JP7846623B2 - (メタ)アクリル樹脂組成物、無機微粒子分散スラリー組成物及び無機微粒子分散成形物 - Google Patents
(メタ)アクリル樹脂組成物、無機微粒子分散スラリー組成物及び無機微粒子分散成形物Info
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Description
このような積層セラミクスコンデンサは、一般に、次のような方法を用いて製造される。まず、バインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等の添加剤を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ボールミル等を用いて均一に混合して無機微粒子分散スラリー組成物を得る。
得られた無機微粒子分散スラリー組成物を、ドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、SUSプレート等の支持体表面に流延成形し、有機溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次に、得られたセラミックグリーンシート上に内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷等により塗工し、これを複数枚積み重ね、加熱及び圧着して積層体を得る。得られた積層体を加熱して、バインダー樹脂等の成分を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成することによって、内部電極を備えたセラミック焼成体を得る。更に、得られたセラミック焼成体の端面に外部電極を塗布し、焼成することによって、積層セラミクスコンデンサが完成する。
また、特許文献2には、ポリビニルブチラール、セルロース系高分子の他、アクリル樹脂等をバインダーとして用いる方法が開示されている。
また、特許文献2にはアクリル系樹脂を用いることが記載されているが、平均粒子径が1μmを下回る微小な無機微粒子を用いる場合、分散性が悪化するという問題がある。更に、特許文献2に記載のアクリル樹脂では、高い焼成温度が必要となる脱脂中に酸化による劣化が生じるという問題がある。
(1)前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が12万以上30万以下の高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)を含有し、前記高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)中に含まれるOH基の重量濃度が0.4重量%以上2.0重量%以下である。
(2)前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が30万を超え50万以下である高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)を含有し、前記高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)中に含まれるOH基の重量濃度が1.3重量%以上3.5重量%以下である。
(3)前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が0.5万以上10万以下である低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)を含有し、前記低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)中に含まれるOH基の重量濃度が1.3重量%以上3.5重量%以下であり、前記(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度が250ppm以上20000ppm以下である。
本開示(2)は、(1)を満たし、かつ、重量平均分子量が0.5万以上10万以下である低分子量(メタ)アクリル樹脂を含有し、前記低分子量(メタ)アクリル樹脂中に含まれるOH基の重量濃度が1.3重量%以上3.5重量%以下であり、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)100重量部に対する前記低分子量(メタ)アクリル樹脂の含有量が0.1重量部以上10重量部以下である本開示(1)の(メタ)アクリル樹脂組成物である。
本開示(3)は、(1)又は(2)を満たし、かつ、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)又は(B)のエタノールへの溶解度が10重量部/エタノール100重量部以上である本開示(1)の(メタ)アクリル樹脂組成物である。
本開示(4)は、(1)又は(2)を満たし、かつ、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)又は(B)は、全構成単位に対して、下記式(a)で表される構成単位を79重量%以上96重量%以下、下記式(b)で表される構成単位を3.1重量%以上17重量%以下含有する本開示(1)又は(3)の(メタ)アクリル樹脂組成物である。
本開示(5)は、(1)又は(2)を満たし、かつ、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)又は(B)中に含まれるOH基の重量濃度に対する有機溶剤中に含まれるOH基の重量濃度の比(有機溶剤中に含まれるOH基の重量濃度/高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)又は(B)中に含まれるOH基の重量濃度)が4.5以上46.2以下である本開示(1)、(3)又は(4)の(メタ)アクリル樹脂組成物である。
本開示(6)は、(2)を満たし、かつ、(メタ)アクリル樹脂は、高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)のみからなるものであり、前記(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度が250ppm以上20000ppm以下である本開示(1)、(3)、(4)又は(5)の(メタ)アクリル樹脂組成物である。
本開示(7)は、本開示(1)~(6)の何れかの(メタ)アクリル樹脂組成物、無機微粒子、及び、可塑剤を含有する無機微粒子分散スラリー組成物である。
本開示(8)は、本開示(7)の無機微粒子分散スラリー組成物を用いてなる無機微粒子分散成形物である。
以下に本発明を詳述する。
上記(メタ)アクリル樹脂は、下記(1)~(3)の何れか1つを満たす。
