JP7844541B2 - グアンファシンを含む医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents

グアンファシンを含む医薬組成物及びその製造方法

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Description

本発明は、医薬組成物及びその製造方法、特にグアンファシンを含む医薬組成物に関する。
現在、医薬組成物は、ノルエピネフリン及びドパミンの再取り込みを阻害することで脳内濃度を増加させることにより、中枢神経系刺激を治療する。選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRIs);ノルエピネフリン及びドパミン再取り込み阻害剤(NDRIs);三環系抗うつ剤(TCAs)は、脳内の神経伝達物質を調節して、セロトニン及びノルエピネフリンなどのモノアミンを蓄積させる(非特許文献1)。α2アドレナリン作動薬は、前頭前皮質への血流を増加させることで記憶と実行機能を高めることができる(非特許文献2)。
グアンファシンは成人及び小児におけるADHDの補助療法として使用される選択的アルファ-アドレナリン受容体作動薬であって、高血圧の治療でも使用される。治療の間、グアンファシンと血清酵素の上昇又は顕著に急性の肝障害との間に関連性はない。臨床試験では、即時放出型のグアンファシンが、多動性、衝動性、又は破壊的行動の治療に一般的に使用されている。グアンファシンは主にCYP3A4酵素によって代謝される。多くの薬物がグアンファシンと相互作用する可能性があり、てんかん治療薬のフェノバルビタール、抗真菌薬のケトコナゾール、及び広域抗生物質のリファンピシンに関する研究では、グアンファシン代謝の誘導及び阻害に関連する薬物動態パラメータの変化が示されている。ジメシル酸リスデキサムフェタミン(LDX)はグアンファシンの代謝をわずかに阻害する可能性があり、その結果グアンファシン濃度が9%上昇する。また、グアンファシンがバルプロ酸塩のバイオアベイラビリティを増加させる可能性を示す症例報告もある。リファンピシンを8日間又はケトコナゾールを3日間使用した場合、グアンファシンの単回投与クリアランスに有意な影響があることが研究で示されている。さらに、フェノバルビタールと併用する場合、グアンファシンの投与量を5倍に増やす必要がある。薬物動態学的な推奨によれば、CYP3A4誘導剤と併用する場合はグアンファシンの用量を2倍に、CYP3A4阻害剤を追加する場合はグアンファシンの用量を半分にする必要がある。
Cavaliere, F. et al, (2019) Sci Rep. 2019 Mar 19; 9(1):4881. doi: 10. Chang Gung Journal of Pharmacy Vol.18 No.4 2011
しかし、グアンファシンを含む製剤は、溶出安定性及び製剤安定性に劣るため、グアンファシンの応用には限界がある。例えば、溶出安定性の面では、低用量製剤に重量の異なる有機酸を添加すると、溶出が大きく変化し、特に人体に含まれる水の割合が高いと、溶出の変化はさらに顕著になる。さらに、強制条件下での高用量製剤の観察から、有機酸製剤の初期不純物は比較的多く、グアンファシンを含む製剤の安定性に影響を及ぼす可能性がある。従って、グアンファシンを含有する製剤の溶出安定性と製剤安定性をいかに両立させるかは、医薬品分野における挑戦的な課題である。
本発明はグアンファシン又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される無機酸とを含むことを特徴とする医薬組成物を提供し、現在のグアンファシン製剤が直面する乏しい溶出安定性と製剤安定性の問題点に対処する。当該グアンファシンは次の式を有する。
本発明に係る1つの実施の形態では、上記無機酸はリン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム及びホウ酸からなる群から選択される。
本発明に係る1つの実施の形態では、上記無機酸の含有量は、医薬組成物の30重量%を超えない。
本発明に係る1つの実施の形態では、上記無機酸の含有量は、医薬組成物の2.5重量%から27重量%である。
本発明に係る1つの実施の形態では、医薬組成物は腸溶性コーティング剤を含み、腸溶性コーティング剤の含有量は、医薬組成物の20重量%以下又は50重量%以下である。
本発明に係る1つの実施の形態では、医薬組成物は賦形剤を含み、賦形剤は結晶セルロース、乳糖(例えば乳糖水和物)、D-マンニトール、スクロース、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール及び軽質無水ケイ酸からなる群から選択される。
本発明に係る1つの実施の形態では、上記医薬組成物は結晶セルロース又は乳糖賦形剤からなる群から選択される賦形剤を含む。
本発明に係る1つの実施の形態では、医薬組成物はヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドン、酢酸ビニル、アルファ化デンプン、ゼラチン、寒天及びアラビアガムからなる群から選択される結合剤を含む。
