すなわち当接面95の中心線Knと曲面Wbの中心線Kwの位置が一致している場合、変形部材63を下降させることによって当接面95がワークWの曲面Wbの全体と嵌合するように当接するので、シート材PTを精度良く曲面Wbの全体に貼り付けることができる。
しかしながら、当接面95の形状がワークWの曲面Wbの形状と一致している構成では、当接面95の中心線Knと曲面Wbの中心線Kwの位置が僅かにズレることに起因して、シート材PTの貼り付け精度が大きく低下する。図23(a)は当接面95の形状がワークWの曲面Wbの形状と一致している構成において、当接面95の中心線Knと曲面Wbの中心線Kwの位置がx方向へ僅かにズレている状態を示している。
図23(a)に示す状態で変形部材63を下降させた場合、変形部材63とワークWとの位置関係は図23(b)に示すような状態となる。当接面95の中心線Knと曲面Wbの中心線Kwの位置がズレると、位置がズレる距離(位置ズレ量)が僅かであったとしても当接面95は曲面Wbに当接することができなくなる。すなわち当接面95はシート材PTを介して、平坦な周縁部Wa、または周縁部Waと曲面Wbとの境界部分(一例として一端部WLまたは他端部WR)に接触することとなる。
図23(b)に示すような状態では当接面95が曲面Wbに嵌合していないため、変形部材63をさらに下降させてもシート材PTを曲面Wbへ精度良く貼り付けることができない。また図23(b)に示すような状態で差圧Fを発生させた場合であっても、ワークWの曲面Wbより先に周縁部Waにシート材PTが貼り付けられるので、シート材PTとワークWとの間に気泡Voが混入する事態またはワークWに貼り付けられたシート材PTに皺Wbxが形成される事態が高頻度で発生する(図20(b)~(d)を参照)。
そのため、当接面95の形状がワークWの曲面Wbの形状と一致している構成では、水平方向(x方向およびy方向)における変形部材63の位置とワークWの位置とを非常に高い精度で一致させる必要があり、僅かな位置ズレが発生することによってシート材PTの貼り付け精度が大きく低下することとなる。
一方、変形部材63における当接面95の曲率がワークWにおける曲面Wbの曲率より大きい場合、変形部材63とワークWとの位置ズレが発生した場合であってもシート材PTを精度良く貼り付けることができる。図23(c)は、当接面95の中心線Knと曲面Wbの中心線Kwの位置がx方向にズレている場合において、変形部材63を下降させてワークWに接触させた状態を示している。
当接面95の曲率が曲面Wbの曲率より大きい場合、当接面95の中央部とワークWの曲面Wbとの距離は、確実に当接面95の周縁部とワークWの曲面Wbとの距離より大きくなる。そのため当接面95の中心線Knと曲面Wbの中心線Kwの位置が水平方向にズレた場合であっても、図23(c)に示すように、曲面となっている当接面95の部分が確実にワークWの曲面Wbと当接することになる。
また位置ズレが発生した場合において当接面95と曲面Wbとが接触する領域M2の位置は、位置ズレが発生しない場合における接触領域M1の位置(一例として最深部Wcの位置)から近い。そのため、当接面95がシート材PTを介して曲面Wbにおける接触領域M2に接触している状態で差圧Fを発生させる場合において、シート材PTは接触領域M1(最深部Wc)から近い接触領域M2を起点として放射状に拡がるように曲面Wbの全体へと貼り付けられていく。
その結果、気泡Voが混入する事態または皺Wbxが発生する事態を確実に防止できる。すなわち当接面95の形状がワークWの曲面Wbの形状と一致している構成と異なり、当接面95の曲率が曲面Wbの曲率より大きい構成では水平方向における変形部材63とワークWとの位置ズレに対する許容量が非常に大きくなる。言い換えると、当接面95の曲率が曲面Wbの曲率より大きい構成では、当接面95の中心線Knと曲面Wbの中心線Kwの位置が水平方向にズレた場合であっても、シート材PTをワークWの曲面Wbへ精度よく貼り付けることができる。
