JP7842728B2 - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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Description

本開示は、空気調和装置に関するものである。
従来より、冷媒回路を備えた空気調和装置が知られている。空気調和装置の冷媒回路では、冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。
冷媒回路における蒸発器を通過する冷媒の量は冷媒と空気の熱交換量に応じて制御されるが、熱交換量(空調負荷)が少ない場合に冷媒の流速が減少することで冷凍機油が枯渇して圧縮機の焼き付きの問題が発生する可能性がある。また、空気調和装置の容量制御下限以下の熱交換量となった場合、空気調和装置が停止して、安定した空調を行うことができなくなる可能性がある。その対策として、蒸発器にホットガスを流すことで冷媒流速を増加させる方法がある(例えば、特許文献1)。
特開H10-197077号公報
しかし、従来は圧縮機の吸入圧に基づいてホットガスの流量を制御しており、圧縮機の吸入圧が下がらないようにするためにホットガスを次々に流すため、圧縮機の回転数が増加していき最大出力で運転した状態となる。これにより、省エネ性が低くなる。
本開示の目的は、空気調和装置において、省エネ性を高めることにある。
本開示の第1の態様は、空気調和装置を対象とする。空気調和装置は、圧縮機(51)、凝縮器(52)、及び蒸発器(54)を有する冷媒回路(50)を備え、前記冷媒回路(50)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行い、前記蒸発器(54)において空気を冷却する。空気調和装置は、前記圧縮機(51)の回転速度を検知する検知部(64)と、前記圧縮機(51)から吐出される冷媒を前記凝縮器(52)をバイパスして前記蒸発器(54)へ送るためのガス供給管(55)と、前記ガス供給管(55)に設けられる調節弁(56)と、前記検知部(64)により検知される前記圧縮機(51)の回転速度に基づいて、前記調節弁(56)の開度を制御する制御器(70)とを備える。
第1の態様によると、圧縮機(51)の回転速度が所定の目標回転速度(例えば、圧縮機(51)に焼き付きが生じるといった問題や、熱交換量の低下に起因して圧縮機(51)が停止するといった問題が発生しないような最低限の回転速度)になるように調節弁(56)の開度を制御することで、圧縮機(51)を最大出力で運転しなくても安定的に稼働させることができるので、省エネ性を高めることができる。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、前記制御器(70)は、前記検知部(64)により検知される前記圧縮機(51)の回転速度が所定の目標回転速度になるように前記調節弁(56)の開度を制御する。
第2の態様では、圧縮機(51)の回転速度を所定の目標回転速度に近づけることができる。
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、前記制御器(70)は、前記圧縮機(51)の回転速度が前記所定の目標回転速度よりも低い場合は前記調節弁(56)の開度を大きくし、前記圧縮機(51)の回転速度が前記所定の目標回転速度よりも高い場合は前記調節弁(56)の開度を小さくする。
第3の態様では、圧縮機(51)の回転速度を所定の目標回転速度に効果的に近づけることができる。
本開示の第4の態様は、上記第1の態様~第3の態様のいずれか1つの態様において、前記検知部(64)は、前記圧縮機(51)の駆動周波数を検知する周波数センサである。
第4の態様では、周波数センサにより圧縮機(51)の回転速度を検知することができる。
図1は、空気調和装置の利用側ユニットの概略図である。 図2は、空気調和装置の冷媒回路を示す配管系統図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表す場合がある。各実施形態、変形例、及び図中において、同一又は相当部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明及びそれに付随する効果等の説明は繰り返さない。