本発明に係る1つの実施の形態では、結合剤は80から140,000mPa・sの粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
本発明に係る1つの実施の形態では、医薬組成物はタルク、カオリン、二酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、軽質無水ケイ酸、微粉砕二酸化ケイ素、フマル酸ステアリルナトリウム及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される潤滑剤を含む。
本発明に係る1つの実施の形態では、潤滑剤はグリセリン脂肪酸エステルである。
本発明に係る1つの実施の形態では、医薬組成物はクロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム及びポテトスターチからなる群から選択される崩壊剤を含む。
本発明に係る1つの実施の形態では、崩壊剤はクロスポビドンである。
本発明に係る1つの実施の形態では、医薬組成物は錠剤の形態である。
また、本発明は、医薬組成物の製造方法を提供し、上記医薬組成物は、グアンファシン又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される無機酸とを含み、混合し、必要に応じて任意に造粒し、最終混合し、打錠することで調製される。
本発明は、グアンファシン又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に特定の無機酸を添加することによって、溶出安定性及び製剤安定性を向上させることができることを初めて見出した。したがって、本発明の1つの側面は、溶解安定性及び製剤安定性が改善されたグアンファシン又はその薬学的に許容される塩を含む新規な医薬組成物、及び当該医薬組成物を含む錠剤を提供することである。さらに、本発明の別の側面は、グアンファシン又はその薬学的に許容される塩を含み、溶解安定性及び製剤安定性を改善した医薬組成物を製造する方法を提供することである。
比較例1、比較例2及び比較例3の有機酸の割合を変えて製造した錠剤の比較溶出試験結果比較図である。 本発明の実施例1、実施例2及び実施例3の有機酸の割合を変えて製造した錠剤の比較溶出試験結果比較図である。 本発明の実施例4及び実施例5の有機酸の割合を変えて製造した錠剤の比較溶出試験結果比較図である。
以下、本発明の技術的解決策の詳細な説明を添付図面と併せて提供する。なお、本明細書で説明される具体的な実施の形態は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本願発明の範囲は、これらの実施の形態によって限定されるものではなく、特許出願の範囲によって決定される。
比較例1~3、実施例1~5等、本発明で用いる調製方法は、すべての原料を40メッシュの篩で篩い分け、混合機で混合し、最後に40メッシュの篩で篩い分けた潤滑剤を添加して打錠することを含む方法である。この製造方法における圧縮圧力は、製剤及び錠剤形状に応じて適宜調整することができ、好ましくは4~14kNの範囲である。
本発明で用いられる溶出試験は、例えば、低用量例及び比較例で調製された医薬組成物又は錠剤の溶出結果を評価する。具体的には、医薬組成物を含む錠剤を、溶出試験装置を用いて次の条件:37℃の水、900mL、パドル50rpmで溶出試験を行う。続いて、試料溶液を以下の条件下でHPLCを用いて分析する。水酸化ナトリウムでpHを調整した炭酸ナトリウム水溶液とアセトニトリルとの混合物からなる移動相で、内径4.6mm、長さ15cmのC18カラムを用い、27℃に制御し、波長220nmでUV検出する。
本発明で用いられる安定性試験は、例えば、高用量例及び比較例で調製された医薬組成物又は錠剤の不純物結果を評価する。具体的には、医薬組成物を含む錠剤を次の条件下:40℃/75%RHで安定性試験に供する。次に、HPLCを用いて以下の条件で試料溶液を分析する。水酸化ナトリウムでpHを調整した炭酸水素ナトリウム及びリン酸テトラブチルアンモニウムの混合物とアセトニトリルとからなる移動相で、内径4.6mm、長さ15cmのC18カラムを用い、27℃に制御し、波長220nmでUV検出する。
本発明で使用されるその他の成分としては、賦形剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、界面活性剤、可塑剤、着色剤、及びその他の薬学的に許容される成分が挙げられる。
本発明で使用される賦形剤は、例えば、結晶セルロース又は乳糖(例えば乳糖水和物)、D-マンニトール、スクロース、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール、軽質無水ケイ酸等であって、結晶セルロース及び乳糖が好ましい。
本発明で使用される結合剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロースとしても知られる)、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドン及び酢酸ビニル、アルファ化デンプン、ゼラチン、寒天及びアラビアガム等であって、ヒプロメロースが好ましい。好ましくは、ヒプロメロース 2208(Methocel(登録商標) K4M Premium CR、粘度:2500~5000mPa・s等の粘度80~140,000mPa・sのヒプロメロースが使用される。