次に、本発明の実施例2を説明する。実施例1では曲面Wbを有するワークWに対して、長尺状のシート材PTを貼り付ける構成を例にとって説明した。実施例2では、ワークWの形状に応じた所定形状の断片となっているシート材PTを、曲面Wbを含む所定の領域に貼り付ける構成を例にとって説明する。すなわち、実施例2ではプリカット粘着テープをワークに貼り付ける構成を例として説明する。なお、実施例1に係るシート材貼付け装置1と同一構成については同一符号を付すに留め、異なる構成部分について詳述する。
図24に示すように、実施例2に係るシート材PTは予め所定の形状に切り抜かれており、各々のシート材PTは長尺状のキャリアテープCTによって保持されている。すなわち実施例2に係るシート材貼付け装置1Aにおいて、所定形状の断片となっているシート材PTがキャリアテープCTの上で所定の距離ごとに配置されており、当該キャリアテープCTがシート材PTとともにシート供給部2から繰り出し供給される。シート貼付けユニット4は断片状のシート材PTを、曲面Wbを有するワークWの回路形成面に貼りつける。シート回収部5は、シート材PTから剥離されたキャリアテープCTを巻き取り回収する。
なお本実施例において、シート材PTの形状は円形であるものとする。また、シート材PTは既にワークWの外形に応じた形状となっているため、シート材貼付け装置1Aではシート切断機構21を省略できる。
実施例2に係るシート材貼付け装置1Aの動作について、実施例1と相違する点を図示しつつ説明する。シート材貼付け装置1Aの動作のフローチャートは、図10(b)に示される通りである。実施例2に係るシート材貼付け工程の概要は、実施例1に係る工程と同様であるので、細部については適宜説明を省略する。
ステップS1(ワークの供給)
ステップS1において、曲面Wbを有するワークWを退避領域P2に配置されている下ハウジング22Aへと搬送する。そして下ハウジング22Aに収納されている保持テーブル31にワークWを載置させ、保持テーブル31のワーク載置面35を介してワークWを保持する。ワークWは、曲面Wbを有する表面W1の側を上向きにした状態で保持される。
ステップS2(チャンバの形成)
次にステップS2において、下ハウジング22Aを貼付け領域P1へと移動させる。なおこのとき、繰り出されているシート材PTの位置はワークWの曲面Wbの上方となるように予め調整される。下ハウジング22Aを移動させた後、上ハウジング20を下降させる。図25に示すように、上ハウジング20および下ハウジング22AがキャリアテープCTを挟み込んで接合することによってチャンバ17が形成される。
形成されたチャンバ17の内部空間は、キャリアテープCTによって2つの空間に区画される。すなわち、キャリアテープCTおよび下ハウジング22Aによって囲まれる下空間H1と、キャリアテープCTおよび上ハウジング20によって囲まれる上空間H2とに区画される。
ステップS3(シート材の変形)
チャンバ17を形成させた後、真空装置53を作動させ、下空間H1および上空間H2を同じ速度で減圧させる。下空間H1および上空間H2の気圧が所定の気圧にまで減圧されると、シート貼付機構18の作動を開始して変形部材63を下降させる。変形部材63を下降させることによって、図26に示すように、変形部材63の先端部93に設けられている当接面95がキャリアテープCTを介してシート材PTに接触し、シート材PTを押圧していく。当該押圧によりシート材PTの一部は当接面95の形状に応じて変形され、突出部Vが形成される。
当接面95によってシート材PTを変形させた後、制御部62はさらに変形部材63を下降させる。変形部材63の下降を続けることによって、図27に示すように、突出部VはワークWの曲面Wbの一部に接触する。実施例1と同様に、曲面Wbのうち突出部Vが接触する接触領域M1は、曲面Wbの最深部Wcを含む領域となるように変形部材63の配設位置が調整されることが好ましい。変形部材63が突出部Vを介して曲面Wbに接触することにより、制御部62は変形部材63の下降を停止させる。
