JP7842847B1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP7842847B1 JP2024221071A JP2024221071A JP7842847B1 JP 7842847 B1 JP7842847 B1 JP 7842847B1 JP 2024221071 A JP2024221071 A JP 2024221071A JP 2024221071 A JP2024221071 A JP 2024221071A JP 7842847 B1 JP7842847 B1 JP 7842847B1
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Abstract

【課題】氷上走行性能及び雪上走行性能の向上をバランスよく図ることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ赤道E上に配置され、タイヤ周方向に連続して環状に延在するリブ形状の中央陸100、を含む複数の陸6と、中央陸100のタイヤ軸方向両側の各周溝7と、を含むトレッド2、を備え、中央陸100は、タイヤ周方向と交差する方向に延びる部分を有する第1中央サイプ110と、タイヤ周方向と交差する方向に延びる部分を有する第2中央サイプ120と、を有し、第1中央サイプ110は、中央陸100内で終端しており、第2中央サイプ120は、周溝7に連通するとともに、少なくともタイヤ表面での形状が波型形状を有し、中央陸100の表面における第2中央サイプ120の総長は、中央陸100の表面における第1中央サイプ110の総長よりも長い。
【選択図】図3

Description

特許法第30条第2項適用 (1)令和6年7月11日にTOYO TIRE株式会社のウェブサイトの掲載アドレスで公開した。 https://www.toyotires.co.jp/press/2024/240711.html (2)令和6年8月1日に全国一斉販売した。
本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、路面に接地するトレッド表面にサイプと呼ばれる細い切れ込みを多数備え、そのサイプの機能やゴムの特性などによって氷雪路においても制動性能やトラクション性能が確保されるスタッドレスタイヤと称される空気入りタイヤが知られている。例えば、特許文献1には、タイヤ周方向で分割されているタイヤ軸方向中央の陸に多数のサイプが形成されたその種の空気入りタイヤが示されている。
特開2017-087859号公報
近年、スタッドレスタイヤには特に氷上走行性能の向上が望まれており、そのためにはタイヤの接地面積を大きくすることが必要とされる。例えば上記特許文献1に示されるタイヤのようにタイヤ軸方向中央の陸部がタイヤ周方向で分割されている場合、接地面積を大きくするには不利といえる。ここで、接地面積を大きくすることに加え、サイプの配置や形態等を工夫することにより、氷上走行性能とともに雪上走行性能の向上も図ることが検討された。
そこで本発明は、氷上走行性能及び雪上走行性能の向上をバランスよく図ることができる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤ赤道上に配置され、タイヤ周方向に連続して環状に延在するリブ形状の中央陸、を含む複数の陸と、前記中央陸のタイヤ軸方向両側の各周溝と、を含むトレッド、を備えた空気入りタイヤであって、前記中央陸は、タイヤ周方向と交差する方向に延びる部分を有する第1中央サイプと、タイヤ周方向と交差する方向に延びる部分を有する第2中央サイプと、を有し、前記第1中央サイプは、前記中央陸内で終端しており、前記第2中央サイプは、前記周溝に連通するとともに、少なくともタイヤ表面での形状が波型形状を有し、前記中央陸の表面における前記第2中央サイプの総長は、前記中央陸の表面における前記第1中央サイプの総長よりも長い。
本発明によれば、氷上走行性能及び雪上走行性能の向上をバランスよく図ることができる空気入りタイヤを提供できる。
実施形態に係るタイヤ(空気入りタイヤ)であって、タイヤ周方向の一部を部分的に示す斜視図である。 実施形態に係るタイヤのトレッド表面を示す一部拡大正面図である。 図1のIIIで示す部分の拡大図である。 実施形態に係るタイヤが有する第1中央サイプを示す平面図である。 上記第1中央サイプを示すタイヤ断面図である。 図4のVI-VI断面図である。 路面に接地する第1中央サイプの変形の過程を模式的に示す断面図であって、タイヤ踏み込み初期の状態を示す図である。 上記過程のタイヤ踏み込み初期直後の状態を示す図である。 上記過程のタイヤ接地中期の状態を示す図である。 上記過程のタイヤ接地中期直後の状態を示す図である。 上記過程のタイヤ蹴り出し時の状態を示す図である。 図7Bの拡大図である。 実施形態に係るタイヤの接地面形状を示し、かつ接地面形状の矩形率を説明する図である。 実施形態に係るタイヤを成形するタイヤ成形金型を示す概略断面図である。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る空気入りタイヤとしてのタイヤ1におけるタイヤ周方向の一部を部分的に示す斜視図である。実施形態に係るタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤである。なお、実施形態に係るタイヤ1の構成は、乗用車の他に、ライトトラック、トラック、バス等の各種車両用として採用することができる。
図1に示すように、タイヤ1は、タイヤ外周面を含み路面に接地する部分であるトレッド2と、図示しないタイヤホイールのリムに嵌合される部分である一対のビード3と、トレッド2と各ビード3との間に配置され、タイヤ側壁面を構成する一対のサイドウォール4と、各サイドウォール4とトレッド2との間のショルダー5と、を備える。トレッド2は、路面に接地するトレッド面2Aを含み、そのトレッド面2Aには、複数種類の溝及び陸等によってトレッドパターン2Bが形成されている。実施形態のトレッドパターン2Bは、タイヤ軸方向で非対称である。一対のサイドウォール4のそれぞれは、そのタイヤ径方向外側であってショルダー5に移行する部分に、バットレス8を有する。