(1)前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が12万以上30万以下の高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)を含有し、前記高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)中に含まれるOH基の重量濃度が0.4重量%以上2.0重量%以下である。
(2)前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が30万を超え50万以下である高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)を含有し、前記高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)中に含まれるOH基の重量濃度が1.3重量%以上3.5重量%以下である。
(3)前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が0.5万以上10万以下である低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)を含有し、前記低分子量(メタ)アクリル樹脂中に含まれるOH基の重量濃度が1.3重量%以上3.5重量%以下であり、前記(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度が250ppm以上20000ppm以下である。上記構成を満たすことで、無機微粒子分散スラリー組成物とした際、無機微粒子の分散性を充分向上させることができる。また、無機微粒子の凝集を抑制することができる。
上記(1)を満たす本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物において、上記(メタ)アクリル樹脂は、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)を含有する。
上記高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)は、重量平均分子量が12万以上30万以下である。
上記範囲とすることで、無機微粒子分散スラリー組成物とした際、無機微粒子の分散性を充分向上させることができる。また、無機微粒子の凝集を抑制することができる。
上記重量平均分子量は、15万以上であることが好ましく、18万以上であることがより好ましく、25万以下であることが好ましく、22万以下であることがより好ましい。
上記範囲とすることで、無機微粒子分散スラリー組成物とした際、充分な粘度を有するものとなり、また、印刷性に向上できる。
また、上記高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以上であることが好ましく、8以下であることが好ましい。
上記範囲内とすることで、低重合度の成分が適度に含有されるため、無機微粒子分散スラリー組成物の粘度が好適な範囲となり、生産性を高めることができる。また、得られる無機微粒子分散シートのシート強度を適度なものとできる。更に、得られるセラミックグリーンシートの表面平滑性を充分に向上させることができる。
上記Mw/Mnは3以上であることがより好ましく、6以下であることがより好ましい。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算による平均分子量であり、カラムとして例えばカラムLF-804(昭和電工社製)を用いてGPC測定を行うことで得ることができる。
上記範囲とすることで、バインダー樹脂が低温でも極めて優れた分解性を発現しつつ、更に、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果を向上させることができる。
上記OH基の重量濃度は、0.5重量%以上であることが好ましく、0.6重量%以上であることがより好ましく、1.6重量%以下であることが好ましく、1.4重量%以下であることがより好ましい。
上記OH基の重量濃度は、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)全体の重量に対するOH基の重量の割合を意味し、以下の式に基づいて算出することができる。
高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)中に含まれるOH基の重量濃度=[全モノマー中に含まれるOH基の重量/(全モノマーの重量+重合開始剤の重量)]×100
上記(2)を満たす本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物において、上記(メタ)アクリル樹脂は、高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)を含有する。
上記高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)は、重量平均分子量が30万を超え50万以下である。
上記範囲とすることで、無機微粒子分散スラリー組成物とした際、無機微粒子の分散性を充分向上させることができる。また、無機微粒子の凝集を抑制することができる。
上記重量平均分子量は、32万以上であることが好ましく、33万以上であることがより好ましく、48万以下であることが好ましく、45万以下であることがより好ましい。
上記範囲とすることで、無機微粒子分散スラリー組成物とした際、充分な粘度を有するものとなり、また、印刷性に向上できる。
また、上記高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以上であることが好ましく、8以下であることが好ましい。
上記範囲内とすることで、低重合度の成分が適度に含有されるため、無機微粒子分散スラリー組成物の粘度が好適な範囲となり、生産性を高めることができる。また、得られる無機微粒子分散シートのシート強度を適度なものとできる。更に、得られるセラミックグリーンシートの表面平滑性を充分に向上させることができる。
上記Mw/Mnは3以上であることがより好ましく、6以下であることがより好ましい。
上記範囲とすることで、バインダー樹脂が低温でも極めて優れた分解性を発現しつつ、更に、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果を向上させることができる。
上記OH基の重量濃度は、1.5重量%以上であることが好ましく、2重量%以上であることがより好ましく、3.3重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましい。