ステップS4(シート材の貼付け)
突出部VをワークWの曲面Wbの一部に接触させた後、突出部Vが曲面Wbに接触している状態で、上空間H2と下空間H1との間に差圧を形成させる。上空間H2と下空間H1との差圧によって、シート材PTが下ハウジング22Aへと徐々に引き込まれていく。そして接触領域M1から周縁部に向けて放射状に拡がるように、ワークWの曲面Wbにシート材PTが貼り付けられていく。その結果、図28に示すように曲面Wbの全面にわたってシート材PTが貼り付けられる。
所定時間経過後、制御部62は変形部材63を上昇させて初期位置へ復帰させるとともに、下空間H1の気圧と上空間H2の気圧とが同じとなるように調整する。その後、下空間H1および上空間H2の気圧を大気圧にまで戻し、上ハウジング20を上昇させて大気開放する。
ステップS5(キャリアテープの剥離)
実施例2に係るシート材PTは既にワークWの外形に応じた形状の断片となっているので、シート材PTを切断する工程を省略できる。そのため、実施例2ではワークWにシート材PTを貼りつけた後、キャリアテープCTをシート材PTから剥離する工程を行う。すなわち、上ハウジング20を貼付け領域P1から適切な位置へと退避させる。実施例2ではこのとき、実施例1と同様に保持テーブル31を上昇させるものとする。
次に、ニップローラ19に設けられているピンチローラ68を下降させてシート材PTのニップを解除する。そして図29に示すように、テープ供給部2に向けてニップローラ19を案内レール69に沿って移動させることによりキャリアテープCTが巻き上げられ、ワークWに貼りつけられたシート材PTからキャリアテープCTが剥離される。
ステップS6(ワークの回収)
キャリアテープCTの剥離が完了すると、旋回アーム23を旋回させ、下ハウジング22Aを貼付け領域P1から退避領域P2へと移動させる。そしてシート材PTが曲面Wbに貼り付けられたワークWは、図示しない搬送機構によって搬出され、図示しないワーク収納部へと回収される。シート材PTから分離されたキャリアテープCTは、シート回収部5の回収ボビン83によって巻き取り回収される。
以上で一巡の動作が終了し、以後、ステップS1からステップS6までの動作を順次繰返してゆく。
<実施例2の構成による効果>
実施例2に係る装置によれば、ワークWに対してプリカット粘着テープ状のシート材PTを、曲面Wbを備えるワークWに貼り付ける場合において、シート材PTを曲面Wbに精度良く貼りつけることができる。すなわち実施例1と同様に、シート材PTの一部を変形させて突出部Vを形成させ、先に当該突出部Vを曲面Wbの一部に接触させる。そして突出部Vを曲面Wbに接触させた後、チャンバ17内部における下空間H1と上空間H2との差圧によってシート材PTを曲面Wb全体に貼りつける。
そのため実施例2の構成においても、シート材PTが先に周縁部Waへ接触することに起因するテンションTxの発生を回避できる。従って、曲面Wbを有するワークWにシート材PTを貼り付ける場合であっても、シート材PTに皺が発生する事態またはシート材PTと曲面Wbとの間に気泡が発生するといった事態を回避できる。よって、当該曲面Wbの全面に密着するよう精度よくシート材PTを貼りつけることができる。
また実施例2では実施例1と同様に、変形部材63の当接面95は、その曲率がワークWの曲面Wbの曲率より大きくなるように構成される。また当接面95の断面幅aと曲面Wbの断面幅bとがa≧0.3×bの条件を満たすように、ワークWの曲面Wbに対する当接面95の構成が定められる。