本発明で使用される潤滑剤は、例えば、タルク、カオリン、二酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、軽質無水ケイ酸、微粉砕二酸化ケイ素、フマル酸ステアリルナトリウム、グリセリン脂肪酸エステルであって、グリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
本発明で使用される崩壊剤は、例えば、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポテトスターチ等であって、クロスポビドンが好ましい。
比較例1、比較例2及び比較例3の錠剤処方を表1に示す。
調製方法は以下の通りである。
1.成分:塩酸グアンファシン(原薬)、フマル酸(有機酸)及びオイドラギット L100-55(腸溶性コーティング剤)を式に従って秤量する。
その他の成分:例えば、13%~50%の結合剤、5%を超えない崩壊剤、及び10%~70%の賦形剤。
上記各成分が40メッシュの篩で篩い分けられる。
2.混合:
2.1 塩酸グアンファシン、フマル酸、腸溶性コーティング剤オイドラギット L100-55、賦形剤、結合剤及び崩壊剤を均一に混合した後、必要に応じて造粒される。その後、40メッシュの篩で篩い分けられた12重量%~15重量%の潤滑剤がゆっくり添加される。
3.錠剤圧縮:
錠剤は中間試験で決定された重量に従って圧縮される。圧縮には円形7.0mmのパンチを使用し、硬度は4N~14N、重量差は±5%である。
実施例1、実施例2及び実施例3の錠剤処方を表2に示す。
調製方法は以下の通りである。
1.成分:塩酸グアンファシン、重亜硫酸ナトリウム(無機酸)、オイドラギット L100-55(腸溶性コーティング剤)を式に従って秤量する。
その他の成分:例えば、13%~50%の結合剤、5%を超えない崩壊剤、及び10%~70%の賦形剤。
上記各成分が40メッシュの篩で篩い分けられる。
2.混合:
2.1 塩酸グアンファシン、重亜硫酸ナトリウム、腸溶性コーティング剤オイドラギット L100-55、賦形剤、結合剤及び崩壊剤を均一に混合した後、必要に応じて造粒される。その後、40メッシュの篩で篩い分けられた12重量%~15重量%の潤滑剤がゆっくり添加される。
3.錠剤圧縮:
錠剤は中間試験で決定された重量に従って圧縮される。圧縮には円形7.0mmのパンチを使用し、硬度は4N~14N、重量差は±5%である。
実施例4及び実施例5の錠剤処方を表3に示す。
調製方法は以下の通りである。
1.成分:塩酸グアンファシン、ホウ酸(無機酸)、オイドラギット L100-55(腸溶性コーティング剤)を式に従って秤量する。
その他の成分:例えば、13%~50%の結合剤、5%を超えない崩壊剤、及び10%~70%の賦形剤。
上記各成分が40メッシュの篩で篩い分けられる。
2.混合:
2.1 塩酸グアンファシン、ホウ酸、腸溶性コーティング剤オイドラギット L100-55、賦形剤、結合剤及び崩壊剤を均一に混合した後、必要に応じて造粒される。その後、40メッシュの篩で篩い分けられた12重量%~15重量%の潤滑剤がゆっくり添加される。
3.錠剤圧縮:
錠剤は中間試験で決定された重量に従って圧縮される。圧縮には円形7.0mmのパンチを使用し、硬度は4N~14N、重量差は±5%である。
4.HPLCを使用した溶出試験
分析条件:
(1)カラム:C18、長さ×内径15cm×4.6mm。
(2)移動相:炭酸水素ナトリウム水溶液とアセトニトリル(水酸化ナトリウムでpH10に調整)の混合液でアイソクラティック溶出。
(3)注入量:20μL。
(4)流速:1.2mL/分。
(5)温度:27℃
(6)検出波長:UV 220nm。
HPLCを使用した不純物試験
分析条件:
(1)カラム:C18、長さ×内径15cm×4.6mm。
(2)移動相:炭酸水素ナトリウム/リン酸水素テトラ-n-ブチルアンモニウムとアセトニトリル(水酸化ナトリウムでpH10に調整)の混合液でアイソクラティック溶出。
(3)注入量:100μL。
(4)流速:1mL/分。
(5)温度:27℃
(6)検出波長:UV 220nm。
溶出試験法は薬局方規格に準拠し、溶媒は37℃の水で容量は900mL、回転数は50rpmとした。分析のためのサンプリングは4、8、12、24時間で行う。
溶出試験における実施例及び比較例の錠剤の溶出曲線について説明する。図1から図3を参照されたい。
比較例1、2及び3の錠剤の37℃条件下での溶出プロファイルが検討される。実験結果が図1及び表4に示される。
