JP7843662B2 - 領域検出装置およびプログラム - Google Patents

領域検出装置およびプログラム

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Description

本発明は、領域検出装置およびプログラムに関する。
機械学習の手法を用いて画像内の特定の領域を検出するための領域検出の手法が既存技術として存在する。その既存技術においては、まず、学習用の画像と、その画像に含まれる正解領域とのペアを、学習用データとして大量に準備する。正解領域は、特定の特徴を有する領域である。例えば、正解領域は特定の物体等が含まれる領域である。そして、その学習用データを用いて、ニューラルネットワークの学習を行う。学習においては、その時点でのニューラルネットワークが推定した領域と、正解領域との誤差が小さくなるように、ニューラルネットワークの内部のパラメーターの調整を行う。
ニューラルネットワークの学習を行うにあたって、上記の誤差の計算は微分可能な関数によって行われる必要がある。即ち、推定領域と正解領域とを入力として誤差値を出力とする、微分可能な関数を用いる必要がある。これは、ニューラルネットワークの内部のパラメーターの調整を行う際にパラメーター値の多次元空間における誤差値の勾配を必要とするためである。
従来技術では、微分可能な誤差値関数を用いるためもあって、画像内の特定領域を検出する際には長方形の形状の領域を検出対象としていた。また、推定領域と正解領域と(どちらも長方形)の間の誤差の計算には、IoU(Intersection over Union)という誤差関数が適していることがわかっており、用いられている。
また、従来技術では、特定領域の座標値を直接求めるようなニューラルネットワークを構成するのではなく、0以上且つ1以下の画素値からなるマスク画像をニューラルネットワークから出力するようにして、画素値が所定の閾値(例えば、0.5)を超えた領域を推定結果の特定領域として出力することも行われる場合もある。この場合には、長方形に限らず任意の形状が推定結果として求められる。
非特許文献1には、回転した長方形に関して誤差を求めるための誤差関数として、PIoU誤差関数(PIoU loss)が記載されている。PIoU誤差関数は、回転した物体を検出するための損失関数であり、角度とIoUの両方を利用することによって正確な回転バウンディングボックス回帰を行うように定式化されている。非特許文献1に記載された手法は、回転した長方形の内部に存在するピクセルの個数の近似値を微分可能な関数で求めるものであり、IoUに似た誤差値を求めることのできる方法である。
Zhiming Chen,Kean Chen,Weiyao Lin,John See,Hui Yu,Yan Ke,Cong Yang,"PIoU Loss: Towards Accurate Oriented Object Detection in Complex Environments ",European Conference on Computer Vision(ECCV),2020年,https://arxiv.org/pdf/2007.09584.pdf
しかしながら、従来技術には、次のような解決すべき課題が存在する。
従来技術では、長方形の領域について誤差関数を用いて誤差を算出している。つまり、ニューラルネットワークによって推定される領域も、正解領域も、どちらも長方形に限定されている。このため、従来技術では、長方形以外の形状の領域の座標値を直接推定するようなニューラルネットワークを構成することができないという問題がある。
従来技術として説明した手法の一つは、ニューラルネットワークからマスク画像を出力するようにして、任意の形状の推定を行えるようにする方法である。しかしながら、ニューラルネットワークで生成されたマスク画像を基に推定領域を特定するための座標値の集合を求める際に、誤差が生じ得る。例えば、生成したマスク画像の1画素分のサイズよりも小さな領域を推定結果とすることはできない。例えば正解座標値と推定座標値との間での最小二乗誤差を誤差として扱うなど、単純な回帰で計算する方法も考えられるが、一般に座標値の回帰は精度が高くない。また、正解領域の図形が持つ頂点の数と推定領域の図形が持つ頂点の数とが同じでなければならないという制約がある。つまり、例えば四角形の領域と五角形の領域との間で頂点の座標値に基づく誤差を算出することはできない。
また、非特許文献1に記載されているPIoU誤差関数を用いる場合には回転した長方形を対象として領域間の誤差を求めることが可能であるが、入力される画像の画素のサイズよりも細かい形状を推定することが難しいという問題がある。
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、ニューラルネットワーク等の機械学習モデルを用いて画像内における特定の特徴を有する領域を検出することができ、検出される領域が長方形に限定されることのない領域検出装置およびプログラムを提供しようとするものである。
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による領域検出装置は、機械学習モデルを内部に備えて、外部から渡される画像を前記機械学習モデルに入力することによって前記画像内において特定の特徴を有する領域を推定する領域推定部と、前記領域推定部が備える前記機械学習モデルの学習を行うための、学習用画像と当該学習用画像に対応する正解領域との対を供給する学習用データ供給部と、前記学習用データ供給部が供給する前記学習用画像に基づいて前記領域推定部が推定した結果である推定領域と、前記学習用画像に対応して前記学習用データ供給部が供給する前記正解領域と、の誤差を求める誤差算出部と、を備える領域検出装置であって、前記推定領域に対応する図形および前記正解領域に対応する図形は、いずれも、凸包多角形であって、前記誤差算出部は、前記画像内および前記学習用画像内のそれぞれにおいて共通する多数の仮想ピクセルを設定する仮想ピクセル生成部と、前記仮想ピクセルの各々について、前記推定領域に対応する図形についての内包判定値と前記正解領域に対応する図形についての内包判定値との和および積をそれぞれ求め、前記和から前記積を減じた値をユニオン値(union)として、前記積の値をインターセクション値(intersection)として、すべての前記仮