変形部材63において当接面95の断面幅および曲率が当該条件を満たすように構成されることで、変形部材63をシート材PTに当接させた場合において当接面95が当接するシート材PTの範囲をより大きくできる。その結果、変形部材63がシート材PTを変形させる工程において、シート材PTの単位面積あたりに作用する押圧力を低減できるので、当接面95が当接する領域においてシート材PTの延伸率が過度に増大することを抑制できる。従って、シート材PTのうち当接面95が当接する領域と当接面95が当接しない領域とにおける延伸率の差が小さくなるので、ワークWの曲面Wbに貼り付けられたシート材PTの全体における延伸率のバラツキを低減できる。すなわち曲面Wb上においてシート材PTの厚みのバラツキを低減できるので、曲面Wbに貼り付けられたシート材PTの全体において、より均一にシート材の特性を発揮させることができる。
また当接面95の曲率をワークWにおける曲面Wbの曲率よりも大きくすることにより、変形部材63の位置とワークWの位置との間にズレが発生した場合であってもシート材PTを精度良く貼り付けることができる。すなわち当接面95の形状がワークWの曲面Wbの形状と一致している構成と異なり、当接面95の曲率が曲面Wbの曲率より大きい構成では水平方向における変形部材63とワークWとの位置ズレに対する許容量が非常に大きくすることができる。
さらに実施例2に係る構成では、プリカットされているシート材PTの一部に対して変形部材63が押圧することで、当該部分をワークWに向かう方向に突出する形状に変形させ、突出部Vを形成させる。当該突出部Vが形成された状態では、シート材PTの位置が水平方向へズレることが抑制される。そのためステップS3において、ワークWの曲面Wbにおける所望の位置(接触領域M1)へとシート材PTの突出部Vを精度良く接触させることができる。その結果、ステップS4に係る貼付け工程においてシート材PTが貼り付けられる位置の精度を従来と比べて大きく向上できるので、差圧を用いてプリカットされたシート材PTをワークWに貼り付ける方法において、シート材PTをより正確な位置に貼り付けることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。例として、本発明は下記のように変形実施することができる。
(1)各々の実施例において、ワークWに貼りつけるためのシート材の例として、シート材PTを例に挙げて説明したが、シート材はこれに限ることはない。回路面保護用の粘着テープの他に、支持用粘着テープ(ダイシングテープ)など他の用途に用いられる粘着テープを用いてもよい。本発明ではシート材として、粘着力を有する粘着材または接着力を有する接着材を備える、シート、テープ、またはフィルムなどを適用できる。
なお、シート材の構造としては図3に示される基材Taの一方の面に粘着材Tbが積層された構造に限ることもなく、接着材と基材との積層構造でもよい。また、基材を有さない、粘着材または接着材の単層構造の他、基材Taの両面に粘着材または接着材を備える構造などが好適な例として挙げられる。さらに、シート材がワークWに密着できる構成であれば、基材Taのみからなるシート材を用いてもよい。
本実施例ではシート状粘着材TにセパレータSを添設させた構成を例示したが、シート材貼付け装置1またはシート材などの構造に応じて、セパレータSを省略してもよい。
(2)各々の実施例において、シート材を貼りつける対象となるワークとして、凹状の曲面Wbを備えるワークWを例示したが、ワークの形状および材料はこれに限られない。本実施例に係る構成は、基板、パネル、ウエハを例とする各種半導体用部材に用いられる材料の他、陶磁器を例とするセラミックス、樹脂、金属、ガラス、木材、石材、紙材、または上述の材料の混合物などをワークの材料として適用することができる。またワークの形状としては円形状の他、矩形状、多角形状、略円形状などであってもよい。
(3)各々の実施例において、ワークWは凹状の曲面Wbを有する場合を例示したが、曲面は凹状に限ることはなく、例えば凸状であってもよい。ワークWに設けられている凸状の曲面Wdにシート材PTを貼りつける場合、図30に示すように、シート材PTの一部を変形させて突出部Vを形成させ、突出部Vを凸状の曲面Wdの一部に接触させてから差圧による貼付け工程を開始する。