図2は、タイヤ1の正面図の一部拡大図であって、トレッド面2A、一対のサイドウォール4、一対のショルダー5及び一対のバットレス8を示している。図3は、図2のIIIで示す部分の拡大図である。図2及び図3には、タイヤ軸方向X、タイヤ周方向C及びタイヤ赤道Eが示されている。タイヤ赤道Eは、タイヤ軸方向中央をタイヤ周方向に沿って延びる仮想的な線である。図2及び図3では、タイヤ軸方向Xの、一方側(図2、図3で右側)を矢印X1で示し、他方側(図2、図3で左側)を矢印X2で示している。また、図2及び図3では、タイヤ周方向Cの、一方側(図1で下側)を矢印C1で示し、他方側(図1で上側)を矢印C2で示している。なお、これら符号に関しては、図4も同様である。
トレッドパターン2Bを形成する溝としては、後述するように主溝や副溝を含む周溝、スリット、ラグ溝、サイプ等を含む。周溝は、基本的にはタイヤ周方向に沿った溝であり、スリット、ラグ溝及びサイプは、基本的にはタイヤ周方向と交差する方向に延びる溝である。これら溝の幅は、主溝の幅が最も大きく、サイプが最も小さい。実施形態での各種のサイプの幅は、例えば0.3mm以上1.0mm未満程度であり、深さは、例えば5mm以上11mm以下程度であるが、これに限定されない。副溝、スリット、ラグ溝のそれぞれの幅は、基本的には主溝よりも小さく、かつサイプよりも大きい点で共通するが、同様の幅を有するか、あるいは差異がある場合もある。
図2に示すように、トレッド2は、タイヤ軸方向に並ぶ複数の陸6と、複数の陸6をタイヤ軸方向に仕切るタイヤ周方向に延びる複数の周溝7と、を備える。複数の陸6のそれぞれは、タイヤ周方向に延在する。バットレス8は、タイヤ軸方向一方側X1の第1バットレス8Aと、タイヤ軸方向他方側X2の第2バットレス8Bと、を含んでいる。
複数の陸6は、タイヤ赤道E上であってタイヤ軸方向中央に配置された中央陸100と、中央陸100のタイヤ軸方向一方側X1に配置される第1中間陸200と、中央陸100のタイヤ軸方向他方側X2に配置される第2中間陸300と、第1中間陸200のタイヤ軸方向一方側X1に配置される第1ショルダー陸400と、第2中間陸300のタイヤ軸方向他方側X2に配置される第2ショルダー陸500と、を含む。第1ショルダー陸400及び第2ショルダー陸500のそれぞれは、トレッド2のタイヤ軸方向両端に配置される本開示に係るショルダー陸の一例である。第1中間陸200及び第2中間陸300のそれぞれは、中央陸とショルダー陸との間に配置される本開示に係る中間陸の一例である。
実施形態の第1中間陸200及び第2中間陸300の最大幅は、略同じであり、中央陸100の最大幅よりも大きい。実施形態の第1ショルダー陸400及び第2ショルダー陸500の幅は略同じであり、第1中間陸200及び第2中間陸300の幅よりも大きい。なお、各陸6の幅はこのように限定されるものではなく、任意であってよい。
複数の周溝7は、中央陸100と第1中間陸200との間の副溝600と、中央陸100と第2中間陸300との間の第1主溝700と、第1中間陸200と第1ショルダー陸400との間の第2主溝800と、第2中間陸300と第2ショルダー陸500との間の第3主溝900と、を含む。各主溝700、800、900の、最大幅は例えば4mm以上8mm以下程度であり、深さは例えば8mm以上9.5mm以下程度であるが、これに限定されない。副溝600は、最大幅及び深さが各主溝700、800、900よりも小さく、例えば最大幅は2~5mm程度、深さは6mm以上7.5mm以下程度であるが、これに限定されない。
実施形態の副溝600は、全体的にはジグザグ形状を有する。実施形態の第1主溝700は、タイヤ周方向に沿って直線状であって、その幅は略一定の溝である。実施形態の第2主溝800及び第3主溝900は、ジグザグ状の形状を有する。これら周溝7のトレッド面2Aでの溝形状は限定されるものではなく、任意であってよい。
図3に示すように、中央陸100は、複数の第1中央サイプ110と、複数の第2中央サイプ120と、複数の第3中央サイプ130と、を備える。
複数の第1中央サイプ110は、中央陸100の幅方向における略中央領域に配置されている。複数の第1中央サイプ110は、タイヤ周方向に間隔をおいて並んでいる。図4は、第1中央サイプ110を拡大した平面図である。図4に示すように、第1中央サイプ110は、トレッド面2Aでの表面形状が略S字形状あるいはクランク形状と呼ぶことができる形状を有し、タイヤ軸方向に延びる中央直線部111と、中央直線部111のタイヤ軸方向一方側X1の端からタイヤ周方向一方側C1に延びる第1端部直線部112と、中央直線部111のタイヤ軸方向他方側X2の端からタイヤ周方向他方側C2に延びる第2端部直線部113と、を含む。中央直線部111は、タイヤ周方向と交差する部分である。第1中央サイプ110は、タイヤ軸方向両側の副溝600及び第1主溝700のいずれにも連通しておらず、その両端は中央陸100内で終端している。
中央直線部111の長さは、例えば5mm程度であり、3mm以上10mm以下であることが好ましい。第1端部直線部112及び第2端部直線部113の長さは、例えば2.1mm程度であり、1.5mm以上3mm以下であることが好ましい。
実施形態の複数の第1中央サイプ110は、上述したように中央陸100の幅方向における略中央領域に配置されるが、その中央領域としては、中央陸100の幅の最大で60%を占める領域内に配置されていてよく、当該幅の40%を占める領域内に配置されていれば好ましい。
第1中央サイプ110のタイヤ軸方向長さは、中央陸100の幅に対して、20%以上60%以下であることが好ましい。
図3に示すように、複数の第2中央サイプ120は、第1中央サイプ110のタイヤ軸方向一方側X1及びタイヤ軸方向他方側X2のそれぞれに配置されている。複数の第2中央サイプ120は、タイヤ周方向に間隔をおいて並んでいる。第2中央サイプ120は、トレッド面2Aでの表面形状が波型形状の部分を有する。第2中央サイプ120は、その全体的な延在方向が、タイヤ軸方向他方側X2の端からタイヤ軸方向一方側X1の端に向かうにつれて、タイヤ周方向一方側C1に延びるように傾斜している。第1中央サイプ110のタイヤ軸方向一方側X1に配置された第2中央サイプ120は、副溝600に連通している。第1中央サイプ110のタイヤ軸方向他方側X2に配置された第2中央サイプ120は、第1主溝700に連通している。
