JP7843214B2 - ウェットシート製造システム及びウェットシート製造方法 - Google Patents

ウェットシート製造システム及びウェットシート製造方法

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Description

本発明は、ウェットシート製造システム及びウェットシート製造方法に関する。
近年、例えば、トイレ、キッチン、床面等の清掃に使用する清掃シートや、汗の拭き取り等に使用するボディシートとしては、使い捨てのウェットシートが使用されることが増えているが、このようなウェットシートの製造方法としては、原紙シートに対し、スプレー塗布等の方法で薬液を含浸させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4703534号公報
ウェットシートには、香り付き製品と、無香料又は無香性製品と、が存在する。なお、ここで「香り付き製品」とは、含浸された薬液が好ましい香りを付与するための香料を含む製品をいい、「無香料製品」とは、含浸された薬液が香料を含まない製品をいい、「無香性製品」とは、含浸された薬液が、好ましい香りを付与するための香料を含まず、特定の好ましくない香りを目立たなくするための香料を含む製品を言う。
この点、香料は製造工程の様々な設備に付着することから、香り付き製品の製造後に同一の製造ラインを用いて無香料又は無香性製品を製造するには、水洗浄やアルコール洗浄、加温、乾燥、拭き取り、押し抜き(共洗い)等の工程を経て香料成分を除去することが必要となるが、このような作業中は製造を停止せざるを得ず、ウェットシートの製造に掛かる製造コストが上昇する要因となる。
また、製造ラインを複数設ければ、上記のような香料成分除去のための工程を経ることは不要となるが、製造ラインの新設自体に大きなコストが掛かる。
本発明の課題は、製造コストの上昇を抑制しつつ、香り付きのウェットシートと無香料又は無香性のウェットシートとの両者を製造することを可能とすることである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ウェットシート製造システムにおいて、
香料を含有しない無香料薬液を原紙シートに含浸させる無香料薬液含浸手段と、
香料を含有する香料薬液を前記原紙シートに含浸させる香料薬液含浸手段と、
を備え
前記香料薬液含浸手段は、
第1香料を含有する第1香料薬液を前記原紙シートに含浸させる第1香料薬液含浸手段と、
第2香料を含有する第2香料薬液を前記原紙シートに含浸させる第2香料薬液含浸手段と、
を含み、
前記第1香料薬液含浸手段と、前記第2香料薬液含浸手段とは、異なる角度から前記香料薬液を前記原紙シートに対して噴射することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のウェットシート製造システムにおいて、
前記香料薬液含浸手段は、前記無香料薬液含浸手段によって前記無香料薬液が含浸された前記原紙シートに対して前記香料薬液を含浸させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のウェットシート製造システムにおいて、
前記原紙シートを複数枚積層する積層手段を備え、
前記無香料薬液含浸手段は前記積層手段による前記原紙シートの積層前に前記無香料薬液を前記原紙シートに含浸させ、前記香料薬液含浸手段は前記積層手段による前記原紙シートの積層後に前記香料薬液を前記原紙シートに含浸させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のウェットシート製造システムにおいて、
前記香料薬液は、マスキング香料を含有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、ウェットシート製造方法において、
香料を含有しない無香料薬液を原紙シートに含浸させる無香料薬液含浸工程と、
香料を含有する香料薬液を前記原紙シートに含浸させる香料薬液含浸工程と、
を含み、
前記香料薬液含浸工程は、
第1香料を含有する第1香料薬液を前記原紙シートに含浸させる第1香料薬液含浸工程と、
第2香料を含有する第2香料薬液を前記原紙シートに含浸させる第2香料薬液含浸工程と、
を含み、
前記第1香料薬液含浸工程と、前記第2香料薬液含浸工程とでは、異なる角度から前記香料薬液を前記原紙シートに対して噴射することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のウェットシート製造方法において、