実施形態について説明する。本実施形態の空気調和装置(10)は、自動車の運転試験等に利用される試験室(100)の空気調和を行う。
空気調和装置(10)は、利用側ユニット(20)と、熱源側ユニット(40)とを備える。また、空気調和装置は、冷媒回路(50)を備える。
-利用側ユニット-
図1に示すように、利用側ユニット(20)は、いわゆるエアハンドリングユニットである。利用側ユニット(20)は、ケーシング(25)を備える。ケーシング(25)の一端面には吸込口(27)が形成され、ケーシング(25)の他端面には吹出口(28)が形成される。ケーシング(25)の内部には、吸込口(27)から吹出口(28)にわたって空気流路(26)が形成される。
利用側ユニット(20)は、吸込ダクト(16)及び吹出ダクト(17)を介して、試験室(100)に接続される。吸込ダクト(16)は、ケーシング(25)の吸込口(27)に接続し、空気流路(26)を試験室(100)の内部空間に連通させる。吹出ダクト(17)は、ケーシング(25)の吹出口(28)に接続し、空気流路(26)を試験室(100)の内部空間に連通させる。
ケーシング(25)内の空気流路(26)には、吸込口(27)側から吹出口(28)側に向かって順に、フィルタ(31)と、蒸発器(54)と、電気ヒータ(32)と、利用側ファン(33)とが設けられる。フィルタ(31)は、吸込口(27)から流入した空気に含まれる塵埃等を捕集する。蒸発器(54)は、冷媒回路(50)に接続されて空気を冷却する。電気ヒータ(32)は、蒸発器(54)を通過した空気を加熱する。利用側ファン(33)は、電気ヒータ(32)を通過した空気を吸い込み、吹出口(28)へ向けて空気を吹き出す。
〈運転動作〉
利用側ユニット(20)の運転動作を説明する。
利用側ファン(33)が作動すると、試験室(100)の内部空間の空気が、吸込ダクト(16)を通ってケーシング(25)内の空気流路(26)へ流入する。空気流路(26)を流れる空気は、フィルタ(31)と、蒸発器(54)と、電気ヒータ(32)とを順に通過する。
空気は、蒸発器(54)を通過する過程で冷却され、電気ヒータ(32)を通過する過程で加熱される。なお、電気ヒータ(32)は、空気の加熱を一時的に停止する場合がある。電気ヒータ(32)を通過した空気は、利用側ファン(33)から吹き出されて吹出ダクト(17)へ流入し、その後に試験室(100)の内部空間へ吹き出される。
-空気温度センサ、ヒータ制御器-
空気調和装置(10)は、空気温度センサ(36)とヒータ制御器(37)とを備える。
空気温度センサ(36)は、吹出ダクト(17)に設けられ、吹出ダクト(17)を流れる空気の温度を計測する。空気温度センサ(36)の計測値は、利用側ユニット(20)が試験室(100)の内部空間へ供給する空気の温度を示す。
ヒータ制御器(37)には、空気温度センサ(36)の計測値が入力される。ヒータ制御器(37)は、空気温度センサ(36)の計測値に基づいて、電気ヒータ(32)の加熱量を制御する。具体的に、ヒータ制御器(37)は、空気温度センサ(36)の計測値が設定空気温度となるように、電気ヒータ(32)の加熱量を調節する。空気温度センサ(36)の計測値が設定空気温度よりも低い場合、ヒータ制御器(37)は、電気ヒータ(32)の加熱量を増やす。空気温度センサ(36)の計測値が設定空気温度よりも高い場合、ヒータ制御器(37)は、電気ヒータ(32)の加熱量を減らす。
-冷媒回路-
冷媒回路(50)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(50)は、冷媒を循環させることによって冷凍サイクルを行う。
図2に示すように、冷媒回路(50)は、圧縮機(51)と、凝縮器(52)と、膨張弁(53)と、蒸発器(54)とを備える。冷媒回路(50)では、圧縮機(51)の吐出口から吸入口へ向かって順に、凝縮器(52)と、膨張弁(53)と、蒸発器(54)とが配置される。冷媒回路(50)において凝縮器(52)と膨張弁(53)との間には、熱負荷の変動によって余剰になった冷媒を貯留する受液器(57)が設けられる。