上記OH基の重量濃度は、高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)全体の重量に対するOH基の重量の割合を意味し、以下の式に基づいて算出することができる。
高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)中に含まれるOH基の重量濃度=[全モノマー中に含まれるOH基の重量/(全モノマーの重量+重合開始剤の重量)]×100
上記R1としては、炭素数1~4の直鎖状又は分岐状アルキル基であることがより好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
上記R2としては、水素原子の少なくとも1つがOH基で置換された炭素数2~4の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
上記範囲とすることで、低温分解性を充分に高めることができる。
上記式(a)で表される構成単位の含有量は、85重量%以上であることがより好ましく、95重量%以下であることがより好ましい。
バインダー樹脂に対する溶媒としてはエタノールがよく用いられるが、一般的にアクリル樹脂はポリビニルアセタール樹脂よりもエタノールに対する溶解性が低く、一次解砕後にアクリル樹脂を添加すると無機微粒子が凝集してしまうという問題があるが、上記範囲とすることで、無機微粒子の分散性や凝集抑制効果を向上させることができる。
また、エタノールに対する溶解性をより高めることができる。
上記式(2)で表される構成単位の含有量は、4重量%以上であることがより好ましく、15重量%以下であることがより好ましい。
上記セグメントを有することで、低温分解性により優れたものとできる。
上記炭素数3~4の直鎖状又は分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸イソブチルが好ましい。
上記炭素数1~2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが挙げられる。
上記炭素数5~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられる。なかでも、炭素数6~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルがより好ましい。
上記炭素数9以上の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n-ラウリル、(メタ)アクリル酸イソラウリル、(メタ)アクリル酸n-ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル等が挙げられる。
上記セグメントを有することにより、バインダー樹脂が低温でも極めて優れた分解性を発現しつつ、更に、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果を向上させることができる。
上記水素原子の少なくとも1つがOH基で置換された炭素数2~4の直鎖状又は分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルが好ましい。
上記水素原子の少なくとも1つがOH基で置換された炭素数5以上の直鎖状又は分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル等が挙げられる。
上記範囲とすることで、可塑剤の添加量を少なくすることができ、また、低温分解性を向上させることができる。
上記Tgは32℃以上であることがより好ましく、42℃以上であることが更に好ましく、45℃以上であることが更により好ましく、50℃以上であることが特に好ましく、80℃以下であることがより好ましく、75℃以下であることが更に好ましい。
なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量計(DSC)等を用いて測定することができる。
上記範囲とすることで、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果を向上させることができる。また、有機溶剤への溶解度を充分に高めることができる。
上記エタノールへの溶解度は、50重量部以上であることがより好ましく、100重量部以上であること更に好ましい。
上記エタノールへの溶解度は、25℃の環境下でエタノール100重量部に溶解させた際、析出物が生じるまでに要した樹脂の添加量を意味する。
上記範囲とすることで、バインダー樹脂が低温でも極めて優れた分解性を発現しつつ、更に、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果を向上させることができる。
上記S原子の重量濃度は、400ppm以上であることがより好ましく、15000ppm以下であることがより好ましい。
上記S原子の重量濃度は、(メタ)アクリル樹脂の重量に対するS原子の重量の割合を意味し、以下の式に基づいて算出することができる。
(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度=[連鎖移動剤に含まれるS原子の重量/(全モノマーの重量+重合開始剤の重量+連鎖移動剤の重量)]×100
なお、上記(メタ)アクリル樹脂組成物が複数の(メタ)アクリル樹脂を含有する場合、上記S原子の重量濃度は、各(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度及び各(メタ)アクリル樹脂の配合割合に基づいて算出することができる。
また、上記S原子の重量濃度は、ICP-AES(誘導結合プラズマ発光分光分析法)によっても求めることができる。
重合させる方法は特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、界面重合、溶液重合等が挙げられる。なかでも、溶液重合が好ましい。
上記連鎖移動剤としては、例えば、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール、3-メルカプト-1-プロパノール、3-メルカプト-2-ブタノール、8-メルカプト-1-オクタノール、メルカプトコハク酸、メルカプト酢酸等が挙げられる。
上記(3)を満たす本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物において、上記(メタ)アクリル樹脂は、低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)を含有する。