前記香料薬液含浸工程は、前記無香料薬液含浸工程によって前記無香料薬液が含浸された前記原紙シートに対して前記香料薬液を含浸させることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のウェットシート製造方法において、
前記原紙シートを複数枚積層する積層工程を含み、
前記無香料薬液含浸工程は前記積層工程の前に実施され、前記香料薬液含浸工程は前記積層工程の後に実施されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載ウェットシート製造方法において、
前記香料薬液は、マスキング香料を含有することを特徴とする。
本発明によれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、香り付きのウェットシートと無香料又は無香性のウェットシートとの両者を製造することを可能とすることができる。
実施形態に係るウェットシート製造方法を示すフローチャートである。 実施形態に係るウェットシート製造システムを示す模式図である。 変形例に係るウェットシート製造システムを示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されない。
なお、以下においては、ウェットシートの一例として、トイレの清掃に使用するウェットシートであるトイレクリーナーを製造する場合について説明する。
また、本実施形態の説明において、「から」を用いて記載する数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含むものとする。
[1 製造方法の説明]
実施形態に係るトイレクリーナー製造システム100を用いて、トイレクリーナーを製造する際の製造方法は、図1に示すように、原紙繰り出し工程(ステップS1)と、プレス加工工程(ステップS2)と、裁断・折り加工工程(ステップS3)と、無香料薬液含浸工程(ステップS4)と、積層工程(ステップS5)と、香料薬液含浸工程(ステップS6)と、包装工程(ステップS7)と、を含む。
また、トイレクリーナー製造システム100は、トイレクリーナーを製造するための一式の製造ラインである。
[(1) ステップS1:原紙繰り出し工程]
トイレクリーナー製造システム100を用いてトイレクリーナーを製造する場合、まず、トイレクリーナー製造システム100が備える原反ロール110から原紙シートSが繰り出される。
原反ロール110は、長尺な原紙シートSが巻き取られ、連続して繰り出すことができるように構成されたものである。
また、原紙シートSは、既知のパルプ繊維等を主原料とする繊維集合体を抄造して形成された薄葉紙を加工したものである。
原紙シートSは、複数枚のシートがプライ加工されたものであっても一枚のシートにより構成されたものであってもよいが、目付け量が、30g/mから150g/m程度であることが好ましい。なお、目付け量は、JIS P8124に基づくものである。
繊維集合体の原料繊維は、天然繊維でも合成繊維でもよく、これを混合することも可能である。好適な原料繊維としては、木材パルプ、非木材パルプ、レーヨン、コットン等のセルロース系繊維、ポリ乳酸等からなる生分解性繊維等を挙げることができる。また、これらの繊維を主体としてポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリニトリル繊維、合成パルプ、ガラスウール等を併用することができる。
繊維集合体は、少なくともパルプを含むものであることが好ましく、原料となるパルプは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を適宜の割合で配合したものが適する。パルプの配合比としては、針葉樹晒クラフトパルプの配合割合が50質量%から70質量%であるものが好ましく、65質量%であるものが特に好ましい。
また、原紙シートSには水溶性バインダーが添加されている。水溶性バインダーとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCという)等のカルボキシル基を有する水溶性高分子を用いることができる。なお、水溶性バインダーとしてCMCを用いる場合、添加量は、原紙シートSの質量に対して0.5から1.0質量%の割合とすることが好ましい。
[(2) ステップS2:プレス加工工程]
続いて、ステップS1で原反ロール110から繰り出された原紙シートSを、トイレクリーナー製造システム100が有するプレス加工装置120に通すことで、プレス加工を実施する。
プレス加工装置120は、図2に示すように、トップロール121及びボトムロール122の二つのロールを有し、原紙シートSをこれらの間に通すことで、原紙シートSを圧縮することができるように構成されている。このプレス加工の実施によって、原紙シートSの内部に薬液を浸透させ易くなる。