圧縮機(51)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。図示は省略するが、圧縮機(51)は、圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動機とを備える。凝縮器(52)は、クロスフィン型の空気熱交換器であり、冷媒を室外空気と熱交換させる。膨張弁(53)は、開度可変の電動膨張弁である。蒸発器(54)は、クロスフィン型の空気熱交換器であり、冷媒を空気流路(26)の空気と熱交換させる。
また、冷媒回路(50)は、ガス供給管(55)を備える。ガス供給管(55)は、ガス供給通路を構成する。ガス供給管(55)は、圧縮機(51)から吐出される冷媒を凝縮器(52)をバイパスして蒸発器(54)へ送る。ガス供給管(55)の一端は、圧縮機(51)の吐出口と凝縮器(52)の間の配管に接続される。ガス供給管(55)の他端は、膨張弁(53)と蒸発器(54)の間の配管に接続される。ガス供給管(55)には、調節弁(56)が設けられる。調節弁(56)は、開度可変の電動弁である。
〈冷凍サイクル〉
冷媒回路(50)が行う冷凍サイクルについて説明する。
圧縮機(51)が作動すると、冷媒回路(50)において冷媒が循環する。圧縮機(51)が吐出した冷媒は、凝縮器(52)へ流入し、凝縮器(52)を通過する室外空気へ放熱して凝縮する。凝縮器(52)から流出した冷媒は、膨張弁(53)を通過する過程で減圧され、その後に蒸発器(54)に流入する。
調節弁(56)が開いている状態では、圧縮機(51)から吐出されたガス冷媒(ホットガス)の一部がガス供給管(55)へ流入する。ガス供給管(55)を流れるガス冷媒は、膨張弁(53)を通過した冷媒と共に、蒸発器(54)へ流入する。蒸発器(54)へ流入した冷媒は、蒸発器(54)を通過する空気から吸熱して蒸発する。蒸発器(54)から流出した冷媒は、圧縮機(51)へ吸入されて圧縮される。圧縮機(51)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
-熱源ユニット-
熱源側ユニット(40)には、冷媒回路(50)の圧縮機(51)と凝縮器(52)とが設けられる。また、熱源側ユニット(40)は、熱源側ファン(41)とインバータ(42)とを備える。熱源側ファン(41)は、室外空気を凝縮器(52)へ供給する。図示は省略するが、インバータ(42)には、商用電源等の外部電源が接続される。インバータ(42)は、供給された交流の周波数を設定周波数に変換し、設定周波数の交流を圧縮機(51)の電動機へ供給する。インバータ(42)の出力周波数を変更すると、圧縮機(51)の回転速度が変化する。
熱源側ユニット(40)は、吸入圧力センサ(46)を備える。吸入圧力センサ(46)は、冷媒回路(50)に接続される。吸入圧力センサ(46)は、圧縮機(51)の吸入口に接続する配管に取り付けられ、圧縮機(51)へ吸入される冷媒の圧力を計測(検知)する。
〈圧縮機制御器〉
熱源側ユニット(40)は、圧縮機制御器(47)を備える。圧縮機制御器(47)には、吸入圧力センサ(46)の計測値(検知結果)が入力される。圧縮機制御器(47)は、吸入圧力センサ(46)の計測値に基づいて、圧縮機(51)の回転速度を制御するように構成される。
具体的に、圧縮機制御器(47)は、吸入圧力センサ(46)の計測値が設定吸入圧力となるように、圧縮機(51)の回転速度を調節する。吸入圧力センサ(46)の計測値が設定吸入圧力よりも低い場合、圧縮機制御器(47)は、インバータ(42)の出力周波数を下げることによって、圧縮機(51)の回転速度を下げる。吸入圧力センサ(46)の計測値が設定吸入圧力よりも高い場合、圧縮機制御器(47)は、インバータ(42)の出力周波数を上げることによって、圧縮機(51)の回転速度を上げる。
-センサ-
空気調和装置(10)は、出口側圧力センサ(62)と、出口側温度センサ(63)と、周波数センサ(64)とを備える。
出口側圧力センサ(62)及び出口側温度センサ(63)は、蒸発器(54)の出口に接続する配管に取り付けられる。出口側圧力センサ(62)は、蒸発器(54)から流出した冷媒の圧力を検知し、蒸発器(54)から圧縮機(51)へ向かって流れる冷媒の圧力を検知する。出口側圧力センサ(62)は、第3検知部の一例である。出口側温度センサ(63)は、蒸発器(54)から流出した冷媒の温度を検知し、蒸発器(54)から圧縮機(51)へ向かって流れる冷媒の温度を検知する。出口側圧力センサ(62)は、第2検知部の一例である。