第2中央サイプ120は、3Dサイプであることが好ましい。なお、ここでいう3Dサイプとは、第2中央サイプ120の延在方向(一端から他端までの長さ方向)に、波型形状のように屈曲して立体的であることに加え、サイプ深さ方向にも屈曲する部分を有して立体的であるサイプをいう。
中央陸100の表面における全ての第2中央サイプ120のサイプ長さの合計すなわち総長は、中央陸100の表面における第1中央サイプ110のサイプ長さの合計すなわち総長よりも、長いことが好ましい。なお、ここでいうサイプ長さは、中央陸100の表面におけるサイプの形状をなぞった全長をいう。
複数の第3中央サイプ130は、第1中央サイプ110のタイヤ軸方向一方側X1に配置されている。第3中央サイプ130は、トレッド面2Aでの表面形状が波型形状の部分を有する。第3中央サイプ130は、第1中央サイプ110のタイヤ軸方向一方側X1に配置されている第2中央サイプ120のうちの、タイヤ周方向で隣接する所定の一対の第2中央サイプ120の間に配置されている。第3中央サイプ130の全体的な延在方向は、第2中央サイプ120と略平行である。第3中央サイプ130は、副溝600に隣接しているが、副溝600には連通しておらず、その両端は中央陸100内で終端している。
実施形態においては、第2中央サイプ120の幅と第3中央サイプ130の幅は略同一であり、第1中央サイプ110の幅は、第2中央サイプ120及び第3中央サイプ130の幅よりも大きいが、これには限定されない。
図2及び図3に示すように、中央陸100は、タイヤ周方向に交差する方向に延びる複数の第1中央スリット140及び複数の第2中央スリット150を含んでいる。第1中央スリット140及び第2中央スリット150のそれぞれは、タイヤ周方向に間隔をおいて配置されている。第1中央スリット140及び第2中央スリット150の幅は、例えば3.0mm以上6mm以下程度であるが、これに限定されない。深さは、例えば第1スリット140の深さが7.0mm以上8.5mm以下程度、第2スリット150の深さが4.0mm以上5.5mm以下程度であるが、いずれもこれに限定されない。
第1中央スリット140は、タイヤ軸方向一方側X1の端が副溝600に連通している。第1中央スリット140は、副溝600に連通する一端からタイヤ軸方向他方側X2に延び、第1主溝700に到達する手前で終端している。このため、中央陸100は、タイヤ周方向に連続して環状に延在するリブ形状となっている。第1中央スリット140は、副溝600に連通する一端からタイヤ軸方向他方側X2に向かうにつれて、タイヤ周方向他方側C2に延びるようにタイヤ軸方向に対して傾斜している。第1中央スリット140の、タイヤ軸方向他方側X2の終端の部分には、タイヤ軸方向他方側X2に向かうにつれてタイヤ周方向一方側C1に延びる鈎形状部141を有する。第1中央スリット140は、タイヤ赤道Eを跨いで延びている。実施形態の第1中央スリット140においては、鈎形状部141の始端付近にタイヤ赤道Eが通っている。
第2中央スリット150は、タイヤ軸方向他方側X2の端が第1主溝700に連通している。第2中央スリット150は、第1主溝700に連通する一端からタイヤ軸方向一方側X1に延び、副溝600に到達する手前で終端している。第2中央スリット150は、第1主溝700に連通する一端からタイヤ軸方向一方側X1に向かうにつれて、タイヤ周方向一方側C1に延びるようにタイヤ軸方向に対して傾斜している。第2中央スリット150は、タイヤ赤道Eを跨いで延びている。
第1中央スリット140及び第2中央スリット150のそれぞれは、タイヤ周方向に交互に配置されている。タイヤ周方向に隣接する第1中央スリット140と第2中央スリット150との間に、所定数の第1中央サイプ110、第2中央サイプ120及び第3中央サイプ130のそれぞれが配置されている。
図2及び図3に示すように、第1中間陸200は、タイヤ周方向に並ぶ複数の第1中間ブロック210と、タイヤ周方向と交差する方向に延びる複数の第1中間スリット220と、を含んでいる。複数の第1中間スリット220は、タイヤ周方向に間隔をおいて配置されている。第1中間スリット220は、第1中間陸200を横断し、副溝600及び第2主溝800に連通している。第1中間スリット220の幅及び深さは、第1中央スリット140と同等である。
図3に示すように、第1中間スリット220は、タイヤ周方向一方側C1に突出する第1屈曲部221を有する。第1屈曲部221は、第1中間スリット220において、タイヤ軸方向一方側X1に寄った位置に形成されている。第1中間スリット220は、第1屈曲部221から第2主溝800に至る第1傾斜部222と、第1屈曲部221から副溝600に至る第2傾斜部223と、を有する。第1傾斜部222及び第2傾斜部223は、第1屈曲部221を起点としてみた場合、第1屈曲部221からタイヤ軸方向に離れる方向に延びるにつれてタイヤ周方向他方側C2に延びるように、タイヤ軸方向に対して傾斜している。第1中間スリット220は、第1屈曲部221のタイヤ周方向一方側C1に、タイヤ軸方向一方側X1に突出する第1突出凹部224を有する。
複数の第1中間ブロック210のそれぞれは、副溝600と、第2主溝800と、タイヤ周方向に隣接する一対の第1中間スリット220と、により、略矩形形状に区画されている。第1中間スリット220は、本開示に係るブロック形成溝の一例である。第1中間ブロック210は、当該ブロック形成溝によりタイヤ周方向に区画された本開示に係るブロックの一例である。中央陸100の第1中央スリット140は、副溝600を挟んで第1中間スリット220の延長上に延びている。
図3に示すように、副溝600は、第1中間ブロック210ごとに形成されてタイヤ周方向に分割された複数の分割溝610が、第1中間スリット220を介してタイヤ周方向に連続することにより構成されている。分割溝610のそれぞれは、タイヤ周方向他方側C2からタイヤ周方向一方側C1に向かうにつれてタイヤ軸方向一方側X1に延びるように、タイヤ周方向に対して傾斜している。
