JP7846866B2 - 洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗大便器装置 - Google Patents

洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗大便器装置

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Description

本発明は、洗浄水タンク装置に関し、特に、水洗大便器本体に洗浄水を供給するための洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗大便器装置に関する。
米国特許出願公開第2011/0231988号公報(特許文献1)には、断面積を減じた弁座を有する排水弁が記載されている。この排水弁においては、洗浄水タンクの底部に設けた排水弁のシート面から、排水弁の弁体を引き上げることにより、タンク内の洗浄水を排水通路に流入させ、水洗大便器本体に洗浄水を供給している。
米国特許出願公開第2011/0231988号公報
しかしながら、特許文献1記載の排水弁においては、シート面から排水弁の弁体が引き上げられると、洗浄水タンク内の洗浄水がシート面の中心に向かって一気に流れ込む。この結果、洗浄水タンクから流出する洗浄水の流れが排水通路の内壁面から剥離してしまい、洗浄水タンク内の洗浄水が水洗大便器本体に円滑に流入せず、水洗大便器本体に供給する洗浄水の瞬間流量が低下してしまうという問題がある。
従って、本発明は、排水弁を開弁させた直後における水洗大便器本体に供給する洗浄水の瞬間流量の低下を抑制することができる洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗大便器装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、水洗大便器本体に洗浄水を供給するための洗浄水タンク装置であって、洗浄水を貯留する洗浄水タンク本体と、この洗浄水タンク本体の底面から下方に延びるように形成された排水通路と、この排水通路の入口部を取り囲むように設けられた環状のシート面と、このシート面に着座し、離座することによって、洗浄水タンク本体から洗浄水を排出させ、停止させる排水弁と、を有し、洗浄水タンク本体の底部には、洗浄水タンク本体内において、排水通路の中心に向かう洗浄水の流速を低下させる流れ誘導部が設けられていることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、洗浄水タンク本体の底部に、洗浄水タンク本体内で排水通路の中心に向かう洗浄水の流速を低下させる流れ誘導部が設けられているので、排水通路の中心に向かう洗浄水の流速の水平方向成分が低下する。この結果、洗浄水タンク本体から流出する洗浄水が、シート面の内側に設けられた排水通路の内壁面に沿って流れやすくなり、洗浄水の流れが排水通路の内壁面から剥離するのを抑制することができる。これにより、洗浄水タンク本体から流出する洗浄水の瞬間流量を高くすることができ、水洗大便器本体の洗浄性能を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、流れ誘導部は、シート面を取り囲むように、シート面の外側に設けられた包囲壁面である。
このように構成された本発明によれば、流れ誘導部が、シート面を取り囲むようにシート面の外側に設けられた包囲壁面から構成されているので、シート面の中心に向かう洗浄水は包囲壁面を乗り越えるように流れ、シート面の中心に向かう洗浄水の流速の水平方向成分を低下させることができる。
本発明において、好ましくは、流れ誘導部は、その上端が、鉛直断面において、排水通路の入口部における接線よりも上方に位置する。
このように構成された本発明によれば、流れ誘導部の上端が、鉛直断面における排水通路の入口部の接線よりも上方に位置するので、シート面の中心に向かう洗浄水は、より高い流れ誘導部を乗り越える必要があり、シート面の中心に向かう流速の水平方向成分を十分に低下させることができる。
本発明において、好ましくは、排水弁はシート面から上方に引き上げられるように構成され、排水弁が最高に引き上げられた状態において、包囲壁面の上端から排水弁までの鉛直方向距離は、シート面から排水弁までの鉛直方向距離の半分以上である。