周波数センサ(64)は、インバータ(42)を圧縮機(51)の電動機に接続する給電用の電気配線に設けられる。周波数センサ(64)は、インバータ(42)の出力周波数を計測する。周波数センサ(64)の計測値は、インバータ(42)が圧縮機(51)に供給する交流の周波数であり、言い換えれば、圧縮機(51)の駆動周波数である。
-制御器-
空気調和装置(10)は、膨張弁制御器(75)と、調節弁制御器(76)とを備える。圧縮機制御器(47)、膨張弁制御器(75)、及び調節弁制御器(76)は、膨張弁(53)及び調節弁(56)を制御する制御器(70)を構成する。
〈膨張弁制御器〉
膨張弁制御器(75)には、出口側圧力センサ(62)の計測値と、出口側温度センサ(63)の計測値とが入力される。膨張弁制御器(75)は、出口側圧力センサ(62)及び出口側温度センサ(63)の計測値に基づいて、膨張弁(53)の開度に関する第1指令値を算出するように構成される。
先ず、膨張弁制御器(75)は、蒸発器(54)の出口における冷媒の過熱度を算出する。膨張弁制御器(75)は、“出口側温度センサ(63)の計測値T”から“出口側圧力センサ(62)の計測値に対応する冷媒の飽和温度Ts”を減じて得られた値を、膨張弁(53)の出口における冷媒の過熱度SH(=T-Ts)とする。
次に、膨張弁制御器(75)は、蒸発器(54)の出口における冷媒の過熱度が設定過熱度になるような膨張弁(53)の開度を算出する。この膨張弁制御器(75)が算出した開度が、第1開度である。膨張弁制御器(75)は、算出した第1開度を、膨張弁(53)の開度に関する第1指令値に決定する。調節弁制御器(76)は、決定した第1指令値を、膨張弁(53)へ送信する。その結果、膨張弁(53)の開度が、第1指令値に対応した第1開度になる。
ここで、蒸発器(54)の出口における冷媒が湿り状態になると、液冷媒が圧縮機(51)へ吸入され、その結果、圧縮機(51)が損傷するおそれがある。従って、圧縮機(51)の損傷を未然に防ぐため、蒸発器(54)の出口における冷媒をガス単相状態に保つ必要がある。
一方、膨張弁(53)の開度を変更すると、蒸発器(54)へ流入する冷媒の量が変化し、その結果、蒸発器(54)の出口における冷媒の状態が変化する。そこで、膨張弁制御器(75)は、蒸発器(54)の出口における冷媒の過熱度が設定過熱度(例えば、5K以上、10K以下の範囲内の値)になるような膨張弁(53)の開度を算出することで、蒸発器(54)の出口における冷媒を完全にガス化するようにしている。
膨張弁(53)の開度が縮小すると、蒸発器(54)へ流入する冷媒の量が減少し、その結果、蒸発器(54)の出口における冷媒の過熱度が上昇する。そこで、蒸発器(54)の出口における冷媒の過熱度が設定過熱度よりも低い場合、膨張弁制御器(75)は、膨張弁(53)の現在の開度よりも小さな開度を、第1指令値に決定する。
一方、膨張弁(53)の開度が拡大すると、蒸発器(54)へ流入する冷媒の量が増加し、その結果、蒸発器(54)の出口における冷媒の過熱度が低下する。そこで、蒸発器(54)の出口における冷媒の過熱度が設定過熱度よりも高い場合、膨張弁制御器(75)は、膨張弁(53)の現在の開度よりも大きな開度を、第1指令値に決定する。
〈調節弁制御器〉
調節弁制御器(76)には、周波数センサ(64)の計測値が入力される。調節弁制御器(76)は、周波数センサ(64)の計測値に基づいて、調節弁(56)の開度に関する第2指令値を算出するように構成される。周波数センサ(64)の計測値は、言い換えれば、圧縮機(51)の回転速度である。
具体的に、調節弁制御器(76)は、周波数センサ(64)の計測値が設定周波数になるような調節弁(56)の開度を算出する。この調節弁制御器(76)が算出した開度が、第2開度である。調節弁制御器(76)は、算出した第2開度を、調節弁(56)の開度に関する第2指令値に決定する。調節弁制御器(76)は、決定した第2指令値を、調節弁(56)へ送信する。その結果、調節弁(56)の開度が、第2指令値に対応した第2開度になる。