図3に示すように、第1中間ブロック210は、タイヤ周方向の略中央であって、タイヤ軸方向で互いに略対向する位置のそれぞれに、第1切欠き211及び第2切欠き212を一対の状態で有する。第1切欠き211は、第1中間ブロック210のタイヤ軸方向一方側X1の縁に形成されており、第2主溝800に連通している。第2切欠き212は、第1中間ブロック210のタイヤ軸方向他方側X2の縁に形成されており、副溝600に連通している。
第1中間ブロック210は、タイヤ周方向と交差する方向に延びる複数の第1中間サイプ213を含んでいる。第1中間サイプ213は、トレッド面2Aでの表面形状が波型形状の部分を有する。第1中間サイプ213は、全体的には、タイヤ周方向一方側C1に凸となるように湾曲しているが、タイヤ軸方向他方側X2のタイヤ軸方向に対する傾斜部分の割合が長い。
第1中間サイプ213は、タイヤ軸方向一方側X1の端が第1切欠き211に連通し、連通するその一端から副溝600に向かって延び、副溝600に到達する手前で終端するものと、タイヤ軸方向他方側X2の端が第2切欠き212に連通し、連通するその一端から第2主溝800に向かって延び、第2主溝800に到達する手前で終端するものと、副溝600及び第2主溝800に連通するものと、を含む。しかしながらこれら複数の第1中間サイプ213の形状や配置等で形成されるサイプパターンは、各第1中間ブロック210で共通である。
図2及び図3に示すように、第2中間陸300は、タイヤ周方向に並ぶ複数の第2中間ブロック310と、タイヤ周方向と交差する方向に延びる複数の第2中間スリット320と、複数の第3中間スリット330と、複数の第4中間スリット340と、を含んでいる。各スリット320、330、340の幅は、例えば2.5mm以上5.0mm以下程度であり、深さは、例えばスリット320の深さが7.0mm以上8.5mm以下程度、スリット330、340の深さが4.0mm以上5.5mm以下程度であるが、いずれもこれに限定されない。
複数の第2中間スリット320は、タイヤ周方向に間隔をおいて配置されている。第2中間スリット320は、第2中間陸300を横断し、第1主溝700及び第3主溝900に連通している。
図3に示すように、第2中間スリット320は、タイヤ軸方向の端部のそれぞれに、第2屈曲部321及び第3屈曲部322を有する。第2屈曲部321は、タイヤ軸方向一方側X1の端部に形成されており、タイヤ周方向他方側C2に突出している。第3屈曲部322は、タイヤ軸方向他方側X2の端部に形成されており、タイヤ周方向一方側C1に突出している。第2中間スリット320は、第2屈曲部321から第1主溝700に至る第3傾斜部323と、第3屈曲部322から第3主溝900に至る第4傾斜部324と、第2屈曲部321と第3屈曲部322とをつなぐ第5傾斜部325と、を有する。
第5傾斜部325は、第2中間スリット320の主たる部分であって、第3傾斜部323及び第4傾斜部324よりも長い。第5傾斜部325は、第2屈曲部321から第3屈曲部322に向かうにつれてタイヤ周方向一方側C1に延びるように、タイヤ軸方向に対して傾斜している。第3傾斜部323及び第4傾斜部324の長さは略同じであり、第5傾斜部325と逆方向に傾斜している。
第2中間スリット320は、第2屈曲部321のタイヤ周方向他方側C2に、タイヤ軸方向他方側X2に突出する第2突出凹部326を有するとともに、第3屈曲部322のタイヤ周方向一方側C1に、タイヤ軸方向一方側X1に突出する第3突出凹部327を有する。
複数の第2中間ブロック310のそれぞれは、第1主溝700と、第3主溝900と、タイヤ周方向に隣接する一対の第2中間スリット320と、により、略矩形形状に区画されている。第2中間スリット320は、本開示に係るブロック形成溝の一例である。第2中間ブロック310は、当該ブロック形成溝によりタイヤ周方向に区画された本開示に係るブロックの一例である。
図2に示すように、第2中間ブロック310は、第3中間スリット330を有するものと、第4中間スリット340を有するものとが、タイヤ周方向に交互に配置されている。
図3に示すように、第3中間スリット330は、第2中間ブロック310のタイヤ軸方向一方側X1の縁に形成されている。第3中間スリット330は、鈎型形状に屈曲している。第3中間スリット330は、第1主溝700に連通しており、連通する端とは反対側の端は先細り形状に形成され、第2中間ブロック310内で終端している。第4中間スリット340は、第2中間ブロック310のタイヤ軸方向他方側X2の縁に形成されている。第4中間スリット340は、第3中間スリット330と同形状であって鈎型形状に屈曲しているが、屈曲する向きが第3中間スリット330と逆向きとなっている。第4中間スリット340は、第3主溝900に連通しており、連通する端とは反対側の端は先細り形状に形成され、第2中間ブロック310内で終端している。
第2中間ブロック310は、タイヤ周方向と交差する方向に延びる複数の第2中間サイプ311を含んでいる。第2中間サイプ311は、トレッド面2Aでの表面形状が波型形状の部分を有する。第2中間サイプ311は、その長さや延在方向、位置等の態様が異なっていたり、連通する溝やスリットが異なっていたりすることにより、複数種類を有する。例えば、第2中間サイプ311は、延在方向が略直線状のものや、湾曲しているものがある。また、第2中間サイプ311は、第1主溝700のみに連通するか、あるいは第3主溝900のみに連通することにより、一端が第2中間ブロック310内で終端するものがある。さらに、第2中間サイプ311は、第1主溝700及び第3主溝900のうちのいずれか一方と、第2中間スリット320とに連通するものもある。しかしながらこれら複数の第2中間サイプ311の形状や配置等で形成されるサイプパターンは、各第2中間ブロック310で共通である。
図2示すように、第1ショルダー陸400は、タイヤ周方向に並ぶ複数の第1ショルダーブロック410と、タイヤ周方向と交差する方向に延びる複数の第1ラグ溝420と、を含んでいる。第1ラグ溝420の幅は、例えば3.5mm以上6.0mm以下程度であり、深さは、例えば6.5mm以上8.5mm以下程度であるが、これに限定されない。
複数の第1ラグ溝420は、タイヤ周方向に間隔をおいて配置されている。第1ラグ溝420は、第1ショルダー陸400及び第1バットレス8Aを横断し、第2主溝800及び第1環状溝9Aに連通している。第1環状溝9Aは、タイヤ周方向に沿った環状の溝であって、第1バットレス8Aのタイヤ径方向内側に形成されている。