図1に示された溶出試験データから、本発明の比較例において、有機酸添加剤としてフマル酸を用いて調製された錠剤は、24時間以上にわたって活性成分の水中での放出が認められ、医薬組成物の質量が経時的に安定であるかどうかが確認された。実験結果によると、低用量の有機酸であるフマル酸1mgを添加した場合、4時間で35.17%の放出となり、12時間で44.43%に達し、24時間で安定することが明らかである。中用量の有機酸であるフマル酸3mgを添加すると、4時間で36.40%の放出がみられ、8時間で51.33%、24時間で57.07%に達した。高用量の有機酸であるフマル酸7.5mgを添加すると、4時間で45.05%の放出が見られ、8時間で65.45%、12時間で73.95%、24時間で80.95%に達した。これらの実験結果から、有機酸濃度を高めると水中での錠剤の放出が増加し、有機酸濃度のわずかな増加でも、特に水と一緒に服用した場合の錠剤の放出速度に大きく影響することが明らかである。したがって、処方中に有機酸を含む錠剤は不安定な薬物放出を示す傾向があり、バイオアベイラビリティ等に影響を及ぼす。
実施例1、実施例2及び実施例3の錠剤の37℃条件下での溶出試験カーブが検討される。実験結果が図2及び表5に示される。
図2に示された溶出試験データから、本発明の比較例において、無機酸添加剤として重亜硫酸ナトリウムを用いて調製された錠剤は、24時間以上にわたって活性成分の水中での放出が認められ、医薬組成物の質量が経時的に安定であるかどうかが確認された。実験結果によると、低用量の無機酸である重亜硫酸ナトリウム7.5mgを添加した場合、4時間で22.80%の放出となり、12時間で31.65%、24時間で39.60%に達することが明らかである。中用量の無機酸である重亜硫酸ナトリウム20mgを添加すると、4時間で19.40%の放出がみられ、8時間で25.65%、24時間で39.10%に達した。高用量の無機酸である重亜硫酸ナトリウム40mgを添加すると、4時間で19.45%の放出が見られ、8時間で27.15%、12時間で32.00%、24時間で51.30%に達した。これらの実験結果から、比較例と比較して、無機酸である重亜硫酸ナトリウムが異なる割合の実施例は良好に安定した放出速度を達成した。したがって、この処方設計により、錠剤製造時の工程の安定性を向上させることができ、患者摂取時の体内での錠剤放出のばらつきを低減することができ、製造時及びin vivoの両方で有機酸製剤に対する利点を達成することができる。
実施例4及び実施例5の錠剤の37℃条件下での溶出試験曲線が検討される。実験結果を図3及び表6に示す。
図3の溶出試験データから、本発明において、無機酸添加剤としてホウ酸を添加して調製された錠剤は、24時間以上にわたって水中での有効成分の放出を示し、医薬組成物の質量が経時的に安定に保たれているかが確認された。実験結果によると、低用量のホウ酸3.75mgを添加した場合、4時間で23.05%、8時間で26.70%、12時間で28.10%、24時間で28.80%の放出を示した。同様に、高用量のホウ酸7.5mgを添加すると、4時間で26.70%、8時間で30.30%、12時間で31.30%、24時間で32.85%の放出となった。これらの実験結果は、比較例と比較して、実施例4及び実施例5が無機酸添加剤として異なる割合のホウ酸を使用することにより、同様の安定した放出率を達成していることを示している。したがって、この製剤設計では、錠剤製造時の製造工程の安定性を向上させることができ、患者投与時の錠剤の体内放出のばらつきを低減することができ、製造時及びin vivoの両方で有機酸製剤に対する利点を提供することができる。
安定性試験が高用量の実施例及び比較例で調製された医薬組成物又は錠剤の不純物結果を評価した。具体的には、比較例及び実施例の安定性実験が40℃/75%RHの強制条件下で行われ、実験結果が表7に示されている。
USP薬局方の検査仕様では、2,6-ジクロロフェニル酢酸の不純物は1.0%未満、ピーク1(特定できない分解物)は0.5%未満、すべての不純物(総不純物)は1.5%未満とされている。これは、保存期間中に発生する不純物及び分解生成物を評価するために使用される。比較例で調製された錠剤は、当初2,6-ジクロロフェニル酢酸が0.1%、ピーク1が0.2%、すべての不純物が0.3%であった。1か月後、不純物は2,6-ジクロロフェニル酢酸が0.1%、ピーク1が0.2%、すべての不純物が0.3%であった。3か月後の不純物は、2,6-ジクロロフェニル酢酸が0.2%、ピーク1が0.2%、すべての不純物が0.4%であった。実験の結果、有機酸添加剤を含む比較例で調製された錠剤は、高温多湿条件下で試料が破壊され、試料が不安定になった。実施例で調製された錠剤は、当初2,6-ジクロロフェニル酢酸が0.1%、ピーク1は検出されず、すべての不純物が0.1%であった。実験の結果、無機酸添加剤を含む実施例で調製された錠剤は、高温多湿条件下で比較例の錠剤よりも安定であり、時間、温度、湿度の変化にかかわらず、医薬組成物の品質が安定していることが示された。
(付記)
(付記1)
グアンファシン又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される無機酸と、を含む医薬組成物。
(付記2)
前記無機酸は、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム及びホウ酸からなる群から選択される、付記1に記載の医薬組成物。
(付記3)
前記無機酸の含有量は、医薬組成物の30重量%以下である、付記1に記載の医薬組成物。
(付記4)
前記無機酸の含有量は、医薬組成物の2.5重量%から27重量%である、付記1に記載の医薬組成物。
(付記5)