この場合、突出部Vを接触させる接触領域M1は、凸状の曲面Wdのうち最も高い部分である頂部Weを含む領域であることが好ましい。頂部Weに突出部Vを接触させた状態で差圧による貼付け工程を開始することにより、シート材PTとワークWとの間に気泡が巻き込まれる事態、およびシート材PTに皺が発生する事態をより確実に回避できる。
(4)各々の実施例において、変形部材63が突出部Vを介して曲面Wbに接触している状態で差圧による貼付け工程、すなわちステップS4に係る工程を開始しているがこれに限られない。すなわち、シート材PTの突出部Vが曲面Wbに対して安定に貼りついているならば、図31に示すように、変形部材63を上昇させてから差圧による貼付け工程を開始してもよい。当該変形例に係る構成であっても、シート材PTを曲面Wbの一部に接触させた状態で差圧による貼付けを開始する。そのため、シート材PTにテンションTxを発生させること無く、シート材PTを接触領域M1から放射状にワークWの曲面Wbへ貼りつけることができる。よって、曲面Wbの全面にシート材PTを精度よく密着させることができる。
(5)各々の実施例において、変形部材63の形状は適宜変更してよい。変形部材63における基端部91の形状として、円柱状の他に円錐状、角錐状、直方体状、円錐台状、角錐台状などが例として挙げられる。また変形部材63のうち先端部93の形状としては球体(真球)の一部を切り取った形状の他に、楕円体の一部を切り取った形状などが挙げられる。
(6)各々の実施例において、変形部材63が突出部Vを介して曲面Wbに接触させた後、下空間H1と上空間H2との間に差圧Fを発生させる制御を開始しているが、突出部Vを曲面Wbに接触させるタイミングはこれに限られない。すなわち変形部材63の当接面95によって形成されたシート材PTの突出部VをワークWの曲面Wbに近接させた状態で(非接触の状態で)差圧Fを発生させてもよい。
この場合、下空間H1と上空間H2とを真空状態に減圧させた後、変形部材63の当接面95をシート材PTに当接させて変形させ、突出部Vを形成させる。そして変形部材63を下降させてワークWの曲面Wbに向けて近接移動させる。このとき、突出部Vと曲面Wbとの間に僅かな間隙が形成される位置に先端部93が移動した状態で、制御部62は変形部材63の下降を停止させる。そして突出部Vが曲面Wbに近接している状態で、制御部62は下空間H1と上空間H2との間に差圧Fを発生させる制御を開始する。
差圧Fが発生することにより、突出部Vを構成するシート材PTは差圧Fによって接触領域M1に貼り付けられる。そして当該接触領域M1を起点として、放射状に拡がるようにシート材PTが曲面Wbの全体へと貼り付けられる。このような突出部Vが曲面Wbに近接している状態で差圧Fを発生させてシート材PTをワークWの曲面Wbに貼り付けることにより、ワークWとシート材PTとの間に気泡Voが巻き込まれることをより確実に防止できる。
(7)各々の実施例について、ステップS3において変形部材63を下降させて突出部Vを形成させる前に下空間H1の気圧を上空間H2の気圧より高くする制御を行ってもよい。すなわち、ステップS3を開始させて下空間H1および上空間H2を所定の気圧まで等速度で減圧させた後、制御部62は上空間H2の気圧より下空間H1の気圧の方が高くなるよう、電磁バルブの各々の開度を調整する。
上空間H2の気圧より下空間H1の気圧の方が高くなることにより、図32(a)に示すように、両空間の間に差圧Fbが発生する。そして差圧Fbによって、シート材PTはワークWから遠ざかるように変形する。シート材PTを差圧Fbで変形させた後、変形部材63を下降させて突出部Vを形成させる。
当該変形例では差圧Fbを発生させた状態で突出部Vの形成を行うので、突出部Vを形成させて当該突出部Vを曲面Wbに接触させる工程において、突出部V以外の部分のシート材PTはワークWから遠ざかるように変形する(図32(b))。従って、突出部Vを曲面Wbに接触させる工程において、突出部V以外の部分のシート材PTが先にワークWへ接触してしまうという事態を回避できる。