本明細書において、上記低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)は、重量平均分子量が0.5万以上10万以下である。
上記低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)を含有することで、無機微粒子に分散性を向上させることができる。
上記重量平均分子量は、0.6万以上であることがより好ましく、0.8万以上であることが更に好ましく、9万以下であることがより好ましく、3万以下であることが更に好ましい。
また、上記低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.3以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、8以下であることが好ましい。
上記範囲内とすることで、低重合度の成分が適度に含有されるため、無機微粒子分散スラリー組成物の粘度が好適な範囲となり、生産性を高めることができる。また、得られる無機微粒子分散シートのシート強度を適度なものとできる。更に、得られるセラミックグリーンシートの表面平滑性を充分に向上できる。
上記Mw/Mnは3以上であることがより好ましく、6以下であることがより好ましい。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算による平均分子量であり、カラムとして例えばカラムLF-804(昭和電工社製)を用いてGPC測定を行うことで得ることができる。
上記範囲とすることで、バインダー樹脂が低温でも極めて優れた分解性を発現しつつ、更に、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果を向上させることができる。
上記OH基の重量濃度は、1.4重量%以上であることが好ましく、3.3重量%以下であることが好ましく、3.2重量%以下であることがより好ましい。
上記OH基の重量濃度は、低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)全体の重量に対するOH基の重量の割合を意味し、以下の式に基づいて算出することができる。
低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)中に含まれるOH基の重量濃度=[(全モノマー中に含まれるOH基の重量+連鎖移動剤に含まれるOH基の重量)/(全モノマーの重量+重合開始剤の重量+連鎖移動剤の重量)]×100
上記セグメントを有することで、低温分解性により優れたものとできる。
上記炭素数3~4の直鎖状又は分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸イソブチルが好ましい。
上記炭素数1~2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが挙げられる。
上記炭素数5~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられる。なかでも、炭素数6~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルがより好ましい。
上記炭素数9以上の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n-ラウリル、(メタ)アクリル酸イソラウリル、(メタ)アクリル酸n-ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル等が挙げられる。
上記セグメントを有することにより、バインダー樹脂が低温でも極めて優れた分解性を発現しつつ、更に、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果を向上させることができる。
上記水素原子の少なくとも1つがOH基で置換された炭素数2~4の直鎖状又は分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルが好ましい。
上記水素原子の少なくとも1つがOH基で置換された炭素数5以上の直鎖状又は分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル等が挙げられる。
上記範囲とすることで、バインダー樹脂が低温でも極めて優れた分解性を発現しつつ、更に、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果を向上させることができる。
上記S原子の重量濃度は、1500ppm以上であることが好ましく、3000ppm以上であることがより好ましく、18000ppm以下であることが好ましく、10000ppm以下であることがより好ましい。
上記S原子の重量濃度は、(メタ)アクリル樹脂の重量に対するS原子の重量の割合を意味し、以下の式に基づいて算出することができる。
(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度=[連鎖移動剤に含まれるS原子の重量/(全モノマーの重量+重合開始剤の重量+連鎖移動剤の重量)]×100
なお、上記(メタ)アクリル樹脂組成物が複数の(メタ)アクリル樹脂を含有する場合、上記S原子の重量濃度は、各(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度及び各(メタ)アクリル樹脂の配合割合に基づいて算出することができる。
また、上記S原子の重量濃度は、ICP-AES(誘導結合プラズマ発光分光分析法)によっても求めることができる。
上記範囲とすることで、可塑剤の添加量を少なくすることができ、また、低温分解性を向上させることができる。
上記Tgは32℃以上であることが好ましく、42℃以上であることがより好ましく、45℃以上であることが更により好ましく、58℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましい。
なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量計(DSC)等を用いて測定することができる。
更に、上記低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)を含有することで、無機微粒子の分散性をより向上させることができる。
上記範囲とすることで、無機微粒子の分散性をより向上させることができる。
上記高分子量(メタ)アクリル樹脂100重量部に対する低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)の含有量は、0.3重量部以上であることがより好ましく、7.5重量部以下であることがより好ましい。