なお、トップロール121及びボトムロール122として、エンボスを施したエンボスロールを用いることで、本工程において、原紙シートSに対してプレス加工と同時にエンボス加工を施すようにしてもよい。
[(3) ステップS3:裁断・折り加工工程]
続いて、ステップS2でプレス加工が実施された原紙シートSについて、トイレクリーナー製造システム100が有する裁断・折り加工装置130において、適切な大きさに裁断の上、折り畳む加工を行う。裁断する大きさ及び折り畳み方は、トイレクリーナーの用途に合致したものであれば特に限定されない。
[(4) ステップS4:無香料薬液含浸工程]
ステップS3で裁断・折り加工が実施された原紙シートSは、第1コンベア140に載せて一定方向に運搬され、運搬中に第1コンベア140の上方に設けられた無香料薬液含浸装置150によって、無香料薬液C1が含浸される。
無香料薬液含浸装置150は、無香料薬液C1を噴射する無香料薬液用スプレーノズル151と、無香料薬液C1を貯蔵する無香料薬液用タンク152と、無香料薬液用スプレーノズル151と無香料薬液用タンク152とを繋ぐ配管である無香料薬液用配管153と、を備え、第1コンベア140の上方に設けられた無香料薬液用スプレーノズル151から無香料薬液用タンク152に貯蔵された無香料薬液C1を噴射することで、原紙シートSに対して無香料薬液C1を含浸させる。
無香料薬液C1の含浸量としては、トイレクリーナーの基材である原紙シートSの質量に対して100から500質量%の含浸量となるように含浸させることが好ましく、150から300質量%の含浸量となるように含浸させることがさらに好ましい。
無香料薬液C1は、香料を含有しない薬液であり、水及び水溶性バインダーと架橋する架橋剤の他に、グリコールエーテル類、水性洗浄剤、防腐剤、除菌剤、有機溶剤等の補助剤が含まれることが好ましい。
なお、ここで香料とは、ものに香りを付与する目的で使用される物質をいい、動植物から抽出された天然香料、化学的に合成された合成香料の両者を含む。また、ものに好ましい香りを付与する目的で使用されるものに加えて、特定の好ましくない香りを目立たなくする目的で使用されるマスキング香料を含むものとする。
架橋剤としては、ホウ酸、種々の金属イオン等を使用することができるが、CMCを水溶性バインダーとして用いた場合、多価金属イオンを用いることが好ましい。特に、アルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選択される1種又は2種以上の多価金属イオンを用いることが、繊維間が十分に結合されて使用に耐え得る湿潤強度を発現しつつ、水解性が十分になる点から好ましい。これらの金属イオンのうち、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、コバルト、ニッケルのイオンを用いることが特に好ましい。
グリコールエーテル類とは、2価アルコールであるグリコールの片末端、あるいは両末端の水酸基をエーテル化した構造であり、分子内に疎水性のアルキル基並びに親水性のエーテル基及び水酸基を有する化合物であり、界面活性剤に比べ分子量が小さく、従来の界面活性剤のみを含んだ洗剤よりも動的表面張力が低いため、薬液と汚れとの間の界面形成をより速く起こすことができる。また、グリコールエーテル類は、疎水性の油分や汚れと水を相溶化するカップリング剤としても働き、汚れを引き離し、再付着することを防止することができる。そのため、薬液にグリコールエーテル類を添加することで、トイレクリーナーの拭き取り性能を向上させることができる。
グリコールエーテル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGME)、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等を含有させることができる。
このうちPGMEは、通常、洗浄成分として添加され洗浄力が向上することが知られているが、直接シート強度を向上する効果を示し、CMCと多価金属イオンによるシート強度向上効果を高める効果を持っている。PGMEを原紙シートSに付与する場合、その付与量は、20g/mから60g/mであるのが好ましく、より好ましくは26g/mから40g/mである。
水性洗浄剤としては、例えば、界面活性剤の他、低級又は高級(脂肪族)アルコールを使用することができる。
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン等のパラベン類を使用することができる。