第1ショルダーブロック410は、第1ショルダー陸400から第1バットレス8Aにわたって設けられている。第1ショルダーブロック410は、第2主溝800と、第1環状溝9Aと、タイヤ周方向に隣接する一対の第1ラグ溝420と、により、平面視で略矩形形状に区画されている。第1ラグ溝420は、本開示に係るブロック形成溝の一例である。第1ショルダーブロック410は、当該ブロック形成溝によりタイヤ周方向に区画された本開示に係るブロックの一例である。
第1ショルダーブロック410は、第1ショルダースリット411と、複数の第1ショルダーサイプ412と、を含んでいる。第1ショルダースリット411及び第1ショルダーサイプ412は、いずれもタイヤ周方向と交差する方向に延びている。
第1ショルダースリット411は、略Z字状に屈曲した形状を有している。第1ショルダースリット411は、サイプを除くどの溝にも連通せず、第1ショルダーブロック410内で終端している。第1ショルダースリット411の幅は、例えば0.5mm以上2.0mm以下程度であり、深さは、例えば0.5mm以上2.0mm以下程度であるが、これに限定されない。
複数の第1ショルダーサイプ412は、タイヤ周方向に間隔をおいて並んでいる。第1ショルダーサイプ412は、波型形状の部分を有する。第1ショルダーサイプ412は、第2主溝800に連通し、その連通する端からショルダー5に向けて延び、ショルダー5に設けられたディンプル414に連通している。
第1ショルダーブロック410における第1バットレス8Aの領域には、タイヤ軸方向で対向する一対の第1鈎型溝81、第2鈎型溝82と、ショルダー5付近に設けられたショルダー溝86と、を含んでいる。第1鈎型溝81のタイヤ軸方向他方側X2に、第2鈎型溝82が配置されている。第1鈎型溝81、第2鈎型溝82及びショルダー溝86の幅は、例えば1.0mm以上3.5mm以下程度であり、深さは、例えば0.5mm以上1.5mm以下程度であるが、これに限定されない。
第1鈎型溝81及び第2鈎型溝82は、同じ形状を有する。各鈎型溝81、82のそれぞれは、タイヤ周方向に対して傾斜する周方向傾斜溝部81a、82aの先端に、鈎型状に屈曲する先端部81b、82bを有する。各鈎型溝81、82は、第1ショルダーブロック410内において、先端部81b、82bが互いに係合するような配置であって、かつ周方向傾斜溝部81a、82aが平行となる状態で、タイヤ周方向で互いに逆向きに配置されている。タイヤ軸方向一方側X1に配置された第1鈎型溝81は、その基端が第1環状溝9A及び第1ラグ溝420に連通し、先端部81bは第1ショルダーブロック410内で終端している。タイヤ軸方向他方側X2に配置された第2鈎型溝82は、その基端が、第1鈎型溝81の基端が連通する第1ラグ溝420とは異なる第1ラグ溝420に連通している。
ショルダー溝86は、第1ショルダーブロック410内において、第2鈎型溝82のタイヤ周方向一方側C1に配置されている。ショルダー溝86は、第1鈎型溝81の基端が連通している第1ラグ溝420に連通し、その連通する端からタイヤ周方向他方側C2に延び、第2鈎型溝82に到達せずに終端している。
図2に示すように、第3主溝900よりもタイヤ軸方向他方側X2の第2ショルダー陸500及び第2バットレス8Bの構成は、上述した第2主溝800よりもタイヤ軸方向一方側X1の第1ショルダー陸400及び第1バットレス8Aの構成とほぼ点対称となっており、以下のように同様の構成を有する。なお、点対称で対応するスリットや溝の幅や深さは略同じである。
第2ショルダー陸500は、タイヤ周方向に並ぶ複数の第2ショルダーブロック510と、タイヤ周方向と交差する方向に延びる複数の第2ラグ溝520と、を含んでいる。
複数の第2ラグ溝520は、タイヤ周方向に間隔をおいて配置されている。第2ラグ溝520は、第2ショルダー陸500及び第2バットレス8Bを横断し、第3主溝900及び第2環状溝9Bに連通している。第2環状溝9Bは、タイヤ周方向に沿った環状の溝であって、第2バットレス8Bのタイヤ径方向内側に形成されている。
第2ショルダーブロック510は、第2ショルダー陸500から第2バットレス8Bにわたって設けられている。第2ショルダーブロック510は、第3主溝900と、第2環状溝9Bと、タイヤ周方向に隣接する一対の第2ラグ溝520と、により、平面視で略矩形形状に区画されている。第2ラグ溝520は、本開示に係るブロック形成溝の一例である。第2ショルダーブロック510は、当該ブロック形成溝によりタイヤ周方向に区画された本開示に係るブロックの一例である。
第2ショルダーブロック510は、第2ショルダースリット511と、複数の第2ショルダーサイプ512と、を含んでいる。第2ショルダースリット511及び第2ショルダーサイプ512は、いずれもタイヤ周方向と交差する方向に延びている。
第2ショルダースリット511は、略Z字状に屈曲した形状を有している。第2ショルダースリット511は、サイプを除くどの溝にも連通せず、第2ショルダーブロック510内で終端している。
複数の第2ショルダーサイプ512は、タイヤ周方向に間隔をおいて並んでいる。第2ショルダーサイプ512は、波型形状の部分を有する。第2ショルダーサイプ512は、第3主溝900に連通し、その連通する端からショルダー5に向けて延び、ショルダー5に設けられたディンプル514に連通している。
第2ショルダーブロック510における第2バットレス8Bの領域には、タイヤ軸方向で対向する一対の第3鈎型溝83、第4鈎型溝84と、ショルダー5付近に設けられたショルダー溝87と、を含んでいる。第3鈎型溝83のタイヤ軸方向一方側X1に、第4鈎型溝84が配置されている。
第3鈎型溝83及び第4鈎型溝84は、同じ形状を有する。各鈎型溝83、84のそれぞれは、タイヤ周方向に対して傾斜する周方向傾斜溝部83a、84aの先端に、鈎型状に屈曲する先端部83b、84bを有する。各鈎型溝83、84は、第2ショルダーブロック510内において、先端部83b、84bが互いに係合するような配置であって、かつ周方向傾斜溝部83a、84aが平行となる状態で、タイヤ周方向で互いに逆向きに配置されている。タイヤ軸方向他方側X2に配置された第3鈎型溝83は、その基端が第2環状溝9B及び第2ラグ溝520に連通し、先端部83bは第2ショルダーブロック510内で終端している。タイヤ軸方向一方側X1に配置された第4鈎型溝84は、その基端が、第3鈎型溝83の基端が連通する第2ラグ溝520とは異なる第2ラグ溝520に連通している。