重合させる方法は特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、界面重合、溶液重合等が挙げられる。なかでも、溶液重合が好ましい。
本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物は、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤中に含まれるOH基の重量濃度は、9.0重量%以上28.0重量%以下である。
上記有機溶剤を含有することにより、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果を向上させることができる。
上記OH基の重量濃度は、11.0重量%以上であることが好ましく、13.0重量%以上であることがより好ましく、26.0重量%以下であることが好ましく、24重量%以下であることがより好ましく、22.5重量%以下であることが更に好ましい。
上記OH基の重量濃度は、有機溶剤全体の重量に対するOH基の重量の割合を意味し、以下の式に基づいて算出することができる。
有機溶剤中に含まれるOH基の重量濃度=(全有機溶剤中に含まれるOH基の重量/全有機溶剤の重量)×100
上記範囲とすることで、無機微粒子の分散性、凝集抑制効果をより向上させることができる。
上記比は、8.1以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましく、40以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましく、25以下であることが更により好ましく、20以下であることが特に好ましい。
上記OH基を有する有機溶剤としては、例えば、脂肪族アルコール、環状アルコール、脂環式アルコール等が挙げられる。
上記脂肪族アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、トリデカノール、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2-エチル-1-ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコール、テキサノール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
上記環状アルコールとしては、例えば、クレゾール、オイゲノール等が挙げられる。
上記脂環式アルコールとしては、例えば、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコール等が挙げられる。
なかでも、脂肪族アルコールが好ましく、エタノール、イソプロパノール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、テキサノールが好ましい。
また、上記OH基を有する有機溶剤は、炭素数が2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、12以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
上記他の有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、酢酸2-エチルヘキシル、酪酸2-エチルヘキシル等のエステル類等が挙げられる。
なかでも、トルエン、酢酸ブチル、メチルエチルケトンが好ましい。
本発明の無機微粒子分散スラリー組成物は、無機微粒子を含有する。
上記無機微粒子は特に限定されず、例えば、ガラス粉末、セラミック粉末、蛍光体微粒子、珪素酸化物等、金属微粒子等が挙げられる。
また、上記ガラス粉末として、SnO-B2O3-P2O5-Al2O3混合物、PbO-B2O3-SiO2混合物、BaO-ZnO-B2O3-SiO2混合物、ZnO-Bi2O3-B2O3-SiO2混合物、Bi2O3-B2O3-BaO-CuO混合物、Bi2O3-ZnO-B2O3-Al2O3-SrO混合物、ZnO-Bi2O3-B2O3混合物、Bi2O3-SiO2混合物、P2O5-Na2O-CaO-BaO-Al2O3-B2O3混合物、P2O5-SnO混合物、P2O5-SnO-B2O3混合物、P2O5-SnO-SiO2混合物、CuO-P2O5-RO混合物、SiO2-B2O3-ZnO-Na2O-Li2O-NaF-V2O5混合物、P2O5-ZnO-SnO-R2O-RO混合物、B2O3-SiO2-ZnO混合物、B2O3-SiO2-Al2O3-ZrO2混合物、SiO2-B2O3-ZnO-R2O-RO混合物、SiO2-B2O3-Al2O3-RO-R2O混合物、SrO-ZnO-P2O5混合物、SrO-ZnO-P2O5混合物、BaO-ZnO-B2O3-SiO2混合物等のガラス粉末も用いることができる。なお、Rは、Zn、Ba、Ca、Mg、Sr、Sn、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される元素である。
特に、PbO-B2O3-SiO2混合物のガラス粉末や、鉛を含有しないBaO-ZnO-B2O3-SiO2混合物又はZnO-Bi2O3-B2O3-SiO2混合物等の無鉛ガラス粉末が好ましい。
また、ITO、FTO、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化タングステン、ランタンストロンチウムマンガナイト、ランタンストロンチウムコバルトフェライト、イットリウム安定化ジルコニア、ガドリニウムドープセリア、酸化ニッケル、ランタンクロマイト等も使用することができる。
上記蛍光体微粒子は特に限定されず、例えば、蛍光体物質としては、ディスプレイ用の蛍光体物質として従来知られている青色蛍光体物質、赤色蛍光体物質、緑色蛍光体物質などが用いられる。青色蛍光体物質としては、例えば、MgAl10O17:Eu、Y2SiO5:Ce系、CaWO4:Pb系、BaMgAl14O23:Eu系、BaMgAl16O27:Eu系、BaMg2Al14O23:Eu系、BaMg2Al14O27:Eu系、ZnS:(Ag,Cd)系のものが用いられる。赤色蛍光体物質としては、例えば、Y2O3:Eu系、Y2SiO5:Eu系、Y3Al5O12:Eu系、Zn3(PO4)2:Mn系、YBO3:Eu系、(Y,Gd)BO3:Eu系、GdBO3:Eu系、ScBO3:Eu系、LuBO3:Eu系のものが用いられる。緑色蛍光体物質としては、例えば、Zn2SiO4:Mn系、BaAl12O19:Mn系、SrAl13O19:Mn系、CaAl12O19:Mn系、YBO3:Tb系、BaMgAl14O23:Mn系、LuBO3:Tb系、GdBO3:Tb系、ScBO3:Tb系、Sr6Si3O3Cl4:Eu系のものが用いられる。その他、ZnO:Zn系、ZnS:(Cu,Al)系、ZnS:Ag系、Y2O2S:Eu系、ZnS:Zn系、(Y,Cd)BO3:Eu系、BaMgAl12O23:Eu系のものも用いることができる。