想ピクセルについての前記インターセクション値の総和をすべての前記仮想ピクセルについての前記ユニオン値の総和で除して得られる値、を誤差として求める誤差関数値計算部と、を備え、前記推定領域に対応する図形についての内包判定値は、前記仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、前記仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記推定領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記画像内の全領域において連続且つ微分可能であり、前記正解領域に対応する図形についての内包判定値は、前記仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、前記仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記正解領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記学習用画像内の全領域において連続且つ微分可能であり、前記推定領域に対応する図形についての内包判定値および前記正解領域に対応する図形についての内包判定値は、それぞれ、前記画像および前記学習用画像の全領域において0以上且つ1以下である、というものである。
[2]また、本発明の一態様は、上記[1]の領域検出装置において、前記誤差算出部は、さらに、前記仮想ピクセルのそれぞれについて、前記推定領域に対応する図形が有するそれぞれの辺および前記正解領域に対応する図形が有するそれぞれの辺について、下に記載の式(1)(ただし、eはネイピア数、kは所定の正定数、dpxは当該図形の内側に存在する所定の点を通って且つ当該辺と平行な基準線から当該仮想ピクセルまでの距離、dcenterは当該辺に関する前記基準線から当該辺までの距離である)によって当該仮想ピクセルの当該辺についての内包判定値を求める内包判定部と、前記内包判定部が求めた当該図形が有するすべての辺についての前記仮想ピクセルの内包判定値を掛け合わせることによって当該仮想ピクセルの当該図形についての前記内包判定値を求める内包判定統合部と、を備えるものである。
[3]また、本発明の一態様は、機械学習モデルを内部に備えて、外部から渡される画像を前記機械学習モデルに入力することによって前記画像内において特定の特徴を有する領域を推定する領域推定部と、前記領域推定部が備える前記機械学習モデルの学習を行うための、学習用画像と当該学習用画像に対応する正解領域との対を供給する学習用データ供給部と、前記学習用データ供給部が供給する前記学習用画像に基づいて前記領域推定部が推定した結果である推定領域と、前記学習用画像に対応して前記学習用データ供給部が供給する前記正解領域と、の誤差を求める誤差算出部と、を備える領域検出装置であって、前記推定領域に対応する図形および前記正解領域に対応する図形は、いずれも、凸包多角形であって、前記誤差算出部は、前記画像内および前記学習用画像内のそれぞれにおいて共通する多数の仮想ピクセルを設定する仮想ピクセル生成部と、前記仮想ピクセルの各々について、前記推定領域に対応する図形についての内包判定値と前記正解領域に対応する図形についての内包判定値との和および積をそれぞれ求め、前記和から前記積を減じた値をユニオン値(union)として、前記積の値をインターセクション値(intersection)として、すべての前記仮想ピクセルについての前記インターセクション値の総和をすべての前記仮想ピクセルについての前記ユニオン値の総和で除して得られる値、を誤差として求める誤差関数値計算部と、を備え、前記推定領域に対応する図形についての内包判定値は、前記仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、前記仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記推定領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記画像内の全領域において連続且つ微分可能であり、前記正解領域に対応する図形についての内包判定値は、前記仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、前記仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記正解領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記学習用画像内の全領域において連続且つ微分可能であり、前記推定領域に対応する図形についての内包判定値および前記正解領域に対応する図形についての内包判定値は、それぞれ、前記画像および前記学習用画像の全領域において0以上且つ1以下である、領域検出装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、ニューラルネットワーク等の機械学習モデルを用いて特定の特徴を有する領域を検出するための領域検出装置が、長方形以外の領域(凸包多角形の図形に対応する領域)を検出対象とすることができる。また、仮想ピクセルの解像度を任意に設定することができるため、実ピクセルの解像度に依存せずに精細な画像の処理が可能となる。
本発明の実施形態による領域検出装置の概略機能構成を示すブロック図である。 同実施形態による誤差算出部の内部のさらに詳細な機能構成を示すブロック図である。 同実施形態における、画像内での実ピクセルおよび仮想ピクセルの配置例を示す概略図である。 同実施形態による内包判定部の処理を説明するための概略図の1つであり、誤差計算の対象となる図形の1つがxy平面上に存在する状態を示す。 同実施形態による内包判定部の処理を説明するための別の概略図であり、図形平面を回転させて1つの辺を水平にした状態を示す。 同実施形態による誤差関数値計算部が2つの図形の間の誤差の求める際の処理を説明するための概略図である。 同実施形態による領域検出装置を実現するための内部構成の例を示すブロック図である。 同実施形態の変形例による内包判定値の求め方を説明するための概略図である。 同実施形態の領域検出装置の応用例と、その検証のための実験に用いた画像の例とを説明するための概略図である。
