JP7848016B2 - 藻類回収装置及び藻類回収方法 - Google Patents

藻類回収装置及び藻類回収方法

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本発明は、培養した微細藻及び培養液を回収する藻類回収装置及び藻類回収方法に関する。
従来、気候変動の緩和又は影響軽減を目的とした取り組みが継続され、この実現に向けて二酸化炭素の排出量低減に関する研究開発が行われている。微細藻を培養する培養装置は、気候変動の緩和又は影響軽減に寄与するものとして期待されている。
例えば、下記特許文献1に開示された培養システムでは、培養槽で使用した培養液をリサイクルするために、培養液をろ過するフィルタが開示されている。
特開2013-165735号公報
特許文献1の培養システムでは、培養液をフィルタにてろ過することにより、フィルタに目詰まりが発生する。特許文献1の培養システムでは、微細藻の効率的な回収に関して改善の余地がある。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
本発明の第1の態様は、培養した微細藻及び培養液を回収する藻類回収装置であって、培養槽から前記微細藻及び前記培養液を回収する回収配管と、前記回収配管を介して回収された前記微細藻及び前記培養液を貯留するタンクと、前記回収配管よりも下流側に設けられ、前記培養液をろ過するフィルタを有するろ過機構と、を備え、前記回収配管には、前記微細藻を沈降させる沈降部が形成される、藻類回収装置である。
本発明の第2の態様は、培養した微細藻及び培養液を回収する藻類回収方法であって、回収配管により、培養槽から前記微細藻及び前記培養液を回収し、前記回収配管に形成された沈降部にて前記微細藻を沈降させ、前記回収配管よりも下流側に設けられたフィルタにより前記培養液をろ過し、前記回収配管を介して回収された前記微細藻及び前記培養液をタンクに貯留する、藻類回収方法である。
本発明によれば、回収配管に設けられた沈降部で微細藻が沈降するため、沈降部の下流側に設けられたフィルタが微細藻によって目詰まりすることを抑制することができる。沈降部での微細藻の沈降と、フィルタでの培養液のろ過とを同時並行で行うことで、工程が集約されるため、微細藻を効率的に回収することができる。回収配管を通過した微細藻液(微細藻及び培養液)をろ過機構でさらにろ過して藻濃縮液を得るため、微細藻を効率的に回収することができる。
図1は、微細藻の培養、回収、濃縮の工程フロー図である。 図2は、本発明の実施形態に係る藻類回収装置の概略図である。
図1において、培養装置10は、水を含む培養液中の微細藻に対して、光と、ガスとを供給して、微細藻を培養する(培養工程S1)。詳細は図示しないが、培養装置10は、培養液及び微細藻を収容可能な培養槽を備える。培養液及び微細藻が収容された培養槽に、例えば、二酸化炭素ガス又は二酸化炭素含有ガス(例えば、空気)が供給される。これにより、培養装置10では、微細藻が光合成を行いながら増殖する。なお、培養液は水の他に、微細藻の培養に必要な栄養分(例えば、窒素、リン及びカリウムから選択される少なくとも1つ以上)を含むことが好ましい。ガスは、例えば、工場から排出される二酸化炭素ガスを含むことが好ましい。
培養装置10により培養可能な微細藻は特に限定されるものではない。培養した微細藻を用いて、例えば、エタノールのようなバイオ燃料を製造する場合には、緑藻綱(例えば、クラミドモナス及びクロレラ)、プラシノ藻綱、クリプト藻綱及び藍藻綱(例えば、スピルリナ)に分類される微細藻類を培養装置10により培養することが好ましい。培養装置10により培養する好適な微細藻の例としては、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)に寄託した、「HondaDREAMO株」(受託日2016年4月22日、受託番号FERM BP-22306)が挙げられる。
