JP7846834B2 - 中子用樹脂組成物及び中子 - Google Patents

中子用樹脂組成物及び中子

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Description

本発明は、中子用樹脂組成物及び中子に関する。
従来、射出成型により内面の複雑な成形体を得るために、水溶性を有する樹脂組成物からなる中子を使用することが検討されている。例えば、複雑な内部構造に対応する形状の中子を金型の内部に配置し、射出成型する。その後、得られた成形体から中子を除去することで複雑な内部構造を有する成形体を得ることができる。中子に用いられる樹脂には、環境影響負荷低減の観点から、水溶性樹脂を使用することが検討されている。
例えば、特許文献1には、ポリビニルアルコール系樹脂及び易剥離剤を含有する中子用樹脂が開示されている。
国際公開第2021/157375号
また近年、軽量化の観点から、自動車等の部品の材料を耐熱性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)に置き換える検討がなされている。本発明者らは、鋭意検討の結果、スーパーエンプラの成形温度は汎用の熱可塑性樹脂よりも高いため、特許文献1のような中子用樹脂を用いた場合、成形時に中子用樹脂が変形してしまうという課題を見出した。成型時に中子用樹脂が変形した場合、所望の形状を有する成形体が得られないということが問題となる。
本発明は、高い耐熱性を発揮し、スーパーエンジニアリングプラスチックの成形条件においても変形しない中子を製造することが可能な中子用樹脂組成物を提供することを目的とする。また、該中子用樹脂組成物を用いてなる中子を提供することを目的とする。
本開示(1)は、ポリビニルアルコール樹脂を含み、230℃、10kg荷重条件下におけるメルトフローレート(MFR)が35g/10min以下である、中子用樹脂組成物である。
本開示(2)は、前記ポリビニルアルコール樹脂は、重量平均分子量(Mw)が200000以下、ケン化度が72%以上99.8%以下である、本開示(1)の中子用樹脂組成物である。
本開示(3)は、前記ポリビニルアルコール樹脂は、4質量%水溶液粘度が30mPa・s以下である、本開示(1)又は(2)の中子用樹脂組成物である。
本開示(4)は、更に粒子フィラーを含有し、下記式(1)で算出される中子用樹脂組成物単位質量当たりの前記粒子フィラーの総表面積が10m/g以上である、本開示(1)、(2)又は(3)の中子用樹脂組成物である。
A:中子用樹脂組成物単位質量当たりの粒子フィラーの総表面積(m/g)
B:粒子フィラーの平均粒子径(m)
D:中子用樹脂組成物中の粒子フィラーの含有量(質量%)
E:粒子フィラーの密度(g/m
本開示(5)は、前記粒子フィラーの平均粒子径が1nm以上100nm以下である、本開示(4)の中子用樹脂組成物である。
本開示(6)は、前記粒子フィラーの含有量が5質量%以上70質量%以下である、本開示(4)又は(5)の中子用樹脂組成物である。
本開示(7)は、易剥離剤を0.1質量%以上2質量%以下含有する、本開示(1)、(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)の中子用樹脂組成物である。
本開示(8)は、前記易剥離剤がグリセリン脂肪酸エステル系化合物である、本開示(7)の中子用樹脂組成物である。
本開示(9)は、前記グリセリン脂肪酸エステル系化合物が、モノグリセリドステアリン酸エステル、モノグリセリドオレイン酸エステル及びジグリセリドラウリン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、本開示(8)の中子用樹脂組成物である。
本開示(10)は、ペレット状である、本開示(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)又は(9)の中子用樹脂組成物である。
本開示(11)は、本開示(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)又は(10)の中子用樹脂組成物を用いてなる中子である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリビニルアルコール樹脂を含む中子用樹脂組成物について、230℃、10kg荷重条件下におけるメルトフローレート(MFR)を調整することで、高い耐熱性を発揮し得ることを見出した。また、このような中子用樹脂組成物を用いることで、スーパーエンジニアリングプラスチックの成形条件のような高温条件下であっても変形しない中子を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、MFRの測定については上記の条件以外はASTM D 1238に準拠して測定することができる。
上記中子用樹脂組成物は、230℃、10kg荷重条件下におけるメルトフローレート(MFR)が35g/10min以下である。上記のような構成とすることで、高い耐熱性を発揮し、スーパーエンジニアリングプラスチックの成形条件のような高温条件下であっても変形しない中子を製造することができる。
上記MFRは、25g/10min以下が好ましく、20g/10min以下がより好ましく、10g/10min以下が更に好ましく、5g/10min以下が特に好ましい。MFRの下限については、特に限定されるものではないが、中子を成型するための成型機で成型できれば良く成型機の能力に依存する。
上記MFRは、例えば、初期重量7.5g、測定の時間間隔0.25分の条件等として、ASTM D 1238に準拠した方法により測定することができる。