次に、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、領域検出装置1は、機械学習の手法を用いることによって、入力される画像内において特定の特徴を有する領域を自動的に検出する。本実施形態では、機械学習モデルの学習を行うにあたって、本実施形態に特有の誤差(ロス(loss)あるいはエラー(error)等とも呼ばれる)の算出方法を用いる。その誤差算出における特徴は、大きく、次の2点である。
第1の特徴として、後で説明する誤差算出部105は、入力される画像を構成する実際のピクセルとは無関係に、計算上のみで便宜的に用いる仮想的なピクセルを定義して、その仮想的ピクセルに基づいた計算を行う。具体的には誤差算出部105は、画像内の領域を表す図形が内部に含む仮想的ピクセルの数を計算する。なお、ここでの図形を凸包図形に限定する。つまり、ここでの図形(多角形)を構成するいかなる頂点においても、その内角は180度未満である場合に限定する。なお、図形が内部に含む仮想的なピクセルの数として、誤差算出部105はその近似値を求めるものであってもよい。このように仮想的なピクセルに基づいた計算を行うことにより、誤差算出部105は、入力される画像の解像度が粗い場合であっても、高い精度で誤差を求めることができる。
第2の特徴として、誤差算出部105は、対称の図形を構成する辺ごとに、それぞれの仮想的なピクセルが図形の内部に存在するか外部に存在するかを判定する。そして、誤差算出部105は、それぞれの辺についての判定結果(内部か外部か)を統合することによって、各仮想的ピクセルが対称の図形の内部に存在するか外部に存在するかを決定する。この手順を用いて、誤差算出部105は、任意の形状を有する対称図形(ただし、凸包図形)の内部に存在する仮想的なピクセルの数を求める。その具体的な計算方法については、後で説明する。
図1は、本実施形態による領域検出装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、領域検出装置1は、画像入力部101と、領域推定部102と、結果出力部103と、学習用データ供給部104と、誤差算出部105とを含んで構成される。これらの各機能部は、例えば、コンピューターと、プログラムとで実現することが可能である。また、各機能部は、必要に応じて、記憶手段を有する。記憶手段は、例えば、プログラム上の変数や、プログラムの実行によりアロケーションされるメモリーである。また、必要に応じて、磁気ハードディスク装置やソリッドステートドライブ(SSD)といった不揮発性の記憶手段を用いるようにしてもよい。また、各機能部の少なくとも一部の機能を、プログラムではなく専用の電子回路として実現してもよい。
領域検出装置1は、学習モードあるいは推定実行モードのいずれかのモードで稼働する。学習モードにおいては、領域検出装置1は、学習用データを用いた処理を行うことによって、領域推定部102が持つ機械学習モデルのパラメーターの最適化を行う。推定実行モードにおいては、領域推定部102が、学習済みのパラメーターを用いて、未知の入力画像な中の特定の領域を推定する処理を行う。各部のそれぞれの機能について、次に説明する。
画像入力部101は、外部から入力される画像を取得して、領域推定部102に渡す。画像入力部101が領域推定部102に渡す画像は、推定実行モードでの動作における推定の対象となる画像である。
領域推定部102は、機械学習モデルを内部に備えて、外部から渡される画像を前記機械学習モデルに入力することによって前記画像内において特定の特徴を有する領域を推定する。領域推定部102は、上記機械学習モデルとして、具体的には、ニューラルネットワークを内部に備える。領域推定部102は、推定結果である領域に対応する図形を出力する。本実施形態において、その図形は、凸包多角形である。つまり、その図形は、すべての内角180度未満であるような多角形である。より具体的には、領域推定部102は、推定結果である凸包多角形が有するそれぞれの頂点の座標値を出力するものであてよい。あるいは、領域推定部102は、その凸包多角形に関する同等の情報を出力するものであってよい。
領域推定部102は、学習モードで動作する場合には、推定結果の領域の図形の情報を、誤差算出部105に渡す。これにより、誤差算出部105は、推定領域の図形と正解領域の図形他の間の誤差を算出することとなる。また、領域推定部102は、推定実行モードで動作する場合には、未知の画像を基に推定した結果である推定領域の図形の情報を、結果出力部103に渡す。
結果出力部103は、推定実行モードにおいて領域推定部102が推定結果として出力した推定領域の情報(図形の情報)を、外部に出力する。この推定領域の情報は、特定の特徴を有する領域の情報として、様々な目的で利用可能な者である。
学習用データ供給部104は、領域検出装置1が学習モードで動作する場合に、領域推定部102が持つニューラルネットワーク(機械学習モデル)の学習を行うための学習用データを供給する。学習用データは、学習用画像と、その学習用画像に対応する正解領域を表す図形(本実施形態では凸包多角形)との対の集合の情報である。学習用データ供給部104は、対に含まれる学習用画像を領域推定部102に渡す。また、学習用データ供給部104は、その対に含まれる正解領域の図形の情報を、誤差算出部105に渡す。これにより、誤差算出部105は、学習用画像に基づいて領域推定部102が出力した領域(推定領域)の図形と、学習用データ供給部104が供給した正解領域との図形との誤差を算出できるようになる。ニューラルネットワークの学習を行う際には、学習用データ供給部104は、学習のために、各対を順次供給する。
誤差算出部105は、領域検出装置1が学習モードで動作する場合に、領域推定部102が推定結果として出力する領域の図形と、学習用データ供給部104が供給する正解領域の図形との間の誤差を算出する。本実施形態において、推定領域に対応する図形および正解領域に対応する図形は、いずれも、凸包多角形である。誤差算出部105が算出した誤差は、誤差逆伝播法により、領域推定部102が持つニューラルネットワークの内部パラメーターの調整(最適化の処理)に用いられる。誤差算出部105のさらに詳細な構成および処理内容については、後で図2等を参照しながらさらに説明する。
なお、誤差算出部105が算出する誤差とは、次のようなものである。後で図2のブロック図を参照しながら説明する誤差算出部105の内部構成は、下記の誤差を具体的に実現するための手順の一例を実現するものである。