培養装置10は、微細藻の成長に必要な波長(例えば、400~700nm)の光を微細藻に照射可能な環境に設置される。このような環境として、例えば、太陽光を微細藻に照射可能な屋外が挙げられる。しかしながら、培養装置10は、例えば、太陽光を微細藻に照射可能な室内に設置されてもよい。また、培養装置10は、例えば、上記の波長の人工光を微細藻に照射可能な室内に設置されてもよい。
培養装置10にて培養された微細藻は、培養液とともに藻類回収装置12に送られる。以下、微細藻と培養液との混合物を「微細藻液ML」ともいう。藻類回収装置12は、培養した微細藻及び培養液を回収する。藻類回収装置12は、微細藻の回収沈降と、培養液のろ過とを行う(回収沈降・ろ過工程S2)。藻類回収装置12は、さらに、微細藻の濃縮を行う(藻濃縮工程S3)。ろ過された培養液は、所定の処理が施された後、培養装置10において再利用される。すなわち培養液はリサイクルされる。以下、藻類回収装置12の詳細について説明する。
図2に示すように、藻類回収装置12は、培養槽から微細藻液ML(微細藻及び培養液)を回収する回収配管14と、培養液をろ過するフィルタ32を有するろ過機構16と、回収配管14を介して回収された微細藻及び培養液を貯留するタンク18と、を備える。
回収配管14は、培養槽から微細藻液MLが導入される導入管部20と、下方に凸形状となるU字形状の沈降管部22とを有する。導入管部20の一端に、導入口201が形成されている。導入口201を介して導入管部20内に微細藻液ML(微細藻及び培養液)が流入する。導入管部20の他端(下流端)に、U字形状の沈降管部22の一端(上流端)が接続されている。導入管部20は、例えば、水平方向に延在する。
沈降管部22は、第1縦管221と、第1縦管221から連なる湾曲管222と、湾曲管222から連なる第2縦管223と、を有する。なお、沈降管部22は、第1縦管221、湾曲管222及び第2縦管223が切れ目なく連続して繋がった単一の配管部材であり得る。
第1縦管221の上端は、導入管部20の下流端に接続されている。第1縦管221は、鉛直方向に延在する。第1縦管221の下端(下流端)に湾曲管222の一端(上流端)が接続されている。湾曲管222は、沈降管部22の下部を構成している。湾曲管222は、湾曲管222の一端(上流端)から下方に向かい、湾曲管222の中間位置で上方に方向転換するように弧状に湾曲し、上方に向かって他端(下流端)へと至る形状に形成されている。
回収配管14には、微細藻液ML中の微細藻を沈降させる沈降部15が形成されている。沈降管部22のU字形状の下端に沈降部15が形成されている。すなわち、沈降部15は、沈降管部22内の底部における湾曲形状によって構成されている。沈降部15の最下端(回収配管14の最下端)に、排出口151が形成されている。排出口151に接続された出口管26に開閉弁28が配置されている。湾曲管222の他端に、第2縦管223の下端(上流端)が接続されている。
第2縦管223は、第1縦管221と平行に鉛直方向に延在する。第2縦管223の上端が、連結配管24を介してろ過機構16に接続されている。連結配管24は、例えば、図2に示すように上方に凸となるU字形状に形成されている。
ろ過機構16は、回収配管14よりも下流側に設けられる。回収配管14を通過した培養液がろ過機構16に流入する。ろ過機構16は、ハウジング30と、ハウジング30の内部に配置されたフィルタ32とを有する。ハウジング30の上端は、ろ過対象である微細藻液ML(沈降部15で沈降しなかった微細藻と、培養液)を取り込む流入口300を有する。ハウジング30の下端は、第1流出口301と第2流出口302とを有する。第1流出口301は、フィルタ32を通過しなかった液体(濃縮液)を排出する。第2流出口302は、フィルタ32を通過した液体(透過液)を排出する。第2流出口302には排出管34が接続されている。