このように構成された本発明によれば、排水弁が最高に引き上げられた状態において、包囲壁面の上端から排水弁までの鉛直方向距離が、シート面から排水弁までの鉛直方向距離の半分以上であるため、包囲壁面の上端と排水弁の間に、洗浄水の十分な流路断面積を確保することができる。このため、包囲壁面を設けたことによる瞬間流量の低下を回避することができる。
本発明において、好ましくは、シート面を取り囲む包囲壁面は、その一部が切り欠かれている。
このように構成された本発明によれば、シート面を取り囲む包囲壁面は、その一部が切り欠かれている。このため切り欠きの部分では流速の比較的大きな水平方向成分が維持され、切欠の大きさによりシート面の中心に向かう流速の水平方向成分を調整することができる。
本発明において、好ましくは、流れ誘導部は、これを構成する包囲壁面の一部が、洗浄水タンク本体を構成する壁面と一体にされている。
このように構成された本発明によれば、流れ誘導部を構成する包囲壁面の一部が、洗浄水タンク本体を構成する壁面と一体にされているので、シート面が洗浄水タンク本体の壁面近傍に設けられている洗浄水タンク装置にも本発明を適用することができる。
また、本発明は、洗浄水により洗浄される水洗大便器装置であって、水洗大便器本体と、この水洗大便器本体に洗浄水を供給するように、水洗大便器本体の後部に設けられた本発明の洗浄水タンク装置と、を有することを特徴としている。
本発明の洗浄水タンク装置によれば、排水弁を開弁させた直後における水洗大便器本体に供給する洗浄水の瞬間流量の低下を抑制することができる。
本発明の実施形態による水洗大便器装置を示す平面図である。 本発明の実施形態による水洗大便器装置において、図1のII-II線に沿う側面断面図である。 本発明の実施形態による水洗大便器装置において、水洗大便器本体と洗浄水タンク本体の接続部分を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態による洗浄水タンク装置に備えられている洗浄水タンク本体の、排水口の部分を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態による洗浄水タンク装置に備えられている洗浄水タンク本体の上面図である。 比較例による洗浄水タンク本体の上面図である。 本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の、変形例による洗浄水タンク本体の上面図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置、及びこれを備えた水洗大便器装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態による水洗大便器装置を示す平面図である。図2は、図1のII-II線に沿う側面断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態による水洗大便器装置1は、サイホンジェット式の水洗便器であり、陶器製の水洗大便器本体2と、この水洗大便器本体2の上面に配置された樹脂製の便座及び便蓋(図示せず)と、水洗大便器本体2の後方上部に配置され、樹脂製のカバー(図示せず)に覆われた洗浄水タンク装置4と、を備えている。
水洗大便器本体2には、汚物を受けるボウル部6と、ボウル部6の底部に設けられサイホン作用により汚物を排出するための排水トラップ管路8と、リム吐水を行うリム吐水口10と、リム吐水口に洗浄水を導くためのリム導水路12と、ジェット吐水を行うジェット吐水口14と、ジェット吐水口14に洗浄水を導くためのジェット導水路16と、が形成されている。
ボウル部6は、ボウル状の汚物受け面18と、ボウル部6の上縁部に沿って形成されたリム部20と、これらの汚物受け面18とリム部20との間に形成された棚部21と、を備えている。また、ボウル部6は、汚物受け面18の下方の領域に形成されて排水トラップ管路8に接続されるツボ部22を備えている。このツボ部22の内部には、封水面Wが形成されている。
排水トラップ管路8は、入口部8aと、入口部8aから上方へ延びる上昇管路8bと、この上昇管路8bから下方へ延びる下降管路8cと、この下降管路8cと上昇管路8bとの間に位置して封水水位を規定する頂部8dと、を備えている。