上記230℃、10kg荷重条件下におけるメルトフローレート(MFR)は、ポリビニルアルコール樹脂の重量平均分子量やケン化度等の組成、配合量、後述する粒子フィラーの種類、配合量、平均粒子径、総表面積、その他各種形状の粒子フィラー、架橋剤、可塑剤、易離型剤等により調整することができる。特に粒子フィラーの総表面積の寄与が大きく、総表面積を調整することでポリビニルアルコール樹脂と粒子フィラーとの相互作用によりMFRを低減することができる。また次点では、フィラーの種類、ポリビニルアルコール樹脂の分子量、ポリビニルアルコール樹脂のケン化度によっても調整することができる。その他の各種形状の粒子フィラーとは、板状、針状、ラグビー型、繊維状、または1次粒子が連結した高次構造(例えばチェーン状、アギュロラメート状、層状)等があげられる。
<ポリビニルアルコール樹脂>
上記中子用樹脂組成物は、ポリビニルアルコール樹脂を含有する。
ポリビニルアルコール樹脂を用いることで、水に浸漬することなどにより成形体から容易に除去することができる。
上記ポリビニルアルコール樹脂の重合度は、4000以下が好ましい。重合度が4000以下であると、水に対する易溶解性を充分に発揮することができる。
上記重合度は、180以上がより好ましく、200以上が更に好ましく、220以上が更によりに好ましく、3400以下が好ましく、2300以下がより好ましく、1200以下が更に好ましく、900以下が更により好ましい。
上記重合度は、例えば、ケン化前のポリ酢酸ビニルをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することやJIS K6726に準拠して水溶液の粘度を測定することで求めることができる。
上記ポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、72モル%以上が好ましく、99.8モル%以下が好ましい。
上記範囲とすることで、水に対する溶解性を充分に発揮することができる。
上記ケン化度は、80モル%以上がより好ましく、87モル%以上が更に好ましく、92モル%以上が更により好ましく、95モル%以上が特に好ましく、99.5モル%以下がより好ましく、99モル%以下が更に好ましい。
上記ケン化度は、例えば、JIS K6726に準拠した方法により測定することができる。ケン化度は、ケン化によりビニルアルコール単位に変換され得るビニルエステル単位のうち、実際にビニルアルコール単位に変換されている単位の割合を示す。
上記ケン化度は、例えば、ケン化条件、すなわち加水分解条件を調整することで制御できる。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、未変性ポリビニルアルコール樹脂であってもよいし、変性ポリビニルアルコール樹脂であってもよい。ここで、未変性ポリビニルアルコール樹脂とは、ビニルエステル単位およびビニルアルコール単位のみを含むポリビニルアルコール樹脂を意味し、変性ポリビニルアルコール樹脂とは、ビニルエステル単位、ビニルアルコール単位以外の他の構成単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を意味する。
上記変性ポリビニルアルコール樹脂としては、例えば、スルホン酸基、ピロリドン環基、アミノ基、カルボキシル基等の親水性基等の変性基によって変性されたものが挙げられる。なお、これらの親水性基は、上記官能基に加えて、これらのナトリウム塩、カリウム塩等の塩も含む。
上記ポリビニルアルコール樹脂における変性基を有する構成単位の含有量は、1モル%以上であることが好ましく、3モル%以上であることがより好ましく、5モル%以上であることが更に好ましく、20モル%以下であることが好ましく、15モル%以下であることがより好ましく、12モル%以下であることが更に好ましい。
上記ポリビニルアルコール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、8000以上が好ましく、9000以上がより好ましく、10000以上が更に好ましく、11000以上が更により好ましく、15500以上が特に好ましく、17000以上が特により好ましく、200000以下が好ましく、150000以下がより好ましく、100000以下が更に好ましく、50000以下が更により好ましく、40000以下が特に好ましい。
なお、2種以上のポリビニルアルコール樹脂を含む場合、ポリビニルアルコール樹脂全体の重量平均分子量(Mw)は、各樹脂の重量平均分子量とその重量分率に基づいて算出され、各ポリビニルアルコール樹脂の重量平均分子量にその重量分率を乗じた値を合計することで求められる。2種以上のポリビニルアルコール樹脂を含む場合の重量平均分子量(Mw)は、8000以上が好ましく、9000以上がより好ましく、10000以上が更に好ましく、11000以上が更により好ましく、15500以上が特に好ましく、17000以上が特により好ましく、200000以下が好ましく、150000以下がより好ましく、100000以下が更に好ましく、50000以下が更により好ましく、40000以下が特に好ましい。
更に可塑剤を含有する場合はマトリックス全体の平均分子量として可塑剤及びPVA全体を重量平均分子量の計算に含めるべきであり、その重量平均分子量(Mw)は上記と同じく各樹脂の重量平均分子量とその重量分率に基づいて算出され、各可塑剤及びポリビニルアルコール樹脂の重量平均分子量にその重量分率を乗じた値を合計することで求められる。可塑剤及び1種以上のポリビニルアルコール樹脂を含む場合の重量平均分子量(Mw)は、8000以上が好ましく、9000以上がより好ましく、10000以上が更に好ましく、14000以上が更により好ましく、15500以上が特に好ましく、20000以上が更に特に好ましく、22000以上が特により好ましく、150000以下が好ましく、100000以下がより好ましく、50000以下が更に好ましく、40000以下が更により好ましい。