ショルダー溝87は、第2ショルダーブロック510内において、第4鈎型溝84のタイヤ周方向他方側C2に配置されている。ショルダー溝87は、第3鈎型溝83の基端が連通している第2ラグ溝520に連通し、その連通する端からタイヤ周方向一方側C1に延び、第4鈎型溝84に到達せずに終端している。
前述したように、実施形態の中央陸100は、タイヤ周方向に連続して環状に延在するリブ形状となっている。これにより、中央陸100の接地長が確保され、接地面積が増えることにより氷上走行性能の向上が図られている。また、中央陸100が備える第1中央サイプ110により、除水効果が向上し、これによっても氷上走行性能の向上が図られている。以下、この第1中央サイプ110について詳述する。
図5は、中央陸100に設けられた第1中央サイプ110を示すタイヤ断面図であって、図5内のV-Aに、複数の第1中央サイプ110のサイプ深さ方向(タイヤ径方向)の断面を拡大して示している。
図6は、図4のVI-VI断面図であって、第1中央サイプ110の開口110aを下側に配置し、底部110bを上側に配置した図である。図6は、タイヤ1が無負荷状態での第1中央サイプ110のサイプ幅方向断面を示している。図6に示すように、第1中央サイプ110は、中央陸100における互いに対向する第1壁面160と第2壁面170と、の間に形成されている。言い換えると、溝としての第1中央サイプ110は、開口110aと、底部110bと、第1壁面160と、第2壁面170と、を有し、第1壁面160と第2壁面170の間に空間を有する。なお、第1中央サイプ110も、第2中央サイプ120と同様に3Dサイプである。
第1壁面160は、サイプ深さ方向(図6では上下方向)で離間する2箇所に設けられ、サイプ長さ方向に延在する第1凸部161と、第1凸部161の間に配置される第1凹部162と、を有する。第1凸部161のそれぞれは、第2壁面170に向けて突出している。第1凸部161及び第1凹部162は、第1中央サイプ110の延在方向全長にわたって設けられている。
第2壁面170は、第1壁面160の第1凸部161のそれぞれに対向する第2凹部171と、これら第2凹部171の間に配置され、第1壁面160の第1凹部162に対向する第2凸部172と、を有する。第2凸部172は、第1壁面160に向けて突出している。第2凹部171及び第2凸部172は、第1中央サイプ110の延在方向全長にわたって設けられている。
図6に示すように、第1中央サイプ110は、そのサイプ幅方向断面において、無負荷状態で、開口110aから底部110bにわたり直線的に延びるストレート空間110sを有する。このストレート空間110sは、開口110aから底部110bをサイプ深さ方向で見た場合、第1壁面160の第1凸部161及び第2壁面170の第2凸部172に遮られることなく、底部110bを見通すことを可能とする空間である。
第1中央サイプ110において、第1壁面160と第2壁面170との間の間隔は、開口110aから底部110bにわたり略等しい。ここでいう第1壁面160と第2壁面170との間の間隔とは、第1壁面160における第1凸部161及び第1凹部162が設けられていない部分と、第2壁面170における第2凹部171及び第2凸部172が設けられていない部分との間の、主たる第1壁面160と第2壁面170との間のサイプ幅方向の間隔と、第1凸部161と第2凹部171との間のサイプ幅方向の間隔と、第1凹部162と第2凸部172との間のサイプ幅方向の間隔と、をいう。第1凹部162及び第2凹部171の深さ方向両端では、対向する壁面との間が部分的に大きくなるが、当該部分におけるサイプ幅方向の間隔については、間隔が等しいとされる第1壁面160と第2壁面170との間の間隔から除外する。
第1壁面160と第2壁面170との間の間隔、すなわち第1中央サイプ110のサイプ幅は、例えば0.6mm程度であり、0.5mm以上1.0mm以下であることが好ましい。第1凸部161、第2凸部172の突出高さは、例えば0.3mm程度であり、0.2mm以上0.5mm以下であることが好ましい。上記ストレート空間110sの幅は、例えば0.3mm程度であり、0.1mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
第1壁面160の第1凸部161のサイプ深さ方向の長さは、第2壁面170の第2凹部171のサイプ深さ方向の長さの40%以上70%以下であることが好ましい。
このような構成を有する第1中央サイプ110の作用について説明する。図7A~図7Eは、車両が路面Rを前進走行中において、G方向に回転する回転するタイヤ1の中央陸100が路面Rに接地する際の変形の過程を模式的に示している。ここでは、タイヤ周方向に並ぶ3つの第1中央サイプ110の、タイヤ軸方向に延びる中央直線部111を示している。なお、タイヤ1の接地面は、路面Rに先に接地するタイヤ踏み込み側(先着側)と、路面Rから離れていくタイヤ蹴り出し側(後着側)とを有する。実施形態のタイヤ1は、第1壁面160がタイヤ踏み込み側に配置され、第2壁面170がタイヤ蹴り出し側に配置される。
図7A~図7Bは、タイヤ踏み込み時を示しており、タイヤ踏み込み側(右側)から1中央サイプ110の幅間隔が狭くなっていく状態を示している。図8は、図7Bを拡大した図である。
図8に示すように、タイヤ踏み込み時では、タイヤ踏み込み側の第1壁面160よりもタイヤ踏み込み側の中央陸100のゴムが歪んで変形することにより、第1壁面160が第2壁面170に近付き、第1中央サイプ110の幅が小さくなる。このとき、第1凸部161が第2凹部171に入り込むとともに、第2凸部172が第1凹部162に入り込む。さらに、2つの第1凸部161のうち、開口110a側の第1凸部161が第2凸部172に当接するとともに、底部110b側の第1凸部161が、底部110b側の第2凹部171の縁171cに当接する。その状態で、実施形態のタイヤ1においては、サイプ深さ方向で第1凸部161と第2凸部172との間に隙間105が形成されるようになっている。