フィルタ32は、培養液からタンパク質を除去する。フィルタ32として、例えば、ナノろ過膜(NF膜)が用いられる。フィルタ32は、ハウジング30内を第1室311と第2室312とに仕切るように配置される。第1室311は、被供給液側の空間である。第2室312は、透過液側の空間である。ろ過機構16は、被供給液がフィルタ32に平行に供給され、透過液がフィルタ32に直角方向に透過する。すなわち、ろ過機構16は、クロスフロー方式のろ過装置である。
タンク18は、沈降部15及びろ過機構16の下方に配置されている。タンク18の上部に回収配管14及びろ過機構16が固定されている。藻類回収装置12は、回収配管14、ろ過機構16及びタンク18が一体化された処理ユニットである。
沈降部15に沈降した微細藻、及びろ過機構16を通過した培養液は、タンク18に貯留される。具体的には、タンク18は、微細藻及び培養液を貯留可能な貯留部19を有する。沈降部15から排出された微細藻(藻濃縮液M1)が流れ落ちて、タンク18の貯留部19に貯留される。ろ過機構16の第1流出口301から排出された濃縮液(藻濃縮液M2)が流れ落ちて、タンク18の貯留部19に貯留される。タンク18の最下端には、排出口180が形成されている。排出口180に接続された排出管36に開閉弁38が配置されている。
藻類回収装置12は、以下のように動作する。
培養装置10(図1参照)から微細藻液ML(培養された微細藻、及び培養液)が、導入口201を介して回収配管14へと低流量且つ高圧で送液される。微細藻液MLの送液時の流量及び圧力は、沈降部15での微細藻の沈降と、ろ過機構16での培養液のろ過を良好に行えるように設定される。微細藻液MLは、例えば、数百kPa~数MPaの圧力で回収配管14に送液される。
微細藻液MLが回収配管14を流れる過程で、沈降特性を有する微細藻は、沈降部15にて沈降し、濃縮した微細藻(藻濃縮液M1)として蓄積する。沈降部15にてある程度の量の微細藻が蓄積した段階で、開閉弁28が開放される。藻濃縮液M1は、沈降部15の排出口151を介して沈降部15からタンク18へと移送される。
回収配管14を通過した微細藻液MLは、連結配管24を介してろ過機構16へと流入する。ろ過機構16では、培養液がフィルタ32を透過して第2室312に流入する。微細藻はフィルタ32を透過しない。フィルタ32を透過する過程で培養液からはタンパク質が除去される。タンパク質が除去された培養液(タンパク質除去液)は第2流出口302及び排出管34を介して藻類回収装置12の外部へと排出される。タンパク質除去液は、所定の処理が施された後に、培養液としてリサイクルされる(図1参照)。
ろ過機構16においてフィルタ32を透過しない微細藻液MLは、培養液を含む微細藻の濃縮液(藻濃縮液M2)となり、第1流出口301を介して排出され、タンク18に貯留される。
タンク18の貯留部19では、沈降部15から排出された藻濃縮液M1と、ろ過機構16から排出された藻濃縮液M2とが混ぜ合わされた液体(藻濃縮液M3)が貯留される。タンク18では、藻濃縮液M3がさらに濃縮されて、タンク18の下部に蓄積される。これにより、タンク18の下部では高濃度の藻濃縮液M4が得られる。高濃度の藻濃縮液M4が所定量蓄積した段階で、開閉弁38が開放される。藻濃縮液M4は、タンク18の下部に設けられた排出口180及び排出管36を介してタンク18の外部へと排出され、回収される。
本実施形態は、以下の効果を奏する。
回収配管14に設けられた沈降部15で微細藻が沈降するため、沈降部15の下流側に設けられたフィルタ32が微細藻によって目詰まりすることを抑制することができる。沈降部15での微細藻の沈降と、フィルタ32での培養液のろ過とを同時並行で行うことで、工程が集約されるため、微細藻を効率的に回収することができる。回収配管14を通過した微細藻液MLをろ過機構16でさらにろ過して藻濃縮液M2を得るため、微細藻を効率的に回収することができる。
沈降部15で微細藻を沈降させるとともに、回収配管14を通過した微細藻液MLをろ過機構16でさらにろ過してタンク18に貯留するため、高濃度の藻濃縮液M4を得ることができる。