上記ポリビニルアルコール樹脂の数平均分子量(Mn)は、4000以上が好ましく、4500以上がより好ましく、5000以上が更に好ましく、90000以下が好ましく、60000以下がより好ましく、30000以下が更に好ましい。
上記ポリビニルアルコール樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.4以上が更に好ましく、1.6以上が更により好ましく、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.5以下が更に好ましく、2.0以下が更により好ましい。
上記重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定すること、ケン化前のポリビニルエステルをGPC法により測定すること、ポリビニルアルコール樹脂を再エステル化して得られたポリビニルエステルをGPC法により測定すること、JIS K6726に準拠して水溶液の粘度を測定すること等により求めることができる。例えば、ポリスチレンを標準とし、TSKgel(東ソー社)、PLgel(AMR社)、KF-806、KF-807(Shodex社)等のカラムを使用することができる。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、4質量%水溶液粘度が30mPa・s以下であることが好ましい。4質量%水溶液粘度が30mPa・s以下であると射出成形に適した流動性と中子として使用した際に適切な水溶性とを付与することができる。
上記4質量%水溶液粘度は3mPa・s以上が好ましく、5mPa・s以上がより好ましく、20mPa・s以下が好ましく、10mPa・s以下がより好ましい。
上記4質量%水溶液粘度は、例えば、JIS K6276 3.11.1 回転粘度計法に準拠した方法により測定することができる。
上記中子用樹脂組成物における上記ポリビニルアルコール樹脂の含有量は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、65質量%以上が更に好ましく、85質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、重合度、ケン化度等が異なる複数種のポリビニルアルコール樹脂を含んでいてもよい。上記ポリビニルアルコール樹脂が複数種のポリビニルアルコール樹脂を含む場合、上記ポリビニルアルコール樹脂の含有量は、複数種のポリビニルアルコール樹脂の合計含有量を表す。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、従来公知の方法に従って、ビニルエステルを重合してポリマーを得た後、ポリマーをケン化、すなわち加水分解することにより得られる。ケン化触媒としては、一般にアルカリ又は酸が用いられる。
上記ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル及び安息香酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエステルの重合方法は特に限定されないが、例えば、溶液重合法、塊状重合法及び懸濁重合法等が挙げられる。
上記ビニルエステルを重合する際に用いる重合触媒としては、例えば、2-エチルヘキシルペルオキシジカーボネート(Tianjin McEIT社製「TrigonoxEHP」)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルペルオキシジカーボネート、ジ-n-ブチルペルオキシジカーボネート、ジ-セチルペルオキシジカーボネート及びジ-s-ブチルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。上記重合触媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、ビニルエステルと他の不飽和モノマーとの重合体をケン化したものであってもよい。
他の不飽和モノマーとしては、上記ビニルエステル以外のモノマーであって、ビニル基等の不飽和二重結合を有するモノマーが挙げられる。具体的には、例えば、オレフィン類、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸以外の不飽和酸類、その塩及びエステル、(メタ)アクリルアミド類、N-ビニルアミド類、ビニルエーテル類、ニトリル類、ハロゲン化ビニル類、アリル化合物、ビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル、スルホン酸基含有化合物、アミノ基含有化合物等が挙げられる。
オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン及びイソブテン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸i-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸以外の不飽和酸類、その塩及びエステルとしては、マレイン酸及びその塩、マレイン酸エステル、イタコン酸及びその塩、イタコン酸エステル、メチレンマロン酸及びその塩、メチレンマロン酸エステルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、アクリルアミド、n-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。
N-ビニルアミド類としては、N-ビニルピロリドン等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエーテル及びn-ブチルビニルエーテル等が挙げられる。