除菌剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ポピドンヨード、エタノール、セチル酸化ベンザニウム、トリクロサン、クロルキシレノール、イソプロピルメチルフェノール等を使用することができる。
有機溶剤としては、グリコール(2価)、グリセリン(3価)、ソルビトール(4価)等の多価アルコールを使用することができる。
また、上述した薬液の成分の補助剤については適宜選択可能であり、必要に応じて他の機能を果たす成分を薬液に含ませてもよい。例えば、防腐剤や除菌剤を可溶化する補助剤としてプロピレングリコール(PG)を使用することができる。
なお、原紙シートSに対して無香料薬液C1を含浸させる方法は、上記のようなスプレーノズルを用いたスプレー塗布が最も好ましいが、適切な含浸量となるように無香料薬液C1を含浸させることができるものであればよく、これには限定されない。例えば、適切な含浸量となるように無香料薬液C1を含浸させることができれば、ノズル含浸やロール転写等の方法で含浸させてもよい。
[(5) ステップS5:積層工程]
続いて、ステップS4で無香料薬液C1が含浸された原紙シートSについて、トイレクリーナー製造システム100が有する積層装置160が複数枚積層する。積層後に形成される、裁断され折り畳まれた原紙シートSが複数枚積層されたものを、シートブロックBとする。
積層する枚数は特に限定されないが、10枚程度が好ましい。
[(6) ステップS6:香料薬液含浸工程]
ステップS5で積層されて形成されたシートブロックBは、第2コンベア170に載せて一定方向に運搬され、運搬中に第2コンベア170の上方に設けられた香料薬液含浸装置180によって、香料薬液C2が含浸される。
香料薬液含浸装置180は、香料薬液C2を噴射する香料薬液用スプレーノズル181と、香料薬液C2を貯蔵する香料薬液用タンク182と、香料薬液用スプレーノズル181と香料薬液用タンク182とを繋ぐ配管である香料薬液用配管183と、を備え、第2コンベア170の上方に設けられた香料薬液用スプレーノズル181から香料薬液用タンク182に貯蔵された香料薬液C2を噴射することで、シートブロックBに対して香料薬液C2を含浸させる。噴射する方向は、シートブロックBの直上からでもよいし、シートブロックBの側面にあたるように角度をつけて斜め上方から噴射するようにしてもよい。
なお、香料は油溶性であり、樹脂製品に親和し、付着しやすいことから、香料薬液含浸装置180を構成する香料薬液用スプレーノズル181、香料薬液用タンク182及び香料薬液用配管183は、SUS(ステンレス鋼)等の金属材料によって形成されていることが好ましい。
香料薬液用スプレーノズル181からの香料薬液C2の噴射は、下部に薬液回収設備を設けた上で常時行うようにしてもよいし、噴射する箇所の直前にシートブロックBの通過を感知する感知器を設けた上で、当該感知器がシートブロックBの通過を感知した場合にのみ行うようにしてもよい。
香料薬液C2の含浸によって、トイレクリーナー、具体的にはトイレクリーナーが複数枚積層された積層体が完成することとなる。
香料薬液C2の含浸量としては、ステップS4における無香料薬液C1の含浸量とステップS6における香料薬液C2の含浸量との比率が、香料薬液C2の含浸量が全体の含浸量の1.0質量%から3.0質量%(無香料薬液C1の含浸量が全体の含浸量の97.0質量%から99.0質量%)となるようにすることが好ましい。
これよりも香料薬液C2の割合を少なくすると、シートブロックB全体に香料薬液C2が行き渡り難くなり、これよりも香料薬液C2の割合を多くすると、一枚の原紙シートSと比較して薬液を含浸させ難いシートブロックBに対して、多くの薬液を含浸させないといけなくなることから、いずれも好ましくない。
また、具体的な含浸量はシートブロックB一つあたり1.5gから3.0gであることが好ましい。
香料薬液C2は、香料を含有する薬液であり、例えば、水、香料及び界面活性剤を含む。
香料薬液C2中の香料の含有割合は、有意に設定することができ、0.1質量%から30.0質量%であることが好ましい。また、香料としては、例えばローズ油やスペアミント油、L-シトロネラール等を使用することができる。
また、香料薬液C2中の界面活性剤の含有割合は、1.0質量%から70.0質量%であることが好ましい。また界面活性剤としては、特に指定するものではないが、非イオン界面活性剤が汎用性が高く、例えば高級アルコール系非イオン界面活性剤、アルキルフェノール系界面活性剤等を用いることができる。
なお、トイレクリーナーに香料を含有させない場合には、香料薬液用タンク182から香料薬液用スプレーノズル181への香料薬液C2の供給を止め、ステップS6での香料薬液C2の含浸を経ずに、ステップS5で原紙シートSが積層されて形成されたシートブロックBが、第2コンベア170によってそのまま包装装置190へと運ばれるようにすればよい。これによって無香料のトイレクリーナーを製造することができる