ここで、排水トラップ管路8の下降管路8cの下端は、排水ソケット(図示せず)を介して排水管(図示せず)に接続されている。
リム吐水口10は、水洗大便器本体2を前方から見て、リム部20の左側後方に形成されている。リム吐水口10は、洗浄水を前方に向かって吐水し、この洗浄水が汚物受け面18へ流下しながらリム部20の内周面及び棚部21の棚面上を旋回するようになっている。
リム導水路12は、リム吐水口10に向かって流路断面が徐々に小さくなる先細り形状に形成されている。リム導水路12には、水道から洗浄水タンク装置4を介して洗浄水が供給され、水道の給水圧力によりリム吐水口10から洗浄水が吐水されるようになっている。
ジェット吐水口14は、ボウル部6の底部に形成されている。ジェット吐水口14は、排水トラップ管路8の入口部8aに対向して配置され、排水トラップ管路8の入口部8aに向けられている。ジェット吐水口14は、洗浄水を排水トラップ管路8の入口部8aに向かって吐水し、この洗浄水が排水トラップ管路8内に流入してサイホン作用を起動するようになっている。
ジェット導水路16は、洗浄水タンク装置4から前方へ延びる上流側流路16aと、この上流側流路から屈曲する屈曲流路16bと、この屈曲流路から後方へ延びてジェット吐水口14と接続する下流側流路16cと、を備えている。ジェット導水路16には、洗浄水タンク装置4の洗浄水タンク本体26から洗浄水が供給され、洗浄水のヘッド圧によりジェット吐水口14から洗浄水が吐水されるようになっている。このように、本実施形態においては、リム吐水口10から吐出される洗浄水は水道から直接供給され、ジェット吐水口14から吐出される洗浄水は洗浄水タンク本体26から供給されている。しかしながら、変形例として、吐出される洗浄水の全量が洗浄水タンクから供給される水洗大便器装置に本発明を適用することもできる。
次に、図3乃至図5を新たに参照して、本発明の実施形態の洗浄水タンク装置4の構成を説明する。
図3は、本実施形態の水洗大便器装置1における水洗大便器本体2と洗浄水タンク本体26の接続部分を拡大して示す断面図である。図4は、本実施形態の洗浄水タンク装置4に備えられている洗浄水タンク本体26の、排水口の部分を拡大して示す断面図である。また、図5は、本実施形態の洗浄水タンク装置4に備えられている洗浄水タンク本体26の上面図である。
図1及び図2に示すように、洗浄水タンク装置4は、水道からの洗浄水の供給、停止を行うバルブユニット24と、バルブユニット24を介して供給された洗浄水を貯留する樹脂製の洗浄水タンク本体26と、及び洗浄水タンク本体26から洗浄水を排出させ、停止させる排水弁28と、を有する。
バルブユニット24は、タンク給水用電磁弁24a、リム吐水用電磁弁24b等を有し、上水道から供給された水道水の洗浄水タンク本体26内への給水、停止、及び水道水のリム吐水口10からの吐出、停止を制御するように構成されている。
図3に示すように、洗浄水タンク本体26は、水洗大便器本体を洗浄するための洗浄水を貯留するように構成され、ベースプレート30を介して水洗大便器本体2に固定されている。また、洗浄水タンク本体26の内部には、排水弁28及び排水弁駆動機構32が配置されている。排水弁駆動機構32により排水弁28を吊り上げることにより、排水弁28が開弁され、洗浄水タンク本体26から洗浄水が排出される。洗浄水タンク本体26から排出された洗浄水は、水洗大便器本体2の後部上面に設けられた流入口2aを通って、水洗大便器本体2の内部に設けられたジェット導水路16に流入する。
本実施形態において、洗浄水タンク本体26は、約2リットルの容積を有する小型の樹脂製のタンクである。図2に示すように、洗浄水タンク本体26の下部は、水洗大便器本体2のリム部20の上面よりも下方、且つ、排水トラップ管路8の頂部8dよりも上方に配置されている。これにより、水洗大便器装置1は、ローシルエットタイプの便器になっている。また、本実施形態においては、洗浄水タンク本体26内の洗浄水は、重力によりジェット吐水口14から吐出される。
図3に示すように、洗浄水タンク本体26の底面には、下方に向けて突出する円環状の突出部26aが設けられており、この円環状の突出部26aの内側が、洗浄水タンク本体26の底面から下方に延びるように形成された排水通路26bを構成している。そして、この排水通路26bの下端の円形の開口が、洗浄水タンク本体26の排水口として機能する。この排水口の直径は、ベースプレート30に形成された排水開口30aの直径と略同一に形成されており、排水通路26bと排水開口30aは滑らかに連なっている。そして、突出部26aの外周面には溝26cが形成されており、この溝26cに円環状のOリング34が嵌め込まれている。