ニトリル類としては、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニル及び塩化ビニリデン等が挙げられる。
アリル化合物としては、酢酸アリル及び塩化アリル等が挙げられる。
ビニルシリル化合物としては、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
スルホン酸基含有化合物としては、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸などの(メタ)アクリルアミドアルカンスルホン酸及びその塩、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩などが挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、アリルアミン、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
<粒子フィラー>
上記中子用樹脂組成物は、更に、粒子フィラーを含有することが好ましい。
粒子フィラーを含有することにより、耐熱性をより高めることができる。
上記中子用樹脂組成物において、下記式(1)で算出される中子用樹脂組成物単位質量当たりの上記粒子フィラーの総表面積は10m/g以上であることが好ましい。
A:中子用樹脂組成物単位質量当たりの粒子フィラーの総表面積(m/g)
B:粒子フィラーの平均粒子径(m)
C:中子用樹脂組成物の量(g)
D:中子用樹脂組成物中の粒子フィラーの含有量(質量%)
E:粒子フィラーの密度(g/m
上記式(1)は下記式(2)により説明される。
すなわち、上記総表面積は粒子フィラー1つ当たりの表面積(m)(4π×(B/2))と上記中子用樹脂組成物1g当たりの粒子フィラーの個数を乗じることで算出される。また、上記中子用樹脂組成物1g当たりの粒子フィラーの個数は、中子用樹脂組成物1g当たりの粒子フィラーの含有量(g)(C(g)×D(質量%)/100÷C(g))を粒子フィラー1つ当たりの質量(g)(密度×粒子フィラー1つ当たりの平均体積=E×4/3×π(B/2))で除することで算出される。上記粒子フィラーの密度について、粒子フィラーが中空粒子や多孔質粒子である場合でも粒子内部の空洞や細孔を含めた体積を考慮した粒子密度を採用する。
上記粒子フィラーの総表面積はくぼみや細孔部の面積を考慮しないことが重要であるため、上記式(2)においては粒子フィラーを球体近似して中子用樹脂組成物単位質量当たりの粒子フィラーの総表面積を算出している。
上記単位質量当たりの総表面積を10m以上とすることで、耐熱性をより高めて、スーパーエンジニアリングプラスチックの成形条件においても変形しない中子用樹脂組成物とすることができる。
上記単位質量当たりの総表面積は、15m/g以上がより好ましく、20m/g以上が更に好ましく、23m/g以上が更により好ましく、28m/g以上が特に好ましく、35m/g以上が特により好ましい。また、上記単位質量当たりの総表面積の上限は特に制限されるものではないが、上記粒子フィラーの平均粒子径と添加量によりおのずと規定される。総表面積については特に上限はないが、表面積を大きくするためには粒子径を小さくする必要があり、粒子径が小さくなりすぎると粒子フィラーとしての効果が小さくなる。
なお、上記粒子フィラーは1種を用いてもよく、平均粒子径や材料が異なる2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、上記単位質量当たりの総表面積は粒子フィラー毎に上記式(1)により各粒子フィラーの総表面積を算出し、これを合計することで求めることができる。
また、上記単位質量当たりの粒子フィラーの総表面積は、粒子フィラーの平均粒子径、粒子フィラーの密度、粒子フィラーの配合量により調整することができる。
また、上記粒子フィラーの表面積は一次粒子の平均粒子径、密度及び配合量から算出するが、必ずしも粒子形状は球形に限らない。球形以外には、例えば、板状、針状、ラグビー状、中空、多孔質などが考えられ、又それらが複数連なったもしくは重なった高次構造を有していても良い。
上記粒子フィラーの平均粒子径は、1nm以上が好ましく、100nm以下が好ましい。上記範囲とすることで中子用樹脂組成物中の粒子フィラーの表面積を一定の範囲内にすることができ、樹脂組成物に必要な耐熱性を付与することができる。
上記平均粒子径は、2nm以上がより好ましく、3nm以上が更に好ましく、4nm以上が更により好ましく、70nm以下がより好ましく、50nm以下が更に好ましく、30nm以下が更により好ましい。また、上記平均粒子径は、5nm以上が特に好ましく、29nm以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、粒子フィラーとポリビニルアルコール樹脂を容易に混錬、混合することができる。
上記粒子フィラーの平均粒子径は、例えば、粒度分布測定装置等により測定することができる。
上記粒子フィラーの密度は、0.5g/cm以上が好ましく、0.7g/cm以上がより好ましく、0.9g/cm以上が更に好ましく、1.1g/cm以上が特に好ましく、22g/cm以下が好ましく、13g/cm以下がより好ましく、6g/cm以下が更に好ましく、4.5g/cm以下が特に好ましい。
上記密度は、例えば、電子比重計等により測定することができる。上記粒子フィラーの密度について、粒子フィラーが中空粒子や多孔質粒子である場合でも粒子内部の空洞や細孔を含めた体積を考慮した粒子密度を採用する。
上記粒子フィラーの材料としては、例えば、金属、金属酸化物、セラミック、炭素材料、ガラス等が挙げられる。また、上記粒子フィラーとしては、融点が200℃以上の樹脂粒子を用いることもできる。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化リチウム、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化セシウム、酸化鉄、等が挙げられる。その他、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、金、銀、銅、白金、パラジウム、炭化ケイ素等が挙げられる。