図7Cに示すように、第1中央サイプ110のサイプ深さ方向が路面Rに略直交するタイヤ接地中期では、第1壁面160と第2壁面170とは離間し、第1凸部161は第2凹部171に嵌合せず、第1凹部162も第2凸部172に嵌合しない状態となる。
図7D~図7Eは、タイヤ蹴り出し時を示しており、この過程では、第2壁面170よりもタイヤ蹴り出し側(左側)の中央陸100のゴムが歪んで変形することにより、第2壁面170が第1壁面160から離間し、第1中央サイプ110の幅が大きくなる。
実施形態の第1中央サイプ110は、上記のようにタイヤ踏み込み時に生じるタイヤ変形により、第1凸部161と第2凸部172とが互いに当接する。これにより、第1中央サイプ110の開口110aは開口した状態が保持され、タイヤ表面での閉塞が生じにくい。このため、水分が開口110aから第1中央サイプ110に入り込む除水効果が確保され、結果として氷上走行性能の向上が図られる。
第1中央サイプ110の寸法については、特に制限はないが、図6に示すように、例えば、第1凸部161と第2凹部171とのサイプ幅方向の間隔Waは0.6mm、互いに当接する第1凸部161と第2凹部171の縁171cとの最大間隔Wbは0.5mmといった寸法が挙げられる。これら寸法は一例であり、Wa及びWbの比としては、Wb/Waが、例えば0.5以上1以下であると好ましい。このような寸法関係を有することにより、第1凸部161が第2凹部171の縁171cに当接しやすく、上述した除水効果を確保できる。
中央陸100を含むトレッド2は、トレッドゴムで構成されるが、このトレッドゴムの硬度は、JIS K6253-3:2012のデュロメータ硬さ タイプAで、50以上65以下であることが好ましい。トレッドゴムがこのような硬度を有すると、第1凸部161が第2凹部171の縁171cに適切に当接しやすく、上述した除水効果を確保できる。
図9は、実施形態のタイヤ1のトレッド面2Aの接地面形状の一例を示す図であって、その接地面の矩形率を説明するための図である。図9は、タイヤ1が接地した接地痕に対応する図である。図9では、タイヤ赤道E上におけるタイヤ周方向長さのトレッド接地長をL1で示し、接地幅W1の両端から内側に10mmの位置におけるタイヤ周方向長さのトレッド接地長をL2で示しており、矩形率はL2/L1である。なお、実際のL2は左右で異なることがあるため、双方の平均をとる。
実施形態のタイヤ1は、正規リムに装着し、かつ、正規内圧を充填した状態で、最大荷重の70%荷重時における矩形率L2/L1は、70%以上92%以下である。この条件での接地面の矩形率が70%以上92%以下であることにより、矩形率が比較的高く、スクエア形状の接地面が得られる。これにより、接地面積の増大化に伴う氷上走行性能の向上が図られる。
図10は、実施形態のタイヤ1を加硫成形するために用いられるタイヤ成形金型の一実施形態を示している。図10は、そのタイヤ成形金型10の、成形されるタイヤ1の軸方向に沿った子午線断面図である。
図10に示すタイヤ成形金型10は、タイヤ1の外周側に沿って円周状に配列された複数のセクター11と、複数のセクター11の組み合わせによる環状体の軸方向両側に配置された一対のサイドプレート12と、図示せぬ一対のビードリングと、を備える。加硫成形時には、タイヤ成形金型10の内側に、タイヤ1となる未加硫のタイヤがセットされる。セクター11、サイドプレート12及びビードリングの組み合わせ体は、タイヤ1を成形する成形型であり、当該成形型の内面、すなわちセクター11の内面11a、サイドプレート12の内面12a及びビードリングの内面により、タイヤ1全体の外表面が成形される。また、加硫成形時には、未加硫タイヤの内側に、当該未加硫タイヤをタイヤ成形金型10の内面に押し付ける図示せぬブラダが配置される。複数のセクター11により、主にトレッド2、ショルダー5、バットレス8が形成され、一対のサイドプレート12により、主にサイドウォール4が形成される。一対の上記ビードリングにより、ビード3が形成され、上記ブラダにより、タイヤ1の内面全体が形成される。
タイヤ成形金型10により、未加硫タイヤが加硫されてタイヤ1全体のゴム形状が形成されるとともに、トレッド2にトレッドパターン2Bが形成される。
以上説明した実施形態に係るタイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)実施形態に係るタイヤ1は、タイヤ赤道E上に配置され、タイヤ周方向に連続して環状に延在するリブ形状の中央陸100、を含む複数の陸6と、中央陸100のタイヤ軸方向両側の各周溝7と、を含むトレッド2、を備えた空気入りタイヤであって、中央陸100は、タイヤ周方向と交差する方向に延びる部分を有する第1中央サイプ110と、タイヤ周方向と交差する方向に延びる部分を有する第2中央サイプ120と、を有し、第1中央サイプ110は、中央陸100内で終端しており、第2中央サイプ120は、周溝7に連通するとともに、少なくともタイヤ表面での形状が波型形状を有し、中央陸100の表面における第2中央サイプ120の総長は、中央陸100の表面における第1中央サイプ110の総長よりも長い。
実施形態の中央陸100は、タイヤ周方向に連続して環状に延在するリブ形状となっている。これにより、中央陸100の接地長が確保され、接地面積が増えることにより氷上走行性能が向上する。また、リブ形状の中央陸100は、旋回時によれが抑制され、初期応答性が向上する。中央陸100においては、エッジ効果を確保するために複数の第1中央サイプ110及び第2中央サイプ120が設けられているが、中央陸100内で終端する第1中央サイプ110により、第1中央サイプ110周辺の剛性が低く調整される。一方、周溝7に連通する第2中央サイプ120は、中央陸100の端縁付近の倒れ込みが生じやすくなるストレート形状ではなく波型形状であるため、その倒れ込みが生じにくくなり、剛性が高く調整される。これらのことから、中央陸100の剛性の均一化が図られ、その結果、中央陸100の接地圧が均一化され、氷上走行性能が向上する。上述したように、中央陸100においては複数の第1中央サイプ110及び第2中央サイプ120が設けられることによりエッジ効果を確保され、これにより雪上走行性能が確保される。これに加え、中央陸100の表面における第2中央サイプ120の総長が中央陸100の表面における第1中央サイプ110の総長よりも長いことにより、氷上走行性能と雪上走行性能の双方がバランスよく向上する。