また、香料薬液C2には、トイレクリーナーに好ましい香りを付与することを目的とした香料ではなく、原料由来の臭い(例えば溶剤などの薬液臭)を目立たなくすることを目的としたマスキング香料を含有させてもよい。上記のようにこのようなマスキング香料も本実施形態における香料に含まれる。
このようにマスキング香料を用いる場合、無香性のトイレクリーナーを製造することができる。
なお、原紙シートSに対して香料薬液C2を含浸させる方法は、上記のようなスプレーノズルを用いたスプレー塗布が最も好ましいが、適切な含浸量となるように香料薬液C2を含浸させることができるものであればよく、これには限定されない。例えば、適切な含浸量となるように香料薬液C2を含浸させることができれば、ノズル含浸やロール転写等の方法で含浸させてもよい。
[(7) ステップS7:包装工程]
続いて、シートブロックBについて、トイレクリーナー製造システム100が有する包装装置190が包装する。
具体的な包装方法は、無香料薬液C1及び香料薬液C2の揮発を抑制し、シートブロックBの乾燥を防止できるものであれば特に限定されない。
[2 効果の説明]
本実施形態によれば、ステップS4で含浸させる無香料薬液C1は香料を含有せず、ステップS6で含浸させる香料薬液C2のみが香料を含有する。
そして、ステップS6でマスキング香料ではない香料を含有する香料薬液C2を含浸させる場合には香り付きのトイレクリーナーを製造でき、ステップS6で香料薬液C2を含浸させない場合には無香料のトイレクリーナーを製造でき、ステップS6でマスキング香料を含有する香料薬液C2を含浸させる場合には無香性のトイレクリーナーを製造できる。
これによって、トイレクリーナー製造システム100を用いて香り付きのトイレクリーナーを製造した後に、同一のトイレクリーナー製造システム100を用いて、無香料又は無香性のトイレクリーナーを製造する場合にも、洗浄等の香料成分を除去するための作業を実施する必要があるのは、トイレクリーナー製造システム100の内、ステップS6以降において使用する部分(第2コンベア170、香料薬液含浸装置180及び包装装置190)に限られ、それ以前の工程において使用する部分については、香料成分を除去するための作業を実施することを要しない。
また、従来の製造ラインに対して、第2コンベア170及び香料薬液含浸装置180を追加する必要があるものの、追加する必要がある設備はこれだけであり、製造ライン一式を増設することを要しない。
したがって、香料成分を除去するための作業を実施する必要のある範囲を抑えつつ、同一の製造ライン(同一のトイレクリーナー製造システム100)を使用して、香り付きのトイレクリーナーと無香料又は無香性のトイレクリーナーとの両者を製造することが可能となることから、製造コストの上昇を抑制しつつ、香り付きのトイレクリーナーと、無香料又は無香性のトイレクリーナーとの両者を製造することが可能となる。
また、ベースとなる無香料薬液C1を変更する必要がない点でも、含浸させる薬液全体を切り替える必要がある場合と比較して製造コストの上昇を抑える上で有利となる。
また、本実施形態によれば、無香料薬液C1を含浸させる無香料薬液含浸工程(ステップS4)は、積層工程(ステップS5)を経る前の原紙シートSに対して実施され、香料薬液C2を含浸させる香料薬液含浸工程(ステップS6)は、積層工程(ステップS5)を経た後のシートブロックBに対して実施される。
原紙シートSを複数枚積層したシートブロックBに対して大量の薬液を含浸させる場合、含浸に時間がかかることからラインを遅く(コンベア等の進行速度を遅く)する必要性が生じる。したがって、例えば、ステップS5の積層工程の後に全ての薬液を含浸させることとした場合、薬液の含浸に時間がかかり、製造速度が低下することで、製造コストの上昇を招くこととなる
これに対し、本実施形態によれば、上記のように無香料薬液含浸工程を積層前の原紙シートSに対して実施し、積層後のシートブロックBに対しては香料薬液含浸工程のみを実施することによって、ステップS5の積層工程の後に全ての薬液を含浸させる場合と比較して、シートブロックBに含浸させる必要のある薬液の量が減少することから、含浸時にラインを遅くする必要性が低減し、製造速度の低下による製造コストの上昇のおそれも低減できる。
[3 変形例]
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[(1) 複数回の香料薬液の含浸]