上記炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、ダイヤモンド等が挙げられる。
なかでも、コストパフォーマンス、入手性等の観点から、酸化チタン、カーボンブラックが好ましい。
上記融点が200℃以上の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。
上記中子用樹脂組成物における上記粒子フィラーの含有量は、5質量%以上が好ましく、70質量%以下が好ましい。上記範囲とすることで耐熱性を向上することができる。
上記粒子フィラーの含有量は、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、19質量%以上が更により好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、35質量%以下が更により好ましい。
<架橋剤>
上記中子用樹脂組成物は、架橋剤を含んでいてもよい。
上記架橋剤としては、オキソ酸、ホウ素化合物、2価以上の金属水酸化物、ジアミン類、ポリアミン類等が挙げられる。また、上記酸の金属塩でもよい。
上記オキソ酸としては、例えば、ホウ酸、ケイ酸、亜リン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。上記ポリカルボン酸は2つ以上のカルボキシル基を有する酸であり、また、上記ヒドロキシカルボン酸としては、2つ以上のカルボキシル基を有する酸であることが好ましい。また、上記酸の金属塩でもよい。上記オキソ酸のなかでも特にホウ酸が好ましい。ホウ酸を用いることで、加工時には充分な耐水性を有しつつ、除去が必要となった際には温水により容易に除去できる仮保護材とすることができる。
ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、テトラホウ酸等が挙げられる。
また、上記ホウ素化合物としては、上記オキソ酸として挙げられたホウ酸以外に例えば、ホウ酸の塩等が挙げられる。また、上記ホウ素化合物は、水和物であってもよい。上記ホウ酸の塩としては、硼砂、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン等の有機アミン塩等が挙げられる。
なかでも、ホウ酸、硼砂が好ましい。
上記ポリカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、ポリ(メタ)アクリル酸等が挙げられる。なかでも、コハク酸が好ましい。
上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸、シリング酸、ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、没食子酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸、ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。なかでも、リンゴ酸、クエン酸が好ましい。
上記2価以上の金属水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化亜鉛、水酸化マンガン、水酸化銅等が挙げられる。
上記架橋剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、上記架橋剤は、耐熱性付与と水溶性保持の両方の観点から、ホウ素化合物が好ましく、ホウ酸がより好ましい。
上記中子用樹脂組成物における上記架橋剤の含有量は、0.01質量%以上が好ましく、2質量%以下が好ましい。上記範囲とすることで、適度な架橋構造を付与でき、耐熱性を向上できる。
<易剥離剤>
上記中子用樹脂組成物は、易剥離剤を含んでいてもよい。
易剥離剤を含むことで、より容易に成形体から中子用樹脂を除去することができる。
上記易剥離剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル系化合物を用いることができる。
上記グリセリン脂肪酸エステル系化合物としては、例えば、モノグリセリドステアリン酸エステル、モノグリセリドオレイン酸エステル、ジグリセリドラウリン酸エステル等が挙げられる。
上記中子用樹脂組成物における上記易剥離剤の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、2質量%以下が好ましい。上記範囲とすることで、得られる成形体内部の表面平滑性を充分に高めることができる。
上記易剥離剤の含有量は、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、1.6質量%以下がより好ましく、1.1質量%以下が更に好ましい。
<可塑剤>
上記中子用樹脂組成物は、本発明を実現する範囲であれば可塑剤を含んでいてもよい。
可塑剤を含むことで、成形性を高めることができる。
上記可塑剤としては、例えば、多価アルコールが挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
上記中子用樹脂組成物のMFRを上述する範囲に制御しやすくするという観点からは、上記可塑剤を含まないことが好ましい。
上記中子用樹脂組成物における上記可塑剤の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、10質量%以下が好ましい。上記範囲とすることで良好な押出、射出成型性と良好な水溶性とすることができる。