(2)実施形態に係る上記(1)のタイヤ1においては、第2中央サイプ120は、3Dサイプであることが好ましい。
これにより、さらに高い剛性が発揮され、氷上では優れたエッジ効果が発揮される。
(3)実施形態に係る上記(1)及び(2)のタイヤ1においては、陸6は、中央陸100と、トレッド2のタイヤ軸方向両端に配置されるショルダー陸としての第1ショルダー陸400及び第2ショルダー陸500と、中央陸100とショルダー陸との間にそれぞれ配置される中間陸としての第1中間陸200及び第2中間陸300、を含み、中間陸のそれぞれは、タイヤ周方向と交差する方向に延びるブロック形成溝としての第1中間スリット220及び第2中間スリット320により、タイヤ周方向に区画された複数のブロックとしての第1中間ブロック210及び第2中間ブロック310を有し、ショルダー陸のそれぞれは、タイヤ周方向と交差する方向に延びるブロック形成溝としての第1ラグ溝420及び第2ラグ溝520により、タイヤ周方向に区画された複数のブロックとしての第1ショルダーブロック410及び第2ショルダーブロック510を有する。
これにより、各中間陸及び各ショルダー陸においては、排水性が向上するとともに、雪上走行の際においては雪中せん断力が増大して雪上走行性能が向上する。
(4)実施形態に係る上記(1)~(3)のタイヤ1においては、第1中央サイプ110は、少なくとも中央陸100に設けられていることが好ましい。
これにより、特に接地圧が高くなる傾向にある中央陸100内において第1中央サイプ110周辺の剛性が低く調整されるため、接地圧の適度な低減が可能となり、結果としてタイヤ全体の接地圧の均一化が図られる。なお、第1中央サイプ110は、中央陸100に加えて、第1中間陸200及び第2中間陸300のいずれかまたは双方に設けられていてもよい。
(5)実施形態に係る上記(1)~(4)のタイヤ1においては、中央陸100の幅に対する第1中央サイプ110のタイヤ軸方向長さの比率は、20%以上60%以下であることが好ましい。
これにより、第1中央サイプ110による上記効果が発揮されやすい。
(6)実施形態に係る上記(1)~(5)のタイヤ1においては、第1中央サイプ110は、中央陸100の幅方向における中央領域に配置されていることが好ましい。
これにより、第1中央サイプ110によって中央陸100の中央領域の剛性が低く調整され、第2中央サイプ120によって中央陸100の端縁付近の剛性が高く調整される。その結果、中央陸100の接地圧が均一化され、氷上走行性能が向上する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。
例えば、第1中央サイプ110は、少なくとも中央陸100に設けられていればよく、第1中間陸200及び第2中間陸300のいずれかまたは双方に設けられていてもよい。
周溝7として、1つの副溝600及び複数の主溝(第1主溝700、第2主溝800、第3主溝900)を有しているが、周溝7としては、全てが主溝であってもよく、複数の副溝を有していてもよい。
1 タイヤ(空気入りタイヤ)
2 トレッド
6 陸
7 周溝
100 中央陸
110 第1中央サイプ
120 第2中央サイプ
200 第1中間陸(中間陸)
210 第1中間ブロック(ブロック)
220 第1中間スリット(ブロック形成溝)
300 第2中間陸(中間陸)
310 第2中間ブロック(ブロック)
320 第2中間スリット(ブロック形成溝)
400 第1ショルダー陸(ショルダー陸)
410 第1ショルダーブロック(ブロック)
420 第1ラグ溝(ブロック形成溝)
500 第2ショルダー陸(ショルダー陸)
510 第2ショルダーブロック(ブロック)
520 第2ラグ溝(ブロック形成溝)
E タイヤ赤道
C タイヤ周方向
X タイヤ軸方向

Claims (6)

  1. タイヤ赤道上に配置され、タイヤ周方向に連続して環状に延在するリブ形状の中央陸、を含む複数の陸と、
    前記中央陸のタイヤ軸方向両側の各周溝と、を含むトレッド、を備えた空気入りタイヤであって、
    前記中央陸は、タイヤ周方向と交差する方向に延びる部分を有する複数の第1中央サイプと、タイヤ周方向と交差する方向に延びる部分を有する第2中央サイプと、を有し、
    前記複数の第1の中央サイプは、連結されることなくタイヤ周方向に間隔をおいて並んでおり、かつそれぞれの前記第1中央サイプは、前記中央陸内で終端しており、
    前記第2中央サイプは、前記周溝に連通するとともに、少なくともタイヤ表面での形状が波型形状を有し、
    前記中央陸の表面における前記第2中央サイプの総長は、前記中央陸の表面における前記第1中央サイプの総長よりも長い、空気入りタイヤ。
  2. 前記第2中央サイプは、3Dサイプである、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記陸は、前記中央陸と、前記トレッドのタイヤ軸方向両端に配置される各ショルダー陸と、前記中央陸と前記ショルダー陸との間にそれぞれ配置される中間陸と、を含み、
    前記中間陸及び前記ショルダー陸のそれぞれは、タイヤ周方向と交差する方向に延びるブロック形成溝によりタイヤ周方向に区画された複数のブロックを有する、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1中央サイプは、少なくとも前記中央陸に設けられている、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記中央陸の幅に対する前記第1中央サイプのタイヤ軸方向長さの比率は、20%以上60%以下である、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1中央サイプは、前記中央陸の幅方向における中央領域に配置されている、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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