誤差算出部105は、誤差を算出するための基礎的なデータとして、内包判定値を用いる。内包判定値は、後述する仮想ピクセルが、図形(推定領域の図形や、正解領域の図形)に内包されるか否かを表す数値である。ただし、本実施形態では、内包判定値は例えば0または1の二値ではなく、0以上且つ1以下の連続的な値を取り得るものである。
推定領域に対応する図形についての内包判定値は、仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記推定領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記画像内の全領域において連続且つ微分可能である。つまり、図形(既に説明しているように、図形は多角形である)の辺の近傍(近傍とは、辺から上記所定距離以内の領域)においては、内包判定値は、0(またはほぼ0)から1(またはほぼ1)まで連続的に(且つ急激に)且つ滑らかに変化する。
正解領域に関しても同様である。即ち、正解領域に対応する図形についての内包判定値は、仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記正解領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記学習用画像内の全領域において連続且つ微分可能である。つまり、図形(多角形である)の辺の近傍(近傍とは、辺から上記所定距離以内の領域)においては、内包判定値は、0(またはほぼ0)から1(またはほぼ1)まで連続的に(且つ急激に)且つ滑らかに変化する。
なお、推定領域に対応する図形についての内包判定値および正解領域に対応する図形についての内包判定値は、それぞれ、画像および学習用画像の全領域において0以上且つ1以下である。
本実施形態では、仮想ピクセルの、図形についての内包判定値を求めるために、誤差算出部105は、仮想ピクセルの、その図形の各辺についての内包判定値を求め、それらの内包判定値を掛け合わせることによって、その仮想ピクセルのその図形についての内包判定値を求める。
図2は、本実施形態による誤差算出部105の内部のさらに詳細な機能構成を示すブロック図である。図示するように、誤差算出部105は、仮想ピクセル生成部1051と、内包判定部1052と、内包判定統合部1053と、誤差関数値計算部1054とを含んで構成される。各部の機能は、次の通りである。
仮想ピクセル生成部1051は、画像内および学習用画像内のそれぞれにおいて共通する多数の仮想ピクセルを設定(生成)する。仮想ピクセルについては、後でさらに説明する。
内包判定部1052は、仮想ピクセルのそれぞれについて、推定領域に対応する図形が有するそれぞれの辺および正解領域に対応する図形が有するそれぞれの辺について、後で記載する式(1)(ただし、eはネイピア数、kは所定の正定数、dpxは当該図形の内側に存在する所定の点を通って且つ当該辺と平行な基準線から当該仮想ピクセルまでの距離、dcenterは当該辺に関する前記基準線から当該辺までの距離である)によって当該仮想ピクセルの当該辺についての内包判定値を求める。
内包判定統合部1053は、1つの仮想ピクセルについて内包判定部1052が求めた各辺についての内包判定値に基づいて、それらを統合し、その仮想ピクセルの図形(多角形)についての内包判定値を求める。具体的には、内包判定統合部1053は、内包判定部1052が求めた当該図形が有するすべての辺についての仮想ピクセルの内包判定値をすべて掛け合わせることによって、当該仮想ピクセルの当該図形についての内包判定値を求める。
誤差関数値計算部1054は、内包判定値に基づいて、推定領域の図形と正解領域の図形との間の誤差を計算する。具体的には、誤差関数値計算部1054は、仮想ピクセルが各図形に内包されるか否かを表す値である内包判定値に基づいて誤差を算出する。さらに具体的には、誤差関数値計算部1054は、仮想ピクセルの各々について、推定領域に対応する図形についての内包判定値と正解領域に対応する図形についての内包判定値との和および積をそれぞれ求め、和から積を減じた値をユニオン値(union)として、積の値をインターセクション値(intersection)として、すべての仮想ピクセルについてのインターセクション値の総和をすべての仮想ピクセルについての前記ユニオン値の総和で除して得られる値、を誤差として求める。
次に、誤差算出部105による処理の流れについて、実例とともに説明する。
仮想ピクセル生成部1051は、誤差算出の対象の画像について仮想ピクセルを生成する。仮想ピクセルは、画像の面上に所定の間隔で仮想的に配置されたピクセルである。xy直交座標で表わす場合、例としてy座標が0.0から1.5まで、x座標が0.0から1.0まで、仮想ピクセルのx座標およびy座標のそれぞれの間隔を0.5とするとき、仮想ピクセルの座標値は、下記の12個である。
(x,y)=
(0.0,0.0),(0.0,0.5),(0.0,1.0),(0.0,1.5),
(0.5,0.0),(0.5,0.5),(0.5,1.0),(0.5,1.5),
(1.0,0.0),(1.0,0.5),(1.0,1.0),(1.0,1.5),
仮想ピクセルの座標値は、画像が実際に持つピクセルの座標値とは異なっていてもよい。また、仮想ピクセルの配置間隔(上の例では、0.5)も実際のピクセル間の間隔とは無関係に適宜定めればよい。仮想ピクセルのxおよびyそれぞれの座標値は実数で表わされるものであり、整数である必要はない。このように、仮想ピクセルの座標値に関する自由度は高いため、例えばx軸およびy軸それぞれの方向のサイズが1ピクセル以下であるような小さい図形を扱うのにも適している。なお、仮想ピクセルの配置間隔を狭くするほど(つまい、所定の長さ当たりの仮想ピクセルの数を多くするほど)、誤差の計算のために必要な計算量は増えるが、計算精度は向上する。