一方、ベースプレート30の底面には、排水開口30aを取り囲むように、下方に向けて突出する円筒部30bが設けられている。また、ベースプレート30底面の上側の面には、排水開口30aを取り囲むように、円環状の上面凹部30cが形成されている。一方、ベースプレート30底面の下側の面には、円筒部30bを取り囲むように、円環状の下面凹部30dが形成されている。
さらに、ベースプレート30の上面に形成された上面凹部30cの中には、洗浄水タンク本体26の底面から突出する突出部26aが受け入れられている。このように、ベースプレート30の上面凹部30cに、洗浄水タンク本体26の突出部26aを嵌め込むことにより、突出部26aの外周に配置されたOリング34が、排水通路26bの半径方向に押し潰され、洗浄水タンク本体26とベースプレート30の間がシールされる。
一方、ベースプレート30の下面に形成された円環状の下面凹部30dの中には、パッキン36が配置されている。パッキン36は、全体として円環状に構成されており、下面凹部30dの内周に形成された円筒部30bの周囲に嵌め込まれ、下面凹部30dの中に受け入れられている。ベースプレート30は、複数のボルト38(図3には1本のみ図示)により、水洗大便器本体2の後部上面に固定される。
これにより、ベースプレート30の下面の下面凹部30dに配置されたパッキン36が、ベースプレート30と水洗大便器本体2の間で圧縮される。即ち、洗浄水タンク本体26がベースプレート30を介して水洗大便器本体2に固定された状態においては、パッキン36は、ベースプレート30の下面凹部30dと、水洗大便器本体2上面の流入口2aの周縁部の間に挟まれて、押し潰されている。これにより、ベースプレート30と水洗大便器本体2の間の水密性が確保される。
次に、図4に示すように、排水通路26bは、洗浄水タンク本体26の底面から下方に延びるように形成された通路であり、円形断面を有し、下方に向けて流路断面積が狭くなるように構成されている。また、排水通路26bの内壁面は、図4に示す鉛直断面において、上方に向けて凸状に湾曲されている。さらに、排水通路26b上端の入口部には、これを取り囲むように、環状のシート面26d(図5)が設けられている。シート面26dは幅の狭い円環状の面であり、このシート面26dに排水弁28が着座し、離座することによって洗浄水タンク本体26の排水口が開閉され、洗浄水が排出、停止される。
即ち、水洗大便器本体2のボウル部6を洗浄する際、排水弁28は、図4に破線で示す閉弁位置P1から一点鎖線で示す開弁位置P2まで、排水弁駆動機構32(図3)により吊り上げられる。排水弁28が閉弁位置P1にあり、シート面26dに着座した状態では、洗浄水タンク本体26からの洗浄水の排出が停止される。そして、排水弁28が開弁位置P2に移動され、シート面26dから離座すると、洗浄水タンク本体26からの洗浄水が排出される。
さらに、図4及び図5に示すように、洗浄水タンク本体26の底部には、シート面26dの周囲を取り囲むように、流れ誘導部40が設けられている。この流れ誘導部40は、シート面26dを取り囲むように、シート面26dの外側で鉛直に立ち上がるように設けられた包囲壁面であり、円形のシート面26dと同心円状に形成されている。このように、流れ誘導部40を設けることにより、洗浄水タンク本体26内において、排水通路26bの中心Cに向かう洗浄水の流速が低下される。
また、図4に示すように、流れ誘導部40を構成する包囲壁面は、その上端が、排水通路26b上端の入口部において排水通路26bの内壁面に接する接線L1よりも上方に位置するように構成されている。流れ誘導部40をこのように構成することにより、洗浄水タンク本体26の底面近傍において排水通路26bの中心Cに向かって流れる洗浄水が、流れ誘導部40に当たって一旦上方へ向かうため、排水通路26bの中心Cに向かう洗浄水の速度成分が低下する。