上記可塑剤の含有量は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
<その他>
上記中子用樹脂組成物は、その他、酸化防止剤、着色剤、消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の添加剤を含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤等、公知の酸化防止剤を使用することができる。また、一分子内にフェノール系官能基とリン系官能基を併せ持つ酸化防止剤を使用することもできる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,4-ジ-t-アミル-6-(1-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどのアクリレート系化合物、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(6-t-ブチル-m-クレゾール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メタン、3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、又はトリエチレングリコールビス(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物、6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-2,4-ビス-オクチルチオ-1,3,5-トリアジン、6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルアニリノ)-2,4-ビス-オクチルチオ-1,3,5-トリアジン、6-(4-ヒドロキシ-3-メチル-5-t-ブチルアニリノ)-2,4-ビス-オクチルチオ-1,3,5-トリアジン、又は2-オクチルチオ-4,6-ビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-オキシアニリノ)-1,3,5-トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物などが挙げられる。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2-t-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、10-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、又は10-デシロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレンなどのモノホスファイト系化合物、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェニル-ジ-トリデシルホスファイト)、4,4’-イソプロピリデン-ビス(フェニル-ジ-アルキル(C12~C15)ホスファイト)4,4’-イソプロピリデン-ビス(ジフェニルモノアルキル(C12~C15)ホスファイト)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ジ-トリデシルホスファイト-5-t-ブチルフェニル)ブタン、又はテトラキス(2,4-ジ-tブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンホスファイトなどのジホスファイト系化合物などが挙げられる。
一分子内にフェノール系官能基とリン系官能基を併せ持つ酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えばフェノール骨格を有する亜リン酸エステル系化合物が挙げられる。具体的には、6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10-ジメチル-4,8-ジ-t-ブチル-6-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロポキシ]-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,4,8,10-テトラ-t-ペンチル-6-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロポキシ]-12-メチル-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10-ジメチル-4,8-ジ-t-ブチル-6-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10-テトラ-t-ペンチル-6-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-12-メチル-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10-ジメチル-4,8-ジ-t-ブチル-6-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾイルオキシ)-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾイルオキシ)-12-メチル-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10-ジメチル-4,8-ジ-t-ブチル-6[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロポキシ]-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10-ジ-t-ペンチル-4,8-ジ-t-ブチル-6[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロポキシ]-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-[2,2-ジメチル-3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンなどが挙げられる。