ここで、圧縮機(51)の回転速度が低い状態では、冷媒回路(50)を流れる冷媒の流速が低い状態になり、圧縮機(51)から冷媒と共に吐出された冷凍機油が、蒸発器(54)や配管などに滞留しやすくなる。そのため、圧縮機(51)が比較的低い回転速度(例えば、最高回転速度の20%以下の状態)で長時間にわたって作動している状態では、圧縮機(51)の外部に滞留する冷凍機油の量が多くなり、圧縮機(51)の内部に残存する冷凍機油の量が少なくなる。その結果、圧縮機(51)の摺動部分へ供給される冷凍機油の量が不足し、圧縮機(51)が損傷するおそれがある。
一方、圧縮機(51)の回転速度が比較的高い回転速度(例えば、最高回転速度の80%以上)に保たれていれば、冷媒と共に圧縮機(51)へ戻る冷凍機油の量が確保される。そのため、圧縮機(51)に貯留された冷凍機油の量が充分に確保され、圧縮機(51)の損傷が未然に防止される。
そこで、調節弁制御器(76)は、周波数センサ(64)の計測値が設定周波数になるような調節弁(56)の開度を算出する。設定周波数は、例えば、仕様上の最大出力周波数の60%程度の周波数である。周波数センサ(64)の計測値は、インバータ(42)の出力周波数の実測値である。そのため、周波数センサ(64)の計測値が設定周波数になると、圧縮機(51)の回転速度が所定の目標回転速度になり、その結果、冷媒と共に圧縮機(51)へ戻る冷凍機油の量が確保される。
ここで、蒸発器(54)の冷却負荷(具体的には、蒸発器(54)において冷媒が空気から奪う熱量)が小さくなると、蒸発器(54)において蒸発する冷媒の量が減るので、吸入圧力センサ(46)の計測値が低下する。そのため、何も対処しない場合は、圧縮機制御器(47)が、吸入圧力センサ(46)の計測値を設定吸入圧力に保つために、圧縮機(51)の回転速度を低下させる。このような場合には、ガス供給管(55)を流れるガス冷媒の流量を増やすことによって、圧縮機(51)の回転速度の低下を抑制できる。
その理由を説明する。蒸発器(54)には、膨張弁(53)を通過した冷媒と、ガス供給管(55)を流れるガス冷媒とが混合した後に流入する。膨張弁(53)を通過した冷媒に含まれる液冷媒の一部は、ガス供給管(55)から流入したガス冷媒によって加熱されて蒸発する。そのため、調節弁(56)の開度が拡大し、ガス供給管(55)を流れるガス冷媒の流量が増加すると、圧縮機(51)が蒸発器(54)から吸い込むガス冷媒の量が増加する。その結果、吸入圧力センサ(46)の計測値の低下が抑制され、圧縮機(51)の回転速度の低下も抑制される。
そこで、周波数センサ(64)の計測値が設定周波数よりも低い場合、調節弁制御器(76)は、調節弁(56)の現在の開度よりも大きな開度を、第2指令値に決定する。言い換えれば、圧縮機(51)の回転速度が所定の目標回転速度よりも低い場合、調節弁制御器(76)は調節弁(56)の開度を現在の開度よりも大きくする。所定の目標回転速度は、例えば、仕様上の最高回転速度の60%程度の速度である。
一方、周波数センサ(64)の計測値が設定周波数よりも高い場合には、調節弁(56)の開度を縮小しても、圧縮機(51)の回転速度を所定の目標回転速度以上に保つことができる可能性がある。そこで、周波数センサ(64)の計測値が設定周波数よりも高い場合、調節弁制御器(76)は、調節弁(56)の現在の開度よりも小さな開度を、第2指令値に決定する。言い換えれば、圧縮機(51)の回転速度が前記所定の目標回転速度よりも高い場合、調節弁制御器(76)は調節弁(56)の開度を現在の開度よりも小さくする。
調節弁制御器(76)は、周波数センサ(64)の計測値が設定周波数になるような値を、第2指令値に決定する。言い換えれば、調節弁制御器(76)は、圧縮機(51)の回転速度が前記所定の目標回転速度になるように調節弁(56)の開度を制御する。その結果、冷媒と共に圧縮機(51)へ戻る冷凍機油の量を確保しつつ、省エネ性を高めることができる。
ところで、調節弁(56)の開度が短時間で大きく変化すると、蒸発器(54)へ流入する冷媒の圧力が変化し、それに対応して膨張弁制御器(75)が膨張弁(53)の開度を変更する可能性がある。そこで、調節弁制御器(76)は、調節弁(56)の開度の変化が、入口側圧力センサ(61)の計測値が実質的に一定に保持される程度の緩やかな変化となるように、第2指令値を決定する。