さらに、本実施形態においては、流れ誘導部40を構成する包囲壁面が、円周上の4箇所で切り欠かれている。即ち、図5に示すように、流れ誘導部40には、円周上の4箇所に、切欠部40aが等間隔に設けられており、その部分では包囲壁面の高さが低くされている。このように、切欠部40aが設けられている部分では、排水口の周囲から排水通路26bの中心Cに向かう洗浄水の速度成分は殆ど低下されることはない。このため、流れ誘導部40に設ける切欠部40aの個数及び大きさによって、排水通路26bの中心Cに向かう平均的な速度成分の大きさを調整することができる。
また、図4に一点鎖線で示すように、排水弁28が最高の高さである開弁位置P2まで引き上げられた状態において、包囲壁面である流れ誘導部40の上端から排水弁28の下面までの鉛直方向距離D1は、シート面26dから排水弁28の下面までの鉛直方向距離D2の半分以上である。このように、流れ誘導部40の上端から排水弁28までの距離を設定しておくことにより、シート面26dの周囲に流れ誘導部40を設けながら、流れ誘導部40と排水弁28の間に十分な流路断面積を確保することができる。
次に、本発明の実施形態による水洗大便器装置1の作用を説明する。
まず、使用者が水洗大便器装置1の洗浄操作を行うと、水洗大便器装置1に備えられたコントローラ(図示せず)がバルブユニット24のリム吐水用電磁弁24b(図1)に制御信号を送り、これを開弁させる。これにより、水道から供給された洗浄水は、リム吐水用電磁弁24b、リム導水路12を通ってリム吐水口10から吐出される。リム吐水口10から吐出された洗浄水は、ボウル部6の汚物受け面18上に旋回流を形成し、汚物受け面18を洗浄する。
リム吐水用電磁弁24bを開弁させた後、所定時間経過すると、コントローラ(図示せず)は、排水弁駆動機構32(図3)に制御信号を送り、排水弁駆動機構32に備えられているモータ(図示せず)を作動させ、排水弁28を洗浄水タンク本体26のシート面26dから引き上げる。これにより、排水弁28が開弁され、洗浄水タンク本体26内に貯留されていた洗浄水が、洗浄水タンク本体26の排水通路26bを通って水洗大便器本体2の流入口2a(図3)に流入し、ジェット導水路16を通ってジェット吐水口14から吐出される。ジェット吐水口14からの吐水により、排水トラップ管路8内でサイホン現象が誘発され、ボウル部6内の洗浄水及び汚物が、排水トラップ管路8を通って排出される。
ここで、排水弁28が洗浄水タンク本体26のシート面26dから引き上げられると、洗浄水タンク本体26内の洗浄水は、一気に排水通路26b(排水口)の中心Cに向かって流れ始める。即ち、排水弁28が引き上げられた瞬間に、洗浄水タンク本体26内の洗浄水は、排水弁28の底面とシート面26dの間の隙間から、排水通路26bの中心Cに向かった後、下方に向けて排水通路26bの中で落下する。
この際、環状のシート面26dの周囲には、これを取り囲むように流れ誘導部40が設けられているので、排水通路26bの中心Cに向かう流れは、図4に矢印F1で示すように、流れ誘導部40を乗り越えるように、一旦、上方に向けられた後、下方に向かって排水通路26bに流入する。そして、流れ誘導部40を乗り越えて排水通路26bの中に流入する洗浄水の流れF1は、排水通路26bの内壁面に沿うように落下する。これにより、排水弁28がシート面26dから引き上げられた瞬間において、洗浄水タンク本体26内の洗浄水は、排水通路26b内に円滑に流入することができる。この結果、洗浄水タンク本体26からジェット導水路16に流入する洗浄水の瞬間流量を大きくすることができる。
これに対して、図6に示す比較例の洗浄水タンク本体126ように、シート面126dの周囲に流れ誘導部40が設けられていない場合には、排水弁128がシート面126dから引き上げられた瞬間に、排水弁128の底面とシート面126dの間の隙間から、極めて高い流速で、洗浄水が排水通路126bの中心に向かって流入する。このため、排水弁128とシート面126dの間の隙間から流入した洗浄水は、図6に矢印F3で示すように、ほぼ水平方向に流れる。この結果、排水弁128がシート面126dから引き上げられた直後には、洗浄水が排水通路126bの内壁面に沿って流れず、有効な流路断面積が狭くなる。これにより、排水弁128が引き上げられた直後の瞬間流量が低下してしまう。換言すれば、流れ誘導部40が設けられていない場合には、洗浄水の流れの水平方向成分が大きくなり過ぎ、排水弁128が開弁された直後において、洗浄水の流れが排水通路126bの内壁面から剥離して、洗浄水の流れない領域Bが発生する。この結果、洗浄水タンク本体126から排水通路126bに流入する際の流路抵抗が増大し、瞬間流量が低下してしまうのである。