図3は、画像内における実ピクセルおよび仮想ピクセルの配置例を示す概略図である。同図は、画像内の一部の領域のみを示している。同図において、実ピクセル1901は、四角形で示されている。また、仮想ピクセル1902は、黒丸で示されている。本例では、実ピクセル1901も仮想ピクセル1902も、それぞれ正方配列としている。本例では、1個の実ピクセル1901に対応して、16個の仮想ピクセル1902を配置している。つまり、仮想ピクセル1902の配置の密度は、縦および横のそれぞれの方向に、実ピクセル1901の配置の密度の4倍である。図3に示す配置のパターンは、一例に過ぎない。仮想ピクセルは、正方配列ではなく、例えばデルタ配列となっていてもよい。また、仮想ピクセルは、規則性のない配列となっていてもよい。実ピクセルの配置密度と仮想ピクセルの配置密度との関係も、任意である。いずれの場合も、仮想ピクセルの配置密度は、画面内の位置によって大きく異なることがなくできるだけ一様であることが望ましい。
内包判定部1052は、上で設定された仮想ピクセルのそれぞれについて、辺ごとの内包判定を行う。つまり、内包判定部1052は、各々の仮想ピクセルが各々の辺のどちら側に存在する。処理の手順として、内包判定部1052は、着目する辺が例えば水平方向となるように画像を回転させ、その状態においてそれぞれの仮想ピクセルがその辺よりも上に存在するか下に存在するかを判定するようにしてよい。
図4は、内包判定部1052による処理を説明するための概略図の1つである。同図は、誤差を計算する対象となる図形の1つがxy平面上に存在する状態を示している。同図において、2001は、誤差算出の対象となる図形の一つである。図形2001は、領域推定部102によって推定された結果の領域を表す図形、または学習用データ供給部104によって供給された正解領域を表す図形のいずれかである。本例では、図形2001は、辺2011、2012、2013、および2014を有する四角形である。誤差算出の対象となる図形は、四角形に限らず、任意の多角形であってよい。ただし、対象となる図形は凸包多角形である。
図5は、内包判定部1052による処理を説明するための別の概略図である。図5に示す状態は、図4において示した図形2001を含む平面(xy平面)を回転させた結果の状態である。内包判定部1052は、回転により、図形2001が持つ辺のうちの現在着目している辺(この例では、辺2011)が水平になるようにしている。図示する破線2021は、基準となる水平な線である。即ち、破線2021は、辺2011と平行な線である。破線2021は、図形2001の中心点を通る線としている。なお、中心点は、図形2001を構成する頂点のx座標およびy座標のそれぞれの平均値によって定めてよい。つまり、この図の垂直方向における位置関係を見たときに、破線2021は、辺2011よりも図形2001の内側に位置している。逆に、垂直方向の位置において、辺2011の、破線2021と反対の側が、図形2001の外側である。ここで、破線2021から辺2011までの距離を1.5とする。また、破線2021から仮想ピクセル2022までの距離を2.2とし、破線2021から仮想ピクセル2023までの距離を0.6とする。このとき、内包判定部1052は、下の式(1)により、内包判定値を算出する。
式(1)において、dpxは、基準線(例における破線2021)から判定対象の仮想ピクセルまでの距離である。また、dcenterは、基準線から着目している辺(この例では、辺2011)までの距離である。また、kは所定の正の値をとるパラメーターであり、例えばk=10とする。なお、eはネイピア数である。dpxがdcenterよりも小さい場合には、式(1)によって求められる内包判定値は1に近い値となる。dpxがdcenterよりも大きい場合には、式(1)によって求められる内包判定値は0に近い値となる。dpxがdcenterにちょうど等しい場合には、式(1)によって求められる内包判定値は0.5となる。つまり、図5の例における垂直方向の位置で見たときに、仮想ピクセルが辺2011よりも下に位置していれば内包判定値は0に近づき、仮想ピクセルが辺2011よりも上に位置していれば内包判定値は1に近づく。なお、辺2011の近傍において内包判定値は滑らか且つ急な傾きで変化する。上記のパラメーターkの値は、その辺2011の近傍における内包判定値の変化の急激さの度合いをコントロールするための値である。ただし、式(1)で表わされる内包判定値を求めるための関数は、dpxの全領域においてdpxに関して微分可能である。
図5に示す例において、仮想ピクセル2022の、辺2011に関する内包判定値は、式(1)によって求められ、約0.0009である(0に近い)。これは、仮想ピクセル2022が辺2011よりも上側に位置すること表す。また、仮想ピクセル2023の、辺2011に関する内包判定値は、式(1)によって求められ、約0.9999である(1に近い)。これは、仮想ピクセル2023が辺2011よりも下側に位置すること表す。
内包判定統合部1053は、内包判定部1052による辺ごとの内包判定を統合し、図形全体の関する内包判定値を求める。具体的には、内包判定統合部1053は、各仮想ピクセルについて、それぞれの辺に関して算出された内包判定値をすべて掛け合わせることによって、その仮想ピクセルの統合された内包判定値を算出する。既に説明したように、図5のように図形を回転させた状態において、即ち、辺が水平になるようにして且つ図形の中心点が辺の下側に位置するようにした状態において、辺の下側の仮想ピクセルの内包判定値は1に近く、辺の上側の仮想ピクセルの内包判定値は0に近い。また辺の近傍において内包判定値は急激に0と1との間で変化する。つまり、ある仮想ピクセルについて、それぞれの辺に関する内包判定値をすべて掛け合わせると、図形(例えば、四角形)の内部に存在する仮想ピクセルの統合された内包判定値は1に近い値となり、図形の外部に存在する仮想ピクセルの統合された内包判定値は0に近い値となる。
内包判定統合部1053は、すべての仮想ピクセルについて、統合された内包判定値を求める。1枚の画像内のすべての仮想ピクセルについての統合された内包判定値の総和は、その図形が内包する仮想ピクセルの数の近似値であり、その値は図形の面積の近似値に比例するものである。つまり、内包判定統合部1053が求めた内包判定値の総和は、図形の面積を表す値であって、しかも式(1)の計算およびそれらの値の加算のみで求めることができる、微分可能な値である。
誤差関数値計算部1054は、内包判定統合部1053の計算結果を用いて、誤差算出部105に入力される2つの図形の間の誤差を計算する。具体的には、誤差関数値計算部1054は、次に図6を参照しながら説明する計算を行う。