また、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等との吸着特性が良好で酸化されやすい銅や鉄等の金属も好適に用いることができる。これらの金属粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記金属微粒子は、金属錯体のほか、種々のカーボンブラック、カーボンナノチューブ等を使用してもよい。
本発明の無機微粒子分散スラリー組成物は、更に、可塑剤を含有する。
上記可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジ(ブトキシエチル)、アジピン酸ジブトキシエトキシエチル、トリエチレングリコールジブチル、トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)、トリエチレングリコールジヘキサノエート、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸ジエチル、アセチルクエン酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、トリアセチン、アセチルオキシマロン酸ジエチル、エトキシマロン酸ジエチル等が挙げられる。
これらの可塑剤を用いることで、通常の可塑剤を使用する場合と比較して可塑剤添加量を低減することが可能となる(バインダーに対して30重量%程度添加されるところ、25重量%以下、更に20重量%以下に低減可能)。
なかでも、構造中にベンゼン環等の芳香環を含まない非芳香族の可塑剤を使用することが好ましく、アジピン酸、トリエチレングリコール、クエン酸又はコハク酸に由来する成分を含有することがより好ましい。なお、芳香環を有する可塑剤は、燃焼して煤になりやすいため好ましくない。
上記可塑剤は、炭素数が2以上のアルキル基を含有することで、可塑剤への水分の吸収を抑制して、得られる無機微粒子分散シートにボイドやふくれ等の不具合を発生することを防止することができる。特に、可塑剤のアルキル基は分子末端に位置していることが好ましい。
また、上記可塑剤は、エチル基等の炭素数が2の官能基、ブチル基等の炭素数が4の官能基、ブトキシエチル基等の官能基を有することが好ましい。上記官能基は末端分子鎖に存在することが好ましい。
末端分子鎖にエチル基等の炭素数が2の官能基を持つ可塑剤はメタクリル酸エチルに由来するセグメントとの相性がよく、末端分子にブチル基等の炭素数が4の官能基を持つ可塑剤はメタクリル酸ブチルに由来するセグメントとの相性が良い。炭素数が2又は4の官能基を持つ可塑剤は本発明にかかる高分子量(メタ)アクリル樹脂との相性が良く、樹脂の脆性を好ましく改善することができる。更には、ブトキシエチル基はメタクリル酸エチルに由来するセグメント及びメタクリル酸ブチルに由来するセグメントの両方の組成と相性がよく好ましく用いることができる。
炭素:酸素比を上記範囲とすることで、可塑剤の燃焼性を向上させて、残留炭素の発生を防止することができる。また、(メタ)アクリル樹脂との相溶性を向上させて、少量の可塑剤でも可塑化効果を発揮させることができる。
また、プロピレングリコール骨格やトリメチレングリコール骨格の高沸点有機溶剤も、炭素数が4以上のアルキル基を含有し、炭素:酸素比が5:1~3:1であれば好ましく用いることができる。
上記範囲とすることで、低温で焼成しても脱脂可能であり、また、無機微粒子の分散性及び凝集抑制効果に優れる無機微粒子分散スラリー組成物とすることができる。
上記(メタ)アクリル樹脂組成物の含有量は、より好ましい下限が1重量%、より好ましい上限が7重量%である。
上記界面活性剤は特に限定されず、例えば、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤としては特に限定されないが、HLB値が10以上20以下のノニオン系界面活性剤であることが好ましい。ここで、HLB値とは、界面活性剤の親水性、親油性を表す指標として用いられるものであって、計算方法がいくつか提案されており、例えば、エステル系の界面活性剤について、鹸化価をS、界面活性剤を構成する脂肪酸の酸価をAとし、HLB値を20(1-S/A)等の定義がある。具体的には、脂肪鎖にアルキレンエーテルを付加させたポリエチレンオキサイドを有するノニオン系界面活性剤が好適であり、具体的には例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等が好適に用いられる。なお、上記ノニオン系界面活性剤は、熱分解性がよいが、大量に添加すると無機微粒子分散スラリー組成物の熱分解性が低下することがあるため、含有量の好ましい上限は5重量%である。
上記粘度を0.1Pa・s以上とすることで、ダイコート印刷法等により塗工した後、得られる無機微粒子分散シートが所定の形状を維持することが可能となる。また、上記粘度を100Pa・s以下とすることで、ダイの塗出痕が消えない等の不具合を防止して、印刷性に優れるものとできる。
本発明の無機微粒子分散成形物の形状は特に限定されないが、例えば、シート等の形状とすることができる。
なお、無機微粒子分散成形物を製造する場合、重合液をそのまま無機微粒子分散スラリー組成物として、高分子量(メタ)アクリル樹脂を乾燥させずに、無機微粒子分散成形物に加工することが好ましい。
高分子量(メタ)アクリル樹脂を乾燥させると、再度溶液化した際にパーティクルと呼ばれる未乾燥粒子が発生し、このようなパーティクルは、カートリッジフィルター等を用いた濾過でも除去することが難しく、無機微粒子分散成形物の強度に悪影響を及ぼすためである。
上記支持フィルムの厚みは、例えば、20~100μmが好ましい。
また、支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましく、これにより、転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
また、本発明の無機微粒子分散スラリー組成物、無機微粒子分散成形物を、誘電体グリーンシート、電極ペーストに用いることで積層セラミクスコンデンサを製造することができる。また、本発明の無機微粒子分散スラリー組成物、無機微粒子分散成形物を使用することで磁性材料を製造することができる。