上記製造方法の説明においては、トイレクリーナー製造システム100が、香料薬液C2をシートブロックBに含浸させるための香料薬液含浸装置180(香料薬液用スプレーノズル181、香料薬液用タンク182及び香料薬液用配管183)を一組のみ備え、第2コンベア170上の一か所でのみ香料薬液C2を含浸させる場合について説明したが、図3に示すトイレクリーナー製造システム100Aのように、これらを二組、すなわち、第1香料薬液用スプレーノズル181A、第1香料薬液用タンク182A及び第1香料薬液用配管183Aを備える第1香料薬液含浸装置180A及び第2香料薬液用スプレーノズル181B、第2香料薬液用タンク182B及び第2香料薬液用配管183Bを備える第2香料薬液含浸装置180Bを備えるようにし、第2コンベア170上の二か所において、ステップS6の香料薬液含浸工程を行うことができるようにしてもよい。
この場合、図3に示すように、第1香料薬液用タンク182Aと、第2香料薬液用タンク182Bとで異なる香料を含む香料薬液(第1香料薬液C2A及び第2香料薬液C2Bとする。)を貯蔵することで、第1香料薬液含浸装置180A及び第2香料薬液含浸装置180Bの両者を使用する場合、ステップS6において2種類の香料を含浸させることが可能となる。
また、第1香料薬液含浸装置180A及び第2香料薬液含浸装置180Bのいずれかのみを使用する場合、ステップS6において、香料薬液含浸装置に対して洗浄等の香料成分を除去するための作業を行うことを要することなく、シートブロックBに付加する香料の種類を、2種類(第1香料薬液C2A及び第2香料薬液C2B)の中から切り替えることが可能となる。
なお、第1香料薬液C2Aと第2香料薬液C2Bとを同一とし、第1香料薬液用タンク182Aと、第2香料薬液用タンク182Bとで同一の香料を含む香料薬液を貯蔵するようにしてもよい。この場合、本発明における第1香料と第2香料とが同一となり、第1香料薬液と第2香料薬液とが同一となる。
これによって、第1香料薬液含浸装置180A及び第2香料薬液含浸装置180Bの両者を使用することで、第2コンベア170の進行速度を落とすことなく、単一の香料薬液の含浸量を増やすことができる。
また、第1香料薬液含浸装置180Aと第2香料薬液含浸装置180Bとの両者を設ける場合、第1香料薬液用スプレーノズル181Aと第2香料薬液用スプレーノズル181Bとで、異なる角度から薬液を噴射するようにしてもよい。図3においては、第1香料薬液用スプレーノズル181Aが直上から第1香料薬液C2Aを噴射し、第2香料薬液用スプレーノズル181Bが斜め上方から第2香料薬液C2Bを噴射する場合について図示している。
これによって、シートブロックBに対して、位置によって異なる割合となるように、2種類の香料薬液を含浸させることができる。
例えば、第1香料薬液用スプレーノズル181Aが、直上から第1香料薬液C2Aを噴射し、第2香料薬液用スプレーノズル181Bが、シートブロックBの移動方向側方の斜め上方から第2香料薬液C2Bを噴射するようにすることで、第1香料薬液C2AがシートブロックBの上面に多く含浸され、第2香料薬液C2BがシートブロックBの側面に多く含浸されるようにすることができる。
なお、香料薬液含浸装置を三組以上備え、第2コンベア170上の三か所以上の箇所において、ステップS6の香料薬液含浸工程を行うことができるようにしてもよい。
この場合、ステップS6において3種類以上の香料を含浸させたり、香料薬液含浸装置に対して洗浄等の香料成分を除去するための作業を行うことを要することなく、シートブロックBに付加する香料の種類を3種類以上の中から切り替えたり、第2コンベア170の進行速度を落とすことなく、単一の香料薬液の含浸量をさらに増やしたりすることが可能となる。
[(2) 香料薬液の含浸の有無によるラインの分離]
上記製造方法の説明においては、トイレクリーナー製造システム100について、ステップS6で香料薬液C2の含浸を行う場合、行わない場合のいずれにおいても、シートブロックBが同一の第2コンベア170上を運搬される場合について説明したが、第2コンベア170及び包装装置190を二組設け、積層装置160の後の部分でラインが二つに分離されるようにしてもよい。
この場合、生産設備の規模は拡大するものの、片方の第2コンベア170上にのみ香料薬液含浸装置180を設け、香料薬液C2の含浸を行う場合に当該第2コンベア170及びこれに続く包装装置190を使用するようにし、香料薬液C2の含浸を行わない場合にはもう一方の第2コンベア170及びこれに続く包装装置190を使用することで、ステップS6以降において使用する部分についても、香料成分を除去するための作業を実施することを要することなく、香り付きのトイレクリーナーと無香料又は無香性のトイレクリーナーとの両者を製造することが可能となる。
なお、両方の第2コンベア170上に香料薬液含浸装置180を設けた上で、いずれかの香料薬液含浸装置180のみを使用するようにしてもよい。