一方、図4に示す本実施形態の水洗大便器装置1では、排水弁28が開弁された際、排水通路26bの中心Cに向かう洗浄水の流れは、流れ誘導部40によって、一旦、上方に向けられるので、洗浄水の流れの水平方向成分が適度に低下される。このため、排水通路26bに流入する洗浄水の流れが排水通路26bの内壁面から剥離することがなく、洗浄水は排水通路26bの内壁面に沿って円滑に流れることができ、瞬間流量を大きくすることができる。
さらに、図4に示すように、本実施形態の水洗大便器装置1においては、洗浄水タンク本体26の底面に流れ誘導部40が設けられていると共に、この流れ誘導部40には切欠部40aが設けられている。この切欠部40aが設けられた部分では、図4に矢印F2で示すように、流れ誘導部40の周囲から排水通路26bの中心Cに向かう洗浄水の流れは、上方に向けられることなく、ほぼ水平方向に流れ誘導部40の内側に流入する。このため、切欠部40aを通過した洗浄水は、比較的高い流速で排水通路26bの中心Cに向かった後、流れ誘導部40を乗り越えた洗浄水と合流して、排水通路126bに流入する。
このように、流れ誘導部40に切欠部40aが設けられた部分では洗浄水の流速の水平方向成分が大きくなる一方、流れ誘導部40を乗り越えた部分では、洗浄水の流速の水平方向成分は小さくなる。このため、流れ誘導部40に設ける切欠部40aの大きさや個数により、排水通路26bの中心Cに向かう洗浄水の平均的な流速を調整することができる。本実施形態においては、排水通路126bの内壁面において剥離が発生しない範囲で、排水通路26bの中心Cに向かう洗浄水の流速ができるだけ高くなるように、流れ誘導部40に設ける切欠部40aの大きさ及び数が設定されている。
このように、排水弁28をシート面26dから引き上げ、ジェット吐水口14から洗浄水を吐出させた後、所定時間後に、コントローラ(図示せず)はリム吐水用電磁弁24bに制御信号を送って、これを閉弁させる。これにより、リム吐水口10からのリム吐水が停止され、1回の便器洗浄が終了する。
本発明の実施形態の水洗大便器装置1によれば、洗浄水タンク本体26の底部に、洗浄水タンク本体26内で排水通路26bの中心Cに向かう洗浄水の流速を低下させる流れ誘導部40が設けられているので、排水通路26bの中心Cに向かう洗浄水の流速の水平方向成分が低下する。この結果、洗浄水タンク本体26から流出する洗浄水が、シート面26dの内側に設けられた排水通路26bの内壁面に沿って流れやすくなり、洗浄水の流れが排水通路26bの内壁面から剥離するのを抑制することができる。これにより、洗浄水タンク本体26から流出する洗浄水の瞬間流量を高くすることができ、水洗大便器本体2の洗浄性能を向上させることができる。
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、流れ誘導部40が、シート面26dを取り囲むようにシート面26dの外側に設けられた包囲壁面から構成されているので、シート面26dの中心Cに向かう洗浄水は包囲壁面を乗り越えるように流れ、シート面26dの中心に向かう洗浄水の流速の水平方向成分を低下させることができる。
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、流れ誘導部40の上端が、鉛直断面における排水通路26bの入口部の接線L1(図4)よりも上方に位置するので、シート面26dの中心Cに向かう洗浄水は、より高い流れ誘導部40を乗り越える必要があり、シート面26dの中心Cに向かう流速の水平方向成分を十分に低下させることができる。
また、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、排水弁28が最高に引き上げられた状態において、包囲壁面(流れ誘導部40)の上端から排水弁28までの鉛直方向距離D1(図4)が、シート面26dから排水弁28までの鉛直方向距離D2の半分以上であるため、包囲壁面の上端と排水弁28の間に、洗浄水の十分な流路断面積を確保することができる。このため、包囲壁面を設けたことによる瞬間流量の低下を回避することができる。