以上のように、調節弁制御器(76)は、圧縮機(51)の回転速度が前記所定の目標回転速度になるように調節弁(56)の開度を制御する。これによると、前記所定の目標回転速度について、圧縮機(51)に焼き付きが生じるといった問題や、蒸発器(54)の熱交換量の低下に起因して圧縮機(51)が停止するといった問題が発生しないような最低限の回転速度としておけば、圧縮機(51)を最大出力で運転しなくても安定的に稼働させることができるので、省エネ性を高めることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態の空気調和装置(10)については、次のような変形例を適用してもよい。なお、以下の変形例は、空気調和装置(10)の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
本実施形態の空気調和装置(10)が空気調和を行う対象は、試験室(100)に限定されない。本実施形態の空気調和装置(10)は、例えば、ホール等の大きな空間の空気調和を行う用途に用いられてもよい。
また、本実施形態の空気調和装置(10)において、膨張弁制御器(75)、及び調節弁制御器(76)のそれぞれがマイクロコンピュータを含んでいてもよい。また、制御器(70)が1つのマイクロコンピュータによって構成されていてもよい。また、制御器(70)を構成するマイクロコンピュータは、圧縮機制御器(47)、及びヒータ制御器(37)のうちの少なくとも1つの制御器が行う制御動作も行うように構成されていてもよい。
また、本実施形態の空気調和装置(10)において、周波数センサ(64)の測定値が圧縮機(51)の回転速度を示すように構成しているが、本発明はこれに限定されない。圧縮機(51)の電動機を駆動するためのインバータ(42)への指令値が、圧縮機(51)の回転速度を示すように構成してもよい。すなわち、検知部がインバータ(42)への指令値を取得するように構成してもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態に係る要素を適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、明細書および特許請求の範囲の「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、空気調和装置について有用である。
10 空気調和装置
50 冷媒回路
51 圧縮機
52 凝縮器
53 膨張弁
54 蒸発器
55 ガス供給管
56 調節弁
64 周波数センサ(検知部)
70 制御器

Claims (2)

  1. 圧縮機(51)、凝縮器(52)、及び蒸発器(54)を有する冷媒回路(50)を備え、前記冷媒回路(50)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行い、前記蒸発器(54)において空気を冷却する空気調和装置であって、
    前記圧縮機(51)の回転速度を検知する検知部(64)と、
    前記圧縮機(51)から吐出される冷媒を前記凝縮器(52)をバイパスして前記蒸発器(54)へ送るためのガス供給管(55)と、
    前記ガス供給管(55)に設けられる調節弁(56)と、
    前記検知部(64)により検知される前記圧縮機(51)の回転速度に基づいて、前記調節弁(56)の開度を制御する制御器(70)と
    を備え
    前記制御器(70)は、
    前記圧縮機(51)の回転速度が所定の目標回転速度よりも低い場合は前記調節弁(56)の開度を大きくし、
    前記圧縮機(51)の回転速度が前記所定の目標回転速度よりも高い場合は前記調節弁(56)の開度を小さくして、
    前記検知部(64)により検知される前記圧縮機(51)の回転速度が前記所定の目標回転速度になるように前記調節弁(56)の開度を制御する、空気調和装置。
  2. 前記検知部(64)は、前記圧縮機(51)の駆動周波数を検知する周波数センサである、請求項1記載の空気調和装置。
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