腸溶性コーティング剤を含み、前記腸溶性コーティング剤の含有量は、医薬組成物の20重量%以下又は50重量%以下である、付記1に記載の医薬組成物。
(付記6)
賦形剤を含み、前記賦形剤は、結晶セルロース、乳糖、D-マンニトール、スクロース、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール及び軽質無水ケイ酸からなる群から選択される、付記1に記載の医薬組成物。
(付記7)
結合剤を含み、前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドン、酢酸ビニル、アルファ化デンプン、ゼラチン、寒天及びアラビアガムからなる群から選択される、付記1に記載の医薬組成物。
(付記8)
潤滑剤を含み、前記潤滑剤は、タルク、カオリン、二酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、軽質無水ケイ酸、微粉砕二酸化ケイ素、フマル酸ステアリルナトリウム及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される、付記1に記載の医薬組成物。
(付記9)
錠剤の形態である、付記1に記載の医薬組成物。
(付記10)
混合し、必要に応じて任意に造粒し、最終混合し、錠剤圧縮することで調製される、グアンファシン又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される無機酸と、を含むことを特徴とする付記1に記載の医薬組成物の製造方法。

Claims (10)

  1. グアンファシン又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される無機酸と、潤滑剤と、を含み、前記無機酸は、重亜硫酸ナトリウム及びホウ酸からなる群から選択され、前記潤滑剤は、タルク、カオリン、二酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、軽質無水ケイ酸、微粉砕二酸化ケイ素、フマル酸ステアリルナトリウム及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される医薬組成物。
  2. 前記無機酸の含有量は、医薬組成物の30重量%以下である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記無機酸の含有量は、医薬組成物の2.5重量%から27重量%である、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 腸溶性コーティング剤を含み、前記腸溶性コーティング剤の含有量は、医薬組成物の20重量%以下又は50重量%以下である、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 賦形剤を含み、前記賦形剤は、結晶セルロース、乳糖、D-マンニトール、スクロース、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール及び軽質無水ケイ酸からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 結合剤を含み、前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドン、酢酸ビニル、アルファ化デンプン、ゼラチン、寒天及びアラビアガムからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 錠剤の形態である、請求項1に記載の医薬組成物。
  8. 混合し、造粒し、最終混合し、錠剤圧縮することで調製される、グアンファシン又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される無機酸と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物の製造方法。
  9. 混合し、最終混合し、錠剤圧縮することで調製される、グアンファシン又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される無機酸と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物の製造方法。
  10. 混合し、造粒し、最終混合し、錠剤圧縮することで調製される、医薬組成物の製造方法であって、
    前記医薬組成物は、
    グアンファシン又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される無機酸と、潤滑剤と、を含み、前記無機酸は、リン酸、重亜硫酸ナトリウム及びホウ酸からなる群から選択され、前記潤滑剤は、タルク、カオリン、二酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、軽質無水ケイ酸、微粉砕二酸化ケイ素、フマル酸ステアリルナトリウム及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される、
    製造方法。
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