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1によれば、シート面を取り囲む包囲壁面(流れ誘導部40)は、その一部が切り欠かれている(図4、図5)。このため切り欠きの部分(切欠部40a)では流速の比較的大きな水平方向成分が維持され、切欠の大きさによりシート面26dの中心に向かう流速の水平方向成分を調整することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。
例えば、上述した実施形態において、流れ誘導部を構成する包囲壁面は、洗浄水タンク本体の側壁面から離れて構成されていたが、図7に示すように、包囲壁面の一部を洗浄水タンク本体の側壁面と一体化することもできる。即ち、図7に示す変形例においては、洗浄水タンク本体50のシート面50aの周囲を取り囲むように、流れ誘導部として包囲壁面52が設けられている。この包囲壁面52は、円環状のシート面50aと同心円状に設けられていると共に、その一部が洗浄水タンク本体50の1つの側壁面50bと一体化されている。このように、包囲壁面52の一部が洗浄水タンク本体50の側壁面50bと一体化されている場合でも、包囲壁面52によって、シート面50aの中心Cに向かう流速の水平方向成分を低下させることができ、排水通路50cを流れる洗浄水の瞬間流量を高くすることができる。
1 水洗大便器装置
2 水洗大便器本体
2a 流入口
4 洗浄水タンク装置
6 ボウル部
8 排水トラップ管路
8a 入口部
8b 上昇管路
8c 下降管路
8d 頂部
10 リム吐水口
12 リム導水路
14 ジェット吐水口
16 ジェット導水路
16a 上流側流路
16b 屈曲流路
16c 下流側流路
18 汚物受け面
20 リム部
21 棚部
22 ツボ部
24 バルブユニット
24a タンク給水用電磁弁
24b リム吐水用電磁弁
26 洗浄水タンク本体
26a 突出部
26b 排水通路
26c 溝
26d シート面
28 排水弁
30 ベースプレート
30a 排水開口
30b 円筒部
30c 上面凹部
30d 下面凹部
32 排水弁駆動機構
34 Oリング
36 パッキン
38 ボルト
40 流れ誘導部(包囲壁面)
40a 切欠部
50 洗浄水タンク本体
50a シート面
50b 側壁面
50c 排水通路
52 包囲壁面
126 洗浄水タンク本体
126b 排水通路
126d シート面
128 排水弁

Claims (5)

  1. 水洗大便器本体に洗浄水を供給するための洗浄水タンク装置であって、
    洗浄水を貯留する洗浄水タンク本体と、
    この洗浄水タンク本体の底面から下方に延びるように形成された排水通路と、
    この排水通路の入口部を取り囲むように設けられた環状のシート面と、
    このシート面に着座し、離座することによって、上記洗浄水タンク本体から洗浄水を排出させ、停止させる排水弁と、
    を有し、
    上記洗浄水タンク本体の底部には、上記洗浄水タンク本体内において、上記排水通路の中心に向かう洗浄水の流速を低下させる流れ誘導部が設けられ
    上記流れ誘導部は、上記シート面を取り囲むように、上記シート面の外側に設けられた包囲壁面であり、その上端が、鉛直断面において、上記排水通路の入口部における接線よりも上方に位置することを特徴とする洗浄水タンク装置。
  2. 上記排水弁は上記シート面から上方に引き上げられるように構成され、上記排水弁が最高に引き上げられた状態において、上記包囲壁面の上端から上記排水弁までの鉛直方向距離は、上記シート面から上記排水弁までの鉛直方向距離の半分以上である請求項記載の洗浄水タンク装置。
  3. 上記シート面を取り囲む上記包囲壁面は、その一部が切り欠かれている請求項記載の洗浄水タンク装置。
  4. 上記流れ誘導部は、これを構成する包囲壁面の一部が、上記洗浄水タンク本体を構成する壁面と一体にされている請求項記載の洗浄水タンク装置。
  5. 洗浄水により洗浄される水洗大便器装置であって、
    水洗大便器本体と、
    この水洗大便器本体に洗浄水を供給するように、上記水洗大便器本体の後部に設けられた請求項1乃至の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置と、
    を有することを特徴とする水洗大便器装置。
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