上記導電粉末の材質は、導電性を有する材質であれば特に限定されず、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、銅、モリブデン、錫及びこれらの合金等が挙げられる。これらの導電粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコを用意し、2Lセパラブルフラスコに、表1に示す配合となるようにモノマー合計100重量部を投入した。更に、有機溶剤として酢酸ブチル50重量部とを混合し、モノマー混合液を得た。
なお、モノマーとしては、以下のものを用いた。
MMA:メチルメタクリレート
EMA:エチルメタクリレート
nBMA:n-ブチルメタクリレート
iBMA:イソブチルメタクリレート
2EHMA:2-エチルヘキシルメタクリレート
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
HPMA:2-ヒドロキシプロピルメタクリレート
HBMA:2-ヒドロキシブチルメタクリレート
重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。その後130℃のオーブンで得られた樹脂溶液を乾燥させ有機溶剤を取り除いた。これにより、高分子量(メタ)アクリル樹脂を得た。
なお、重合開始剤及び連鎖移動剤としては、以下のものを用いた。
<重合開始剤>
t-ブチルパーオキシピバレート
<連鎖移動剤>
CT-1:3-メルカプト-1,2-プロパンジオール
CT-2:3-メルカプト-1-プロパノール
CT-3:3-メルカプト-2-ブタノール
CT-4:8-メルカプト-1-オクタノール
CT-5:メルカプトコハク酸
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコを用意した。2Lセパラブルフラスコに、表2に示す配合となるようにモノマー合計100重量部投入した。更に、有機溶剤として酢酸ブチル50重量部とを混合し、モノマー混合液を得た。
なお、モノマーとしては、製造例1~28で挙げたものと同様のものを用いた。
重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。その後130℃のオーブンで得られた樹脂溶液を乾燥させ有機溶剤を取り除いた。これにより、低分子量(メタ)アクリル樹脂を得た。
なお、重合開始剤及び連鎖移動剤としては、製造例1~28で挙げたものと同様のものを用いた。
(1)樹脂組成物の作製
表4に示す通りの配合となるように有機溶剤を混合して混合溶剤を得た。表3に示す配合となるように(メタ)アクリル樹脂、混合溶剤を混合して(メタ)アクリル樹脂組成物を得た。
なお、有機溶剤としては、以下のものを用いた。
トルエン
酢酸エチル
メチルエチルケトン
エタノール
イソプロパノール
2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(BEPG)
ネオペンチルグリコール(NPG)
テキサノール
得られた(メタ)アクリル樹脂組成物に表3の配合となるようにセラミック粉末、可塑剤を添加して、高速撹拌機で混錬して、無機微粒子分散スラリー組成物を作製した。
なお、セラミック粉末としては、銅粉末(藤野金属社製、平均粒子径0.1μm)、ガラスフリット(AGC社製、平均粒子径0.8μm)、可塑剤としては、アジピン酸ジ(ブトキシエチル)を用いた。
実施例及び比較例で得られた高分子量(メタ)アクリル樹脂、低分子量(メタ)アクリル樹脂、無機微粒子分散スラリー組成物について以下の評価を行った。結果を表1~3に示した。
得られた高分子量(メタ)アクリル樹脂及び低分子量(メタ)アクリル樹脂について、カラムとしてLF-804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)を測定した。
以下の方法により、高分子量(メタ)アクリル樹脂中に含まれるOH基の重量濃度、低分子量(メタ)アクリル樹脂中に含まれるOH基の重量濃度、有機溶剤中に含まれるOH基の重量濃度を算出した。
高分子量(メタ)アクリル樹脂中に含まれるOH基の重量濃度:[全モノマー中に含まれるOH基の重量/(全モノマーの重量+重合開始剤の重量)]×100
低分子量(メタ)アクリル樹脂中に含まれるOH基の重量濃度:[(全モノマー中に含まれるOH基の重量+連鎖移動剤に含まれるOH基の重量)/(全モノマーの重量+連鎖移動剤の重量+重合開始剤の重量)]×100
有機溶剤中に含まれるOH基の重量濃度:(全有機溶剤中に含まれるOH基の重量/全有機溶剤の重量)×100
以下の方法により、(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度を算出した。
(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度=[連鎖移動剤に含まれるS原子の重量/(全モノマーの重量+重合開始剤の重量+連鎖移動剤の重量)]×100
なお、上記(メタ)アクリル樹脂組成物が複数の(メタ)アクリル樹脂を含有する場合、上記S原子の重量濃度は、各(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度及び各(メタ)アクリル樹脂の配合割合に基づいて算出した。
25℃の環境下でエタノール100重量部に対して、得られた高分子量(メタ)アクリル樹脂を少しずつ溶解させ、析出物が生じるまでに要した高分子量(メタ)アクリル樹脂の添加量をエタノールへの溶解度とした。
得られた無機微粒子分散スラリー組成物をTG-DTAのプラチナパンに詰め、30℃から5℃/minにて昇温し、溶媒を蒸発、樹脂、可塑剤を熱分解させた。その後、重量が52.1重量%を示した(90重量%脱脂が終了した)時間を測定した。
得られた無機微粒子分散スラリー組成物を2.5mlのシリンジに2ml取り、シリンジの先端に外径0.81mm内径0.51mm長さ38mmの注射針を付け、5kgfの力をかけたときに、スラリー組成物が注射針の先からすべて出るまでの時間を測定した。
スラリー組成物が注射針の先からすべて出るまでの時間が短いと濾過性に優れているといえ、濾過性に優れる場合、無機微粒子の凝集抑制効果が高いといえる。
スクリーン印刷機とスクリーン版、印刷ガラス基板を用いて、温度23℃、湿度50%の環境下にて無機微粒子分散スラリー組成物の印刷を行い、100℃30分の条件下で送風オーブンにて溶剤乾燥を行った。得られた印刷パターンを用いて、表面粗さ計(サーフコム、東京精密社製)にて10か所測定した。
なお、スクリーン印刷機、スクリーン版、印刷ガラス基板として以下のものを用いた。
スクリーン印刷機(MT-320TV、マイクロテック社製)
スクリーン版(東京プロセスサービス社製、ST500、乳剤2μm、2012パターン、スクリーン枠320mm×320mm)
印刷ガラス基板(ソーダーガラス、150mm×150mm、厚み1.5mm)