つまり、突出部Vを曲面Wbの接触領域M1に接触させる際に、曲面Wbのうち意図していない部分または周縁部Waの部分に突出部V以外のシート材PTが接触することを防止できる。その結果、シート材PTを曲面Wbに貼りつける際に皺または気泡が発生することを防止できる。
突出部Vを曲面Wbに接触させた後、制御部62は下空間H1の気圧より上空間H2の気圧の方が高くなるよう、電磁バルブの各々の開度を調整させる。当該調整により差圧Fが発生し、差圧Fによってシート材PTは接触領域M1から外側に向けて放射状に曲面Wbに貼りつけられていく。なお、差圧Fbを発生させる本変形例において、差圧Fbによって変形部材63にシート材PTを押圧させることによって突出部Vを形成させてもよい。
(8)各々の実施例において、チャンバ17の内部に1つのワークWを収納させてシート材PTを貼りつけているがこれに限られない。すなわち、チャンバ17の内部に複数のワークWを収納させた状態でシート材PTを貼りつけてもよい。本変形例では、ワークWの数に応じて複数の保持テーブル31を下ハウジング22の内部に配設し、さらにワークWの数に応じて複数の変形部材63を上ハウジング20の内部に配設する。本変形例では図33に示すように、2つの保持テーブル31A、31Bが下ハウジング22に配設され、2つの変形部材63A、63Bが上ハウジング20に配設されるものとする。
本変形例ではチャンバ17が形成された場合において、保持テーブル31の各々の上方に変形部材63がそれぞれ配置されるよう、保持テーブル31が配設される位置および変形部材63が配設される位置が予め調整されている。具体的には保持テーブル31Aに保持されるワークWの最深部Wcに対して変形部材63Aが接触し、保持テーブル31Bに保持されるワークWの最深部Wcに対して変形部材63Bが接触するよう、各々の配設位置が調整されることが好ましい。本変形例では複数のワークWに対して同時にシート材PTを貼りつけることができるので、貼付け効率を向上できる。
(9)各々の実施例において、ワークWは曲面Wbを1つ有する構成を例示したがこれに限られない。すなわち、複数の曲面Wbを備えるワークWについても本発明の構成を適用できる。本変形例では図34に示すように、ワークWは3つの曲面Wbを有するものとする。各々の曲面Wbについては左側から曲面Wb1、Wb2、およびWb3として区別する。
複数の曲面Wbを有するワークWにおいて、曲面Wb同士を接続する部分を曲面接続部Gとする。本変形例において、曲面Wb1と曲面Wb2とを接続する曲面接続部Gについては符号G1を付し、曲面Wb2と曲面Wb3とを接続する曲面接続部Gについては符号G2を付して両者を区別する。
本変形例では、3つの曲面Wbを有するワークWの形状に応じてワーク載置面35の形状を調整されている。また、曲面Wbの数に応じた複数の変形部材63、すなわち変形部材63A、63B、63Cが上ハウジング20に配設されている。
本変形例では、チャンバ17が形成された場合において、曲面Wbの各々の上方に変形部材63がそれぞれ配置されるよう、ワーク載置面35の位置および変形部材63が配設される位置が予め調整されている。すなわち変形部材63Aは曲面Wb1に接触できる位置に配設され、変形部材63Bは曲面Wb2に接触できる位置に配設され、変形部材63Cは曲面Wb3に接触できる位置に配設される。
具体的には曲面Wb1において最も深い部分である最深部Wc1に対して変形部材63Aが接触し、曲面Wb2の最深部Wc2に対して変形部材63Bが接触し、曲面Wb3の最深部Wc3に対して変形部材63Cが接触するよう、各々の配設位置が調整されることが好ましい。当該構成を備えることにより、変形部材63の各々によって形成される突出部Vは、それぞれ最深部Wcの各々に接触する。当該接触が行われた状態で差圧Fによる貼付け工程を行うことにより、シート材PTとワークWとの間に空気が巻き込まれることをより確実に防止できる。その結果、シート材PTに皺や気泡が発生する事態を回避し、精度良くシート材PTを曲面Wbに密着できる。