回収配管14は、下方に凸形状となるU字形状の沈降管部22を有する。沈降管部22のU字形状の下端に沈降部15が形成される。U字形状の沈降管部22の下端に沈降部15が形成されるため、微細藻を良好に沈降させてフィルタ32の目詰まりを抑制することができる。
沈降部15に沈降した微細藻、及びろ過機構16を通過した培養液をタンク18に貯留するため、フィルタ32の目詰まりを抑制しつつ、ろ過した培養液と微細藻をタンク18にて沈降濃縮することができる。
フィルタ32は、培養液からタンパク質を除去するため、培養液をリサイクルすることができる。
本実施形態は、培養した微細藻を効率的に回収できるものであるため、気候変動の緩和又は影響軽減に寄与するものである。
上記の実施形態をまとめると、以下のようになる。
上記の実施形態は、培養した微細藻及び培養液を回収する藻類回収装置(12)であって、培養槽から前記微細藻及び前記培養液を回収する回収配管(14)と、前記回収配管を介して回収された前記微細藻及び前記培養液を貯留するタンク(18)と、前記回収配管よりも下流側に設けられ、前記培養液をろ過するフィルタ(32)を有するろ過機構(16)と、を備え、前記回収配管には、前記微細藻を沈降させる沈降部(15)が形成される、藻類回収装置を開示する。
前記回収配管は、下方に凸形状となるU字形状の沈降管部(22)を有し、前記沈降管部の前記U字形状の下端に前記沈降部が形成される。
前記沈降部及び前記ろ過機構の下方に前記タンクが配置され、前記沈降部に沈降した前記微細藻、及び前記ろ過機構を通過した前記培養液を前記タンクに貯留する。
前記フィルタは、前記培養液からタンパク質を除去する。
上記の実施形態は、培養した微細藻及び培養液を回収する藻類回収方法であって、回収配管(14)により、培養槽から前記微細藻及び前記培養液を回収し、前記回収配管に形成された沈降部(15)にて前記微細藻を沈降させ、前記回収配管よりも下流側に設けられたフィルタ(32)により前記培養液をろ過し、前記回収配管を介して回収された前記微細藻及び前記培養液をタンク(18)に貯留する、藻類回収方法を開示する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
12…藻類回収装置 14…回収配管
18…タンク 16…ろ過機構
15…沈降部 32…フィルタ

Claims (5)

  1. 培養した微細藻及び培養液を回収する藻類回収装置であって、
    培養槽から前記微細藻及び前記培養液を回収する回収配管と、
    前記回収配管を介して回収された前記微細藻及び前記培養液を貯留するタンクと、
    前記回収配管よりも下流側に設けられ、前記培養液をろ過するフィルタを有するろ過機構と、を備え、
    前記回収配管には、沈降特性を有する前記微細藻を沈降させる沈降部が形成され、
    前記沈降部に沈降した前記微細藻、及び前記ろ過機構を通過した前記培養液を前記タンクに貯留する、藻類回収装置。
  2. 請求項1記載の藻類回収装置において、
    前記回収配管は、下方に凸形状となるU字形状の沈降管部を有し、
    前記沈降管部の前記U字形状の下端に前記沈降部が形成される、藻類回収装置。
  3. 請求項1又は2記載の藻類回収装置において、
    前記沈降部及び前記ろ過機構の下方に前記タンクが配置される、藻類回収装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の藻類回収装置において、
    前記フィルタは、前記培養液からタンパク質を除去する、藻類回収装置。
  5. 培養した微細藻及び培養液を回収する藻類回収方法であって、
    回収配管により、培養槽から前記微細藻及び前記培養液を回収し、
    前記回収配管に形成された沈降部にて沈降特性を有する前記微細藻を沈降させ、
    前記回収配管よりも下流側に設けられたフィルタにより前記培養液をろ過し、
    前記回収配管を介して回収された前記微細藻及び前記培養液をタンクに貯留する、藻類回収方法。
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