また、第2コンベア170及び包装装置190を三組以上設け、積層装置160の後の部分でラインが三つ以上に分離されるようにしてもよい。
この場合、例えば、一つ目の第2コンベア170上では香料薬液の含浸を行わず、二つ目の第2コンベア170上では第1香料薬液C2Aの含浸を行い、三つ目の第2コンベア170上では第2香料薬液C2Bの含浸を行うことで、ステップS6以降において使用する部分についても、香料成分を除去するための作業を実施することを要することなく、無香料、第1香料薬液C2A含浸、第2香料薬液C2B含浸の3種類のトイレクリーナーを製造することが可能となる。
[(3) ウェットシートの用途の変更]
上記製造方法の説明においては、ウェットシートの一例として、トイレの清掃に使用するトイレクリーナーを製造する場合について説明したが、製造するウェットシートはトイレクリーナーに限られず、他の用途のウェットシートを同様の工程を経て製造することも可能である。
例えば、床面の清掃に使用する床用清掃シートや、キッチンの清掃に使用するキッチン清掃シート、肌を拭くための制汗シート等の製造時に、上記と同様の製造方法を用いることで、これらの種類のウェットシートについても、製造コストの上昇を抑制しつつ、香り付きのシートと無香料又は無香性のシートとの両者を製造することが可能となる。
100、100A トイレクリーナー製造システム(ウェットシート製造システム)
150 無香料薬液含浸装置(無香料薬液含浸手段)
160 積層装置(積層手段)
180 香料薬液含浸装置(香料薬液含浸手段)
180A 第1香料薬液含浸装置(香料薬液含浸手段、第1香料薬液含浸手段)
180B 第2香料薬液含浸装置(香料薬液含浸手段、第2香料薬液含浸手段)
S 原紙シート
C1 無香料薬液
C2 香料薬液
C2A 第1香料薬液(香料薬液)
C2B 第2香料薬液(香料薬液)

Claims (8)

  1. 香料を含有しない無香料薬液を原紙シートに含浸させる無香料薬液含浸手段と、
    香料を含有する香料薬液を前記原紙シートに含浸させる香料薬液含浸手段と、
    を備え
    前記香料薬液含浸手段は、
    第1香料を含有する第1香料薬液を前記原紙シートに含浸させる第1香料薬液含浸手段と、
    第2香料を含有する第2香料薬液を前記原紙シートに含浸させる第2香料薬液含浸手段と、
    を含み、
    前記第1香料薬液含浸手段と、前記第2香料薬液含浸手段とは、異なる角度から前記香料薬液を前記原紙シートに対して噴射することを特徴とするウェットシート製造システム。
  2. 前記香料薬液含浸手段は、前記無香料薬液含浸手段によって前記無香料薬液が含浸された前記原紙シートに対して前記香料薬液を含浸させることを特徴とする請求項1に記載のウェットシート製造システム。
  3. 前記原紙シートを複数枚積層する積層手段を備え、
    前記無香料薬液含浸手段は前記積層手段による前記原紙シートの積層前に前記無香料薬液を前記原紙シートに含浸させ、前記香料薬液含浸手段は前記積層手段による前記原紙シートの積層後に前記香料薬液を前記原紙シートに含浸させることを特徴とする請求項2に記載のウェットシート製造システム。
  4. 前記香料薬液は、マスキング香料を含有することを特徴とする請求項1に記載のウェットシート製造システム。
  5. 香料を含有しない無香料薬液を原紙シートに含浸させる無香料薬液含浸工程と、
    香料を含有する香料薬液を前記原紙シートに含浸させる香料薬液含浸工程と、
    を含み、
    前記香料薬液含浸工程は、
    第1香料を含有する第1香料薬液を前記原紙シートに含浸させる第1香料薬液含浸工程と、
    第2香料を含有する第2香料薬液を前記原紙シートに含浸させる第2香料薬液含浸工程と、
    を含み、
    前記第1香料薬液含浸工程と、前記第2香料薬液含浸工程とでは、異なる角度から前記香料薬液を前記原紙シートに対して噴射することを特徴とするウェットシート製造方法。
  6. 前記香料薬液含浸工程は、前記無香料薬液含浸工程によって前記無香料薬液が含浸された前記原紙シートに対して前記香料薬液を含浸させることを特徴とする請求項に記載のウェットシート製造方法。
  7. 前記原紙シートを複数枚積層する積層工程を含み、
    前記無香料薬液含浸工程は前記積層工程の前に実施され、前記香料薬液含浸工程は前記積層工程の後に実施されることを特徴とする請求項に記載のウェットシート製造方法。
  8. 前記香料薬液は、マスキング香料を含有することを特徴とする請求項に記載ウェットシート製造方法。
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