表面粗さが小さいと、無機微粒子の分散性に優れているといえる。
無機微粒子分散スラリー組成物10重量部に対してエタノール100重量部を添加し、超音波を照射した。樹脂がエタノールに完全に溶解するまでの時間を測定した。
Claims (9)
- (メタ)アクリル樹脂、及び、有機溶剤を含有する(メタ)アクリル樹脂組成物であって、
下記(1)~(3)のいずれか1つを満たし、
前記有機溶剤中に含まれるOH基の重量濃度が9.0重量%以上28.0重量%以下である、(メタ)アクリル樹脂組成物。
(1)前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が12万以上30万以下の高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)を含有し、
前記高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)は、全構成単位に対して、下記式(a)で表される構成単位を79重量%以上、下記式(b)で表される構成単位を3.1重量%以上含有し、
前記高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)中に含まれるOH基の重量濃度が0.4重量%以上2.0重量%以下である。
(2)前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が30万を超え50万以下である高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)を含有し、
前記高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)は、全構成単位に対して、下記式(a)で表される構成単位を79重量%以上、下記式(b)で表される構成単位を3.1重量%以上含有し、
前記高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)中に含まれるOH基の重量濃度が1.3重量%以上3.5重量%以下である。
(3)前記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量が0.5万以上10万以下である低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)を含有し、
前記低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)は、炭素数3~4の直鎖状又は分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来するセグメントを38重量%以上、水素原子の少なくとも1つがOH基で置換された炭素数2~4の直鎖状又は分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来するセグメントを7重量%以上含有し、
前記低分子量(メタ)アクリル樹脂(C)中に含まれるOH基の重量濃度が1.3重量%以上3.5重量%以下であり、
前記(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度が250ppm以上20000ppm以下である。
式(a)中、R 1 は炭素数1~8の直鎖状又は分岐状アルキル基を表し、式(b)中、R 2 は、水素原子の少なくとも1つがOH基で置換された炭素数2~4の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。 - (1)を満たし、かつ、重量平均分子量が0.5万以上10万以下である低分子量(メタ)アクリル樹脂を含有し、前記低分子量(メタ)アクリル樹脂中に含まれるOH基の重量濃度が1.3重量%以上3.5重量%以下であり、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)100重量部に対する前記低分子量(メタ)アクリル樹脂の含有量が0.1重量部以上10重量部以下である、請求項1に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
- (1)又は(2)を満たし、かつ、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)又は(B)のエタノールへの溶解度が10重量部/エタノール100重量部以上である、請求項1に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
- (1)又は(2)を満たし、かつ、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)又は(B)は、全構成単位に対して、式(a)で表される構成単位を79重量%以上96重量%以下、式(b)で表される構成単位を3.1重量%以上17重量%以下含有する、請求項1又は3に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
- (1)又は(2)を満たし、かつ、高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)又は(B)中に含まれるOH基の重量濃度に対する有機溶剤中に含まれるOH基の重量濃度の比(有機溶剤中に含まれるOH基の重量濃度/高分子量(メタ)アクリル樹脂(A)又は(B)中に含まれるOH基の重量濃度)が4.5以上46.2以下である、請求項1又は3に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
- (2)を満たし、かつ、(メタ)アクリル樹脂は、高分子量(メタ)アクリル樹脂(B)のみからなるものであり、
前記(メタ)アクリル樹脂中に含まれるS原子の重量濃度が250ppm以上20000ppm以下である、請求項1又は3に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。 - 請求項1~3の何れかに記載の(メタ)アクリル樹脂組成物、無機微粒子、及び、可塑剤を含有する、無機微粒子分散スラリー組成物。
- 請求項7に記載の無機微粒子分散スラリー組成物を用いてなる、無機微粒子分散成形物。
- (3)を満たし、かつ、(メタ)アクリル樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.3以上8以下である、請求項1に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
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