図6は、誤差関数値計算部1054が2つの図形の間の誤差の求める際の処理を説明するための概略図である。図6(A)は、1つ目の図形である図形2002の領域を示す。図6(B)は、2つ目の図形である図形2003の領域を示す。これら2つの図形が一致しているほど両者間の誤差は小さく、異なっているほど両者間の誤差は大きい。そのような誤差を求めるために、誤差関数値計算部1054は、下で説明するように、IoU(Intersection over Union)の代替となり得る計算を行う。図6(C)は、図形2002の領域と図形2003の領域との間で、一部においてのみ重複が存在している状況を示す。誤差関数値計算部1054が行う計算は、両者の和集合の部分の領域の広さと、両者の積集合の部分の領域の広さとに基づく計算である。
IoUにおけるインターセクション(intersection)は、2つの図形の共通部分(積集合の部分)である。本実施形態では、IoUにおけるインターセクションに相当する値を得るための計算として、誤差関数値計算部1054は、各仮想ピクセルについて、2つの図形のそれぞれの統合された内包判定値の積を求める。1つの仮想ピクセルについて、2つの図形の少なくともいずれか一方の内包判定値が0に近い値の場合には、それら2つの内包判定値の積は0に近い値となる。2つの図形の両方の内包判定値が1に近い値の場合には、それら2つの内包判定値の積は1に近い値となる。しかも、2つの内包判定値の積は、微分可能である。すべての仮想ピクセルについての上記の積の総和が、本実施形態においてインターセクションに相当する値である。IoUにおけるユニオン(union)は、2つの図形の和集合の部分である。本実施形態では、IoUにおけるインターセクションに相当する値を得るための計算として、誤差関数値計算部1054は、各仮想ピクセルについて、2つの図形のそれぞれの統合された内包判定値の和を求め、その和から上記の積の値を減じた値を求める。2つの図形の共通部分については、それら内包判定値の和は2に近い値となる。したがって、その和から、2つの内包判定値の積(1に近い値)を減じることによって、求められる値は1に近い値となる。2つの図形の排他的和の部分については、それらの内包判定値の和は1に近い値となる。排他的和の部分についての2つの内包判定値の積は0に近い値であるので、結果として求められる値は1に近い値となる。その他の部分(2つの図形のどちらにも属さない部分)については、それらの内包判定値の和も積もともに0に近い値となる。したがって、その和からその積を減じた結果は、0に近い値となる。すべての仮想ピクセルについての上記の和から積を減じた結果の値の総和が、本実施形態においてユニオンに相当する値である。この値もまた微分可能である。
つまり、誤差関数値計算部1054は、下の式(2)によって、2つの図形の間の誤差を算出する。
sum(intersection) / sum(union) ・・・(2)
この式(2)において、unionは、上記方法で誤差関数値計算部1054が求めた各仮想ピクセルのユニオンに相当する値である。また、式(2)におけるintersectionは、上記方法で誤差関数値計算部1054が求めた各仮想ピクセルのインターセクションに相当する値である。また、sum(・)は、画像内のすべての仮想ピクセルについての値の総和を取る操作(演算)を表す。
これまでに説明した通り、式(2)におけるunionもintersectionも、微分可能である。また、それらそれぞれのすべての仮想ピクセルについての総和の値も微分可能である。さらに、式(2)によって表される値(誤差関数値計算部1054が算出する誤差)もまた、微分可能である。
以上説明したように、誤差算出部105は、2つの図形(いずれも、凸包図形(凸包多角形))に関して式(1)の関数を用いることによって適切な誤差を求めることができる。また、その誤差は、微分可能であるため、領域推定部102が内部に持つニューラルネットワークについて、誤差逆伝播によるパラメーターの更新を行うことができる。つまり、十分な量の学習用データを用いて、十分な回数の誤差逆伝播を行うことによって、領域推定部102が持つニューラルネットワーク(機械学習モデル)は最適化される。
以上説明したように、本実施形態の領域検出装置1では検出すべき領域を表す図形は、任意の向きの任意の凸包多角形であってよい(長方形等に限定されない)。また、上で説明した誤差算出の処理過程からも明らかなように、領域推定部102が推定結果として出力する領域の図形(凸包多角形)の頂点の数と、学習用データ供給部104が供給する正解領域の図形(凸包多角形)の頂点の数とは、異なっていてもよい。
即ち、本実施形態により、前述した課題は解決され、任意の凸包多角形同士の誤差を、微分可能な関数の値として求めることができる。これにより、機械学習モデルを用いて、長方形以外の図形に関する領域の検出を行うことが可能となる。これにより、画像内の特定の特徴を有する領域を検出するという問題において制約が取り払われ、より一般的な問題を解決するために領域検出装置1を利用することができる。
図7は、実施形態として説明した領域検出装置1の内部構成の例を示すブロック図である。領域検出装置1は、コンピューターを用いて実現され得る。図示するように、そのコンピューターは、中央処理装置901と、RAM902と、入出力ポート903と、入出力デバイス904や905等と、バス906と、を含んで構成される。コンピューター自体は、既存技術を用いて実現可能である。中央処理装置901は、RAM902等から読み込んだプログラムに含まれる命令を実行する。中央処理装置901は、各命令にしたがって、RAM902にデータを書き込んだり、RAM902からデータを読み出したり、算術演算や論理演算を行ったりする。RAM902は、データやプログラムを記憶する。RAM902に含まれる各要素は、アドレスを持ち、アドレスを用いてアクセスされ得るものである。なお、RAMは、「ランダムアクセスメモリー」の略である。入出力ポート903は、中央処理装置901が外部の入出力デバイス等とデータのやり取りを行うためのポートである。入出力デバイス904や905は、入出力デバイスである。入出力デバイス904や905は、入出力ポート903を介して中央処理装置901との間でデータをやりとりする。バス906は、コンピューター内部で使用される共通の通信路である。例えば、中央処理装置901は、バス906を介してRAM902のデータを読んだり書いたりする。また、例えば、中央処理装置901は、バス906を介して入出力ポートにアクセスする。