上記中子用樹脂組成物における上記酸化防止剤の含有量は、0.2質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.7質量%以上が更に好ましく、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1.2質量%以下が更に好ましい。
上記中子用樹脂組成物は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、粒子フィラー、その他易剥離剤、可塑剤、酸化防止剤等、必要に応じて添加される添加剤を混合することで得ることができる。
上記各成分を混合する方法は特に限定されないが、例えば、公知の混錬装置により混合する方法、押出成形機を用いる方法等が挙げられる。また、射出成形機のシリンダー内で混合する方法を用いてもよい。
上記中子用樹脂組成物の形状は特に限定されず、例えば、ペレット状、粉末状等であってもよい。
上記中子用樹脂組成物を成形することで中子を作製することができる。
上記中子用樹脂組成物を用いてなる中子も本発明の1つである。
上記成形方法は特に限定されないが、例えば、射出成形等が挙げられる。
上記中子は、成形体を製造するために用いることができる。
上記中子とともに成形され複合体を形成する材料は特に限定されないが、上記中子用樹脂組成物は特に耐熱性に優れることから、高温で成形されるスーパーエンプラを材料として用いた場合でも、変形を防止することが可能となる。
上記スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)などのフッ素樹脂等の耐熱性の高いプラスチック類が挙げられる。
上記スーパーエンプラを用いることで、耐熱性、耐久性、機械的強度に優れ得た成形体を得ることができる。
上記複合体から中子を除去することで中空部を有する成形体を得ることができる。
上記中子を除去する方法としては、例えば、水や温水に複合体を浸漬する方法が挙げられる。
上記成形体の形状は、ストレート形状でもよく、L字状、S字状、T字状等、様々な形状とすることができる。例えば、L字状、S字状等の成形体は継手として用いることができる。
上記中空部を有する成形体としては、例えば、車載配管用継手、電子機器筐体等が挙げられる。
本発明によれば、高い耐熱性を発揮し、スーパーエンジニアリングプラスチックの成形条件においても変形しない中子を製造することが可能な中子用樹脂組成物を提供することができる。また、該中子用樹脂組成物を用いてなる中子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1)
[PVA1(ケン化度98.4モル%、重量平均分子量15000)]
温度計、攪拌機及び冷却管を備えた反応器内に、酢酸ビニルモノマー2000重量部及びメタノール200重量部を加え、窒素ガスを30分間吹き込んで窒素置換した後、反応器を60℃にて30分間加熱した。次いで、重合開始剤である2,2’-アゾビスイソブチロニトリル456.5重量部を添加した後、60℃にて4時間反応させた。反応時間終了後、反応液を冷却した。冷却後にH-NMR測定によって重合率を測定したところ、重合率は99%であった。次いで、減圧下で、残留する酢酸ビニルモノマーをメタノールとともに除去する操作を、メタノールを追加しながら行い、ポリ酢酸ビニル50重量%を含むメタノール溶液を得た。このメタノール溶液に、酢酸ビニルに対して0.07モル%の水酸化ナトリウム量となるように水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加え、40℃でケン化を行った。得られた固形分を粉砕し、メタノールによる洗浄を行った後、乾燥することによりPVA1を得た。得られたPVA1のケン化度をJIS K6726に準拠した方法により測定した。また、ポリビニルアルコール樹脂の重量平均分子量は、カラムとしてLF-804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算による重量平均分子量を測定することにより求めた。その結果、ケン化度及び重量平均分子量はそれぞれ98.4モル%及び15000であった。得られたポリビニルアルコール樹脂の4質量%水溶液粘度はJIS K6276 3.11.1 回転粘度計法に準拠した方法により回転粘度計(東機産業社製「TVB-10」)を用いて測定し、3.5mPa・sであった。
(合成例2)
[PVA2(ケン化度88.0モル%、重量平均分子量30000)]
2,2’-アゾビスイソブチロニトリルの添加量を4.2重量部に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液の添加量を酢酸ビニルに対して0.02モル%の水酸化ナトリウム量となるように変更した以外は合成例1と同様の操作を行うことにより、ケン化度及び重量平均分子量、4質量%水溶液粘度がそれぞれ88.0モル%及び30000、5.3mPa・sであるPVA2を得た。
(合成例3)
[PVA3(ケン化度98.4モル%、重量平均分子量22000)]