また本変形例では、保持テーブル31でワークWを保持した状態において、曲面接続部Gの各々の高さはいずれも周縁部Waの高さより低くなるように構成されることが好ましい。当該構成を有することにより、突出部Vの各々を曲面Wbの各々に接触させる際に、突出部V以外の部分のシート材PTが曲面接続部Gに接触してしまい、当該接触によってシート材PTにテンションが発生する事態をより確実に回避できる。
なお本変形例では、(7)に係る変形例で上述したような、上空間H2の気圧より下空間H1の気圧の方を高くして差圧Fbを発生させた状態で、突出部Vの各々を曲面Wbの各々に接触させることが好ましい。差圧Fbの発生によりシート材PTをワークWから遠ざけるように変形させるので、突出部Vを曲面Wbに接触させる工程においてシート材PTが周縁部Waまたは曲面接続部Gに接触することをより確実に回避できる。
(10)各々の実施例において、変形部材63を下降させることによって突出部Vを曲面Wbに接触させる構成に限られない。すなわち、ワークWを保持している状態の保持テーブル31を上昇させることによって、突出部Vを曲面Wbに接触させてもよい。
(11)各々の実施例において、ヒータ43を配設させる位置はワーク保持部33の内部に限ることはなく、ワークWまたはシート材PTを加熱する限りにおいて適宜変更できる。またヒータ43による加熱を行う時期は適宜変更できる。
なお、ステップS3に係る接触過程およびステップS4に係る貼付け過程のうち少なくとも一方において、ヒータによる加熱を行うことが好ましい。当該過程においてシート材PTを変形させる操作が行われる。シート材PTが加熱されることによって基材Taおよび粘着材Tbなどが柔らかくなり変形しやすくなる。従って、接触過程または貼付け過程をより好適に実行できる。
(12)各々の実施例において、ワークWの表面W1における中央部Cpの全体が曲面Wbとなっている構成を例示したがこれに限ることはない。中央部Cpの形状の他の例として、中央部Cpの一部が曲面となっていている構成が挙げられる。すなわち図35(a)に示すように、表面W1の中央部Cpが、曲面Wbと平面Stとを有するようなワークWであっても本発明に係る構成を適用できる。当該変形例の場合、表面W1の中央部Cpのうち少なくとも一部に対して突出部Vを接触させた状態で、ステップS4に係るシート材PTの貼付け過程を開始させる。すなわちステップS3において、曲面Wbの一部に突出部Vを接触させてもよいし、平面Stの一部に突出部Vを接触させてもよい。また曲面Wbの一部および平面Stの一部に突出部Vを接触させてもよい。
さらに中央部Cpの形状として、単一の曲面Wbのみを有する構成に限られない。すなわち図33(b)に示すように、中央部Cpは凹状の曲面Wbと凹み部Htとを有してもよい。凹み部Htの形状としては、図35(b)に示すような、曲面Wbと異なる曲率を有する略半球状曲面に限ることはなく任意の形状であってよい。凹み部Htの形状の例として、円錐状の凹部、角錐状の凹部、円柱状の凹部、角柱状の凹部などが挙げられる。
中央部Cpの形状としては図35(c)に示すように、凹状の曲面Wbと凸状部Gtとを有してもよい。凸状部Gtの形状は任意の形状であってよい。凸状部Gtの形状の例として、略半球状、円錐状、角錐状、円柱状、角柱状などが挙げられる。また中央部Cpは曲面Wbと凹み部Htと凸状部Gtとを有していてもよい。
(13)各々の実施例において、ワークWの表面W1および裏面W2は共に曲面を有している構成を例示したが、これに限られない。すなわち図36に示すように、裏面W2は平坦な形状であってもよい。裏面W2が平坦である場合、ワークWをより安定な状態で保持テーブル31に保持できる。よって、曲面Wbを有する表面W1の側に対して、シート材PTをより好適に貼り付けることができる。