上述した実施形態における領域検出装置1の少なくとも一部の機能をコンピューターおよびプログラムで実現することができる。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリー等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。つまり、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、非一過性の(non-transitory)コンピューター読み取り可能な記録媒体であってよい。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、一時的に、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、実施形態を説明したが、本発明はさらに次のような変形例でも実施することが可能である。
[変形例]
実施形態においては、式(1)により1つの仮想ピクセル且つ1つの辺についての内包判定値を算出し、すべての辺についてのその内包判定値を掛け合わせることによってその仮想ピクセルの図形(凸包多角形)に関する内包判定値を求める手順を説明した。変形例として、ここでは、1つの仮想ピクセルの図形に関する内包判定値を求める方法を説明する。
図8は、この変形例による内包判定値の求め方を説明するための概略図である。同図に示す例において、判定対象の図形は凸5角形である。その凸5角形は、辺2031、2032、2033、2034、および2035を持つ。この図では、境界線(破線)を用いて領域を3つに分割して示している。領域R1は、図形(5角形)の内側であり、且つ、いずれの辺からも所定距離以上離れている領域である。領域R3は、図形(5角形)の外側であり、且つ、いずれの辺からも所定距離以上離れている領域である。領域R2は、領域R1でもR3でもない領域である。即ち、領域R2は、辺2031、2032、2033、2034、および2035のうちのいずれかの辺の近傍の領域である。言い換えれば、領域R2は、これらの辺のうちの少なくともいずれかの辺から所定の距離内にある領域である。各辺とは垂直な方向における領域R2の幅は、十分に小さいものとする。この変形例においても、内包判定値は、0以上且つ1以下の値とする。この変形例においては、領域R1における内包判定値を1またはほぼ1(即ち、1-ε以上且つ1以下)とする。ただし、εは、1に比べて十分に小さい正定数である。また、領域R3における内包判定値を0またはほぼ0(即ち、0以上且つε以下)とする。また、この画像内の仮想ピクセルにおける内包判定値を算出するための関数は、画像内の全領域において連続且つ微分可能とする。
変形例の誤差算出部105は、このような内包判定値に基づいて、既に実施形態で説明した計算手順を用いて、2つの図形間の誤差を算出する。
なお、図8を参照しながら説明した内包判定値は、より一般的な形態に対応するものである。実施形態で説明した内包判定値の求め方は、この一般的形態における一つの特殊例である。
以上説明したように、実施形態(変形例を含む)によれば、機械学習モデルを用いて、長方形以外の図形についても、領域の検出の対象とすることが可能となる。また、実施形態(変形例を含む)によれば、任意の解像度で仮想ピクセルを生成して(設けて)精細に領域を検出することが可能となる。
以上、この発明の実施形態(変形例を含む)について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
[応用例と効果]
上記実施形態の領域検出装置1の応用例とその効果について説明する。応用例としては、領域検出装置1を用いて、画像内に含まれる文字の領域を検出する。
図9は、この応用例において処理対象とした画像の例を示す概略図である。図9(A)は、領域検出装置1への入力となる画像を示す。この画像内には例として「abc」という文字が含まれている。領域検出装置1は、文字領域を検出するように、学習用データを用いて予め機械学習を行っておく。学習済みの領域検出装置1を、推定実行モードで動作させて、図9(A)の画像を入力する。図9(B)は、その検出結果の例である。領域検出装置1は、「a」、「b」、「c」という文字をそれぞれ含んだ領域を検出する。検出された領域のそれぞれは、四角形である(長方形ではない)。ここで、領域検出装置1による検出結果に基づいて、検出された領域をそれぞれ独立の画像として分離するとともに、検出された領域以外については黒(画素値0)でマスクする。図9(C)は、その結果を示す3つの画像である。図9(C)においてハッチングされている領域は、黒(画素値0)でマスクされた領域である。このマスクは、次に行う文字認識の処理において不要なノイズ情報が入らないようにするためである。そして、これら3つの画像を対象として文字認識装置(本願発明対象外)を用いて文字認識を行った。その結果、「a」、「b」、および「c」という文字が正しく認識された。つまり、この応用例においては、文字認識の処理の前処理として、特定の特徴を有する領域(文字の領域)の検出を行った。この実証実験を行ったところ、文字認識精度(F値)は、領域検出を行わない場合の70%から、領域検出の前処理を行った場合の73%に、認識精度が向上した。つまり、上記実施形態の効果が得られていることが確認できた。
本発明は、例えば、画像内に存在する特定の特徴を検出するために利用することができる。より具体的には、本発明を、画像内の物体の検出に利用したり、画像内の文字領域の検出に利用したり、その他の特定の領域の検出に利用したりすることができる。但し、本発明の利用範囲はここに例示したものには限られない。
1 領域検出装置
101 画像入力部
102 領域推定部
103 結果出力部
104 学習用データ供給部
105 誤差算出部
901 中央処理装置
902 RAM
903 入出力ポート
904,905 入出力デバイス
906 バス
1051 仮想ピクセル生成部
1052 内包判定部
1053 内包判定統合部
1054 誤差関数値計算部

Claims (3)

  1. 機械学習モデルを内部に備えて、外部から渡される画像を前記機械学習モデルに入力することによって前記画像内において特定の特徴を有する領域を推定する領域推定部と、