2,2’-アゾビスイソブチロニトリルの添加量を22.9重量部に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液の添加量を酢酸ビニルに対して0.07モル%の水酸化ナトリウム量となるように変更した以外は合成例1と同様の操作を行うことにより、ケン化度及び重量平均分子量、4質量%水溶液粘度がそれぞれ98.4モル%及び22000、6.9mPa・sであるPVA3を得た。
ポリビニルアルコール樹脂以外の粒子フィラー、酸化防止剤、可塑剤、易剥離剤としては以下のものを使用した。
酸化チタン1:石原産業社製 TTO-51(A)、平均粒子径20nm、密度3.7g/cm
酸化チタン2:石原産業社製 PF-690、平均粒子径210nm、密度4.0g/cm
カーボンブラック1:東海カーボン社製 TOKABLACK #5500、平均粒子径25nm、密度1.9g/cm
カーボンブラック2:東海カーボン社製 seast TA、平均粒子径122nm、密度1.9g/cm
酸化防止剤:住友化学社製、スミライザーGP
可塑剤:坂本薬品工業社製、ジグリセリンS(化学品名:ジグリセリン、分子量166.17)
易剥離剤:モノグリセリドステアリン酸エステル、花王社製 エレクトロストリッパー TS-5
なお、粒子フィラーの平均粒子径はカタログ値より引用した。また、密度については、島津製作所社製アキュピックII1345にて測定した。
(実施例1)
ポリビニルアルコール樹脂、粒子フィラー及び酸化防止剤を表1に示す配合となるように混合し、東芝機械社製加工装置「TEM26SX」を用いて190℃~210℃の押出温度でペレタイズ加工を施し、中子用樹脂組成物のペレットを得た。
(実施例2~6)
ポリビニルアルコール樹脂、粒子フィラー、酸化防止剤及び易剥離剤を表1に示す配合となるように混合し、実施例1と同様にして中子用樹脂組成物のペレットを得た。
(比較例1~2)
粒子フィラーを添加せず、表1の配合となるようにポリビニルアルコール樹脂、酸化防止剤を混合した以外は実施例1と同様にして中子用樹脂組成物のペレットを得た。
(比較例3~6)
ポリビニルアルコール樹脂、粒子フィラー、酸化防止剤及び可塑剤を表1に示す配合となるように混合し、実施例1と同様にして中子用樹脂組成物のペレットを得た。
(評価方法)
得られた中子用樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果を表1に示した。
(1)中子用樹脂組成物単位質量当たりの粒子フィラーの総表面積(m/g)
以下の式(1)に基づいて、中子用樹脂組成物単位質量当たりの粒子フィラーの総表面積を算出した。
A:中子用樹脂組成物単位質量当たりの粒子フィラーの総表面積(m/g)
B:粒子フィラーの平均粒子径(m)
D:中子用樹脂組成物中の粒子フィラーの含有量(質量%)
E:粒子フィラーの密度(g/m
(2)メルトフローレート(MFR)
メルトインデックステスター No120-FWP(安田精機製作所社製)を用いて、ASTM D 1238に準拠した方法により、中子用樹脂組成物の初期重量7.5g、230℃、荷重10kg、測定の時間間隔は0.25分の条件で中子用樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)を測定した。
(3)耐熱性
直径10mmのSUS304鋼球を300℃に加熱し、常温(20℃)とした板状とした樹脂組成物上に1分間乗せた際に陥没してできた凹みの直径(mm)を測定し、2mm未満を「◎」、2mm以上3mm未満を「〇」、3mm以上を「×」として評価した。
本発明によれば、高い耐熱性を発揮し、スーパーエンジニアリングプラスチックの成形条件においても変形しない中子を製造することが可能な中子用樹脂組成物を提供することができる。また、該中子用樹脂組成物を用いてなる中子を提供することができる。

Claims (11)

  1. ポリビニルアルコール樹脂を含み、
    230℃、10kg荷重条件下におけるメルトフローレート(MFR)が15.7g/10min以下である、中子用樹脂組成物。
  2. 前記ポリビニルアルコール樹脂は、重量平均分子量(Mw)が200000以下、ケン化度が72%以上99.8%以下である、請求項1に記載の中子用樹脂組成物。
  3. 前記ポリビニルアルコール樹脂は、4質量%水溶液粘度が30mPa・s以下である、請求項1又は2に記載の中子用樹脂組成物。
  4. 更に粒子フィラーを含有し、下記式(1)で算出される中子用樹脂組成物単位質量当たりの前記粒子フィラーの総表面積が10m/g以上である、請求項1又は2に記載の中子用樹脂組成物。
    A:中子用樹脂組成物単位質量当たりの粒子フィラーの総表面積(m/g)
    B:粒子フィラーの平均粒子径(m)
    D:中子用樹脂組成物中の粒子フィラーの含有量(質量%)
    E:粒子フィラーの密度(g/m
  5. 前記粒子フィラーの平均粒子径が1nm以上100nm以下である、請求項4に記載の中子用樹脂組成物。
  6. 前記粒子フィラーの含有量が5質量%以上70質量%以下である、請求項4に記載の中子用樹脂組成物。
  7. 易剥離剤を0.1質量%以上2質量%以下含有する、請求項1又は2に記載の中子用樹脂組成物。
  8. 前記易剥離剤がグリセリン脂肪酸エステル系化合物である、請求項7に記載の中子用樹脂組成物。
  9. 前記グリセリン脂肪酸エステル系化合物が、モノグリセリドステアリン酸エステル、モノグリセリドオレイン酸エステル及びジグリセリドラウリン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の中子用樹脂組成物。
  10. ペレット状である、請求項1又は2に記載の中子用樹脂組成物。
  11. 請求項1又は2に記載の中子用樹脂組成物を用いてなる中子。
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