    前記領域推定部が備える前記機械学習モデルの学習を行うための、学習用画像と当該学習用画像に対応する正解領域との対を供給する学習用データ供給部と、
    前記学習用データ供給部が供給する前記学習用画像に基づいて前記領域推定部が推定した結果である推定領域と、前記学習用画像に対応して前記学習用データ供給部が供給する前記正解領域と、の誤差を求める誤差算出部と、
    を備える領域検出装置であって、
    前記推定領域に対応する図形および前記正解領域に対応する図形は、いずれも、凸包多角形であって、
    前記誤差算出部は、
    前記画像内および前記学習用画像内のそれぞれにおいて共通する多数の仮想ピクセルを設定する仮想ピクセル生成部と、
    前記仮想ピクセルの各々について、前記推定領域に対応する図形についての内包判定値と前記正解領域に対応する図形についての内包判定値との和および積をそれぞれ求め、前記和から前記積を減じた値をユニオン値(union)として、前記積の値をインターセクション値(intersection)として、すべての前記仮想ピクセルについての前記インターセクション値の総和をすべての前記仮想ピクセルについての前記ユニオン値の総和で除して得られる値、を誤差として求める誤差関数値計算部と、
    を備え、
    前記推定領域に対応する図形についての内包判定値は、前記仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、前記仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記推定領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記画像内の全領域において連続且つ微分可能であり、
    前記正解領域に対応する図形についての内包判定値は、前記仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、前記仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記正解領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記学習用画像内の全領域において連続且つ微分可能であり、
    前記推定領域に対応する図形についての内包判定値および前記正解領域に対応する図形についての内包判定値は、それぞれ、前記画像および前記学習用画像の全領域において0以上且つ1以下である、
    領域検出装置。
  2. 前記誤差算出部は、
    さらに、
    前記仮想ピクセルのそれぞれについて、前記推定領域に対応する図形が有するそれぞれの辺および前記正解領域に対応する図形が有するそれぞれの辺について、下の式(1)
    (ただし、eはネイピア数、kは所定の正定数、dpxは当該図形の内側に存在する所定の点を通って且つ当該辺と平行な基準線から当該仮想ピクセルまでの距離、dcenterは当該辺に関する前記基準線から当該辺までの距離である)
    によって当該仮想ピクセルの当該辺についての内包判定値を求める内包判定部と、
    前記内包判定部が求めた当該図形が有するすべての辺についての前記仮想ピクセルの内包判定値を掛け合わせることによって当該仮想ピクセルの当該図形についての前記内包判定値を求める内包判定統合部と、
    を備える、請求項1に記載の領域検出装置。
  3. 機械学習モデルを内部に備えて、外部から渡される画像を前記機械学習モデルに入力することによって前記画像内において特定の特徴を有する領域を推定する領域推定部と、
    前記領域推定部が備える前記機械学習モデルの学習を行うための、学習用画像と当該学習用画像に対応する正解領域との対を供給する学習用データ供給部と、
    前記学習用データ供給部が供給する前記学習用画像に基づいて前記領域推定部が推定した結果である推定領域と、前記学習用画像に対応して前記学習用データ供給部が供給する前記正解領域と、の誤差を求める誤差算出部と、
    を備える領域検出装置であって、
    前記推定領域に対応する図形および前記正解領域に対応する図形は、いずれも、凸包多角形であって、
    前記誤差算出部は、
    前記画像内および前記学習用画像内のそれぞれにおいて共通する多数の仮想ピクセルを設定する仮想ピクセル生成部と、
    前記仮想ピクセルの各々について、前記推定領域に対応する図形についての内包判定値と前記正解領域に対応する図形についての内包判定値との和および積をそれぞれ求め、前記和から前記積を減じた値をユニオン値(union)として、前記積の値をインターセクション値(intersection)として、すべての前記仮想ピクセルについての前記インターセクション値の総和をすべての前記仮想ピクセルについての前記ユニオン値の総和で除して得られる値、を誤差として求める誤差関数値計算部と、
    を備え、
    前記推定領域に対応する図形についての内包判定値は、前記仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、前記仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記推定領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記画像内の全領域において連続且つ微分可能であり、
    前記正解領域に対応する図形についての内包判定値は、前記仮想ピクセルが当該図形の内側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には1またはほぼ1であり、前記仮想ピクセルが当該図形の外側に存在して且つ当該図形のいずれの辺からも所定距離以上離れている場合には0またはほぼ0であり、且つ前記正解領域に対応する図形についての内包判定値を求めるための関数は前記学習用画像内の全領域において連続且つ微分可能であり、
    前記推定領域に対応する図形についての内包判定値および前記正解領域に対応する図形についての内包判定値は、それぞれ、前記画像および前記学習用画像の全領域において0以上且つ1以下である、
    領域検出装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
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